説明

波長ドメイン光スイッチ

【課題】安価なレンズが使用でき、複数の導波路形分光回路の分波波長のずれを補正できる導波路形波長ドメイン光スイッチを提供する。
【解決手段】導波路形分光回路114が3回路以上積層された集積化素子110と、集積化素子110から出射された光を集光する第1レンズ130と、第1レンズ130からの光をX偏光とY偏光に分離して異なる角度に出射する偏光分離素子140と、これらX偏光とY偏光を集光する第2レンズ150と、集光されたX偏光とY偏光を任意角度で反射する第1反射型光位相変調器160と、第2レンズ150と第1反射型光位相変調器との間で、X偏光とY偏光の偏光方向を同じにする1/2波長板170と、第1反射型光位相変調器160からの光をいずれかの導波路形分光回路114に入射させるための第2反射型光位相変調器180とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安価なレンズが使用でき、複数の導波路形分光回路の分波波長のずれを補正でき、入射する光の偏光に対して無依存となる波長ドメイン光スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
図6に示されるように、特許文献1の波長ドメイン光スイッチ600は、入出力光ファイバ601〜606、コリメートレンズアレイ610、水平偏光(y偏光)と垂直偏光(x偏光)間の特性を無依存化するための2つの3角形状からなるプリズム616,617から構成されているウォラストン(Wollaston)プリズム615、前記水平偏光と垂直偏光間の位相差を零にするための複屈折率板620、1/2波長板部分626と偏光に影響を与えない部分627とから構成されている1/2波長板ユニット625、凹面鏡630、シリンドリカルレンズ635、エッジプリズム641を有するグレーティング642、光を垂直に曲げるためのプリズム646、LCOS SLM(Liquid crystal On Si Spatial Light Modulator)645から構成されている。
【0003】
また、図7(a)、図7(b)に示されるように、特許文献2の導波路形波長選択スイッチは、MEMS(Micro Electro Mechanical System)マイクロミラー701を用いたものである。ここでは、1枚の基板702上に5個の導波路形分光器703を配置しており、さらに5枚の基板702を重ねた構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/67611号明細書
【特許文献2】米国特許第7088882号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6の従来技術には次の問題点がある。
【0006】
(1)バルク形のグレーティング642を使用しているため、1つで分光することができる点はメリットがあるが、バルク形のグレーティング642は寸法が大きくなり小型化が困難である。
【0007】
(2)各入出力光ファイバ601〜606にコリメートレンズアレイ610を用いており、コリメートレンズアレイ610と入出力光ファイバ601〜606との調整が非常に厳しく、組立に多くの時間を要すると共に、コリメートレンズアレイ610には収差を抑えるため非球面形状が必要であり、価格が大幅に増加する。
【0008】
(3)複雑な光学系であるため、各光学部品の価格および組立コストが大きくなり低価格化が困難となる。
【0009】
図7の従来技術には、次の問題点がある。
【0010】
(1)基本的に1枚の基板702上に複数の導波路形分光器703を平面的に配置している。MEMSマイクロミラー701を用いる場合は反射角度が大きくとれるため、このような構造が可能であるが、これを本発明である波長ドメイン光スイッチに適用すると、LCOS SLMの反射角度が小さいため性能が著しく劣化する。また、従来技術では、スイッチングするポート数を増加するため、平面上に配置した各導波路形分光器703の形成された基板702を数枚(本例では5枚)厚さ方向に積層しており、その一つ一つに対応して垂直方向に集光するレンズアレイ704を用いている。しかし、レンズアレイ704と各導波路形分光器703との調整が非常に厳しく、組立に多くの時間を要すると共に、レンズアレイ704には収差を抑えるため非球面形状が必要であり、価格が大幅に増加する。この困難さは、レンズアレイ704を小さくすればするほど顕著となり小型化が極めて困難となる。
【0011】
(2)積層する基板702の導波路形分光器703の分光特性(分波波長あるいは中心波長)は、ずれが分波間隔の1%以下、例えば分波間隔1nmの場合は0.01nm以下と厳密に一致する必要があり、これを制御することは現状の微細加工精度では極めて困難であり、歩留まりが極めて悪い。
【0012】
図6と図7の従来技術に共通した問題点としては、レンズアレイを用いているため、それに要求される収差は極めて厳しく、非球面形状が必要であり価格増加を招く。また、レンズアレイと光ファイバ(あるいは各導波路形分光器)との調整が非常に厳しく、量産性が極めて困難という欠点がある。
【0013】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、安価なレンズが使用でき、複数の導波路形分光回路の分波波長のずれを補正できる導波路形波長ドメイン光スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明は、光を入射又は出射するための1本以上の入出力導波路とその入出力導波路に接続されたスラブ導波路とそのスラブ導波路に接続された複数の導波路からなるアレイ導波路とを有する導波路形分光回路が厚さ方向に3回路以上積層され、前記アレイ導波路ごとの複数の導波路の入出射端が厚さ方向に並んだ集積化素子と、前記集積化素子の前記入出射端から距離F1の位置に配置され前記入出射端から出射された光を集光する焦点距離がF1である第1レンズと、前記第1レンズから距離F1の位置に配置され、前記集積化素子の前記入出射端から出射され前記第1レンズを透過してきた光を互いに直交するX偏光とY偏光に分離して出射する偏光分離素子と、前記偏光分離素子から距離F2の位置に前記偏光分離素子に臨むよう配置され前記X偏光とY偏光をそれぞれ集光する焦点距離がF2である第2レンズと、前記第2レンズから出射されたX偏光とY偏光のどちらか一方の偏光のみを空間的に90度回転させることで偏光方向を同じにする1/2波長板と、前記第2レンズから距離F2の位置に配置されると共に、前記第2レンズから出射されて前記1/2波長板を介して出射された前記一方の偏光と前記第2レンズから出射された他方の偏光とを前記第2レンズに反射する第1反射型光位相変調器と、 前記第2レンズから前記偏光分離素子と同じ側で距離F2の位置に前記第2レンズに臨ませて配置され前記第1反射型光位相変調器から反射されてきた光を前記導波路形分光回路のいずれかに入射させるための第2反射型光位相変調器と、を備えたものである。
【0015】
前記集積化素子は、積層された前記導波路形分光回路同士の間隔が5μmから100μmの範囲であってもよい。
【0016】
前記第1反射型光位相変調器は、前記各導波路形分光回路における分波波長の不一致を補正するための屈折率分布に制御されてもよい。
【0017】
前記第1反射型光位相変調器は、入射してきた光ビームを所望の方向に偏光させるための鋸状の屈折率分布と前記第1レンズ及び前記第2レンズの収差を補正するための屈折率分布とを重畳させた屈折率分布に制御されてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
【0019】
(1)安価なレンズが使用できる。
【0020】
(2)複数の導波路形分光回路の分波波長のずれを補正できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態を示す波長ドメイン光スイッチの構造を説明するための図であり、(a)は全体の斜視イメージ図、(b)は集積化素子の入出射端拡大図、(c)は第1反射型光位相変調器の位相分布図、(d)は第2反射型光位相変調器における入射光の光路図、(e)は第2反射型光位相変調器における反射角の制御を説明する光路図である。
【図2】本発明に用いる集積化素子の構造を説明するための図であり、(a)は上面図、(b)は合波側入出射端面拡大図、(c)は斜視図、(d)は分波側入出射端面拡大図である。
【図3】(a)〜(l)は、本発明に用いる集積化素子の製造工程順を説明するための断面概略図である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明に用いる反射型光位相変調器の構造と制御を説明するための図であり、(a)は断面図、(b)は正面図、(c)光位相変調セルのX軸方向の位相変化分布を示すグラフ、(d)は光位相変調セルの位相変化分布を示すグラフであり、(e)は等位相面を示す光路図である。
【図5】本発明の波長ドメイン光スイッチを利用した通信システムの構成図である。
【図6】従来の波長ドメイン光スイッチの斜視イメージ図である。
【図7】従来の導波路形波長選択スイッチの図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図8】本発明の波長ドメイン光スイッチを構成する各部材の配置関係を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0023】
図1(a)〜図1(e)に示されるように、本発明に係る波長ドメイン光スイッチ100は、集積化素子110と、第1レンズ130と、偏光分離素子140と、第2レンズ150と、第1反射型光位相変調器160と、1/2波長板170と、第2反射型光位相変調器180とを備える。
【0024】
集積化素子110は、5つの入出力ポート♯1〜♯5を有し、各入出力ポート♯1〜♯5に入出力用の光ファイバ101を接続することができる。いずれの入出力ポート♯1〜♯5も、入力ポートとして用いたり、出力ポートとして用いたりすることができる。この実施形態では、波長ドメイン光スイッチ100は、1つの入力ポートと4つの出力ポートを有する1×4光スイッチとする。
【0025】
集積化素子110の構造を図2(a)〜図2(d)により詳述する。
【0026】
集積化素子110は、基板111上に、屈折率の高いコア112がそれよりも屈折率の低いクラッド113で埋め込まれた構造の5つの導波路形分光回路114が積層して形成されている。導波路形分光回路114は、5本の入出力導波路115と、その入出力導波路115に接続された厚さ方向のみに閉じ込め構造のあるスラブ導波路116と、そのスラブ導波路116に接続された複数の一定長だけ長さが順次異なった導波路117からなるアレイ導波路118とを有する。
【0027】
導波路形分光回路114は、基板111の厚さ方向に、例えば25μm間隔(間隔とは、図3(l)において、下側に位置する導波路形分光回路114中のコア112の上端と、上側に位置する導波路形分光回路114中のコア112の下端との間の距離のことである。)で近接して5回路積層されている。重なり合うコア112同士にはクラッド113が介在される。これにより、集積化素子110の一側には、アレイ導波路118の各導波路117の入出射端119が基板111の厚さ方向(積層方向)に並んだ分波側入出射端面120が形成される。また、集積化素子110の一側には、各層の複数の入出力導波路115の入出射端121が基板111の厚さ方向に並んだ合波側入出射端面122が形成される。
【0028】
このように、集積化素子110は、平らな1枚の基板111上に導波路形分光回路114を積層集積化して形成したものである。図2(b)のように、合波側入出射端面122には、5層の導波路形分光回路114ごとにそれぞれ5本の入出力導波路115の入出射端121が並ぶことになる。これらの入出射端121のうち、入出力ポート♯1〜♯5として用いるものに対し5本の光ファイバ101が接続される。5本の光ファイバ101を複数本の平行なV溝に嵌め込んだ光ファイバアレイ123を形成し、この光ファイバアレイ123を集積化素子110の上面に対して傾斜させて合波側入出射端面122に取り付ける。
【0029】
一般にこのタイプの導波路形分光回路では、入出力ポートを変えると、分波波長も変化することが知られている。しかし、本発明では第1反射型光位相変調器160を用いることで、変化した分波波長も補正できる。なお、アライメントマーク124は、後述する製造方法において、各導波路形分光回路114を高精度に積層するマスク合わせのために使用される。
【0030】
集積化素子110の製造方法を図3により説明する。なお図3においては、導波路形分光回路114中のコア112の数を2個に省略して図示している。
【0031】
図3(a)に示されるように、先ず第1層目の導波路形分光回路114を形成するにあたり、石英ガラスからなる基板111上にCVD(Chemical Vapor Deposition)などの方法でコア膜からなるコアガラス301を形成する。このコアガラス301の屈折率は基板111の石英ガラスより0.2〜3%程度高く設定されている。
【0032】
図3(b)に示されるように、コアガラス301を矩形の断面形状にエッチングするためコアガラス301上に金属膜302をスパッタ法などにより形成する。
【0033】
図3(c)に示されるように、レジスト膜303を塗布し、アライメントマークパターン304を持つフォトマスク305を通してレジスト膜303を露光し、フォトレジストを形成する。そして、このフォトレジストを現像してレジストパターンを形成してから金属膜302をエッチングする。アライメントマークパターン304により、第1層目の導波路形分光回路114とアライメントマーク124(図2(a)参照)を同時に形成することができ、この後に形成する第2層目、第3層目・・・の光回路を高精度に積層できることになる。
【0034】
図3(d)に示されるように、金属膜302をマスクにしてコアガラス301をエッチングし、基板111上に第1層目の導波路形分光回路114のコア112とアライメントマーク(図示せず)が残る状態とする。
【0035】
図3(e)に示されるように、コア112を覆うクラッド膜306を塗布により形成する。クラッド膜306は石英ガラスであるため屈折率の高いコア112の周囲は屈折率の低い石英ガラスで囲まれることになる。クラッド膜306の上面は矩形の断面形状を有するコア112に対応した凹凸となる。
【0036】
図3(f)に示されるように、クラッド膜306の上面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)などの研磨により平坦化させ、クラッド113を形成する。
【0037】
図3(g)〜図3(l)に示されるように、クラッド113上に第2層目の導波路形分光回路114を第1層目と同様に形成させる。このとき第1層目のアライメントマークにフォトマスク305のアライメントマークパターン304を位置合わせする。以下、同様な工程を繰り返すことで、導波路形分光回路114が複数層に積層集積化された集積化素子110が製造される。
【0038】
前述の集積化素子110の製造方法によれば、図3(f)のように基板111に1層の導波路形分光回路114が形成されたものを光学接着剤で接着して積層して集積化素子を形成する方法と比較して、光学接着剤が不要となる分、積層方向のコンパクト化を実現できる。
【0039】
図1の波長ドメイン光スイッチ100の説明に戻る。
【0040】
図1(a)及び図8に示されるように、第1レンズ130の中心は、集積化素子110の入出射端120から距離F1の位置に配置される。第1レンズ130は、集積化素子110の導波路形分光回路114の入出射端119から出射された光を集光するもので、集積化素子110における導波路形分光回路114の積層方向及び幅方向にコリメートする機能を有する。第1レンズ130としては、球面レンズ、円筒レンズなどがある。第1レンズ130の焦点距離は、両側ともF1である。
【0041】
第1レンズ130側に位置する偏光分離素子140の一方の端面は、第1レンズ130の中心から距離F1の位置に配置される。偏光分離素子140は、ウォラストンプリズムからなり、互いに直交するX偏光とY偏光を前記集積化素子の積層方向に分離するものである。
【0042】
第2レンズ150の中心は、偏光分離素子140の中心から距離F2の位置に、第2レンズ150の上半分が偏光分離素子140に臨むよう配置される。第2レンズ150は、X偏光とY偏光をそれぞれ集光するもので、集積化素子110における基板111と平行な方向にコリメートする機能を有する。第2レンズ150としては、球面レンズ、円筒レンズなどがある。第2レンズ150の焦点距離は、両側ともF2である。
【0043】
通常のLCOS SLMは、一軸方向のみしか屈折率を変化させることができないため、一軸方向の偏光の位相のみしか変化させることができず、例えば、Y軸方向のみの屈折率を変化させることができる場合には、Y偏光の位相のみを変化させることしかできない。しかし、一般に光は、X偏光とY偏光の成分を有しており、またそれらの比率は時間と共に変化する。そのため、X偏光及びY偏光を同様に位相制御する必要がある。そこで、1/2波長板170は、第2レンズ150から出射されたX偏光とY偏光のどちらか一方の偏光のみを空間的に90度回転させることで偏光方向を同じにするためのもので、第2レンズ150と第1反射型光位相変調器160との間に、一つの偏光のみをカバーするよう、X偏光の光路またはY偏光の光路のいずれかのみに配置される。
【0044】
第2レンズ150側に位置する第1反射型光位相変調器160の反射膜404は、第2レンズ150の中心から距離F2の位置に配置される。但し、距離F2はセンチメートルオーダであり、第1反射型光位相変調器160を構成する各膜403〜408は数ミクロンオーダであるため、第2レンズ150側に位置する第1反射型光位相変調器160の端面が、第2レンズ150の中心から距離F2の位置に配置されても実質的に問題は無い。第1反射型光位相変調器160は、第2レンズ150で集光されたY偏光と、第2レンズ150で集光されたX偏光を1/2波長板170で変換して得られるY偏光とをセルごとに任意の角度で反射するためのもので、複数のセルからなり、セルごとに屈折率が可変に構成されている。図示しない制御回路により第1反射型光位相変調器160の屈折率分布を制御することで、セルごとに反射光の位相変化を与えることができる。
【0045】
第2反射型光位相変調器180は、第1反射型光位相変調器160と同様に複数のセルからなり、セルごとに屈折率が可変に構成されている。図示しない制御回路により第2反射型光位相変調器180の屈折率分布を制御することで、セルごとに反射光の位相変化を与えることができる。第2反射型光位相変調器180は、第1反射型光位相変調器160から反射され、第2レンズ150でコリメートされた光をセルごとに任意の角度で反射して複数の導波路形分光回路114のいずれかに入射させるためのものである。第2レンズ150側に位置する第2反射型光位相変調器180の反射膜404は、第2レンズ150の中心から偏光分離素子140と同じ側で距離F2の位置に第2レンズ150の下半分に臨ませて配置される。但し、第1反射型光位相変調器160と同様の理由により、第2レンズ150側に位置する第2反射型光位相変調器180の端面と第2レンズ150の中心との間隔を距離F2としても実質的に問題は無い。これにより、第2反射型光位相変調器180は、偏光分離素子140と略並行して配置されていることになる。
【0046】
第1反射型光位相変調器160と第2反射型光位相変調器180は、同じ構成の反射型光位相変調器を用いる必要はないが、ここでは説明を簡単にするため、同じ構成の反射型光位相変調器を用いるものとする。反射型光位相変調器について図4により詳述する。
【0047】
図4(a)に示すように、反射型光位相変調器401は、電子回路が形成されたSi基板402上に、電極(例えばITO)403、反射膜404、SiO2膜405、配向膜406、液晶層407、SiO2膜405、電極403、及び薄膜状のガラス基板408が順次積層されている。
【0048】
図4(b)に示すように、反射型光位相変調器401は、縦横複数に配列されたセル409を備え、各セル409の屈折率を独立に制御可能である。具体的には、各セル409毎に電圧を印加することにより液晶層407の配向方向(複屈折率)を制御し、これにより反射型光位相変調器401の上面で入反射する光ビームの位相を各セル409毎に変調させることができる。
【0049】
反射型光位相変調器401の各セル409内に入射した光ビームを反射させるために必要な位相変化は最大で2π程度である。そのため、図4(c)に示すように、X軸方向に整列するセルにおいては、光ビームに与える位相は2πを超えず、かつ、図中破線410で示す直線状の位相分布と等価となるような鋸歯状の位相分布411とする。
【0050】
また、一般的にレンズの中心部から離れた所では、理想的な集光ができず、収差が生じる。そのため、図4(d)に示すように、Y軸方向に整列するセルにおいて、反射型光位相変調器401の各セル409に印加する電圧をそれぞれ変えることによって、第1レンズ130及び第2レンズ150での収差による集光ずれを補正することができるよう放物線状の位相分布412を与える。この放物線状の位相分布412にX軸の位相分布411と同様の鋸歯状の位相分布を重畳した位相分布413a、413b、413cを与えることになる。
【0051】
図4(d)では、X軸方向において3つの位相分布413a、413b、413cのみ示したが、この3つの分布はそれぞれ図4(b)のA−A線、B−B線及びC−C線上における分布であり、実際には、反射型光位相変調器401全体において、位相変化は2次元的な分布を形成する。A−A線上における分布が例えば入出力ポート#2に対応し、B−B線上における分布が例えば入出力ポート#3に対応するというように、導波路形分光回路114の積層位置に応じてX軸方向の位置が異なる。位相分布413a、413b、413cは、対応する導波路形分光回路114の分波特性を補正する鋸歯状の位相分布と放物線状の位相分布412とを重畳したものとなる。
【0052】
反射型光位相変調器401に、図4(d)に示した位相分布をもたらす屈折率分布を付与することにより、各波長の光ビームのY軸方向の位相が変化して反射型光位相変調器401を出射する角度が互いに異なる。つまり、図4(e)に示すように、反射型光位相変調器401で反射した光ビームの空間伝搬中の等位相面L1、L2、L3が波長毎に異なる。これにより、入力ポートを有する導波路形分光回路114からの光ビームのうち、所定の波長の光ビームを、出力ポートを有する所望の導波路形分光回路114に入射させることができる。
【0053】
なお、第1反射型光位相変調器160と第2反射型光位相変調器180に用いる反射型光位相変調器401は、ヒータあるいはペルチェ素子によって一定の温度となるように温度制御されているのが好ましい。
【0054】
次に、本発明の波長ドメイン光スイッチ100における光信号の伝わり方と機能について説明する。
【0055】
光ファイバ101より入力された種々の波長の光(波長多重化光信号)は、集積化素子110の積層方向真中にある導波路形分光回路114に入射すると、分波側入出射端面120に並んだ各導波路117の入出射端119から、各波長毎に異なった方向に光が出射する。これらの光が第1レンズ130を通過すると、各波長の光は、互いにオフセットした平行ビームとして偏光分離素子140に入射する。偏光分離素子140を通過した光は、X偏光のグループとY偏光のグループとの2つに分離され、それぞれ、第2レンズ150の上半分に入射する。第2レンズ150を通過した2つの偏光グループ(X偏光のグループ及びY偏光のグループ)は、それぞれ平行ビームとなり第1反射型光位相変調器160に入射する。このとき、2つに分離した内の一方の偏光グループであるX偏光のグループは、第1反射型光位相変調器160に入射する前に、1/2波長板170を通過し、偏光方向が空間的に90°回転してY偏光となり、それから第1反射型光位相変調器160に入射することになる。
【0056】
このように、X偏光の偏光グループは1/2波長板170を通過し、Y偏光の偏光グループは1/2波長板170を通過せず第1反射型光位相変調器160に入射する構成にした理由は、反射型光位相変調器401が一つの偏光(ここではY偏光)のみに作用する(反射光の方向を制御する)ためである。反射型光位相変調器401がX偏光のみに作用する場合はY偏光が1/2波長板170を通過するように構成するとよい。
【0057】
今、仮に集積化素子110の入出力ポート♯1〜♯5のすべてに光が入射された場合を考える。分波側入出射端面120の各入出射端119から各波長毎に方向が異なった光が出射されるので、第1反射型光位相変調器160の上半分には、偏光分離素子140で分離され、さらに1/2波長板170で偏光方向が空間的に90°回転したX偏光の偏光グループの5つのビームの像#1BU〜#5BUが投影される。第1反射型光位相変調器160の下半分には、偏光分離素子140で分離されたY偏光の偏光グループの5つのビームの像#1BL〜#5BLが投影される。
【0058】
合計10個のビーム像#1BU〜#5BU、#1BL〜#5BLは、集積化素子110の各導波路形分光回路114から出射される光分布と相似形をしており、その配置は上下に逆転する。ビーム像と光分布が相似形となる理由は、ビーム像が2つのレンズ、すなわち第1レンズ130と第2レンズ150による2回のフーリエ変換の関係の結果だからである。その相似形の像倍率Bは、B=F2/F1で与えられる。このように、第1反射型光位相変調器160に投影される光分布の位相分布は各導波路形分光回路114のものと同一である。このため、各ビームが投影された部分の液晶セルの位相分布を相補的な分布に変化させてやることで、これまで各ビーム間でばらついていた中心波長を補正できる。以下これを図1(c)を用いて説明する。
【0059】
例えば、ビーム像#1BUとビーム像#1BLは、ポート#1に対応している導波路形分光回路114から出射される光分布の変換像であるため、互いに集光位置は異なるが、振幅、位相は同一である。その位相分布は、製造プロセス偏差により図中に示すように所望の位相分布(破線)に対して偏差をもっている。これに、反転した位相分布を第1反射型光位相変調器160に印加することで、ほぼ所望の位相分布に一致させることができ、これまでばらついていた各導波路形分光回路114の位相分布をほぼ完全に一致させるよう補正することができる。すなわち、5つの導波路形分光回路114の分波波長(位相分布の傾きで決定される)を一致するように補正することができる。
【0060】
第1反射型光位相変調器160で反射された光は、第2レンズ150の下半分を透過し、第2反射型光位相変調器180に投影される。ここでは、投影されるビーム像が第1反射型光位相変調器160からの光分布(集積化素子110の各導波路形分光回路114からの光分布と相似)のフーリエ変換像となるため、第1反射型光位相変調器160に投影されたビーム像がX軸を長軸とする楕円ガウス分布であれば、第2反射型光位相変調器180に投影されたビーム像は90°回転したY軸を長軸とする楕円分布となり、各波長の光はY軸上の各波長に応じた場所に投影される。第1反射型光位相変調器160で各導波路形分光回路114の分波波長はすべて一致するように位相補正されているため、各波長毎に見ると合計で10個(偏光まで含め)の光分布は、1つの光分布となり、第2反射型光位相変調器180に投影されることになる。
【0061】
図1(d)には、各10個のビームが第2反射型光位相変調器180に入射する様子を示している。偏光分離素子140で2つに分離された偏光グループの内、1つの偏光グループ(ビーム像#1BU〜#5BUに対応する光ビーム#1DU〜#5DU)は、上から下への斜め方向で第2反射型光位相変調器180に入射し、もう1つの偏光グループ(ビーム像#1BL〜#5BLに対応する光ビーム#1DL〜#5DL)は、下から上への斜め方向で第2反射型光位相変調器180に入射する。それぞれの偏光グループ内では、各光ビーム間の入射角度差は、各導波路形分光回路114の積層された間隔に応じて決定され、等間隔で積層されていれば入射角度差は同じ角度αとなる。なお、図1(d)中に示すように、2つに分離された偏光グループ間の角度をθとする。
【0062】
第2反射型光位相変調器180は、複数の液晶セルから構成されており、各セルの屈折率を変化させることで、仮想的なミラーを実現できる。図1(e)に示されるように、この仮想的なミラーのミラー面の角度φを垂直面から角度α下方に傾ける(φ=αの場合)と、光ビーム(#1DL)は光ビーム(#2DU)の角度に反射され、光ビーム#1DUは光ビーム(#2DL)となって反射する。すなわち、図1(e)に実線で示した光ビーム(#1DL、#1DU)が破線で示した光ビーム(#2DU、#2DL)へスイッチングされることになる。
【0063】
ここで再び、波長ドメイン光スイッチ100における光信号の伝わり方の説明にもどる。ここでは、波長ドメイン光スイッチ100は1×4光スイッチであり、真中の入出力ポート#1を入力ポートとして用い、残りの入出力ポート#2〜#5は出力ポートとする。またここでは、導波路形分光回路114で分光された一つの波長に着目して説明する。
【0064】
光ファイバ101から入力ポートである真中の入出力ポート#1に入射された光は、導波路形分光回路114で分光される。そのうちの一つの波長の光は、第1レンズ130を経て偏光分離素子140を通過して2つに分離される。この2つの光の一方は第2レンズ150と1/2波長板170を通過し、もう一方は第2レンズ150のみを通過して同一偏光になった後、第1反射型光位相変調器160に投影される(ビーム像#1BU、#1BL)。この投影された2つの光は位相補正を受けた後、反射され、再度、第2レンズ150を通過して、それぞれ異なった角度で第2反射型光位相変調器180に入射する(光ビーム#1DU、#1DL)。2つの光は、第2反射型光位相変調器180上では1つの光分布として投影される。
【0065】
ここで、図1(e)に示すように第2反射型光位相変調器180に適切な傾きの位相分布を与えることで、例えば、光ビーム#1DLは光ビーム#2DUとなり、反射され、図1に示した光路を逆行することになる。すなわち、光ビーム#2DUとなり反射された光は、第1反射型光位相変調器160上のビーム像#2BUとなり、反射される。
【0066】
このビーム像#2BUとなり反射された光は、1/2波長板170で偏光が90°回転された後、第2レンズ150、偏光分離素子140を通過した後、入出力ポート#2に繋がる導波路形分光回路114に入射し、入出力ポート#2より出力される。
【0067】
一方、第2反射型光位相変調器180において、光ビーム#1DUは、光ビーム#2DLとなり、反射され、図1に示した光路を逆行することになる。すなわち、光ビーム#2DLとなり反射された光は、第1反射型光位相変調器160上のビーム像#2BLとなり、反射される。
【0068】
このビーム像#2BLとなり反射された光は、第2レンズ150、偏光分離素子140を通過した後、入出力ポート#2に繋がる導波路形分光回路114に入射し、入出力ポート#2より出力される。
【0069】
以上により、入出力ポート#1に入射した光をX偏光、Y偏光ともに入出力ポート#2から出射するスイッチングが完了する。このように、入力する偏光に依存せずにスイッチングが可能となる。
【0070】
ここでは、入出力ポート#1から入出力ポート#2へのスイッチングを説明したが、第2反射型光位相変調器180に与える位相分布の傾きを変化させることで、入出力ポート#1から入出力ポート#3、#4、#5へのスイッチングも可能となる。
【0071】
すなわち、仮想的なミラー面の角度をφ、各光ビームの入射角度差をα、偏光グループ間の角度をθとしたとき、
φ=0のとき、光ビーム#1DUは角度θ+4αで反射して光ビーム#1DLとなり、光ビーム#1DLは角度θ+4αで反射して光ビーム#1DUとなり、入出力ポート#1からの光は入出力ポート#1に戻る。これはスイッチングしないことに相当する。
【0072】
φ=α/2のとき、光ビーム#1DUは角度θ+5αで反射して光ビーム#3DLとなり、光ビーム#1DLは角度θ+3αで反射して光ビーム#3DUとなり、入出力ポート#1からの光は入出力ポート#3に戻る。つまり入出力ポート#1から入出力ポート#3へのスイッチングとなる。
【0073】
φ=αのときは、前述した通り、光ビーム#1DUは角度θ+6αで反射して光ビーム#2DLとなり、光ビーム#1DLは角度θ+2αで反射して光ビーム#2DUとなり、入出力ポート#1からの光は入出力ポート#2に戻る。つまり入出力ポート#1から入出力ポート#2へのスイッチングとなる。
【0074】
φ=−α/2のとき、光ビーム#1DUは角度θ+3αで反射して光ビーム#4DLとなり、光ビーム#1DLは角度θ+5αで反射して光ビーム#4DUとなり、入出力ポート#1からの光は入出力ポート#4に戻る。つまり入出力ポート#1から入出力ポート#4へのスイッチングとなる。
【0075】
φ=−αのとき、光ビーム#1DUは角度θ+2αで反射して光ビーム#5DLとなり、光ビーム#1DLは角度θ+6αで反射して光ビーム#5DUとなり、入出力ポート#1からの光は入出力ポート#5に戻る。つまり入出力ポート#1から入出力ポート#5へのスイッチングとなる。
【0076】
また、第2反射型光位相変調器180には、多くの波長の光が投影されており、投影された各波長の領域のセル群を独立に位相分布を制御することで、各波長の光を独立にスイッチングできる。
【0077】
以上説明したように、本発明によれば、積層された複数の導波路形分光回路114からの集光に、従来技術の欠点である高価な非球面形状のレンズアレイを使用せず、安価な1つの第1レンズ130を使用するので、低コストになる。これを可能にしたのは、積層された導波路形分光回路114同士の間隔が5μm〜100μmと極めて近接して積層集積化した集積化素子110を用いたことである。このような積層間隔は、フォトリソグラフィー、ドライエッチングなどの半導体LSIと同じような微細加工技術によってのみ実現可能である。従来のように、複数の光ファイバアレイを重ねると積層間隔は百μmであり、複数の導波路を張り合わせると導波路間の間隔は数千μmであるため、実用的な寸法におさめるためにはレンズアレイの使用が不可欠となる。
【0078】
また、LSIと同じような微細加工技術によって製作された集積化素子110では、積層した各導波路形分光回路114の分波波長(中心波長)を厳密に一致せることが重要であり(分波間隔の1%以下)、一致しない場合は、極めて大きな損失となる。従来の微細加工精度では極めて困難であり、集積化素子110を製作した後、何らかの方法で補正する技術が必要となる。本発明では、第1反射型光位相変調器160を用いて、積層した各導波路形分光回路114から出射した光をそれぞれ同じ分波波長となるように、波面補正を行っている。これにより、微細加工技術によって製作された集積化素子110を用いることが初めて可能となる。
【0079】
本発明によれば、低価格、小型、高性能、フレキシビリティーのある波長ドメイン光スイッチが実現できるため、今後の光システム、光ネットワークを大幅にレベルアップできる。
【0080】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
【0081】
導波路形分光回路114からの出射光は、楕円形状の光分布であるため、その楕円率が大きい場合は、第1レンズ130に蒲鉾型の円柱レンズを使用してもよい。また、蒲鉾型の円柱レンズを組み合わせたものでも良い。
【0082】
図1に示した波長ドメイン光スイッチ100においては、2枚の3次元レンズ(第1レンズ130と第2レンズ150)を用いたが、それぞれ、蒲鉾型の2次元レンズを組合せて実現してもよい。
【0083】
また、安価なレンズは収差を含みやすい。このため、前述の実施形態のように第2反射型光位相変調器180の各セルに収差を補正する位相分布を持たせることで、レンズの収差を補正するとよい。
【0084】
前述の実施形態では、集積化素子110には導波路形分光回路114を5層積層したが、3層積層すれば1入力2出力の光スイッチが形成でき、3層以上であれば何層でも積層してよく、1入力2以上出力の光スイッチが形成できる。
【0085】
次に、本発明の波長ドメイン光スイッチ100の使用方法を示す。図5に示されるように、波長ドメイン光スイッチ100は、メトロコア501の各ノードにおいて使用され、通常の光信号の分岐・挿入(光Add/Drop)システムのほか光クロスコネクトシステムへの応用も可能である。なお、従来の波長ドメイン光スイッチは幹線系あるいはメトロコアのような比較的大規模システムに用いられているが、本発明により大幅なコスト低減が可能になると、メトロエッジ、アクセス系への広範囲なシステムの導入が可能になり、光ネットワークの革新的な発展に繋がる。
【符号の説明】
【0086】
100 波長ドメイン光スイッチ
101 光ファイバ
110 集積化素子
111 基板
112 コア
113 クラッド
114 導波路形分光回路
115 入出力導波路
116 スラブ導波路
118 アレイ導波路
130 第1レンズ
140 偏光分離素子
150 第2レンズ
160 第1反射型光位相変調器
170 1/2波長板
180 第2反射型光位相変調器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を入射又は出射するための1本以上の入出力導波路とその入出力導波路に接続されたスラブ導波路とそのスラブ導波路に接続された複数の導波路からなるアレイ導波路とを有する導波路形分光回路が厚さ方向に3回路以上積層され、前記アレイ導波路ごとの複数の導波路の入出射端が厚さ方向に並んだ集積化素子と、
前記集積化素子の前記入出射端から距離F1の位置に配置され前記入出射端から出射された光を集光する焦点距離がF1である第1レンズと、
前記第1レンズから距離F1の位置に配置され、前記集積化素子の前記入出射端から出射され前記第1レンズを透過してきた光を互いに直交するX偏光とY偏光に分離して出射する偏光分離素子と、
前記偏光分離素子から距離F2の位置に前記偏光分離素子に臨むよう配置され前記X偏光とY偏光をそれぞれ集光する焦点距離がF2である第2レンズと、
前記第2レンズから出射されたX偏光とY偏光のどちらか一方の偏光のみを空間的に90度回転させることで偏光方向を同じにする1/2波長板と、
前記第2レンズから距離F2の位置に配置されると共に、前記第2レンズから出射されて前記1/2波長板を介して出射された前記一方の偏光と前記第2レンズから出射された他方の偏光とを前記第2レンズに反射する第1反射型光位相変調器と、
前記第2レンズから前記偏光分離素子と同じ側で距離F2の位置に前記第2レンズに臨ませて配置され前記第1反射型光位相変調器から反射されてきた光を前記導波路形分光回路のいずれかに入射させるための第2反射型光位相変調器と、
を備えたことを特徴とする波長ドメイン光スイッチ。
【請求項2】
前記集積化素子は、積層された前記導波路形分光回路同士の間隔が5μmから100μmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の波長ドメイン光スイッチ。
【請求項3】
前記第1反射型光位相変調器は、前記各導波路形分光回路における分波波長の不一致を補正するための屈折率分布に制御されることを特徴とする請求項1又は2記載の波長ドメイン光スイッチ。
【請求項4】
前記第1反射型光位相変調器は、入射してきた光ビームを所望の方向に偏光させるための鋸状の屈折率分布と前記第1レンズ及び前記第2レンズの収差を補正するための屈折率分布とを重畳させた屈折率分布に制御されることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の波長ドメイン光スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−154210(P2011−154210A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15929(P2010−15929)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【Fターム(参考)】