説明

流体分配器及び流体回収器を有する固定床反応器

【課題】流体分配器及び流体回収器を有する固定床反応器を提供する。
【解決手段】アセトンとフェノールからビスフェノールAを製造するアップフロー反応器10は、容器14と、容器内に配置された触媒床12と、反応体分配/生成物回収システムとを備える。反応体分配/生成物回収システムは、反応器10の下端に設けられた孔あき分配器20を含む。アセトンとフェノールを含有する反応混合物を分配器20に導入し、反応混合物を触媒床12を通して上向きに流し、反応済みのアセトンとフェノールをビスフェノールAとして、他の異性体及び未反応種と共に回収する工程を含む。アップフロー反応器内で床12からの触媒ビーズのキャリーオーバーを回避する方法は、アップフロー反応器10の生成物を、反応器の上端に配置された回収器40に適切なスリット寸法のスクリーン47を介して取り入れる工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応器システムの床を通しての圧力降下、チャネリング及び反応体及び生成物流の不良分布を抑制することのできる、ジヒドロキシ化合物を製造する化学的反応器システムに関する。さらに、本発明は、ケトン化合物及びフェノール化合物を反応体分配システムからアップフロー方式で導入し、これらの反応体を触媒床に通し、生成物を生成物回収システムを通して取り出すことにより、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジヒドロキシ化合物、特にビスフェノール類は、エポキシ樹脂やポリカーボネートなどの化学的生成物を製造する際に原料として使用される。これらは通常、ケトン化合物とフェノール化合物との縮合により製造される。代表的なビスフェノール類には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名ビスフェノールA又はBPA)があり、これはアセトン(別名ジメチルケトン)とフェノール化合物とを酸の存在下で反応させることにより製造できる。
【0003】
ビスフェノール類の製造に用いられる充填床反応器システムは一般に、充填材料、例えば粒状形態(具体的にはビーズ状)とすることができる触媒の床を備え、そこに液体反応体を導入する。反応体を床に流し、床内で触媒の存在下反応体同士を接触させ、反応させて最終生成物及び副生物を形成し、これらを床内の下流点から取り出す。このような充填床反応器システムでは、床と関連する圧力がしばしば反応器の物理的性能に影響する。充填床の高さに沿った流れ抵抗の尺度である差圧が、床の高さの増加につれて増加する。充填床の高さに沿った差圧は、触媒ビーズを圧縮し、変形するおそれがあり、このため圧力降下が限定される結果として液体処理量の減少をもたらす。差圧の増加に応じて、そして触媒床の密度が液体の密度に極めて近いので、流体流れはしばしば有意な分裂状態となり、これにより処理量の低下及び/又は「チャネリング」が起こる。
【0004】
BPA反応器はしばしばダウンフロー(下降流)方式で運転され、酸性イオン交換樹脂(IER)触媒の存在下、所望に応じて助触媒促進剤の存在下、フェノールとアセトンの発熱縮合が生じる。BPAをダウンフロー方式で製造する場合、IER触媒によっては、IER触媒の架橋度が反応器の物理的性能に、また反応性、選択性そしてこの反応器の収率に直接影響する。実際、ダウンフロー配置で運転されるBPA反応器の処理量を増加すると、圧力降下が増加し、そのためビーズの形がゆがんだり、充填床が崩壊したりするおそれが増大する。特に架橋度の低い(例えば約2.5%以下)IER触媒の場合、液圧上の制約も認められる。架橋度の高いIER触媒では液圧問題は左程ではないが、BPAの合成におけるこのような樹脂の反応性、選択性及び寿命(使用触媒1トン当たりの生成トン数)も著しく減少する。このような訳で、通常、より高度に架橋した触媒の方が、粒子形状及び圧力による粒状ビーズの圧縮機構に帰せられる液圧衝撃に対して強い。しかし、高度に架橋した触媒は低い反応性、低い選択性、短い寿命という欠点を呈しがちである。
【0005】
架橋度の高い触媒の利点を保持したままで、架橋度の低い触媒の液圧上の制約を補償するために、米国特許第5395857号及び米国特許出願第09/258235号に開示されているように、BPAを「コンビ床」(組合せ床)装置で製造することがある。コンビ床装置は、架橋度の高い触媒と架橋度の低い触媒両方を同じ反応器床で組み合わせることにより、架橋度の高い触媒によるBPAの高い生産速度と、架橋度の低い(約2%以下)触媒による増大した活性、選択性及び寿命とを最適化する。しかしながら、コンビ床装置の能力は、寿命に関して、また最高許容処理量に関して限定されたままである。
【0006】
さらに、触媒床における液圧制限に関連した問題を緩和するために、床高さを低く維持しながら直径を大きく構成した反応器も試作されており、これにより、反応器処理量を許容範囲内に維持することを可能にする圧力降下で反応器を運転しながら、反応器に架橋度の低い触媒を使用するのを可能にしている。液圧制限に関連した問題を緩和する別の試みでは、反応体をBPA反応器にアップフロー(上向き流れ)方式で供給して、反応器の性能に対する圧力降下の影響を小さくするとともに、処理量の制限を克服する。
【0007】
チャネリングは、流体がある活性基にランダムに関与するが、他の活性基には関与しない流れ状態である。チャネリング状態の流れでは、床の一部が短絡され、流体と均一かつ定常的に接触しない。このような状態は仕込んだ反応体の不完全な処理もしくは不完全な化学反応をもたらすおそれがある。このことの結果として、触媒又は処理粒子が早期に捨てられるおそれがあり、触媒の有効分の一部の損失につながる。
【0008】
チャネリングは反応器の運転中に、アップフロー、ダウンフロー方式いずれでも起こりうる。アップフロー方式では、反応体を反応器の下端から圧送する。反応体が反応器の上部に流れるにつれて、反応体は相互にまた反応器床に配置された触媒に接触し、反応して目的生成物を形成し、生成物を反応器の頂部から回収する。触媒がビーズの形態である場合、自重でのビーズの圧縮が原因で圧力降下が反応器の高さに沿って発現する。ダウンフロー方式では、反応体を反応器の頂部に供給する。代表的には圧力をかけて反応体流れを(したがって生成物取り出し速度を)増大する。しかし、ダウンフロー方式では、触媒ビーズがしばしば、自重で圧縮される上に、下向き流れの作用下で圧縮される。圧縮下では、触媒ビーズはゆがんだ形状となり、充填床が崩壊し、これにより触媒床の空隙率が低下し、圧力降下問題が拡大する。
【0009】
チャネリングそしてその結果としての反応体と触媒との接触不良が原因で、充填床反応器の運転はしばしばひどく妨害される。特に、有意な量のチャネリングが起こっている運転は通常、生成物収率の低下、触媒床の早期交換、そして反応体の利用効率の低下をもたらす。この結果、新しい触媒のコストがかかるだけでなく、運転停止時の生産損失、交換の在庫コスト、使用済み触媒の破棄コスト、反応体の回収/リサイクルが生まれる。さらに、触媒技術を改善する努力に伴うコストの結果として有意な財政的負担も発生する。このようなコストには、別の反応器幾何形状の開発が含まれるが、あまり好ましくない幾何形状の現存する反応器の問題を解決しようとするものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5395857号明細書
【特許文献2】国際公開第00/50372号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
ジヒドロキシ化合物を製造するアップフロー反応器が開示される。本反応器は、容器と、容器内に配置された触媒床と、容器内に配置された反応体分配/生成物回収システムとを備える。反応体分配/生成物回収システムは、容器の下端に配置された分配器と、容器の上端に配置された回収器とを備える。分配器と回収器には各々孔が設けられる。これらの孔にはスクリーン(screen)が配置される。
【0012】
アップフロー反応器でジヒドロキシ化合物を製造する方法は、スクリーン(screen)で覆われた孔が設けられた分配器に反応体を導入し、反応体を分配器から触媒床を通して上向きに流し、得られるジヒドロキシ化合物をアップフロー反応器の上端から回収する工程を含む。
【0013】
アップフロー反応器内で触媒ビーズの床からの触媒ビーズのキャリーオーバー量を減少させる方法は、アップフロー反応器の生成物を、反応器の上端に配置された、孔及び孔を覆うスクリーン(screen)を有する、回収器に取り入れる工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】底部が平坦なアップフロー化学反応器の実施態様の線図である。
【図2】底部が平坦でないアップフロー化学反応器の実施態様の線図である。
【図3】底部が平坦でないアップフロー化学反応器の実施態様の線図である。
【図4】反応体分配器の斜視図である。
【図5】生成物回収器の斜視図である。
【図6】試験反応器システムの線図である。
【図7】分配器/回収器システムを組み込んでない試験反応器システムにおける温度を時間の関数として示すグラフである。
【図8】分配器/回収器システムを組み込んだ試験反応器システムにおける温度を時間の関数として示すグラフである。
【図9】ダウンフロー及びアップフロー方式で運転する試験反応器システムについて差圧を線速度の関数として示すグラフである。
【図10】アセトン転化率及びビスフェノールA生成量を線速度の関数として示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ジヒドロキシ化合物(例えばビスフェノール異性体)を製造する装置及びジヒドロキシ化合物を製造するためのその使用方法が開示される。反応器は、触媒床を含み、複数の反応体が触媒床に流れて反応し、最終ビスフェノール異性体を生成する。複数の反応体は同時にほぼ垂直方向に触媒床を下部から上部へ流れる。良好な選択性、収率及び反応体転化率を得るために、反応器は、プラグ流にそっくりか少なくとも近似する流れプロファイルが実現されるように設計されている。本方法はビスフェノールのあらゆる異性体の製造に適用できるが、好適な異性体は、触媒及び所望に応じて助触媒(例えば反応促進剤)の存在下でのケトン化合物(例えばアセトン)とフェノール化合物との反応により製造されるBPAである。使用できる代表的なフェノール化合物には、o−クレゾール、m−クレゾール、2,6−ジメチルフェノール、o−sec−ブチルフェノール、1,3,5−キシレノール、テトラメチルフェノール、2−メチル−6−tert−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール、o−及びm−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、2,6−ジクロロフェノール及びこれらフェノール化合物の任意の組合せがあるが、これらに限らない。こうして得られるBPA生成物をさらにホスゲン又はジフェニルカーボネートと化合してポリカーボネートを製造することができる。
【0016】
図1を参照すると、好適なビスフェノール異性体を製造するのに用いるアップフロー化学反応器の1実施態様が10で示されている。以下、「反応器10」という。反応器10は、触媒を含む床12及び反応体分配/生成物回収システムを含む。スクリーンは、反応混合物がシステムを通過できるように、触媒を反応区域内に閉じこめる作用をなす。反応器10の上部には、床12の上方に蒸気空間13が画成される。反応体であるアセトン及びフェノールを、アップフロー(上向き流れ)方式にて、反応体分配/生成物回収システムの分配器20を介して、床12を通して蒸気空間13へ流し、かくして流れの分布不良(反応器の断面スライスにおける不均一な流れ分散として定義される)を最小限に抑え、床12のあらゆる隙間スライスに実質的に均一な流れプロファイルを維持するようにする。反応器10の最もコスト効率のよい運転に必要とされる触媒量を最小限に抑えるために、床12は、床12の最上レベルでの生成ビスフェノール異性体が所望の収率及び選択率となるような、高さhにわたって延在する。
【0017】
反応体を、チャネリングが実質的になく、プラグ流に似た流れとなるように、分配器20を通して供給する。チャネリングの除外は、床12の高さhに沿っての、好ましくは反応器10の全高に沿っての滑らかな温度プロファイルにより示される。温度を反応器10の高さに沿って幾つかの点で測定することができ、温度を記録、評価して、反応体の転化プロファイルを求めるとともに、適正な流れプロファイルが維持されているかを評価する。
【0018】
触媒を含む床12は容器14に収容されている。容器14は、アップフロー方式での反応体の流れを容易にすることができる幾何形状であればどのような形状でもよい。例えば、容器14は実質的に円筒形、並列管、又は球形の構造とすることができる。化学工業では円筒形容器が広範に入手できるので、また現存するタンク又は反応器を比較的簡単な変更でアップフロー反応器に転換することができるので、容器14が円筒形幾何形状であるのが好ましい。容器14の下端は(図1に示すように)平坦であるのが好ましい。しかし、下端は、(図2に示すように)丸くしても、(図3に示すように)円錐形にしても、或いはこれらの形状の任意の組合せとしてもよい。
【0019】
容器14内に配置された触媒は、少なくとも部分的に架橋されたイオン交換樹脂触媒であるのが好ましい。イオン交換樹脂触媒の架橋度は、球形粒子の一体性を保持するようなレベルに維持する。特に、架橋度は約4%以下とすることができる。しかし、より低い架橋レベルで触媒寿命が向上し、したがって架橋度が約2%であるのが好ましい。触媒が適当なジビニルベンゼン架橋度及び適当なスルホン酸官能度を有するスルホン化芳香族樹脂であるのが一層好ましい。架橋密度は約2.5%以下であるのが最も好ましく、酸ミリ当量は約4ミリ当量/グラム(Meq/g)超えであるのが好ましい。所望に応じて、助触媒を使用してもよい。代表的な助触媒(付着させてもさせなくてもよい)には、チオール化合物及びメルカプタン化合物があるが、これらに限らない。
【0020】
分配器スクリーンは、分配器20と容器14の出口端との中間の任意の点に配置することができる。図1に示すように、分配器スクリーン(以下「スクリーン17」と記載)は好ましくは、容器14の断面幾何形状にほぼ対応するメッシュ材又は平板から構成し、分配器20のすぐ上に配置される。或いは、スクリーン17は、図2及び図3に示すように、分配器20のアームを個別に包む別々のメッシュ構造としてもよい。いずれの場合も、スクリーン17の開口の寸法が反応混合物中の触媒ビーズの最小粒径の約2/5〜約1/4であり、分配器20に触媒粒子が入るのを防止するためには、最小粒径の1/3未満が好ましい。直径で約400μm〜約800μmの粒度を有する触媒の場合、スクリーン17の開口が約100μm〜約160μmであり、133μm未満が好ましい。
【0021】
所望に応じて、充填材料(図示せず)を容器14内に配置し、触媒内に点在させてもよい。充填材料は、通常剛性であり、充填材料が介在している触媒の重量を支え、これにより触媒の自重下での圧縮を防止することで、床12内での触媒への追加の構造的サポートを与える。触媒を充填材料から分離するのが難しいので、一般に充填材料は、触媒が低架橋度である場合にのみ使用する。代表的な充填材料としては、複数の個別物体を反応器の容器内に乱雑に入れて、その結果表面がランダムに配置され、反応体の流れに対して曲がりくねった通路を与える。これらの物体は、反応体が床内を流れる際に反応体の相互の、また触媒との接触を最適にすることのできる、剛性で、化学的に不活性な、熱安定な材料から製造すればよい。最適な接触は、一般に、空隙率の大きな物体(体積が小さく、表面積が大きい物体)により実現される。好適な充填材料としては、パル(Pall)リング、テレレット(Tellerette)リング、ラッシヒリング、ベール(Berl)サドル、インタロックス(Intalox)サドル及びこれらの充填材料の1つ以上の組合せがあるが、これらに限らない。
【0022】
入口18は床12の下端に配置され、反応体の反応器10への導入を容易にしている。入口18は結節部とすることができ、そこでチューブ、パイプ、ジェットなどの装置が、床12で画成される反応領域への反応体の流入を可能にする、接合部を形成する。好ましくは、入口18は反応混合物を受けとり、それを反応体分配/生成物回収システムの分配器20を介して床12に差し向けて、目的のビスフェノールAを生成する。出口22は床12の上端に、床12内に直接、もしくは蒸気空間13内に配置され、或いはこれらの組合せで配置される。
【0023】
出口22は、回収器40を通して生成物異性体を受けとることで反応器10から生成物異性体を取り出す作用をなす。
【0024】
容器14はさらに、図2及び図3に示すように、その外面に配置されたジャケット24を含んでもよい。ジャケット24は、反応器壁を通しての熱損失の量を制限する単一区域を構成することができる。或いは、ジャケット24は、それぞれが流体源(図示せず)と連通している2つ以上の区域26a、26bを構成することができ、これにより反応器10の所望の運転温度に応じて、床12を加熱又は冷却することができる。床12を加熱するのに用いることのできる流体には、スチーム、熱オイル又は熱液体流、例えば廃プロセス流があるが、これらに限らない。床12を冷却するのに用いることのできる流体には、冷媒、ブライン、水などがあるが、これらに限らない。或いは、容器の外面に配置された電気抵抗素子により加熱を行ってもよい。
【0025】
図4に、反応器の断面に対して反応混合物を均一に分布させる構造の1例を示す。分配器20はマニホールド(多岐管, manifold)28を備え、反応器の入口と流体連通(fluid communication)関係に配置されたマニホールド入口30を通して反応体がマニホールド28に入る。分配器20の1実施態様では、分配アーム32がマニホールド28から横方向に延在する。マニホールド28の両端付近に配置された分配アーム32は、通常、マニホールド28の中心付近に配置された分配アーム32より短くなるような寸法となっている。そのような場合、分配器20の外側を画成するエッジが円筒形反応器の断面幾何形状に対応するのが好ましい。特に、反応器の断面寸法が円である場合、分配アーム32は通常、各アームの外側端が反応器の内面からほぼ等距離離れ、反応器に装着したとき、反応器の上端又は下端から見て、分配器20が円形に近くなるような寸法となっている。
【0026】
凝集体層(後述)を触媒床の底部サポートとして使用する場合、反応体と凝集体との接触を最小限に抑制し、また反応体と触媒との接触を最大にするのが好ましい。したがって、マニホールド入口30は、分配器20が反応器内で凝集体層と触媒の界面に位置するような適当な寸法とされる。さらに、触媒の不在下での反応体の相互の反応により影響される望ましくない副反応の進行を最小に抑えるために、反応器の断面形状における反応体の十分な分布を確保しながら、マニホールド入口の高さhm(並びにマニホールド28及び分配アーム32の長さ)をできるだけ短く維持するのが望ましい。
【0027】
マニホールド28及び分配アーム32は、マニホールド入口30と反応器床に配置された触媒との間に流体連通を維持するのを可能にする孔34を設けたパイプから形成するのが好ましい。
【0028】
所望に応じて、図2及び図3に16で示すように、凝集体層を床12の下端に配置してもよい。凝集体層16は、床12のサポートとなり、反応体及び反応器10内で生成する生成物に本質的に不活性な材料から構成される。凝集体層16を構成する材料は、珪砂、珪藻土、セラミックボール又はこれら材料の組合せとすることができるが、これらに限らない。
【0029】
底部が平坦でない反応器では、反応器に凝集体層16を、分配器20のマニホールドの最低面の高さに一致する高さhaまで充填する。触媒を分配器20の上に配置して高さhの床を形成する(図3)。高さhは、最高の反応収率並びに妥当な触媒交換頻度を与える実験室及び/又はパイロットプラントでの試験運転から得られる実験データから決定される。高さhの正確な測定値は、反応器の高さ方向に設けられた窓を通しての直接測定により得ることができる。
【0030】
次に図5を参照すると、回収器40が示されている。回収器40は、図4に示した分配器と同様の構造であり、反応器から出てくる床から流出パイプラインへの流れが減少したときに発生しうるデッド空間と関連した問題を軽減するように作動する。回収器40はまた、容器にダウンフロー方式を適用しなければならない場合に流体の良好な分配を可能にする。回収器40は、反応器の上端付近に、反応器の出口と流体連通関係で配置されている。アセトンとフェノールとの反応でできた反応生成物(例えばBPA及び異性体)を(未反応成分とともに)反応システムから回収器40を介して取り出す。
【0031】
回収器40はマニホールド42及びそこから延在する回収アーム44を含む。マニホールド42及び回収アーム44には孔46が設けられ、生成物ビスフェノールAをそこに受け入れ、生成物取り出しライン48を介して取り出すことができる。回収器40の1実施態様では、回収アームがマニホールド42から横方向に延在する。マニホールド42の両端付近に配置された回収アーム44は、通常、マニホールド42の中心付近に配置された回収アームより短くなるような寸法となっている。そのような場合、回収器40の外側を画成するエッジが円筒形反応器の断面幾何形状に対応するのが好ましい。分配器の場合と同じく、回収アーム44の外端を反応器の内面の幾何形状に近づけることができる。
【0032】
図1〜3を参照すると、回収器スクリーン47は分配器20と回収器40との中間の任意の点に配置することができる。スクリーン47は好ましくは、容器14の断面幾何形状にほぼ対応するメッシュ材又は平板から構成し、図1に示すように、回収器40のすぐ下に配置される。或いは、スクリーン47は、図2及び図3に示すように、回収器40のアームを個別に包む別々のメッシュ構造としてもよい。いずれの場合も、スクリーン47の開口の寸法が反応混合物中の触媒ビーズの最小粒径の約2/5〜約1/4であり、回収器40に触媒粒子が入るのを防止するためには、最小粒径の1/3未満が好ましい。直径で約400μm〜約800μmの粒度を有する触媒の場合、スクリーン47の開口が約100μm〜約160μmであり、133μm未満が好ましい。
【0033】
反応区分外への粒子の持ち出しは、代表的には、床から生成物取り出しライン48への触媒のキャリーオーバーからなる。触媒キャリーオーバーは、床から実質的にまったく不変なビーズを取り出すか、床から破損した触媒ビーズ(微粉)を取り出すかいずれかの形態となる。回収器40のまわりに配置されたスクリーン47は、まったく不変なビーズ又は微粉いずれもの取り出しライン48へのキャリーオーバーを防止又は制限する。
【0034】
反応器10の運転を図1〜5を参照して説明する。アセトンと新鮮及び/又はリサイクルフェノールとを含む反応混合物をマニホールド入口30を介して反応器10に導入する。反応器の運転は「シングルパス」(1回通過)とすることができ、例えばアセトン及びフェノールを反応器に供給し、ビスフェノール及び過剰な反応体を反応器出口から取り出すことができる。しかし、反応器の運転に再循環ループを取り入れるのが好ましく、例えばビスフェノールを反応器出口で取り出し、過剰なアセトン及びフェノールをリサイクルして反応器供給物に戻す。反応体を導入する際の圧力は、反応体を分配器20から、触媒床12を通して、回収器40まで推し進めるのに十分である。供給する反応体の組成をモニターして、確実に目的のビスフェノール異性体の生成に適切な規格値を満たす。反応体のモニターはインラインでも、入口流れからサンプルを採取して行ってもよい。
【0035】
温度及び圧力を入口18で、床12内の種々の点で、(あれば)蒸気空間13で、そして出口22でモニターする。流量もモニターすることができる。反応器10の運転が自動である場合、これらの測定値を利用して反応体の入口18への供給速度や、システムの他のパラメータを制御することができる。
【0036】
触媒床12の頂部での温度がBPA結晶化温度より高いことが好ましい。生成物の結晶化と関連した問題をなくすために、或いは反応器の絶縁が十分でない場合、熱流体流れをジャケット26aに通すことにより、反応器10を、特にその上方部分で、加熱することができる。ジャケット26aに流れる熱流体流れは熱を反応混合物に伝達し、ビスフェノールAの結晶化を防止する。
【実施例】
【0037】
実施例1
反応混合物中のアセトンとフェノールとの反応からビスフェノールAを製造する製造実験を、図6〜図10を参照して説明する。生成物ビスフェノールAを製造する、200で示した試験反応器システム(以下「システム200」という)は、1つの試験反応器と触媒ビーズのキャリーオーバーを回収する1つの安全容器を有する。各容器は直径50cm(19.7インチ)であった。反応器は高さ5m(16.4フィート)であった。図6に210で示す第1容器は、反応体をアップフロー方式で受けとる形状とされ、図1〜5に関連して説明した反応器10と実質的に同じ構造であった。システム200の第1実験では、第1容器210に分配器/回収器システムを設けなかった。しかし、第1容器210は、反応器の底部にスクリーンを設けた。スクリーンメッシュは、スクリーンの開口の寸法が100μm(触媒粒子の最小粒径の約1/3)未満となるようなものとした。第2容器211は、その上端でジャンパーライン215を介して、第1容器210の出口と直列流体連通関係に配置した。第2容器211にはサンド層217をスクリーン上に配置した。第1容器210に約1m(35.3ft)の湿潤触媒を仕込んで床212を形成した。床212の高さを直視測定すると、容器210に液体が全く流れていない状態で2.96m(9.71フィート)であった。
【0038】
床212内そして第1容器210の種々の高さに6個の温度プローブをセットした。図7を参照すると、図6に関連して説明した通りのシステム200の第1実験の温度プロファイルのグラフを224で示す。システムを運転し、曲線228で示す、約260kg/hr(572lb/hr)の実質的に一定な反応体流量にて、温度をモニターした。温度曲線から明らかなように、上の5個の温度プローブが感知した温度は、曲線232、234、236、238及び240としてプロットしたとおり、第1反応器の高さに沿って大きな温度ゆらぎを示した。第1反応器の入口に近い最低レベルに位置する温度プローブだけが実質的に安定な温度読み取り値(曲線230としてプロット)を記録し、それは空間速度約1.6〜約1.7について約65℃から約85℃まで変動し、標準偏差が第1温度プローブ近くで約5℃で、第3プローブ近くで約1.6℃であった。第1反応器の高さに沿ってのこのように大きな温度のばらつきは、床及び反応器全体にチャネリング及び非プラグ流が起こっていることを示唆する。これは、触媒床の表面を目で観察すると表面が平坦でないことによって、確認される。さらに、反応器の窓を通してその内面にビスフェノールAの結晶が見られ、これはコールドスポットが存在すること、したがってプラグ流挙動の不在を示している。
【0039】
実施例2
図6に関連して上述したものと同様の分配器/回収器システムを第1反応器内に作動可能に装着して、システム200の第2実験を行った。図8を参照すると、システム200の第2実験の温度プロファイルのグラフを226で示す。曲線278で示す、約250kg/hr(550lb/hr)の実質的に一定な反応体流量にて、温度を第1実験と同じ位置でモニターした。第2実験で、床の高さはやはり2.96m(9.71フィート)と測定された。床とその上の蒸気空間との界面は第3温度プローブと第4温度プローブとの中間に位置する。グラフデータから分かるように、下の方3個の温度プローブがモニターした温度は実験全体にわたって一定な温度読み取り値(曲線280、282及び284)を与え、一方上の方3個の温度プローブの温度読み取り値(曲線286、288及び290)は、ゆらぎが第1実験の温度ゆらぎより大幅に改良されている。第2実験では温度ゆらぎの量が少ないので、また、触媒床の表面が平坦であると観察されるので、分配器/回収器システムによりシステム200内のチャネリング量が著しく減少すると結論される。空間速度約1.6〜約1.7の場合、標準偏差は第1プローブ近くで約0.7℃で、第3プローブ近くで約0.4℃である。
【0040】
図9において、圧力降下を反応体の線速度の関数としてグラフ250に表示する。ダウンフロー方式で運転する設計の反応器の場合、反応器は、曲線252で示されるように、線速度約0.057cm/sec(0.022in/sec)で差圧限度1bar(14.5psi)に達する。分配器/回収器システムを組み込んだ同じ反応器をアップフロー方式で運転すると、曲線254で示されるように、差圧1bar(14.5psi)に達するのは反応体流の約2倍の線速度(約0.115cm/sec=0.045in/sec)である。線流量約0.115cm/sec(0.045in/sec)を超えると差圧が急上昇するのは、回収器のすぐ下の反応器の床の頂部に触媒ビーズが充填するためである。この物理的制約は、少なくとも部分的に、触媒ビーズの頂部に得られる自由高さのせいである。もっと背の高い容器の場合、この急上昇はもっと高い線速度で起こるであろう。曲線252と254との差は、アップフロー方式で運転する分配器/回収器システム付き反応器における圧力降下とダウンフロー方式で運転する分配器/回収器システム付き反応器における圧力降下との相違を表している。
【0041】
図10において、アセトン転化率及びビスフェノールA生成速度を反応体の線速度の関数としてグラフ260に表示する。曲線262から分かるように、アセトン転化率は高い流量で減少し、それは平均滞留時間及び反応容積内の平均触媒濃度が減少するためである。曲線264から分かるように、これに対応してアセトン漏出が増加する。しかし、ビスフェノールA生成量は、流量(線速度)が高いので、増加する。
【0042】
検討したすべての流量について、アセトン及びフェノールの反応のビスフェノールAを生成する選択率は95%を超えていた。得られたすべてのデータが0.5%以内であったので、選択率挙動に傾きは検出されなかった。上述した分配器/回収器システムを組み込んだアップフロー反応器システムは、現在使用されているアップフロー、ダウンフローシステムいずれに対しても幾つかの利点を有する。流れの分布不良の抑制から少なくとも2つの利点が得られる。第1に、触媒床をまんべんなく利用できる、即ち反応器床の高さに沿って流れる間に反応体が接触する触媒の量が最大になる。したがって、反応体転化、選択率、圧力降下、床安定性に関して反応器の最適性能を達成できる。第2に、反応器をより高い供給速度で運転でき、より高い生成速度を実現できる。反応器の高さに沿って断面流れの一層均一な分布を実現することにより、高い供給速度(線速度)であっても、チャネリングが減少する。
【0043】
上述した分配器/回収器システムを組み込むことの別の利点として、反応器システムは、より広い範囲の触媒で有効に運転する能力を有する。分配器/回収器システムは、密度、粒度及び粒度分布のばらつきに関して異なる特性を有する様々な触媒に対処できる。さらに、分配器/回収器システムは、より高い反応性、良好な選択性及び長い寿命などの利点を有する架橋度の低い触媒の有効利用を可能にする。
【0044】
ほかに、生成速度が高くなり、触媒交換頻度が少なくなる結果として経費節減などの利点も実現される。
【0045】
以上、本発明を好適な実施態様について説明したが、当業者であれば、本発明の要旨から逸脱することなく、上記実施態様に種々の変更を加えたり、またその構成要素を均等物で置き換えたりできることが理解できるであろう。さらに、本発明の要旨から逸脱することなく、特定の状況や材料を本発明の教示に適合させるために種々の改変が可能である。したがって、本発明は、発明を実施する最良の形態として開示した特定の実施態様に限定されることなく、本発明の範囲に入るすべての実施態様を包含する。
【符号の説明】
【0046】
10 アップフロー反応器
12 触媒床
14 容器
17 第1スクリーン
18 入口
20 分配器
24 ジャケット
28 マニホールド
32 孔あきアーム
34 孔
40 回収器
42 マニホールド
44 孔あきアーム
46 孔
47 第2スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジヒドロキシ化合物を製造するアップフロー反応器であって、
当該アップフロー反応器が、容器(14)と、容器(14)内に配置された触媒床(12)と、容器(14)内に配置された反応体分配/生成物回収システムとを備えており、
反応体分配/生成物回収システムが、容器(14)の下端に配置された分配器(20)と、容器(14)の上端に配置された回収器(40)とを備えていて、
分配器(20)が入口(18)と流体連通していて、入口(18)を通して反応体が分配器(20)に導入され、分配器(20)が分配器(20)に設けられた孔(34)と分配器(20)の孔(34)に設けられた第1スクリーン(17)とを備えており、
回収器(40)を通してジヒドロキシ化合物生成物が取り出され、回収器(40)が回収器(40)に設けられた孔(46)と回収器(40)の孔(46)に設けられた第2スクリーン(47)とを備える、アップフロー反応器。
【請求項2】
さらに、容器(14)の下端に配置されて触媒床(12)を支持する凝集体層(16)を備える、請求項1記載のアップフロー反応器。
【請求項3】
凝集体層(16)が珪砂、珪藻土、セラミックボール又はこれらの組合せを含む、請求項2記載のアップフロー反応器。
【請求項4】
容器(14)が、実質的に円筒形、実質的に平行六面体、実質的に球形又はこれらの組合せである構造幾何形状の容器(14)である、請求項1記載のアップフロー反応器。
【請求項5】
容器(14)がさらに、容器(14)の上面に配置されたジャケット(24)を備える、請求項1記載のアップフロー反応器。
【請求項6】
触媒床(12)が架橋イオン交換樹脂触媒を含む、請求項1記載のアップフロー反応器。
【請求項7】
分配器(20)がさらに、孔あきマニホールド(28)及びそこから横方向に延在する複数の孔あきアーム(32)を有する、請求項1記載のアップフロー反応器。
【請求項8】
マニホールド(28)の両端に設けられた孔あきアーム(32)が、マニホールド(28)の両端の中間に設けられた孔あきアーム(32)よりも短い、請求項7記載のアップフロー反応器。
【請求項9】
回収器(40)はさらに、孔あきマニホールド(42)及びそこから横方向に延在する複数の孔あきアーム(44)を有する、請求項1記載のアップフロー反応器。
【請求項10】
マニホールド(42)の両端に設けられた孔あきアーム(44)が、マニホールド(42)の両端の中間に設けられた孔あきアーム(44)よりも短い、請求項9記載のアップフロー反応器。
【請求項11】
前記ジヒドロキシ化合物がビスフェノールである、請求項1記載のアップフロー反応器。
【請求項12】
前記ビスフェノールが2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンである、請求項11記載のアップフロー反応器。
【請求項13】
アップフロー反応器の下端に配置された、アップフロー反応器用の分配器(20)であって、
反応体が供給される入口(18)と流体連通しているマニホールド(28)と、
マニホールド(28)に設けられた孔(34)と、
孔(34)に設けられたスクリーン(17)とを備え、
スクリーン(17)及び孔(34)がそれらを通して反応体が流通できるように構成されている、分配器(20)。
【請求項14】
さらに、マニホールド(28)から延在する複数のアームを備える、請求項13記載の分配器(20)。
【請求項15】
さらに、アーム(32)に設けられた複数の孔(34)を備える、請求項14記載の分配器(20)。
【請求項16】
マニホールド(28)の両端近くに配置されたアーム(32)が、マニホールド(28)の両端の中間に配置されたアーム(32)よりも短い、請求項14記載の分配器(20)。
【請求項17】
アップフロー反応器の上端に配置された、アップフロー反応器用の回収器(40)であって、
マニホールド(42)と、
マニホールド(42)に設けられた孔(46)と、
孔(46)に設けられたスクリーン(47)とを備え、
スクリーン(47)及び孔(46)がそれらを通して生成物がマニホールド(42)に導入されるように構成されている、回収器(40)。
【請求項18】
さらに、マニホールド(42)と流体連通関係に配置された生成物取り出しライン(48)を備える、請求項17記載の回収器(40)。
【請求項19】
さらに、マニホールド(42)から延在する複数のアーム(44)を備える、請求項17記載の回収器(40)。
【請求項20】
マニホールド(42)の両端近くに配置されたアーム(44)が、マニホールド(42)の両端の中間に配置されたアーム(44)よりも短い、請求項19記載の回収器(40)。
【請求項21】
アップフロー反応器(10)でジヒドロキシ化合物を製造する方法であって、当該方法が、
アップフロー反応器(10)の下端に配置された分配器(20)であって、複数のスクリーンで覆われた孔(17,34)が設けられた分配器(20)に反応体を導入し、
上記反応体を分配器(20)から触媒床(12)を通して上向きに流し、
ジヒドロキシ化合物をアップフロー反応器(10)の上端から回収する
工程を含む方法。
【請求項22】
前記ジヒドロキシ化合物を回収する工程が、アップフロー反応器の上端に配置された回収器(40)であって、複数のスクリーンで覆われた孔(17,34)が設けられた回収器(40)を通して化合物を受けとる工程を含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記ジヒドロキシ化合物がビスフェノールである、請求項21記載の方法。
【請求項24】
前記ビスフェノールがケトン化合物及びフェノール化合物から形成された2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンである、請求項23記載の方法。
【請求項25】
アップフロー反応器(10)内で触媒ビーズの床(12)からの触媒ビーズのキャリーオーバー量を減少させる方法であって、当該方法が、アップフロー反応器(10)の生成物を、アップフロー反応器(10)の上端に配置された回収器(40)であって、複数の孔(34)とこれらの孔を覆うスクリーン(47)を有する回収器(40)に取り入れる工程を含む、方法。
【請求項26】
スクリーン(47)の開口の直径が、反応混合物中の触媒ビーズの最小直径の2/5〜1/4である、請求項25記載の方法。
【請求項27】
スクリーン(47)の開口の直径が、反応混合物中の触媒ビーズの最小直径の1/3である、請求項25記載の方法。
【請求項28】
請求項1記載の装置で製造したジヒドロキシ化合物をホスゲン、ジフェニルカーボネート又はホスゲン及びジフェニルカーボネートの組合せと反応させる工程を含む、ポリカーボネートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−136996(P2011−136996A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158(P2011−158)
【出願日】平成23年1月4日(2011.1.4)
【分割の表示】特願2004−543235(P2004−543235)の分割
【原出願日】平成15年7月31日(2003.7.31)
【出願人】(508171804)サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップ (86)
【Fターム(参考)】