説明

流体塗布デバイス及び方法

本出願は、流体を塗布するためのシステム(10)に関する。システムは、流体を収容するためのパケット(12)と、ハンドル(16)を備えたアプリケータ・デバイス(14)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年12月30日に出願された米国特許仮出願第61/141,540号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、流体塗布のための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の医療処置、例えば手術のための患者の準備は、典型的に、医療処置の対象となる領域を清浄にするために、局所溶液(又は流体)、例えば、消毒液の塗布を含む。局所溶液は、スポンジのような材料に溶液をしみ込ませて、手持ち式デバイス、例えば一対の鉗子又は止血鉗子を用いて、しみ込ませたスポンジを対象となる領域にあてることによって、対象となる領域に塗布されることがある。スポンジ又は発泡体材料は、典型的に、開放型の皿又は他の容器内に入れられた流体の中に浸される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
或る事例において、溶液を塗布するのに用いられる既存のデバイスは、種々の欠点を呈する。例えば、典型的なアプリケータは、流体を効果的に保持しないスポンジを使用し、漏れをもたらす。結果として、消毒クリーニングの対象となる領域の準備は、厄介な手順となる。加えて、対象となる領域の外部の領域上への種々の流体の漏れは、刺激、不快、及び/又は他の望ましくない症状を引き起こすかもしれない種々の流体の溜まりにつながる可能性がある。
【0005】
欠点の別の例は、対象となる領域に所望の分量の流体を分与することの難しさに関係する。流体塗布中に、或る事例において、アプリケータから分与される流体、例えば消毒液の量を制御することが望ましい場合がある。しかしながら、既存のアプリケータは流体を非能率的に分与するため、対象となる領域に正確な量の溶液を送達することは判断が難しい場合がある。これにより、所望されるよりも多い又は少ない溶液が対象となる領域に塗布される場合がある。加えて、典型的なアプリケータは、正確な量の流体を適時に分与することができない発泡体及び/又は流体送達システムを使用する。例えば、流体を貯蔵する内部アンプルを有する或るアプリケータは、流体をスポンジにしみ込ませること、したがって患者への塗布のために利用可能となるまでに時間がかかる。これにより、所望の溶液の予測できない不正確な分与がもたらされる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの態様において、本開示は、流体を塗布するためのアプリケータ・デバイスに関する。アプリケータ・デバイスは、近位端及び遠位端を有するハンドルを含んでもよい。ハンドルは、ハンドルの近位端にレセプタクルを備えてもよく、レセプタクルは、流体を収容するパケットを受け入れ、且つパケットからの流体の排出を容易にするように構成される。ハンドルはまた、パケットをレセプタクル内に密封的に包囲するように構成され且つ外部圧力の印加に応答して歪み、レセプタクル内に配置されている場合パケットに外部圧力を印加して、パケットを圧縮し、パケットから流体を解放することを可能にするように構成された可撓性の蓋を備えてもよい。加えて、アプリケータ・デバイスは、ハンドルの遠位端にベースを含んでもよい。ベースは、遠位開口部を含んでもよく、解放された流体の流れを向けるように構成されてもよい。アプリケータ・デバイスはまた、レセプタクルの内側部分と流体連通する状態でベースと結合されたアプリケータ・パッドを含んでもよく、パッドの一部がベースの遠位開口部内に挿入され、パッドの一部がベースの遠位開口部の外側部分の周りに巻きつけられる。
【0007】
或る態様において、本開示は、ハンドル、ベース、及びアプリケータ・パッドを備えている、流体を塗布するためのアプリケータ・デバイスに関する。ハンドルは、近位端及び遠位端を含んでもよく、ハンドルの近位端にレセプタクルを備えてもよい。ハンドルは、流体を収容するパケットを受け入れ且つパケットからの流体の排出を容易にするように構成されてもよい。アプリケータ・デバイスは、空気がレセプタクルの中に又は外に流れることを可能にするように構成された少なくとも1つの通気機構を含んでもよい。アプリケータ・デバイスはまた、パケットをレセプタクル内に密閉的に包囲するように構成され、且つ外部圧力の印加に応答して歪み、レセプタクル内に配置されている場合パケットに外部圧力を印加して、パケットを圧縮し、パケットから流体を解放することを可能にするように構成された可撓性の蓋を含んでもよい。ベースは、ハンドルの遠位端に位置してもよく、遠位開口部を含んでもよい。ベースは、解放された流体の流れを向けるように構成されてもよく、該ベース内に遠位開口部を含んでもよい。加えて、アプリケータ・パッドは、ベースの遠位開口部を介してレセプタクルの内側部分と流体連通する状態でベースと結合されるように構成されてもよい。
【0008】
幾つかの態様において、本開示は、流体を塗布するためのシステムに関する。システムは、流体を収容するパケットを含んでもよく、パケットは、それらの間に流体を収容する密封された空間を画定する、第1及び第2の対向するパケット側部を備える。パケットは、パケットから流体を解放するためにパケットが圧縮されると破れるように構成された破壊可能領域をさらに備えてもよい。パケットはまた、パケットが圧縮されるとパケットの第1パケット側部が凸形位置から凹形位置に反転して、以前は密封されていた空間が実質的に完全につぶされることを可能にする崩壊可能機構を含んでもよい。システムはまた、ハンドルとアプリケータ・パッドとを備えているアプリケータ・デバイスを含んでもよい。ハンドルは、近位端及び遠位端を含んでもよく、ハンドルの近位端にレセプタクルを備えてもよく、レセプタクルは、流体のパケットを受け入れ、且つパケットからの流体の排出を容易にするように構成されている。ハンドルはまた、パケットをレセプタクル内に密封的に包囲されるように構成された可撓性の蓋を備えてもよい。ハンドルは、ハンドルの遠位端に配置され且つ解放された流体の流れを向けるように構成されたベースをさらに備えてもよい。ベースは、遠位開口部を含んでもよい。アプリケータ・パッドは、ベースの遠位開口部を介してレセプタクルの内側部分と流体連通する状態でベースと結合されるように構成されてもよい。
【0009】
或る態様において、本開示は、流体を表面に塗布するための方法に向けられている。方法は、アプリケータ・デバイスの近位端におけるハンドルの可撓性外面に圧力を印加して、ハンドル内に配置された、流体が充填されたパケット上に圧力をかけてパケットの可撓性部分を圧縮することを含んでもよく、前記圧力は、パケットの破壊可能領域を破壊してパケットから流体を解放させることができる。方法の幾つかの実施形態において、解放された流体は、ハンドルを通り、アプリケータ・デバイスの遠位端におけるベースの遠位開口部を通って、ベースに取り付けられたアプリケータ・パッドに流れてもよい。方法の或る実施形態において、アプリケータ・パッドは、ベースの遠位開口部内に挿入され且つベースの遠位開口部の外側部分の周りに巻きつけてもよい。方法はまた、流体をアプリケータ・パッドから表面に移すためにアプリケータ・デバイスのアプリケータ・パッドを表面と接触させることを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】例示的な開示された実施形態に係るアプリケータ・システムの分解図である。
【図2A】或る実施形態に係る流体を収容するためのパケットの側面断面図である。
【図2B】図2Aのパケットを含んでいる組み立てられたアプリケータ・システムの側面断面図である。
【図2C】つぶれた状態の図2Aのパケットの側面断面図である。
【図2D】つぶれたパケットを含んでいる組み立てられたアプリケータ・システムの側面断面図である。
【図3A】例示的な開示された実施形態に係るアプリケータ・デバイスのレセプタクルを備えたハンドルの斜視図である。
【図3B】図3Aに示されたレセプタクルに対応している蓋の斜視図である。
【図3C】或る実施形態に係る組み立てられたアプリケータ・システムの断面図である。
【図4A】或る実施形態に係る組み立てられたアプリケータ・システムの正面斜視図である。
【図4B】或る実施形態に係る組み立てられたアプリケータ・システムの背面斜視図である。
【図5A】或る実施形態に係るアプリケータ・デバイスのハンドルの正面図である。
【図5B】図5Aに示されたアプリケータ・デバイスのハンドルの下面図である。
【図6A】或る実施形態に係るアプリケータ・デバイスのハンドルの正面図である。
【図6B】図6Aに示されたアプリケータ・デバイスのハンドルの下面図である。
【図7A】或る実施形態に係る組み立てられたアプリケータ・システムの正面図である。
【図7B】図7Aに示されたアプリケータ・システムの下面図である。
【図8】或る実施形態に係るアプリケータ・デバイスの一部の側面断面図である。
【図9A】アプリケータ・デバイスのベースの例示的な開示された実施形態を例証する図である。
【図9B】アプリケータ・デバイスのベースの例示的な開示された実施形態を例証する図である。
【図9C】アプリケータ・デバイスのベースの例示的な開示された実施形態を例証する図である。
【図9D】アプリケータ・デバイスのベースの例示的な開示された実施形態を例証する図である。
【図9E】アプリケータ・デバイスのベースの例示的な開示された実施形態を例証する図である。
【図9F】アプリケータ・デバイスのベースの例示的な開示された実施形態を例証する図である。
【図9G】アプリケータ・デバイスのベースの例示的な開示された実施形態を例証する図である。
【図9H】アプリケータ・デバイスのベースの例示的な開示された実施形態を例証する図である。
【図10A】吸収体パッド材料の平坦なディスクから丸みをつけられたアプリケータ・パッドを作製するための一連のステップを示す図である。
【図10B】吸収体パッド材料の平坦なディスクから丸みをつけられたアプリケータ・パッドを作製するための一連のステップを示す図である。
【図10C】吸収体パッド材料の平坦なディスクから丸みをつけられたアプリケータ・パッドを作製するための一連のステップを示す図である。
【図10D】吸収体パッド材料の平坦なディスクから丸みをつけられたアプリケータ・パッドを作製するための一連のステップを示す図である。
【図10E】吸収体パッド材料の平坦なディスクから丸みをつけられたアプリケータ・パッドを作製するための一連のステップを示す図である。
【図10F】吸収体パッド材料の平坦なディスクから丸みをつけられたアプリケータ・パッドを作製するための一連のステップを示す図である。
【図11】例示的な開示された実施形態に係るアプリケータ・パッドとアプリケータ・デバイスのベースとの間の縁部溶着を例証する図である。
【図12A】アプリケータ・パッドの例示的な開示された実施形態を例証する図である。
【図12B】アプリケータ・パッドの例示的な開示された実施形態を例証する図である。
【図12C】アプリケータ・パッドの例示的な開示された実施形態を例証する図である。
【図12D】アプリケータ・パッドの例示的な開示された実施形態を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この出願において、単数形の使用は、特に別の方法で指定しない限り複数形を含む。この出願において、「又は」の使用は、特に明記しない限り「及び/又は」を意味する。さらに、「含んでいる」という用語、並びに「含む」又は「含められる」のような他の形態の使用は、限定するものではない。また、「要素」又は「構成部品」のような用語は、特にそれ以外の指定のない限り、1つのユニットを備えている要素及び構成部品と、1つよりも多くのユニットを備える要素及び構成部品との両方を包含する。
【0012】
本明細書で用いられる項見出しは、まとめる目的のためだけのものであって、説明される主題を限定するように解釈されるものではない。特許、特許出願、文献、書籍、及び論文を含むがこれに限定されないこの出願において引用されたすべての文書は、あらゆる目的のためにそれらの全体が参照により明示的に組み込まれる。
【0013】
開示されたアプリケータは、開示されたデバイスを通過し、且つ開示されたデバイスによって分与することを可能にするのに適した粘度をもつ任意の液体を分与する/塗布するように構成されてもよい。幾つかの実施形態において、開示されたアプリケータは、消毒流体を分与する/塗布するのに利用されてもよい。本明細書で用いられる場合の「消毒流体」という用語は、或る実施形態において、種々の医療処置のための準備において領域を清浄にするために用いられてもよい液体のことを指す。
【0014】
ここで図面への参照を詳細に行う。可能ならば、同じ又は同様の部分を指すために図面を通して同じ参照番号が用いられるであろう。
【0015】
図1は、流体を塗布するためのシステム10の分解図を例証する。図1に示すように、システム10は、流体を収容するように構成されたパケット12を含んでもよい。加えて、システム10は、流体を表面に塗布するように構成されたアプリケータ・デバイス14を含んでもよい。アプリケータ・デバイス14は、ハンドル16を含んでもよい。ハンドル16は、近位端20にレセプタクル18を、及び、遠位端24にベース22を備えてもよい。アプリケータ・デバイス14はまた、ベース22と結合されたアプリケータ・パッド26をも含んでもよい。アプリケータ・デバイス14は、パケット12をレセプタクル18内に包囲するように構成された蓋28をさらに含んでもよい。
【0016】
パケット
図1に示すように、パケット12は、近位端30及び遠位端32を含んでもよく、パケット12の遠位端32がハンドル16の遠位端24の方に配向された状態で、レセプタクル18の中に挿入されるように構成されてもよい。パケット12内の流体は、パケット12を(例えば、破壊可能領域において)破裂させて、流体がベース22を通ってアプリケータ・パッド26の中に遠位方向に流れることを可能にする(又は強制する)外力をパケット12に印加することによって吐出されてもよい。
【0017】
パケット12は、任意の適切な形状に形成されてもよい。幾つかの実施形態において、パケット12は、付属の図面に示すように、実質的に円形の形状を有してもよい。パケット12は、図示されるように同じく実質的に円形であってもよいレセプタクル18内に嵌り、且つレセプタクル18の形状に概して対応するように構成されてもよい。幾つかの実施形態において、パケット12は、流体塗布システム10の構成部品の組立てを簡単にするために配向機構を含有してもよい。例えば、パケット12は、レセプタクル18の嵌合する形状に対応する形状を有してもよい。幾つかの実施形態において、嵌合する形状は、パケット12をレセプタクル18に対して配向するために非対称であってもよい。
【0018】
パケット12とレセプタクル18とが実質的に円形の嵌合する形状(例えば、図1に示すように)を有する、或る実施形態において、配向機構は、レセプタクル18の実質的に円形の形状から逸脱するレセプタクル18上の構造体と、パケット12の実質的に円形の形状から逸脱するパケット12上の対応する構造体とを含んでもよい。例えば、配向機構は、図1に示すように、レセプタクル18及びパケット12上の対応する突起部のような非対称の形状(涙の滴型の形状を形成する)を含んでもよい。すなわち、幾つかの実施形態において、アプリケータ・デバイス14は、レセプタクル18上の対応するレセプタクル機構34と共に配向されるように構成される、パケット12上のパケット突起部36を含んでもよい。
【0019】
涙の滴のような非対称の嵌合する形状は、パケット12とレセプタクル18とがどのようにして互いに位置合わせされるかを容易に分かるようにすることによって組立てを容易にする場合があるだけでなく、パケット12から解放された流体がアプリケータ・パッド26に容易に流れることができるように、パケット12の破壊可能領域がアプリケータ・デバイス14の遠位端の方に配向されることも保証する場合がある。例えば、或る実施形態において、レセプタクル18は、パケット12をパケット突起部36がベース22の方に位置する状態で配向されるように構成されてもよい。こうした実施形態では、パケット突起部36は、パケット12の破壊可能領域を含んでもよい。この破壊可能領域の位置づけ(すなわち、ベース22の方へ向けた)は、破壊可能領域が破れると、例えば、重力により及び/又は流体をパケット12及びレセプタクル18から吐出するためにパケット12を押しつぶすことにより、流体が、パケット12からベース22の方に(ベース22を通って)アプリケータ・パッド26の中に容易に流れることを可能にする場合がある。
【0020】
図2Aに示すように、パケット12は、それらの間に流体が充填されてもよい密封された空間40を画定する、対向する側部38を含んでもよい。対向する側部38のいずれか又は両方は、変形可能であってもよい。パケット12内の流体は、パケット12を破裂させて流体がベース22を通ってアプリケータ・パッド26の中に遠位方向に流れることを可能にする(又は強制する)外力をパケット12の対向する側部38に印加することによって吐出されてもよい。
【0021】
パケット12の破壊可能領域は、(例えば、パケット12を押しつぶすこと/圧縮することによって)妥当な活性化力が印加されると壊れて開くように構成されてもよい。破壊可能領域は、ユーザによって力が印加されると壊れて開くように構成されてもよいが、破壊可能領域を含んでいるパケット12は、漏れ又は偶発的に開くことを防止するために、取り扱い、貯蔵などの間は構造的完全性を維持するように構成されてもよい。
【0022】
パケット12は、破壊可能領域を備えた流体保持パケットを形成するのに適した任意のタイプの材料で形成されてもよい。本開示の目的のために、「破壊可能」という用語は、壊れることが可能である、破裂可能である(可撓性パケットの場合のように)、又は他の方法で破壊されるように構成されることを意味するものである。幾つかの実施形態において、破壊可能領域は、パケットの他の部分よりも低い強度を有するように用意されたパケットの一部であってもよい。例えば、或る実施形態において、破壊可能密封は、破壊可能となることが望まれる領域を、最大密封強度のために要求される温度よりも低い温度で密封することによって作り出されてもよい。他の実施形態において、破壊可能密封は、本質的により低い付着性を有する特別に調合された「剥離可能」フィルムを用いて破壊可能領域を形成することによってもたらされてもよい。
【0023】
パケット12は、パケット12が圧縮されるときに一方の側部が他方の側部の中にスムーズに反転することを可能にする両側構成によって自身で排出するものであってもよい。例えば、図2A及び図2Bに示すように、パケット12は、第1パケット側部42と第2パケット側部44とを含んでもよい。第1パケット側部42と第2パケット側部44は、パケット12の周辺部付近の密封部46で互いに密封されてもよい。図2C及び図2Dに示すように、パケット12は、圧縮されると、第1パケット側部42が第2パケット側部44の中に反転し、したがって密封された空間40をつぶすように構成されてもよい。パケット12は、実質的にすべての流体をパケット12から排除するように、完全につぶれる(且つ、幾つかの実施形態においては、つぶれたままとなる)ように構成されてもよい。
【0024】
パケット12は、パケット12が圧縮されると、以前は密封されていた空間40が実質的に完全につぶされるように、パケット12の第1パケット側部42が図2A及び図2Bに示すような凸形位置から図2C及び図2Dに示すような凹形位置に反転することを可能にする崩壊可能機構を含んでもよい。幾つかの実施形態において、パケット12の第1パケット側部42と第2パケット側部44は、異なる厚さのフィルムから形成されてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、第1パケット側部42が変形して第1パケット側部42の反転を果たし、それによりパケット12がつぶれることを可能にするために、第1パケット側部42は、第2パケット側部44よりも薄いフィルムで形成されてもよい。
【0025】
代替的に又はそれに加えて、第1パケット側部42は、パケット12の崩壊性を与えるために第2パケット側部44とは異なるサイズ及び/又は形状にされてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、第1パケット側部42は、第1中央部48及び第1周辺部50を含んでもよく、第2パケット側部44は、第2中央部52及び第2周辺部54を含んでもよい。第1パケット側部42と第2パケット側部44は、第1周辺部50と第2周辺部54との間の接合部において互いに密封されてもよい。或る実施形態において、第1中央部48は、第2中央部52よりも小さい(例えば、1インチの10分の1又は100分の1のオーダーの)直径を有し、これによって図2C及び図2Dに示すように、崩壊可能機構を形成して第1パケット側部42が第2パケット側部44内に入れ子になることを可能にしてもよい。
【0026】
或る実施形態において、パケット12内に収容された液体は、活性成分を含有している消毒液であってもよい。種々の消毒液活性成分が当該技術分野では公知であり、エタノール、イソプロピルアルコール、他のアルコール類、及びその組合せ、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、アルコールを伴うグルコン酸クロルヘキシジン、クロロキシレノール、クロフルカルバン、フルオロサラン、ヘキサクロロフェン、ヘキシルレゾルシノール、ヨウ素を含有する化合物、ポビドンヨード、アルコール、エタノール、イソプロピルアルコール、及び他のアルコール類を伴うポビドンヨード、及びその組合せを含むがこれに限定されない。
【0027】
幾つかの実施形態において、例えば米国特許第5,376,686号に開示されるように、消毒液は、活性成分として、ビグアニド誘導体及び/又はその塩、例えば、オラネキシジン[1−(3,4−ジクロロベンジル)−5−オクチルビグアニド]及びその塩を含んでもよい。或る実施形態において、局所消毒薬は、グルコン酸オラネキシジンを含んでもよい。
【0028】
消毒液はまた、或る界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンベースの非イオン界面活性剤、及び/又は、アルコール、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、及び他のアルコール類、及び/又は水を、種々の量で組み込んでもよい。有用な界面活性剤は当業者には公知であり、例えば、日本のAsahi Denka Co.,Ltd.、からPolyoxyethylene(20)polyoxypropylene(20)glycolとして入手可能なPoloxamer124(Polyoxypropylene−polyoxyethylene Block Copolymer124としても知られる)、POE(9)ラウリルエーテル(Nikko Chemicals Co.,Ltd.、(日本、東京)から「BL−9EX」として入手可能)、ノノキシノール−10又はNP−10としても知られているPOE(10)ラウリルエーテル(Sanyo Chemical Industries, Ltd.、(日本、京都)から「Emulin NL−100」として入手可能)である。
【0029】
或る実施形態において、消毒液は、活性成分とポリオキシエチレンベースの非イオン界面活性剤とを種々の濃度で含んでもよい。幾つかの実施形態において、ポリオキシエチレンに基づく非イオン界面活性剤は、約0.05〜約16%(w/v)の濃度で存在してもよい。
【0030】
或る実施形態において、局所消毒薬は、約0.05〜約5.0%(ビグアニドに基づくw/v)の濃度のビグアニド誘導体、及び/又はその塩を含んでもよい。幾つかの実施形態において、ビグアニド誘導体又はその塩は、オラネキシジン[1−(3,4−ジクロロベンジル)−5−オクチルビグアニド]又はその塩であってもよい。
【0031】
システム10の幾つかの実施形態において、アプリケータ・デバイス14は、使用準備のできた形態で提供されてもよい。例えば、図2Bに示すように(図4Aも参照)、アプリケータ・デバイス14は、アプリケータ・パッド26がベース22に取り付けられ、且つパケット12が蓋28によってレセプタクル18内に包囲された状態で、貯蔵され、パッケージされ、及び/又は輸送などをされてもよい。こうした実施形態において、パケット12は、例えば消毒流体のような流体が予め充填されてもよい。
【0032】
レセプタクル
レセプタクル18は、パケット12を受け入れ、且つパケット12からの流体の排出を容易にするように構成されてもよい。図2B及び図2Dに示すように、ハンドル16は、レセプタクル18とベース22との間の滑らかでテーパ状のネック部56のような、吸収体パッド26への流体の送達を容易にする機構を有してもよく、ベース22は遠位開口部57を含んでもよく、該遠位開口部57を通って流体がレセプタクル18からアプリケータ・パッド26に流れてもよい。レセプタクル18は、凹部60を画定し且つリム62を有するボウル状シェル58を備えてもよい(図1参照)。蓋28は、例えば、ヒートシール、無線周波数(RF)溶着、接着剤結合、レーザ溶着、又は任意の他の適切なタイプの据付けを用いて、リム62に密封的に取り付けられてもよい。幾つかの実施形態において、レセプタクル18は、超音波溶着のためのエネルギー・ディレクタ又はテクスチャ加工された表面、或いは他の方法で蓋28をレセプタクル18に接合するものを含んでもよい。
【0033】
前述の非対称の形状のようなパケット配向機構に加えて、レセプタクル18は、パケット12を受ける及び/又は固定するために、へこみ部、ウェル、リブ、エンボス、デボス、又は一連のこうした要素のような1つ又は複数の他のパケット配向機構を含んでもよいが、これに限らない。例えば、図2B及び図2Dに示すように、レセプタクル18は、パケット12と嵌合し且つ/又はパケット12上の対応する機構を保持するように形状設定されてもよい種々の段差及び/又は輪郭を含んでもよい(図1も参照)。
【0034】
図3A〜3Cは、例示的なパケット配向機構を含んでいるアプリケータ・デバイス14の実施形態を例証する。例えば、図3Aに示すように、レセプタクル18は、1つ又は複数の内側リブ63、エンボス加工されたリッジ64、及びウェル65を形成するデボス加工領域を含ことができる。図3Bに示すように、蓋28は、図3Aに示されたレセプタクルと共に用いられるように構成されてもよい。幾つかの実施形態において、蓋28は、図3Bに示すように、蓋28の蓋ドーム67がより低い外形を有することを可能にすることができるくぼんだ面66を含むことができる。図3Cは、図3A及び図3Bに示された構成部品を含んでいる組み立てられたアプリケータ・デバイス14の断面図である。
【0035】
配向機構に加えて、ハンドル16はまた、ユーザによるアプリケータ・デバイス14の操作を容易にするために、1つ又は複数の外部グリップ機構を含んでもよい。例えば、レセプタクル18は、レセプタクル18のしっかりとしたグリップを促進するために、人間工学的な形状設定及び/又はサイズ設定、並びに、くぼみ、突出するグリップ部材、テクスチャ加工されたストリップ及び/又は領域、ゴム引き材料などのようなグリップ機構を含んでもよい。幾つかの実施形態において、ハンドル16は、図4Bに示すように、1つ又は複数のグリップ・リブ68を(例えば、レセプタクル18上に)含んでもよい。
【0036】
幾つかの実施形態において、アプリケータ・デバイス14は、レセプタクル18の中に空気が流れ込む又は外に空気が流れ出ることを可能にするように構成された通気機構を含んでもよい。こうした通気機構は、吸収体パッドへの制御された流体送達を依然として可能にしながら、流体が望ましくない場所でハンドル16から漏れ出るのを制限するように構成されてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、通気機構は、ハンドル16の近位端20に位置してもよく、流体がハンドル16の遠位端に残留する間、及びアプリケータ・デバイス14が直立状態に保たれる間、空気はハンドル16の中に入り、且つ外に出ることができる。幾つかの実施形態において、通気機構は、蓋28とレセプタクル18のリム62との間の接合部において密封されないままにされる領域を含むことができる。例えば、或る実施形態において、レセプタクル18のリム62は、その上で蓋28が密封されないままにされてもよい溝(図示せず)を含むことができる。
【0037】
幾つかの実施形態において、アプリケータ・デバイス14の1つ又は複数の部分/構成部品は、透明又は半透明の材料で形成されてもよい。例えば、レセプタクル18の1つ又は複数の部分は、透明又は半透明の材料で形成されてもよい。幾つかの実施形態において、蓋28、パケット12、及び/又はベース22の1つ又は複数の部分は、透明又は半透明の材料で形成されてもよい。アプリケータ・デバイス14の或る部分/構成部品の透明性及び/又は半透明性は、パケット12の中に残っている流体の量の観測を可能にする場合があり、及び/又は、分与されている間のアプリケータ・デバイス14を通る流体の流れの監視を容易にする場合がある。
【0038】
図5A及び図5Bに示すように、幾つかの実施形態において、レセプタクル18は、流体の流れをベース22の遠位開口部57に向けるように構成された三側面チャネル69を含んでもよく、ベース22には、チャネル69を組み入れるためにスロットが形成されてもよい。また、図6A及び図6Bに示すように、ハンドル16は、広がった遠位開口部57を備えた、より広いベース22を有することができる。こうしたより広いベース22は、より広いアプリケータ・パッド26と適合する場合がある。例えば、図7A及び図7Bに示すように、アプリケータ・デバイス14は、より広いベース22と、対応するより広いアプリケータ・パッド26とを含んでもよい。チャネル69、フレア型の遠位開口部57、及びより広いベース22のような機構は、アプリケータ・パッド26への流体の流れ及び/又は分散の増加を容易にすることができる。
【0039】
ハンドル16、すなわち、レセプタクル18とベース22は、射出成形、機械加工のような任意の適切なプロセス及び/又は任意の他の適切な製造方法を用いて形成されてもよい。オープンチャネル69及び/又はフレア型の遠位開口部57のような機構は、ハンドル16の成形を容易にする場合がある。ハンドル16は、例えば、ポリエステル、S−Bブロックコポリマー、ポリオレフィンなどのような熱可塑性材料を含んでいる任意の適切な材料で形成されてもよい。
【0040】

蓋28は、パケット12をレセプタクル18内に密封状態で包囲するように構成されてもよい。蓋28はまた、可撓性であってもよく、したがって、外部圧力の印加に応答して歪み、レセプタクル18内に配置されたときにパケット12に外部圧力を印加し、これによりパケット12を圧縮し、パケット12から流体を解放することを可能にするように構成される。幾つかの実施形態において、蓋28は、蓋28にかかる力を分散させるように構成されてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、蓋28は、蓋ドーム67によって例証されるようにドーム形状を有してもよい(図1、図2B、及び図3B参照)。
【0041】
蓋28の半硬質の実施形態では、蓋28は、熱成形すること及び打抜き加工することを含む任意の適切な方法によって形成されてもよい。蓋28が伸長可能な材料であってもよい実施形態では、蓋28は、打抜き伸長加工(die cut stretched)されてもよい。蓋28がそれから形成されてもよい例示的な材料は、レセプタクル18に密封するのに適した任意の材料を含む。こうした材料は、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、S−Bブロックコポリマーなどを含んでもよい。
【0042】
蓋28は、任意の適切な方法を用いてレセプタクル18に密封状態で取り付けられてもよい。例えば、蓋28は、ヒートシール、接着剤/糊、レーザ溶着、超音波溶着などを用いてレセプタクル18に取り付けられてもよい。
【0043】
ベース
ベース22は、ハンドル16の遠位端24に位置してもよく、且つパケット12から解放された流体の流れをアプリケータ・パッド26に向けるように構成されてもよい。図2Bに示すように、遠位開口部57は、流体がパケット12から解放された後でアプリケータ・パッド26に流れることを可能にすることができる場合がある。以下でより詳細に説明されるように、幾つかの実施形態において、遠位開口部57は、アプリケータ・パッド26の一部を受け入れるように構成されてもよい。
【0044】
ベース22は、種々の形状及びサイズに形成されてもよい。幾つかの実施形態において、図6A及び図6Bに示すように、ベース22の形状及び/又はサイズは、アプリケータ・パッド26の形状及び/又はサイズと概して対応してもよい(図1も参照)。他の実施形態において、アプリケータ・パッド26は、ベース22の形状及び/又はサイズとは異なる形状及び/又はサイズを有してもよい。
【0045】
ベース22は、レセプタクル18に対して或る角度に配向されてもよい。例えば、レセプタクル18の或る実施形態、例えば、図1のように実質的に円形の形状を有する実施形態は、例えば、レセプタクル18の実質的に円形の形状を通るレセプタクル中心軸70を中心として形成されてもよい。レセプタクル中心軸70は、ベース22を含んでいる平面74(図2B参照)と垂直な軸72に対して或る角度71に配向されてもよい。幾つかの実施形態において、角度71は、例えば図1及び図2Bに示すように、ほぼ90度であってもよい。他の実施形態において、角度71は、0から180度までの範囲内の任意の角度であってもよい。例えば、図8において、角度71は、ほぼ45度で示されている。
【0046】
図8に示すように、ベース22は、アプリケータ・パッド26がそれに付着されるように構成されてもよい内面76及び外面78を含んでもよい。幾つかの実施形態において、図9A〜図9Hに示すように、ベース22は、アプリケータ・パッド26がその上で付着されるように構成されてもよい1つ又は複数の穿孔80を含んでもよい。穿孔80は、レセプタクル18からアプリケータ・パッド26に流体が流れることを可能にする場合がある。
【0047】
幾つかの実施形態において、図9Gに示すように、外面78は、1つ又は複数のチャネル82を含んでもよい。チャネル82は、アプリケータ・パッド26の異なる部分に流体を分散させるように構成されてもよい。また、幾つかの実施形態において、ベース22の外面78は、図9Hに示すようにテクスチャ加工されてもよい。テクスチャは、ベース22へのアプリケータ・パッド26の取付けを促進することができるだけでなく、アプリケータ・パッド26の異なる部分への流体の分散も容易にすることができる。
【0048】
或る実施形態によれば、ベース22は、レセプタクル18と結合してもよい。ベース22は、ヒンジ、接着剤、機械的相互係合、ねじ部、プレスばめ、摩擦ばめ、締まりばめ、すべりばめ、及び/又はそれらの組合せによる取り付けを含むがこれに限定されない機械分野では公知の種々の方法でレセプタクル18と結合してもよい。他の実施形態によれば、ベース22は、レセプタクル18と一体に形成されてもよい。一体のベース/ハンドルの組合せは、成形、射出成形、鋳造、機械加工、又はその組合せを含むがこれに限定されない当該技術分野では公知の種々のプロセスによって製造されてもよい。
【0049】
或る実施形態において、アプリケータ・デバイス10は、レセプタクル18とベース22との間の交換可能な取付具を含むことができる。交換可能な取付具は、例えば、同じレセプタクル18に対する種々の形状及びサイズを有するベースの使用を容易にする場合があり、逆もまた同様である。これは、例えば、同じレセプタクル18との異なるサイズにされたアプリケータ・パッドの使用を容易にする場合がある。
【0050】
アプリケータ・パッド
アプリケータ・パッド26は、レセプタクル18の内側部分と流体連通する状態でベース22と結合されるように構成されてもよい。幾つかの実施形態において、図2Bに示すように、アプリケータ・パッド26の一部は、ベース22の遠位開口部57の中に挿入され、且つ遠位開口部57の外側部分84の周りに巻きつけられてもよい。アプリケータ・パッド26は、遠位開口部57の外側部分84上で(例えば、超音波溶着、接着剤などを介して)ベース22に取り付けられてもよい。アプリケータ・パッド26が周りに巻きつけられる幾つかの実施形態において(例えば、図2Bに示すように)、アプリケータ・パッド26は、例えば、図1に示されたような形状に少なくとも部分的に予め形成されてもよい。例えば、アプリケータ・パッド26は、成形され、切断され、又は形状設定され、且つ/又はこうした構成へと圧縮されてもよい。
【0051】
アプリケータ・パッド26が周りに巻きつけられる幾つかの実施形態は、ディスク型のパッドから、ディスクの一部をベース22の遠位開口部57の中に挿入し、次いで、遠位開口部57の外側部分84の周りにディスクの別の部分を巻きつけることによって形成されてもよい。図10A〜図10Fは、吸収体パッド材料の平坦なディスクから丸みをつけられたアプリケータ・パッドを作製するための一連のステップを示す。図10Aは、アプリケータ・パッド26を平坦なディスクとしてアプリケータ・デバイス14の上の位置に示す。図10Bに示すように、ディスク形状のアプリケータ・パッド26は、ベース16の遠位開口部57の中に圧縮され且つ押し込まれてもよい。図10Cは、遠位開口部57において拘束されていないディスクを示す。図10Dに示すように、ツール85が、ディスクの上にかぶさるように下方に動かされてもよい。図10Eは、アプリケータ・パッド26が遠位開口部57の外側部分84の周りに押しつけられている状態を示し、アプリケータ・パッド26は、ベース16に付着されてもよい。図10Fは、ツール85が引き上げられ、仕上がった、丸みをつけられたアプリケータ・パッド26が残されている状態を示す。
【0052】
上で述べたように、ベース22のように、アプリケータ・パッド26は、任意の適切な形状及び/又はサイズを有してもよい。或る実施形態において、アプリケータ・パッド26は、例えば図1及び図2Bに示すように、丸みをつけられた形状、若しくは実質的に球形の又は半球形の形状を有してもよい。幾つかの実施形態において、アプリケータ・パッド26は、図7A及び図7B、並びに、図8、図9A〜図9H、及び図12A〜図12Dに示すように代替的な形状を有してもよい。或る実施形態において、ベース22及び/又はアプリケータ・パッド26は、図9A〜図9H及び12A〜図12Dに示すように、丸みをつけられた縁部を備えた概して三角形であってもよい。この概して三角形の形状は、図示されるように涙の滴形状に近似していてもよい。ベース22の他の例示的な形状は、長方形、円形、楕円形、ダイヤモンド、種々の多角形の形状(例えば、図7A及び図7B参照)、及び/又はその組み合わせを備えている複雑な形状を限定ではなく含んでいてもよい。
【0053】
概して三角形/涙の滴の形状又はダイヤモンド形状は、アプリケータ・デバイス14が種々の輪郭を有する表面上で用いられることを可能にすることができる場合がある。例えば、三角形、又は、例えばダイヤモンド形状(例えば図7A及び図7B参照)の角部における、より小さい先端部、特に最遠位先端部86は、間隙及びより小さい表面形状部へのアクセスを可能にする場合があり、一方、アプリケータ・パッド26の広い近位端は、より大きい、より緩やかな輪郭の表面に流体を塗布することを可能にする、大きいパッド表面を提供する場合がある。
【0054】
アプリケータ・パッド26は、種々の取付機構のいずれかを用いてベース22と結合してもよい。例えば、アプリケータ・パッド26は、例えば、医療等級のシアノアクリレート、UV硬化接着剤などを用いる接着剤結合を含んでいる任意の適切な方法を用いて、ベース22に取り付けられてもよい。幾つかの実施形態において、アプリケータ・パッド26は、RF溶着、ヒートステーキング、超音波溶着、レーザ溶着、機械的相互係合、ホック&ループ機構(例えば、Velcro(登録商標))、ねじ付部品など、並びに、これらの機構の組合せ、を用いてベース22に取り付けられてもよい。したがって、ベース22とアプリケータ・パッド26は、これらの機構のいずれかを用いて互いに取り付けられるように構成されてもよく、したがって、こうした取り付けを可能にするために適切な機構(例えば、テクスチャ、接着剤、機械的ラッチ/クランプ要素、コーティングなど)を含んでもよい。
【0055】
幾つかの実施形態において、アプリケータ・パッド22は、図11に示すように、縁部溶着87を用いてベース22に取り付けられてもよい。縁部溶着87は、ハンドル16をベース22が上向きになるように治具に保持し、ベース22の上面上にアプリケータ・パッド26を位置付け、アプリケータ・パッド26とベース22との両方にわたるように超音波ホーンを降ろすことによってもたらされてもよい。このようにして、アプリケータ・パッド26は、ベース22の周りに実質的に一様に巻きつけられてもよい。このプロセスの間、超音波エネルギーが、アプリケータ・パッド26の表面をベース22の縁部に溶着し、超音波ホーンが撤収されたとき、発泡体の本体が圧縮されていない状態に膨らんで戻る。
【0056】
幾つかの実施形態において、アプリケータ・パッド26は、実質的に疎水性の発泡体を含んでもよい。代替的に又はそれに加えて、アプリケータ・パッド26は、実質的に親水性の発泡体を含んでもよい。本明細書で用いられる場合の「実質的に疎水性の発泡体」という用語は、多量の水を吸収しないポリマーベースの発泡体のことを指す。対照的に、実質的に親水性の発泡体の定義は、以下で与えられる。本開示の目的のために、実質的に疎水性の発泡体は、以下で定義されるように、実質的に親水性ではないあらゆる発泡体のことを指す。
【0057】
本明細書で用いられる場合の「実質的に親水性の発泡体」という用語は、水への親和性を有するポリマーに基づく発泡体のことを指す。例えば、本発明の或る実施形態は、オープンセルの細孔構造をもつポリウレタン発泡体を使用することができる。或る事例において、実質的に親水性の発泡体は、例えば、発泡体の重量のおよそ20倍の吸収のような高い割合の流体吸収のために設計することができる。理論に拘束されることを望むわけではないが、実質的に親水性の発泡体は、水又は活性プロトン及び/又はヒドロキシル基を含有する液体と水素結合を形成することができるポリマー鎖中の極性基の存在、毛管力によって発泡体構造の本体の中に液体を通す微細なオープンセル細孔構造、並びに/又は発泡体マトリクスへの超吸収体のような吸収体材料及び/若しくは界面活性剤の添加を含むがこれに限定されない1つ又は複数の機構を通じて水への親和性を実証することができる。本発明の或る実施形態において用いることができる実質的に親水性の発泡体は、Foamex International,Inc.(米国ペンシルバニア州メディア)、Crest Foam Industries,Inc.(米国ニュージャージー州ムーナチー)、Rynel,Inc.(米国メーン州ブースベイ)、Avitar,Inc.(米国マサチューセッツ州キャントン)、Lendell Manufacturing,Inc.(米国ミシガン州チャールズ)、及びCopura(デンマーク)を含む組織から入手可能である。加えて、Hermannらの米国特許第5,135,472号を含む、或る特許は、本発明の或る実施形態において用いられてもよい実質的に親水性の発泡体を開示する。幾つかの実施形態において、アプリケータ・パッド26は、Foamex疎水性網目状ポリウレタン発泡体で形成されてもよい。
【0058】
アプリケータ・パッド26は、フェルト地を含んでもよく、又はフェルト加工されていないものでもよい。加えて、アプリケータ・パッド26は、網状組織を含んでもよく、又は網状化されていないものでもよい。幾つかの実施形態において、アプリケータ・パッド26は、多数のパッド材料を含んでもよい。こうした実施形態において、上記の特徴の任意の組合せが採用されてもよい。例えば、1つの例示的な多材料パッドにおいて、1つのパッド材料は疎水性であってもよく、第2のパッド材料は親水性であってもよい。
【0059】
アプリケータ・パッド26は、単一の層又は多数の層を含んでもよい。加えて、幾つかの実施形態において、アプリケータ・パッド26は、アプリケータ・パッド26を通る流体の分散及び/又は流れを促進するためにスリットを含んでもよい。図12A〜図12Dは、上記に挙げられた機構の種々の組合せを有するアプリケータ・パッド26の幾つかの例示的な実施形態を例証する。例えば、幾つかの実施形態において、アプリケータ・パッド26は、図12Aに示すように、スリットのない単一の層を備えてもよい。種々の実施形態において、アプリケータ・パッド26は、図12Bに示すように、スリット88を含んでいてもよい単一の層を備えてもよい。図12Bに例証されるように、アプリケータ・パッド26は、多数のスリットを含んでもよい。さらに、スリット88は、パターンで提供されてもよい。例えば、図12Bは、或る角度に配向された実質的に平行なスリット88のパターンを示す。
【0060】
他の実施形態において、アプリケータ・パッド26は、多数の層を含んでもよい。図12C及び図12Dに示すように、アプリケータ・パッド26は、ベース層90とラミネート層92とを備えてもよい。ベース層90に及び/又はラミネート層92にスリット88が提供されてもよい。図12C及び図12Dは、スリット88が少なくともラミネート層90に提供された実施形態を例証する。図12Cは、図12Bに示されたものと同様の実質的に平行なスリット88のパターンを示す。図12Cは、或る角度に配向された図12Bのものとは対照的に、スリット88が概して横方向に配向されたパターンを例証する。スリット88は、任意の角度で配置されてもよい。加えて、スリット88は、概して円形の図12Dのスリット88のような多数の形状のいずれかに提供されてもよい。スリット88はまた、楕円形、多角形などを含むがこれに限定されない他の種々の形状に形成されてもよい。スリット88は、任意の適切な様式、例えば、ダイ・カッティング/キス・カッティングによって形成されてもよい。
【0061】
幾つかの実施形態において、各層は、異なるパッド材料で形成されてもよい。種々の実施形態において、アプリケータ・パッド26は、少なくとも1つの擦過層を含んでもよい。或る用途において、擦過層は、処置の対象となる領域、例えば表皮を擦過するために用いられてもよい。擦過は、流体の分与前、分与の間、及び/又は分与後に行われてもよい。或る実施形態において、擦過は、対象となる領域の処置を促進するために、或る生体材料、例えば、身体の脂、身体の汚れ、及び/又は細菌を取れやすくすることができる。例えば、消毒液の塗布の前に、ユーザは消毒薬塗布プロセスの有効性を改善するために細菌を取れやすくするために患者の表皮を擦過してもよい。或る実施形態において、擦過層は、領域を清浄にするためにより多い量の擦過及び/又はより激しい擦過を容易にすることができる、1つよりも多い材料層を備えてもよい。
【0062】
或る実施形態において、擦過層は、種々のテクスチャ及び/又は織りの、例えば、ガーゼ状又は発泡体の材料を備えてもよい。或る実施形態において、例示的なガーゼ状材料は、綿、レーヨン、ナイロン、及び/又はそれらの組合せを含むがこれに限定されない、擦過を容易にする種々の材料から作製されてもよい。擦過層材料は、様々な摩損度を呈する多数の材料から選択されてもよい。発泡体材料については、摩損レベルは、数ある中でも、セル/孔のサイズに応じて異なることがある。早生児の皮膚は、薄くて傷つきやすい可能性があり、したがって、ナイロン又はレーヨンから作製された擦過層を備えるアプリケータ・デバイスは、綿から作製された擦過層よりも好ましい場合がある。或る実施形態において、擦過層は、異なる材料の複数の層を備えてもよい。幾つかの実施形態、例えば発泡体擦過層において、擦過層は、ベース22に及び/又はアプリケータ・パッド24にフレームラミネートしてもよい。
【0063】
図12C及び図12Dに例証されるように、ラミネート層92(擦過層を備えてもよい)は、アプリケータ・パッド26のベース層90の形状に概して対応する形状を有してもよい。しかしながら、或る実施形態において、ラミネート層92は、円形、楕円形、長方形、三角形、多角形など、或いはこのうちの1つ又は複数を含んでいる複雑な形状を含むがこれに限定されない種々の他の形状を有してもよい。アプリケータ・パッド26の層は、接着剤結合(例えば、感圧接着剤を用いる)、融着、フレームラミネート、ヒートステーキング、超音波溶着などを含むがこれに限定されない種々の取付機構によって互いに取り付けられてもよい。発泡体のようなアプリケータ・パッド材料に種々の材料をラミネートする及び/又は取り付けるための方法は、当該技術分野では公知である。例えば、米国特許出願第10/829,919号、米国特許仮出願第60/464,306号、及びPCT整理番号第US04/012474号のすべては、材料をポリウレタン発泡体に取り付けるための方法及び装置を開示している。
【0064】
アプリケータ・デバイス14及び/又はパケット12を含むアプリケータ・システム10の構成部品は、エチレンオキシド(「(Et)O」)、ガンマ放射線、電子ビーム、及び又は蒸気への露出を含むがこれに限定されない当該技術分野では公知の種々の方法で滅菌されるように構成されてもよい。種々の実施形態によれば、流体はまた、濾過、ガンマ放射線、電子ビーム、及び又は蒸気への露出を含むがこれに限定されない当該技術分野では公知の種々の方法で滅菌されてもよい。例えば、米国特許第6,682,695号は、本発明の或る実施形態と一致し得る流体を滅菌するための方法を開示する。
【0065】
本発明の種々の他の実施形態は、ここに開示される本発明の明細書及び実施の考察から当業者には明らかとなるであろう。明細書及び例は、単なる例示として考えられることを意図されており、本発明の真の範囲及び精神は以下の請求項によって示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を塗布するためのアプリケータ・デバイスであって、
近位端及び遠位端を有するハンドルであって、
流体を収容するパケットを受け入れ、且つ前記パケットからの前記流体の排出を容易にするように構成された、前記ハンドルの前記近位端におけるレセプタクル、および
前記パケットを前記レセプタクル内に密封的に包囲するように構成され、且つ外部圧力の印加に応答して歪み、前記レセプタクル内に配置されたときに前記パケットに前記外部圧力を印加してそれにより前記パケットを圧縮し、前記パケットから前記流体を解放することを可能にするように構成された可撓性の蓋、を備えるハンドルと、
前記解放された流体の流れを向けるように構成され、遠位開口部を含んでいる、前記ハンドルの遠位端におけるベースと、
前記レセプタクルの内側部分と流体連通する状態で前記ベースと結合されたアプリケータ・パッドであって、前記パッドの一部が前記ベースの前記遠位開口部内に挿入され、前記パッドの一部が前記ベースの前記遠位開口部の外側部分に巻きつけられた、アプリケータ・パッドと、
を備えるアプリケータ・デバイス。
【請求項2】
前記レセプタクルが実質的に円形の形状を有する、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項3】
前記レセプタクルの実質的に円形の形状を通るレセプタクル中心軸が、前記ベースを含む平面と垂直な軸に対して或る角度に配向される、請求項2に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項4】
前記パケットが、前記レセプタクルの実質的に円形の形状内に嵌合するように構成された実質的に円形の形状を有する、請求項2に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項5】
前記ハンドルが、1つ又は複数の外部グリップ機構を備える、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項6】
前記1つ又は複数の外部グリップ機構が、1つ若しくは複数の突出するグリップ部材、1つ若しくは複数のグリップ・リブ、又は、1つ若しくは複数のテクスチャ加工されたグリップ・ストリップを含む、請求項5に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項7】
前記アプリケータ・デバイスの少なくとも一部が、透明又は半透明の材料で形成される、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項8】
前記ベースが、その上に前記アプリケータ・パッドが付着されるように構成される1つ又は複数の穿孔を備え、前記穿孔は、前記流体が前記レセプタクルから前記ベースを通って前記アプリケータ・パッドに流れることを可能にする、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項9】
前記ベースが、それに前記アプリケータ・パッドが付着されるように構成される内面及び外面を備え、前記外面が、前記アプリケータ・パッドの異なる部分に前記流体を分散させるように構成された1つ又は複数のチャネルを含む、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項10】
前記ベースが、それに前記アプリケータ・パッドが付着されるように構成される内面及び外面を備え、前記ベースの前記外面がテクスチャ加工される、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項11】
前記アプリケータ・パッドが親水性の発泡体を備える、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項12】
前記アプリケータ・パッドが疎水性の発泡体を備える、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項13】
前記アプリケータ・パッドがフェルト地を備える、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項14】
前記アプリケータ・パッドが網状組織を備える、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項15】
前記アプリケータ・パッドが多数のパッド材料を備える、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項16】
前記アプリケータ・パッドが、各層が異なるパッド材料で形成された多数の層を備える、請求項13に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項17】
前記アプリケータ・パッドが、少なくとも1つの擦過層を含む多数の層を備える、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項18】
前記少なくとも1つの擦過層が、テクスチャ加工された発泡体及び/又は織られた材料を備える、請求項17に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項19】
前記少なくとも1つの擦過層が、綿、レーヨン、ナイロン、又はその組合せを備えるガーゼ材料を備える、請求項18に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項20】
前記アプリケータ・パッドが、接着剤、感圧接着剤、フレームラミネート、ヒートステーキング、超音波溶着、及びレーザ溶着のうちの少なくとも1つを用いて前記ベースと結合される、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項21】
前記アプリケータ・パッドが、前記流体の流れ及び分散を促進するように構成された1つ又は複数のスリットを備える、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項22】
前記アプリケータ・パッドがスリットのパターンを備える、請求項21に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項23】
前記アプリケータ・デバイスが、前記流体が前記パケット及び前記レセプタクルを出て前記アプリケータ・パッドの中に流れる際に、前記アプリケータ・デバイスに空気が入ることを可能にするように構成された通気機構を備える、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項24】
前記蓋が、前記蓋に印加された力を分散させるように構成される、請求項1に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項25】
前記蓋がドーム形状を有する、請求項24に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項26】
流体を塗布するためのアプリケータ・デバイスであって、
近位端及び遠位端を有するハンドルであって、
流体を収容するパケットを受け入れ、且つ前記パケットからの前記流体の排出を容易にするように構成された、前記ハンドルの前記近位端におけるレセプタクルであって、前記アプリケータ・デバイスが、前記レセプタクルの中に空気が流れ込む、又は外に空気が流れ出ることを可能にするように構成された少なくとも1つの通気機構を含む、レセプタクル、および
前記パケットを前記レセプタクル内に密封的に包囲するように構成され、且つ外部圧力の印加に応答して歪み、前記レセプタクル内に配置されたときに前記パケットに前記外部圧力を印加してこれにより前記パケットを圧縮し、前記パケットから前記流体を解放することを可能にするように構成された可撓性の蓋、を備えるハンドルと、
前記解放された流体の流れを向けるように構成され、遠位開口部を含んでいる、前記ハンドルの前記遠位端におけるベースと、
前記ベースの前記遠位開口部を介して前記レセプタクルの内側部分と流体連通する状態で前記ベースと結合されるように構成されたアプリケータ・パッドと、
を備えるアプリケータ・デバイス。
【請求項27】
前記通気機構が、前記蓋と前記レセプタクルとの間の接合部において密封されないままにされる領域を備える、請求項26に記載のアプリケータ・デバイス。
【請求項28】
前記レセプタクルが、前記流体の流れを前記ベースの前記遠位開口部に向けるように構成された三側面チャネルをさらに備える、請求項26に記載のアプリケータ。
【請求項29】
流体を塗布するためのシステムであって、
流体を収容するパケットであって、
それらの間に前記流体を収容する密封された空間を画定する第1及び第2の対向するパケット側部と、
前記パケットから前記流体を解放するために前記パケットが圧縮されると破壊するように構成された破壊可能領域と、
以前は密封されていた前記空間が実質的に完全につぶされるように、前記パケットが圧縮されると前記パケットの前記第1パケット側部が凸形位置から凹形位置に反転することを可能にする崩壊可能機構と、
を備えるパケットと、
アプリケータ・デバイスであって、
近位端及び遠位端を有するハンドルであって、前記ハンドルの前記近位端にレセプタクルを備え、前記レセプタクルが、前記流体の前記パケットを受け入れ且つ前記パケットからの前記流体の排出を容易にするように構成された、ハンドルと、
前記ハンドルの前記遠位端に配置され、前記解放された流体の流れを向けるように構成され、遠位開口部を含んでいる、ベースと、
前記ベースの前記遠位開口部を介して前記レセプタクルの内側部分と流体連通する状態で前記ベースと結合されるように構成されたアプリケータ・パッドと、
を備えるアプリケータ・デバイスと、
を備えるシステム。
【請求項30】
前記レセプタクルが実質的に円形の形状を有する、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記レセプタクルの実質的に円形の形状を通るレセプタクル中心軸が、前記ベースを含んでいる平面と垂直な軸に対して或る角度に配向される、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記角度がほぼ90度である、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記パケットが、前記レセプタクルの実質的に円形の形状内に同心状に嵌合するように構成された実質的に円形の形状を有する、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記レセプタクルと前記パケットが、前記パケットを前記レセプタクルに対して配向する、対応する配向機構を有する、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記配向機構が、前記レセプタクルの実質的に円形の形状から逸脱する前記レセプタクル上の構造体と、前記パケットの実質的に円形の形状から逸脱する前記パケット上の対応する構造体とを備える、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記配向機構が、前記レセプタクル及び前記パケット上の対応する突起部を備える、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記レセプタクル上の前記突起部が、前記パケットの前記突起部が前記ベースの方に位置する状態で前記パケットを配向するように構成される、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記パケット上の前記突起部が、前記パケットの破壊可能領域を備える、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記第1パケット側部が第1中央部と第1周辺部とを備え、前記第2パケット側部が第2中央部と第2周辺部とを含み、
前記パケットの前記第1パケット側部及び前記第2パケット側部が、前記第1周辺部と前記第2周辺部との間の接合部において互いに密封され、
前記第1中央部が前記第2周辺部よりも小さい直径を有し、それにより、前記崩壊可能機構を形成する、請求項33に記載のシステム。
【請求項40】
前記パケットを前記レセプタクル内に密封的に包囲するように構成された可撓性の蓋をさらに備え、前記蓋が、外部圧力の印加に応答して歪み、前記レセプタクル内に配置されたときに前記パケットに前記外部圧力を印加して、これにより前記パケットを圧縮し、前記パケットから前記流体を解放することを可能にするように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項41】
前記蓋が前記レセプタクルのリムに超音波溶着を用いて密封的に取り付けられる、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記アプリケータ・デバイスが、前記レセプタクルの中に空気が流れこむ又は外に空気が流れ出ることを可能にするように構成された少なくとも1つの通気機構を備える、請求項29に記載のシステム。
【請求項43】
前記アプリケータが、前記パケットを前記レセプタクル内に密封的に包囲するように構成された蓋をさらに備え、前記通気機構が、前記蓋と前記レセプタクルとの間の接合部において密封されないままにされる領域を備える、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記パケットが、局所消毒薬を含む流体を収容する、請求項29に記載のシステム。
【請求項45】
前記局所消毒薬が、エタノール、イソプロピルアルコール、他のアルコール類、及びその組合せ、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロキシレノール、クロフルカルバン、フルオロサラン、ヘキサクロロフェン、ヘキシルレゾルシノール類、ヨウ素を含有する化合物、ビグアニド誘導体(又はその塩)、ポビドンヨード、アルコール、エタノール、イソプロピルアルコール、他のアルコール類を伴うポビドンヨード、及びその組合せから選択された少なくとも1つの活性成分を含む、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記流体が、ポリオキシエチレン(POE)ベースの非イオン界面活性剤をさらに備える、請求項44に記載のシステム。
【請求項47】
前記非イオン界面活性剤が、Poloxamer124、POE(9)ラウリルエーテル、及びPOE(10)ラウリルエーテルから選択された少なくとも1つの界面活性剤である、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記局所消毒薬が、ビグアニド誘導体又はその塩を備える、請求項44に記載のシステム。
【請求項49】
前記ビグアニド誘導体又はその塩が、オラネキシジン[1−(3,4−ジクロロベンジル)−5−オクチルビグアニド]又はその塩である、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記局所消毒薬が、グルコン酸オラネキシジンを備える、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記ビグアニド誘導体又はその塩が、約0.05〜約5.0%(ビグアニドに基づくw/v)の濃度で存在する、請求項48に記載のシステム。
【請求項52】
前記流体が、約0.05〜約16%(w/v)の濃度のポリオキシエチレンに基づく非イオン界面活性剤をさらに備える、請求項44に記載のシステム。
【請求項53】
前記アプリケータ・デバイスが使用準備のできた形態で提供され、前記パケットが前記レセプタクル内に密封され、前記アプリケータ・パッドが前記ベースに取り付けられた、請求項29に記載のシステム。
【請求項54】
流体を表面に塗布するための方法であって、
アプリケータ・デバイスの近位端におけるハンドルの可撓性外面に圧力を印加しこれにより、前記ハンドル内に配置された、流体が充填されたパケット上に圧力を印加して前記パケットの可撓性部分を圧縮し、前記パケットの破壊可能領域を破壊してパケットから流体を解放することと、
前記流体を、前記ハンドルを通して前記アプリケータ・デバイスの遠位端におけるベースの遠位開口部を通して前記ベースに取り付けられたアプリケータ・パッドに流し、前記アプリケータ・パッドは、前記ベースの遠位開口部内に挿入され且つ前記ベースの前記遠位開口部の外側部分の周りに巻きつけることと、
前記流体を前記アプリケータ・パッドから表面に移すために前記アプリケータ・デバイスの前記アプリケータ・パッドを前記表面と接触させることと、
を含む方法。
【請求項55】
前記流体が局所消毒薬を備える、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記局所消毒薬が、エタノール、イソプロピルアルコール、他のアルコール類、及びその組合せ、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロキシレノール、クロフルカルバン、フルオロサラン、ヘキサクロロフェン、ヘキシルレゾルシノール類、ヨウ素を含有する化合物;ビグアニド誘導体(又はその塩)、ポビドンヨード、アルコール、エタノール、イソプロピルアルコール、他のアルコール類、及びその組合せを伴うポビドンヨード、から選択された少なくとも1つの活性成分を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記流体が、ポリオキシエチレン(POE)ベースの非イオン界面活性剤をさらに備える、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記非イオン界面活性剤が、Poloxamer124、POE(9)ラウリルエーテル、及びPOE(10)ラウリルエーテルから選択された少なくとも1つの界面活性剤である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記局所消毒薬が、ビグアニド誘導体又はその塩を備える、請求項55に記載の方法。
【請求項60】
前記ビグアニド誘導体又はその塩が、オラネキシジン[1−(3,4−ジクロロベンジル)−5−オクチルビグアニド]又はその塩である、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記局所消毒薬が、グルコン酸オラネキシジンを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記ビグアニド誘導体又はその塩が、約0.05〜約5.0%(ビグアニドに基づくw/v)の濃度で存在する、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
前記流体が、約0.05〜約16%(w/v)の濃度で存在するポリオキシエチレンに基づく非イオン界面活性剤をさらに含む、請求項55に記載の方法。
【請求項64】
アプリケータ・パッドをアプリケータ・デバイスのベースに取り付ける方法であって、
前記アプリケータ・デバイスのハンドルを、前記アプリケータ・デバイスのベースが上向きになるように治具に保持することと、
前記ベースの上面上にアプリケータ・パッドを位置付けることと、
前記アプリケータ・パッドと前記ベースとの両方にわたって超音波溶着装置の超音波ホーンを降ろし、それにより前記ベースの縁部への前記アプリケータ・パッドの表面の溶着を作り出すことと、を含む、方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図9H】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【公表番号】特表2012−513879(P2012−513879A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544595(P2011−544595)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/069730
【国際公開番号】WO2010/078361
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(507160469)オオツカアメリカファーマシューティカル、インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】