説明

波形鋼板取付構造、及び波形鋼板取付構造を有する建物

【課題】波形鋼板の取り付け作業の手間を軽減する波形鋼板取付構造、及び波形鋼板取付構造を有する建物を提供することを目的とする。
【解決手段】柱12、梁16が交差して形成されるコーナー部31A、31B、31C、31Dに固定プレート36が固定されている。一方、波形鋼板22の外周部には、取付部レート30が設けられている。固定プレート36と取付プレート30とは、せん断ピン40によって、波形鋼板22に作用するせん断力を架構20の仕口部21へ伝達可能に接合される。このように、架構20と波形鋼板22との接合部を架構20のコーナー部31A〜31Dに集約することで、接合作業の手間を低減できる。また、架構20の仕口部21は、他の架構20の部位と比較して剛性、強度が大きいため、架構20の補強を減らすことができる。従って、架構20の補強を減らしつつ、波形鋼板22の取付作業の手間を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架構を構成する周辺部材に波形鋼板を取り付ける波形鋼板取付構造、及び波形鋼板取付構造を有する建物に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼板を波形に加工した波形鋼板としては、特許文献1に示すように、波形の折筋の向きを横にして架構の構面に配置した波形鋼板耐震壁が提案されている。この波形鋼板耐震壁は、垂直方向にアコーディオンのように伸縮するため鉛直力を負担しないが、地震荷重に対しては抵抗可能であり、せん断剛性・せん断耐力を確保しつつ、優れた変形性能を有している。
地震荷重等の外力より架構を構成する上下の水平部材が相対移動すると、せん断力が波形鋼板に作用し、波形鋼板がせん断変形する。これにより、外力に対して波形鋼板が抵抗し、耐震効果を発揮する。また、外力に対して波形鋼板が降伏するように設計することで、鋼板の履歴エネルギーによって振動エネルギーが吸収され、制振効果を発揮させることができる。このように、外力をせん断力として波形鋼板に作用させるために、波形鋼板の四周が架構を構成する水平部材及び柱等に接合されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、波形鋼板の外周にスタッドを所定の間隔で立設し、当該スタッドを鉄筋コンクリート造の梁及び柱の長手方向に沿って埋め込むことで、波形鋼板を架構に取り付けている。しかしながら、梁、柱の長手方向に沿ってスタッドを埋め込むと、取り付け作業が煩雑となる。また、鉄骨造の架構に対しては、梁及び柱の長手方向に沿って、波形鋼板を溶接することが考えられるが、この溶接作業には手間がかかる。
【0004】
一方、特許文献2の波形鋼板耐震壁は、図20(A)、図20(B)のように、鉄筋コンクリート造の柱202及び梁204で構成された架構206に対し、波形鋼板210を上下の梁204にのみ接合している。即ち、波形鋼板210の外周に立設されたスタッド208を上下の梁204に埋め込むことで、波形鋼板210を上下の梁204に接合している。このように特許文献2の波形鋼板耐震壁は、波形鋼板210を左右の柱202に接合しないが、梁204の長手方向に沿って所定の間隔でスタッド208を埋設するため、接合作業が煩雑化している。
【特許文献1】特開2005−264713号公報
【特許文献2】特開2006−37586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の事実を考慮し、波形鋼板の取り付け作業の手間を軽減する波形鋼板取付構造、及び波形鋼板取付構造を有する建物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の波形鋼板取付構造は、架構を構成する周辺部材へ波形鋼板を取り付ける波形鋼板取付構造において、前記周辺部材が交差して形成されるコーナー部であって、少なくとも対角上にある2箇所の前記コーナー部に固定された固定部材と、前記波形鋼板の外周に設けられた取付部と、前記波形鋼板に作用するせん断力を前記架構の仕口部へ伝達可能に前記固定部材と前記取付部とを接合する接合手段と、を備える。
【0007】
上記の構成によれば、周辺部材が交差して形成されるコーナー部であって、少なくとも対角上にある2箇所のコーナー部に固定部材が固定されている。一方、波形鋼板の外周部には、取付部が設けられている。取付部と固定部材とは、接合手段によって波形鋼板に作用するせん断力を架構の仕口部へ伝達可能に接合される。これにより、波形鋼板が、架構に取り付けられる。
【0008】
このように、架構と波形鋼板との接合部を架構のコーナー部に集約することで、接合作業の手間を低減できる。一方、波形鋼板に作用するせん断力は、取付部から固定部材を介して架構の仕口部に伝達される。即ち、架構の仕口部に波形鋼板のせん断力が集中して作用する。しかし、架構の仕口部は、他の架構の部位と比較して剛性、強度が大きいため、架構の補強を減らすことができる。従って、架構の補強を減らしつつ、波形鋼板の取付作業の手間を低減できる。
【0009】
請求項2に記載の波形鋼板取付構造は、請求項1に記載の波形鋼板取付構造において、前記周辺部材が、柱と梁、若しくは柱とスラブである。
【0010】
上記の構成によれば、架構が、柱と梁、若しくは柱とスラブから構成されている。即ち、柱と梁とからなる架構、若しくは柱とスラブとからなる架構へ波形鋼板を取り付け、波形鋼板を耐震壁として使用する。従って、波形鋼板を用いた耐震壁を構築する場合に、波形鋼板の取付作業の手間を低減することができる。
【0011】
請求項3に記載の波形鋼板取付構造は、請求項1に記載の波形鋼板取付構造において、前記周辺部材が、梁である。
【0012】
上記の構成によれば、梁からなる架構、例えば、床面や屋根面に波形鋼板を取り付ける。床面に波形鋼板を取り付けた場合は、建物に発生する慣性力を耐震要素に伝達する役割を果たす。また、外力に対して波形鋼板が降伏するように設計することで、履歴ループによって振動エネルギーを吸収し、制振部材として機能する。そのため、従来のコンクリートスラブと比較して軽量かつ耐震性能に優れた床構造を構築できる。
【0013】
また、屋根面に波形鋼板を取り付けた場合は、波形鋼板が剛性を高めるブレースとして機能すると共に、風雨を防ぐ屋根材として役割を果たす。従来であれば、屋根面にルーフデッキ等の屋根材とブレース等の斜材との2つ部材を取り付けるところ、波形鋼板を取り付けるだけで良いため、施工性が向上する。
【0014】
請求項4に記載の建物は、請求項1〜3の何れか1項に記載の波形鋼板取付構造を有する。
【0015】
上記の構成によれば、建物に波形鋼板取付構造が用いられている。従って、施工性の向上、工期が短縮化された建物を構築することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、上記の構成としたので、波形鋼板の取り付け作業の手間を低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る波形鋼板取付構造、及び波形鋼板取付構造を有する建物について説明する。
【0018】
先ず、第1の実施形態に係る波形鋼板取付構造の構成について説明する。
【0019】
図1、図2に示すように、鉄筋コンクリート造の左右の柱12及び鉄筋コンクリート造の上下の梁16に囲まれた架構20の構面には、鋼板を波形形状に加工した波形鋼板22が折り筋の向きを横(水平方向)にして配置されている。
【0020】
波形鋼板22の外周には、フランジ部材24が波形鋼板22を囲むように溶接されている。このフランジ部材24は、波形鋼板22の左右の端部に沿って溶接されたH型鋼26と、波形鋼板22の上下の端部に沿って溶接されたH型鋼28と、を備えている。
【0021】
H型鋼26、H型鋼28の両端部には、図3(A)又は図3(B)に示すように、鋼製のエンドプレート26A、28Aがそれぞれ溶接されている。エンドプレート26Aとエンドプレート28Aとは、波形鋼板22の角において、略直角をなして溶接されている。また、エンドプレート26A、28Aには、取付プレート30(取付部)が溶接されている。この取付プレート30は、エンドプレート26A、28Aにまたがって溶接され、取付プレート30の略中央には、図3(B)に示すように、後述するせん断ピン40(接合手段)が貫通する貫通孔30Aが形成されている。
【0022】
図1に示すように、架構20の4箇所のコーナー部31A〜31Dには、固定部材32がそれぞれ固定されている。コーナー部31Aとコーナー部31Cとは対角上に位置し、コーナー部31Bとコーナー部31Dとは対角上に位置している。なお、架構20のコーナー部31A〜31Dとは、架構20の構面内であって、柱12と梁16とが交差して形成された架構20の4つの角、及びこれらの4つの角の周辺にある柱12及び梁16を含む概念であり、後述する図6に示す構成のように固定部材46が固定される梁16の端部、及びこの梁16の端部に相当する柱12の部位等も含まれる。なお、柱12と梁16とは、図3(A)に示すように、架構20の仕口部21において剛接合されている。
【0023】
図3(A)、図3(B)又は図4に示すように、固定部材32は、鋼板を略直角に折り曲げて形成されたアングル34と、このアングル34の内壁に沿ってまたがるように溶接された固定プレート36とから構成されている。固定プレート36の略中央部には、せん断ピン40が貫通する貫通孔36Aが形成されている。
【0024】
アングル34の外壁には、せん断力伝達要素としての複数のスタッド38が溶接され、このスタッド38を柱12又は梁16の内部に埋め込むことで、架構20のコーナー部31Aに固定部材32が固定されている。なお、図5(A)、図5(B)に示すように、アングル34の外壁に、スタッド38を立設するための先付プレート35を溶接し、この先付プレート35にスタッド38を溶接しても良い。このように、スタッド38の本数、配置は、設計強度に応じて適宜変更可能である。
【0025】
図3(B)に示すように、鋼製のせん断ピン40は、取付プレート30、固定プレート36に形成された貫通孔30A、36Aを貫通する円柱形のピン部40Aと、このピン部40Aの一端に設けられた頭部40Bと、から構成されている。ピン部40Aの内部には、雌ネジが切られ、円柱形のカバー42を介してボルト44がねじ込まれる。
【0026】
図4に示すように、取付プレート30と固定プレート36とは、各々の貫通孔30A、36Aを貫通するピン部40Aよって接合される。具体的には、貫通孔30A、36Aにピン部40Aを貫通させ、反対側からカバー42を介してボルト44をねじ込む。これにより、せん断ピン40が抜け落ちないように固定され、せん断ピン40のせん断によって架構20と波形鋼板との間で応力伝達がなされる。
なお、ピン部40Aは、架構20と波形鋼板22とに作用する応力を相互に伝達可能な剛性、強度とされている。また、せん断ピン40をボルト44で固定したがこれに限らず、面外方向の抜け止めを備えた円柱状ピンでも良い。
【0027】
次に、第1の実施形態に係る波形鋼板取付構造の作用及び効果について説明する。
【0028】
図4に示すように、せん断ピン40によって、架構20のコーナー部31Aに固定された固定部材32に、波形鋼板22の外周に設けられた取付プレート30を接合して、架構20に波形鋼板22を取り付ける。このように、架構20と波形鋼板22との接合部を架構20のコーナー部31A〜31D(図1参照)に集約することで、波形鋼板22の取り付け作業の手間が低減される。
【0029】
一方、架構20に地震荷重等の水平力が作用すると、波形鋼板22にせん断力が作用してせん断変形する。これにより、水平力に対して波形鋼板22が抵抗し、耐震効果を発揮する。また、水平力に対して波形鋼板22が降伏するように設計することで、鋼板の履歴エネルギーによって振動エネルギーが吸収され、制振効果を発揮させることができる。この際、波形鋼板22に作用するせん断力は、取付プレート30からせん断ピン40、固定部材32を介して架構20の仕口部21に伝達される。即ち、架構20の仕口部21に波形鋼板22が負担するせん断力が集中する。
【0030】
ここで、架構20の仕口部21は、柱12と梁16との接合部であるため、他の架構20の部位と比較して高剛性、高強度で設計される。従って、本実施形態のように、架構20のコーナー部31A〜31Dに固定部材32を固定することで、波形鋼板22から伝達される集中力(せん断力)に対して、架構20の補強を減らすことができる。よって、架構20の補強を減らしつつ、波形鋼板22の取り付け作業の手間を低減することができる。
【0031】
次に、第2の実施形態に係る波形鋼板取付構造について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態に替えて、架構20のコーナー部31A〜31Dであって、梁16の両端部に固定部材46を固定する。なお、第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
【0032】
図6に示すように、鋼板を波形に加工した波形鋼板48の外周には、フランジ部材49が接合されている。このフランジ部材49は、波形鋼板48の左右の端部に沿って溶接されたH型鋼50と、波形鋼板48の上下の端部に沿って溶接されたH型鋼52(取付部)と、から構成されている。H型鋼50は、波形鋼板48の角において、H型鋼52の端部に溶接されている。また、架構20のコーナー部31A〜31Dを形成する上下の梁16の両端には、固定部材46が固定されている。
【0033】
図7(A)に示すように、固定部材46は、梁16の下面に沿う平板状のアングル54と、このアングル54を挟んで上下に立設された先付プレート56、固定プレート58と、から構成されている。先付プレート56にはせん断力伝達要素としてのスタッド38が溶接され、先付プレート56及びスタッド38が梁16の内部に埋め込まれている。なお、固定部材46は、図8(A)、図8(B)に示すように、先付プレート56の上部にプレート63を溶接して、スタッド38を立設しても良い。このように、スタッド38を増やすことで、架構20と波形鋼板48との応力伝達が良好となる。
【0034】
図7(A)に示すように、波形鋼板48の外周に設けられたH型鋼52は、ウエブ部60と、上下のフランジ部62、64とを一体成形して構成されている。H型鋼52の端部には、フランジ部62を部分的に切り欠かれ、図7(B)に示すように、ウエブ部60とフランジ部62とが断面L型に形成されている。この切欠き部を介してウエブ部60に固定プレート58が重ね合せられている。
【0035】
また、図7(B)に示すように、固定プレート58及びH型鋼52のウエブ部60には、せん断ピン40のピン部40Aが貫通する貫通孔58A、60Aがそれぞれ形成され、せん断ピン40によって、固定プレート58とH型鋼52とが接合されている。
【0036】
次に、第2の実施形態に係る波形鋼板取付構造の作用及び効果について説明する。
【0037】
図6に示すように、せん断ピン40によって、架構20のコーナー部31A〜31D、即ち、梁16の両端部に固定された固定部材46に、波形鋼板48の外周に設けられたH型鋼52を接合して、架構20に波形鋼板48を取り付ける。第1の実施形態では、図1に示すように、柱12、梁16にまたがって固定部材32を固定したが、本実施形態では、図9に示すように、上下の梁16の端部にのみ固定部材46を固定するため、固定部材46の固定作業の手間を低減できる。また、梁16をプレキャストコンクリート造で構成する場合は、工場等において梁16に固定部材46を固定することで、現場の取り付け作業を省略できるため、施工性が向上する。
【0038】
また、架構20に地震荷重等の水平力が作用すると、波形鋼板48に作用するせん断力は、H型鋼52からせん断ピン40、固定部材46を介して、架構20の仕口部21(図7(A)参照)に伝達される。この際、梁16の両端部に波形鋼板48が負担するせん断力が集中して作用するが、仕口部21と同様に、梁16の両端部は、架構20の他の部位と比較して高剛性、高強度で設計される。従って、本実施形態のように、架構20のコーナー部31A〜31Dに固定部材46を固定することで、波形鋼板48から伝達される集中力(せん断力)に対して、架構20の補強を減らすことができる。よって、架構20の補強を減らしつつ、波形鋼板48の取り付け作業の手間を低減することができる。
【0039】
なお、本実施形態では、上下の梁16の両端部に固定部材46を固定したが、架構20のコーナー部31A〜31Dの周辺であって、梁16の両端部に相当する左右の柱12の部位にのみ固定部材46を固定しても良い。
【0040】
次に、第3の実施形態に係る波形鋼板取付構造の構成について説明する。第3の実施形態では、第1の実施形態に替えて、波形鋼板22を床面に取り付ける。なお、第1、第2の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
【0041】
図9(平面図)に示すように、角型鋼管からなる柱64と、この柱64から張り出したH型鋼からなる梁66、68と、2つの梁66の間に架設されたH型鋼からなる小梁70と、によって、2つの架構72A、72Bが構成されている。柱64と梁66、88は、仕口部65において、図示せぬガゼットプレート、ボルト等により緊結されている。また、梁66と小梁70とは、仕口部71において、図示せぬガゼットプレート、ボルト等により緊結されている。
【0042】
架構72A、72Bの構面(床面)には、それぞれ波形鋼板22が取り付けられている。架構72Aのコーナー部76A〜76Dには、それぞれ鋼製の固定プレート80、82(固定部材)が固定されている。コーナー部76B、76Dを例に説明すると、コーナー部76Bでは、梁66のウエブ部66Aと梁68のウエブ部68Aとまたがると共に、柱の外周面に沿って固定プレート80が溶接されている。コーナー部76Dでは、梁66のウエブ部66Aと小梁70のウエブ部70Aとにまたがって固定プレート82が溶接されている。コーナー部76A、76Cについても同様の方法によって固定プレート80、82が溶接されている。
【0043】
これらの固定プレート80、82には、せん断ピン40によって波形鋼板22の取付プレート30が接合され、波形鋼板22が架構72A、72Bの構面(床面)に取り付けられている。
なお、架構72Bのコーナー部78A〜78Dには、架構72Aのコーナー部76A〜76Dと同様の方法によって、固定プレート80、82がそれぞれ固定され、せん断ピン40のよって波形鋼板22の取付プレート30が接合されている。
【0044】
次に、第3の実施形態に係る波形鋼板取付構造の作用及び効果について説明する。
【0045】
図9に示すように、せん断ピン40によって、架構72Aのコーナー部76A〜76Dに固定された固定プレート80、82に、波形鋼板22の外周に設けられた取付プレート30を接合して、架構72Aに波形鋼板22を取り付ける。また、架構72Bのコーナー部78A〜78Dに固定された固定プレート80、82に、波形鋼板22の外周に設けられた取付プレート30を接合して、架構72Bに波形鋼板22を取り付ける。このように、架構72A、72Bと波形鋼板22との接合部を架構72Aのコーナー部76A〜76D又は架構72Bのコーナー部78A〜78Dに集約することで、波形鋼板22の取り付け作業の手間が低減される。
【0046】
ここで、一般的な床構造82を図10に示し、床構造82(床面)に作用する地震荷重等の水平力の荷重分布について説明する。なお、図10は床構造82を示す平面図である。
【0047】
図10に示すように、鉄骨造の柱84と、この柱84から張り出した梁86と、によって4つの架構88A、88B、88C、88Dが構成されている。各架構88A〜88Dの構面(床面)には、コンクリート造のスラブ90を敷設されている。また、架構88A、及び架構88Dには、鉄骨ブレース92が設置されている。
【0048】
床構造82に地震荷重等の水平力Fが作用すると、柱84、梁86、スラブ90を伝って、剛性・強度が高い鉄骨ブレース92に水平力Fが集中する。この際、スラブ90に発生するせん断力の荷重分布は、矢印Xのように、床構造82の中央から鉄骨ブレース92に向かって大きくなる。
【0049】
このようにスラブ90はせん断力の伝達経路となるが、せん断力は主に鉄骨ブレース92において吸収される。本実施形態は、床構造82のスラブ90に替えて、せん断力の伝達経路となる架構の構面(床面)に波形鋼板22を取り付けることで、振動エネルギー吸収機能を持たせるものである。即ち、図9において、架構72A、72Bに地震荷重等の水平力が作用すると、波形鋼板22にせん断力が作用してせん断変形する。これにより、水平力に対して波形鋼板22が抵抗し、耐震効果を発揮する。また、水平力に対して波形鋼板22が降伏するように設計することで、鋼板の履歴エネルギーによって振動エネルギーが吸収され、制振効果を発揮させることができる。従って、上記した一般的な床構造82と比較して、軽量かつ耐震性能に優れた床構造を構築できる。
【0050】
また、波形鋼板22に作用するせん断力は、取付プレート30からせん断ピン40、固定プレート80、82(固定部材)を介して架構72A、72Bの仕口部65、71に伝達される。しかし、仕口部65、71は、柱64と梁66、68、又は梁66と小梁79の接合部であって、ガゼットプレート等により補強されているため、他の架構72A、72Bの部位と比較して剛性・強度が高い。従って、架構72A、72Bの補強を減らしつつ、取り付け作業の手間を低減することができる。
【0051】
次に、第4の実施形態に係る波形鋼板取付構造について説明する。第4の実施形態では、第1の実施形態に替えて、波形鋼板22を屋根構造94に取り付ける。なお、第1〜3の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に、適宜省略して説明する。
【0052】
図11(A)に示すように、屋根構造94は、H型鋼からなる棟木材96と、この棟木材96から左右に張り出したH型鋼からなる垂木材98、垂木材100から構成されている。これらの垂木材98、垂木材100は、棟木材96の長手方向に沿って所定の間隔で、棟木材96に接合されている。隣接する垂木材98の間、及び隣接する垂木材100の間には、H型鋼からなる桟木材102、104がそれぞれ所定の間隔で架け渡されている。この屋根構造94を矢印Y方向から見ると、図11(B)に示すように、垂木材98と桟木材102とによって、架構106が構成されている。なお、垂木材98と桟木材102とは、仕口部112において、図示せぬガゼットプレート、ボルト等により緊結されている。
【0053】
この架構106のコーナー部108A〜108Dには、固定プレート110が固定されている。コーナー部108A、108Cを例に説明すると、固定プレート110は、垂木材98のウエブ部98Aと、桟木材102のウエブ部102Aとにまたがって溶接されている。これらの固定プレート110には、せん断ピン40によって、波形鋼板22の取付プレート30が接合され、波形鋼板22が架構106の構面(屋根面)に取り付けられている。
【0054】
次に、第4の実施形態に係る波形鋼板取付構造の作用及び効果について説明する。
【0055】
図11(B)に示すように、せん断ピン40によって、架構106のコーナー部108A〜108Dに固定された固定プレート110に、波形鋼板22の外周に設けられた取付プレート30を接合して、架構106に波形鋼板22を取り付ける。このように、架構106と波形鋼板22との接合部を架構106のコーナー部108A〜108Dに集約することで、波形鋼板22の取り付け作業の手間が低減される。
【0056】
架構106に地震荷重等の水平力が作用すると、波形鋼板22にせん断力が作用し、波形鋼板22がせん断変形する。これにより、水平力に対して波形鋼板22が抵抗し、耐震効果を発揮する。また、水平力に対して波形鋼板22が降伏するように設計することで、鋼板の履歴エネルギーによって振動エネルギーが吸収され、制振効果を発揮させることができる。このように、屋根構造94に形成された架構106の構面(屋根面)に波形鋼板22を取り付けると、波形鋼板22が耐震要素又は制震要素として機能すると共に、風雨を防ぐ屋根材として役割を果たす。これにより、一般的な屋根構造ではルーフデッキ等の屋根材と制震ブレース等の斜材との2つ部材を取り付ける必要があるが、本実施形態では、波形鋼板22がルーフデッキ及びブレースの機能を兼ね備えるため、波形鋼板22を架構106に取り付けるだけで良く、施工性が向上する。
【0057】
更に、波形鋼板22に作用するせん断力は、取付プレート30からせん断ピン40、固定プレート110(固定部材)を介して架構106の仕口部112に伝達される。仕口部112は、垂木材98と桟木材102との接合部であって、ガゼットプレート等により補強されているため、他の架構106の部位と比較して剛性・強度が高い。従って、架構106の補強を減らしつつ、取り付け作業の手間を低減することができる。
【0058】
なお、上記全ての実施形態では、架構のコーナー部の全てに、固定部材としての固定プレートを固定したがこれに限らない。固定プレートは、4箇所のコーナー部のうち、対角上にある少なくとも2箇所のコーナー部に固定されていれば良い。第1の実施形態を例にして説明すると、図12に示すように、架構20の4箇所のコーナー部31A〜31Dのうち、2箇所のコーナー部31B及びコーナー部31Dにのみ固定プレート36を固定しても良い。この場合、波形鋼板22の外周に設ける取付プレート30は、固定プレート36に応じて設ければ良い。このように、少なくとも対角上に位置する2箇所のコーナー部31B、31Dに波形鋼板22を取り付けることで、架構20に作用する水平力に対して波形鋼板22が抵抗し、耐震要素として機能すると共に、設計によって制震要素として機能する。
【0059】
なお、応力伝達、振動エネルギー吸収性能の観点からは、図13に示すように、架構20の4箇所のコーナー部31A〜31Dのうち、3箇所のコーナー部31B、31C、31Dに固定プレート36を固定することが好ましい。この場合、図12の構成と比較して、架構20と波形鋼板22との応力伝達経路が増えるだけでなく、コーナー部31Bとコーナー部31Dと結ぶ直線を回転軸とした波形鋼板22の回転運動が抑制される。更に、図1に示すように、4箇所のコーナー部31A、31B、31C、31Dに固定プレート3を固定して、波形鋼板22を取り付けることが好ましい。
また、参考までに、対角上に位置する2箇所のコーナー部に固定プレートを固定する構成ではないが、図14に示すように、架構20の2箇所のコーナー部31C、31Dに固定プレート36を固定し、上側の梁16の中央部付近に固定プレート58(図7(A)参照)を固定して、波形鋼板22を架構20に取り付けることも可能である。
【0060】
また、上記全ての実施形態において、架構を構成する柱、梁をプレキャストコンクリート造で構成した場合は、予め梁又は柱と固定部材とを一体形成しても良い。第1の実施形態において、柱12及び梁16をプレキャストコンクリート造で構成する場合を例にして説明すると、図15に示すように固定部材32を梁16に固定することができる。この構成では、柱12の上端部に、先付プレート114が埋設されている。この先付プレート114には、埋め込み式のアンカーナット116と、せん断力伝達要素としてのスタッド118と、が交互に溶接されている。また、柱12の上端面からは、柱12の配筋された柱主筋12Aが突設されている。
【0061】
一方、梁16は、柱12の上端部の上に載置される仕口部120と、この仕口部120から左右に張り出す梁部122、124と、を一体化して形成されている。仕口部120には、シース管126が埋設され、柱12の柱主筋12Aが挿入可能になっている。梁部124の根元には、梁部124の内部にスタッド38(図3参照)を埋め込むなどして固定部材32が固定されている。固定部材32のアングル34には、ボルト128が貫通するボルト孔130が形成されている。このボルト孔130は、柱12の上端部に仕口部120を載置したときに、アンカーナット116と一致するように形成されている。
【0062】
現場においては、柱主筋12Aをシース管126に挿入し、柱12の上端部に梁16の仕口部120を載置して、先付プレート114と固定部材32のアングル34とを対向させる。そして、ボルト孔130を介してアンカーナット116にボルト128をねじ込んで締め付け、柱12に固定部材32を固定する。このように、梁16と固定部材32とを工場等で一体成形することで、現場の施工作業の負担を軽減することができる。なお、柱12と仕口部120とは、シース管126にグラウト等の硬化材(不図示)を充填することで一体化され、柱12の上端部、及び梁部124の根元と共に、架構のコーナー部を形成する。即ち、柱12の上端部、及び梁部124の根元は、架構のコーナー部に含まれる。
【0063】
次に、柱、梁を鉄骨造で構成した場合について説明する。図16に示すように、H型鋼で構成された柱134、梁136は、柱134と梁136とが交差する仕口部137で剛接合され、架構138が構成されている。架構138のコーナー部139Aには、固定プレート140(固定部材)が柱134、梁136にまたがって溶接されている。このように鉄骨造の架構138に対しては、固定プレート140を柱134、梁136に溶接等で固定することができる。なお、固定方法は溶接に限らず、ガゼットプレート等を介してボルトやせん断ピン等で接合しても良い。
【0064】
更に、上記全ての実施形態では、波形鋼板の外周にH型鋼を接合したが、図16に示すように、波形鋼板22の左右の端部に沿って鋼板142を溶接し、上下の端部に沿って鋼板144を溶接しても良い。この場合、鋼板142、144の端部にそれぞれエンドプレート142A、144Aを溶接し、これらのエンドプレート142A、144Aを略直角に交差させて接合する。取付プレート30は、これらのエンドプレート142A、144Aの間にまたがるように溶接される。この際、鋼板142とエンドプレート144Aとの間、及び鋼板144とエンドプレート142Aとの間に、鋼製の補剛プレート146、148をそれぞれ溶接して、取付プレート30の剛性を高めることが好ましい。
【0065】
また、上記全ての実施形態において、固定部材の材料、枚数等は、求められる剛性・強度に応じて設計されれば良い。例えば、図17に示すように、アングル34に2枚の固定プレート36、37を溶接して、固定部材32と波形鋼板22の外周に設けられた取付プレート30との接合強度を確保しても良い。この場合、固定プレート36、37の間に取付プレート30を挿入(矢印A)して、固定部材32と取付プレート30を接合する。なお、固定プレート37には、固定プレート36と同様にせん断ピン40のピン部40A(図3(B)参照)が貫通する貫通孔が設けられている。このように、2枚の固定プレート36、37で取付プレート30を挟み込んで接合することで、波形鋼板22と架構20との応力伝達が良好になる。
【0066】
更に、本発明の波形鋼板取付構造は、柱とスラブとから構成される架構に適用することができる。図18に示すように、鉄筋コンクリート造の柱150と、鉄筋コンクリート造のスラブ152とから構成された架構154の下部の断片を示している。スラブ152は、柱150から張り出した鉄筋コンクリート造の梁156によって支持されている。
【0067】
架構154のコーナー部155Aには、固定部材32が固定されている。固定部材32の固定プレート36には、せん断ピン40によって、波形鋼板22の外周に設けられた取付プレート30が接合されている。この架構154においては、柱150とスラブ152とが交差する部位が仕口部158となる。
【0068】
また、上記全ての実施形態では、接合手段としてせん断ピン40を用いたがこれに限らない。波形鋼板が負担するせん断力を架構の仕口部に伝達できれば良く、例えば、ボルト及びナット等で接合しても良いし、更には、高力ボルト等を用いることができる。
【0069】
また、上記第1、第2の実施形態における柱、梁は、鉄筋コンクリート造に限らず、また、上記第3、第4の実施形態における柱、梁、小梁、垂木材及び桟木材等は、鉄骨造に限らない。本発明における架構を構成する柱、梁、小梁、垂木材、及び桟木材等は、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、プレストレスコンクリート造、鉄骨造、更には現場打ち工法、プレキャスト工法等の種々の工法を用いた構造部材に適用可能である。例えば、第1の実施形態において、梁16に替えてコンクリートスラブ又は小梁等であっても良い。
【0070】
また、説明の都合上、柱、梁、小梁、垂木材、及び桟木材に配筋される、鉄筋、せん断補強筋等は省略したが、鉄筋、せん断補強筋は、各部材に求められる強度に応じて適宜設ければよい。
【0071】
更に、本発明の波形鋼板取付構造を有する建物を構築することで、施工性の向上、工期が短縮化された建物を構築することができる。この場合、本発明の波形鋼板取付構造は、建物の一部に用いても良いし、全てに用いても良い。
【0072】
また、波形鋼板22、48は、図19(A)〜(D)に示すような断面形状をした波形鋼板を用いても良い。更に、波形鋼板22は、波形の折り筋の向きを横(水平方向)にして架構20に配置したがこれに限らず、折り筋の向きを縦(鉛直方向)として架構20に配置しても良い。このように配置しても波形鋼板耐震壁に特有の変形性能に影響はなく、優れた耐震性能は確保される。
【0073】
以上、本発明の第1〜第4の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、第1〜第4の実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る波形耐震取付構造を備える架構を示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る波形耐震取付構造を備える架構を示す図1の1−1線断面図である。
【図3】(A)は、本発明の第1の実施形態に係る波形耐震取付構造を備える架構の断片を示す正面図であり、(B)は、図3(A)の3−3線断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る波形耐震取付構造を備える架構の断片を示す斜視図である。
【図5】(A)は、本発明の第1の実施形態に係る波形耐震取付構造を備える架構の断片を示す正面図であり、(B)は、図5(A)の5−5線断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る波形耐震取付構造を備える架構を示す正面図である。
【図7】(A)は、本発明の第2の実施形態に係る波形耐震取付構造を備える架構の断片を示す正面図であり、(B)は、図7(A)の7−7線断面図である。
【図8】(A)は、本発明の第2の実施形態に係る波形耐震取付構造を備える架構の断片を示す正面図であり、(B)は、図8(A)の8−8線断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る波形耐震取付構造を備える架構の示す平面図である。
【図10】従来の床構造を示す平面図である。
【図11】(A)は、本発明の第4の実施形態に係る波形耐震取付構造が適用される屋根構造を示す説明図であり、(B)は、図11(A)のY方向から見た図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る波形耐震取付構造の変形例を備える架構を示す正面図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る波形耐震取付構造の変形例を備える架構を示す正面図である。
【図14】本発明の第1の実施形態に係る波形耐震取付構造の変形例を備える架構を示す正面図である。
【図15】本発明の第1の実施形態に係る波形耐震取付構造の変形例を適用した周辺部材を示す説明図である。
【図16】本発明の第1の実施形態に係る波形耐震取付構造の変形例を備える架構の断片を示す斜視図である。
【図17】本発明の第1の実施形態に係る波形耐震取付構造の変形例を備える架構の断片を示す斜視図である。
【図18】本発明の第1の実施形態に係る波形耐震取付構造の変形例を備える架構の断片を示す斜視図である。
【図19】本発明の全ての実施形態に係る波形鋼板の断面形状を示す断面図である。
【図20】(A)は、従来の波形鋼板耐震壁を示す正面図であり、(B)は、図20(A)の9−9線断面図である。
【符号の説明】
【0075】
12 柱(周辺部材)
16 梁(周辺部材)
20 架構
21 仕口部
22 波形鋼板
30 取付プレート(取付部)
31A、31B、31C、31D コーナー部
32 固定部材
36 固定プレート(固定部材)
37 固定プレート(固定部材)
40 せん断ピン(接合手段)
46 固定部材
48 波形鋼板
52 H型鋼(取付部)
58 固定プレート(固定部材)
64 柱(周辺部材)
65 仕口部
66 梁(周辺部材)
68 梁(周辺部材)
70 小梁(周辺部材)
71 仕口部
72A、72B 架構
76A、76B、76C、76D コーナー部
78A、78B、78C、78D コーナー部
79 小梁(周辺部材)
80 固定プレート
82 固定プレート
98 垂木材(周辺部材)
102 桟木材(周辺部材)
106 架構
108A、108B、108C、108D コーナー部
110 固定プレート(固定部材)
112 仕口部
120 仕口部
134 柱(周辺部材)
136 梁(周辺部材)
137 仕口部
138 架構
139A コーナー部
140 固定プレート(固定部材)
150 柱(周辺部材)
152 スラブ(周辺部材)
154 架構
155A コーナー部
156 梁(周辺部材)
158 仕口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架構を構成する周辺部材へ波形鋼板を取り付ける波形鋼板取付構造において、
前記周辺部材が交差して形成されるコーナー部であって、少なくとも対角上にある2箇所の前記コーナー部に固定された固定部材と、
前記波形鋼板の外周に設けられた取付部と、
前記波形鋼板に作用するせん断力を前記架構の仕口部へ伝達可能に前記固定部材と前記取付部とを接合する接合手段と、
を備える波形鋼板取付構造。
【請求項2】
前記周辺部材が、柱と梁、若しくは柱とスラブである請求項1に記載の波形鋼板取付構造。
【請求項3】
前記周辺部材が、梁である請求項1に記載の波形鋼板取付構造。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の波形鋼板取付構造を有する建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−7235(P2010−7235A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−164234(P2008−164234)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】