説明

洗浄可能なインク組成物及びそれを含む筆記用具

本発明は、洗浄可能なインク組成物及びそれを含む筆記用具に関する。本発明は、アミノプラスト樹脂、エポキシ樹脂及びこれらの組合せよりなる群から選択される樹脂から形成されたポリマーマトリクス、及び該ポリマーマトリクス中に含まれる少なくとも一種の着色剤を有する顔料カプセル;並びに少なくとも一種の洗浄助剤であって該助剤一分子当たり少なくとも4つのエチレンオキシドを有し且つ/又は少なくとも12のHLB値を有する少なくとも一種の洗浄助剤を含む洗浄可能なインク組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、洗浄可能なインク組成物及びそれを含む筆記用具に関するものである。一層詳細には、本発明は、少なくとも一種の着色剤を内部に有する顔料カプセルを含む洗浄可能なインク組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
布地から作られた衣料品その他の商品からの洗浄適性(washability)は、インク組成物にとって、非常に望ましい属性である。不幸にして、多くの市販のマーカーは、様々な布地から洗浄できないインク組成物を含んでおり、それ故、布地から作られた衣料品その他の商品上に永久的なしみを残しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特に、市販のホワイトボード用乾式消去性(dry−erase)インク組成物の洗浄適性は、十分でない。その上、市販の洗浄可能な、乾式消去性ホワイトボード用マーカーのインク組成物は、一般に、専門的品質に欠けている。例えば、多くの市販の乾式消去性マーカーは、弱い色度(color intensity)を有するマーキング記載(例えば、マーキングの観察色がパステル色である)を生じるインク組成物を含んでいる。加えて、かかるインク組成物の多くは、ホワイトボード上で乾燥するのにかなりの時間を要する。従って、たとえこれら乾式消去性ホワイトボード用マーカーのインク組成物が少なくともある種の選択された布地から洗浄可能であったとしても、これらマーカーの品質は低く、従って、これらのマーカーは、典型的には、子供用に一層適している。
【0004】
他の市販の洗浄可能な、乾式消去性ホワイトボード用マーカーインク組成物は、ある種の選択されたホワイトボード、例えばメラミンホワイトボード及び/又は他のポリマーホワイトボードから消すことができるが、より高級品領域であるホワイトボードの筆記面(例えば、教室、事務所及び会議室で普通に見られる、磁器製の筆記面を有するホワイトボード)では容易には消えない。従って、多くの乾式消去性マーカーは、より高級品領域のホワイトボードにおいて、(消去後に)かなりの汚れ(色)を残しうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の具体例において、本発明は、アミノプラスト樹脂、エポキシ樹脂及びこれらの組合せよりなる群から選択される樹脂から形成されたポリマーマトリクス、及び該ポリマーマトリクスに含まれる少なくとも一種の着色剤を含む顔料カプセル;並びに少なくとも一種の洗浄助剤であって、該助剤一分子当たり少なくとも4つのエチレンオキシド単位を有する当該洗浄助剤を有する洗浄可能なインク組成物を提供する。
第二の具体例において、本発明は、アミノプラスト樹脂、エポキシ樹脂及びこれらの組合せよりなる群から選択される樹脂から形成されたポリマーマトリクス、及び該ポリマーマトリクスに含まれる少なくとも一種の着色剤を含む顔料カプセル;並びに少なくとも12の親水性−親油性バランス(HLB)値を有する少なくとも一種の洗浄助剤を有する洗浄可能なインク組成物を提供する。
更に別の具体例において、この第一又は第二の具体例による洗浄可能なインク組成物は、更に、洗浄可能な、乾式消去性インク組成物を提供するのに十分な量で、剥離剤を含む。
更なる具体例において、本発明は、本発明の第一又は第二の具体例による洗浄可能なインク組成物を含む筆記用具、例えばマーカーを提供し、該インク組成物は、適宜、剥離剤を更に含む。
更に別の具体例において、本発明は、本発明の第一又は第二の具体例による洗浄可能な乾式消去性インク組成物から形成されたマーキング記載を有する乾式消去性ホワイトボードを提供し、該インク組成物は、更に、剥離剤を含んでいる。
更に別の具体例において、本発明は、マーキング記載を消去する方法であって、本発明の第一又は第二の具体例による洗浄可能な乾式消去性インク組成物を用いて、乾式消去性基材上にマーキングを行い、該インク組成物は剥離剤を更に含み、そして該マーキングを消去することを含む当該方法を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明のインク組成物は、一つ以上の利点、例えば衣類から実質的に又は完全にさえ洗浄可能であるという利点を有している。従って、これらの開示されたインク組成物は、様々な布地から実質的に又は完全にさえ除去することができ、即ち、マーキングを、様々な布地から、目に見えるしみ又はマーキングを残すことなく除去することができる。加えて、これらのインク組成物が更に剥離剤を含む場合には、これらの開示したインク組成物は、専門的品質の乾式消去性インク組成物を提供し、それらは、様々な布地から実質的に洗浄可能であり且つ様々なホワイトボード表面から容易に消去できる。
【0007】
本発明を理論で限定するものではないが、これらのインク組成物の様々な異なる布地からの洗浄適性の驚くべき改良は、ポリマーマトリクス用に選択した材料の表面特性(例えば、顔料カプセル自体の外表面の表面特性)と、洗浄助剤であってその分子当たり少なくとも4つのエチレンオキシド単位(好ましくは、連続的な反復単位)を有する洗浄助剤及び/又は少なくとも12の親水性−親油性バランス(HLB)値を有する洗浄助剤との組合せから生じる特性に起因すると考えられる。特に、本発明の顔料カプセルは、一般的に、布地上の潜在的結合部位と結合/相互作用する官能基を欠いているので、多くの布地に対して有意の親和性を有していないと考えられる。選択された洗浄助剤は、顔料カプセルの外表面と、それらの疎水性部分で会合し、それにより、顔料カプセル及び布地上の任意の潜在的結合部位の間での直接的な「着色性(staining)」相互作用を防止する。これらの布地上での任意の潜在的結合部位との着色性相互作用は効果的に防止され、及び/又は着色は洗い去ることができる。何故なら、顔料カプセル/界面活性剤アセンブリの全てが水又は水溶液によって容易に溶解及び/又は分散されうるように、洗浄助剤の親水性部分は溶媒及び/又は溶液に接触し続けるからである。従って、選択した顔料カプセルと界面活性剤の組合せは、本発明で開示したインク組成物の改良された洗浄適性を与える。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一面は、アミノプラスト樹脂、エポキシ樹脂、これらの組合せよりなる群から選択される樹脂から形成されたポリマーマトリクス、及びこれらに含まれる少なくとも一種の着色剤(例えば、該ポリマーマトリクス中に溶解及び/又は分散される)を含む顔料カプセル;並びに少なくとも一種の洗浄助剤であって、該助剤の一分子当たり少なくとも4つのエチレンオキシド単位を有し及び/又は少なくとも12のHLB値を有する当該洗浄助剤を含む洗浄可能なインク組成物である。
【0009】
本発明の他の面は、ここに記載された洗浄可能なインク組成物を含む筆記用具である。
【0010】
更なる面において、ここに記載された洗浄可能なインク組成物は剥離剤を含み、更に洗浄可能な乾式消去性インク組成物を提供する。
【0011】
本発明の更に別の面は、かかる洗浄可能な、乾式消去性インク組成物を含む筆記用具に関係する。
【0012】
本発明の尚更なる面は、かかる洗浄可能な、乾式消去性インク組成物から形成された(又は、それらを含む)マーキング記載を有する乾式消去性ホワイトボードに関係する。
【0013】
更に別の面において、本発明は、マーキング記載を消す方法であって、乾式消去性基材上にここに開示した洗浄可能な乾式消去性インク組成物を用いてマーキングを付け、そして該マーキングを消すことを含む当該方法を提供する。
【0014】
顔料カプセル
この顔料カプセルは、少なくとも一種の着色剤を内部に含むポリマーマトリクスを含む。典型的には、この着色剤は、染料であるが、顔料をも用いることができる。
【0015】
これらの顔料カプセルは、一般に、少なくとも一種の着色剤をポリマーマトリクス中に分散、溶解、又は分布させることにより形成される。これらの顔料カプセルは、当分野で知られているようにして、例えば、アミノプラスト樹脂及び/又はエポキシ樹脂を乳化させ、その乳濁液に硬化剤を加え、次いで生成した混合物を重合させることにより形成できる。例えば、米国特許第2,498,592号;3,915,884号;5,869,184号(これらの全開示を参考として本明細書中に援用する)を参照されたい。着色剤は、任意の適当な時間、例えば樹脂の形成中、樹脂の形成後、又は樹脂が乳化した後に添加することができる。
【0016】
このポリマーマトリクスは、アミノプラスト樹脂及び/又はエポキシ樹脂を含む。このアミノプラスト樹脂は、アミノプラストクロスリンカーをアルデヒドと反応させることにより得ることができる。更なるモノマー反復単位、特に比較的極性の基を含むもの、例えば(1)トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド及びアルキルスルホンアミドを含むスルホンアミド(但し、これらに限られない);(2)アクリル酸及びアクリレート、例えばブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エチルアクリレート及びメタクリレート(但し、これらに限られない)を含むカルボン酸、カルボキシレート、又はそれらの誘導体(エステルなど)、及び(3)アクリロニトリルを含む(但し、これらに限られない)ニトリルを反応混合物から排除することができる。
【0017】
適当なアミノプラスト樹脂の例は、ウレア−ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド、及びこれらのアルキル及びアリール置換された誘導体、例えば、メチルウレア−ホルムアルデヒド、フェニルウレア−ホルムアルデヒド、6−メチル−2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジンホルムアルデヒド、2,4,6−トリメチルトリアミン−1,3,5−トリアジンホルムアルデヒドなどを包含するが、これらに限られない。他の適当な例は、ウレア、メラミン、アナリン、アメリン、グアニジン、ジシアンジアミジン及びベンゾグアナミンのアルデヒド、例えばアクロレイン、ブチルアルデヒド、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、メチルヘミホルマール、ブチルヘミホルマール、亜硫酸水素ホルムアルデヒドナトリウム付加物、グリオキサル、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール、フタルアルデヒド、及びテレフタルデヒドとの縮合物を包含する。
【0018】
適当なエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル及びその同族体、グリセロールのグリシジルエーテル、ビスフェノールFのグリシジルエーテル、テトラキス(ヒドロキシルフェニル)エタンのグリシジルエーテル、及びエポキシル化ノボラックを包含する。例えば、米国特許第3,915,884号(その開示を参考として本明細書中に援用する)を参照されたい。
【0019】
好適樹脂は、ホルムアルデヒド樹脂、例えばウレアホルムアルデヒド樹脂及びメラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂及びエポキシ樹脂を含む。
【0020】
他の適当なポリマーマトリクスは、ポリスチレン、ポリブタジエン改変ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルクロリド及びポリアミドを包含する。米国特許第5,714,090号及び5,740,502号を参照されたい。
【0021】
一般に、これらのインク組成物の洗浄適性は、ここに記載したような選択したポリマーマトリクスに起因する表面特性と選択した洗浄助剤との組合せから得られると考えられるので、ポリマーマトリクス中の着色剤としては、任意の染料を用いることができる。この着色剤としての使用に適した染料は、塩基性染料、酸性染料、ソルベント染料、蛍光染料、又はポリマーマトリクスに適合する他の染料を包含するが、これらに限られない。キサンテン染料、クマリン染料、ベンゾキサンテン染料、ナフタリミド染料、ベンゾチオキサンテン染料、及びアクリジン染料を用いることができる。特別な染料の例は、食用赤色40号、食用青色1号、食用黄色7号など;FD&C染料;ダイレクトブルー染料(No.1、6、8、14、15、25、71、76、78、80、86、90、106、108、123、163、165、199、226など);ダイレクトレッド染料(No.1、2、16、23、24、28、39、62、72、227、236など);ダイレクトイエロー染料(No.4、11、12、27、28、33、34、39、50、58、86、100、106、107、118、127、132、142、157など);アントラキノン染料;モノアゾ染料;ジスアゾ染料;フタロシアニン誘導体(例えば、様々なフタロシアニンスルホン酸塩を含む);アザアヌレン;ホルマザン銅錯体;トリフェノジオキサジン;バーンアシッドレッド2BMN;ポンタミン(商標)染料、例えばポンタミン(商標)ブリリアントボンドブルーA;チバクロン(商標)ブリリアントレッド38−A(即ち、リアクティブレッド4)(Aldrich Chemical);ドリマレン(商標)ブリリアントレッドX−2B(即ち、リアクティブレッド56)(Pylam, Inc.);レバフィックス(商標)ブリリアントレッドE−4B(Mobay Chemical, Haledon, ニュージャージー);レバフィックス(商標)ブリリアントレッドE−6BA(Mobay Chemical);プロシオン(商標)レッドH8B(即ち、リアクティブレッド31)(ICI America);ダイレクトブリリアントピンクB Ground Crude(Crompton & Knowles);カルタソール(商標)イエローGTFプレスケーク(Sandoz, Inc.);カルタソールイエローGTF液体スペシャル110(Sandoz, Inc.);イエローシェイド(商標)16948(Tricon);バサシッド(商標)ブラックX34(即ち、BASF X−34)(BASF);カルタブラック2GT(商標)(Sandoz, Inc);ネオザポン(商標)レッド492(BASF);オラゾル(商標)レッドG(Ciba-Geigy);ダイレクトブリリアントピンクB(Crompton & Knowles);アイゼンスピロン(商標)レッドC−BH(Hodogaya Chemical Company);カヤノール(商標)レッド3BL(Nippon Kayaku Company);レバノール(商標)ブリリアントレッド3BW(Mobay Chemical Company);レバダーム(商標)レモンイエロー(Mobay Chemical Company);スピリット・ファースト(商標)イエロー3G;アイゼンスピロン(商標)イエローC−GNH(Hodogaya Chemical Company);シリウススープライエローGD167(商標);カルタソールブリリアントイエロー4GF(Sandoz, Inc);ペルガソール(商標)イエローCGP(Ciba-Geigy);オラゾル(商標)ブラックRL(Ciba-Geigy);オラゾルブラックRLP(Ciba-Geigy);サビニール(商標)ブラックRLS(Sandoz);ダーマカーボン(商標)2GT(Sandoz);ピラゾル(商標)・ブラックBG(ICI);モルファスト(商標)・ブラック・コンセントレートA(Morton-Thiokol);ダイアゾル(商標)・ブラックRNクアド(ICI);オラゾルブルーGN(Ciba-Geigy);サビニールブルーGLS(Sandoz, Inc);ラクソル(商標)ブルーMBSN(Morton-Thiokol);セブロンブルー5GMF(ICI);バサシッド(商標)ブルー750(BASF);バーンアシッド(商標)レッド(Berncolors, Poughkeepsie, N.Y.);ベルンカラー(商標)A.Y.34;テロンファスト(商標)イエロー4GL−175;BASF バサシッドブラックSE0228;リアクティブブラック染料、リアクティブブルー染料、リアクティブレッド染料、例えばリアクティブレッド180など、リアクティブイエロー染料(リアクティブイエロー37などを含む)を含む様々なリアクティブ染料;及びこれらの混合物を包含する。
【0022】
高分子染料も又、この洗浄可能なインク組成物における着色剤としての使用に適している。代表例は、Milliken Corporation(Spartanburg, SC)により、Palmer(商標)染料製品ラインにて製造された高分子染料を含むが、これらに限られない。
【0023】
これらのインク組成物の洗浄適性は、選択されたポリマーマトリクスと選択された洗浄助剤に帰することのできる表面特性の組合せから得られると考えられるので、一般に、任意の顔料を、ポリマーマトリクス中の着色剤として用いることができる。適当な顔料は、有機顔料、無機顔料、及び顔料前駆物質を包含するが、これらに限られない。本発明のインク組成物における使用のための代表的顔料は、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ベータナフトール顔料、カーボンブラック顔料を包含するが、これらに限られない。特別の顔料は、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、鉛白(炭酸鉛)、硫酸バリウム、紺青、コバルトブルー、群青、黒色酸化鉄(酸化鉄(II, III))、ロッグウッド、褐色酸化鉄、カドミウム赤、赤色酸化鉄、カドミウム黄(CdS、CdZnS)、ウコン黄、黄色酸化鉄、緑色酸化クロム、クジャク石、フェロシアン化物、フェリシアン化物、マンガンバイオレット(マンガンアンモニウムピロリン酸塩)、様々なアルミニウム塩などを包含するが、これらに限られない。米国特許第6,524,382号に記載された顔料前駆物質も又、この出願において利用可能である。
【0024】
この顔料カプセルは、約1〜40重量%、好ましくは約4〜30重量%、及び/又は最も好ましくは約7〜20重量%の範囲で、インク組成物に含有されうる。適当な、市販の顔料カプセルは、Dermaglo(商標)DGS顔料(DayGlo Color Corp., Cleveland, OH)、Radiant(商標)MPシリーズ顔料(DayGlo Color Corp.)、及びPanax(商標)−FB顔料(United Mineral & Chemical Corp., Lyndhurst, NJ)、及びPanax−UFB蛍光顔料(United Mineral & Chemical Corp.)を包含する。
【0025】
洗浄助剤
一具体例において、本発明で開示したインク組成物は、少なくとも一種の洗浄助剤であって、該助剤の一分子当たり少なくとも4つのエチレンオキシド単位、少なくとも8つのエチレンオキシド単位、少なくとも20個のエチレンオキシド単位、及び/又は少なくとも30個のエチレンオキシド単位を有する当該助剤を含有する。かかる洗浄助剤は、典型的には、少なくとも6のHLB値、少なくとも8のHLB値、少なくとも10のHLB値、及び/又は少なくとも12のHLB値を有し、例えば、これらの洗浄助剤は、約6〜19のHLB値を有することができる。従って、少なくとも6のHLB値を有する高極性の洗浄助剤、例えばアルキルスルホネート及びアミンアルキルオキシドが適当である。
【0026】
インク組成物で用いられる少なくとも一種の洗浄助剤が、洗浄助剤の一分子当たり少なくとも4つのエチレンオキシド単位を含まないならば、そのインク組成物に含まれる少なくとも一種の洗浄助剤は、典型的には、少なくとも12の、例えば約12〜19のHLB値を有する。
【0027】
必要な洗浄助剤は、イオン性であっても非イオン性であってもよい。適当な洗浄助剤は、オクチルフェノールエトキシレート誘導体、例えばトリトン(商標)X−100、トリトン(商標)X−305、及びトリトン(商標)X−705(Dow Chemical Co.);及びエトキシル化脂肪族アミン、例えばエトファット(商標)242/25(Akzo Nobel)を包含する。他の適当な洗浄助剤は、他のアルキルフェノールエトキシレート誘導体、脂肪アルコールエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、及びポリエチレングリコールを包含する。必要な洗浄助剤は、約0.5〜20重量%、約1〜20重量%、2〜約15重量%、及び/又は約4〜10重量%の範囲で、インク組成物に含有されうる。
【0028】
洗浄所剤の一分子当たり少なくとも4つのエチレンオキシドを有し及び/又は少なくとも12のHLB値を有する少なくとも一種の洗浄助剤以外に、他の洗浄助剤又は界面活性剤も又、以下で更に詳述するように、含有することができる。
【0029】
剥離剤
拭取り用配合物を所望するのであれば、剥離剤を含有させることができる。塗布後、剥離剤は、典型的には、インク組成物からホワイトボードの表面へ移動し、それにより、ホワイトボード表面とインク組成物との間に膜を形成して、インク組成物のホワイトボード表面からの除去を容易にする。他の適当な剥離剤は、イソノニルオクタノエート、ブチルオレエート、デシルオレエート、ブチルステアレート、エチルヘキシルパルミテート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ポリアルキレンオキシド改変されたポリジメチルシロキサン、例えばSilwet(商標)L−7606(GE Silicones)及びTegowet(商標)405及びTegowet(商標)440(Degussa)、ポリオキシエチレングリコールエステル、例えばLipocol(商標)L−4及びLipopeg(商標)4L(Lipo Chemicals Inc.)、ヘキシレングリコール(Ashland Inc.)を包含するが、これらに限られない。剥離剤は、インク組成物に、約2〜20重量%、及び/又は約5〜15重量%の範囲で含有させることができる。
【0030】
溶剤
本発明の洗浄可能なインク組成物は又、少なくとも一種の溶剤を含む。適当な溶剤は、アルコール、脱イオン水、芳香族化合物及びケトンを包含するが、これらに限られない。例えば、溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、フェノール、ブタンオン、アセトン、モルホリン2−ピロリジン、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、シクロヘキシルピロリドン、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルホラン、プロピレンカルボネート、エチレンカルボネート、グリセロール、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、及びN−メチルピロリジノンを包含することができる。非毒性溶剤、例えばエタノール及び脱イオン水が好適である。この溶剤は、インク組成物に、約10〜90重量%、約20〜80重量%;及び/又は約30〜70重量%の範囲で含有させることができる。
【0031】
結合剤
この洗浄可能なインク組成物は、該インク組成物から形成されたマーク記載が、経時的に基材に粘着し続ける能力を増大させるために水溶性結合剤を更に含むことができる。適当な結合剤は、ポリビニルピロリドン(PVP)及びその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリアクリル酸及びその誘導体、スチレン−無水マレイン酸ポリマー、及びメチルセルロース及びその誘導体を包含するが、これらに限られない。この結合剤は、インク組成物中に、約1〜30重量%、約2〜20重量%、及び/又は約3〜10重量%の範囲で含有することができる。
【0032】
筆記用具
洗浄可能なインク組成物を送達するための適当な筆記用具は、マーカー、例えば毛管現象利用マーカー、バルブ機構内蔵マーカーなどを含むが、これらに限られない。一般的毛管現象利用マーカーは、洗浄可能なインク組成物を貯蔵し、多孔質のペン先に結合されて該ペン先と流体を連絡するリザーバを備える。この毛管現象利用マーカーは、洗浄可能なインク組成物を貯蔵し、多孔質ペン先への毛管現象結合関係に関与する多孔質リザーバを備えてもよい。毛管現象利用マーカーとバルブ機構内蔵マーカーの両者は、公知である。適当な毛管現象利用マーカーは、米国特許第7,364,614号に記載されており、その全開示を参考として本明細書中に援用する。
【0033】
粘性
本発明のインク組成物の粘性は、約25℃で、通常、約1〜25センチポアズ(cps)、例えば約1〜20cps、約1〜15cps、及び/又は5〜約15cpsである。しかしながら、上記範囲は、ペン先の性質及び多孔度及び/又はインクリザーバ(用いる場合)の繊維密度によって、より高く又は低くへ変動可能である。
【0034】
添加剤
このインクは、適宜、他の添加剤、例えば、殺生物剤、界面活性剤、共同して作用する他の樹脂、界面活性剤又は洗浄助剤、湿潤剤、分散剤、及び他の当分野で公知の添加剤を含むことができる。本発明のインク組成物への使用のための典型的な追加の洗浄助剤又は界面活性剤は、アセチレン性グリコール誘導体、例えばサーフィノール(商標)440及びサーフィノール(商標)502を包含するが、これらに限られない。これらの添加剤は、これらのインク組成物に、該インク組成物の全体的性能が如何なる点においても悪影響を受けないような量で添加することができる。
【0035】
本発明による洗浄可能なインクの筆記用具及び洗浄可能なインク組成物は、下記の実施例に照らして、一層よく理解することができるが、これらは、単に、本発明の筆記用具及びインク組成物を説明することを意図するものであって、それらの範囲を制限することを意味するものではない。
【実施例】
【0036】
下記実施例の各々のインク組成物をマーカーに充填して、最小消去力(MEF)を試験した。これらのインク組成物は又、種々の布地からの洗浄適性についても試験された。
【0037】
実施例1
エタノール、脱イオン水、KW−3ポリビニルアセタール、トリトン(商標)X−305、及びMP−BL6182ブルーを、プロペラ式攪拌機を有する反応フラスコ中で約15〜30分間混合して、青インクを製造した。次いで、シルウェット(商標)L−7607剥離剤及びサーフィノール(商標)440界面活性剤を反応フラスコに加えて、攪拌を更に約10分間続けた。洗浄助剤、トリトン(商標)X−305は、洗浄助剤一分子当たり30個のエチレンオキシドを有し、17.3のHLB値を有するオクチルフェノールエトキシレートである。これらの成分を、以下に示した量で用いた。
【0038】
【表1】

このインクは、消去可能性及び洗浄適性試験のためにマーカーに充填された。
【0039】
実施例2
青インクを、実施例1の手順に従って製造した。但し、トリトン(商標)X−705を、トリトン(商標)X−305の代わりに用いた。洗浄助剤トリトン(商標)X−705は、洗浄助剤一分子当たり55基のエチレンオキシドを有し、18.5のHLB値を有するオクチルフェノールエトキシレートである。このインクを、消去可能性及び洗浄適性試験のためにマーカーに充填した。
【0040】
実施例3
青インクを、実施例1の手順に従って製造した。但し、エトファット(商標)242/25を、トリトン(商標)X−305の代わりに用いた。洗浄助剤エトファット(商標)242/25は、洗浄助剤一分子当たり15基のエチレンオキシドを有し、12.2のHLB値を有するエトキシル化脂肪族アミンである。このインクを、消去可能性及び洗浄適性試験のためにマーカーに充填した。
【0041】
比較例1
青インクを、実施例1の手順に従って製造した。但し、エトミーン(商標)18/12(Akzo Nobel, Chicago, IL)を、トリトン(商標)X−305の代わりに用いた。洗浄助剤エトミーン(商標)18/12は、洗浄助剤一分子当たり2基のエチレンオキシドを有し、9.8のHLB値を有するエトキシル化脂肪族アミンである。このインクを、消去可能性及び洗浄適性試験のためにマーカーに充填した。
【0042】
比較例2
青インクを、実施例1の手順に従って製造した。但し、アルミーン(商標)18D(Akzo Nobel, Chicago, IL)を、トリトン(商標)X−305の代わりに用いた。洗浄助剤アルミーン(商標)18Dは、洗浄助剤一分子当たり0基のエチレンオキシドを有し、8のHLB値を有する脂肪族アミンである。このインクを、消去可能性及び洗浄適性試験のためにマーカーに充填した。
【0043】
比較例3
青インクを、実施例1の手順に従って製造した。但し、ラロパル(商標)A81(BASF, Florham Park, NJ)を、トリトン(商標)X−305の代わりに用いた。洗浄助剤ラロパル(商標)A81は、洗浄助剤一分子当たり0基のエチレンオキシドを有し、2−3のHLB値を有するアルデヒド分散樹脂である。このインクを、消去可能性及び洗浄適性試験のためにマーカーに充填した。
【0044】
比較例4
エタノール、脱イオン水、KW−3ポリビニルアセタール洗浄可能結合剤、トリトン(商標)X−100及びエトファット(商標)242/25洗浄助剤、及びMP−BL6182ブルーを、プロペラ式攪拌機を有する反応フラスコ中で約15〜30分間混合することにより、青インクを製造した。次いでシルウェット(商標)L−7607剥離剤及びサーフィノール(商標)440界面活性剤を、この反応フラスコに加えて、混合を約10分間続けた。洗浄助剤トリトン(商標)X−100は、洗浄助剤一分子当たり9.5基のエチレンオキシドを有し、13.5のHLB値を有するオクチルフェノールエトキシレートである。洗浄助剤エトファット(商標)242/25は、15モルのエチレンオキシド及び12.2のHLB値を有するエトキシル化脂肪族アミンである。着色剤MPシリーズは、ホルムアルデヒド樹脂から形成されたポリマーマトリクスを含む。これらの成分を以下に示した量で用いた。
【0045】
【表2】

このインクを、消去可能性及び洗浄適性試験のためにマーカーに充填した。
【0046】
実施例5
実施例4の手順に従った。但し、パナックス(商標)FB403レッドを、MP−BL6182ブルーの代わりに、赤インクを製造するための顔料カプセルとして用いた。これらの顔料カプセル、パナックスFBは、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド樹脂から形成されたポリマーマトリクスを含む。このインクを、消去可能性及び洗浄適性試験のためにマーカーに充填した。
【0047】
比較例4
実施例4の手順に従った。但し、イルガライト(商標)CG2オレンジ13(Ciba,Basel,スイス国)を、MP−BL6182ブルーの代わりに、橙色インクを製造するための顔料カプセルとして用いた。これらの顔料カプセル、イルガライト(商標)CG2は、スルホンアミド/メラミン−ホルムアルデヒド樹脂から形成されたポリマーマトリクスを含む。このインクを、消去可能性及び洗浄適性試験のためにマーカーに充填した。
【0048】
比較例5
実施例4の手順に従った。但し、ルミコール(商標)NKW3204Cブルー(United Mineral & Chemical Corp.)を、MP−BL6182ブルーの代わりに、顔料カプセルとして用いた。顔料カプセル、ルミコールシリーズは、スチレン/アクリロニトリルコポリマー樹脂から形成されたポリマーマトリクスを含む。これらの成分を、以下に示した量で用いた。
【0049】
【表3】

このインクを、消去可能性及び洗浄適性試験のためにマーカーに充填した。
【0050】
比較例6
実施例4の手順に従った。但し、パリオゲン(商標)ブラックS0084を、MP−BL6182ブルーの代わりに用いて、黒インクを製造した。パリオゲン(商標)ブラックS0084(BASF)は、ペリレン顔料ブラック31(これは、如何なる種類のポリマーマトリクスも含まず、勿論本発明のポリマーマトリクスは含まない)である。これらの成分を、以下に示した量で用いた。
【0051】
【表4】

このインクを、消去可能性及び洗浄適性試験のためにマーカーに充填した。
【0052】
洗浄適性試験結果
これらのインク組成物の洗浄適性を、所定の種類の布地を含むマルチファイバーファブリックピース(Testfabrics, Inc., West Pittston, PA社製)を用いて試験し、典型的な住宅用洗濯機で洗浄した。試験インクを充填したマーカーを用いて、各布地片上に約2.54cm(1インチ)の線をマークした。これらのマークされた布地を少なくとも15時間乾燥させてから、洗浄した。洗浄のために、これらのマークされた布地をダミーシートに安全ピンで付けた。一台の洗濯機に、100gの粉末洗剤、ダミーシート(約16片)及び試験試料を充填して、約1.8kg(4ポンド)荷重とした。水位は、最高容量にセットし、ホット/コールドサイクルの温度条件を用い、「通常」の洗浄サイクル(約12分間)を用いた。洗浄後、全荷重を、典型的な住宅用洗濯乾燥機で約30分間「通常」セッティングで乾燥した。これらのマルチファイバーテストファブリクスを、次いで、マーキングの外観につき分析した。その結果を、下記の5ポイント等級を用いて定量化した。
【表5】

【0053】
洗浄適性試験の結果を、下記の表1に示す。
【表6】

【0054】
上記結果が示すように、本発明によるインク組成物は、様々な布地から、可視的よごれを残すことなく、実質的に又は完全にさえ除去されうる。これらの結果は、更に、様々な布地から洗浄除去可能なインク組成物の製造における、洗浄助剤及びポリマーマトリックスの両方の重要性を示している。
【0055】
実施例1〜5の洗浄適性試験の比較例1〜6との比較は、効果的な洗浄可能なインク組成物を製造するためには、本発明での洗浄助剤及びポリマーマトリクスの両方を用いなければならないことを示している。
【0056】
消去可能性試験結果
これらのインク組成物の種々のホワイトボードからの消去可能性を、乾式消去性マーキングを一拭きにより消去するために必要な最小消去力(MEF)を測定することによって試験した。所定の一のホワイトボードにつき、二本の線を、このインクを充填したマーカーを用いて、ホワイトボード表面の全長にわたって引いた。次いで、一拭きでこれらの試験線を消去するのに要する最小量を、最小消去力装置を用いて測定した。このMEF装置は、アルミニウムブロックイレーザーパッドホルダーに取り付けられ且つ可変速の引取回転軸に繋がれた糸を備えている。このアルミニウムブロックは、5cm×4cm×1cmの寸法で、約50gであり、その一の面に取り付けられたイレーザーパッドを備える。このアルミニウムブロックを試験線より2.54cm(1インチ)上に位置させ、100gの重量を加えた。次いで、このアルミニウムブロックは、試験線を垂直に横切って、可変速モーターによって、約2.54±0.254cm/秒(1.0±0.1インチ/秒)の速度で引かれた。一拭きで完全な消去が達成されないならば、アルミニウムブロック上の荷重を50gずつ増加させ、試験手順を試験線の異なる部分で繰り返した。この試験手順を、試験線が一拭きで消去されるまで、重量を増加して繰り返した。試験線の一拭きでの全消去を達成するのに必要な最小重量が、そのインク組成物についての特定のホワイトボード表面でのMEFである。MEF試験の結果を表2に示す。
【0057】
【表7】

【0058】
本発明によるインク組成物は一般的に、完全に消去するのに比較例のインクよりも一層少ない力か又は同等の力を必要とした。
【0059】
上記本文は、洗浄可能なインク組成物の多くの異なる具体例の詳細な説明であり、この詳細な説明は、単なる例示と解すべきであり、本発明による洗浄可能なインク組成物のすべての可能な具体例を記載しているものではない。従って、本発明による洗浄可能なインク組成物に対する唯一の限定は、添付の請求の範囲に見られるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を含む洗浄可能なインク組成物:
(a)アミノプラスト樹脂、エポキシ樹脂及びこれらの組合せよりなる群から選択される樹脂から形成されたポリマーマトリクス;及び、ポリマーマトリクスに含まれる少なくとも一種の着色剤;を含む少なくとも一つの顔料カプセル;並びに
(b)少なくとも一種の洗浄助剤であって、該助剤の1分子当たり少なくとも4つのエチレンオキシドを含む当該洗浄助剤。
【請求項2】
樹脂が、アミノプラストクロスリンカーとアルデヒドとの反応生成物を含むアミノプラスト樹脂である、請求項1に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項3】
アミノプラストクロスリンカーを、ウレア、メラミン、アナリン、アメリン、グアニジン、ジシアンジアミジン、ベンゾグアナミン、これらのアルキル置換された誘導体及びアリール置換された誘導体よりなる群から選択する、請求項2に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項4】
アルデヒドを、アクロレイン、ブチルアルデヒド、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、メチルヘミホルマール、ブチルヘミホルマール、亜硫酸水素ホルムアルデヒドナトリウム付加物、グリオキサル、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール、フタルアルデヒド及びテレフタルデヒドよりなる群から選択する、請求項2に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項5】
少なくとも一種の洗浄助剤を、アルキルフェノールエトキシレート誘導体、脂肪アルコールエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、ポリエチレングリコール、及びエトキシル化された脂肪族アミンよりなる群から選択する、請求項1に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項6】
少なくとも一種の洗浄助剤が、インク組成物の0.5〜20重量%を構成する、請求項1に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項7】
少なくとも一種の洗浄助剤が、少なくとも6の親水性−親油性バランス(HLB)値を有する、請求項1に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項8】
少なくとも一種の洗浄助剤が、少なくとも12の親水性−親油性バランス(HLB)値を有する、請求項1に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項9】
少なくとも一種の顔料カプセルが、インク組成物の1〜40重量%を構成する、請求項1に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項10】
少なくとも一種の着色剤を、塩基性染料、酸性染料、ソルベント染料、ダイレクト染料及び蛍光染料よりなる群から選択する、請求項1に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項11】
溶剤を更に含む、請求項1に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項12】
溶剤が、極性である、請求項11に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項13】
溶剤を、脱イオン水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、フェノール、ブタノン、アセトン、モルホリン2−ピロリジン、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセタミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、シクロヘキシルピロリドン、チオジエタノール、チオジグリエルコール、スルホラン、プロピレンカルボネート、エチレンカルボネート、グリセロール、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、及びN−メチルピロリジノン、及びこれらの組合せよりなる群から選択する、請求項11に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項14】
剥離剤を更に含む、請求項1に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項15】
剥離剤が、インク組成物の2〜20重量%を構成する、請求項14に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項16】
請求項14に記載の洗浄可能なインク組成物を含む、マーキング記載を有する乾式消去性ボード。
【請求項17】
少なくとも一種の水溶性結合剤を更に含む、請求項1に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項18】
前記の反応生成物が、スルホンアミド、ニトリル、カルボン酸、カルボキシレート、及びカルボン酸の誘導体を含む反復単位を実質的に含まない、請求項2に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項19】
請求項1に記載の洗浄可能なインク組成物を含む筆記用具。
【請求項20】
下記を含む洗浄可能なインク組成物:
(a)アミノプラスト樹脂、エポキシ樹脂、及びこれらの組合せよりなる群から選択される樹脂から形成されたポリマーマトリクス;及び該ポリマーマトリクスに含まれる少なくとも一種の着色剤;を含む少なくとも一つの顔料カプセル;並びに
(b)少なくとも12の親水性−親油性バランス(HLB)値を有する少なくとも一種の洗浄助剤。
【請求項21】
樹脂が、アミノプラストクロスリンカーとアルデヒドとの反応生成物を含むアミノプラスト樹脂である、請求項20に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項22】
アミノプラストクロスリンカーを、ウレア、メラミン、アナリン、アメリン、グアニジン、ジシアンジアミジン、ベンゾグアナミン、これらのアルキル置換された誘導体及びアリール置換された誘導体よりなる群から選択する、請求項21に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項23】
アルデヒドを、アクロレイン、ブチルアルデヒド、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、メチルヘミホルマール、ブチルヘミホルマール、亜硫酸水素ホルムアルデヒドナトリウム付加物、グリオキサル、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール、フタルアルデヒド及びテレフタルデヒドよりなる群から選択する、請求項21に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項24】
前記の反応生成物が、スルホンアミド、ニトリル、カルボン酸、カルボキシレート、及びカルボン酸の誘導体よりなる反復単位を実質的に含まない、請求項21に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項25】
少なくとも一種の洗浄助剤を、オクチルフェノールエトキシレート誘導体及びエトキシル化脂肪族アミンよりなる群から選択する、請求項20に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項26】
剥離剤を更に含む、請求項20に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項27】
請求項26に記載の洗浄可能なインク組成物を含むマーキング記載を有する乾式消去性ボード。
【請求項28】
少なくとも一種の水溶性結合剤を更に含む、請求項20に記載の洗浄可能なインク組成物。
【請求項29】
請求項20に記載の洗浄可能なインク組成物を含む筆記用具。

【公表番号】特表2012−502165(P2012−502165A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526888(P2011−526888)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/052430
【国際公開番号】WO2010/030451
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(501495318)サンフォード エル.ピー. (32)
【Fターム(参考)】