説明

流れ制御装置用流れモニタリングシステム

流れ制御装置(10)に装填された投与給送セット(14)内の流れを検出及び識別できる流れ監視システム(12)を有する流れ制御装置(10)を開示する。流れ制御装置(10)は、投与給送セット(14)内での流体の有無を検出できる単一のセンサ(32)を備える。ソフトウエアサブシステム(36)は、単一のセンサ(32)と協調動作し、流れ制御装置(10)に装填された投与給送セット(14)内の上流の流れの状態と下流の流れの状態とを識別することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、投与(施薬)給送セット(administration
feeding set)内での流れの状態を識別することができる流れ制御装置に関する。
【0002】
発明の背景
薬品または栄養物を含む流体を患者への投与することは当該技術で広く知られている。典型的には、患者へ流体を配送する流体源に接続された流れ制御装置、例えばポンプ、に装填された投与給送セットによって流体が患者へ送られる。
【0003】
先行技術の流れ制御装置は、流れ制御装置が動作しているときに、その装填された投与給送セット内に発生する流体の流れの状態を監視及び検出することもできる。総じて、流れ状態を監視及び検出することができる従来技術の流れ監視システムは、上流及び下流の流れ状態を区別するために、投与給送セットの上流側および下流側に配置された別々のセンサを当てにしている。
【0004】
従って、単一のセンサを用いて上流の流れ状態と下流の流れ状態とを識別し、それにより流体の流れを監視できるとともに流体の給送時に発生した何らかの問題を認識できる流れ監視システムを備えた改良型流れ制御装置に対するニーズが当該技術にはある。
【0005】
発明の概要
本発明は、流れ制御装置であって、上流側および下流側を有する投与給送セットが装填されるように適合された流れ制御装置と、前記投与給送セットの上流側での流体の有無を検出するための単一のセンサと、前記単一センサと協調動作するソフトウエアサブシステムとを備え、そのソフトウエアサブシステムが、前記投与給送セット内の上流の流れ状態と下流の流れ状態とを識別できる流れ制御装置に関する。
【0006】
本発明は、投与給送セットが装填されるように適合された流れ制御装置、前記流れ制御装置に装填されるとともに上流側及び下流側を有する投与給送セット、前記投与給送セットの上流側での流体の有無を検出するための単一のセンサ及び前記単一のセンサと協調動作するソフトウエアサブシステムを備えた流れ制御装置であって、そのソフトウエアサブシステムが前記流れ制御装置に装填された投与給送セット内の上流の流れ状態と下流の流れ状態とを識別することができる流れ制御装置にも関する。
【0007】
更に、本発明は、投与給送セットの一端を少なくとも一つの流体源に固定(engage)するステップ、流れ制御装置に前記投与給送セットを装填するステップ、投与給送セットの他端を固定(engage)するステップ、及び、前記流れ制御装置に装填された前記投与給送セット内の上流の流れ状態と下流の流れ状態とを識別するステップ、を含む流体の流れを監視する方法に関する。
【0008】
発明の詳細な説明
図面を参照すると、本発明による流れ制御装置の実施の形態が一般に流れ制御装置10として図1〜図5に示されている。流れ制御装置10は、投与給送セット14内の上流側の流れの状態及び下流側の流れの状態を検出及び識別することができる流れ監視システム12を備える。投与給送セット14はチューブ56を含み、チューブ56は投与給送セット14のバルブ機構26及び装着部材74を流れ制御装置10へ係合することにより患者へ流体を送るために、流れ制御装置10に装填される。本明細書で用いる用語「装填する」は、投与給送セット14が流れ制御装置10とともに動作する準備が整うように、バルブ機構28及び装着部材74が流れ制御装置10に留められ、チューブ56がバルブ機構28と装着部材74との間で張架状態にて配置されることを意味する。
【0009】
図1および図2を参照すると、本発明による例示の流れ制御装置10は、投与給送セット14を流れ制御装置10に装填するように適合されたハウジング20を備える。流れ制御装置10は、主ドア136で覆われる主たる凹部124を備えるとともに、流れ制御装置10に投与給送セット14を装填するように適合された場所を提供する第1及び第2凹部58および60を含む。この場合、バルブ機構28および装着部材74はそれぞれ、第1凹部58および第2凹部60に係合される。好ましくは、ロータ26等の流体を駆動するための手段は、ハウジング20に回転可能に固定され、投与給送セット14を流れ制御装置10へ装填したときにチューブ56が第1凹部58と第2凹部60との間において張架状態にて配設されるようにチューブ56を固定するように適合されている。
【0010】
本明細書において、ロータ26に至るまでの投与給送セット14のチューブ56の部分が「上流」と称呼され、ロータ26から出ていくチューブ56の部分が「下流」と称呼される。従って、ロータ26の回転はチューブ56を圧縮し、流体を患者へ送るために投与給送セット14の上流側から下流側へ流体を動かす(押しやる)手段を提供する。本発明の意図によれば、直線ぜん動ポンプ、ベローズポンプ、タービンポンプ、回転ぜん動ポンプ及び容量型ポンプ等の流体を動かすための手段を備える任意の流れ制御装置が使用できる。加えて、本発明の意図によれば、投与給送セット14内の流体の流れを遮るための手段はバルブ機構28であることが好ましい。しかし、投与給送セット14を通る流体の流れを遮ることができるどのような手段を用いてもよい。
【0011】
図1を参照すると、流れ制御装置10は、ユーザが流れ制御装置10と有効に意思疎通をすることを支援するユーザーインターフェース40を更に備える。オーバーレイ66に沿って配置された複数のボタン138と協調動作するディスプレイ70は、ユーザがマイクロプロセッサ62と対話して、本発明による流れ監視システム12を作動させることを支援する。
【0012】
図3を参照すると、流れ制御装置10は、単一のセンサ32と協調動作するマイクロプロセッサ62を更に備える。ソフトウエアサブシステム36はマイクロプロセッサ62と協調動作し、更に、流れ監視システム12と協調動作し、バルブ機構28等の流体の流れを遮るための手段と協調動作する。その流体の流れを遮るための手段は、流れ制御装置10の動作中に、投与給送セット14内の上流の流れの状態と下流の流れの状態とを検出及び識別する手段を流れ制御装置10に提供する。上述したように、流れ制御装置10は、投与給送セット14の上流側におけるチューブ56内に流体が有るか無いかを検出するための単一のセンサ32を含む。単一のセンサ32は、流れ制御装置10のハウジング20上に配置され、投与給送セット14の上流側での流体の有無を検出するよう位置決めされる。図2に示す実施の形態では、単一のセンサ32は、窪んだセンサートラック42に組み込まれ、投与給送セット14が流れ制御装置10に装填されるときに、チューブ56を確実に受けるようになされている。
【0013】
単一のセンサ32が投与給送セット14のチューブ56内での流体の有無を検出するためには、チューブ56がセンサートラック42内に留められ且つ保持される必要がある。一実施の形態において、センサートラック42内へのチューブ56の係留と保持は、チューブ56内に流体が無く且つチューブ56が流れ制御装置10周りに留められているときに、空気を投与給送セット14から抜きつつチューブ56の外径を減少させることで、チューブ56を収縮状態にする真空を生み出すように流れ制御装置10を駆動することにより、達成される。この収縮状態においては、ユーザは、投与給送セット14を流れ制御装置10に装填する際にチューブ56をセンサートラック42内へ容易に挿入することができる。
【0014】
更に、流体が空のチューブ56に連結されたバルブ機構28は第1凹部58へ留められ、次いでチューブ56はロータ26の周りに巻き付けられ、装着部材74は第2凹部60に留められる。これにより、投与給送セット14が流れ制御装置10に装填され、且つ、第1凹部58と第2凹部60間のチューブ56の部分が張架状態となる。次に、バルブ機構28が作動せしめられ、投与給送セット14から空気が抜かれるようにチューブ56を通る流体の連通が許容される。従って、ロータ26がこの呼び水入れ手順(priming procedure) 中において動作させられると、チューブ56内に真空が生み出され、チューブ56の柔軟性と投与給送セット14に流体が含まれていないこととにより、チューブは強制的につぶされる。係る一時的なチューブ56のつぶれは、動作するロータ26により加えられる引張力とともに、チューブ56がセンサートラック42内に容易に留まらされていることを可能とする。
【0015】
更に、流れ制御装置10が動作していて、且つ、チューブ56がセンサートラック42内に係留されている場合、チューブ56を通る流体の流れにより、チューブ56の外径は、センサートラック42の内径に対して大きくなる。一旦、チューブ56がセンサートラック42内に係留され、投与給送セット14の他の部分が流れ制御装置10と係合すると、流れ監視システム16は運転可能状態となる。
【0016】
マイクロプロセッサ62は、流れ制御装置10の各種構成要素の動作を制御し且つ管理する。好ましくは、単一のセンサ32がセンサートラック42に位置されたチューブ56の部分を通過する超音波信号を発信する超音波発信器アセンブリ90を備え、その信号が受信器アセンブリ92によって受信されたとき、投与給送セット14の上流側における流体の有無を検出する手段が提供される。超音波信号を受信すると、受信器アセンブリ92は、マイクロプロセッサ62が受信した超音波信号の特性に基づいて、センサートラック42に沿うチューブ56内の流体の有無を検出する。次いで、受信器アセンブリ92はマイクロプロセッサ62と通信する。ソフトウエアサブシステム36は、受信された超音波信号であってマイクロプロセッサ62に通信された超音波信号の特性に基づいて、投与給送セット14内での流体の流れが正常であるか否か、或いは、流れの異常が存在しているか否かを決定する。
【0017】
ソフトウエアサブシステム36は、正常な流れ状態か又は異常な流れ状態がチューブ56内にあるかどうか、そして異常な流れ状態があれば、それはバッグの空状態であるのか、上流閉塞であるのか、又は、下流閉塞であるのかを、一連の判定ポイントおよびステップを通して決定する。
【0018】
図4および図4Aのフロー図を参照することにより、流れ監視システム12による間欠的なテスト手順Aを実行するために、ソフトウエアサブシステム36が実行する様々な判定ポイントおよびステップが明らかにされる。ソフトウエアサブシステム36は、流れ制御装置10に命令し、投与給送セット14の上流と下流の流れ状態の検出及び識別に関係する各種作動を流れ制御装置10に実行させる。通常の動作中、単一のセンサ32は、投与給送セット14内での流体の有無を検出するために、センサートラック42内に留められているチューブ56を通過する超音波信号を発信する。流れ制御装置10の動作中、ソフトウエアサブシステム36は、所定時に、下流閉塞があるかどうかを判定するための間欠的なテスト手順Aを開始するかどうかを決定する。間欠的なテスト手順Aは、投与給送セット14を通る流体の流れの連通をバルブ機構28により終了するステップ、単一のセンサ32により流体の有無を判定するために超音波を発信し且つ検出するステップ、及び、必要に応じて、これらステップの繰り返しを含む。
【0019】
特に、ステップ289において、ソフトウエアサブシステム36は、図4Aに示すような間欠的なテスト手順Aを実行するかどうかを判定する。実行すると判定した場合、マイクロプロセッサ62は、ステップ290において、流れ制御装置10の動作を終了させる命令を流れ制御装置10に出力し、ロータ26がチューブ56を通る流体をそれ以上動かさないように流れ制御装置10をOFF状態にする。次いで、マイクロプロセッサ62は、ステップ292において、バルブ機構28を、チューブ56を通る流体の流れを遮断する閉鎖位置に設定する。
【0020】
バルブ機構28が投与給送セット14を通る流体の流れを遮った後、ステップ294において基準信号が単一のセンサ32により取得され、ステップ296において流れ制御装置10が再起動されたとき、その基準信号の読取値がマイクロプロセッサ62に提供される。再起動の後、投与給送セット14の下流側に沿う閉塞がない限り、チューブ56内に存在する流体は全てロータ26の動作によりチューブ56を通って動かされ、患者へ給送される。短時間経過後、下流側の閉塞によって流体がチューブ56内に留まるように強制されて流体が患者へと給送されることが事実上妨げられていない限り、流体の流れを終了させる閉鎖位置にバルブ機構28が設定されていることにより、チューブ56に残る流体は全て枯渇する(流体はなくなる)。ソフトウエアサブシステム36は、ステップ298において、所定時間が経過するまで過剰な流体がチューブ56から排出されることを許容する。それから、ステップ300において、単一のセンサ32はチューブ56を通過する別の超音波信号を発信し、投与給送セット14内での流体の有無を判定するために第2の読取値を取得する。投与給送セット14内に流体が残っている場合、ソフトウエアサブシステム36は、下流閉塞が存在すると判定して警報音を発する。
【0021】
間欠的なテスト手順Aが完了すると、ソフトウエアサブシステム36は、投与給送セット14の下流側におけるチューブ56内に閉塞があるか否かなどの下流の流れの状態を判定する判定ポイント302に達する。その判定ポイント302において、チューブ56に流体が残っていない場合、ソフトウエアサブシステム36は下流閉塞が無いと判定する。ステップ304において、マイクロプロセッサ62はカウンタをリセットし、ステップ306において流れ制御装置10をOFF状態にする。次いで、ステップ308において、バルブ機構28は、流体がチューブを通って流れることができるフィード位置またはフラッシング位置に置かれる。バルブ機構28をフィード位置またはフラッシング位置のいずれかに置くように作動した後、流れ制御装置10はステップ310においてON状態に置かれ、流れ監視システム12はソフトウエアサブシステム36をステップ289へと戻す。
【0022】
判定ポイント302において、投与給送セット14の下流側に沿う閉塞の可能性がある場合、判定ポイント312に進む。判定ポイント312は、単一のセンサ32がチューブ56内の流体の存在を検出する発生数をカウントする。これをD0とする。一方、流れ監視システム12が下流閉塞を検出するために許容する予め設定された最大発生数をD0(max)とする。判定ポイント312において、D0がD0(max)以下の場合、ソフトウエアサブシステム36は下流閉塞が無いと判定し、ステップ304、306、308及び310で先に説明した方法と同様の方法で、バルブ機構28を、流体が投与給送セット14を通って流れることを許容する位置に設定する。しかし、D0がD0(max)を超える場合、下流閉塞のある可能性があり、ソフトウエアサブシステム36は、マイクロプロセッサ62に警報68を発動するよう命令する。
【0023】
警報68は、聴覚的、視覚的、振動、又は、それらの任意の組合せであることが好ましい。本発明の実施の形態では、特定種類の警報68のそれぞれは、それに固有の異常な流れ状態が投与給送セット14内にあることを表し、それぞれ一意の視覚的、聴覚的、及び/又は振動による警報68によって、ユーザが固有の異常な流れ状態を識別可能とすることができるように対策がたてられている。例えば、異なる音の警報68は、下流閉塞、バッグの空状態又は上流閉塞等、異なる種類の上流および下流の流れ状態を指し示すことができる。こうした一意の警報68により、流れ監視システム12が、幾つかの異なる種類の異常流れ状態の存在を合図できる。
【0024】
上流閉塞又はバッグの空状態等の投与給送セット14内の上流の流れ状態の検出は、投与給送セット14の上流側に位置する検出位置において単一のセンサ32によりチューブ56内に流体が有るか無いかに基いて判定される。しかし、投与給送セット14に沿う下流閉塞の検出とは異なり、上流閉塞又はバッグの空状態等の投与給送セット14内の上流の流れ状態の検出には、間欠テスト手順Aが実行されることが要求されない。代わりに、これらの上流の流れ状態の検出は、バルブ機構28が流体を投与給送セット14を通流させることができるフィード位置またはフラッシング位置にあって流れ制御装置10が通常動作を行っている期間においてなされる。
【0025】
流れ監視システム12は、ソフトウエアサブシステム36によって間欠的なテスト手順Aが実行されていないとき、正常な流れ、バッグの空及び上流閉塞の状態等の上流の流れ状態を検出し識別する。具体的には、判定ポイント289において、ソフトウエアサブシステム36が下流の流れ状態を検出するための間欠的なテスト手順Aを開始しない場合、ソフトウエアサブシステム36は、正常な流れ、バッグの空及び上流閉塞の状態を検出し識別するよう機能する。
【0026】
流れ監視システム12と協調動作するソフトウエアサブシステム36は、流れ制御装置10の動作中において、正常な上流の流れ状態が投与給送セット14内にあるか否かを判定する。この動作は、判定ポイント314において発生し、単一のセンサ32が検出する流体の有無に基づいて判定される。具体的には、単一のセンサ32がチューブ56内に流体があることを検出するなら、判定ポイント314においてその流れはソフトウエアサブシステム36によって検出される。投与給送セット14の上流側での流体の流れを閉塞又は閉鎖する流れの状態であって単一のセンサ32によって検出されるような流体を無くさせる流れの状態が存在しないならば、上流の流れの状態は正常である。判定ポイント314において流れがあるならば、この正常な流れ状態はステップ315においてユーザーインターフェース40上に表示されることになろう。従って、流れの状態中に、患者は適切な投薬量の流体を受け取るから、警報68は作動しない。
【0027】
流れ監視システム12は、判定ポイント314において、流れ制御装置10の動作中、チューブ56内に流体が無いことによって立証されるバッグの空状態又は投与給送セット14の上流側に沿う閉塞が検出された場合、警報68を発するのみである。ソフトウエアサブシステム36は、判定ポイント316において、バッグの空状態と上流閉塞とを区別する。図5Aおよび図5Bに示すように、バッグの空状態又は上流閉塞が投与給送セット14内にあるかどうかを確認するために、判定ポイント316において比較が行われる。
【0028】
更に示すように、図5A及び図5Bに示されたグラフは、それぞれバッグの空状態および上流閉塞に対する、受信器アセンブリ30Bにより受信される超音波信号の相対的な信号強度を表す所定の基準線を提供する。これらの基準線は、単一のセンサ32により得られる複数の読取値とこれら二つの流れの異常を表すそれぞれの所定の基準線との比較に基づいて、これら二つの上流の流れ状態を区別するための基準を提供する。詳細に述べると、ソフトウエアサブシステム36は、単一のセンサ32が時間とともに生成する複数のセンサ読取値からの信号強度の変化を、これら特定の流れの状態に対応する所定の基準線クライテリアと比較する。これは、ソフトウエアサブシステム36に、バッグの空状態と上流閉塞状態とを区別させることができる単一のセンサ32が取得した読取値との比較を提供する。例えば、バッグの空状態では、連続する読取値間の変化は時間経過に対して、より急激に減少する一方、上流閉塞では、その信号の変化は時間経過に対して、より緩慢に減少する。なお、図5Aおよび図5Bのグラフは好適な基準線クライテリアの例を示すが、これらの二つの流れの異常を区別できる他の基線線クライテリアが利用されてもよい。
【0029】
判定ポイント316において、上述したような所定の基準との信号比較に基づいてバッグの空状態があると判定されると、ソフトウエアサブシステム36は警報68を作動させる。また、ソフトウエアサブシステム36が、判定ポイント316において上流閉塞があると判定すると、ソフトウエアサブシステム36は、そのような流れの異常を示す警報68を発生するように命令する。
【0030】
従って、流れ監視システム12は、投与給送セット14内に発生する少なくとも4つの別々の流れの状態を含む上流および下流の流れの状態を検出し区別することができる。投与給送セット14の上流側に配置された単一のセンサ32による単一の検出ポイントにより、上流および下流の流れ状態を検出し区別する流れ監視システム12の能力が好適に達成される。
【0031】
上記の流れ制御装置10は例示の実施の形態でり、本発明が意図しているのは、流れ監視システム12は、任意の適切な流れ制御装置とともに用いることができる、ということである。
【0032】
本発明の特定の実施の形態を図示及び説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な改変を行うことができることは、上記開示から理解される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による流れ監視システムを有する例示の流れ制御装置の斜視図である。
【図2】本発明による、投与給送セットを装填した流れ制御装置の側面図である。
【図3】本発明による、流れ監視システムを備える流れ制御装置の要素を示す簡略ブロック図である。
【図4】本発明による流れ監視システムのフローチャートである。
【図4A】本発明による図4に示したフロー図のサブルーチンである。
【図5A】本発明によるセンサにより検出されたバッグの空状態に対応する、時間経過に対する信号強度を説明するグラフである。
【図5B】本発明によるセンサにより検出された上流閉塞に対応する、時間経過に対する信号強度を説明するグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流れ制御装置(10)であって、
a)上流側及び下流側を有する投与給送セット(14)が装填されるように適合された流れ制御装置(10)、
b)前記投与給送セット(14)の前記上流側における流体の有無を検出する単一のセンサ(32)、及び、
c)前記単一のセンサ(32)と協調動作して前記投与給送セット(14)内の上流の流れの状態と下流の流れの状態とを識別することが可能なソフトウエアサブシステム(36)、
を備えた流れ制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の流れ制御装置(10)であって、更に、
前記ソフトウエアサブシステム(36)と協調動作して前記投与給送セット(14)内の流体の流れを遮る手段を備えた流れ制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の流れ制御装置(10)において、
前記ソフトウエアサブシステム(36)は、前記投与給送セット(14)内の流体の流れを遮断して前記下流の流れの状態を識別するように構成された流れ制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の流れ制御装置(10)において、
前記ソフトウエアサブシステム(36)は、前記投与給送セット(14)内の流体の有無に基づいて、前記投与給送セット(14)内の前記上流の流れの状態と前記下流の流れの状態とを識別するように構成された流れ制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の流れ制御装置(10)において、
前記ソフトウエアサブシステム(36)は、下流閉塞があるか否かを識別できるように構成された流れ制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載の流れ制御装置(10)において、
前記ソフトウエアサブシステム(36)は、バッグの空状態又は上流閉塞があるか否かを識別できるように構成された流れ制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の流れ制御装置(10)において、
前記ソフトウエアサブシステム(36)は、正常な流れがあるか否かを識別できるように構成された流れ制御装置。
【請求項8】
請求項1に記載の流れ制御装置(10)において、
前記単一のセンサ(32)は、前記投与給送セット(14)を通過する超音波信号を発信する超音波発信器アセンブリ(90)を備える流れ制御装置。
【請求項9】
流れ制御装置(10)であって、
a)投与給送セット(14)が装填されるように適合された流れ制御装置(10)、
b)上流側および下流側を有するとともに前記流れ制御装置(10)に装填される投与給送セット(14)、
c)前記投与給送セット(14)の前記上流側における流体の有無を検出する単一のセンサ(32)、及び
d)前記単一センサ(32)と協調動作して前記流れ制御装置(10)に装填された前記投与給送セット(14)内の上流の流れの状態と下流の流れの状態とを識別することが可能なソフトウエアサブシステム(36)、
を備えた流れ制御装置。
【請求項10】
請求項8に記載の流れ制御装置(10)において、
前記単一センサ(32)は、前記投与給送セット(14)を通過する超音波信号を発信する超音波発信器アセンブリ(90)を備える流れ制御装置。
【請求項11】
流体の流れを監視する方法であって、
a)請求項9に記載の前記投与給送セット(14)の一端を少なくとも一つの流体源に固定するステップ、
b)前記投与給送セット(14)を請求項9に記載の流れ制御装置(10)に装填するステップ、
c)請求項9に記載の前記投与給送セット(14)の別の一端を固定するステップ、及び
d)請求項9に記載の前記流れ制御装置(10)を利用して、前記投与給送セット(14)内の上流の流れの状態と下流の流れの状態とを識別するステップ、
を含む方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
前記識別するステップは、前記投与給送セット(14)内の前記下流の流れの状態を識別するために前記投与給送セット(14)内の流体の流れを遮断するステップを更に含む方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法において、
請求項9に記載の前記投与給送セット(14)の前記別の一端が患者に固定されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図4A】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2008−500642(P2008−500642A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515324(P2007−515324)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2005/018486
【国際公開番号】WO2005/116790
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(506179860)シャーウッド サービスィーズ アーゲー (18)
【Fターム(参考)】