説明

流体吐出装置の熱酸化物コーティング

【課題】流体吐出装置の熱酸化物コーティングを提供する。
【解決手段】流体吐出装置は、流路本体と、第1の酸化物層と、膜と、第2の酸化物層と、を含む。流路本体は、第1の外表面と、その反対側の第2の外表面と、複数の流路であってそれぞれが少なくとも第1の外表面から第2の外表面まで延在する流路と、を有する。第1の酸化物層は、少なくとも流路のそれぞれの内表面並びに流路本体の第1の外表面及び第2の外表面を被覆し、{100}面に沿った厚さの変動が5%未満である。膜は、第1の外表面を有する。第2の酸化物層は、膜の第1の外表面を被覆し、{100}面に沿った厚さの変動が5%未満であり、第1の酸化物層と結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に流体吐出装置のコーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、流体吐出装置(例えばインクジェットプリントヘッド)は、流体流路を画成する複数の内表面と、流体が吐出されるオリフィスと、外表面と、を有する。流体が流体吐出装置を通って流れるとき、侵蝕性(例えばアルカリ性)の流体が流体吐出装置の内表面及び外表面に作用して、流体吐出装置の内表面及び外表面を劣化させることがある。流体吐出装置の内表面及び外表面が平らでないと、配列された流体吐出素子において素子ごとに差異が生じる。かかる不均一性は、不均一で不正確な流体吐出をもたらすことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0136866号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0030306号明細書
【特許文献3】特開平9−57981号公報
【特許文献4】米国特許出願公開第2004/0125169号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流体液滴の吐出中に、侵蝕性(例えばアルカリ性)の流体が流体吐出装置の内表面及び外表面に作用して、流体吐出装置が劣化することがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
熱酸化物を用いて、露出した内表面及び外表面を保護することができる。
【0006】
一態様において、流体吐出装置は、流路本体と、第1の酸化物層と、膜と、第2の酸化物層と、を含む。流路本体は、第1の外表面と、その反対側の第2の外表面と、複数の流路であってそれぞれが少なくとも第1の外表面から第2の外表面まで延在する流路と、を有する。第1の酸化物層は、少なくとも流路のそれぞれの内表面並びに流路本体の第1の外表面及び第2の外表面を被覆し、{100}面に沿った厚さの変動が5%未満である。膜は、第1の外表面を有する。第2の酸化物層は、膜の第1の外表面を被覆し、{100}面に沿った厚さの変動が5%未満であり、第1の酸化物層と結合される。
【0007】
この実施形態及び他の実施形態は、任意に以下の特徴のうちの一つ又は複数を含み得る。流体吐出装置は、第1の外表面を有するノズルプレートと、ノズルプレートの第1の外表面を被覆する第3の酸化物層とを更に含むことができる。第3の酸化物層は、変動が5%未満である厚さを有することができ、第1の酸化物層と結合され得る。第1の酸化物層及び第2の酸化物層の厚さは、約0.1〜5μm、例えば約2μm未満であり得る。第1の酸化物層及び第2の酸化物層のそれぞれの密度は、約2.0g/cmより高く、例えば約2.2g/cmであり得る。流路本体は、シリコンを含むことができる。膜は、単結晶シリコンを含むことができる。第1の酸化物層及び第2の酸化物層は、シリコン酸化物を含むことができる。第1の酸化物層及び第2の酸化物層のそれぞれの厚さの変動は、3%未満であり得る。
【0008】
一態様において、流体吐出装置の形成方法は、膜の少なくとも一つの表面上に第1の熱酸化物層を形成する工程と、複数の流路を備える流路本体の少なくとも一つの表面上に第2の熱酸化物層を形成する工程と、第1の熱酸化物層を第2の熱酸化物層に結合する工程と、を含む。
【0009】
この実施形態及び他の実施形態は、任意に以下の特徴のうちの一つ又は複数を含み得る。第1の熱酸化物層を第2の熱酸化物層に結合する工程は、酸化物間結合を形成する工程を含むことができる。第2の酸化物層を形成する工程は、流路のそれぞれの壁に沿って熱酸化物層を形成する工程を含むことができる。第2の酸化物層の{100}面に沿った厚さの変動は、5%未満であり得る。この方法は、ノズルプレートの少なくとも一つの表面上に第3の酸化物層を形成する工程と、第3の酸化物層を第2の酸化物層に結合する工程と、を更に含むことができる。結合する工程は、約1000℃より高い温度で行うことができる。この温度は、約1200℃〜1300℃であってもよい。形成された熱酸化物層の厚さは、約0.1μm〜5μm、例えば約2μm未満であってもよい。
【0010】
ある実施態様は、以下の利点のうちの一つ又は複数を有し得る。流体路を被覆するために熱酸化を用いると、高密度の酸化物層が生じる。この高密度の酸化物層は、不活性であり、アルカリ性の流体による侵蝕に対する抵抗性が下層のシリコン層に比べて高い。更に、膜、流路本体及びノズルプレートに対して、それらの部品を一体に結合する前に個別に熱酸化物層を形成することにより、熱酸化を行うのに十分な温度で流体吐出装置全体を加熱する必要性が回避される。結合された流体吐出装置全体を酸化させるのではないので、膜、流路本体及びノズルプレートの、酸化に高温が必要な結果として引き起こされ得る反りが防止される。反りを低減することにより、より一貫した正確な流体液滴吐出が可能となる。
【0011】
一つ又は複数の実施形態の詳細を、添付図面及び以下の説明において示す。本発明の他の特徴、目的及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】被覆されていない流体吐出装置の実施態様の断面図である。
【図1B】酸化物コーティングを有する図1Aの流体吐出装置の実施態様の断面図である。
【図2A】流体吐出装置の例示的な形成工程を示す。
【図2B】流体吐出装置の例示的な形成工程を示す。
【図2C】流体吐出装置の例示的な形成工程を示す。
【図3A】流体吐出装置の別の例示的な形成工程を示す。
【図3B】流体吐出装置の別の例示的な形成工程を示す。
【図3C】流体吐出装置の別の例示的な形成工程を示す。
【図3D】流体吐出装置の別の例示的な形成工程を示す。
【図4A】流体吐出装置の別の例示的な形成工程を示す。
【図4B】流体吐出装置の別の例示的な形成工程を示す。
【図4C】流体吐出装置の別の例示的な形成工程を示す。
【図4D】流体吐出装置の別の例示的な形成工程を示す。
【0013】
それぞれの図面における同様の参照符号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
流体液滴吐出装置は、流体吐出モジュール、例えば、四辺形の板形状のプリントヘッドモジュールを有することができ、プリントヘッドモジュールは、半導体加工技術を用いて製造されたダイであり得る。流体吐出装置は、プリントヘッドモジュールを支持するためのハウジング、及び他の構成要素、例えば、外部プロセッサからデータを受け取って駆動信号をプリントヘッドモジュールに提供するためのフレックス回路(フレキシブル基板)なども含むことができる。
【0015】
プリントヘッドモジュールは、中に複数の流体流路が形成されている基板を含む。プリントヘッドモジュールは、流体を各流路から選択的に吐出するための、基板上に支持された複数のアクチュエータ、例えばトランスデューサも含む。このように、連係するアクチュエータを備えた各流路により、個別に制御可能なMEMS流体吐出装置ユニットが構成される。
【0016】
図1Aは、流体吐出モジュール100の被覆されていない流体吐出ユニット(例えば、インクジェットプリントヘッドの一つのノズル)の断面図である。被覆されていない流体吐出装置100は、複数の流体路137(明解のために、図1Aには一つの流体路137のみが図示されている)を形成する複数の内表面を有する流路本体110を含む。流体吐出装置100は、複数のオリフィス140を有するノズルプレート120を更に含み、各オリフィス140は流体路137に接続している。流体路137の一部であるポンプ室135の上方に、膜182が置かれている。流路本体110、膜182及びノズルプレート120のそれぞれは、例えばシリコン、例えば(100)方位を有する例えば単結晶シリコンから成る、均質な組成の単一の部材であってもよい。膜182、流路本体110及びノズルプレート120を、それぞれ別個の部品として形成し、後にそれらを一体に結合して流体吐出装置105を形成することができる。或いは、それらの部品のうち二つ以上を、単一の連続材料から作製することもできる。膜182、流路本体110及びノズルプレート120は、以下に説明するそれらの上に形成される酸化物層と共に、一体となって基板を構成することができる。
【0017】
基板上に支持されたアクチュエータ172が、ポンプ室135内の流体(例えばインク、例えば水性インク)を加圧し、その流体が下降部130を流れてノズル層120のオリフィス140を介して吐出される。アクチュエータ172は、圧電層176、下部電極178(例えば接地電極)及び上部電極174(例えば駆動電極)を含むことができる。アクチュエータ172は、これ以降の図には示されないが、存在し得る。本明細書に記載されるコーティング及び技術と共に、他の構成の流路137及びアクチュエータが代わりに用いられてもよい。
【0018】
図1Bに示すように、被覆された流体吐出装置105は、一つ以上の酸化物層170、例えば一つ以上のシリコン酸化物層を含むことができる。酸化物層170は、膜182、流路本体110及びノズルプレート120のそれぞれの上の酸化物層170a、170b及び170cを含むことができる。酸化物層170aは、膜層182の流路モジュール110に近い側の第1の外表面に直接接触し、例えばそれを被覆することができ、任意に(図1Bに示されるとおり)、膜層182の第1の外表面と反対側の、膜層182の流路モジュール110から遠い側の第2の外表面を被覆することができる。酸化物層170bは、流路本体110の第1の外表面及び流路137の壁に直接接触し、例えばそれらを被覆することができ、任意に(図1Bに示されるとおり)、流路本体110の第1の外表面と反対側の流路本体110の第2の外表面を被覆することができる。更に、酸化物層170cは、ノズル層120の流路モジュール110に近い側の第1の外表面に直接接触し、例えばそれを被覆することができ、任意に(図1Bに示されるとおり)、ノズル層120の第1の外表面と反対側の、ノズル層120の流路モジュール110から遠い側の第2の外表面を被覆することができる。流体吐出装置105として結合されたとき、酸化物層170a、170b及び170cを含む酸化物層170は、膜182と流路本体110との間、及び流路本体110とノズルプレート120との間、並びに流体路137の壁に沿って延在する部分を含むことができる。
【0019】
膜182と流体流路110との間にある酸化物層170aの部分は、膜182と流体流路110との間にある酸化物層170bの部分と、酸化物間結合によって結合することができる。同様に、流体流路110とノズルプレート120との間にある酸化物層170bの部分は、流体流路110とノズルプレート120との間にある酸化物層170cの部分と、酸化物間結合によって結合することができる。したがって、膜182、流路本体110及びノズルプレート120は、酸化物層170a、170b及び170c以外のいかなる介在層も用いることなく、組み合わされて基板を構成することができる。
【0020】
酸化物層170a、170b及び170cを含む酸化物層170は、熱酸化物層であり得る。酸化物層170の厚さは、0.1μm〜5μm、例えば0.1μmより大きく2μmより小さく、例えば0.4μm又は1μmであってもよい。酸化物層170a、170b及び170cのそれぞれは、等価な面方位に沿った表面、例えば{100}面に沿った表面について厚さが均一であり得る。したがって、酸化物層170a、170b及び170cのそれぞれの、等価な面方位に沿った表面に沿った厚さの変動は、層の全長にわたり、少なくとも20mm、例えば少なくとも50mmの距離にわたり、等価な面方位に沿って5%未満、例えば3%未満であり得る。更に、酸化物層170の密度は、2.0g/cmより大きく、例えば2.2g/cmより大きく、例えば2.6g/cmであり得る。
【0021】
図2A〜図2Cは、被覆された流体吐出装置105の形成過程を示す。図2Aに示すように、流体吐出装置105の形成方法は、別個の即ち結合されていない膜層182、流路本体110及びノズルプレート120から開始される。流体路137は、流路本体110に予めエッチングにより形成されていてもよい。
【0022】
図2Bに示すように、膜層182、流路本体110及びノズルプレート120のそれぞれは、熱酸化を用いて、対応する酸化物層170a、170b及び170cにより個別に被覆される。酸化物層170a、170b及び170cは、被覆される部品、例えば膜層182、流路本体110又はノズルプレート120の上に気化した水を循環させる湿式熱酸化プロセスを用いて成長させることができる。湿式熱酸化プロセスが起る温度は、約800℃〜1200℃、例えば1000℃〜1100℃、例えば1080℃であり得る。湿式熱酸化プロセスに要する時間は、1/2時間〜5時間、例えば2時間であり得る。熱酸化物の成長速度及びそれにより最終的に得られる厚さは、露出表面の方位に依存し得る。例えば、(100)シリコンについては、{111}面上での成長速度は{100}面上での成長速度より1.7倍速い。したがって、{100}面に沿った表面に形成された酸化物は均一な第1の厚さを有することができ、また、{111}面に沿った表面に形成された酸化物は均一な第2の厚さを有することができる。成長速度及び原子密度は{111}面に沿ってより大きいため、{111}表面上には{100}表面と比較してより厚い熱酸化物層が形成され得る。
【0023】
図2Cに示すように、次に、膜層182、流路本体110及びノズルプレート120が一体に結合されて酸化物間結合が形成される。酸化物間結合が起る温度は、約1000℃より高く、例えば約1200℃〜1300℃であり得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、酸化物層上に非湿潤性コーティングを堆積させることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、図3Aに示すように、ノズルプレート120は、最初は、酸化物層202とハンドル層204とを含むシリコン・オン・オキサイド(SOI)ウエハ200のシリコン層である。かかる実施形態では、オリフィス140は、例えば酸化物層202をエッチストップとして用いて、シリコン層120にエッチングにより形成することができる。図3Bに示すように、次に、上述の方法を用いて、シリコン層120の露出表面上、即ちシリコン層120の酸化物層202とは反対側の表面上に酸化物層170cが形成される(酸化物はシリコン層120の埋もれている表面上には形成されず、この表面は後にノズルプレート120の露出表面となり得る)。任意に、ハンドル層204の露出表面上にも同時に酸化物層が形成され得る。図3Cに示すように、次に、流路本体110とノズルプレート120とが一体に結合されて、酸化物層170bと酸化物層170cとの間に酸化物間結合が形成される。結合後、図3Dに示すように、ハンドル層204(及び任意に酸化物層202)は、例えば研削及び/又はエッチングにより取り除くことができる。
【0026】
同様に、いくつかの実施形態では、図4Aに示されるとおり、膜182は、最初は、酸化物層212とハンドル層214とを含むシリコン・オン・オキサイド(SOI)ウエハ210のシリコン層である。図4Bに示すように、上述の方法を用いて、シリコン層182の露出表面上、即ち層182の酸化物層212とは反対側の表面上に酸化物層170aが形成される(酸化物はシリコン層182の埋もれている表面上には形成されず、この表面は後に膜182の露出表面となり得る)。任意に、ハンドル層214の露出表面上にも同時に酸化物層が形成され得る。図4Cに示すように、次に、流路本体110と膜182とが一体に結合されて、酸化物170aと170bとの間に酸化物間結合が形成される。結合後、図4Dに示すように、ハンドル層214(及び任意に酸化物層212)は、例えば研削及び/又はエッチングにより取り除くことができる。
【0027】
流体路を被覆するために熱酸化を用いることにより、高密度の酸化物層が連続的でピンホールのない表面を形成し、この表面は、不活性であり、アルカリ性流体などの侵蝕性の流体による侵蝕に対して抵抗性がある。更に、化学気相蒸着(CVD)酸化物ではなく熱酸化物を用いることにより、酸化物層は、完全性がより高く、均一性がより高く、欠陥がより少ないものとなり得るとともに、洗浄又は研磨なしに一体に結合され得る。最後に、膜、流路本体及びノズルプレートに対して、それらの部品を一体に結合する前に個別に熱酸化物層を形成することにより、他の方法では材料ごとに応力が異なる結果として起こり得る流体吐出装置の反りを回避することができる。
【0028】
特定の実施形態について説明した。他の実施形態は以下の特許請求の範囲の内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の外表面と、その反対側の第2の外表面と、複数の流路であってそれぞれが少なくとも前記第1の外表面から前記第2の外表面まで延在する流路と、を有する流路本体と、
少なくとも前記複数の流路のそれぞれの内表面並びに前記流路本体の前記第1の外表面及び前記第2の外表面を被覆し、{100}面に沿った厚さの変動が5%未満である、第1の酸化物層と、
第1の外表面を有する膜と、
前記膜の前記第1の外表面を被覆し、{100}面に沿った厚さの変動が5%未満であり、前記第1の酸化物層と結合される、第2の酸化物層と、
を備える、流体吐出装置。
【請求項2】
第1の外表面を有するノズルプレートと、
前記ノズルプレートの前記第1の外表面を被覆し、厚さの変動が5%未満であり、前記第1の酸化物層と結合される、第3の酸化物層と、
を更に備える、請求項1に記載の流体吐出装置。
【請求項3】
前記第1の酸化物層及び前記第2の酸化物層の厚さが約0.1μm〜5μmである、請求項1又は2に記載の流体吐出装置。
【請求項4】
前記厚さが約2μm未満である、請求項3に記載の流体吐出装置。
【請求項5】
前記第1の酸化物層及び前記第2の酸化物層のそれぞれの密度が約2.0g/cmより高い、請求項1乃至4のいずれかに記載の流体吐出装置。
【請求項6】
前記第1の酸化物層及び前記第2の酸化物層のそれぞれの密度が約2.2g/cmより高い、請求項5に記載の流体吐出装置。
【請求項7】
前記流路本体がシリコンを含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の流体吐出装置。
【請求項8】
前記膜が単結晶シリコンを含む、請求項1乃至7のいずれかに記載の流体吐出装置。
【請求項9】
前記第1の酸化物層及び前記第2の酸化物層がシリコン酸化物を含む、請求項1乃至8のいずれかに記載の流体吐出装置。
【請求項10】
前記第1の酸化物層及び前記第2の酸化物層のそれぞれの厚さの変動が3%未満である、請求項1乃至9のいずれかに記載の流体吐出装置。
【請求項11】
膜の少なくとも一つの表面上に第1の熱酸化物層を形成する工程と、
複数の流路を備える流路本体の少なくとも一つの表面上に第2の熱酸化物層を形成する工程と、
前記第1の熱酸化物層を前記第2の熱酸化物層に結合する工程と、
を含む、流体吐出装置の形成方法。
【請求項12】
前記第1の熱酸化物層を前記第2の熱酸化物層に結合する工程が、酸化物間結合を形成する工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の酸化物層を形成する工程が、前記複数の流路のそれぞれの壁に沿って熱酸化物層を形成する工程を含む、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の酸化物層の{100}面に沿った厚さの変動が5%未満である、請求項11乃至13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
ノズルプレートの少なくとも一つの表面上に第3の酸化物層を形成する工程と、
前記第3の酸化物層を前記第2の酸化物層に結合する工程と、
を更に含む、請求項11乃至14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記結合する工程が約1000℃より高い温度で行われる、請求項11乃至15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記温度が約1200℃〜1300℃である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記形成された熱酸化物層の厚さが約0.1μm〜5μmである、請求項11乃至17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記形成された熱酸化物層の厚さが約2μm未満である、請求項18に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【公開番号】特開2012−16940(P2012−16940A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247660(P2010−247660)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】