説明

洗浄水生成装置

【課題】オゾンを含む洗浄水を生成でき、かつ、その洗浄水の殺菌効果を持続させることができる洗浄水生成装置を提供する。
【解決手段】貯水槽1内の水を循環させるための循環路7を形成する。循環路7に介装されたポンプ13を駆動させることにより、貯水槽1内の水を循環路7に循環させる。循環路7のポンプ13よりも下流側にアスピレータ14を介装し、オゾン発生器26で発生されるオゾンを、アスピレータ14を介して、循環路7内を流れる水に供給する。オゾンが供給された水は貯水槽1内の底部に戻され、その水に含まれるオゾンの気泡が貯水槽1内の水中を浮上する過程で、貯水槽1内の水中に溶解し、貯水槽1内に、オゾンが溶解した殺菌効果を有する洗浄水が生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、食材や食器などの食品関連の被洗浄物の洗浄に用いる洗浄水を生成するための洗浄水生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットや弁当屋といった食品関連のサービスを行う施設においては、食中毒の予防のために、カットされた野菜などの食材を洗浄したり、食材を販売用に包装するためのパックなどの食器を洗浄することが行なわれている(たとえば、特許文献1参照)。食材や食器などの食品関連の被洗浄物を洗浄するのに使用する洗浄水としては、殺菌効果が高く、その残存性の高い次亜塩素酸を含むものが一般的である。
【特許文献1】特開平6−46812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
殺菌効果を有する成分としてオゾンが知られているが、オゾンは、殺菌効果は高い反面、その残存性が次亜塩素酸に比べて低い。そのため、オゾンを含む洗浄水を生成しても、その洗浄水を生成後に早めに使用しなければ、高い殺菌効果は期待できない。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、オゾンを含む洗浄水を生成でき、かつ、その洗浄水の殺菌効果を持続させることができる洗浄水生成装置を提供することを目的とする。
【0004】
また、この発明の別の目的は、洗浄水による人体への悪影響を抑制できる洗浄水生成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、食材や食器などの食品関連の被洗浄物の洗浄に用いる洗浄水を生成するための洗浄水生成装置であって、水を貯めることができる貯水槽(1)と、上記貯水槽に貯められている水を循環させるための循環路(7)と、上記循環路内を流れる水にオゾンを供給するオゾン供給手段(14,23,24,26,27)とを備えることを特徴とする洗浄水生成装置である。
【0006】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素を表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、貯水槽に貯められている水を循環路に循環させ、その循環路内を流れる水に、定期的または連続的にオゾンを供給することにより、貯水槽内に生成される洗浄水のオゾン濃度を一定に保つことができる。オゾンは、水中における残存性が比較的低いが、洗浄水に定期的または連続的にオゾンを供給することにより、洗浄水の殺菌効果を高く持続させることができる。
【0007】
また、この洗浄水生成装置により生成されたオゾンを含む洗浄水を用いて、食材や食器などの被洗浄物を洗浄した場合には、オゾンの高い殺菌効果により、被洗浄物を良好に洗浄できるとともに、その残存性が低いため、洗浄水による人体への悪影響を抑制できる。特に、食材や食器などの食品関連の被洗浄物に付着した洗浄水の成分が人体に与える悪影響は大きいため、このような被洗浄物を残存性が低い洗浄水で洗浄することにより、洗浄水による人体への悪影響を効果的に抑制できる。
【0008】
さらに、貯水槽内に生成される洗浄水が循環路内に循環されるので、貯水槽内や循環路内に発生するぬめり、カビ、悪臭などを抑制できる。これにより、貯水槽内や循環路内を常に清潔に保つことができるので、衛生的に洗浄水を生成することができ、食材や食器などの食品関連の被洗浄物を好適に洗浄できる。
請求項2記載の発明は、上記オゾン供給手段(14,23,24,26,27)は、上記循環路(7)に介装され、上記循環路内を流れる水に、負圧を利用してオゾンを供給するためのアスピレータ(14)を備えることを特徴とする請求項1記載の洗浄水生成装置である。
【0009】
この構成によれば、負圧を利用して吸気を行なうアスピレータを用いた簡単な構成で、循環路内を流れる水にオゾンを供給することができる。
請求項3記載の発明は、上記循環路(7)に介装され、上記貯水槽(1)に貯められている水を上記循環路内に循環させるために駆動されるポンプ(13)をさらに備え、上記アスピレータ(14)は、上記循環路における上記ポンプの下流側に介装されていることを特徴とする請求項2記載の洗浄水生成装置である。
【0010】
この構成によれば、ポンプを駆動させることにより、循環路内に循環する水の流速を速めて、アスピレータにおいて効果的に負圧を発生させることができるので、循環路内を流れる水にオゾンを良好に供給することができる。
また、アスピレータを循環路におけるポンプの下流側に介装することにより、アスピレータにおいて供給されたオゾンがポンプに噛むのを防止できる。
【0011】
請求項4記載の発明は、上記循環路(7)における上記アスピレータ(14)の上流側を流れる水のオゾン濃度を検知するオゾンセンサ(11)と、上記オゾンセンサにより検知されるオゾン濃度に基づいて、上記アスピレータを介して上記循環路内を流れる水に供給するオゾンの量を調整するオゾン供給量調整手段(27)とをさらに備えることを特徴とする請求項2または3記載の洗浄水生成装置である。
【0012】
この構成によれば、オゾンセンサにより検知されるオゾン濃度に基づいて、アスピレータを介して循環路内を流れる水に供給するオゾンの量を調整することにより、貯水槽内に生成される洗浄水のオゾン濃度を、好適な濃度で一定に保つことができる。
請求項5記載の発明は、上記循環路(7)における上記アスピレータ(14)の上流側に介装されたフィルタ(12)をさらに備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の洗浄水生成装置である。
【0013】
この構成によれば、貯水槽内の水が循環路内を循環する過程で、その水に含まれる異物(食材の滓など)をフィルタにより捕獲することができるので、アスピレータに異物が詰まるのを防止できる。
請求項6記載の発明は、上記オゾン供給手段(14,23,24,26,27)は、オゾンを発生させるためのオゾン発生器(26)と、上記オゾン発生器により発生されたオゾンまたは空気を、上記循環路(7)内を流れる水に選択的に供給するように切り替える切替手段(23,27)とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄水生成装置である。
【0014】
この構成によれば、循環路内を流れる水にアスピレータを介してオゾンを供給すれば、貯水槽内の水のオゾン濃度を高くすることができ、循環路内を流れる水にアスピレータを介して空気を供給すれば、貯水槽内の水のオゾン濃度を低くすることができる。したがって、オゾンまたは空気のいずれをアスピレータに供給するかを切替手段で切り替えることにより、貯水槽内に生成される洗浄水のオゾン濃度を一定に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る洗浄水生成装置の構成を示すブロック図である。
図1を参照して、この洗浄水生成装置は、たとえば、スーパーマーケットや弁当屋といった食品関連のサービスを行う施設に設置され、食中毒の予防のために、食材(カットされた野菜など)や食器(食材を販売用に包装するためのパックなど)といった食品関連の被洗浄物の洗浄に用いる洗浄水を生成するためのものである。この洗浄水生成装置は、水を貯めておくことができる貯水槽1を備えている。
【0016】
貯水槽1の上部には、給水弁2が備えられている。給水弁2には、一端部が水道栓などの給水設備に至る給水管30の他端部が接続されており、給水弁2を開くことにより、給水管30を介して貯水槽1内に水(たとえば、水道水)を供給し、貯めることができる。
貯水槽1内には、貯水槽1内の水の水面に浮かぶように配置され、貯水槽1内の水位に対応して上下に移動するフロート6が配置されている。フロート6は、給水弁2に連結されている。貯水槽1内の水位が所定水位未満になり、フロート6がその所定水位に対応する高さよりも下方まで移動すると、それに連動して給水弁2が開き、貯水槽1内への給水が開始される。一方、給水中に、貯水槽1内の水位が所定水位以上になり、フロート6がその所定水位に対応する高さまで移動すると、それに連動して給水弁2が閉じられ、貯水槽1内への給水が終了する。
【0017】
貯水槽1の上部(給水弁2よりも下方)には、流出口3が形成されていて、貯水槽1内の水位がオーバーフロー水位(上記所定水位よりも高い水位)を超えると、その超えた分の水が、流出口3から貯水槽1の外部にオーバーフローするようになっている。流出口3には、その一端部がドレン4に至るオーバーフロー管5の他端部が接続されており、流出口3からオーバーフローした貯水槽1内の水は、オーバーフロー管5を介してドレン4に流出し、このドレン4を介して下水などの排水設備に排水される。フロート6による給水弁2の開閉機構が故障した場合などには、貯水槽1内の水位が所定水位に到達しても給水が停止されない場合があるが、このような場合には、オーバーフロー水位を超えた分の水が流出口3からオーバーフローするので、安全である。
【0018】
この洗浄水生成装置には、貯水槽1内の水を循環させるための循環路7が備えられている。循環路7は、その一端部が貯水槽1の下部に形成された循環入口8に連通し、他端部が貯水槽1の上部(循環入口8よりも上方で、かつ、上記所定水位よりも下方)に形成された循環出口9に連通している。
循環路7には、ニ方弁10と、オゾンセンサ11と、フィルタ12と、ポンプ13と、アスピレータ14と、フロースイッチ15と、逆止弁16と、ニ方弁17とが、循環路7内を循環する水の流通方向上流側から下流側(循環入口8側から循環出口9側)に向かって、この順序で介装されている。
【0019】
二方弁10は、貯水槽1内から循環入口8を介して循環路7に流入する水の量を調整するために開閉される。
オゾンセンサ11は、循環路7内を流れる水に含まれるオゾンの濃度(オゾン濃度)を検知する。
フィルタ12は、循環路7内を流れる水に含まれる異物を捕獲する。
【0020】
ポンプ13は、低圧力型(たとえば、吐出圧が0.1MPa程度)のものであって、このポンプ13を駆動させると、循環路7のポンプ13に対して上流側からポンプ13内に水が吸い込まれ、循環路7のポンプ13に対して下流側に吐出されることにより、貯水槽1内の水が循環路7内に循環される。
アスピレータ14は、循環路7内を流れる水に、負圧を利用して気体を供給する。
【0021】
図2は、アスピレータ14の構成を示す断面図である。
図1および図2を参照して、アスピレータ14は、アスピレータ14に対して循環路7の上流側から水が流入する流入部18と、アスピレータ14に対して循環路7の下流側に向かって水を流出する流出部19とが一直線上に結合され、その結合部に、気体を吸引するための吸引部20が略直角に結合した略T字形状を有している。流入部18および流出部19は、循環路7の一部を構成している。循環路7内を循環する水は、図2に実線矢印で示す方向に流通する。
【0022】
流入部18は、水の流通方向に沿って断面積がほぼ一定に形成された定常部18Aと、この定常部18Aの下流側に連続し、下流側に向かってほぼ一定の傾斜で断面積が縮小するように形成された縮小部18Bとを有している。また、流出部19は、下流側に向かってほぼ一定の傾斜で断面積が拡大するように形成された拡大部19Aと、この拡大部19Aの下流側に連続し、水の流通方向に沿って断面積がほぼ一定に形成された定常部19Bとを有している。これにより、流入部18と流出部19との結合部には、循環路7の断面積を縮小する絞り部21が形成され、この絞り部21に吸引部20が連通している。
【0023】
吸引部20の断面積は、流入部18の定常部18Aや流出部19の定常部19Bの断面積よりも小さく形成されている。吸引部20には、アスピレータ14に気体を供給するための気体供給路22の一端部が接続されている。
このような構成により、流入部18から流入した水が絞り部21を介して流出部19へと流出する際に、流速が速くなり、絞り部21側に負圧が生じて、いわゆるベンチュリー管現象によって、図2に破線矢印で示すように、吸引部20から絞り部21に気体が吸引され、循環路7内を流れる水に気体が供給される。
【0024】
気体供給路22の他端部には、三方弁23が接続されている(図1参照)。この三方弁23には、気体供給路22の他に、オゾン供給路24および空気供給路25が接続されている。オゾン供給路24の三方弁23と反対側の端部には、オゾンを発生させるためのオゾン発生器26が接続されている。オゾン発生器26には、たとえば、周囲の空気を取り込んで、ワイヤに高圧を印加してコロナ放電によりオゾンを発生させるような、周知の構成を採用できる。空気供給路25の三方弁23と反対側の端部は、大気中に開放されている。
【0025】
この実施形態では、三方弁23の開閉状態を切り替えることにより、気体供給路22をオゾン供給路24に連通させ、オゾン供給路24および気体供給路22を介して、オゾン発生器26により発生されたオゾンをアスピレータ14に供給する状態(オゾン供給状態)と、気体供給路22を空気供給路25に連通させ、空気供給路25および気体供給路22を介して、空気をアスピレータ14に供給する状態(空気供給状態)とに、選択的に切り替えることができる。
【0026】
再び図1を参照して、フロースイッチ15は、循環路7内を流れる水の流量を検知する。
逆止弁16は、循環路7内を流れる水の圧力よりも、貯水槽1内の圧力の方が高くなった場合に、貯水槽1内の水が循環出口9から循環路7内に流入し、循環路7内を逆流するのを防止する。
【0027】
二方弁17は、循環路7から循環出口9を介して貯水槽1内に流出する水の量を調整するために開閉される。
この洗浄水生成装置には、マイクロコンピュータを含む制御部27が備えられている。制御部27には、ニ方弁10、オゾンセンサ11、ポンプ13、フロースイッチ15、ニ方弁17、三方弁23およびオゾン発生器26が電気的に接続されている。制御部27は、オゾンセンサ11により検知されるオゾン濃度に基づいて、オゾン発生器26を駆動または停止させたり、三方弁23をオゾン供給状態または空気供給状態に選択的に切り替えたりすることにより、アスピレータ14を介して循環路7内を流れる水に供給するオゾンの量を調整する。
【0028】
循環出口9には、循環路7から流出する水を貯水槽1内の底部に導くための誘導路28が接続されている。誘導路28は、その一端部が循環出口9に接続され、他端部が貯水槽1内の底部に臨んでいる。循環路7内を流れる水は、アスピレータ14において気体(オゾンまたは空気)が供給された後、循環出口9および誘導路28を介して貯水槽1内の底部に戻される。これにより、貯水槽1内に戻される水に含まれる気泡が、貯水槽1内の水に対して、誘導路28の他端部からほぼ水平方向に噴出し、貯水槽1内の水中を浮上する。
【0029】
誘導路28から貯水槽1内の水に供給された気泡は、貯水槽1内の水中を浮上した後、水面から貯水槽1内の空気中に解放される。貯水槽1の上部(流出口3よりも上方)には、貯水槽1の内外を連通する通気孔29が形成されていて、水面から貯水槽1内の空気中に解放された気体は、通気孔29から貯水槽1の外部に排出される。
三方弁23をオゾン供給状態として、ポンプ13およびオゾン発生器26を駆動させると、貯水槽1内の水が循環路7内に循環され、その循環する水に、アスピレータ14を介してオゾンが供給される。そして、オゾンが供給された水は、循環出口9および誘導路28を介して貯水槽1内の底部に戻され、オゾンの気泡が貯水槽1内の水中を浮上する。貯水槽1内に供給されるオゾンの一部は、貯水槽1内の水中を浮上する過程で、貯水槽1内の水中に溶解し、これにより、貯水槽1内にオゾンが溶解した殺菌効果を有する洗浄水が生成される。このような洗浄水を生成するための処理は、ポンプ13およびオゾン発生器26を常時駆動させることにより、連続的に行なわれてもよいし、ポンプ13およびオゾン発生器26を所定時間ごとに駆動させることにより、定期的に行なわれてもよい。
【0030】
貯水槽1の底部には、貯水槽1内に生成された洗浄水を、貯水槽1の外部に取り出して注水するために開閉される注水弁31が形成されている。注水弁31には、注水管32が接続されており、注水弁31を開くことにより、貯水槽1内の洗浄水を、注水管32を介して注水することができる。この洗浄水生成装置が設置される食品関連のサービスを行う施設などにおいては、注水管32を介して注水される洗浄水を用いて、カットされた野菜などの食材を洗浄したり、食材を販売用に包装するためのパックなどの食器を洗浄する。
【0031】
このように、貯水槽1内に生成された洗浄水を、注水管32を介して貯水槽1の外部に注水して使用するような構成に限らず、貯水槽1内に食材や食器を入れた状態で、貯水槽1内の水を循環路7内に循環させつつ、その循環する水にオゾンを供給することにより、貯水槽1内の食材や食器を洗浄水で洗浄することができるような構成であってもよい。この場合、注水弁31は、食材や食器の洗浄に使用された後の洗浄水を機外に排水するための排水弁として機能し、注水管32は、排水される洗浄水を下水などの排水設備に導くための排水管として機能する。
【0032】
この実施形態では、貯水槽1に貯められている水を循環路7に循環させ、その循環路7内を流れる水に、定期的または連続的にオゾンを供給することにより、貯水槽1内に生成される洗浄水のオゾン濃度を一定に保つことができる。オゾンは、水中における残存性が比較的低いが、洗浄水に定期的または連続的にオゾンを供給することにより、洗浄水の殺菌効果を高く持続させることができる。
【0033】
また、この洗浄水生成装置により生成されたオゾンを含む洗浄水を用いて、食材や食器などの被洗浄物を洗浄した場合には、オゾンの高い殺菌効果により、被洗浄物を良好に洗浄できるとともに、その残存性が低いため、洗浄水による人体への悪影響を抑制できる。特に、食材や食器などの食品関連の被洗浄物に付着した洗浄水の成分が人体に与える悪影響は大きいため、このような被洗浄物を残存性が低い洗浄水で洗浄することにより、洗浄水による人体への悪影響を効果的に抑制できる。
【0034】
さらに、貯水槽1内に生成される洗浄水が循環路7内に循環されるので、貯水槽1内や循環路7内に発生するぬめり、カビ、悪臭などを抑制できる。これにより、貯水槽1内や循環路7内を常に清潔に保つことができるので、衛生的に洗浄水を生成することができ、食材や食器などの食品関連の被洗浄物を好適に洗浄できる。
また、負圧を利用して吸気を行なうアスピレータ14を用いた簡単な構成で、循環路7内を流れる水にオゾンを供給することができる。
【0035】
特に、ポンプ13を駆動させることにより、循環路7内に循環する水の流速を速めて、アスピレータ14において効果的に負圧を発生させることができるので、循環路7内を流れる水にオゾンを良好に供給することができる。
また、アスピレータ14を循環路7におけるポンプ13の下流側に介装することにより、アスピレータ14において供給された気体がポンプ13に噛むのを防止できる。
【0036】
また、オゾンセンサ11により検知されるオゾン濃度に基づいて、アスピレータ14を介して循環路7内を流れる水に供給するオゾンの量を調整することにより、貯水槽1内に生成される洗浄水のオゾン濃度を、好適な濃度で一定に保つことができる。
循環路7内を流れる水にアスピレータ14を介してオゾンを供給すれば、貯水槽1内の水のオゾン濃度を高くすることができ、循環路7内を流れる水にアスピレータ14を介して空気を供給すれば、貯水槽1内の水のオゾン濃度を低くすることができる。したがって、オゾンまたは空気のいずれをアスピレータ14に供給するかを制御部27の制御によって切り替えることにより、貯水槽1内に生成される洗浄水のオゾン濃度を一定に保つことができる。
【0037】
また、貯水槽1内の水が循環路7内を循環する過程で、その水に含まれる異物をフィルタ12により捕獲することができるので、アスピレータ14に異物が詰まるのを防止できる。貯水槽1内に食材や食器を入れた状態で、貯水槽1内の水を循環路7内に循環させつつ、その循環する水にオゾンを供給することにより、貯水槽1内の食材や食器を洗浄水で洗浄するような構成の場合には、貯水槽1内において食材や食器から分離した食材の滓を、循環路7内を循環する過程で、フィルタ12により捕獲することができる。フィルタ12が、アスピレータ14の絞り部21の断面積よりも小さい異物を捕獲することができるものであれば、アスピレータ14に異物が詰まるのを良好に防止できる。
【0038】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の第1実施形態に係る洗浄水生成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】アスピレータの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 貯水槽
7 循環路
11 オゾンセンサ
12 フィルタ
13 ポンプ
14 アスピレータ
23 三方弁
24 オゾン供給路
26 オゾン発生器
27 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材や食器などの食品関連の被洗浄物の洗浄に用いる洗浄水を生成するための洗浄水生成装置であって、
水を貯めることができる貯水槽と、
上記貯水槽に貯められている水を循環させるための循環路と、
上記循環路内を流れる水にオゾンを供給するオゾン供給手段とを備えることを特徴とする洗浄水生成装置。
【請求項2】
上記オゾン供給手段は、
上記循環路に介装され、上記循環路内を流れる水に、負圧を利用してオゾンを供給するためのアスピレータを備えることを特徴とする請求項1記載の洗浄水生成装置。
【請求項3】
上記循環路に介装され、上記貯水槽に貯められている水を上記循環路内に循環させるために駆動されるポンプをさらに備え、
上記アスピレータは、上記循環路における上記ポンプの下流側に介装されていることを特徴とする請求項2記載の洗浄水生成装置。
【請求項4】
上記循環路における上記アスピレータの上流側を流れる水のオゾン濃度を検知するオゾンセンサと、
上記オゾンセンサにより検知されるオゾン濃度に基づいて、上記アスピレータを介して上記循環路内を流れる水に供給するオゾンの量を調整するオゾン供給量調整手段とをさらに備えることを特徴とする請求項2または3記載の洗浄水生成装置。
【請求項5】
上記循環路における上記アスピレータの上流側に介装されたフィルタをさらに備えることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の洗浄水生成装置。
【請求項6】
上記オゾン供給手段は、
オゾンを発生させるためのオゾン発生器と、
上記オゾン発生器により発生されたオゾンまたは空気を、上記循環路内を流れる水に選択的に供給するように切り替える切替手段とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄水生成装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−247470(P2006−247470A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−64301(P2005−64301)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】