説明

洗浄消毒装置

【課題】低コスト、かつ、短時間で、蓋を開けることが可能な電動開閉機構を有する洗浄消毒装置を提供する。
【解決手段】洗浄消毒装置は、モータで蓋を開閉する開閉機構を備えている。蓋の開き動作において、モータは、低速で駆動が開始され、蓋の密閉が解除された後に一時停止する。一時停止した後、モータは高速駆動されて開き位置に到達する。洗浄消毒装置においては、臭気対策上、蓋の密閉が解除されるまでの間は、洗浄槽内に流入する外気の通気抵抗が大きい。蓋の密閉が解除されるまでの間は、モータが低速で駆動されるので、発生トルクの小さなモータを使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
内視鏡などの医療器具を洗浄消毒する洗浄消毒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
使用済みの内視鏡を洗浄及び消毒する洗浄消毒装置が知られている。洗浄消毒装置の洗浄槽には、内視鏡が、その挿入部を巻き回した状態で収容され、供給された洗浄水や消毒液が貯留される。洗浄槽の上部開口部は、洗浄槽外に洗浄水や消毒液が飛散するのを防止するために、蓋で覆われるようになっており、蓋はヒンジを介して装置本体に開閉自在に取り付けられている。
【0003】
使用済みの内視鏡は、スタッフによって抱えられて洗浄消毒装置まで運ばれる。洗浄槽に内視鏡を収容するときは、スタッフは、内視鏡を両手で抱えた状態なので手が塞がっており、蓋を開けるのに手を使うことができない。そのため、特許文献1記載の洗浄消毒装置のように、開き方向に付勢された蓋と、蓋を付勢に抗して閉じ位置でロックするロック機構と、フットスイッチの踏み込み操作によってロック機構を解除する解除機構とを備えた洗浄消毒装置が知られている。これによれば、手を使わずに蓋を開けることができる。内視鏡を洗浄槽に収容した後は、手は内視鏡から解放されるので、蓋は手を使って閉じられる。
【0004】
一方、洗浄処理中は、洗浄槽内において、洗浄液や水の噴射が行われ、それに伴う水流も生じるので、蓋と洗浄槽の開口部の間に隙間があると、隙間から洗浄液や水が外部に飛散する。また、消毒処理中は、内視鏡は、洗浄槽内で消毒液に浸漬される。消毒液は、激臭を放つ過酢酸などが使用されるので、蓋と洗浄槽の開口部の間に隙間があると、隙間から臭気が外部に漏れてしまう。このため、特許文献2に記載されているように、洗浄槽を覆う蓋の外縁には、例えば、ゴムなどの弾性部材からなるシール用のパッキンが取り付けられており、蓋が閉まると洗浄槽の開口部周縁とパッキンが圧接して、洗浄槽が気密及び水密に密閉される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3458081号公報
【特許文献2】特開2006−6566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の洗浄消毒装置では、蓋を開けるのはフットスイッチ操作で可能であったが、フットスイッチ操作では、蓋を閉めることはできなかった。使用済みの内視鏡を抱えた手には、内視鏡の汚れが付着している。感染防止の配慮から、手のひらや指先から蓋に汚れが付くことを避けるために、肘を使って蓋を閉めるスタッフも多い。このような蓋の閉じ操作の操作性を改善するために、手を使わずに蓋を閉じたいという要望がある。
【0007】
開き操作に加えて閉じ操作をフットスイッチの操作で可能にするためには、フットスイッチの操作で蓋の開閉を行う駆動機構が必要になる。従来のロック機構の解除機構に加えて、閉じ操作もワイヤなどを使用して機械的に開くようにすると、部品点数や部品を配置するスペースが増加するという問題が生じる。
【0008】
そこで、機械的な駆動機構ではなく、駆動源にモータなどの電動アクチュエータを使用することが検討されているが、洗浄槽を蓋で密閉する必要のある洗浄消毒装置の場合には、蓋の開き動作において大きなトルクが必要になる。これは、モータのコスト増を招くため、駆動源としてモータを採用することの障害となっていた。
【0009】
というのも、洗浄消毒装置では、蓋が閉じ位置にあるときには洗浄槽の内部は密閉されるので、蓋の開き動作の開始初期、すなわち、蓋のパッキンによる密閉が解除されるまでの間は、蓋に設けられた通気路を通じて洗浄槽内に外気が取り入れられる。通気口には、臭気対策上、消臭フイルタが配置されているため通気抵抗が大きい。通気抵抗は蓋の開き速度の二乗に比例して大きくなるため、蓋の開き速度を上げるためには、大きなトルクが必要となる。
【0010】
発生トルクが大きなモータは、高価、かつ、大型化する傾向があり、コスト増や配置スペースの増加を招くため、これを採用するには障害があった。
【0011】
もちろん、モータを低速で駆動して蓋を開ければ、小さなトルクで済むが、蓋が開くまでの時間が長いと、繁忙を極め、迅速な作業を求められているスタッフにとっては、心理的なストレスが大きくなるので、蓋の開き速度を下げるにも限界があった。
【0012】
本発明は、こうした背景に鑑みてなされたもので、低コストで、かつ、短時間で蓋を開けることが可能な電動開閉機構を備えた洗浄消毒装置を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、蓋による密閉が解除される前よりも、密閉が解除された後の速度が速くなるように、蓋の開き速度を変化させるから、発生トルクが大きな高価なモータを使用することなく、短時間で蓋を開けることが可能な洗浄消毒装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の洗浄消毒装置は、医療器具を収容して、医療器具の洗浄及び消毒を行う洗浄槽と、洗浄槽の開口部を開閉し、閉じ位置で開口部を密閉する蓋と、洗浄槽の内部と外部との間で気体を流通させる通気路上に配置され、通気路を通過する気体から臭気を消臭する消臭フイルタと、蓋を開閉する電動アクチュエータと、電動アクチュエータの駆動を制御することにより、蓋による密閉が解除される前よりも、密閉が解除された後の速度が速くなるように、蓋の開き速度を変化させる制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0015】
ここで、「密閉が解除された後」には、解除された直後だけでなく、密閉が解除された後、蓋が所定量開いた時点も含む。すなわち、密閉が解除された直後に速度を変化させてもよいし、密閉が解除された後、蓋が所定量開いた時点で速度を変化させてもよい。
【0016】
制御手段は、密閉が解除された後、蓋を一時停止させることが好ましい。一時停止により、蓋の水切りや振動が収束するので、液滴の飛散量や電動アクチュエータの負荷を軽減することができる。一時停止の前後で蓋の開き速度を変化させることが好ましい。
【0017】
制御手段は、閉じ位置から密閉が解除される位置まで低速域で電動アクチュエータを駆動し、密閉が解除された後、高速域で電動アクチュエータを駆動することが好ましい。この場合、低速域においては、電動アクチュエータを等速で駆動されることが好ましい。また、高速域は、初期速度から所定速度まで加速する加速区間と、停止前に所定速度から減速する減速区間を含むことが好ましい。
【0018】
制御手段は、さらに、蓋を閉じる閉じ動作中に、蓋の閉じ速度を変化させてもよい。この場合には、蓋が閉じ位置に到達する手前で、蓋の閉じ速度を減速することが好ましい。減速することで、誤って蓋に指や手が挟まれてしまうことを防止できる。
【0019】
制御手段は、蓋が閉じ位置に到達した後、電動アクチュエータの駆動を所定時間継続する増し送り駆動を行うことが好ましい。増し送り駆動により、密閉を確実に行うことができる。制御手段は、蓋の閉じ動作を終了する際に、電動アクチュエータを所定時間逆方向に駆動する開き準備駆動を行うことが好ましい。開き準備駆動を行うことで、次回の開き動作の時間を短縮することができる。
【0020】
消臭フイルタは、蓋に設けられていることが好ましい。また、制御手段に対して、蓋の開閉指示を入力するフットスイッチを備えていることが好ましい。
【0021】
蓋は、後端部を支点として回動するように開閉自在に取り付けられている。蓋は、略平板状をしており、洗浄槽と対面する面には、補強用のリブが設けられていることが好ましい。前記リブは、蓋の前方よりも蓋の後方において密集度が高くなるように配置されていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の洗浄消毒装置の外観図である。
【図2】トップカバーを開けた状態の洗浄消毒装置の外観図である。
【図3】フイルタカバーを開けた状態の洗浄消毒装置の外観図である。
【図4】通気路の断面構成を示す説明図である。
【図5】トップカバーの下面の構成を示す平面図である。
【図6】開き位置にあるときのトップカバーと装置本体との位置関係を示す説明図である。
【図7】一時停止位置にあるときのトップカバーと装置本体との位置関係を示す説明図である。
【図8】閉じ位置にあるときのトップカバーとセンサの位置関係を示す説明図である。
【図9】一時停止位置にあるときのトップカバーとセンサの位置関係を示す説明図である。
【図10】開き位置にあるときのトップカバーとセンサの位置関係を示す説明図である。
【図11】電気構成の概略を示すブロック図である。
【図12】開き動作における駆動シーケンスを示すチャートである。
【図13】閉じ動作における駆動シーケンスを示すチャートである。
【図14】増し送り駆動後のトップカバーの状態を示す説明図である。
【図15】開き準備駆動後のトップカバーの状態を示す説明図である。
【図16】洗浄消毒装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図17】一時停止を行わない場合の開き動作における駆動シーケンスを示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1及び図2に示すように、内視鏡洗浄消毒装置(以下、洗浄消毒装置と呼ぶ)10は、箱状の装置本体11を備えている。装置本体11の上部には、使用後の内視鏡12を収容し、洗浄液や消毒液が供給される洗浄槽13が設けられている。洗浄槽13は、上部が開放された水槽であり、例えばステンレス等の耐熱性、耐蝕性等に優れた金属材料で形成されている。装置本体11には、洗浄槽13の開口部13aを覆う蓋として機能するトップカバー16が設けられている。
【0024】
装置本体11は、シャーシ(図示せず)を有しており、シャーシには、洗浄槽13やトップカバー16の他、洗浄消毒処理を行う洗浄消毒機構83(図11参照)が設けられている。洗浄消毒機構83は、洗浄液や消毒液を洗浄槽13に供給するための配管、ポンプ電磁弁、さらに、消毒液を貯留するタンクなどからなる。シャーシの外周は、前面パネル17、側面パネル18、上部パネル19からなる外装部材によって覆われている。
【0025】
洗浄槽13の内周形状は、上方から見ると、前方部分が略円形で、後方部分が略方形をしている(図5参照)。前方部分の底面には、内視鏡12が載置される略円形のネット21が配置されている。ネット21は、内視鏡12と底面との間に液体が流れ込む隙間を作り、洗浄槽13に供給される液体が、内視鏡12の外表面に接触する面積を増加させる。
【0026】
ネット21の中央には、内視鏡12から取り外された、送気・送水ボタンや吸引ボタンなどの小物部品を収容する小物洗浄かご22が配置されている。小物洗浄かご22の近傍には、噴射ノズル23や温度センサ(図示せず)が配置されている。噴射ノズル23は、上方に位置するトップカバー16に向けて水を噴射する。温度センサは、洗浄槽13内に貯えられた液体の温度を測定する。洗浄槽13の下部には、洗浄槽13内の液体を加熱するヒータ(図示せず)が設けられており、ヒータは、温度センサが測定する温度によって制御される。
【0027】
内視鏡12は、被検体内に挿入される挿入部及びユニバーサルコードが巻き回された状態で、小物洗浄かご22の周囲を取り囲むようにして、ネット21上に載置される。ユニバーサルコードは、内視鏡12から受信する撮像信号を処理するプロセッサや、内視鏡12に内挿されたライトガイドに照明光を入力する光源装置に接続されるコードである。ユニバーサルコードの一端には、プロセッサや光源装置に接続するためのコネクタが設けられている。内視鏡12を洗浄槽13に収容する際には、コネクタには、防水キャップが取り付けられる。
【0028】
洗浄槽13の後方部分には、底面に、廃液口26が設けられており、側面には、液面センサ27が設けられている。廃液口26は、洗浄槽13から使用済みの水、洗浄液、消毒液を排出する。液面センサ27は、例えば、液面に応じてフロートが上下動するフロート式レベルセンサであり、洗浄槽13内に貯えられた液体の液面位置を検出する。
【0029】
洗浄槽13の後方部分には、洗浄槽13の底面よりも一段高いテラス部13b、13cが設けられている。各テラス部13b、13cは、後方部分の2つの角にそれぞれ設けられており、上方から見ると、略三角形状をしている。一方のテラス部13bには、気密試験ポート28が設けられている。気密試験ポート28は、内視鏡10の挿入部及びユニバーサルコードの外皮と内蔵物の隙間に圧縮エアを送り込み、外皮に液体が進入する小さな孔や亀裂が生じていないかを試験するためのポートである。気密試験ポート28は、図示しないチューブを介して、ユニバーサルコードのコネクタに設けられた気密試験用の口金と接続される。
【0030】
また、テラス部13bには、内視鏡12の洗浄、消毒に用いる液体を洗浄槽13内に供給する供給ポートが設けられている。供給ポートには、洗浄槽13内に向けて屈曲された給水ノズル29a、消毒液供給ノズル29b、洗剤供給ノズル29cが設けられている。これらのノズル29a〜29cは、洗浄槽13内に貯えられる液体の液面よりも高い位置に配置されている。
【0031】
給水ノズル29aは、洗浄槽13内に水を供給し、洗剤供給ノズル29cは、洗剤タンク内に貯えられている洗剤を洗浄槽13内に供給する。使用後の内視鏡12に付着している体液や汚物は、水と洗剤とが混合された洗浄液により洗い流される。消毒液供給ノズル29bは、消毒液タンク内に貯えられている消毒液を洗浄槽13内に供給する。洗浄液で洗い流されなかった病原菌やウイルスは、消毒液により除去され、または病原性が消失される。
【0032】
テラス部13bの側面には、洗浄槽13内の液体に水流を生じさせるために、洗浄槽13に貯えられた液体を吸引して、循環させるための吸引口31が設けられている。給水ノズル29aは、循環用のノズルとしても使用され、吸引口31から吸引された液体は、配管を通って給水ノズル29aから再び洗浄槽13に供給される。
【0033】
テラス部13cには、内視鏡12の送気・送水チャンネル、吸引チャンネル及び鉗子チャンネル内の洗浄、消毒に用いられるチャンネル洗浄ポート32が設けられている。チャンネル洗浄ポート32には、送気・送水チャンネル用カプラ、吸引チャンネル用カプラが設けられている。各カプラは、図示しない接続チューブを介して、内視鏡12に設けられた送気・送水ボタン及び吸引ボタンのそれぞれの装着口と接続される。チャンネル洗浄ポート32は、水、洗浄液、消毒液、アルコール、及び圧縮エア等の液体及び気体を、送気・送水チャンネル、鉗子チャンネル及び吸引チャンネル内に供給する。
【0034】
装置本体11の前面パネル17は、側端部がヒンジを介してシャーシに取り付けられており、開閉自在となっている。前面パネル17内には、図示しない収納トレイが設けられている。収納トレイには、洗剤タンク及びアルコールタンクが収納されている。洗剤タンクには、内視鏡12の洗浄に使用される洗剤が貯えられている。アルコールタンクには、内視鏡12の洗浄、消毒後に、鉗子チャンネル等の各チャンネル内に流されるアルコールが貯えられている。前面パネル17には、各タンク内の液体の残量視認用の透明窓33が取り付けられている。
【0035】
また、収納トレイには、消毒液(例えば、過酢酸、グルタールアルデヒド(GA)、オルトフタルアルデヒド(OPA)など)の濃縮液を貯えた供給ボトルが交換可能に収納される。供給ボトルは、シャーシに備え付けられた消毒液タンクに接続され、濃縮液を消毒液タンク内に供給する。濃縮液は、消毒液タンク内において水によって希釈されて使用される。
【0036】
符号34は、洗浄履歴情報が印字されたプリントを排出する排紙口である。洗浄履歴情報は、例えば、洗浄を実施した日時、洗浄担当者名、洗浄した内視鏡12のIDなどの情報である。洗浄履歴情報が印字されたプリントは、内視鏡12の洗浄消毒結果の確認、管理等に用いられる。
【0037】
上部パネル19の前端部には、操作部36が設けられている。操作部36には、各種の操作指示を入力するための操作ボタン37、各種表示を行うディスプレイ38、及び読み取り部39が設けられている。操作ボタンや操作キーは、例えば、洗浄、消毒の開始を指示するスタートボタン、緊急停止を指示するためのストップボタン、ディスプレイ38に表示される操作画面を操作するための操作キーからなる。ディスプレイ38は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)であり、洗浄・消毒処理のメニューを選択する選択画面や各種設定を行うための設定画面を含む操作画面を表示する他、洗浄・消毒処理の進捗状況や残り時間、トラブル発生時の警告メッセージ等を表示する。
【0038】
読み取り部39は、その内部にタグリーダ(図示せず)が配置されている。タグリーダは、内視鏡12に設けられたRFIDタグや、洗浄担当者のネームプレートに設けられたRFIDタグと非接触で通信してRFIDタグ内の情報(内視鏡12のIDや洗浄担当者名など)を読み取る。
【0039】
上部パネル19は、洗浄槽13の開口部13aを露出する開口19aが形成された枠形状をしている。洗浄槽13の開口部13aの上端には、洗浄槽13の垂直に立ち上がる側面と直交し、水平方向に延設された周縁部13dが形成されている。周縁部13dと上部パネル19は、両者の境界から気体や液体が漏れる隙間が生じないように接合されている。上部パネル19の開口19aの内縁には、液体が重力の作用によって洗浄槽13に向かって流れるように、洗浄槽13の開口部13aに向かって傾斜した斜面19bが形成されている。
【0040】
トップカバー16は、例えば、プラスチックで形成された略矩形状の板状体で形成されたカバー本体41と、カバー本体41の洗浄槽13と対面する下面側の外周部に取り付けられたパッキン42とからなる。トップカバー16は、カバー本体41の後方から突出した取り付け部43において装置本体11に取り付けられており、取り付け部43を支点として、洗浄槽13の開口部13aを覆って閉じる閉じ位置と開口部13aを開放して露出させる開き位置との間を回動する。閉じ位置は、トップカバー16が水平方向とほぼ一致する位置であり、トップカバー16の開き位置は、トップカバー16の閉じ位置を基準とする、トップカバー16の開き角度が約70°の位置である。
【0041】
トップカバー16は、モータ92(図11参照)によって電動で開閉される。開閉の操作指示は、フットスイッチ44の踏み込み操作によって入力される。フットスイッチ44は、前面パネル17の下方に配置されており、ペダル形状をしている。トップカバー16が閉じているときにフットスイッチ44を踏み込むとトップカバー16が開き、開いているときに踏み込むと閉じる。
【0042】
トップカバー16の上面は、清掃がしやすいように、細かな凹凸の無い緩やかな曲面で構成されている。トップカバー16の下面には、前方部分にネット46が設けられている。ネット46は、トップカバー16が閉じたときに、洗浄槽13の底面に配置されたネット46と対向する位置に配置されている。ネット46は、洗浄槽13に収容された内視鏡12を上方から押さえつけて、内視鏡12を液面下に沈める。
【0043】
カバー本体41は、洗浄槽13内の様子を外部から視認できるように、例えば、透明又は半透明のプラスチック材料で形成される。パッキン42は、ゴムなどの弾性材料で形成されており、洗浄槽13の開口部13aを気密及び水密に密閉する。パッキン42は、洗浄槽13の周縁部13d及び上部パネル19の開口19aの内側面と圧接して、洗浄槽13に供給された液体が外部に飛散すること、さらに、消毒液の臭気が外部に漏れることを防止する。
【0044】
図3に示すように、トップカバー16の後方部分には、洗浄槽13の内部と外部を連通する通気路48が設けられている。洗浄槽13の開口部13aは、パッキン42によって密閉される。このため、トップカバー16が閉じられている状態において、洗浄槽13の液体が廃液口26や吸引口31から排出されるときには、通気路48を通じて、外部から洗浄槽13内に外気が取り入れられる。
【0045】
また、トップカバー16が閉じ位置から開き位置への回動を開始する回動初期においては、パッキン42によって開口部13aが密閉されているので、その状態でトップカバー16が開き方向に回動すると、洗浄槽13内が負圧になる。パッキン42による開口部13aの密閉が解除されるまでの間、通気路48を通じて外部から洗浄槽13に外気が取り入れられる。これにより、洗浄槽13の内外の気圧差が解消されて、トップカバー16が開き方向に回動することができる。
【0046】
図3及び図4に示すように、トップカバー16の上面には、消臭フイルタ49が交換可能に装着されるフイルタ装着部51が形成されている。フイルタ装着部51には、通気路48を構成するスリット51aが形成されている。消臭フイルタ49は、上方からスリット51aを覆うようにフイルタ装着部51に装着され、通気路48内に配置される。消臭フイルタ49は、通気路48を通じて洗浄槽13内から外部に排出される気体の臭気を消臭する。消臭フイルタ49は、例えば、スポンジ状の多孔質材料に、活性炭などの消臭剤を担持させたものであり、通気抵抗が大きい。
【0047】
フイルタ装着部51には、消臭フイルタ49を覆うフイルタカバー52が開閉自在に設けられている。フイルタカバー52には、スリット52aが形成されており、スリット52aは、スリット51aとともに通気路48を構成する。スリット51aは、断面がクランク状に屈曲して形成されており、消臭フイルタ49の下面を覆う。これにより、洗浄槽13内の液体が消臭フイルタ49に飛散しないようにしている。
【0048】
図5に示すように、トップカバー16のカバー本体41の下面には、その前方部分の両脇に、突き当て部54が形成されている。突き当て部54は、トップカバー16が閉じたときに、洗浄槽13の周縁部13dと当接して、トップカバー16の閉じ位置を規定する。突き当て部54は、パッキン42が周縁部13dに圧接した状態で、周縁部13dと当接するように、その高さが決められている。
【0049】
また、カバー本体41には、下面から略垂直方向に突き出す、第1リブ56、第2リブ57、第3リブ58が形成されている。第1〜第3のリブ56〜58の主たる機能は、カバー本体41の剛性を確保することである。上述の通り、カバー本体41は、上面を細かな凹凸の無い緩やかな曲面にするために、略平板状に形成される。このような形状のカバー本体41を、その一端部を支点にモータ92で駆動しようとすると、カバー本体41の剛性が不足する。剛性が不足すると、回動中の振動が大きくなり、モータ92の負荷が大きくなる。そのため、カバー本体41の剛性を確保するために、第1リブ56〜58が設けられている。
【0050】
また、カバー本体41は、後端に設けられた取り付け部43が支点となって回動するため、前方部分よりも後方部分の剛性を高める必要があるので、前方部分に比べて後方部分においてリブの密集度を高めている。
【0051】
第1リブ56は、洗浄槽13の開口部13aの内周にほぼ沿った形状をしている。第1リブ56の略円形をした前方部分には、ネット46が取り付けられる。第1リブ56は、開口部13a内に入り込み、テラス部13b、13cの上面に達する程度の高さを有している。洗浄槽13内は、洗浄や濯ぎ中は、水流が激しく液体のしぶきも多いので、第1リブ56によって洗浄槽13の主要部を取り囲むことで、液体のしぶきがカバー本体41の周縁部分に飛散することを防止する。
【0052】
第1リブ56には、スリット51aの手前で横方向に延びた横リブ56aが配されており、横リブ56aは、スリット51aにしぶきが飛散する壁の役割を果たしている。また、横リブ56aは、その両端部が、中央に向かうに従って後方に後退するように傾斜している。これにより、図6に示すように、トップカバー16が開いて、その前端を上方に向けて起き上がったときに、カバー本体41の下面を伝って前方から後方に流れ落ちる液滴が中央に流れて、洗浄槽13内に向かって液滴が落下する。
【0053】
また、第1リブ56の後方部分には、トップカバー16が閉じたときに、テラス部13b、13cの上面と当接する突き当て部56bが設けられている。突き当て部56bは、突き当て部54とともに、トップカバー16の閉じ位置を規定するストッパとして機能する。切欠56cは、給水ノズル29aを避けるための凹部である。半円状に湾曲した凹部56dは、液面センサ27を避けるための凹部である。
【0054】
第2リブ57は、第1リブ56よりも、高さが一段低く形成されている。第2リブ57は、中央に、スリット51aの両脇を縦方向に延びる縦リブ57aと、スリット51aの後方で横方向に延びる横リブ57bからなる。第2リブ57は、中央に縦リブ57aを4本配することで、第1リブ56と比べて、リブの密集度を上げている。
【0055】
取り付け部43とその付近には、第3リブ58が設けられている。この領域は、剛性が最も必要になる部分であるので、第3リブ58は、縦方向に延びた縦リブ58aを、格子状に配列して構成される。第3リブ58は、縦リブ58aの数が第2リブ57の縦リブ57aよりも多く、その配列ピッチは狭く、第2リブ57よりも密集度が高い。
【0056】
取り付け部43には、第3リブ58を覆うように、金属板(二点鎖線で示す)61が取り付けられている。金属板61は、トップカバー16の剛性を確保するための補強材として機能するとともに、第3リブ58を覆うカバーとして機能する。第3リブ58は、格子状に配列されているため、各リブの隙間の清掃がしにくい。このため、隙間に液滴が進入しないように、金属板61によって第3リブ58が覆われる。
【0057】
パッキン42には、後半部の複数箇所に、滴止め59が形成されている。パッキン42の後端まで液滴が流れると、液滴がトップカバー16の取り付け部43に回り込んだり、斜面19bの外側に落下するなど、洗浄槽13の外側に流れる可能性が高い。図6に示すように、滴止め59は、トップカバー16が開いたときに、パッキン42を伝って前方部分から流れてくる滴を止めて、洗浄槽13や上部パネル19の斜面19bに向けて落下させる。
【0058】
図7に示すように、トップカバー16は、閉じ位置から、図6に示す開き位置に回動する開き動作の途中において、開き角度が約10°の位置で一時停止する。一時停止位置は、パッキン42の全体(前端から後端まで)と、開口部13a及び開口19aとの接触が解消された位置である。一時停止位置においては、パッキン42による、開口部13a及び開口19aの密閉が解除されており、開口部13及び開口19を通じて、洗浄槽13内に外気が流入可能になっている。
【0059】
一時停止位置では、トップカバー16の下面と洗浄槽13の開口部13aがほぼ対面しているので、この位置でトップカバー16を停止させることで、カバー本体41の下面に付着した液滴を洗浄槽13内に落下させることができる。これにより、トップカバー16の水切りが行われるので、トップカバー16が一時停止位置から開き位置へ回動する際の遠心力や、開き位置で停止したときの振動によって、液滴が洗浄槽13外へ飛散するのを抑えることができる。
【0060】
また、一時停止させることにより、パッキン42と、開口部13a及び開口19aとの密閉が解除された際に生じるトップカバー16の振動が収束する。トップカバー16の振動の発生原因は、以下の2つである。上述のとおり、トップカバー16の開き動作の開始初期においては、開口部13a及び開口19aがパッキン42によって密閉されており、外気の取り入れ口は通気路48に限られている。通気路48には、通気抵抗が大きな消臭フイルタ49が設けられているため、外気の流入量が不足しがちになり、洗浄槽13の内部は外気に対して負圧になる。
【0061】
トップカバー16が閉じ位置から回動を開始して、パッキン42と開口部13a及び開口19aとの密閉が解除される直前において、洗浄槽13内外の圧力差が高い状態になるので、密閉の解除が開始された直後に開口部13aから勢いよく外気が流入する。このため、トップカバー16は、その反動によって大きく振動する。これが振動発生の第1の原因である。
【0062】
また、パッキン42は、その下面が洗浄槽13の周縁部13dと離れた後も、側面が上部パネル19の開口19aの内縁と接触している。パッキン42と上部パネル19の摩擦力は、トップカバー16の開き動作の抵抗として作用する。このため、パッキン42が上部パネル19から離れて、密閉が解除された直後においては、摩擦力が消失した反動によってトップカバー16が振動する。これが振動発生の第2の原因である。
【0063】
トップカバー16は、このような振動を抑制する対策として、上記第1〜第3の各リブ56〜58を設けることによって剛性を高めているので、密閉が解除された際に生じるトップカバー16の振動は、各リブ56〜58が無い場合に比べれば小さい。しかし、振動を完全に打ち消すことはできない。トップカバー16が振動した状態で、開き位置に回動させると、モータ92の負荷が大きくなるので、一時停止させることにより、振動をさらに収束させ、モータ92の負荷を軽減している。
【0064】
図8〜10に示すように、トップカバー16は、取り付け部43と連結された回動軸66を中心に回動する。回動軸66は、装置本体11のシャーシに設けられた軸受け板67によって両端が支持される。トップカバー16の取り付け部43には、回動軸66よりも後方に配置され、トップカバー16と一緒に回動するアーム68が設けられている。
【0065】
アーム68には、引っ張りバネ69の一端が取り付けられている。引っ張りバネ69は、他端が軸受け板67に取り付けられており、トップカバー16が開き位置に向けて(時計方向に)回動するように付勢する。トップカバー16の開き動作においては、トップカバー16を回動するトルクとは反対方向にトップカバー16の自重が作用するので、閉じ動作と比較して大きなトルクが必要となる。引っ張りバネ69は、トップカバー16を開き位置に向けて付勢することで、開き動作に必要なトルクを軽減する。
【0066】
アーム68の先端には、装置本体11に設けられたソレノイド71と係合する係合部68aが設けられている。ソレノイド71は、トップカバー16を閉じ位置でロックするロック機構84(図12参照)を構成する。図8に示すように、トップカバー16が閉じ位置にあるときに、ソレノイド71のプランジャ71aが係合部68aの移動経路に進入して、アーム68の時計方向の回動を規制する。ロック機構84は、洗浄・消毒処理の開始指示がされたときに作動して、トップカバー16を閉じ位置でロックし、洗浄・消毒処理中にトップカバー16が不用意に開放されることを防止する。
【0067】
軸受け板67には、トップカバー16の閉じ位置、一時停止位置、開き位置のそれぞれの位置を検出するための閉じ位置センサ72、一時停止位置センサ73、閉じ位置センサ74が設けられている。各位置センサ72〜74は、例えば、フォトセンサが使用される。アーム68には、各位置センサ72〜74によって検知されるマーカ77が設けられている。各位置センサ72〜74は、トップカバー16の閉じ位置、開き位置、一時停止位置のそれぞれの位置において、マーカ77と対向している間オンして、検出信号を出力する。
【0068】
図11に示すように、洗浄消毒装置10は、CPU81によって、装置の各部が統括的に制御される。CPU81には、メモリ82が接続されている。メモリ82は、制御プログラムや各種設定情報が格納されるROMや、ROMからプログラムをロードして、CPU81がプログラムを実行する際の作業領域となるRAMからなる。洗浄消毒機構83は、洗浄槽13の給排液を行うためのポンプ、配管の経路を切り換えるための電動弁、液面センサ27、温度センサ、及びこれらを駆動するための各種のドライバからなる。ロック機構84は、ソレノイド71及びこれを駆動するためのドライバからなる。
【0069】
CPU81は、操作部36の操作ボタンや操作キーからの操作指示の入力によって、制御プログラムを実行し、洗浄消毒機構83、ロック機構84を制御する。また、CPU81は、フットスイッチ44からの操作指示の入力によって、トップカバー16の開閉機構86を制御する。
【0070】
開閉機構86は、モータドライバ91、モータ92、トルクリミッタ93、及び各位置センサ72〜74からなる。モータ92は、例えば、与えられたパルスに応じて回転量が制御されるパルスモータが使用される。CPU81は、モータドライバ91に対して、回転方向、回転量及び回転速度といった制御信号を与える。モータドライバ91は、制御信号に応じたパルスを発生し、これを駆動信号としてモータ92に与える。
【0071】
トルクリミッタ93は、モータ92の出力軸に取り付けられる。トルクリミッタ93は、例えば、外輪と外輪の内周に圧接する圧接体からなり、両者の摩擦力を利用して、モータ92のトルクを回動軸66に伝達するとともに、回動軸66からの負荷が摩擦力の上限値を超えたときに、外輪と圧接体がスリップすることにより、モータ92から回動軸66へのトルクの伝達を遮断する。これにより、トップカバー16に対して過大なトルクが伝達されることを防止する。
【0072】
CPU81は、各位置センサ72〜74がオンしたときに出力する検出信号に基づいて、トップカバー16の位置を判定する。フットスイッチ44の操作がされると、CPU81に操作信号が入力される。トップカバー16が閉じ位置にあるときには、閉じ位置センサ72が検出信号を出力し、開き位置にあるときには、開き位置センサ74が検出信号を出力する。CPU81は、この検出信号に基づいて、トップカバー16が閉じ位置又は開き位置にあると判定し、閉じ位置にあると判定した場合には、モータドライバ91に対して、開き動作に応じた制御信号を与え、一方、開き位置にあると判定した場合には、閉じ動作に応じた制御信号を与える。
【0073】
開き動作におけるモータの駆動シーケンスを示す図12において、縦軸は、モータ92の回転速度を、単位時間当たりに与えられる駆動パルス数(PPS:Pulse Per Second)で示し、横軸は、駆動時間を示す。モータ92の回転速度は、トップカバー16の開閉速度に対応する。開き動作の開始初期においては、モータ92は、約400PPSの一定速度で駆動され、それに応じた開き速度で、トップカバー16が、図8に示す閉じ位置から開き位置に向けて回動を開始する。
【0074】
トップカバー16の開き動作の開始初期においては、パッキン42と開口部13aの密閉が解除されるまでの間、通気路48から外気を洗浄槽13内に採り入れられる。通気路48には消臭フイルタ49が設けられているので、通気抵抗が大きく、トップカバー16の開き速度を上げると、通気抵抗が二乗に比例して増加するため、大きなトルクが必要になる。トップカバー16の開き動作の開始初期において、モータ92を低速で駆動することで、モータ92の負荷が軽減される。低速駆動中は、モータ92は、一定速度で駆動される。
【0075】
この低速駆動中に、パッキン42と開口部13a及び開口19aの密閉の解除が開始される。トップカバー16の開き方向への回動に従って、パッキン42の下面は、前から後ろに順に周縁部13dから離れて、開口部13aの密閉を解除する。そして、パッキン42の側面が、開口19aから離れる。こうして開口部13a及び開口19aの密閉が解除される。密閉が解除された後、トップカバー16が一時停止位置に達すると、CPU81が一時停止位置センサ73からの検出信号を受信する。CPU81は、モータ92の回転を停止して、図9に示す位置でトップカバー16を一時停止させる。この一時停止により、トップカバー16の水切りが行われるとともに、振動が収束する。
【0076】
CPU81は、一時停止時間をシステムタイマで計時して、所定時間が経過した後、モータドライバ91に対して制御信号を与えて、モータ92の回転を再開させる。回転再開後は、モータ92は、一時停止前の速度よりも回転速度が速い速度域で高速駆動される。高速駆動においては、初期速度から最高速度に加速する加速区間と、加速区間後に等速で駆動される等速区間と、等速区間後に減速する減速区間が設けられる。
【0077】
具体的には、初期速度が約800PPSで、初期速度から徐々に回転速度を上げて、約1300PPSの最高速度まで加速させ、最高速度で、所定時間、等速で駆動される。本例においては、高速駆動は、低速駆動の速度域の約3倍近い速度域で駆動される。
【0078】
トップカバー16が開き位置に近づくと、開き位置センサ74の検出信号の出力が開始される。CPU81は、開き位置センサ74からの検出信号を受信すると、モータ92の回転速度を徐々に減速させて、停止させる。
【0079】
なお、開き位置センサ74がオンして検出信号の出力を開始した後、トップカバー16は僅かに回動した後に停止するが、トップカバー16が停止する位置においても、マーカ77は開き位置センサ74と対向する位置にあり、開き位置センサ74からは検出信号が出力される。
【0080】
高速駆動においては、加速区間と減速区間を設けており、トップカバー16の速度変化が緩やかになるため、トップカバー16の振動が抑制される。
【0081】
閉じ動作におけるモータの駆動シーケンスを示す図13において、閉じ動作においては、開き動作の場合と異なり、CPU81は、低速駆動を行わずに、モータ92の回転を高速駆動で開始させる。モータ92の初期速度及び最高速度は、開き動作の場合と同じである。トップカバー16は、閉じ位置に向かう途中に一時停止位置に到達するが、閉じ動作のときには、一時停止位置で停止することなく通過する。トップカバー16が一時停止位置を通過するときに、一時停止位置センサ73がオンして検出信号を出力する。CPU81は、この検出信号を受信するとモータ92の減速を開始させる。
【0082】
この減速区間において、トップカバー16のパッキン42は、その後方部分から上部パネル19の開口19aの内周との当接を開始する。パッキン42は、トップカバー16の回動に従って、上部パネル19との当接部分が前方部分にまで広がる。パッキン42の前端部と上部パネル19が当接すると、パッキン42によって上部パネル19の開口19aが塞がれて、さらに、パッキン42の全体と洗浄槽13の周縁部13dが当接すると、パッキン42によって開口部13aが密閉される。
【0083】
パッキン42が上部パネル19の開口19aを塞いだ後は、トップカバー16の閉じ動作によって洗浄槽13内の体積が収縮するので、洗浄槽13内の圧力は外気に対して上昇する。この圧力差を解消するように、洗浄槽13から通気路48を通じて洗浄槽13内の空気が外部に排出される。通気路48の通気抵抗は、閉じ動作においても、トップカバー16の回動に対する抵抗となる。しかし、閉じ動作においては、開き動作と異なり、トップカバー16の自重が閉じ方向への回動に対してプラスに作用するので、開き動作と比較して、モータ92にかかる負荷は小さい。そのため、閉じ動作においては、開き動作と異なり、一時停止位置から閉じ位置までの区間において、低速駆動を行わずに、高速駆動を行っている。
【0084】
トップカバー16が、閉じ位置に近づくと、閉じ位置センサ72がオンして検出信号の出力を開始する。CPU81は、閉じ位置センサ72からの検出信号を受信すると、減速を終了し、モータ92を所定時間、一定速度で回転させる。トップカバー16は、閉じ位置センサ72がオンした後、僅かに閉じ方向に回動して停止するが、この位置においても閉じ位置センサ72はオンしたまま検出信号を出力する。閉じ位置では、カバー本体41の突き当て部54、56bが、洗浄槽13と当接して、トップカバー16の閉じ方向の回動が規制される。
【0085】
トップカバー16が閉じ位置に到達した後も、モータ92は、所定時間回転を継続して、増し送り駆動を行う。増し送り駆動は、トップカバー16のパッキン42と開口部13aの密閉を確実にするためのものである。増し送り駆動は、トップカバー16が閉じ位置に到達した後に行われるので、トップカバー16の回動軸66を中心とする回動は規制される。
【0086】
そのため、増し送り駆動が行われると、図14に示すように、トップカバー16のカバー本体41は、下面の中央を洗浄槽13内に突き出すように(下面が下に向けて凸になるように)反り返る。これにより、パッキン42と開口部13aが確実に密閉される。なお、トルクリミッタ93の作用により、モータ92からトップカバー16への過大なトルクは遮断されるので、増し送り駆動時において、トップカバー16が変形したり破損したりするようなことはない。
【0087】
図13に戻って、閉じ動作においては、モータ92を停止して増し送り駆動を終了すると、その直後に、モータ92を所定量逆転させることにより、トップカバー16の開き準備駆動を行う。開き準備駆動は、図15に示すように、増し送り駆動によって生じたトップカバー16の反り返りを解消する処理である。これは、フットスイッチ44の操作からトップカバー16が開き位置に到達するまでの開き動作時間を短縮するために行われる。トップカバー16が、図14に示すように反り返った状態で、モータ92の回転を開始させると、モータ92の回転開始初期の回転量は、トップカバー16の反り返りを解消するのに費やされる。開き準備駆動によって、トップカバー16の反り返りを解消する処理を予め行うことで、閉じ動作が終了した後に行われる開き動作の時間が短縮される。
【0088】
洗浄消毒装置10は、開示準備駆動を完了した状態で、操作指示の入力を待機する。操作部36のスタートボタンが操作されて、洗浄・消毒処理の開始が指示されると、CPU81は、洗浄・消毒処理を開始する前に、トップカバー16の密閉を確実にするために、増し送り駆動を行う。増し送り駆動により、トップカバー16が、図14に示すように反り返った状態となる。この状態で、CPU81は、ロック機構84を作動させて、トップカバー16をロックする。なお、気密試験の処理など、処理中に、トップカバー16を開けて目視で気泡の発生状態を確認する必要がある処理においては、ロック機構84は作動しない。
【0089】
以下、上記構成による作用について、図16に示すフローチャートを参照しながら説明する。洗浄消毒装置10は、起動中に、操作指示の入力を待機する。CPU81は、フットスイッチ44が操作されたときに、洗浄・消毒処理が実行中の場合には、その操作指示を無効と判定し、トップカバー16の開き動作を開始させない。洗浄・消毒処理が実行されていない場合には、CPU81は、フットスイッチ44の操作指示を受信すると、閉じ位置センサ72又は開き位置センサ74の検出信号の出力に応じて、トップカバー16が閉じ位置か開き位置かを判定する。
【0090】
トップカバー16が閉じ位置と判定された場合には、CPU81は、開閉機構86を制御して、トップカバー16の開き動作を開始させる。開き動作は、上述した図12に示すシーケンスに従って行われる。モータ92は、開き動作の開始初期においては、低速駆動で回転するので、トップカバー16は、閉じ位置から一時停止位置までの間は、低速で回動する。このため、トップカバー16のパッキン42によって開口部13aが密閉されている期間中、消臭フイルタ49による通気抵抗が低く抑えられるので、高速で回動させる場合と比べて、発生トルクが小さなモータ92で済む。
【0091】
また、トップカバー16は、引っ張りバネ69によって開き方向に付勢されているので、その分、トップカバー16を開き方向へ回動させる負荷は軽減されている。そのため、引っ張りバネ69が無い場合と比べて、より発生トルクが小さいモータ62を使用することができる。
【0092】
トップカバー16は、一時停止位置で停止する。一時停止することで、トップカバー16の水切りが行われるとともに、パッキン42の密閉解除時に発生するトップカバー16の振動が収束する。一時停止期間が終了すると、モータ92の回転が高速駆動で再開される。トップカバー16は、高速で開き位置まで回動する。このため、開き動作に要する時間が短時間で済むので、トップカバー16が開放されるのを待つスタッフの心理的なストレスは小さい。トップカバー16が開放された状態で、内視鏡12の洗浄槽13へのセットや、洗浄槽13からの取り出しが行われる。
【0093】
図12に示すように、高速駆動においては、最高速度よりも遅い初期速度からモータ92の回転が開始され、徐々に最高速度まで加速し、停止するときにも、最高速度から徐々に減速して停止する。そのため、トップカバー16の回動開始及び停止時の衝撃が少ない滑らかな動きが実現できる。
【0094】
また、トップカバー16は、一時停止位置において水切りが行われているので、高速で回動させても、トップカバー16に付着した液滴の飛散量が少ない。また、振動を収束させた後、回動させているので、振動が収束していない状態で回動させる場合と比べて、トップカバー16の回動に要する負荷も小さい。
【0095】
一方、CPU81は、フットスイッチ44の操作がなされたときに、トップカバー16が開き位置にあると判定した場合には、開閉機構86を制御して、トップカバー16の閉じ動作を開始させる。閉じ動作は、上述の図13に示すシーケンスに従って行われる。閉じ動作においては、モータ92の回転が高速駆動で開始される。トップカバー16は、高速で閉じ位置まで回動する。このため、閉じ動作に要する時間が短時間で済むので、スタッフの心理的なストレスは少ない。
【0096】
図13に示すように、高速駆動においては、最高速度よりも遅い初期速度からモータ92の回転が開始され、徐々に最高速度まで加速する。そして、トップカバー16が一時停止位置を通過すると、減速を開始する。閉じ位置の手前で減速するので、トップカバー16と装置本体11の間に、指や手を挟むことを防止することができる。
【0097】
この減速区間中に、パッキン42と上部パネル19の開口19aの当接が開始される。さらに、トップカバー16が閉じ位置に向けて回動すると、パッキン42の下面が、洗浄槽13の周縁部13dに圧接して、開口部13aの密閉が完了する。CPU81は、閉じ位置センサ72がオンすると、モータ92の減速を停止して、一定速度で回転を継続する。閉じ位置から僅かに回動した位置で、トップカバー16の突き当て部54、56bが洗浄槽13に突き当たる閉じ位置に到達する。
【0098】
閉じ動作においては、開き動作と異なり、一時停止位置から閉じ位置までの間も、高速駆動が行われる。しかし、閉じ動作においては、トップカバー16の自重が閉じ方向への回動力に対してプラスに作用するため、開き動作時に高速で駆動する場合と比べて、回動力は小さくて済むので、モータ92の負荷は小さい。
【0099】
トップカバー16が閉じ位置に到達した後も、モータ92は、増し送り駆動が行われて、回転が継続する。増し送り駆動が完了後、モータ92が逆転して、開き準備駆動が行われる。閉じ動作の終了直前に開き準備駆動を行うことにより、トップカバー16は、増し送り駆動によって生じた、トップカバー16の反り返り(図14参照)を解消することができる。
【0100】
トップカバー16は、反り返りが解消された状態で、開き動作の開始を待機することができるので、フットスイッチ44の操作により開き動作の開始が指示された場合には、迅速なトップカバー16の開放が可能になる。実験結果によれば、フットスイッチ44の踏み込み操作からトップカバー16が開き位置に到達するまでの開き時間は、開き準備駆動を行わない場合には、5.8sec要したのに対して、開き準備駆動を行った場合には、3.8secであり、約35%の時間短縮効果が認められた。
【0101】
操作部36のスタートボタンの操作により、洗浄・消毒処理の開始指示が入力されると、CPU81は、閉じ位置センサ72又は開き位置センサ74の出力により、トップカバー16の位置を判定し、開き位置にあると判定した場合には、洗浄・消毒処理を開始せず、開始指示を無効と判定する。そして、例えば、警告メッセージをディスプレイ37に出力して、スタッフに対してトップカバー16を閉じるように促す。
【0102】
CPU81は、トップカバー16が閉じ位置にあると判定した場合には、洗浄・消毒処理の開始に先立って、モータ92を回転させて増し送り駆動を行って、パッキン42による洗浄槽13の開口部13aの密閉を確実にする。CPU81は、増し送り駆動後に、ロック機構84を作動させてトップカバー16をロックする(ON)。この後、洗浄・消毒処理を開始させる。
【0103】
CPU81は、洗浄・処理が終了すると、ロック機構84を解除(OFF)して、開き準備駆動を行う。開き準備駆動は、閉じ動作において実行される開き準備駆動と同様である。これにより、フットスイッチ44の開き時間が短縮される。洗浄消毒装置10の電源がOFFされるまでの間、上記手順が繰り返し実行される。
【0104】
上記実施形態の駆動シーケンスは1例であり、例えば、低速駆動及び高速駆動のそれぞれの回転速度、両者の速度比は、適宜変更が可能である。また、高速駆動の開始と停止の際に、加速と減速を行っているが、高速駆動においても、低速駆動と同様に、開始から停止までの間一定速度でもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、開き動作における低速駆動から高速駆動に速度を変化させるポイントと、閉じ動作において高速駆動から低速駆動に速度を変化させるポイントを、同じ位置で行っているが、閉じ動作において減速する目的は、指や手が挟まれることを防止することであり、開き動作において速度を変化させる目的とは異なるので、両者のポイントは、異なってもよい。
【0106】
また、一時停止位置について、上記実施形態では、トップカバー16のパッキン42の全体が、開口部13a及び開口19aから離れた状態で一時停止させる例で説明したが、トップカバー16による開口部13aの密閉が解除され、開口部13aから外気の導入が可能になる位置以後であれば、一時停止位置はどの位置でも構わない。つまり、パッキン42の一部が、開口部13a及び開口19aと接触している状態で一時停止させてもよいし、パッキン42の全体が開口部13a及び開口19aから離れた後、さらにトップカバー16が所定量開き方向に回動した位置で一時停止させてもよい。
【0107】
ただし、水切りによる液滴の飛散量軽減及び振動収束による回動負荷の軽減という一時停止の効果は、一時停止後の回動中に発現する効果である。したがって、一時停止までの期間は短く、回動が再開される一時停止後の期間が長くなることが好ましい。具体的には、一時停止位置は、トップカバー16による開口部13a及び開口19aの密閉が解除された位置から開き位置へ至る回動範囲の中間位置よりも前半にあることが好ましい。例えば、密閉が解除される位置のトップカバー16の開き角度が約10°で、開き位置の角度が約70°であれば、中間位置は、開き角度が約40°の位置となり、一時停止位置の好ましい範囲は、約10°〜約40°の範囲となる。
【0108】
また、上記実施形態では、一時停止を1回行う例で説明したが、複数の位置で、一時停止させてもよい。
【0109】
また、図17に示すように、低速駆動から高速駆動へ移行する際に、一時停止を行わなくてもよい。こうすれば、上記実施形態と比較して、開き時間を短縮することができる。もちろん、こうすると、上述の一時停止による効果と同等の効果は得られないが、開き時間の短縮化というメリットを多少犠牲にすれば、上記一時停止による効果に近い効果を得ることは可能である。
【0110】
具体的には、上記実施形態に比べて、低速駆動期間を長くとる、あるいは、一時停止をする場合よりも、低速駆動時のモータ92の回転速度をさらに遅くするといった設定を行う。低速駆動期間を長くとることは、例えば、低速駆動から高速駆動に切り換える位置を、開き角度が約10度の位置から、約15度の位置に遅らせることを意味する。このように低速駆動期間を長くとれば、水切り時間や振動の収束時間を確保することができる。また、一時停止をする場合と比べて、低速駆動時のモータ92の回転速度をさらに遅くすれば、密閉解除時に発生する振動をさらに抑えることができる。
【0111】
また、低速域から高速域に一段階で変化させるのではなく、複数段階あるいは連続的に速度を変化させながら、低速域から高速域へモータ92の回転速度を変化させてもよい。もちろん、低速及び高速は、相対的な概念であるので、こうした複数の速度域を区別することなく、下限値と上限値を持つ任意の速度域内で、モータ92の回転速度を変化させてもよい。
【0112】
さらに、モータ92としてパルスモータを使用する場合には、低速駆動時と高速駆動時において、それぞれの駆動モードを変化させてもよい。パルスモータは、例えば、特開2008−160900号公報に記載されているように、1相駆動方式、2相駆動方式、1相駆動方式と2相駆動方式を交互に切り換えながら駆動する1−2相駆動方式、及び1−2相駆動のステップ角を2倍細かくしたW1−2相駆動方式などの種々の駆動モードがある。2相駆動は、発生トルクが大きい反面、低速駆動において騒音が大きく、1−2相駆動やW1−2相駆動は、発生トルクは小さいが、騒音も小さいというように、駆動モードによって特性が異なる。こうした駆動モードの特性を考慮して、例えば、低速駆動時においては1−2相駆動方式やW1−2相駆動方式で駆動して騒音を抑え、高速駆動時は、2層駆動方式で駆動して発生トルクを大きくするというように、駆動モードを変化させてもよい。
【0113】
また、トップカバーを開閉する駆動源となる電動アクチュエータとしてパルスモータを使用した例で説明したが、DCモータなど、パルスモータ以外のモータでもよい。また、モータに限らず、ソレノイドなどの電動アクチュエータを使用してもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、消臭フイルタをトップカバーに設けた例で説明したが、消臭フイルタの配置位置は、トップカバーでなく、例えば、洗浄槽の内側面に設けてもよい。洗浄槽の内側面に設ける場合には、消臭フイルタが、洗浄槽に貯留される液体の液面下に沈んでしまうことがないように、液面の最高位置よりも上方に設けられる。ただし、洗浄槽内は、水の飛散が多いので、消臭フイルタの防水の観点からは、消臭フイルタは、洗浄槽の内側面よりも、トップカバーに配置されることが好ましい。
【0115】
また、トップカバーの開閉操作の操作入力手段として、ペダル式のフットスイッチを例に説明したが、フットスイッチの代わりに、またはそれに加えて、例えば、前面パネルに足で押圧操作が可能な押圧パッドやタッチセンサなどを設けてもよい。
【0116】
本発明は、内視鏡を洗浄・消毒する洗浄消毒装置に限らず、洗浄・消毒によって再使用される医療器具を洗浄・消毒する洗浄消毒装置にも適用できる。内視鏡以外の医療器具としては、例えば、鉗子、超音波プローブ、クリップ処置具、スネアなど、内視鏡の鉗子チャンネルを挿通して使用される処置具が考えられる。もちろん、内視鏡とともに使用される処置具以外の医療器具でもよい。本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0117】
10 洗浄消毒装置
12 内視鏡
13 洗浄槽
13a 開口部
16 トップカバー(蓋)
19 上部パネル
36 操作部
44 フットスイッチ
41 カバー本体
42 パッキン
43 取り付け部
49 消臭フイルタ
56〜58 第1〜第3リブ
59 滴止め
66 回動軸
69 バネ
71 ソレノイド
72 閉じ位置センサ
73 一時停止位置センサ
74 開き位置センサ
81 CPU
84 ロック機構
86 開閉機構
92 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療器具を収容して、医療器具の洗浄及び消毒を行う洗浄槽と、
洗浄槽の開口部を開閉し、閉じ位置で開口部を密閉する蓋と、
洗浄槽の内外で気体を流通させる通気路上に配置され、通気路を通過する気体から臭気を消臭する消臭フイルタと、
蓋を開閉する電動アクチュエータと、
電動アクチュエータの駆動を制御することにより、蓋による密閉が解除される前よりも、密閉が解除された後の速度が速くなるように、蓋の開き速度を変化させる制御手段とを備えていることを特徴とする洗浄消毒装置。
【請求項2】
前記制御手段は、密閉が解除された後、蓋を一時停止させることを特徴とする請求項1記載の洗浄消毒装置。
【請求項3】
前記制御手段は、一時停止の前後で蓋の開き速度を変化させることを特徴とする請求項2記載の洗浄消毒装置。
【請求項4】
前記制御手段は、閉じ位置から密閉が解除される位置まで低速域で電動アクチュエータを駆動し、密閉が解除された後、高速域で電動アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の洗浄消毒装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記低速域においては、電動アクチュエータを等速で駆動することを特徴とする請求項4記載の洗浄消毒装置。
【請求項6】
前記高速域は、初期速度から所定速度まで加速する加速区間と、停止前に所定速度から減速する減速区間を含むことを特徴とする請求項4又は5記載の洗浄消毒装置。
【請求項7】
前記制御手段は、さらに、蓋を閉じる閉じ動作中に、蓋の閉じ速度を変化させることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の洗浄消毒装置。
【請求項8】
前記制御手段は、蓋が閉じ位置に到達する手前で、蓋の閉じ速度を減速することを特徴とする請求項7記載の洗浄消毒装置。
【請求項9】
前記制御手段は、蓋が閉じ位置に到達した後、電動アクチュエータの駆動を所定時間継続する増し送り駆動を行うことを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の洗浄消毒装置。
【請求項10】
前記制御手段は、蓋の閉じ動作を終了する際に、電動アクチュエータを所定時間逆方向に駆動する開き準備駆動を行うことを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の洗浄消毒装置。
【請求項11】
消臭フイルタは、蓋に設けられていることを特徴とする請求項1〜10いずれか記載の洗浄消毒装置。
【請求項12】
前記制御手段に対して、蓋の開閉指示を入力するフットスイッチを備えていることを特徴とする請求項1〜11いずれか記載の洗浄消毒装置。
【請求項13】
蓋は、後端部を支点として回動するように開閉自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜12いずれか記載の洗浄消毒装置。
【請求項14】
蓋は、略平板状をしており、洗浄槽と対面する面には、補強用のリブが設けられていることを特徴とする請求項13記載の洗浄消毒装置。
【請求項15】
前記リブは、蓋の前方よりも蓋の後方において密集度が高くなるように配置されていることを特徴とする請求項14記載の洗浄消毒装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−284213(P2010−284213A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138443(P2009−138443)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】