説明

洗剤組成物及び洗濯方法

【課題】酸素系漂白剤と併用して漂白成分の活性が格段に高まり、油汚れを充分に洗浄できるとともに、高い除菌・抗菌効果が得られる洗剤組成物及び洗濯方法の提供。
【解決手段】周期表の第4周期にある遷移元素、亜鉛又は銀を含む粒状の水溶性塩(A)と、アミノカルボン酸又はその塩(B)と、アルカリ剤(C)とを配合してなり、前記水溶性塩(A)は、粒子径300μm以下の粒子が30質量%以上であることを特徴とする洗剤組成物。当該洗剤組成物と、水に溶解して過酸化水素を発生する化合物及び過酸化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種とを併用することを特徴とする洗濯方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤組成物及び洗濯方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商業用クリーニングでは、一般的に、大型のドラム式洗濯機や連続式洗濯機などの業務用洗濯機が使用されている。また、洗剤や洗浄助剤などを溶解・分散した洗剤溶液が予め調製され、該洗剤溶液を、業務用洗濯機に投入して洗濯が行われている。
その際、たとえば過酸化水素などを漂白成分とする酸素系漂白剤を併用する場合、酸素系漂白剤溶液が、洗剤溶液とは別に調製され、業務用洗濯機に投入されている。
【0003】
これまで、酸素系漂白剤を使用した洗濯方法においては、漂白成分の活性を高める手段として、マンガンや鉄などを含む水溶性塩と、多座配位子(キレート剤)を添加する方法が開示されている(たとえば、非特許文献1、2参照)。
また、漂白効果とともに除菌効果を有する、銅化合物と特定のキレート剤とを含有する酸化触媒が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Nature,VOL.369(1994)637〜639頁
【非特許文献2】J.Am.Chem.Soc,VOL.115(1993)1772〜1773頁
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第09/078459号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
商業用クリーニングでは、シミ等の汚れに対する漂白効果だけではなく、油汚れに対しても、家庭における通常の洗濯よりも高い洗浄効果が求められている。また、昨今の衛生意識の高まりに伴い、商業用クリーニングでも、除菌・殺菌効果が求められている。そのため、漂白剤と併用して、除菌・殺菌効果が得られるとともに、シミ等の汚れに対する漂白効果に加えて、油汚れに対しても高い洗浄効果を発揮する洗剤組成物が望まれる。
しかしながら、従来の洗剤組成物においては、たとえば酸素系漂白剤と併用しても、洗剤組成物及び酸素系漂白剤がそれぞれ別に洗浄効果及び漂白効果を発揮するか、又は、洗剤組成物による漂白成分の活性を高める効果が弱いため、油汚れを充分に洗浄できるものはなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、酸素系漂白剤と併用して漂白成分の活性が格段に高まり、油汚れを充分に洗浄できる洗剤組成物及び洗濯方法を提供することを課題とする。さらに、本発明は、酸素系漂白剤と併用して高い除菌・殺菌効果が得られる洗剤組成物及び洗濯方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは鋭意検討した結果、上記課題を解決するために、以下の手段を提供する。
すなわち、本発明の洗剤組成物は、周期表の第4周期にある遷移元素、亜鉛又は銀を含む粒状の水溶性塩(A)と、アミノカルボン酸又はその塩(B)と、アルカリ剤(C)とを配合してなり、前記水溶性塩(A)は、粒子径300μm以下の粒子が30質量%以上であることを特徴とする。
【0008】
本発明の洗剤組成物においては、前記アミノカルボン酸又はその塩(B)が、メチルグリシンジ酢酸、イミノジコハク酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、ニトリロトリ酢酸、アルキルアミノジ酢酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、本発明の洗剤組成物は、ポリカルボン酸系高分子化合物(D)をさらに配合してなるものであることが好ましい。
【0009】
また、本発明の洗濯方法は、前記本発明の洗剤組成物と、水に溶解して過酸化水素を発生する化合物及び過酸化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種とを併用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の洗剤組成物によれば、酸素系漂白剤と併用して漂白成分の活性を格段に高めることができるため、油汚れを充分に洗浄することができる。
また、本発明の洗濯方法によれば、漂白成分の活性が格段に高まり、油汚れを充分に洗浄できる。
さらに、本発明は、酸素系漂白剤と併用して高い除菌・殺菌効果が得られる洗剤組成物及び洗濯方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<洗剤組成物>
本発明の洗剤組成物は、周期表の第4周期にある遷移元素、亜鉛又は銀を含む粒状の水溶性塩(A)(以下「(A)成分」という。)と、アミノカルボン酸又はその塩(B)(以下「(B)成分」という。)と、アルカリ剤(C)(以下「(C)成分」という。)とを配合してなるものである。
【0012】
周期表の第4周期にある遷移元素、亜鉛又は銀の中では、酸素系漂白剤と併用した際、油汚れに対する洗浄力がより高まり、除菌・殺菌力も高まることから、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛、銀が好ましく、銅、マンガン、亜鉛がより好ましく、銅が特に好ましい。
水溶性塩としては、たとえば硫酸塩、塩化物、酢酸塩、クエン酸塩が挙げられ、水等の溶媒への溶解性が特に良好であることから、硫酸塩、塩化物が好ましく、硫酸塩がより好ましい。
(A)成分として具体的には、硫酸銅、硫酸マンガン、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸亜鉛、硫酸銀等の硫酸塩;塩化第二銅、塩化マンガン、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化鉄、塩化亜鉛等の塩化物などが挙げられ、なかでも、油汚れに対する洗浄力と除菌・殺菌力、及び溶媒への溶解性が良好であることから、硫酸銅、硫酸マンガン、塩化第二銅、硫酸亜鉛が好ましく、硫酸銅、硫酸マンガン、硫酸亜鉛がより好ましい。
なお、(A)成分としては、上記化合物に加えて、上記化合物の水和物も用いることができる。
【0013】
本発明における(A)成分は、粒状であり、かつ、粒子径300μm以下の粒子が30質量%以上であり、45質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であってもよい。粒子径300μm以下の粒子の割合が下限値以上であることにより、酸素系漂白剤と併用して油汚れを充分に洗浄することができる。また、酸素系漂白剤と併用して除菌・殺菌力が高まる。
【0014】
また、(A)成分は、粒子径710μm以上の粒子が20質量%未満であることが好ましく、そのなかでも15質量%未満であることが好ましく、10質量%未満であることがより好ましく、5質量%未満であることがさらに好ましく、1質量%未満であることが特に好ましく、粒子径710μm以上の粒子を含まないことが最も好ましい。粒子径710μm以上の粒子の割合が20質量%未満であることにより、(A)成分の溶解性がさらに向上し、酸素系漂白剤と併用して油汚れを充分に洗浄することができる。また、酸素系漂白剤と併用して除菌・殺菌力が高まる。
【0015】
ここでいう「粒子径300μm以下の粒子の割合」とは、(A)成分全体の質量に対する、粒子径300μm以下の全粒子の質量の値を意味する。
「粒子径710μm以上の粒子の割合」とは、(A)成分全体の質量に対する、粒子径710μm以上の全粒子の質量の値を意味する。
【0016】
粒子径が300μm以下又は710μm以上の(A)成分を得るには、必要に応じて乳鉢や粉砕機を用いて予め微粒化した後、下記の分級操作(a)を、目開き300μm又は710μmの篩を用いて適宜行えばよい。
分級操作(a):
JIS Z8801−1に準拠した、所望とする大きさの目開きを備えた篩と、受け皿とを用いて行う。
具体的には、(A)成分の100gを、目開き300μm又は710μmの篩の上に入れ、蓋をしてロータップ型篩振盪機((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、受け皿に残留したものを分別する方法である。
【0017】
(A)成分は、上述したように、粒子径300μm以下の粒子を所定の割合で含むものであればよい。
(A)成分における個々の粒子としては、その粒子径が300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましく、150μm以下であることがさらに好ましい。その粒子径が300μm以下であることにより、水等への溶解性が良好となり、油汚れに対する洗浄力がより高まり、また、除菌・殺菌力も高まる。
(A)成分の粒子径は小さいほど好ましく、その下限値は特に制限されるものではなく、粒子径100μm程度で、油汚れに対して充分に高い洗浄効果が得られ、また、除菌・殺菌効果が向上する。
【0018】
(A)成分を配合する方法としては、(A)成分を水又は有機溶剤に溶解した溶液を、(A)成分が未配合の洗剤原料混合物に噴霧する方法が好ましい。特に(A)成分自体の溶解性、溶媒のコストの面から、(A)成分を水に溶解した水溶液を用いることが最も好ましい。
該水溶液を噴霧する場合、該水溶液の温度は、室温(25℃)以上100℃未満が好ましく、30℃以上90℃未満がより好ましい。また、該水溶液の濃度は、室温(25℃)での飽和濃度の1/2以上の濃度であることが好ましく、室温(25℃)での飽和濃度の3/4以上の濃度であることがより好ましく、室温での飽和濃度以上であることが特に好ましい。該水溶液の濃度が低いと、該水溶液中の水分量が多くなり、洗剤組成物の固化が起きやすくなる。そのため、該水溶液は、室温(25℃)以上に加温し、特に室温での飽和濃度以上のものを噴霧することが好ましい。これにより、該水溶液の噴霧量を低減でき、噴霧時間を短縮できる。
【0019】
(A)成分は、1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明の洗剤組成物における(A)成分の割合は、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.05〜1質量%あることがより好ましく、0.1〜0.5質量%であることがさらに好ましい。(A)成分の割合が下限値以上であると、酸素系漂白剤と併用した際、油汚れに対する洗浄力がより高まり、また、除菌・殺菌力が高まる。上限値以下であれば、油汚れに対して充分な洗浄力、除菌・殺菌力が得られる。また、経済的にも有利となる。
【0020】
[アミノカルボン酸又はその塩(B)]
(B)成分は、特に限定されず、一般に衣料用粉末洗剤などに配合されているものを用いることができる。
(B)成分のなかで好適なものとしては、酸素系漂白剤と併用した際、油汚れに対する洗浄力がより向上することから、たとえば下記一般式(I)で表される化合物、下記一般式(II)で表される化合物が挙げられる。
【0021】
【化1】

[式(I)中、AはCH、CHOH、OH、H、又はCOOMを表し;m及びnは、それぞれ0〜2の整数である。式(II)中、XはOH又はHを表す。Mは、それぞれH、アルカリ金属原子、又はカチオン性アンモニウムを表す。]
【0022】
前記一般式(I)中、Aは、CH、CHOH、OH、H、又はCOOMを表す。Aとしては、なかでもCH、OH、H、COOMが好ましく、CH、Hがより好ましく、CHが特に好ましい。
m及びnは、それぞれ0〜2の整数である。mは、好ましくは0又は1である。nは、好ましくは0又は1である。
mとnがいずれも0の場合、Aは、CH又はHであることが好ましい。
Mは、それぞれH、アルカリ金属原子、又はカチオン性アンモニウムを表す。アルカリ金属原子としては、ナトリウム、カリウムが好ましい。カチオン性アンモニウムとしては、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)、NH、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムが好ましい。Mとしては、なかでもアルカリ金属原子が好ましく、ナトリウムが特に好ましい。また、複数のMは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
【0023】
前記一般式(I)で表される化合物のなかで好適なものとしては、メチルグリシンジ酢酸(MGDA)、アスパラギン酸ジ酢酸(ASDA)、イソセリンジ酢酸(ISDA)、β−アラニンジ酢酸(ADAA)、セリンジ酢酸(SDA)、グルタミン酸ジ酢酸(GLDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、又はこれらの塩が挙げられ、なかでもメチルグリシンジ酢酸(MGDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、又はこれらの塩がより好ましく、メチルグリシンジ酢酸(MGDA)又はその塩がさらに好ましい。
【0024】
前記一般式(II)中、Xは、OH又はHを表す。
Mは、前記一般式(I)中のMと同様であり、複数のMは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
前記一般式(II)で表される化合物のなかで好適なものとしては、イミノジコハク酸(IDS)、ヒドロキシイミノジコハク酸(HIDS)、又はこれらの塩が挙げられ、なかでもヒドロキシイミノジコハク酸(HIDS)又はその塩がより好ましい。
【0025】
また、(B)成分のなかで好適なものとしては、酸素系漂白剤と併用した際、油汚れに対する洗浄力がより高まるとともに、大腸菌と黄色ブドウ球菌の双方に対して高い除菌・殺菌効果が得られやすいことから、長鎖(好ましくは炭素数8以上)炭化水素基を有するアミノカルボン酸又はその塩も挙げられる。
長鎖(好ましくは炭素数8以上)炭化水素基は、飽和であってもよく不飽和であってもよく、その炭素数は8〜22が好ましく、12〜18がより好ましい。
長鎖(好ましくは炭素数8以上)炭化水素基を有するアミノカルボン酸又はその塩としては、たとえば下記一般式(III)で表される化合物が好適なものとして挙げられる。
【0026】
【化2】

[式(III)中、Rは炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、AはH、CH、又は(CH)r−COOXであり、X及びXはそれぞれH、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、又はカチオン性アンモニウムを表す。p及びrはそれぞれ1〜3の整数である。]
【0027】
前記一般式(III)中、Rは、炭素数8〜22の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。
の炭素数は12〜18であることがより好ましい。この理由については明らかではないが、アルキル基、アルケニル基における炭素数が8以上であれば、特に、これらのアルキル基、アルケニル基が菌に対して吸着しやすくなり、金属(第4周期にある遷移元素、亜鉛、銀)イオンが菌に接触しやすい傾向にあると考えられる。一方、アルキル基、アルケニル基における炭素数が22以下であると、水への溶解性が高まり、除菌性能及び殺菌性能が保たれる。好ましくはRが炭素数12〜18のアルキル基、アルケニル基であれば、疎水性(菌に対する吸着性)と親水性(水への溶解性)とのバランスが良好となるため、より効果的に除菌性能及び殺菌性能を発現できると考えられる。
【0028】
は、H、CH、又は(CH)r−COOXであり、なかでも(CH)r−COOXであることが好ましい。
rは1〜3の整数である。rがこの範囲であれば、(A)成分と(B)成分との混合により形成される金属錯体(後述)がより安定に形成されると考えられる。
及びXは、それぞれH、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、又はカチオン性アンモニウムを表す。
アルカリ金属原子としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。アルカリ土類金属原子としては、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。カチオン性アンモニウムとしては、NH、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
が(CH)r−COOXである場合、XとXは同じでも異なっていてもよい。
【0029】
pは1〜3の整数である。pがこの範囲であれば、(A)成分と(B)成分との混合により形成される金属錯体(後述)がより安定に形成されると考えられる。
【0030】
前記一般式(III)で表わされる化合物の具体例としては、オクチルアミノ酢酸ナトリウム、ラウリルアミノ酢酸ナトリウム、ミリスチルアミノ酢酸ナトリウム、パルミチルアミノ酢酸ナトリウム、オレイルアミノ酢酸ナトリウム等のアルキルもしくはアルケニルアミノ酢酸塩;
オクチルアミノプロピオン酸ナトリウム、デシルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ミリスチルアミノプロピオン酸ナトリウム、パルミチルアミノプロピオン酸ナトリウム、オレイルアミノプロピオン酸ナトリウム等のアルキルもしくはアルケニルアミノプロピオン酸塩;
N−オクチル−N−メチルグリシンナトリウム、N−デシル−N−メチルグリシンナトリウム、N−ラウリル−N−メチルグリシンナトリウム、N−ミリスチル−N−メチルグリシンナトリウム、N−パルミチル−N−メチルグリシンナトリウム、N−オレイル−N−メチルグリシンナトリウム等のN−アルキルもしくはアルケニル−N−メチルグリシン塩;
N−オクチル−N−メチル−β−アラニンナトリウム、N−デシル−N−メチル−β−アラニンナトリウム、N−ドデシル−N−メチル−β−アラニンナトリウム、N−ミリスチル−N−メチル−β−アラニンナトリウム、N−パルミチル−N−メチル−β−アラニンナトリウム、N−オレイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム等のN−アルキルもしくはアルケニル−N−メチル−β−アラニン塩;
オクチルアミノジ酢酸ナトリウム、デシルアミノジ酢酸ナトリウム、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、ミリスチルアミノジ酢酸ナトリウム、パルミチルアミノジ酢酸ナトリウム、オレイルアミノジ酢酸ナトリウム等のアルキルもしくはアルケニルアミノジ酢酸塩;
オクチルアミノジプロピオン酸ナトリウム、デシルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ミリスチルアミノジプロピオン酸ナトリウム、パルミチルアミノジプロピオン酸ナトリウム、オレイルアミノジプロピオン酸ナトリウム等のアルキルもしくはアルケニルアミノジプロピオン酸塩等が挙げられる。
前記一般式(III)で表わされる化合物の中では、金属錯体(後述)の安定性の点から、アルキルもしくはアルケニルアミノジ酢酸又はその塩が好ましく、その中でもデシルアミノジ酢酸、ラウリルアミノジ酢酸、ミリスチルアミノジ酢酸、パルミチルアミノジ酢酸又はこれらの塩が好ましく、ラウリルアミノジ酢酸、ミリスチルアミノジ酢酸、パルミチルアミノジ酢酸又はこれらの塩が特に好ましい。
【0031】
上記のなかでも、(B)成分は、酸素系漂白剤と併用して油汚れに対する洗浄力が特に良好であり、除菌・殺菌力も高まることから、メチルグリシンジ酢酸、イミノジコハク酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、ニトリロトリ酢酸、アルキルアミノジ酢酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、メチルグリシンジ酢酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、ラウリルアミノジ酢酸、ミリスチルアミノジ酢酸、パルミチルアミノジ酢酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。
そのなかでも、油汚れに対する洗浄力がより高まる点から、メチルグリシンジ酢酸又はその塩が特に好ましい。また、大腸菌に対してだけでなく、黄色ブドウ球菌に対しても高い除菌・殺菌効果が得られやすい点から、アルキルアミノジ酢酸又はその塩が好ましく、ラウリルアミノジ酢酸、ミリスチルアミノジ酢酸、パルミチルアミノジ酢酸又はこれらの塩が特に好ましい。
【0032】
(B)成分は、1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明の洗剤組成物における(B)成分の割合は、(B)成分が前記の式(I)又は式(II)で表される化合物である場合、0.1〜40質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましく、(B)成分が前記式(III)で表される化合物である場合、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.2〜10質量%であることがより好ましい。
(B)成分の割合が下限値以上であると、酸素系漂白剤と併用した際、油汚れに対する洗浄力がより高まり、除菌・殺菌力も高まる。上限値以下であれば、油汚れに対して充分な洗浄力が得られ、除菌・殺菌力も充分に得られる。また、他の成分との配合バランスをとることができ、経済的にも有利となる。
【0033】
本発明の洗剤組成物における、(A)成分と(B)成分との混合割合は、(B)成分が前記の式(I)又は式(II)で表される化合物である場合、質量比で、(A)/(B)=0.001〜0.5であることが好ましく、0.01〜0.1であることがより好ましく、(B)成分が前記式(III)で表される化合物である場合、質量比で、(A)/(B)=0.001〜2であることが好ましく、0.01〜1であることがより好ましい。
(B)成分に対する(A)成分の割合が下限値以上であると、酸素系漂白剤と併用した際、漂白成分の活性がより向上し、油汚れに対する洗浄力がより高まり、除菌・殺菌力も高まる。上限値以下であれば、油汚れに対して充分な洗浄力が得られ、除菌・殺菌力も充分に得られる。また、経済的にも有利となる。
【0034】
(B)成分として、前記の式(I)、式(II)、式(III)で表される化合物を組み合わせて用いることもできるが、除菌・殺菌用洗浄剤として用いる場合には、式(III)で表される化合物を単独で用いることが好ましい。
【0035】
[アルカリ剤(C)]
本明細書及び本特許請求の範囲において、「アルカリ剤」とは、洗剤溶液のpHを上げる効果と、一定のpH緩衝作用を有する成分を意味し、炭酸塩、珪酸塩、アミン類を包含する。
(C)成分は、一般に衣料用粉末洗剤などに配合されている炭酸塩、珪酸塩、アミン類を用いることができる。
【0036】
炭酸塩の具体例としては、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられ、炭酸ナトリウムが好ましい。
本発明において、炭酸塩は、たとえば、炭酸ナトリウム(ソーダアッシュジャパン(株)製、商品名:軽灰)、炭酸ナトリウム(ソーダアッシュジャパン(株)製、商品名:粒灰)等の市販品を用いることができる。
【0037】
珪酸塩の具体例としては、珪酸ナトリウム、層状珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、オルソ珪酸カリウム等が挙げられ、メタ珪酸ナトリウムが好ましい。
珪酸塩におけるM”OとSiOとのモル比(SiO/M”O)は、特に限定されず、モル比(SiO/M”O)=0.3〜3.0であることが好ましく、0.35〜2.0であることがより好ましく、0.4〜1.5であることがさらに好ましく、0.5〜1.5であることが特に好ましく、0.7〜1.5であることが最も好ましい。ここで、M”はナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子を表す。
珪酸塩のなかでより好適なものとしては、モル比(SiO/M”O)が1.0のメタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、モル比(SiO/M”O)が0.5のオルソ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸カリウム等が挙げられ、モル比(SiO/M”O)が1.0のメタ珪酸ナトリウムが特に好ましい。
本発明において、珪酸塩は、たとえば、メタ珪酸ナトリウム(オキシデンタルケミカル(株)製、商品名:無水メタ珪酸ソーダ、モル比(SiO/NaO)=1.0)、オルソ珪酸ナトリウム(日本化学工業(株)製、商品名:粒状オルソ、モル比(SiO/NaO)=0.5)等の市販品を用いることができる。
【0038】
アミン類の具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
【0039】
(C)成分は、1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
上記のなかでも、(C)成分としては、油汚れに対する洗浄力と除菌・殺菌力が良好であることから、炭酸塩、珪酸塩が好ましい。
本発明の洗剤組成物における(C)成分の割合は、5〜70質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましく、30〜50質量%であることがさらに好ましい。(C)成分の割合が下限値以上であると、酸素系漂白剤と併用した際、油汚れに対する洗浄力がより高まり、除菌・殺菌力も高まる。上限値以下であれば、他の成分との配合バランスをとることができる。また、経済的にも有利となる。
【0040】
[ポリカルボン酸系高分子化合物(D)]
本発明の洗剤組成物は、ポリカルボン酸系高分子化合物(D)(以下「(D)成分」という。)をさらに配合してなるものであることが好ましい。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「ポリカルボン酸系高分子化合物」とは、カルボキシ基を含む構成単位(繰返し単位)を有する重合物を意味し、好ましくは質量平均分子量が1000以上の重合物をいう。
【0041】
(D)成分の質量平均分子量は、1000以上であることが好ましく、1500〜200000の範囲がより好ましく、2000〜60000の範囲がさらに好ましい。(D)成分の質量平均分子量が1000以上、特に1500以上であると、酸素系漂白剤と併用した際、漂白成分の活性がより向上し、200000以下であると、(D)成分の粘度の増加が抑制されて取扱い性が良好となる。
なお、本明細書において、「質量平均分子量」とは、標準物質をポリエチレングリコール(PEG)としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析を行った値を示す。
【0042】
(D)成分のなかで好適なものとしては、炭化水素基を有する主鎖に、カルボキシ基又はカルボキシ基を含有する側鎖を導入したものが挙げられる。
たとえば、下記の一般式(IV)で表される構成単位を有するものが好ましく挙げられる。
【0043】
【化3】

[式(IV)中、Zは水素原子、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は下記一般式(V)で表される基を表す。複数のZは同一であってもよく、異なっていてもよい。ただし、複数のZのうち、少なくとも一つは下記一般式(V)で表される基であって、YがCOOM’である。]
【0044】
【化4】

[式(V)中、Yはアミノ基又はCOOM’(M’は水素原子、アルカリ金属原子、又はカチオン性アンモニウムである)を表す。qは0〜2の整数を表す。]
【0045】
前記式(IV)中、Zにおけるアルキル基としては、炭素数1〜4であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
前記式(V)中、Yにおけるアミノ基としては、−NR(ただし、R、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である)等が好ましく挙げられる。M’は、上述したMと同様のものが挙げられる。
qは、0〜2の整数を表し、0が好ましい。
【0046】
(D)成分は、同一の構成単位の繰り返しからなる重合体であってもよく、複数種の構成単位の繰り返しからなる共重合体であってもよい。複数種の構成単位の繰り返しからなる共重合体である場合、その共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
(D)成分の具体例としては、たとえばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリヒドロキシアクリル酸、ポリフマル酸、ポリアセタールカルボン酸、アクリル酸とマレイン酸との共重合体(アクリル酸−マレイン酸共重合体)、アクリル酸とアクリル酸アミドとの共重合体(アクリル酸−アクリル酸アミド共重合体)、又はこれらの塩が挙げられる。
上記の中でも、(D)成分としては、油汚れに対する洗浄力が特に良好で、除菌・殺菌力が良好に維持されることから、アクリル酸モノマーに由来する構成単位を有するものが好ましく、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸コポリマー、又はこれらの塩がより好ましく、アクリル酸−マレイン酸共重合体又はその塩が特に好ましい。
【0047】
(D)成分は、1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明の洗剤組成物における(D)成分の割合は、0.1〜30質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましい。(D)成分の割合が下限値以上であると、酸素系漂白剤と併用した際、漂白成分の活性がより向上し、油汚れに対する洗浄力がさらに高まり、除菌・殺菌力も高まる。上限値以下であれば、他の成分との配合バランスをとることができる。また、経済的にも有利となる。
【0048】
本発明の洗剤組成物における、(B)成分と(D)成分との合計の割合は、0.2〜70質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましく、10〜25質量%であることが特に好ましい。(B)成分と(D)成分との合計の割合が下限値以上であると、酸素系漂白剤と併用した際、漂白成分の活性がより向上し、油汚れに対する洗浄力がより高まり、除菌・殺菌力も高まる。上限値以下であれば、他の成分との配合バランスをとることができる。また、経済的にも有利となる。
【0049】
本発明の洗剤組成物における、(A)成分と、(B)成分及び(D)成分の合計との質量比は、(A)/{(B)+(D)}=0.0001〜1であることが好ましく、0.001〜0.1であることがより好ましい。
該質量比の上限値以下((B)成分及び(D)成分の合計が下限値以上)であると、酸素系漂白剤と併用した際、漂白成分の活性がより向上し、油汚れに対する洗浄力がより高まり、除菌・殺菌力も高まる。
該質量比の下限値以上((B)成分及び(D)成分の合計が上限値以下)であれば、他の成分との配合バランスをとることができる。また、経済的にも有利となる。
【0050】
[その他の成分]
本発明の洗剤組成物においては、必要に応じて、上記の(A)〜(D)成分以外のその他の成分を併用してもよい。
その他の成分としては、たとえば界面活性剤、無機塩、吸油性粉体、溶解促進剤、膨潤性水不溶性物質、酵素、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール等の再汚染防止剤、シリコーンに代表される消泡剤、色素、香料が挙げられる。
その他の成分は、それぞれ1種単独で、又は2種以上を併用してもよい。
【0051】
(界面活性剤)
界面活性剤は、たとえばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤を用いることができる。
【0052】
・アニオン界面活性剤
アニオン界面活性剤は、特に限定されず、一般に衣料用粉末洗剤などに配合されているものを用いることができる。たとえば、以下に示すものを用いることができる。
炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)。
炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩(SAS)。
炭素数10〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を有し、平均付加モル数が10モル以下のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はこれらの混合物を付加した、アルキルエーテル硫酸塩(AES)又はアルケニルエーテル硫酸塩。
炭素数10〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を有し、平均付加モル数が10モル以下のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又はこれらの混合物を付加した、アルキルエーテルカルボン酸塩又はアルケニルエーテルカルボン酸塩。
炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
炭素数10〜20の高級脂肪酸塩。
α−スルホ脂肪酸塩又はそのエステル塩。好ましくは、炭素数8〜20(好ましくは12〜18)の飽和若しくは不飽和のα−スルホ脂肪酸塩又はそのエステル塩(好ましくは、メチルエステル塩(MES)、エチルエステル塩若しくはプロピルエステル塩)(α−SF)。
【0053】
・カチオン界面活性剤
カチオン界面活性剤は、たとえば、長鎖(好ましくは炭素数8以上)炭化水素基を1〜3個有するモノ、ジ、又はトリアルキルカチオンを用いることができる。特に、分子中に1〜2個のエステル基と、1〜2個の長鎖炭化水素基とを含むカチオン界面活性剤が好ましい。
具体的には、炭素数8〜22の長鎖アルキル基若しくはアルケニル基を1つ含むモノ長鎖アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、炭素数8〜22の長鎖アルキル基若しくはアルケニル基を2つ含むジ長鎖アルキルジメチルアンモニウムクロライド、炭素数8〜22の長鎖アルキル基若しくはアルケニル基を3つ含むトリ長鎖アルキルメチルアンモニウムクロライド、炭素数8〜22の長鎖アルキル基若しくはアルケニル基を1つ含むN−アシルオキシエチル−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムクロライド、炭素数8〜22の長鎖アルキル基若しくはアルケニル基を2つ含むN,N−ジアシルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド等を用いることができる。
【0054】
・両性界面活性剤
両性界面活性剤は、長鎖(好ましくは炭素数8以上)炭化水素基を1個又は2個有するスルホベタイン、カルボキシベタインを用いることができる。
当該長鎖炭化水素基は、エステル基、アミド基又はエーテル基を含んでいてもよい。また、長鎖炭化水素基は、1鎖型であってもよく、2鎖型であってもよい。また、長鎖炭化水素基における飽和型/不飽和型の割合、炭素鎖長の分布、不飽和基のシス体/トランス体の比率などは、特に限定されるものではない。また、長鎖炭化水素基は、前述のカチオン界面活性剤の製造原料である脂肪酸あるいは脂肪酸メチルエステルから誘導されるものであってもよい。
両性界面活性剤の具体例としては、N,N−ジアシルオキシエチル−N−メチルアンモニオエチルサルフェート、N,N−ジアシルオキシエチル−N−メチルアンモニオエチルカルボキシレートなどのベタイン類;N−アシルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニオベタイン類、N−アシルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニオベタイン類、N−アシルアミドプロピル−N,N’−ジメチル−N’−β−ヒドロキシプロピルアンモニオベタイン等が挙げられる。
上記両性界面活性剤には、その窒素原子が4級化されてない化合物、原料であるアルカノールアミン、その中和物、又はその4級化物などのアミノベタインが含まれていてもよい。
【0055】
・ノニオン界面活性剤
ノニオン界面活性剤は、たとえば、以下に示すものを用いることができる。
炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均3〜30モル、好ましくは5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル、又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル(アルコールアルコキシレート)。この中では、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。脂肪族アルコールのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
【0056】
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルフェニルエーテル。
【0057】
長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間に、アルキレンオキサイドが付加した、例えば下記一般式(VI)で表される脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
【0058】
CO−[ORn’−OR ・・・(VI)
[式(VI)中、RCOは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示し;ORは、炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキサイド(たとえば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)の付加単位を示し;n’はアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20の数である。Rは炭素数1〜3の置換基を有していてもよい低級(炭素数1〜4の)アルキル基を示す。]
【0059】
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル。
【0060】
ノニオン界面活性剤としては、融点が50℃以下であることが好ましく、より好ましくは40℃以下であり、かつ、HLBが7〜16であることが好ましく、より好ましくは8〜14である。HLBは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。
融点は、JIS K0064−1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」に記載されている融点測定法によって測定された値である。
【0061】
具体例としては、融点が50℃以下であり、かつ、HLBが7〜16である、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が挙げられる。
その中でも、特に好適なものは、融点が50℃以下であり、かつ、HLBが7〜16である、アルコール(ROH)にエチレンオキシド(EO)及びプロピレンオキシド(PO)がそれぞれ付加したポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(アルコールエトキシレートプロポキシレート)であり、たとえば下記一般式(VII)で表される化合物が挙げられる。
【0062】
−O−(EO)m”−(PO)n”−H ・・・(VII)
[式(VII)中、Rは直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、EOはエチレンオキシドの付加単位を示し、POはプロピレンオキシドの付加単位を示し;m”はエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、3〜15の数であり;n”はプロピレンオキシドの平均付加モル数を表し、1〜5の数である。]
【0063】
前記式(VII)中、Rは、直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数10〜18のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数10〜18のアルケニル基である。 Rにおけるアルキル基、アルケニル基の炭素数は10〜18であり、好ましくは12〜16である。炭素数が10〜18であると、油汚れに対する洗浄力が向上する。
m”はエチレンオキシドの平均付加モル数を表し、3〜15の数であり、好ましくは4〜10である。n”はプロピレンオキシドの平均付加モル数を表し、1〜5の数であり、好ましくは1〜3である。m”、n”が下限値以上であると、水への溶解性が向上し、上限値以下であると、使用時の泡立ちの発生を抑制できる。
なお、上記一般式(VII)において、EOとPOとはランダム付加であってもブロック付加であってもよく、ブロック付加の場合、EO又はPOのいずれが末端に付加していてもよい。
【0064】
さらに、油汚れに対する洗浄力に優れ、かつ、洗浄中の抑泡性が良好であることから、前記式(VII)で示される化合物1〜20質量%と、炭素数10〜20の高級脂肪酸塩1〜10質量%とを併用することが好ましく、これらを合計量で5〜20質量%含有することがより好ましい。
特に、下記の式(VII−1)で表される化合物と、式(VII−2)で表される化合物と、炭素数10〜20の高級脂肪酸塩とを、質量比で、(VII−1)/(VII−2)=1〜8の範囲で、かつ、[(VII−1)+(VII−2)]/(炭素数10〜20の高級脂肪酸塩)=1〜12で含有することが好ましい。
−O−(EO)m1”(PO)n1”−H ・・・(VII−1)
[式(VII−1)中、Rは炭素数10〜18の1級もしくは2級のアルキル基又はアルケニル基である。m1”は5〜9の数であり、n1”は1〜3の数である。]
−O−(EO)m2”(PO)n2”−H ・・・(VII−2)
[式(VII−2)中、Rは炭素数10〜18の1級もしくは2級のアルキル基又はアルケニル基である。m2”は13〜15の数であり、n2”は1〜3の数である。]
【0065】
(無機塩)
無機塩は、たとえば硫酸塩、亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩、オルソリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩、結晶性アルミノ珪酸塩、無定形アルミノ珪酸塩を用いることができる。
【0066】
結晶性アルミノ珪酸塩としては、以下のものが挙げられる。
(M”O)・Al・y(SiO)・w(HO)
(式中、M”はナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子;x、y及びwは各成分のモル数をそれぞれ示し、一般的には、xは0.7〜1.5、yは0.8〜6、wは任意の正数を示す。)
【0067】
無定形アルミノ珪酸塩としては、以下のものが挙げられる。
(M”O)・Al・y(SiO)・w(HO)
(式中、M”はナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子;x、y及びwは各成分のモル数をそれぞれ示し、一般的には、xは0.7〜1.2、yは1.6〜2.8、wは0又は任意の正数を示す。)
(M”O)・Al・y(SiO)・z(P)・w(HO)
(式中、M”はナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子;x、y、z及びwは各成分のモル数をそれぞれ示し、一般的には、xは0.2〜1.1、yは0.2〜4.0、zは0.001〜0.8、wは0又は任意の正数を示す。)
【0068】
(吸油性粉体)
吸油性粉体は、その吸油量が20〜500mL/100gであるものが好ましく、より好ましくは100〜400mL/100gである。吸油量は、JIS K5101に準処する方法で測定される。
吸油性粉体の具体例としては、たとえば無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水ケイ酸シリケート、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛が挙げられる。なかでも、吸油能、固化しにくさ、すすぎ易さの点から、無水ケイ酸、含水ケイ酸、含水ケイ酸シリケート、タルクが好ましく、無水ケイ酸、含水ケイ酸がより好ましい。
【0069】
(溶解促進剤)
溶解促進剤の具体例としては、塩化アンモニウム等の無機アンモニウム塩;p−トルエンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、キュメンスルホン酸ナトリウム等の炭素数1〜5の短鎖アルキルを有するベンゼンスルホン酸塩;安息香酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸、D−グルコース、尿素、蔗糖等の水溶性物質が挙げられる。
【0070】
(膨潤性水不溶性物質)
膨潤性水不溶性物質の具体例としては、粉末セルロース、結晶性セルロース、ベントナイト等の粘土鉱物が挙げられる。
【0071】
(酵素)
酵素は、特に限定されず、一般に衣料用粉末洗剤などに配合されているものを用いることができる。
酵素の具体例としては、エスペラーゼ4.0T、サビナーゼ6.0T、サビナーゼ12T、サビナーゼ24T、カンナーゼ12T、カンナーゼ24T、エバラーゼ8T、Deozyme等のプロテアーゼ、リポラーゼウルトラ50T、ライペックス100T等のリパーゼ、ステインザイム12T、ターマミル100T等のアミラーゼ、セルザイム0.7T等のセルラーゼ(以上、ノボザイムズ社製);マクサカル45G、マクサペム30G、プロペラーゼ1000E(以上、ジエネンコア社製)等が挙げられる。なかでも、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼが好ましい。
【0072】
(蛍光増白剤)
蛍光増白剤の具体例としては、ビス(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体(商品名:チノパールAMS−GX)、ビス(スルホスチリル)ビフェニル塩(商品名:チノパールCBS−X)等が挙げられる。
【0073】
本発明の洗剤組成物の製造方法は、前記(A)成分と、前記(B)成分と、前記(C)成分とを用いて製造を行う方法であれば、特に限定されず、(A)〜(C)成分と、必要に応じてその他の成分を用いて、従来公知の洗剤組成物の製造方法により製造が可能である。
たとえば、粉体状の洗剤原料を機械的に混合して製造する方法、スラリーを調製して噴霧乾燥する方法;捏和・押出、撹拌造粒、転動造粒等の装置に供して、捏和や造粒、圧縮成形等を施し、さらに必要に応じて粉砕等する方法;これらの方法を適宜組み合わせた方法により製造することができる。
特に(A)成分の粒子径を維持するために、(A)成分を他の粉体状の洗剤原料と共に添加し、機械的に混合して製造すること、又は、他の粉体状の洗剤原料もしくはその混合物に対し、(A)成分を水又は有機溶剤に溶解した溶液を噴霧して添加することが好ましい。すなわち、洗剤組成物の製造工程において、(A)成分を添加した後には、たとえば撹拌混合のみで、実質的に造粒工程を含まないことが好ましい。
【0074】
本発明の洗剤組成物の形態が粉末である場合、その粉末洗剤組成物の粒子の粒度は、平均粒子径で200〜1500μmであることが好ましく、250〜1000μmであることがより好ましく、300〜700μmであることが最も好ましい。平均粒子径が下限値以上であると、使用時に粉立ちが抑制され、上限値以下であると、水への溶解性が向上し、酸素系漂白剤と併用した際、油汚れに対する洗浄力がより高まり、除菌・殺菌力も高まる。
なお、かかる平均粒子径は、以下に示す篩い分けによる粒度分布から算出される値を示す。すなわち、洗剤組成物に対して、目開き1680μm、1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、350μm、250μm及び149μmの9段の篩と受け皿とを用いて分級操作(b)を行う。
分級操作(b)は、受け皿に、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1680μmの篩の上から100g/回の洗剤組成物を入れ、蓋をしてロータップ型篩振盪機((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿の上に残留した洗剤組成物を篩目ごとに回収して、サンプルの質量を測定する。
そして、受け皿と各篩との質量頻度を積算していくと、積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きを「aμm」とし、「aμm」よりも一段大きい篩の目開きを「bμm」とし、受け皿から「aμm」の篩までの質量頻度の積算値を「c%」、また、「aμm」の篩上の質量頻度を「d%」として、次式により平均粒子径(質量50%)を求め、洗剤組成物の平均粒子径とする。
【0075】
【数1】

【0076】
本発明の洗剤組成物の形態が粉末である場合、その粉末洗剤組成物の嵩密度は0.5〜1.2g/mLであることが好ましく、0.7〜1.0g/mLであることがより好ましい。当該嵩密度が下限値以上であると、粉末洗剤組成物の保管時に必要なスペース(保管場所)がより狭くて済むため、コスト面で有利となる。一方、上限値以下であると、長期間の保管後でも粉末洗剤組成物の水への溶解性が良好となる。
【0077】
上述したように、粒子径を制御した(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを配合してなる本発明の洗剤組成物は、酸素系漂白剤と併用して漂白成分の活性を格段に高めることができるため、油汚れを充分に洗浄することができ、高い除菌・殺菌効果も有する。
【0078】
<洗濯方法>
本発明の洗濯方法は、上記本発明の洗剤組成物と、水に溶解して過酸化水素を発生する化合物及び過酸化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種(以下「(E)成分」ということがある。)とを併用する方法である。
【0079】
[(E)成分]
(E)成分は、たとえば漂白成分として酸素系漂白剤に含まれるものが挙げられる。
水に溶解して過酸化水素を発生する化合物は、水溶液中で過酸化水素を発生するものであればよく、たとえば過酸化物が挙げられる。過酸化物のなかで好適なものとしては、たとえば過炭酸、過ホウ酸又はこれらの塩が挙げられる。塩としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
上記のなかでも、(E)成分としては、過酸化水素、過炭酸ナトリウムが好ましく、過酸化水素が特に好ましい。
(E)成分は、1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(E)成分の使用量は、本発明の洗剤組成物100質量部に対して1〜200質量部であることが好ましく、3〜100質量部であることがより好ましく、10〜75質量部であることが特に好ましい。この範囲であると、本発明の効果がより良好に得られる。
【0080】
本発明の洗濯方法は、一例として、洗濯機の洗濯槽に、被洗物と水を入れ、そこに、別に調製した洗剤組成物と、(E)成分を含有する酸素系漂白剤との混合物を供給して洗濯を行う。
洗剤組成物と酸素系漂白剤との混合物は、過酸化水素の分解が抑制され、洗浄力がより向上することから、両者を混合した後30分以内に洗濯槽に供給することが好ましく、5分以内に洗濯槽に供給することが特に好ましい。
また、洗濯機の洗濯槽に、被洗物と水を入れ、そこに、別に調製した洗剤組成物と、(E)成分を含有する酸素系漂白剤とを別々に供給して洗濯を行うこともできる。この場合、洗剤組成物を供給した後に、(E)成分を含有する酸素系漂白剤を供給することが好ましい。
また、洗濯機の洗濯槽に、被洗物と水を入れ、そこに、別に調製した洗剤組成物と、(C)成分を含有するアルカリ助剤と、(E)成分を含有する酸素系漂白剤との混合物を供給して洗濯を行うこともできる。
さらに、洗濯機の洗濯槽に、被洗物と水を入れ、そこに、別に調製した洗剤組成物と、(C)成分を含有するアルカリ助剤と、(E)成分を含有する酸素系漂白剤とを別々に供給して洗濯を行うこともできる。この場合、(C)成分を含有するアルカリ助剤、洗剤組成物、(E)成分を含有する酸素系漂白剤の順に供給すること、又は、洗剤組成物、(C)成分を含有するアルカリ助剤、(E)成分を含有する酸素系漂白剤の順に供給することが好ましい。
【0081】
以上説明したように、本発明の洗剤組成物及び洗濯方法によれば、酸素系漂白剤と併用して漂白成分の活性が格段に高まり、油汚れを充分に洗浄できる。かかる効果が得られる理由としては、定かではないが以下のように推測される。
本発明においては、まず、洗剤組成物を水に溶解すると、アルカリ剤(C)の存在下で安定に、周期表の第4周期にある遷移元素、亜鉛又は銀を含む粒状の水溶性塩(A)と、アミノカルボン酸又はその塩(B)との金属錯体が形成される。そして、当該洗剤組成物を酸素系漂白剤と併用した際、酸素系漂白剤から発生する過酸化水素が当該金属錯体により活性化される。この(A)成分と(B)成分とから形成される金属錯体は、従来の金属錯体に比べて、過酸化水素の活性化能が格段に高いものである、と考えられる。
また、(A)成分として粒子径300μm以下の粒子が30質量%以上(好ましくは、粒子径300μm以下の粒子が30質量%以上で、かつ、粒子径710μm以上の粒子が20質量%未満、より好ましくは15質量%未満、さらに好ましくは10質量%未満)であるものを用いることにより、洗剤組成物の水等への溶解性が向上する。特に、(A)成分を水などの溶媒に溶解した溶液を洗剤原料混合物に噴霧して洗剤組成物を製造した場合、洗剤組成物の粒子径がより微粒子化されるため、洗剤組成物の水等への溶解性がさらに向上する、と考えられる。
水等への溶解性が向上することにより、(C)成分又は過酸化水素との接触による(A)成分の不溶化又は酸化が起こりにくくなるため、(A)成分は水に不溶性の塩(不溶物)を形成することなく、金属錯体の形成に充分に使われ、金属錯体の触媒作用が良好に発揮される。そのため、過酸化水素の活性を格段に高めることができる、と考えられる。これら理由により、かかる効果が得られる、と推測される。
【0082】
本発明の洗剤組成物によれば、(A)成分に由来する不溶物の生成が抑制されるため、被洗物に当該不溶物が洗浄後に残存することなく洗濯できる。
また、本発明の洗剤組成物は、漂白成分の活性を格段に高めることができることから、シミ等の汚れに対する漂白効果にも優れる。
【0083】
過酸化水素や過炭酸塩等を漂白成分とする酸素系漂白剤は、一般に、それ単独では次亜塩素酸などの塩素系漂白剤に比べて洗浄効果又は除菌・殺菌効果が弱い。高温、高pH条件下で酸素系漂白剤を用いても、洗浄効果又は除菌・殺菌効果はこれまで不充分であった。
本発明の洗濯方法によれば、洗剤組成物と酸素系漂白剤との併用によって、漂白成分の活性が格段に高まり、油汚れを充分に洗浄できるとともに、大腸菌に対してだけでなく、黄色ブドウ球菌に対しても高い除菌・殺菌効果が得られる。
本発明の洗剤組成物及び洗濯方法は、商業用クリーニング用途に好適である。
【実施例】
【0084】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
【0085】
(粒状の水溶性塩の調製)
JIS Z8801−1に準拠した所定の目開きを有する篩と、受け皿とを用いて、試料である水溶性塩100gを、前記篩の上に入れ、蓋をしてロータップ型篩振盪機((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、受け皿に残留したものを取り出す上記分級操作(a)を行うことにより、所定の粒子径に制御した粒状の水溶性塩を得た。
【0086】
<洗剤組成物の製造>
(実施例1〜10、比較例1〜5)
各例の洗剤組成物は、撹拌型混合機としてリボンミキサー((株)吉田製作所製、型式1102−20)を用いて、充填率50容積%、ジャケット温度25℃の条件で、表1、2に示す配合組成に従い、以下のようにして製造した。
まず、前記リボンミキサーに、主軸を停止したまま、炭酸Na、硫酸Naを予め投入し、次いで、(B)成分又は(B’)成分を投入した後、(A)成分又は(A’)成分、(D)成分、蛍光剤1、蛍光剤2をこの順序で順次投入し、投入した原料を、主軸を30rpmで回転させて混合しながら、予め60℃に加温したノニオン1とノニオン2と水分を、噴霧ノズルを用いて圧力0.5〜1.5MPaで噴霧した後、前記リボンミキサーに、残りの珪酸Na、石鹸、酵素1、酵素2をこの順序で順次投入し、混合することによって洗剤組成物を製造した。
かかる製造方法においては、混合時間30分間、温度25〜35℃で洗剤組成物の製造を行った。
【0087】
(実施例11、実施例13)
撹拌型混合機としてリボンミキサー((株)吉田製作所製、型式1102−20)を用いて、充填率50容積%、ジャケット温度25℃の条件で、表3に示す配合組成に従い、以下のようにして製造した。
まず、前記リボンミキサーに、主軸を停止したまま、珪酸Na、炭酸Na、硫酸Naを予め投入し、次いで、(D)成分を投入した後、(B)成分、蛍光剤1、蛍光剤2をこの順序で順次投入し、投入した原料を、主軸を30rpmで回転させて混合しながら、予め60℃に加温したノニオン1とノニオン2と水分を、噴霧ノズルを用いて圧力0.5〜1.5MPaで噴霧した後、前記リボンミキサーに、残りの石鹸、(A)成分、酵素1、酵素2をこの順序で順次投入し、混合することによって洗剤組成物を製造した。
かかる製造方法においては、混合時間30分間、温度25〜35℃で洗剤組成物の製造を行った。
【0088】
(比較例6)
実施例11、13に記載の製造例において、(B)成分のみを配合せず、洗剤組成物を製造した。
【0089】
(実施例12)
予め、硫酸銅5水和物(微粉硫酸銅−1)をイオン交換水に硫酸銅濃度が20質量%になるように入れ、50℃に加温して均一溶解して20質量%硫酸銅水溶液を調製した。
次に、前記リボンミキサーに、主軸を停止したまま、珪酸Na、炭酸Na、硫酸Naを予め投入し、次いで、(D)成分、蛍光剤1、蛍光剤2をこの順序で順次投入し、投入した原料を、主軸を30rpmで回転させて混合しながら、予め60℃に加温したノニオン1とノニオン2と水分を、噴霧ノズルを用いて圧力0.5〜1.5MPaで噴霧した。引き続き、予め50℃に加温した前記の20質量%硫酸銅水溶液を、噴霧ノズルを用いて、該硫酸銅水溶液の噴霧量が1.0〜3.0kg/minとなるように調整して噴霧した。その後、前記リボンミキサーに、石鹸、酵素1、酵素2、(B)成分をこの順序で順次投入し、混合することによって洗剤組成物を製造した。
かかる製造方法においては、混合時間30分間、温度25〜35℃で洗剤組成物の製造を行った。
【0090】
なお、表中の配合量の単位は質量%であり、各成分の配合量はいずれも純分換算量を示す。表における「バランス」とは、洗剤組成物に含まれる各成分の総量が100質量%になるように調整した、洗剤組成物中の硫酸Naの配合量を意味する。表における「−」は、その成分が未配合であることを示す。
以下に、表中に示した成分について説明する。
【0091】
[表中に示した成分の説明]。
・周期表の第4周期にある遷移元素、亜鉛、又は銀を含む粒状の水溶性塩(A)
微粉硫酸銅−1:硫酸銅5水和物(商品名「ユピノーグ」、日鉱金属(株)製)。この原料自体の粒子径分布を測定した結果、300μm超の粒子が53.8質量%(このうち、粒子径710μm以上の粒子は12.4質量%)、粒子径150μm以上300μm以下の粒子が46.0質量%、粒子径150μm未満の粒子が0.2質量%であった。上記分級操作(b)により求められる平均粒子径(質量50%)320μm。
微粉硫酸銅−2:硫酸銅5水和物(商品名「ユピノーグ」、日鉱金属(株)製)に対して上記分級操作(a)を行うことにより、粒子径300μm以下の粒子のみからなるものに調製したもの。平均粒子径(質量50%)200μm。
微粉硫酸銅−3:硫酸銅5水和物(商品名「ユピノーグ」、日鉱金属(株)製)を、乳鉢にてすりつぶし、上記分級操作(a)と同様の操作を行うことにより、粒子径150μm以下の粒子のみからなるものに調製したもの。平均粒子径(質量50%)130μm。
微粉硫酸銅−5:硫酸銅5水和物(商品名「ユピノーグ」、日鉱金属(株)製)に対して上記分級操作(a)を行い、粒子径710μm以上の粒子の割合を8.7質量%、かつ、粒子径300μm以下の粒子の割合を32.6質量%に調製したもの。平均粒子径(質量50%)340μm。
微粉硫酸銅−6:硫酸銅5水和物(商品名「ユピノーグ」、日鉱金属(株)製)に対して上記分級操作(a)を行い、粒子径710μm以上の粒子の割合を18.7質量%、かつ、粒子径300μm以下の粒子の割合を32.6質量%に調製したもの。平均粒子径(質量50%)430μm。
微粉硫酸マンガン−1:硫酸マンガン1水和物(商品名「C2グレード」、中央電気工業製;平均粒子径(質量50%)約200μm)に対して上記分級操作(a)と同様の操作を行うことにより、粒子径150μm以下の粒子のみからなるものに調製したもの。平均粒子径(質量50%)140μm。
【0092】
・(A)成分の比較成分[以下「(A’)成分」と表す。]
硫酸銅−4:硫酸銅5水和物(商品名「ユピノーグ」、日鉱金属(株)製)から、上記分級操作(a)を行うことにより、粒子径300μm以下の粒子を除いたもの、すなわち粒子径300μm超の粒子のみからなるものに調製したもの。このうち粒子径710μm以上の粒子は25.2質量%であった。平均粒子径(質量50%)520μm。
硫酸銅−7:硫酸銅5水和物(商品名「ユピノーグ」、日鉱金属(株)製)に対して上記分級操作(a)を行い、粒子径710μm以下の粒子のみに調製し、その後、粒子径300μm以下の粒子の割合を23.1質量%に調製したもの。平均粒子径(質量50%)380μm。
【0093】
・アミノカルボン酸又はその塩(B)
MGDA:メチルグリシンジ酢酸3Na、商品名「トリロンMパウダー」、BASF社製。
HIDS:ヒドロキシイミノジコハク酸3Na、HIDS((株)日本触媒製)を水分5%まで乾燥して粉末化したもの。
IDS:イミノジコハク酸4Na、IDS−4Na、ランクセス(株)製。
NTA:ニトリロトリ酢酸3Na、商品名「トリロンA92R」、BASFジャパン(株)製;純分92質量%、水分含量1質量%。
C12−IDA:ラウリルアミノジ酢酸、商品名「ニッサンアノンパウダー」、日油(株)製。
【0094】
・(B)成分の比較成分[以下「(B’)成分」と表す。]
トリポリリン酸Na:商品名「トリポリ燐酸ソーダ」、三井化学(株)製。
【0095】
・アルカリ剤(C)
炭酸Na:炭酸ナトリウム、商品名「軽灰」、ソーダアッシュジャパン(株)製。
珪酸Na:メタ珪酸ナトリウム、商品名「無水メタ珪酸ソーダ」、オキシデンタルケミカル(株)製。
【0096】
・ポリカルボン酸系高分子化合物(D)
高分子(MA):アクリル酸−マレイン酸共重合体ナトリウム塩、アクアリックTL−400(商品名、(株)日本触媒製)を水分5%まで乾燥して粉末化したもの。
【0097】
・その他の成分
ノニオン1:アルコールアルコキシレート、ECOROL26(商品名、ECOGREEN社製、炭素数12〜16のアルキル基をもつアルコール)に酸化エチレン平均15モルと酸化プロピレン平均3モルとが付加した付加体(ライオン(株)製);純分84質量%。
ノニオン2:アルコールアルコキシレート、ECOROL26(商品名、ECOGREEN社製、炭素数12〜16のアルキル基をもつアルコール)に酸化エチレン平均5モルと酸化プロピレン平均2モルとが付加した付加体(ライオン(株)製);純分94質量%。
石鹸:高級脂肪酸ナトリウム、商品名「コナバルク70B」、ミヨシ油脂(株)製。
蛍光剤1:蛍光増白剤、商品名「チノパールCBS−X」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製。
蛍光剤2:蛍光増白剤、商品名「チノパールAMS−GX」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製。
酵素1:プロテアーゼ、商品名「サビナーゼ12T」、ノボザイムズジャパン社製。
酵素2:プロテアーゼ、商品名「エスペラーゼ4.0T」、ノボザイムズジャパン社製。
水分
硫酸Na:商品名「中性無水芒硝」、四国化成工業(株)製。
【0098】
<油汚れに対する洗浄力の評価>
[洗剤溶液の調製]
容量300Lのステンレス製ストックタンク(直径1.5mの円筒形)に、200L(温度35℃)の水道水を貯めて、そこへ洗剤組成物10kgを投入し、撹拌羽(直径30cm、幅5cm)を用いて、毎分150回転の速度で撹拌を20分間行い、各例の洗剤溶液をそれぞれ調製した。
【0099】
[被洗物の調製]
5cm×5cmに裁断した評価布(商品名「EMPA101」、EMPA TESTMATERIAL社製)と、白色バスタオル(70cm×140cm)を用意した。
そして、前記評価布5枚をそれぞれ重ならないように縫い付けた前記白色バスタオル5枚と、前記白色バスタオルのみ15枚とを合わせて10kg分を、1回の洗濯における被洗物とした。
【0100】
[洗濯方法]
洗濯機として、バッチワッシャー(品番「MOX−15」、東京洗染機械製作所製)を使用した。
【0101】
洗濯機の洗濯槽に、被洗物10kgを入れ、下記洗浄プログラムの運転を開始した。
洗浄工程(1)において、水位3、温度30℃になった時点で洗浄プログラムを一時停止した。そして、洗剤溶液2Lと、酸素系漂白剤として過酸化水素(三菱瓦斯化学社製、食品添加物;35%(w/w))0.1Lとを混合して洗剤溶液供給槽に投入し、両者を混合して約5分以内に、当該混合液を洗濯槽へ供給した。当該供給の後、すぐに洗浄プログラムを再開した。
【0102】
(洗浄プログラム)
洗濯は、洗浄工程(1)、脱水工程(1)、すすぎ工程(1)、脱水工程(2)、すすぎ工程(2)、脱水工程(3)の順で行い、以下の通り、プログラム運転にて実施した。
洗浄工程(1):水位3、温度30℃、時間10分間
脱水工程(1):時間1分間
すすぎ工程(1):水位5、温度25℃、時間3分間
脱水工程(2):時間1分間
すすぎ工程(2):水位5、温度25℃、時間3分間
脱水工程(3):時間3分間
【0103】
[洗浄率の測定]
洗浄プログラムが終了した後、バッチワッシャーの洗濯槽から被洗物を取り出した。次いで、その被洗物の中から評価布を取り出し、乾燥した。
乾燥の後、評価布表面の反射率を、製品名「Spectro Color MeterSE2000」(日本電色工業株式会社製)を用いて測定した。そして、下記式より洗浄率(%)を求め、下記洗浄率の評価基準に従い、油汚れに対する洗浄力を評価した。その結果を表1〜3に示す。
下記式中、「清浄布」とは、油汚れ成分が付着していない評価布(綿布)それ自体を示す。清浄布の反射率として「84」の数値を用いた。
【0104】
洗浄率(%)=[(洗浄後の評価布の反射率−洗浄前の評価布の反射率)/(清浄布の反射率)−(洗浄前の評価布の反射率)]×100
【0105】
(洗浄率の評価基準)
◎◎:洗浄率30%以上。
◎:洗浄率27%以上30%未満。
○:洗浄率24%以上27%未満。
△:洗浄率21%以上24%未満。
×:洗浄率18%以上21%未満。
××:洗浄率18%未満。
【0106】
<被洗物における不溶物の残存性の評価>
上記[洗濯方法]と同様にして洗濯を行い、上記の洗浄プログラムにおいて、洗浄工程(1)と脱水工程(1)が終了した時点で、洗浄プログラムを一時停止し、タオル5枚を取り出した。
取り出したタオルについて、目視にて、濃色の不溶物(溶け残り)の有無を、下記溶け残り評価基準に従って評価した。その結果を表1〜3に示す。
(溶け残り評価基準)
◎:5枚のタオル全てにおいて、不溶物(溶け残り)が全く認められなかった。
○:5枚のタオルの1〜2枚において、不溶物(溶け残り)が僅かに認められた。
△:3枚以上のタオルにおいて、不溶物(溶け残り)が認められ、そのうち、不溶物(溶け残り)がはっきりと認められたタオルが1枚以下であった。
×:3枚以上のタオルにおいて、不溶物(溶け残り)が認められ、そのうちの2枚以上のタオルにおいて、不溶物(溶け残り)がはっきりと認められた。
【0107】
【表1】

【0108】
【表2】

【0109】
表1、2の結果から、本発明に係る実施例1〜10の洗剤組成物は、酸素系漂白剤と併用して油汚れを充分に洗浄できることが確認できた。
また、実施例1と実施例2との対比から、ポリカルボン酸系高分子化合物(D)をさらに配合すると、油汚れに対する洗浄力がより向上することが確認できた。
また、実施例1と実施例6と実施例7との対比から、(A)成分として粒子径の小さい粒子を多く含むものを用いることにより、油汚れに対する洗浄力がより向上し、さらに被洗物に不溶物が残存しにくいことが分かる。
また、実施例9と実施例10との対比から、粒子径710μm以上の粒子の割合が小さいほど、被洗物に不溶物がより残存しにくいことが分かる。
【0110】
粒子径300μm超のみの硫酸銅を配合してなる比較例1の洗剤組成物と、粒子径300μm以下の粒子を含むものの、その割合が30質量%未満の硫酸銅を配合してなる比較例5の洗剤組成物は、実施例1〜10の洗剤組成物に比べて、油汚れに対する洗浄力が低くなることが確認できた。
本発明の構成の(A)成分を欠く比較例1、3の洗剤組成物、又は(B)成分を欠く比較例2、4の洗剤組成物は、いずれも油汚れに対する洗浄力が悪いことが確認できた。
【0111】
以上より、本発明の洗剤組成物及び洗濯方法によれば、酸素系漂白剤と併用して漂白成分の活性が格段に高まり、油汚れを充分に洗浄できることが分かる。
【0112】
<除菌・殺菌力の評価>
[評価方法]
本評価に用いた器具、水などは、予めオートクレーブにより滅菌処理を行ったものを用いた。なお、以下に記載の「ppm」は質量基準である。
実施例11〜13と比較例6の洗剤組成物を用い、洗剤組成物濃度2000ppm、かつ、過酸化水素濃度1000ppmの液状の試験液9.9mLを調製した。
試験液に、菌数が10個/mLとなるように調製された大腸菌母液(IFO3972)0.1mLを添加し、均一に撹拌した(大腸菌の除菌・殺菌試験は25℃で行った)。
また、試験液に、菌数が10個/mLとなるように調製された黄色ブドウ球菌母液(NBRC12732)0.1mLを添加し、均一に撹拌した(黄色ブドウ球菌の除菌・殺菌試験は45℃で行った)。
試験液に各母液を添加してから10分後に、それぞれから採取した1mLを、9mLのSCDLP培地(Soybean−Casein Digest Broth with Lectin&Polysorbate80:和光純薬工業株式会社製)に加えて、10倍希釈液とした。
得られた希釈液を、さらに10倍に希釈する操作を前記と同様にして4回繰り返し、10倍から100000倍の希釈液を得た。
これらの各希釈液から1.0mLをシャーレに採取し、そこへ、SCDLP寒天培地(Soybean−Casein Digest Ager with Lectin&Polysorbate80:和光純薬工業株式会社製)15mLを加えて均一化し、37℃で2日間培養した後、コロニー数70〜300の範囲にあるものを選んで、コロニーをカウントして生存菌数を求めた。
そして、Tween80(ポリソルベート80、関東化学製)500ppmで処理した場合の生菌数(約10個〜10個)を対照とし、各例の試験液を用いて処理した場合の生菌数と対照との菌数差(菌の減少数)を、下式で決定される常用対数で表すことにより除菌・殺菌力を算出し、下記の評価基準に基づいて除菌・殺菌力を評価した。
除菌・殺菌力=Log[(Tween80で処理した場合の生菌数)/(各例の試験液を用いて処理した場合の生菌数)]
【0113】
(評価基準)
Tween80で処理した場合における生菌数と比較して、以下の4段階で除菌・殺菌力を評価した。その結果を表3に示す。
◎:菌数差が3桁以上(Log3≦除菌・殺菌力)であった。
○:菌数差が2桁以上3桁未満(Log2≦除菌・殺菌力<Log3)であった。
△:菌数差が1桁以上2桁未満(Log1≦除菌・殺菌力<Log2)であった。
×:菌数差が1桁未満(除菌・殺菌力<Log1)であった。
【0114】
【表3】

【0115】
表3の結果から、実施例11〜13の洗剤組成物は、酸素系漂白剤と併用して油汚れを充分に洗浄できるとともに、高い除菌・殺菌効果が得られることが確認できた。
特に、実施例11と実施例13との対比から(B)成分としてアルキルアミノジ酢酸を選択することにより、除菌・殺菌効果が向上し、大腸菌に対してだけでなく、黄色ブドウ球菌に対しても高い除菌・殺菌効果が得られることが確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期表の第4周期にある遷移元素、亜鉛又は銀を含む粒状の水溶性塩(A)と、アミノカルボン酸又はその塩(B)と、アルカリ剤(C)とを配合してなり、
前記水溶性塩(A)は、粒子径300μm以下の粒子が30質量%以上であることを特徴とする洗剤組成物。
【請求項2】
前記アミノカルボン酸又はその塩(B)が、メチルグリシンジ酢酸、イミノジコハク酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、ニトリロトリ酢酸、アルキルアミノジ酢酸及びこれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1記載の洗剤組成物。
【請求項3】
ポリカルボン酸系高分子化合物(D)をさらに配合してなる請求項1又は請求項2記載の洗剤組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗剤組成物と、水に溶解して過酸化水素を発生する化合物及び過酸化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種とを併用することを特徴とする洗濯方法。

【公開番号】特開2011−46925(P2011−46925A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152452(P2010−152452)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】