説明

洗浄方法

予備濯ぎ操作および洗浄操作を含む洗浄プログラムの過程において、下記組成:A:10〜75重量%のビルダー;0.1〜10重量%の酵素;24.9〜89.9重量%の溶媒;およびB:10〜74.9重量%のビルダー;25〜89.9重量%の溶媒を有する2種の液体状洗浄剤AおよびBを、この洗浄操作中、2つの逐次的な時間t1およびt2に、食器洗い機内部に計量供給し、液体状洗浄剤Aが6〜9のpH値(20℃)を有し、時間t1に計量供給され、一方、液体状洗浄剤Bが9〜14のpH値(20℃)を有し、時間t2に計量供給される、食器洗い機での食器の機械洗浄方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、食器の洗浄方法に関する。特に、この特許出願は、時間をずらして液体状洗浄剤を食器洗い機内部に計量供給する、食器の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者は、食器洗剤を様々な形態で入手できる。家庭用食器洗い機の普及に伴い、従来の手洗い用液体状食器洗剤に加えて、機械用食器洗剤が非常に重要性を増してきている。これらの機械用食器洗剤は、典型的には、固体状で、例えば粉末またはタブレットとして消費者に提供される。
【0003】
機械用洗浄剤の製造業者の主な目標の1つは、これら製剤の洗浄能力を向上することである。近年、低温洗浄サイクルおよび/または節水洗浄サイクルでの洗浄能力に、高い関心が寄せられている。
【0004】
これらの問題を解決するため、好ましくは新規成分、例えば、より有効な界面活性剤、ポリマーまたは漂白剤を洗浄剤に添加する。しかしながら、問題を解決するためのこの取り組みには自ずと限界がある。なぜなら、新規成分は、制限された程度でしか入手できず、かつ生態学的および経済的理由により、洗浄サイクル1回あたりに使用する該成分量を制限なしに増やせないからである。
【0005】
現存する洗剤または洗浄剤の性能プロフィールを改善するための別の取り組みは、新規なパッケージ形態、例えば、固体状および液体状の洗剤成分または洗浄剤成分の組み合わせの開発からなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本特許出願の目的は、低温洗浄サイクルおよび/または節水洗浄サイクルでさえ、従来の食器洗剤と比較して改善された洗浄力の故に水の消費量が少ないことを特徴とする、食器を洗浄するための洗浄剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、時間をずらして液体状洗浄剤を食器洗い機内部に計量供給する、特別な食器洗い方法によって達成された。
【0008】
従って、本特許出願の第一の対象は、予備濯ぎサイクルおよび洗浄サイクルを含む洗浄プログラムの過程において、下記組成:
A:10〜75重量%のビルダー、
0.1〜10重量%の酵素、
24.9〜89.9重量%の溶媒、および
B:10〜74.9重量%のビルダー、
25〜89.9重量%の溶媒
を有する2種の液体状洗浄剤AおよびBを、この洗浄サイクル中、2つの逐次的な時間t1およびt2に、食器洗い機内部に計量供給し、液体状洗浄剤AがpH6〜9(20℃)を有し、時間t1に計量供給され、一方、液体状洗浄剤BがpH9〜14(20℃)を有し、時間t2に計量供給される、食器洗い機での食器の機械洗浄方法である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の方法は、一般的な食器洗い機の内部で実施される。一般に、洗浄プログラムは、食器洗い機での食器洗い方法の機能により、消費者によって選択および決定され得る。
【0010】
本発明の方法で使用される食器洗い機の洗浄プログラムは、少なくとも1回の予備濯ぎサイクル、および洗浄サイクルを含む。本発明によれば、付加的な洗浄サイクルまたは濯ぎサイクル、例えば清浄濯ぎサイクルを含む洗浄プログラムが好ましい。従って、本発明の方法は、予備濯ぎサイクルおよび洗浄サイクルのみからなる洗浄プログラムに限定されない。
【0011】
本発明の方法は、特に好ましくは、予備濯ぎサイクル、洗浄サイクルおよび清浄濯ぎサイクルを含む洗浄プログラムの一部分である。自動食器洗い機の洗浄プログラムは、実施時間、水消費量および洗浄液温度に関して異なってよい。本発明の方法は、好ましくは、洗浄サイクルの過程で洗い液が加熱される洗浄プログラムと併せて使用される。
【0012】
本発明の方法の好ましい態様では、その過程で洗浄剤AおよびBが食器洗い機内部に計量供給される洗浄サイクルが、その過程で洗浄液温度を30℃超、好ましくは40℃超、特に50℃超のレベルまで上げることを特徴とする。
【0013】
好ましい態様では、時間t1での洗い液温度は、12℃〜45℃、好ましくは15℃〜40℃、特に20℃〜35℃であり、一方、時間t2での洗い液温度は、好ましくは30℃〜65℃、特に35℃〜60℃、とりわけ40℃〜55℃である。
【0014】
洗浄剤AおよびBの計量供給時に、洗い液は、同じ温度または異なる温度であってよい。時間t1での洗い液温度は、好ましくは、時間t2での洗い液温度と異なり、時間t1での温度は、時間t2での温度より高いかまたは低くてよい。特に有利な洗浄結果は、時間t1での洗い液温度が時間t2での洗い液温度より低い本発明の方法により達成された。従って、そのような方法が好ましい。
【0015】
本発明の方法における洗浄能力を最適化するため、時間t2での洗い液温度は、時間t1での洗い液温度より、好ましくは少なくとも5℃、特に少なくとも10℃、とりわけ10℃〜40℃、最も好ましくは10℃〜20℃高い。
【0016】
2種の液体状洗浄剤AおよびBの計量供給は、洗浄サイクルの過程において、2つの逐次的な時間t1およびt2に実施する。洗浄剤Aを時間t1に計量供給し、洗浄剤Bを時間t2に計量供給し、時間t1は時間t2より前である。
【0017】
時間t1は、好ましくは洗浄サイクルの開始後の最初の10分以内、好適には洗浄サイクルの開始後の最初の8分以内、特に洗浄サイクルの開始後の最初の5分以内である。
【0018】
時間t1とt2との時間差は、好ましくは2〜30分、特に4〜25分、とりわけ6〜20分である。
【0019】
本発明の方法における洗浄能力を最適化するため、洗浄剤AおよびBのpHを狭い範囲に維持することも規定する。好ましい方法は、洗浄剤AがpH(20℃)6.5〜8.5、好ましくは7〜8を有し、一方、洗浄剤BのpH(20℃)が9.5〜13、好ましくは10〜12であることを特徴とする。
【0020】
特に良好な洗浄結果が得られるので、液体状洗浄剤AのpH(20℃)が液体状洗浄剤BのpH(20℃)と少なくとも2単位異なる方法が、とりわけ好ましい。
【0021】
洗浄剤AおよびBは、好ましくは、自立的計量供給デバイスから食器洗い機内部に導入される。「自立的」は、使用される食器洗い機の一体化された構成要素ではない計量供給デバイスに関する。そのような計量供給デバイスは、好ましくは、それ自体に洗浄剤AおよびBのための貯蔵容器を有し、それ自体に洗浄剤AおよびBを食器洗い機内部に導入および計量供給するための計量供給デバイスを有する。特に好ましい態様では、計量供給デバイスは、独立した電力供給装置も備えている。
【0022】
洗浄剤AおよびBを、独立した計量供給デバイスによって、食器洗い機内部に各々導入してもよい。しかしながら、洗浄剤AおよびBが、分割された計量供給デバイス内で互いに組み合わされていることが好ましい。従って、好ましい態様では、液体状洗浄剤AおよびBを、非水溶性の二室型または多室型貯蔵容器内に供給する。洗浄剤AおよびBは、好ましくは、この容器内で空間的に互いに分離されており、この容器から食器洗い機内部に計量供給される。洗浄剤が互いに分離されているので、洗浄剤の物理的および化学的相互作用は抑制される。
【0023】
貯蔵容器の各室の容積は、洗浄剤Aおよび/またはBの計量供給量1回分の、好ましくは少なくとも5倍、好適には少なくとも10倍、特に好ましくは少なくとも20倍を保持するのに十分な大きさである。洗浄方法の過程における洗浄剤AおよびBの計量供給量は、好ましくは5mL〜50mL、特に10mL〜40mL、とりわけ10mL〜30mLであるので、洗浄剤Aおよび/または洗浄剤Bのための貯蔵室の好ましい容積は、少なくとも25mL、好ましくは少なくとも50mL、特に少なくとも100mLである。洗浄剤AおよびB各々に対して一室ずつを有する計量供給デバイスが好ましく、それらの室各々の容積は、50mL〜1000mL、好ましくは100mL〜800mL、特に200mL〜600mLである。
【0024】
本発明の方法における洗浄能力が、上記したパラメーターに加えて、計量供給デバイスの計量供給速度にも影響され得ることが意外にも見出された。計量供給デバイスの計量供給速度は、好ましくは1mL/分〜40mL/分、特に2mL/分〜30mL/分、とりわけ4mL/分〜20mL/分である。
【0025】
本発明の方法に使用される洗浄剤AおよびBは、他の洗剤成分、または洗浄効果を有する成分に加えて、ビルダーを含有する。ビルダーは、特に、ゼオライト、ケイ酸塩、炭酸塩、有機共ビルダー、およびその使用に生態学上の問題がなければリン酸塩も包含する。
【0026】
一般式:NaMSi2x+1・yHO[式中、Mはナトリウムまたは水素を示し、xは1.9〜22、好ましくは1.9〜4の数であり、xの特に好ましい値は2、3または4であり、yは0〜33、好ましくは0〜20の数である。]で示される結晶性層状ケイ酸塩が、使用するのに特に好ましい。式:NaMSi2x+1・yHOで示される結晶性層状ケイ酸塩は、Clariant GmbH(ドイツ国)によって、例えば商標名Na-SKSで販売されている。これらのケイ酸塩の例は、Na-SKS-1(NaSi2245・xHO、ケニアイト)、Na-SKS-2(NaSi1429・xHO、マガダイト)、Na-SKS-3(NaSi17・xHO)またはNa-SKS-4(NaSi・xHO、マカタイト)を包含する。
【0027】
本発明の目的のため、式:NaMSi2x+1・yHO[式中、xは2を意味する。]で示される結晶性層状ケイ酸塩が特に適している。とりわけ、β−およびδ−二ケイ酸ナトリウム:NaSi・yHOの両方、特に、Na-SKS-5(α−NaSi)、Na-SKS-7(β−NaSi、ナトロシライト)、Na-SKS-9(NaHSi・HO)、Na-SKS-10(NaHSi・3HO、カネマイト)、Na-SKS-11(t−NaSi)およびNa-SKS-13(NaHSi)、とりわけNa-SKS-6(δ−NaSi)が好ましい。
【0028】
液体状洗浄剤Aおよび/またはBは、好ましくは、式:NaMSi2x+1・yHOで示される結晶性層状ケイ酸塩を、各洗浄剤AまたはBの重量に各々基づいて、0.1重量%〜20重量%、0.2重量%〜15重量%、特に0.4重量%〜10重量%の量で含有する。
【0029】
1:2〜1:3.3、好ましくは1:2〜1:2.8、特に1:2〜1:2.6のNaO:SiOの組成比を有する非晶質ケイ酸ナトリウムも使用でき、それらは、好ましくは、遅延溶解特性および二次的洗い特性を有する。従来の非晶質ケイ酸ナトリウムと比較して遅い溶解は、種々の方法、例えば、表面処理、コンパウンド化、圧縮/成形または過乾燥によって達成され得る。本発明では、用語「非晶質」は、ケイ酸塩が、X線回折実験において、結晶性物質の典型であるような鋭いX線反射を生じないが、その代わりに数度単位の回折角の幅を有する散乱X線のピークを1つだけまたは2つ以上生じることを意味すると理解される。
【0030】
上記した非晶質ケイ酸ナトリウムに代えてまたは組み合わせて、X線非晶質であるケイ酸塩を使用してもよい。そのケイ酸塩粒子は、電子線回折実験において、不鮮明なまたは鋭い回折ピークを生じる。これは、該物質が、10nm〜数百nmの大きさの微晶質領域を有することを示すと解釈されるが、最大50nmまで、特に最大20nmまでの値が好ましい。そのようなX線非晶質ケイ酸塩はまた、従来の水ガラスと比較して遅い溶解性を有する。とりわけ、成形/圧縮非晶質ケイ酸塩、コンパウンド化非晶質ケイ酸塩、および過乾燥X線非晶質ケイ酸塩が、特に好ましい。
【0031】
本発明において、ケイ酸塩、好ましくはアルカリケイ酸塩、特に好ましくは結晶性または非晶質アルカリ二ケイ酸塩が、液体状洗浄剤Aおよび/またはB中に、各洗浄剤AまたはBの重量に各々基づいて、2重量%〜40重量%、好ましくは3重量%〜30重量%、特に5重量%〜25重量%の量で存在することが好ましい。
【0032】
広く知られているリン酸塩のビルダー物質としての使用も、そのような使用が生態学上の理由から回避すべきでなければ、もちろん可能である。様々な市販リン酸塩の中で、アルカリ金属リン酸塩が、洗剤および洗浄剤産業で最も重要性を増しており、三リン酸五ナトリウムおよび/または三リン酸五カリウム(トリポリリン酸ナトリウムおよび/またはトリポリリン酸カリウム)が特に好ましい。
【0033】
アルカリ金属リン酸塩は、様々なリン酸のアルカリ金属塩(特にナトリウム塩およびカリウム塩)に対する一般用語であり、メタリン酸(HPOおよびオルトリン酸HPOは、より高分子の例に加えて区別され得る。リン酸塩は複数の利点を併せ持つ:リン酸塩は、アルカリ性キャリヤーとして作用し、機械部品上の石灰堆積物および布地上の石灰付着物を防ぎ、洗浄能力にも寄与する。
【0034】
産業上、特に重要なリン酸塩は、三リン酸五ナトリウムNa10(トリポリリン酸ナトリウム)、および対応するカリウム塩である三リン酸五カリウムK10(トリポリリン酸カリウム)を包含する。加えて、トリポリリン酸ナトリウムカリウムも、本発明の使用に好ましい。
【0035】
本特許出願の範囲内で、液体状洗浄剤Aおよび/またはB中の洗剤物質または洗浄物質としてリン酸塩を使用するならば、好ましい配合物は、このリン酸塩、好ましくはアルカリ金属リン酸塩、特に好ましくは三リン酸五ナトリウムおよび/または三リン酸五カリウム(トリポリリン酸ナトリウムおよび/またはトリポリリン酸カリウム)を、各洗浄剤Aおよび/またはBの重量に各々基づいて、5重量%〜60重量%、好ましくは15重量%〜45重量%、特に20重量%〜40重量%の量で含有する。
【0036】
記載し得る有機共ビルダーは、特に、ポリカルボキシレート/ポリカルボン酸、ポリマーポリカルボキシレート、アスパラギン酸、ポリアセタール、デキストリン、他の有機共ビルダーおよびホスホン酸塩を包含する。これらの種類の物質を以下に記載する。
【0037】
使用できる有機ビルダー物質は、例えば、遊離酸および/またはナトリウム塩の形態で使用され得るポリカルボン酸を包含する。ここで、ポリカルボン酸は、2つ以上の酸官能基を有するカルボン酸であると理解される。その例は、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、糖酸、アミノカルボン酸、ニトリロ三酢酸(NTA)(その使用が生態学的理由から反対されなければ)、およびそれらの混合物を包含する。遊離酸は、そのビルダー効果に加えて、一般に、酸性化成分の特性も有し、従って、洗剤または洗浄剤のpHをより低く穏やかに調整するのにも役立つ。本発明では、特に、クエン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グルコン酸、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0038】
本発明では、クエン酸またはクエン酸塩が特に好ましく使用される。洗浄剤AまたはBの少なくとも1つがクエン酸またはクエン酸塩を含有し、クエン酸またはクエン酸塩の量が洗浄剤の総重量に基づいて0.2重量%〜12重量%、好ましくは0.2重量%〜8重量%、特に0.2重量%〜6重量%であることを特徴とする配合物が、本発明において好ましい。
【0039】
他の特に好ましいビルダー物質は、メチルグリシン二酢酸(MGDA)である。洗浄剤がメチルグリシン二酢酸またはメチルグリシン二酢酸塩を含有し、メチルグリシン二酢酸またはメチルグリシン二酢酸塩の量が好ましくは0.2重量%〜12重量%、特に0.2重量%〜8重量%、とりわけ0.2重量%〜6重量%であることを特徴とする本発明の方法が、本発明において好ましい。
【0040】
加えて、ポリマーポリカルボキシレートもビルダー物質として適している。ポリマーポリカルボキシレートは、例えば、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸のアルカリ金属塩を包含し、それらは例えば500g/mol〜70,000g/molの相対分子量を有する。
【0041】
本発明では、ポリマーポリカルボキシレートについて記載されている分子量は、各々の酸形態の重量平均分子量Mであり、基本的に、UV検出器を用いたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定される。測定は、試験するポリマーとのその構造的関係から実際の分子量値が得られる外部ポリアクリル酸標準に対して実施した。これらの値は、標準としてポリスチレンスルホン酸を用いて得られた分子量値とは著しく異なる。ポリスチレンスルホン酸を用いて測定された分子量は、通常、本明細書において記載されている分子量よりもずっと高い。
【0042】
適当なポリマーは、特に、好ましくは2000g/mol〜20,000g/molの分子量を有する、ポリアクリレートを包含する。この群からは、2000g/mol〜10,000g/mol、特に好ましくは3000g/mol〜5000g/molの分子量を有する短鎖ポリアクリレートが、その優れた溶解性の故に好ましい。
【0043】
コポリマーポリカルボキシレート、特にアクリル酸とメタクリル酸とのコポリマー、アクリル酸またはメタクリル酸とマレイン酸とのコポリマーも適している。50重量%〜90重量%のアクリル酸および50重量%〜10重量%のマレイン酸を含有する、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマーが特に適していることが分かった。遊離酸に基づいたそれらの相対分子量は、一般に2000g/mol〜70,000g/mol、好ましくは20,000g/mol〜50,000g/mol、特に30,000g/mol〜40,000g/molである。
【0044】
洗剤または洗浄剤中の(コ)ポリマーカルボキシレート含有量は、好ましくは0.1重量%〜10重量%、特に0.2重量%〜8重量%、特に好ましくは0.4重量%〜6重量%、とりわけ0.4重量%〜4重量%である。
【0045】
水溶性を改善するため、ポリマーは、モノマーとして、アリルスルホン酸、例えばアリルオキシベンゼンスルホン酸およびメタリルスルホン酸を含有してもよい。
【0046】
3種以上の異なったモノマー単位からなる生物分解性ポリマー、例えば、モノマーとして、アクリル酸塩およびメタクリル酸塩並びにビニルアルコールおよび/またはビニルアルコール誘導体を含有するもの、或いはモノマーとして、アクリル酸塩および2−アルキルアリルスルホン酸塩並びに糖誘導体を含有するものが、特に好ましい。
【0047】
更に好ましいコポリマーは、モノマーとして、好ましくはアクロレインおよびアクリル酸/アクリル酸塩および/またはアクロレインおよび酢酸ビニルを含有するものである。
【0048】
同様に、ポリマーアミノジカルボン酸、その塩またはその前駆物質を、更なる好ましいビルダー物質として挙げることができる。ポリアスパラギン酸および/またはその塩が特に好ましい。
【0049】
他の適当なビルダー物質は、ジアルデヒドと5〜7個の炭素原子および少なくとも3つのヒドロキシル基を含有するポリオールカルボン酸との反応により得ることができる、ポリアセタールを包含する。好ましいポリアセタールは、例えばグリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、およびそれらの混合物のようなジアルデヒドと、例えばグルコン酸および/またはグルコヘプトン酸のようなポリオールカルボン酸とから得られる。
【0050】
他の適当な有機ビルダー物質は、デキストリン、例えばデンプンの部分的加水分解により得ることができる炭水化物のオリゴマーおよび/またはポリマーを包含する。この加水分解は、通例の方法、例えば酸触媒または酵素触媒による方法により行うことができる。それらは、好ましくは、400g/mol〜500,000g/molの範囲に平均分子量を有する加水分解生成物である。0.5〜40、特に2〜30の範囲にデキストロース当量(DE)を有する多糖類が好ましく、ここで、DEは、100のDEを有するデキストロースを対照とする多糖類の還元効果の有効な尺度である。DEが3〜20であるマルトデキストリンおよびDEが20〜37である乾燥グルコースシロップ、そして2000g/mol〜30,000g/molの範囲により高い分子量を有するいわゆる黄色デキストリンおよび白色デキストリンも使用できる。
【0051】
そのようなデキストリンの酸化誘導体は、糖類の環の少なくとも1つのアルコール官能基をカルボン酸官能基へと酸化することができる酸化剤によるデキストリンの反応生成物を包含する。
【0052】
オキシジスクシネートおよび他のジスクシネート誘導体、好ましくは、エチレンジアミンジスクシネートは、他の適当な共ビルダーである。エチレンジアミンN,N’−ジスクシネート(EDDS)を、そのナトリウム塩またはマグネシウム塩の形態で好ましく使用する。これに関連して、グリセロールジスクシネートおよびグリセロールトリスクシネートも好ましい。
【0053】
他の使用できる有機共ビルダーは、例えば、アセチル化ヒドロキシカルボン酸および/またはそれらの塩であり、それらは、場合によって、ラクトン形態で存在してもよく、少なくとも4個の炭素原子と少なくとも1つのヒドロキシ基および最大2つの酸基を含有する。
【0054】
加えて、アルカリ土類金属イオンと錯体を形成できる化合物の全ても、ビルダー物質として使用できる。
【0055】
本発明の方法において洗浄剤Aとして使用される組成物は、更なる成分として酵素を含有する。酵素は、特に、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼまたはオキシドリダクターゼ、並びに好ましくはそれらの混合物を包含する。これらの酵素は基本的に天然起源のものである。天然分子から出発し、改良された変異体が、洗剤および洗浄剤への使用のために入手可能であり、従って好ましく使用される。洗剤または洗浄剤は、好ましくは、活性タンパク質に基づいて1×10−6重量%〜5重量%の総量で酵素を含有する。タンパク質濃度は、既知の方法、例えばBCA法またはビウレット法を用いて測定できる。
【0056】
プロテアーゼのうち、サブチリシンタイプのプロテアーゼが好ましい。その例は、subtilisin BPN'およびCarlsberg並びにそれらの更なる発展形、即ちprotease PB92、subtilisin 147および309、Bacillus lentusからのアルカリ・プロテアーゼ、subtilisin DYおよび酵素thermitase、proteinase K、並びにproteases TW3およびTW7(これらは、狭義には、もはやサブチリシンではないが、サブチラーゼに属する。)を包含する。
【0057】
本発明に従って使用できるアミラーゼの例は、Bacillus licheniformisから、B. amyloliquefaciensから、B. stearothermophilusから、Aspergillus nigerから、およびA. oryzaeからのα−アミラーゼ、並びに洗剤および洗浄剤への使用のために改良された上記アミラーゼの更なる発展形を包含する。加えて、Bacillus sp. A 7-7(DSM 12368)からのα−アミラーゼおよびB. agaradherens(DSM 9948)からのcyclodextrin glucanotransferase(CGTase)が、この目的のために重要である。
【0058】
(α−アミラーゼ AA560に従ったリストにおける)以下の位置:9、149、182、186、202、257、295、299、323、339、345および任意に他の位置でのアミノ酸変化によりα−アミラーゼ AA560に対応できる出発α−アミラーゼから、または以下のアミノ酸変化によりα−アミラーゼ AA560から得られるα−アミラーゼ変異体が、本発明の方法における使用に特に適していることが分かった。












【0059】
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【0060】
α−アミラーゼ変異体は、特に好ましくは、α−アミラーゼ AA560に対応できる出発α−アミラーゼと比較して、以下の位置での1つ以上の更なるアミノ酸変化により特徴付けられる:(α−アミラーゼ AA560に従ったリストにおける)118、183、184、195、320および458。このとき、α−アミラーゼ変異体は、好ましくは、特に占有された以下のアミノ酸位置を有する:(α−アミラーゼ AA560に従ったリストにおける)118K、183−(欠失)、184−(欠失)、195F、320Kおよび/または458K。
【0061】
α−アミラーゼ AA560またはその誘導体から誘導され得、好ましくはα−アミラーゼ AA560自体から誘導された、α−アミラーゼ変異体が特に好ましい。とりわけ、本発明に従って使用され、α−アミラーゼ AA560と比較して以下のアミノ酸変化の1つを有するα−アミラーゼ変異体を含有する、洗浄剤が特に好ましい。
【化5】

【0062】
上記した好ましいα−アミラーゼ変異体は、特に、複数の洗浄サイクルに十分な洗浄剤を保持する自動計量供給システムによる貯蔵および計量供給に使用される際、平均より上の貯蔵安定性および洗浄能力により優れた働きをする。これは、洗浄剤を、計量供給システム内に長時間貯蔵できるからである。
【0063】
上記したα−アミラーゼ変異体を補うものとして、本発明に従った使用に好ましい洗浄剤は、プロテアーゼ、好ましくはサブチリシンプロテアーゼを含有する。サブチリシンプロテアーゼは、野生型プロテアーゼまたはプロテアーゼ変異体であり、プロテアーゼ変異体は、好ましくは、Bacillus lentusからのアルカリ・プロテアーゼに対応できる出発プロテアーゼと比較して、Bacillus lentusからのアルカリ・プロテアーゼのリストにおける以下の位置の1つ以上にアミノ酸変化を有するものである:3、4、36、42、43、47、56、61、69、87、96、99、101、102、104、114、118、120、130、139、141、142、154、157、188、193、199、205、211、224、229、236、237、242、243、250、253、255および268。
【0064】
加えて、リパーゼまたはクチナーゼも、特に、それらのトリグリセリド切断活性だけでなく、適当な前駆体からのインサイチューでの過酸の生成の故に、本発明に従って使用してよい。これらは例えば、Humicola lanuginosa(Thermomyces lanuginosus)から最初に入手できたリパーゼ、および/または更に開発されたリパーゼ、特にアミノ酸交換D96Lを有するリパーゼを包含する。更に、Fusarium solai pisiおよびHumicola insolensから最初に分離されたクチナーゼも使用してよい。更に、出発酵素がPseudomonas mendocinaおよびFusarium solaniiから最初に分離されたリパーゼおよび/またはクチナーゼも使用してよい。
【0065】
加えて、用語ヘミセルラーゼでまとめられている酵素も使用してよい。これらは例えば、マンナーゼ、キサンタンリアーゼ、ペクチンリアーゼ(=ペクチナーゼ)、ペクチンエステラーゼ、ペクチン酸リアーゼ、キシログルカナーゼ(=キシラナーゼ)、プルラナーゼおよびβ−グルカナーゼを包含する。
【0066】
漂白効果を増すため、オキシドリダクターゼ、例えば、オキシダーゼ、オキシゲナーゼ、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、例えば、ハロペルオキシダーゼ、クロロペルオキシダーゼ、ブロモペルオキシダーゼ、リグニンペルオキシダーゼ、グルコースペルオキシダーゼまたはマンガンペルオキシダーゼ、ジオキシゲナーゼまたはラッカーゼ(フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ)も、本発明に従って使用してよい。加えて、個々のオキシドリダクターゼの活性を増す(増強する)ため(増強剤)、または酸化酵素と汚れとの間の酸化還元電位に大きな差が存在するとき、電子流を確実にするため(メディエータ)、好ましくは有機化合物、特に好ましくは酵素と相互作用する芳香族化合物を、有利には添加してよい。
【0067】
酵素は、従来技術に従って確立されたあらゆる形態で使用してよい。それらは、例えば、造粒、押出または凍結乾燥により得られる固体状製剤、或いは液体状製剤またはゼラチン状製剤の場合は特に、含水量が低いおよび/または安定剤と混合された酵素溶液、有利には可能な限り濃縮されたものを包含する。
【0068】
別の態様として、液体および固体の適用形態の両方について、酵素は、例えば、好ましい天然ポリマーと一緒に酵素溶液を噴霧乾燥または押出することにより、或いは酵素がその中に封入されるカプセルとして、例えば、固化ゲル内に、若しくは酵素含有コアが水、空気および/または化学物質に対して不浸透性の保護層で被覆されるコア−シェル型カプセル内に、被包され得る。重ねた層には、他の活性成分、例えば、安定剤、乳化剤、顔料、漂白剤または染料も適用できる。そのようなカプセルは、本質的に知られている方法により、例えば、振盪造粒または回転造粒により、或いは流動床法により適用される。そのような顆粒は、有利には、例えばポリマーフィルム形成剤の適用の故に微粉負荷量が低く、被膜の故に貯蔵安定である。
【0069】
加えて、個々の顆粒が複数の酵素活性を含むように、2種以上の酵素を一緒に加工することも可能である。
【0070】
タンパク質および/または酵素を、例えば貯蔵中の不活性化、変性または分解による、例えば物理的影響、酸化またはタンパク質分解的切断による、損傷から保護できる。タンパク質および/または酵素の微生物による製造方法において、とりわけ製剤がプロテアーゼも含有するとき、タンパク質分解を阻害することが特に好ましい。この目的のため、洗剤または洗浄剤は、そのような製剤が本発明の好ましい態様を構成する場合には、安定剤を含有してよい。
【0071】
本発明の製剤中に含有されるタンパク質および/または酵素を、特に貯蔵中、例えば物理的影響、酸化またはタンパク質分解的切断による、不活性化、変性または分解のような損傷から保護できる。タンパク質および/または酵素の微生物による製造方法において、とりわけ製剤がプロテアーゼも含有するとき、タンパク質分解を阻害することが特に好ましい。好ましい本発明の製剤は、この目的のために安定剤を含有する。
【0072】
安定剤の一群は、可逆的プロテアーゼ阻害剤を包含する。ベンズアミジン塩酸塩、ホウ砂、ホウ酸、ボロン酸、或いはそれらの塩またはエステルを、しばしば、この目的のために使用し、それらは、とりわけ、芳香族基含有誘導体、例えば、オルト−、メタ−またはパラ−置換フェニルボロン酸、特に、4−ホルミルフェニルボロン酸および/または上記化合物の塩またはエステルを包含する。ペプチドアルデヒド、即ち還元C末端含有オリゴペプチド、特に2〜50のモノマーを含んでなるものを、この目的のために使用する。とりわけ、ペプチド可逆性プロテアーゼ阻害剤は、オボムコイドおよびロイペプチンを包含する。プロテアーゼサブチリシン並びにプロテアーゼ融合タンパク質のための特異的な可逆性ペプチド阻害剤、および特定のペプチド阻害剤が、この目的のために適している。
【0073】
他の酵素安定剤は、モノ−、ジ−、トリエタノールアミンおよび−プロパノールアミンのようなアミノアルコールおよびそれらの混合物、コハク酸のようなC12までの脂肪族カルボン酸、他のジカルボン酸、または上記した酸の塩である。末端基キャップ脂肪酸アミドアルコキシレートもまた、この目的のために適している。ビルダーとして使用されるある種の有機酸は、WO 97/18287に記載されているように、酵素成分を付加的に安定化できる。
【0074】
低級脂肪族アルコール、特にポリオール、例えば、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、またはソルビトールが、しばしば使用される更なる酵素安定剤である。ジグリセロールホスフェートは、物理的影響による変性を防ぐ。同様に、カルシウム塩および/またはマグネシウム塩、例えば酢酸カルシウムまたはギ酸カルシウムも使用される。
【0075】
ポリアミドオリゴマーまたはポリマー化合物、例えばリグニン、水溶性ビニルコポリマーまたはセルロースエーテル、アクリルポリマーおよび/またはポリアミドは、特に、物理的影響またはpH変動に対して、酵素製剤を安定化する。ポリアミンN−オキシド含有ポリマーは、酵素安定剤としておよび色移り阻害剤として同時に機能する。他のポリマー安定剤は、直鎖C〜C18ポリオキシアルキレンを包含する。アルキルポリグリコシドも、本発明の製剤の酵素成分を安定化でき、好ましくは酵素成分の有効性を付加的に増すことができる。窒素含有架橋化合物は、好ましくは、汚れ分離剤としておよび酵素安定剤としての二重の機能を備える。疎水性非イオン性ポリマーは、特にセルラーゼを安定化し、場合により存在してもよい。
【0076】
還元剤および酸化防止剤は、酸化分解に対する酵素の安定性を増す。例えば、イオウ含有還元剤を、この目的のために一般に使用する。他の例は、亜硫酸ナトリウムおよび還元糖を包含する。
【0077】
安定剤の組み合わせ、例えば、ポリオール、ホウ酸および/またはホウ砂の組み合わせ、ホウ酸またはボレート、還元塩およびコハク酸または他のジカルボン酸の組み合わせ、或いはホウ酸またはボレートとポリオールまたはポリアミノ化合物と還元塩との組み合わせは、特に好ましく使用される。ペプチドアルデヒド安定剤の効果は、有利には、ホウ酸および/またはホウ酸誘導体とポリオールとを組み合わせることにより、更に二価カチオン、例えばカルシウムイオンの付加的効果により高まる。
【0078】
硫酸カリウム(KSO)は、酵素製剤を安定化するために特に好ましく使用される他の製剤である。
【0079】
先に記載したように、液体状洗浄剤Aの総重量中の酵素の量は、0.1重量%〜10重量%である。特に好ましい配合物では、洗浄剤Aの総重量中の酵素の量は、0.2重量%〜9重量%、とりわけ0.5重量%〜8重量%である。
【0080】
もちろん液体状洗浄剤Bも酵素を含有してよいが、洗浄剤Bの酵素含有量は、2重量%未満、好ましくは1重量%未満、特に好ましくは0.5重量%未満、とりわけ0.1重量%未満であることが好適である。特に好ましい本発明の方法は、液体状洗浄剤Bが酵素を含有しないことを特徴とする。
【0081】
好ましくは1種以上の酵素および/または酵素製剤、特に固体状または液体状プロテアーゼ製剤および/またはアミラーゼ製剤を使用する。特に好ましい態様では、液体状洗浄剤Aは、プロテアーゼ製剤とアミラーゼ製剤との組み合わせを含有する。
【0082】
付加的成分として、本発明の方法に使用される洗浄剤AおよびBは、溶媒を含有する。最も単純な態様では、この溶媒は水のみである。好ましい方法は、液体状洗浄剤Aおよび/または液体状洗浄剤Bが溶媒として水を含有する方法である。
【0083】
意外にも、本発明の方法において、有機溶媒を添加することにより洗浄能力を改善できることが見出された。従って、本特許出願の好ましい対象は、洗浄剤AまたはBの少なくとも1つが有機溶媒を含有し、有機溶媒を、単独で、複数の有機溶媒の混合物として、または1種以上の有機溶媒と水との混合物として使用できる、本発明の方法である。
【0084】
好ましい有機溶媒は、例えば、モノアルコール、ジオール、トリオールおよび/またはポリオール、エーテル、エステルおよび/またはアミドの群に由来する。本発明では、水溶性である有機溶媒が特に好ましい。本特許出願の意味で「水溶性」溶媒は、室温で水と完全に混和できる、即ち混和性ギャップを有さない溶媒である。
【0085】
本発明の方法に使用できる有機溶媒は、好ましくは、記載した濃度範囲で水と混和性であるならば、一価または多価アルコール、アルカノールアミンまたはグリコールエーテルの群に由来する。溶媒は、好ましくは、エタノール、n−またはイソプロパノール、ブタノール、グリコール、プロパンジオールまたはブタンジオール、グリセロール、ジグリコール、プロピルまたはブチルジグリコール、へキシレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチル、エチルまたはプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルまたはエチルエーテル、メトキシ、エトキシまたはブトキシトリグリコール、1−ブトキシエトキシ−2−プロパノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、およびこれら溶媒の混合物から選択される。
【0086】
有機アミンおよび/またはアルカノールアミンの群からの有機溶媒が、洗浄能力に関して、本発明においては漂白可能な汚れ、特に茶による汚れに対する洗浄能力に関して、とりわけ効果的であることが分かった。
【0087】
好ましい有機アミンは、特に、第一級および第二級のアルキルアミン、アルキレンアミン、並びにこれら有機アミンの混合物である。モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルアミンおよびシクロヘキシルアミンが、好ましい第一級アミンの群に属する。特にジメチルアミンが好ましい第二級アルキルアミンの群に属する。
【0088】
好ましいアルカノールアミンは、特に、第一級、第二級および第三級アルカノールアミン、並びにそれらの混合物を包含する。特に好ましい第一級アルカノールアミンは、モノエタノールアミン(2−アミノエタノール、MEA)、モノイソプロパノールアミン、ジエチルエタノールアミン(2−(ジエチルアミノ)エタノール)である。特に好ましい第二級アルカノールアミンは、ジエタノールアミン(2,2’−イミノジエタノール、DEA、ビス(2−ヒドロキシエチル)アミン)、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンおよびモルホリンである。特に好ましい第三級アルカノールアミンは、トリエタノールアミンおよびトリイソプロパノールアミンである。
【0089】
本発明の方法の特に有効な変法は、液体状洗浄剤Aおよび/または液体状洗浄剤Bが有機溶媒の群からの溶媒を含有し、有機溶媒が好ましくは有機アミンおよび/またはアルカノールアミン、好ましくはエタノールアミンであることを特徴とする。
【0090】
洗浄剤Aおよび/またはBが有機アミンに加えて水も含有するならば、洗浄剤AまたはB中の水と有機アミンおよび/またはアルカノールアミンとの重量比が1:1超、好ましくは2:1超、特に5:1超である、本発明の方法が好ましい。
【0091】
本特許出願のもう1つの対象は、漂白可能な汚れを洗浄するため、好ましくは硬質表面上の茶による汚れを洗浄するための、本発明の方法における有機アミン、特に上記した有機アミンおよび/またはアルカノールアミンの使用である。
【0092】
特に好ましい洗浄剤Aおよび/またはBは、各々の洗浄剤の総重量に基づいて、0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜8重量%、特に1.5重量%〜6重量%の、有機アミンおよびアルカノールアミンの群からの有機溶媒を含有するものである。本発明の方法では、液体状洗浄剤Bが、洗浄剤Bの総重量に基づいて0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜8重量%、特に1.5重量%〜6重量%の量の有機アミンおよびアルカノールアミンの群からの有機溶媒を含有し、一方、液体状洗浄剤A中の有機アミンおよびアルカノールアミンの群からの有機溶媒の量が、洗浄剤Aの総重量に基づいて、好ましくは5重量%未満、特に3重量%未満、特に好ましくは1重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満であり、とりわけ、有機アミンおよびアルカノールアミンの群からの有機溶媒は、洗浄剤A中に存在しない。
【0093】
本発明の洗浄方法の過程における洗浄剤の計量供給に関しては、10,000mPas超、好ましくは50,000mPas超、特に100,000mPas超の粘度を有する洗浄剤が有利であることが分かった。
【0094】
従って、本発明の好ましい方法は、洗浄剤AまたはBの少なくとも1つの粘度(ブルックフィールド粘度計 LVT-II、20rpmおよび20℃、スピンドル3)が、200mPas〜10,000mPas、好ましくは500mPas〜7000mPas、特に1000mPas〜4000mPasである方法である。特に好ましい洗剤または洗浄剤の粘度(ブルックフィールド粘度計 LVT-II、20rpmおよび20℃、スピンドル3)は、500mPas超、好ましくは1000mPas超、特に2000mPas超である。
【0095】
洗浄剤の所望の粘度を達成するために、好ましくは洗浄剤に増粘剤、特に下記群からの増粘剤を添加する:寒天、カラギーン、トラガカントゴム、アラビアゴム、アルギネート、ペクチン、ポリオース、グアー粉、イナゴマメ粉、デンプン、デキストリン、ゼラチン、カゼイン、カルボキシメチルセルロース、イナゴマメゴムエーテル、ポリアクリルおよびポリメタクリル化合物、ビニルポリマー、ポリカルボン酸、ポリエーテル、ポリイミン、ポリアミド、ポリケイ酸、粘土鉱物、例えば、モンモリロナイト、ゼオライトおよびケイ酸。洗浄剤が、洗浄剤の総重量に基づいて0.1重量%〜8重量%、好ましくは0.2重量%〜6重量%、特に好ましくは0.4重量%〜4重量%の量で増粘剤を含有する場合が、特に有利であることが分かった。
【0096】
本発明において増粘剤として使用できる天然起源ポリマーは、例えば、上記したような、寒天、カラギーナン、トラガカントゴム、アラビアゴム、アルギネート、ペクチン、ポリオース、グアー粉、イナゴマメ粉、デンプン、デキストリン、ゼラチンおよびカゼインを包含する。
【0097】
変性天然物質は、主に、変性デンプンおよびセルロース、例えば、カルボキシメチルセルロースおよび他のセルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース並びにイナゴマメゴムエーテルの群に由来する。
【0098】
様々な応用分野で広く使用される増粘剤の群は、ポリアクリル化合物およびポリメタクリル化合物、ビニルポリマー、ポリカルボン酸、ポリエーテル、ポリイミン、ポリアミドおよびポリウレタンのような完全合成ポリマーを包含する。これらの種類の物質からの増粘剤は、広く市販されており、例えば以下の商標名で販売されている:Acusol(登録商標)820(メタクリル酸(ステアリルアルコール20−EO)エステル−アクリル酸コポリマー、水中30%、Rohm & Haas)、Dapral(登録商標)GT-282-S(アルキルポリグリコールエーテル、Akzo)、Deuterol(登録商標)Polymer 11(ジカルボン酸コポリマー、Schoener GmbH)、Deuteron(登録商標)XG(β−D−グルコース、D−マンノース、D−グルクロン酸に基づいたアニオン性ヘテロ多糖類、Schoener GmbH)、Deuteron(登録商標)XN(非イオン性多糖類、Schoener GmbH)、Dicrylan(登録商標)thickener O(エチレンオキシド付加物、水/イソプロパノール中50%、Pfersse Chemie)、EMA(登録商標)81およびEMA(登録商標)91(エチレン−無水マレイン酸コポリマー、Monsanto)、thickener QR 1001(ポリウレタンエマルション、水/ジグリコールエーテル中19〜21%、Rohm & Haas)、Mirox(登録商標)AM(アニオン性アクリル酸−アクリル酸エステルコポリマー分散体、水中25%、Stockhausen)、SER-AD-FX 1100(疎水性ウレタンポリマー、Servo Delden)、Shellflo(登録商標)S(ホルムアルデヒドで安定化された高分子多糖類、Shell)、およびShellflo(登録商標)XA(ホルムアルデヒドで安定化されたキサンタンバイオポリマー、Shell)。
【0099】
本発明の洗浄剤は、漂白剤を含有してもよい。洗浄剤AおよびBの漂白剤含有量に関して、2つの好ましい含有量が異なっていてもよい。
【0100】
第一の好ましい態様では、液体状洗浄剤AおよびBの漂白剤含有量は、低く、好ましくは2重量%未満の量で選択される。本発明の方法を実施することにより、かつ漂白剤含有量が低い洗浄剤を使用することにより、意外にも、漂白剤含有洗浄剤を用いて達成される洗浄能力に匹敵する洗浄能力が達成できた。しかしながら、漂白剤を除外することにより製造コストが低下すると同時に、配合に関する自由度は増した。
【0101】
この理由から、洗浄剤AおよびBの漂白剤含有量が各々2重量%未満、好ましくは1重量%未満、特に0.5重量%未満、とりわけ0.1重量%未満であることを特徴とする、本発明の方法が好ましい。洗浄剤AおよびBが漂白剤を含有しない、本発明の方法が特に好ましい。
【0102】
第二の好ましい態様では、洗浄剤Aおよび/またはBは漂白剤を含有し、洗浄剤Bが0.1重量%〜15重量%の漂白剤含有量を有する方法が特に好ましい。好ましい方法は、洗浄剤Bの漂白剤含有量が、洗浄剤Bの総重量に各々基づいて、0.5重量%〜15重量%、好ましくは2.0重量%〜15重量%、特に好ましくは3重量%〜12重量%、とりわけ5重量%〜10重量%であることを特徴とする。この態様において、洗浄剤Aの漂白剤含有量は、好ましくは2重量%未満、特に1重量%未満、好適には0.5重量%未満、とりわけ0.1重量%未満である。特に好ましい方法は、洗浄剤Aが漂白剤を含有しないことを特徴とする。
【0103】
に加えて、水中でHを生じる化合物、即ち、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム四水化物、および過ホウ酸ナトリウム一水化物が、漂白剤の群に属する。他の漂白剤は、例えば、過ピロリン酸塩、クエン酸塩過水和物、およびHを供給する過酸塩、または過酸、例えば、過安息香酸塩、過フタル酸塩、ジペルアゼライン酸、フタロイミノ過酸またはジペルドデカン二酸を包含する。
【0104】
典型的な有機漂白剤は、ジアシルパーオキシド、例えばジベンゾイルパーオキシドを包含する。他の典型的な有機漂白剤は過酸を包含し、アルキル過酸およびアリール過酸が例として特に挙げられる。好ましい例は、(a)過安息香酸およびその環置換誘導体、例えばアルキル過安息香酸、並びにペルオキシ−α−ナフトエ酸およびモノペルフタル酸マグネシウム、(b)脂肪族または置換脂肪族過酸、例えば、過ラウリン酸、過ステアリン酸、ε−フタルイミド過カプロン酸(フタルイミノ過ヘキサン酸(PAP))、o−カルボキシベンズアミド過カプロン酸、N−ノネニルアミド過アジピン酸およびN−ノネニルアミド過コハク酸塩、並びに(c)脂肪族および芳香脂肪族ペルオキシジカルボン酸、例えば、1,12−ジペルオキシカルボン酸、1,9−ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラシル酸、ジペルオキシフタル酸、2−デシルジペルオキシブタン−1,4−二酸、N,N−テレフタロイル−ジ−(6−アミノ過カプロン酸)を包含する。
【0105】
洗浄剤Aおよび/またはBが漂白剤を含有するならば、60℃以下の温度での洗浄において改善された漂白効果を達成するために、漂白活性剤も好ましくは添加する。使用できる漂白活性剤は、過加水分解条件下で、好ましくは1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を含有する脂肪族過カルボン酸、および/または任意に置換されていてよい過安息香酸を生じる化合物を包含する。上記した数の炭素原子を含有するO−アシル基および/またはN−アシル基、および/または任意に置換されていてよいベンゾイル基を有する物質も適している。ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N−アシルイミド、特にN−ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn−ノナノイルオキシベンゼンスルホネートまたはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n−NOBSまたはイソ−NOBS)、カルボン酸無水物、特にフタル酸無水物、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテートおよび2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフランが好ましい。
【0106】
本発明において好ましく使用される他の漂白活性剤は、カチオン性ニトリル、特に式:
【化6】

[式中、Rは、H、CH、C2〜24アルキルまたはアルケニル基、群Cl、Br、OH、NH、CNからの少なくとも1つの置換基を含有する置換C2〜24アルキルまたはアルケニル基、C1〜24アルキル基含有アルキルまたはアルケニルアリール基を表すか、或いは芳香環上にC1〜24アルキル基と少なくとも1つの更なる置換基とを含有する置換アルキルまたはアルケニルアリール基を表し、RおよびRは、相互に独立に、-CH2-CN、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH3、-CH(CH3)-CH3、-CH2-OH、-CH2-CH2-OH、-CH(OH)-CH3、-CH2-CH2-CH2-OH、-CH2-CH(OH)-CH3、-CH(OH)-CH2-CH3、-(CH2CH2-O)nH(ここで、n=1、2、3、4、5または6)から選択され、Xはアニオンである。]
で示されるカチオン性ニトリルの群からの化合物を包含する。
【0107】
式:
【化7】

[式中、R、RおよびRは、相互に独立に、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH3、-CH(CH3)-CH3から選択され、RはHであってもよく、Xはアニオンであり、好ましくはR=R=−CH、特にR=R=R=−CHである。]
で示されるカチオン性ニトリルが特に好ましい。式:(CH3)3N(+)CH2-CH X-、(CH3CH2)3N(+)CH2-CN X-、(CH3CH2CH2)3N(+)CH2-CN X-、(CH3CH(CH3))3N(+)CH2-CN X-または(HO-CH2-CH2)3N(+)CH2-CN X-で示される化合物がとりわけ好ましい。これらの物質の群のうち、式:(CH3)3N(+)CH2-CN X-[式中、Xは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、重硫酸イオン、メトスルフェートイオン、p−トルエンスルホナトイオン(トシレートイオン)、またはキシレンスルホナトイオンの群から選択されるアニオンを表す。]
で示されるカチオン性ニトリルが特に好ましい。
【0108】
漂白活性剤は、過加水分解条件下で、好ましくは1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を含有する脂肪族過カルボン酸、および/または任意に置換されていてよい過安息香酸を生じる化合物であり得る。適当な物質は、上記した数の炭素原子を含有するO−アシル基および/またはN−アシル基、および/または任意に置換されていてよいベンゾイル基を有する物質である。ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N−アシルイミド、特にN−ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn−ノナノイルオキシベンゼンスルホネートまたはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n−NOBSまたはイソ−NOBS)、カルボン酸無水物、特にフタル酸無水物、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテート、2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフラン、n−メチルモルホリニウムアセトニトリルメチルスルフェート(MMA)、並びにアセチル化ソルビトールおよびマンニトールおよび/またはそれらの混合物(SORMAN)、アシル化糖誘導体、特に、ペンタアセチルグルコース(PAG)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロースおよびオクタアセチルラクトース、並びにアシル化、任意にN−アルキル化グルカミンおよびグルコノラクトンおよび/またはN−アシル化ラクタム、例えば、N−ベンゾイルカプロラクタムが好ましい。親水性置換基を含有するアシルアセタールおよびアシルラクタムも使用するのに好ましい。通常の漂白活性剤の組み合わせも使用してよい。
【0109】
ニトリルクォートに加えて更なる漂白活性剤を使用するならば、好ましくは、下記群からの好ましい漂白活性剤を使用する:ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、N−アシルイミド、特にN−ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn−ノナノイルオキシベンゼンスルホネートまたはイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n−NOBSまたはイソ−NOBS)、n−メチルモルホリニウムアセトニトリルメチルスルフェート(MMA)。
【0110】
通常の漂白活性剤に代えてまたは加えて、いわゆる漂白触媒も使用してよい。これらの物質は、漂白効果を増強する遷移金属塩および/または遷移金属錯体、例えば、Mn−、Fe−、Cu−、Ru−またはMo−塩錯体またはカルボニル錯体である。N含有三脚型配位子を含むMn、Fe、Co、Ru、Mo、Ti、VおよびCu錯体、並びにCo−、Fe−、Cu−およびRu−アンミン錯体も、漂白触媒として使用してよい。
【0111】
特に中心原子Mn、Fe、Co、Cu、Mo、V、Tiおよび/またはRuを有する、漂白増強遷移金属錯体、好ましくはマンガンおよび/またはコバルトの塩および/または錯体、特に好ましくはコバルト(アンミン)錯体、コバルト(アセテート)錯体、コバルト(カルボニル)錯体、コバルトまたはマンガンの塩化物、硫酸マンガンの群から選択されるものを使用する。
【0112】
塩素漂白剤は、本発明の方法における使用に特に有効であることが分かった。これらの漂白剤の群は、例えば、複素環式N−ブロモアミドおよびN−クロロアミド、例えば、トリクロロイソシアヌール酸、トリブロモイソシアヌール酸、ジブロモイソシアヌール酸および/またはジクロロイソシアヌール酸(DICA)および/またはそれらのカチオン(例えばカリウムおよびナトリウム)との塩を包含する。1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントインのようなヒダントイン化合物も、これらの漂白剤の群に属する。
【0113】
洗浄剤Bが0.1重量%〜20重量%の塩素漂白剤を含有する、本発明の方法が好ましい。従って、本特許出願の好ましい対象はまた、予備濯ぎサイクルおよび洗浄サイクルを含む食器洗い機での食器の機械洗浄方法であって、組成:
A:10〜75重量%のビルダー、
0.1〜10重量%の酵素、
24.9〜89.9重量%の溶媒、および
B:10〜74.9重量%のビルダー、
25〜89.9重量%の溶媒、
0.1〜15重量%の塩素漂白剤
を有する2種の液体状洗浄剤AおよびBを、2つの逐次的な時間t1およびt2に食器洗い機内部に計量供給し、液体状洗浄剤AがpH6〜9(20℃)を有し、時間t1に計量供給され、一方、液体状洗浄剤BがpH9〜14(20℃)を有し、時間t2に計量供給される、方法である。
【0114】
上記した本発明の製剤は、上記した成分に加えて、他の活性洗剤および活性洗浄物質、好ましくは、界面活性剤、ポリマー、漂白活性剤、ガラス腐蝕防止剤、腐蝕防止剤、崩壊剤、香料および芳香賦形剤、着色剤および防腐剤の群からの活性洗剤および活性洗浄物質も含有してよい。これらの好ましい成分を、以下により詳細に示す。
【0115】
界面活性剤の群は、非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性界面活性剤を包含する。
【0116】
使用できる非イオン性界面活性剤は、当業者によく知られている非イオン性界面活性剤の全てを包含する。適当な非イオン性界面活性剤は、例えば、一般式:RO(G)[式中、Rは、8〜22個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子を含有する、直鎖またはメチル分枝、特に2位メチル分枝の第一級脂肪族基であり、Gは、5または6個の炭素原子を含有するグリコース単位、好ましくはグルコースを表す記号である。]で示されるアルキルグリコシドを包含する。モノグリコシドおよびオリゴグリコシドの分布を表すオリゴマー化度xは、1〜10の数であってよい。好ましくは、xは1.2〜1.4である。
【0117】
単独の非イオン性界面活性剤として或いは他の非イオン性界面活性剤と組み合わせて使用される、本発明における使用に好ましい非イオン性界面活性剤の他の種類は、アルキル鎖中に好ましくは1〜4個の炭素原子を含有する、アルコキシル化された、好ましくはエトキシル化された、またはエトキシル化かつプロポキシル化された、脂肪酸アルキルエステルを包含する。
【0118】
アミンオキシドタイプの非イオン性界面活性剤、例えばN−ココアルキル−N,N−ジメチルアミンオキシドおよびN−獣脂アルキル−N,N−ジヒドロキシエチルアミンオキシド、並びに脂肪酸アルカノールアミドも好適であり得る。非イオン性界面活性剤の量は、好ましくは、エトキシル化脂肪アルコールの量以下、特にその半分以下である。
【0119】
別の好適な界面活性剤は、式:
【化8】

[式中、Rは、6〜22個の炭素原子を含有する脂肪族アシル基を表し、Rは、水素、1〜4個の炭素原子を含有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基を表し、[Z]は3〜10個の炭素原子と3〜10個のヒドロキシル基とを含有する直鎖または分枝ポリヒドロキシアルキル基を表す。]
で示されるポリヒドロキシ脂肪酸アミドを包含する。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドは既知の物質であり、通常、還元糖を、アンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンで還元的アミノ化し、その後、脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸クロリドでアシル化することにより得ることができる。
【0120】
また、ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの群は、式:
【化9】

[式中、Rは、7〜12個の炭素原子を含有する直鎖または分枝アルキルまたはアルケニル基を表し、Rは、2〜8個の炭素原子を含有する直鎖、分枝または環状アルキル基或いはアリール基を表し、Rは、1〜8個の炭素原子を含有する直鎖、分枝もしくは環状アルキル基またはアリール基またはオキシアルキル基を表し(この場合、C1〜4−アルキル基またはフェニル基が好ましい)、[Z]は、アルキル鎖が少なくとも2つのヒドロキシル基により置換されている直鎖ポリヒドロキシアルキル基、またはこの基のアルコキシル化誘導体、好ましくはエトキシル化もしくはプロポキシル化誘導体を表す。]
で示される化合物も包含する。
【0121】
[Z]は、好ましくは、還元糖、例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノースまたはキシロースの還元的アミノ化により得られる。N−アルコキシ−もしくはN−アリールオキシ−置換化合物は、触媒としてのアルコキシドの存在下で脂肪酸メチルエステルと反応させることにより、所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミドに転化され得る。
【0122】
好ましい界面活性剤は低発泡非イオン性界面活性剤を包含する。洗剤または洗浄剤、特に機械による食器洗い用の洗浄剤は、とりわけ好ましくは、アルコキシル化アルコールの群からの非イオン性界面活性剤を含有する。好ましくは8〜18個の炭素原子とアルコール1molあたり平均して1〜12molのエチレンオキシド(EO)とを含有する、好ましくはアルコキシル化された、有利にはエトキシル化された、特に第一級のアルコールを非イオン性界面活性剤として使用する。そのアルコール基は、直鎖または好ましくは2位メチル分枝であってよく、および/またはオキソアルコール基に通常見られるように直鎖基とメチル分枝基とを混合して有していてもよい。しかしながら、12〜18個の炭素原子を含有する天然起源アルコール、例えば、ココナツアルコール、パームアルコール、獣脂アルコールまたはオレイルアルコールからの直鎖基と、アルコール1molあたり平均して2〜8molのEOとを含有するアルコールエトキシレートが特に好ましい。好ましいエトキシル化アルコールは、例えば、3EOまたは4EO含有C12〜14アルコール、7EO含有C9〜11アルコール、3EO、5EO、7EOまたは8EO含有C13〜15アルコール、3EO、5EOまたは7EO含有C12〜18アルコール、およびそれらの混合物、例えば3EO含有C12〜14アルコールと5EO含有C12〜18アルコールとの混合物を包含する。上記したエトキシル化度は、特定の生成物に対して整数または分数であり得る統計的平均値である。好ましいアルコールエトキシレートは狭い同族体分布を有する(狭範囲エトキシレート、NRE)。これらの非イオン性界面活性剤の他に、12を超えるEOを含有する脂肪アルコールを使用することもできる。その例は、14EO、25EO、30EOまたは40EOを含有する獣脂脂肪アルコールを包含する。
【0123】
従って、エトキシル化非イオン性界面活性剤、例えば、C6〜20モノヒドロキシアルカノールまたはC6〜20アルキルフェノールまたはC16〜20脂肪アルコールと、アルコール1molあたり12mol超、好ましくは15mol超、特に20mol超のエチレンオキシドとから得られるエトキシル化非イオン性界面活性剤を、特に好ましくは使用する。とりわけ好適な非イオン性界面活性剤は、16〜20個の炭素原子を含有する直鎖脂肪アルコール(C16〜20アルコール)、好ましくはC18アルコールから得られ、少なくとも12mol、好ましくは少なくとも15mol、特に少なくとも20molのエチレンオキシドがとりわけ好適である。これらのうち、いわゆる「狭範囲エトキシレート」が特に好ましい。
【0124】
更に、シリコーン抑泡剤と組み合わせて、20〜30EO含有獣脂脂肪アルコールを1種以上含有する界面活性剤が特に好ましい。
【0125】
室温より高い融点を有する非イオン性界面活性剤が特に好ましい。20℃超、好ましくは25℃超、特に好ましくは25℃〜60℃、特に26.6℃〜43.3℃の融点を有する非イオン性界面活性剤が特に好ましい。
【0126】
上記した温度範囲に融点および/または軟化点を有する適当な非イオン性界面活性剤は、例えば、室温で固体または高粘性であり得る低発泡非イオン性界面活性剤である。室温で高粘性である非イオン性界面活性剤を使用するならば、20Pa・s超、好ましくは35Pa・s超、特に40Pa・s超の粘度を有するのが好ましい。室温でワックス様の粘稠度を有する非イオン性界面活性剤も好ましい。
【0127】
アルコキシル化アルコールの群から、特に好ましくは混合アルコキシル化アルコールの群から、とりわけEO−AO−EO非イオン性界面活性剤の群からの非イオン性界面活性剤を、特に好ましくは使用する。
【0128】
室温で固体である非イオン性界面活性剤は、好ましくは、分子中にプロピレンオキシド単位を含有する。そのようなPO単位は、非イオン性界面活性剤の総分子量の、好ましくは25重量%まで、特に好ましくは20重量%まで、とりわけ15重量%までを構成する。特に好ましい非イオン性界面活性剤は、更にポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー単位を含有する、エトキシル化モノヒドロキシアルカノールまたはアルキルフェノールである。そのような非イオン性界面活性剤分子のアルコール部および/またはアルキルフェノール部は、そのような非イオン性界面活性剤の総分子量の、好ましくは30重量%超、特に好ましくは50重量%超、とりわけ70重量%超を構成する。好ましい製剤は、分子中のプロピレンオキシド単位が非イオン性界面活性剤の総分子量の25重量%まで、好ましくは20重量%まで、特に15重量%までを構成する、エトキシル化およびプロポキシル化非イオン性界面活性剤を含有することを特徴とする。
【0129】
使用するのに好ましい界面活性剤は、アルコキシル化非イオン性界面活性剤、特にエトキシル化第一級アルコール、およびそれらのより複雑な構造を有する界面活性剤(例えばポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン((PO/EO/PO)界面活性剤))混合物の群に由来する。そのようなPO/EO/PO非イオン性界面活性剤はまた、良好な発泡制御を特徴とする。
【0130】
室温より高い融点を有する別の特に好ましい非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシド17molとプロピレンオキシド44molとを有する、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンの逆ブロックコポリマー75重量%、並びにトリメチロールプロパンを用いて出発し、トリメチロールプロパン1molあたりエチレンオキシド24molとプロピレンオキシド99molとを有する、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンのブロックコポリマー25重量%を含有する、ポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックポリマー混合物40%〜70%を含有する。
【0131】
本発明の範囲において、ここでの使用では、交互のエチレンオキシド単位およびアルキレンオキシド単位を含有する低発泡非イオン性界面活性剤が、特に好ましい非イオン性界面活性剤であることが分かった。それらのうち、個々に他の群からのブロックが続く前に、1〜10のEOおよび/またはAO基が互いに結合する、EO−AO−EO−AOブロック含有界面活性剤が好ましい。以下の一般式:
【化10】

[式中、Rは、直鎖または分枝、飽和または単不飽和またはポリ不飽和C6〜24アルキル基またはアルケニル基を示し、各基Rおよび/またはRは、相互に独立に、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2-CH3、-CH(CH3)2から選択され、添え字w、x、y、zは、相互に独立に、1〜6の整数を表す。]
で示される非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0132】
上記した式で示される好ましい非イオン性界面活性剤は、対応するアルコールR−OH並びにエチレンオキシドおよび/またはアルキレンオキシドから既知の方法により合成され得る。上記した式中の基Rは、アルコールの種類によって変化してよい。天然起源のものを使用するならば、R基は、偶数個の炭素原子を含有し、通常、直鎖である。12〜18個の炭素原子を含有する天然起源アルコール(例えば、ココナツアルコール、パームアルコール、獣脂アルコールまたはオレイルアルコール)の直鎖基が好ましい。合成起源のものから利用可能なアルコールは、例えば、ゲルベアルコール、或いはオキソアルコール基中に通常存在する基のような混合状態の直鎖基およびメチル分枝基および/または2位メチル分枝基を含有するアルコールを包含する。製剤中に含有される非イオン性界面活性剤に使用されるアルコールがどのように調製されたかにかかわらず、上記した式中のRが6〜24個の炭素原子、好ましくは8〜20個の炭素原子、特に好ましくは9〜15個の炭素原子、とりわけ9〜11個の炭素原子を含有するアルキル基を表す、非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0133】
プロピレンオキシドに加えて、特に、ブチレンオキシドが、エチレンオキシド単位に代えて、好ましい非イオン性界面活性剤中に存在するアルキレンオキシド単位として考慮され得る。しかしながら、Rおよび/またはRが相互に独立に-CH2CH2-CH3および/または-CH(CH3)2から選択される、他のアルキレンオキシドも適している。Rおよび/またはRが-CH3基を表し、wおよびxが相互に独立に3または4の値を表し、yおよびzが相互に独立に1または2の値を表す、上記した式で示される非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0134】
要約すれば、特に、1〜3のエチレンオキシド単位、続いて1〜4のプロピレンオキシド単位、続いて1〜4のエチレンオキシド単位、続いて1〜4のプロピレンオキシド単位を伴ったC9〜15アルキル基を含有する非イオン性界面活性剤がとりわけ好ましい。これらの界面活性剤は、水溶液中で所望の低粘性を有し、本発明に従って特に好ましく使用され得る。
【0135】
好ましい界面活性剤は、一般式:
R1-CH(OH)CH2O-(AO)w-(A'O)x-(A''O)y-(A'''O)z-R2,
[式中、RおよびRは、相互に独立に、直鎖または分枝、飽和または単不飽和および/またはポリ不飽和C2〜40アルキル基またはアルケニル基を表し、A、A’、A’’およびA’’’は、相互に独立に、群-CH2CH2-、-CH2CH2-CH2-、-CH2-CH(CH3)-、-CH2-CH2-CH2-CH2-、-CH2-CH(CH3)-CH2-、-CH2-CH(CH2-CH3)-からの基を表し、w、x、yおよびzは、0.5〜90の値を表し、x、yおよび/またはzは0であってもよい。]
で示される界面活性剤である。
【0136】
特に、好ましい末端基キャップポリオキシアルキル化非イオン性界面活性剤は、式:
R1O[CH2CH2O]xCH2CH(OH)R2
で示される界面活性剤であり、これは、2〜30個の炭素原子、好ましくは4〜22個の炭素原子を含有する直鎖または分枝、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族炭化水素基を表すR基に加えて、1〜30個の炭素原子を含有する直鎖または分枝、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族炭化水素基Rも含有し、式中、xは1〜90の値、好ましくは40〜80の値、特に40〜60の値を表す。
【0137】
式:
R1O[CH2CH(CH3)O]x[CH2CH2O]yCH2CH(OH)R2,
[式中、Rは、4〜18個の炭素原子を含有する直鎖または分枝脂肪族炭化水素基或いはそれらの混合物を表し、Rは、2〜26個の炭素原子を含有する直鎖または分枝炭化水素基或いはそれらの混合物を表し、xは0.5〜1.5の値を表し、yは少なくとも15の値を表す。]
で示される界面活性剤が特に好ましい。
【0138】
また、式:
R1O[CH2CH2O]x[CH2CH(R3)O]yCH2CH(OH)R2,
[式中、RおよびRは、相互に独立に、2〜26個の炭素原子を含有する直鎖または分枝、飽和または単不飽和および/またはポリ不飽和炭化水素基を表し、Rは他から独立して、-CH3、-CH2CH3、-CH2-CH2-CH3、-CH(CH3)2から選択されるが、好ましくは-CH3を表し、xおよびyは、相互に独立に、1〜32の値を表す。]
で示される末端基キャップポリオキシアルキル化非イオン性界面活性剤が特に好ましい。R=−CH、かつxが15〜32の値を有し、yが0.5〜1.5の値を有する、非イオン性界面活性剤が最も好ましい。
【0139】
本発明での使用に好ましい別の非イオン性界面活性剤は、式:
R1O[CH2CH(R3)O]x[CH2]kCH(OH)[CH2]jOR2,
[式中、RおよびRは、1〜30個の炭素原子を含有する直鎖または分枝、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族炭化水素基を表し、Rは、H、或いはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、または2−メチル−2−ブチル基を表し、xは1〜30の値を表し、kおよびjは1〜12、好ましくは1〜5の値を表す。]
で示される末端基キャップポリオキシアルキル化非イオン性界面活性剤である。xが2以上の値ならば、上記した式:R1O[CH2CH(R3)O]x[CH2]kCH(OH)[CH2]jOR2中のRは異なっていてよい。RおよびRは、好ましくは、6〜22個の炭素原子を含有する直鎖または分枝、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族炭化水素基であり、8〜18個の炭素原子を含有する基が特に好ましい。R基については、H、−CH、または−CHCHが特に好ましい。xについて特に好ましい値は、1〜20、特に6〜15の範囲である。
【0140】
上記したように、xが2以上ならば、上記した式中の各Rは異なっていてよい。このように、括弧内のアルキレンオキシド単位は変化できる。例えば、xが3を表すならば、R基はエチレンオキシド(R=H)単位またはプロピレンオキシド(R=CH)単位から選択され得、任意の順序、例えば、(EO)(PO)(EO)、(EO)(EO)(PO)、(EO)(EO)(EO)、(PO)(EO)(PO)、(PO)(PO)(EO)および(PO)(PO)(PO)で、一緒に結合され得る。例として、ここではxについて値3を選択したが、容易により大きくすることができる。この場合、変化の幅は、x値の上昇に伴って広がり、例えば、少数のPO基と組み合わせた多数のEO基、またはその逆を含む。
【0141】
上記した式の特に好ましい末端基キャップポリオキシアルキル化アルコールは、k=1かつj=1であり、従って、上記した式は、R1O[CH2CH(R3)O]xCH2CH(OH)CH2OR2に簡素化される。この式において、R、RおよびRは上記のように定義され、xは1〜30、好ましくは1〜20、特に6〜18の数を表す。基RおよびRが各々9〜14個の炭素原子を含有し、RがHを表し、xが6〜15の値をとる、界面活性剤が特に好ましい。
【0142】
上記した非イオン性界面活性剤の記載した炭素鎖長さ並びにエトキシル化度および/またはアルコキシル化度は、統計的平均値であり、特定の生成物に対して整数または分数であってよい。上記した式で示される市販品は、製造方法に基づいて通常1種の個々の例から構成されず混合物であるので、炭素鎖長さ並びにエトキシル化度および/またはアルコキシル化度に対して平均値、従って分数値が得られる。
【0143】
上記した非イオン性界面活性剤は、個々の物質としてだけでなく、2種、3種、4種またはそれ以上の界面活性剤の界面活性剤混合物としても使用できる。界面活性剤混合物は、上記した一般式の1つに全体として該当する非イオン性界面活性剤の混合物ではないが、上記した一般式の変形体により記載され得る、2種、3種、4種またはそれ以上の非イオン性界面活性剤を含有する混合物である。
【0144】
洗浄剤Aが0.2重量%〜10重量%、好ましくは0.4重量%〜7重量%、特に0.6重量%〜4重量%の非イオン性界面活性剤も含有することを特徴とする、本発明の方法が好ましい。
【0145】
上記した界面活性剤に代えてまたは組み合わせて、カチオン性界面活性剤および/または両性界面活性剤も使用できる。
【0146】
例えば、以下の式:
【化11】

[式中、各R基は、相互に独立に、C1〜6アルキル、アルケニルまたはヒドロキシアルキル基から選択され;各R基は、相互に独立に、C8〜28アルキルまたはアルケニル基から選択され;R=Rまたは(CH2)n-T-R2;R=RまたはRまたは(CH2)n-T-R2;T=-CH2-、-O-CO-または-CO-O-;nは0〜5の整数である。]
で示されるカチオン性界面活性剤を、カチオン性活性物質として使用してよい。
【0147】
ポリマーの群は、特に、活性洗剤または活性洗浄ポリマー、例えば、清浄濯ぎポリマーおよび/または硬水軟化剤として作用するポリマーを包含する。一般に、非イオン性ポリマーに加えて、カチオン性、アニオン性および両性ポリマーも、洗剤および洗浄剤に使用してよい。
【0148】
本発明において、「カチオン性ポリマー」は、ポリマー分子中に正電荷を有するポリマーである。これは、例えば、ポリマー鎖中に存在する(アルキル)アンモニウム基、または他の正に帯電した基により実現される。特に好ましいカチオン性ポリマーは、第四級セルロース誘導体、第四級基含有ポリシロキサン、カチオン性グアー誘導体、重合体ジメチルジアリルアンモニウム塩並びにそれらのアクリル酸およびメタクリル酸のエステルおよびアミドとのコポリマー、ビニルピロリドンとジアルキルアミノアクリレートおよびメタクリレートの四級化誘導体とのコポリマー、ビニルピロリドンメトイミダゾリニウムクロリドコポリマー、四級化ポリビニルアルコール、或いはINCI名ポリクオタニウム2、ポリクオタニウム17、ポリクオタニウム18およびポリクオタニウム27により知られているポリマーの群に由来する。
【0149】
本発明において、「両性ポリマー」は、ポリマー鎖中に正に帯電した基に加えて、負に帯電した基および/またはモノマー単位も含有する。これらの負に帯電した群は、例えば、カルボン酸、スルホン酸またはホスホン酸であってよい。
【0150】
特に好適な機械用食器洗剤に好ましい洗剤または洗浄剤は、式:R1R2C=CR3R4[式中、各基R、R、R、Rは、相互に独立に、水素、誘導体化ヒドロキシル基、C1〜30直鎖または分枝アルキル基、アリール、アリール置換C1〜30直鎖または分枝アルキル基、ポリアルコキシル化アルキル基、(帯電窒素を含有しない少なくとも1つの正電荷、少なくとも1個の四級窒素原子、または2〜11のpH範囲の一部で正電荷を有する少なくとも1つのアミノ基或いはその塩を有する)複素環式有機基から選択され、ただし、基R、R、R、Rの少なくとも1つは、(窒素を含有しない少なくとも1つの正電荷、少なくとも1個の四級窒素原子、または正電荷を有する少なくとも1つのアミノ基を有する)複素環式有機基である。]で示されるモノマー単位を含有するポリマーa)を含有することを特徴とする。
【0151】
本特許出願の範囲内で、特に好ましいカチオン性または両性ポリマーは、モノマー単位として、一般式:
【化12】

[式中、RおよびRは、相互に独立に、H、或いは1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝炭化水素基を表し;RおよびRは、相互に独立に、アルキル基、ヒドロキシアルキル基またはアミノアルキル基を表し(ここで、アルキル基は、直鎖または分枝であり、1〜6個の炭素原子を含有する。)、メチル基が好ましく;xおよびyは、相互に独立に、1〜3の整数を表す。]
の化合物を含有する。Xは、対イオン、好ましくは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、重硫酸イオン、メトスルフェートイオン、ラウリルスルフェートイオン、ドデシルベンゼンスルホナトイオン、p−トルエンスルホナトイオン(トシレートイオン)、クメンスルホナトイオン、キシレン−スルホナトイオン、リン酸イオン、クエン酸イオン、ギ酸イオン、酢酸イオンまたはそれらの混合物の群からの対イオンを表す。
【0152】
上記した式中の好ましい基RおよびRは、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH3、-CH(CH3)-CH3、-CH2-OH、-CH2-CH2-OH、-CH(OH)-CH3、-CH2-CH2-CH2-OH、-CH2-CH(OH)-CH3、-CH(OH)-CH2-CH3、-(CH2CH2-O)nHから選択される。
【0153】
上記した一般式のカチオン性モノマー単位を含有し、式中、RおよびRはHを表し、RおよびRはメチルを表し、xおよびyは各々1である、ポリマーが最も好ましい。式:
【化13】

で示される対応モノマー単位は、Xが塩化物イオンの場合、DADMAC(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)としても知られている。
【0154】
他の特に好ましいカチオン性または両性ポリマーは、一般式:
【化14】

[式中、R、R、R、RおよびRは、相互に独立に、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分枝、飽和または不飽和アルキルまたはヒドロキシアルキル基、好ましくは、-CH3、-CH2-CH3、-CH2-CH2-CH3、-CH(CH3)-CH3、-CH2-OH、-CH2-CH2-OH、-CH(OH)-CH3、-CH2-CH2-CH2-OH、-CH2-CH(OH)-CH3、-CH(OH)-CH2-CH3および-(CH2CH2-O)nHから選択される直鎖または分枝アルキル基を表し、xは1〜6の整数を表す。]
のモノマー単位を含有する。
【0155】
本発明の範囲内では、上記した一般式のカチオン性モノマー単位を含有し、式中、RがHを表し、R、R、RおよびRがメチルを表し、xが3を表す、ポリマーが最も好ましい。式:
【化15】

で示される対応モノマー単位は、Xが塩化物イオンの場合、MAPTAC(メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)としても知られている。
【0156】
モノマー単位としてジアリルジメチルアンモニウム塩および/またはアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩を含有するポリマーが、本発明に従った使用に好ましい。
【0157】
上記した両性ポリマーは、カチオン性基だけでなく、アニオン性の基および/またはモノマー単位も含有する。そのようなアニオン性モノマー単位は、例えば、直鎖または分枝、飽和または不飽和カルボキシレート、直鎖または分枝、飽和または不飽和ホスホネート、直鎖または分枝、飽和または不飽和スルフェート、或いは直鎖または分枝、飽和または不飽和スルホネートの群に由来する。好ましいモノマー単位は、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、(ジメタ)アクリル酸、(エチル)アクリル酸、シアノアクリル酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸およびそれらの誘導体、アリルスルホン酸、例えば、アリルオキシベンゼンスルホン酸およびメタリルスルホン酸またはアリルホスホン酸である。
【0158】
使用に好ましい両性ポリマーは、アルキルアクリルアミド/アクリル酸コポリマー、アルキルアクリルアミド/メタクリル酸コポリマー、アルキルアクリルアミド/メチルメタクリル酸コポリマー、アルキルアクリルアミド/アクリル酸/アルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸コポリマー、アルキルアクリルアミド/メタクリル酸/アルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸コポリマー、アルキルアクリルアミド/メチルメタクリル酸/アルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸コポリマー、アルキルアクリルアミド/アルキルメタクリレート/アルキルアミノエチルメタクリレート/アルキルメタクリレートコポリマー、並びに不飽和カルボン酸、カチオン誘導体化不飽和カルボン酸および任意に他のイオン性または非イオン性モノマーのコポリマーの群に由来する。
【0159】
本発明での使用に好ましい双性イオン性ポリマーは、アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムクロリド/アクリル酸コポリマー並びにそれらのアルカリ塩およびアンモニウム塩、アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムクロリド/メタクリル酸コポリマー並びにそれらのアルカリ塩およびアンモニウム塩、およびメタクロイルエチルベタイン/メタクリレートコポリマーの群に由来する。
【0160】
1種以上のアニオン性モノマーに加えて、カチオン性モノマーとして、メタクリルアミド−アルキルトリアルキルアンモニウムクロリドおよびジメチルジアリルアンモニウムクロリドを含んでなる両性ポリマーも使用に好ましい。
【0161】
特に好ましい両性ポリマーは、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムクロリド/ジメチル(ジアリル)アンモニウムクロリド/アクリル酸コポリマー、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムクロリド/ジメチル(ジアリル)アンモニウムクロリド/メタクリル酸コポリマー、およびメタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウムクロリド/ジメチル(ジアリル)アンモニウムクロリド/アルキル(メタ)アクリル酸コポリマー、並びにそれらのアルカリ塩およびアンモニウム塩の群に由来する。メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/ジメチル(ジアリル)アンモニウムクロリド/アクリル酸コポリマー、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/ジメチル(ジアリル)アンモニウムクロリド/アクリル酸コポリマー、およびメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/ジメチル(ジアリル)アンモニウムクロリド/アルキル(メタ)アクリル酸コポリマー、並びにそれらのアルカリ塩およびアンモニウム塩の群からの両性ポリマーが特に好ましい。
【0162】
本発明の特に好ましい態様では、ポリマーは予め二次加工された形態で存在する。ポリマーの二次加工には、とりわけ、以下が適している。
・好ましくは水溶性または水分散性の天然または合成ポリマーによる被覆;
・非水溶性可融性被覆剤による、好ましくは30℃より高い融点を有するワックスまたはパラフィンの群からの非水溶性被覆剤によるポリマーのカプセル化;
・不活性キャリヤー物質による、好ましくは活性洗剤および洗浄物質の群から、特に好ましくはビルダーまたは共ビルダーの群からのキャリヤー物質によるポリマーの共粒状化。
【0163】
好ましい洗浄剤は、上記したカチオン性および/または両性ポリマーを、配合物の総重量に各々基づいて、好ましくは0.01重量%〜8重量%の量で含有する。しかしながら、本特許出願の範囲内では、カチオン性および/または両性ポリマーの量が、洗浄剤の総重量に各々基づいて、0.01重量%〜6重量%、好ましくは0.01重量%〜4重量%、特に好ましくは0.01重量%〜2重量%、とりわけ0.01重量%〜1重量%である、配合物が好ましい。
【0164】
硬水軟化剤として作用するポリマーは、例えば、スルホン酸基含有ポリマーを包含し、それらは特に有利に使用される。
【0165】
不飽和カルボン酸、スルホン酸基含有モノマー、および任意に他のイオン性または非イオン性モノマーのコポリマーが、スルホン酸基含有ポリマーとして、特に好ましく使用され得る。
【0166】
本発明の範囲内では、好ましいモノマーは、式:
R1(R2)C=C(R3)COOH
[式中、R〜Rは、相互に独立に、−H、−CH、2〜12個の炭素原子を含有する直鎖または分枝、飽和アルキル基、2〜12個の炭素原子を含有する直鎖または分枝、単不飽和またはポリ不飽和アルケニル基、−NH、−OHまたは−COOHで置換されたアルキルまたはアルケニル基、或いは−COOHまたは−COOR(ここで、Rは、1〜12個の炭素原子を含有する飽和または不飽和、直鎖または分枝炭化水素基である。)を表す。]
で示される不飽和カルボン酸である。
【0167】
上記した式により記載できる不飽和カルボン酸のうち、特に、アクリル酸(R=R=R=H)、メタクリル酸(R=R=H;R=CH)、および/またはマレイン酸(R=COOH;R=R=H)が好ましい。
【0168】
スルホン酸基含有モノマーのうち、好ましいものは、式:
R5(R6)C=C(R7)-X-SO3H
[式中、R〜Rは、相互に独立に、H、CH、2〜12個の炭素原子を含有する直鎖または分枝、飽和アルキル基、2〜12個の炭素原子を含有する直鎖または分枝、単不飽和またはポリ不飽和アルケニル基、−NH、−OHまたは−COOHで置換されたアルキルまたはアルケニル基、或いは−COOHまたは−COOR(ここで、Rは、1〜12個の炭素原子を含有する飽和または不飽和、直鎖または分枝炭化水素基である。)を表し、Xは、-(CH2)n-(ここで、n=0〜4)、-COO-(CH2)k-(ここで、k=1〜6)、-C(O)-NH-C(CH3)2および-C(O)-NH-CH(CH2CH3)-から選択される任意のスペーサー基である。]
で示される。
【0169】
これらのモノマーのうち、好ましいものは、式:
H2C=CH-X-SO3H
H2C=C(CH3)-X-SO3H
HO3S-X-(R6)C=C(R7)-X-SO3H,
[式中、RおよびRは、相互に独立に、-H、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2から選択され、Xは、-(CH2)n-(ここで、n=0〜4)、-COO-(CH2)k-(ここで、k=1〜6)、-C(O)-NH-C(CH3)2-および-C(O)-NH-CH(CH2CH3)-から選択される任意のスペーサー基である。]
で示される。
【0170】
特に好ましいスルホン酸基含有モノマーは、1−アクリルアミド−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸、2−アリールアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミド、および上記した酸の水溶性塩を包含する。
【0171】
特に、エチレン性不飽和化合物が、更なるイオン性または非イオン性モノマーとして考慮され得る。出発ポリマー中の、これら更なるイオン性または非イオン性モノマーの量は、ポリマーに基づいて好ましくは20重量%未満である。使用に特に好ましいポリマーは、式:R1(R2)C=C(R3)COOHのモノマーおよび式:R5(R6)C=C(R7)-X-SO3Hのモノマーのみからなる。
【0172】
要約すると、以下からなるコポリマーが特に好ましい:
i)式:R1(R2)C=C(R3)COOH[式中、R〜Rは、相互に独立に、−H、−CH、2〜12個の炭素原子を含有する直鎖または分枝飽和基、2〜12個の炭素原子を含有する直鎖または分枝、単不飽和またはポリ不飽和アルケニル基、−NH、−OHまたは−COOH置換基を含有する先に定義したようなアルキルまたはアルケニル基、或いは−COOHまたは−COOR(ここで、Rは、1〜12個の炭素原子を含有する飽和または不飽和、直鎖または分枝炭化水素基である。)を表す。]で示される不飽和カルボン酸、
ii)式:R5(R6)C=C(R7)-X-SO3H[式中、R〜Rは、相互に独立に、−H、−CH、2〜12個の炭素原子を含有する直鎖または分枝飽和アルキル基、2〜12個の炭素原子を含有する直鎖または分枝、単不飽和またはポリ不飽和アルケニル基、先に定義したような−NH、−OHまたは−COOHで置換されたアルキルまたはアルケニル基、或いは−COOHまたは−COOR(ここで、Rは、1〜12個の炭素原子を含有する飽和または不飽和、直鎖または分枝炭化水素基である。)を表し、Xは、-(CH2)n-(ここで、n=0〜4)、-COO-(CH2)k-(ここで、k=1〜6)、-C(O)-NH-C(CH3)2-および-C(O)-NH-CH(CH2CH3)-から選択される任意のスペーサー基を表す。]で示されるスルホン酸基含有モノマー、
iii)任意に他のイオン性または非イオン性モノマー。
【0173】
他の特に好ましいコポリマーは以下からなる:
i)アクリル酸、メタクリル酸および/またはマレイン酸の群からの1種以上の不飽和カルボン酸、
ii)式:
H2C=CH-X-SO3H
H2C=C(CH3)-X-SO3H
HO3S-X-(R6)C=C(R7)-X-SO3H
[式中、RおよびRは、相互に独立に、-H、-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2から選択され、Xは、-(CH2)n-(ここで、n=0〜4)、-COO-(CH2)k-(ここで、k=1〜6)、-C(O)-NH-C(CH3)2-および-C(O)-NH-CH(CH2CH3)-から選択される任意のスペーサー基を表す。]
で示される1種以上のスルホン酸基含有モノマー、
iii)任意に他のイオン性または非イオン性モノマー。
【0174】
コポリマーは、様々な量で、群i)およびii)および任意にiii)からのモノマーを含有でき、群i)からの例の全ては、群ii)からの例の全ておよび群iii)からの例の全てと組み合わせることができる。
【0175】
特に好ましいポリマーは、以下に記載する特定の構造単位を含有する。
【0176】
例えば、式:
-[CH2-CHCOOH]m-[CH2-CHC(O)-Y-SO3H]p-
[式中、mおよびpは各々、1〜2000の自然数を表し、Yは、1〜24個の炭素原子を含有する、置換または非置換脂肪族、芳香族または置換芳香族炭化水素基から選択されるスペーサー基を表し、Yが-O-(CH2)n-(ここで、n=0〜4)、-O-(C6H4)-、-NH-C(CH3)2-または-NH-CH(CH2CH3)-であるスペーサー基が好ましい。]
の構造単位を含有するコポリマーが好適である。
【0177】
これらのポリマーは、アクリル酸とスルホン酸基含有アクリル酸誘導体とを共重合することにより調製される。スルホン酸基含有アクリル酸誘導体をメタクリル酸と共重合するならば、別のポリマーが得られ、それらを使用することも好ましい。対応するコポリマーは、式:
-[CH2-C(CH3)COOH]m-[CH2-CHC(O)-Y-SO3H]p-
[式中、mおよびpは各々、1〜2000の自然数を表し、Yは、1〜24個の炭素原子を含有する、置換または非置換脂肪族、芳香族または置換芳香族炭化水素基から選択されるスペーサー基を表し、Yが-O-(CH2)n-(ここで、n=0〜4)、-O-(C6H4)-、-NH-C(CH3)2-または-NH-CH(CH2CH3)-であるスペーサー基が好ましい。]
の構造単位を含有する。
【0178】
完全な類似性により、分子中の構造単位が部分的に変化するように、アクリル酸および/またはメタクリル酸をスルホン酸基含有メタクリル酸誘導体と共重合することもできる。例えば、式:
-[CH2-CHCOOH]m-[CH2-C(CH3)C(O)-Y-SO3H]p-
[式中、mおよびpは各々、1〜2000の自然数を表し、Yは、1〜24個の炭素原子を含有する、置換または非置換脂肪族、芳香族または置換芳香族炭化水素基から選択されるスペーサー基を表し、Yが-O-(CH2)n-(ここで、n=0〜4)、-O-(C6H4)-、-NH-C(CH3)2-または-NH-CH(CH2CH3)-であるスペーサー基が好ましい。]
の構造単位を含有するコポリマーが好適であり、同様に、式:
-[CH2-C(CH3)COOH]m-[CH2-C(CH3)C(O)-Y-SO3H]p-
[式中、mおよびpは各々、1〜2000の自然数を表し、Yは、1〜24個の炭素原子を含有する、置換または非置換脂肪族、芳香族または置換芳香族炭化水素基から選択されるスペーサー基を表し、Yが-O-(CH2)n-(ここで、n=0〜4)、-O-(C6H4)-、-NH-C(CH3)2-または-NH-CH(CH2CH3)-であるスペーサー基が好ましい。]
の構造単位を含有するコポリマーも好適である。
【0179】
アクリル酸および/またはメタクリル酸に代えておよび/または加えて、マレイン酸も、群i)からの特に好ましいモノマーとして使用できる。このようにして、本発明に従って好ましいコポリマーは、式:
-[HOOCCH-CHCOOH]m-[CH2-CHC(O)-Y-SO3H]p-
[式中、mおよびpは各々、1〜2000の自然数を表し、Yは、1〜24個の炭素原子を含有する、置換または非置換の脂肪族、芳香族または芳香脂肪族炭化水素基から選択されるスペーサー基を表し、Yが-O-(CH2)n-(ここで、n=0〜4)、-O-(C6H4)-、-NH-C(CH3)2-または-NH-CH(CH2CH3)-であるスペーサー基が好ましい。]
の構造単位を含有する。また、式:
-[HOOCCH-CHCOOH]m-[CH2-C(CH3)C(O)O-Y-SO3H]p-
[式中、mおよびpは各々、1〜2000の自然数を表し、Yは、1〜24個の炭素原子を含有する、置換または非置換脂肪族、芳香族または置換芳香族炭化水素基から選択されるスペーサー基を表し、Yが-O-(CH2)n-(ここで、n=0〜4)、-O-(C6H4)-、-NH-C(CH3)2-または-NH-CH(CH2CH3)-であるスペーサー基が好ましい。]
の構造単位を含有するコポリマーも本発明では好適である。
【0180】
要約すると、以下の式:
【化16】

[式中、mおよびpは各々、1〜2000の自然数を表し、Yは、1〜24個の炭素原子を含有する、置換または非置換脂肪族、芳香族または置換芳香族炭化水素基から選択されるスペーサー基を表し、Yが-O-(CH2)n-(ここで、n=0〜4)、-O-(C6H4)-、-NH-C(CH3)2-または-NH-CH(CH2CH3)-であるスペーサー基が好ましい。]
の構造単位を含有するコポリマーが本発明では好適である。
【0181】
ポリマー中のスルホン酸基は、完全にまたは部分的に、中和された状態で存在してよい。即ち、スルホン酸基の酸性水素原子は、スルホン酸基の一部または全てにおいて、金属イオン(好ましくはアルカリ金属イオン、特にナトリウムイオン)に置き換えられていてよい。部分的にまたは完全に中和されたスルホン酸基含有コポリマーの使用が、本発明では好ましい。
【0182】
群i)およびii)からのモノマーしか含有しないコポリマーにおいて、本発明に従った使用に好ましいコポリマーのモノマー分布は、ポリマーに各々基づいて、好ましくは5重量%〜95重量%のi)および/またはii)、特に好ましくは50重量%〜90重量%の群i)からのモノマーおよび10重量%〜50重量%の群ii)からのモノマーである。
【0183】
ターポリマーでは、20重量%〜85重量%の群i)からのモノマー、10重量%〜60重量%の群ii)からのモノマー、および5重量%〜30重量%の群iii)からのモノマーを含有するものが、特に好ましい。
【0184】
本発明に従った使用に好ましいスルホコポリマーの分子量は、望ましい意図した用途にポリマーの特性を適合させるために変化させることができる。好ましい洗剤または洗浄剤は、コポリマーが、2000g/mol〜200,000g/mol、好ましくは4000g/mol〜25,000g/mol、特に5000g/mol〜15,000g/molの分子量を有することを特徴とする。
【0185】
洗浄剤Aおよび/または洗浄剤Bが、洗浄剤Aおよび/またはBの総重量に基づいて、0.01重量%〜15重量%、好ましくは0.02重量%〜12重量%、特に0.1重量%〜8重量%の1種以上の活性洗剤または活性洗浄ポリマーも含有することを特徴とする配合物も、本発明では好ましい。
【0186】
ガラス腐蝕防止剤は、濁り、曇りおよび掻き傷の発現を防ぐだけでなく、機械洗いされるガラスのガラス表面の真珠光も防ぐ。好ましいガラス腐蝕防止剤は、マグネシウム塩および/または亜鉛塩および/またはマグネシウム錯体および/または亜鉛錯体の群に由来する。
【0187】
本発明に従って好ましい亜鉛塩、好ましくは有機酸の亜鉛塩、特に好ましくは有機カルボン酸の亜鉛塩の範囲は、水中でほとんどまたは全く溶解しない塩、即ち、100mg/L未満、好ましくは10mg/L未満、特に0.01mg/L未満の溶解度を有する塩から、100mg/L超、好ましくは500mg/L超、特に好ましくは1g/L超、とりわけ5g/L超の水への溶解度を有する塩まで及ぶ(全て水温20℃での溶解度)。亜鉛塩の第一の群は、例えば、クエン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛およびステアリン酸亜鉛を包含し、可溶性亜鉛塩の群は、例えば、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛およびグルコン酸亜鉛を包含する。
【0188】
少なくとも1種の有機カルボン酸の亜鉛塩、特に好ましくは、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、酢酸亜鉛、乳酸亜鉛および/またはクエン酸亜鉛の群からの亜鉛塩が、ガラス腐蝕防止剤として特に好ましい。リシノール酸亜鉛、アビエチン酸亜鉛およびシュウ酸亜鉛も好ましい。
【0189】
加えて、可溶性無機亜鉛塩、特に、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛および塩化亜鉛が、ガラス腐蝕防止剤に適している。
【0190】
腐蝕防止剤は、機械または洗われる物品を保護する役割を果たし、銀保護剤は、機械による食器洗いの分野で特に重要である。従来技術で知られている物質を使用してよい。一般に、銀保護剤は、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ビスベンゾトリアゾール、アミノトリアゾール、アルキルアミノトリアゾール、および遷移金属塩または錯体の群から特に選択できる。ベンゾトリアゾールおよび/またはアルキルアミノトリアゾールが、本発明での使用に特に好ましい。3−アミノ−5−アルキル−1,2,4−トリアゾールおよび/またはその生理学的許容性塩が本発明では好ましく、該物質を、とりわけ好ましくは0.001重量%〜10重量%、好ましくは0.0025重量%〜2重量%、特に好ましくは0.01重量%〜0.04重量%の濃度で使用する。塩を生成するための好ましい酸は、塩酸、硫酸、リン酸、炭酸、亜硫酸、有機カルボン酸(例えば、酢酸、グリコール酸、クエン酸、コハク酸)を包含する。5−ペンチル、5−ヘプチル、5−ノニル、5−ウンデシル、5−イソノニル、5−バーサチック−10−酸アルキル−3−アミノ−1,2,4−トリアゾールおよびこれら物質の混合物が最も有効である。
【0191】
また、銀表面の腐蝕を確かに低減できる活性塩素含有製剤を、しばしば、洗浄剤配合物に使用する。塩素不含有洗浄剤には、特に、酸素および窒素を含有する酸化還元活性有機化合物、例えば二価および三価フェノール、例えば、ヒドロキノン、ピロカテコール、ヒドロキシヒドロキノン、没食子酸、フロログルシン、ピロガロールおよび/またはこれら化合物の誘導体を使用する。塩および錯体のような無機化合物、例えば、金属Mn、Ti、Zr、Hf、V、CoおよびCeの塩も、しばしば使用する。本発明では、マンガン塩および/またはコバルト塩および/またはコバルト錯体、特に好ましくは、コバルト−(アンミン)錯体、コバルト−(アセテート)錯体、コバルト−(カルボニル)錯体、コバルトまたはマンガンの塩化物、および硫酸マンガンの群から選択される遷移金属塩が好ましい。同様に、亜鉛化合物も、機械洗いされる物品の腐蝕を防止するために使用してよい。
【0192】
上記した銀保護剤(例えばベンゾトリアゾール)に代えてまたは加えて、酸化還元活性物質も使用できる。これらの物質は、好ましくは、マンガン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、コバルトおよびセリウムの塩および/または錯体の群からの酸化還元活性無機物質であって、該金属は、好ましくは、酸化状態II、III、IV、VまたはVIの1つにある。
【0193】
使用される金属塩および/または金属錯体は、水中で少なくとも部分的に溶解すべきである。塩を形成するために適した対イオンは、1、2または3の負電荷を有する通常の無機アニオンの全て、例えば、酸化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、フッ化物イオン、並びに有機アニオン、例えばステアリン酸イオンを包含する。
【0194】
特に好ましい金属塩および/または金属錯体は、MnSO、クエン酸Mn(II)、ステアリン酸Mn(II)、Mn(II)アセチルアセトネート、Mn(II)1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホネート、V、V、VO、TiOSO、KTiF、KZrF、CoSO、Co(NO、Ce(NO並びにそれらの混合物の群から選択される。従って、MnSO、クエン酸Mn(II)、ステアリン酸Mn(II)、Mn(II)アセチルアセトネート、Mn(II)1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホネート、V、V、VO、TiOSO、KTiF、KZrF、CoSO、Co(NO、Ce(NOの群から選択される金属塩および/または金属錯体が、特に好ましく使用される。
【0195】
酸化還元活性無機物質、特に金属塩および/または金属錯体は、貯蔵中の時期尚早な分解または酸化を防ぐため、好ましくは被覆される、即ち、耐水性であるが洗浄温度で容易に溶解できる物質で完全に覆われる。既知の方法(例えば食品産業からのSandwikに従った溶融塗布法)により塗布される好ましい被覆剤は、パラフィン、マイクロワックス、天然起源蝋(例えば、カルナウバ蝋、カンデリラ蝋、蜜蝋)、ヘキサデカノールのような高融点アルコール、石鹸または脂肪酸を包含する。
【0196】
本発明の範囲内で使用される香油および/または香料は、個々の芳香化合物、例えば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の合成生成物を包含する。しかしながら、魅力的な芳香ノートを一緒に生じる異なった香料の混合物が好ましい。そのような香油は、天然香料混合物、例えば植物起源から入手できるもの、例えば、松根油、シトラス油、ジャスミン油、パチョリ油、ローズ油またはイランイラン油を包含してもよい。
【0197】
知覚されるために、香料は揮発性でなければならない。揮発性には、官能基の種類および化合物の構造に加えて、分子量も重要な役割を果たす。例えば、ほとんどの香料は約200ダルトンまでの分子量を有し、300ダルトン以上の分子量は例外となる傾向がある。香料の様々な揮発性に基づいて、複数の香料成分を含んでなる香料および/または芳香剤の芳香は蒸発中に変化し、その目的のため、芳香の効果は、トップノート、ミドルノーとおよび/またはボディおよびエンドノートおよび/またはドライアウトに従って細分される。芳香の知覚は、多くの場合、芳香強度に基づくので、香料および/または芳香剤のトップノートは揮発性化合物からもっぱらなるわけではない。一方、エンドノートは、多くの場合、低揮発性香料、即ち付着力のある香料からなる。香料の配合において、より易揮発性の香料は定着剤に結合でき、それによって、過度に迅速な揮発を防ぐ。「より揮発性の」および/または「付着力のある」香料としての香料の続く分類では、芳香の効果、或いは対応する香料がトップノートとして知覚されるかまたはミドルノートとして知覚されるかについては問われない。
【0198】
芳香剤は直接調製され得るが、芳香剤をキャリヤーに適用することも有利であり得る。これは、長続きする芳香のために、より緩やかに芳香が放出されることを確実にする。そのようなキャリヤー物質は、例えばシクロデキストリンであることが分かった。シクロデキストリン−香料複合体は、更に別の添加剤で被覆されていてもよい。
【0199】
好ましい着色剤は、着色剤含有製剤で処理される基材(例えば、布地、ガラス、セラミックまたはプラスチック製食器類)に対して、それらを汚さないように、著しい親和性を有さないだけでなく、貯蔵中極めて安定であり、洗剤の他成分および光に対して非感受性である。着色剤の選択は、当業者にとって問題とはならない。
【0200】
着色剤の選択に際して、着色剤が良好な貯蔵安定性を有し、光に対して非感受性であり、ガラス、セラミックまたはプラスチック製食器類に対する過度に高い親和性を有さないという事実を考慮しなければならない。同時に、適当な着色剤の選択において、着色剤が、酸化に対して異なる安定性を有するという事実も考慮すべきである。一般に、非水溶性着色剤が水溶性着色剤より酸化に対してより安定であるということは事実である。溶解性、従って酸化感受性に依存して、洗剤または洗浄剤中の着色剤の濃度は変化する。易水溶性着色剤の場合、典型的には、2〜3×10−2重量%から2〜3×10−3重量%の範囲に着色剤濃度を選択する。その明るさの故に特に好ましいが水溶性ではない顔料着色剤の場合、洗剤または洗浄剤中の着色剤の適当な濃度は、典型的には、2〜3×10−3重量%から2〜3×10−4重量%である。
【0201】
洗う過程で酸化分解され得る着色剤、およびそれらと適当な青色着色剤(いわゆる青色トーナー)との混合物が好ましい。水に溶解できるか、または室温で液体状有機物質に溶解できる、着色剤を使用することが有利であることが分かった。例えばアニオン性着色剤、例としてアニオン性ニトロソ染料が適している。
【0202】
本発明の洗浄剤は防腐剤も含有してよい。本発明によれば、例えば、アルコール、アルデヒド、抗菌性酸および/またはそれらの塩、カルボン酸エステル、酸アミド、フェノール、フェノール誘導体、ジフェニル、ジフェニルアルカン、尿素誘導体、酸素、窒素アセタールおよびホルマール、ベンズアミジン、イソチアゾールおよびそれらの誘導体(例えば、イソチアゾリンおよびイソチアゾリノン)、フタルイミド誘導体、ピリジン誘導体、抗菌性界面活性化合物、グアニジン、抗菌性両性化合物、キノリン、1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン、ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、ヨウ素、ヨードフォアおよび過酸化物の群からの防腐剤が適している。好ましい抗菌活性成分は、好ましくは、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1,3−ブタンジオール、フェノキシエタノール、1,2−プロピレングリコール、グリセロール、ウンデシレン酸、クエン酸、乳酸、安息香酸、サリチル酸、チモール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、2,2’−メチレン−ビス−(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、N−(4−クロロフェニル)−N−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N,N’−(1,10−デカンジイルジ−1−ピリジニル−4−イリデン)−ビス−(1−オクタンアミン)ジヒドロクロリド、N,N’−ビス−(4−クロロフェニル)−3,12−ジイミノ−2,4,11,13−テトラアザテトラデカンジイミドアミド、抗菌性第四級界面活性化合物、グアニジンを含んでなる群から選択される。しかしながら、特に好ましい防腐剤は、サリチル酸、第四級界面活性剤、特に、塩化ベンザルコニウム、並びにイソチアゾールおよびそれらの誘導体(例えば、イソチアゾリンおよびイソチアゾリノン)を含んでなる群から選択される。
【0203】
有効性および貯蔵安定性について、多数の洗浄剤が特に有利であることが分かった。
【0204】
このため、本発明に従った食器洗い機での食器の好ましい機械洗浄方法は、予備濯ぎサイクルおよび洗浄サイクルを含む洗浄プログラムの過程において、以下の組成:
A:以下の表に従った組成、
B:以下の表に従った組成
を有する2種の液体状洗浄剤AおよびBを、2つの逐次的な時間t1およびt2に、食器洗い機内部に計量供給し、液体状洗浄剤AがpH6〜9(20℃)を有し、時間t1に計量供給され、一方、液体状洗浄剤BがpH9〜14(20℃)を有し、時間t2に計量供給される、方法である。
(実施例)
【0205】
【表1−1】

【0206】
【表1−2】

【0207】
【表1−3】

【0208】
【表1−4】

【0209】
【表1−5】

【0210】
【表1−6】

【0211】
【表1−7】

【0212】
【表1−8】

【0213】
通し番号33〜64を付けた洗浄剤AおよびBは、好ましくは2重量%未満、好適には1重量%未満、特に好ましくは0.5重量%未満の漂白剤含有量を有し、最も好ましくは漂白剤を含有しない。
【0214】
本発明の方法は、特に、茶による汚れのような漂白可能な汚れを除去するため、および乾燥した汚れを落とすために適している。
【0215】
従って、漂白可能な汚れを除去するため、好ましくは硬質表面上の茶による汚れを除去するため、および/または乾燥および/または焼かれた汚れを落とすため、特に乾燥および/または焼かれた汚れを機械による食器洗いで落とすための、本発明の方法の使用は、本特許出願の更なる対象である。
【0216】
乾燥または焼かれた汚れの群は、例えば、乾燥したデンプン汚れ、例として、オートミール、または例えば麺類またはジャガイモのようなデンプン成分だけでなく肉の残留物も含むキャセロールの焼かれた残留物を包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予備濯ぎサイクルおよび洗浄サイクルを含む洗浄プログラムの過程において、組成:
A:10〜75重量%のビルダー、
0.1〜10重量%の酵素、
24.9〜89.9重量%の溶媒、および
B:10〜74.9重量%のビルダー、
25〜89.9重量%の溶媒
を有する2種の液体状洗浄剤AおよびBを、この洗浄サイクル中、2つの逐次的な時間t1およびt2に、食器洗い機内部に計量供給し、液体状洗浄剤AがpH6〜9(20℃)を有し、時間t1に計量供給され、一方、液体状洗浄剤BがpH9〜14(20℃)を有し、時間t2に計量供給される、食器洗い機での食器の機械洗浄方法。
【請求項2】
時間t1とt2との時間差が、2〜30分、好ましくは4〜25分、特に6〜20分である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
時間t1での洗い液の温度が、12℃〜45℃、好ましくは15℃〜40℃、特に20℃〜35℃である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
時間t2での洗い液の温度が、30℃〜65℃、好ましくは35℃〜60℃、特に40℃〜55℃である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
液体状洗浄剤Aおよび/または液体状洗浄剤Bが溶媒として水を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
液体状洗浄剤Aおよび/または液体状洗浄剤Bが、有機溶媒の群からの溶媒を含有し、有機溶媒が、好ましくは有機アミンおよび/またはアルカノールアミン、好適にはエタノールアミンである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
洗浄剤Aが6.5〜8.5、好ましくは7〜8のpH(20℃)を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
洗浄剤Bが9.5〜13、好ましくは10〜12のpH(20℃)を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
液体状洗浄剤AのpH(20℃)が、液体状洗浄剤BのpH(20℃)と少なくとも2単位異なる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
液体状洗浄剤Bが0.1重量%〜20重量%の塩素漂白剤を含有する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
洗浄剤AおよびBの漂白剤含有量が、2重量%未満、好ましくは1重量%未満、特に0.5重量%未満、とりわけ0.1重量%未満である、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
洗浄剤AおよびBが漂白剤を含有しない、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
洗浄剤Aが、0.2重量%〜10重量%、好ましくは0.4重量%〜7重量%、特に0.6重量%〜4重量%の非イオン性界面活性剤も含有する、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
洗浄剤がメチルグリシン二酢酸またはメチルグリシン二酢酸塩を含有し、メチルグリシン二酢酸またはメチルグリシン二酢酸塩の量が、好ましくは0.2重量%〜12重量%、特に0.2重量%〜8重量%、とりわけ0.2重量%〜6重量%である、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
洗浄剤AまたはBの少なくとも1つの粘度(ブルックフィールド粘度計 LVT-II、20rpmおよび20℃、スピンドル3)が、200mPas〜10,000mPas、好ましくは500mPas〜7000mPas、特に1000mPas〜4000mPasである、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
液体状洗浄剤AおよびBが非水溶性の二室型または多室型貯蔵容器内にある、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
硬質表面上の漂白可能な汚れを除去するため、好ましくは茶による汚れを除去するための、請求項1〜16のいずれかに記載の方法の使用。
【請求項18】
乾燥および/または焼かれた汚れを洗浄するため、特に乾燥および/または焼かれた汚れを機械による食器洗いで洗浄するための、請求項1〜17のいずれかに記載の方法の使用。

【公表番号】特表2009−540897(P2009−540897A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515855(P2009−515855)
【出願日】平成19年6月19日(2007.6.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/056046
【国際公開番号】WO2007/147814
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(391008825)ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン (309)
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D−40589 Duesseldorf,Germany
【Fターム(参考)】