説明

法面緑化工法

【課題】保水材が流失しにくく、かつ、植生基盤の内部に保水空間を十分に確保して、法面の緑化と強化を安定して図ることができる、特に、傾斜がきつい法面の場合においても、法面が崩壊するおそれのない、植生基盤保水材を添加した植生基盤材を用いる法面緑化工法を提供すること。
【解決手段】植生基盤材を法面9に吹き付けて植生基盤7を形成する法面緑化工法において、植生基盤7を形成する法面9に木質系の材料からなる筋工8を施した後、予め吸水量が3〜300ml/gの吸水膨潤性繊維を添加、混合した植生土壌材に、吸水量が3〜300ml/gの吸水性粒子及び水を添加、混合してなる植生基盤材を、法面9に吹き付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、法面緑化工法に関し、特に、植生基盤保水材を添加した植生基盤材を用いる法面緑化工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、護岸、山肌、造成地等の法面に種子を混入した植生基盤材を吹き付けて植生基盤を形成することにより、法面の緑化と強化を図る法面緑化工法が知られている。
【0003】
ところで、法面は一般に広大な面積であるとともに、水の便も悪いため、植生基盤を形成した後は、定期的な潅水を行うことが困難であり、種子の発芽及び生長に必要な水分は雨水に頼っていた。
【0004】
しかしながら、従来の植生基盤は、植生基盤が種子を保持することにより、流出防止効果や一定の乾燥防止効果は有するものの、それ自体での保水性は乏しく、このため、日射が強い夏期等において、降雨量が少なかったり、一時的には大量の降雨があるものの定期的な降雨のない植物にとって劣悪な環境下においては、種子の発芽及びその後の生長を促進し、法面の緑化と強化を図るという植生基盤の本来の目的を達成できないという問題があった。
また、従来の植生基盤は、降雨によって浸食を受けやすく、さらに、植生基盤は吹き付けによって圧密されることから、植生基盤の内部に保水空間が十分に確保されにくいという問題があった。
【0005】
一方、上記従来の植生基盤の有する問題点に対処するため、近年、保水材を添加した植生基盤材を用いる法面緑化工法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この種の法面緑化工法において、植生基盤材に添加する保水材には、吸水性粒子が用いられるが、降雨によって構築された植生基盤が浸食を受けること等によって、保水材である吸水性粒子が流失しやすく、植生基盤材は吹き付けによって圧密されることから、植生基盤の内部に保水空間が十分に確保されにくいことと相俟って、上記植生基盤の本来の目的を十分に達成できるものではなかった。
【0006】
そして、これらの問題は、特に、傾斜がきつい法面の場合に顕著に出現し、降雨によって構築された植生基盤が浸食を受けること等によって、法面が崩壊し、補修工事が必要となる等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−195880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の植生基盤の有する問題点に鑑み、保水材が流失しにくく、かつ、植生基盤の内部に保水空間を十分に確保して、法面の緑化と強化を安定して図ることができる、特に、傾斜がきつい法面の場合においても、法面が崩壊するおそれのない、植生基盤保水材を添加した植生基盤材を用いる法面緑化工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の法面緑化工法は、植生基盤材を法面に吹き付けて植生基盤を形成する法面緑化工法において、植生基盤を形成する法面に木質系の材料からなる筋工を施した後、予め吸水量が3〜300ml/gの吸水膨潤性繊維を添加、混合した植生土壌材に、吸水量が3〜300ml/gの吸水性粒子及び水を添加、混合してなる植生基盤材を、法面に吹き付けることを特徴とする。
ここで、「筋工」とは、法面が浸食を受けることを防止するために法面の表面に略水平方向に施工され、雨水の流れを分散させる構造物を意味する。
【0010】
この場合において、吸水膨潤性繊維に、親水性架橋重合体からなる外部層とアクリロニトリル系重合体及び/又は他の重合体からなる内層部とで構成されたものを用いることができる。
【0011】
また、吸水性粒子に、酸性基及び架橋構造を含有するアクリロニトリル系重合体からなり、かつニトリル基の加水分解反応により−COOX(X:アルカリ金属又はアンモニウムイオン)で示される塩型カルボキシル基が導入されてなり、少なくとも0.1mmol/gの塩型カルボキシル基を含有したものを用いることができる。
【0012】
筋工によって形成された棚部に植生基盤材を吹き付けて水平植生部を形成するようにしたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の法面緑化工法。
【0013】
また、筋工を構成する木質系の材料に、間伐材の中心部に貫通孔を穿設し、該貫通孔内に索条又は線材からなる連結部材を挿通することにより複数の間伐材を連結したものを用いることができる。
【0014】
また、筋工を構成する木質系の材料に、伐採した樹木及び/又は樹木を剪定した枝を束ねたものを用いることができる。
【0015】
また、植生土壌材に、現地発生土を50重量%以上含むものを用いることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の法面緑化工法によれば、吸水量が3〜300ml/gである吸水膨潤性繊維と、吸水量が3〜300ml/gの吸水性粒子及び水とからなる植生基盤保水材を用い、この植生基盤保水材を添加、混合してなる植生基盤材を、法面に吹き付けて植生基盤を形成することにより、植生基盤に含まれる吸水膨潤性繊維が、降雨によって構築された植生基盤が浸食を受けることを防止して、吸水性粒子を含む植生基盤が流失しにくくし、かつ、吸水膨潤性繊維が持つ緩衝性により、植生基盤材を吹き付ける際の圧密度合いを軽減して、植生基盤の内部に保水空間を十分に確保して、法面の緑化と強化を安定して図ることができる植生基盤を構築することができる。
そして、予め吸水膨潤性繊維を添加、混合した植生土壌材に、吸水性粒子及び水を添加、混合することにより、吸水膨潤性繊維を植生土壌材に均一に混合するとともに、吸水膨潤性繊維を十分に吸水膨潤させることができる。
また、植生基盤を形成する法面に木質系の材料からなる筋工を施すことにより、傾斜がきつい法面の場合においても、法面が崩壊するおそれがなく、安定した法面とすることができるとともに、筋工を設置した箇所が、植生基盤材を受ける棚の機能を果たすことによって、当該部位に植生基盤材が保持されて草木が活着、生育しやすくなり、これを基点として植生が周囲に広がり、法面の自然な状態への復元を促進することができる。
そして、本発明の法面緑化工法を実施することによって、植生基盤材に予め混合した草木の種子や周囲から飛来した草木の種子から発芽した草木が、流失したり、立ち枯れることなく確実に活着、生育し、法面を自然な状態に復元することができる。
【0017】
また、筋工によって形成された棚部に植生基盤材を吹き付けて水平植生部を形成するようにすることにより、草木が活着、生育しやすくなり、これを基点として植生が周囲に広がり、法面の自然な状態への復元を一層促進することができる。
【0018】
また、筋工を構成する木質系の材料に、間伐材の中心部に貫通孔を穿設し、該貫通孔内に索条又は線材からなる連結部材を挿通することにより複数の間伐材を連結したものを用いることにより、間伐材を有効利用することができ、環境の保護につながるとともに、施工が容易で材料費や工事費が安く、しかも、索条又は線材からなる連結部材が天然資材である間伐材によって覆われているため、施行後も自然に近い良好な景観を確保し、緑化後は容易に自然に復元することができる。
【0019】
また、筋工を構成する木質系の材料に、伐採した樹木及び/又は樹木を剪定した枝を束ねたものを用いることにより、伐採した樹木及び/又は樹木を剪定した枝を有効利用することができ、環境の保護につながるとともに、施工が容易で材料費や工事費が安く、しかも、伐採した樹木及び/又は樹木を剪定した枝からなる天然資材を用いているため、施行後も自然に近い良好な景観を確保し、緑化後は容易に自然に復元することができる。
【0020】
また、植生土壌材に、現地発生土を50重量%以上含むものを用いることにより、環境の保護につながるとともに、施工が容易で材料費や工事費が安く、しかも、現地発生土を用いているため、施行後も自然に近い良好な景観を確保し、緑化後は容易に自然に復元することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の法面緑化工法の一実施例を示す説明図である。
【図2】本発明の法面緑化工法を実施した法面の説明図で、(a)は法面の一施工例を示す説明図、(b)は間伐材を索条又は線材からなる連結部材により連結したものからなる筋工の説明図、(c)は樹木を剪定した枝を束ねたものからなる筋工の説明図である。
【図3】本発明の法面緑化工法による緑化メカニズムの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の法面緑化工法の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0023】
図1〜図3に、本発明の法面緑化工法の一実施例を示す。
この法面緑化工法は、植生基盤材を法面9に吹き付けて植生基盤7を形成する法面緑化工法において、植生基盤7を形成する法面9に木質系の材料からなる筋工8を施した後、予め吸水量が3〜300ml/gの吸水膨潤性繊維を添加、混合した植生土壌材に、吸水量が3〜300ml/gの吸水性粒子及び水を添加、混合してなる植生基盤材を、法面9に吹き付けて植生基盤7を形成するもので、より具体的には、植生土壌材、吸水膨潤性繊維等の固形成分Aを混合して、該固形成分Aを、ホース2を介して、吹付ノズル6に向けて圧送する固形成分タンクを兼ねた吹付手段1と、水、吸水性粒子等の液状成分(スラリー状成分)Bを混合して、該液状成分Bを、ポンプ5を配したホース4を介して、吹付ノズル6に向けて、例えば、空気圧により圧送する液状成分タンクを兼ねた液状成分圧送手段3とを用い、吹付ノズル6の近傍位置において固形成分Aと液状成分Bとを混合することにより植生基盤材とし、該植生基盤材を吹付ノズル6を介して法面9に吹き付けて植生基盤7を形成するようにしている。
なお、植生基盤材には、種子のほか、必要に応じて、肥料等を添加、混合することができる。
【0024】
この場合において、固形成分Aのうち植生土壌材には、骨材、バーク、ピートモスや泥炭等の有機系土壌改良材、ピートモス、ゼオライト、パーライトやバーミキュライト等の微粉体等の植生土壌材として用いられている任意の材料を用いることができる。
さらに、植生土壌材に、現地発生土を50重量%以上含むものを用いるようにすることができ、これにより、環境の保護につながるとともに、施工が容易で材料費や工事費が安く、しかも、現地発生土を用いているため、施行後も自然に近い良好な景観を確保し、緑化後は容易に自然に復元することができる。
【0025】
また、固形成分Aのうち吸水量が3〜300ml/gである吸水膨潤性繊維には、長期間に亘ってその形態を維持できる形状安定性及び並びに吸水性及び保水性を併せ有する複合機能繊維を用いることができる。
ここで、吸水膨潤性繊維の吸水量の測定は、以下の測定方法により測定する。
例えば、吸水膨潤性繊維0.4gを300mlの純水(蒸留水)に浸漬し、時々攪拌しながら30分間放置し、その後、32メッシュの金属製ふるいの上に注ぎ、10分間水切りをする。32メッシュの金属製ふるいの上に残ったゲル状の吸水膨潤性繊維の重量を測定し、下記式により吸水量を算出する。
吸水量(ml/g)=(ゲル状の吸水膨潤性繊維の重量−0.4)/0.4
【0026】
吸水膨潤性繊維としては、具体的には、親水性架橋重合体(以下、「ヒドロゲル」という。)外層部と、アクリロニトリル系重合体(以下、「AN系重合体」という。)及び/又は他の重合体内層部との多層構造を有する吸水膨潤性繊維を好適に用いることができる。
この吸水膨潤性繊維は、AN系重合体からなる繊維(以下、「AN系繊維」という。)に、特定のアルカリ金属水酸化物水性溶液を作用せしめて該繊維の外層部のみを選択的に親水架橋化(ヒドルゲル化)することにより、繊維物性を損なうことなく水膨潤性能を付与することができる。
そして、この水膨潤性繊維は、AN系繊維に、6.0mol/1000g溶液以上の高濃度アルカリ金属水酸化物水性溶液、又は0.5mol/1000g溶液以上の濃度の電解質塩類を共存せしめた低濃度アルカリ金属水酸化物水性溶液を作用させ、該繊維の外層部をヒドロゲル化することにより、ヒドロゲルからなる外層部とAN系重合体及び/又は他の重合体からなる内層部とで構成される繊維に形成することにより製造することができる。
ここで、AN系重合体とは、アクリロニトリル(以下、「AN」という。)を共重合成分として含有する重合体の総称であり、AN単独重合体又はANと他の1種若しくは2種以上のエチレン系不飽和化合物との共重合体、或はANと他の重合体、例えば、デンプン、ポリビニルアルコール等とのグラフト共重合体、AN系重合体と他の重合体、例えば、ポリ塩化ビニル系、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリビニルアルコール系、セルロース系等との混合重合体等を挙げることができる。
AN系重合体におけるANの含有率は、30重量%以上、好ましくは50%以上であることが望ましく、かかる推奨範囲に満たないAN含有率の重合体からなる繊維を出発物質として用いる場合には、アルカリ加水分解処理によって十分親水化されないか、若しくは親水化し得ても、水膨潤性の繊維に形成し難いため好ましくない。
また、AN系重合体の共重合成分であるエチレン系不飽和化合物の種類或は該重合体の分子量等の重合体組成面では特に制約は認められず、最終製品の要求性能、単量体の共重合性等に応じて任意に選択することができる。
さらに、これらの重合体の作製方法及び該重合体より繊維を形成する方法等に関しても、公知の方法(例えば、単一成分紡糸、鞘−芯複合紡糸等)から任意に選択することができる。つまり、上記AN系繊維とは、AN系重合体単一成分からなる繊維のほかに、さらに後続の加水分解処理条件下において加水分解されやすいAN系重合体を鞘成分とし、加水分解されにくいAN系重合を芯成分とした又は前記AN系重合体を鞘成分とし、他の重合体(例えば、ポリアミド系、ポリオレフィン系等)を芯成分とした鞘−芯型紡糸繊維を挙げることができる。なお、2成分乃至3成分以上の重合体をランダムに複合紡糸してなる繊維、海島型複合繊維、3成分貼り合せ型複合繊維或はサンドイッチ型複合繊維等の特殊紡糸繊維を出発物質として使用することもできる。
そして、このようなAN系繊維を出発物質として高度の水膨潤性及び高物性を有する水膨潤性繊維を得るためには、AN系繊維の外層部のみを選択的にヒドロゲル化して該ヒドロゲル外層とAN系重合体及び/又は他の重合体内層との多層構造を有する繊維となすことが必要である。
このようにして製造される2層構造又は多層構造を有する繊維の吸水量は、3〜300ml/g、さらに好ましくは5〜200ml/gの範囲内にあることが望ましく、また、かかる吸水量を有し、しかも十分なる繊維物性を保持させるために、ヒドルゲル外層部の割合を乾燥時における該繊維の全体積を基準として55%以下、さらに好ましくは5〜40%の範囲内に制御することが望ましい。
そして、ヒドルゲルの割合が上記推奨範囲の上限を越える場合には、十分なる繊維物性を保持しなくなり、また、好適範囲の下限を外れる場合には、十分な水膨潤性能を発揮しなくなる。
また、かかる水膨潤性繊維中に導入する−COOX(X:アルカリ金属又はアンモニウムイオン)で示される塩型カルボキシル基の量を0.1〜4.0mmol/g、さらに好ましくは0.5〜3.5mmol/gの範囲内に調節することが望ましい。
そして、塩型カルボキシル基の量が上記推奨範囲の下限を外れる場合には、水膨潤性能が不充分となり、また、該繊維の上限を越える場合には、繊維物性が低下するとともに柔軟性の乏しい脆いものしか得られなくなり、好ましくない。
なお、上記塩型カルボキシル基の種類としてはリチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、亜鉛又はアンモニウムイオンのいずれか1種又は2種以上の混合型の塩のいずれであっても構わない。
【0027】
そして、この吸水膨潤性繊維として、より具体的には、内層(芯)を形成するアクリル繊維に吸水性加工を施した外層を形成した2層構造からなる繊維、例えば、東洋紡績株式会社製「ランシールF」(商品名)を好適に用いることができるが、特にこれに限定されるものではなく、ポリアクリル酸ナトリウム塩を主成分とするポリマーを直接紡糸して線形状化したもの等を使用することができる。
ちなみに、上記2層構造からなる繊維は、水に接触すると、速やかに吸水、膨潤して保水する(約10秒で平衡吸水量の約70%吸水し、繊維重量の100倍以上の水を保水することができる。)とともに、吸水・乾燥を繰り返しても吸水量が変化せず、さらに、繊 維物性が内層を形成するアクリル繊維によって維持される特性を有している。
なお、吸水膨潤性繊維は、吹付ノズル6を介して法面9に吹き付ける際に支障を生じない長さ、例えば、数mm〜数十cm程度、より具体的には、5mm〜15cm程度に切断したものを用いるようにする。
また、吸水膨潤性繊維は、単独で植生土壌材に添加するほか、ロックウール等の他の繊維性材料と混合して植生土壌材に添加することもできる。
【0028】
一方、液状成分Bのうち吸水性粒子には、ポリアクリル酸塩架橋体、デンプン−ポリアクリロニトリルグラフト共重合体、ビニルエステル−エチレン系不飽和カルボン酸共重合体ケン化物、ポリビニルアルコール系重合体と環状酸無水物との反応生成物、ポリアクリル酸塩架橋物、ビニルアルコール・アクリル酸塩共重合体等を使用できるが、特に、液状化可能な水分散性の吸水性粒子であるポリアクリル酸塩架橋体を好適に用いることができる。
【0029】
このポリアクリル酸塩架橋体は、ミクロヒドロゲル水性分散体の一種である。
ヒドロゲルとは、水溶性又は親水性重合体に架橋構造を付与せしめて得られる実質的に水不溶性、かつ水膨潤性の物質の総称であり、ミクロヒドロゲルとは100μm以下の微細粒子径を有するヒドロゲルを示す。
このミクロヒドロゲル水性分散体としては、例えば、酸性基及び架橋構造を含有するアクリロニトリル系重合体からなり、しかもニトリル基の加水分解反応により−COOX(X:アルカリ金属又はアンモニウムイオン)で示される塩型カルボキシル基が導入されてなり、少なくとも0.1mmol/gの塩型カルボキシル基を含有し、かつ絶乾状態で100μm以下の粒子径を有するヒドロゲルが水系媒体中に安定に分散してなるものである。
この保水性粒子の吸水量は、3〜300ml/g、さらに好ましくは5〜200ml/gの範囲内にあることが望ましい。
そして、吸水量が3ml/g倍未満では、高い保水性を付与することが困難になることがあり、一方、吸水量が300ml/gを越えると、吸水により膨張しすぎて、ミクロヒドロゲル水性分散体製造時に粘度が上昇し取り扱いが困難になったり、施工が困難になることも予想される。
ここで、保水性粒子の吸水量の測定は、以下の測定方法により測定する。
例えば、105℃定温乾燥器で5時間以上乾燥した保水性粒子に純水(蒸留水)を入れてふやかす。全部ふやけた試料をビーカーに移す。そして、純水(蒸留水)300mlを入れ、30分放置後上澄み液を捨てる操作を3回繰り返す。その後、茶こしで水を切り、10分間放置する。茶こし上の約1/4をアルミニウム製シャーレに取り精秤し、105℃定温乾燥器で5時間以上乾燥し、アルミニウム製シャーレの上に残った乾燥後試料の重量を測定し、下記式により吸水量を算出する。
吸水量(ml/g)=(ゲル状の保水性粒子の重量/乾燥後試料重量)−1
【0030】
また、吸水性粒子の絶乾状態の平均粒子径は、特に限定するものではないが、通常0.01μm以上であって、最大で50μm以下であり、好ましくは10μm以下、特に好ましくは1μm以下である。吸水性粒子の粒子の大きさは、その具体的使用形態にもよるが、一定の範囲で小さいほうが好ましい。
ここで、平均粒子径は絶乾状態における吸水性粒子の平均粒子径を説明しているが、この保水性粒子を使用する際には吸水性粒子は、水中で吸水して水に均一に分散している。
しかし、吸水性粒子の平均粒子径が0.01μm未満であると、たとえ絶乾状態で均質な吸水性粒子であっても、水に分散する際には、凝集しやすい状態となることがあり、水分散体を調整することが困難である。また、吸水性粒子の平均粒子径が50μmを越えると、水と混合した際に水を吸収し膨潤することにより流動性が著しく損なわれ、また、保水性粒子として内部の連続空隙に浸透しにくいという問題がある。
このことから、吸水性粒子の平均粒子径は0.01〜50μmの範囲のものを用いる。しかし、内部の連続空隙に浸透して、連続空隙の内壁に付着しやすいという点から、保水性粒子の平均粒子径は0.01〜10μmであるのが実用的で好ましい範囲である。
吸水性粒子として、より具体的には、絶乾状態で粒子状をしており、ヒドロゲルが水系媒体中に安定して分散してなるミクロヒドロゲル水性分散体で代表される吸水性樹脂の水分散体、例えば、上記の酸性基及び架橋構造を含有するアクリロニトリル系重合体からなり、しかもニトリル基の加水分解反応により−COOX(X:アルカリ金属又はアンモニウムイオン)で示される塩型カルボキシル基が導入されてなり、少なくとも、0.1mmol/gの塩型カルボキシル基を含有し、かつヒドロゲルが水系媒体中に安定に分散してなるものを好適に用いることができる。
このミクロヒドロゲル又はその水性分散体を得るための出発物質として使用するAN系重合体とは、ANと他の1種若しくは2種以上のエチレン系不飽和化合物とを共重合させた重合体であり、しかも酸性基及び架橋構造を含有する重合体の総称である。
このようなAN系重合体におけるANの含有率は、AN系重合体を構成する単量体全量に対して30重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上であることが望ましく、かかる推奨範囲に満たないAN含有率の重合体を出発物質として使用する場合には、アルカリ物質を作用させることによって十分親水化されないか、若しくは親水化し得ても所望の吸水倍率を有するヒドロゲルが形成されにくいため好ましくない。
なお、ANに共重合する他のエチレン系不飽和化合物としては、ANと共重合し得る公知の不飽和化合物、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデン類;アリルアルコール、メタリルアルコール等の不飽和アルコール及びこれらのエーテル類;アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸及びこれらの塩類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル類;メチルビニルケトンの不飽和ケトン類、蟻酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類;アクリルアミド及びそのアルキル置換体;N−メチロールアクリルアミド;p−スチレンスルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及びこれらの塩類;アクリル酸スルホブチル、メタクリル酸スルホエチル等のアクリル酸若しくはメタクリル酸のスルホアルキルエステル及びこれらの塩類;スチレン、α−メチルスチレン、クロロステレン等のスチレン及びそのアルキル又はハロゲン置換体;ビニルピリジン等の塩基性ビニル化合物類;メタクリロニトリル、ヒドロキシエチルアクリロニトリル等のビニル系ニトリル化合物類;アクロレイン、メタクロレイン等のビニル系アルデヒド化合物類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類;グリシジルアリルスルホネート等の不飽和スルホン酸のグリシジルエステル類;ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和グリシジルエーテル類;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート等のアクリル酸若しくはメタクリル酸のジエステル類;トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、等のアクリル酸若しくはメタクリル酸のトリエステル類;ジアリルフタレート、ジアリルマレート等の多価カルボン酸のジアリルエステル類;無水メタクリル酸等のジビニル系酸無水物類;ジビニルベンゼン及びそのアルキル又はハロゲン置換体等を挙げることができる。
また、水分散性の吸水性粒子としてはAN系重合体以外では、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド及びこれらの共重合体が挙げられる。これらに共重合してもよいモノマーとしては、前述のANに共重合するモノマーが用いられる。
吸水性粒子の水分散体の製造においては、まず、吸水性粒子を所定の水量に調製する。この水量の調製は、乾燥粉末に対しては水を攪拌下に滴下或はスプレーし、又は調湿操作することにより行うことができる。
一方、重合反応工程から供給される重合体の場合は通常含水ゲル形態であるので、ゲルの含水率に応じて、加水操作を行うか、公知の乾燥方法により直接脱水を行う。
次に、所定の水分量に調整した吸水性粒子を攪拌下に添加、分散させる。このときの吸水性粒子はそのままの状態でもよいし、スラリー状であってもよい。吸水性粒子の水分散体の所望の粒径及び狭い粒度分布を得るために、均一に分散させることが好ましい。使用する装置としては、例えば、振動型混合機、高速回転パドル機等がある。
また、界面活性剤、分散剤、凝集剤、無機物質添加剤等も使用することができる。
流動性の高い吸水性粒子の水分散体を得るためには、平均粒子径と吸水倍率のバランスをとるのが好ましく、さらに、水に分散させる際、吸水性粒子の水分散体と水との割合を考慮することが好ましい。
無機多孔質材料の内部の連続空隙に浸透させるだけでその無機多孔質材料に保水性を付与するには、吸水性粒子の水分散体の割合は水中で通常1〜50重量%、好ましくは2〜20重量%程度である。
このとき、平均粒子径と吸水倍率のバランスをとった吸水性粒子を用いる場合でも、水に分散させる際の吸水性粒子の水への添加割合が大きくなりすぎると施工時の流動性が損なわれてしまう。また、吸水性粒子の平均粒子径が大きくなればなるほど、無機多孔質材料の内部の連続空隙に吸水性粒子の水分散体が浸透するのが困難になることなどから、吸水性粒子の吸水倍率は平均粒子径が大きくなれば相対的に低いことが実用的である。
そして、吸水性粒子の平均粒子径と吸水倍率とのバランスが最適の範囲とならない場合でも、水中で吸水分散させる際に長時間攪拌することで、流動性のある、均一分散した吸水性粒子の水分散体を得ることが可能である。
また、ある程度の攪拌を実施した後静置させ、デカンテーション法により均一分散した部分のみを取り出すことでも吸水性粒子の水分散体を得ることが可能であるが、多くの工程を要するという問題がある。
【0031】
そして、このポリアクリル酸塩架橋体として、例えば、東洋紡績株式会社製「エスペックL」(商品名)を好適に用いることができる。
この吸水性粒子の水分散体は水に均一に分散した状態で用いることができ、最も一般的なものとしては、水で膨潤した状態の吸水性粒子の水分散体の粒子の平均粒子径が約0.1〜10μmである。また、水への分散性を考慮し吸水倍率を80〜120倍にコントロールしているほか、さらに固形分(水に対する吸水性粒子の重量換算比率)を約5〜20重量%として使用することで均一分散した流動性のある水分散体を達成することができる。
ここで、上記固形分の測定は、以下の測定方法により測定する。
例えば、アルミニウム製シャーレに試料約8gを精秤し、105℃定温乾燥器で5時間以上乾燥する。アルミニウム製シャーレの上に残った乾燥後試料の重量を測定し、下記式により固形分を算出する。
固形分(%)=(乾燥後試料重量/試料重量)×100
【0032】
そして、実際の施工に当たっては、吹付ノズル6の近傍位置において固形成分Aと液状成分Bとを混合することにより植生基盤材とし、該植生基盤材を吹付ノズル6を介して法面9に吹き付けて植生基盤7を形成するようにしているが、これは、植生基盤材の搬送性と、吸水膨潤性繊維の植生土壌材に対する均一混合性を考慮したためである。
すなわち、固形成分Aと液状成分Bとを事前に混合した状態で圧送した場合、植生基盤材の含水率が高くなる等により、ホース内で閉塞して圧送不能となる。このような閉塞事故を防止するために、固形成分Aと液状成分Bとを、個別にホース2、4を介して、吹付ノズル6に向けて圧送し、吹付ノズル6の近傍位置において混合するようにしている。
また、予め吸水膨潤性繊維を添加、混合した植生土壌材に、吸水性粒子及び水を添加、混合することにより、吸水膨潤性繊維を植生土壌材に均一に混合するとともに、吸水膨潤性繊維を十分に吸水膨潤させることができる。
【0033】
この法面緑化工法によれば、吸水量が3〜300ml/gである吸水膨潤性繊維と、吸水量が3〜300ml/gの吸水性粒子及び水とからなる植生基盤保水材を用い、この植生基盤保水材を添加、混合してなる植生基盤材を、法面9に吹き付けて植生基盤7を形成するようにしているので、植生基盤7に含まれる吸水膨潤性繊維が、降雨によって構築された植生基盤が浸食を受けることを防止して、吸水性粒子を含む植生基盤7が流失しにくくし、かつ、吸水膨潤性繊維が持つ緩衝性により、植生基盤材を吹き付ける際の圧密度合いやリバウンドロスを軽減して、植生基盤7の内部に保水空間を十分に確保して、法面の緑化と強化を安定して図ることができる植生基盤7を構築することができる。
【0034】
また、植生基盤材を法面9に吹き付けて植生基盤7を形成するに際して、筋工8によって形成された棚部に植生基盤材を余剰に吹き付けることによって、当該部位に水平植生部7aを形成するようにすることができる。
これにより、草木が活着、生育しやすくなり、これを基点として植生が周囲に広がり、法面の自然な状態への復元を促進することができる。
【0035】
また、図2(a)に示すように、法面9が浸食を受けることを防止するために法面9の表面に略水平方向に施工され、雨水の流れを分散させる構造物である筋工8には、緑化後に容易に自然に復元することができる木質系の材料を用いるようにしている。
【0036】
この筋工8を構成する木質系の材料には、図2(b)に示すように、木材、例えば、間伐材81aの中心部に貫通孔を穿設し、この貫通孔内に索条又は線材からなる連結部材81bを挿通することにより複数の間伐材81aを連結したものからなる筋工81や、図2(c)に示すように、伐採した樹木(図示省略)や樹木を剪定した枝82aを針金等の結束具82bにより束ねたものからなる筋工82を用いることができる。
これにより、環境の保護につながるとともに、施工が容易で材料費や工事費が安く、しかも、天然資材である間伐材81a、伐採した樹木又は樹木を剪定した枝82aを主要構成材料としているため、施行後も自然に近い良好な景観を確保し、緑化後は容易に自然に復元することができる。
なお、これらの筋工81、82は、金属製、コンクリート製、木製等の杭やアンカー83を用いて、法面9の表面に固定される。
【実施例1】
【0037】
以下、本発明の法面緑化工法のより具体的な実施例について説明する。
[固形成分A]
・植生土壌材:現地発生土(240L(植生土壌材合計の50重量%))、有機系土壌改良材(バーク(発酵させた杉皮のチップ))(560L)、微粉体(杉皮のチップ)(200L)
・吸水膨潤性繊維:アクリル系吸水膨潤性繊維(東洋紡績株式会社製「ランシールF」(商品名))(500g(植生土壌材1000L当たり、50g〜2000g程度)、吸水量150ml/g、繊度5.6dtex、長さ20mm〜30mmに切断)
[液状成分B]
・水:水(75L(植生土壌材1000L当たり、50L〜100L程度))
・吸水性粒子:ポリアクリル酸塩架橋体(東洋紡績株式会社製「エスペックL」(商品名))(2L(植生土壌材1000L当たり、1L〜10L程度)、吸水量150ml/g、平衡膨潤状態での平均粒子径1.0μm、製品の固形分量10%)
[筋工]
・間伐材を索条により連結したものからなる筋工
【0038】
上記実施例に記載の固形成分A(まず、微粉体(杉皮のチップ)と吸水膨潤性繊維とを混合しておき、これと、骨材(上水汚泥)及び有機系土壌改良材(バーク(発酵させた杉皮のチップ))とを混合するようにする。)及び液状成分Bの配合割合の植生基盤材を用い、これを、表1に示す基準で筋工を施した法面に、表2に示す基準で吹き付けて植生基盤を形成した結果、上記の作用効果を確認することができた。
なお、表1及び表2に示す基準よりも劣った条件で植生基盤を形成した場合には、部分的にではあるが、植生基盤が流失した箇所が見られた。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
このように、植生基盤7を形成する法面9に木質系の材料からなる筋工8を施すことにより、傾斜がきつい法面9の場合においても、法面9が崩壊するおそれがなく、安定した法面9とすることができるとともに、筋工8を設置した箇所が、植生基盤材を受ける棚の機能を果たすことによって、当該部位に植生基盤材が保持されて草木が活着、生育しやすくなり、これを基点として植生が周囲に広がり、法面9の自然な状態への復元を促進することができる。
そして、この法面緑化工法を実施することによって、植生基盤材に予め混合した草木の種子や周囲から飛来した草木の種子から発芽した草木が、流失したり、立ち枯れることなく確実に活着、生育し、法面を自然な状態に復元することができる。
そして、特に、筋工8によって形成された棚部に植生基盤材を余剰に吹き付けることによって、当該部位に植生基盤7と連続する水平植生部7aを形成するようにすることにより、草木が活着、生育しやすくなり、これを基点として植生が周囲に広がり、法面9の自然な状態への復元を一層促進することができる。
【0042】
以上、本発明の法面緑化工法について説明したが、本発明は上記実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の法面緑化工法は、保水材が流失しにくく、かつ、植生基盤の内部に保水空間を十分に確保して、法面の緑化と強化を安定して図ることができる、特に、傾斜がきつい法面の場合においても、法面が崩壊するおそれをなくすことができるという特性を有していることから、傾斜がきつい法面を緑化するために好適に用いることができるほか、広く一般の法面を緑化するためにも用いることができる。
【符号の説明】
【0044】
A 固形成分
B 液状成分(スラリー状成分)
1 吹付手段(兼固形成分タンク)
2 ホース
3 液状成分圧送手段(兼液状成分タンク)
4 ホース
5 ポンプ
6 吹付ノズル
7 植生基盤
7a 水平植生部
8 筋工
81 間伐材を索条又は線材からなる連結部材により連結したものからなる筋工
82 樹木を剪定した枝を束ねたものからなる筋工
9 法面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植生基盤材を法面に吹き付けて植生基盤を形成する法面緑化工法において、植生基盤を形成する法面に木質系の材料からなる筋工を施した後、予め吸水量が3〜300ml/gの吸水膨潤性繊維を添加、混合した植生土壌材に、吸水量が3〜300ml/gの吸水性粒子及び水を添加、混合してなる植生基盤材を、法面に吹き付けることを特徴とする法面緑化工法。
【請求項2】
吸水膨潤性繊維が、親水性架橋重合体からなる外部層とアクリロニトリル系重合体及び/又は他の重合体からなる内層部とで構成されるものであることを特徴とする請求項1記載の法面緑化工法。
【請求項3】
吸水性粒子が、酸性基及び架橋構造を含有するアクリロニトリル系重合体からなり、かつニトリル基の加水分解反応により−COOX(X:アルカリ金属又はアンモニウムイオン)で示される塩型カルボキシル基が導入されてなり、少なくとも0.1mmol/gの塩型カルボキシル基を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の法面緑化工法。
【請求項4】
筋工によって形成された棚部に植生基盤材を吹き付けて水平植生部を形成するようにしたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の法面緑化工法。
【請求項5】
筋工を構成する木質系の材料が、間伐材の中心部に貫通孔を穿設し、該貫通孔内に索条又は線材からなる連結部材を挿通することにより複数の間伐材を連結したものからなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の法面緑化工法。
【請求項6】
筋工を構成する木質系の材料が、伐採した樹木及び/又は樹木を剪定した枝を束ねたものからなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の法面緑化工法。
【請求項7】
植生土壌材が、現地発生土を50重量%以上含むものからなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の法面緑化工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−162913(P2012−162913A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23897(P2011−23897)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(593136203)有限会社クスベ産業 (3)
【Fターム(参考)】