説明

流体制御装置

【課題】空気貯蔵部に圧縮空気を充填し、空気貯蔵部から空気を排気できる小型低背な構造をダストフィルタを用いずに構成し、吸引性能の低下を防いだ流体制御装置を提供する。
【解決手段】流体制御装置100は、圧電ポンプ101、201と逆止弁102と排気弁103とを備え、カフ109に接続される。圧電ポンプ101、201がポンピング動作を行うと、外気が吸排気口97Aから通気溝97へ吸引され、空気が流入口97Bから圧電ポンプ101、圧電ポンプ201へと流入する。圧電ポンプ201の吐出孔55から吐出された空気は、逆止弁102を介してカフ109へ送出され、カフ109内の空気圧を高める。その後、圧電ポンプ101、201がポンピング動作を停止すると、カフ109の空気は、第3連通孔32及び第5連通孔34を経由して流出口97Cから通気溝97へ流出し、吸排気口97Aから装置本体外部へ急速に排気される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気貯蔵部に圧縮空気を充填し、空気貯蔵部から空気を排気する流体制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1において従来の血圧計が開示されている(図1参照)。この血圧計は、カフ圧力の変化に伴う動脈拍動による動脈壁の振動に基づいて血圧を測定する血圧計であり、血圧計本体筐体10と、送気球コネクタ11と、Oリング12a,12bと、メッシュ状のダストフィルタ13と、フィルタキャップ14と、送気球15と、マニュホールド18と、かしめリング19と、を備える。
【0003】
送気球15は、空気を吸引してカフに送出し、カフ内の圧力(空気圧)を高めるものである。送気球コネクタ11にはダストフィルタ13が取り付けられたフィルタキャップ14が装着される。このダストフィルタ13によって血圧計内の各導通管や、カフ帯につながる各チューブ等に吸引時に塵が入り込むのを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2006/028248号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、小型低背なポンプやバルブを用いて小型低背な血圧計を設計する場合、上記ダストフィルタ13を含む従来のダストフィルタは、その体積が大きいため、血圧計の小型低背化の妨げになっていた。
【0006】
また、従来のダストフィルタは、フィルタリングすることにより塵の蓄積量が増えると、塵によって吸引が阻害され、吸引性能が低下するという問題もあった。
【0007】
本発明の目的は、空気貯蔵部に圧縮空気を充填し、空気貯蔵部から空気を排気できる小型低背な構造をダストフィルタを用いずに構成し、吸引性能の低下を防いだ流体制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の流体制御装置は、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0009】
(1)ポンプ室と前記ポンプ室を介して互いに連通する吸引孔および吐出孔を有するポンプと、
前記ポンプのポンピング動作により空気が装置本体外部から装置本体内部へ吸引される第1通気口と、前記ポンプの前記吸引孔と連通し、前記第1通気口から吸引された空気が前記ポンプ室へ流入する第2通気口と、前記ポンプの前記吐出孔から吐出された空気を貯蔵する空気貯蔵部から流出した空気が前記第1通気口へ流出する第3通気口と、を含み、前記第1、前記第2、前記第3の通気口を連通する通気溝が、形成された流路部と、を備えている。
【0010】
この構成において、ポンプがポンピング動作を行うと、外気が装置本体外部から第1通気口を介して通気溝へ吸引される。そして、通気溝に吸引された空気は、第2通気口を介して吸引孔からポンプ内のポンプ室に流入する。この際、空気に塵が含まれる場合、通気溝における第1通気口から第2通気口までの間の内面に塵が付着する。この後、ポンプは、ポンピング動作により、空気をポンプの吐出孔から吐出し、空気貯蔵部に圧縮空気を充填する。空気貯蔵部は、例えば血圧測定用のカフである。
【0011】
一方、空気貯蔵部の空気は、第3通気口から通気溝へ流出した後、通気溝を通過して第1通気口から装置本体外部へ排気される。そのため、流路部における第3通気口から第1通気口までの区間を、排気される空気が通過する。そのため、流路部における第3通気口から第1通気口までの内面に付着した塵を装置本体外部へ排出できる。
【0012】
即ち、この構成では、第1〜第3通気口を同じ通気溝で繋いで第1通気口を吸排気口として使用することによって、第1通気口付近に流入した塵を、第3通気口より流出される排気により第1通気口から装置本体外部へ排出できる。
【0013】
従って、この構成によれば、空気貯蔵部に圧縮空気を充填し、空気貯蔵部から空気を排気できる小型低背な構造をダストフィルタを用いずに構成した、吸引性能の低下を防ぐことができる流体制御装置を提供できる。
【0014】
(2)前記通気溝は、前記1通気口から前記第3通気口までの区間で、枝状に分岐しており、前記分岐された通気溝に前記第2通気口が設けられている。
【0015】
この構造は、第1通気口から第3通気口までの区間の間で、枝状に分岐するため、分岐点から第2通気口へ塵が侵入し難い構造となっている。この構造では、塵が、第1通気口から分岐点までの間に特に付着する。そして、排気時、通気溝における第3通気口から第1通気口までの区間の間を空気が高速で流れる際に、第1通気口から分岐点までの内面に付着した塵を装置本体外部へ排出できる。
【0016】
(3)前記ポンプの吐出孔に連通する第1連通孔と前記空気貯蔵部に連通する第2連通孔とが形成された逆止弁筐体と、前記逆止弁筐体内を分割して、前記第1連通孔に連通する第1バルブ室と、第2バルブ室とを構成する第1ダイヤフラムと、を有し、前記ポンプのポンピング動作により前記第1連通孔から前記第2連通孔への順方向の吐出圧力が発生すると、前記第1ダイヤフラムが前記第2連通孔を開放して前記第1連通孔と前記第2連通孔とが連通する逆止弁と、
前記通気溝の前記第3通気口に連通する第3連通孔と前記ポンプの吐出孔に連通する第4連通孔と前記空気貯蔵部に連通する第5連通孔とが形成された排気弁筐体と、前記排気弁筐体内を分割して、前記第5連通孔に連通する第3バルブ室と前記第4連通孔に連通する第4バルブ室とを構成する第2ダイヤフラムと、を有し、前記ポンプのポンピング動作により前記第4バルブ室の圧力が前記第3バルブ室の圧力より高くなると、前記第2ダイヤフラムが前記第3連通孔をシールする排気弁と、を備え、
前記排気弁は、前記ポンプのポンピング動作の停止により前記第4バルブ室の圧力が前記第3バルブ室の圧力より低下すると、前記第2ダイヤフラムが開放して前記第3連通孔と前記第5連通孔とが連通する。
【0017】
この構成において、ポンプがポンピング動作を行うと、外気が装置本体外部から第1通気口を介して通気溝へ吸引される。そして、通気溝へ吸引された空気は、第2通気口を介して吸引孔からポンプ内のポンプ室に流入する。この際、空気に塵が含まれる場合、流路部における通気溝の内面に塵が付着する。そして、ポンプは、ポンピング動作により、空気をポンプの吐出孔から逆止弁に流入させる。逆止弁では、ポンプのポンピング動作により第1連通孔から第2連通孔への順方向の吐出圧力が発生すると、第1ダイヤフラムが開放して第1連通孔と第2連通孔とが連通する。また、排気弁では、ポンプのポンピング動作により第4バルブ室が昇圧すると、ダイヤフラムが第3連通孔をシールする。これにより、空気がポンプから逆止弁の第1連通孔と第2連通孔を経由して空気貯蔵部へ送出され、空気貯蔵部内の圧力(空気圧)が高まる。
【0018】
次に、ポンプがポンピング動作を停止すると、ポンプ室と第4バルブ室の体積は空気貯蔵部の収容可能な空気の体積に比べて極めて小さいため、ポンプ室と第1バルブ室と第4バルブ室の空気は、ポンプの吐出孔を経由してポンプの吸引孔から流体制御装置の外部へすぐに排気される。この結果、排気弁では、ポンプのポンピング動作が停止すると、すぐに第4バルブ室の圧力が第3バルブ室の圧力より低下する。
【0019】
第4バルブ室の圧力が第3バルブ室の圧力より低下すると、排気弁では、第2ダイヤフラムが開放して第3連通孔と第5連通孔とが連通する。これにより、空気貯蔵部の空気は、第3連通孔と第5連通孔を経由して通気溝へ流出した後、通気溝から装置本体外部へ急速に排気される。そのため、この急速排気により、流路部における通気溝の内面に付着した塵を装置本体外部へ排出できる。
【0020】
従って、この構成によれば、空気貯蔵部に圧縮空気を充填し、空気貯蔵部から空気を急速排気できる小型低背な構造をダストフィルタを用いずに構成した、吸引性能の低下を防ぐことができる流体制御装置を提供できる。
【0021】
(4)前記逆止弁筐体には、前記第2バルブ室、前記第2連通孔および前記空気貯蔵部に連通する第6連通孔と、前記第2連通孔の周縁から前記第1ダイヤフラム側へ突出した弁座と、がさらに形成され、
前記第1ダイヤフラムは、前記弁座に接触した状態で前記逆止弁筐体に固定された。
【0022】
この構成では、ポンプのポンピング動作時、逆止弁の第1連通孔を経由して第2連通孔から流出する空気が、圧電ポンプの吐出圧力より若干低い圧力となって、第6連通孔から第2バルブ室に流入する。一方、第1バルブ室には圧電ポンプの吐出圧力が印加される。この結果、逆止弁では第1バルブ室の圧力が第2バルブ室より若干勝り、逆止弁では第1ダイヤフラムを開放した状態が維持される。また、第1バルブ室と第2バルブ室との圧力差が小さいため、当該圧力差が極端に偏ることもなく、第1ダイヤフラムが破損するのを防ぐこともできる。
【0023】
また、第1バルブ室の体積も空気貯蔵部の収容可能な空気の体積に比べて極めて小さい。そのため、ポンプのポンピング動作が停止すると、ポンプ室と第1バルブ室と第4バルブ室の空気は、ポンプの吐出孔を経由してポンプの吸引孔から流体制御装置の外部へすぐに排気される。この結果、逆止弁では、ポンプのポンピング動作が停止すると、第1バルブ室の圧力が第2バルブ室の圧力よりすぐに低下する。
逆止弁では、第1バルブ室の圧力が第2バルブ室の圧力より低下すると、第1ダイヤフラムが弁座に当接して第2連通孔をシールする。
【0024】
(5)前記第1ダイヤフラムと前記第2ダイヤフラムは1つのダイヤフラムシートで形成されている。
【0025】
この構成では、逆止弁の第1ダイヤフラムと排気弁の第2ダイヤフラムを単一のダイヤフラムで形成するため、装置本体の小型化を図ることができる。
【0026】
(6)前記ポンプと前記逆止弁と前記排気弁とは一体に形成されている。
【0027】
この構成では、一体形成することで、装置本体の小型化を図ることができる。
【0028】
(7)周辺部が実質的に拘束されていなくて、中心部から周辺部にかけて屈曲振動するアクチュエータと、
前記アクチュエータに近接対向して配置される平面部と、
前記平面部のうち前記アクチュエータと対向するアクチュエータ対向領域の中心又は中心付近に配置された1つまたは複数の吸引孔と、
を備える。
【0029】
このように、アクチュエータの周辺部が(勿論中心部も)実質的に拘束されていないので、アクチュエータの屈曲振動に伴う損失が少なく、小型・低背でありながら高い圧力と大きな流量が得られる。
【0030】
(8)前記アクチュエータは円板状とすれば、回転対称形(同心円状)の振動状態となるため、アクチュエータと平面部との間に不要な隙間が発生せず、ポンプとしての動作効率が高まる。
【0031】
(9)前記平面部におけるアクチュエータ対向領域のうち、例えば中心又は中心付近が屈曲振動可能な薄板部であり、周辺部が実質的に拘束された厚板部とする。
【0032】
この構造によれば、アクチュエータの振動に伴い、通気孔を中心とした対向面の薄板部分が振動するため、実質的に振動振幅を増すことができ、そのことにより圧力と流量を増加させることができる。
【0033】
(10)前記アクチュエータは、当該アクチュエータと前記平面部との間に一定の隙間をあけて弾性構造により保持する構成とすれば、負荷変動に応じてアクチュエータと平面部との隙間を自動的に変化させることができる。たとえばアクチュエータに対して低負荷時には積極的に隙間を確保して流量を増大させることができ、高負荷時には連結部がたわんでアクチュエータと平面部との対向領域の隙間が自動的に減少し、高い圧力で動作することが可能である。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、空気貯蔵部に圧縮空気を充填し、空気貯蔵部から空気を排気できる小型低背な構造をダストフィルタを用いずに構成し、吸引性能の低下を防いだ流体制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】特許文献1の血圧計に備えられる送気球15と血圧計本体筐体10との接続部の構造を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る流体制御装置100の外観斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る流体制御装置100の分解斜視図である。
【図4】図3に示す圧電ポンプ101、201と逆止弁102と排気弁103とカフ109との接続関係を示す説明図である。
【図5】図3に示すバルブ上板106の外観斜視図である。
【図6】図3に示すバルブ基板107の外観斜視図である。
【図7】図3に示すカバー板部95の平面図である。
【図8】図3に示す圧電ポンプ101、201の主要部の断面図である。
【図9】図3に示す逆止弁102の主要部の断面図である。
【図10】図3に示す排気弁103の主要部の断面図である。
【図11】図3に示す圧電ポンプ101、201がポンピング動作を行っている時の空気の流れを示す説明図である。
【図12】圧電ポンプ101、201がポンピング動作を行っている時の空気の流れを示す流体制御装置100の分解斜視図である。
【図13】圧電ポンプ101、201がポンピング動作を行っている時の空気の流れを示すカバー板部95の平面図である。
【図14】図3に示す圧電ポンプ101、201がポンピング動作を停止した直後の空気の流れを示す説明図である。
【図15】圧電ポンプ101、201がポンピング動作を停止した直後の空気の流れを示す流体制御装置100の分解斜視図である。
【図16】圧電ポンプ101、201がポンピング動作を停止した直後の空気の流れを示すカバー板部95の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態に係る流体制御装置100について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る流体制御装置100の外観斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係る流体制御装置100の分解斜視図である。図4は、図3に示す圧電ポンプ101、201と逆止弁102と排気弁103とカフ109との接続関係を示す説明図である。図5は、図3に示すバルブ上板106の外観斜視図であり、図6は、図3に示すバルブ基板107の外観斜視図である。図5(A)と図6(A)は、蓋板116側から見た図であり、図5(B)と図6(B)は、カバー板99側から見た図である。図7は、図3に示すカバー板部95の平面図である。
【0037】
流体制御装置100は、図3に示すように、カバー板99、流路板96、基板91、平面部51、スペーサ53A、振動板ユニット60、補強板43、圧電素子42、スペーサ53B、電極導通用板70、バルブ基板107、ダイヤフラム108、バルブ上板106及び蓋板116を備え、をこの順に積層した構造を有する。即ち、圧電ポンプ101、201と逆止弁102と排気弁103とは一体に形成されている。そして、この構造により、流体制御装置100は、圧電ポンプ101、201と逆止弁102と排気弁103とを備える。
【0038】
圧電ポンプ101及び圧電ポンプ201は、図3及び図4に示すように、ポンプ圧力を増大させるために直列に接続される。そして、圧電ポンプ101及び圧電ポンプ201は、逆止弁102と排気弁103とを介してカフ109に接続される。
【0039】
蓋板116には、カフ109の腕帯ゴム管109Aに連通させるカフ接続口106Aが形成されている。カフ109の腕帯ゴム管109Aがバルブ上板106のカフ接続口106Aに装着されることにより、流体制御装置100がカフ109に接続される。
【0040】
流路板96及びカバー板99の接合体がカバー板部95である。カバー板部95には、図7に示すように、空気を通過させるための通気溝97、98が形成されている。
通気溝97は、外気を装置本体外部から装置本体内部へ吸引するための吸排気口97Aと、圧電ポンプ101の吸引孔52と連通し、吸排気口97Aから吸引した空気を圧電ポンプ101内のポンプ室45へ流入させるための流入口97Bと、排気弁103の第3連通孔32と連通し、カフ109から第3連通孔32を介して排気された空気を通気溝97へ流出させるための流出口97Cと、を有する。
【0041】
ここで、流出口97Cは、流入口97Bより吸排気口97Aから遠い箇所に形成されており、通気溝97は、吸排気口97Aから流出口97Cまでの間で分岐して流入口97Bへ通じる溝に分かれる。ここでは、通気溝97が緩やかなカーブを描いたL字状に伸びており、その一端に流出口97C、他端に吸排気口97Aが形成されており、吸排気口97Aから流出口97Cまでの区間で分岐された通気溝97の一端に流入口97Bが形成されている。なお、通気溝97はこのような形状に限るものではなく、例えば直線状、直角状に折れ曲がっていてもよい。
【0042】
また、通気溝98は、圧電ポンプ101の吐出孔55から吐出された空気を通気溝98へ流出させる流出口98Aと、圧電ポンプ101の吐出孔55から通気溝98に流出した空気を通気溝98から圧電ポンプ201のポンプ室45へ流入させる流入口98Bと、を有する。
【0043】
なお、カバー板部95が本発明の「流路部」に相当する。また、吸排気口97Aが本発明の「第1通気口」に相当する。また、流入口97Bが本発明の「第2通気口」に相当する。また、流出口97Cが本発明の「第3通気口」に相当する。
【0044】
以上の構造において、流体制御装置100は、詳細を後述するが、血圧の測定を開始するときにポンピング動作を圧電ポンプ101、201に行わせる。これにより、外気が吸排気口97Aから流入口97Bへ吸引され、空気が吸引孔52から圧電ポンプ101内のポンプ室45に流入する。この際、空気に塵が含まれる場合、カバー板部95における吸排気口97Aから分岐点97Dまでの内面に塵が付着する。
【0045】
そして、圧電ポンプ101の吐出孔55から吐出された空気は、流出口98Aから通気溝98に流出し、流入口98Bを介して吸引孔52から圧電ポンプ201内のポンプ室45に流入する。圧電ポンプ201の吐出孔55から吐出された空気は、逆止弁102を介してカフ109へ送出され、カフ109内の圧力(空気圧)を高める。
【0046】
その後、血圧の測定が終了すると、流体制御装置100は、圧電ポンプ101、201のポンピング動作を停止する。これにより、カフ109の空気は、排気弁103の第5連通孔34及び第3連通孔32を経由して流出口97Cから通気溝97へ流出し、吸排気口97Aから装置本体外部へ急速に排気される。
【0047】
ここで、圧電ポンプ101、201と逆止弁102と排気弁103との構造について詳述する。まず、図3、図8を用いて圧電ポンプ101、201の構造について詳述する。
図8は、図3に示す圧電ポンプ101、201の主要部の断面図である。
【0048】
図3、図8に示すように、圧電ポンプ101は、基板91、平面部51、スペーサ53A、振動板ユニット60、補強板43、圧電素子42、スペーサ53B、電極導通用板70、及びバルブ基板107を備え、それらを順に積層した構造を有している。圧電ポンプ201は、圧電ポンプ101と同じ構造を有しているため、説明を省略する。
【0049】
円板状の振動板41の上面には補強板43が貼着され、補強板43の上面には圧電素子42が貼着されて、振動板41と圧電素子42と補強板43とによってアクチュエータ40が構成される。ここで、補強板43を圧電素子42および振動板41よりも線膨張係数の大きな金属板としておき、接着時に加熱硬化させることにより、全体が反ることなく、圧電素子42に適切な圧縮応力を残留させることができ、圧電素子42の割れを防止できる。例えば、振動板41を42ニッケルまたは36ニッケルなど線膨張係数の小さな材料とし、補強板43をリン青銅(C5210)やステンレススチールSUS430など線膨張係数の大きな材料とするのがよい。この場合スペーサ53Bの厚さは、圧電素子42と補強板43の厚さを加えたものと同じか、少し厚くしておくとよい。
【0050】
なお、振動板41、圧電素子42、補強板43については、上から圧電素子42、振動板41、補強板43の順に配置してもよい。この場合も圧電素子42に適切な圧縮応力が残留するように、振動板41、補強板43の材質を逆にすることで線膨張係数が調整されている。
【0051】
振動板41の周囲には振動板支持枠61が設けられていて、振動板41は振動板支持枠61に対して連結部62で連結されている。連結部62は細いリング状に形成されたものであり、小さなバネ定数の弾性をもたせて弾性構造としている。したがって振動板41は二つの連結部62で振動板支持枠61に対して2点で柔軟に支持されている。そのため、振動板41の屈曲振動を殆ど妨げない。すなわち、アクチュエータの周辺部が(勿論中心部も)実質的に拘束されていない状態となっている。なお、スペーサ53Aは平面部51と一定の隙間をあけてアクチュエータ40を保持するために設けられる。振動板支持枠61には電気的に接続するための外部端子63が形成されている。
【0052】
振動板41、振動板支持枠61、連結部62及び外部端子63は金属板の打ち抜き加工により成形されていて、これらによって振動板ユニット60が構成されている。
【0053】
振動板支持枠61の上面には、樹脂製のスペーサ53Bが接着固定されている。スペーサ53Bの厚さは圧電素子42と補強板43の厚さを加えたものと同じか少し厚く、ポンプ筺体の一部を構成するとともに、次に述べる電極導通用板70と振動板ユニット60とを電気的に絶縁する。
【0054】
スペーサ53Bの上には、金属製の電極導通用板70が接着固定されている。電極導通用板70は、ほぼ円形に開口した枠部位71と、この開口内に突出する内部端子73と、外部へ突出する外部端子72とで構成されている。
【0055】
内部端子73の先端は圧電素子42の表面にはんだ付けされる。はんだ付け位置をアクチュエータ40の屈曲振動の節に相当する位置とすることにより内部端子73の振動は抑制できる。
【0056】
バルブ基板107は電極導通用板70の上部に被せられ、アクチュエータ40の周囲を覆う。そのため、吸引孔52を通して吸引された流体は吐出孔55から吐出される。吐出孔55はバルブ基板107における圧電ポンプ201のアクチュエータ40に対向する部分の中心に設けてもよいが、バルブ基板107を含むポンプ筐体内の正圧を開放する吐出孔であるので、バルブ基板107における圧電ポンプ201のアクチュエータ40に対向する部分の中心に設ける必要はない。
【0057】
一方、平面部51におけるアクチュエータ40に対向する部分の中心には吸引孔52が形成されている。この平面部51と振動板ユニット60との間に数10μmの厚さのスペーサ53Aが挿入されている。このように、スペーサ53Aが存在しても、振動板41は振動板支持枠61に拘束されているわけではないので、負荷変動に応じて間隙は自動的に変化する。但し、連結部62(バネ端子)の拘束の影響を多少は受けるので、このようにスペーサ53Aを挿入することで、低負荷時には積極的に隙間を確保して流量を増大することができる。また、スペーサ53Aを挿入した場合でも、高負荷時には連結部62(バネ端子)がたわんで、アクチュエータ40と平面部51との対向領域の隙間が自動的に減少し、高い圧力で動作することが可能である。
【0058】
なお、図3に示した例では、連結部62を二箇所に設けたが、三箇所以上に設けてもよい。連結部62はアクチュエータ40の振動を妨げるものではないが、振動に多少の影響を与えるため、例えば三箇所で連結(保持)することにより、より自然な保持が可能となり、圧電素子の割れを防止することもできる。
【0059】
平面部51の下部には、中心に円筒形の開口部92が形成された基板91が設けられている。平面部51の一部は基板91の開口部92で露出する。この円形の露出部は、アクチュエータ40の振動に伴う圧力変動により、アクチュエータ40と実質的に同一周波数で振動することができる。
【0060】
この平面部51と基板91との構成により、平面部51のアクチュエータ対向領域の中心又は中心付近は屈曲振動可能な薄板部であり、周辺部は実質的に拘束された厚板部となる。この円形の薄板部の固有振動数は、アクチュエータ40の駆動周波数と同一か、やや低い周波数になるように設計している。
【0061】
従って、アクチュエータ40の振動に呼応して、吸引孔52を中心とした平面部51の露出部も大きな振幅で振動する。平面部51の振動位相がアクチュエータ40の振動位相よりも遅れた(例えば90°遅れの)振動となれば、平面部51とアクチュエータ40との間の隙間空間の厚さ変動が実質的に増加する。そのことによってポンプの能力をより向上させることができる。
【0062】
以上の構造において、圧電ポンプ101は、外部端子63,72に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ40が屈曲振動し、通気溝97から吸引孔52を介して空気を吸引し、吐出孔55から吐出する。また、圧電ポンプ201は、外部端子63,72に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ40が屈曲振動し、通気溝98から吸引孔52を介して空気を吸引し、吐出孔55から逆止弁102へ吐出する。
【0063】
次に、逆止弁102の構造について図3、図5、図6、図9を用いて説明する。
図9は、本発明の実施形態に係る流体制御装置100に備えられる逆止弁102の主要部の断面図である。逆止弁102は、図3、図5、図6に示すように、バルブ基板107と、ダイヤフラム108と、バルブ上板106と、を備え、それらを順に積層した構造を有する。この構造により、逆止弁102は、図9に示すように、円筒状の逆止弁筐体21と円状の薄膜からなるダイヤフラム108Aとを有する。
【0064】
逆止弁筐体21には、圧電ポンプ201の吐出孔55に連通する第1連通孔24と、カフ109に連通する第2連通孔22と、第2連通孔22およびカフ109に連通する第6連通孔27と、第2連通孔22の周縁からダイヤフラム108A側へ突出した弁座20と、が形成されている。
【0065】
ダイヤフラム108の材質は、例えばエチレンプロピレンゴムまたはシリコーンゴム等の弾性部材である。ダイヤフラム108Aは、弁座20に接触して逆止弁筐体21に固定されている。また、ダイヤフラム108Aは、逆止弁筐体21内を分割して、第1連通孔24に連通するリング状の第1バルブ室23と、第6連通孔27に連通する第2バルブ室26とを構成する。
弁座20は、ダイヤフラム108Aを与圧するよう逆止弁筐体21に形成されている。
【0066】
以上の構造において逆止弁102は、第1バルブ室23と第2バルブ室26との圧力差によって、ダイヤフラム108Aが弁座20に対して接触または離間し、弁を開閉する。
【0067】
次に、排気弁103の構造について図3、図5、図6、図10を用いて説明する。
図10は、本発明の実施形態に係る流体制御装置100に備えられる排気弁103の主要部の断面図である。排気弁103は、図3、図5、図6に示すように、バルブ基板107と、ダイヤフラム108と、バルブ上板106と、を備え、それらを順に積層した構造を有する。この構造により、排気弁103は、図10に示すように、円筒状の排気弁筐体31と円状の薄膜からなるダイヤフラム108Bとを有する。
【0068】
排気弁筐体31には、流出口97Cに連通する第3連通孔32と、圧電ポンプ201の吐出孔55に連通する第4連通孔37と、カフ109に連通する第5連通孔34と、第3連通孔32の周縁からダイヤフラム108B側へ突出した弁座30と、が形成されている。
【0069】
ダイヤフラム108Bは、弁座30に接触して排気弁筐体31に固定されている。また、ダイヤフラム108Bは、排気弁筐体31内を分割して、第5連通孔34に連通するリング状の第3バルブ室33と、第4連通孔37に連通する第4バルブ室36とを構成する。
【0070】
以上の構造において排気弁103は、第3バルブ室33と第4バルブ室36との圧力差によってダイヤフラム108Bが弁座30に対して接触または離間し、弁を開閉する。
【0071】
ここで、血圧測定時における流体制御装置100の動作について説明する。
図11は、図3に示す圧電ポンプ101、201がポンピング動作を行っている時の空気の流れを示す説明図である。図12は、圧電ポンプ101、201がポンピング動作を行っている時の空気の流れを示す流体制御装置100の分解斜視図である。図13は、圧電ポンプ101、201がポンピング動作を行っている時の空気の流れを示すカバー板部95の平面図である。
【0072】
流体制御装置100は、血圧の測定を開始するとき、ポンピング動作を圧電ポンプ101、201に行わせる。これにより、外気が吸排気口97Aから通気溝97へ吸引され、空気が流入口97Bを介して吸引孔52から圧電ポンプ101内のポンプ室45に流入する。例えば、断面積が0.3mmの通気溝97に0.2L/分の流量を圧電ポンプ101、201によって生じさせた場合、空気は、約10m/sの速度で吸排気口97Aから圧電ポンプ101内のポンプ室45へ吸引される。この際、空気に塵が含まれる場合、カバー板部95における吸排気口97Aから分岐点97Dまでの内面に塵が付着する。しかし、通気溝97は吸排気口97Aから流出口97Cまでの間で分岐して流入口97Bへ通じる溝に分かれるため、流体制御装置100は、分岐点97Dから流入口97Bへ塵が侵入し難い構造となっている。
【0073】
そして、圧電ポンプ101の吐出孔55から吐出された空気は、流出口98Aから通気溝98に流出し、流入口98Bを介して吸引孔52から圧電ポンプ201内のポンプ室45に流入する。圧電ポンプ201の吐出孔55から吐出された空気は、逆止弁102の第1連通孔24から第1バルブ室23へ流入する。逆止弁102では、圧電ポンプ101、201のポンピング動作により第1連通孔24から第2連通孔22への順方向の吐出圧力が発生すると、ダイヤフラム108Aが開放して第1連通孔24と第2連通孔22とが連通する。また、排気弁103では、圧電ポンプ101、201のポンピング動作により第4バルブ室36が昇圧すると、ダイヤフラム108Bが第3連通孔32をシールする。これにより、空気が圧電ポンプ101、201から逆止弁102の第1連通孔24と第2連通孔22とカフ接続口106Aを経由してカフ109へ送出され、カフ109内の圧力(空気圧)が高まる。
【0074】
なお、流体制御装置100は、逆止弁102の第2連通孔22と第6連通孔27とが連通した構造となっている。また、逆止弁102は、第2連通孔22を中心に第1連通孔24を外周に形成した形状を有している。これにより、逆止弁102の第1連通孔24を経由して第2連通孔22から流出する空気は、圧電ポンプ101、201の吐出圧力より若干低い圧力となって、第6連通孔27から第2バルブ室26に流入する。一方、第1バルブ室23には圧電ポンプ101、201の吐出圧力が印加される。この結果、逆止弁102では第1バルブ室23の圧力が第2バルブ室26の圧力より若干勝り、逆止弁102ではダイヤフラム108Aを開放した状態が維持される。また、第1バルブ室23と第2バルブ室26との圧力差が小さいため、当該圧力差が極端に偏ることもなく、ダイヤフラム108Aが破損するのを防ぐこともできる。
【0075】
また、流体制御装置100は、逆止弁102の第2連通孔22と排気弁103の第5連通孔34とが連通した構造となっている。また、排気弁103は、第3連通孔32を中心に第5連通孔34を外周に形成した形状を有している。これにより、逆止弁102の第1連通孔24を経由して第2連通孔22から流出する空気は、圧電ポンプ101、201の吐出圧力より若干低い圧力となって、第5連通孔34から排気弁103の第3バルブ室33に流入する。一方、第4バルブ室36には圧電ポンプ101、201の吐出圧力が印加される。この結果、排気弁103では第4バルブ室36の圧力が第3バルブ室33より若干勝り、排気弁103ではダイヤフラム108Bを閉じた状態が維持される。また、第4バルブ室36と第3バルブ室33との圧力差が小さいため、当該圧力差が極端に偏ることもなく、ダイヤフラム108Bが破損するのを防ぐこともできる。
【0076】
図14は、図3に示す圧電ポンプ101、201がポンピング動作を停止した直後の空気の流れを示す説明図である。図15は、圧電ポンプ101、201がポンピング動作を停止した直後の空気の流れを示す流体制御装置100の分解斜視図である。図16は、圧電ポンプ101、201がポンピング動作を停止した直後の空気の流れを示すカバー板部95の平面図である。
【0077】
次に、血圧の測定が終了すると、流体制御装置100は、圧電ポンプ101、201のポンピング動作を停止する。ここで、圧電ポンプ101、201のポンプ室45と逆止弁102の第1バルブ室23と排気弁103の第4バルブ室36との体積はカフ109の収容可能な空気の体積に比べて極めて小さい。そのため、圧電ポンプ101、201のポンピング動作が停止すると、2つのポンプ室45と第1バルブ室23と第4バルブ室36の空気は、圧電ポンプ101、201の吸引孔52および開口部92を経由して流入口97Bから通気溝97へ流出し、流体制御装置100の吸排気口97Aから流体制御装置100の外部へすぐに排気される。また、第2バルブ室26及び第3バルブ室33には、カフ109の圧力が印加される。
【0078】
この結果、逆止弁102では、圧電ポンプ101、201のポンピング動作が停止すると、第1バルブ室23の圧力が第2バルブ室26の圧力よりすぐに低下する。同様に、排気弁103では、圧電ポンプ101、201のポンピング動作が停止すると、第4バルブ室36の圧力が第3バルブ室33の圧力よりすぐに低下する。
【0079】
逆止弁102では、第1バルブ室23の圧力が第2バルブ室26の圧力より低下すると、ダイヤフラム108Aが弁座20に当接して第2連通孔22をシールする。また、排気弁103では、第4バルブ室36の圧力が第3バルブ室33の圧力より低下すると、ダイヤフラム108Bが開放して第5連通孔34と第3連通孔32とが連通する。
【0080】
これにより、カフ109の空気は、カフ接続口106Aと第5連通孔34と第3連通孔32を経由して流出口97Cから通気溝97へ流出し、吸排気口97Aから装置本体外部へ急速に排気される。例えば、体積が100ccのカフ109に30kPaの圧力の空気を充填した場合、空気は、約50m/sの速度で吸排気口97Aから装置本体外部へ急速に排気される。そのため、この急速排気により、カバー板部95における吸排気口97Aから分岐点97Dまでの内面に付着した塵を装置本体外部へ排出できる。
【0081】
以上の構成では、吸排気口97A、流入口97B、及び流出口97Cを同じ通気溝で繋いで吸排気口97Aを吸気と排気に共用している。これにより、吸排気口97Aから分岐点97D付近に流入した塵を、流出口97Cより流出される排気により吸排気口97Aから装置本体外部へ排出している。また、吸排気口97Aから流出口97Cまでの区間で分岐された通気溝97の一端に流入口97Bが形成されている。そのため、排気時、通気溝97における流出口97Cから吸排気口97Aまでの区間を空気が高速で流れる際に、カバー板部95における吸排気口97Aから分岐点97Dまでの内面に付着した全ての塵を装置本体外部へ排出できる。
【0082】
従って、この実施形態によれば、カフ109に圧縮空気を充填し、カフ109から空気を急速排気できる小型低背な構造をダストフィルタを用いずに構成し、吸引性能の低下を防ぐことができる流体制御装置100を提供できる。
【0083】
なお、以上の実施形態では、圧電ポンプ101、201を設けたが、実施の際は、いずれか一方の圧電ポンプを設けるだけの構成も構わない。また、ユニモルフ型で屈曲振動するアクチュエータを設けたが、振動板の両面に圧電素子を貼着してバイモルフ型で屈曲振動するように構成してもよい。
【0084】
また、上述の実施形態では、排気弁103は、第5連通孔34をカフ109に接続して第3連通孔32を流出口97Cに接続しているが、実施の際は、第5連通孔34を図10の第3通気孔32の位置に配した状態でカフ109に接続し、第3連通孔32を図10の第5連通孔34の位置に配置し、流出口97Cに接続しても構わない。この接続方法では、体動などでカフ109の圧力が変動した場合でも、意図しない排気が発生し難いという効果を奏する。
【0085】
また、上述の実施形態では、逆止弁102の弁体として円状のダイヤフラム108Aを採用しているが、実施の際は、弁座20をシールできるその他の形状(例えばキノコ形や短冊形など)を採用しても構わない。
【0086】
また、上述の実施形態では、通気溝97が図7に示す形状を有しているが、実施の際は、これ以外の形状でも構わない。例えば、吸排気口97Aから流出口97Cまで一直線の形状であっても良く、また、分岐点97Dを設けずに吸排気口97Aと流入口97Bと流出口97Cとが一直線の形状であっても良い。すなわち、分岐点97Dから流入口97Bまで延びる分岐された通気溝は、必ずしも流路板96と同一平面上に設けられる必要はなく、分岐点97Dと流入口97Bとが一致し、流入口97Bとポンプ室45とを接続するように、流路板96に対して垂直な方向に延びていてもよい。
【0087】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0088】
10…血圧計本体筐体
11…送気球コネクタ
12a,12b…リング
13…ダストフィルタ
14…フィルタキャップ
15…送気球
18…マニュホールド
19…かしめリング
20…弁座
21…逆止弁筐体
22…第2連通孔
23…第1バルブ室
24…第1連通孔
26…第2バルブ室
27…第6連通孔
30…弁座
31…排気弁筐体
32…第3連通孔
33…第3バルブ室
34…第5連通孔
36…第4バルブ室
37…第4連通孔
40…アクチュエータ
41…振動板
42…圧電素子
43…補強板
45…ポンプ室
51…平面部
52…吸引孔
53A、53B…スペーサ
55…吐出孔
60…振動板ユニット
61…振動板支持枠
62…連結部
63,72…外部端子
70…電極導通用板
71…枠部位
72…外部端子
73…内部端子
91…基板
92…開口部
95…カバー板部
96…流路板
97…通気溝
97A…吸排気口
97B…流入口
97C…流出口
97D…分岐点
98…通気溝
98A…流出口
98B…流入口
99…カバー板
100…流体制御装置
101、201…圧電ポンプ
102…逆止弁
103…排気弁
106…バルブ上板
106A…カフ接続口
107…バルブ基板
108…ダイヤフラム
108A…第1ダイヤフラム
108B…第2ダイヤフラム
109…カフ
109A…腕帯ゴム管
116…蓋板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ室と前記ポンプ室を介して互いに連通する吸引孔および吐出孔を有するポンプと、
前記ポンプのポンピング動作により空気が装置本体外部から装置本体内部へ吸引される第1通気口と、前記ポンプの前記吸引孔と連通し、前記第1通気口から吸引された空気が前記ポンプ室へ流入する第2通気口と、前記ポンプの前記吐出孔から吐出された空気を貯蔵する空気貯蔵部から流出した空気が前記第1通気口へ流出する第3通気口と、を含み、前記第1、前記第2、前記第3の通気口を連通する通気溝が形成された流路部と、を備えることを特徴とする、流体制御装置。
【請求項2】
前記通気溝は、前記1通気口から前記第3通気口までの区間で、枝状に分岐しており、分岐された通気溝に前記第2通気口が設けられている、請求項1に記載の流体制御装置。
【請求項3】
前記ポンプの吐出孔に連通する第1連通孔と前記空気貯蔵部に連通する第2連通孔とが形成された逆止弁筐体と、前記逆止弁筐体内を分割して、前記第1連通孔に連通する第1バルブ室と、第2バルブ室とを構成する第1ダイヤフラムと、を有し、前記ポンプのポンピング動作により前記第1連通孔から前記第2連通孔への順方向の吐出圧力が発生すると、前記第1ダイヤフラムが前記第2連通孔を開放して前記第1連通孔と前記第2連通孔とが連通する逆止弁と、
前記通気溝の前記第3通気口に連通する第3連通孔と前記ポンプの吐出孔に連通する第4連通孔と前記空気貯蔵部に連通する第5連通孔とが形成された排気弁筐体と、前記排気弁筐体内を分割して、前記第5連通孔に連通する第3バルブ室と前記第4連通孔に連通する第4バルブ室とを構成する第2ダイヤフラムと、を有し、前記ポンプのポンピング動作により前記第4バルブ室の圧力が前記第3バルブ室の圧力より高くなると、前記第2ダイヤフラムが前記第3連通孔をシールする排気弁と、を備え、
前記排気弁は、前記ポンプのポンピング動作の停止により前記第4バルブ室の圧力が前記第3バルブ室の圧力より低下すると、前記第2ダイヤフラムが開放して前記第3連通孔と前記第5連通孔とが連通する、請求項1又は2に記載の流体制御装置。
【請求項4】
前記逆止弁筐体には、前記第2バルブ室、前記第2連通孔および前記空気貯蔵部に連通する第6連通孔と、前記第2連通孔の周縁から前記第1ダイヤフラム側へ突出した弁座と、がさらに形成され、
前記第1ダイヤフラムは、前記弁座に接触した状態で前記逆止弁筐体に固定された、請求項3に記載の流体制御装置。
【請求項5】
前記第1ダイヤフラムと前記第2ダイヤフラムは1つのダイヤフラムシートで形成されている、請求項3又は4に記載の流体制御装置。
【請求項6】
前記ポンプと前記逆止弁と前記排気弁とは一体に形成されている、請求項3から請求項5のいずれかに記載の流体制御装置。
【請求項7】
前記ポンプは、周辺部が実質的に拘束されていなくて、中心部から周辺部にかけて屈曲振動するアクチュエータと、前記アクチュエータに近接対向して配置される平面部と、前記平面部のうち前記アクチュエータと対向するアクチュエータ対向領域の中心又は中心付近に配置された1つまたは複数の吸引孔と、を備える、請求項1から請求項6のいずれかに記載の流体制御装置。
【請求項8】
前記アクチュエータは円板状である、請求項7に記載の流体制御装置。
【請求項9】
前記アクチュエータ対向領域は、中心又は中心付近が屈曲振動可能な薄板部であり、周辺部が実質的に拘束された厚板部である、請求項7又は8に記載の流体制御装置。
【請求項10】
前記アクチュエータは、当該アクチュエータと前記平面部との間に一定の隙間をあけて弾性構造により保持されている、請求項7乃至9の何れかに記載の流体制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−217684(P2012−217684A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87476(P2011−87476)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】