説明

流体圧シリンダ

【課題】流体圧シリンダの製造コストの低減を図ると共に組付作業性を良好とし、しかも、作動性の向上を図る。
【解決手段】ヘッドカバー14とロッドカバー16との間には、薄厚の金属製材料から管状に形成され、径方向に弾性変形可能なチューブ12が設けられると共に、前記チューブ12の内部にはピストン18が軸線方向に沿って変位自在に設けられる。このチューブ12は、その両端部がヘッドカバー14及びロッドカバー16のインロー部26、36に嵌合され、前記チューブ12の内部に圧力流体が供給されることにより断面真円状に変形し、且つ、前記ピストン18の外周面に設けられたピストンパッキン64が前記チューブ12の内周面12aに摺接しながら変位する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力流体の供給作用下に変位自在なピストンを有した流体圧シリンダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ワーク等の搬送手段として、例えば、圧力流体の供給作用下に変位するピストンを有する流体圧シリンダが用いられている。
【0003】
このような流体圧シリンダでは、その内部に圧力流体の供給される中空状のシリンダチューブと、該シリンダチューブの一端部を閉塞するヘッドカバーと、前記シリンダチューブに内装されるピストンと、該シリンダチューブの他端部に装着され、前記ピストンに連結されたピストンロッドを変位自在に保持するロッドカバーとを備える。そして、例えば、ヘッドカバーに設けられた一方のポートからシリンダチューブの内部に圧力流体を供給することにより、外周面に設けられたピストンパッキンを摺接させた状態でピストンが軸線方向に沿って変位し、反対に、ロッドカバーに設けられた他方のポートから圧力流体を供給することにより、前記ピストンが押圧されて前記とは反対方向に変位する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−133109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような特許文献1に係る流体圧シリンダでは、ピストンが、シリンダチューブの内部に設けられ、該ピストンに装着されたピストンパッキンが前記シリンダチューブの内周面に摺接しながら変位する構成としているため、シリンダチューブの内部にピストンを組み付ける際に、該シリンダチューブの軸心とピストンの軸心とを正確に一致させる必要がある。換言すれば、シリンダチューブとピストンとを同軸上に配置する必要がある。そのため、シリンダチューブとピストンとの組付作業が煩雑となり、組付工数が増大してしまうと共に、前記シリンダチューブ及びピストンに対して施される加工精度が要求され、その結果、流体圧シリンダにおける製造工程及びコストの増大を招くという問題がある。
【0006】
また、シリンダチューブの両端部に対してヘッドカバー及びロッドカバーを組み付ける際にも同様に、該シリンダチューブとヘッドカバー及びロッドカバーとを同軸上に配置する必要があり、その組付作業が煩雑となり、組付工数が増大してしまう。
【0007】
さらに、近年、流体圧シリンダにおけるピストンの摺動抵抗を低減し、より少量の圧力流体で前記ピストンを駆動させたいという要請がある。
【0008】
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、製造コストの低減を図ると共に組付作業性を良好とし、しかも、作動性の向上を図ることが可能な流体圧シリンダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、本発明は、中空状に形成され、内部にシリンダ室を有するシリンダチューブと、
前記シリンダチューブの両端部に装着され、前記シリンダ室を閉塞する一組のエンドブロックと、
前記シリンダ室に設けられ、該シリンダチューブの軸線方向に沿って変位自在なピストンと、
を備え、
前記シリンダチューブは、弾性変形可能な材質で形成され、前記シリンダ室内に前記圧力流体が供給された際、該圧力流体の圧力によって半径外方向に変形すると共に、該シリンダチューブの内壁面に前記ピストンの外周面に設けられたシール部材が摺接することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、中空状のシリンダチューブが、弾性変形可能な材質で形成され、該シリンダチューブの両端部に一組のエンドブロックがそれぞれ装着されることにより、前記シリンダチューブの内部に形成され、ピストンが変位自在に設けられたシリンダ室が閉塞される。そして、シリンダ室の内部に供給される圧力流体によってピストンをシリンダチューブに沿って変位させる際、該ピストンの外周面に設けられたシール部材が前記シリンダチューブの内壁面に摺接しながら変位する。
【0011】
従って、シリンダチューブの内部に圧力流体が供給されることにより、該シリンダチューブが前記圧力流体の圧力によって半径外方向に均等に押圧されて断面円形状に変形するため、前記シリンダチューブの真円度を容易に確保でき、該シリンダチューブとピストンに設けられたシール部材との片当り等を確実に回避することができる。その結果、ピストンがシリンダチューブに沿って変位する際の摺動抵抗を低減させることができ、前記ピストンを円滑に変位させることが可能となる。また、シール部材の摺動抵抗が低減されるため、低い圧力で該ピストンを変位させることができる。
【0012】
また、従来、シリンダチューブの内周面に施されていた真円加工を行う必要がなく、容易に前記シリンダチューブの真円度を確保することができるため、加工コストの低減を図ることが可能となる。
【0013】
さらに、シリンダチューブをエンドブロックに対して嵌合させることによって容易に該シリンダチューブの位置決めを行うことができ、該シリンダチューブを一組のエンドブロックと同軸上に組み付けることができるため、前記シリンダチューブを含む流体圧シリンダの組付性を向上させることができる。
【0014】
また、シリンダチューブは、シール部材を摺接させることによって半径外方向に押圧されるとよい。これにより、ピストンの外周面に設けられたシール部材とシリンダチューブとを密着させることができ、前記ピストンとシリンダチューブとの間を通じたシリンダ室内からの圧力流体の漏出を確実に阻止することができると共に、前記シリンダチューブが断面円形状であるため、前記ピストンが前記シリンダチューブに沿って変位する際の摺動抵抗が該シリンダチューブの周方向で一定となり、前記ピストンを円滑に変位させることが可能となる。
【0015】
さらに、一組のエンドブロックの間に、一方のエンドブロックと他方のエンドブロックとの離間距離を保持するための保持手段を設けることにより、前記エンドブロック間に設けられたシリンダチューブに対して軸線方向への荷重が付与されることを回避でき、該シリンダチューブの意図しない変形が阻止される。
【0016】
さらにまた、保持手段を、一方のエンドブロックと他方のエンドブロックとを連結する連結ロッドとするとよい。
【0017】
またさらに、保持手段を、一方のエンドブロックと他方のエンドブロックとの間に挟持され、シリンダチューブの外周側に配設された筒状の保護カバーとするとよい。
【0018】
また、シリンダチューブの内壁面に、潤滑剤の充填される溝部を設けることにより、ピストンに設けられたシール部材が前記シリンダチューブの内壁面に摺接しながら変位する際、前記ピストンと前記シリンダチューブとの間を潤滑剤によって潤滑することができるため、前記ピストンをより一層円滑に変位させることが可能となる。
【0019】
さらに、シリンダチューブの外周面に、保護材を巻回することにより、前記保護材によって前記シリンダチューブの意図しない変形を防止することができる。
【0020】
さらにまた、シリンダチューブの外周側に、負圧流体の供給される負圧室を設けることにより、前記シリンダチューブを半径外方向に好適に吸引することができるため、前記シリンダチューブの内部に供給される圧力流体と共に、該シリンダチューブの真円度を向上させることが可能となる。
【0021】
またさらに、シリンダチューブの断面形状を変形させた状態で保持可能な拘束手段を備えることにより、断面形状の異なるシリンダチューブを簡便に形成することができる。
【0022】
また、拘束手段は、シリンダチューブの外周側に設けられる第1拘束部と、エンドブロックに設けられ、該シリンダチューブの端部を保持可能な第2拘束部とから構成するとよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0024】
すなわち、中空状のシリンダチューブを、弾性変形可能な材質で中空状に形成し、該シリンダチューブの両端部に一組のエンドブロックをそれぞれ装着することにより、前記シリンダチューブのシリンダ室に圧力流体が供給された際、該圧力流体の圧力によって半径外方向に均等に押圧されて断面円形状に変形させることができるため、前記ピストンに設けられたシール部材がシリンダチューブの内周面に摺接し、軸線方向に沿って変位する際の摺動抵抗を低減させ、前記ピストンを円滑に変位させることができる。また、シリンダチューブの内壁面に対して真円加工を行う必要がなく、加工コストの低減を図ることが可能となり、しかも、前記シリンダチューブを一組のエンドブロックに対して嵌合させることによって容易に該シリンダチューブの位置決めを行うことができるため、前記シリンダチューブを含む流体圧シリンダの組付性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る流体圧シリンダの外観斜視図である。
【図2】図1に示す流体圧シリンダの全体断面図である。
【図3】図2のピストン近傍を示す拡大断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】チューブの内周面に潤滑溝が設けられた第1変形例に係る流体圧シリンダの拡大断面図である。
【図6】チューブの外周面に保護材が装着された第2変形例に係る流体圧シリンダの拡大断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る流体圧シリンダの全体断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る流体圧シリンダの全体断面図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿った断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る流体圧シリンダの一部省略外観斜視図である。
【図11】図10に示す流体圧シリンダの分解斜視図である。
【図12】図10のXII−XII線に沿った断面図である。
【図13】図13Aは、断面長円状の拘束孔を有した変形例に係る拘束部材の断面図であり、図13Bは、断面四角形状の拘束孔を有した変形例に係る拘束部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る流体圧シリンダについて好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0027】
図1において、参照符号10は、本発明の第1の実施の形態に係る流体圧シリンダを示す。
【0028】
この流体圧シリンダ10は、図1〜図3に示されるように、円筒状に形成されるチューブ(シリンダチューブ)12と、前記チューブ12の一端部に装着されるヘッドカバー(エンドブロック)14と、前記チューブ12の他端部に装着されるロッドカバー(エンドブロック)16と、前記チューブ12の内部を軸線方向(矢印A、B方向)に沿って変位するピストン18と、前記チューブ12を間にして前記ヘッドカバー14とロッドカバー16とを互いに連結する複数の連結ロッド20とを含む。なお、ヘッドカバー14とロッドカバー16とは、チューブ12と共に互いに向かい合うように一直線上に配置される。
【0029】
チューブ12は、例えば、薄板状の金属製材料から断面円形状に形成され、径方向に弾性変形可能な筒体である。このチューブ12は、略一定径且つ一定厚さで軸線方向(矢印A、B方向)に沿って延在し、その一端部が、ヘッドカバー14の端面に形成されたインロー部26(後述する)に嵌合されると共に、他端部が、ロッドカバー16の端面に設けられたインロー部36(後述する)に嵌合される。これにより、チューブ12の中心が、ヘッドカバー14及びロッドカバー16の軸線と同軸上となるように位置決めされ、その内部に密閉されたシリンダ室22が構成される。
【0030】
なお、このチューブ12を、例えば、シームレス管、マイクロプラズマ溶接管で構成することにより、該チューブ12の内周面12aの面粗度を確保することが可能となり、前記内周面12aに対して別途仕上げ加工を行う必要がなく好適である。この結果、チューブ12を含む流体圧シリンダ10の製造工程を短縮化できると共に、製造コストの削減を図ることもできる。
【0031】
ヘッドカバー14は、例えば、鋳造成形によって形成された断面略矩形状のブロック体からなり、圧力流体の供給・排出される第1ポート23と、後述するピストンロッド40の挿入される第1ロッド孔24と、チューブ12の一端部が嵌合されるインロー部26とを有する。この第1ロッド孔24は、ヘッドカバー14の中央部に形成され、ロッドカバー16側(矢印A方向)が開口すると共に、側部に開口した第1ポート23と連通している。
【0032】
インロー部26は、ヘッドカバー14の端部から断面円形状で突出し、且つ、前記端部から離間する方向(図2中、矢印A方向)に向かって外周面が徐々に縮径するテーパ状に形成される。詳細には、このインロー部26は、ヘッドカバー14をダイカスト等の金型鋳造で製造する際、金型から鋳造品を取り出すために設けられた抜き勾配である。
【0033】
また、インロー部26の中央には、第1ロッド孔24が軸線方向に沿って貫通すると共に、前記第1ロッド孔24には、内周面の環状溝を介してクッションパッキン28が設けられている。
【0034】
さらに、ヘッドカバー14には、その四隅となる位置にそれぞれ連結ロッド20の挿通される複数(例えば、4個)の第1孔部30(図4参照)が形成され、軸線方向に沿って貫通している。
【0035】
ロッドカバー16は、ヘッドカバー14と同様に、例えば、鋳造成形によって形成された断面略矩形状のブロック体からなり、圧力流体の供給・排出される第2ポート32と、後述するピストンロッド40の挿通される第2ロッド孔34と、チューブ12の端部が嵌合されるインロー部36と、連結ロッド20の挿通される第2孔部38とを有する。この第2ロッド孔34は、ロッドカバー16の中央部に形成されて軸線方向に沿って貫通し、側部に開口した第2ポート32と連通すると共に、インロー部36側(矢印B方向)が半径外方向に拡径して形成される。
【0036】
また、第2ロッド孔34の内周面には、ピストンロッド40を支持するブッシュ42と、該ピストンロッド40との間を通じた圧力流体の漏出を阻止するロッドパッキン44とが環状溝を介してそれぞれ設けられる。
【0037】
一方、インロー部36は、ロッドカバー16の端部から断面円形状に突出し、且つ、前記端部から離間する方向(図2中、矢印B方向)に向かって外周面が徐々に縮径するテーパ状に形成される。詳細には、このインロー部36は、上述したインロー部26と同様に、ロッドカバー16をダイカスト等の金型鋳造で製造する際、金型から鋳造品を取り出すために設けられた抜き勾配である。
【0038】
また、インロー部36の中央には、第2ロッド孔34が軸線方向に沿って貫通すると共に、前記第2ロッド孔34には、内周面の環状溝を介してクッションパッキン46が設けられている。
【0039】
また、ロッドカバー16には、その四隅となる位置にそれぞれ連結ロッド20の挿通される複数(例えば、4個)の第2孔部38が形成され、軸線方向に沿って貫通している。
【0040】
このヘッドカバー14及びロッドカバー16は、互いのインロー部26、36が対向するように配置され、該インロー部26、36の外周面には環状のシールリング50a、50bがそれぞれ装着される。そして、シールリング50a、50bは、前記インロー部26、36に嵌合されたチューブ12の内周面12aに当接してシリンダ室22内の気密を保持する。
【0041】
また、ヘッドカバー14の第1ポート23及びロッドカバー16の第2ポート32に対して圧力流体が供給されることにより、第1ロッド孔24及び第2ロッド孔34を通じてチューブ12の内部に前記圧力流体が供給される。
【0042】
連結ロッド20は、例えば、4本設けられ、所定長さを有する軸体からなり、太軸部52と、該太軸部52の両端部にそれぞれ形成され、外周面にねじの刻設された一対の細軸部54とからなる。細軸部54は、ヘッドカバー14の第1孔部30、ロッドカバー16の第2孔部38に挿通可能な直径で形成される。
【0043】
そして、連結ロッド20は、その一端部側の細軸部54がヘッドカバー14の第1孔部30に挿通され、他端部側の細軸部54がロッドカバー16の第2孔部38に挿通された後、前記細軸部54にそれぞれワッシャ56を挿通してナット58を螺合させる。
【0044】
これにより、ヘッドカバー14とロッドカバー16とがチューブ12を挟むようにして連結ロッド20によって連結される。
【0045】
詳細には、ヘッドカバー14及びロッドカバー16の端面が、連結ロッド20における太軸部52の端部に当接し、互いに接近する方向への移動が規制された状態で該連結ロッド20に螺合されるナット58によって固定される。これにより、ヘッドカバー14及びロッドカバー16は、連結ロッド20に対して軸線方向への変位が規制された状態で互いに固定されるため、前記ヘッドカバー14、ロッドカバー16及び連結ロッド20によって流体圧シリンダ10の軸線方向(矢印A、B方向)に沿った剛性が確保されることとなり、前記ヘッドカバー14とロッドカバー16との間に設けられたチューブ12に対して軸線方向に沿った荷重が付与されることが回避される。
【0046】
換言すれば、連結ロッド20は、流体圧シリンダ10に対して軸線方向に沿った荷重が付与された際、該荷重が弾性変形可能なチューブ12に対して付与されることを阻止する目的で設けられている。
【0047】
ピストン18は、断面円形状に形成され、その中央部には、貫通孔を通じてピストンロッド40の一端部が挿通され、該ピストン18の両端面に設けられた突起を半径内方向に変形させることによって前記ピストンロッド40を加締めて一体的に固定している。
【0048】
一方、ピストン18の外周面には、環状溝を介してウェアリング60、マグネット62及びピストンパッキン(シール部材)64が設けられる。なお、ウェアリング60、マグネット62及びピストンパッキン64は、ピストン18の軸線方向(矢印A、B方向)に沿って互いに所定間隔離間して配置される。詳細には、ウェアリング60が最もヘッドカバー14側(矢印B方向)となるように設けられ、ピストンパッキン64が最もロッドカバー16側(矢印A方向)となるように設けられると共に、マグネット62が前記ウェアリング60とピストンパッキン64との間となるように設けられる。
【0049】
そして、ピストンパッキン64が、チューブ12の内周面12aに摺接し、チューブ12内に設けられたシリンダ室22をピストン18によって2分割すると共に、前記シリンダ室22内の気密を保持している。また、ピストンパッキン64の外周径は、ピストン18の外周面より大きく、且つ、チューブ12の内周径より若干だけ大きく設定されている。
【0050】
ピストンロッド40は、一端部側(矢印B方向)にピストン18が固定され、他端部側(矢印A方向)がロッドカバー16によって変位自在に支持される。このピストン18の一端部近傍には、外周面を覆うように円筒状の第1及び第2クッションリング66、68が装着される。
【0051】
第1クッションリング66は、ピストン18に対してヘッドカバー14側(矢印B方向)となる位置に設けられ、ピストン18の変位作用下に第1ロッド孔24に挿入可能に設けられる。そして、ピストン18と共にピストンロッド40がヘッドカバー14側(矢印B方向)へと変位した際、第1クッションリング66の外周面にクッションパッキン28が摺接する。
【0052】
第2クッションリング68は、ピストン18に対してロッドカバー16側(矢印A方向)となる位置に設けられ、ピストン18の変位作用下に第2ロッド孔34に挿入可能に設けられる。そして、ピストン18と共にピストンロッド40がロッドカバー16側(矢印A方向)へと変位した際、第2クッションリング68の外周面にクッションパッキン46が摺接する。すなわち、第1クッションリング66と第2クッションリング68とは、ピストン18を挟んで同軸上となるようにピストンロッド40に沿って設けられている。
【0053】
本発明の第1の実施の形態に係る流体圧シリンダ10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。なお、ピストン18がヘッドカバー14側(矢印B方向)に変位し、第1クッションリング66が第1ロッド孔24に収容された状態を初期位置として説明する。
【0054】
先ず、図示しない圧力流体供給源を配管を介して第1ポート23へと接続し、圧力流体を前記第1ポート23に供給することにより、該圧力流体が第1ロッド孔24を通じてチューブ12の内部におけるシリンダ室22の一方側へと導入され、ピストン18におけるヘッドカバー14側の端面を押圧し、前記ピストン18をロッドカバー16側(矢印A方向)へと変位させる。なお、この際、第2ポート32は大気開放状態としておく。
【0055】
この際、図4に示されるように、シリンダ室22に導入された圧力流体の圧力Pによってチューブ12が半径外方向に均等に押圧され、該チューブ12が弾性変形して断面真円状となる。これにより、断面真円状となったチューブ12に沿って断面円形状のピストン18を円滑に変位させることができる。すなわち、チューブ12を、径方向に弾性変形可能な薄板材からなる管体とすることにより、その内部に導入された圧力流体の圧力Pによって該チューブ12を半径外方向に均等に変形させて断面真円状とすることができる。その結果、従来、チューブの内周面に対して行われていた真円加工を不要とすることができる。
【0056】
また、ピストン18の外周面に設けられたピストンパッキン64が、チューブ12の内周面12aに摺接し、該チューブ12を半径外方向に若干だけ押圧しながら該ピストン18と共に変位する。これにより、ピストンパッキン64とチューブ12とが密着するため、該ピストンパッキン64とチューブ12の内周面12aとの間を通じた圧力流体の漏出が確実に防止されシリンダ室22内の気密が保持される。
【0057】
このように、第1ポート23からチューブ12の内部に圧力流体が供給されることにより、ピストン18が前記圧力流体による押圧作用下にロッドカバー16側(矢印A方向)に向かって変位し、ピストンロッド40が前記ロッドカバー16の外部に突出した変位終端位置となる。
【0058】
次に、第1ポート23に供給されている圧力流体を、図示しない切換弁の切換作用下に第2ポート32へと供給することにより、前記圧力流体が第2ロッド孔34を通じてシリンダ室22へと導入され、ピストン18におけるロッドカバー16側の端面を押圧し、前記ピストン18をヘッドカバー14側(矢印B方向)へと変位させる。なお、この際、第1ポート23は大気開放状態としておく。
【0059】
この場合も同様に、シリンダ室22に導入された圧力流体によってチューブ12が半径外方向に均等に押圧され、該チューブ12が弾性変形して断面真円状となる。これにより、断面真円状となったチューブ12に沿って断面円形状のピストン18を円滑に変位させることができる。また、ピストン18の外周面に設けられたピストンパッキン64が、チューブ12の内周面12aに当接し、該チューブ12を半径外方向に若干だけ押圧しながら該ピストン18と共に変位するため、前記ピストンパッキン64とチューブ12とが密着し、該ピストンパッキン64とチューブ12の内周面12aとの間を通じた圧力流体の漏出が確実に防止される。
【0060】
以上のように、第1の実施の形態では、ヘッドカバー14とロッドカバー16との間に、弾性変形可能な薄板材からなる円筒状のチューブ12を設け、前記チューブ12の内部にピストン18を変位自在に設けている。そして、チューブ12の内部に圧力流体を導入し、ピストン18を押圧して前記チューブ12に沿って変位させる際、チューブ12が前記圧力流体の圧力によって半径外方向に均等に押圧されて断面真円状に変形するため、該チューブ12の内部を変位する断面円形状のピストン18に設けられたピストンパッキン64との片当り等を回避することができ、それに伴って、前記ピストン18が変位する際の摺動抵抗を低減させることが可能となる。
【0061】
その結果、ピストン18をチューブ12に沿って円滑に変位させることができる。すなわち、ピストン18の外周面に装着されたピストンパッキン64との摺動抵抗が低減されることによって供給される圧力流体の圧力が低い場合(低圧時)でも前記ピストン18を円滑に変位させることができる。
【0062】
また、供給された圧力流体の圧力を利用してチューブ12を変形させ断面真円状とすることができるため、従来、シリンダチューブの内周面に施されていた真円加工(例えば、切削加工)を行う必要がなく、前記チューブ12の内周面12aの真円度を容易に確保することができるため、加工コストの低減を図ることが可能となる。
【0063】
さらに、チューブ12の両端部を、ヘッドカバー14及びロッドカバー16におけるインロー部26、36に嵌合させることによって容易に該チューブ12の位置決めを行うことができ、該チューブ12を前記ヘッドカバー14及びロッドカバー16と同軸上に組み付けることができる。すなわち、ヘッドカバー14及びロッドカバー16に対するチューブ12の組付性を向上させることが可能となる。
【0064】
さらにまた、ヘッドカバー14及びロッドカバー16のインロー部26、36には、チューブ12を嵌合させるためにあらためて加工を行う必要がなく、例えば、ヘッドカバー14及びロッドカバー16を成形によって製造する際に形成されるインロー部26、36の抜き勾配を利用して前記チューブ12の位置決めを確実且つ簡単に行うことができる。その結果、ヘッドカバー14及びロッドカバー16を含む流体圧シリンダ10の製造工程の短縮化と製造コストの削減を図ることができる。
【0065】
また、流体圧シリンダ10における軸線方向の剛性は、ヘッドカバー14とロッドカバー16とを所定距離だけ離間させて保持する複数の連結ロッド20で確実且つ安定的に確保することができ、しかも、チューブ12に対して軸線方向の荷重が付与されることが回避される。すなわち、この流体圧シリンダ10は、連結ロッド20で剛性を確保し、チューブ12によってシリンダ室22内の気密を確保する構成としている。
【0066】
さらに、チューブ12が圧力流体によって半径外方向に均等に押圧されて断面真円状となっているため、チューブ12に摺接したピストンパッキン64に対する半径内方向への押圧力を、該ピストンパッキン64の周方向において均等化することができる。これにより、シリンダチューブの内周面に施されていた真円加工を行っていた従来の流体圧シリンダと比較し、ピストン18が変位する際の摺動抵抗が低減され、前記ピストン18を円滑に駆動させることが可能となる。
【0067】
また、図5に示されるように、上述した流体圧シリンダ10を構成するチューブ12の内周面12aに、半径外方向に若干だけ窪んだ潤滑溝(溝部)80を設けるようにしてもよい。この潤滑溝80は、例えば、チューブ12の軸線方向に沿って等間隔離間した複数の環状溝からなり、その内部にグリス等の潤滑剤82が充填される。これにより、ピストン18がチューブ12に沿って軸線方向に変位する際、そのピストン18の外周面が、潤滑溝80の潤滑剤82と対峙するため、前記外周面に対して前記潤滑剤82が付着し、該ピストン18とチューブ12との間の潤滑が好適に行われる。その結果、ピストン18をチューブ12に沿ってより一層円滑に変位させることが可能となる。
【0068】
さらに、図6に示されるように、チューブ12の外周面に対して保護材90を巻きつけ、該チューブ12の剛性を高めるようにしてもよい。この保護材90は、例えば、樹脂、ゴム、カーボン繊維等からシート状に形成され、チューブ12の外周面に対して所定厚さとなるように巻回される。なお、この保護材90の厚さは、チューブ12の弾性変形に影響を及ぼすことのない厚さに設定される。これにより、保護材90を装着しない場合と比較し、チューブ12の剛性を確実且つ容易に向上させることができる。
【0069】
次に、第2の実施の形態に係る流体圧シリンダ100を図7に示す。なお、上述した第1の実施の形態に係る流体圧シリンダ10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0070】
この第2の実施の形態に係る流体圧シリンダ100では、チューブ12の外側を覆うように筒状の保護カバー102を設けている点で、第1の実施の形態に係る流体圧シリンダ10と相違している。
【0071】
この保護カバー102は、例えば、金属製材料から円筒状に形成され、その直径がチューブ12の直径に対して大きく設定されると共に、前記チューブ12の肉厚に対して厚く形成される。そして、保護カバー102は、チューブ12に対して半径外方向に等間隔離間するように設けられる。
【0072】
また、保護カバー102は、その両端部がそれぞれヘッドカバー14及びロッドカバー16の端面に設けられた段部104a、104bにそれぞれ係合される。そして、保護カバー102は、ヘッドカバー14及びロッドカバー16が連結ロッド20によって互いに接近する方向へと引張されて該ヘッドカバー14とロッドカバー16との間に挟持される。
【0073】
すなわち、ヘッドカバー14とロッドカバー16との間に保護カバー102を介在させることにより、流体圧シリンダ10における軸線方向(矢印A、B方向)の剛性を確保することが可能となる。その結果、薄板材で円筒状に形成されたチューブ12に対してヘッドカバー14及びロッドカバー16から軸線方向への荷重が付与されることが回避され、該荷重による前記チューブ12の変形を確実に阻止することができる。
【0074】
換言すれば、この流体圧シリンダ10は、連結ロッド20の代わりに保護カバー102で軸線方向の剛性を確保可能な構成としている。
【0075】
また、チューブ12の外周側に保護カバー102が設けられているため、例えば、流体圧シリンダ100に対して他の装置等が接触した場合でも、薄板材からなるチューブ12が前記保護カバー102によって確実に保護されるため、前記流体圧シリンダ100の故障等を回避することができ、該流体圧シリンダ100を問題なく動作させることができる。
【0076】
次に、第3の実施の形態に係る流体圧シリンダ150を図8及び図9に示す。なお、上述した第1及び第2の実施の形態に係る流体圧シリンダ10、100と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0077】
この第3の実施の形態に係る流体圧シリンダ150では、チューブ12と保護カバー102との間に負圧流体の供給される負圧供給室(負圧室)152を有している点で、第2の実施の形態に係る流体圧シリンダ100と相違している。
【0078】
この流体圧シリンダ150では、チューブ12と保護カバー102との間に半径方向に所定間隔を有した負圧供給室152を設けると共に、前記負圧供給室152に負圧流体を供給するための負圧ポート154が設けられる。この負圧ポート154には、負圧流体の供給される配管156が接続されている。
【0079】
そして、図示しない負圧供給装置から配管156及び負圧ポート154を通じて負圧供給室152へと予め負圧流体を供給しておくことにより、例えば、ピストン18がピストンロッド40に付与された荷重によって変位し、チューブ12内に負圧が生じた場合においても、前記チューブ12が前記負圧流体によって予め所定圧力で半径外方向に引張されているため、該チューブ12が半径内方向に変形してしまうことが防止される。換言すれば、チューブ12の内部に負圧が生じた際、該チューブ12が半径内方向に座屈してしまうことを確実に防止できる。
【0080】
また、圧力流体によってチューブ12を内部から半径外方向に押圧して断面真円状とするのに加え、前記チューブ12の外周面を負圧流体によって半径外方向に引張することによって該チューブ12の真円度をさらに向上させることが可能となる。
【0081】
なお、上述した負圧ポート154を通じて負圧流体を負圧供給室152へと供給する代わりに、チューブ12内の圧力が減圧された際に外気と連通させるリリーフ弁(図示せず)を設けるようにしてもよい。これにより、チューブ12内が負圧となった場合にも、リリーフ弁を通じて外気(大気)を前記チューブ12内へと導入できるため、前記チューブ12が負圧作用下に半径内方向へ変形してしまうことを防止できる。
【0082】
次に、第4の実施の形態に係る流体圧シリンダ200を図10〜図12に示す。なお、上述した第1〜第3の実施の形態に係る流体圧シリンダ10、100、150と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0083】
この第4の実施の形態に係る流体圧シリンダ200では、上述した保護カバー102の代わりに、チューブ12の断面形状を弾性変形させた状態で保持可能な拘束部材(第1拘束部)202が設けられる点で、第3の実施の形態に係る流体圧シリンダ150と相違している。
【0084】
この流体圧シリンダ200は、ヘッドカバー204のインロー部(第2拘束部)204aが、断面略三角形状に形成されると共に、ロッドカバー206のインロー部(第2拘束部)206aが、同様に断面略三角形状に形成される。インロー部204a、206aは、ヘッドカバー204とロッドカバー206との間に配設されるチューブ12を挟んで対称形状となるように形成されると共に、前記インロー部204a、206aの外周長が、チューブ12の内周長と同等となるように形成される。なお、上述した拘束部材202及びインロー部204a、206aが、チューブ12の断面形状を自在に変形させて保持可能な拘束手段として機能する。
【0085】
すなわち、チューブ12に対してヘッドカバー204及びロッドカバー206を組み付ける際、該チューブ12の両端部をインロー部204a、206aにそれぞれ挿入することによって該両端部が断面略三角形状に弾性変形し、該インロー部204a、206aに対して嵌合される。換言すれば、チューブ12の両端部はインロー部204a、206aの断面形状に倣うように弾性変形する。
【0086】
拘束部材202は、例えば、対称形状で形成され、分割可能な一組の第1及び第2ブロック体208、210からなり、その中央部には、インロー部204a、206aの断面形状と同形状となる断面略三角形状の拘束孔212が形成される。 すなわち、第1ブロック体208と第2ブロック体210とを分割することにより、その内部に形成された拘束孔212が2等分される。この拘束孔212は、その内周長がチューブ12の外周長と同等となるように形成される。
【0087】
また、第1ブロック体208には、その側方から水平方向に貫通したボルト孔214に固定ボルト216が挿通されると共に、第2ブロック体210には、第1ブロック体208のボルト孔214と一直線上となる位置にねじ孔218が水平方向に貫通している。そして、第1ブロック体208と第2ブロック体210とが接合され、ボルト孔214に挿通された固定ボルト216が第2ブロック体210のねじ孔218に螺合されることにより、前記第1ブロック体208と第2ブロック体210とが、拘束孔212を中心として互いに連結される。
【0088】
そして、拘束部材202は、ヘッドカバー204とロッドカバー206との間となるチューブ12の略中央部近傍に設置され、前記チューブ12を中心として第1ブロック体208と第2ブロック体210とを互いに接近させて拘束孔212を介して挟み込んだ後、固定ボルト216で連結することにより、前記チューブ12に対して固定される。
【0089】
この際、チューブ12の断面形状は、断面三角形状に形成された拘束孔212の内周面に沿って強制的に押圧されて断面三角形状に変形する。
【0090】
なお、この場合、チューブ12の内部に設けられるピストン220も、ヘッドカバー204及びロッドカバー206のインロー部204a、206a、拘束部材202の拘束孔212の断面形状に対応した断面三角形状に形成されている。
【0091】
このように、薄板で断面円形状に形成されたチューブ12を、ヘッドカバー204及びロッドカバー206のインロー部204a、206a、拘束部材202の拘束孔212によって断面三角形状に変形させることができるため、断面形状の異なるチューブを別個に準備することなく、一般的な断面円形状で弾性変形可能なチューブ12によって様々な断面形状を有した流体圧シリンダ200を構成することが可能となる。
【0092】
また、上述した拘束部材202における拘束孔212及びインロー部204a、206aの断面形状は、断面三角形状に形成される場合に限定されるものではなく、例えば、図13Aに示されるように、水平方向に長軸を有する断面長円状の拘束孔212aを備えた拘束部材202a及びインロー部を採用するようにしてもよいし、図13Bに示されるように、断面略矩形状の拘束孔212bを備えた拘束部材202b及びインロー部を採用するようにしてもよい。なお、上述したいずれの場合にも、ピストン220a、220bを前記拘束孔212a、212b及びインロー部の断面形状に対応した断面形状とすると共に、前記拘束孔212a、212bの内周長がチューブ12の外周長と一致するように設定する。
【0093】
さらに、例えば、長手寸法の短いチューブを用いて流体圧シリンダを構成する場合には、インロー部を有したヘッドカバー及びロッドカバーで前記チューブの両端部を保持することにより、断面非円形状に形成されたインロー部によって上述したような拘束部材を用いることなく前記チューブの断面形状を変形させることも可能である。
【0094】
なお、本発明に係る流体圧シリンダは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0095】
10、100、150、200…流体圧シリンダ
12…チューブ 14、204…ヘッドカバー
16、206…ロッドカバー 18、220、220a、220b…ピストン
20…連結ロッド 22…シリンダ室
26、36、204a、206a…インロー部
40…ピストンロッド 64…ピストンパッキン
80…潤滑溝 82…潤滑剤
90…保護材 102…保護カバー
152…負圧供給室 154…負圧ポート
202…拘束部材 208…第1ブロック体
210…第2ブロック体 212、212a、212b…拘束孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空状に形成され、内部にシリンダ室を有するシリンダチューブと、
前記シリンダチューブの両端部に装着され、前記シリンダ室を閉塞する一組のエンドブロックと、
前記シリンダ室に設けられ、該シリンダチューブの軸線方向に沿って変位自在なピストンと、
を備え、
前記シリンダチューブは、弾性変形可能な材質で形成され、前記シリンダ室内に前記圧力流体が供給された際、該圧力流体の圧力によって半径外方向に変形すると共に、該シリンダチューブの内壁面に前記ピストンの外周面に設けられたシール部材が摺接することを特徴とする流体圧シリンダ。
【請求項2】
請求項1記載の流体圧シリンダにおいて、
前記シリンダチューブは、前記シール部材が摺接することによって半径外方向に押圧されることを特徴とする流体圧シリンダ。
【請求項3】
請求項1又は2記載の流体圧シリンダにおいて、
前記一組のエンドブロックの間には、一方のエンドブロックと他方のエンドブロックとの離間距離を保持するための保持手段が設けられることを特徴とする流体圧シリンダ。
【請求項4】
請求項3記載の流体圧シリンダにおいて、
前記保持手段は、前記一方のエンドブロックと他方のエンドブロックとを連結する連結ロッドであることを特徴とする流体圧シリンダ。
【請求項5】
請求項3記載の流体圧シリンダにおいて、
前記保持手段は、前記一方のエンドブロックと他方のエンドブロックとの間に挟持され、前記シリンダチューブの外周側に配設された筒状の保護カバーであることを特徴とする流体圧シリンダ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体圧シリンダにおいて、
前記シリンダチューブの内壁面には、潤滑剤の充填される溝部が設けられることを特徴とする流体圧シリンダ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の流体圧シリンダにおいて、
前記シリンダチューブの外周面には、保護材が巻回されることを特徴とする流体圧シリンダ。
【請求項8】
請求項1記載の流体圧シリンダにおいて、
前記シリンダチューブの外周側には、負圧流体の供給される負圧室が設けられることを特徴とする流体圧シリンダ。
【請求項9】
請求項1記載の流体圧シリンダにおいて、
前記シリンダチューブの断面形状を変形させた状態で保持可能な拘束手段を備えることを特徴とする流体圧シリンダ。
【請求項10】
請求項9記載の流体圧シリンダにおいて、
前記拘束手段は、前記シリンダチューブの外周側に設けられる第1拘束部と、
前記エンドブロックに設けられ、該シリンダチューブの端部を保持可能な第2拘束部と、
を有することを特徴とする流体圧シリンダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−266054(P2010−266054A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120173(P2009−120173)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000102511)SMC株式会社 (344)
【Fターム(参考)】