説明

流体制御弁

【課題】高温流体制御時でも安定したシールを行う流体制御弁を提供すること。
【解決手段】入力ポート11と出力ポート12とに連通する開口部14を備える樹脂製弁本体2と、前記開口部14の内壁に設けられた弁座15と、前記樹脂製弁本体2の上面に連結される樹脂製弁上体3と、前記樹脂製弁本体2と前記樹脂製弁上体3との間に狭持される樹脂製のダイアフラム弁体4とを備える流体制御弁1において、前記樹脂製弁本体2は、前記開口部14の外側に環状溝16が形成されており、前記ダイアフラム弁体4は、外縁に沿って肉厚に設けられた周縁部4cを含み、前記ダイアフラム弁体4より硬い材料を環状に形成したリング体35が、前記周縁部4cに装着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造工程等で使用される流体制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程においては、腐食性の高い薬液等が使用されている。薬液の供給を制御するための流体制御弁は、腐食性の高い薬液に対応するため、接液部がフッ素樹脂等の樹脂で形成されている。また、薬液と弁操作機構とを遮断するため、樹脂製のダイアフラム弁体が多く使用されている。
【0003】
図10は、従来の流体制御弁100の断面図である。図11は、図10に示す流体制御弁をC方向から見た図であって、環状溝の変形を点線で示す。但し、図面を見やすくするために、図11上では樹脂製弁本体101の外形を簡略化して示すと共に、環状溝108とその環状溝108に嵌合するダイアフラム弁体103の周縁部103cのみを記載する。
図10に示すように、流体制御弁100は、樹脂製弁本体101と樹脂製弁上体102との間にダイアフラム弁体103が狭持されている。
【0004】
図10に示すように、樹脂製弁本体101は、入力ポート104と出力ポート105とが連通する開口部106が形成され、開口部106内に弁座107が設けられている。ダイアフラム弁体103は、樹脂製弁本体101に設けられた弁座107に当接又は離間する弁体部103aと、弁体部103aの周りに環状に設けられた薄膜部103bと、薄膜部103bの周縁に沿って設けられた肉厚の周縁部103cとを備える。樹脂製弁本体101の上面には、開口部106の外側に環状溝108が、図11の実線に示すように真円状に形成されている。図10に示すように、樹脂製弁本体101は、ダイアフラム弁体103の周縁部103cが環状溝108に嵌合し、環状溝108の内壁と樹脂製弁上体102の下端面との間で周縁部103cを押し潰してシールする。
【0005】
このような流体制御弁100は、入力ポート104と出力ポート105に樹脂製のチューブ110,111が接続される。そして、流体制御弁100は、ダイアフラム弁体103を弁座107に当接又は離間させることにより、入力ポート104から出力ポート105へ供給する薬液を制御する(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−247650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の流体制御弁100は、例えば140〜150℃の高温薬液を制御する場合、樹脂製弁本体101やダイアフラム弁体103が硬度を低下されて柔らかくなっていた。また、樹脂製弁本体101に接続する樹脂製のチューブ110,111が熱膨張し、図10及び図11に示すように、樹脂製弁本体101に図中F1,F2方向の力を与えていた。このため、樹脂製弁本体101は、図11の点線に示すように、チューブ110,111の間で押し潰されるように変形していた。
【0008】
これに伴って、流体制御弁100は、樹脂製弁本体101の環状溝108及びダイアフラム弁体103の周縁部103cが真円状(図11の図中実線参照)から楕円状(図11の図中点線参照)に変形していた。このため、ダイアフラム弁体103の周縁部103cは、樹脂製弁本体101と樹脂製弁上体102との間で円周方向に均一に押し潰されなくなり、シールの均一性が損なわれていた。つまり、流体制御弁100は、高温薬液制御時にダイアフラム弁体103の周縁部103cと樹脂製弁本体101の環状溝108との間のシールが不安定になり、シールの弱い部分から流体漏れが生じる恐れがあった。
【0009】
特に近年、半導体製造工程では、薬液を活性化した状態でウエハ等のワークに供給するために、高温薬液の使用頻度が増えている。しかも、半導体製造工程では、高浸透性の薬液を使用することも多い。今後、流体制御弁は、高温・高浸透薬液を制御する機会が多くなると考えられ、高温薬液制御時であっても安定したシールを行うことが求められている。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、高温流体制御時でも安定したシールを行うことができる流体制御弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る流体制御弁は、次のような構成を有している。
(1)入力ポートと出力ポートとに連通する開口部を備える樹脂製弁本体と、前記開口部の内壁に設けられた弁座と、前記樹脂製弁本体の上面に連結される樹脂製弁上体と、前記樹脂製弁本体と前記樹脂製弁上体との間に狭持される樹脂製のダイアフラム弁体とを備える流体制御弁において、前記樹脂製弁本体は、前記開口部の外側に環状溝が形成されており、前記ダイアフラム弁体は、外縁に沿って肉厚に設けられ、前記環状溝に嵌合する周縁部を含み、前記ダイアフラム弁体より硬い材料を環状に形成したリング体が、前記周縁部に装着されている。
【0012】
(2)(1)に記載の発明において、前記リング体は軸線方向断面形状が屈曲している。
(3)(1)又は(2)に記載の発明において、前記リング体は、断面形状が楔形である。
(4)(1)乃至(3)の何れか一つに記載の発明において、前記リング体は前記樹脂製弁上体側に突き出す摘み部を有する。
【0013】
(5)(1)又は(3)に記載の発明において、前記リング体は、前記樹脂製弁上体に一体的に設けられている。
【0014】
(6)(1)乃至(5)の何れか一つに記載の発明において、前記周縁部は、前記リング体が装着される環状の第1凸部と、前記第1凸部の外側に設けられた環状の第2凸部と、を有し、前記環状溝は、前記第1凸部が嵌合する第1環状溝と、前記第2凸部が嵌合して、第2凸部が当接する面でシールする第2環状溝と、を有する。
【0015】
(7)(6)に記載の発明において、前記第1凸部は、前記第2凸部より前記樹脂製弁本体側へ突出しており、前記リング体は、前記周縁部の前記樹脂製弁上体側から前記第2凸部の先端位置より深い位置まで前記第1凸部に装着されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明の流体制御弁は、例えば、入力ポートと出力ポートに樹脂製のチューブを接続して、高温流体を制御する場合に、チューブが膨張して樹脂製弁本体を押し潰す方向に力を加える。樹脂製弁本体は、環状溝の内壁を介してダイアフラム弁体の周縁部に内向きの力を加え、シール面を変形させようとする。しかし、ダイアフラム弁体の周縁部は、ダイアフラム弁体より硬い材料を環状に形成したリング体が装着され、補強されている。そのため、本発明の流体制御弁は、ダイアフラム弁体の周縁部が樹脂製弁本体に押圧されても変形しない。つまり、シール面は、高温流体制御時に変形せず、シールの均一性を維持する。よって、本発明の流体制御弁によれば、高温流体制御時であっても安定したシールを行うことができる。
【0017】
特に、例えば半導体製造工程では、薬液を活性状態でウエハ等のワークに供給するために、薬液を高温にしている。本発明の流体制御弁は、高温薬液を制御する場合でも安定したシールを行うので、高浸透性薬液を高温にしたものを制御する場合でも、流体漏れを防止できる。
【0018】
本発明の流体制御弁は、リング体が屈曲して剛性を向上させているので、シール面の変形をより確実に阻止できる。
本発明の流体制御弁は、断面形状が楔形であるため、リング体を周縁部に装着しやすい。
本発明の流体制御弁は、樹脂製弁上体側に突き出す摘み部を指でつまんでリング体を樹脂製弁本体の環状溝に嵌め込むので、リング体の取扱性が良い。
【0019】
本発明の流体制御弁は、リング体が樹脂製弁上体に一体的に設けられているので、リング体が変形しにくい上に、位置ずれしない。このため、樹脂製弁本体は、リング体を介して樹脂製弁上体に係止され、シール位置が位置決めされる。よって、本発明の流体制御弁によれば、シール位置が横ずれして流体漏れを生じる不具合を回避できる。
【0020】
本発明の流体制御弁は、周縁部の第1凸部にリング体を装着し、第1凸部を樹脂製弁本体の第1環状溝に嵌合し、第2凸部を樹脂製弁本体の第2環状溝に嵌合する。第2凸部は、第2環状溝の内壁に当接してシールを行う。よって、本発明の流体制御弁によれば、リング体をシール面の近くに配置して、樹脂製弁本体の熱膨張等がシール面に与える影響を小さくできる。
【0021】
本発明の流体制御弁は、リング体が、周縁部の樹脂製弁上体側から第2凸部の先端位置より深い位置まで第1凸部に装着され、第2凸部が第2環状溝の内壁に当接してシールするシール面全体を支持する。樹脂製弁本体の変形に伴ってシール面に内向きに作用する力は、第1凸部全体に分散される。このため、第1凸部は、シール面に作用する力によって変形しにくく、シール面の変形を阻止する。よって、本発明の流体制御弁によれば、安定したシールを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明に係る流体制御弁の実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る流体制御弁1の断面図であって、弁開状態を示す。
第1実施形態の流体制御弁1は、従来技術と同様、半導体製造装置に組み付けられ、薬液の供給を制御する。流体制御弁1は、ノーマルオープンタイプのエアオペレイト式開閉弁である。流体制御弁1は、樹脂製弁本体2の上面に樹脂製弁上体3を連結し、樹脂製弁本体2と樹脂製弁上体3との間にダイアフラム弁体4が狭持されている。流体制御弁1は、樹脂製弁上体3内のピストン25を摺動させることにより、ダイアフラム弁体4を弁座15に当接又は離間させる。流体制御弁1は、半導体製造装置に取り付けるための取付板5が樹脂製弁本体2の下面に固設されている。
【0024】
樹脂製弁本体2は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(四フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等、耐腐食性や耐熱性に優れた樹脂を成形したものである。
【0025】
樹脂製弁本体2は、入力ポート11と出力ポート12が側面に設けられ、樹脂製のチューブ110,111が螺合接続される。樹脂製弁本体2の上面には、開口部14が円柱状に開設されている。開口部14は、入力側流路9と出力側流路10を介して入力ポート11と出力ポート12にそれぞれ連通し、入力側流路9が開口する部分の周りに弁座15が一体成形されている。尚、弁座15は、樹脂製弁本体2と別個の部品で構成し、樹脂製弁本体2にねじ構造や接着材などにより固定してもよいことは言うまでもない。
【0026】
図2は、図1に示すA部の拡大図である。
樹脂製弁本体2の上面には、環状溝16が開口部14の外側に形成され、ダイアフラム弁体4の周縁部4cが嵌合している。樹脂製弁本体2は、樹脂製弁上体3との間でダイアフラム弁体4を位置決め保持するために、環状溝16の内周面を構成する内壁17が、環状溝16の外周面を構成する外壁18より低くなっている。
【0027】
図3は、図1に示す流体制御弁をB方向から見た図である。但し、図面を見やすくするために、開口部14と、第1及び第2環状溝16a,16bと、第1及び第2環状溝16a,16bに嵌合する第1及び第2凸部31,32のみを記載する。
環状溝16は、第1環状溝16aと、第1環状溝16aより大径の第2環状溝16bとを備える。第1環状溝16aと第2環状溝16bは、同心の真円状に形成されている。そのため、第1環状溝16aの外周面と第2環状溝16bの内周面を構成する環状壁19は、真円状に設けられている。図2に示すように、環状壁19は、内壁17及び外壁18がシール圧力を受けるように、内壁17及び外壁18より高さが低くされている。
【0028】
図1に示す樹脂製弁上体3は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)やPFA、PP、PVDF等、耐腐食性や剛性を有する樹脂を材質とする。樹脂製弁上体3は、シリンダ22とカバー23とで構成され、ピストン室24を形成する。樹脂製のピストン25は、ピストン室24に摺動可能に装填され、シリンダ22との間に縮設される復帰ばね21により図中上向きに常時付勢されている。ピストン25は、操作ポート23aからピストン室24供給される操作エアの圧力と復帰ばね21の弾性力とのバランスに応じて、ピストン室24を図中上下方向に移動する。ピストン25には、ピストンロッド26が一体成形されている。ピストンロッド26は、シリンダ22に摺動可能に貫き通され、ダイアフラム弁体4に連結されている。
【0029】
ダイアフラム弁体4は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等、耐腐食性及び耐熱性に優れた樹脂を材質とし、射出成形若しくは切削により形作られている。ダイアフラム弁体4は、弁座15に当接又は離間する円柱状の弁体部4aと、弁体部4aの外周面に接続する薄膜部4bと、薄膜部4bの外縁に沿って肉厚に設けられた周縁部4cとから構成されている。
【0030】
ダイアフラム弁体4は、周縁部4cが樹脂製弁本体2と樹脂製弁上体との間で挟み込まれて環状溝16の内壁にシールし、樹脂製弁本体2に開設した開口部14の内壁との間に弁室13を形成している。ダイアフラム弁体4は、弁体部4aがピストンロッド26に結合され、ピストン25に従って弁座15に当接又は離間する。
【0031】
図2に示すように、周縁部4cは、環状の第1凸部31と、第1凸部31の外側に設けられた環状の第2凸部32とを有し、第1凸部31と第2凸部32との間に環状凹部33が形成されている。
【0032】
第1凸部31は、第1環状溝16aに隙間無く嵌め込まれるように、肉厚方向の幅寸法W2が、第1環状溝16aの溝幅W1以上に設定されている。また、第2凸部32は、第2環状溝32の内壁(内周面)に当接してシールするために、内周面に圧入代32aが形成されており、肉厚方向の幅寸法W4が、第2環状溝16bの溝幅W3より大きく設定されている。第1凸部31は、第2凸部32より樹脂製弁本体2側へ大きく突出している。
【0033】
周縁部4cは、樹脂製弁上体3側の端面から第1凸部31内にかけて、装着溝34が形成されている。装着溝34は、第1凸部31と同心の真円状に形成されている。装着溝34は、第2凸部32の先端位置より深い位置まで形成されている。装着溝34には、周縁部4cの変形防止をするために周縁部4cを補強するリング体35が装着されている。
【0034】
リング体35は、ダイアフラム弁体4より硬い樹脂や金属、セラミック等の材料を、環状に形成したものである。本実施形態では、ステンレスを真円の環状に形成し、腐食コーティングを施したものをリング体35として使用している。リング体35は、装着溝34に隙間無く嵌め込まれて装着溝34の内周面と外周面に当接するように、断面肉厚方向の幅寸法W6が、装着溝34の溝幅W5以上に設定されている。リング体35は、内周面及び外周面の面積が、圧入代32aの面積より大きく設定されている。
【0035】
リング体35は、周縁部4cの樹脂製弁上体3側から装着溝34内へ挿入され、第2凸部32の先端位置、すなわち圧入代32aの下端位置より深い位置まで第1凸部31に押し込んで装着されている。つまり、リング体35は、ダイアフラム弁体4を樹脂製弁本体2と樹脂製弁上体3との間で狭持した場合に、第2凸部32を樹脂製弁本体2の第2環状溝16bに圧入して圧入代32aを押し潰してシールさせたシール面の内側全体に亘って配置される。
【0036】
<動作説明>
図1に示すように、流体制御弁1は、入力ポート11と出力ポート12に樹脂製のチューブ110,111が接続される。流体制御弁1は、操作ポート23aに操作エアが供給されない場合には、ダイアフラム弁体4を弁座15から離間させている。そのため、チューブ110から入力ポート11に流入した薬液は、弁座15を介して出力ポート12へ供給され、出力ポート12からチューブ111へ出力される。一方、流体制御弁1は、操作ポート23aに操作エアが供給されると、ピストン25が下降してダイアフラム弁体4を弁座15に当接させる。そのため、チューブ110から入力ポート11を介して弁室13に流入した薬液は、弁座15において遮断され、出力ポート12からチューブ111へ出力されない。
【0037】
薬液が例えば140〜150度の高温である場合、流体制御弁1は、樹脂製弁本体2及びダイアフラム弁体4が、高温薬液の熱によって硬度を低下させ、柔らかくなる。また、樹脂製のチューブ110,111は、熱膨張し、図1に示すように、樹脂製弁本体2に図中矢印F1,F2方向の力を作用させる。このため、樹脂製弁本体2は、真円状の環状溝16を楕円状に変形させようとする(例えば図11参照)。しかし、流体制御弁1は、環状溝16に嵌合するダイアフラム弁体4の周縁部4cがリング体35を装着されて補強されているため、環状溝16付近の変形が抑えられる。
【0038】
具体的に説明すると、樹脂製弁本体2は、図2に示すように、環状壁19がチューブ110,111から受ける力によって、ダイアフラム弁体4の第1凸部31を内向きに押圧する。第1凸部31は、ダイアフラム弁体4及び樹脂製弁本体2より硬くて熱を加えられても変形しにくいステンレスを環状(真円状)に形成したリング体35が装着され、補強されている。そのため、第1凸部31は、図3に示すように、環状壁19から内向きの力F1,F2を受けても、内向きの力F1,F2に対する反発力R1,R2を生じ、変形せずに真円状態を維持する。
【0039】
しかも、図2及び図3に示すように、リング体35は、圧入代32aの全体、すなわちシール面の全体を支持している。そのため、樹脂製弁本体2は、環状壁19が基端部から倒れ込まない。
【0040】
更に、図2に示すように、リング体35は、内周面の面積がシール面の面積より大きく、環状壁19から第1凸部31を介して外周面へ伝達された力を、第1凸部31に広く分散させる。そのため、第1凸部31に作用する力が減衰され、第1凸部31が変形しにくい。
【0041】
このように、流体制御弁1は、樹脂製弁本体2がチューブ110,111から受ける力F1,F2や熱膨張等によって変形しようとしても、リング体35で補強された第1凸部31が、シール面の内側を支持して環状溝16の変形を防ぐ。つまり、シール面が変形しない。よって、流体制御弁1は、高温薬液制御時でもシールの均一性が維持され、流体漏れしない。
【0042】
尚、流体制御弁1は、内壁17が環状壁19より高く設けられて、第1凸部31の内周面を支持し、第1凸部31が環状壁19に内向きに押圧されて位置ずれするのを防止する。
【0043】
<作用効果>
従って、第1実施形態の流体制御弁1は、ダイアフラム弁体4の周縁部4cがリング体35によって補強されているため、図3に示すように、樹脂製弁本体2が高温薬液制御時にチューブ110,111からF1,F2方向の力を受けても、周縁部4cの圧入代32aと第2凸部16bの内周面との間のシール面を変形させない。よって、第1実施形態の流体制御弁1によれば、高温薬液制御時であってもシールの均一性が維持され、安定したシールを行うことができる。
【0044】
特に、例えば半導体製造工程では、薬液を活性状態でウエハ等のワークに供給するために、薬液を高温にすることが多い。第1実施形態の流体制御弁1は、高温薬液を制御する場合でも安定したシールを行うので、高浸透性薬液を高温にしたものを制御する場合でも、流体漏れを防止できる。
【0045】
また、第1実施形態の流体制御弁1は、図1〜図3に示すように、リング体35をシール面の近くに配置して、樹脂製弁本体2の熱膨張等がシール面に与える影響を小さくできる。すなわち、リング体35がシール面から離れた位置に配置されるほど、シール面は、リング体35との間にある樹脂の影響を受けやすい。この点、流体制御弁1は、シール面のすぐ内側にリング体35を配置している。そのため、流体制御弁1は、樹脂製弁本体2が熱膨張した場合でも、リング体35がシール面の内側を直接的に支持してシール面の変形を防止し、シール性能の低下を防ぐ。
【0046】
また、第1実施形態の流体制御弁1は、図2に示すように、リング体35がシール面全体を支持している。樹脂製弁本体2の変形に伴ってシール面に対して内向きに作用する力は、第1凸部31全体に分散される。このため、第1凸部31は、シール面に作用する力によって変形しにくく、シール面の変形を阻止する。よって、第1実施形態の流体制御弁1によれば、第1及び第2環状溝16a,16bの変形をより一層確実に防止し、安定したシールを行うことができる。
【0047】
(第2実施形態)
続いて、本発明の流体制御弁に係る第2実施形態について説明する。図4は、第2実施形態に係る流体制御弁41における樹脂製弁本体2と樹脂製弁上体43との間のシール部拡大断面図である。
第2実施形態の流体制御弁41は、リング体42が樹脂製弁上体43に一体成形されている点が第1実施形態と相違し、その他の点は第1実施形態と共通している。ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、第1実施形態と共通する点には図面に第1実施形態と同一符号を付し、説明を適宜省略する。
【0048】
樹脂製弁上体43は、シリンダ44が樹脂製弁本体2に対してダイアフラム弁体4の周縁部4cを押し付けている。樹脂製弁上体43(シリンダ44)は、樹脂製弁本体2及びダイアフラム弁体4を構成するPTFE等の樹脂より硬いPPS等の樹脂で形成されている。
【0049】
樹脂製弁上体43(シリンダ44)が樹脂製弁本体2に当接する図中下端面には、周縁部4cの装着溝34に隙間無く嵌め込まれるリング体42が一体成形されている。よって、リング体42は、樹脂製弁上体43(シリンダ44)と同じPPSで形成されている。リング体42は、樹脂を材質とすること、及び、樹脂製弁上体43(シリンダ44)に一体成形されていることを除き、第1実施形態のリング体35と同様に構成されている。
【0050】
第2実施形態の流体制御弁41は、リング体42が樹脂製弁上体43(シリンダ44)に一体成形されているため、リング体42が変形しにくい上に、位置ずれしない。このため、樹脂製弁本体2は、リング体42を介して樹脂製弁上体43(シリンダ44)に係止され、シール位置が位置決めされる。よって、第2実施形態の流体制御弁41によれば、高温薬液制御時に樹脂製弁本体2が変形するのに伴って、樹脂製弁本体2が樹脂線弁上体43に対して横ずれして、シール位置を横ずれさせるのを防ぎ、流体漏れを生じる不具合を回避できる。
【0051】
また、第2実施形態の流体制御弁41は、樹脂製弁上体43を樹脂製弁本体2に連結する際にリング体42をダイアフラム弁体4の装着溝34に装着すればよいので、組立工数を減らすことができる。また、第2実施形態の流体制御弁41は、リング体を別個に持つ必要がない。よって、第2実施形態の流体制御弁41によれば、製造コストや部品コストなどを低減し、コストダウンを図ることができる。
【0052】
(第3実施形態)
続いて、本発明の流体制御弁に係る第3実施形態について説明する。図5は、本発明の第3実施形態に係る流体制御弁51における樹脂製弁本体2と樹脂製弁上体3との間のシール部拡大断面図である。
第3実施形態に係る流体制御弁51は、リング体52の軸線方向の断面形状が屈曲している点が、第1実施形態と相違する。よって、ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、第1実施形態と共通する点が図面に第1実施形態と同一符号を付し、説明を適宜省略する。
【0053】
リング体52は、ダイアフラム弁体4より硬い樹脂や金属、セラミック等の材料を環状に形成したものである。リング体52は、断面が屈曲した形状をなし、支持本体部52aと、屈曲部52bと、摘み部52cとを有する。支持本体部52aは、第1実施形態のリング体35と同様に構成されている。屈曲部52bは、支持本体部52aの一端外周面から外向きに設けられている。屈曲部52bは、支持本体部52aの一端面外周に沿って、環状に設けられている。摘み部52cは、屈曲部52bの外周縁から支持本体部52aと反対側に屈曲して樹脂製弁上体3側に突き出している。摘み部52cは、環状に設けられている。
【0054】
このような第3実施形態の流体制御弁51は、リング体52の摘み部52cを摘んで、屈曲部52bをダイアフラム弁体4の周縁部4cに突き当てるように、リング体52をダイアフラム弁体4の装着溝34に装着し、周縁部4cの第1凸部31を補強する。そして、リング体52の摘み部52cを外壁18の内周面に沿わせるようにして、ダイアフラム弁体4の周縁部4cを樹脂製弁本体2の環状溝16に装着する。つまり、第1凸部31を第1環状溝16aに嵌合させ、第2凸部32を第2環状溝16bに圧入する。そして、屈曲部52bを押さえるように、樹脂製弁上体3を樹脂製弁本体2に連結し、摘み部52cを樹脂製弁本体2と樹脂製弁上体3とダイアフラム弁体4との間で挟み込んで位置決め保持する。
【0055】
従って、第3実施形態の流体制御弁51は、リング体52が屈曲し、第1実施形態のリング体35に比べて剛性を向上させている。そのため、流体制御弁51は、樹脂製弁本体2が第1凸部31を内向きに押圧しても、リング体52が変形しにくい。よって、第3実施形態の流体制御弁51によれば、シール面の変形をより確実に阻止できる。
【0056】
しかも、第3実施形態の流体制御弁51は、リング体52が、樹脂製弁本体2の外壁18と樹脂製弁上体3の外周面との間に摘み部52cを挟み込まれている。そのため、リング体52は、支持本体部52aに内向きの力が作用しても、支持本体部52aが屈曲部52b及び摘み部52cを介して樹脂製弁上体3に対して位置決めされ、第1凸部31を補強し続ける。よって、第3実施形成の流体制御弁51によれば、第1凸部31の横ずれを防ぎ、シール位置がずれ難い。
【0057】
また、第3実施形態の流体制御弁51は、摘み部52cを摘んでリング体52をダイアフラム弁体4の周縁部4cに装着するので、リング体52の取扱性が良い。
【0058】
(第4実施形態)
続いて、本発明の流体制御弁に係る第4実施形態について説明する。図6は、本発明の第4実施形態に係る流体制御弁61における樹脂製弁本体2と樹脂製弁上体3との間のシール部拡大断面図である。
第4実施形態の流体制御弁61は、リング体62が断面コの字形状をなし、シール面の内側に加えて外側を支持する点が、第1実施形態と相違し、その他の点は第1実施形態と共通する。よって、ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、第1実施形態と共通する点は図面に第1実施形態と同じ符号を付し、説明を適宜省略する。
【0059】
リング体62は、ダイアフラム弁体4より硬い樹脂や金属、セラミック等の材料を環状に形成したものである。リング体62は、内側支持部62aと外側支持部62cとを結合部62bで結合し、断面がコの字形に屈曲している。内側支持部62aは、第1実施形態のリング体35と同様に構成されている。外側支持部62cは、先端部が内側支持部62aの先端部より突き出さないように設けられている。
【0060】
ダイアフラム弁体63は、周縁部63cを除き、第1実施形態のダイアフラム弁体4と同様に構成されている。周縁部63cは、第2凸部32に装着溝65が形成されている。装着溝65は、周縁部63cの樹脂製弁上体3側の端面に開口し、第1凸部31に設けた装着溝34より浅く形成されている。装着溝65の溝幅は、リング体62の外側支持部62cの肉厚方向の幅寸法以下に設定されている。つまり、装着溝65は、内周面と外周面に外側支持部62cの内周面と外周面が当接する。
【0061】
このような第4実施形態の流体制御弁61は、リング体62の結合部62bがダイアフラム弁体63の周縁部63cに当接するまで、内側支持部62aと外側支持部62cを周縁部63cの装着溝34,65に挿入する。内側支持部62aと外側支持部62cは、装着溝34,65に隙間無く嵌め込まれ、第1及び第2凸部31,32を補強する。ダイアフラム弁体63は、第1凸部31が第1環状溝16aに隙間無く嵌め込まれ、第2凸部32が第2環状溝16bに圧入されて圧入代32aを押し潰される。よって、流体制御弁61は、圧入代32aを押し潰してシールするシール面の外側と内側に、リング体62の内側支持部62aと外側支持部62cが配置される。
【0062】
流体制御弁61は、例えば、樹脂製弁本体2が熱膨張した場合、環状壁19が内側と外側の何れに倒れ込むかわからないことがある。この場合でも、流体制御弁61は、リング体62の内側支持部62aと外側支持部62cが第1及び第2凸部31,32を補強して環状壁19の倒れ込みを防止し、環状溝16(第1及び第2環状溝16a,16b)の変形を防止する。つまり、シール面が変形しない。よって、第4実施形態の流体制御弁61によれば、樹脂製弁本体2が熱膨張等によって変形しようとしても、シールの均一性を維持し、安定したシールを行うことができる。
【0063】
また、第4実施形態の流体制御弁61は、リング体62がコの字型に屈曲して剛性を向上させているので、シール面の変形を、より確実に阻止できる。
【0064】
(第5実施形態)
続いて、本発明の流体制御弁に係る第5実施形態について説明する。図7は、本発明の第5実施形態に係る流体制御弁71における樹脂製弁本体72と樹脂製弁上体3との間のシール部拡大断面図である。
第5実施形態の流体制御弁71は、ダイアフラム弁体73が、第1及び第2凸部31,32に加え、第3凸部74を備え、それに対応して、樹脂製弁本体72の環状溝72bが第1及び第2環状溝16a,16bに加え、第3環状溝72cを備える点が第1実施形態と相違する。よって、ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、第1実施形態と共通する点には図面に第1実施形態と同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0065】
ダイアフラム弁体73は、周縁部73cを除き、第1実施形態のダイアフラム弁体4と同じ構成を備える。周縁部73cは、第2凸部32の外側に、第3凸部74が形成されている。第3凸部74は、第1凸部31と同様に形成されている。第3凸部74には、リング体76を装着するための装着溝75が、第1凸部31の装着溝34と同様に形成されている。
【0066】
樹脂製弁本体72は、ダイアフラム弁体73の周縁部73cに対応する環状溝72bが形成されている。環状溝72bは、第2環状溝16bの外側に、第3環状溝72cが形成されている。樹脂製弁本体72は、第1環状溝16aの外周面と第3環状溝72cの内周面とを構成する環状壁72aが設けられている。そして、その環状壁72aには、第2環状溝16bが形成されている。
【0067】
リング体76は、ダイアフラム弁体73より硬い樹脂や金属、セラミック等の材料を環状に成形したものである。リング体76は、ダイアフラム弁体73の装着溝34,75に隙間無く嵌合する内側支持部76aと外側支持部76cとを結合部76bで接続したものである。つまり、リング体76は、断面略コの字型に屈曲されている。リング体76は、内側支持部76aと外側支持部76cと反対向きに、摘み部76d,76dがそれぞれ設けられ、樹脂製弁上体3側に突き出している。
【0068】
このような流体制御弁71は、高温薬液制御時に、樹脂製弁本体72が熱膨張したチューブ110,111に押圧されたり、樹脂製弁本体72自身が熱膨張することがある。この場合、環状壁72aは、内側又は外側の何れかに倒れ込もうとする。しかし、ダイアフラム弁体73の周縁部73cは、内側支持部76aと外側支持部76cが第1及び第3凸部31,74に補強されて、環状壁72aの内側と外側を支持する。そのため、樹脂製弁保体2は、環状溝72b(第1〜第3環状溝16a,16b,72c)が周縁部73c(第1及び第3凸部31,74)に支持されて変形せず、真円状態を維持する。つまり、シール面が変形しない。よって、第5実施形態の流体制御弁71によれば、高温薬液制御時でもシールの均一性を確保して、安定したシールを行うことができる。
【0069】
特に、流体制御弁71は、リング体76が屈曲されて剛性を向上させているので、シール面の変形を、より確実に阻止できる。
【0070】
また、第5実施形態の流体制御弁71は、シール面の外側において第3凸部74を第3環状溝72cに隙間無く嵌め込んでいるので、万が一、シール面から微小な漏れが生じても、その漏れを最小限に抑えることができる。
【0071】
また、第5実施形態の流体制御弁71は、リング体76に摘み部76d,76dを設けたので、リング体76の取扱性が良い。
しかも、第5実施形態の流体制御弁71は、リング体76の摘み部76d,76dが樹脂製弁上体3に嵌め込まれて係止されているので、樹脂製弁本体2及びダイアフラム弁体4が樹脂製弁上体3に対して位置ずれし、流体漏れが発生するのを防止できる。
【0072】
(第6実施形態)
続いて、本発明の流体制御弁に係る第6実施形態について説明する。図8は、本発明の第6実施形態に係る流体制御弁81における樹脂製弁本体2と樹脂製弁上体3との間のシール部拡大断面図である。
第6実施形態の流体制御弁81は、リング体82の断面が楔形である点が第1実施形態のリング体35と相違し、その他の点は第1実施形態と共通する。よって、ここでは、第1実施形態と相違する点を中心に説明し、第1実施形態と共通する点には図面に第1実施形態と同一符号を付し、説明を適宜省略する。
【0073】
リング体82は、ダイアフラム弁体4より硬い樹脂や金属、セラミック等の材料を環状に形成したものである。リング体82は、外周面(シール側の面)に外側テーパ83が設けられ、断面形状を樹脂製弁本体2側から樹脂製弁上体3側へ肉厚になる楔形にされている。流体制御弁81は、ダイアフラム弁体4の周縁部4cを樹脂製弁本体2の環状溝16に嵌合させた後、リング体82を肉厚の薄い側からダイアフラム弁体4の装着溝34に押し込んで装着し、周縁部4cの強度を補強する。リング体82は、装着溝34をシール面側に押し広げて、第1凸部31の外周面を第1環状溝16aの外周面に圧着させ、第1凸部31の位置ずれを防ぐ。
【0074】
このような流体制御弁81は、リング体82の断面を先細りにした楔形にしたので、リング体82を装着溝34に装着しやすい。
また、流体制御弁81は、リング体82が、環状壁19の基端部よりも環状壁19の先端部に第1凸部31を強く押し当て、環状壁19の先端部内側を強く補強するので、環状壁19が倒れ込み難い。
【0075】
図9は、図8に示すリング体82の変形例である。
流体制御弁81Aは、リンク体82Aがダイアフラム弁体4の周縁部4cに装着されている。リング体82Aは、内周面(シール側と反対側の面)にも内側テーパ84が形成され、断面形状が樹脂製弁本体2側より樹脂製弁上体3側を肉厚にした楔形をなす。このようなリング体82Aは、肉厚が薄い端面からダイアフラム弁体4の装着溝34に押し込まれて装着される。リング体82Aは、装着溝34を内外の両側に押し広げ、第1凸部31の内周面と外周面を第1環状溝16aの内周面と外周面に圧着させて、第1凸部31の位置ずれを防ぐ。
【0076】
リング体82Aは、内周面に内側テーパ84を備えることにより、リング体82よりも装着溝34に装着しやすい。その上、リング体82Aは、環状壁19と内壁17との間で突っ張り、環状壁19及び内壁17の倒れ込みを防ぎやすい。
【0077】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
【0078】
(1)例えば、上記実施形態では、流体制御弁1を半導体製造工程に使用したが、使用用途はこれに限定されないことを言うまでもない。
【0079】
(2)例えば、上記実施形態では、流体制御弁1はノーマルオープンタイプのエアオペレイト式開閉弁であるが、ノーマルクローズタイプのエアオペレイト式開閉弁としてもよい。また、流体制御弁1は、流量調整弁、手動弁、電磁弁等であっても良い。
【0080】
(3)例えば、上記実施形態では、ダイアフラム弁体4の周縁部4cに第1凸部31と第2凸部32を設け、第1及び第2凸部31,32の間に環状凹部33を形成した。これに対して、例えば、周縁部が1個の凸状であって、環状凹部33を備えないダイアフラム弁体(例えば、図10参照)に、リング体35を装着して、周縁部を補強しても良い。
【0081】
(4)上記第3実施形態では、摘み部52cを環状に設けたが、摘み部を断続的に設けてもよい。この場合には、樹脂製弁上体3に摘み部を挿入する孔を形成し、リング体の回転を防止するようにしてもよい。
【0082】
(5)上記第3,第5実施形態では、リング体52,76を樹脂製弁上体3と別個に設けたが、リング体52,76を樹脂製弁上体3にインサート成形したり接着させる等して、リング体52,76を樹脂製弁上体3と一体的に設けてもよい。

(6)上記第1,3〜6実施形態では、樹脂製弁上体3の材質を樹脂にしたが、例えば、高圧制御流体を制御するために操作エアが高いような場合には、樹脂製弁上体の材質を金属にしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1実施形態に係る流体制御弁の断面図であって、弁開状態を示す。
【図2】図1に示すA部の拡大図である。
【図3】図1に示す流体制御弁をB方向から見た図である。但し、図面を見やすくするために、開口部と、第1及び第2環状溝と、第1及び第2環状溝に嵌合するダイアフラム弁体の第1及び第2凸部のみを記載する。
【図4】本発明の第2実施形態に係る流体制御弁における樹脂製弁本体と樹脂製弁上体との間のシール部拡大断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る流体制御弁における樹脂製弁本体と樹脂製弁上体との間のシール部拡大断面図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る流体制御弁における樹脂製弁本体と樹脂製弁上体との間のシール部拡大断面図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係る流体制御弁における樹脂製弁本体と樹脂製弁上体との間のシール部拡大断面図である。
【図8】本発明の第6実施形態に係る流体制御弁における樹脂製弁本体と樹脂製弁上体との間のシール部拡大断面図である。
【図9】図8に示すリング体の変形例である。
【図10】従来の流体制御弁の断面図である。
【図11】図10に示す流体制御弁をC方向から見た図であって、環状溝の変形を点線で示す。但し、図面を見やすくするために、図面上ではボディの外形を簡略化して示すと共に、環状溝とその環状溝に嵌合するダイアフラム弁体の周縁部のみを記載する。
【符号の説明】
【0084】
1,41,51,61,71,81 流体制御弁
2、72 樹脂製弁本体
3,43 樹脂製弁上体
4、63,73 ダイアフラム弁体
4a 弁体部
4b 薄膜部
4c,63c,73c 周縁部
11 入力ポート
12 出力ポート
14 開口部
15 弁座
16 環状溝
16a 第1環状溝
16b 第2環状溝
31 第1凸部
32 第2凸部
35,42,52,62,76,82,82A リング体
52c,76d 摘み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力ポートと出力ポートとに連通する開口部を備える樹脂製弁本体と、前記開口部の内壁に設けられた弁座と、前記樹脂製弁本体の上面に連結される樹脂製弁上体と、前記樹脂製弁本体と前記樹脂製弁上体との間に狭持される樹脂製のダイアフラム弁体とを備える流体制御弁において、
前記樹脂製弁本体は、前記開口部の外側に環状溝が形成されており、
前記ダイアフラム弁体は、
外縁に沿って肉厚に設けられ、前記環状溝に嵌合する周縁部を含み、
前記ダイアフラム弁体より硬い材料を環状に形成したリング体が、前記周縁部に装着されている
ことを特徴とする流体制御弁。
【請求項2】
請求項1に記載する流体制御弁において、
前記リング体は軸線方向断面形状が屈曲している
ことを特徴とする流体制御弁。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する流体制御弁において、
前記リング体は、断面形状が楔形である
ことを特徴とする流体制御弁。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載する流体制御弁において、
前記リング体は前記樹脂製弁上体側に突き出す摘み部を有する
ことを特徴とする流体制御弁。
【請求項5】
請求項1又は請求項3に記載する流体制御弁において、
前記リング体は、前記樹脂製弁上体に一体的に設けられている
ことを特徴とする流体制御弁。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載する流体制御弁において、
前記周縁部は、
前記リング体が装着される環状の第1凸部と、
前記第1凸部の外側に設けられた環状の第2凸部と、を有し、
前記環状溝は、
前記第1凸部が嵌合する第1環状溝と、
前記第2凸部が嵌合して、第2凸部が当接する面でシールする第2環状溝と、を有する
ことを特徴とする流体制御弁。
【請求項7】
請求項6に記載する流体制御弁において、
前記第1凸部は、前記第2凸部より前記樹脂製弁本体側へ突出しており、
前記リング体は、前記周縁部の前記樹脂製弁上体側から前記第2凸部の先端位置より深い位置まで前記第1凸部に装着されている
ことを特徴とする流体制御弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−2442(P2009−2442A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−164216(P2007−164216)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】