説明

流体化された材料のためのフロー制御バルブ

流体化された材料のフロー制御バルブ(10)は、バルブシート(30)付きのバルブ室(18)を有するバルブハウジング(12)と、フロー通路(22,24)を有するバルブプラグ(20)とを備え、バルブプラグ(20)は、フロー制御バルブ(10)を通るフローを制御するため回転軸(A)の周りで回転できるようにバルブシート(30)の前方でバルブ室(18)の内側に配置されている。フロー制御バルブはバルブプラグ(20)を回転軸(A)と垂直にバルブシート(30)に対して付勢し、バルブシート(30)とバルブプラグ(20)との間に密封接触を実現するばね手段をさらに備える。本発明の重要な態様によれば、ばね手段は、バルブプラグ(20)をバルブシート(30)に対して付勢するように、バルブシート(30)と対向する逃げ空間(42)に配置された少なくとも1個の片持ちばね(40)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に、流体化された材料の空気圧搬送システムで用いられる、流体化された材料のためのフロー制御バルブに関係する。
【背景技術】
【0002】
流体化された材料の搬送システムでは、流体化された材料は、搬送ガス又は搬送液体のような搬送流体を用いて導管内を大量に輸送される。
【0003】
搬送ガスを使用する空気圧搬送システムの具体的な例は、羽口を介して微粒子サイズの微粉炭を高炉に吹き込む微粉炭吹き込みシステムである。
【0004】
バルク材の計量を可能にするため、流体化された材料の搬送の分野では、搬送流体の流速、したがって、バルブを通るバルク材の流速もまた制御するフロー制御バルブを導管に設けることがよく知られている。
【0005】
たとえば、微粉炭吹き込みシステムにおいて使用されるフロー制御バルブの一般的な例は、プラグバルブである。プラグバルブは、従来的には、バルブシート付きのバルブ室を有するバルブハウジングと、フロー通路を有するバルブプラグとを備える。バルブプラグは、バルブシートの前方でバルブ室の内側に配置され、回転軸の周りで回転可能である。回転は、バルブシートと相対的にバルブプラグのフロー通路の位置を設定することによりバルブの中のフローを制御することを可能にする。
【0006】
当然ながら、バルブシートとバルブプラグとの間の密封接触は、どんなバルブにも重要な要件である。フロー制御バルブが搬送流体の動作温度及び/又は周囲温度、したがって、バルブ自体の温度が著しい変動にさらされるシステムにおいて使用されるべきとき、プラグとシートとの間に密封接触を実現することは問題となる可能性がある。実際に、温度変動は、たとえば、バルブハウジングとバルブプラグ及び/又はバルブシートの熱膨張が異なるために、バルブの漏れの原因になることがある。この問題は、たとえば、微粉炭吹き込みにおいて起こる。このような場合には、プラグバルブがバルブプラグ及びバルブシートをバルブプラグの回転軸と垂直に相互に付勢するばね手段をバルブに設けることが知られている。第1の可能な設計では、シートがプラグに対してばね付勢される。本発明にとって関心のある第2の可能な設計では、プラグがシートに対してばね付勢される。
【0007】
多くの公知のばね付勢式プラグバルブでは、ばね手段は、プラグとシートを一緒に付勢するようにバルブハウジングの案内孔に配置されている螺旋ばねで構成されている。このタイプのばね付勢式プラグバルブは、ある特定のアプリケーション、及び、特に、高温高圧で作動する微粉炭吹き込みシステムにおいて、流体密封を十分に保証しないことが分かった。さらに、流体化されたバルク材用の搬送システムでは、流体化されたバルク材フローから生じる微粒子はバルブハウジングの内側、したがって、螺旋ばねの案内孔の内側でもある空洞部に堆積する傾向がある。それゆえに、螺旋ばねはある特定の位置において邪魔されやすい。ばね付勢が妨害されると、流体密封は、特に温度変動と共に、明らかに不完全になる。このことは、ガス密封が重要な要件である空気圧搬送システムにおいて特に問題がある。潜在的な妨害のさらなる有害な結果として、バルブがこのような妨害条件で作動されるとき、バルブに対する損害、又は、モーター作動式バルブの場合に、モーターユニットに対する損害が起こる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、動作条件及び微粒子堆積とは無関係に、バルブプラグとバルブシートとの間の流体緊密接触を改善する、流体化された材料のためのフロー制御バルブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、バルブシート付きのバルブ室を有するバルブハウジングと、フロー通路を有するバルブプラグとを備え、バルブプラグがフロー制御バルブを通るフローを制御するため回転軸の周りで回転可能であるようにバルブシートの前方でバルブ室の内側に配置されている、流体化された材料のためのフロー制御バルブを提案する。フロー制御バルブは、バルブプラグを回転軸と垂直にバルブシートに対して付勢し、バルブシートとバルブプラグとの間に密封接触を実現するばね手段をさらに備える。本発明の重要な態様によれば、ばね手段はバルブプラグをバルブシートに対して付勢するようにバルブシートと対向する逃げ空間に配置された少なくとも1個の片持ちばねを備える。
【0010】
本発明によるフロー制御バルブは、バルブの動作条件とは無関係に、改良された流体密封を実現する。さらに、片持ち型の湾曲ばねの使用は、案内孔付きの螺旋ばねの必要性をなくすので、バルブのばね付勢機能は微粒子による目詰まりの影響を受けない。
【0011】
好ましい実施形態では、少なくとも1個の片持ちばねは棒ばねである。棒ばねは、バルブプラグをバルブシートに対してばね付勢する第1の端部と、バルブハウジングに固定された第2の端部とを有する。重ね板ばねのようなその他の片持ち型の湾曲ばねが使用されることもあるが、棒ばねが好ましい。
【0012】
棒ばねの全長に亘ってより均一な曲げ応力の分布を実現するため、棒ばねは、好ましくは、第1の端部へ向かって徐々に細くなる。
【0013】
有利には、片持ちばねは、片持ちばねの第1の端部に取り付けられ、バルブプラグの外面に合わされた接触面を有する鞍状部材を備える。この構造は、ばねとプラグとの間にある特定の面積の緊密な表面接触を可能にさせる。
【0014】
片持ちばねのさらなる利点として、フロー制御バルブは、好ましい実施形態では、棒ばねの第2の端部を支持し、バルブプラグに関して棒ばねの軸方向位置を設定することを可能にする調節装置を備えることができる。各片持ちばねの予張力、したがって、バルブプラグとバルブシートとの間の接触圧力は設定可能であるので、調節能力は流体密封を保証するために役立つことがわかる。初期調節はバルブをある特定のアプリケーション(異なる圧力、温度、流体タイプなど)に適合させることを可能にする。耐用期間中の調節は、たとえば、プロセス変動又はバルブ部品の損耗を考慮に入れることを可能にする。棒ばねの軸方向位置を設定するため、調節装置は、好ましくは、バルブハウジングから突出する操作部を備える。バルブの運転中の調節がそれによって可能になる。
【0015】
バルブプラグとバルブシートとの間に均一な接触を実現するために、バルブプラグと接し、かつ、バルブハウジングを通る流路の対向する両側にある、対応する逃げ空間に配置された2対の片持ちばねを設けることが有利である。この構造では、各対の片持ちばねは、好ましくは、平行に配置され、いずれかの対の2個の片持ちばねは反対向きの同軸関係で配置されている。
【0016】
有利には、フロー制御バルブは、バルブハウジングに回転可能に取り付けられた作動シャフトと、バルブプラグを作動シャフトに連結するオルダムカップリングとをさらに備える。この構造は、バルブシートに対するバルブプラグの変位を可能にするために、バルブ室の内側にバルブプラグを浮動式に取り付ける簡単かつ信頼性のある方法を提供する。
【0017】
片持ちばね、特に、片持ちばねのそれぞれの調節装置への接近を容易にするために、各片持ちばねの逃げ空間は、好ましくは、バルブハウジング内の作動シャフトの軸と垂直に配置されている。
【0018】
球状プラグ付きのプラグバルブは、片持ちばねの使用から恩恵を受けることもあり得るが、好ましくは、特に、空気圧搬送システムでは、バルブプラグは、バルブシートの対応する密封面と接触する円筒状プラグ密封面と、片持ちばねの第1の端部、又は、もし設けられているならば、鞍状部材の接触面と接触する円筒状プラグ付勢面とを有する基本的に円筒状の中空本体部を備える。
【0019】
本発明によるフロー制御バルブは、特に、高炉用の微粉炭吹き込みシステムで用いるために適していることがわかる。
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態は、一例として、添付図面を参照して説明される。
【0021】
本発明のさらなる詳細及び利点は以下の詳細な説明から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、概して参照番号10によって特定された流体化された材料のためのフロー制御バルブを示している。フロー制御バルブ10は、流体化されたバルク材のための搬送システム、特に、高炉用の微粉炭吹き込みシステムのような空気圧搬送設備の導管に使用されるように設計されている。
【0023】
フロー制御バルブ10は、入口ポート14及び出口ポート16を有するバルブハウジング12を備える。バルブハウジング12は、内部に、入口ポート14及び出口ポート16と連通するバルブ室18を画成する。バルブプラグ20はバルブ室18の内側に配置されている。バルブプラグ20は、プラグ本体部の円筒胴の側方に配置されている第1のアパーチャ22及び第2のアパーチャ24を備えたほぼ円筒中空構造の本体部を有する。アパーチャ22、24は、バルブプラグ20を通るフロー通路を提供する。バルブプラグ20は、バルブプラグ20を、バルブハウジング12内に回転可能に取り付けられている作動シャフト28に連結するカップリング部26をさらに備える。
【0024】
フロー制御バルブ10は、バルブ室18の周辺でバルブハウジング12に固定されているバルブシート30をさらに備える。バルブシート30は、ほぼ管状の、円筒形状を有し、バルブハウジング12内の接合ソケット32に配置されている。バルブシート30はさらなるフロー通路を提供し、フロー通路を介してバルブ室18が出口ポート16と連通する。図1において理解されるように、バルブプラグ20はバルブシート30の前方に配置されている。バルブプラグ20は、作動シャフト28を用いて回転軸Aの周りで回転可能である。プラグ型バルブの場合にそれ自体が知られている方法で、バルブシート30と相対的なバルブプラグ20の回転位置は、バルブプラグ20内のフロー通路とバルブシート30内のフロー通路との間の一致度を設定することにより、バルブ10を通るフローを制御することを可能にする。この点で、バルブプラグ20の第2のアパーチャ24が、先細状のほぼ三角形の第1の部分とほぼ半円状の第2の部分の複合形状を有することに注意を要する(平面投影に示されている)。この形状は、(一致がアパーチャ24の第1のほぼ三角形の部分に制限されるとき)交差するフロー通路面積をバルブプラグ20の角度位置の基本的に一次関数とすることによりフロー制御を改善することを可能にさせる。さらに図1において理解されるように、2個の取り付けフランジ34、36が入口ポート14及び出口ポート16のそれぞれの拡大部分においてバルブハウジング12に取り付けられている。
【0025】
図2に最もよく理解されるように、バルブプラグ20は円筒状外側密封表面部分を有する。しかし、バルブプラグ20は円筒状でなくてもよく、その他のタイプもまた可能であり、例えば、密封面部分が回転体の表面部分であるならば、球状プラグが可能である。バルブシート30は、バルブシートとバルブプラグとの間の密封接触が可能であるように、バルブプラグ20の密封面と精密に合わされた密封面部分が設けられている。
【0026】
図2においてさらに理解されるように、バルブシート30とバルブプラグ20との間に密封接触を実現するため、回転軸Aと垂直な方向にバルブシート30に対しバルブプラグ20を付勢するばね手段が提供されている。本発明によれば、これらのばね手段は片持ちばね40を備える。片持ちばね40は、湾曲部の弾性によって機能する湾曲ばねであることが理解される。重ね板ばねのようなその他のタイプの片持ちばねが使用されても良いが、片持ちばねは、以下で明らかになる理由のため、円形断面をもつ棒ばね40であることが好ましい。図1及び図2から分かるように、4個の棒ばね40が、バルブ室18に隣接し、バルブシート30と対向したそれぞれの逃げ空間42に配置されている。各棒ばね40は、バルブプラグ20と接し、バルブシート30に対しバルブプラグ20を付勢する第1の端部と、バルブハウジング12に固定されている第2の端部とを有する。理解されるように、棒ばね40によって生成される合成ばね付勢力Fの方向は回転軸Aに垂直であり、バルブシート30の方へ向けられている。
【0027】
図2において理解されるように、各棒ばね40は、棒ばね40の第1の端部へ向かって徐々に細くなる円錐状ロッドとして作られている。その結果、円筒状ロッドと比較すると、より均一な曲げ応力分布が棒ばね40の全長に亘って得られる。各棒ばね40とバルブプラグ20との間に表面接触を与えるため、各棒ばね40は、各棒ばねの第1の端部に取り付けられた鞍状部材44を有する。各鞍状部材44は、バルブプラグ20の円筒状外側面に合わされた接触面を有する。
【0028】
図2においてさらに理解されるように、各棒ばねは、それぞれの調節装置46を用いてバルブハウジング12に取り付けられている。調節装置46は、バルブプラグ20に関して関連した棒ばね40の軸方向位置、したがって、棒ばね40とバルブプラグ20との間の接線方向の接触点を設定、すなわち、調節することを可能にするように、この棒ばね40の第2の端部を支持する。理解されるように、棒ばね40の軸方向位置決めは、棒ばねの第1の端部と回転軸Aとの間の距離を増減させることを可能にすると同時に、バルブプラグ20との接線方向の接触を維持する。したがって、調節装置46によって、棒ばね40の湾曲と、その結果としての力Fの大きさ、すなわち、ばね付勢の度合いとが調節され得る。このため、各調節装置46は、バルブハウジング12から突出するようにそれぞれの逃げ空間42の延長である孔に固定された中空円筒スリーブ48と、スリーブ48の内側に固定され、棒ばね40の第2の端部にある対応する雄ねじ52と協働する雌ねじ付きブッシング50と、スリーブ48と当接した状態で雄ねじ52にねじ込まれたロックナット54とを備える。ロックナット54が緩められるとき、棒ばね40の軸方向位置は、たとえば、トルクレンチを使用して、棒ばね40を回すことにより、すなわち、ねじ込むことにより、精密に調節され得る。このため、棒ばね40の本体部は、前端へ向かって徐々に細くなる円形断面を伴う回転対称形状を有する。理解されるように、調節装置46は、ロックナット54とスリーブ48及びばねロッド40の外側部分とによって形成され、バルブハウジング12から突出する操作部55を有する。この設計によって、調節装置46は、たとえば、密封接触圧力を再調節するため、又は、妨害状態から回復させるために、バルブハウジング12を分解する必要なしに、すなわち、動作中に、操作され得る。調節に加えて、調節装置46の構造は、たとえば、保守又は点検目的のための、棒ばね40の簡単な分解及び取り外しを可能にすることもまた理解されるであろう。2本のリテンションピン56は、棒ばね40が取り外されたときにバルブプラグ20が外れることを阻止するためにバルブハウジング12に設けられている。いかなる軸方向位置であっても、かつ、回転中に、バルブプラグ20上での鞍状部材44の係止を維持するために、各鞍状部材44は、たとえば、球面継手を用いて、棒ばね40の縦軸の周りで回転可能であるように、かつ、好ましくは、軸Aと平行な軸の周りでわずかに旋回可能であるように、この鞍状部材の棒ばね40に取り付けられている。
【0029】
図1及び図2から理解されるように、2対の棒ばね40が、バルブハウジング12を通る流路の両側にあり、バルブプラグ20と接している、対応する逃げ空間42に配置されている。各対の棒ばね40は平行に配置されている(すなわち、平行な縦軸をもち、予張力を受けない)。いずれかの対の2個の棒ばね40は、図2において理解されるように、反対向きの同軸関係で配置されている。この4個の棒ばね40の配置は、バルブシート30の及びバルブプラグ20の密封面に均一な接触圧力を保証する。
【0030】
図1において理解されるように、バルブプラグ20はカップリング部材60を用いて作動シャフト28に連結されている。カップリング部材60は、ほぼディスク形状をなし、オルダム(Oldham)カップリングとして作られている。このため、カップリング部材60は、作動シャフト28の複合リブと協働する直線状の凹部を第1の側面に有し、第1の側面の凹部と垂直であり、バルブプラグ20のカップリング部26内の複合凹部と協働する直線状のリブを第2の側面に有する。この構造は、バルブプラグ20の回転軸Aと作動シャフト28の軸との間にある程度の変位を許容するため、バルブ室18の内側でのバルブプラグ20の浮動式取り付けを可能にする。両方の軸の平行度は、カップリング部材26の反対側でのバルブプラグ20のための適当な静止部と組み合わされたオルダムカップリング構造によって維持される。
【0031】
図1においてさらに理解されるように、基本的に円筒状の逃げ空間42は、バルブハウジング12内で作動シャフト28の軸と垂直に配置されている。この配置によって、調節装置46への作業者のアクセスが容易化されている。
【0032】
好ましい材料に関して、各棒ばねはばね鋼で作られていることが理解されるであろう。代わって、バルブプラグ20、バルブシート30、及び、鞍状部材44は、超硬金属又は超硬合金で作られている。バルブハウジング自体は、たとえば、従来の鋼のようなどんな適当な材料でも作ることができる。
【0033】
最後に、本発明によるフロー制御バルブ10によって得られる幾つかの重要な利点について言及する。
・適当な逃げ空間42と組み合わせて片持ち湾曲ばね40を使用すると、要求されるばね付勢機能はより信頼性が高くなり、微粒子堆積に起因する目詰まり及び妨害によって実質的に影響されなくなる。
・その結果として、フロー制御バルブ10は、実質的にあらゆる条件においてより信頼性の高い流体密封を提供し、したがって、安全性が重要なアプリケーション及び/又は厳しい環境、たとえば、高炉における微粉炭吹き込みシステムにおいて使用することが可能である。
・片持ち湾曲ばね40によって、フロー制御バルブ10は、バルブハウジング12、バルブプラグ20、及び/又は、シート30の構成材料の熱膨張の相違に関する許容範囲を改良した。
・調節装置46と組み合わせて、片持ち湾曲ばね40は、密封接触圧力を精密かつ最適に設定することを可能にする。このことは、バルブ10を様々な動作条件に適合させ、プラグ20及びシート30の損耗を低減させることを可能にする。さらに、所要の作動トルクは、安全上の理由のため過剰に付勢されることが多い従来のバルブと比較すると、削減され得る。
・一般的にフロー制御バルブ10の構造、特に調節装置46の構造は、休止時間が必要とされないように、動作時間中に密封接触圧力を設定することを可能にする。
・所与の位置におけるバルブプラグ20の妨害の危険性が著しく低減されるので、結果として生じるバルブへの損害の危険性、及び、もし設けられているならば、バルブの作動モーターへの損害の危険性もまた低減される。
・一般的にフロー制御バルブ10の構造、特に調節装置46の構造は、螺旋ばねを使用する従来型のばね付勢式バルブと比較すると、バルブ10の内部部品の保守を容易化する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明によるフロー制御バルブの縦断面図である。
【図2】図1の線II−IIによるフロー制御バルブの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブシート付きのバルブ室を有するバルブハウジングと、
フロー通路を有し、回転軸の周りで回転可能であるように前記バルブシートの前方で前記バルブ室の内側に配置され、フロー制御バルブを通るフローを制御するバルブプラグと、
前記バルブプラグを前記回転軸と垂直に前記バルブシートに対して付勢し、前記バルブシートと前記バルブプラグとの間に密封接触を実現するばね手段と、
を備え、
前記ばね手段が前記バルブプラグを前記バルブシートに対して付勢するように前記バルブシートと対向する逃げ空間に配置された少なくとも1個の片持ちばねを備えることを特徴とする、流体化された材料のためのフロー制御バルブ。
【請求項2】
前記少なくとも1個の片持ちばねが、前記バルブプラグを前記バルブシートに対してばね付勢する第1の端部と前記バルブハウジングに固定された第2の端部とを有する棒ばねである、請求項1に記載のフロー制御バルブ。
【請求項3】
前記棒ばねがこの棒ばねの前記第1の端部へ向かって徐々に細くなる、請求項2に記載のフロー制御バルブ。
【請求項4】
前記片持ちばねが、前記片持ちばねの第1の端部に取り付けられ、前記バルブプラグの外面に合わされた接触面を有する鞍状部材を備える、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のフロー制御バルブ。
【請求項5】
前記棒ばねの前記第2の端部を支持し、前記バルブプラグに関して前記棒ばねの軸方向位置を設定することを可能にする調節装置をさらに備える、請求項2乃至4のうちのいずれか1項に記載のフロー制御バルブ。
【請求項6】
前記調節装置が、前記バルブハウジングから突出し前記棒ばねの前記軸方向位置を設定する操作部を備える、請求項5に記載のフロー制御バルブ。
【請求項7】
2対の片持ちばねが、前記バルブプラグに接し、前記バルブハウジングを通る流路の対向する両側にある、対応する逃げ空間に配置されている、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載のフロー制御バルブ。
【請求項8】
各対の前記片持ちばねが平行に配置され、いずれかの対の2個の片持ちばねが反対向きの同軸関係で配置されている、請求項7に記載のフロー制御バルブ。
【請求項9】
前記バルブハウジングに回転可能に取り付けられた作動シャフトと、前記バルブプラグを前記作動シャフトに連結するオルダムカップリングとをさらに備える、請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載のフロー制御バルブ。
【請求項10】
前記逃げ空間が前記バルブハウジング内の前記作動シャフトの軸と垂直に配置されている、請求項9に記載のフロー制御バルブ。
【請求項11】
前記バルブプラグが、前記バルブシートの対応する密封面と接触する円筒状プラグ密封面と、前記片持ちばねの第1の端部又は前記鞍状部材の前記接触面と接触する円筒状プラグ付勢面とを有する基本的に円筒状の中空本体部を備える、請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載のフロー制御バルブ。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちのいずれか1項に記載のフロー制御バルブを備える高炉用の微粉炭吹き込みシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−523221(P2009−523221A)
【公表日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549798(P2008−549798)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際出願番号】PCT/EP2006/069093
【国際公開番号】WO2007/080029
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(500173376)ポール ヴルス エス.エイ. (44)
【氏名又は名称原語表記】PAUL WURTH S.A.
【Fターム(参考)】