説明

洗剤のための添加剤としての、改質化ポリアミンをベースとするポリマーの使用

本発明は、洗剤のための添加剤としての水溶性または水分散性ポリマーの使用に関する。前記ポリマーは、(a)ポリアルキレンポリアミン、ポリアミドアミンまたはエチレンイミンでグラフトされたポリアミドアミン、または前記化合物の混合物、(b)望ましい場合には、少なくとも二官能性架橋剤、および(c)モノエチレン性不飽和カルボン酸、その塩、エステル、アミドまたはニトリル、クロロカルボン酸および/またはグリシジル化合物を反応させることにより得られてもよく、その際、成分(a)は平均分子量M20000〜2000000を示し、かつ、成分(a)と成分(b)中との窒素上の水素原子のモル比が、1:0.7〜1:0.9である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
(a)ポリアルキレンポリアミン、ポリアミドアミンまたはエチレンイミンでグラフトされたポリアミドアミンまたはこれらの混合物、
(b)好ましい場合には、少なくとも二官能性の架橋剤、および
(c)モノエチレン性不飽和カルボン酸、その塩、エステル、アミドまたはニトリル、クロロカルボン酸および/またはグリシジル化合物、
を反応させることにより得られ、その際、成分(a)は、平均分子量M20000〜2000000を示し、かつ成分(a)中と成分(b)中との窒素上の水素原子のモル比が、1:0.7〜1:0.9であるポリマーの、衣料用洗剤添加物としての使用に関する。
【0002】
テキスタイル材料の機械的洗浄の際に、使用される衣料用洗剤により実施されるべき重要な課題は、洗浄中に生じる粒子状材料を、洗浄リカー中に分散させ、かつこれら材料のテキスタイル材料上への堆積を防止することである。分散すべき材料は、特に、テキスタイル材料由来の汚れ、例えば顔料または粘土を含有する汚れ;水道水からの硬度イオンにより形成された石灰;および洗剤中に含まれる石鹸によって、水道水の硬度イオンにより形成された石灰石鹸である。
【0003】
石鹸は、長鎖脂肪酸の水溶性の塩であり、特にアルカリ金属塩、殊にナトリウム塩及びカリウム塩であり、かつ、飽和および不飽和の脂肪族C〜C24−カルボン酸のアンモニウム塩である。石鹸のための例は、脂肪族C10〜C18−カルボン酸のナトリウム塩およびカリウム塩、特に獣脂およびパーム油から誘導され、かつ、C16〜C18−カルボン酸部分を有する石鹸、並びにココナッツおよびパームナッツ油から誘導され、かつ、C10〜C14−カルボン酸部分を有する石鹸である。
【0004】
石鹸は、液体洗剤配合物の特に重要な構成部分であり、この場合、これは界面活性剤(例えば洗浄活性物質)として、ビルダー(例えば、水の硬度に関連するアルカリ金属イオンを封鎖するもの)およびさらには起泡調整剤として使用する。高い水の硬度の場合には、これは、テキスタイル材料上に堆積する石灰石鹸の沈澱が生じる。
【0005】
液体洗剤中の石灰石鹸のための分散剤として、マレイン酸と疎水性モノマー、例えばジイソブテン、リモネン、リナロールおよび/またはスチレン(EP-A-768370)とのコポリマー、並びにポリアルキレングリコールでエステル交換されたアクリル酸をベースとするホモポリマーおよびこれとアクリルアミドスルホン酸とのコポリマー(EP-A-147 745, US-A-4 797 223)が記載されている。
【0006】
WO-A-97/42292および97/42293では洗剤が記載されており、この場合、これは、エトキシ化ポリエチレンイミンをベースとするポリマー(その窒素原子は、付加的に四級化および/または酸化されていてもよい)を、コットンのための防汚加工剤として含有する。
【0007】
DE-A-18 12 166は漂白剤に関し、この場合、これは、ポリエチレンイミンとアクリル酸との反応生成物(平均分子量500〜200000並びにアミノ基の反応率50〜100%を示すもの)を、内容物として含有するものである。実施例において、種々の分子量の生成物が使用されているが、しかしながら、それぞれの反応率に対する説明はなされていない。
【0008】
JP-A-2004-2589では、粒子状汚れの再付着を防止するために、ポリエチレンイミンとアクリル酸またはアクリル酸およびマレイン酸との反応生成物を含有する洗剤が記載されている。実施例中で使用されたポリエチレン−イミンの平均分子量Mwが、最大7500である場合に、ポリエチレンイミン中の窒素原子の全量に対する、不飽和カルボン酸の量は、最大65モル%である。
【0009】
JP-A-2003-286 344において、その目的のために、ポリエチレンイミンとアクリル酸およびマレイン酸との同様の反応生成物が記載されているが、しかしながら、これは、なおも低い平均分子量Mwおよびポリエチレンイミン中の窒素原子の全量に対する72%の反応率を除いて、本質的に少ない反応率を示す。
【0010】
本発明は、これらの課題に基づいて、洗浄プロセスの際に沈澱する粒子状材料のための分散剤として、特に、石灰石鹸を分散するのに適したポリマーを提供する。
【0011】
この課題は、
(a)ポリアルキレンポリアミン、ポリアミドアミンまたはエチレンイミンでグラフトされたポリアミドアミンまたはこれらの混合物、
(b)好ましい場合には、少なくとも二官能性架橋剤、
および
(c)モノエチレン性不飽和カルボン酸、モノエチレン性不飽和カルボン酸の塩、エステル、アミドまたはニトリル、クロロカルボン酸および/またはグリシジル化合物を反応させることによって得られ、
その際、成分(a)は、平均分子量Mw20000〜2000000を示し、かつ成分(a)中と成分(b)中との窒素上の水素原子のモル比が、1:0.7〜1:0.9であるポリマーの、洗剤への添加剤としての使用により見出された。
【0012】
本発明にしたがって、使用すべきポリマーは、開示されていないWO-A-05/73357中に記載されており、かつ硬質の表面の清浄化においてして使用されている。
【0013】
ポリマーは、成分(a)、場合によっては(b)と、(c)とを反応させることによって得られる。したがって、これらは、架橋されたか、あるいは、非架橋の形で存在していてもよく、その際、この成分(a)は、それぞれの場合において、成分(c)で変性されている。
【0014】
成分(b)を使用する場合には、成分(a)および(b)は、好ましくは100:1〜1:1000、特に好ましくは20:1〜1:20のモル比で使用することができる。成分(a)と(c)とのモル比は、成分(a)中と成分(c)とのの窒素上の水素原子のモル比が、1:0.7〜1:0.9、好ましくは1:0.75〜1:0.85である程度に選択される。
【0015】
特に好ましくは、本発明により使用すべきポリマーは、初期架橋(anvernetzte)されたポリマー、すなわち、2%まで、好ましくは1.5%まで、特に好ましくは1%までの成分(a)中に含まれる活性のN−H結合が、架橋剤(b)と反応しているポリマーである。
【0016】
成分(a)として、ポリアルキレンポリアミン、ポリアミドアミンまたはエチレンイミンでグラフトされたポリアミドアミン、この場合、これらは、それぞれ平均分子量Mw20000〜2000000、好ましくは20000〜1000000(それぞれ光散乱によって測定された)を示す、または、これらの混合物を使用する。
【0017】
用語「ポリアルキレンポリアミン」として、少なくとも3個の窒素原子を含有するもの、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサアミン、ジアミノプロピレンエチレンジアミン、トリスアミノプロピルアミンおよびポリエチレンイミンである。
【0018】
ポリアルキレンポリアミンは、部分的にアミド化されていてもよい。これらの種類の生成物は、例えば、ポリアルキレンポリアミンとカルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物またはカルボン酸ハロゲン化物とを反応させることによって製造される。アミド化されたポリアルキレンポリアミンは、以下の反応のために、好ましくは1〜30%まで、特に好ましくは20%までアミド化される。これは、なおも遊離NH−基を有していなければならず、それによって、化合物(b)および(c)と反応させることができる。ポリアルキレンポリアミンのアミド化のために適したカルボン酸は、一般には1〜28個の炭素原子を有する、飽和および不飽和の脂肪族または芳香族カルボン酸であり、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびベヘン酸である。当然のことながら、さらに、ポリアルキレンポリアミンとアルキレンジケテンとの反応によるアミド化が可能である。
【0019】
ポリアルキレンアミンは、さらに、部分的に四級化された形で、成分(a)として使用することができる。適した四級化剤は、例えばアルキルハロゲン化物、例えば塩化メチル、塩化エチル、塩化ブチル、エピクロロヒドロリンおよび塩化ヘキシル、ジアルキルスルフェート、例えばジメチルスルフェートおよびジエチルスルフェート、並びにベンジルクロリドである。四級化ポリアルキレンポリアミンを、成分(a)として使用できる場合には、これらの四級化の度合いは、好ましくは1〜30%、特に好ましくは20%まで、である。
【0020】
同様に、成分(a)として適したポリアミドアミンは、例えばC〜C10−ジカルボン酸とポリアルキレンポリアミン、この場合、これは、好ましくは3〜10個の塩基性窒素原子を分子中に含有するもの、との反応によって得られる。適したジカルボン酸は、例えばコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、コルク酸、セバシン酸またはテレフタル酸である。さらに、カルボン酸の混合物を使用することができ、例えば、アジピン酸とグルタル酸またはアジピン酸との混合物である。好ましくは、アジピン酸をポリアミドアミン製造のために使用する。適したポリアルキレンポリアミンは、この場合、ジカルボン酸と一緒に縮合されてもよく、前記に挙げたように、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラアミン、ジヘキサメチレントリアミン、アミノプロピルエチレンジアミンおよびビスアミノプロピル−エチレン−ジアミンが適している。ポリアルキレンポリアミンは、さらに混合物の形で、ポリアミドアミンを製造する際に使用することができる。ポリアミドアミンの製造は、好ましくは塊状で実施されるが、しかしながら、さらに場合によっては、不活性の溶剤中で実施することができる。ジカルボン酸とポリアルキレンポリアミンとの縮合は、高い温度で、例えば120〜220℃で実施する。反応中で形成された水は、反応混合物から蒸留する。縮合は、場合によっては4〜8個の炭素原子を有するカルボン酸のラクトンまたはラクタムの存在下で、実施することができる。ジカルボン酸1モル当たり、一般に0.8〜1.4モルのポリアルキレンポリアミンを使用する。このようにして得られたポリアミドアミンは、第1級および第2級のNH−基を有し、かつ水中で溶解する。
【0021】
同様に成分(a)として適した、エチレンイミンでグラフトされたポリアミドアミンは、エチレンイミンを、ブレンステッド酸またはルイス酸、例えば硫酸、リン酸または三フッ化ホウ素エーテル化合物の存在下で、前記に示されたポリアミドアミン上で作用することによって製造可能である。前記条件下で、エチレンイミンは、ポリアミドアミン上にグラフトされている。例えば、ポリアミドアミン中の塩基性窒素基当たり、1〜10個のエチレンイミン単位をグラフトすることができる。
【0022】
好ましくは、成分(a)は、ポリアルキレンポリアミンである。特に好ましくは、ポリアルキレンポリアミン、特にポリエチレンイミンは、この場合、平均分子量Mw20000〜2000000、特に20000〜1000000および特に20000〜750000を有する。
【0023】
成分(b)として、少なくとも二官能性の架橋剤が適しており、この場合、これらは、官能基として、ハロゲンヒドリン−、グリシジル−、アジリジン−またはイソシアナート単位またはハロゲン原子を有する。
【0024】
適当な架橋剤は、例えばエピハロゲンヒドリン、有利にエピクロロヒドリン、並びにα,ω−ビス(クロロヒドリン)ポリアルキレングリコールエーテル及び塩基での処理により得られるポリアルキレングリコールエーテルのα,ω−ビスエポキシドである。クロロヒドリンエーテルは、例えば、ポリアルキレングリコールおよびエピクロロヒドリンを、モル比1:2〜1:5で反応させることによって製造することができる。
【0025】
適当なポリアルキレングリコールは、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリブチレングリコール並びにC〜C−アルキレンオキシドのブロックコポリマーである。ポリアルキレングリコールの平均分子量Mwは、一般には100〜6000、好ましくは300〜2000である。α,ω−ビス(クロロヒドリン)ポリアルキレングリコールエーテルは、例えばUS-A-4 144 123中に記載されている。ここではさらに、ビスグリシジルエーテルが、相当するジクロロヒドリンエーテルを塩基で処理することによって得られることが記載されている。
【0026】
さらに架橋剤として、α,ω−ジクロロポリアルキレングリコールが適しており、この場合、これらは、例えばEP-A-025 515中に開示されている。このα,ω−ジクロロポリアルキレングリコールは、二価〜四価のアルコール、有利にアルコキシル化された二価〜四価のアルコールを、塩化チオニルとHCl脱離下で反応させ、かつ引き続き二酸化硫黄の脱離下での、クロロスルホン化化合物を接触分解するか、あるいは、ホスゲンとHCl脱離下で相応するビスクロロ炭酸エステルに変換させ、それから引き続き二酸化炭素脱離下で接触分解することにより得られる。
【0027】
二価〜四価のアルコールは、有利にグリコール1mol当たり酸化エチレン1〜100mol、特に4〜40molと反応された、エトキシル化された及び/又はプロポキシル化されたグリコールである。
【0028】
他の適した架橋剤は、α,ω−またはビシナールジクロロアルカン、例えば1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロプロパン、1,4−ジクロロブタンおよび1,6−ジクロロヘキサンである。
【0029】
他の適当な架橋剤は、少なくとも三価のアルコールとエピクロロヒドリンとの反応により得られた、少なくとも2個のクロロヒドリン単位を有する反応生成物である。例えば多価アルコールとして、グリセリン、エトキシル化又はプロポキシル化されたグリセリン、分子中に2〜15個のグリセリン単位を有するポリグリセリン並びに場合によりエトキシル化及び/又はプロポキシル化されたポリグリセリンが使用される。この種の架橋剤は、例えばDE-A 29 16 356から公知である。
【0030】
さらに、ブロックトイソシアナート基を有する架橋剤、例えば2,2,3,6−テトラメチルピペリドン−4でブロックされたトリメチルヘキサメチレンジイソシアナートが適している。この架橋剤は、例えばDE-A 40 28 285から公知である。
【0031】
さらに、アジリジン−単位を含有する架橋剤、この場合、これは、ポリエーテルまたは置換された炭化水素をベースとするもの、例えば1,6−ビス(N−アジリジノ)ヘキサン、が適している。
【0032】
当然のことながら、2個またはそれ以上の架橋剤からなる混合物を使用することができる。
【0033】
好ましい成分(b)は、エピハロゲンヒドリン、特にエピハロヒドリン、α,ω−ビス(クロロヒドリン)ポリアルキレングリコールエーテル、ポリアルキレングリコールエーテルのα,ω−ビス(エポキシド)およびポリアルキレングルコールのビスグリシジルエーテルである。
【0034】
成分(c)として、モノエチレン性不飽和カルボン酸、モノエチレン性不飽和カルボン酸の塩、エステル、アミドまたはニトリル、クロロカルボン酸またはグリシジル化合物またはこれら化合物の混合物を使用する。
【0035】
成分(c)として適したモノエチレン性不飽和カルボン酸は、好ましくは3〜18個の炭素原子を、アルケニル基中に有する。特に適したカルボン酸のための例は、アクリル酸、メタクリル酸、ジメタクリル酸、エチルアクリル酸、アリル酢酸、ビニル酢酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メチレンマロン酸、シトラコン酸、オレイン酸およびリノレン酸である。したがって、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸およびマレイン酸である。
【0036】
成分(c)として適したこれらのカルボン酸の塩は、特にアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩である。好ましくは、ナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩である。アンモニウム塩は、アンモニアと同様にアミンまたはアミン誘導体、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンから誘導されるものであってもよい。アルカリ土類金属塩として、特にマグネシウム塩およびカルシウム塩が考慮される。
【0037】
成分(c)として適したカルボン酸のエステルは、特に一価のC〜C20−アルコールまたは二価のC〜C−アルコールから誘導される。特に適したエステルの例は(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸−n−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル、(メタ)アクリル酸−n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸イソブチルエステル、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ジメチルマレイネート、ジエチルマレイネート、イソプロピルマレイネート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−および3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートである。
【0038】
成分(c)として適したこれらのカルボン酸のアミドは、例えば(メタ)アクリルアミドおよびオレイン酸アミド並びにこれらのカルボン酸、特に(メタ)アクリル酸と、アミドアルカンスルホン酸との反応生成物である。これに関して、適したアミドの例は、式IまたはII
【化1】

[式中、Xは化学結合であるか、あるいは、スペーサー基−C(O)−NH−[CH2−n(CH]−(CH、−C(O)NH−または−C(O)−NH−[CH(CHCH)]−の一つを意味し、その際、nは0〜2であり、かつmは0〜3である]の化合物である。
【0039】
特に好ましくは、1−アクリルアミド−1−プロパンスルホン酸(式I:X=−C(O)−NH−[CH(CHCH)]−)、2−アクリルアミド−1−プロパンスルホン酸(式I:X=−C(O)−NH−[CH(CH)]−CH−)、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(式I:X=−C(O)−NH−[C(CH]−CH−)、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(式II:X=−C(O)−NH−[C(CH]−CH−)およびビニルスルホン酸(式I:X=化学結合)である。
【0040】
成分(c)として適した、モノエチレン性不飽和カルボン酸のニトリルは、最終的には特にアクリルニトリルおよびメタクリルニトリルである。
【0041】
成分(c)として、他のクロロカルボン酸が適しており、この場合、これらは、好ましくは2〜5個の炭素原子であり、かつ2個までの塩素原子を含有するものである。特に適した例はクロロ酢酸、2−クロロプロピオン酸、2−クロロ酪酸、ジクロロ酢酸および2,2’−ジクロロプロピオン酸である。
【0042】
さらに、成分(c)として適しているのは、式III
【化2】

[式中、Xは−NH−、−OM−または−ORであり;
MはH、Na、Kまたはアンモニウムであり;
RはC〜C−アルキルまたはC〜C−ヒドロキシアルキルである]のグリシジル化合物である。
【0043】
式IIIの好ましい化合物は、グリシジル酸、そのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩およびカルシウム塩、グリシジル酸アミドおよびグリシジル酸エステル;例えば、グリシジル酸メチルエステル、グリシジル酸エチルエステル、グリシジル酸−n−プロピルエステル、グリシジル酸−n−ブチルエステル、グリシジル酸イソブチルエステル、グリシジル酸−2−エチルヘキシルエステル、グリシジル酸−2−ヒドロキシプロピルエステルおよびグリシジル酸−4−ヒドロキシブチルエステルである。特に好ましくは、グリシジル酸、そのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩並びにグリシジル酸アミドである。
【0044】
成分(c)として特に好ましくは、モノエチレン性不飽和カルボン酸、特にアクリル酸、メタクリル酸およびマレイン酸であり、その際、アクリル酸は特に好ましい。
【0045】
本発明により使用された水溶性または水分散可能なポリマーは、一般に公知の方法によって製造することができる。適した製造方法は、例えば、DE-A-42 44 194中に記載されており、この場合、これは、成分(a)を先ず、成分(c)と反応させ、かつ、その後に成分(b)を添加するか、あるいは、成分(c)および(b)を、成分(a)と同時に反応させる。
【0046】
しかしながら、好ましくは、ポリマーは、成分(a)を、先ず成分(b)と初期架橋し(工程i)、その後に成分(c)と反応させる(工程ii)ことによって製造する。
【0047】
架橋(工程i)は、公知方法にしたがって実施することができる。通常は、架橋剤(b)を水溶液として使用し、その結果、反応を水溶液中で実施する。反応温度は、一般には10〜200℃、好ましくは30〜100℃である。この反応は、通常は、大気圧下で実施する。反応時間は、使用された成分(a)および(b)とは無関係に、かつ一般には0.5〜20時間、特に1〜10時間である。得られた生成物は、単離することができるか、あるいは、好ましくは、工程ii)中で、得られた溶液の形で直接的に反応させることができる。
【0048】
工程ii)において、工程i)中で得られた生成物と、モノエチレン性不飽和二重結合を含有する、成分(c)の群のそれぞれの化合物との反応を、ミハエル付加の技術にしたがって実施し、その一方で、式IIIのクロロカルボン酸およびグリシジル化合物は、クロロ基またはエポキシド基を介して、工程i)中で得られた初期架橋された生成物の第1級または第2級アミノ基と反応する。反応は、通常、水溶液中で10〜200℃、好ましくは30〜100℃で、かつ大気圧下で実施する。反応時間は、使用された成分に依存して、一般には5〜100時間、特に1〜50時間である。
【0049】
本発明により、洗剤中で使用されるポリマーは、洗浄プロセスの際に生じる粒子状材料のための分散剤として作用する。
【0050】
粒子状材料は、洗剤および硬質の水道水との相互作用によって形成される石灰石鹸、水道水の硬質イオンから形成された石灰、または、洗浄すべきテキスタイルからの汚れ粒子、例えば顔料を含む汚れ、この場合、これは、紅茶、コーヒー、赤ワイン、果物、果汁、野菜および草並びに化粧品由来の着色成分によって生じるもの、であるか、あるいは、粘土鉱物であってもよい。
【0051】
特に好ましくは、本発明によれば、石灰石鹸を分散させるためのポリマーを使用すべきである。
【0052】
したがって、ポリマーは、特に好ましくは液体洗剤中で使用されるが、しかしながら、すべての粒子状材料のための分散作用に基づいて、さらに固体洗剤においても重要である。
【0053】
本発明の他の対象は、液体洗剤配合物であり、この場合、これは特に以下の成分を含有するものである:
(A)0.05〜20質量%の少なくとも1種の本発明によるポリマー、
(B)0.5〜50質量%の少なくとも1種のノニオン、アニオン、カチオンおよび/または両性の界面活性剤、
(C)0〜25質量%の少なくとも1種の石鹸、
(D)0〜30質量%の石鹸をベースとするものではないビルダー系、
(E)0〜80質量%の他の常用の内容物、例えば、炭酸ナトリウム、酵素、香料、錯形成剤、腐食防止剤、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、色移り防止剤、汚れ再付着防止剤、蛍光増白剤、ソイル−リリースポリエステル、繊維および色保護剤、シリコーン、染料、抗菌剤、起泡調整剤、有機溶剤、可溶化剤、ヒドロトロープ、増粘剤および/またはアルカノールアミン、および
(F)0〜99.45質量%の水。
【0054】
本発明による固体の洗剤配合物は、好ましくは以下の組成を有する:
(A)0.05〜20質量%の少なくとも1種の本発明によるポリマー、
(B)0.5〜40質量%の少なくとも1種のノニオン、アニオン、カチオンおよび/または両性の界面活性剤、
(C)0〜25質量%の少なくとも1種の石鹸、
(D)0〜60質量%の石鹸をベースとするものではないビルダー系、および
(E)0〜60質量%の他の通常の内容物、例えば、添加剤(Stellmittel)、酵素、香料、錯形成剤、腐食防止剤、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、色移り防止剤、汚れ再付着防止剤、蛍光増白剤、ソイルリリースポリエステル、繊維および色保護剤、シリコーン、染料、抗菌剤、起泡調整剤、溶解改質化剤および/または崩壊剤、
その際、成分(A)〜(E)の合計は100質量%になる。
【0055】
本発明による固体の洗剤配合物は、粉末、顆粒、押出物またはタブレットの形状で存在していてもよい。
【0056】
ノニオン界面活性剤(B)として、特に以下のものが適している:
−アルコキシ化C〜C22−アルコール、例えば脂肪族アルコールアルコキシレート、オキソアルコールアルコキシレートおよびゲルベ−アルコールエトキシレートである:このアルコキシル化は、酸化エチレン、酸化プロピレン及び/又は酸化ブチレンを用いて実施することができる。これは、ブロックコポリマーまたはスタティックコポリマーであってもよい。アルコール1モル当たり、通常2〜50モル、好ましくは3〜20モルの、少なくとも1種のアルキレンオキシドを含有する。好ましいアルキレンオキシドはエチレンオキシドである。このアルコールは、有利に10〜18個の炭素原子を有する。
−アルキルフェノールアルコキシレート、特にC〜C14−アルキレン鎖および5〜30モルのアルキレンオキシド/モルを含有する、アルキルフェノールエトキシレートである。
−アルキルポリグルコシド、この場合、これは、C〜C22−アルキル鎖、好ましくはC10〜C18−アルキル鎖および一般には1〜20、好ましくは1.1〜5のグルコシド単位を含有する。
−N−アルキルグルカミド、脂肪族アミドアルコキシレート、脂肪酸アルカノールアミドアルコキシレート並びにエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドからのブロックポリマー。
【0057】
適したアニオン界面活性剤は、例えば、
−8〜22個、好ましくは10〜18個の炭素原子を有する、(脂肪族)アルコールの硫酸塩、特にC〜C11−アルコールスルフェート、C12〜C14−アルコールスルフェート、C12〜C18−アルコールスルフェート、ラウリル硫酸塩、セチル硫酸塩、ミリスチル硫酸塩、パルミチル硫酸塩、ステアリル硫酸塩および獣脂アルコール硫酸塩。
−硫酸化アルコキシレートC〜C22−アルコール(アルキルエーテルスルフェート):この種の化合物は、例えば、先ずC〜C22−アルコール、有利にC10〜C18−アルコール、例えば脂肪アルコールをアルコキシル化し、このアルコキシル化生成物を、引き続き硫酸化することにより製造される。アルコキシル化のために、好ましくはエチレンオキシドを使用する。
−直鎖C〜C20−アルキルベンゾスルホネート(LAS)、好ましくは直鎖のC〜C13−アルキルベンゼンスルホネートおよび−アルキルトルエンスルホネートである。
−アルカンスルホネート、特にC〜C24−アルカンスルホネート、好ましくはC10〜C18−アルカンスルホネートである。
【0058】
石鹸、例えばC〜C24−カルボン酸からのNa−およびK−塩である。
【0059】
アニオン界面活性剤は、洗剤に、好ましくは塩の形状で添加する。これに関して適した塩は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩及びアンモニウム塩、例えばヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジ(ヒドロキシエチル)アンモニウム塩及びトリ(ヒドロキシエチル)アンモニウム塩である。
【0060】
特に適したカチオン界面活性剤として、以下のものが挙げられる:
−C〜C25−アルキルアミン;
−N,N−ジメチル−N−(ヒドロキシ−C〜C25−アルキル)アンモニウム塩;
−アルキル化剤を用いて四級化されたモノ−およびジ−(C〜C25−アルキル)ジメチルアンモニウム化合物;
−エステルクワット、特に四級エステル化モノ−、ジ−およびトリアルカノールアミン、この場合、これは、C〜C22−カルボン酸でエステル化されており;
−イミダゾールクワット、特に、式IVまたはV
【化3】

[式中、Rは、C〜C25−アルキルまたはC〜C25−アルケニル;
は、C〜C−アルキルまたはヒドロキシ−C〜C−アルキル;
は、C〜C−アルキル、ヒドロキシ−C〜C−アルキルまたは基R−(CO)−X−(CH−(X:−O−または−NH−;p:2または3)であり、その際、少なくとも1種の基Rは、C〜C22−アルキルである]の1−アルキルイミダゾリウム塩である。
【0061】
両性界面活性剤の典型的な例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオナート、アミノグリシナートおよび両性イミダゾリウム化合物である。
【0062】
無機ビルダーとしては、以下のものが特に適している:
−イオン交換特性を有する、結晶質および非晶質のアルモシリケート、特にゼオライトである:ゼオライトの種々の型は、特にゼオライトA、X、B、P、MAPおよびHSが適しており、この場合、これらはNa−形であるか、あるいは、そのNaにおいて部分的に他のカチオン、例えばLi、K、Ca、Mgまたはアンモニウムに置換されているものである。
−結晶質シリケート、例えば特にジシリケートおよび層状シリケート、例えばδ−およびβ−NaSiである。このシリケートは、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩の形で使用していてもよく、好ましくは、Na−、Li−およびMg−シリケートである。
−非晶質シリケート、例えばメタケイ酸ナトリウムおよび非晶質ジシリケートである。
−炭酸塩および炭酸水素塩である:これらは、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩の形で使用することができる。好ましくは、Na−、Li−およびMg−炭酸塩および−炭酸水素塩、特に炭酸ナトリウムおよび/または炭酸水素ナトリウムである。
−ポリリン酸塩、例えばペンタナトリウムトリホスフェートである。
【0063】
有機コビルダー(Cobiulder)として、特に適しているのは:
−低分子量カルボン酸、クエン酸、疎水性改質化クエン酸、例えばアガリシン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルタル酸、コハク酸、イミドジコハク酸、オキシジコハク酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、アルキルおよびアルケニルコハク酸およびアミノポリカルボン酸、例えばニトリル三酢酸、β−アラニン二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、セリン二酢酸、イソセリン二酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、エチレンジアミンジコハク酸およびメチル−およびエチルグリシン二酢酸である。
−オリゴマーおよびポリマーカルボン酸、例えばアクリル酸およびアスパラギン酸のホモポリマー、オリゴマレイン酸、マレイン酸とアクリル酸とのコポリマー、メタクリル酸またはC〜C22−オレフィン、例えばイソブテンまたは長鎖α−オレフィン、ビニル−C〜C−アルキルエーテル、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、C〜C−アルコールの(メタ)アクリル酸エステルおよびスチレンである。好ましくは、アクリル酸のホモポリマーおよびアクリル酸とマレイン酸とのコポリマーである。オリゴマーおよびポリマーのカルボン酸は、酸の形またはナトリウム塩の形で使用する。
【0064】
適した漂白剤は、例えば過酸化水素と無機酸とのアダクト、例えばナトリウム過ホウ素酸一水和物、ナトリウム過ホウ素酸三水和物および炭酸ナトリウム過水和物および過カルボン酸、例えばフタルイミドペルカプロン酸である。
【0065】
漂白活性化剤としては、例えばN,N,N’,N’−テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ナトリウム−p−ノナノイルオキシベンゾスルホナートおよびN−メチルモルホリニウムアセトニトリルメチル−スルフェートである。
【0066】
好ましくは、洗剤中で使用される酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、オキシダーゼおよびペルオキシダーゼである。
【0067】
適した色移り防止剤は、例えば1−ビニルピロリドン、1−ビニルイミダゾールまたは4−ビニルピリジン−N−オキシドのホモ−、コ−およびグラフトポリマーである。さらに、クロロ酢酸を用いて反応させた、4−ビニルピリジンのホモ−およびコポリマーは、色移り防止剤として適している。
【0068】
洗剤内容物は、一般には公知である。蒸留物の記載は、例えば WO-A-99/06524および99/04313、液体洗剤、KuoYann Lai, Surfactant Sei.Ser., Vol67, Marcel Decker, New York, 1997、第272頁〜第304頁から見出すことができる。
【0069】
実施例

I.本発明による使用すべきポリマーの製造
ポリマー1
金属ステーラーおよび還流冷却器を備えた四つ首フラスコ中に、196gの水不含のポリエチレンイミン(分子量25000; Lupasol(R) WF; BASF)を、窒素雰囲気下で入れ、かつ、588gの水を用いて、25質量%に希釈した。撹拌下で70℃に加熱した後に、40mlの22質量%濃度の架橋剤水溶液(ポリエチレングリコール(Mw:1500)とエピクロロヒドリンとのモル比1:2の反応生成物)を迅速に添加した。5時間に亘っての70℃での後撹拌の後に、さらに80℃で加熱し、263.2gのアクリル酸を、3時間に亘って80℃で滴加した。引き続いて、さらに1時間に亘って80℃で撹拌した。
【0070】
冷却後に、粘性の、黄色がかった橙色のポリマー溶液(固体含量42質量%)を得た。このポリマーは、K−値17(1質量%の水溶液中で、25℃で測定した)およびポリエチレンイミン中のN−H結合に対して、80%の反応度合いを有していた。
【0071】
ポリマー2
金属ステーラーおよび還流冷却器を備えた四つ首フラスコ中で、350gのポリエチレンイミン(56%、分子量25000;Lupasol HF)を、窒素雰囲気下で、456gの水で希釈した。撹拌下で70℃に加熱した後に、18mlの50質量%の架橋剤水溶液(ポリエチレングリコール(Mw:660)とエピクロロヒドリンとのモル比1:2の反応生成物)を迅速に添加した。5時間に亘っての70℃での後撹拌の後に、さらに80℃で加熱し、259.4gのアクリル酸を、3時間に亘って、80℃で滴加した。その後に、さらに1時間に亘って、95℃で後撹拌した。
【0072】
冷却後に、粘性の、黄色がかった橙色のポリマー溶液(固体含量42質量%)を得た。このポリマーは、K−値17(1質量%の水溶液中で、25℃で測定した)およびポリエチレンイミン中のN−H結合に対して、80%の反応度合いを有していた。
【0073】
比較ポリマーV1
50%のN−H−結合のみをアクリル酸と一緒に反応させることを除いて、ポリマー1の製造を反復した。
【0074】
比較ポリマー2
50%のN−H−結合のみをアクリル酸と一緒に反応させることを除いて、ポリマー2の製造を反復した。
【0075】
II.a 衣料用洗剤中で製造されたポリマーの使用
付着物−阻害性能の試験のために、それぞれのポリマー(活性)5質量%を、3種の異なる液体衣料用洗剤を添加した。これらの衣料用洗剤の組成は、第1表中に示した。
【0076】
コットン試験クロス(BW 283, Fa Reichenbach, Einbeck並びにEMPA 211 , Eidgenoessische Materialpruefungsanstalt, St. Gallen, Schweiz)を、第2表中で示した洗浄条件下で洗浄した。
【0077】
15回の洗浄後に、試験クロスの灰含量(テキスタイル材料上の無機堆積物の尺度である)を、700℃での除灰により測定した。
【0078】
これに関して得られた結果を、第3a表および第3b表にまとめた。比較のために、コットンクロスを、それぞれ、ポリマーを含有しない衣料用洗剤を用いて洗浄した。
【0079】
【表1】

【0080】
【表2】

【0081】
【表3】

【0082】
【表4】

【0083】
これらの結果は、灰分およびしたがって無機繊維堆積物が、本発明によるポリマー1および2の使用の際に顕著に減少することを示す。
【0084】
IIb.堆積物−阻害作用の確認
15mlの0.5質量%の水性ナトリウムオレエート溶液と15mlの1質量%のポリマー1または2の水溶液との混合物を、100mlのガラスビーカー中で、完全にイオン不含の水で、60mlまでメスアップした。その後に、ガラスプレート(3.5×7.5cm)を、1分間に亘って、撹拌溶液中で懸濁した。引き続いて、30mlの完全にイオン不含の水を添加することによって、750ppmのカルシウムおよび250ppmのマグネシウムを塩化物の形で添加され、かつ全混合物をさらに5分に亘って撹拌した。
【0085】
その後にガラスプレートを溶液から取り出し、かつ視覚的に検査した。比較のために、ポリマー溶液の代わりに、完全にイオン不含の水の相当する量を使用した。
【0086】
ポリマー溶液での試験では、ガラスプレートの背後に極めて薄い微細な膜が残っただけであるのに対して、比較試験からのガラスプレートは、厚い結晶質の堆積物が残った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリアルキレンポリアミン、ポリアミドアミンまたはエチレンイミンでグラフトされたポリアミドアミンまたはこれら化合物の混合物、
(b)好ましい場合には、少なくとも二官能性の架橋剤、及び
(c)モノエチレン性不飽和カルボン酸、モノエチレン性不飽和カルボン酸の塩、エステル、アミドまたはニトリル、クロロカルボン酸および/またはグリシジル化合物、を反応させることによって得ることが可能であり、その際、成分(a)は、平均分子量M20000〜2000000を示し、かつ、成分(a)中と、成分(b)中との窒素上の水素原子のモル比が、1:0.7〜1:0.9である水溶性または水分散性ポリマーの、洗剤のための添加剤としての使用。
【請求項2】
成分(a)がポリアルキレンイミンである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
成分(b)が、官能基として、ハロゲンヒドリン、グリシジル、アジリジンまたはイソシアナート単位またはハロゲン原子を有する、二官能性架橋剤である、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
成分(c)が、モノエチレン性不飽和カルボン酸である、請求項1から3までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
成分(a)中に含まれる活性N−H−結合中の2%までが、架橋剤(b)と反応している、請求項1から4までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
ポリマーが、洗浄プロセス中で生じる粒子状材料を分散する添加剤として作用する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
粒子状材料が、石灰石鹸、石灰または洗浄すべきテキスタイル材料由来の汚れである、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
ポリマーが、石灰石鹸を分散する添加剤として作用する、請求項6または7に記載の使用。
【請求項9】
請求項1から5までのいずれか1項に記載のポリマーを添加剤として含有する、洗剤配合物。
【請求項10】
(A)請求項1から5のいずれか1項に記載の少なくとも1種のポリマー 0.05〜20質量%、
(B)少なくとも1種のノニオン、アニオン、カチオンおよび/または両性の界面活性剤 0.5〜50質量%、
(C)少なくとも1種の石鹸 0〜25質量%、
(D)石鹸をベースとするものではないビルダー系 0〜30質量%、
(E)他の通常の内容物、例えば、炭酸ナトリウム、酵素、香料、錯形成剤、腐食防止剤、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、色移り防止剤、汚れ再付着防止剤、蛍光漂白剤、ソイルリリースポリエステル、繊維および色保護剤、シリコーン、染料、抗菌剤、起泡調整剤、有機溶剤、可溶化剤、ヒドロトロープ、増粘剤および/またはアルカノールアミン 0〜80質量%、
(F)水 0〜99.45質量%
を含有する、液体洗剤配合物。
【請求項11】
(A)請求項1から5のいずれか1項に記載の少なくとも1種のポリマー 0.05〜20質量%、
(B)少なくとも1種のノニオン、アニオン、カチオンおよび/または両性の界面活性剤 0.5〜40質量%、
(C)少なくとも1種の石鹸 0〜25質量%、
(D)石鹸をベースとするものではないビルダー系 0〜60質量%、
(E)他の通常の内容物、例えば、添加剤、酵素、香料、錯形成剤、腐食防止剤、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、色移り防止剤、汚れ再付着防止剤、蛍光漂白剤、ソイルリリースポリエステル、繊維および色保護剤、シリコーン、染料、殺菌剤、起泡調整剤、溶解改善剤および/または崩壊剤 0〜60質量%、
を含有し、その際、成分(A)〜(E)は全部で100質量%になる、固体洗剤配合物。

【公表番号】特表2008−528745(P2008−528745A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552633(P2007−552633)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【国際出願番号】PCT/EP2006/050409
【国際公開番号】WO2006/079626
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】