説明

波長可変フィルタ、波長可変フィルタ特性制御方法および波長可変レーザ

【課題】狭帯域化、低損失化が可能な波長可変フィルタ、該波長可変フィルタを用いた波長可変レーザを提供する。
【解決手段】 一対の入力導波路および出力導波路と、入力導波路および出力導波路に一定定間隔で配置された光結合器と、光結合器を介して入力導波路と出力導波路との間を接続するN本(N;3以上の自然数)のアレー導波路からなるラダー干渉型フィルタとを備え、前記入力導波路の入射端側に接続された1段目のアレー導波路から順番に一定の光路長差を有する1つまたは複数の低回折次数領域と、M段目から連続するi個(M;N−1以下の自然数、i;1以上の自然数、M+i;N以下)のアレー導波路の光路長差のみ、一定の光路長差を、M段目のアレー導波路と(M+i)段目のアレー導波路の光路長差がp倍(pは自然数)とした高回折次数領域とが直列結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は波長多重光通信システムの重要な光部品である波長可変フィルタ、フィルタ特性制御方法および半導体波長可変レーザに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットトラヒックの爆発的な増大に伴い、高密度波長多重光伝送方式が導入されている。このような高密度波長多重伝送において、光源として用いられる半導体レーザはコストパフォーマンスの観点から、広帯域波長可変性を有することが強く求められ、これまで超周期構造グレーティング(SSG:super-structure grating)を用いた波長可変レーザ(例えば、非特許文献1参照)、アレー導波路格子(AWG:arrayed waveguide grating)を用いた波長可変レーザ(例えば、非特許文献2参照)やラダー干渉型フィルタおよびリング共振器 を用いた波長可変レーザ(非特許文献3参照)などが研究開発されている。
【0003】
図15に、従来のSSGを用いた波長可変レーザの構造図を示す。SSGは一定波長間隔(FSR:free-spectral range)で反射特性を有するグレーティングである。SSGを用いた波長可変レーザでは二つの異なるFSRを有するSSGを使用することにより、それぞれのFSRの最小公倍数に相当する波長範囲内で波長可変動作を可能する。従来のSSGを用いた波長可変レーザの場合、波長可変動作時、二つのSSG領域とともに位相調整領域の屈折率も制御する必要があるため、発振波長制御が容易ではない欠点があった。
【0004】
図16に、従来のAWGを用いた波長可変レーザの構成を示す。AWGを用いた多波長選択光源の場合、発振波長数に対する半導体光増幅器(SOA:semiconductor optical amplifier )の増大や比較的長い共振器長から縦モード間隔が3GHz程度と狭くなるため、発振モード不安定の問題が危惧されていた。
【0005】
図17に、従来のラダー干渉型フィルタ1720およびリング共振器1760を用いた波長可変レーザ1700の構成を示す。ラダー干渉型フィルタとリング共振器との組み合わせで構成された波長可変レーザは、簡単な制御方法で一定波長間隔の波長をデジタル的に可変できる特徴を有する。
【0006】
しかし、この波長可変レーザは、発振波長安定化のためにラダー干渉型波長フィルタの帯域を十分狭くする必要がある。ラダー干渉型波長フィルタを狭帯域化できる最も有効な方法としてアレー導波路本数の増大およびラダー干渉計の回折次数の増大が挙げられる。
【0007】
【表1】

【0008】
表1は、アレー導波路の本数および回折次数の増大した場合のラダー干渉型フィルタ特性に及ぼす影響を、フィルタ損失、レーザの縦モード間隔、ラダーフィルタの透過波長間隔(FSR)および波長可変範囲の観点で示している。
【0009】
アレー導波路本数を増大させた場合、素子サイズおよび光結合器の増大に伴い、挿入損失が増大する問題ほか、光路長の増大により、レーザの縦モード間隔も狭くなり、ラダー干渉型フィルタおよび発振波長ロック用フィルタに求められる帯域が一層狭くなる。
【0010】
また、アレー導波路の本数の増大に伴い、光結合器の数は必然的に増大するが、通常、光結合器は光波長により結合係数が変化する波長依存性を有する。従って、光結合器の数が増大するにつれ、ラダー干渉型フィルタ特性の波長依存性はより顕著になるため、波長可変レーザの応用では波長可変に伴い、出力パワーが一定に保たれないことが懸念される。
【0011】
一方、回折次数の増大による狭帯域化の場合、損失や縦モード間隔は一定に保たれるものの、FSRおよび波長可変範囲が回折次数に反比例して減少する問題がある。従って、波長可変レーザで用いられるSOAの利得帯域がラダー干渉型フィルタのFSRより広い場合、モードホップのようなレーザ発振特性の不安定化が問題となる。狭いFSRの問題はAWGを用いるレーザで検討されているチャーピング手法(例えば、非特許文献2参照)を導入することにより、解消可能である。
【0012】
しかし、波長可変範囲はラダー干渉計の回折次数に反比例するため、回折次数を増大する限り、広帯域波長可変動作はできなくなってしまう。結局、いずれの方法を用いても発振波長安定化、低損失(高出力発振)および広帯域波長可変動作を可能にするラダー干渉型波長フィルタを実現することが困難である。
【0013】
【非特許文献1】H.Ishii et al, ”Multiple-Phase-Shift Super Structure Grating DBR Lasers for Broad Wavelength Tuning”, IEEE Photonics Technology Letters, Vol.5, No.6, June 1993, pp.613-615
【非特許文献2】C.R.Doerr et al, ”Chirped Waveguide Granting Router Multifrequency Laser with Absolute Wavelength Control”, IEEE Photonics Technology Letters, Vol.8, No.12, December 1993, pp.1606-1608
【非特許文献3】S.Matsuo et al, ”Digitally tunable laser using ladder filter and ring resonator”, Proceedings ECOC 2003, September 2003, pp884-885
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、狭帯域化、低損失化および波長可変範囲の増大が可能なラダー干渉型波長フィルタを提供することを目的とする。また、当該ラダー干渉型波長フィルタを発振波長選択素子として用いことにより、発振波長安定化、高出力動作および広帯域波長可変動作が可能な波長可変レーザを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、一対の入力導波路および出力導波路と、前記入力導波路および前記出力導波路に一定の間隔で配置された光結合器と、前記光結合器を介して入力導波路と出力導波路との間を接続するN本(N;3以上の自然数)のアレー導波路からなるラダー干渉型フィルタとを備えた波長可変フィルタであって、前記入力導波路の入射端側に接続された1段目のアレー導波路から順番に一定の光路長差を有する1つまたは複数の低回折次数領域と、M段目から連続するi個(M;N−1以下の自然数、i;1以上の自然数、M+i;N以下)のアレー導波路の光路長差のみ、一定の光路長差を、M段目アレー導波路と(M+i)段目のアレー導波路の光路長差がp倍(pは自然数)とした高回折次数領域とが直列結合されたことを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の波長可変フィルタであって、前記高回折次数領域における前記M段目から前記(M+i)段目までのアレー導波路に接続された前記光結合器の光結合率を適正化したことを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の波長可変フィルタであって、前記光結合器の間の前記導波路上に配置された一定の長さの電極をさらに備え、前記高回折次数領域に配置された前記電極の長さのみを、前記低回折次数領域に配置された前記電極の長さのp倍にしたことを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明は、波長可変レーザであって、請求項1ないし3のいずれかに記載の波長可変フィルタと、当該波長可変フィルタからの出力光が入射される発振波長ロック用フィルタと、前記発振波長ロック用フィルタからの出力光を増幅する半導体光増幅器とを備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の波長可変レーザであって、発振波長ロック用フィルタは、リング共振器であることを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明は、波長可変フィルタのフィルタ特性制御方法であって、請求項3に記載の波長可変フィルタにおいて、前記可変フィルタの中心波長を短波長側にシフトする場合に前記入力導波路に配置された電極に電流注入し、前記可変フィルタの中心波長を長波長側にシフトする場合に前記出力導波路に配置された電極に電流注入することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によればアレー導波路の導波路の本数およびラダー干渉計の回折次数を増大させずに狭帯域化、低損失化および波長可変範囲の増大が可能なラダー干渉型波長フィルタを提供することができる。また、本発明に係るラダー干渉型波長フィルタを発振波長選択素子として用いことにより、発振波長安定化、高出力動作および広帯域波長可変動作が可能な波長可変レーザを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0023】
図1を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。図1に、第1の実施形態に係る波長可変レーザの構成を示す。波長可変レーザ100は、一対の入力導波路102および出力導波路104と、入力導波路102および出力導波路104に所定の間隔で配置された光結合器130−1〜130−Nおよび132−1〜132−Nと、光結合器130−1〜130−Nおよび132−1〜132−Nを介して入力導波路102と出力導波路104との間を接続するN本(N;3以上の自然数)のアレー導波路140−1から140−Nとから構成されたラダー干渉型波長フィルタ120と、ラダー干渉型波長フィルタ120からの出力光が入射される発振波長ロック用フィルタとしてのリング共振器160と、リング共振器160からの出力光を増幅する半導体光増幅器180と、入力導波路102の入射端および半導体光増幅器180の出射端にそれぞれ接続された反射ミラー(反射膜)190とを備える。
【0024】
また、ラダー干渉型波長フィルタ120は、回折次数の異なる二つのラダー干渉計、つまり、低回折次数領域122と高回折次数領域124との従属接続により構成される。
【0025】
アレー導波路の本数をNとし、入力導波路102の入射端のアレー導波路を1段目のアレー導波路とした場合、低回折次数領域のアレー導波路長は1段目から(N−1)段目のアレー導波路まで順次ΔSずつ増大し、次式を満足する波長(λ)で透過率が最大になる。
λ=(n0effΔS)/m ・・・(1)
【0026】
ここで、neffは光導波路の実効屈折率およびmはラダー干渉計の回折次数である。一方、高回折次数領域は1段のラダー干渉計で構成され、(N−1)段目のアレー導波路140−(N−1)とN段目のアレー導波路140−Nとの光路長差をp×ΔSにすれば、この領域のラダー干渉計の回折次数は低回折次数領域よりp倍(pは自然数)大きい回折次数を有する。従って、透過率が最大になる波長(λ)は次式で表される。
λ=(neffpΔS)/(p×m)=(neffΔS)/m ・・・(2)
【0027】
従って、上式から分かるように、ラダー干渉型フィルタ120における低回折次数領域122と高回折次数領域124の中心ピーク波長は一致する。この場合、中心ピーク波長の透過率およびFSRは低回折次数領域により求められる。一方、高回折次数を有するラダー干渉計は中心ピーク波長近傍を狭帯域化する役割をする。尚、反射ミラー190は、光帰還構造のために設けた反射膜である。
【0028】
図17に示す従来の波長可変レーザ(例えば、非特許文献3参照)と比べ、ラダー干渉型波長フィルタが低回折次数領域と高回折次数領域とを有することが特徴である。
【0029】
図2は、ラダー干渉型波長フィルタ120と直列結合されたリング共振器160の透過スペクトルを計算機により計算した結果である。リング共振器160のピーク波長間隔は100GHzとなっている。図2(a)は、従来のラダー干渉型フィルタによる波長スペクトル特性、および図2(b)は第1の実施形態に係る波長可変レーザにおけるラダー干渉型フィルタによる波長スペクトル特性である。ここで、ラダー干渉計の回折次数を40、アレー導波路の本数を15およびラダーフィルタで用いた光結合器の光結合率は0.85とした。但し、第1の実施形態に係る波長可変レーザにおけるラダー干渉型フィルタについては、高回折次数領域のpを15とした。図2(a)および(b)の実線に示すように、発振モードは直列接続されたラダー干渉型フィルタとリング共振器の波長スペクトル特性で決まり、発振波長の安定性は、ラダー干渉型フィルタの中心波長(λ)と一致するリング共振器のリング共振ピークおよびそれに隣接するリング共振ピーク間の抑圧比により決まる。図2(b)に示すように、低回折次数領域122と高回折次数領域124とを有するラダー干渉型フィルタ120の場合、3−dB帯域は1.65nmであり、図2(a)に示す従来のラダー干渉型フィルタ(2.07nm)に比べて狭帯域化できるため、隣接するリング共振ピーク間の抑圧比も2.3dBから3.4dBに増大し、発振波長の安定化が可能になる。
【0030】
しかし、第1の実施形態に係る波長可変レーザにおけるラダー干渉型フィルタではアレー導波路の本数を保持しながら、高回折次数領域を設けたため、必然的に素子サイズが増大するほか、光路長の増大により、レーザ共振器の縦モード間隔も狭くなる問題が生じる。
【0031】
従って、この問題を克服するためには、低回折次数領域のアレー導波路の本数を減少させなければいけない。第1の実施形態に係る波長可変レーザ100におけるラダー干渉型フィルタ120が、15本のアレー導波路を有する従来のラダー干渉型フィルタと同じ素子サイズを有するためには、例えば、アレー導波路の本数を8とした場合には、高回折次数領域のpを8とし、あるいはアレー導波路の本数を12とした場合には、高回折次数領域のpを4になればよい。つまり、高回折次数領域のpが増大するほど、全体のアレー導波路本数を減らすことができ、低回折次数領域のアレー導波路の本数を増大させるほど、従来のラダー干渉型フィルタ特性に近づく。
【0032】
図3は、(ラダー干渉計の回折次数を40、アレー導波路の本数を15とした)従来のラダー干渉型フィルタのスペクトル特性と、従来のラダー干渉型フィルタと同じ素子サイズを有する本発明の第1の実施形態に係る波長可変レーザにおけるラダー干渉型フィルタの波長スペクトル特性を示している。図3(a)に、アレー導波路の本数を14、高回折次数領域のpを2とした場合の第1の実施形態に係る波長可変レーザ100におけるラダー干渉型フィルタ120の波長スペクトル特性を示し、図3(b)に、アレー導波路の本数を11、高回折次数領域のpを5とした場合の第1の実施形態に係る波長可変レーザ100におけるラダー干渉型フィルタ120の波長スペクトル特性を示す。
【0033】
図3(a)に示すように、従来のラダー干渉型フィルタに比べ、本発明のラダー干渉型フィルタの透過帯域は若干広いことが分かる。これはアレー導波路の本数の減少によるフィルタ帯域の広がりが高回折次数領域による狭帯域化効果より顕著であることを意味する。
【0034】
次に図4を参照して、本発明の第2の実施形態に係るラダー干渉型波長フィルタ420を説明する。
【0035】
第1の実施形態に係る波長可変レーザにおけるラダー干渉型フィルタ120では、高回折次数領域による狭帯域化効果を高めるためにはpを増大することが有効であるが、それとともに低回折次数領域のアレー導波路本数は減少する。この場合、図3(b)に示すように、フィルタ帯域がさらに広がってしまい、素子サイズを増大しないまま、高回折次数領域のみによる狭帯域化は困難である。
【0036】
図4に、高回折次数領域の位置を変化させたラダー干渉型フィルタの構成を示す。ラダー干渉型フィルタ420は、一対の入力導波路402および出力導波路404と、入力導波路402および出力導波路404に所定の間隔で配置された光結合器430−1〜430−Nおよび432−1〜432−Nと、光結合器430−1〜430−Nおよび432−1〜432−Nを介して入力導波路402と出力導波路404との間を接続するN本(N;4以上の自然数)のアレー導波路440−1から440−Nとから構成される。
【0037】
アレー導波路の本数をNとし、入力導波路402の入射端のアレー導波路を1段目のアレー導波路とした場合、1段目からM段目(M;2以上、N−1以下の自然数)および(M+1)段目からN段目までのアレー導波路の導波路長が順次ΔSずつ増大する2つの低回折次数領域422と、M段目のアレー導波路と(M+1)段目のアレー導波路との光路長の差がΔSのp倍である高回折次数領域424とが従属接続された構成となっている。
【0038】
第2の実施形態に係るラダー干渉型フィルタ420は、第1の実施形態に係る波長可変レーザにおけるラダー干渉型フィルタと比べて、低回折次数領域と従属接続(直列結合)される高回折次数領域の位置のみを変化させることを特徴とする。これにより、素子サイズを増大せず、狭帯域化特性を得ることができる。
【0039】
この場合、アレー導波路の本数、回折次数および光結合器の光結合率は図1に示す第1の実施形態に係る波長可変レーザにおけるラダー干渉型フィルタと同様とすることができる。
【0040】
図5に、図4に示すラダー干渉型フィルタの波長スペクトル特性を示す。高回折次数領域の接続位置を変化させることにより、狭帯域化特性が得られることが確認できる。このようなフィルタスペクトル特性の大きな変化は高回折次数領域の接続位置の変化によるラダー干渉型フィルタの伝達関数の変化に起因する。この場合、ラダー干渉型フィルタの透過帯域は高回折次数領域の接続位置に依存して変化する。最も良好な狭帯域波長特性を得るためには高回折次数領域の接続位置を低回折次数領域の中心にすればいいが、狭帯域化に伴い、フィルタ特性の消光比が減少する問題点がある。
【0041】
従って、高回折次数領域の接続位置を変化させる方法ではフィルタの狭帯域化と消光比とのトレードオフが生じる。
【0042】
尚、本実施形態では、1つの高回折次数領域のみを有するラダー干渉型フィルタの例を示したが、複数の高回折次数領域を有することもできる。
【0043】
次に図7〜8を参照して第3の実施形態に係るラダー干渉型フィルタを説明する。第3の実施形態に係るラダー干渉型フィルタは、第1の実施形態に係る波長可変レーザにおけるラダー干渉型フィルタ120ラダー干渉型フィルタの光結合器130−1〜130−Nおよび132−1〜132−Nの光結合率(κ)を適正化することを特徴とする。これにより、狭帯域化を可能とし、あるいは低損失化を可能とするラダー干渉型フィルタを提供することができる。
【0044】
第2の実施形態に係る可変波長レーザにおけるラダー干渉型フィルタ420では、高回折次数領域424の接続位置を変化させることにより狭帯域化が得られたものの、ラダーフィルタの消光比とのトレードオフが問題となった。
【0045】
図6に、第3の実施形態に係るラダー干渉型フィルタ、即ち第1の実施形態に係る波長可変レーザにおけるラダー干渉型フィルタ120において、光結合器130−1〜130−(N−1)および132−1〜132−(N−1)の光結合率(κ)を0.85と設定し、N段目のアレー導波路140−Nに接続された光結合器130−Nおよび132−Nの光結合率(κ)のみ0.5に設定した場合の波長スペクトル特性を示している。
【0046】
つまり、高回折次数領域の接続位置は変化せずに、光結合器の光結合率(κ)のみ適正化した構成となっている。図6は、アレー導波路の本数を11、および高回折次数領域のpを5とした場合の波長スペクトル特性を示す。図6に示すように、光結合率(κ)を適正化することにより、従来ラダー干渉型フィルタに比べて、素子サイズを増大させず、ラダー干渉型フィルタの3−dB帯域を狭帯域化させることができることが確認できる。
【0047】
また、図5に示した高回折次数領域の接続位置を変化させた場合の波長スペクトル特性に比べてフィルタ消光比が3dBほど増大することから、第1の実施形態に係る波長可変レーザに用いた場合に、当該波長可変レーザの発振波長安定化させることができる。
【0048】
ラダー干渉型波長フィルタで用いられる光結合器の光結合率(κ)は、透過波長ピークの損失が最小になるように設定する必要がある。通常、光結合器として用いられる方向性結合器や多モード干渉(MMI:multi-mode interference)結合器は入力光波長により結合特性が異なる波長依存性を有する。
【0049】
従って、光結合器の数が増えれば増えるほど波長依存性が顕著になり、ラダー干渉型フィルタの波長可変動作に伴い、透過ピークの損失が増大するため、レーザ特性を劣化させる原因となる。本発明の様々な実施形態に係るラダー干渉型フィルタは、比較的少ない光結合器を用いて狭帯域化できるため、フィルタ素子の挿入損失やスペクトル特性の波長依存性を低減することが期待できる。
【0050】
図7(a)および(b)の各々に、光結合器としてMMI結合器を用いた従来のラダー干渉型フィルタおよび第3の実施形態に係るラダー干渉型フィルタの波長スペクトル特性の計算機による計算結果をそれぞれ示す。図7に示す数値計算ではMMI結合器の波長依存性を考慮するために、MMI結合器の結合係数を波長に対する関数とした。また、MMI結合器の挿入損失を0.2dB/個、光導波路の伝搬損失を0.46dB/cmとした。
【0051】
また、従来のラダー干渉型フィルタについては、アレー導波路の本数を15、および回折次数を40とした。第3の実施形態に係るラダー干渉型フィルタについては、アレー導波路の本数を10、回折次数を40および高回折次数領域に係わるパラメータpを5とした。
【0052】
図7(a)および(b)に示すように、MMI結合器の光結合率(κ)が波長依存性を有するため、所望の回折次数(m)による透過帯域前後の回折次数(m+1)および(m−1)による透過ピークは減少していることが分かる。第3の実施形態に係るラダー干渉型フィルタの場合、狭帯域化に必要とするMMI結合器が少ないため、従来のラダー干渉型フィルタに比べてスペクトル特性の波長依存性が弱いこと、また中心ピーク波長の透過率(−5.5dB)が従来のラダー干渉型フィルタ(−6.9dB)よりも高く得られることが利点としてある。
【0053】
従って、第1の実施形態に係る波長可変レーザに、第3の実施形態に係るラダー干渉型波長フィルタを用いれば、狭帯域化による発振モード安定化、高出力発振および波長可変動作に伴う出力パワーの波長依存性の低減が可能になる。
【0054】
第3の実施形態に係るラダー干渉型フィルタは、従来のラダー干渉型フィルタと比べ、少ないアレー導波路本数のみならず、小さい回折次数を用いて狭帯域波長スペクトル特性が実現可能である。従って、第1の実施形態に係る波長可変レーザの発振特性を劣化させずに波長可変範囲の拡大が期待できる。
【0055】
図8に、従来のラダー干渉型フィルタの回折次数より小さい回折次数を有するラダー干渉型フィルタの波長スペクトル特性を示している。この数値計算では図7と同様に光導波路の伝搬損失およびMMI結合器の挿入損失と波長依存性を考慮している。
【0056】
従来のラダー干渉型フィルタについては、アレー導波路の本数を15および回折次数を40とした。本実施例のラダー干渉型フィルタについては、アレー導波路の本数を8、回折次数を30および高回折次数領域のパラメータpを8とした。光結合器の光結合率(κ)は中心波長(λ=1.55μm)で0.85とした。但し、高回折次数領域のアレー導波路に接続された光結合器の光結合率(κ)のみ0.5(λ=1.55μm)に設定した。
【0057】
図8に示すように、本発明のラダー干渉型フィルタは比較的小さい回折次数を用い、素子サイズを増大せずに、従来のラダー干渉型フィルタと同程度の透過帯域が実現できる。また、光結合器の数が少ないことから低損失化および低波長依存スペクトル特性が可能になる。通常、屈折率変化によるラダー干渉型フィルタの透過ピーク波長変化量(Δλ)は次式のように表される。
Δλ=ΔnL/m ・・・(3)
【0058】
ここで、ΔnおよびLはそれぞれ屈折率変化量および屈折率変化領域長である。つまり、本発明のラダー干渉型フィルタは従来構造より小さい回折次数を用いていることから同じΔnに対して大きなΔλが得られるため、広帯域波長可変動作が可能になる。また、透過帯域間のFSRが広くなるため、所望の波長領域以外でのレーザ発振を抑制できる利点もある。
【0059】
図9に、本発明の第3の実施形態に従って、実際に作製したラダー干渉型フィルタの波長スペクトル特性を示す。実線は従来のラダー干渉型フィルタの波長スペクトル特性を、破線は本発明によるラダー干渉型フィルタの波長スペクトル特性を示す。試作素子の作製条件は上記図8の数値計算と同じである。
【0060】
図9に示すように、本発明のラダー干渉型フィルタ帯域は2.08nmと観測され、従来のラダー干渉型フィルタの帯域(2.04nm)とほぼ同じでありながら、透過ピークのFSRは比較的広く、中心透過ピークの透過率は1.5dBほど高く、フィルタ特性の波長依存性は小さいことを確認することができる。
【0061】
このように、本実施例に説明するラダー干渉型フィルタは素子サイズを増大せずに従来のラダー干渉型フィルタの3/4に相当する回折次数を用い、狭帯域化、低損失および低波長依存スペクトル特性が可能という特徴を有する。つまり、図9に示したスペクトル特性では、従来のラダー干渉型フィルタおよび第3実施形態に係るラダー干渉型フィルタの回折次数がそれぞれ40および30であったが、従来のラダー干渉型フィルタの回折次数が120の場合、第3の実施形態に係るラダー干渉型フィルタの回折次数を90と定めれば、従来構造によるフィルタと同程度の透過帯域を得ることができる。従って、本発明のラダー干渉型フィルタは常に従来のラダーフィルタに比べてFSRおよび波長可変範囲を4/3倍拡大することが可能である。
【0062】
次に図10を参照して第4の実施形態について説明する。
【0063】
第4の実施形態に係るラダー干渉型フィルタ1020は高回折次数を有するラダー干渉計を多段に結合した高回折次数領域を有する。図10に示す第4の実施形態に係るラダー干渉型フィルタ1020は、一対の入力導波路1002および出力導波路1004と、入力導波路1002および出力導波路1004に所定の間隔で配置された光結合器1030−1〜1030−Nおよび1032−1〜1032−Nと、光結合器1030−1〜1030−Nおよび1032−1〜1032−Nを介して入力導波路1002と出力導波路1004との間を接続するN本(N;4以上の自然数)のアレー導波路1040−1から1040−Nとから構成される。
【0064】
アレー導波路の接続アレー導波路の本数をNとし、入力導波路1002の入射端のアレー導波路を1段目のアレー導波路とした場合、1段目から(N−2)段目までのアレー導波路の導波路長が順次ΔSずつ増大する低回折次数領域1022と、(N−2)段目からN段目までのアレー導波路の光路長の差のみ、一定の光路長の差を、(N−2)段目とN段目のアレー導波路の導波路の長の差がΔSのp倍となるように増大する高回折次数領域1024とが従属接続(直列結合)された構成となっている。
【0065】
第1および2の実施形態で説明したラダー干渉型フィルタは、1段の高回折次数を有するラダー干渉計を従属接続した構造を用いているが、図10に示すように、高回折次数を有するラダー干渉計が連続する複数段になっても図6に示すような狭帯域特性を得ることが可能である。この場合、1段のラダー干渉計を用いるフィルタと比べて狭帯域化のみならず、フィルタの消光比も増大できる利点がある。
【0066】
次に図11を参照して、本発明の第5の実施形態に係るラダー干渉型波長可変フィルタを説明する。
【0067】
第5の実施形態に係るラダー干渉型波長可変フィルタ1120は、波長可変動作のために、電極1110および1112による電流注入構造を設けたラダー干渉型波長可変フィルタである。
【0068】
図11に示すラダー干渉型波長可変フィルタ1120は、一対の入力導波路1102および出力導波路1104と、入力導波路1102および出力導波路1104に所定の間隔で配置された光結合器1130−1〜1130−Nおよび1132−1〜1132−Nと、光結合器1130−1〜1130−Nおよび1132−1〜1132−Nを介して入力導波路1102と出力導波路1104との間を接続するN本(N;3以上の自然数)のアレー導波路1140−1から1140−Nと、入力導波路1102および出力導波路1104に光結合器1130−1〜1130−Nおよび1132−1〜1132−Nの間毎に配置された電極1110および1112から構成される。
【0069】
また、ラダー干渉型波長可変フィルタ1120は、図12に示すエピタキシャル基板の層構造を有する。n型InP基板1201上に、nドープInP層1202、ノンドープGaInAsP層1203(バンドギャップ波長λ=1.3μm)、pドープInP層1204、pドープInP層1205、およびpドープInGaAs層1206が順次成膜されている。
【0070】
図12に示される部分のpドープInGaAs層1206上およびn型InP基板1201にそれぞれAuZnNi電極およびAuGeNi電極を形成している。
【0071】
本実施形態のラダー干渉型フィルタの波長可変動作時、図8に示す波長スペクトルを一定に保つためには図11に示す電極長LおよびLを最適化しなければならない。電流注入によるラダー干渉型波長フィルタの波長変化量(Δλ)は上記式(3)で決まるため、電極の長さを一定にした場合、Δλは回折次数に反比例する。
【0072】
実施形態のラダー干渉型フィルタの場合、二つの異なる回折次数を有するラダー干渉計を従属接続した構成である。従って、波長可変動作時、波長スペクトルを一定に保つためには低回折次数領域および高回折次数領域のΔλを等しくする必要があり、高回折次数領域1124の電極の長さLおよびLは次式のように決まる。
高回折次数領域の電極の長さL=p×L ・・・(4)
高回折次数領域の電極の長さL=p×L、(L=L) ・・・(5)
【0073】
つまり、回折次数変化分に比例して電極の長さを調整することにより、波長可変動作時、波長スペクトルを一定に保つことができる。図11に示すラダー干渉型フィルタは、屈折率制御用電極Lに電流注入すると、λは短波長側にシフトし、屈折率制御用電極Lに電流注入すると、λは長波長側にシフトする。
【0074】
図13(a)および(b)に第5の実施形態に係るラダー干渉型波長フィルタの波長可変特性を示す。図13(a)に示すように、高回折次数領域の電極長LおよびLを適正化しないと、波長可変動作に伴い、波長スペクトルが歪み、レーザ発振が不安定になりかねない。一方、図13(b)に示すように、電極長LおよびLを回折次数変化分に比例して適正化すると、波長スペクトルが歪まずに波長可変でき、レーザ発振が不安定になることを抑制することができる。
【0075】
図14(a)および(b)に、第5の実施形態に基づいて試作したラダー干渉型フィルタの波長可変特性を示す。図14(a)は、従来のラダー干渉型フィルタは下部の屈折率制御用電極に40mA電流注入した場合中心波長λのシフトの様子を示す。中心波長λが4.6nm短波長側にシフトしたことが確認できる。他方、図14(b)は、第5の実施形態に基づいて作成したラダー干渉型フィルタの下部の屈折率制御用電極に40mA電流注入した場合の中心波長λのシフトの様子を示す。中心波長λが5.7nm短波長側にシフトし、同じ電流注入量に対してピーク波長変化量が大きくなっており、従来のラダー干渉型フィルタに比べて広帯域波長可変できることが確認できる。
【0076】
尚、本実施形態においては、電流注入によりラダー干渉型波長フィルタの波長を変化させる場合について説明したが、電圧印加によりラダー干渉型波長フィルタの波長を変化させることもできる。また、電流注入または電圧印加によりは発生する熱によりラダー干渉型波長フィルタの波長を変化させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る波長可変レーザの構成図である。
【図2】(a)は、従来のラダー干渉型フィルタにおけるラダー干渉型波長フィルタと直列結合されたリング共振器の透過スペクトルを示す図である。(b)は、本発明の第1の実施形態に係るラダー干渉型フィルタと直列結合されたリング共振器の透過スペクトルを示す図である。
【図3】(a)は、低回折次数領域のアレー導波路の本数を14および高回折次数領域のpを2とした場合の第1の実施形態に係るラダー干渉型フィルタの波長スペクトル特性を示す図である。(b)は、低回折次数領域のアレー導波路の本数を11および高回折次数領域のpを5とした場合の本発明の第1の実施形態に係るラダー干渉型フィルタの波長スペクトル特性を示す図である。
【図4】高回折次数領域が低回折次数領域の間に従属接続された第2の実施形態に係るラダー干渉型フィルタの構成図である。
【図5】第2の実施形態に係るラダー干渉型フィルタの波長スペクトル特性を示す図である。
【図6】光結合器の光結合率を適正化した本発明の第3の実施形態に係るラダー干渉型フィルタの特性を示す図である。
【図7】(a)は、従来のラダー干渉型フィルタにおいて、MMI光結合器の波長依存性および挿入損失を考慮した波長スペクトル特性を示す図である。(b)は本発明の第3の実施形態に係るラダー干渉型フィルタにおいて、MMI光結合器の波長依存性および挿入損失を考慮した波長スペクトル特性を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るラダー干渉型波長可変フィルタの特性を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るラダー干渉型フィルタにより試作したラダー干渉型フィルタの波長スペクトル特性を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係るラダー干渉型波長可変フィルタの構成図である。
【図11】本発明の第5の実施形態に係るラダー干渉型波長可変フィルタの構成図である。
【図12】本発明の第5の実施形態に係るラダー干渉型フィルタのエピタキシャル基板の層構造を示すである。
【図13】(a)は、第5の実施形態に係るラダー干渉型波長可変フィルタにおいて、電極長を適正化していない場合の波長可変特性を示す図である。(b)は、第5の実施形態に係るラダー干渉型波長可変フィルタにおいて、電極長を適正化した場合の波長可変特性を示す図である。
【図14】(a)は、従来のラダー干渉型フィルタの波長可変特性を示す図である。(b)は、本発明の第5の実施形態に係るラダー干渉型波長可変フィルタの波長可変特性を示す図である。
【図15】超周期構造グレーティングを用いた従来の波長可変レーザの構成図である。
【図16】AWGを用いた従来の波長可変レーザの構成図である。
【図17】ラダー干渉計とリング共振器を用いた従来の波長可変レーザの構成図である。
【符号の説明】
【0078】
100 波長可変レーザ
120,420,1020,1120, ラダー干渉型波長フィルタ
160 リング共振器
180,1602 半導体光増幅器
190 反射ミラー
102,402,1002,1102 入力導波路
104,404,1004,1104 出力導波路
140−1〜140−N,440−1〜440−N,1040−1〜1040−N,1140−1から1140−N アレー導波路
130−1〜130−N,132−1〜132−N,430−1〜430−N,432−1〜432−N,1030−1〜1030−N,1032−1〜1032−N,1130−1〜1130−N,1132−1〜1132−N 光結合器
122,422,1022,1122 低回折次数領域
124,424,1024,1124 高回折次数領域
1110 屈折率制御用電極
1112 屈折率制御用電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の入力導波路および出力導波路と、前記入力導波路および前記出力導波路に一定の間隔で配置された光結合器と、前記光結合器を介して入力導波路と出力導波路との間を接続するN本(N;3以上の自然数)のアレー導波路からなるラダー干渉型フィルタとを備えた波長可変フィルタであって、
前記入力導波路の入射端側に接続された1段目のアレー導波路から順番に一定の光路長差を有する1つまたは複数の低回折次数領域と、
M段目から連続するi個(M;N−1以下の自然数、i;1以上の自然数、M+i;N以下)のアレー導波路の光路長差のみ、一定の光路長差を、M段目のアレー導波路と(M+i)段目のアレー導波路の光路長差がp倍(pは自然数)とした高回折次数領域とが直列結合されたことを特徴とする波長可変フィルタ。
【請求項2】
前記高回折次数領域における前記M段目から前記(M+i)段目までのアレー導波路に接続された前記光結合器の光結合率を適正化したことを特徴とする請求項1に記載の波長可変フィルタ。
【請求項3】
前記光結合器の間の前記導波路上に配置された一定の長さの電極をさらに備え、
前記高回折次数領域に配置された前記電極の長さのみを、前記低回折次数領域に配置された前記電極の長さのp倍にしたことを特徴とする請求項1または2に記載の波長可変フィルタ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の波長可変フィルタと、
当該波長可変フィルタからの出力光が入射される発振波長ロック用フィルタと、
前記発振波長ロック用フィルタからの出力光を増幅する半導体光増幅器とを
備えたことを特徴とする波長可変レーザ。
【請求項5】
発振波長ロック用フィルタは、リング共振器であることを特徴とする請求項4に記載の波長可変レーザ。
【請求項6】
請求項3に記載の波長可変フィルタにおいて、
前記可変フィルタの中心波長を短波長側にシフトする場合に前記入力導波路に配置された電極に電流注入し、
前記可変フィルタの中心波長を長波長側にシフトする場合に前記出力導波路に配置された電極に電流注入する
ことを特徴とする波長可変フィルタのフィルタ特性制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−53436(P2006−53436A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−236066(P2004−236066)
【出願日】平成16年8月13日(2004.8.13)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】