説明

泡生成キット

【課題】高粘性組成物から泡の生成が可能な泡生成ディスペンサーを提供する。
【解決手段】A.泡を生成するための泡生成ディスペンサー10を備える非エアゾール容器と、B.少なくとも0.05Pa・sの粘度を有する高粘性組成物とを備え、前記泡生成ディスペンサーは、前記高粘性組成物と共に使用される時、2ml/gより大きい泡対重量の比を有する泡を生成し、前記高粘性組成物は、マイクロエマルションまたはプロトマイクロエマルションからなる食器洗い組成物である泡生成キット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡生成キットに関する。
【背景技術】
【0002】
食器洗い組成物、ハンドソープ組成物、ヘアコンディショナー組成物、布地コンディショナー組成物、磨き組成物などの高粘性組成物は周知であり、典型的には、液体、ゲル又はペーストで提供されてきた。液体及びペーストは、種々の状況で有用なこともあるが、このような物理形態は、もはや新しいとも刺激的とも考えられていない。また、新しい及び興味ある物理形態を提供することは望ましいが、上記組成物の使用は、典型的には、そのような液体、ゲル及びペーストを基材へ塗布又は予め塗布して、次に追加段階で所望の表面へ直接塗布することに限定されている。
【0003】
泡生成ディスペンサーを使用して低粘性組成物の泡を作ることは既知であるが、この方法は、高粘性組成物に対してはこれまでのところ成功していない。特に高粘性組成物のレオロジーは、激しい乱流特性及び激流特性をもたない許容可能な泡を達成するのを困難にしている。そのような乱流特性は、必要以上の肉体労作又は高加圧の容器を必要とすることが多いので、実際的結果として、現在市場にある泡生成ディスペンサーの限界に一致させるために、製品の粘性を下げるよう配合者が要求されることが多い。したがって、この方法では、最善の性能及び/又は最低コストの組成物を達成するという配合者の特権に、人工的、物理的抑制がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故に、高粘性組成物からでも泡の生成が可能な泡生成ディスペンサーが必要とされる。更に、必要以上の肉体労作無しに、及び/又はエアゾール噴射剤の使用の必要性無しに、そのような泡を生成可能な泡生成ディスペンサーが必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、泡生成ディスペンサーを有する非エアゾール容器内と、好ましくは容器内の、高粘性組成物とを含有する泡生成キットに関する。高粘性組成物は、少なくとも約0.05Pa・sの粘度を有する。泡生成ディスペンサーは、高粘性組成物と共に使用される時、約2ml/gより大きい泡(すなわち容量)対重量の比を有する泡を生成する。
【0006】
泡生成ディスペンサーと高粘性組成物との組み合わせは、必要以上の肉体労作及びエアゾール噴射剤の使用無しに、容認し得る泡を同時に提供可能であることが今や判明した。理論によって制限されることは意図しないが、次第に乱流路が作り出されると、少なくとも0.050Pa・sの粘度を有する高粘性組成物でさえも、容認し得る泡を作り出すことができると考えられている。
【0007】
本発明のこれら及び他の特徴、観点、利点、及び変更、並びに本明細書記載の実施形態は、付随する請求項と共に本開示内容を読めば、当業者には明白であろう。また、これらは請求項の範囲内に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】泡生成ディスペンサーの好ましい実施形態の切り欠き図である。
【図2】成形アプリケータの好ましい実施形態の上部斜視切り欠き図である。
【図3】成形アプリケータの好ましい実施形態の斜視切り欠き図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書は、本発明を特定して指摘し明確に請求する請求項によってまとめられているが、本発明は、添付図面の次の説明からよりよく理解されるものと考えられ、図中、同じ参照数字は同じ要素を指す。
本明細書の図面は、必ずしも一定の比率の縮尺で描かれてはいない。
本明細書中で使用するパーセンテージ、比率、割合はすべて、特に指定のない限り、最終高粘性組成物の重量による。温度は、特に指定しない限り、すべて摂氏(℃)で示す。
【0010】
本明細書で使用する時、用語「含む」は、最終結果に影響を及ぼさない他の工程、成分、要素などを追加できることを意味する。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。
【0011】
用語「食器」は、本明細書において使用する時、食物と接触する前又は後で洗われ、食物準備プロセス及び/又は食物給仕の際に使用される、いずれかの食器、卓上食器、調理食器、ガラス食器、食事器具、まな板、食物準備設備などを意味する。
【0012】
用語「泡」及び「石鹸泡」は、本明細書において使用する時、互換的に使用され、液相で境界を定められて液相中に浮遊する、分離性のガス気泡を表わす。
【0013】
本明細書で使用する時、用語「マイクロエマルション」は、油を乳化させて目に見えない液滴にする能力を有する、水中油型エマルションを意味する。このような目に見えない液滴は、典型的には、波長880nmにおける濁度を測定するISO7027のような当該技術分野において既知の方法によって測定した時に、約100オングストローム(Å)未満、好ましくは50Å未満の最大直径を有する。濁度測定機器は、例えば、米国コネチカット州スタンフォードのオメガ・エンジニアリング社(Omega Engineering,Inc.)から容易に入手可能である。
【0014】
用語「プロトマイクロエマルション」は、本明細書において使用する時、水で希釈されてマイクロエマルションを形成可能な組成物を意味する。
【0015】
(容器)
本明細書で有用な容器は、非エアゾール容器であり、典型的には高粘性組成物、好ましくは食器洗い組成物を保持するための中空体を有し、典型的にはプラスチック、ガラス、及び/又は金属で形成されたビン又は缶であり、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、エチルビニルアルコール、ポリビニルアルコール、熱可塑性エラストマー、及びこれらの組み合わせなどのポリマー又は樹脂で形成されるが、当該技術分野において既知の他の材料を使用してもよい。そのような容器は、典型的には、約100ミリリットル〜約2リットル、好ましくは約150ミリリットル〜約1.2リットル、より好ましくは約200ミリリットル〜約1リットルの液体を保持し、液体消費者製品の保持用として周知である。そのような容器は、多数の包装供給元から広範囲に入手可能である。
【0016】
直接的又は間接的のいずれかで容器に操作可能に取り付けられているのは、泡を生成するための泡生成ディスペンサーである。泡生成ディスペンサーは、活性化されると泡を生成し、同時に、泡立った組成物を容器から分配する。泡生成ディスペンサーは、容器と一体に形成されても又は別個に形成されてもよい。別個に形成される場合、泡生成ディスペンサーは、トランジションピース、対応するねじ付きの雄及び雌部材、加圧及び無加圧封止、型締め及びスナップ留め部品、及び/又は当該技術分野で既知の他の方法の採用など、当該技術分野で既知の方法により容器に取り付けることができる。好ましくは、泡生成ディスペンサーは、トランジションピース及び/又は対応するねじ付きの、容易に再充填が可能な雄及び雌部材で容器に取り付けられる。
【0017】
泡生成ディスペンサーは、化学反応、酵素反応、及び/又は機械的作用などの、泡を生成するためのいずれかの方法により、高粘性組成物と相互作用することができる。しかしながら本明細書においては機械的な作用が好ましく、また典型的には、食器洗い組成物を分配する時に空気、窒素、二酸化炭素などのガスを乱流方法でその中へ直接付与又は混合して泡を物理的に形成する目的の機構を含む。好ましくは、泡生成ディスペンサーは、大気から食器洗い組成物中へ空気を注入又は付与する、空気注入ピストン、泡生成開口、衝突表面、メッシュ又はネット、ポンプ、及び/又は噴霧器、より好ましくは、空気注入ピストン、ポンプ、衝突表面、複数のメッシュ又はネット、及び/又は噴霧器により、空気から泡を形成するためのガスを付与する機構を含む。殊に好ましい実施形態では、泡生成ディスペンサーは、少なくとも3つ、好ましくは3〜5つのメッシュを使用し、高粘性組成物がこれらのメッシュを連続して流れて通り、泡を生成する。理論に制限されることは意図しないが、上記メッシュを連続して流れて通ることにより、高粘性組成物は、繰り返し乱流的に空気と混合され、これにより、いかなる単一メッシュの効果も超えて泡生成効果を増幅すると考えられている。高粘性組成物の粘度が増すにつれて、所望のレベルの泡立ち及び/又は泡の品質を提供するために、更なるメッシュが追加されてもよい。
【0018】
泡生成ディスペンサーはまた、典型的には、アクチベータ、好ましくは、例えば、引き金、圧力で活性化されるポンプ作用機構、ボタン、及び/又はスライダー、より好ましくは、単一の指で活性化可能な、ボタン及び/又は圧力で活性化されるポンプ作用機構などのマニュアルアクチベータを含む。アクチベータは、食器手洗いプロセス中のように、手が濡れている及び/又は滑りやすい時に消費者が容易に活性化可能であるように設計されるのが殊に好ましい。そのようなアクチベータは、分配速度及び分配量の両方をユーザーが容易に及び便利に制御できるようになっているべきである。産業又は公共施設などのある種の用途の場合、電子アクチベータ、計算機制御アクチベータ、光電管又は赤外線検知アクチベータ、手動レバー補助アクチベータなどの、他のアクチベータも有用であり得る。本明細書で有用な泡生成ディスペンサーは、約2ml/gより大きい、より好ましくは約3ml/g〜約10ml/g、更により好ましくは約4ml/g〜約8ml/gの泡対重量の比を有する泡を生成する。更に、本明細書で有用な泡生成ディスペンサーは、食器洗い組成物1ml当り少なくとも約2ml、好ましくは約3ml〜約10ml、より好ましくは約4ml〜約8mlの泡を生成する。全体にわたって比較的均一に分散された微細気泡を有する「クリームのような」及び「滑らかな」泡が、その審美的及び/又は性能特性のために特に好まれることがある。ある場合には、好ましい気泡は、3分間以上も液体には顕著に戻らないものが特に好まれる。具体的には、泡をきれいなガラス表面(例えば、パイレックス(登録商標)板)上に分配して25℃で3分間放置する時、表れる液体は1mm未満であるべきである。好ましくは、3分間後に、泡の縁部に液体は見られない。しかしながら別の場合には、ある量の液体(すなわち、泡無し)もまた好ましいことも判明したが、これは、次にこの液体がアプリケータ(例えば、スポンジ)の中へ浸透して、例えば食器洗浄に使用される時に、高粘性組成物の使用距離を更に延ばすからである。
【0019】
図1は、好ましい実施形態の切り欠き図であるが、泡生成ディスペンサー10がノズル12を有し、これから泡立った食器洗い組成物が分配される。食器洗い組成物は、浸漬管14を通って泡生成ディスペンサーへ入り、ボール16を過ぎてシリンダー18へ流れ込む。プラグ20が、ボール16の逃げを防ぐと共に、コイルばね22及び内側ロッド24を支持する。液体ピストン26が吸引を作り出して、これが、食器洗い組成物をボール16及びプラグ20を過ぎて液体チャンバ28の中へ引張り、これにより、泡生成ディスペンサー10の準備がなされる。一方、空気チャンバ30及び空気ピストン31も準備され、アクチベータ32が押し下げられると、空気チャンバ30からの空気と液体チャンバ28からの食器洗い組成物との両方が、乱流状態でミキシングチャンバ34の中へ押し込まれ、メッシュホルダー40により適正な位置に両方が保持されている、第一のメッシュ36と第二のメッシュ38とを通過する。乱流空気/食器洗い組成物の混合物が第一のメッシュ36を通ると、第一の粗い泡が生成されるが、これは、第二のメッシュ38及び第三のメッシュ41を通過後に、より微細及び均一になる。これらのメッシュは、同一孔径を有しても、異なる孔径を有してもよい。また、所望により、追加メッシュを採用してもよい。
【0020】
好ましい実施形態では、泡生成ディスペンサーは、1つ以上のメッシュの代わりに又は追加のいずれかで、その中に又はそれに取り付けられたスポンジを備える。スポンジも、高粘性組成物がその連続気泡構造を乱流的に通る時に、泡を作り出す。そのようなスポンジは、所望により、泡生成ディスペンサーの内部に含まれてもよいし、及び/又はノズルの端部に配置されてもよい。理論に制限されることは意図しないが、ノズルの僅かに内部及び/又はその先端に配置された追加のメッシュ及び/又はスポンジは、分配の直前に泡を生成するように働くので、本明細書において特に有用であることが判明した。したがって、ユーザーは、最後の乱流領域を通る時又は通った直後の、泡品質が最善の状態にある望ましい泡、また著しく劣化及び/又は品質が変化する前の、望ましい泡を見る。
図1は、ベースキャップ42も示すが、これが、泡生成ディスペンサーを高粘性組成物を保持する容器44に固定する。
【0021】
本明細書で有用な好ましい泡生成ディスペンサーには、オランダ(Helmond,The Netherlands)のアファポリテーク(Afa-Polytek)からのT8900、OpAd FO、8203及び7512シリーズ泡生成器;オランダ(Alkmaar,The Netherlands)又は米国フロリダ州(North Pompano Beach,Florida)のエアスプレーインターナショナル社(Airspray International,Inc.)からのT1、F2、及びWR−F3シリーズ泡生成器;米国カリフォルニア州(City of Industry,California)のセントゴバンカルマー社(Saint-Gobain Calmar,Inc.)からのTS−800及びミクサー(Mixor)シリーズ泡生成器;日本東京の大和製罐株式会社(Daiwa Can Company,Tokyo,Japan)からのポンプ泡生成器及び絞り泡生成器;米国ニュージャージー州(Hillsborough,New Jersey)のグアラディスペンシングUSA社(Guala Dispensing USA,Inc.)からのTS1及びTS2シリーズ泡生成器;並びに日本東京の株式会社吉野工業所(Yoshino Kogyosho Co.,Ltd.,Tokyo,Japan)からのYT−87L−FP、YT−87L−FX、及びYT−97シリーズ泡生成器が挙げられる。泡生成ディスペンサーについては、日本語出版物、食品と容器(2001年)、第42巻、第10号、609〜613ページ、食品と容器(2001年)、第42巻、第11号、676〜679ページ、及び食品と容器(2001年)、第42巻、第12号、732〜735ページにても検討されており、参照されたい。既存の泡生成ディスペンサーの変形及び修正が、特に空気ピストン対製品ピストン容積比、メッシュ/ネットの穴の大きさ、衝突角度などの修正と同様に、シリンダー、ロッド、浸漬管、ノズルなどのサイズ及び寸法の最適化により、本明細書において特に有用である。
【0022】
引き金タイプの泡生成ディスペンサーが本明細書のある種の実施形態では好ましいこともあるが、指及び/又は掌で活性化されるタイプのポンプ(図1参照)が、審美的理由で好ましいことが多い。これは特に、泡生成キットが、典型的な硬質表面洗浄機及び類似の強力型製品の「荒い」イメージと区別されるべき場合に当てはまる。
【0023】
(高粘性組成物)
本明細書の高粘性組成物は、典型的には、洗浄組成物、磨き組成物、接着剤組成物、断熱組成物、加湿組成物、及び/又は着色/染色組成物、好ましくは、食器洗い組成物、ヘアケア組成物、洗濯組成物、ボディケア組成物、髪染め組成物、及び/又は硬質表面洗浄組成物、より好ましくは、食器手洗い組成物、洗濯組成物、スキンケア組成物、化粧品組成物、及び/又はヘアケア組成物の群から選択される。したがって、そのような高粘性組成物は、典型的には、界面活性剤システム、溶媒、並びに染料、酵素、香料、増粘剤、pH制御剤、還元又は酸化漂白剤、匂い制御剤、酸化防止剤、及び遊離ラジカル阻害物質などの当該技術分野において既知の1つ以上の任意成分、並びにこれらの混合物を含むことができる。
【0024】
あるいは、食品、飲料、及び/又は濃縮物などの他のタイプの高粘性組成物も、それ故に、本明細書に包含される。そのような場合、高粘性組成物は、非健康的及び/又は食べられない成分が実質的にないことが好ましい。
【0025】
本明細書の界面活性剤システムには、典型的に、陰イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、又はこれらの混合物、好ましくはアルキルスルフェート、アルコキシスルフェート、アルキルスルホネート、アルコキシスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アミンオキシド、ベタイン又は脂肪族若しくは複素環式二級及び三級アミン誘導体、四級アンモニウム界面活性剤、アミン、単一又は多重アルコキシル化アルコール、アルキルポリグリコシド、脂肪酸アミド界面活性剤、C8〜C20のアンモニアアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミド、イソプロパノールアミド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で有用な界面活性剤は更に、所望により、分枝状及び/又は直鎖状であっても、置換されていても又は非置換であってもよい。「表面活性物質及び洗剤(Surface Active Agents and Detergents)」(第1巻及び第2巻、シュワルツ(Schwartz)、ペリー(Perry)、及びバーチ(Berch)による)も参照されたい。
【0026】
本明細書で有用な溶媒は、典型的には、水、アルコール類、グリコール類、エーテルアルコール類、及びこれらの組み合わせからなる群、より好ましくは、水、グリコール、エタノール、グリコールエーテル類、水、及びこれらの組み合わせからなる群、更により好ましくは、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテル、水、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。本明細書の溶媒は、溶液の好ましくは少なくとも約12重量%、より好ましくは少なくとも約50重量%の水中溶解度を有する。
【0027】
製品粘度を減少可能な溶媒、及び/又は組成物にずり減粘若しくは非ニュートンレオロジー特性を付与可能な溶媒は存在してもよいが、そのような溶媒は典型的には高価であり、顕著なずり無し関連効果は提供しないので、本明細書では好ましくない。それ故に、好ましい実施形態では、本明細書の高粘性組成物は、泡生成ディスペンサーの中で使用される間、該当するせん断範囲にわたるニュートン流体として動く。
【0028】
ニュートン性挙動を与える本明細書で有用な好ましい溶媒として、一価、二価及び多価アルコール類、エーテル類、及びこれらの混合物が挙げられる。プロピレンカーボネートのようなアルキルカーボネート類も好ましい。
【0029】
本明細書で有用な酵素には、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、グルコ−アミラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、及びこれらの混合物が含まれる。好ましい組み合わせは、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、及び/又はセルラーゼのような従来の適用可能な酵素のカクテルを有する洗剤組成物である。酵素は、典型的には、約0.0001重量%〜約5重量%の活性酵素で存在する。好ましいタンパク質分解酵素は、アルカラーゼ(ALCALASE;登録商標、ノボインダストリ社(Novo Industri A/S))、BPN'、プロテアーゼA及びプロテアーゼB(ジェネンコア(Genencor))、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。プロテアーゼBがより好ましい。好ましいアミラーゼ酵素には、テルマミール(TERMAMYL;登録商標)、デュラミール(DURAMYL;登録商標)、並びに国際公開第94/18314A1号(アントリム(Antrim)ら、1994年8月18日公開、ジェネンコア・インターナショナル(Genencor International)に譲渡)、及び国際公開第94/02597A1号(スベンセン(Svendsen)及びビスガード−フランツェン(Bisgard-Frantzen)、1994年2月3日公開、ノボノルディスク社(Novo Nordisk A/S)に譲渡)に記載されるアミラーゼ酵素が含まれる。好ましい酵素の更なる非限定的な例が、国際公開第99/63034A1号(ビンソン(Vinson)ら、1999年12月9日公開)に開示されている。
【0030】
マイクロエマルション又はプロトマイクロエマルション組成物及び特に食器洗い組成物はまた、低水溶性油の重量で典型的には約5,000ppm未満、好ましくは100万当り約0部(ppm)〜約1,500ppm、より好ましくは10億当り約1部〜約100ppmの水中溶解度を有する、低水溶性油を含有する。本明細書で有用な好ましい低水溶性の油には、テルペン類、イソパラフィン類、前述の溶解度を有する他の油、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0031】
泡生成ディスペンサー無しでは、ここの食器洗い組成物は、希釈範囲が典型的には約50%未満、好ましくは約0%〜約40%、より好ましくは約0%〜約35%の有効泡立ち希釈範囲を有する。しかしながら、本明細書における本発明の実施形態では、食器洗い組成物は、泡生成ディスペンサーと共に使用される時、少なくとも約50%、好ましくは約50%〜約100%、より好ましくは約75%〜約100%、更により好ましくは約85%〜約100%の有効泡立ち希釈範囲を有する。有効泡立ち希釈範囲は、次のように計算される。グラフ1の石鹸泡生成曲線が、本明細書の石鹸泡シリンダー試験により、食器洗い組成物の様々な希釈を試験して作り出される。そのような曲線は、泡生成ディスペンサーからシリンダー内への分配があるか又はないかのいずれかで作り出すことができる。本明細書において、「有効泡」は、所与の食器洗い組成物に対して生成される泡の、石鹸泡生成曲線による最大容積の少なくとも半分(50%)の泡として定義される。それ故に、泡生成ディスペンサーが使用されない時についてのグラフ1では、有効泡は、製品濃度約28%〜約2%で形成されるが、これは26%の有効泡立ち希釈範囲(すなわち、28%〜2%)に換算される。しかしながら、同一食器洗い組成物が泡生成ディスペンサーと共に使用される(すなわち、これから分配される)時、分配される点(100%製品濃度)から約3%の製品濃度に到達するまで、有効泡が生成されるのを見ることができる。これは、食器洗いキットが、石鹸泡シリンダー試験による最大容積の泡が形成される希釈とはかなり異なる食器洗い組成物の水に対する希釈で、泡を生成するからである。したがって、グラフ1の食器洗い組成物が泡立ちディスペンサーから分配される時の有効泡立ち希釈範囲は、97%(すなわち、100%〜3%)である。
【0032】
【表1】

【0033】
本明細書で有用な食器洗い組成物は、本明細書で定義される油可溶化試験により作り出される油可溶化曲線を有する。「有効油可溶化量」は、本明細書において、製品濃度(すなわち、希釈)の関数としてプロットされた油可溶化曲線により、所与の食器洗い組成物に対する最大油可溶化量の少なくとも20%の油可溶化量として定義される。したがって、グラフ1では、最大油可溶化量は、70%製品濃度において約4.7であり、したがって、有効油可溶化量は、少なくとも約0.94の大きさである。有効油可溶化量は、約96%〜約42%の希釈範囲で生じるが、これは、約54%の有効油可溶化希釈範囲に換算される。
【0034】
グラフ1で見ることができるように、泡生成ディスペンサーのない石鹸泡生成曲線と有効油可溶化希釈範囲の間には、実質上重なり合いがない。同様に、泡生成ディスペンサーがなければ、有効泡立ち希釈範囲(28%〜2%)と有効油可溶化希釈範囲(42%〜96%)の間にも重なり合いがないのを見ることができる。対照的に、泡生成ディスペンサーが採用される時には、有効泡立ち希釈範囲(3%〜100%)は、有効油可溶化希釈範囲(42%〜96%)全体に完全に(100%)重なり合う。好ましい実施形態では、有効泡立ち希釈範囲は、有効油可溶化希釈範囲に重なり合い、好ましくは少なくとも10%だけ、より好ましくは約25%〜約100%だけ、特にマイクロエマルション又はプロトマイクロエマルションの場合に、更により好ましくは約50%〜約100%だけ有効油可溶化希釈範囲に重なり合う。更に、有効泡立ち希釈範囲は、油可溶化曲線中の油可溶化が最大の点と重なり合うのが殊に好ましい。したがって、本発明はユーザーに、油をより有効に可溶化する、ひいては洗浄を最適化する濃度/製品希釈において、その製品を使用するよう勧める。
【0035】
油可溶化曲線がより有効になる、好ましくは最大限になる希釈において、消費者に受入れられ得る泡立ちを達成するために、そのような食器洗い組成物、特にマイクロエマルション及びプロトマイクロエマルション食器洗い組成物は、容器と本明細書の泡生成ディスペンサーとを必要とすることが、本発明で認識された。したがって、食器洗い組成物が容器及び泡生成ディスペンサーと共に使用される時、有効泡立ちは、容器及び泡生成ディスペンサーが使用されない時の石鹸泡生成曲線とは著しく異なる希釈ファクターにおいて生成されることが好ましい。
【0036】
本発明で有用な食器手洗い組成物、洗浄組成物、プロトマイクロエマルション組成物、及びマイクロエマルション組成物は、例えば、国際公開第96/01305A1号(ファーンフォース(Farnworth)及びマーチン(Martin)、1996年1月18日公開);米国特許第5,854,187号(ブルム(Blum)ら、1998年12月29日発行);米国特許第6,147,047号(ロビンス(Robbins)ら、2000年11月14日発行);国際公開第99/58631A1号(ロビンス(Robbins)ら、1999年11月18日公開);米国特許第4,511,488号(マッタ(Matta)、1985年4月16日発行);米国特許第5,075,026号(ロス(Loth)ら、1991年12月24日発行);米国特許第5,076,954号(ロス(Loth)ら、1991年12月31日発行);米国特許第US05082584号(ロス(Loth)ら、1992年1月21日発行);米国特許第5,108,643号(ロス(Loth)ら、1992年4月28日発行);並びに同時係属米国特許出願番号60/451064(P&G件名番号AA614FP)名称「プロトマイクロエマルション、プロトマイクロエマルション含有クリーニング器具、及びその使用法(Protomicroemulsion,Cleaning Implement Containing Same,And Method Of Use Therefor)」(フォード(Ford)ら、2003年2月28日出願);同時係属米国特許出願番号60/472941(P&G件名番号AA614P2)名称「プロトマイクロエマルション、プロトマイクロエマルション含有クリーニング器具、及びその使用法(Protomicroemulsion,Cleaning Implement Containing Same,And Method Of Use Therefor)」(フォード(Ford)ら、2003年5月23日出願);同時係属米国特許出願番号○○/○○○○○○(P&G件名番号AA614P3)名称「プロトマイクロエマルション、プロトマイクロエマルション含有クリーニング器具、及びその使用法(Protomicroemulsion,Cleaning Implement Containing Same,And Method Of Use Therefor)」(フォード(Ford)ら、○○○○年○○月○○日出願);及び同時係属米国特許出願番号○○/○○○○○○(P&G件名番号AA633FP)名称「プロトマイクロエマルション、プロトマイクロエマルション含有クリーニング器具、及びその使用法(Protomicroemulsion,Cleaning Implement Containing Same,And Method Of Use Therefor)」(ハットン(Hutton)及びフォレイ(Foley)、○○○○年○○月○○日出願)に記載されるように、当該技術分野において既知である。上記参考文献に記される食器洗い組成物又は上記組成物の変形物は、本明細書で説明する容器及び泡生成ディスペンサーと組み合わせて使用するのが特に好ましい。
【0037】
本明細書の高粘性組成物は、典型的には少なくとも約0.05Pa・s、好ましくは約0.05Pa・s〜約10Pa・s、より好ましくは約0.1Pa・s〜約7Pa・s、更により好ましくは約0.2Pa・s〜約5Pa・s、更により好ましくは約0.3Pa・s〜約4Pa・sの粘度を有する。高粘性組成物が泡生成ディスペンサーから分配される時、泡が作り出される。
【0038】
高粘性組成物は、再充填組成物として容器内の単独品目で販売されるのが好ましいが、これは必然ではなく、同一キット内の別個の構成成分が本明細書で考慮されている。
【0039】
(成形アプリケータ)
成形アプリケータは、標準的なアプリケータと比較して、意外な程顕著に改善された結果と使用の容易さとを提供できることが更に見出された。成形アプリケータは、容易に手に持って、泡立った食器洗い組成物を洗浄する表面、すなわち食器に塗り付けるのに使用するように設計され、また大きさも決められている。泡立った食器洗い組成物が平らなアプリケータに適用される場合には、泡立った食器洗い組成物が最初に接触する食器の上で急速にぬぐい取られて、次の食器を洗浄するためには、泡立った食器洗い組成物が平らなアプリケータ上に少ししか残らないことが判明した。これにより、泡立った洗浄及び/又は食器洗い組成物の使用は、組成物の使用距離が著しく減少するので費用増となることと、また新しい泡立った洗浄及び/又は食器洗い組成物を平らなアプリケータ上に常に適用する必要があるので面倒になることとの両方である。対照的に、泡立った食器洗い組成物のための防護付き窪み及び/又はポケットのような受入れ領域を含む成形アプリケータは、泡立った食器洗い組成物をより有効に保持して長時間にわたり配分する。
【0040】
成形アプリケータは、擦り洗いに使用されることが多いので、少なくともその表面の1つは、研磨表面を含むのが好ましい。成形アプリケータは、典型的には、天然又は人造スポンジ、ブラシ、金属磨き具、織布材料、不織布材料、研磨材料、プラスチック材料、布地材料、マイクロファイバー洗浄材料、ポリマー材料、樹脂材料、ゴム材料、又はこれらの組み合わせ、好ましくは天然又は人造スポンジ、ブラシ、金属磨き具、研磨材料、発泡ゴム材料、機能性吸収性材料(FAM)、ポリウレタン発泡体、及びこれらの組み合わせ、並びにより好ましくは、天然又は人造スポンジ、ブラシ、研磨材料、発泡ゴム材料、及びこれらの組み合わせなどの多孔質材料から選定され、すべてのタイプとも連続気泡構造が殊に好ましい。そのような成形アプリケータは、多様な販売元から入手可能であり、例えば、米国ミネソタ州(St.Paul,Minnesota)のミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company;3M)などがある。成形アプリケータが比較的華奢な材料又は壊れやすい材料で形成される場合には、その材料は、不織布材料などの透水性でより堅固な材料で部分的又は完全に覆われるのが好ましい。やはり有用であるのは、プラスチック又はポリマー材料で形成された表面であり、例えば、米国ミネソタ州(St.Paul,Minnesota)のミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチャリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company;3M)から入手可能なもの、及び例えば、スコッチブライト(Scotch-Brite;商標)汎用磨きパッドに見られるものなどがある。
【0041】
本明細書で有用なFAMは、FAMの重量基準で好ましくは約20gH2O/gを超える、より好ましくは40gH2O/gを超える吸収能力を有する。そのような好ましいFAMが、米国特許第5,260,345号(デマレーズ(DesMarais)ら、1993年11月9日発行)、又は米国特許第5,889,893号(ダイヤー(Dyer)ら、1999年5月4日発行)に記載されている。好ましいポリウレタンの例が、米国特許第5,089,534号(トーエン(Thoen)ら、1992年2月18日発行);米国特許第4,789,690号(ミロバノビック−レリック(Milovanovic-Lerik)ら、1988年12月6日発行);日本特許10−182780(Japanese Patent Publication No.10-182780)(花王(株)(Kao Corporation)、1998年7月7日公開);日本特許9−30215(Japanese Patent Publication No.9-30215)(横浜ゴム(株)(Yokohama Gum)、1997年2月4日公開);日本特許5−70544(Japanese Patent Publication No.5-70544)(ダウ・ケミカル社(The Dow Chemical Company)、1993年3月23日公開);及び日本特許10−176073(Japanese Patent Publication No.10-176073)((株)ブリヂストン(Bridgestone Company)、1998年6月30日公開)に記載されている。
【0042】
好ましくは、成形アプリケータは硬質ではなく、むしろ少なくとも1つの弾力性部分、好ましくは研磨表面で覆われた弾力性部分を有する。そのような任意の弾力性部分によって、ユーザーは、擦り面と食器の間の接触量、圧力などを変化させることができる。したがって、泡立った食器洗い組成物は、泡生成ディスペンサーから直接成形アプリケータの中又は上に適用されるのが好ましい。
【0043】
図2を参照すると、本明細書の好ましい実施形態の成形アプリケータ12の上部斜視切り欠き図が示されているが、スポンジタイプの成形アプリケータ12が受入れ領域50を含み、これに泡立った食器洗い組成物が適用されて使用される。したがって、受入れ領域50は、典型的には、壁52によって境界を設けられ、これが、泡立った組成物が成形アプリケータ12から急速に擦り取られるのを防ぐ。受入れ領域は、成形アプリケータと接触している泡立った食器洗い組成物を保持するいかなる形状及びデザインのものでもよいが、成形アプリケータ中の凹面窪みであるのが好ましい。好ましい実施形態では、受入れ領域は、泡立った洗剤を受入れ領域内に有効に保持して通常の使用時間にわたって分配する、比較的急勾配の凹面壁又は他の構造を含む。受入れ領域は、泡立った食器洗い組成物を、典型的には約1ml〜約200ml、好ましくは約2ml〜約150ml、より好ましくは約5ml〜約100ml保持する。
【0044】
図2では、成形アプリケータ12は更に、食器を擦るための複数の研磨表面54を含む。少なくとも1つの研磨表面が、成形アプリケータ上に設けられているのが殊に好ましい。
【0045】
図3は、成形アプリケータ12の好ましい実施形態の斜視切り欠き図を示すが、これは、ポケットのような受入れ領域50を有するスポンジタイプのアプリケータ12として形成され、その内部寸法が破線で示されている。泡立った食器洗い組成物は、口56を通して受入れ領域50へ加えられるが、口は、所望により、永久的に開いたままでもよいし又は閉止可能であってもよい。研磨表面54が、成形アプリケータ12の実質的に外側全体を覆って、食器から汚れを落とすのを助ける。
【0046】
(試験方法)
本明細書の粘度は、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計モデル#LVDVII+で、20℃において測定される。これらの測定に使用されるスピンドルは、様々な粘度の製品を測定するのに適した速度をもつS31スピンドルであり、例えば、粘度が1Pa・sを超える製品の測定には12rpm、粘度が0.5Pa・s〜1Pa・sの製品には30rpm、粘度が0.5Pa・s未満の製品の測定には60rpmである。
【0047】
可溶化能力を測定するために、試験すべき製品10.0g(特定の希釈で試験が実施される場合、この量には水が含まれる)が、25mLシンチレーション・バイアル瓶に入れられる。これに、0.045%のピラクローム・レッド(Pylakrome RED)−LX1903(ソルベント・レッド(SOLVENT RED)24CAS#85−83−6及びソルベント・レッド(SOLVENT RED)26CAS#4477−79−6の混合物、米国アリゾナ州テンピー(Tempe)のピラム・プロダクツ社(Pylam Products)から入手可能)染料で染められた食品用キャノーラ油0.1gを加え、バイアル瓶に蓋をする。バイアル瓶は、手で5秒間激しく振盪され、ISO7027濁度測定手順によって透明になるまで、又は5分が経過するまでの、いずれか早い方の時点まで置かれる。ISO7027方法は、米国コネチカット州(Stamford,Connecticut)のオメガ・エンジニアリング社(Omega Engineering,Inc.)から入手可能なものなどの、濁度測定設備で波長880ナノメートルにおいて濁度を測定する。バイアル瓶が透明になったら、さらなる油が、そのバイアル瓶が規定の時間内に透明にならなくなるまで、0.1gずつの増分で加えられる。油溶解のパーセンテージは、製品10.0gによってうまく可溶化した(すなわち、バイアル瓶が透明になる)油の最大量として記録される。本明細書の食器洗い組成物は、製品濃度75%で試験する時、好ましくは少なくとも約1gの染色したキャノーラ油を、より好ましくは少なくとも約3gの染色したキャノーラ油を、更により好ましくは少なくとも約4gの染色したキャノーラ油を可溶化する。
【0048】
泡立ち特性は、石鹸泡シリンダー試験機(SCT)を採用し、そのデータを使用して石鹸泡生成曲線をプロットすることにより、測定可能である。SCTは、シリンダー4つの組を有する。各シリンダーは、典型的には、長さ30cm、直径10cmである。シリンダー壁は、厚さ0.5cmであり、シリンダー底は、厚さ1cmである。SCTは、密閉シリンダー、典型的には複数の透明プラスチックシリンダー内の試験溶液を、毎分約21回転の速度で2分間回転させ、その後、泡の高さが測定される。次いで、その試験溶液に汚れを加え、再び攪拌し、得られる泡の高さを再び測定してもよい。このような試験を使用して、組成物の初期の泡立ち特性、並びに洗浄される表面からより多くの汚れが取り込まれる使用時の泡立ち特性をシミュレートすることができる。
【0049】
泡立ち特性の試験は、次の通りである:
1.乾燥したきれいな目盛り付きシリンダーを1セットと、水の硬度136.8ppm(1リットル当り2.1グレイン)及び温度25℃を有する水とを準備する。
2.各シリンダーに適切な量の試験組成物を加え、水を加えて、各シリンダー内の組成物+水の合計を500mLにする。
3.シリンダーを密封し、それらをSCTに入れる。
4.SCTを作動させ、シリンダーを2分間回転させる。
5.1分以内に、泡の高さをセンチメートルで測定する。
6.泡立ち特性は、組成物によって生み出される泡の平均高さ(センチメートル)である。
【0050】
本発明による組成物は、好ましくは少なくとも約2cm、より好ましくは少なくとも約3cm、更により好ましくは少なくとも約4cmの泡立ち特性最大値を有する。
【0051】
泡対重量の比は、製品(グラム)当りの生成された泡(ml)の測定値である。泡対重量の比は、次のように測定する。メスシリンダーなどの容積測定器具の重量を測定して、自重を得る。次に、適切な場合には泡生成ディスペンサーを使用して(非連続ディスペンサー具については設定ストローク数、又は連続ディスペンサー具については設定時間)、製品をメスシリンダーの中へ分配する。推奨持続時間は、非連続器具(ポンプ、噴霧器)については10ストローク、連続器具については10秒間である。試験中の分配速度は、標準的な使用シナリオの間の分配速度と一致しているべきである。例えば、引き金噴霧器については1分当り120ストローク、又は掌ポンプについては1分当り45ストロークである。
【0052】
生成された泡の容積は、容積測定器具を使用してmlで測定する。
分配された製品を含む容積測定器具の重量をグラムで測定する。この重量から容積測定器具の自重を引く。結果が分配された製品のグラムである。最後に、泡対重量の比(ml/g)を、生成された泡の容積(ml)を分配された製品の重量(g)で割ることにより、計算する。
泡対重量の比ml/gは、高粘性組成物の密度を掛けることにより、製品1ml当りの泡mlに容易に換算される。
【実施例】
【0053】
本発明の実施例を以下の実例によって示すが、これによって本発明をいかなる方法においても限定することは意図していない。これらの実施例は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その多くの変形例が可能であるので、本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0054】
(実施例1)
泡生成キットは、マイクロエマルション食器洗い組成物で満たされた300mlの中空プラスチック容器と、図1に示されるものと同様な、取り付けられたエアスプレー(Airspray)からのT1シリーズ発泡器とを備える。T1発泡器は、図1に41で示されるような第三のメッシュをノズル先端に備えるように改造される。図3による成形アプリケータも含まれる。分配されると、泡立った食器洗い組成物は、3ml/gより大きい泡対重量の比を有し、泡は、クリームのような均一な見かけ及び感触を有する。泡立った食器洗い組成物は、泡生成ディスペンサーのノズルを成形アプリケータの口の中へ突き刺してアクチベータの上に押し下げることにより、泡生成ディスペンサーからポケットタイプの成形アプリケータの中へ分配される。上述のように使用される時、食器洗いキットは、良好な使用距離と、食器を洗浄する標準的な使用の間中続く泡とを提供する。しかしながら、泡生成ディスペンサーが使用されない(すなわち、食器洗い組成物が容器から単に注がれる)場合、有効泡立ち希釈範囲は、有効油可溶化希釈範囲にはっきりとは重なり合わない。
【0055】
(実施例2)
イオン系のマイクロエマルションが提供され、実施例1の泡生成ディスペンサーと共に詰め込まれる。
【0056】
(実施例3)
実施例1による泡生成キットが、T1発泡器が第三のメッシュの代わりに先端にスポンジを有するように改造されることを除いて、準備される。スポンジは、人造スポンジであり、ノズル形状に切断されて、ノズルの直ぐ内側に確実に固着される。生成された泡は、クリームのようであり、審美的に好ましいものである。
【0057】
「発明を実施するための形態」において引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0058】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々なその他の変形及び変更が可能であることは、当業者に明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A.泡を生成するための泡生成ディスペンサーを備える非エアゾール容器と、
B.少なくとも0.05Pa・sの粘度を有する高粘性組成物と
を備え、
前記泡生成ディスペンサーは、前記高粘性組成物と共に使用される時、2ml/gより大きい泡対重量の比を有する泡を生成し、
前記高粘性組成物は、マイクロエマルションまたはプロトマイクロエマルションからなる食器洗い組成物である泡生成キット。
【請求項2】
前記高粘性組成物が、0.05Pa・s〜10Pa・sの粘度を有する請求項1に記載の泡生成キット。
【請求項3】
前記泡生成ディスペンサーが少なくとも3つのメッシュを備え、
前記高粘性組成物は、前記泡を生成するように、前記3つのメッシュを連続して流れて通る請求項1に記載の泡生成キット。
【請求項4】
前記高粘性組成物がニュートン流体である請求項1に記載の泡生成キット。
【請求項5】
前記高粘性組成物が酵素を更に含む請求項1に記載の泡生成キット。
【請求項6】
前記泡生成ディスペンサーがスポンジを備える請求項1に記載の泡生成キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−18805(P2010−18805A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179426(P2009−179426)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【分割の表示】特願2005−518146(P2005−518146)の分割
【原出願日】平成16年3月1日(2004.3.1)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】