説明

流動床炉の火床から除去する材料を冷却するための方法と装置

本発明は、流動床炉から除却される材料を冷却するための方法と装置とに関する。高温の材料が、所定のサイズのチャージで流動床炉の火床から流動床クーラーに、流動床クーラーに蓄積される材料の容積を測定することにより通過してゆく。流動床クーラーにおける材料の容積が所定の制限値に達すると、流動床クーラーへの材料の供給は停止される。チャージは流動化空気を介して、かつ冷却液体循環装置への熱伝達を介して冷却されていて、チャージの温度が測定されている。チャージの温度が所定の制限値より下がるとチャージは除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の前文に規定するような方法に関する。さらに、本発明は請求項14の前文に規定する装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、特許文献1は、流動床炉の第一火床から除去する材料を冷却するための冷却装置であってを開示している。装置が供給導管を備えていて、供給導管が上部第一端部と下部第二端部とを有していて、上部第一端部は冷却される材料を第一火床から供給導管の中に受容するために第一火床に開口している。装置がさらに流動床クーラーを備えており、流動床クーラーがハウジングを備えており、ハウジングにおいて、供給導管の第二端部がハウジングの上部に開口していて、ハウジングは材料を受容するための内部スペースを包囲しており、ハウジングには、内部スペースにおける材料を冷却するための冷却液体チューブが接続されている。装置がさらに第二火床を備えていて、第二火床9は多数の貫通孔を備えている。第二火床はハウジングの内部スペースを第二火床上方の流動床スペースと、第二火床下方の空気分配スペースとに区切るべく配置されており、冷却される材料は流動床スペースにおいて流動床として提供されている。空気供給ダクトは空気分配スペースに開口していて、空気を空気分配スペースに供給し、そこから第二火床の貫通孔を通って流動床スペースに供給し冷却される材料を流動化し冷却するようになっている。排出導管は流動化スペースに開口していて、材料を流動化スペースから除去するようになっている。
【0003】
流動床炉の火床から除去する材料の冷却は以下のように行なわれていて、高温の材料が流動床炉の火床から独立した流動床クーラーに流入し、材料は流動床クーラーにおいて、部分的に流動化空気により、かつ部分的に冷却液体循環装置への熱伝達により冷却される。そして冷却された材料は流動床クーラーから排出され次のプロセス装置へ進行してゆく。冷却する目的は、材料が次のプロセスで使用される装置を損傷しないように、材料の温度を低温に下げることである。材料は流動床炉から流動床クーラーを通って次のプロセス装置へ連続流れで進行してゆく。
【0004】
従来技術における装置及び方法の問題は、流動床炉から除去されそして冷却される材料の質量流量が制御できるものではなくかつ正しく管理できるものではないことである。
【0005】
さらなる問題は、連続流れにおける冷却において、冷却後の材料温度が広範囲で変化し、そして温度は所望するように正しく調節することができないことである。
【0006】
特許文献2は、焼却炉無しの流動床ボイラ及びその運転方法を開示している。焼却が無いことは灰をもたらし、その灰は、供給材料と共に持ち込まれる屑と、砂のベッドに蓄積された不純物による塊と、燃焼による生成された灰とを含んでいる。粗大材料は、流動床ボイラの傾斜した火床から独立したセパレートクーラーで除却され、材料はチャージごとに冷却される。日々のサイクル中に除去される材料の量は比較的少ない。材料は炉から傾斜した火床に沿ってクーラーに流れ、火床は炉からクーラーまで延伸している。クーラーへの材料の移動は、火床に備えられたノズルからの水平な空気ジェットにより制御されている。材料が所望する温度に冷却された後に、材料は、出口導管における排出弁を開くことによりクーラーから除去される。
【0007】
本従来技術における装置及び方法の問題は、流動床炉から除去され冷却される材料の質量流量と、チャージの量が正確に測定できないことである。
【特許文献1】米国特許第4227488号明細書
【特許文献2】欧州特許公開第628767号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前述の欠点を克服することである。
【0009】
本発明の詳細な目的は、流動床炉から除去され冷却される材料の質量流量と、冷却後の最終温度とが制御可能に調節できる装置と方法とを開示することである。
【0010】
本発明の詳細な目的は、金属焼成キルン、とくに亜鉛炉に関連して使用するのに特に利点のある装置と方法とを開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明における方法は請求項1において特徴づけられている。さらに本発明における装置は請求項14において特徴づけられている。
【0012】
本発明の冷却方法は、
a)冷却する材料を含んでいる材料チャージを前記流動床炉に投入する段階と、
b)冷却中に前記材料チャージの温度を測定する段階と、
c)温度測定器により表示される前記材料チャージの前記温度が制限値より下がった場合、冷却された前記材料チャージを前記流動床クーラーから排出する段階と、
d)前記段階a〜c)を周期的に繰返す段階と、
を備えている。本発明において、前記投入する段階a)の際に、前記流動床クーラーに蓄積されている材料の容積が測定されていて、前記流動床クーラーにおける前記材料の容積が、一回で投入され材料チャージの所定の容積に一致した場合、前記流動床クーラーへの材料の供給が回避されるようになっている。
【0013】
本発明における装置は供給弁を備えていて、前記供給弁は前記供給導管の前記第二端部に配置されていて、前記流動床スペースへの材料の供給を、開状態において可能にし、閉状態において阻止するようになっている。前記供給弁を開閉するために、第一動力手段が備えられている。
本装置は、さらに排出弁を備えていて、前記排出弁は前記排出導管に備えられていて、前記流動床スペースからの材料の進行を、開状態において可能にし、閉状態において阻止するようになっている。前記排出弁を開閉するために、前記第二動力手段が備えられている。
本装置はさらに、前記流動床スペースにおける材料の容積に関する容積データを生成するための前記容積測定手段と、前記流動化スペースにおける材料の温度に関する温度データを生成するための前記温度測定手段とを備えている。
本装置は、さらに制御装置を備えていて、前記制御装置は、前記容積データと、前記温度データと、容積及び温度の所定の制限値とにもとづいて、前記供給弁を開閉するために前記第一動力手段を制御し、かつ前記排出弁を開閉するために前記第二動力手段を制御するべく設置されていて、従って、前記流動床クーラーの流体床スペースへの材料の投入と、材料の冷却及び流体床スペースからの除去とがチャージごとに周期的に行なえるようになっている。
【0014】
本発明における装置及び方法は、流動床炉から流出する材料の過剰流量を防止するようになっているが、チャージの量が正確に調節できるようにチャージごとの粗大さのばらつきがないことを可能にしている。流動床炉から流出し冷却される材料の質量流量及び量と、冷却後の最終温度とは、正確に制御された流動床炉からの出力流れと、温度に基づいて制御された冷却とにより、正確に調節することができる。従って、流動床炉におけるベッドの逆圧と、ベッドの成分とは、冷却される材料チャージに含まれる材料の容積を調節することにより制御可能に調節することができる。装置は容易に自動化できる。方法及び装置は、運転員が流動床炉から除去された材料の量を知ることができるようになっている。というのは、チャージのサイズが制御されていて、かつチャージ回数(一時間当りのチャージ)が調節できるからである。このことが流動床炉から除去する材料の量を容易に増減することが、回数を変化させることにより可能にしていて、言いかえると、もしアンダーフローによりより多くの材料を除去することが炉の運転上好ましい場合、運転は加速され、もし、アンダーフローにより除去する材料の量を減少することが望ましい場合、運転は減速される。装置は、材料の容積のアンダーフローにより制御された除去を可能にしていて、炉の運転に好ましいものである。除去される材料の容積は既知であって、容積を制御することができる。このことは炉の制御の一部である。さらに、温度が制御されていて、除去される材料の成分がサンプリング装置により監視できるようになっている。重要な点は、本発明は達成されるべき制御可能な装置を可能にしていることである。
【0015】
本方法の実施形態において、前記投入する段階a)の際に、前記流動床クーラーに蓄積されている材料の表面レベルが測定されていて、前記流動床クーラーにおける前記材料の表面レベルが、一回で投入され材料チャージの所定の容積に対応する所定の制限値に達した場合、前記流動床クーラーへの材料の供給が回避されるようになっている。
【0016】
本方法の実施形態において、前記投入する段階a)の際に、材料によりもたらされる流動化空気の逆圧が測定されていて、測定された前記逆圧が、一回で投入され材料チャージの所定の容積に対応する所定の制限値に達した場合、前記流動床クーラーへの材料の供給が回避されるようになっている。
【0017】
本方法の実施形態において、供給導管が、前記流動床炉の火床と前記流動床クーラーとの間に延在していて、前記投入する段階a)の際に、材料は、前記供給導管を介して前記火床から前記流動床クーラーの中へ重力により流出することが可能になっている。
【0018】
本方法の実施形態において、前記流動床クーラーが材料を前記流動床クーラーから排出するための排出導管を備えていて、前記排出する段階c)の際に、材料は、前記排出導管を介して前記流動床クーラーから重力により流出することが可能になっている。
【0019】
本方法の実施形態において、前記供給導管が定期的又は不定期に間隔をおいて洗浄される。
【0020】
本方法の実施形態において、前記流動床クーラーを材料チャージで充填する充填時間が測定されていて、測定された前記充填時間が充填時間の所定の制限値と比較され、もし測定された前記充填時間が前記所定の充填時間を超えている場合、前記供給導管が洗浄される。
【0021】
本方法の実施形態において、前記供給導管は、前記供給導管を介して圧縮空気をブローすることにより洗浄される。
【0022】
本方法の実施形態において、前記流動床クーラーの排気は、表面レベル及び/又は逆圧の測定に基づいて、前記表面レベル及び/又は前記逆圧が所定の制限値より下がった後に行なわれる。前記流動床クーラーがほぼ排気されてしまった後に、前記排出導管が閉じられる。前記供給導管が、新しい材料チャージを前記流動床クーラーに投入するべく開かれる。前記材料チャージが投入された後に、前記供給導管は閉じられる。前記材料チャージを温度の所定の制限値に冷却することが温度測定器により検出されている。前記排出導管は前記材料チャージを取り出すために開かれる。
【0023】
本方法の実施形態において、前記材料チャージが冷却された後に、サンプルが前記冷却された材料から繰返し採取され、前記サンプルは、流動床炉におけるベッドの現状を決定するために分析されている。
【0024】
本方法の実施形態において、前記流動床炉が、鉱石の精鉱をき焼するためのき焼キルンとして使用されていて、火床から取り除かれ冷却される材料は、火床に蓄積されたほとんど流動化しない焼成材料である粗大粒からなる。
【0025】
本方法の実施形態において、前記材料チャージは約900℃〜1000℃の温度から約100℃〜400℃の温度に冷却される。
【0026】
本方法の実施形態において、冷却される前記材料が亜鉛鉱石の精鉱の焼成物からなる。
【0027】
本装置の実施形態において、前記供給弁がフラップ弁である。
【0028】
本装置の実施形態において、前記排出弁がフラップ弁である。
【0029】
本装置の実施形態において、前記容積検出手段が、前記流動床スペースにおける材料の表面レベルを測定するための表面レベル検出器を備えている。
【0030】
本装置の実施形態において、前記表面レベル検出器が、放射線レベル測定原理により作動する表面検出器であって、前記ハウジングの外部に取り付けられた放射線源と検出器とを備えている。
【0031】
本装置の実施形態において、前記容積検出手段が、流動化空気の逆圧を測定するための前記空気ダクトに取り付けられている圧力検出器を備えている。
【0032】
本装置の実施形態において、前記冷却装置が前記供給導管を洗浄するための洗浄装置を備えている。
【0033】
本装置の実施形態において、前記制御装置が、所定のサイズの材料チャージを前記流動床クーラーに投入するために必要とされる充填時間を測定するために、そして測定された前記充填時間を充填時間の所定の制限値と比較するために設置された手段を備えていて、もし測定された前記充填時間が充填時間の前記制限値を超えた場合、前記制御装置は前記供給導管を洗浄するべく前記洗浄装置に指令するようになっている。
【0034】
本装置の実施形態において、前記洗浄装置が空気式洗浄装置であって、圧縮空気を前記供給導管の中にブローするようになっている。
【0035】
本装置の実施形態において、前記洗浄装置が、フレームと、前記フレームに可動に支持された洗浄チューブと、洗浄チューブを移動するための第三動力手段であって、前記制御装置により制御可能な第三動力手段と、圧縮空気を洗浄チューブに供給するための手段とを備えていて;
前記洗浄チューブは前記第三動力手段により洗浄位置と停止位置との間で可動であり、前記洗浄位置において、洗浄チューブの端部が、圧縮空気を前記供給導管にブローするために供給導管の前記第二端部の内部にあって、そして前記停止位置において、前記洗浄チューブの端部は前記供給導管の前記第二端部から離間している。
【0036】
本装置の実施形態において、前記冷却装置が、冷却された材料からサンプルを採取するためのサンプル装置を備えていて、前記サンプル装置は前記排出導管に接続されている。
【0037】
本装置の実施形態において、前記流動床炉が、亜鉛鉱石精鉱のような鉱石精鉱を焼成するための焼成キルンであって、冷却される材料は、焼成キルンの火床から除去されるほとんど流動化しない焼成材料である粗大粒からなる。
【0038】
本装置の実施形態において、前記流動床クーラーが材料を約900℃〜1000℃の温度から約100℃〜400℃の温度に冷却するようになっている。
【0039】
例示の実施形態及び添付図面を参照して本発明を以下に詳述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明における後述する例示の実施形態は湿式精錬式亜鉛製法に関連する亜鉛精鉱のき焼に関する。精鉱のき焼の目的は、溶解処理の前に硫化亜鉛を可溶性にするためである。このことは流動床炉において行なわれていて、本炉において点火後精鉱ベッドは約900〜1000℃で酸化される。
【0041】
精鉱における亜鉛製法を用いて本発明を説明しているが、本発明は、流動床炉を使用し高温粒状固体材料が次の処理に送られる前に降温するべく冷却されるような他の目的にも適用可能である。従って、流動床炉は例えば発電プラント等に使用される流動床炉であってもよい。
【0042】
き焼キルンから生産された焼成物(calcine)は、5〜8t/hの割合で除去されていて、そのほとんどがき焼キルンからのオーバーフローとして流出し、その一部がガスとして流出しボイラー、サイクロ(登録商標)ン及び電気式フィルタに戻される。あるき焼キルンにおいて、焼成物の一部がいわゆるアンダーフローにより取り出されている。キルンのアンダーフローにより、キルンにおいて形成された粗大な非流動性凝集物でさえ取り出すことができる。この粗大材料は比較的規則正しい粒子サイズのペレットからなる。その粒子サイズは、材料が0.5〜0.7m/sの流動ガス速度においてオーバーフローするべく上昇せずに、火床(grate)にとどまり徐々に生成物を形成する。粗大材料の形成は供給混合体の不純物成分(精鉱に含有されているPb,Cu等)に依存している。き焼キルンの出口において、これらのペレットを制御した方法で取り出すことは非常に重要なことである。というのは、このことがキルンにおけるベッドの容積に影響し、そして、精錬プロセスにおける遅れが所望する反応の発生及び度合に影響するからである。精鉱にもよるけれど、例えば8mmのペレットの酸化には30分〜2時間を要するので、出口流れを正確に制御することが非常に重要である。
【0043】
もし粗大な焼成物がキルンから排出されないと、徐々に火床に蓄積され問題となる量になる。その問題とは、例えばベッドにおける流動化の劣化及び/又はキルン底部における焼結物の形成、そしてベッドにより発生される逆圧の増大である。質の悪い精鉱を使用する場合、溶融相が容易に出現し、その結果これらの凝集物が火床に形成される。図示する装置は前述したような粗大材料を流動床炉1の火床2から除去するために、そして約900℃〜1000℃の温度を約100℃〜400℃に降温するために作られたものである。
【0044】
装置は、上部第一端部4と下部第二端部5とを有する供給導管3を備えている。供給導管3の第一端部4は流動床炉1の水平な火床2に向けて開口していて、従って冷却される材料は火床2から供給導管3に流入できるようになっている。装置は流動床クーラー6を備えている。流動床クーラーはハウジング7を備えていて、供給導管3の第二端部5がハウジングの上部に開口している。ハウジング7は内部スペースを囲んでいる。冷却液体チューブ8がハウジング7の壁面に取り付けられていて、水のような冷却液体が内部スペースに受容される材料を冷却するべくチューブ内を循環している。第二火床9が、ハウジング7の内側の下部に備えられていて、多数の貫通孔10を備えている。第二火床9は、ハウジングの内部スペースを第二火床9上方の流動床スペース11と下方の空気分配スペース12とに区切っていて、流動床スペース11において冷却される材料が流動床又は流動マットレスとして提供されている。空気供給導管13は、空気を空気分配スペース12に供給するべく空気分配スペース12に向かって開口している。空気は空気分配スペース12から第二火床9の穴10を通過して流れ、そこにある冷却される材料を流動化すると同時に冷却している。排出導管14が、第二火床9の上方の流動床スペース11における下部の中へ向かって開口していて、冷却された材料を流動床スペースから除去するようになっている。
【0045】
第二端部5、すなわち供給導管3の下端部はフラップ弁である供給弁5を備えている。供給弁5のフラップが開状態の場合、材料を供給導管3から流動床スペース11へ供給することが可能となる。同様に供給弁5のフラップが閉状態にある場合、材料を供給導管3から流動床スペース11へ供給することが阻止される。第一動力手段16は、供給弁5のフラップを開閉するために取り付けられている。
【0046】
排出導管14がフラップ弁である排出弁17を備えている。排出弁17のフラップが開状態にある場合、材料を流動床スペース11から排出導管14に流入させることができる。同様に、排出弁17のフラップが閉状態にある場合、材料を流動床スペース11から流出させることが阻止されている。第二動力手段18が排出弁17のフラップを開閉するために取り付けられている。
【0047】
流動床スペース11における材料の容積に関する容積データを生成するために、容積検出器19,20が備えられている。容積検出器が表面レベル検出器19を備えていて、そのレベル検出器19は流動床スペース11内の材料の表面レベルを測定するようになっている。表面レベル検出器19は、好ましくは放射線式レベル測定原理にもとづき作動し、かつハウジング7の外部に取り付けられている放射線源及び検出器を備えている表面レベル検出器である。放射線式レベル測定において、表面レベルは媒体において発生するγ放射線の減衰にもとづいて測定される。測定器はγ線放射器及び検出器からなり、電離箱又はシンチレーションカウンターであってもよい。放射線源及び検出器はハウジング7の外部に取り付けられているので、測定時における媒体、温度及び振動の影響は回避されるようになっている。さらに容積検出器は、流動化空気の逆圧を測定するために空気供給導管13取り付けた圧力検出器20を備えている。
【0048】
装置は、流動床スペースにおける材料の温度に関する温度データを生成するための温度測定器21を備えている。
【0049】
制御装置22が、容積データと温度データと容積及び温度の所定制限値とにもとづいて、供給弁15の開閉及び排出弁17の開閉をするために第一動力手段16を制御するべく取り付けられていて、流動床クーラーの流動床スペースへの材料供給、材料の冷却及び流動床スペースからの材料の除去が前述したようにチャージごとにかつ周期的に行なわれるようになっている。
【0050】
装置は供給導管3を洗浄するための洗浄装置23を備えている。
【0051】
洗浄装置23は空気式洗浄装置であって、圧縮空気を供給導管3の中へブローするように取り付けられている。洗浄装置23はフレーム24を有している。圧縮空気をブローできるようになっている洗浄チューブ25は、供給導管3の延伸しているほぼ同一方向に前後に移動できるようにフレーム24に取り付けられている。洗浄チューブ25は第三動力手段26により移動される。第三動力手段も制御装置22により制御されている。
【0052】
洗浄チューブ25は第三動力手段26により洗浄位置と停止位置との間で移動可能である。洗浄位置において、供給弁15のフラップは、洗浄チューブ25の端部27を供給導管3の第二端部5に挿入することを可能にするべく開状態になっていて、従って、いずれの材料をもブローし、そして材料が流動床炉1の中へ逆流することを防止するべく、圧縮空気を洗浄チューブ25から供給導管4の中へブローすることができるようになっている。停止位置において、洗浄チューブ25の端部27は供給導管3の第二端部5から離間されている。
【0053】
装置はさらに排出導管14に接続されたサンプリング装置28を備えている。サンプリング装置28は冷却された材料からサンプルを採取することを可能にしている。サンプルは流動床炉におけるベッドの現状を決定するために分析される。ベッドの品質及び火炉の状態は、サンプルの粒度分布を測定し、化学分析を行なうことにより監視することができる。
【0054】
装置は制御装置22の制御のもとで自動的に以下のように作動される。
【0055】
第一材料チャージを流動床クーラーに投入するために、洗浄チューブ22が供給弁15を開とするべく第一動力手段16に指令を送り、従って高温の粗大粒子材料が重力で供給導管3を通って流動床クーラー6の流動床スペース11の中へ落下する。排出導管14における排出弁17は閉状態となっている。
【0056】
流動床クーラーに蓄積している材料のレベルは投入段階を通して表面検出器19により連続的に測定されている。材料の表面レベルが、一回で投入するべきチャージにおける材料容量である所定の制限値に達すると、制御装置22が供給弁15を閉じるべく第一動力手段16に指令を送る。流動床スペースにおける材料により発生され流動化空気の供給に対して逆作用する逆圧は、表面レベル測定の代りに又はこれと共に、圧力検出器で測定することができ、逆圧が所定の制限値を超える場合供給弁15は閉じられるようになっていて、その所定の制限値は、フルチャージに達したことを表示している一回で投入されるべき所定のチャージ容量によりもたらされる逆圧に対応している。
【0057】
流動床クーラー6において、材料チャージは流動化空気とハウジング7における冷却液体循環装置8により冷却される。冷却は主に冷却液体への熱伝達を介して行なわれる。冷却中に、材料チャージの温度は、温度データを制御装置22へ送信する温度検出器21により測定されている。制御装置22は材料チャージが所定の制限値に冷却されることを検出していて、その制限値は例えば100℃〜400℃の範囲から選択されてもよい。制御装置22は、冷却された材料チャージが排出導管14に排出できるように、排出弁17を開とするべく第二動力手段18に指令を送る。同時に、流動床スペース11が空になっているかどうかを測定するために、表面レベル検出器19が、流動床スペース11における表面レベルを測定し及び/又は圧力検出器20が逆圧を測定している。測定された表面レベル及び/又は逆圧が所定の制限値より下がった場合、材料チャージが排出導管14にほぼ排出されたことを意味していて、制御装置22は排出弁17を閉とするべく第二動力手段18に第二指令を送り、かつ供給弁15を開とするべく第一動力手段16に指令を送り、従って次の材料チャージを流動床クーラー6に送ることができる。このステップが繰返される。
【0058】
供給導管3は、洗浄装置23を用いて定期的あるいは不定期に間隔をおいて洗浄される。制御装置22は時計を備えていて、所定のサイズの材料チャージを流動床クーラー6に投入するのに要する充填時間を計測している。制御装置22は、計測した充填時間を充填時間の所定の制限値と比較している。もし測定した充填時間が所定の制限値を超えると、供給導管は部分的に又は完全に遮断することを意味していて、制御装置22は洗浄装置23が供給導管3を洗浄することを指示する。
【0059】
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に規定した進歩性のある概念の範囲内で多く変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、本発明における実施形態の線図である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動床炉の火床から除去する材料の冷却方法であって:
高温の材料が前記流動床炉の前記火床から独立した流動床クーラーに流入し、前記材料は前記流動床クーラーにおいて、部分的に流動化空気により、かつ部分的に冷却液体循環装置への熱伝達により冷却され、そして冷却された前記材料は前記流動床クーラーから排出されている冷却方法において、かつ、
a)冷却する材料を含んでいる材料チャージを前記流動床炉に投入する段階と、
b)冷却中に前記材料チャージの温度を測定する段階と、
c)温度測定器により表示されるような前記材料チャージの前記温度が制限値より下がった場合、冷却された前記材料チャージを前記流動床クーラーから排出する段階と、
d)前記段階a〜c)を周期的に繰返す段階と、
を備えている冷却方法において、
前記投入する段階a)の際に、前記流動床クーラーに蓄積されている材料の容積が測定されていて、前記流動床クーラーにおける前記材料の容積が、一回で投入され材料チャージの所定の容積に一致した場合、前記流動床クーラーへの材料の供給が回避されることを特徴とする、
冷却方法。
【請求項2】
前記投入する段階a)の際に、前記流動床クーラーに蓄積されている材料の表面レベルが測定されていて、前記流動床クーラーにおける前記材料の表面レベルが、一回で投入され材料チャージの所定の容積に対応する所定の制限値に達した場合、前記流動床クーラーへの材料の供給が回避されることを特徴とする、請求項1に記載の冷却方法。
【請求項3】
前記投入する段階a)の際に、材料によりもたらされる流動化空気の逆圧が測定されていて、測定された前記逆圧が、一回で投入され材料チャージの所定の容積に対応する所定の制限値に達した場合、前記流動床クーラーへの材料の供給が回避されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の冷却方法。
【請求項4】
供給導管が、前記流動床炉の火床と前記流動床クーラーとの間に延在していて、前記投入する段階a)の際に、材料は、前記供給導管を介して前記火床から前記流動床クーラーの中へ重力により流出することが可能になっていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷却方法。
【請求項5】
前記流動床クーラーが材料を前記流動床クーラーから排出するための排出導管を備えていて、前記排出する段階c)の際に、材料は、前記排出導管を介して前記流動床クーラーから重力により流出することが可能になっていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷却方法。
【請求項6】
前記供給導管が定期的又は不定期に間隔をおいて洗浄されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷却方法。
【請求項7】
前記流動床クーラーを材料チャージで充填する充填時間が測定されていて、測定された前記充填時間が充填時間の所定の制限値と比較され、もし測定された前記充填時間が前記所定の充填時間を超えている場合、前記供給導管が洗浄されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の冷却方法。
【請求項8】
前記供給導管は、前記供給導管を介して圧縮空気をブローすることにより洗浄されることを特徴とする、請求項6又は7に記載の冷却方法。
【請求項9】
前記流動床クーラーの排気は、表面レベル及び/又は逆圧の測定に基づいて、前記表面レベル及び/又は前記逆圧が所定の制限値より下がった後に行なわれることと、
前記流動床クーラーがほぼ排気されてしまった後に、前記排出導管が閉じられることと、
前記供給導管が、冷却される材料チャージを前記流動床クーラーに投入するべく開かれることと、
前記材料チャージが投入された後に、前記供給導管は閉じられることと、
前記材料チャージの温度を所定の制限値に冷却することが温度測定器により検出されていることと、
前記排出導管は前記材料チャージを取り出すために開かれることとを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の冷却方法。
【請求項10】
前記材料チャージが冷却された後に、サンプルが前記冷却された材料から繰返し採取され、前記サンプルは、流動床炉におけるベッドの現状を決定するために分析されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の冷却方法。
【請求項11】
前記流動床炉が、鉱石の精鉱をか焼するためのか焼キルンとして使用されていて、火床から取り除かれ冷却される材料は、火床に蓄積されたほとんど流動化しない焼成材料である粗大粒からなることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の冷却方法。
【請求項12】
前記材料チャージは約900℃〜1000℃の温度から約100℃〜400℃の温度に冷却されることを特徴とする、請求項11に記載の冷却方法。
【請求項13】
冷却される前記材料が亜鉛鉱石の精鉱の焼成物からなることを特徴とする、請求項11又は12に記載の冷却方法。
【請求項14】
流動床炉(1)の第一火床(2)から除去する材料を冷却するための冷却装置であって;供給導管(3)と、流動床クーラー(6)と、排出弁(17)と、第二動力手段(18)と、温度測定器(21)と、を具備する冷却装置であり;
前記供給導管(3)が上部第一端部(4)と下部第二端部(5)とを有していて、前記上部第一端部(4)は冷却される材料を第一火床(2)から前記供給導管(3)の中に受容するために前記第一火床(2)に開口していて;
前記流動床クーラー(6)がハウジング(7)と、第二火床(9)と、空気供給ダクト(13)と、排出導管(14)とを備えており、
前記ハウジング(7)において、前記供給導管(3)の前記第二端部(5)が前記 ハウジング(7)の上部に開口していて、前記ハウジングは前記材料を受容するため の内部スペースを包囲しており、前記ハウジングには、前記内部スペースにおける前 記材料を冷却するための冷却液体チューブ(8)が接続されていて;
前記第二火床9は多数の貫通孔(10)を備えていて、第二火床は前記ハウジング の内部スペースを第二火床上方の流動床スペース(11)と、第二火床下方の空気分 配スペース(12)とに区切るべく配置されており、冷却される材料は前記流動床ス ペース(11)において流動床として提供されていて;
前記空気供給ダクト(13)は前記空気分配スペース(12)に開口していて、空 気を空気分配スペースに供給し、そこから前記第二火床(9)の前記貫通孔を通って 前記流動床スペース(11)に供給し冷却される材料を流動化し冷却するようになっ ており;
前記排出導管(14)は前記流動床スペース(11)に開口していて、材料を流動 化スペースから除去するようになっていて;
前記排出弁(17)は前記排出導管(14)に備えられていて、前記流動床スペースからの材料の進行を、開状態において可能にし、閉状態において阻止するようになっており;
前記第二動力手段(18)は前記排出弁(17)を開閉するためのものであり、
前記温度測定手段(21)は、前記流動床スペースにおける材料の温度に関する温度データを生成するためのものである;冷却装置において;
前記冷却装置が供給弁(15)と、第一動力手段(16)と、容積測定手段(19,20)と、制御装置(22)とを具備することを特徴としていて;
前記供給弁(15)は前記供給導管(3)の前記第二端部(5)に配置されていて、前記流動床スペース(11)への材料の供給を、開状態において可能にし、閉状態において阻止するようになっており;
前記第一動力手段(16)は前記供給弁(15)を開閉するためのものであり;
前記容積測定手段(19,20)は前記流動床スペース(11)における材料の容積に関する容積データを生成するものであり;
前記制御装置(22)は、前記容積データと、前記温度データと、容積及び温度の所定の制限値とにもとづいて、前記供給弁(15)を開閉するために前記第一動力手段を制御し、かつ前記排出弁(17)を開閉するために前記第二動力手段を制御するべく設置されていて、従って、前記流動床クーラーの流体床スペースへの材料の投入と、材料の冷却及び流体床スペースからの除去とがチャージごとに周期的に行なえるようになっている;
冷却装置。
【請求項15】
前記供給弁(15)がフラップ弁であることを特徴とする、請求項14に記載の冷却装置。
【請求項16】
前記排出弁(17)がフラップ弁であることを特徴とする、請求項14又は15に記載の冷却装置。
【請求項17】
前記容積検出手段が、前記流動床スペース(11)における材料の表面レベルを測定するための表面レベル検出器(19)を備えていることを特徴とする、請求項14〜16のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項18】
前記表面レベル検出器(19)が、放射線レベル測定原理により作動する表面検出器であって、前記ハウジング(7)の外部に取り付けられた放射線源と検出器とを備えていることを特徴とする、請求項15に記載の冷却装置。
【請求項19】
前記容積検出手段が、流動化空気の逆圧を測定するための前記空気ダクト(13)に取り付けられている圧力検出器(20)を備えていることを特徴とする、請求項14〜18のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項20】
前記冷却装置が前記供給導管(3)を洗浄するための洗浄装置(23)を備えていることを特徴とする、請求項14〜19に記載の冷却装置。
【請求項21】
前記制御装置(22)が、所定のサイズの材料チャージを前記流動床クーラーに投入するために必要とされる充填時間を測定するために、そして測定された前記充填時間を充填時間の所定の制限値と比較するために設置された手段を備えていて、もし測定された前記充填時間が充填時間の前記制限値を超えた場合、前記制御装置(22)は前記供給導管を洗浄するべく前記洗浄装置(23)に指令するようになっているを特徴とする、請求項20に記載の冷却装置。
【請求項22】
前記洗浄装置(23)が空気式洗浄装置であって、圧縮空気を前記供給導管(3)の中にブローするようになっていることを特徴とする、請求項20又は21に記載の冷却装置。
【請求項23】
前記洗浄装置(23)が、フレーム(24)と;前記フレーム(24)に可動に支持された洗浄チューブ(25)と;洗浄チューブを移動するための第三動力手段(26)であって、前記制御装置(22)により制御可能な第三動力手段(26)と;圧縮空気を洗浄チューブに供給するための手段とを備えていて;
前記洗浄チューブ(25)は前記第三動力手段により洗浄位置と停止位置との間で可動であり、前記洗浄位置において、洗浄チューブ(25)の端部が、圧縮空気を前記供給導管にブローするために供給導管(3)の前記第二端部(5)の内部にあって、そして前記停止位置において、前記洗浄チューブ(25)の端部(27)は前記供給導管(3)の前記第二端部(5)から離間していることを特徴とする、請求項22に記載の冷却装置。
【請求項24】
前記冷却装置が、冷却された材料からサンプルを採取するためのサンプル装置(28)を備えていて、前記サンプル装置(28)は前記排出導管(14)に接続されていることを特徴とする、請求項14〜23のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項25】
前記流動床炉(1)が、亜鉛鉱石精鉱のような鉱石精鉱をき焼するためのき焼キルンであって、冷却される材料は、き焼キルンの火床から除去されるほとんど流動化しない焼成材料である粗大粒からなることを特徴とする、請求項14〜24のいずれか一項に記載の冷却装置。
【請求項26】
前記流動床クーラー(6)が材料を約900℃〜1000℃の温度から約100℃〜400℃の温度に冷却するようになっていることを特徴とする、請求項25に記載の冷却装置。

【公表番号】特表2007−500333(P2007−500333A)
【公表日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521599(P2006−521599)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【国際出願番号】PCT/FI2004/000454
【国際公開番号】WO2005/010435
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(506027907)オウトクンプ テクノロジー オサケユイチア (3)
【Fターム(参考)】