説明

洗面所に於ける水の流れ或いは水濡れ状態を測定及び監視するためのシステム及び方法

【課題】洗面所に於ける水の流れ或いは水濡れ状態を測定及び監視するためのシステムを提供する。
【解決手段】洗面所設備に於ける実際の或いは切迫した溢れ出し状態を検出するためのシステムが、洗面所設備内に於ける水位の異常な上昇を、水が実際に溢れ出する前に検出する溢れ出しセンサを有する。洗面所の床に於ける異常な量の水を検出するように水センサを設けることもできる。データ通信ユニットがセンサと通信する。洗面所モニタステーションが、データ通信ユニットと無線通信し、データ通信ユニットを介してセンサと通信する。洗面所モニタステーションは、溢れ出しセンサ或いは水センサにより検出される水の存在を表示するようにされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願>
本出願は、2003年12月31日に出願された、"Dispenser with Electronic Sensing Device to Control Delivered Sheet Length" なる名称の米国特許出願10/750,238号の一部継続出願(CIP)として2004年12月17日に出願された、"System and Method for Measuring, Monitoring and Controlling Washroom Dispensers and Products" なる名称の米国特許出願11/015,346号の更なる一部継続出願(CIP)としてなされたものであることに基づく優先権を主張するものである。これら出願10/750,238号及び11/015,346号については、それに言及することをもって、あらゆる意味で、その内容の全体を本出願の一部とするものとする。
【背景技術】
【0002】
公共の建物や施設に於いて洗面所の便器或いは流し台の溢れ出しは、その清掃のためにかなりの費用が必要であり、利用者や建物のテナントに不便を強いることから、深刻な問題である。建物の管理人或いは用務員にとって、定期的に洗面所設備を警備し管理することにより、溢れ出しを発見し、或いは溢れ出しによる損害やダウンタイムを最小化しようとすることは、厄介であり、多大な時間を要し、思うようにならない業務である。多数の洗面所が備えられた大型の建物に於いては、施設の全てを監視するためには多大なマンパワーを必要とする。管理人或いは用務員は、単に洗面所設備を巡回することに業務時間の多くを費やし、しかも頻繁に巡回したとしても、目の届かないうちに、溢れ出し状態が発生し、それにより多大な被害を蒙ることがある。
【0003】
単なる便器や流し台からの溢れ出し以外にも、洗面所設備に水が滞留する原因がある。例えば、設備の水供給管からのリーク、管の破損、破壊行為などによる設備の破損によっても、そのような状況が発生し得る。洗面所等の公共施設に於いて床に水が溜まることは、健康上及び安全対策上問題であることは言うまでも無い。そのため、洗面所設備に於いて、実際の或いは切迫した溢れ出し状態を防止し、或いは検出する努力が払われているが、特に便器の下部や流し台の下等のような、離れた或いは目に付きにくい領域等に水が溜まることが避けられない。そのまま気付かずにおくと、洗面所の損傷或いはダウンタイムが引き起こされ、作業者或いは利用者にとって、健康上及び安全対策上問題がある環境が形成される。
【0004】
損傷或いは好ましくない環境は、特に換気が不十分で多湿な設備では、結果として引き起こされる高湿度状態や結露によっても引き起こされる。高湿度状態や結露は、長期間に渡って発見されないままでいる場合が多く、その結果、カビ、ミルデュー(mildew)或いは悪臭の問題が発生するばかりでなく、健康上及び安全対策上の問題が発生する場合がある。
【0005】
居住用或いは業務用の設備に於ける他のシステムの効率的な運用のために、リアルタイム情報を遠隔的に収集し、利用することが望ましいことが認識されている。例えば、安全かつ生産的な環境を形成し、居住用或いは業務用の設備に於ける利用者の満足度を維持するために、保安設備、防火設備、熱気換気システム及び空調設備(HVAC)のリアルタイム測定、監視及び制御する技術が開発されている。しかしながら、このように技術革新は、受け入れられるように実用的なものとしては、洗面所設備に適用されることは見られず、特に洗面所設備などの公共施設に於ける溢れ出し状態、水の滞留、高湿度或いは結露状態を遠隔的に検出し、監視することは行われていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の様々な特徴及び利点は、以下に記載され、以下の記載から容易に理解可能であり、或いは発明を実施することにより自ずと明らかになろう。
【0007】
本出願は、"System and Method for Measuring, Monitoring and Controlling Washroom Dispensers and Products" なる名称の、同一出願人による米国特許出願11/015,346号の一部継続出願(CIP)としてなされたものである。この出願11/015,346号は、(それに言及することをもって、あらゆる意味で、その内容の全体を本出願の一部とするものであり、)用品の使用状況、用品の不良状態等を対応するセンサユニットにより検出し、洗面所に於ける様々な状態を遠隔的に検出し、監視するための様々なシステム及び方法を記載したものである。センサユニットは、データ通信ユニットを介して、遠隔位置の洗面所モニタステーションと(有線或いは無線)通信する。洗面所モニタステーションは、センサユニットにより検出されたパラメータを受信し、伝送するための任意の形式のビデオ及びオーディオ表示器を有するものであって良い。洗面所モニタステーションは、また、センサパラメータや作動機能を遠隔的に制御し、調節するために、データ通信ユニットを介して、センサユニットと通信するものであって良い。
【0008】
346号出願は、例えば、便器或いは流し台からの溢れ出しによる洗面所内に於ける水の滞留を検出し、監視するためのセンサを含むユセンサニットの実施例を開示している。ここで言う便器とは、床或いは壁に設置される通常の便器を初めとしてあらゆる同種の器具を含むものとする。データ通信ユニットは、溢れ出しセンサと無線通信するものであって良い。また、洗面所モニタステーションは、データ通信ユニットに含まれるもの、データ通信ユニットと無線通信するもの或いはデータ通信ユニットを介して溢れ出しセンサと無線通信するものであって良い。洗面所モニタステーションは、前記溢れ出しセンサが水の存在を検出したことを、アラーム信号などにより表示するように構成されているものであって良い。溢れ出しセンサは、限定的ではなく、湿度センサ、圧力センサ或いはフロートスイッチ等、様々なセンサから選択することができる。
【0009】
本発明は、便器或いは流し台からの溢れ出しが問題となるような洗面所或いは他の施設に於ける溢れ出し状態を検出するために利用可能な様々な新規なセンサ及びシステムに関する。本発明のセンサは、特に、346号出願に記載されているような遠隔監視システムに於いて有用であるが、そのようなシステムに限定されるものではない。本発明は、溢れ出しセンサ単体の利用ばかりでなく、任意形式のより複雑な監視システムの要素としての利用も包含するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある実施例によれば、便器及び流し台等の洗面所設備に於ける実際の或いは切迫した溢れ出し状態を検出するためのシステムが提供される。このシステムは、洗面所設備内に於ける水位の異常な上昇を、水が実際に溢れ出する前に、所定の位置にて検出するように洗面所設備に設けられた溢れ出しセンサを有する。洗面所モニタステーションが、データ通信ユニットと無線通信し、データ通信ユニットを介して溢れ出しセンサと通信する。このようにして、洗面所モニタステーションは、溢れ出しセンサが水の存在を検出したことを表示するように構成されている。洗面所モニタステーションは、複数の異なる洗面所を監視するための遠隔的中央ステーションをなすものであって良い。
【0011】
溢れ出しセンサは、有線又は無線によりデータ通信ユニットと通信するものであって良い。無線通信によれば、様々な部品要素を配置する上では有用であるが、センサについて個別の電源が必要となる。
【0012】
本発明のある実施例によれば、洗面所が複数の便器及び流し台を有すると共に、これら便器及び流し台のそれぞれに対応するように個別の溢れ出しセンサを有する。溢れ出しセンサは、洗面所モニタステーションに於いてそれぞれ個別の識別或いは場所タグにより識別されるようにし、アラーム状態のセンサの位置を直ちに特定し、場所を特定し得るようにしている。タグは、例えば電子署名などからなるものであって良い。
【0013】
溢れ出しセンサは、様々な形式のものであって良く、一般に、検出器、電源及び電子制御ユニットを有する。これらの要素は、検出器を含めて、コンパクトなパッケージをなすものであって良く、或いは検出器は、制御電子パッケージ(プロセッサ、電源回路、通信回路等)から離隔して配置されたものとすることができる。この実施例では、制御電子パッケージは、保護されたスペースに配置されているものとすることができる。検出器は、有線又は無線により制御電子パッケージと通信するものであって良く、専用の電源回路を備えていても、或いは制御電子パッケージを介して電力の供給を受けるものであって良い。このような様々な構成も全て本発明の概念に含まれる。
【0014】
本発明のある実施例によれば、溢れ出しセンサが便器に設けられ、かつ便器のボール内の水位の異常な上昇を検出するための遠隔通信検出器をなすものであって良い。電子制御ユニットは、便座に設けられたパッケージをなすものであって良い。例えば、このパッケージは便座に埋め込まれているものであって良い。パッケージに対する完全な或いは部分的なアクセスは、取り外し可能なカバー板により提供することができる。別の実施例によれば、電子パッケージは、接着剤、マジックテープ、機械式クリップ、締結具等の任意の公知の手段により、便座の下面に取り付けられる。
【0015】
洗面所設備に応じた設計の適合可能性のために、検出器は、便器或いは流し台のボール等の水容器の深さに適合されたものであって良い。これは様々な手段により実現することができる。そのようなものとしては、再使用可能な接着剤のような再使用可能な手段がある。別の実施例では、スライドレールや溝に沿って検出器の位置を調節可能とするような機械的構成が用いられている。この点に関して、他にも様々な機械的構成を用いることができる。
【0016】
溢れ出しセンサの検出器は、利用者の目に付き難い個所に配置することが望まれる場合がある。例えば、検出器を、便器のボールのリムの下面に取り付け得るようサイズ及び構造を有するものとすると良い。
【0017】
本発明の概念から逸脱することなく様々な電源の構成が可能である。溢れ出しセンサについては、主電源は、バッテリ、建物の主電源システム等からなるものであって良い。特別な実施例によれば、少なくとも1つのソーラパネルにより溢れ出しセンサに電力を供給するようにしている。このようなソーラパネルは良く知られており、洗面所内の照明等様々な光源からの光に応答して、様々な用途のための電力を発生するために利用されている。ソーラパネルは、溢れ出しセンサの主バッテリを充電したり、或いは溢れ出しセンサの動作のために直接電力を供給するために用いることができる。洗面所内の照度の低いときの対応のために、レギュレータを用いて、電源をバッテリ等に切り替え得るようにすると良い。ソーラパネルは、既存の照明状態によって電力を効率的に発生し得るように、洗面所の適宜な場所に配置される。
【0018】
別の実施例では、溢れ出しセンサは、1つ又は複数の動き発電機により、主電源或いはバックアップ電源の提供を受けるようにされており、この動き発電機は、トイレのドアや、便座、キャビネットのドアなどのような、利用者が洗面所を通常の態様で使用したときにある位置から別の位置に向けて駆動される部材を有するものであって良い。この動き発電機は、ダイナモや発電機等のような、装置に於ける運動を電力に変換するために知られている任意の装置又はその組み合わせからなるものであって良い。動き発電機は、充電可能な主バッテリを細流充電するために用いることができる。
【0019】
本発明の概念から逸脱することなく様々な形式の液面検出器を溢れ出しセンサとして利用することができる。そのような検出器としては、従来形式の圧力検出器、静電容量検出器、誘導性検出器、温度センサ、フロートスイッチ等のような機械的検出器がある。ある実施例では、溢れ出しセンサが、洗面所設備の容器壁に沿って水位を透視し得るUWB(ultra wide band)検出器を含む。例えば、便器や流し台のボールに於ける異常な水位の上昇を検知し得るように、検出器は、便器のボールの後部の外面、流し台のキャビネット内のボールの底面等のような利用者の目の届かない場所に設置することができる。
【0020】
更に別の実施例では、溢れ出しセンサが、洗面所設備に於いて所定の水位に達したときに検出可能な周波数偏移を引き起こすように同調された無線発振器回路を有する。この周波数偏移を、切迫した溢れ出し状態を示すアラーム状態として監視し、検出することができる。
【0021】
更に別の実施例では、溢れ出しセンサが、洗面所設備の水容器に向けて超音波エネルギのビームを照射し、上昇する水容器内の水位により反射される超音波エネルギを受信する超音波液面検出器を有する。
【0022】
更に別の実施例では、溢れ出しセンサが、便器や流し台のボール等のような洗面所設備の水容器に向けてビームを照射するレーザ発信機を有する。水容器内の水位は、ビームの照射の時点から水により反射されるビームを受信するまでの時間遅れとして、或いは入射及び出射光間の位相差の関数として検出することができる。このような目的に使用可能なレーザセンサが市販されている。レーザビームの発信機/受信機は、対応する洗面所設備の上方の天井又は壁或いは他の場所に設置することができる。
【0023】
本発明に基づくシステムに用いることが想定された様々な溢れ出しセンサは、上記したような超音波、UWB及びレーザセンサ等のような信号或いはビームを発信する能動的な装置からなるものであって良い。これらの装置は、連続的なパルス列として、或いは、トイレを流したり、流し台の使用したり、ストールのドアを開いたりする等の洗面所に於ける特定の事象或いは洗面所に於ける人の動きを検出することによりトリガされるまでスリープ状態であるようなものであって良い。このような構造は、消費電力を節約し、様々な部品の寿命を延ばすことを可能にする。
【0024】
近代的な洗面所設備の多くは、自動的にトリガされる構造を備えている。例えば、公共洗面所の多くは、赤外線、その他の検出手法を用いて、利用者を検出し、その後利用者が検出領域を離れるとトイレを流すことが一般的となっている。同様に、利用者の手が所定の領域内で検出されると給水栓を自動的に開くようにすることができる。このように、本発明の概念から逸脱することなく、このような自動的な装置を備えた洗面所に於いて、洗面所内の溢れ出し状態或いは水の滞留状態が検出されたときに、このような設備を遮断し、或いは非作動とすることができる。例えば、溢れ出しセンサは、特定の便器或いは流し台が溢れ出しそうである、或いは既に溢れ出したことを検出するものであって良い。洗面所モニタステーションによる設備の一体的な制御は、溢れ出し状態が悪化するのが停止されるように、設備を手動により、或いは自動的に非作動とすることができる。洗面所は、このような目的で、洗面所モニタステーションにより遠隔制御可能な遮断弁或いは供給弁を備えるものであって良い。制御可能な弁は、設備の各々に設けられて良く、或いは1つの弁により複数の設備を管理するようにしても良い。
【0025】
上記したように、溢れ出し状態を検出するため最善を尽くしても、気付かないうちに溢れ出し状態が発生し、洗面所施設の床を水浸し状態にしてしまうことがある。水や高湿度状態は、設備の水供給管からのリーク、管の破損、破壊行為などによる設備の破損、結露等によっても発生する。そのようなことから、洗面所モニタシステムにセンサを一体化し、このような状態の出現を検出し、警報を発することも本発明の概念に含まれる。ここで言う「水」或いは「濡れた状態」とは、同様の意味を指すために用いられ、源を問わず、検出可能な量の液体の存在を広く含むものとする。
【0026】
施設の床の上の水を検出するためのある実施例では、ある領域への水の導入の結果として、この領域に於ける熱のシグネチュア(特徴)に対する変化に反応する温度センサが用いられる。このためには、様々な温度センサを用いることができる。ある実施例では、このようなセンサは、1つ又は複数の洗面所設備の周りの温度を監視する赤外線センサを含む。測定された温度が、所定の閾値を所定時間以上に渡って越えると、洗面所モニタシステムによりアラームが発せられ、監視領域に於ける水の存在が表示される。HVACシステム等による温度変化の予測に基づき、センサを自動的に較正すると良い。センサは、また、利用者が手を洗った後に手から水を振り払ったときのような、通常の条件下では作動しないように較正される。
【0027】
本発明の別の実施例では、センサが、監視領域に於ける洗面所の床の上の水による導電特性の変化を検出するように配置される。監視領域は、水の存在に反応し、対応する監視用のセンサユニットにより検出可能な特性を発生するような所定のアレイ或いはパターンをなす導電性部材を含む。例えば、ある実施例では、導電性部材は開回路をなし、この開回路は、それらを交差する水或いは湿気により閉じられるものであって良い。センサユニットは、回路が閉じられるのを検出し、洗面所モニタステーションと通信する。或いは、導電性部材は閉回路をなし、この閉回路は、監視領域に導入された水或いは湿気により短絡され、或いは特性変化を行う。センサユニットは、回路の抵抗やインピーダンスのような電気的特性の変化を検出し、モニタステーションに向けて、アラーム信号を伝送する。
【0028】
監視領域を形成するために様々な導電性部材の構成を利用することができる。例えば、設備の下部或いは流し台に隣接する領域を外囲する導電性部材のループにより監視領域の外周を画定することができる。このループは床面上に露出したものからなり、その2点を横切る水が検出可能なループを形成する。別の実施例では、ループを電気的に絶縁し、ループ内に所望のパターンの露出した導電性部材が配置される。導電性部材は直接床材、マット、パッド或いは所望のパターンをもって床上に配置される移動可能な他の部材に組み込まれているものであって良い。導電性部材は、床の好適なデザインを構成するものであったり、既存の床材に目に付かないように組み込まれるものであって良い。パッドは、電気的絶縁材料上に、格子状その他のパターンの導電性部材を配置したものであって良い。
【0029】
パッド或いはその他の導電性部材配置構造は、導電性部材に対して連続的に或いは周期的に電力を供給するためのセンサ制御パッケージを含む。センサユニットは、採用された検出原理に応じて、電気的特性の変化を監視し、検出する。例えば、センサ制御パッケージは、複数の導電性部材を横切るような回路が閉じられるのを検出したり、閉じられた回路の導電特性(例えば、抵抗或いはインピーダンス)の変化を検出する。個々のパッド或いは監視領域は、専用の制御パッケージを有するものでも、単一の制御パッケージが、複数のパッド或いは監視領域に対して周期的に対応するものであっても良い。制御パッケージは、いずれも洗面所モニタステーションと通信する。
【0030】
制御ロジック回路又はアルゴリズムを用いて、パッド或いは監視領域のアラーム発生タイミング及び順序に基づき、床の上の水の位置、流量、水の流れの方向を検出することができる。
【0031】
ある実施例では、監視領域は、対称的なパターン或いはロゴ、紋章などの所望のパターンをなして配置された露出する複数の導電性ポリマービーズを含む。ビーズは、導電性部材の開回路の個々の脚部に電気的に接続されていて、互いに隣接する脚部間を交差する水により、水センサにより検出されるべき回路が閉じられるようにしたものであって良い。このために、様々なパターン又はデザインをなして配置されたビーズを用いることができる。別の実施例では、ビーズが互いに電気的に絶縁されるようなパターンをなして配置され、かつ共通の、例えば励起された部材に接続されている。露出したビーズを横切る水が、回路の検出可能な変化を引き起こし、それをセンサユニットにより検出する。
【0032】
他の実施例と同様に、パッド或いは導電性部材に対応するセンサユニットの閾値は、通常の温度及び湿度条件を伴う通常の使用状態にあってはアラームを発生することがないように調節され、かつ較正される。
【0033】
溢れ出しセンサの場合と同様に、水センサ或いは湿度センサは、洗面所モニタステーションを介して、自動設備制御弁或いは遮断弁に一体化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、添付図を参照して本発明を、その好適実施例について詳細に説明する。以下の説明及び図面に於いて、同一の符号は、本発明の同一の或いは同様の特徴或いは要素を示している。
【0035】
以下、添付の図面を参照して本発明のいくつかの実施例を詳細に説明する。各実施例は、説明のためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。例えば、ある実施例について説明した特徴を、別の実施例に適用することにより第3の実施例を生じさせるものである。本発明は、このような或いは他の変形及び変更実施例をも含むものである。
【0036】
図1は、詰まった便器或いは流し台により引き起こされる溢れ出し状態を含む、洗面所内の様々なパラメータを監視し、測定するための複数のセンサを任意の組み合わせで用いる洗面所監視システムのブロック図である。ここで言う「洗面所」とは、便器或いは流し台が設置されたあらゆる施設、部屋等を含むと共に、台所、休憩室、清掃要員の物置、私的な或いは公共の洗面所、研究室を初めとする、溢れ出し状態を防止し、或いは迅速に検出する必要のあらゆる施設、部屋等のあらゆる領域を含むものとする。図1に於いて、システムは、全体として、複数のセンサユニット(SU)1014と、複数のデータ通信ユニット(DCU)1038と、洗面所モニタステーション(WMS)1040とを有する。同一或いは異なるセンサユニット(SU)1014を、任意の数、任意の組み合わせで、対応する洗面所1042、1044内に配置し、溢れ出し状態を検出する。溢れ出しセンサユニット(SU)1014について、以下に詳しく説明する。
【0037】
図1に示された実施例では、6つのSU1014のそれぞれが、1対のDCU1038のいずれかと通信するようにされている。しかしながら、この構成は、特に無線通信の場合に、DCU1038とSU1014との間の距離に応じて定められる。実施例によっては、各洗面所が1つ又は複数のDCU1038を備えるものであっても、1つのDCU1038に対して複数の洗面所が通信するようにされているものであって良い。
【0038】
DCU1038は、当該技術分野で知られている標準的な通信方式及びプロトコルを用いるものであって良い。システムは、DCU1038と通信する洗面所モニタステーション(WMS)1040により遠隔的に監視される。WMS1040は、各SU1014及びDCU1038の作動状態を表示し、この作動状態は、限定的ではないが、電力レベル、アラーム状態、アラーム位置及びアラームセンサの特定等に関する情報を含む。WMS1040は、限定的ではないが、レポートを印刷し、様々なフォーマットでデータをエクスポートするなどの機能を果たすように、PC上で作動する専用のアプリケーションプログラムであって良い。WMS1040は、PC上で作動するウェブブラウザに基づくものであって良く、その場合、システム中の各DCU1038は、システム中のSU1014及びDCU1038に関する情報含むウェブページを配布する。更に、WMS1040の機能の一部或いは全ては、専用の表示ユニット中に組み込まれているものであって良い。
【0039】
図2は、DCU1038の内部構造の実施例を示す。DCU1038は、様々な通信要素に接続可能なプロセッサ1050を有する。プロセッサ1050は、様々な制御機能及びプログラムを実行し、本実施例では、このような制御機能及びプログラムは、プロセッサ1050内のプリント基板に埋め込まれたチップセットに格納されている。また、プロセッサ1050は、適当な第1の通信要素1046を介して、様々なSU1014を制御し、そのためのデータを処理する。通信要素1046は、有線或いは無線の通信能力を有するトランシーバをなす。通信要素1046の通信方式は、SU1014の通信方式に対応する。
【0040】
第2の通信要素1052は、専ら他のDCU1038及びWMS1040と通信するためのものであって良い。通信要素1052は、限定的ではないが、IEEE802.3i(Ethernet 10BaseT)及びIEEE802.11b(11MHzWiFi)を含む1つ又は複数の通信方式に基づく。このように、DCU1038は、標準的なネットワーク技術により接続されているものであって良い。DCU1038による通信は、TCP/IPのような適当なネットワークプロトコルに基づくものであって良い。これにより、個々のDCU1038にHTTPウェブサーバを内蔵させ、ネットワーク上のウェブブラウザに、ウェブページを配布することができるようにしている。DCU1038は、標準的なRJ45ソケットを介して、ローカルエリアネットワーク(LAN)に接続することができる。ウェブブラウザを使用することにより、ユーザは、DCU1038に含まれる情報をナビゲートすることができる。権限を有するユーザのみがDCU1038に含まれる情報にアクセスし得るようにするために、ウェブサーバにパスワード保護機能を持たせると良い。ユーザがDCUに含まれる情報にアクセスするユーザの居場所に関する自由度を向上するために、PDAを用いることができる。
【0041】
第3の通信要素1054は、専らDCU1038を動作に適するように設定するための通信を行うためのものであって良い。通信要素1054は、限定的ではないが、RS232を含む1つ又は複数の通信方式に基づく。DCU1038が、パワーオフ時でも設定情報及び他の有用な情報を保持し得るように、設定情報を格納するために非揮発性メモリ1056が用いられる。DCU1038は、固有の識別子1058を有し、それ自身及びその位置を特定し得るようにしている。
【0042】
洗面所モニタシステムに於ける要素の任意の組み合わせ間の無線通信のために、WiFi (wireless fidelity)或いはBluetooth等の任意の公知の通信技術を用いることができる。
【0043】
図3に示された洗面所モニタシステムの作動要領の実施例は、第1及び第2の洗面所1042、1044に於ける様々な溢れ出し状態の可能性を監視するべく構成されている。第1の洗面所1042には、便器溢れ出しセンサ1090、1092及び流し台溢れ出しセンサ1094が設けられている。同様に、第2の洗面所1044には、便器溢れ出しセンサ1096、1098及び流し台溢れ出しセンサ1100が設けられている。洗面所内の各便器或いは流し台のそれぞれについて別個のセンサを設けることができる。各センサは、同一の或いは異なる検出機構、無線発信機及び電源を有するSUとして構成される。無線発信機は、902MHzから920MHzのFM周波数範囲を有し、1mW以下の出力レベルで作動する。
【0044】
各洗面所1042、1044のSUは、別個のDCU1102、1104と通信する。各DCU1102、1104は、対応する無線受信機を有する。図3は、設備管理ユニットを示し、その一部が、WMS1040を含む。WMS1040及びDCU1102、1104は、スイッチ装置すなわちハブ1108を介して、Ethernet 10BaseT上で通信する。WMS1040は、標準的な電話通信網にも接続され、必要なアラームを、用務員或いは保守要員が所持する携帯電話1112にも伝達することができる。
【0045】
この実施例では、DCU1102、1104の機能は、SU1090、1092、1094、1096、1098及び1100からの信号を受信し、それを処理することにある。各DCU1102、1104は、実際の或いは切迫した溢れ出し状態或いはセンサの故障(電力不足)を表すアラームをWMS1040にリレーする。更に、各DCU1102、1104は、ネットワークに接続されたコンピュータ上のウェブブラウザにより情報を閲覧可能とするために、ウェブサーバを備えている。ネットワークがインターネットに接続されていれば、情報を遠隔地から閲覧することができる。
【0046】
上記したように、WMS1040は、SU1090、1092、1094、1096、1098及び1100からのアラーム信号を受信し、それを処理する機能を有するように構成されている。アラームは、WMS1040上にて表示され、また音声により表示される。更に、アラームの一部又は全てを、携帯電話1112にも伝達する。携帯電話1112への好適な伝達方法としては、多くの携帯電話会社から提供されている機能であるSMS(short message service)がある。しかしながら、アラームの表示方法は、このようなものに限定されず、Email、ページングサービス、電話による音声伝達等が含まれる。
【0047】
図3の通信システムは双方向であって、SU1090、1092、1094、1096、1098及び1100を、PC上のウェブブラウザ1106、DCU1102、1104、WMS1040或いは携帯電話1112によりプログラムしたり、制御することができる。例えば、ユーザは、WMS1040を介して、SUの検出周波数、到達距離、或いは他の動作パラメータを調整することができる。双方向制御は、用務員或いは保守要員が実際に洗面所に赴くことなく、遠隔的に調整を行うことができる点で有用である。
【0048】
本発明の実施例では、WMS1040は、DCU1038を介することなく、SU1014と直接通信することができることを了解されたい。
【0049】
図4は、溢れ出しセンサとして構成されたSU1014の内部構造の実施例を示す。SU1014は、通信回路1024に接続されたプロセッサ1022を有し、それにより、外部と有線又は無線通信を行うことができる。通信回路1024は、発信機又は受信機を含む。本発明のある実施例では、双方向通信が用いられる。無線通信は、限定的ではないが、2.4GHzから915MHzに於けるIEEE802.15.4を含む1つ又は複数の、FCC Part 15に基づくライセンスを必要としない通信方式に基づく。有線通信の場合は、限定的ではないが、EIA RS232Cを含む電気的バス方式に基づくものであって良い。
【0050】
SU1014は、電源1026及びレギュレータ1028を含む電源ユニット1029を有する。電源1026は、例えば、バッテリ、ソーラパネル、施設の主電源システム(メイン)の電力供給を受けるAC或いはDC電源、機械式電源等を含むあらゆる電源からなるものであって良い。電源1026は、主電源が故障したときのためにバックアップ電源を含むものであって良い。例えば、レギュレータ1028は、バッテリの交換時期を判定するために、主バッテリ1026を監視するためのバッテリレベルセンサを含むものであって良い。バッテリレベルセンサは、単純な電圧検知器からなるものであって良い。バッテリレベルが所定値を下回ったとき、レギュレータ1028又はプロセッサ1022が、代替電源に切り替えるものであって良い。或いは、SU1014を外部電源により駆動し、或いは、有線通信の場合は、通信バスから電力供給を受けるようにしても良い。使用される検出原理によっては、SU1014は、プロセッサ1022と通信するための発信機1030及び受信機1032を備えているものであって良い。SU1014は、システム全体に於ける位置特定の目的で、識別信号1034を含むものであって良い。プロセッサ1022は、本技術分野で知られている周波数発振器タイミング回路等のような起動タイマー1036により間欠的に作動するようにされたものであって良い。電源(バッテリ)1026も、各SU1014の起動時にチェックされる。バッテリレベルが低いときは、この状態が通信手段により転送される。起動サイクルが完了すると、SU1014は、低電力状態となり、起動タイマー1036がプロセッサ1022を起動するまで待機状態となる。
【0051】
図5は、様々な状態及びパラメータを検出し、監視するための洗面所モニタシステムを示す。本発明に基づく溢れ出しセンサをこのような或いは他の同様のシステムに適用することができる。例えば、溢れ出しセンサ1118を、個々の流し台、大小便器或いはそれらに隣接する床領域に配置することにより、実際の或いは起きようとする溢れ出し状態を検出することができる。溢れ出しセンサ1118は、水を検出するために、流し台、大小便器などに目立たないように設置し得るようにされている。溢れ出しセンサ1118は、前記したSU1014と同様な内部構造を有し、DCU1038と通信することができる。
【0052】
溢れ出しセンサ1118は、湿度或いは液体センサ、圧力センサ或いは機械式フロートスイッチ等、任意の原理の組み合わせに基づくものであって良い。湿度センサは、接触した水分がブリッジの一辺を構成するような抵抗ブリッジを含むものであって良い。ブリッジは、開回路と所定の抵抗値との間の差を検出することができる。圧力センサは、例えば、水の無い状態と水柱2cmすなわち0.2kPaの水柱圧との間の僅かな圧力差を検出し得る耐水性ダイヤフラムを含むものであって良い。フロートスイッチは、水のレベルが所定値に達すると閉じるように、スイッチを閉じるアームに取り付けられた小さなフロートを有するものであって良い。更に別の溢れ出しセンサ1118について以下に説明する。
【0053】
SU1014は、電子回路及びバッテリ1026を保護するために防水ケース内に収容される。使用時には、SU1014は、水の存在の有無を検出する。通常のフラッシングに要する時間を所定値以上超えて水の存在が持続した場合、溢れ出しセンサ1118と通信するSU1014或いはその他の要素にアラーム信号を送信する。WMS1040の管理者は、WMS1040によりアラーム状態を通知され、そのようなときには、対応する適切な処置を取る。このようなアラーム状態は、WMS1040により、PDA、携帯電話、ペイジャー、電話などの様々な携帯用機器1112を介して伝達されることから、用務員或いは保守要員はWMS1040を直接監視していることを要しない。オーディオ装置(或いはビデオ装置)が洗面所内に配置され、かつDCU1038と通信し、洗面所内に於いても溢れ出し状態が検出されたことを表示するようにすることができる。
【0054】
更に、蛇口、大小便器で水が過剰に流れ放しになっていることを監視し、制御するための装置を含むようにすることができる。図5に示されるように、DCU1038は流量計1130と通信することができる。また、WMS1040を設け、DCU1038と通信し、DCU1038を介して流量計1130と通信することができる。WMS1040は、流量計1130により検出された流量を表示するように構成されている。流量計1130は様々な形式のものから選択することができ、限定的ではないが、回転ベーン式或いは差圧式のユニットからなるものであって良い。
【0055】
溢れ出し状態を解消し、或いは検出するかを判定するために、SU1014を、監視及び制御の目的で、水容器などの洗面所内の他の機器内に組み込むことができる。ごみ容器1126のためのセンサ1128は、限定的ではないが、機械式スイッチ、赤外線等の近接センサ、ストレインゲージ或いは圧力センサ等からなるものであって良い。機械式スイッチをごみ容器1126の蓋に設けることができる。ごみ容器1126が一杯になって、蓋が閉じなくなり、スイッチが長時間閉じなくなったときに、アラーム信号を発信する。或いは、スイッチは、蓋の開閉回数をカウントするものとすることができる。カウントが、ごみ容器1126の形式に応じた所定の回数に達すると、SU1014は、ごみ容器1126が一杯になったものと推定する。容器が透明な材料からなるものであれば、赤外線センサはごみ容器1126の側面に取り付けられ、ごみのレベルが所定値に達すると、赤外線センサはアラーム信号を発信する。ストレインゲージ或いは圧力センサは、ごみ容器1126の内容物の重量を計量するために用いることができる。所定の重量に達すると、アラーム信号を発信する。
【0056】
公共洗面所、様々な医療機関の現場に於ける看護士・医師のラウンジ或いは看護士ステーション、食事調理或いは食品処理施設等に於いて、手洗いの励行を監視或いは管理するための能力を備えることにより、更なる改良を達成することができる。このような実施例によれば、上記したような実施例を更に拡張し、用品の使用頻度に関連付けて、洗面所利用者の数或いは使用回数を測定し、ディスペンサの制御に関連して、オーディオ、文字或いはグラフィック等を任意に組み合わせた表示により、利用者に対して、患者や食品との接触の前後に、手洗いを奨励し、手洗いの実態を統計化し、報告することができる。
【0057】
図5に示された実施例は、特許文献1、特許文献2及び特許文献3に記載されているような、用品の使用の度合いを測定する能力を備えている。これら3件の特許文献に記載されている事項は、それに言及することをもってその内容の全体を本出願の一部とするものとする。
【特許文献1】米国特許5、878、381号明細書
【特許文献2】米国特許6、360、181号明細書
【特許文献3】米国特許6、411、920号明細書
【0058】
同じく図5に示されるように、第1の洗面所1042は男性用の洗面所をなし、第2の洗面所1044は女性用の洗面所をなす。ドア或いは入口センサ1120及びストール(個室)ドアセンサ1122が設けられ、ドアの開閉或いはその動きを検出するようにしている。そのような機器としては、洗面所1042、1044の入口ドアやストールドアに、その動きを検出するために取り付けられた磁石及び対応するリードスイッチを含むものであって良い。洗面所1042、1044内の人の存在を検知するための赤外線或いは外光センサを、併用或いは代替的に使用することができる。検出された事象には、時刻或いは日付がタイムスタンプされ、タオルディスペンサ1060、ティシューディスペンサ1060、ソープディスペンサ1088等の用品ディスペンサの利用を、洗面所の使用に関連付けるようにしている。
【0059】
作動時には、利用者が、洗面所1042、1044に入り、その存在が、センサ1120、1122のいずれかにより検知される。利用者が、タオルディスペンサ1060或いはソープディスペンサ1088を使用すると、用品の動きが監視され、記録される。そのような記録結果は、ディスペンサ1060、1088のメモリ領域に記憶され、更なる分析或いは読出しに備える。利用者が、洗面所を離れると、その動きが、上記したセンサ1120、1122のいずれかにより検知される。洗面所1042、1044に於ける人の存在を監視するために用いられるセンサは、限定的ではないが、RFID技術或いはバーコード技術を含む、当該技術分野に於いて知られている技術を用いて、洗面所利用者の認識或いは特定が可能なものであって良い。2004年9月27日に出願された、"A Device for Encouraging Hand Wash Compliance"なる名称の米国特許出願10/950,2965号は、手洗いを奨励するための様々な方法を開示しており、それに言及することをもって、あらゆる意味で、その内容の全体を本出願の一部とするものとする。
【0060】
このシステムは、利用者が洗面所1042、1044に入り、ストールに出入りし、或いは洗面所1042、1044を離れた事象が発生したときに、対応するタオルディスペンサ1060或いはソープディスペンサ1088が使用されていないときには、オーディオモジュール或いはビデオ表示装置により、連続的に又は間欠的に注意を喚起する。ネットワークに接続された装置の場合、管理者は、限定的ではないが、各メッセージ間の時間間隔、音量、話し手の性別、複数言語の選択等からなる当該装置の特定のパラメータを調整することができる。システム管理者は、WMS1040を介して、オーディオ情報をいつでも変更することができる。
【0061】
小便器のための自動的フラッシング装置は、通常、赤外線検知器を用いて、便器が使用されたことを検出する。SU1014が組み込まれたこのようなフラッシング装置は、便器の使用を検出し、上記したような洗面所表示装置或いはオーディオ手段により、利用者が洗面所1042、1044を離れる前に、手を洗うように注意を喚起することができる。システム管理者は、WMS1040を介して、オーディオ或いはビデオ表示情報をいつでも変更することができる。WMS1040の管理者は、センサの機能、統計情報、ディスペンサの補充状態等をリアルタイムに監視することができる。
【0062】
RFID技術、バーコード技術或いはキーボード入力以外にも、利用者の特定を可能にする様々な手段があることは当業者に知られている。特定された利用者の情報は、WMS1040を介してアクセス可能なプロフィールに保存され、それを監視し、リアルタイムにアラームを発信することができる。ある実施例では、特定された利用者の情報は、WMS1040を介してアクセス可能なプロフィールに保存され、利用者の携帯電話1112やペイジャー等に、洗面所1042、1044を離れる前に手を洗わなかったことについての、押し付けがましくないメッセージを発信することができる。
【0063】
図6A、6Bは、便器の詰まりにより溢れ出し状態が発生しそうである検出するために、従来形式の便器2000に設けられた溢れ出しセンサ1118の実施例を示す概念図である。図示された実施例は、例えば、図5に示された洗面所モニタシステム及び構造に適用することができる。溢れ出しセンサ1118は、上記したようなSU1014の電子的な構成を備えている。図6Aに示された実施例では、溢れ出しセンサ1118の電子要素は、便座2010に埋め込まれ、好ましくは、上記したような無線通信により、溢れ出し検出器2012と通信する。埋め込まれた電子要素は、便座2010の製造に際して永久的に埋め込まれたものとし、電源を交換したり、センサを修理するために、例えば、便座2010の下面に設けられたカバー板を介してアクセスを確保することができる。或いは、電子パッケージ全体を便座内部から取り出し得るようにすることもできる。更に別の実施例では、(電源以外の)電子パッケージを、便座2010内に永久的に、交換不能に形成するようにしている。
【0064】
溢れ出し検出器2012は、便器のボールの適所に設けられ、ボール内の水位の異常な上昇を検知する。例えば、溢れ出し検出器2012は、ボールの壁や、見えないようにボールのリム2018の下面などに、接着剤を含む従来形式の手段により取り付けられる。溢れ出し検出器2012は、図6A、6Bに示されるように、溢れ出しセンサ1118から離隔した位置に設けられる場合、センサプロセッサ(図4)と無線通信し、それ自身のための電源を備えたものとすることができる。
【0065】
図6Bは、溢れ出しセンサ1118の電子パッケージが、例えば、便座2010の下面等、便器2000の部品の外面に取り付けられる実施例を示す。この実施例は、既存の便器を変更したり、任意の既存の便器に溢れ出しセンサ1118を組み込む際に好適である。溢れ出しセンサ1118のパッケージは、接着剤、マジックテープ、クリップなどを含む任意の従来形式の手段により取り付けることができる。図示された実施例では、溢れ出しセンサ1118の電子パッケージを取り付けるために耐水接着パッド2014が用いられている。接着パッド2014は、溢れ出しセンサ1118の電子パッケージに設けられた対応部分と結合するべきマジックテープを用いたものでも良い。溢れ出しセンサ1118の電子パッケージが露出した実施例では、溢れ出しセンサ1118の電子パッケージを封止したり、それ以外の手段により環境に対して或いは破壊活動に対して保護すると良い。溢れ出し検出器2012と溢れ出しセンサ1118との間の通信方式によっては、溢れ出しセンサ1118の電子パッケージを、タンクの内部のような便器から離隔した、隠れた位置に配置したり、或いは便器2000から完全に離隔した位置に配置することができる。要素間の通信が有線による場合でも、溢れ出しセンサ1118の電子パッケージの設置場所については、様々な選択肢を提供する。
【0066】
便器の形状或いは容量の違いを考慮して、便器のボール内、或いは他の場所に設けられる溢れ出し検出器2012の高さを調節可能とすると良い。このような特徴は、単に溢れ出し検出器2012を取り付け直すことによって達成することができる。例えば、再使用可能な接着剤により検出器を取り付けることができる。図示された実施例では、溢れ出し検出器2012が、便器のボールに別途取り付けられたレール2016上に摺動可能に取り付けられる。レール2016は、溢れ出し検出器2012の位置調整可能な範囲に対応する長さを有する。別の実施例では、便器のボールの壁にチャネルが設けられ、溢れ出し検出器2012がこのチャネルに沿って摺動可能に受容される。
【0067】
図7は、任意の形式の流しステーションについて、流し台2024内の異常な水位のレベルを検出するために設けられる溢れ出しセンサ1118が用いられる様子を示す概念図である。図6A、6Bの場合同様に、溢れ出しセンサ1118の電子パッケージの部分を、流しのカウンタ2022内に埋め込み、カウンタ2022の上面に取り付け、カウンタ2022の下面に取り付け、或いは他の部分に取り付けることができる。溢れ出しセンサ1118に対する所望の度合いのアクセスを確保することができる。上記したように、溢れ出しセンサ1118は、離隔して配置された検出器2012を備え、検出器2012を、例えば、レール、チャネル或いは再使用可能な接着剤等により、位置調整可能に流しに取り付けることができる。
【0068】
ここで考慮されている実施例では、検出器が溢れ出しセンサ1118の一体的部分をなすものがあるが、そのような実施例では、溢れ出しセンサ1118を、便器或いは流し台の機能に支障を来たさないように配置しなければならない。
【0069】
検出器2012の形式は限定的な事項ではなく、導電特性、RF電磁界の減衰、水面からの光の反射、水により引き起こされる温度差の変化の検出(赤外線検出器等)、圧力の検出、機械式レベル検出器(フロートスイッチ等)等、様々な検出原理を利用する検出器2012を使用することができる。市販されているタンクレベル監視システムを含む、様々な公知形式の検出器が知られており、かつ使用することができる。図4について前記したような発信機及び受信機(トランシーバ)として作動する検出器は、溢れ出して来る水に物理的に接触しない点で、その作動上有利である。
【0070】
ある実施例では、溢れ出しセンサは、監視領域に向けてビームを照射するための発信機を用いる能動的な装置をなしている。反射されたビームの特性が検出され、評価することにより、異常な水のレベルや、水の存在を表示する。例えば、ある実施例では、検出器2012は、高周波音響信号を送受信するトランスデューサを用いる超音波近接センサからなる。対象(上昇する水位)がビームに捉えられると、音がセンサに向けて反射し、出力回路を励起或いは非励起させる。Florida 州Boca Grandeに所在するAutomated Sonix Corporationにより製造されている、UL-100, Sonix-40, Sonix-50, Sonix-60等のモデルを含むUltrasonic Level Transmitter等の市販されている超音波レベルセンサを用いることができる。Pennsylvania州Horshamに所在するAMTEK(登録商標) Drexelbrookは、レベルの高低を指示するVeriGAP(商標名)超音波ギャップスイッチを提供している。Illinois州Woodstockに所在するMigatron Corp.は、音の伝搬速度に影響を与える温度、相対湿度、気圧、その他のファクタを監視し、その補償を行う機能を備えた超音波検出器(Model RPS-412A)を提供している。
【0071】
UWB(ultra wide band)検出器は、溢れ出しセンサ1118のいずれの部分も見えないように、便器のボールや流し台の水位を検出し得る点で好適である。溢れ出しセンサ1118が、環境或いは破壊活動に対して保護される。UWB技術は、情報を発信するために、正確にタイミングの取られた広域スペクトルRFエネルギの一連のパルスを利用する。このようにして、デジタル情報が、デジタルパルスを何分の1秒か進ませ或いは遅らせることにより伝送される。便器のボールやタンクのような固体は、RFエネルギのある周波数成分を吸収するが、UWB発信機の広域スペクトルによれば、デジタルパルスを表す検出可能な周波数の少なくとも一部が、対象を通過して往復することができる。例えば、UWB技術は、固体を透視するためのレーダを製造するために利用される。Alabama州 Huntsville に所在するTime Domain, Inc. により提供されるPulson(登録商標)技術は、本発明に基づく洗面所モニタシステムに適用可能な溢れ出しセンサ1118として利用することができる。
【0072】
本発明に基づく洗面所モニタシステムのある能力に関する記述に関連して、UWB技術のある面について以下に説明する。UWB技術の詳細については、「"Ultra Wideband Technology for Short- or Medium-Range Wireless Communication", Intel Technology Journal, 2nd Quarter, 2001」を参照されたい。UWB技術の詳細及びその利用方法については、特許文献4から特許文献10を参照されたい。また、これらの特許文献に記載されている事項は、それに言及することをもってその内容の全体を本出願の一部とするものとする。
【特許文献4】米国特許6、300、903号明細書
【特許文献5】米国特許6、218、979号明細書
【特許文献6】米国特許6、177、903号明細書
【特許文献7】米国特許5、832、035号明細書
【特許文献8】米国特許5、687、169号明細書
【特許文献9】米国特許5、677、927号明細書
【特許文献10】米国特許5、361、070号明細書
【0073】
UWB技術は、大量のデジタル信号を、広域スペクトルの周波数帯で、低電力で発信する無線技術である。UWB無線は、大電力、狭周波数帯域の信号であれば反射してしまうようなドア、壁、その他の障害を越えて信号を伝達する能力を有する。UWB送信機は、同時に広い周波数帯域に渡るように、1ナノ秒以下の持続時間の、かつ正確にタイミングの定められた多数のデジタルパルスを発信する。送信機及び受信機は、1秒の1兆分の1の精度でパルスを送受信するように同期される。既に使用されているある周波数帯域について、UWB送信機は、その出力が小さく、周波数が分散していることから、バックグラウンドノイズの外観を呈する。従って、理論的には、UWB信号は、干渉を受けることなく、他の装置に対して干渉することが無い。UWB送信機の電力消費は、従来形式の携帯電話の1万分の1程度である。
【0074】
UWBシステムは、通常次のような特徴を有する。パルスの持続時間が短い。中心周波数は、通常50MHzから10GHzの範囲である。中心周波数に対して100%+の超広周波数帯域を有する。(低ゲインのアンテナを用いても、)mW以下の平均パワーレベルであっても、到達距離が数マイルにも達する。パワースペクトル密度が極めて低い。ハイグレードの無線機器に比較して低コストである。フェージングや他のシステムの影響によるジャミングの問題がほとんど無い。UWBシステムでは、極めて高い処理ゲインが達成可能である。例えば、1nsパルスを用いる10 megapulse/sec (100 nsフレーム)システムに於ける受信機は、1nsパルスが到着することが予想される時刻に於いてのみ「聞いている」必要があることから、20dBのノイズリジェクションが達成される。データビット毎に100パルスが用いられる場合には、100kilobit/secリンク全体として、更に20dBの改善が達成される。従って、40dB以上の処理ゲインが達成され、背景ノイズと同等或いはそれ以下のレベルに於いても、高いロバスト性のデータ伝送が可能になる。持続時間の短いパルスは、良好な多パス伝送イミュニティを有し、従来形式の狭周波数帯域システムに於けるような顕著なフェージングといった問題がない。
【0075】
UWB技術は、またマイクロチップに組み込まれ、比較的小型の液面センサに組み込むのに特に適している。Alabama州 Huntsville に所在するTime Domain, Inc. は、UWB技術を、Pulson(登録商標)なる商品名で単一の集積回路チップセットとして提供している。California州San Diego に所在するPulseLINKは、UWB技術製品を市販するもう1つの企業である。
【0076】
本出願人は、好適な溢れ出しセンサ1118として、便器のボール或いは流し台に於いて所定のレベル以上に水が存在するか否かに応じて、共振周波数のシフトを検出する正確に同調されたRF発振回路があると信じている。同調装置としては、LCR回路として直列或いは並列に接続されたインダクタ及びキャパシタを含むものであって良い。例えば、インダクタコイルを、その軸線が便器のボールの外面に対して直交するように配置した場合に、ボール内の水面が上昇するに伴い、コイルのインダクタンスが変化し、LCR回路の共振周波数がシフトする。このシフトは、固定周波数の信号の減衰として或いは周波数のシフトとして検出することができる。
【0077】
図9は、監視対象たる洗面所に、便器3010及び流し台3116を監視する複数の能動発信式溢れ出しセンサ3118を備えた実施例を示す。溢れ出しセンサ3118は、便器3010の容器3112及び流し台3016の容器3114に向けてビームを照射する発信機を備えている。反射されたビームは、受信機により検出され、分析され、対応する容器3112、3114が異常に高い水位を有するか否かを判定する。ある実施例では、能動的センサ3118は、洗面所設備の容器3112、3114に向けてビームを発信するように配置されたレーザ装置を含む。容器3112、3114内の水位は、ビームの照射の時点から水により反射されるビームを受信するまでの時間遅れとして、或いは入射及び出射光間の位相差の関数として検出することができる。この目的のために、市販されている様々なレーザセンサを用いることができる。代表的なレーザセンサの製造者としては、Arizona州Scottsdaleに所在するPhase Laser Systems, Inc.やColorado州Centennialに所在するLaser Technology, Inc.がある。
【0078】
センサ3118の発信機/受信機要素は、洗面所設備3010,3016の上方の天井や壁その他の部分に取り付けることができる。例えば、天井の凹部、レンズを介して天井の内部等のように、目に付かない場所に取り付けると良い。センサ3118の電子パッケージは、発信機/受信機要素から離隔した位置に設置することができ、両者を無線或いは有線により通信し得ることを了解されたい。別の実施例では、センサ3118が完全に一体的なパッケージをなす。
【0079】
図9の実施例では、各洗面所設備3010,3016に専用のセンサ3118が設けられている。別の実施例では、センサ3118が複数の各洗面所設備を監視するようにされている。例えば、1つのセンサ3118により、所定の時間間隔パターンをもって、複数の各洗面所設備を順番に監視することができる。
【0080】
上記したように、本発明に基づくシステムに用いられることのできる様々な形式の溢れ出しセンサのあるものは、超音波、UWB、レーザセンサ等のように信号或いはビームを発信する能動装置である。このような装置の全ては、連続的なパルス列として、或いは、トイレを流したり(フラッシュ)、流し台を使用したり、ストールのドアを開いたりする等の洗面所に於ける特定の事象或いは洗面所に於ける人の動きを検出することによりトリガされるまでスリープ状態であるようなものであって良い。この点に関して、溢れ出しセンサを、例えば図5に示された洗面所モニタシステムの他の特徴と一体化し、システムにより監視される事象によりトリガされるようにすることができる。このような構造は、消費電力を節約し、様々な部品の寿命を延ばすことを可能にする。
【0081】
近代的な洗面所設備の多くは、自動的にトリガされる構造を備えている。例えば、公共洗面所の多くは、赤外線、その他の検出手法を用いて、利用者を検出し、その後利用者が検出領域を離れるとトイレを流すことが一般的となっている。同様に、利用者の手が所定の領域内で検出されると給水栓(蛇口)を自動的に開くようにすることができる。このように、本発明の概念から逸脱することなく、このような自動的な装置を備えた洗面所に於いて、洗面所内の溢れ出し状態或いは水の滞留状態が検出されたときに、このような設備を遮断し、或いは非作動とすることができる。
【0082】
図11に示された実施例は、図3に示された実施例と同様に、WMS1040と、自動蛇口4000、自動便器4010及び遠隔制御遮断弁4012の制御ユニットとの間に設けられた通信リンクを含む。このリンクは、有線であっても無線であっても良い。SU1090からSU1100のいずれも、特定の便器或いは流し台が溢れ出しそうである、或いは既に溢れ出したことを検出するものであって良い。上記したような場合にアラームを発することに加えて、WMS1040は、溢れ出し状態が悪化するのが停止されるように、設備を自動的に非作動とすることができる。監視対象たる洗面所は、アラーム状態に応答して、WMS1040により起動されるような電磁弁などからなる遠隔制御可能な遮断弁或いは供給弁を備えるものであって良い。そのような弁は、設備の各々に設けられて良く、或いは1つの弁により複数の設備を管理するようにしても良い。
【0083】
図4に関連して前記したように、SU1014(溢れ出しセンサ3118)は、バッテリや(AC電源からDC電源に変換するものであって良い)建物の主電源等からなる主電源及びバックアップ電源を含む適当な電源回路により電力の供給を受ける。図8は、図6Aのセンサ構造が主電源及びバックアップ電源を備えているような、様々な電源構成の実施例を示す。この実施例では、溢れ出しセンサ1118の電子パッケージが、検出器2012に対して離隔して配置されている。検出器2012がパッケージ1118と無線通信する場合には、検出器2012とパッケージ1118とに別個に電力を供給しなければならない。この目的には、同一の或いは異なる電源を用いることができる。検出器2012がパッケージ1118と有線通信する場合には、図4に示されるように、電力は、パッケージ1118を介して検出器2012に供給される。電源回路1029は、主バッテリ或いは建物の主電源との接続部を含めて、パッセンサ電子ケージ1118に一体化したり、パッケージ1118の離隔して配置し、電源を検出器及びパッケージの両者にワイヤ接続することができる。
【0084】
図8に示された実施例では、電源回路1029に電力を供給するために1つ又は複数のソーラパネル2030が用いられている。ソーラパネル2030は、既存の照明状態によって電力を効率的に発生し得るように、便器のタンクの上、壁その他の洗面所の適宜な場所に配置される。ソーラパネルは周知であって、市販されているいくつものものを使用することができる。ソーラパネルは、溢れ出しセンサの主電源1029に電力を供給し、主電源がダウンしたときには、バックアップ電源として機能することができる。ソーラパネル2030は、また、光が得られる限り、バッテリ電源を細流充電するために用いることができる。
【0085】
更に別の電源としては、ストールのドアのヒンジや、便座カバーや、便座などのような洗面所設備の動き等により電力を発生するものがある。例えば比較的小型のダイナモをヒンジに設け、それが取り付けられたドアその他の物体を動かす度に電力を発生するようにすることができる。本出願人は、MEMS(micro electro mechanical systems)として当該技術分野において知られている装置が開発されていると信じている。kinetic電源とも呼ばれる内部発電機構を介して駆動される時計、懐中電灯等の電気用品が知られている。このようなkinetic電源を、溢れ出しセンサを駆動するために構成することができる。便座カバーのヒンジに組み込まれた動き発電機2050をなす、このような装置の概念図が図8に示されている。動き発電機2050をストールのドアやキャビネットのドアのヒンジに設けることができる。カバー或いはドアの動きにより発生した電力を利用するために、発電機2040、2050を、整流器を介して、キャパシタ回路や、充電可能なバッテリに接続することができる。
【0086】
マイクロバッテリについても技術革新がなされており、本発明に基づくモニタシステムに於いて、このようなマイクロバッテリにより、溢れ出しセンサ1118の主電源或いはバックアップ電源に電力を供給することができる。例えば、バッテリ内の放射性同位元素により駆動されるマイクロバッテリが知られている。
【0087】
ここで言及されている電源構成は、いずれも溢れ出しセンサを含むここで言及されているセンサユニットにいずれにも適用可能であることを了解されたい。
【0088】
上記したように、溢れ出し状態を検出するため最善を尽くしても、気付かないうちに溢れ出し状態が発生し、洗面所施設の床を水浸し状態にしてしまうことがある。水や高湿度状態は、設備の水供給管からのリーク、管の破損、破壊行為などによる設備の破損、結露等によっても発生する。そのようなことから、洗面所モニタシステムにセンサを一体化し、このような状態の出現を検出し、警報を発することも本発明の概念に含まれる。
【0089】
洗面所施設の床の上の水の存在或いは滞留を検出するための実施例が図10に示されている。この実施例では、洗面所5000は、いくつもの便器5010、5014,5018及び流し台5026を備えている。ここでは、これらの設備からの水のリーク或いは溢れ出しにより、水が、これらの設備の近傍或いは下方に滞留することを想定する。これらの領域を、監視領域5012、5016、5020、5028と呼ぶものとする。洗面所5000のドアの近傍領域5024などの他の領域も監視することができる。監視領域を監視するために水センサが設けられ、原因を問わず床の上の異常な量の水を検出する。水センサは、監視領域を視野内に捉え得る、天井、壁その他の位置に設けられる。図10に示された実施例では、複数の水センサ5038、5036、5034、5032、5030が、監視領域を見下ろすように天井の表面或いはその内部に設けられている。
【0090】
本発明のある実施例では、監視領域5012に於ける水5022或いは洗面所5000の入口に於ける水5024等のような、ある領域への水の導入の結果として、この領域に於ける熱のシグネチュア(特徴)に対する変化に反応する温度センサが用いられる。様々な温度センサを用いることができる。ある実施例では、センサが赤外線センサからなる。測定された温度が、所定の閾値を所定時間以上に渡って越えると、洗面所モニタシステムによりアラームが発せられ、監視領域に於ける水の存在が表示される。HVAC(空調)システム等による温度変化の予測に基づき、センサを自動的に較正すると良い。センサは、また、利用者が手を洗った後に手から水を振り払ったときのような、通常の条件下では作動しないように較正される。
【0091】
本発明のシステムに於いて使用し得る温度監視センサとしては、特許文献11から特許文献14等に記載されているものがある。
【特許文献11】米国特許4、800、278号明細書
【特許文献12】米国特許4、514、631号明細書
【特許文献13】EP特許0113069号明細書
【特許文献14】EP特許1384978号明細書
【0092】
図9に示された実施例と同様に、水センサ5038、5036、5034、5032、5030の制御電子パッケージは、発信機受信機要素から離隔して配置され、そのような要素と有線又は無線で通信するようなものであって良い。別の実施例では、水センサ5038、5036、5034、5032、5030は完全に一体化されたパッケージをなす。また、各監視領域5012に個別の水センサを設けても、1つの水センサにより複数の監視領域を監視するようにしても良い。
【0093】
図12は、洗面所6000の所定の領域に於ける水の存在を監視するための別の実施例を示す。この実施例では、センサが、監視領域6018、6022、6028、6030への水の導入の結果として、導電性部材の導電特性の変化を検出するように配置される。ある実施例では、各監視領域6018、6022、6028、6030が、対応する領域に於ける水の存在に反応する導電性部材のアレイ或いはパターン6019、6023、6027、6031を含む。例えば、導電性部材は開回路をなし、この開回路は、それらを交差する水或いは湿気により閉じられるものであって良い。導電性部材に関連するセンサ電子パッケージは、回路が閉じられるのを検出し、上記したようにアラームを洗面所モニタステーションに転送する。或いは、導電性部材は閉回路をなし、この閉回路は、監視領域に導入された水或いは湿気により短絡される。センサ電子パッケージは、短絡を検出すると、アラームを洗面所モニタステーションに転送する。
【0094】
導電性部材は、好ましくはそれに触れた人や監視領域に踏み込んだ人に危険を及ぼさないような電圧範囲で作動するものとすると良い。約DC1Vから5Vの電圧範囲が適切である。
【0095】
監視領域を形成するために様々な導電性部材の構成を利用し、様々な電気特性の組み合わせを利用することができる。例えば、設備の下部或いは流し台に隣接する領域を外囲する導電性部材のループ(ワイヤ)により監視領域の外周を画定することができる。導電性部材は直接床材に組み込まれ、かつ床面上に露出したものからなり、その2点を横切る水が検出可能なループを形成する。導電性部材は、床の好適なデザインを構成するものであったり、既存の床材に目に付かないように組み込まれるものであって良い。別の実施例では、図12に示されるように、導電性部材が所望のパターンをもって組み込まれたマット、パッド等が、所望のパターンをもって床上に配置される。この実施例は、パッド等が移動可能な点で好適であって、既存の床に設置するのに適している。パッドは、電気的絶縁材料上に、格子状その他のパターンの導電性部材を配置したものであってよい。
【0096】
パッド等の導電性部材構造6019、6023、6027、6031は、対応するセンサユニット電子パッケージ6020、6024、6028、6032を含み、各電子パッケージは、連続した或いは固定した周波数の電力を導電性部材に供給する。上記したように、採用された検出原理に応じて、電子パッケージ6020、6024、6028、6032は、監視領域への水の導入の結果としての電気的特性の任意の組み合わせの変化を検出する。各パッド或いは導電性部材構造は、便器の下方に設けられたパッドとして図示されているように、専用のセンサ制御パッケージ6020をなすものであっても良く、流し台に隣接して設けられたパッドとして図示されているように、単一の制御パッケージ6032が、複数のパッドを順番に管理するようにしても良い。制御パッケージは、上記したように、いずれもWMSと通信する。
【0097】
WMSは、制御ロジック回路又はアルゴリズムを用いて、パッド或いは監視領域のアラーム発生タイミング及び順序に基づき、床の上の水の位置、流量、水の流れの方向を検出することができる。
【0098】
図13から図15に示された実施例では、監視領域6018には、導電性部材7012、7014、7010が格子状に組み込まれている。図示された実施例では、格子状構造は、対称的なパターン或いはロゴ、紋章などの所望のパターンをなして配置された露出する複数の導電性ポリマービーズを含む。ビーズ(beads)とは、導電性部材の任意の形成体であって良い。図14,15に示された実施例では、ビーズ7010は、センサパッケージ6020から電力の供給を受ける導電性部材の開回路の個々の脚部7012、7014に電気的に接続されている。ビーズ7010は、少なくとも床面上で露出すると共に、適当な導電体により接続される。ビーズ間の電気的接続構造は床材或いは絶縁マット・パッド中に設けられる。このような実施例に於いては、十分な水7016が監視領域6018に導入されると、互いに隣接する脚部間を水が交差することにより回路が閉じられるのが、センサパッケージ6020により検出される。ビーズ7010を様々なパターンで配置することができ、図13,14に示されたものは単なる一例である。
【0099】
図13,14に示された実施例は、必ずしも導電性ビーズを使用することを必須とするものではなく、開回路の脚部を形成するために任意の他の導電性部材を使用することができる。例えば、脚部7014は、導電性ポリマー、ワイヤ等の連続的に筋状をなす露出した導電性部材により構成することもできる。
【0100】
図13の変形実施例では、導電性の板、パッド等の導電性部材7008がセンサパッケージ6020から電力の供給を受けるようになっている。任意のパターンの導電性ビーズ7010が、導電性部材7008に接続され、かつ監視領域の上面にて露出している。導電性部材7008は、床材に組み込まれるものでも、絶縁マット・パッドに層状に設けられるものであっても良い。これらのビーズを水が横切ると、ビーズ間の回路が閉じられ、これが、監視対象たる回路の特性の変化として、センサパッケージ6020により検出される。
【0101】
いずれの実施例に於けるビーズ7010であっても、他の用途に利用することができる。そのような用途としては、監視領域の広さを特定したり、監視領域を滑り難くしたり、見栄えの良いデザインやロゴを表示することなどがある。
【0102】
ある実施例では、ビーズ7010は、導電性ポリマーによりコーティングされたセラミックビーズのような、少なくとも部分的に導電性ポリマーからなるものであって良い。別の実施例では、ビーズが全体として、それ自体導電性の導電性ポリマーや、フィラー材料により導電性となったポリマーからなるものであっても良い。フィラー材料により導電性となったポリマーとしては、熱可塑性の材料中に、ファイバー、フレーク、ビーズ或いは針状の(アモルファス或いはナノクリスタル)カーボンブラック、銀、アルミニウム等を分散させたものであって良い。或いは、TTF(tetrathiafulvalent)、TCNQ(tetracynoquinodimetane)或いはそれらのブロックコポリマーのような網目状の有機結晶材料を用いても良い。自体導電性の導電性ポリマーとしては、polyacetylene, polypyrrole, polythiophene, polypthalocyanines, polyphenylvinylene, polyphenylsulfide, polyaniline等がある。
【0103】
他の実施例と同様に、パッド或いは導電性部材に対応するセンサユニット6020の閾値は、通常の温度及び湿度条件を伴う通常の使用状態にあってはアラームを発生することがないように調節され、かつ較正される。
【0104】
溢れ出しセンサの場合と同様に、水センサ或いは湿度センサは、洗面所モニタステーションを介して、自動設備制御弁或いは遮断弁に一体化することができる。
【0105】
以上、本発明を特定の実施例について説明したが、本発明はこのような実施例によって限定されるものではない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の概念から逸脱することなく様々な変形、変更を加えたものをも含むものであることを了解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明のある実施例に於ける、洗面所センサユニットと、データ通信ユニットと、洗面所モニタステーションとの間の原理的な関係を示すブロック図である。
【図2】本発明のある実施例に於ける、データ通信ユニットの内部構造を示すブロック図である。
【図3】本発明のある実施例に於ける、便器及び流し台溢れ出しセンサと、データ通信ユニットと、洗面所センサユニットと、他の構成要素との間の関係を示すブロック図である。
【図4】本発明に基づく監視システムに用いることのできる溢れ出しセンサユニットの例示的内部構造を示すブロック図である。
【図5】本発明に基づく溢れ出しセンサが組み込まれたシステムの実施例に於ける、洗面所の構成要素及び溢れ出し状態を含む諸状態を監視し、報告し、分析するためのシステムのブロック図である。
【図6A】溢れ出しセンサが組み込まれた、監視された洗面所の便器を示す概念図である。
【図6B】溢れ出しセンサが組み込まれた、監視された洗面所の便器を示す概念図である。
【図7】溢れ出しセンサが組み込まれた、監視された洗面所の流し台を示す概念図である。
【図8】図6A及び6Bに示された便器のための電源を示す概念図である。
【図9】本発明に基づく、監視された洗面所の便器及び流し台の溢れ出し状態を監視するための別の実施例を概念図である。
【図10】本発明に基づく、監視された洗面所の床の上の水或いは湿気を監視するための別の実施例を概念図である。
【図11】本発明のある実施例に於ける、便器及び流し台溢れ出しセンサ又は水センサと、データ通信ユニットと、洗面所センサユニットと、他の構成要素との間の関係を示すブロック図である。
【図12】本発明に基づく、監視された洗面所の床の上の水或いは湿気を監視するための別の実施例を示す概念図である。
【図13】図12に示された水監視システムに用いることのできる水センサパッドを示す斜視図である。
【図14】水センサの別の実施例を示す斜視図である。
【図15】水センサの別の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0107】
1014 センサユニット(SU)
1038 データ通信ユニット(DCU)
1040 洗面所モニタステーション(WMS)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗面所設備に於ける実際の或いは切迫した溢れ出し状態を検出するためのシステムであって、
前記洗面所設備内に於ける水位の異常な上昇を、水が実際に溢れ出する前に、所定の位置にて検出するように前記洗面所設備に設けられた溢れ出しセンサと、
前記溢れ出しセンサと通信するデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと無線通信し、前記データ通信ユニットを介して前記溢れ出しセンサと通信する洗面所モニタステーションとを有し、
前記洗面所モニタステーションが、前記溢れ出しセンサが水の存在を検出したことを表示するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記洗面所が複数の便器及び流し台を有すると共に、これら便器及び流し台のそれぞれに対応するように個別の溢れ出しセンサを有し、前記溢れ出しセンサが、前記洗面所モニタステーションに於いてそれぞれ個別の識別タグにより識別されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記溢れ出しセンサが、検出器、電源及び電子制御ユニットを有し、前記検出器が、前記電源及び電子制御ユニットに対して離隔して設置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記溢れ出しセンサが便器に設けられ、かつ便器のボール内の水位の異常な上昇を検出するための検出器及び便座に設けられた電子制御ユニットを有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記電子制御ユニットが前記便座に埋め込まれていることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記溢れ出しセンサに電力を供給するためのソーラパネルを更に有し、前記ソーラパネルが、前記洗面所内の照度に応じて電力を発生し、前記洗面所が照明されているときには、バッテリ電源或いは主電源を細流充電することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記溢れ出しセンサに対して電力を供給するための動き発電機を更に有し、前記動き発電機が、利用者が洗面所を通常の態様で使用したときに駆動される部材を有し、前記部材の運動を電力に変換し、この電力により充電可能なバッテリを定期的に細流充電することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記溢れ出しセンサが、洗面所設備の容器壁に沿って水位を検出するUWB検出器を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記溢れ出しセンサが、洗面所設備に於いて所定の水位に達したときに検出可能な周波数偏移を引き起こすように同調された無線発振器回路を有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記溢れ出しセンサが、洗面所設備の水容器に向けてビームを照射する能動的な発信機を有し、水により反射される前記ビームの特性の関数として前記水容器内の水位を検出することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記能動的な発信機が、前記洗面所内に於ける活動が検出されることにより発生するトリガ信号により起動されるまでスリープモードに維持されるようにしたことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記洗面所設備が自動的に起動され、前記洗面所モニタステーションが、前記洗面所設備の制御回路と通信し、前記洗面所設備の溢れ出し状態を検出したときに前記洗面所設備を非作動状態とすることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記洗面所が、前記洗面所設備に至る水供給管に設けられた少なくとも1つの遠隔制御可能な遮断弁を有し、前記洗面所モニタステーションが、前記遮断弁の制御回路と通信し、溢れ出し状態が検出されたときには前記遮断弁を自動的に閉弁することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記洗面所の床の監視位置に於ける異常な量の水を検出するような位置に設けられた少なくとも1つの水センサを更に有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
洗面所の床に於ける異常な量の水を検出するためのシステムであって、
前記洗面所の床の監視位置に於ける異常な量の水を検出するような位置に設けられた少なくとも1つの水センサと、
前記溢れ出しセンサと通信するデータ通信ユニットと、
前記データ通信ユニットと無線通信し、前記データ通信ユニットを介して前記水センサと通信する洗面所モニタステーションとを有し、
前記洗面所モニタステーションが、前記水センサが水の存在を検出したことを表示するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記水センサが、前記監視位置に於ける前記洗面所の床の上の水による温度変化を検出するようにされていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記水センサが赤外線センサを含むことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記水センサが、前記監視位置に於ける前記洗面所の床の上の水による導電性を検出するようにされた導電性部材を含むことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記水センサが、前記監視位置の床面をカバーするような所定のパターンをなして配置された露出する複数の導電性ポリマービーズを含むことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記導電性ポリマービーズが、導電性部材の開回路の個々の脚部に電気的に接続されていることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記脚部が交互するように配置され、少なくとも2つの互いに隣接する脚部間を交差する水により、前記水センサにより検出されるべき回路が閉じられるようにしたことを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記複数の導電性ポリマービーズが互いに電気的に絶縁され、かつ共通の励起された部材に接続されていることを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
前記導電性部材が、前記洗面所の所望の位置設けられたパッド上に配置されていることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
前記導電性部材が、前記洗面所の床材上に直接配置されていることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項25】
前記洗面所の複数の位置に配置された、前記洗面所モニタステーションと通信する複数の水センサを有し、前記洗面所モニタステーションが、前記複数の水センサの検出のタイミング及び順序の関数として、前記洗面所の床の上の水の位置、流量及び流れの方向の任意の組み合わせを判定するようにされていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2008−524702(P2008−524702A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546704(P2007−546704)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/043006
【国際公開番号】WO2006/065514
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
2.ETHERNET
3.Bluetooth
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】