流体制御システムと製造方法
流体制御システムは特徴層を含む。特徴層は、少なくとも一つの機能部品をあわせて形成する二つ以上の特徴を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本文書は制御システムに関する。より具体的には、流体制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な用途において、技術動向はシステムの縮小化に向かって進行している。流体システムは、流体輸送を操作するためのシステムによって課せられる制限的形状因子の範囲内で統合できる。例えば、流量調整部品は、反応物質供給、熱伝導、流体の投与などの機能のために配置できる。
【0003】
パーソナル電子機器などの電子部品は、縮小化する傾向にある。電子部品が小さなサイズで設計され、精巧で複雑な技術を組み込むにつれ、電力供給の需要は増大する。例えば、装置への技術の追加に対応するためには、電力供給が占める体積もしくは設置面積が小さくなることを必要とし得る。追加技術はまた、電力供給がより長期間にわたって持続することも必要とし得る。加えて、携帯用電子機器は、電力供給を縮小しながらエネルギー貯蔵を維持することを必要とし得る。
【0004】
電子部品用の電力供給の一例として、燃料電池システムがある。より小さな燃料電池システムを作るために、流体供給部品といった、システムの多くの個々の部品を縮小化できるが、燃料電池システムの技術的要件を満たす必要がある。例えば流体供給部品は、燃料電池システムの全体のかなりの体積を占めることなく、かつ、燃料電池システムのアセンブリに干渉することなく、一定の圧力を維持することを必要とし得る。さらに、燃料電池システムの機能性が損なわれてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】少なくとも一つの実施形態に従って構成される電気化学電池システムの分解図を図示する。
【図1B】少なくとも一つの実施形態に従う電気化学電池システムのブロック図を図示する。
【図2】少なくとも一つの実施形態に従って構成される流体マニホルドの分解斜視図を図示する。
【図3A】少なくとも一つの実施形態に従って構成される導管層の断面図を図示する。
【図3B】少なくとも一つの実施形態に従って構成される導管層の断面図を図示する。
【図3C】少なくとも一つの実施形態に従って構成される導管層の断面図を図示する。
【図4】少なくとも一つの実施形態に従って構成される圧力調節器の断面図を図示する。
【図5】少なくとも一つの実施形態に従って構成されるチェック弁部品の断面図を図示する。
【図6】少なくとも一つの実施形態に従って構成されるフロー弁部品の断面図を図示する。
【図7A】少なくとも一つの実施形態に従って構成される流体制御システムの斜視図を図示する。
【図7B】少なくとも一つの実施形態に従って構成される流体制御システムの断面斜視図を図示する。
【図7C】少なくとも一つの実施形態に従って構成される流体制御システムの分解斜視図を図示する。
【図8A】少なくとも一つの実施形態に従って構成される流体制御システムの斜視図を図示する。
【図8B】少なくとも一つの実施形態に従って構成される流体制御システムの分解斜視図を図示する。
【図9】少なくとも一つの実施形態に従って構成される流体制御システムのためのシステム構成を図示する。
【図10】少なくとも一つの実施形態に従って構成される境界面を持つ容器の図を図示する。
【図11】少なくとも一つの実施形態に従って構成される境界面を持つ容器の側面図を図示する。
【図12】少なくとも一つの実施形態に従う電気化学電池システム系の断面図を図示する。
【図13】少なくとも一つの実施形態に従って構成される、流体圧力調節器装置の配列と、アノード空洞入口の配列とを含む、図12の電気化学電池システム系内の燃料流速を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の「発明を実施するための形態」は、その一部を成す添付の図面への参照を含む。図面は、流体マニホルド、流体制御システムおよび方法が実践され得る具体的な実施形態を例として示す。“実施例”もしくは“オプション(選択肢)”とも称されるこれらの実施形態は、当業者が本発明を実践できるように充分詳細に記載される。実施形態は組み合わされてもよく、他の実施形態が利用されてもよく、あるいは本発明の範囲から逸脱することなく、構造的もしくは論理的変更がなされてもよい。従って以下の「発明を実施するための形態」は、限定的な意味でとられるものではなく、本発明の範囲は添付の請求項とその法的均等物によって規定される。
【0007】
本文書では、“a”もしくは“an”という用語は一つもしくは一つよりも多くを含むために使用され、“or”という用語は、特に他に指定のない限り、非排他的な“or”をあらわすために使用される。加えて、当然のことながら、本明細書で採用される、他に規定のない表現や用語は、限定ではなく説明のみを目的とする。
【0008】
[定義]
本明細書で使用される“流体”という用語は、その分子が互いに自由に行き来し、その容器の形状をとる傾向があるような、途切れのない無定形物質のことをあらわす。流体は、気体、液化ガス、液体、もしくは加圧液体であってもよい。流体の実施例は、流体反応物質、燃料、酸化剤、および熱伝導流体を含んでもよい。燃料電池で使用される流体燃料は、水素の気体もしくは液体、および任意の適切な流体形態の水素担体を含んでもよい。流体の実施例は、空気、酸素、水、水素、メタノールやエタノールなどのアルコール、アンモニア、アミンやヒドラジンなどのアンモニア誘導体、ジシランやトリシランやジシラブタンなどのシラン類、水素化ホウ素アルミニウムなどの錯体金属水素化物化合物、ジボランなどのボラン類、シクロヘキサンなどの炭化水素、ドデカヒドロ-n-エチルカルバゾールなどのカルバゾール、および他の飽和環状炭化水素、飽和多環式炭化水素、シクロトリボラザンなどの飽和アミノボラン類、ブタン、水素化ホウ素ナトリウムや水素化ホウ素カリウムなどの水素化ホウ素化合物、およびギ酸を含む。
【0009】
本明細書で使用される“流体容器”という用語は、流体を貯蔵するための装置をあらわしてもよい。流体容器は、流体を物理的にもしくは化学的に貯蔵してもよい。例えば、流体容器は流体を活性物質粒子内に化学的に貯蔵してもよい。
【0010】
本明細書で使用される“活性物質粒子”という用語は、水素もしくは他の流体を貯蔵できる物質粒子、または、水素もしくは別の流体を吸蔵および脱着し得る物質粒子をあらわす。活性物質粒子は、化学吸着、物理吸着、もしくはこれらの組み合わせによって水素などの流体を吸蔵する、流体貯蔵物質を含んでもよい。いくつかの水素貯蔵物質は、温度変化、熱変化、もしくは圧力変化などの刺激に反応して水素を脱着する。刺激に反応して水素を放出する水素貯蔵物質の実施例は、金属水素化物、化学水素化物、適切なマイクロセラミック、ナノセラミック、窒化ホウ素ナノチューブ、金属有機構造体、パラジウム含有物質、ゼオライト、シリカ、アルミナ、グラファイト、ならびに、適切なカーボンナノチューブや炭素繊維、カーボンエアロゲル、活性炭、ナノ構造炭素などの炭素系可逆流体貯蔵物質、またはこれらの任意の組み合わせを含む。粒子はまた、水素と接触して金属水素化物を形成できる、金属、金属合金、金属化合物、これらの合金もしくはこれらの組み合わせも含んでもよい。活性物質粒子は、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、カルシウム、ホウ素、炭素、ケイ素、遷移金属、ランタニド、金属間化合物、これらの固溶体、もしくはこれらの組み合わせを含んでもよい。本明細書で使用される“吸蔵(“occlude”もしくは“occluding”もしくは“occlusion”)”という用語は、流体などの物質の吸収もしくは吸着、ならびに保持をあらわす。例えば水素が吸蔵される流体であってもよい。流体は、例えば化学吸着もしくは物理吸着などによって、化学的もしくは物理的に吸蔵されてもよい。
【0011】
本明細書で使用される“脱着(“desorb”もしくは“desorbing”もしくは“desorption”)”という用語は、吸収もしくは吸着された物質の除去をあらわす。例えば水素が活性物質粒子から除去されてもよい。水素もしくは他の流体は、例えば物理的もしくは化学的に結合されてもよい。
【0012】
本明細書で使用される“接触”という用語は、物理的、化学的、電気的に接すること、もしくは充分に接近することをあらわす。流体は容器に接触してもよく、その中で例えば流体は容器の内部で物理的に力を加えられる。
【0013】
本明細書では流体制御システムが提供される。流体制御システムは、例えば小容量の空間における流体の分布を制御する効率的な構造と方法を提供する。流体制御システムは、約10から500ミクロンの厚さを持つ層など、薄い材料層から形成される。
【0014】
流体制御システムは一つ以上の特徴層から形成され、層のうちの一つ以上は特徴を持つ。一オプションでは、特徴層の特徴はシステムの機能部品を形成する。一オプションでは、システムは少なくとも二つの機能部品を含み、二つ以上の特徴層のうちのいずれかの特徴は、あわせて機能部品を形成する。なおも別のオプションでは、機能部品は二つ以上の層内に形成される特徴の相互作用によって形成され、部品の機能は、少なくとも一つの特徴をその面から別の特徴層の面へと移動させることによって実現される。例えば、ある特徴がその特徴の面に対して直角に機械的に移動されてもよい。
【0015】
さらなるオプションでは、機能部品は互いに同一平面上にある。なおも別のオプションでは、二つ以上の特徴は共通面内で互いに流体連通する特徴の配列を含む。流体制御システム用の機能部品の実施例は、圧力調節器部品、チェック弁部品、フロー弁部品、チャージ弁部品、圧力除去部品、導管、開閉弁、手動開閉弁、もしくは熱除去部品を含むが限定はされない。
【0016】
一実施形態例では、上記および下記で論じる機能部品を含む流体制御システムは、流体制御システムに連通可能なように結合した少なくとも一つの流体容器と共に使用できる。
【0017】
一実施形態例では、流体制御システムは、例えば図1Aに図示される燃料電池システムなどの電気化学電池システム内で使用できる。燃料電池システムという用語が本明細書で使用されるが、このシステムはいかなる電気化学電池システムにも使用できることに留意すべきである。燃料電池システム100は、燃料電池102、流体制御システム104、チャージポート106、燃料容器108などの流体容器、および流体マニホルド120のうちの一つ以上を含むが、限定はされない。
【0018】
燃料容器108は燃料電池102に燃料を供給し、燃料電池102はチャージポート106を介してチャージもしくは燃料補給できる。流体制御システム104は、下記でさらに説明するように、燃料の分布と調節を提供する。流体マニホルド120は、流体制御システム104と、燃料電池102と、燃料容器108との間に燃料用の導管を提供する。流体マニホルドはまた、限定はされないが熱伝導流体を含む、他の流体を分布させるためにも使用できる。
【0019】
燃料容器などの流体容器は様々な形状をとることができる。一オプションでは、流体容器は可撓性である。さらに流体容器は、可溶性トリガー、破裂板や隔膜(ダイヤフラム)などの自己破壊的な種類、または、バネ圧力除去弁などの再密封可能な種類の、一つ以上の圧力除去部品で保護できる。圧力除去部品は一定圧力で作動するように設定され、“圧力によって作動”されてもよい。あるいは、圧力除去部品は一定温度で作動するように設定され、“熱によって作動”されてもよい。圧力除去部品はまた、“圧力作動式”と“熱作動式”の両方であってもよい。なおもさらに、流体容器は熱除去部品で保護できる。
【0020】
さらなるオプションでは、流体容器は交換式燃料カートリッジなどの燃料カートリッジを含むことができる。カートリッジは、例えばディスペンサーカートリッジ、使い捨て燃料アンプル、詰め替え式燃料タンク、もしくは燃料電池カートリッジを含んでもよい。燃料カートリッジは、燃料電池もしくは燃料電池層に接続可能な可撓性ライナーを含んでもよい。燃料カートリッジはまた、カートリッジを燃料電池、燃料電池層、もしくは詰め替え装置へと接続するための接続弁も含んでもよい。
【0021】
さらなるオプションでは、流体容器は境界面(interface)を持つシステム内で使用できる。システムは流体容器と接触するための歪み吸収境界面を随意に含む。例えば、境界面は剛体もしくは半剛体の部品と可撓性流体容器のために使用される。境界面は、流体容器に水素を入れる際の流体容器内の寸法の変化によるあらゆる歪みを吸収する。燃料電池の連通用の取付具もしくは流体装置などの剛体部品は、可撓性境界面を通して流体容器に結合でき、機械的応力によるせん断の危険がない。可撓性境界面は、より多くの部品構成と部品適用を可撓性流体容器で使用できるようにする。可撓性境界面は、歪みを吸収し、部品と容器の間の接続を支持する。
【0022】
例えば図10を参照すると、いくつかの実施形態に従う、流体容器境界面システム400の断面図が示される。システム400は、歪み吸収境界面404と第一の側面で接触する可撓性流体容器406を含む。第二の側面では、境界面404は特徴層402と接触し得る。特徴層は複数の特徴層を含んでもよく、または、機能部品をあわせて形成する一つ以上の特徴層を含んでもよい。容器406と特徴層402を接続する任意の流体接続408が境界面404内に配置されてもよい。
【0023】
流体容器406は、例えば外壁を複合水素貯蔵物質に適合するように結合させることによって形成される容器であってもよい。“適合するように結合(conformably coupled)”とは、二つの部品間に実質的に均一な接着を形成し、対応する形状もしくは形態で化学的もしくは物理的に結合するような方法で取り付けられることをあらわす。構造充填材もしくは複合水素貯蔵物質は、例えば容器外壁に適合するように結合されてもよく、その中で容器外壁は構造充填材もしくは複合水素貯蔵物質に化学的もしくは物理的に結合し、その形状をとる。容器外壁は、容器からの流体の拡散を少なくとも部分的に遅らせる役目を持つ、流体容器内の最外層である。容器外壁は、同じ物質もしくは異なる物質の多層を含んでもよい。容器外壁は例えばポリマーもしくは金属を含んでもよい。流体は例えば水素であってもよい。
【0024】
“複合水素貯蔵物質”とは、結合剤と混合される活性物質粒子をあらわし、結合剤は活性物質粒子間の相対的な空間関係を維持するために充分な程度に活性物質粒子を固定化する。活性物質粒子は、例えば金属水素化物など、水素を貯蔵できる物質粒子、または水素を吸蔵および脱着し得る物質粒子である。活性物質は、水素と接触して金属水素化物を形成できる、金属、金属合金、もしくは金属化合物であってもよい。例えば、活性物質はLaNi5、FeTi、ミッシュメタル、MmNi5などの金属の混合物もしくは鉱石であってもよく、Mmはランタニドの混合物をあらわす。活性物質粒子は、化学吸着、物理吸着、もしくはこれらの組み合わせによって水素を吸蔵し得る。活性物質粒子はまた、シリカ、アルミナ、ゼオライト、グラファイト、活性炭、ナノ構造炭素、マイクロセラミック、ナノセラミック、窒化ホウ素ナノチューブ、パラジウム含有物質、もしくはこれらの組み合わせも含んでもよい。複合水素貯蔵物質の実施例は、引用により本明細書に組み込まれる2006年4月24日出願の共有の米国特許出願No. 11/379,970に見られる。
【0025】
歪み吸収境界面404は、自身を可撓性にし、歪みを吸収し、容器406と特徴層402に接着することを可能にする任意の適切な材料で製造されてもよい。選ばれる材料は、特徴層402と容器406との間に、物理的もしくは化学的な適切な接着をもたらすべきであり、また、容器壁の歪みと特徴層402の剛性との間の歪みの差を許容して、いかなる接着にかかるせん断応力もその接着の強度を超えないようにするべきである。境界面404は例えばエラストマー材料もしくはケイ素材料で製造されてもよい。エラストマー材料は、例えば熱可塑性エラストマー、ポリウレタン熱可塑性エラストマー、ポリアミド、溶融加工可能なゴム、熱可塑性加硫物、合成ゴムおよび天然ゴムを含んでもよい。合成ゴムの実施例は、ニトリルゴム、VitonRゴム(E.I. DuPont de Nemours, a Delaware corporationから購入可能)などのフルオロエラストマー、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDMゴム)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、およびフッ化炭素ゴム(FKM)を含んでもよい。
【0026】
流体容器406が流体を充填されるか、もしくは複合流体貯蔵物質によって吸蔵されると、容器406の寸法は増大する(図11参照)。歪み吸収境界面406は、厚さ412などの寸法が変形もしくは変化し得る。歪んだ境界面414はその後、容器406と特徴層402との間に、一貫したより応力の少ない接触を維持する。その後、境界面414が容器406の動きによって生じる歪みを吸収するにつれ、特徴層402は歪みをほとんど受けなくなる。境界面414は、容器406の寸法の変化によって生じる歪みの全てもしくは少なくとも一部を吸収してもよい。
【0027】
特徴層402は、例えば任意の付属品、取付具、連結器、弁、調節器、圧力除去部品、平面マイクロ流体装置、プレート、容器を出入りする水素の流れを制御し得る任意の装置、またはこれらの組み合わせであってもよい。多数の境界面404および多数の特徴層402が一つ以上の流体容器406と併用されてもよく、ここで特徴層は、限定はされないが流体制御システム、マニホルド、圧力調節器、チェック弁などの機能部品を形成する。別のオプションでは、境界面404を、流体制御システム、燃料電池、もしくは流体容器の入口に結合できる。
【0028】
図1Bは、システム100とマニホルド118のさらなる実施例を図示する。燃料電池システム100は、マニホルド118によって一つ以上の流体制御部品に流体結合された流体容器114を含む。一つ以上の流体制御部品は、流体制御システムや、圧力調節器部品、チェック弁部品、フロー弁部品、チャージ弁部品、圧力除去部品、導管、開閉弁、手動開閉弁、もしくは熱除去部品のうちの少なくとも一つを含むことができるが、限定はされない。
【0029】
圧力調節器部品116などの一つ以上の流体制御部品は、マニホルド118を介して燃料電池102に流体結合する。マニホルド118は一つ以上の導管チャネル130を中に含む。さらなるオプションでは、マニホルド118は圧力調節器116などの一つ以上の流体制御部品に流体結合し、燃料電池102に流体結合し、少なくとも一つのフィードバックチャネル129と供給チャネル133をさらに含むことができる。供給チャネル133は、燃料などの流体を燃料電池102へ供給する。フィードバックチャネル129は、燃料プレナム内の圧力から圧力調節器116へのフィードバックに基づいて調節器がパイロット操作される(piloted)ことを可能にし、燃料電池システムの流体プレナムに流体結合する。燃料電池システム100の部品の各々は、上記および下記で論じられる可撓性層構造によって形成できる。さらなるオプションでは、一つ以上の導管チャネル130は気体導管チャネルもしくはフィードバックチャネルを含む。
【0030】
システム100のさらなるオプションは以下の通りである。例えば、流体制御システム用の部品は、特徴を持つ二つ以上の特徴層を含む。特徴は、位置を持つ弁を含み、機能部品を通る流体の流れは弁の位置に基づいて制御可能である。システムは知覚流体圧力に応じて作動可能な可撓性特徴をさらに含み、可撓性特徴の位置は弁位置を比例的に制御する。可撓性特徴は随意に弾性特性を持つ。可撓性特徴は一オプションでは第二の圧力プレナムに統合される。さらなるオプションでは、可撓性特徴は流体制御システム部品を通る流れを所定の範囲の知覚流体圧力の間に制限する。なおもさらなるオプションでは、バネ部材が可撓性特徴に接触する。
【0031】
知覚流体圧力とは、一オプションでは、弁位置を制御する任意の圧力をあらわす。知覚流体圧力は、弁の上流圧力もしくは下流圧力、燃料電池の燃料プレナムなどの流体プレナムの圧力、環境圧力、システム内の任意の他の圧力、圧力差、およびこれらの組み合わせを含むことができる。知覚流体圧力は一オプションでは弁の下流圧力を含む。別のオプションでは、知覚流体圧力は低圧プレナム内の圧力を含み、および/または知覚流体圧力は高圧プレナム内の圧力を含む。なおもさらなるオプションでは、知覚流体圧力は少なくとも一つの燃料電池の流体プレナムの流体圧力である。
【0032】
特徴層の特徴は、第一の圧力プレナムと第二の圧力プレナムを含む少なくとも二つの流体プレナムを随意に含み、随意に、第一の圧力プレナムは調節されていない流体を受け取る高圧プレナムであり、第二の圧力プレナムは調節された流体を受け取る低圧プレナムである。一オプションでは、可撓性特徴の位置は弁の位置を比例的に制御し、かつ、第一の圧力プレナムと第二の圧力プレナムの間の流体の流れを制御する。多数のプレナムのさらなるオプションは以下の通りである。
【0033】
図12の実施例に断面で示すように、燃料電池層602は、流体圧力調節器装置604の配列502によって分離された高圧流体容器608と低圧アノード空洞609を含む、二重システムプレナム504の片側に配置される。一実施例では、二重システムプレナム504は燃料電池層602とおよそ同じ寸法を持ち、燃料電池層602はアノード空洞609と直接流体連通する。
【0034】
作動中、燃料もしくは他の流体はチャージポートもしくは入口606を介して高圧流体容器608に入ることができる。随意に、そのような入口に流体圧力調節器装置もしくは他の流体制御部品があってもよい。これにより、30 psiを超える圧力など、燃料もしくは他の流体の高い圧力は、流体圧力調節器装置604の配列によって、燃料電池層602のアノードに大きな力をかけることができないので、このような高い圧力が流体容器608内に存在することが可能になる。これは、全体として高圧のバルク燃料分布システムが利用されてもよいことを意味し、流体容器608内での燃料もしくは他の流体の循環を容易にし、燃料もしくは他の動力供給流体の局所的な欠乏が生じる可能性を避けることができる。随意に、多数の燃料電池層を単一のシステムとして作動できるように、多数の高圧流体容器が共通の入口に接続されてもよい。これにより、各燃料電池層を個別に圧力調節することが可能になり、圧力分布管理の必要がなくなり、多数の燃料電池層アセンブリを構成する別の方法を可能にする。
【0035】
流体圧力調節器装置604の配列502の低圧出口500からアノード空洞609への多数の入口が平行配置などで利用されるときには、有利なことに、流体(例えば燃料)の流速は、図13に示すように燃料電池層602の長さと幅に沿って均一もしくはほぼ均一である。
【0036】
再度図1Aを参照すると、例えば2007年3月21日出願の同時係属仮出願No. 60/919,472、代理人整理番号2269.060PV1、表題“FUEL MANIFOLD AND METHODS THEREFOR”、およびこれと同日出願の同時係属出願、代理人整理番号2269.060US1、表題“FLUID MANIFOLD AND METHODS THEREFOR”に論じられているように、流体マニホルド120は、流体制御システム104、燃料容器108、および/または燃料電池102と流体結合される。これらの出願の各々はその全容が引用により本明細書に組み込まれる。
【0037】
一実施例では、流体マニホルド120は、マニホルドが不必要な体積や不必要に大きな設置面積を占めないようなサイズであることを可能にし、さらに燃料供給システムのための圧力、体積、温度の必要条件が満たされることを可能にするような層構造を含む。流体マニホルド120は比較的薄い材料層で作ることができ、マニホルド120を可撓性にすることができる。可撓性マニホルドは部品の周囲で曲げることができ、もしくは部品の周囲に巻きつけることができ、より多数のアセンブリオプションを燃料電池システムに提供する。さらなるオプションでは、流体マニホルド120は流体制御システム104の一部として作ることができる。
【0038】
図2は、流体マニホルド120などの流体マニホルドの一部分の一実施例を図示する。流体マニホルド120のこの部分は、第一の側面124と第二の側面126によって部分的に画定される少なくとも一つの導管層122を含む。一オプションでは、少なくとも一つの導管層122は、例えば長さと幅と比較して、比較的薄い。一実施例では、少なくとも一つの導管層122の厚さは一般的に約1 mm未満である。別の実施例では、少なくとも一つの導管層122の厚さは約50μm〜1 mmである。一実施例では、層122の幅と長さはそれぞれ約1 mmと100 mmである。別の実施例では、少なくとも一つの導管層122の厚さは約100μmであり、層122の幅と長さはそれぞれ約1 mmと1.5 mmである。幅および/または長さは、マニホルドが組み込まれるシステムの形状のために変更できる。
【0039】
さらなるオプションでは、層の厚さは約10〜500ミクロンであり、高さもしくは幅もしくはチャネル深さなどの導管チャネルの寸法は、約50ミクロンから1 mmである。マニホルドの幅が導管チャネルの寸法の30倍よりも大きくなるように、層は非常に平面的である。別のオプションでは、マニホルドの幅は導管チャネルの寸法の3倍よりも大きい。他の範囲が可能であることに留意すべきである。
【0040】
少なくとも一つの導管層122は、中に少なくとも一つの凹部130をさらに含む。少なくとも一つの凹部130は、そこを通って流れる物質を導く物質誘導凹部である。少なくとも一つの凹部130は、一オプションでは、図2および図3Aに示すように導管層122を通って第一の側面124から第二の側面126まで及ぶ。別のオプションでは、少なくとも一つの凹部130は、図3Bに示すように部分的にのみ導管層122の側面内に及ぶ。なおも別のオプションでは、導管層122は二つ以上の凹部130を含む。例えば、第一の側面124から第二の側面126まで及ぶ二つ以上の凹部130を、導管層122内に配置できる。二つ以上の凹部130は、導管層122の一側面内に部分的に及ぶ凹部を含むことができ(図3B)、および/または、凹部130は層122を通って(すなわち、第一の側面124から第二の側面126を通って)のびることができる。
【0041】
二つ以上の凹部130は、導管層122内で互いに干渉しないように導管層122内に形成できる。あるいは、二つ以上の凹部130は導管層122内で互いに干渉するように導管層122内に形成できる。凹部130は導管層122に沿ってのび、燃料などの物質がそこを通って流れることを可能にする。
【0042】
別のオプションでは、第一の凹部132を導管層122の第一の側面124上に形成でき、第二の凹部134を導管層122の第二の側面126上に形成でき、ここで第一の凹部132と第二の凹部134は必ずしも第一の側面124から第二の側面126まで及ぶ必要はない。図3Cに示す実施例では、部分的な凹部136が導管層122の対向側面上に配置され、物質が第一の側面124上の凹部と第二の側面126上の凹部を介してそこを通って移動することを可能にする。
【0043】
導管層122は、別のオプションでは、金属、プラスチック、エラストマー、もしくは複合体のうちの一つ以上から、単独でもしくは組み合わせて形成される。少なくとも一つの凹部130は、一オプションでは層122内に、および/または層122を通して形成される。例えば、少なくとも一つの凹部130は、層122内に、および/または層122を通して、エッチングもしくはプレス(stamp)することができる。別のオプションでは、少なくとも一つの凹部130は、層内に、および/または層を通してドリルするか、レーザーで形成するか、層122内に成形するか、層122を打ち抜く(die cutting)か、あるいは層122内に、および/または層122を通して機械加工することができる。一オプションでは、少なくとも一つの凹部130は凹部の深さの約20倍の幅を持つ。別のオプションでは、少なくとも一つの凹部130は約1 mm〜2 mmの幅を持つ。なおも別のオプションでは、少なくとも一つの凹部は約50〜100μmの幅を持つ。
【0044】
流体マニホルド120は、図2に示すように、少なくとも一つの障壁層および/または密封層140をさらに随意に含む。さらなるオプションでは、流体マニホルド120は導管層122の対向側面上に配置された第一の密封層142と第二の密封層144を含む。例えば、第一の密封層142は導管層122の第一の側面124に対して隣接するとともに密封し、第二の密封層144は導管層122の第二の側面126に対して隣接するとともに密封する。これにより、凹部130が取り囲まれ、物質が通って移動する導管を形成できる。密封層142、144は、例えば限定はされないが接着剤、接合技術、もしくはレーザー溶接を用いて導管層122に結合できる。さらなるオプションでは、密封層142、144と導管層122は一緒に密封される。例えば層122、142、144は、熱接合、接着接合、接着(gluing)、はんだ付け、溶接、超音波溶接、拡散接合、ヒートシールなどを通して連結される。さらなるオプションでは、層122、142、144はシアノアクリレート接着剤を用いる接着によって結合される。なおも別のオプションでは、層122、142、144を積み重ね、MEMSや集積回路でなされるように選択的にエッチングすることができる。
【0045】
層122、142、144は、一オプションでは、機能部品、導管チャネルもしくはポートも一緒に接合されることなく層を接合できるように、接着剤もしくは他の接合剤を流すことができる一つ以上の接合領域369を含む。さらなるオプションでは、一つ以上の特徴層は、接合領域を機能領域から分離し、および/または接合材が機能領域に入ることを妨げる、リッジ(ridge)もしくは凹部などの物理的障壁、および/または化学的障壁などの障壁特徴を含むが、限定はされない。
【0046】
さらなるオプションでは、密封層142、144のうちの一つ以上は、中に一つ以上のポート150を含む。例えば、一つ以上のポート150は入口152と出口154を含むことができる。入口152と出口154は、凹部130に流体結合するように密封層144内に配置される。流体燃料などの物質は、入口152を通って中に入り、凹部130を通って、出口154から出ることができる。一つ以上のポート150は、マニホルド120と、マニホルド120が結合される部品(例えば限定はされないが燃料容器108(図1A)もしくは燃料電池102(図1A)など)との間に流体連通を提供する。マニホルド120が多数の位置に供給できるように、単一の入口と多数の出口がある流体分布システムとしてマニホルド120を使用できることに留意すべきである。例えば、マニホルド120が燃料電池層上の多数の位置に供給できるように、単一の入口と多数の出口を持つ水素分布としてマニホルド120を使用できる。
【0047】
さらなるオプションでは、濾材131を流路の一部分に組み込むことができる。例えば、濾材131は図3Aに示すように凹部130内に配置できる。別のオプションでは、濾材131は入口152などのポート150内に配置できる。濾材131は多孔質基体もしくは流れ抑制部材(flow constricting element)を含むことができる。別のオプションでは、濾材131は凹部130を画定できる。凹部130および/またはポート150内に配置される濾材131は、例えば流体マニホルド120が燃料電池システム内で自身もしくは他の部品の周囲に曲げられるときに、凹部130および/またはポート150の崩壊の防止に役立つ。例えば、第一の側面124から第二の側面126まで及ぶ二つ以上の凹部130を導管層122内に配置できる。二つ以上の凹部130は、導管層122内で互いに干渉しないように導管層122内に形成できる。あるいは、二つ以上の凹部130は、導管層122内で互いに干渉するように導管層122内に形成できる。凹部130は導管層122に沿ってのび、燃料などの物質がそこを通って流れることを可能にする。
【0048】
再度図1Aを参照すると、流体制御システム104は一つ以上の特徴層を持つ層構造を含む。特徴層300はそれぞれその上および/またはその中に特徴を含む。一オプションでは、特徴層300は例えば気密シールで互いに密封される。“気密”という用語は、流体を通さない接着をあらわすように理解されてもよい。例えば、接着は350 psiもしくは2.5 MPa以下で水素を実質的に通さないものであってもよい。
【0049】
特徴は流体制御システム104の機能部品の一つ以上の部分を提供する。特徴層300が互いに隣接して配置されるとき、ある層上の特徴は、物理的にか機能的に、もしくはその両方で別の層の特徴と接合され、接合された機能部品の部分は、流体制御システム104用の一つ以上の機能部品を形成する。例えば、第一の部品の第一の部分は第一の特徴層上に形成され、第一の部品の第二の部分は第二の特徴層上に形成される。第一の特徴層と第二の特徴層は、例えば限定はされないが第一の特徴層と第二の特徴層を積み重ねることによって接合され、第一の部分と第二の部分は接合されて機能的な第一の部品を形成する。
【0050】
流体制御システム104は、限定はされないが、一つ以上の特徴層300の特徴から形成された、少なくとも一つの圧力調節器部品200、チェック弁部品230、もしくはフロー弁部品などの一つ以上の異なる機能部品を含むことができる。特徴は、あわせて一つの機能部品を形成するように単一の特徴層上にあってもよい。別のオプションでは、特徴はあわせて一つの機能部品を形成するように多数の特徴層上にあってもよい。機能部品を形成するために多数の特徴層300が使用されるときは、多数の機能部品を多数の特徴層の単一アセンブリに組み込むことができる。例えば第一の部品が三つの特徴層上に形成される場合、三つ以下の特徴層を必要とする第二の部品もしくは第三の部品を、第一の機能部品の特徴からは離れるが、同じ特徴層上に形成できる。
【0051】
機能部品の一実施例は、例えば図4により詳細に示される圧力調節器部品200である。圧力調節器部品200は、一オプションでは多数の特徴層300上に形成され、各層300上の特徴は圧力調節器部品200の一部分を提供する。一実施例では、特徴層300は、第一の層204、第二の層206、第三の層208、もしくは第四の層209のうちの一つ以上を含むが限定はされない。第二の層206は第一の層204と第三の層208の間に配置され、第三の層208は第二の層206と第四の層209の間に配置される。四つよりも少ない層、もしくは四つよりも多い層を圧力調節器部品200のために使用できることに留意すべきである。層は比較的薄い材料のシートから形成できる。適切な材料は、金属、エラストマー材料、可塑性ゴム、銅、銅ベリリウム合金、アルミニウム、ステンレス鋼、アクリル、ケイ素、オレフィン、エポキシ、ポリエステル、黄銅、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、ヘキサフルオロプロピレンフッ化ビニリデン共重合体、もしくはこれらの組み合わせを含むが限定はされない。
【0052】
圧力調節器部品200は、第一の側面210と第二の側面212によって部分的に画定される。一オプションでは、第一の層204が第一の側面210を形成し、第四の層209が第二の側面212を形成する。第一の側面210および/または第二の側面212は、一オプションでは、燃料電池システムの隣接部品と協調的に相互作用するように構成できる。例えば、平面流体分布マニホルドへ境界面で接続(interface)するために側面を使用でき、あるいは側面シールを出口221などの周囲に置くことができる。
【0053】
第一の層204、第二の層206、第三の層208、第四の層209は流体制御システム104の特徴層に対応する。図4は特徴層の特徴から形成された単一の圧力調節器部品200を図示するが、多数の調節器を同じ層上に形成して同一平面調節器を得ることができると考えられることに留意すべきである。例えば、少なくとも一つの第一の圧力調節器部品と、一つ以上の第二の調節器を同じ層上に形成できる。圧力調節器部品200は、第一の圧力調節器部品を使用することと、第一の圧力調節器部品および一つ以上の第二の調節器を使用することを切り替える流体制御システム104の操作を可能にするような、図9の弁208などのスイッチをさらに含むことができる。第一の圧力調節器部品と第二の圧力調節器部品を作るために薄いシートもしくは層を使用することで、多数の調節器を同時に製造することが可能になり、さらに調節器の出力圧力を設定することを可能にし、少なくとも部分的に、第一の層204の相対サイズ、層の厚さ、層の弾性、層の可撓性、もしくはそれらの組み合わせに対して設定できる。
【0054】
圧力調節器部品200は高圧入口221と低圧出口223を持つ。圧力調節器部品200の層構造は出口圧力を調節でき、一方入口圧力は変化できる。再度第一の層204を参照すると、第一の層204は多数の機能を果たすことができ、その上に多数の特徴を含む。例えば第一の層204は、隔膜220と、低圧プレナム214へのキャップを圧力調節器部品200に提供し、低圧プレナム214は第一の層204と第二の層206の間に形成される。第一の層204は、一オプションでは弾性的に変形可能な材料から形成され、弾性的に変形可能な材料を介して作動部材228を通して調節器弁216をさらに随意に作動させる。適切な材料は、エラストマー材料、可塑性ゴム、銅、銅ベリリウム合金、アルミニウム、ステンレス鋼、黄銅、もしくはこれらの組み合わせを含むが限定はされない。別のオプションでは、調節器弁216の作動は、例えば層204が弾性部品であるとき、層204の厚さを介して変化させることができる。第一の層204は、低圧プレナム214内の圧力からの力に反作用する弾性バネ力をさらに提供する。一オプションでは、第一の層204の弾性スティフネスが調節器の出力圧力を決定する。圧力調節器部品200は作動部材228をさらに含み、作動部材228は第二の層206の開口部201を通して配置される。
【0055】
作動部材228は、弁216と、第一の層204の弾性的に変形可能な材料との間に接触をもたらす。一実施例では、作動部材228は、弁216と第一の層204との間に配置される部材を含み、あるいは部材は第一の層204と一体であってもよく、あるいは第一の層204の上に形成するか、あるいは第一の層204の一部として形成されてもよい。別のオプションでは、作動部材228は一体化して、もしくは層208の一部として形成できる。一オプションでは、作動部材228は、第一の層204と弁216の間に配置される球もしくはボール(図7C)を含む。別のオプションでは、作動部材228は第一の層204と弁216の間に配置される突起を含む。低圧プレナム214内の圧力が調節器の所望の出力圧力よりも下がるとき、第一の層204の隔膜220は、ボール(図7C)などの作動部材228を圧迫し、作動部材は弁216を開く。
【0056】
作動部材228のいくつかのオプションが可能である。例えば一オプションでは、作動装置を隔膜220の一つと一体化させることができる。別のオプションでは、作動装置を、限定はされないが板バネなどのバネ部材から形成できる。板バネは随意に一端が飛び出し、作動装置を形成する。別のオプションでは、バネ部材は密封弁に隣接して配置される。別のオプションでは、作動装置は、作動装置の作動にさらなるオプションを可能にする、形状記憶合金材料を含むことができる。なおも別のオプションでは、作動装置はピンチ型を持つ層であり、そこから突起を提供する。形状はまた、ボール部材もしくは他の形状であってもよい。別のオプションでは、限定はされないがバネを含む圧縮性材料が、第四の層209などの最下層上に配置され、随意に弛緩位置で弁を密封位置に置く。
【0057】
第二の層206を参照すると、第二の層206は、低圧プレナム214の一部分などの多数の特徴を含み、低圧プレナム214を高圧プレナム215から分離する。なおも別のオプションでは、第二の層206は調節器弁216に密封弁座218をさらに提供する。第三の層208は、第二の層206と第四の層209とさらに協調して、高圧プレナム215の一部分を画定する。第三の層208は調節器弁216をさらに含む。
【0058】
調節器弁216は調節器200内の開口部201を密封する。一オプションでは、弁216は、別の追加部品の必要なく弁216が層208と一体化するように層208内に形成される。別のオプションでは、層208と形成される弁216は作動部材228として機能することもできる。さらなるオプションでは、弁216は本体222、シール224、バネ部材226を含む。本体222は、例えばその中に成形されたシール224を中に持つ。本体222は、例えば片持ちバネなどのバネ部材226と結合し、これは弁216が閉弁位置から開弁位置へ、および開弁位置から閉弁位置へと移動することを可能にする。バネ部材226は例えば、層208内でバネ状の取り付けを可能にするように、層内に部材をエッチング、プレス、レーザー切断、打ち抜き、堆積、プリント、機械加工、成形、および/または電鋳することによって形成できる。バネ部材226の他のオプションは、ボールなどの変形可能部材、層209上のエラストマー領域もしくは屈折可能領域、弁216より下の変形可能部材などの部材、または層209の一部としての部材を含むが限定はされない。
【0059】
バネ部材226と弁216は高圧プレナム215内に配置される。調節器200の第四の層209は第三の層に隣接して配置され、例えば弁216の底などの弁216の外側部分を覆い、随意に入口221と出口223を調節器200に提供する。例えば第二の層206と第三の層208の中に配置されるポートを通して、入口221は高圧プレナム215と流体接続され、出口は低圧プレナム214に流体接続される。
【0060】
圧力調節器部品200の動作例では、燃料などの流体は入口221に入り、入口221からの流体は高圧プレナム215を加圧する。流体はさらに開いた調節器弁216を通過して低圧プレナム214へと入る。弁216は低圧プレナム内の低圧によって開く。低圧プレナム214の圧力が増加すると、第一の層204は、作動部材228が調節器弁216から引き離れるまで、229に向かって屈折され、弁216を弁座218に対して閉じ、低圧プレナム214内の圧力を制限する。低圧プレナム214内の流体が出口ポート223を通って流出すると、低圧プレナム214内の圧力は減少する。これにより、第一の層204を229から離して屈折させることができ、作動部材が調節器弁220を再度開き、さらに繰り返して周期を開始できる。
【0061】
上述の通り、燃料システム104は、限定はされないが圧力調節器部品200とチェック弁部品を含む一つ以上のマイクロ平面流体部品を含む。チェック弁部品は燃料容器を充填するために使用できる。図5は一つ以上の特徴層300を持つチェック弁部品230の一実施例の断面を図示する。例えば、チェック弁部品230の特徴層は、第一の層232、第二の層234、第三の層236などの三つの層を含み、第二の層234は第一の層232と第三の層236の間に配置される。チェック弁部品230の特徴層は、限定はされないが圧力調節器部品、マニホルドなどを含む、他の流体制御部品の同じ特徴層上に形成できることに留意すべきである。
【0062】
第一の層232は、一オプションでは、チェック弁部品230へキャップを提供する。第二の層234はエラストマー部材238を含み、第三の層236は入口ポート240と出口ポート242を中に持つ。入口ポート240と出口ポート242は異なる特徴層上に形成できることに留意すべきである。エラストマー部材238は入口ポート240に対して圧迫され、入口ポート240を密封する。一オプションでは、エラストマー部材238は層234内の特徴として形成される。別のオプションでは、エラストマー部材238は層234内に形成された特徴の中に挿入される別の部品である。なおも別の実施形態では、エラストマー部材238は層全体を含む。
【0063】
層232、234、236は、限定はされないが金属、エラストマー材料、可塑性ゴム、銅、銅ベリリウム合金、アルミニウム、ケイ素、ステンレス鋼、アクリル、オレフィン、エポキシ、ポリエステル、黄銅、PVDF、ヘキサフルオロプロピレンフッ化ビニリデン共重合体、もしくはこれらの組み合わせを含む材料のうちの一つ以上から作られ、エッチング、プレス、レーザー切断、打ち抜き、堆積、プリント、機械加工、成形、もしくは電鋳によって随意に形成される。層234は、例えばエラストマー材料からの材料の成形もしくはエッチングによって形成できる。層238は、加圧燃料が入口240から離れて層238を変形できるように、層232と236よりも柔らかい。
【0064】
燃料容器などの容器の充填中、燃料などの加圧流体がチェック弁部品230の入口ポート240へ加えられる。例えば容器を充填する際、流体マニホルドは燃料電池もしくは他のシステム部品と相互作用するか、あるいは、部品を引き離している内部の流体圧力による力が、接着接合の強度によって容易に打ち消されるように、比較的大きな表面積にわたってはたらく接着剤を用いて、燃料電池もしくは他のシステム部品に結合できる。高い内圧は比較的低い引張強度を持つ接合で打ち消すことができる。
【0065】
容器を充填する際には、圧力によって作動する弁など、取り外し可能な結合用の装置を使用できる。例えば、圧力によって作動する一方向弁は、例えば流体燃料などの流体が、燃料貯蔵システム用の流体容器の中へと流れることを可能にする。燃料補給中、燃料は流体容器の中へ流れることはできるが、燃料は燃料容器から逆流することはできない。一オプションでは、流体容器が燃料で過剰に加圧される場合は、燃料の流れは流体容器から逆流することが許される。
【0066】
外部燃料補給装置は、密封面の一部分に対してシールを形成でき、例えば入口ポートの周囲を、Oリングもしくはガスケットなどのシールで密封できる。燃料は燃料制御システムに導入され、燃料の流体圧力が圧縮性部材を圧縮し、圧縮性部材と外側カバーの間のシールを壊す。別のオプションでは、外側カバーの外部を取り巻く環境が燃料で加圧され、燃料補給弁アセンブリを通して燃料容器の中へと燃料を押し込んでもよい。
【0067】
燃料補給プロセスが完了すると、燃料補給器具は弁アセンブリから取り外され、弁は閉じられる。例えば、圧縮性部材が減圧し、燃料容器からの流体圧力が、燃料出口ポートを通って、圧縮性部材に圧力を加え、圧縮性部材を外側カバーに対して押し付ける。圧縮性部材の減圧および/または容器からの流体圧力は、圧縮性部材と外側カバーの間にシールを作り、燃料が圧縮性部材を通過して燃料入口ポートの中へ流れないようにする。別のオプションでは、燃料容器内の圧力が大き過ぎる場合、もしくは所定の量よりも大きい場合、意図的に故障するように圧縮性部材および/または流体拡散部材を設計できる。
【0068】
別のオプションでは、システムを別の部品に結合するために流体結合アセンブリを使用できる。結合アセンブリは、第一の結合部材、第二の結合部材、およびこれらの間の密封部材を含む。第一の結合部材と第二の結合部材は、引き付けあう極性を持つ第一の磁気部材と第二の磁気部材を用いるなど、磁気的に係合可能である。第一の結合部材と第二の結合部材の係合は、その間に流体流路を開く。結合部材が離れるとき、この流体流路は密封される。
【0069】
再度図5を参照すると、流体からの圧力がエラストマー部材238を屈折させ、流体が部材238を通過し、部材238の少なくとも一部分を取り囲む弁プレナム282の中へと流れるようにする。流体は随意に、プレナム282から出口ポート242を通って移動し、例えばマニホルド120(図1A)を通って容器の方へ向けられる。加圧流体の供給源が入口ポート240から取り外されると、エラストマー部材238は再度入口ポート240に対して密封し、燃料が入口ポート240を通って逆流するのを防ぐ。一オプションでは、チェック弁部品230は例えば第三の層236に沿って流体マニホルドに結合する。
【0070】
流体制御システム104(図1A)は、例えば燃料を遮断する、および/または燃料にシステムを通過させるための一つ以上のフロー弁部品をさらに含む。フロー弁部品は多数の特徴層上に形成され、特徴層は特徴を持つ。チェック弁部品と同様に、フロー弁部品は圧力調節器部品および/またはチェック弁部品の同じ特徴層上に形成できる。フロー弁部品は、機械的作動もしくは化学的作動を用いて作動できる。別のオプションでは、フロー弁部品は電気的作動を用いて作動できる。図6は、中に一つ以上の層262を持つ電気的に作動されるフロー弁部品260の一実施例を図示する。一オプションでは、フロー弁部品260は、第一の層264、第二の層266、第三の層268、第四の層270を含む。第一の層264はフロー弁部品260にキャップを提供する。第二の層266は、一オプションでは、隣接層上の特徴の開状態と閉状態を作動させる特徴を含む。例えば、第二の層266はプリント抵抗回路層を含む。第二の層266はフロー弁部品260の開閉を制御するために使用できる。第三の層268は開状態と閉状態の作動を提供し、例えば形状記憶合金から形成され、例えば第二の層266によって始動できる。第四の層270は、弁座272、入口ポート274と出口ポート276、および流体マニホルド120(図1A)への任意の取り付け用の基部278を提供する。開状態では、熱などのエネルギーが作動装置279へ加えられ、作動装置279は弁座272から離される。例えば、抵抗層を通って流れる電流を使用して形状記憶合金を加熱でき、作動装置279が弁座272から離れて上へ曲がることを可能にする。閉状態では、作動装置279は弁座272に対して押し付けられ、弁座272を密封する。例えば、形状記憶合金は冷却されて変形されていない状態に戻り、弁座272を圧迫してもよい。
【0071】
流体制御システム104は、互いに相互作用する特徴層300で形成され、層300の相互作用の結果として形成される多数の部品を含む。圧力調節器部品、チェック弁部品、もしくはフロー弁部品のうちの少なくとも一つ以上を含むが限定はされない流体制御システム104の部品は、それぞれ一つ以上の特徴層300の上に形成され、特徴層300を共有してもよい。例えば、圧力調節器部品の特徴は、少なくとも一つのチェック弁部品および/またはフロー弁部品と同じ特徴層300の上にあってもよい。
【0072】
図7A、7B、7Cは、例えば各々が特徴を持つ特徴層301、302、303、304、305といった特徴層300を有する流体制御システム104の一実施例を図示する。流体制御システム104は次の部品のうちの少なくとも一つを含む。すなわち、圧力調節器部品200、フロー弁部品260、チャージ弁部品340、もしくは圧力除去部品322。部品のうちの一つ以上を含むことができ、それらは随意に互いに同一平面上にあることに留意すべきである。
【0073】
特徴層300は、層を含む流体集積回路に、積み重ねられて結合された多数の特徴を提供する化合物構造を形成する。特徴層300の特徴はあわせて機能部品を形成する。層は外部マニホルド上に取り付けることができ、あるいはマニホルドは層構造の一部として一体化することもできる。例えば、層構造の一部分は、層を通る導管を形成する多数の層を通って続き、燃料容器や燃料電池などの部品と境界面で接続することができる。
【0074】
層は、より大きなシート上に結合した部品の配列として形成し組み立てることができる。層は、限定はされないが、エッチング、プレス、レーザー切断、打ち抜き、堆積、プリント、機械加工、成形、もしくは電鋳などの、多数の部品の製造を容易にする様々なプロセスで作成される。例えば、サブシステムを同時に組み立てることができ、その後、同じもしくは類似するサブシステムのうちのいくつかの配列から除去できる。多数の部品は同じ層上に互いに隣接して作ることができる。さらに、多数の部品のアセンブリは、その層を形成している同じ材料シートから同時に作ることができ、その後個々の流体システムを作るために切り離すことができる。層は、例えば限定はされないが以下の技術のうちの一つ以上を用いて結合し密封できる。すなわち、接着(gluing)、接着接合、熱接合、拡散接合、溶接、もしくははんだ付け。層は、一オプションでは、機能部品、導管チャネルもしくはポートも一緒に接合されることなく層を接合できるように、接着剤もしくは他の接合剤を流すことができる一つ以上の接合領域を含む。さらなるオプションでは、一つ以上の特徴層は、接合領域を機能領域から分離し、および/または接合材が機能領域に入ることを妨げる、リッジ(ridge)もしくは凹部などの物理的障壁、および/または化学的障壁などの障壁特徴を含むが、限定はされない。
【0075】
層構造は小さくされ、層の製造および組立に、ナノ製造技術および/またはマイクロ製造技術を利用できる。例えば、層の製造および/または組立用のプロセスは、マイクロ流体応用プロセス、もしくは、エッチングなどのプロセスが後続するマスク形成用の化学蒸着を含むが限定はされない。加えて、薄層構造の製造で使用するための材料は、ケイ素、ポリジメチルシロキサン、パリレン、もしくはこれらの組み合わせを含むが限定はされない。
【0076】
層は小さく平面的である。例えば層の厚さは約10〜500ミクロンである。層の平面部分の幅が層の厚さの30倍よりも大きくなるように、層は非常に平面的である。別のオプションでは、層の幅は層の厚さの3倍よりも大きい。他の範囲が可能であることに留意すべきである。
【0077】
層が互いに隣接して配置されるとき、層は一緒に動作可能なように相互作用するように構成される。部品のうちの一つ以上を、より小さな部品の配列で置き換えることができることに留意すべきである。例えば、個々の調節器を調節器部品の配列で置き換えることができる。調節器の配列は、配列の一部が機能しないかもしれないときでも、システム全体は作動し続けることができるように、耐故障システムを提供してもよい。これは効果的なやり方で燃料を分布させる能力にさらに対応し、例えば調節器配列は、不十分な燃料分布によって生じる問題を減らすように燃料電池もしくは燃料容器内に分布させることができる。
【0078】
特徴層によって形成される部品の一実施例は、圧力調節器部品200を含む。圧力調節器部品200の一部分を形成する特徴は、層301、302、303、304上に形成される。例えば高圧プレナムの少なくとも一部分は層301上に形成され、弁216の少なくとも一部分は層302上に形成され、低圧プレナム214の少なくとも一部分は層303上に形成され、隔膜220は層304上に形成される。特徴は様々な層301、302、303、304の上に形成され、層は一緒に接合され、例えば層は互いに隣接して配置され、随意に結合される。特徴は同じ特徴層もしくは他の特徴層の上の特徴と相互作用し、圧力調節器部品200などの機能部品をあわせて形成する。下記でさらに述べるように、一部品の特徴が別の部品の特徴と層を共有するように、他の部品を層301、302、303、304を含む様々な層上に形成できる。例えば、特徴と、結果として得られる機能部品は同一平面上にある。
【0079】
流体制御システム104の作動中、燃料などの流体は入口ポート221を通って調節器200に入り、高圧プレナム215に入る。高圧プレナム215は調節器弁216を取り囲み、三つの弾性部材などのバネ部材226は、弁が作動装置ボールなどの作動部材228によって作用されない限り、弁座に対して弁216を閉じておく。低圧プレナム214内の圧力が、意図された調節器の出力圧力よりも低いとき、隔膜220は作動部材228を圧迫し、次に作動部材228は調節器弁216を開く。弁216が開弁位置にあるとき、所望の圧力に達し、調節器弁216を閉じるために充分に隔膜220が屈折するまで、燃料などの流体が高圧プレナム215から低圧プレナム214へと流れることができる。
【0080】
流体は開口部330を通って調節器200から出て、フロー弁部品370のフロー弁プレナム332に入る。フロー弁部品は、フロー弁部品などの機能部品をあわせて形成する異なる特徴層の上に特徴を持つ。フロー弁部品は、この実施例では調節器弁216と類似している。しかしながら、調節器弁216のように作動部材228によって作動されるというよりも、フロー弁部品は、出口ポート334を通してフロー弁部品に対して押し付けられたピンで開かれる。出口ポート334は例えばマニホルド120(図1A)を介して燃料電池102(図1A)に接続できる。
【0081】
チャージ弁部品340は、図7Cに示すように、相互作用し、かつ機能部品をあわせて形成する一つ以上の特徴層300の上に形成された特徴を持つ別の部品である。チャージ弁部品340は、特徴層303のチャージポート344に対して密封するように押しつけられた、ゴム部材などの特徴層302のバネ部材342を含む。チャージ圧力がチャージポート344に加えられると、チャージ圧力によってバネ部材342がチャージポート344から離れて変形され、特徴層301のポート346に気体が流れて入るようになる。ポート346は随意に流体容器108(図1A)に流体接続される。
【0082】
多数の異なる特徴層300を用いて作ることができる別の部品は、圧力除去部品350を含む。圧力除去部品350は、特徴層301のポート354に対して密封するゴム部材などの特徴層302のバネ部材352を含む。ポート354は燃料容器108(図1A)に流体接続され、容器圧力が所定値を超えるとき、バネ部材352は燃料容器108内の圧力によってポート354から離れて変形される。これによって、燃料などの流体が、特徴層303、304によって形成されるポートを通って流れ、通過し、大気へ排出する特徴層305のポート360に入ることが可能になる。一オプションでは、調節器200、チャージ弁部品340、圧力除去部品350は、ポート221、346、354を通って別々に燃料容器108と連通する。別のオプションでは、層301より下の追加のマニホルド層を加えることができ、ポートを、一つのポートなど、より少ないポートに組み合わせることができる。
【0083】
図8Aと8Bは、特徴を含む特徴層300から形成された流体制御システム104の一実施例を図示する。特徴層300は、限定はされないが、エッチング、エッチング、プレス、レーザー切断、打ち抜き、堆積、プリント、機械加工、成形、もしくは電鋳などの様々な技術によって形成できる。特徴の配列を各特徴層上に形成でき、層を接合させることによって機能部品の配列を形成できる。一実施例では、第二の特徴層が第一の特徴層の上に積み重ねられ、機能部品の配列が形成される。限定はされないが、熱接合、接着接合、はんだ付け、溶接、超音波溶接、拡散接合、ヒートシールなどの様々な技術で、随意に第二の特徴層が第一の特徴層に結合される。
【0084】
特徴層300は、流体制御システムの部品の一部を形成する特徴をその中もしくはその上に含む。流体制御システム104の部品の実施例は、チェック弁部品230、第一の調節器212、および少なくとも一つの第二の調節器217を含む。
【0085】
第一の調節器212と第二の調節器217は、一オプションでは同様の構造を持つ。圧力調節器部品212、217の一部を形成する特徴は、層301、302、303、304の上に形成される。例えば、高圧プレナムの少なくとも一部は層301上に形成され、弁216と部材226の少なくとも一部は層302上に形成され、低圧プレナム214の少なくとも一部は層303上に形成され、隔膜220は層304上に形成される。特徴は様々な層301、302、303、304の上に形成され、層は接合され、例えば層は互いに隣接して配置され、随意に結合される。特徴は他の特徴層上の特徴と相互作用し、圧力調節器部品212、217などの機能部品をあわせて形成する。圧力調節器部品212、217は随意に同一平面上にある。
【0086】
チェック弁部品230は、多数の特徴層300の上、中に形成された、もしくは多数の特徴層300の上に配置された特徴から形成される。チェック弁部品230は燃料電池の燃料容器に燃料を供給するために使用できる。特徴層303は、一オプションではチェック弁部品230にキャップ391を提供する。特徴層302はエラストマー部材を含み、第三の特徴層301は入口ポート240と出口ポート242を中に持つ。入口ポート240と出口ポート242は異なる特徴層上に形成できることに留意すべきである。エラストマー部材は入口ポート240に対して圧迫され、入口ポート240を密封する。
【0087】
例えば燃料電池の燃料供給など、流体の充填中、燃料などの加圧流体がチェック弁部品230の入口ポート240に加えられる。流体からの圧力はエラストマー部材を屈折させ、流体が部材を通り過ぎて、部材の少なくとも一部分を取り囲む弁プレナムへ入るようにする。流体は随意にプレナムから出口ポート242を通って移動し、例えばマニホルド120(図1A)を通って容器の方へ向けられる。充填が完了するとき、エラストマー部材は入口ポート240に対して密封し、流体が入口ポート240を通って逆流するのを防ぐ。一オプションでは、チェック弁部品230は例えば特徴層301に沿って流体マニホルドに結合する。
【0088】
図9を参照すると、流体制御システム104のシステム配置が図示される。一オプションでは、流体制御システム104は、燃料補給入口202、チェック弁部品204、圧力選択弁206、開閉弁208、および/または、例えば燃料電池102(図1A)への出口210のうちの一つ以上を含む。開閉弁208は、燃料電池システムがオフになると燃料供給を停止する。燃料システム104は燃料容器108(図1A)への接続211をさらに随意に含む。
【0089】
流体制御システム104は少なくとも一つの圧力調節器部品200を随意に含む。一実施例では、少なくとも一つの圧力調節器部品200は少なくとも一つの第一の圧力調節器部品212を含む。さらなるオプションでは、少なくとも一つの圧力調節器部品200は、少なくとも一つの第一の圧力調節器部品212および/または少なくとも一つの第二の圧力調節器部品217を含む。一オプションでは、流体制御システム104は多数の圧力調節器部品200を含み、例えば多数の第二の圧力調節器部品217、もしくは第二の圧力調節器部品217の配列を単独で含むか、あるいは第一の圧力調節器部品と組み合わせて含む。
【0090】
システムによって供給される燃料電池が幅広い範囲の入口圧力を許容できるとき、あるいは、燃料貯蔵圧力などの流体貯蔵圧力と、要求される出口圧力との差が低いとき、単一の第一の圧力調節器部品などの第一の圧力調節器部品が使用されてもよい。システムによって供給される燃料電池が幅広い圧力を許容できないとき、システム104は第一の調節器と第二の調節器の両方で構成され得る。
【0091】
第一の圧力調節器部品212は、第二の圧力調節器部品217に対して圧力を下げる。さらに第一の圧力調節器部品212は、第二の圧力調節器部品217の出力に対する、変動する燃料容器圧力の影響を軽減する。第一の圧力調節器部品212と第二の圧力調節器部品217、および/または二つ以上の第二の圧力調節器部品217は、異なる出力圧力に設定できる。この構成では、調節器のうちの一つは、燃料電池が待機運転中のときに低圧を提供でき、他方でもう一方は、燃料電池が作動中であるときに高圧を提供できる。このオプションは、気体パージ、水管理などの補助的な燃料電池管理機能のための圧力の調整を含む、幅広い範囲の燃料電池の動作モードをサポートするように調整された多数の圧力を含むまで拡張できる。多数の第二の圧力調節器部品を使用することで、作動圧力のデジタル選択が可能になり、連続的に変化する圧力調節システムの必要がなくなる。
【0092】
一オプションでは、圧力選択弁206は高圧の第二の調節器217への流れを制御し、多数の第二の調節器217の連結出力の圧力を制御する。圧力選択弁206が閉まると、第二の圧力調節器部品217の出力は低圧になり、一方弁206が開くと、出力は高圧になる。一オプションでは、第二の調節器217の一つもしくは両方は、燃料電池102(図1A)における燃料圧力からパイロット圧制御される。これにより、燃料電池における燃料圧力を、調節器200と燃料電池102(図1A)の間の燃料導管内の圧力損失によって影響されずに、一定のままにすることができる。
【0093】
上述の通り、二つ以上の第二の調節器217を燃料制御システム104内に含めることができる。例えば、各々が独自の圧力選択弁を持つ平行な第二の調節器217の配列は、圧力を徐々に増加および減少できるデジタル圧力制御を可能にする。配列内の調節器217は各々異なる出力圧力を持つ。
【0094】
燃料電池圧力は、導管を通して圧力調節器部品の物理的な位置へと容易にフィードバックされる。加えて、多段階による弁の作動のためにシステムへ機械力を提供するために、調節されていない気体圧力を使用できる。これにより、システムは最低限の外部エネルギー入力で作動できるようになる。さらなるオプションでは、圧力調節器部品は層状材料の単一のシートから同時に作ることができ、多数の出口を持つ多数の調節器部品へ供給する単一の入口を持つことが可能である。
【0095】
上記の装置で使用するための方法、もしくは上記の装置を作るための方法は以下の通りである。例えば一オプションでは、方法は、一つ以上の特徴層上に少なくとも一つの第一の特徴を形成すること、一つ以上の特徴層のいずれかの上に少なくとも一つの第二の特徴を形成すること、および少なくとも一つの第一の特徴を少なくとも一つの第二の特徴に相互作用的に関連付け、少なくとも一つの機能部品を形成することを含む、流体制御システムを形成するための方法を含む。一オプションでは、少なくとも一つの第一の特徴を少なくとも一つの第二の特徴に相互作用的に関連付けることを含む方法は、一つ以上の特徴層を積み重ねることを含み、少なくとも一つの第一の特徴もしくは少なくとも一つの第二の特徴を形成することは、一つ以上の特徴層上に特徴をエッチング、プレス、レーザー切断、打ち抜き、堆積、プリント、機械加工、成形、もしくは電鋳することを含む。
【0096】
さらなるオプションでは、少なくとも一つの機能部品を形成することは、少なくとも一つの圧力調節器部品、少なくとも一つのチェック弁部品、少なくとも一つのフロー弁部品、少なくとも一つの導管部品、圧力除去部品、もしくは熱除去部品のうちの一つ以上を形成することを含む。なおも別のオプションでは、少なくとも一つの特徴層を形成することは、金属、エラストマー材料、可塑性ゴム、銅、銅ベリリウム合金、アルミニウム、ステンレス鋼、アクリル、ケイ素、オレフィン、エポキシ、ポリエステル、黄銅、PVDF、ヘキサフルオロプロピレンフッ化ビニリデン共重合体、もしくはこれらの組み合わせから、少なくとも一つの特徴層を形成することを含む。特徴層は一緒に密封でき、特徴層を密封することは、特徴層を一緒に接着、接着接合、熱接合、拡散接合、溶接、はんだ付けすること、もしくはこれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む。
【0097】
なおも別のオプションでは、システムを作動させる方法は、流体容器を流体制御システムに流体結合することを含み、流体制御システムは、少なくとも一つの機能部品と、特徴を持つ二つ以上の特徴層とを含み、二つ以上の特徴層のいずれかの特徴は、少なくとも一つの機能部品を相互作用的に形成し、方法は、流体容器から流体制御システムへ流体を移動させることをさらに含む。方法は、歪み緩和境界面を介して移動させることを随意に含み、および/または、流体容器から流体制御システムへ流体を移動させることは、燃料カートリッジから流体を移動させること、および/または少なくとも一つの燃料電池へ流体を移動させることを含む。なおもさらなるオプションでは、流体容器から流体を移動させることは、流体マニホルドを介して少なくとも一つの燃料電池へ流体を移動させること、および/または燃料電池の流体プレナムから流体マニホルドを介して流体制御システムへ流体を移動させることを含む。さらなるオプションでは、流体は流体マニホルドのフィードバックチャネルを通る流体の流れに基づいて移動される。
【0098】
方法は、流体制御システムをチャージポートに流体結合することをさらに随意に含み、随意に、流体制御システムをチャージポートに流体結合することは、流体制御システムを流体マニホルドを介してチャージポートに流体結合することを含む。
【0099】
流体制御システムは層構造であり、様々な層の特徴は、限定はされないが、圧力調節器部品、チェック弁部品、フロー弁部品、および流体導管の機能などの、流体制御システム用の機能を実現するように相互作用する。流体制御システムは例えばマイクロ流体用途において効率的な流体分布を提供する。小型の層により、多数の同一の部品を含めることが可能になり、高い信頼性と機能的柔軟性をもたらす。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態の説明では、本明細書の一部を成す添付の図面を参照しており、その図面においては、実践され得る本発明の具体的な実施形態が例として示される。図面において、類似する数字は複数の図にわたって実質的に同様の構成要素を説明する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実践できるように充分詳細に記載される。他の実施形態が利用されてもよく、本発明の範囲から逸脱することなく、構造的、論理的、および電気的な変更がなされてもよい。「発明を実施するための形態」は限定的な意味でとられるものではなく、本発明の範囲は、添付の請求項が権利付与される均等物の全範囲と共に、請求項によってのみ規定される。
【技術分野】
【0001】
本文書は制御システムに関する。より具体的には、流体制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な用途において、技術動向はシステムの縮小化に向かって進行している。流体システムは、流体輸送を操作するためのシステムによって課せられる制限的形状因子の範囲内で統合できる。例えば、流量調整部品は、反応物質供給、熱伝導、流体の投与などの機能のために配置できる。
【0003】
パーソナル電子機器などの電子部品は、縮小化する傾向にある。電子部品が小さなサイズで設計され、精巧で複雑な技術を組み込むにつれ、電力供給の需要は増大する。例えば、装置への技術の追加に対応するためには、電力供給が占める体積もしくは設置面積が小さくなることを必要とし得る。追加技術はまた、電力供給がより長期間にわたって持続することも必要とし得る。加えて、携帯用電子機器は、電力供給を縮小しながらエネルギー貯蔵を維持することを必要とし得る。
【0004】
電子部品用の電力供給の一例として、燃料電池システムがある。より小さな燃料電池システムを作るために、流体供給部品といった、システムの多くの個々の部品を縮小化できるが、燃料電池システムの技術的要件を満たす必要がある。例えば流体供給部品は、燃料電池システムの全体のかなりの体積を占めることなく、かつ、燃料電池システムのアセンブリに干渉することなく、一定の圧力を維持することを必要とし得る。さらに、燃料電池システムの機能性が損なわれてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】少なくとも一つの実施形態に従って構成される電気化学電池システムの分解図を図示する。
【図1B】少なくとも一つの実施形態に従う電気化学電池システムのブロック図を図示する。
【図2】少なくとも一つの実施形態に従って構成される流体マニホルドの分解斜視図を図示する。
【図3A】少なくとも一つの実施形態に従って構成される導管層の断面図を図示する。
【図3B】少なくとも一つの実施形態に従って構成される導管層の断面図を図示する。
【図3C】少なくとも一つの実施形態に従って構成される導管層の断面図を図示する。
【図4】少なくとも一つの実施形態に従って構成される圧力調節器の断面図を図示する。
【図5】少なくとも一つの実施形態に従って構成されるチェック弁部品の断面図を図示する。
【図6】少なくとも一つの実施形態に従って構成されるフロー弁部品の断面図を図示する。
【図7A】少なくとも一つの実施形態に従って構成される流体制御システムの斜視図を図示する。
【図7B】少なくとも一つの実施形態に従って構成される流体制御システムの断面斜視図を図示する。
【図7C】少なくとも一つの実施形態に従って構成される流体制御システムの分解斜視図を図示する。
【図8A】少なくとも一つの実施形態に従って構成される流体制御システムの斜視図を図示する。
【図8B】少なくとも一つの実施形態に従って構成される流体制御システムの分解斜視図を図示する。
【図9】少なくとも一つの実施形態に従って構成される流体制御システムのためのシステム構成を図示する。
【図10】少なくとも一つの実施形態に従って構成される境界面を持つ容器の図を図示する。
【図11】少なくとも一つの実施形態に従って構成される境界面を持つ容器の側面図を図示する。
【図12】少なくとも一つの実施形態に従う電気化学電池システム系の断面図を図示する。
【図13】少なくとも一つの実施形態に従って構成される、流体圧力調節器装置の配列と、アノード空洞入口の配列とを含む、図12の電気化学電池システム系内の燃料流速を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の「発明を実施するための形態」は、その一部を成す添付の図面への参照を含む。図面は、流体マニホルド、流体制御システムおよび方法が実践され得る具体的な実施形態を例として示す。“実施例”もしくは“オプション(選択肢)”とも称されるこれらの実施形態は、当業者が本発明を実践できるように充分詳細に記載される。実施形態は組み合わされてもよく、他の実施形態が利用されてもよく、あるいは本発明の範囲から逸脱することなく、構造的もしくは論理的変更がなされてもよい。従って以下の「発明を実施するための形態」は、限定的な意味でとられるものではなく、本発明の範囲は添付の請求項とその法的均等物によって規定される。
【0007】
本文書では、“a”もしくは“an”という用語は一つもしくは一つよりも多くを含むために使用され、“or”という用語は、特に他に指定のない限り、非排他的な“or”をあらわすために使用される。加えて、当然のことながら、本明細書で採用される、他に規定のない表現や用語は、限定ではなく説明のみを目的とする。
【0008】
[定義]
本明細書で使用される“流体”という用語は、その分子が互いに自由に行き来し、その容器の形状をとる傾向があるような、途切れのない無定形物質のことをあらわす。流体は、気体、液化ガス、液体、もしくは加圧液体であってもよい。流体の実施例は、流体反応物質、燃料、酸化剤、および熱伝導流体を含んでもよい。燃料電池で使用される流体燃料は、水素の気体もしくは液体、および任意の適切な流体形態の水素担体を含んでもよい。流体の実施例は、空気、酸素、水、水素、メタノールやエタノールなどのアルコール、アンモニア、アミンやヒドラジンなどのアンモニア誘導体、ジシランやトリシランやジシラブタンなどのシラン類、水素化ホウ素アルミニウムなどの錯体金属水素化物化合物、ジボランなどのボラン類、シクロヘキサンなどの炭化水素、ドデカヒドロ-n-エチルカルバゾールなどのカルバゾール、および他の飽和環状炭化水素、飽和多環式炭化水素、シクロトリボラザンなどの飽和アミノボラン類、ブタン、水素化ホウ素ナトリウムや水素化ホウ素カリウムなどの水素化ホウ素化合物、およびギ酸を含む。
【0009】
本明細書で使用される“流体容器”という用語は、流体を貯蔵するための装置をあらわしてもよい。流体容器は、流体を物理的にもしくは化学的に貯蔵してもよい。例えば、流体容器は流体を活性物質粒子内に化学的に貯蔵してもよい。
【0010】
本明細書で使用される“活性物質粒子”という用語は、水素もしくは他の流体を貯蔵できる物質粒子、または、水素もしくは別の流体を吸蔵および脱着し得る物質粒子をあらわす。活性物質粒子は、化学吸着、物理吸着、もしくはこれらの組み合わせによって水素などの流体を吸蔵する、流体貯蔵物質を含んでもよい。いくつかの水素貯蔵物質は、温度変化、熱変化、もしくは圧力変化などの刺激に反応して水素を脱着する。刺激に反応して水素を放出する水素貯蔵物質の実施例は、金属水素化物、化学水素化物、適切なマイクロセラミック、ナノセラミック、窒化ホウ素ナノチューブ、金属有機構造体、パラジウム含有物質、ゼオライト、シリカ、アルミナ、グラファイト、ならびに、適切なカーボンナノチューブや炭素繊維、カーボンエアロゲル、活性炭、ナノ構造炭素などの炭素系可逆流体貯蔵物質、またはこれらの任意の組み合わせを含む。粒子はまた、水素と接触して金属水素化物を形成できる、金属、金属合金、金属化合物、これらの合金もしくはこれらの組み合わせも含んでもよい。活性物質粒子は、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、カルシウム、ホウ素、炭素、ケイ素、遷移金属、ランタニド、金属間化合物、これらの固溶体、もしくはこれらの組み合わせを含んでもよい。本明細書で使用される“吸蔵(“occlude”もしくは“occluding”もしくは“occlusion”)”という用語は、流体などの物質の吸収もしくは吸着、ならびに保持をあらわす。例えば水素が吸蔵される流体であってもよい。流体は、例えば化学吸着もしくは物理吸着などによって、化学的もしくは物理的に吸蔵されてもよい。
【0011】
本明細書で使用される“脱着(“desorb”もしくは“desorbing”もしくは“desorption”)”という用語は、吸収もしくは吸着された物質の除去をあらわす。例えば水素が活性物質粒子から除去されてもよい。水素もしくは他の流体は、例えば物理的もしくは化学的に結合されてもよい。
【0012】
本明細書で使用される“接触”という用語は、物理的、化学的、電気的に接すること、もしくは充分に接近することをあらわす。流体は容器に接触してもよく、その中で例えば流体は容器の内部で物理的に力を加えられる。
【0013】
本明細書では流体制御システムが提供される。流体制御システムは、例えば小容量の空間における流体の分布を制御する効率的な構造と方法を提供する。流体制御システムは、約10から500ミクロンの厚さを持つ層など、薄い材料層から形成される。
【0014】
流体制御システムは一つ以上の特徴層から形成され、層のうちの一つ以上は特徴を持つ。一オプションでは、特徴層の特徴はシステムの機能部品を形成する。一オプションでは、システムは少なくとも二つの機能部品を含み、二つ以上の特徴層のうちのいずれかの特徴は、あわせて機能部品を形成する。なおも別のオプションでは、機能部品は二つ以上の層内に形成される特徴の相互作用によって形成され、部品の機能は、少なくとも一つの特徴をその面から別の特徴層の面へと移動させることによって実現される。例えば、ある特徴がその特徴の面に対して直角に機械的に移動されてもよい。
【0015】
さらなるオプションでは、機能部品は互いに同一平面上にある。なおも別のオプションでは、二つ以上の特徴は共通面内で互いに流体連通する特徴の配列を含む。流体制御システム用の機能部品の実施例は、圧力調節器部品、チェック弁部品、フロー弁部品、チャージ弁部品、圧力除去部品、導管、開閉弁、手動開閉弁、もしくは熱除去部品を含むが限定はされない。
【0016】
一実施形態例では、上記および下記で論じる機能部品を含む流体制御システムは、流体制御システムに連通可能なように結合した少なくとも一つの流体容器と共に使用できる。
【0017】
一実施形態例では、流体制御システムは、例えば図1Aに図示される燃料電池システムなどの電気化学電池システム内で使用できる。燃料電池システムという用語が本明細書で使用されるが、このシステムはいかなる電気化学電池システムにも使用できることに留意すべきである。燃料電池システム100は、燃料電池102、流体制御システム104、チャージポート106、燃料容器108などの流体容器、および流体マニホルド120のうちの一つ以上を含むが、限定はされない。
【0018】
燃料容器108は燃料電池102に燃料を供給し、燃料電池102はチャージポート106を介してチャージもしくは燃料補給できる。流体制御システム104は、下記でさらに説明するように、燃料の分布と調節を提供する。流体マニホルド120は、流体制御システム104と、燃料電池102と、燃料容器108との間に燃料用の導管を提供する。流体マニホルドはまた、限定はされないが熱伝導流体を含む、他の流体を分布させるためにも使用できる。
【0019】
燃料容器などの流体容器は様々な形状をとることができる。一オプションでは、流体容器は可撓性である。さらに流体容器は、可溶性トリガー、破裂板や隔膜(ダイヤフラム)などの自己破壊的な種類、または、バネ圧力除去弁などの再密封可能な種類の、一つ以上の圧力除去部品で保護できる。圧力除去部品は一定圧力で作動するように設定され、“圧力によって作動”されてもよい。あるいは、圧力除去部品は一定温度で作動するように設定され、“熱によって作動”されてもよい。圧力除去部品はまた、“圧力作動式”と“熱作動式”の両方であってもよい。なおもさらに、流体容器は熱除去部品で保護できる。
【0020】
さらなるオプションでは、流体容器は交換式燃料カートリッジなどの燃料カートリッジを含むことができる。カートリッジは、例えばディスペンサーカートリッジ、使い捨て燃料アンプル、詰め替え式燃料タンク、もしくは燃料電池カートリッジを含んでもよい。燃料カートリッジは、燃料電池もしくは燃料電池層に接続可能な可撓性ライナーを含んでもよい。燃料カートリッジはまた、カートリッジを燃料電池、燃料電池層、もしくは詰め替え装置へと接続するための接続弁も含んでもよい。
【0021】
さらなるオプションでは、流体容器は境界面(interface)を持つシステム内で使用できる。システムは流体容器と接触するための歪み吸収境界面を随意に含む。例えば、境界面は剛体もしくは半剛体の部品と可撓性流体容器のために使用される。境界面は、流体容器に水素を入れる際の流体容器内の寸法の変化によるあらゆる歪みを吸収する。燃料電池の連通用の取付具もしくは流体装置などの剛体部品は、可撓性境界面を通して流体容器に結合でき、機械的応力によるせん断の危険がない。可撓性境界面は、より多くの部品構成と部品適用を可撓性流体容器で使用できるようにする。可撓性境界面は、歪みを吸収し、部品と容器の間の接続を支持する。
【0022】
例えば図10を参照すると、いくつかの実施形態に従う、流体容器境界面システム400の断面図が示される。システム400は、歪み吸収境界面404と第一の側面で接触する可撓性流体容器406を含む。第二の側面では、境界面404は特徴層402と接触し得る。特徴層は複数の特徴層を含んでもよく、または、機能部品をあわせて形成する一つ以上の特徴層を含んでもよい。容器406と特徴層402を接続する任意の流体接続408が境界面404内に配置されてもよい。
【0023】
流体容器406は、例えば外壁を複合水素貯蔵物質に適合するように結合させることによって形成される容器であってもよい。“適合するように結合(conformably coupled)”とは、二つの部品間に実質的に均一な接着を形成し、対応する形状もしくは形態で化学的もしくは物理的に結合するような方法で取り付けられることをあらわす。構造充填材もしくは複合水素貯蔵物質は、例えば容器外壁に適合するように結合されてもよく、その中で容器外壁は構造充填材もしくは複合水素貯蔵物質に化学的もしくは物理的に結合し、その形状をとる。容器外壁は、容器からの流体の拡散を少なくとも部分的に遅らせる役目を持つ、流体容器内の最外層である。容器外壁は、同じ物質もしくは異なる物質の多層を含んでもよい。容器外壁は例えばポリマーもしくは金属を含んでもよい。流体は例えば水素であってもよい。
【0024】
“複合水素貯蔵物質”とは、結合剤と混合される活性物質粒子をあらわし、結合剤は活性物質粒子間の相対的な空間関係を維持するために充分な程度に活性物質粒子を固定化する。活性物質粒子は、例えば金属水素化物など、水素を貯蔵できる物質粒子、または水素を吸蔵および脱着し得る物質粒子である。活性物質は、水素と接触して金属水素化物を形成できる、金属、金属合金、もしくは金属化合物であってもよい。例えば、活性物質はLaNi5、FeTi、ミッシュメタル、MmNi5などの金属の混合物もしくは鉱石であってもよく、Mmはランタニドの混合物をあらわす。活性物質粒子は、化学吸着、物理吸着、もしくはこれらの組み合わせによって水素を吸蔵し得る。活性物質粒子はまた、シリカ、アルミナ、ゼオライト、グラファイト、活性炭、ナノ構造炭素、マイクロセラミック、ナノセラミック、窒化ホウ素ナノチューブ、パラジウム含有物質、もしくはこれらの組み合わせも含んでもよい。複合水素貯蔵物質の実施例は、引用により本明細書に組み込まれる2006年4月24日出願の共有の米国特許出願No. 11/379,970に見られる。
【0025】
歪み吸収境界面404は、自身を可撓性にし、歪みを吸収し、容器406と特徴層402に接着することを可能にする任意の適切な材料で製造されてもよい。選ばれる材料は、特徴層402と容器406との間に、物理的もしくは化学的な適切な接着をもたらすべきであり、また、容器壁の歪みと特徴層402の剛性との間の歪みの差を許容して、いかなる接着にかかるせん断応力もその接着の強度を超えないようにするべきである。境界面404は例えばエラストマー材料もしくはケイ素材料で製造されてもよい。エラストマー材料は、例えば熱可塑性エラストマー、ポリウレタン熱可塑性エラストマー、ポリアミド、溶融加工可能なゴム、熱可塑性加硫物、合成ゴムおよび天然ゴムを含んでもよい。合成ゴムの実施例は、ニトリルゴム、VitonRゴム(E.I. DuPont de Nemours, a Delaware corporationから購入可能)などのフルオロエラストマー、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(EPDMゴム)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、およびフッ化炭素ゴム(FKM)を含んでもよい。
【0026】
流体容器406が流体を充填されるか、もしくは複合流体貯蔵物質によって吸蔵されると、容器406の寸法は増大する(図11参照)。歪み吸収境界面406は、厚さ412などの寸法が変形もしくは変化し得る。歪んだ境界面414はその後、容器406と特徴層402との間に、一貫したより応力の少ない接触を維持する。その後、境界面414が容器406の動きによって生じる歪みを吸収するにつれ、特徴層402は歪みをほとんど受けなくなる。境界面414は、容器406の寸法の変化によって生じる歪みの全てもしくは少なくとも一部を吸収してもよい。
【0027】
特徴層402は、例えば任意の付属品、取付具、連結器、弁、調節器、圧力除去部品、平面マイクロ流体装置、プレート、容器を出入りする水素の流れを制御し得る任意の装置、またはこれらの組み合わせであってもよい。多数の境界面404および多数の特徴層402が一つ以上の流体容器406と併用されてもよく、ここで特徴層は、限定はされないが流体制御システム、マニホルド、圧力調節器、チェック弁などの機能部品を形成する。別のオプションでは、境界面404を、流体制御システム、燃料電池、もしくは流体容器の入口に結合できる。
【0028】
図1Bは、システム100とマニホルド118のさらなる実施例を図示する。燃料電池システム100は、マニホルド118によって一つ以上の流体制御部品に流体結合された流体容器114を含む。一つ以上の流体制御部品は、流体制御システムや、圧力調節器部品、チェック弁部品、フロー弁部品、チャージ弁部品、圧力除去部品、導管、開閉弁、手動開閉弁、もしくは熱除去部品のうちの少なくとも一つを含むことができるが、限定はされない。
【0029】
圧力調節器部品116などの一つ以上の流体制御部品は、マニホルド118を介して燃料電池102に流体結合する。マニホルド118は一つ以上の導管チャネル130を中に含む。さらなるオプションでは、マニホルド118は圧力調節器116などの一つ以上の流体制御部品に流体結合し、燃料電池102に流体結合し、少なくとも一つのフィードバックチャネル129と供給チャネル133をさらに含むことができる。供給チャネル133は、燃料などの流体を燃料電池102へ供給する。フィードバックチャネル129は、燃料プレナム内の圧力から圧力調節器116へのフィードバックに基づいて調節器がパイロット操作される(piloted)ことを可能にし、燃料電池システムの流体プレナムに流体結合する。燃料電池システム100の部品の各々は、上記および下記で論じられる可撓性層構造によって形成できる。さらなるオプションでは、一つ以上の導管チャネル130は気体導管チャネルもしくはフィードバックチャネルを含む。
【0030】
システム100のさらなるオプションは以下の通りである。例えば、流体制御システム用の部品は、特徴を持つ二つ以上の特徴層を含む。特徴は、位置を持つ弁を含み、機能部品を通る流体の流れは弁の位置に基づいて制御可能である。システムは知覚流体圧力に応じて作動可能な可撓性特徴をさらに含み、可撓性特徴の位置は弁位置を比例的に制御する。可撓性特徴は随意に弾性特性を持つ。可撓性特徴は一オプションでは第二の圧力プレナムに統合される。さらなるオプションでは、可撓性特徴は流体制御システム部品を通る流れを所定の範囲の知覚流体圧力の間に制限する。なおもさらなるオプションでは、バネ部材が可撓性特徴に接触する。
【0031】
知覚流体圧力とは、一オプションでは、弁位置を制御する任意の圧力をあらわす。知覚流体圧力は、弁の上流圧力もしくは下流圧力、燃料電池の燃料プレナムなどの流体プレナムの圧力、環境圧力、システム内の任意の他の圧力、圧力差、およびこれらの組み合わせを含むことができる。知覚流体圧力は一オプションでは弁の下流圧力を含む。別のオプションでは、知覚流体圧力は低圧プレナム内の圧力を含み、および/または知覚流体圧力は高圧プレナム内の圧力を含む。なおもさらなるオプションでは、知覚流体圧力は少なくとも一つの燃料電池の流体プレナムの流体圧力である。
【0032】
特徴層の特徴は、第一の圧力プレナムと第二の圧力プレナムを含む少なくとも二つの流体プレナムを随意に含み、随意に、第一の圧力プレナムは調節されていない流体を受け取る高圧プレナムであり、第二の圧力プレナムは調節された流体を受け取る低圧プレナムである。一オプションでは、可撓性特徴の位置は弁の位置を比例的に制御し、かつ、第一の圧力プレナムと第二の圧力プレナムの間の流体の流れを制御する。多数のプレナムのさらなるオプションは以下の通りである。
【0033】
図12の実施例に断面で示すように、燃料電池層602は、流体圧力調節器装置604の配列502によって分離された高圧流体容器608と低圧アノード空洞609を含む、二重システムプレナム504の片側に配置される。一実施例では、二重システムプレナム504は燃料電池層602とおよそ同じ寸法を持ち、燃料電池層602はアノード空洞609と直接流体連通する。
【0034】
作動中、燃料もしくは他の流体はチャージポートもしくは入口606を介して高圧流体容器608に入ることができる。随意に、そのような入口に流体圧力調節器装置もしくは他の流体制御部品があってもよい。これにより、30 psiを超える圧力など、燃料もしくは他の流体の高い圧力は、流体圧力調節器装置604の配列によって、燃料電池層602のアノードに大きな力をかけることができないので、このような高い圧力が流体容器608内に存在することが可能になる。これは、全体として高圧のバルク燃料分布システムが利用されてもよいことを意味し、流体容器608内での燃料もしくは他の流体の循環を容易にし、燃料もしくは他の動力供給流体の局所的な欠乏が生じる可能性を避けることができる。随意に、多数の燃料電池層を単一のシステムとして作動できるように、多数の高圧流体容器が共通の入口に接続されてもよい。これにより、各燃料電池層を個別に圧力調節することが可能になり、圧力分布管理の必要がなくなり、多数の燃料電池層アセンブリを構成する別の方法を可能にする。
【0035】
流体圧力調節器装置604の配列502の低圧出口500からアノード空洞609への多数の入口が平行配置などで利用されるときには、有利なことに、流体(例えば燃料)の流速は、図13に示すように燃料電池層602の長さと幅に沿って均一もしくはほぼ均一である。
【0036】
再度図1Aを参照すると、例えば2007年3月21日出願の同時係属仮出願No. 60/919,472、代理人整理番号2269.060PV1、表題“FUEL MANIFOLD AND METHODS THEREFOR”、およびこれと同日出願の同時係属出願、代理人整理番号2269.060US1、表題“FLUID MANIFOLD AND METHODS THEREFOR”に論じられているように、流体マニホルド120は、流体制御システム104、燃料容器108、および/または燃料電池102と流体結合される。これらの出願の各々はその全容が引用により本明細書に組み込まれる。
【0037】
一実施例では、流体マニホルド120は、マニホルドが不必要な体積や不必要に大きな設置面積を占めないようなサイズであることを可能にし、さらに燃料供給システムのための圧力、体積、温度の必要条件が満たされることを可能にするような層構造を含む。流体マニホルド120は比較的薄い材料層で作ることができ、マニホルド120を可撓性にすることができる。可撓性マニホルドは部品の周囲で曲げることができ、もしくは部品の周囲に巻きつけることができ、より多数のアセンブリオプションを燃料電池システムに提供する。さらなるオプションでは、流体マニホルド120は流体制御システム104の一部として作ることができる。
【0038】
図2は、流体マニホルド120などの流体マニホルドの一部分の一実施例を図示する。流体マニホルド120のこの部分は、第一の側面124と第二の側面126によって部分的に画定される少なくとも一つの導管層122を含む。一オプションでは、少なくとも一つの導管層122は、例えば長さと幅と比較して、比較的薄い。一実施例では、少なくとも一つの導管層122の厚さは一般的に約1 mm未満である。別の実施例では、少なくとも一つの導管層122の厚さは約50μm〜1 mmである。一実施例では、層122の幅と長さはそれぞれ約1 mmと100 mmである。別の実施例では、少なくとも一つの導管層122の厚さは約100μmであり、層122の幅と長さはそれぞれ約1 mmと1.5 mmである。幅および/または長さは、マニホルドが組み込まれるシステムの形状のために変更できる。
【0039】
さらなるオプションでは、層の厚さは約10〜500ミクロンであり、高さもしくは幅もしくはチャネル深さなどの導管チャネルの寸法は、約50ミクロンから1 mmである。マニホルドの幅が導管チャネルの寸法の30倍よりも大きくなるように、層は非常に平面的である。別のオプションでは、マニホルドの幅は導管チャネルの寸法の3倍よりも大きい。他の範囲が可能であることに留意すべきである。
【0040】
少なくとも一つの導管層122は、中に少なくとも一つの凹部130をさらに含む。少なくとも一つの凹部130は、そこを通って流れる物質を導く物質誘導凹部である。少なくとも一つの凹部130は、一オプションでは、図2および図3Aに示すように導管層122を通って第一の側面124から第二の側面126まで及ぶ。別のオプションでは、少なくとも一つの凹部130は、図3Bに示すように部分的にのみ導管層122の側面内に及ぶ。なおも別のオプションでは、導管層122は二つ以上の凹部130を含む。例えば、第一の側面124から第二の側面126まで及ぶ二つ以上の凹部130を、導管層122内に配置できる。二つ以上の凹部130は、導管層122の一側面内に部分的に及ぶ凹部を含むことができ(図3B)、および/または、凹部130は層122を通って(すなわち、第一の側面124から第二の側面126を通って)のびることができる。
【0041】
二つ以上の凹部130は、導管層122内で互いに干渉しないように導管層122内に形成できる。あるいは、二つ以上の凹部130は導管層122内で互いに干渉するように導管層122内に形成できる。凹部130は導管層122に沿ってのび、燃料などの物質がそこを通って流れることを可能にする。
【0042】
別のオプションでは、第一の凹部132を導管層122の第一の側面124上に形成でき、第二の凹部134を導管層122の第二の側面126上に形成でき、ここで第一の凹部132と第二の凹部134は必ずしも第一の側面124から第二の側面126まで及ぶ必要はない。図3Cに示す実施例では、部分的な凹部136が導管層122の対向側面上に配置され、物質が第一の側面124上の凹部と第二の側面126上の凹部を介してそこを通って移動することを可能にする。
【0043】
導管層122は、別のオプションでは、金属、プラスチック、エラストマー、もしくは複合体のうちの一つ以上から、単独でもしくは組み合わせて形成される。少なくとも一つの凹部130は、一オプションでは層122内に、および/または層122を通して形成される。例えば、少なくとも一つの凹部130は、層122内に、および/または層122を通して、エッチングもしくはプレス(stamp)することができる。別のオプションでは、少なくとも一つの凹部130は、層内に、および/または層を通してドリルするか、レーザーで形成するか、層122内に成形するか、層122を打ち抜く(die cutting)か、あるいは層122内に、および/または層122を通して機械加工することができる。一オプションでは、少なくとも一つの凹部130は凹部の深さの約20倍の幅を持つ。別のオプションでは、少なくとも一つの凹部130は約1 mm〜2 mmの幅を持つ。なおも別のオプションでは、少なくとも一つの凹部は約50〜100μmの幅を持つ。
【0044】
流体マニホルド120は、図2に示すように、少なくとも一つの障壁層および/または密封層140をさらに随意に含む。さらなるオプションでは、流体マニホルド120は導管層122の対向側面上に配置された第一の密封層142と第二の密封層144を含む。例えば、第一の密封層142は導管層122の第一の側面124に対して隣接するとともに密封し、第二の密封層144は導管層122の第二の側面126に対して隣接するとともに密封する。これにより、凹部130が取り囲まれ、物質が通って移動する導管を形成できる。密封層142、144は、例えば限定はされないが接着剤、接合技術、もしくはレーザー溶接を用いて導管層122に結合できる。さらなるオプションでは、密封層142、144と導管層122は一緒に密封される。例えば層122、142、144は、熱接合、接着接合、接着(gluing)、はんだ付け、溶接、超音波溶接、拡散接合、ヒートシールなどを通して連結される。さらなるオプションでは、層122、142、144はシアノアクリレート接着剤を用いる接着によって結合される。なおも別のオプションでは、層122、142、144を積み重ね、MEMSや集積回路でなされるように選択的にエッチングすることができる。
【0045】
層122、142、144は、一オプションでは、機能部品、導管チャネルもしくはポートも一緒に接合されることなく層を接合できるように、接着剤もしくは他の接合剤を流すことができる一つ以上の接合領域369を含む。さらなるオプションでは、一つ以上の特徴層は、接合領域を機能領域から分離し、および/または接合材が機能領域に入ることを妨げる、リッジ(ridge)もしくは凹部などの物理的障壁、および/または化学的障壁などの障壁特徴を含むが、限定はされない。
【0046】
さらなるオプションでは、密封層142、144のうちの一つ以上は、中に一つ以上のポート150を含む。例えば、一つ以上のポート150は入口152と出口154を含むことができる。入口152と出口154は、凹部130に流体結合するように密封層144内に配置される。流体燃料などの物質は、入口152を通って中に入り、凹部130を通って、出口154から出ることができる。一つ以上のポート150は、マニホルド120と、マニホルド120が結合される部品(例えば限定はされないが燃料容器108(図1A)もしくは燃料電池102(図1A)など)との間に流体連通を提供する。マニホルド120が多数の位置に供給できるように、単一の入口と多数の出口がある流体分布システムとしてマニホルド120を使用できることに留意すべきである。例えば、マニホルド120が燃料電池層上の多数の位置に供給できるように、単一の入口と多数の出口を持つ水素分布としてマニホルド120を使用できる。
【0047】
さらなるオプションでは、濾材131を流路の一部分に組み込むことができる。例えば、濾材131は図3Aに示すように凹部130内に配置できる。別のオプションでは、濾材131は入口152などのポート150内に配置できる。濾材131は多孔質基体もしくは流れ抑制部材(flow constricting element)を含むことができる。別のオプションでは、濾材131は凹部130を画定できる。凹部130および/またはポート150内に配置される濾材131は、例えば流体マニホルド120が燃料電池システム内で自身もしくは他の部品の周囲に曲げられるときに、凹部130および/またはポート150の崩壊の防止に役立つ。例えば、第一の側面124から第二の側面126まで及ぶ二つ以上の凹部130を導管層122内に配置できる。二つ以上の凹部130は、導管層122内で互いに干渉しないように導管層122内に形成できる。あるいは、二つ以上の凹部130は、導管層122内で互いに干渉するように導管層122内に形成できる。凹部130は導管層122に沿ってのび、燃料などの物質がそこを通って流れることを可能にする。
【0048】
再度図1Aを参照すると、流体制御システム104は一つ以上の特徴層を持つ層構造を含む。特徴層300はそれぞれその上および/またはその中に特徴を含む。一オプションでは、特徴層300は例えば気密シールで互いに密封される。“気密”という用語は、流体を通さない接着をあらわすように理解されてもよい。例えば、接着は350 psiもしくは2.5 MPa以下で水素を実質的に通さないものであってもよい。
【0049】
特徴は流体制御システム104の機能部品の一つ以上の部分を提供する。特徴層300が互いに隣接して配置されるとき、ある層上の特徴は、物理的にか機能的に、もしくはその両方で別の層の特徴と接合され、接合された機能部品の部分は、流体制御システム104用の一つ以上の機能部品を形成する。例えば、第一の部品の第一の部分は第一の特徴層上に形成され、第一の部品の第二の部分は第二の特徴層上に形成される。第一の特徴層と第二の特徴層は、例えば限定はされないが第一の特徴層と第二の特徴層を積み重ねることによって接合され、第一の部分と第二の部分は接合されて機能的な第一の部品を形成する。
【0050】
流体制御システム104は、限定はされないが、一つ以上の特徴層300の特徴から形成された、少なくとも一つの圧力調節器部品200、チェック弁部品230、もしくはフロー弁部品などの一つ以上の異なる機能部品を含むことができる。特徴は、あわせて一つの機能部品を形成するように単一の特徴層上にあってもよい。別のオプションでは、特徴はあわせて一つの機能部品を形成するように多数の特徴層上にあってもよい。機能部品を形成するために多数の特徴層300が使用されるときは、多数の機能部品を多数の特徴層の単一アセンブリに組み込むことができる。例えば第一の部品が三つの特徴層上に形成される場合、三つ以下の特徴層を必要とする第二の部品もしくは第三の部品を、第一の機能部品の特徴からは離れるが、同じ特徴層上に形成できる。
【0051】
機能部品の一実施例は、例えば図4により詳細に示される圧力調節器部品200である。圧力調節器部品200は、一オプションでは多数の特徴層300上に形成され、各層300上の特徴は圧力調節器部品200の一部分を提供する。一実施例では、特徴層300は、第一の層204、第二の層206、第三の層208、もしくは第四の層209のうちの一つ以上を含むが限定はされない。第二の層206は第一の層204と第三の層208の間に配置され、第三の層208は第二の層206と第四の層209の間に配置される。四つよりも少ない層、もしくは四つよりも多い層を圧力調節器部品200のために使用できることに留意すべきである。層は比較的薄い材料のシートから形成できる。適切な材料は、金属、エラストマー材料、可塑性ゴム、銅、銅ベリリウム合金、アルミニウム、ステンレス鋼、アクリル、ケイ素、オレフィン、エポキシ、ポリエステル、黄銅、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、ヘキサフルオロプロピレンフッ化ビニリデン共重合体、もしくはこれらの組み合わせを含むが限定はされない。
【0052】
圧力調節器部品200は、第一の側面210と第二の側面212によって部分的に画定される。一オプションでは、第一の層204が第一の側面210を形成し、第四の層209が第二の側面212を形成する。第一の側面210および/または第二の側面212は、一オプションでは、燃料電池システムの隣接部品と協調的に相互作用するように構成できる。例えば、平面流体分布マニホルドへ境界面で接続(interface)するために側面を使用でき、あるいは側面シールを出口221などの周囲に置くことができる。
【0053】
第一の層204、第二の層206、第三の層208、第四の層209は流体制御システム104の特徴層に対応する。図4は特徴層の特徴から形成された単一の圧力調節器部品200を図示するが、多数の調節器を同じ層上に形成して同一平面調節器を得ることができると考えられることに留意すべきである。例えば、少なくとも一つの第一の圧力調節器部品と、一つ以上の第二の調節器を同じ層上に形成できる。圧力調節器部品200は、第一の圧力調節器部品を使用することと、第一の圧力調節器部品および一つ以上の第二の調節器を使用することを切り替える流体制御システム104の操作を可能にするような、図9の弁208などのスイッチをさらに含むことができる。第一の圧力調節器部品と第二の圧力調節器部品を作るために薄いシートもしくは層を使用することで、多数の調節器を同時に製造することが可能になり、さらに調節器の出力圧力を設定することを可能にし、少なくとも部分的に、第一の層204の相対サイズ、層の厚さ、層の弾性、層の可撓性、もしくはそれらの組み合わせに対して設定できる。
【0054】
圧力調節器部品200は高圧入口221と低圧出口223を持つ。圧力調節器部品200の層構造は出口圧力を調節でき、一方入口圧力は変化できる。再度第一の層204を参照すると、第一の層204は多数の機能を果たすことができ、その上に多数の特徴を含む。例えば第一の層204は、隔膜220と、低圧プレナム214へのキャップを圧力調節器部品200に提供し、低圧プレナム214は第一の層204と第二の層206の間に形成される。第一の層204は、一オプションでは弾性的に変形可能な材料から形成され、弾性的に変形可能な材料を介して作動部材228を通して調節器弁216をさらに随意に作動させる。適切な材料は、エラストマー材料、可塑性ゴム、銅、銅ベリリウム合金、アルミニウム、ステンレス鋼、黄銅、もしくはこれらの組み合わせを含むが限定はされない。別のオプションでは、調節器弁216の作動は、例えば層204が弾性部品であるとき、層204の厚さを介して変化させることができる。第一の層204は、低圧プレナム214内の圧力からの力に反作用する弾性バネ力をさらに提供する。一オプションでは、第一の層204の弾性スティフネスが調節器の出力圧力を決定する。圧力調節器部品200は作動部材228をさらに含み、作動部材228は第二の層206の開口部201を通して配置される。
【0055】
作動部材228は、弁216と、第一の層204の弾性的に変形可能な材料との間に接触をもたらす。一実施例では、作動部材228は、弁216と第一の層204との間に配置される部材を含み、あるいは部材は第一の層204と一体であってもよく、あるいは第一の層204の上に形成するか、あるいは第一の層204の一部として形成されてもよい。別のオプションでは、作動部材228は一体化して、もしくは層208の一部として形成できる。一オプションでは、作動部材228は、第一の層204と弁216の間に配置される球もしくはボール(図7C)を含む。別のオプションでは、作動部材228は第一の層204と弁216の間に配置される突起を含む。低圧プレナム214内の圧力が調節器の所望の出力圧力よりも下がるとき、第一の層204の隔膜220は、ボール(図7C)などの作動部材228を圧迫し、作動部材は弁216を開く。
【0056】
作動部材228のいくつかのオプションが可能である。例えば一オプションでは、作動装置を隔膜220の一つと一体化させることができる。別のオプションでは、作動装置を、限定はされないが板バネなどのバネ部材から形成できる。板バネは随意に一端が飛び出し、作動装置を形成する。別のオプションでは、バネ部材は密封弁に隣接して配置される。別のオプションでは、作動装置は、作動装置の作動にさらなるオプションを可能にする、形状記憶合金材料を含むことができる。なおも別のオプションでは、作動装置はピンチ型を持つ層であり、そこから突起を提供する。形状はまた、ボール部材もしくは他の形状であってもよい。別のオプションでは、限定はされないがバネを含む圧縮性材料が、第四の層209などの最下層上に配置され、随意に弛緩位置で弁を密封位置に置く。
【0057】
第二の層206を参照すると、第二の層206は、低圧プレナム214の一部分などの多数の特徴を含み、低圧プレナム214を高圧プレナム215から分離する。なおも別のオプションでは、第二の層206は調節器弁216に密封弁座218をさらに提供する。第三の層208は、第二の層206と第四の層209とさらに協調して、高圧プレナム215の一部分を画定する。第三の層208は調節器弁216をさらに含む。
【0058】
調節器弁216は調節器200内の開口部201を密封する。一オプションでは、弁216は、別の追加部品の必要なく弁216が層208と一体化するように層208内に形成される。別のオプションでは、層208と形成される弁216は作動部材228として機能することもできる。さらなるオプションでは、弁216は本体222、シール224、バネ部材226を含む。本体222は、例えばその中に成形されたシール224を中に持つ。本体222は、例えば片持ちバネなどのバネ部材226と結合し、これは弁216が閉弁位置から開弁位置へ、および開弁位置から閉弁位置へと移動することを可能にする。バネ部材226は例えば、層208内でバネ状の取り付けを可能にするように、層内に部材をエッチング、プレス、レーザー切断、打ち抜き、堆積、プリント、機械加工、成形、および/または電鋳することによって形成できる。バネ部材226の他のオプションは、ボールなどの変形可能部材、層209上のエラストマー領域もしくは屈折可能領域、弁216より下の変形可能部材などの部材、または層209の一部としての部材を含むが限定はされない。
【0059】
バネ部材226と弁216は高圧プレナム215内に配置される。調節器200の第四の層209は第三の層に隣接して配置され、例えば弁216の底などの弁216の外側部分を覆い、随意に入口221と出口223を調節器200に提供する。例えば第二の層206と第三の層208の中に配置されるポートを通して、入口221は高圧プレナム215と流体接続され、出口は低圧プレナム214に流体接続される。
【0060】
圧力調節器部品200の動作例では、燃料などの流体は入口221に入り、入口221からの流体は高圧プレナム215を加圧する。流体はさらに開いた調節器弁216を通過して低圧プレナム214へと入る。弁216は低圧プレナム内の低圧によって開く。低圧プレナム214の圧力が増加すると、第一の層204は、作動部材228が調節器弁216から引き離れるまで、229に向かって屈折され、弁216を弁座218に対して閉じ、低圧プレナム214内の圧力を制限する。低圧プレナム214内の流体が出口ポート223を通って流出すると、低圧プレナム214内の圧力は減少する。これにより、第一の層204を229から離して屈折させることができ、作動部材が調節器弁220を再度開き、さらに繰り返して周期を開始できる。
【0061】
上述の通り、燃料システム104は、限定はされないが圧力調節器部品200とチェック弁部品を含む一つ以上のマイクロ平面流体部品を含む。チェック弁部品は燃料容器を充填するために使用できる。図5は一つ以上の特徴層300を持つチェック弁部品230の一実施例の断面を図示する。例えば、チェック弁部品230の特徴層は、第一の層232、第二の層234、第三の層236などの三つの層を含み、第二の層234は第一の層232と第三の層236の間に配置される。チェック弁部品230の特徴層は、限定はされないが圧力調節器部品、マニホルドなどを含む、他の流体制御部品の同じ特徴層上に形成できることに留意すべきである。
【0062】
第一の層232は、一オプションでは、チェック弁部品230へキャップを提供する。第二の層234はエラストマー部材238を含み、第三の層236は入口ポート240と出口ポート242を中に持つ。入口ポート240と出口ポート242は異なる特徴層上に形成できることに留意すべきである。エラストマー部材238は入口ポート240に対して圧迫され、入口ポート240を密封する。一オプションでは、エラストマー部材238は層234内の特徴として形成される。別のオプションでは、エラストマー部材238は層234内に形成された特徴の中に挿入される別の部品である。なおも別の実施形態では、エラストマー部材238は層全体を含む。
【0063】
層232、234、236は、限定はされないが金属、エラストマー材料、可塑性ゴム、銅、銅ベリリウム合金、アルミニウム、ケイ素、ステンレス鋼、アクリル、オレフィン、エポキシ、ポリエステル、黄銅、PVDF、ヘキサフルオロプロピレンフッ化ビニリデン共重合体、もしくはこれらの組み合わせを含む材料のうちの一つ以上から作られ、エッチング、プレス、レーザー切断、打ち抜き、堆積、プリント、機械加工、成形、もしくは電鋳によって随意に形成される。層234は、例えばエラストマー材料からの材料の成形もしくはエッチングによって形成できる。層238は、加圧燃料が入口240から離れて層238を変形できるように、層232と236よりも柔らかい。
【0064】
燃料容器などの容器の充填中、燃料などの加圧流体がチェック弁部品230の入口ポート240へ加えられる。例えば容器を充填する際、流体マニホルドは燃料電池もしくは他のシステム部品と相互作用するか、あるいは、部品を引き離している内部の流体圧力による力が、接着接合の強度によって容易に打ち消されるように、比較的大きな表面積にわたってはたらく接着剤を用いて、燃料電池もしくは他のシステム部品に結合できる。高い内圧は比較的低い引張強度を持つ接合で打ち消すことができる。
【0065】
容器を充填する際には、圧力によって作動する弁など、取り外し可能な結合用の装置を使用できる。例えば、圧力によって作動する一方向弁は、例えば流体燃料などの流体が、燃料貯蔵システム用の流体容器の中へと流れることを可能にする。燃料補給中、燃料は流体容器の中へ流れることはできるが、燃料は燃料容器から逆流することはできない。一オプションでは、流体容器が燃料で過剰に加圧される場合は、燃料の流れは流体容器から逆流することが許される。
【0066】
外部燃料補給装置は、密封面の一部分に対してシールを形成でき、例えば入口ポートの周囲を、Oリングもしくはガスケットなどのシールで密封できる。燃料は燃料制御システムに導入され、燃料の流体圧力が圧縮性部材を圧縮し、圧縮性部材と外側カバーの間のシールを壊す。別のオプションでは、外側カバーの外部を取り巻く環境が燃料で加圧され、燃料補給弁アセンブリを通して燃料容器の中へと燃料を押し込んでもよい。
【0067】
燃料補給プロセスが完了すると、燃料補給器具は弁アセンブリから取り外され、弁は閉じられる。例えば、圧縮性部材が減圧し、燃料容器からの流体圧力が、燃料出口ポートを通って、圧縮性部材に圧力を加え、圧縮性部材を外側カバーに対して押し付ける。圧縮性部材の減圧および/または容器からの流体圧力は、圧縮性部材と外側カバーの間にシールを作り、燃料が圧縮性部材を通過して燃料入口ポートの中へ流れないようにする。別のオプションでは、燃料容器内の圧力が大き過ぎる場合、もしくは所定の量よりも大きい場合、意図的に故障するように圧縮性部材および/または流体拡散部材を設計できる。
【0068】
別のオプションでは、システムを別の部品に結合するために流体結合アセンブリを使用できる。結合アセンブリは、第一の結合部材、第二の結合部材、およびこれらの間の密封部材を含む。第一の結合部材と第二の結合部材は、引き付けあう極性を持つ第一の磁気部材と第二の磁気部材を用いるなど、磁気的に係合可能である。第一の結合部材と第二の結合部材の係合は、その間に流体流路を開く。結合部材が離れるとき、この流体流路は密封される。
【0069】
再度図5を参照すると、流体からの圧力がエラストマー部材238を屈折させ、流体が部材238を通過し、部材238の少なくとも一部分を取り囲む弁プレナム282の中へと流れるようにする。流体は随意に、プレナム282から出口ポート242を通って移動し、例えばマニホルド120(図1A)を通って容器の方へ向けられる。加圧流体の供給源が入口ポート240から取り外されると、エラストマー部材238は再度入口ポート240に対して密封し、燃料が入口ポート240を通って逆流するのを防ぐ。一オプションでは、チェック弁部品230は例えば第三の層236に沿って流体マニホルドに結合する。
【0070】
流体制御システム104(図1A)は、例えば燃料を遮断する、および/または燃料にシステムを通過させるための一つ以上のフロー弁部品をさらに含む。フロー弁部品は多数の特徴層上に形成され、特徴層は特徴を持つ。チェック弁部品と同様に、フロー弁部品は圧力調節器部品および/またはチェック弁部品の同じ特徴層上に形成できる。フロー弁部品は、機械的作動もしくは化学的作動を用いて作動できる。別のオプションでは、フロー弁部品は電気的作動を用いて作動できる。図6は、中に一つ以上の層262を持つ電気的に作動されるフロー弁部品260の一実施例を図示する。一オプションでは、フロー弁部品260は、第一の層264、第二の層266、第三の層268、第四の層270を含む。第一の層264はフロー弁部品260にキャップを提供する。第二の層266は、一オプションでは、隣接層上の特徴の開状態と閉状態を作動させる特徴を含む。例えば、第二の層266はプリント抵抗回路層を含む。第二の層266はフロー弁部品260の開閉を制御するために使用できる。第三の層268は開状態と閉状態の作動を提供し、例えば形状記憶合金から形成され、例えば第二の層266によって始動できる。第四の層270は、弁座272、入口ポート274と出口ポート276、および流体マニホルド120(図1A)への任意の取り付け用の基部278を提供する。開状態では、熱などのエネルギーが作動装置279へ加えられ、作動装置279は弁座272から離される。例えば、抵抗層を通って流れる電流を使用して形状記憶合金を加熱でき、作動装置279が弁座272から離れて上へ曲がることを可能にする。閉状態では、作動装置279は弁座272に対して押し付けられ、弁座272を密封する。例えば、形状記憶合金は冷却されて変形されていない状態に戻り、弁座272を圧迫してもよい。
【0071】
流体制御システム104は、互いに相互作用する特徴層300で形成され、層300の相互作用の結果として形成される多数の部品を含む。圧力調節器部品、チェック弁部品、もしくはフロー弁部品のうちの少なくとも一つ以上を含むが限定はされない流体制御システム104の部品は、それぞれ一つ以上の特徴層300の上に形成され、特徴層300を共有してもよい。例えば、圧力調節器部品の特徴は、少なくとも一つのチェック弁部品および/またはフロー弁部品と同じ特徴層300の上にあってもよい。
【0072】
図7A、7B、7Cは、例えば各々が特徴を持つ特徴層301、302、303、304、305といった特徴層300を有する流体制御システム104の一実施例を図示する。流体制御システム104は次の部品のうちの少なくとも一つを含む。すなわち、圧力調節器部品200、フロー弁部品260、チャージ弁部品340、もしくは圧力除去部品322。部品のうちの一つ以上を含むことができ、それらは随意に互いに同一平面上にあることに留意すべきである。
【0073】
特徴層300は、層を含む流体集積回路に、積み重ねられて結合された多数の特徴を提供する化合物構造を形成する。特徴層300の特徴はあわせて機能部品を形成する。層は外部マニホルド上に取り付けることができ、あるいはマニホルドは層構造の一部として一体化することもできる。例えば、層構造の一部分は、層を通る導管を形成する多数の層を通って続き、燃料容器や燃料電池などの部品と境界面で接続することができる。
【0074】
層は、より大きなシート上に結合した部品の配列として形成し組み立てることができる。層は、限定はされないが、エッチング、プレス、レーザー切断、打ち抜き、堆積、プリント、機械加工、成形、もしくは電鋳などの、多数の部品の製造を容易にする様々なプロセスで作成される。例えば、サブシステムを同時に組み立てることができ、その後、同じもしくは類似するサブシステムのうちのいくつかの配列から除去できる。多数の部品は同じ層上に互いに隣接して作ることができる。さらに、多数の部品のアセンブリは、その層を形成している同じ材料シートから同時に作ることができ、その後個々の流体システムを作るために切り離すことができる。層は、例えば限定はされないが以下の技術のうちの一つ以上を用いて結合し密封できる。すなわち、接着(gluing)、接着接合、熱接合、拡散接合、溶接、もしくははんだ付け。層は、一オプションでは、機能部品、導管チャネルもしくはポートも一緒に接合されることなく層を接合できるように、接着剤もしくは他の接合剤を流すことができる一つ以上の接合領域を含む。さらなるオプションでは、一つ以上の特徴層は、接合領域を機能領域から分離し、および/または接合材が機能領域に入ることを妨げる、リッジ(ridge)もしくは凹部などの物理的障壁、および/または化学的障壁などの障壁特徴を含むが、限定はされない。
【0075】
層構造は小さくされ、層の製造および組立に、ナノ製造技術および/またはマイクロ製造技術を利用できる。例えば、層の製造および/または組立用のプロセスは、マイクロ流体応用プロセス、もしくは、エッチングなどのプロセスが後続するマスク形成用の化学蒸着を含むが限定はされない。加えて、薄層構造の製造で使用するための材料は、ケイ素、ポリジメチルシロキサン、パリレン、もしくはこれらの組み合わせを含むが限定はされない。
【0076】
層は小さく平面的である。例えば層の厚さは約10〜500ミクロンである。層の平面部分の幅が層の厚さの30倍よりも大きくなるように、層は非常に平面的である。別のオプションでは、層の幅は層の厚さの3倍よりも大きい。他の範囲が可能であることに留意すべきである。
【0077】
層が互いに隣接して配置されるとき、層は一緒に動作可能なように相互作用するように構成される。部品のうちの一つ以上を、より小さな部品の配列で置き換えることができることに留意すべきである。例えば、個々の調節器を調節器部品の配列で置き換えることができる。調節器の配列は、配列の一部が機能しないかもしれないときでも、システム全体は作動し続けることができるように、耐故障システムを提供してもよい。これは効果的なやり方で燃料を分布させる能力にさらに対応し、例えば調節器配列は、不十分な燃料分布によって生じる問題を減らすように燃料電池もしくは燃料容器内に分布させることができる。
【0078】
特徴層によって形成される部品の一実施例は、圧力調節器部品200を含む。圧力調節器部品200の一部分を形成する特徴は、層301、302、303、304上に形成される。例えば高圧プレナムの少なくとも一部分は層301上に形成され、弁216の少なくとも一部分は層302上に形成され、低圧プレナム214の少なくとも一部分は層303上に形成され、隔膜220は層304上に形成される。特徴は様々な層301、302、303、304の上に形成され、層は一緒に接合され、例えば層は互いに隣接して配置され、随意に結合される。特徴は同じ特徴層もしくは他の特徴層の上の特徴と相互作用し、圧力調節器部品200などの機能部品をあわせて形成する。下記でさらに述べるように、一部品の特徴が別の部品の特徴と層を共有するように、他の部品を層301、302、303、304を含む様々な層上に形成できる。例えば、特徴と、結果として得られる機能部品は同一平面上にある。
【0079】
流体制御システム104の作動中、燃料などの流体は入口ポート221を通って調節器200に入り、高圧プレナム215に入る。高圧プレナム215は調節器弁216を取り囲み、三つの弾性部材などのバネ部材226は、弁が作動装置ボールなどの作動部材228によって作用されない限り、弁座に対して弁216を閉じておく。低圧プレナム214内の圧力が、意図された調節器の出力圧力よりも低いとき、隔膜220は作動部材228を圧迫し、次に作動部材228は調節器弁216を開く。弁216が開弁位置にあるとき、所望の圧力に達し、調節器弁216を閉じるために充分に隔膜220が屈折するまで、燃料などの流体が高圧プレナム215から低圧プレナム214へと流れることができる。
【0080】
流体は開口部330を通って調節器200から出て、フロー弁部品370のフロー弁プレナム332に入る。フロー弁部品は、フロー弁部品などの機能部品をあわせて形成する異なる特徴層の上に特徴を持つ。フロー弁部品は、この実施例では調節器弁216と類似している。しかしながら、調節器弁216のように作動部材228によって作動されるというよりも、フロー弁部品は、出口ポート334を通してフロー弁部品に対して押し付けられたピンで開かれる。出口ポート334は例えばマニホルド120(図1A)を介して燃料電池102(図1A)に接続できる。
【0081】
チャージ弁部品340は、図7Cに示すように、相互作用し、かつ機能部品をあわせて形成する一つ以上の特徴層300の上に形成された特徴を持つ別の部品である。チャージ弁部品340は、特徴層303のチャージポート344に対して密封するように押しつけられた、ゴム部材などの特徴層302のバネ部材342を含む。チャージ圧力がチャージポート344に加えられると、チャージ圧力によってバネ部材342がチャージポート344から離れて変形され、特徴層301のポート346に気体が流れて入るようになる。ポート346は随意に流体容器108(図1A)に流体接続される。
【0082】
多数の異なる特徴層300を用いて作ることができる別の部品は、圧力除去部品350を含む。圧力除去部品350は、特徴層301のポート354に対して密封するゴム部材などの特徴層302のバネ部材352を含む。ポート354は燃料容器108(図1A)に流体接続され、容器圧力が所定値を超えるとき、バネ部材352は燃料容器108内の圧力によってポート354から離れて変形される。これによって、燃料などの流体が、特徴層303、304によって形成されるポートを通って流れ、通過し、大気へ排出する特徴層305のポート360に入ることが可能になる。一オプションでは、調節器200、チャージ弁部品340、圧力除去部品350は、ポート221、346、354を通って別々に燃料容器108と連通する。別のオプションでは、層301より下の追加のマニホルド層を加えることができ、ポートを、一つのポートなど、より少ないポートに組み合わせることができる。
【0083】
図8Aと8Bは、特徴を含む特徴層300から形成された流体制御システム104の一実施例を図示する。特徴層300は、限定はされないが、エッチング、エッチング、プレス、レーザー切断、打ち抜き、堆積、プリント、機械加工、成形、もしくは電鋳などの様々な技術によって形成できる。特徴の配列を各特徴層上に形成でき、層を接合させることによって機能部品の配列を形成できる。一実施例では、第二の特徴層が第一の特徴層の上に積み重ねられ、機能部品の配列が形成される。限定はされないが、熱接合、接着接合、はんだ付け、溶接、超音波溶接、拡散接合、ヒートシールなどの様々な技術で、随意に第二の特徴層が第一の特徴層に結合される。
【0084】
特徴層300は、流体制御システムの部品の一部を形成する特徴をその中もしくはその上に含む。流体制御システム104の部品の実施例は、チェック弁部品230、第一の調節器212、および少なくとも一つの第二の調節器217を含む。
【0085】
第一の調節器212と第二の調節器217は、一オプションでは同様の構造を持つ。圧力調節器部品212、217の一部を形成する特徴は、層301、302、303、304の上に形成される。例えば、高圧プレナムの少なくとも一部は層301上に形成され、弁216と部材226の少なくとも一部は層302上に形成され、低圧プレナム214の少なくとも一部は層303上に形成され、隔膜220は層304上に形成される。特徴は様々な層301、302、303、304の上に形成され、層は接合され、例えば層は互いに隣接して配置され、随意に結合される。特徴は他の特徴層上の特徴と相互作用し、圧力調節器部品212、217などの機能部品をあわせて形成する。圧力調節器部品212、217は随意に同一平面上にある。
【0086】
チェック弁部品230は、多数の特徴層300の上、中に形成された、もしくは多数の特徴層300の上に配置された特徴から形成される。チェック弁部品230は燃料電池の燃料容器に燃料を供給するために使用できる。特徴層303は、一オプションではチェック弁部品230にキャップ391を提供する。特徴層302はエラストマー部材を含み、第三の特徴層301は入口ポート240と出口ポート242を中に持つ。入口ポート240と出口ポート242は異なる特徴層上に形成できることに留意すべきである。エラストマー部材は入口ポート240に対して圧迫され、入口ポート240を密封する。
【0087】
例えば燃料電池の燃料供給など、流体の充填中、燃料などの加圧流体がチェック弁部品230の入口ポート240に加えられる。流体からの圧力はエラストマー部材を屈折させ、流体が部材を通り過ぎて、部材の少なくとも一部分を取り囲む弁プレナムへ入るようにする。流体は随意にプレナムから出口ポート242を通って移動し、例えばマニホルド120(図1A)を通って容器の方へ向けられる。充填が完了するとき、エラストマー部材は入口ポート240に対して密封し、流体が入口ポート240を通って逆流するのを防ぐ。一オプションでは、チェック弁部品230は例えば特徴層301に沿って流体マニホルドに結合する。
【0088】
図9を参照すると、流体制御システム104のシステム配置が図示される。一オプションでは、流体制御システム104は、燃料補給入口202、チェック弁部品204、圧力選択弁206、開閉弁208、および/または、例えば燃料電池102(図1A)への出口210のうちの一つ以上を含む。開閉弁208は、燃料電池システムがオフになると燃料供給を停止する。燃料システム104は燃料容器108(図1A)への接続211をさらに随意に含む。
【0089】
流体制御システム104は少なくとも一つの圧力調節器部品200を随意に含む。一実施例では、少なくとも一つの圧力調節器部品200は少なくとも一つの第一の圧力調節器部品212を含む。さらなるオプションでは、少なくとも一つの圧力調節器部品200は、少なくとも一つの第一の圧力調節器部品212および/または少なくとも一つの第二の圧力調節器部品217を含む。一オプションでは、流体制御システム104は多数の圧力調節器部品200を含み、例えば多数の第二の圧力調節器部品217、もしくは第二の圧力調節器部品217の配列を単独で含むか、あるいは第一の圧力調節器部品と組み合わせて含む。
【0090】
システムによって供給される燃料電池が幅広い範囲の入口圧力を許容できるとき、あるいは、燃料貯蔵圧力などの流体貯蔵圧力と、要求される出口圧力との差が低いとき、単一の第一の圧力調節器部品などの第一の圧力調節器部品が使用されてもよい。システムによって供給される燃料電池が幅広い圧力を許容できないとき、システム104は第一の調節器と第二の調節器の両方で構成され得る。
【0091】
第一の圧力調節器部品212は、第二の圧力調節器部品217に対して圧力を下げる。さらに第一の圧力調節器部品212は、第二の圧力調節器部品217の出力に対する、変動する燃料容器圧力の影響を軽減する。第一の圧力調節器部品212と第二の圧力調節器部品217、および/または二つ以上の第二の圧力調節器部品217は、異なる出力圧力に設定できる。この構成では、調節器のうちの一つは、燃料電池が待機運転中のときに低圧を提供でき、他方でもう一方は、燃料電池が作動中であるときに高圧を提供できる。このオプションは、気体パージ、水管理などの補助的な燃料電池管理機能のための圧力の調整を含む、幅広い範囲の燃料電池の動作モードをサポートするように調整された多数の圧力を含むまで拡張できる。多数の第二の圧力調節器部品を使用することで、作動圧力のデジタル選択が可能になり、連続的に変化する圧力調節システムの必要がなくなる。
【0092】
一オプションでは、圧力選択弁206は高圧の第二の調節器217への流れを制御し、多数の第二の調節器217の連結出力の圧力を制御する。圧力選択弁206が閉まると、第二の圧力調節器部品217の出力は低圧になり、一方弁206が開くと、出力は高圧になる。一オプションでは、第二の調節器217の一つもしくは両方は、燃料電池102(図1A)における燃料圧力からパイロット圧制御される。これにより、燃料電池における燃料圧力を、調節器200と燃料電池102(図1A)の間の燃料導管内の圧力損失によって影響されずに、一定のままにすることができる。
【0093】
上述の通り、二つ以上の第二の調節器217を燃料制御システム104内に含めることができる。例えば、各々が独自の圧力選択弁を持つ平行な第二の調節器217の配列は、圧力を徐々に増加および減少できるデジタル圧力制御を可能にする。配列内の調節器217は各々異なる出力圧力を持つ。
【0094】
燃料電池圧力は、導管を通して圧力調節器部品の物理的な位置へと容易にフィードバックされる。加えて、多段階による弁の作動のためにシステムへ機械力を提供するために、調節されていない気体圧力を使用できる。これにより、システムは最低限の外部エネルギー入力で作動できるようになる。さらなるオプションでは、圧力調節器部品は層状材料の単一のシートから同時に作ることができ、多数の出口を持つ多数の調節器部品へ供給する単一の入口を持つことが可能である。
【0095】
上記の装置で使用するための方法、もしくは上記の装置を作るための方法は以下の通りである。例えば一オプションでは、方法は、一つ以上の特徴層上に少なくとも一つの第一の特徴を形成すること、一つ以上の特徴層のいずれかの上に少なくとも一つの第二の特徴を形成すること、および少なくとも一つの第一の特徴を少なくとも一つの第二の特徴に相互作用的に関連付け、少なくとも一つの機能部品を形成することを含む、流体制御システムを形成するための方法を含む。一オプションでは、少なくとも一つの第一の特徴を少なくとも一つの第二の特徴に相互作用的に関連付けることを含む方法は、一つ以上の特徴層を積み重ねることを含み、少なくとも一つの第一の特徴もしくは少なくとも一つの第二の特徴を形成することは、一つ以上の特徴層上に特徴をエッチング、プレス、レーザー切断、打ち抜き、堆積、プリント、機械加工、成形、もしくは電鋳することを含む。
【0096】
さらなるオプションでは、少なくとも一つの機能部品を形成することは、少なくとも一つの圧力調節器部品、少なくとも一つのチェック弁部品、少なくとも一つのフロー弁部品、少なくとも一つの導管部品、圧力除去部品、もしくは熱除去部品のうちの一つ以上を形成することを含む。なおも別のオプションでは、少なくとも一つの特徴層を形成することは、金属、エラストマー材料、可塑性ゴム、銅、銅ベリリウム合金、アルミニウム、ステンレス鋼、アクリル、ケイ素、オレフィン、エポキシ、ポリエステル、黄銅、PVDF、ヘキサフルオロプロピレンフッ化ビニリデン共重合体、もしくはこれらの組み合わせから、少なくとも一つの特徴層を形成することを含む。特徴層は一緒に密封でき、特徴層を密封することは、特徴層を一緒に接着、接着接合、熱接合、拡散接合、溶接、はんだ付けすること、もしくはこれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む。
【0097】
なおも別のオプションでは、システムを作動させる方法は、流体容器を流体制御システムに流体結合することを含み、流体制御システムは、少なくとも一つの機能部品と、特徴を持つ二つ以上の特徴層とを含み、二つ以上の特徴層のいずれかの特徴は、少なくとも一つの機能部品を相互作用的に形成し、方法は、流体容器から流体制御システムへ流体を移動させることをさらに含む。方法は、歪み緩和境界面を介して移動させることを随意に含み、および/または、流体容器から流体制御システムへ流体を移動させることは、燃料カートリッジから流体を移動させること、および/または少なくとも一つの燃料電池へ流体を移動させることを含む。なおもさらなるオプションでは、流体容器から流体を移動させることは、流体マニホルドを介して少なくとも一つの燃料電池へ流体を移動させること、および/または燃料電池の流体プレナムから流体マニホルドを介して流体制御システムへ流体を移動させることを含む。さらなるオプションでは、流体は流体マニホルドのフィードバックチャネルを通る流体の流れに基づいて移動される。
【0098】
方法は、流体制御システムをチャージポートに流体結合することをさらに随意に含み、随意に、流体制御システムをチャージポートに流体結合することは、流体制御システムを流体マニホルドを介してチャージポートに流体結合することを含む。
【0099】
流体制御システムは層構造であり、様々な層の特徴は、限定はされないが、圧力調節器部品、チェック弁部品、フロー弁部品、および流体導管の機能などの、流体制御システム用の機能を実現するように相互作用する。流体制御システムは例えばマイクロ流体用途において効率的な流体分布を提供する。小型の層により、多数の同一の部品を含めることが可能になり、高い信頼性と機能的柔軟性をもたらす。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態の説明では、本明細書の一部を成す添付の図面を参照しており、その図面においては、実践され得る本発明の具体的な実施形態が例として示される。図面において、類似する数字は複数の図にわたって実質的に同様の構成要素を説明する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実践できるように充分詳細に記載される。他の実施形態が利用されてもよく、本発明の範囲から逸脱することなく、構造的、論理的、および電気的な変更がなされてもよい。「発明を実施するための形態」は限定的な意味でとられるものではなく、本発明の範囲は、添付の請求項が権利付与される均等物の全範囲と共に、請求項によってのみ規定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの機能部品と、
特徴を持つ二つ以上の特徴層とを含み、
前記二つ以上の特徴層のいずれかの特徴は、前記少なくとも一つの機能部品をあわせて形成するように相互作用することを特徴とする、
流体制御システム。
【請求項2】
前記特徴層のうちの一つ以上は入口と出口を含む、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項3】
前記特徴層は互いに流体連通する、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項4】
少なくとも二つの機能部品をさらに含み、前記二つ以上の特徴層のうちのいずれかの特徴は前記少なくとも二つの機能部品をあわせて形成する、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項5】
前記機能部品は互いに同一平面上にある、請求項2に記載の流体制御システム。
【請求項6】
前記特徴層のうちの少なくとも一つは二つ以上の特徴を含み、前記二つ以上の特徴は共通平面内で互いに流体連通する特徴の配列を含む、請求項3に記載の流体制御システム。
【請求項7】
前記少なくとも一つの機能部品は、圧力調節器部品、チェック弁部品、フロー弁部品、チャージ弁部品、圧力除去部品、導管、もしくは熱除去部品のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項8】
前記特徴層は一つ以上の接合領域を含む、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項9】
前記少なくとも一つの機能部品は、少なくとも一つの第一の圧力調節器と、少なくとも一つの第二の圧力調節器を含む、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項10】
前記二つ以上の特徴層は積み重ねられ結合される、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項11】
前記特徴層は互いに気密シールを持つ、請求項10に記載の流体制御システム。
【請求項12】
密封層をさらに含む、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項13】
4〜10の特徴層が特徴を持つ、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項14】
前記特徴層のうちの一つ以上は導管チャネルを含み、特徴層の幅は導管チャネル寸法の約30倍よりも大きい、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項15】
位置を持つ弁であって、機能部品を通る流体の流れは前記弁の位置に基づいて制御可能であることを特徴とする弁と、
知覚流体圧力に応じて作動可能な可撓性特徴であって、前記可撓性特徴の位置は前記弁の位置を比例的に制御することを特徴とする可撓性特徴と、
を含む特徴を持つ、二つ以上の特徴層を含む、流体制御システム用の部品。
【請求項16】
前記知覚流体圧力は前記弁の下流圧力を含む、請求項15に記載の部品。
【請求項17】
前記特徴は、第一の圧力プレナムと第二の圧力プレナムを含む少なくとも二つの流体プレナムを含む、請求項15に記載の部品。
【請求項18】
前記第一の圧力プレナムは調節されていない流体を受け取る高圧プレナムであり、前記第二の圧力プレナムは調節された流体を受け取る低圧プレナムである、請求項17に記載の部品。
【請求項19】
前記知覚流体圧力は前記低圧プレナム内の圧力を含む、請求項18に記載の部品。
【請求項20】
前記知覚流体圧力は前記高圧プレナム内の圧力を含む、請求項19に記載の部品。
【請求項21】
前記可撓性特徴は前記第二の圧力プレナムと一体化される、請求項17に記載の部品。
【請求項22】
前記可撓性特徴の位置は前記弁の位置を比例的に制御し、前記第一の圧力プレナムと前記第二の圧力プレナムの間の流体の流れを制御する、請求項15に記載の部品。
【請求項23】
前記可撓性特徴は、前記部品を通る流れを知覚流体圧力の所定の範囲の間に制限する、請求項15に記載の部品。
【請求項24】
前記可撓性特徴は弾性特性をもつ、請求項15に記載の部品。
【請求項25】
前記可撓性特徴と接触するバネ部材をさらに含む、請求項15に記載の部品。
【請求項26】
少なくとも一つの機能部品と、
特徴を持つ二つ以上の特徴層とを含む、
少なくとも一つの流体制御システムを含み、
前記二つ以上の特徴層のうちのいずれかの特徴は、前記少なくとも一つの機能部品をあわせて形成し、
前記少なくとも一つの流体制御システムと連通可能なように結合した少なくとも一つの流体容器を含む、
システム。
【請求項27】
前記特徴層の平面部分の幅は前記特徴層の厚さの約30倍よりも大きい、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記少なくとも一つの機能部品は圧力調節器部品を含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記少なくとも一つの流体容器のうちの一つ以上は可撓性である、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも一つの流体容器と、前記少なくとも一つの流体制御システムのうちの一つ以上との間に、一つ以上の歪み吸収境界面をさらに含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項31】
前記一つ以上の歪み吸収境界面は前記少なくとも一つの流体容器と流体連通する、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記少なくとも一つの流体制御システムと連通可能なように結合した少なくとも一つの燃料電池をさらに含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項33】
前記少なくとも一つの機能部品は圧力調節器部品である、請求項26に記載のシステム。
【請求項34】
知覚流体圧力に応じて作動可能な可撓性特徴をさらに含み、前記知覚流体圧力は前記少なくとも一つの燃料電池の流体プレナムの流体圧力である、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
一つ以上の特徴層上に少なくとも一つの第一の特徴を形成するステップと、
前記一つ以上の特徴層のうちのいずれかの上に少なくとも一つの第二の特徴を形成するステップと、
前記少なくとも一つの第一の特徴を前記少なくとも一つの第二の特徴に相互作用的に関連付け、少なくとも一つの機能部品を形成するステップと、
を含む、流体制御システムを形成するための方法。
【請求項36】
前記少なくとも一つの第一の特徴を前記少なくとも一つの第二の特徴に相互作用的に関連付けるステップは、前記一つ以上の特徴層を積み重ねるステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記少なくとも一つの第一の特徴もしくは前記少なくとも一つの第二の特徴を形成するステップは、前記一つ以上の特徴層上に特徴をエッチング、プレス、レーザー切断、打ち抜き、堆積、プリント、機械加工、成形、もしくは電鋳するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
少なくとも一つの機能部品を形成するステップは、少なくとも一つの圧力調節器部品、少なくとも一つのチェック弁部品、少なくとも一つのフロー弁部品、少なくとも一つの導管部品、圧力除去部品、もしくは熱除去部品のうちの一つ以上を形成するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記少なくとも一つの特徴層を形成するステップは、金属、エラストマー材料、可塑性ゴム、銅、銅ベリリウム合金、アルミニウム、ステンレス鋼、もしくはこれらの組み合わせから、前記少なくとも一つの特徴層を形成するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記少なくとも一つの特徴層を形成するステップは、アクリル、オレフィン、エポキシ、ポリエステル、黄銅、PVDF、ヘキサフルオロプロピレンフッ化ビニリデン共重合体、もしくはこれらの組み合わせから、前記少なくとも一つの特徴層を形成するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記特徴層を一緒に密封するステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記特徴層を密封するステップは、前記特徴層を一緒に接着、接着接合、熱接合、拡散接合、溶接、はんだ付けするステップ、もしくはこれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
流体容器を流体制御システムに流体結合するステップであって、前記流体制御システムは、少なくとも一つの機能部品と、特徴を持つ二つ以上の特徴層とを含み、前記二つ以上の特徴層のいずれかの特徴は、少なくとも一つの機能部品を相互作用的に形成することを特徴とする、ステップと、
前記流体容器から前記流体制御システムへ流体を移動させるステップを含む、流体を移動させるステップと、
を含む、システムを作動させる方法。
【請求項44】
流体を移動させるステップは、歪み緩和境界面を介して移動させるステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記流体容器から前記流体制御システムへ流体を移動させるステップは、燃料カートリッジから流体を移動させるステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
少なくとも一つの燃料電池へ流体を移動させるステップをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記流体容器から流体を移動させるステップは、流体マニホルドを介して前記少なくとも一つの燃料電池へ流体を移動させるステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
燃料電池の流体プレナムから、流体マニホルドを介して前記流体制御システムへ流体を移動させるステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項49】
前記流体は前記流体マニホルドのフィードバックチャネルを通る流体の流れに基づいて移動される、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
前記流体制御システムをチャージポートに流体結合するステップをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項51】
前記流体制御システムを前記チャージポートに流体結合するステップは、流体マニホルドを介して前記流体制御システムを前記チャージポートに流体結合するステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項52】
前記流体容器から流体を移動させるステップは、気体、液化ガス、加圧液体、もしくはこれらの組み合わせを移動させるステップを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項53】
流体を移動させるステップは、燃料、酸化剤、熱伝導流体、流体反応物質燃料、もしくはこれらの組み合わせを移動させるステップを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項54】
前記流体容器から流体を移動させるステップは、水素気体、メタノール、アンモニア、ヒドラジン、シラン、もしくはこれらの組み合わせを移動させるステップを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項55】
二つ以上の層内に形成される特徴の相互作用によって形成される少なくとも一つの機能部品を含み、
前記部品の機能は、少なくとも一つの特徴をその平面から別の特徴層の平面へと移動させることによって実現されることを特徴とする、
流体制御システム。
【請求項56】
前記層のいずれか一つの移動可能な特徴は、前記移動可能な特徴が隣接特徴層の平面を通って移動されるように、前記層のいずれか一つから面外に移動するように構成される、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
一つ以上の電気化学電池層と、
入口を持つバルク分布マニホルドと、
前記電気化学電池層と直接流体接触した電池層供給マニホルドと、
前記バルク分布マニホルドから前記電池供給マニホルドへ流体が流れるための少なくとも二つの独立経路を提供する、前記バルク分布マニホルドを前記電池供給マニホルドから分離する分離層と、
を含む流体分布システム。
【請求項58】
前記少なくとも二つの独立経路と接触する一つ以上の流体制御装置をさらに含む、請求項58に記載の流体分布システム。
【請求項59】
各流体制御装置は互いに独立して作動する、請求項58に記載の流体分布システム。
【請求項60】
前記バルク分布マニホルドの前記入口に結合した第一の圧力調節器をさらに含み、前記一つ以上の流体制御装置は第二の圧力調節器部品を含み、前記第一の圧力調節器部品と前記第二の圧力調節器部品は異なる圧力で作動する、請求項58に記載の流体分布システム。
【請求項61】
前記流体制御装置は、圧力調節器部品、流量制御装置、開閉弁、流量制限器、圧力損失材料、もしくはこれらの組み合わせを含む、請求項58に記載の流体分布システム。
【請求項62】
各流体制御装置は、各層がそれに関連した特徴の配列を含む二つ以上の特徴層を含み、
第一の特徴層からの特徴は第二の特徴層からの特徴に相互作用的に関連する、
請求項4に記載の流体分布システム。
【請求項63】
前記一つ以上の流体制御装置は互いに同一平面上にある、請求項4に記載の流体分布システム。
【請求項64】
前記少なくとも二つの独立経路は前記分離層内で空間的に分布される、請求項1に記載の流体分布システム。
【請求項1】
少なくとも一つの機能部品と、
特徴を持つ二つ以上の特徴層とを含み、
前記二つ以上の特徴層のいずれかの特徴は、前記少なくとも一つの機能部品をあわせて形成するように相互作用することを特徴とする、
流体制御システム。
【請求項2】
前記特徴層のうちの一つ以上は入口と出口を含む、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項3】
前記特徴層は互いに流体連通する、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項4】
少なくとも二つの機能部品をさらに含み、前記二つ以上の特徴層のうちのいずれかの特徴は前記少なくとも二つの機能部品をあわせて形成する、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項5】
前記機能部品は互いに同一平面上にある、請求項2に記載の流体制御システム。
【請求項6】
前記特徴層のうちの少なくとも一つは二つ以上の特徴を含み、前記二つ以上の特徴は共通平面内で互いに流体連通する特徴の配列を含む、請求項3に記載の流体制御システム。
【請求項7】
前記少なくとも一つの機能部品は、圧力調節器部品、チェック弁部品、フロー弁部品、チャージ弁部品、圧力除去部品、導管、もしくは熱除去部品のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項8】
前記特徴層は一つ以上の接合領域を含む、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項9】
前記少なくとも一つの機能部品は、少なくとも一つの第一の圧力調節器と、少なくとも一つの第二の圧力調節器を含む、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項10】
前記二つ以上の特徴層は積み重ねられ結合される、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項11】
前記特徴層は互いに気密シールを持つ、請求項10に記載の流体制御システム。
【請求項12】
密封層をさらに含む、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項13】
4〜10の特徴層が特徴を持つ、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項14】
前記特徴層のうちの一つ以上は導管チャネルを含み、特徴層の幅は導管チャネル寸法の約30倍よりも大きい、請求項1に記載の流体制御システム。
【請求項15】
位置を持つ弁であって、機能部品を通る流体の流れは前記弁の位置に基づいて制御可能であることを特徴とする弁と、
知覚流体圧力に応じて作動可能な可撓性特徴であって、前記可撓性特徴の位置は前記弁の位置を比例的に制御することを特徴とする可撓性特徴と、
を含む特徴を持つ、二つ以上の特徴層を含む、流体制御システム用の部品。
【請求項16】
前記知覚流体圧力は前記弁の下流圧力を含む、請求項15に記載の部品。
【請求項17】
前記特徴は、第一の圧力プレナムと第二の圧力プレナムを含む少なくとも二つの流体プレナムを含む、請求項15に記載の部品。
【請求項18】
前記第一の圧力プレナムは調節されていない流体を受け取る高圧プレナムであり、前記第二の圧力プレナムは調節された流体を受け取る低圧プレナムである、請求項17に記載の部品。
【請求項19】
前記知覚流体圧力は前記低圧プレナム内の圧力を含む、請求項18に記載の部品。
【請求項20】
前記知覚流体圧力は前記高圧プレナム内の圧力を含む、請求項19に記載の部品。
【請求項21】
前記可撓性特徴は前記第二の圧力プレナムと一体化される、請求項17に記載の部品。
【請求項22】
前記可撓性特徴の位置は前記弁の位置を比例的に制御し、前記第一の圧力プレナムと前記第二の圧力プレナムの間の流体の流れを制御する、請求項15に記載の部品。
【請求項23】
前記可撓性特徴は、前記部品を通る流れを知覚流体圧力の所定の範囲の間に制限する、請求項15に記載の部品。
【請求項24】
前記可撓性特徴は弾性特性をもつ、請求項15に記載の部品。
【請求項25】
前記可撓性特徴と接触するバネ部材をさらに含む、請求項15に記載の部品。
【請求項26】
少なくとも一つの機能部品と、
特徴を持つ二つ以上の特徴層とを含む、
少なくとも一つの流体制御システムを含み、
前記二つ以上の特徴層のうちのいずれかの特徴は、前記少なくとも一つの機能部品をあわせて形成し、
前記少なくとも一つの流体制御システムと連通可能なように結合した少なくとも一つの流体容器を含む、
システム。
【請求項27】
前記特徴層の平面部分の幅は前記特徴層の厚さの約30倍よりも大きい、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記少なくとも一つの機能部品は圧力調節器部品を含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記少なくとも一つの流体容器のうちの一つ以上は可撓性である、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも一つの流体容器と、前記少なくとも一つの流体制御システムのうちの一つ以上との間に、一つ以上の歪み吸収境界面をさらに含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項31】
前記一つ以上の歪み吸収境界面は前記少なくとも一つの流体容器と流体連通する、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記少なくとも一つの流体制御システムと連通可能なように結合した少なくとも一つの燃料電池をさらに含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項33】
前記少なくとも一つの機能部品は圧力調節器部品である、請求項26に記載のシステム。
【請求項34】
知覚流体圧力に応じて作動可能な可撓性特徴をさらに含み、前記知覚流体圧力は前記少なくとも一つの燃料電池の流体プレナムの流体圧力である、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
一つ以上の特徴層上に少なくとも一つの第一の特徴を形成するステップと、
前記一つ以上の特徴層のうちのいずれかの上に少なくとも一つの第二の特徴を形成するステップと、
前記少なくとも一つの第一の特徴を前記少なくとも一つの第二の特徴に相互作用的に関連付け、少なくとも一つの機能部品を形成するステップと、
を含む、流体制御システムを形成するための方法。
【請求項36】
前記少なくとも一つの第一の特徴を前記少なくとも一つの第二の特徴に相互作用的に関連付けるステップは、前記一つ以上の特徴層を積み重ねるステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記少なくとも一つの第一の特徴もしくは前記少なくとも一つの第二の特徴を形成するステップは、前記一つ以上の特徴層上に特徴をエッチング、プレス、レーザー切断、打ち抜き、堆積、プリント、機械加工、成形、もしくは電鋳するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
少なくとも一つの機能部品を形成するステップは、少なくとも一つの圧力調節器部品、少なくとも一つのチェック弁部品、少なくとも一つのフロー弁部品、少なくとも一つの導管部品、圧力除去部品、もしくは熱除去部品のうちの一つ以上を形成するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記少なくとも一つの特徴層を形成するステップは、金属、エラストマー材料、可塑性ゴム、銅、銅ベリリウム合金、アルミニウム、ステンレス鋼、もしくはこれらの組み合わせから、前記少なくとも一つの特徴層を形成するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記少なくとも一つの特徴層を形成するステップは、アクリル、オレフィン、エポキシ、ポリエステル、黄銅、PVDF、ヘキサフルオロプロピレンフッ化ビニリデン共重合体、もしくはこれらの組み合わせから、前記少なくとも一つの特徴層を形成するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項41】
前記特徴層を一緒に密封するステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記特徴層を密封するステップは、前記特徴層を一緒に接着、接着接合、熱接合、拡散接合、溶接、はんだ付けするステップ、もしくはこれらの組み合わせのうちの一つ以上を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項43】
流体容器を流体制御システムに流体結合するステップであって、前記流体制御システムは、少なくとも一つの機能部品と、特徴を持つ二つ以上の特徴層とを含み、前記二つ以上の特徴層のいずれかの特徴は、少なくとも一つの機能部品を相互作用的に形成することを特徴とする、ステップと、
前記流体容器から前記流体制御システムへ流体を移動させるステップを含む、流体を移動させるステップと、
を含む、システムを作動させる方法。
【請求項44】
流体を移動させるステップは、歪み緩和境界面を介して移動させるステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記流体容器から前記流体制御システムへ流体を移動させるステップは、燃料カートリッジから流体を移動させるステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
少なくとも一つの燃料電池へ流体を移動させるステップをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記流体容器から流体を移動させるステップは、流体マニホルドを介して前記少なくとも一つの燃料電池へ流体を移動させるステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
燃料電池の流体プレナムから、流体マニホルドを介して前記流体制御システムへ流体を移動させるステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項49】
前記流体は前記流体マニホルドのフィードバックチャネルを通る流体の流れに基づいて移動される、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
前記流体制御システムをチャージポートに流体結合するステップをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項51】
前記流体制御システムを前記チャージポートに流体結合するステップは、流体マニホルドを介して前記流体制御システムを前記チャージポートに流体結合するステップを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項52】
前記流体容器から流体を移動させるステップは、気体、液化ガス、加圧液体、もしくはこれらの組み合わせを移動させるステップを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項53】
流体を移動させるステップは、燃料、酸化剤、熱伝導流体、流体反応物質燃料、もしくはこれらの組み合わせを移動させるステップを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項54】
前記流体容器から流体を移動させるステップは、水素気体、メタノール、アンモニア、ヒドラジン、シラン、もしくはこれらの組み合わせを移動させるステップを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項55】
二つ以上の層内に形成される特徴の相互作用によって形成される少なくとも一つの機能部品を含み、
前記部品の機能は、少なくとも一つの特徴をその平面から別の特徴層の平面へと移動させることによって実現されることを特徴とする、
流体制御システム。
【請求項56】
前記層のいずれか一つの移動可能な特徴は、前記移動可能な特徴が隣接特徴層の平面を通って移動されるように、前記層のいずれか一つから面外に移動するように構成される、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
一つ以上の電気化学電池層と、
入口を持つバルク分布マニホルドと、
前記電気化学電池層と直接流体接触した電池層供給マニホルドと、
前記バルク分布マニホルドから前記電池供給マニホルドへ流体が流れるための少なくとも二つの独立経路を提供する、前記バルク分布マニホルドを前記電池供給マニホルドから分離する分離層と、
を含む流体分布システム。
【請求項58】
前記少なくとも二つの独立経路と接触する一つ以上の流体制御装置をさらに含む、請求項58に記載の流体分布システム。
【請求項59】
各流体制御装置は互いに独立して作動する、請求項58に記載の流体分布システム。
【請求項60】
前記バルク分布マニホルドの前記入口に結合した第一の圧力調節器をさらに含み、前記一つ以上の流体制御装置は第二の圧力調節器部品を含み、前記第一の圧力調節器部品と前記第二の圧力調節器部品は異なる圧力で作動する、請求項58に記載の流体分布システム。
【請求項61】
前記流体制御装置は、圧力調節器部品、流量制御装置、開閉弁、流量制限器、圧力損失材料、もしくはこれらの組み合わせを含む、請求項58に記載の流体分布システム。
【請求項62】
各流体制御装置は、各層がそれに関連した特徴の配列を含む二つ以上の特徴層を含み、
第一の特徴層からの特徴は第二の特徴層からの特徴に相互作用的に関連する、
請求項4に記載の流体分布システム。
【請求項63】
前記一つ以上の流体制御装置は互いに同一平面上にある、請求項4に記載の流体分布システム。
【請求項64】
前記少なくとも二つの独立経路は前記分離層内で空間的に分布される、請求項1に記載の流体分布システム。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図1B】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2010−522851(P2010−522851A)
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500033(P2010−500033)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【国際出願番号】PCT/CA2008/000535
【国際公開番号】WO2008/113180
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(507045041)オングストローム パワー インク. (14)
【氏名又は名称原語表記】ANGSTROM POWER INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【国際出願番号】PCT/CA2008/000535
【国際公開番号】WO2008/113180
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(507045041)オングストローム パワー インク. (14)
【氏名又は名称原語表記】ANGSTROM POWER INC.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]