説明

波長選択スイッチ

【課題】本発明は、光学部品の固定の際に光学部品の位置がずれにくい波長選択スイッチを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る波長選択スイッチ10は、レンズアレイ20、第一レンズ30、及び、ビームエキスパンダ40を有するスイッチ部11と、第二レンズ50、回折格子60、及び、第三レンズ70、ミラー80aを有する分波部12と、を備える波長選択スイッチ10であって、スイッチ部11と分波部12とは、それぞれ独立の筐体(点線及び一点鎖線で図示)に収容され、スイッチ部11の筐体と分波部12の筐体との接続面に、第一レンズ30を通る光と第二レンズ50を通る光との共焦点(図1では、共焦点は、第一レンズ30の焦点30aと一致。)が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光波長多重通信において、異なる波長の光を分岐し又は結合することが可能な波長選択スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
光波長多重通信の普及に伴い、波長毎に光信号を合波又は分波する波長選択スイッチが光通信のキーデバイスとなっている。
【0003】
図7に光スイッチモジュールの概略構成図を示す。光スイッチモジュール211は、例えば、VIPA201(Virtually Imaged Phase Array)、コリメートレンズ212a、212b、セミシリンドリカルレンズ212c、フォーカスレンズ213、マイクロミラーアレイ214、光入出力ポート215、光ファイバ用コネクタ215a、215b、光ファイバ215c、215d及び金属筐体217を有する。
【0004】
光スイッチモジュール211は、2個の光ポートを有し、光ファイバ215c,215dの端面からそれぞれ光を出射し、コリメートレンズ212a,212bで平行光とした後、セミシリンドリカルレンズ212cによりVIPA201に収束して入射される。VIPA201は、光を波長λ1〜λnに応じた別々の出射角度を保持して出射する。フォーカスレンズ213は、光A,Bをマイクロミラーアレイ214のマイクロミラー上の一点に集光させる。マイクロミラーアレイ214は、波長λ1〜λnに対応する複数のマイクロミラーを有する。マイクロミラーの角度変更により、入射された光の光路を波長λ1〜λn別に光の光路に戻すかあるいは光の光路に反射させることができ、2個の光ポートの間で光の波長別の切り換えを行える。
【特許文献1】特開2004−258409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の波長選択スイッチは、接着剤や半田付けによって光学部品を固定する際に光学部品の位置がずれやすい問題がある。また、従来の波長選択スイッチは、光学部品の位置がずれて固定されるとこれを元に戻すことは困難である。さらに、接着剤や半田付けによる固定の場合、従来の波長選択スイッチの動作温度、例えば、−5℃〜70℃の動作温度では、接着剤や半田が熱応力の影響を受けて光学部品の位置がずれる可能性があり、長期間の使用に不安がある。
【0006】
そこで、本発明は、光学部品の固定の際に光学部品の位置がずれにくい波長選択スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る波長選択スイッチは、スイッチ部と分波部に2分割し、これらを共焦点で接続したことを特徴とする。
【0008】
具体的には、本発明に係る波長選択スイッチは、一以上の波長を含む光を入出力し、横並び直線状に設けられた複数の光入出力ポートに対向して前記光入出力ポートからの光を平行光にするように配置されたレンズアレイ、前記レンズアレイを間にして前記光入出力ポートの反対側に配置され、前記レンズアレイからの光を収束光にする第一レンズ、及び、前記第一レンズを間にして前記光入出力ポートの反対側、かつ、前記第一レンズと前記第一レンズの焦点との間に配置され、前記第一レンズの焦点において、前記光入出力ポートの配列方向では前記第一レンズからの収束光をそのまま収束させ、前記光入出力ポートの配列方向と直交する方向では前記第一レンズを透過した光をより大きく収束させるビームエキスパンダを有するスイッチ部と、前記ビームエキスパンダからの光を平行光にするように配置された第二レンズ、前記光入出力ポートから入出力される光のうち前記第二レンズを透過した光を受ける面上に前記光入出力ポートの配置方向に平行な複数の格子が形成された格子面において前記第二レンズを透過した光を波長ごとに異なる角度で透過させる回折格子、及び、前記回折格子を間にして前記第二レンズの反対側に配置される第三レンズ、前記光入出力ポートから出力され前記レンズアレイ、前記第一レンズ、前記ビームエキスパンダ、前記第二レンズ、前記回折格子及び前記第三レンズを透過した光をそれぞれ反射し、反射した光のそれぞれが前記第三レンズ、前記回折格子、前記第二レンズ、前記ビームエキスパンダ、前記第一レンズ及び前記レンズアレイを再び透過して前記光入出力ポートのいずれかに収束するように光の反射角度がそれぞれ設定された複数のミラーを有する分波部と、を備える波長選択スイッチであって、前記スイッチ部と前記分波部とは、それぞれ独立の筐体に収容され、前記スイッチ部の筐体と前記分波部の筐体との接続面に、前記第一レンズを通る光と前記第二レンズを通る光との共焦点が配置されていることを特徴とする。
【0009】
上記波長選択スイッチは、光学部品の固定の際に光学部品の位置がずれにくい。
【0010】
本発明に係る波長選択スイッチでは、前記第一レンズを通る光の光軸と前記第二レンズを通る光の光軸とが略一致することが好ましい。
【0011】
上記波長選択スイッチは、光損失を低減することができる。
【0012】
本発明に係る波長選択スイッチでは、前記スイッチ部は、前記筐体が同軸構造であることが好ましい。
【0013】
上記波長選択スイッチは、スイッチ部の筐体を同軸構造とすることにより第一レンズを通る光の位置を3軸及び回転方向で調整して固定することができるため、光学部品の位置ずれの影響を少なくすることができる。
【0014】
本発明に係る波長選択スイッチでは、前記分波部のうち前記複数のミラーが同軸構造の筐体に収容されていることが好ましい。
【0015】
上記波長選択スイッチは、複数のミラーを同軸構造の筐体に収容することにより第三レンズ70を通る光の位置を3軸及び回転方向で調整して固定することができるため、光学部品の位置ずれの影響を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、光学部品の固定の際に光学部品の位置がずれにくい波長選択スイッチを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、具体的に実施形態を示して本願発明を詳細に説明するが、本願の発明は以下の記載に限定して解釈されない。なお、以下の実施形態では、1つの光入出力ポート(後述の光入出力ポート101d)から光が出力され他の光入出力ポート(後述の光入出力ポート101a〜101g)に光を波長ごとに分けて出力する構成について説明するが、当該他の光入出力ポート101a〜101gのいずれかから出力される光を波長ごとに分けて当該1つの光入出力ポート101dに入力する形態についても同様に説明できる。
【0018】
図1に、本実施形態に係る波長選択スイッチの概略構成図を示す。図1(a)は、x−z面での波長選択スイッチを示し、図1(b)は、y−z面での波長選択スイッチを示している。図1では、光入出力ポート101dから出力して回折格子60で所定の波長間隔に分波され、ミラー80bに至るまでの光路についてはレンズアレイ20、第一レンズ30、ビームエキスパンダ40及び第二レンズ50の作用を表すために破線で光束を示し、実線で主軸光線を示している。他の光路については図の錯綜を避けるため主軸光線のみを実線、又は一点鎖線で示している。
【0019】
本実施形態に係る波長選択スイッチ10は、一以上の波長を含む光を入出力し、横並び直線状に設けられた複数の光入出力ポート101に対向して光入出力ポート101からの光を平行光にするように配置されたレンズアレイ20、レンズアレイ20を間にして光入出力ポート101の反対側に配置され、レンズアレイ20からの光を収束光にする第一レンズ30、及び、第一レンズ30を間にして光入出力ポート101の反対側、かつ、第一レンズ30と第一レンズ30の焦点30aとの間に配置され、第一レンズ30の焦点30aにおいて、光入出力ポート101の配列方向では第一レンズ30からの収束光をそのまま収束させ、光入出力ポート101の配列方向と直交する方向では第一レンズ30を透過した光をより大きく収束させるビームエキスパンダ40を有するスイッチ部11と、ビームエキスパンダ40からの光を平行光にするように配置された第二レンズ50、光入出力ポート101から入出力される光のうち第二レンズ50を透過した光を受ける面上に光入出力ポート101の配置方向に平行な複数の格子が形成された格子面62において第二レンズ50を透過した光を波長ごとに異なる角度で透過させる回折格子60、及び、回折格子60を間にして第二レンズ30の反対側に配置される第三レンズ70、光入出力ポート101から出力されレンズアレイ20、第一レンズ30、ビームエキスパンダ40、第二レンズ50、回折格子60及び第三レンズ70を透過した光をそれぞれ反射し、反射した光のそれぞれが第三レンズ70、回折格子60、第二レンズ50、ビームエキスパンダ40、第一レンズ30及びレンズアレイ20を再び透過して光入出力ポート101のいずれかに収束するように光の反射角度がそれぞれ設定された複数のミラーを有する分波部12と、を備える波長選択スイッチ10であって、スイッチ部11と分波部12とは、それぞれ独立の筐体(点線及び一点鎖線で図示)に収容され、スイッチ部11の筐体と分波部12の筐体との接続面に、第一レンズ30を通る光と第二レンズ50を通る光との共焦点(図1では、共焦点は、第一レンズ30の焦点30aと一致。)が配置されている。ビームエキスパンダ40は、光入出力ポートの配列方向では第一レンズ30からの収束光をそのまま収束させ、光入出力ポートの配列方向と直交する方向では第一レンズ30を透過した光をより大きく収束させるシリンドリカル凸レンズで構成することができる。
【0020】
光入出力ポート101は、複数からなる。図1では、光入出力ポート101a〜101gと7つ記載しているが、これ以上又はこれ以下の任意の数で配置可能である。光入出力ポート101a〜101gには、例えば、図1に示すように光入出力ポート101a〜101gごとに光ファイバ140a〜140gが接続され、又は、光導波路(不図示)が接続される。また、光入出力ポート101a〜101gは、それぞれ光ファイバ140a〜140gを伝搬する一以上の波長を含む光を入出力する。また、光入出力ポート101a〜101gは、横並び直線状に設けられる。図1(b)に示すように、光入出力ポート101a〜101gは、光入出力ポート101a〜101gから出力される光の向きがz軸方向に平行となるように配置されているが、レンズアレイ20において平行光に変換されるのであれば、いずれの向きに向いていてもよい。
【0021】
レンズアレイ20としては、例えば、マイクロレンズアレイがある。
【0022】
第一レンズ30としては、例えば、凸レンズ、光学収差を低減させるために適切な凸レンズと凹レンズを接着して組み合わせたダブレットレンズ、及び、トリプレットレンズのように複数のレンズを組み合わせたレンズや非球面レンズがある。
【0023】
ビームエキスパンダ40は、凸面を第一レンズ30に向けて配置している。図1(a)に示すように、ビームエキスパンダ40は、光入出力ポート101の配列方向と直交する方向、すなわち、x軸方向では第一レンズ30を透過した光をより大きく収束させる。一方、図1(b)に示すように、ビームエキスパンダ40は、光入出力ポート101の配列方向、すなわち、y軸方向では第一レンズ30からの収束光をそのまま収束させる。このため、第一レンズ30からの収束光は、第一レンズ30の焦点30aを過ぎて第二レンズ50に近づくほどx軸方向に拡大し、第二レンズ50にて平行光となる。第二レンズ50における光の断面は、x軸方向に拡大された楕円形となる。
【0024】
スイッチ部11の筐体は、例えば、金属製であり、レンズアレイ20、第一レンズ30及びビームエキスパンダ40を収容する。
【0025】
第二レンズ50及び第三レンズ70としては、第一レンズ30と同様のものがある。
【0026】
格子面62上には、図1(b)のy軸方向に平行な格子が図1(a)のx軸方向に平行に複数形成される。格子は、格子面62上に形成された複数の凹凸形状の溝であってもよいし、光を反射する部分と吸収する部分とを交互に配置してもよい。これにより、図1(a)に示すように、第2レンズ50を透過した光は、回折格子60の格子面62上でx軸方向に波長ごとに異なる角度で透過する。なお、図1(b)のz軸方向にはそのまま透過する。図1では簡単のため回折格子60の格子面62は、第二レンズ50に正対しているが、一般的には格子面62の法線がxz面内にあるように光軸(z軸)に対して傾斜している。
【0027】
ミラー80a,80bは、図1では2つ記載しているが、光ファイバ140内を伝搬する光の波長数に応じて波長ごとに複数配置するとよい。以下、ミラー80aを中心に説明するが、ミラー80bも同様である。ミラー80aが光入出力ポート101cに、ミラー80bが光入出力ポート101eに、それぞれ光を収束するように設定されているが、角度に応じて光入出力ポート101a〜101gのいずれにも収束させることは可能である。例えば、ミラー80aのように角度を上方に傾けると入出力ポート101cに収束させることができ、一方、ミラー80bのように下方に傾けると光入出力ポート101eに収束させることができる。このように、ミラー80aの角度を変えることで波長選択が可能となる。ミラー80aとしては、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを適用して小型の波長選択スイッチを実現することができる。
【0028】
波長選択スイッチ10は、第一レンズ30と第二レンズ50が共焦点光学系を構成すること、すなわち、第一レンズ30の焦点30aと第二レンズ50の焦点が一致することが好ましい。また、第二レンズ50と回折格子60との距離と等しい距離で第三レンズ70を配置することが好ましい。また、第二レンズ50と回折格子60との距離と等しい距離で第三レンズ70を配置することが好ましい。
【0029】
分波部12の筐体は、例えば、金属製であり、第二レンズ50、回折格子60、第三レンズ70及びミラー80a,80bを収容する。
【0030】
本実施形態に係る波長選択スイッチ10では、第一レンズ30を通る光の光軸と第二レンズ50を通る光の光軸とが略一致することが好ましい。波長選択スイッチ10は、第一レンズ30及び第二レンズ50において光が漏れず、光損失を低減することができる。
【0031】
以上のように、波長選択スイッチ10は、光入出力ポート101a〜101gのいずれかから出力される複数波長の光を他の光入出力ポート(光入出力ポート101a〜101gのいずれか)に振り分け、光入出力ポート101a〜101gのうち複数から出力される光を他の1つの光入出力ポート(光入出力ポート101a〜101gのいずれか)で合波することができるため、光波長多重通信ネットワーク実現の際の波長多重用の光合分波回路や波長再配置型のadd−drop波長多重回路として適用できる。
【0032】
図2に本実施形態に係る波長選択スイッチの上面透視図を示した。上述したように、波長選択スイッチ10は、スイッチ部11と分波部12を備える。また、図2では、スイッチ部11の筐体に収容されるレンズアレイ20、第一レンズ30及びビームエキスパンダ40、並びに、分波部12の筐体に収容される第二レンズ50、回折格子60、第三レンズ70及びミラー80aを点線で図示した。スイッチ部11の筐体は、例えば、レンズアレイ20、第一レンズ30及びビームエキスパンダ40をそれぞれ収容する金属製のホルダを有する。また、スイッチ部11の筐体は、金属製のカラーを介して分波部12の筐体の側面に装着される。ここで、波長選択スイッチでは、スイッチ部11の筐体と分波部12の筐体は、YAGレーザを用いて、YAG溶接することが好ましい。YAG溶接は、短パルス溶接のため、接合強度が強く、スイッチ部11の筐体と分波部12の筐体の位置がずれにくく、接着剤による固定と比べて時間が経過しても位置ずれが発生しにくい。なお、スイッチ部11の筐体の詳細については後述する。
【0033】
分波部12の筐体は、箱状の金属筐体12a及びMEMS筐体12bで構成される。金属筐体12aには、第二レンズ50、回折格子60及び第三レンズ70が収容される。また、MEMS筐体12bは、ミラー80aを収容する金属製のホルダを有し、金属筐体12aの側面に金属製のカラーを介して装着される。また、スイッチ部11の筐体及び分波部12の筐体には、光路を確保できるように穴が設けられる。穴はホウケイ酸ガラス、サファイアガラス等の透明窓で封止されている。上記と同様の理由により、波長選択スイッチでは、金属筐体12aとMEMS筐体12bは、YAGレーザを用いて、YAG溶接することが好ましい。ここで、MEMS筐体12bは、同軸構造としても良い。
【0034】
図3から図6まで、本実施形態におけるスイッチ部の製作過程の外観図を示した。光ファイバ140は、例えば、複数のファイバが束ねられたテープファイバである。図3に示すように、光ファイバ140の片端は、光ファイバ140の保持のためにガラス141が両側に装着される。さらに、その外側に同軸型ホルダ142に装着される。また、図4に示すように、レンズアレイが収容された金属ホルダ143と光ファイバ140が金属カラー144を介して接続される。そして、図5に示すように、ホルダ142と第一レンズ30を収容する金属ホルダ145を接続させる。そして、図6に示すように、ホルダ145とビームエキスパンダ40を収容する金属製ホルダ146を接続させる。以上のようにして、スイッチ部を製造することができる。上記と同様の理由により、波長選択スイッチでは、ホルダ142、143、金属カラー144、ホルダ145、及び146はYAGレーザを用いて、YAG溶接することが好ましい。
【0035】
本実施形態に係る波長選択スイッチ10では、スイッチ部11は、さらに、筐体が同軸構造であることが好ましい。スイッチ部11の筐体を同軸構造とすることにより第一レンズ30を通る光の位置を3軸及び同軸の中心軸を軸とする回転方向で調整し、接触する同軸構造の任意の縁部をYAG溶接で固定することができるため、光学部品の位置ずれの影響を少なくすることができる。スイッチ部11の同軸構造としては、例えば、ホルダ142、143、金属カラー144、ホルダ145及びホルダ146を同軸構造とすることである。
【0036】
本実施形態に係る波長選択スイッチ10では、複数のミラー80aは、さらに、同軸構造の筐体に収容されていることが好ましい。複数のミラー80aを同軸構造の筐体に収容することにより第三レンズ70を通る光の位置を3軸及び同軸の中心軸を軸とする回転方向で調整し、接触する同軸構造の任意の縁部をYAG溶接で固定することができるため、光学部品の位置ずれの影響を少なくすることができる。例えば、MEMS筐体12bを同軸構造とすることである。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の波長選択スイッチは、異なる波長の光を分岐し又は結合することができ、光波長多重通信ネットワーク実現の際の波長多重用の光合分波回路や波長再配置型のadd−drop波長多重回路として適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態に係る波長選択スイッチの概略構成図である。
【図2】本実施形態に係る波長選択スイッチの上面透視図である。
【図3】本実施形態におけるスイッチ部の製作過程の第一の外観図である。
【図4】本実施形態におけるスイッチ部の製作過程の第二の外観図である。
【図5】本実施形態におけるスイッチ部の製作過程の第三の外観図である。
【図6】本実施形態におけるスイッチ部の製作過程の第四の外観図である。
【図7】光スイッチモジュールの概略構成図である。
【符号の説明】
【0039】
10 波長選択スイッチ
11 スイッチ部
12 分波部
12a 金属筐体
12b MEMS筐体
20 レンズアレイ
30 第一レンズ
30a 焦点(共焦点)
40 ビームエキスパンダ
50 第二レンズ
60 回折格子
62 格子面
70 第三レンズ
80a,80b ミラー
101 光入出力ポート
140 光ファイバ
141 ガラス
142、143、145、146 ホルダ
144 金属カラー
201 VIPA
211 光スイッチモジュール
212 光学系
212a,212b コリメートレンズ
212c セミシリンドリカルレンズ
213 光学系(フォーカスレンズ)
214 マイクロミラーアレイ
215 光入出力ポート
215a,215b 光ファイバ用コネクタ
215c,215d 光ファイバ
217 金属筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の波長を含む光を入出力し、横並び直線状に設けられた複数の光入出力ポートに対向して前記光入出力ポートからの光を平行光にするように配置されたレンズアレイ、前記レンズアレイを間にして前記光入出力ポートの反対側に配置され、前記レンズアレイからの光を収束光にする第一レンズ、及び、前記第一レンズを間にして前記光入出力ポートの反対側、かつ、前記第一レンズと前記第一レンズの焦点との間に配置され、前記第一レンズの焦点において、前記光入出力ポートの配列方向では前記第一レンズからの収束光をそのまま収束させ、前記光入出力ポートの配列方向と直交する方向では前記第一レンズを透過した光をより大きく収束させるビームエキスパンダを有するスイッチ部と、
前記ビームエキスパンダからの光を平行光にするように配置された第二レンズ、前記光入出力ポートから入出力される光のうち前記第二レンズを透過した光を受ける面上に前記光入出力ポートの配置方向に平行な複数の格子が形成された格子面において前記第二レンズを透過した光を波長ごとに異なる角度で透過させる回折格子、及び、前記回折格子を間にして前記第二レンズの反対側に配置される第三レンズ、前記光入出力ポートから出力され前記レンズアレイ、前記第一レンズ、前記ビームエキスパンダ、前記第二レンズ、前記回折格子及び前記第三レンズを透過した光をそれぞれ反射し、反射した光のそれぞれが前記第三レンズ、前記回折格子、前記第二レンズ、前記ビームエキスパンダ、前記第一レンズ及び前記レンズアレイを再び透過して前記光入出力ポートのいずれかに収束するように光の反射角度がそれぞれ設定された複数のミラーを有する分波部と、
を備える波長選択スイッチであって、
前記スイッチ部と前記分波部とは、それぞれ独立の筐体に収容され、前記スイッチ部の筐体と前記分波部の筐体との接続面に、前記第一レンズを通る光と前記第二レンズを通る光との共焦点が配置されていることを特徴とする波長選択スイッチ。
【請求項2】
前記第一レンズを通る光の光軸と前記第二レンズを通る光の光軸とが略一致することを特徴とする請求項1に記載の波長選択スイッチ。
【請求項3】
前記スイッチ部は、前記筐体が同軸構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載の波長選択スイッチ。
【請求項4】
前記分波部のうち前記複数のミラーが同軸構造の筐体に収容されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の波長選択スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−310244(P2008−310244A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−160126(P2007−160126)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【Fターム(参考)】