説明

流路切換弁、及びそれを備えた空気調和機

【課題】少ない冷媒循環量で冷房運転されるときでも除湿が行われる空気調和機を提供する。
【解決手段】流路切換弁51が、冷媒が流れる複数のパスを有する冷却用蒸発器の入口または出口に配置されたとき、第1通路21を用いた第1形態では蒸発器全体で冷房を行うことができ、第2形態または第3形態では一部のパスにのみ冷媒を流し蒸発器として冷房を行うことができる。それゆえ、流路切換弁51を備えた空気調和機では、冷房運転時に制御部8が流路切換弁51を第2形態へ切り換えさせることによって、第1室内熱交換部40a及び第3室内熱交換部40cだけに冷媒を流すことができるので、室内熱交換器40の一部だけが蒸発器となる。それゆえ、室内熱交換器40の使用容量が小さくなり、室内熱交換器40への送風量が変わらず室内熱交換器40の容量が小さくなったときには、吸い込み空気は顕熱が多く奪われることなく除湿される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流通路を切り換え、或は、流体を多方向に分配する流路切換弁に関する。
【背景技術】
【0002】
容量可変型の圧縮機を搭載した空気調和機の冷房運転において、空調負荷が小さいときは空気調和機の能力は小さくてもよいので、少ない冷媒循環量で運転されるように圧縮機回転数が制御されることが好ましい。但し、少ない冷媒循環量で運転される場合、室内熱交換器に入った冷媒は直ぐに蒸発してその蒸発温度が吸い込み空気の露点温度に到達しないため、吸い込み空気の顕熱は奪われるが潜熱は奪われず、除湿が行われない。このような問題点を克服するため、特許文献1(特開2003−148830号公報)に開示されている空気調和機では、冷房負荷および除湿負荷の大きさに対応して、室内熱交換器のうちの複数の熱交換部から、蒸発器として機能する熱交換部の数量が選択されるようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の空気調和機は、蒸発器として機能する熱交換部を選択するために、熱交換部間に少なくとも開閉弁と膨張弁とが必要であり、コスト増大の要因となっている。
【0004】
本発明の課題は、少ない冷媒循環量で冷房運転されるときでも除湿が行われる空気調和機を低コストで実現する流路切換弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る流路切換弁は、冷媒の流れる経路を切り換える流路切換弁であって、本体と、弁体と、駆動部とを備えている。本体には、第1流入口、第2流入口、第1流出口及び第2流出口が設けられている。弁体は、本体内部を、第1流入口および第2流入口に通じる第1弁室と、第1流出口および第2流出口に通じる第2弁室とに仕切る。駆動部は、弁体を本体の長軸回りに回転させる。さらに、弁体は、第1弁室および第2弁室を貫通して第1流入口と第1流出口とを連絡する通路と、第1弁室および第2弁室を貫通して第2流入口と第2流出口とを連絡する通路とを有している。さらに、弁体は上記通路を移動させて、第1形態および第2形態のいずれか一方への切り換えを行う。第1形態は、第1流入口および第2流入口から流入させた冷媒を第1流出口および第2流出口へ導く形態である。第2形態は、第1流入口のみから流入させた冷媒を第1流出口のみへ導く形態である。
【0006】
この流路切換弁では、例えば、冷媒が流れる複数のパスを有する冷却用蒸発器の入口または出口に流路切換弁を配置したとき、第1形態では蒸発器全体で冷房を行うことができ、第2形態では一部のパスにのみ冷媒を流し蒸発器として冷房を行うことができる。
【0007】
本発明の第2観点に係る流路切換弁は、第1観点に係る流路切換弁であって、通路が、第1通路と第2通路とを含んでいる。第2通路は、通路断面積が第1通路の通路断面積よりも小さく形成されている冷媒減圧区間を有している。第1形態への切り換えが行われるとき、第1通路または第2通路のいずれか一方が選択される。
【0008】
この流路切換弁では、例えば、冷媒が流れる2つの直列配置のパスの間に流路切換弁を配置したとき、流路切換弁が第2通路を用いた第1形態に切り換わることによって、流路切換弁の上流側のパスを凝縮器として、下流側のパスを蒸発器として利用することが可能になる。
【0009】
本発明の第3観点に係る流路切換弁は、第2観点に係る流路切換弁であって、冷媒減圧区間には、ボールとそのボールを受ける弁座とが配置されている。
【0010】
この流路切換弁では、簡単な構成で通路面積を小さくできるので、実現が容易である。
【0011】
本発明の第4観点に係る流路切換弁は、第3観点に係る流路切換弁であって、弁座にブリード孔が形成されている。
【0012】
この流路切換弁では、ボール側から弁座側への方向(A方向とよぶ)の冷媒流量は、弁座側からボール側への方向の冷媒流量よりも極端に少なくなるので、A方向を減圧機構として利用することができる。
【0013】
本発明の第5観点に係る流路切換弁は、冷媒の流れる経路を切り換える流路切換弁であって、本体と、弁体と、駆動部とを備えている。本体には、第1流入口、第2流入口、第1流出口および第2流出口が設けられている。弁体は、本体内部を、第1流入口および第2流入口に通じる第1弁室と、第1流出口および第2流出口に通じる第2弁室とに仕切る。駆動部は、弁体を本体の長軸回りに回転させる。さらに、弁体は、第1弁室を貫通して第1流入口と第1流出口および第2流出口とを連絡する通路と、第1弁室および第2弁室を貫通して第1流入口と第1流出口とを連絡する通路とを有している。さらに、弁体は、第1形態および第2形態のいずれか一方への切り換えを行う。第1形態は、第1流入口のみから流入させた冷媒を第1流出口および第2流出口へ導く形態である。第2形態は、第1流入口のみから流入させた冷媒を第1流出口のみへ導く形態である。
【0014】
この流路切換弁では、例えば、冷媒が流れる複数のパスを有する冷却用蒸発器の入口または出口に流路切換弁が配置されたとき、第1形態では蒸発器全体で冷房を行うことができ、第2形態では一部のパスにのみ冷媒を流し蒸発器として冷房を行うことができる。
【0015】
本発明の第6観点に係る流路切換弁は、第5観点に係る流路切換弁であって、通路が、第1通路と、第2通路とを含んでいる。第2通路は、通路断面積が第1通路の通路断面積よりも小さく形成されている冷媒減圧区間を有する。第1形態への切り換えが行われるとき、第1通路または第2通路のいずれか一方が選択される。
【0016】
この流路切換弁では、例えば、冷媒が流れる2つの直列配置のパスの間に流路切換弁が配置されたとき、流路切換弁が第2通路を用いた第1形態に切り換わることによって、流路切換弁の上流側のパスを凝縮器として、下流側のパスを蒸発器として利用することが可能になる。
【0017】
本発明の第7観点に係る流路切換弁は、第6観点に係る流路切換弁であって、冷媒減圧区間には、ボールとそのボールを受ける弁座とが配置されている。
【0018】
この流路切換弁では、簡単な構成で通路面積を小さくできるので、実現が容易である。
【0019】
本発明の第8観点に係る流路切換弁は、第7観点に係る流路切換弁であって、弁座にブリード孔が形成されている。
【0020】
この流路切換弁では、ボール側から弁座側への方向(A方向とよぶ)の冷媒流量は、弁座側からボール側への方向の冷媒流量よりも極端に少なくなるので、A方向を減圧機構として利用することができる。
【0021】
本発明の第9観点に係る空気調和機は、圧縮機、凝縮器、減圧器、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、制御部と、室内熱交換器と、室外熱交換器とを備える。室内熱交換器は、暖房運転時には凝縮器となり、冷房運転時には蒸発器となる。室外熱交換器は、暖房運転時には蒸発器となり、冷房運転時には凝縮器となる。また、室内熱交換器は、第1室内熱交換器群と、第2室内熱交換器群と、第1観点から第5観点のいずれか1つに係る流路切換弁とを有している。第1室内熱交換部群は、第1室内熱交換部、及びその第1室内熱交換部と並列に接続される第2室内熱交換部を含む。第2室内熱交換部群は、第3室内熱交換部、及びその第3室内熱交換部と並列に接続される第4室内熱交換部を含む。流路切換弁は、第1室内熱交換部群と第2室内熱交換部群との間に配置される。また、第1室内熱交換部は第1流入口に、第2室内熱交換部は第2流入口に、第3室内熱交換部は第1流出口に、第4室内熱交換部は第2流出口に接続されている。制御部は、能力を抑制して冷房運転を行うとき、流路切換弁を第2形態へ切り換える。
【0022】
この空気調和機では、冷房運転時に制御部が流路切換弁を第2形態へ切り換えさせることによって、例えば、第1室内熱交換部及び第3室内熱交換部だけに冷媒を流すことができるので、室内熱交換器の一部だけが蒸発器となる。これによって、室内熱交換器の使用容量が小さくなり、冷媒が直ぐに蒸発することが抑制される。また、室内熱交換器の使用容量が小さくなったことによって蒸発圧力が下がり、蒸発温度も下がるので、除湿が行われる。特に、室内熱交換器全体への送風量が変わらず、冷媒を流す室内熱交換器の容量が小さくなったときには、吸い込み空気は顕熱が多く奪われることなく除湿される。
【0023】
本発明の第10観点に係る空気調和機は、圧縮機、凝縮器、減圧器、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、制御部と、室内熱交換器と、室外熱交換器とを備える。室内熱交換器は、暖房運転時には凝縮器となり、冷房運転時には蒸発器となる。室外熱交換器は、暖房運転時には蒸発器となり、冷房運転時には凝縮器となる。また、室内熱交換器は、第1室内熱交換部群と、第2室内熱交換部群と、第1観点から第8観点のいずれか1つに係る流路切換弁とを有している。第1室内熱交換部群は、第2室内熱交換部を含む。第2室内熱交換部群は、第3室内熱交換部、及びその第3室内熱交換部と並列に接続される第4室内熱交換部を含む。流路切換弁は、第1室内熱交換部群と第2室内熱交換部群との間に配置される。減圧器および室内熱交換器を結ぶ配管と流路切換弁とはバイパス路によって結ばれている。また、バイパス路は第1流入口に、第2室内熱交換部は第2流入口に、第3室内熱交換部は第1流出口に、第4室内熱交換部は第2流出口に接続されている。制御部は、能力を抑制して冷房運転を行うとき、流路切換弁を、第2形態へ切り換える。
【0024】
この空気調和機では、バイパス路から第1流入口に入った冷媒を第1流出口から第3熱交換部へ流して室内熱交換器の使用容量を小さくすることによって、冷媒が直ぐに蒸発することが抑制される。また、室内熱交換器の使用容量が小さくなったことによって蒸発圧力が下がり、蒸発温度も下がるので、除湿することが可能となる。そうすると、室内熱交換器全体への送風量が変わらず、冷媒を流す室内熱交換器の容量が小さくなるので、吸い込み空気は顕熱が多く奪われることなく除湿される。
【0025】
本発明の第11観点に係る空気調和機は、圧縮機、四路切換弁、凝縮器、減圧器、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、制御部と、室内熱交換器と、室外熱交換器とを備えている。室内熱交換器は、暖房運転時には凝縮器となり、冷房運転時には蒸発器となる。室外熱交換器は、暖房運転時には蒸発器となり、冷房運転時には凝縮器となる。また、室内熱交換器は、第1室内熱交換部群と、第2室内熱交換部群と、第1観点から第8観点のいずれか1つに係る流路切換弁とを有している。第1室内熱交換部群は、第1室内熱交換部、及びその第1室内熱交換部と並列に接続される第2室内熱交換部を含む。第2室内熱交換部群は、第4室内熱交換部を含む。流路切換弁は、第1室内熱交換部群と第2室内熱交換部群との間に配置される。四路切換弁および室内熱交換器を結ぶ配管と流路切換弁とはバイパス路によって結ばれている。また、第1室内熱交換部は第1流出口に、第2室内熱交換部は第2流出口に、バイパス路は第1流入口に、第4室内熱交換部は第2流入口に接続されている。制御部は、能力を抑制して冷房運転を行うとき、流路切換弁を第2形態へ切り換える。
【0026】
この空気調和機では、第1流出口および第2流出口を流入口として、第1流入口を流出口として利用することができる。また、第1室内熱交換部から第1流出口に入った冷媒を第1流入口からバイパス路へ流して室内熱交換器の使用容量を小さくすることによって、冷媒が直ぐに蒸発することが抑制される。さらに、室内熱交換器の使用容量が小さくなったことによって蒸発圧力が下がり、蒸発温度も下がるので、除湿することが可能となる。そうすると、室内熱交換器全体への送風量が変わらず、冷媒を流す室内熱交換器の容量が小さくなるので、吸い込み空気は顕熱が多く奪われることなく除湿される。
【0027】
本発明の第12観点に係る空気調和機は、圧縮機、凝縮器、減圧器、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、制御部と、室内熱交換器と、室外熱交換器とを備えている。室内熱交換器は、暖房運転時には凝縮器となり、冷房運転時には蒸発器となる。室外熱交換器は、暖房運転時には蒸発器となり、冷房運転時には凝縮器となる。また、室内熱交換器は、第1室内熱交換部群と、第2室内熱交換部群と、第2観点から第4観点のいずれか1つに係る流路切換弁とを有している。第1室内熱交換部群は、第1室内熱交換部、及びその第1室内熱交換部と並列に接続される第2室内熱交換部を含む。第2室内熱交換部群は、第3室内熱交換部、及びその第3室内熱交換部と並列に接続される第4室内熱交換部を含む。流路切換弁は、第1室内熱交換部群と第2室内熱交換部群との間に配置される。また、第1室内熱交換部は第1流入口に、第2室内熱交換部は第2流入口に、第3室内熱交換部は第1流出口に、第4室内熱交換部は第2流出口に接続されている。制御部は、再熱除湿運転を行うときは、流路切換弁を、第2通路を用いた第1形態へ切り換える。
【0028】
この空気調和機では、制御部が、流路切換弁を、第2通路を用いた第1形態へ切り換えることによって冷媒が減圧され、第1室内熱交換部群が凝縮器になり、第2室内熱交換部群が蒸発器になる。つまり、流路切換弁は再熱除湿運転時の膨張弁としての機能をも有する。
【0029】
本発明の第13観点に係る空気調和機は、圧縮機、凝縮器、減圧器、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、制御部と、室内熱交換器と、室外熱交換器とを備えている。室内熱交換器は、暖房運転時には凝縮器となり、冷房運転時には蒸発器となる。室外熱交換器は、暖房運転時には蒸発器となり、冷房運転時には凝縮器となる。また、室内熱交換器は、第1室内熱交換部群と、第2室内熱交換部群と、第6観点から第8観点にいずれか1つに係る流路切換弁とを有している。第1室内熱交換部群は、第1室内熱交換部を含む。第2室内熱交換部群は、第3室内熱交換部、及びその第3室内熱交換部と並列に接続される第4室内熱交換部を含む。流路切換弁は、第1室内熱交換部群と第2室内熱交換部群との間に配置される。減圧器および室内熱交換器を結ぶ配管と流路切換弁とはバイパス路によって結ばれている。また、第1室内熱交換部は第1流入口に、バイパス路は第2流入口に、第3室内熱交換部は第1流出口に、第4室内熱交換部は第2流出口に接続されている。制御部は、再熱除湿運転を行うときは、流路切換弁を、第2通路を用いた第1形態へ切り換える。
【0030】
この空気調和機では、制御部が、流路切換弁を、第2通路を用いた第1形態へ切り換えることによって冷媒が減圧され、第1室内熱交換部群が凝縮器になり、第2室内熱交換部群が蒸発器になる。つまり、流路切換弁は再熱除湿運転時の膨張弁としての機能をも有する。
【0031】
本発明の第14観点に係る空気調和機は、圧縮機、四路切換弁、凝縮器、減圧器、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、制御部と、室内熱交換器と、室外熱交換器とを備えている。室内熱交換器は、暖房運転時には凝縮器となり、冷房運転時には蒸発器となる。室外熱交換器は、暖房運転時には蒸発器となり、冷房運転時には凝縮器となる。また、室内熱交換器は、第1室内熱交換部群と、第2室内熱交換部群と、第6観点から第8観点のいずれか1つに係る流路切換弁とを有している。第1室内熱交換部群は、第1室内熱交換部、及びその第1室内熱交換部と並列に接続される第2室内熱交換部を含む。第2室内熱交換部群は、第3室内熱交換部を含む。流路切換弁は、第1室内熱交換部群と第2室内熱交換部群との間に配置される。四路切換弁および室内熱交換器を結ぶ配管と流路切換弁とはバイパス路によって結ばれている。また、第1室内熱交換部は第1流出口に、第2室内熱交換部は第2流出口に、第3室内熱交換部は第1流入口に、バイパス路は第2流入口に接続されている。制御部は、再熱除湿運転を行うときは、流路切換弁を、第2通路を用いた第1形態へ切り換える。
【0032】
この空気調和機では、第1流出口および第2流出口を流入口として、第1流入口を流出口として利用することによって、再熱除湿運転時、2つの凝縮器からの冷媒を減圧して、1つに蒸発器へ送る構成が可能となる。
【0033】
本発明の第15観点に係る空気調和機は、圧縮機、凝縮器、減圧器、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、制御部と、室内熱交換器と、室外熱交換器とを備えている。室内熱交換器は、暖房運転時には凝縮器となり、冷房運転時には蒸発器となる。室外熱交換器は、暖房運転時には蒸発器となり、冷房運転時には凝縮器となる。また、室内熱交換器は、第1室内熱交換部群と、第2室内熱交換部群と、第1観点から第8観点にいずれか1つに係る流路切換弁とを有している。第1室内熱交換部群は、第1室内熱交換部を含む。第2室内熱交換部群は、第3室内熱交換部、及びその第3室内熱交換部と並列に接続される第4室内熱交換部を含む。流路切換弁は、第1室内熱交換部群と第2室内熱交換部群との間に配置される。減圧器および室内熱交換器を結ぶ配管と流路切換弁とはバイパス路によって結ばれている。また、第1室内熱交換部は第1流入口に、バイパス路は第2流入口に、第3室内熱交換部は第1流出口に、第4室内熱交換部は第2流出口に接続されている。制御部は、能力を抑制して冷房運転を行うとき、流路切換弁を第2形態へ切り換える。
【0034】
この空気調和機では、冷房運転時に制御部が流路切換弁を第2形態へ切り換えさせることによって、例えば、第1室内熱交換部及び第3室内熱交換部だけに冷媒を流すことができるので、室内熱交換器の一部だけが蒸発器となる。これによって、室内熱交換器の使用容量が小さくなり、冷媒が直ぐに蒸発することが抑制される。また、室内熱交換器の使用容量が小さくなったことによって蒸発圧力が下がり、蒸発温度も下がるので、除湿が行われる。特に、室内熱交換器全体への送風量が変わらず、冷媒を流す室内熱交換器の容量が小さくなったときには、吸い込み空気は顕熱が多く奪われることなく除湿される。
【0035】
本発明の第16観点に係る空気調和機は、圧縮機、四路切換弁、凝縮器、減圧器、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、制御部と、室内熱交換器と、室外熱交換器とを備えている。室内熱交換器は、暖房運転時には凝縮器となり、冷房運転時には蒸発器となる。室外熱交換器は、暖房運転時には蒸発器となり、冷房運転時には凝縮器となる。また、室内熱交換器は、第1室内熱交換部群と、第2室内熱交換部群と、第1観点から第8観点のいずれか1つに係る流路切換弁とを有している。第1室内熱交換部群は、第1室内熱交換部、及びその第1室内熱交換部と並列に接続される第2室内熱交換部を含む。第2室内熱交換部群は、第3室内熱交換部を含む。流路切換弁は、第1室内熱交換部群と第2室内熱交換部群との間に配置される。四路切換弁および室内熱交換器を結ぶ配管と流路切換弁とはバイパス路によって結ばれている。また、第1室内熱交換部は第1流出口に、第2室内熱交換部は第2流出口に、第3室内熱交換部は第1流入口に、バイパス路は第2流入口に接続されている。制御部は、能力を抑制して冷房運転を行うとき、流路切換弁を第2形態へ切り換える。
【0036】
この空気調和機では、冷房運転時に制御部が流路切換弁を第2形態へ切り換えさせることによって、例えば、第1室内熱交換部及び第3室内熱交換部だけに冷媒を流すことができるので、室内熱交換器の一部だけが蒸発器となる。これによって、室内熱交換器の使用容量が小さくなり、冷媒が直ぐに蒸発することが抑制される。また、室内熱交換器の使用容量が小さくなったことによって蒸発圧力が下がり、蒸発温度も下がるので、除湿が行われる。特に、室内熱交換器全体への送風量が変わらず、冷媒を流す室内熱交換器の容量が小さくなったときには、吸い込み空気は顕熱が多く奪われることなく除湿される。
【発明の効果】
【0037】
本発明の第1観点または第5観点に係る流路切換弁では、冷媒が流れる複数のパスを有する冷却用蒸発器の入口または出口に流路切換弁を配置したとき、第1形態では蒸発器全体で冷房を行うことができ、第2形態では一部のパスにのみ冷媒を流し蒸発器として冷房を行うことができる。
【0038】
本発明の第2観点または第6観点に係る流路切換弁では、冷媒が流れる2つの直列配置のパスの間に流路切換弁を配置したとき、流路切換弁が第2通路を用いた第1形態に切り換わることによって、流路切換弁の上流側のパスを凝縮器として、下流側のパスを蒸発器として利用することが可能になる。
【0039】
本発明の第3観点または第7観点に係る流路切換弁では、簡単な構成で通路面積を小さくできるので、実現が容易である。
【0040】
本発明の第4観点または第8観点に係る流路切換弁では、ボール側から弁座側への方向を減圧機構として利用することができる。
【0041】
本発明の第9観点から第11観点のいずれか1つに係る空気調和機では、室内熱交換器の使用容量を小さくすることによって、冷媒が直ぐに蒸発することが抑制される。また、室内熱交換器の使用容量が小さくなることによって蒸発圧力が下がり、蒸発温度も下がるので、除湿することが可能となる。そうすると、室内熱交換器全体への送風量が変わらず、冷媒を流す室内熱交換器の容量が小さくなるので、吸い込み空気は顕熱が多く奪われることなく除湿される。
【0042】
本発明の第12観点または第13観点に係る空気調和機では、制御部が、流路切換弁を、第2通路を用いた第1形態へ切り換えることによって冷媒が減圧され、第1室内熱交換部群が凝縮器になり、第2室内熱交換部群が蒸発器になる。つまり、流路切換弁は再熱除湿運転時の膨張弁としての機能をも有する。
【0043】
本発明の第14観点に係る空気調和機では、第1流出口および第2流出口を流入口として、第1流入口を流出口として利用することによって、再熱除湿運転時、2つの凝縮器からの冷媒を減圧して、1つに蒸発器へ送る構成が可能となる。
【0044】
本発明の第15観点または第16観点に係る空気調和機では、室内熱交換器の使用容量を小さくすることによって、冷媒が直ぐに蒸発することが抑制される。また、室内熱交換器の使用容量が小さくなることによって蒸発圧力が下がり、蒸発温度も下がるので、除湿することが可能となる。そうすると、室内熱交換器全体への送風量が変わらず、冷媒を流す室内熱交換器の容量が小さくなるので、吸い込み空気は顕熱が多く奪われることなく除湿される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態に係る流路切換弁を備えた空気調和機の構成図。
【図2A】第1−1通路および第1−2通路を用いる第1形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図。
【図2B】第3通路を用いた第2形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図。
【図2C】第3通路を用いた第3形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図。
【図2D】第2−1通路および第2−2通路を用いる第1形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図。
【図3A】第1−1通路および第1−2通路を用いる第1形態へ切り換えられた流路切換弁の第1弁室および第2弁室を本体の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁の断面図。
【図3B】第3通路を用いる第2形態へ切り換えられた流路切換弁の第1弁室および第2弁室を本体の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁の断面図。
【図3C】第3通路を用いる第3形態へ切り換えられた流路切換弁の第1弁室および第2弁室を本体の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁の断面図。
【図3D】第2−1通路および第2−2通路を用いる第1形態へ切り換えられた流路切換弁の第1弁室および第2弁室を本体の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁の断面図。
【図4A】第1−1通路および第1−2通路を用いる第1形態へ切り換えられた流路切換弁の冷媒経路図。
【図4B】第3通路を用いる第2形態へ切り換えられた流路切換弁の冷媒経路図。
【図4C】第3通路を用いる第3形態へ切り換えられた流路切換弁の冷媒経路図。
【図4D】第2−1通路および第2−2通路を用いる第1形態へ切り換えられた流路切換弁の冷媒経路図。
【図5A】第2実施形態に係る流路切換弁であって、第1通路が第1配管接続部に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図。
【図5B】第2実施形態に係る流路切換弁であって、第1通路が第2配管接続部に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図。
【図5C】第2実施形態に係る流路切換弁であって、第3通路が第1配管接続部及び第3配管接続部に対峙する第2形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図。
【図5D】第2実施形態に係る流路切換弁であって、第3通路が第2配管接続部及び第4配管接続部に対峙する第2形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図。
【図5E】第2実施形態に係る流路切換弁であって、第2通路が第1配管接続部に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図。
【図5F】第2実施形態に係る流路切換弁であって、第2通路が第2配管接続部に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図。
【図6A】第2実施形態に係る流路切換弁を備えた空気調和機の構成図。
【図6B】第2実施形態に係る流路切換弁を備えた第2の空気調和機の構成図。
【図7A】第2実施形態に係る流路切換弁であって、第1通路が第1配管接続部に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁の第1弁室および第2弁室を本体の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁の断面図。
【図7B】第2実施形態に係る流路切換弁であって、第1通路が第2配管接続部に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁の第1弁室および第2弁室を本体の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁の断面図。
【図7C】第2実施形態に係る流路切換弁であって、第3通路が第1配管接続部及び第3配管接続部に対峙する第2形態へ切り換えられた流路切換弁の第1弁室および第2弁室を本体の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁の断面図。
【図7D】第2実施形態に係る流路切換弁であって、第3通路が第2配管接続部及び第4配管接続部に対峙する第2形態へ切り換えられた流路切換弁の第1弁室および第2弁室を本体の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁の断面図。
【図7E】第2実施形態に係る流路切換弁であって、第2通路が第1配管接続部に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁の第1弁室および第2弁室を本体の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁の断面図。
【図7F】第2実施形態に係る流路切換弁であって、第2通路が第2配管接続部に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁の第1弁室および第2弁室を本体の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁の断面図。
【図8】冷媒減圧区間に配置される弁座の横断面図。
【図9A】図7Aに対応する流路切換弁の冷媒経路図。
【図9B】図7Bに対応する流路切換弁の冷媒経路図。
【図9C】図7Cに対応する流路切換弁の冷媒経路図。
【図9D】図7Dに対応する流路切換弁の冷媒経路図。
【図9E】図7Eに対応する流路切換弁の冷媒経路図。
【図9F】図7Fに対応する流路切換弁の冷媒経路図。
【図10A】第2実施形態に係る流路切換弁を備えた第3の空気調和機の構成図。
【図10B】第2実施形態に係る流路切換弁を備えた第4の空気調和機の構成図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0047】
<第1実施形態>
(1)空気調和機の構成
図1は、本発明の第1実施形態に係る流路切換弁を備えた空気調和機の構成図である。図1において、空気調和機では、室外ユニット6と室内ユニット4とが冷媒連絡管によって接続され、蒸気圧縮式の冷媒回路が構成されている。
【0048】
(1−1)室外ユニット6
室外ユニット6は、主に室外に設置され、四路切換弁2、圧縮機5、膨張弁7、及び室外熱交換器46を有している。
【0049】
四路切換弁2は、冷房運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れの方向を切り換える弁である。四路切換弁2は、暖房運転時、圧縮機5の吐出側と室内熱交換器40のガス側とを接続するとともに室外熱交換器46のガス側と圧縮機5の吸入側とを接続する。また、四路切換弁2は、冷房運転時、圧縮機5の吐出側と室外熱交換器46のガス側とを接続するとともに室内熱交換器40のガス側と圧縮機5の吸入側とを接続する。
【0050】
圧縮機5は、インバータ方式を採用した容量可変型圧縮機であって、低圧のガス冷媒を吸入し、圧縮して高圧のガス冷媒とした後に吐出する。
【0051】
膨張弁7は、暖房運転時には室内熱交換器40において放熱した高圧の液冷媒を室外熱交換器46に送る前に減圧し、冷房運転時には室外熱交換器46において放熱した高圧の液冷媒を室内熱交換器40に送る前に減圧する。
【0052】
室外熱交換器46は、冷房運転時には冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。
【0053】
(1−2)室内ユニット4
室内ユニット4は、室内熱交換器40を有している。室内熱交換器40は、フィン&チューブ型熱交換器であって、暖房運転時には冷媒の凝縮器として機能することによって空気を加熱する。また、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能することによって空気を冷却する。
【0054】
室内熱交換器40は、第1熱交換部群41と、第1熱交換部群41と直列に接続される第2熱交換部群42と、第1熱交換部群41と第2熱交換部群42との間に接続される流路切換弁51を含む。
【0055】
(2)室内ユニット4の構成
(2−1)第1熱交換部群41と第2熱交換部群42
第1熱交換部群41は、第1室内熱交換部40a、及び第1室内熱交換部40aに並列接続される第2室内熱交換部40bを含む。また、第2熱交換部群42は、第3室内熱交換部40c、及び第3室内熱交換部40cに並列接続される第4室内熱交換部40dを含む。
【0056】
第1室内熱交換部40a、第2室内熱交換部40b、第3室内熱交換部40c、及び第4室内熱交換部40dそれぞれは、クロスフィンタイプの熱交換器構造が採用されており、複数の薄いアルミニウム製平板からなる伝熱フィンと、伝熱フィンを貫通する複数の伝熱管とによって構成されている。
【0057】
(2−2)流路切換弁51
図2Aは、第1−1通路21aおよび第1−2通路21bを用いる第1形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図である。図2Bは、第3通路23を用いる第2形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図である。図2Cは、第3通路23を用いる第3形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図である。図2Dは、第2−1通路22aおよび第2−2通路22bを用いる第1形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図である。
【0058】
図2A〜図2Dにおいて、流路切換弁51は、本体10、弁体20およびモータ30で構成されている。本体10は、両端が別部材で閉じられた円筒部材である。説明の便宜上、円筒部分を本体10の胴部10a、両端の一方を第1端部10b、他方を第2端部10cとよぶ。
【0059】
第1端部10bには、外周から胴部10aへ通じる2つの孔があけられ、各孔に配管接続用の管が嵌め込まれてロウ付けされている。それら2つの管それぞれを第1配管接続部11、第2配管接続部12とよぶ。
【0060】
また、第2端部10cには、その外周から胴部10aへ通じる2つの孔が設けられ、各孔に配管接続用の管が嵌め込まれてロウ付けされている。それら2つの管それぞれを第3配管接続部13、及び第4配管接続部14とよぶ。
【0061】
弁体20は、円板状の回転体であり、本体10内部を第1弁室101と第2弁室102とに仕切っている。第1配管接続部11の流通口と第2配管接続部12の流通口とは第1弁室101に通じている。また、第3配管接続部13の流通口と第4配管接続部14の流通口とは第2弁室102に通じている。
【0062】
また、弁体20は、第1−1通路21a、第1−2通路21b、第2−1通路22a、第2−2通路22b、及び第3通路23を有している。第1−1通路21aは、第1弁室101及び第2弁室102を貫通して第1配管接続部11の流通口と第3配管接続部13の流通口とを連絡する。第1−2通路21bは、第1弁室101及び第2弁室102を貫通して第2配管接続部12の流通口と第4配管接続部14の流通口とを連絡する。
【0063】
第2−1通路22aは、第1弁室101及び第2弁室102を貫通して第1配管接続部11の流通口と第3配管接続部13の流通口とを連絡し、途中に冷媒減圧区間が設けられている。第2−2通路22bは、第1弁室101及び第2弁室102を貫通して第2配管接続部12の流通口と第4配管接続部14の流通口とを連絡し、途中に冷媒減圧区間が設けられている。
【0064】
冷媒減圧区間では、通路断面積が第1−1通路21a及び第1−2通路21bの通路断面積よりも小さく形成されており、例えば、冷媒が流れる2つの直列配置のパスの間に配置されたとき、上流側のパスを凝縮器として、下流側のパスを蒸発器として利用することが可能になる。本実施形態の冷媒減圧区間は、第2−1通路22a及び第2−2通路22bの途中にボール25とそのボール25を受ける弁座27とが配置されることによって構成されている。それゆえ、流路切換弁51では、簡単な構成で通路面積を小さくできるので、実現が容易である。
【0065】
第3通路23は、第1弁室101及び第2弁室102を貫通して第1配管接続部11の流通口と第3配管接続部13の流通口とを連絡する、若しくは第2配管接続部12の流通口と第4配管接続部14の流通口とを連絡する1本の通路である。
【0066】
モータ30は、本体10の第2端部10c側に位置し、回転軸が第2端部10cを貫通して弁体20に連結されている。弁体20はモータ30によって駆動され、モータ30の回転角度に応じて、第1形態、第2形態、及び第3形態へ切り換える。
【0067】
ここで、第1形態とは、弁体20が第1配管接続部11と第3配管接続部13とを連通させ且つ第2配管接続部12と第4配管接続部14とを連通させる形態である。第2形態とは、弁体20が第1配管接続部11と第3配管接続部13とだけを連通させる形態である。第3形態とは、弁体20が第2配管接続部12と第4配管接続部14とだけを連通させる形態である。以下、各形態を形成するための構造について、図3A〜図3Dを参照しながら説明する。
【0068】
図3Aは、第1−1通路21a及び第1−2通路21bを用いる第1形態へ切り換えられた流路切換弁51の第1弁室101及び第2弁室102を本体10の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁51の断面図である。
【0069】
また、図3Bは、第3通路23を用いる第2形態へ切り換えられた流路切換弁51の第1弁室101および第2弁室102を本体10の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁51の断面図である。
【0070】
また、図3Cは、第3通路23を用いる第3形態へ切り換えられた流路切換弁51の第1弁室101および第2弁室102を本体10の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁51の断面図である。
【0071】
また、図3Dは、第2−1通路22a及び第2−2通路22bを用いる第1形態へ切り換えられた流路切換弁51の第1弁室101および第2弁室102を本体の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁51の断面図である。
【0072】
図3A〜図3Dにおいて、第2配管接続部12は、本体10の中心軸に対して第1配管接続部11から時計方向に180°離れた位置に固定されている。また、第4配管接続部14は、本体10の中心軸に対して第3配管接続部13から時計方向に180°離れた位置に固定されている。
【0073】
第1−1通路21aと第1−2通路21bとは、第1弁室101及び第2弁室102を貫通する管であり、それぞれ弁体20の中心軸に対して180°点対称の位置に設けられている。
【0074】
第2−1通路22aと第2−2通路22bとは、第1弁室101及び第2弁室102を貫通する管であり、それぞれ弁体20の中心軸に対して180°点対称の位置に設けられている。第2−1通路22aは、弁体20の中心軸に対して反時計方向に60°だけ第1−1通路21aから離れており、その通路断面積が第1−1通路21aの通路断面積よりも小さくなるように冷媒減圧区間が設けられている。
【0075】
同様に、第2−2通路22bは、弁体20の中心軸に対して反時計方向に60°だけ第1−2通路21bから離れており、その通路断面積が第1−2通路21bの通路断面積よりも小さくなるように冷媒減圧区間が設けられている。
【0076】
第3通路23も、第1弁室101及び第2弁室102を貫通する管であり、弁体20の中心軸に対して反時計方向に60°だけ第2−1通路22aから離れている。
【0077】
第1−1通路21a及び第1−2通路21bを用いる第1形態では、第1−1通路21aが第1配管接続部11及び第3配管接続部13に対峙し、第1−2通路21bが第2配管接続部12及び第4配管接続部14に対峙する。
【0078】
また、第2−1通路22a及び第2−2通路22bを用いる第1形態では、第2−1通路22aが第1配管接続部11及び第3配管接続部13に対峙し、第2−2通路22bが第2配管接続部12及び第4配管接続部14に対峙する。
【0079】
また、第2形態では、第3通路23が第1配管接続部11及び第3配管接続部13に対峙する。
【0080】
さらに、第3形態では、第3通路23が第2配管接続部12及び第4配管接続部14に対峙する。
【0081】
図4Aは、第1−1通路21a及び第1−2通路21bを用いる第1形態へ切り換えられた流路切換弁51の冷媒経路図である。図4Aにおいて、第1−1通路21a及び第1−2通路21bを用いる第1形態では、第1配管接続部11と第3配管接続部13とが連通し、且つ第2配管接続部12と第4配管接続部14とが連通する。
【0082】
図4Bは、第3通路23を用いる第2形態へ切り換えられた流路切換弁の冷媒経路図である。図4Bにおいて、第3通路23を用いる第2形態では、第1配管接続部11と第3配管接続部13だけが連通する。
【0083】
図4Cは、第3通路23を用いる第3形態へ切り換えられた流路切換弁の冷媒経路図である。図4Cにおいて、第3通路23を用いる第3形態では、第2配管接続部12と第4配管接続部14とだけが連通する。
【0084】
図4Dは、第2−1通路22a及び第2−2通路22bを用いる第1形態へ切り換えられた流路切換弁の冷媒経路図である。図4Dにおいて、第2−1通路22a及び第2−2通路22bを用いる第1形態では、第1配管接続部11と第3配管接続部13とが連通し、且つ第2配管接続部12と第4配管接続部14とが連通する。さらに、第2−1通路22a及び第2−2通路22bは第1−1通路21a及び第1−2通路21bよりも通路断面積が極端に小さいので、例えば、冷媒が第2−1通路22a及び第2−2通路22bを通過するとき、その冷媒は第2−1通路22a及び第2−2通路22bそれぞれの冷媒減圧区間で絞られて減圧される。
【0085】
(3)暖房運転時の冷媒の流れ
ここでは、図1、図3A及び図4Aを用いて、暖房運転時の冷媒の流れを説明する。図1において、冷媒は、圧縮機5に吸入され、高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機5から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、室内熱交換器40に送られる。冷媒は室内熱交換器40の入口手前で2方向に分岐し、一方は第3室内熱交換部40cに、他方は第4室内熱交換部40dに送られる。
【0086】
図3Aに示すように、暖房運転時、流路切換弁51は第1−1通路21a及び第1−2通路21bを用いた第1形態に切り換えられている。それゆえ、図4Aの点線の矢で示すように、第3室内熱交換部40cを出た冷媒は第3配管接続部13から第1−1通路21aを通って第1配管接続部11に至る。そして、第1配管接続部11を出た冷媒は第1室内熱交換部40aに入る。
【0087】
また、第4室内熱交換部40dを出た冷媒は第4配管接続部14から第1−2通路21bを通って第2配管接続部12に至る。そして、第2配管接続部12を出た冷媒は第2室内熱交換部40bに入る。
【0088】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第3室内熱交換部40cと第1室内熱交換部40aとを流れる間に室内空気と熱交換器して凝縮する冷媒、および第4室内熱交換部40dと第2室内熱交換部40bとを流れる間に室内空気と熱交換器して凝縮する冷媒の2系統に分かれている。室内熱交換器40において凝縮した高圧の冷媒は、膨張弁7に送られて低圧まで減圧され、室外熱交換器46において、室外空気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器46において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、再び、圧縮機5に吸入される。
【0089】
(4)冷房運転時の冷媒の流れ
ここでは、図1、図3A及び図4Aを用いて冷房運転時の冷媒の流れを説明する。図1において、冷媒は、圧縮機5に吸入され、高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機5から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、室外熱交換器46に送られる。室外熱交換器46に送られた高圧の冷媒は、室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器46において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁7に送られて低圧まで減圧され、室内熱交換器40に送られる。冷媒は室内熱交換器40の入口手前で2方向に分岐し、一方は第1室内熱交換部40aに、他方は第2室内熱交換部40bに送られる。
【0090】
図3Aに示すように、通常の冷房運転時、流路切換弁51は、第1−1通路21a及び第1−2通路21bを用いた第1形態へ切り換えられている。それゆえ、図4Aの実線の矢で示すように第1室内熱交換部40aを出た冷媒は第1配管接続部11から第1−1通路21aを通って第3配管接続部13に至る。そして、第3配管接続部13を出た冷媒は第3室内熱交換部40cに入る。
【0091】
また、第2室内熱交換部40bを出た冷媒は第2配管接続部12から第1−2通路21bを通って第4配管接続部14に至る。そして、第4配管接続部14を出た冷媒は第4室内熱交換部40dに入る。
【0092】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第1室内熱交換部40aと第3室内熱交換部40cとを流れる間に室内空気と熱交換器して蒸発する冷媒、および第2室内熱交換部40bと第4室内熱交換部40dとを流れる間に室内空気と熱交換器して蒸発する冷媒の2系統に分かれている。室内熱交換器40において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、再び、圧縮機5に吸入される。
【0093】
(5)省エネ冷房運転時の冷媒の流れ
ここでは、図1、図3B、図3C、図4B及び図4Cを用いて、省エネ冷房運転時の冷媒の流れを説明する。図1において、冷媒は、圧縮機5に吸入され、高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機5から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、室外熱交換器46に送られる。室外熱交換器46に送られた高圧の冷媒は、室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器46において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁7に送られて低圧まで減圧され、室内熱交換器40に送られる。冷媒は室内熱交換器40の入口手前で2方向に分岐し、一方は第1室内熱交換部40aに、他方は第2室内熱交換部40bに送られる。
【0094】
省エネ冷房運転時、流路切換弁51は、図3Bに示された第2形態へ切り換えられている。それゆえ、図4Bの実線の矢で示すように第1室内熱交換部40aを出た冷媒は第1配管接続部11から第3通路23を通って第3配管接続部13に至る。そして、第3配管接続部13を出た冷媒は第3室内熱交換部40cに入る。第2室内熱交換部40bに送られた冷媒は流れずに第2室内熱交換部40b内に滞留する。
【0095】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第1室内熱交換部40aと第3室内熱交換部40cとを流れる間に室内空気と熱交換器して蒸発する。室内熱交換器40において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、再び、圧縮機5に吸入される。
【0096】
なお、省エネ冷房運転時、流路切換弁51は、図3Cに示された第3形態を選択することもでき、この場合は図4Cに示すように、第2室内熱交換部40b出た冷媒は第2配管接続部12から第3通路23を通って第4配管接続部14に至る。そして、第4配管接続部14を出た冷媒は第4室内熱交換部40dに入る。第1室内熱交換部40aに送られた冷媒は流れずに第1室内熱交換部40a内に滞留する。
【0097】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第2室内熱交換部40bと第4室内熱交換部40dとを流れる間に室内空気と熱交換器して蒸発する。室内熱交換器40において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、再び、圧縮機5に吸入される。
【0098】
(6)再熱除湿運転時の冷媒の流れ
ここでは、図1、図3D及び図4Dを用いて再熱除湿運転時の冷媒の流れを説明する。図1において、冷媒は、圧縮機5に吸入され、高圧まで圧縮された後に吐出される。再熱除湿運転時、膨張弁7は全開となるので、圧縮機5から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて室外熱交換器46、及び室内熱交換器40の第1熱交換器部群41にまで及ぶ。なお、室外熱交換器46から送られて来た高圧の冷媒は第1熱交換部群41の手前で2方向に分岐し、一方は第1室内熱交換部40aに入り、他方は第2室内熱交換部40bに入る。つまり、高圧の冷媒は、室内熱交換器46での室外空気との熱交換、および第1熱交換部群41での室内空気との熱交換によって凝縮する。
【0099】
また、再熱除湿運転中、流路切換弁51は、図3Dに示すように冷媒減圧区間を有する第2−1通路22a及び第2−2通路22bを用いた第1形態を成している。それゆえ、第1室内熱交換部40aを出た冷媒は、第1配管接続部11から第2−1通路22aを通って第3配管接続部13に至る間に絞られて減圧される。そして、第3配管接続部13を出た冷媒は、第3室内熱交換部40cに入り、室内空気と熱交換して蒸発する。
【0100】
また、第2室内熱交換部40bを出た冷媒は第2配管接続部12から第2−2通路22bを通って第4配管接続部14に至る間に絞られて減圧される。そして、第4配管接続部14を出た冷媒は第4室内熱交換部40dに入り、室内空気と熱交換して蒸発する。
【0101】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第1室内熱交換部40aで室内空気と熱交換して凝縮し第3室内熱交換部40cで室内空気と熱交換器して蒸発する冷媒、および第2室内熱交換部40bで室内空気と熱交換して凝縮し第4室内熱交換部40dで室内空気と熱交換して蒸発する冷媒の2系統に分かれている。第3室内熱交換部40cおよび第4室内熱交換部40dにおいて蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、再び、圧縮機5に吸入される。
【0102】
(7)第1実施形態の特徴
(7−1)
流路切換弁51が、冷媒が流れる複数のパスを有する冷却用蒸発器の入口または出口に配置されたとき、第1−1通路21a及び第1−2通路21bを用いた第1形態では蒸発器全体で冷房を行うことができ、第2形態または第3形態では一部のパスにのみ冷媒を流し蒸発器として冷房を行うことができる。
【0103】
(7−2)
流路切換弁51が、冷媒が流れる2つの直列配置のパスの間に配置されたとき、第2−1通路22a及び第2−2通路22bを用いた第1形態に切り換わることによって、流路切換弁51の上流側のパスを凝縮器として、下流側のパスを蒸発器として利用することが可能になる。
【0104】
(7−3)
流路切換弁51を備えた空気調和機では、冷房運転時に制御部8が流路切換弁51を第2形態へ切り換えさせることによって、第1室内熱交換部40a及び第2室内熱交換部40bだけに冷媒を流すことができるので、室内熱交換器40の一部だけが蒸発器となる。それゆえ、室内熱交換器40の使用容量が小さくなり、冷媒が直ぐに蒸発することが抑制される。また、室内熱交換器40の使用容量が小さくなることによって蒸発圧力が下がり蒸発温度も下がるので、例えば、室内熱交換器40全体への送風量が変わらず、冷媒を流す室内熱交換器40の容量が小さくなったときには、吸い込み空気は顕熱が多く奪われることなく除湿される。
【0105】
(7−4)
流路切換弁51を備えた空気調和機では、制御部8が、流路切換弁51を、第2−1通路22a及び第2−2通路22bを用いた第1形態へ切り換えることによって冷媒が減圧され、第1室内熱交換部群41が凝縮器になり、第2室内熱交換部群42が蒸発器になる。つまり、流路切換弁51は再熱除湿運転時の膨張弁としての機能をも有する。
【0106】
<第2実施形態>
(1)空気調和装置の構成
図5Aは、第2実施形態に係る流路切換弁であって、第1通路が第1配管接続部に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図である。図5Bは、第2実施形態に係る流路切換弁であって、第1通路が第2配管接続部に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図である。
【0107】
また、図5Cは、第2実施形態に係る流路切換弁であって、第3通路が第1配管接続部及び第3配管接続部に対峙する第2形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図である。図5Dは、第2実施形態に係る流路切換弁であって、第3通路が第2配管接続部及び第4配管接続部に対峙する第2形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図である。
【0108】
また、図5Eは、第2実施形態に係る流路切換弁であって、第2通路が第1配管接続部に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図である。図5Fは、第2実施形態に係る流路切換弁であって、第2通路が第2配管接続部に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁の断面図である。
【0109】
図6Aは、第2実施形態に係る流路切換弁を備えた空気調和機の構成図である。図6Aにおいて、冷媒回路上の図1との違いは、室内熱交換器40の第1熱交部群41の第1室内熱交換部40aに代えてバイパス路61が設けられていることであり、それ以外は、図1に記載の空気調和機と同じ構成であるので、同じ部品には同じ名称および符号を付与し、詳細な説明を省略する。
【0110】
また、第2実施形態に係る流路切換弁51では、弁体20が、本体10内部で第1配管接続部11の流通口と第2配管接続部12の流通口を開閉する第1弁室101と、第3配管接続部13の流通口と第4配管接続部14の流通口を開閉する第2弁室102とを形成している。但し、弁体20の構成は第1実施形態と異なる。以下、図7A〜図7Dを参照しながら第2実施形態に係る流路切換弁51を説明する。
【0111】
(2)流路切換弁51の構成
図7Aは、第2実施形態に係る流路切換弁51であって、第1通路21が第1配管接続部11に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁51の第1弁室101および第2弁室102を本体10の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁51の断面図である。
【0112】
図7Bは、第2実施形態に係る流路切換弁51であって、第1通路21が第2配管接続部12に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁51の第1弁室101および第2弁室102を本体10の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁51の断面図である。
【0113】
図7Cは、第2実施形態に係る流路切換弁51であって、第3通路23が第1配管接続部11及び第3配管接続部13に対峙する第2形態へ切り換えられた流路切換弁51の第1弁室101および第2弁室102を本体10の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁51の断面図である。
【0114】
図7Dは、第2実施形態に係る流路切換弁51であって、第3通路23が第2配管接続部12及び第4配管接続部14に対峙する第2形態へ切り換えられた流路切換弁51の第1弁室101および第2弁室102を本体10の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁51の断面図である。
【0115】
図7Eは、第2実施形態に係る流路切換弁51であって、第2通路22が第1配管接続部11に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁51の第1弁室101および第2弁室102を本体10の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁51の断面図である。
【0116】
図7Fは、第2実施形態に係る流路切換弁51であって、第2通路22が第2配管接続部12に対峙する第1形態へ切り換えられた流路切換弁51の第1弁室101および第2弁室102を本体10の中心軸と直交する面で切断したときの流路切換弁51の断面図である。
【0117】
図7A〜図7Fにおいて、第2配管接続部12は、胴部10aの中心軸に対して第1配管接続部11から時計方向に180°離れた位置に固定されている。
【0118】
第4配管接続部14は、胴部10aの中心軸に対して第3配管接続部13から時計方向に180°離れた位置に固定されている。
【0119】
弁体20は、本体10の内部を第1弁室101と第2弁室とを仕切る円板状の回転体であって、第1通路21、第2通路22、及び第3通路23が設けられている。第1通路21は、第1弁室101だけを貫通する一本の管である。
【0120】
第2通路22は、第1弁室101だけを貫通する一本の管であり、途中に冷媒減圧区間が設けられている。第2通路22は、弁体20の中心軸に対して反時計方向に60°だけ第1通路21から離れている。
【0121】
冷媒減圧区間では、通路断面積が第1通路21の通路断面積よりも小さく形成されており、例えば、冷媒が流れる2つの直列配置のパスの間に配置されたとき、上流側のパスを凝縮器として、下流側のパスを蒸発器として利用することが可能になる。
【0122】
本実施形態の冷媒減圧区間は、第2通路22の途中にボール25とそのボール25を受ける弁座27とが配置されることによって構成されている。それゆえ、流路切換弁51では、簡単な構成で通路面積を小さくできるので、実現が容易である。
【0123】
また、図8は冷媒減圧区間に配置される弁座の横断面図であるが、図8に示すように、弁座27にブリード孔27aが形成されている。流路切換弁51では、ボール25側から弁座27側への方向(A方向とよぶ)の冷媒流量は、弁座27側からボール25側への方向の冷媒流量よりも極端に少なくなるので、A方向を減圧機構として利用することができる。
【0124】
第3通路23は、第1弁室101及び第2弁室102を貫通して第1配管接続部11の流通口と第3配管接続部13の流通口とを連絡する、若しくは第2配管接続部12の流通口と第4配管接続部14の流通口とを連絡する1本の管である。第3通路23は、弁体20の中心軸に対して反時計方向に60°だけ第2通路22から離れている。
【0125】
第1通路21は、第2弁室102を介して、第3配管接続部13および第4配管接続部14と同時に対峙できる。同様に、第2通路22は、第2弁室102を介して、第3配管接続部13および第4配管接続部14と同時に対峙できる。
【0126】
つまり、第1通路21を用いた第1形態では、第1通路21が第1配管接続部11と対峙することによって第1配管接続部11、第3配管接続部13及び第4配管接続部14に対峙する。なお、第1通路21が第2配管接続部12と対峙することによって第2配管接続部12、第3配管接続部13及び第4配管接続部14が連通するので、この状態を、第1通路21を用いた第1形態とする。
【0127】
第2通路22を用いた第1形態では、第2通路22が第1配管接続部11と対峙することによって第1配管接続部11、第3配管接続部13及び第4配管接続部14が連通する。なお、第2通路22が第2配管接続部12と対峙することによって第2配管接続部12、第3配管接続部13及び第4配管接続部14が連通するので、この状態を、第2通路22を用いた第1形態とする。
【0128】
また、第2形態では、第3通路23が第1配管接続部11及び第3配管接続部13に対峙することによって、第1配管接続部11と第3配管接続部13とだけが連通する。なお、第3通路23が第2配管接続部12及び第4配管接続部14に対峙することによって、第2配管接続部12と第4配管接続部14とだけが連通するので、この状態を、第2形態とする。
【0129】
(3)暖房運転時の冷媒の流れ
(3−1)通常暖房A
ここでは、図6A、図7B及び図9Bを用いて、暖房運転時の冷媒の流れを説明する。図6Aにおいて、冷媒は、圧縮機5に吸入され、高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機5から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、室内熱交換器40に送られる。冷媒は室内熱交換器40の入口手前で2方向に分岐し、一方は第3室内熱交換部40cに、他方は第4室内熱交換部40dに送られる。
【0130】
図9Bは、図7Bに対応する流路切換弁の冷媒経路図である。図9B、図6A及び図7Bにおいて、暖房運転時、流路切換弁51は第1通路21が第2配管接続部12に対峙する第1形態に切り換えられている。第3室内熱交換部40cを出た冷媒は第3配管接続部13を通って、第4室内熱交換部40dを出た冷媒は第4配管接続部14を通って第2弁室102で合流し、第1通路21を通って第2配管接続部12に至る。そして、第2配管接続部12を出た冷媒は第2室内熱交換部40bに入る。
【0131】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第3室内熱交換部40c、第4室内熱交換部40d及び第2室内熱交換部40bを流れる間に室内空気と熱交換器して凝縮する。室内熱交換器40において凝縮した高圧の冷媒は、膨張弁7に送られて低圧まで減圧され、室外熱交換器46において、室外空気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器46において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、再び、圧縮機5に吸入される。
【0132】
(3−2)通常暖房B
ここでは、図6A、図7A及び図9Aを用いて、暖房運転時の冷媒の流れを説明する。図6Aにおいて、冷媒は、圧縮機5に吸入され、高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機5から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、室内熱交換器40に送られる。冷媒は室内熱交換器40の入口手前で2方向に分岐し、一方は第3室内熱交換部40cに、他方は第4室内熱交換部40dに送られる。
【0133】
図9Aは、図7Aに対応する流路切換弁の冷媒経路図である。図9A、図6A及び図7Aにおいて、暖房運転時、流路切換弁51は第1通路21が第1配管接続部11に対峙する第1形態に切り換えられている。第3室内熱交換部40cを出た冷媒は第3配管接続部13を通って、第4室内熱交換部40dを出た冷媒は第4配管接続部14を通って第2弁室102で合流し、第1通路21を通って第1配管接続部11に至る。そして、第1配管接続部11を出た冷媒はバイパス61に入る。
【0134】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第3室内熱交換部40c、及び第4室内熱交換部40dを流れる間に室内空気と熱交換器して凝縮する。室内熱交換器40において凝縮した高圧の冷媒は、膨張弁7に送られて低圧まで減圧され、室外熱交換器46において、室外空気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器46において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、再び、圧縮機5に吸入される。
【0135】
(3−3)通常暖房C
ここでは、図6A、図7D及び図9Dを用いて、暖房運転時における冷媒の流れを説明する。
【0136】
図9Dは、図7Dに対応する流路切換弁の冷媒経路図である。図9D、図6A及び図7Dにおいて、冷媒は、圧縮機5に吸入され、高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機5から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、室内熱交換器40に送られる。冷媒は室内熱交換器40の入口手前で2方向に分岐し、一方は第3室内熱交換部40cに、他方は第4室内熱交換部40dに送られる。
【0137】
流路切換弁51は、図7Dに示すように第3通路23が第2配管接続部12および第4配管接続部14に対峙する第2形態へ切り換えられている。それゆえ、第4室内熱交換部40dを通過した冷媒のみが第4配管接続部14から第3通路23を通って第2配管接続部12に至る。そして、第2配管接続部12を出た冷媒は第2室内熱交換部40bに入る。
【0138】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第4室内熱交換部40d及び第2室内熱交換部40bで室内空気と熱交換器して凝縮する。室内熱交換器40において凝縮した高圧の冷媒は、膨張弁7に送られて低圧まで減圧され、室外熱交換器46において、室外空気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器46において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、再び、圧縮機5に吸入される。
【0139】
(4)冷房運転時の冷媒の流れ
(4−1)通常冷房A
ここでは、図6A、図7B及び図9Bを用いて冷房運転時の冷媒の流れを説明する。図6Aにおいて、冷媒は、圧縮機5に吸入され、高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機5から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、室外熱交換器46に送られる。室外熱交換器46に送られた高圧の冷媒は、室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器46において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁7に送られて低圧まで減圧され、室内熱交換器40に送られる。冷媒は室内熱交換器40の入口手前で2方向に分岐し、一方はバイパス路61に、他方は第2室内熱交換部40bに送られる。
【0140】
図9B、図6A及び図7Bにおいて、通常の冷房運転時、流路切換弁51は、第1通路21が第2配管接続部12に対峙する第1形態へ切り換えられている。第1配管接続部11は閉じられているので、冷媒はバイパス路61を流れることができない。
【0141】
また、第2室内熱交換部40bを出た冷媒は第2配管接続部12から第1通路21を通って第3配管接続部13及び第4配管接続部14に至る。そして、第3配管接続部13を出た冷媒は第3室内熱交換部40cに入る。第4配管接続部14を出た冷媒は第4室内熱交換部40dに入る。
【0142】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第2室内熱交換部40b、第3室内熱交換部40c、及び第4室内熱交換部40dを流れる間に室内空気と熱交換器して蒸発する。室内熱交換器40において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、再び、圧縮機5に吸入される。
【0143】
(4−2)通常冷房B
ここでは、図6A、図7A及び図9Aを用いて冷房運転時の冷媒の流れを説明する。図6Aにおいて、冷媒は、圧縮機5に吸入され、高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機5から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、室外熱交換器46に送られる。室外熱交換器46に送られた高圧の冷媒は、室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器46において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁7に送られて低圧まで減圧され、室内熱交換器40に送られる。冷媒は室内熱交換器40の入口手前で2方向に分岐し、一方はバイパス路61に、他方は第2室内熱交換部40bに送られる。
【0144】
図9A、図6A及び図7Aにおいて、通常の冷房運転時、流路切換弁51は、第1通路21が第1配管接続部11に対峙する第1形態へ切り換えられている。第2配管接続部12は閉じられているので、冷媒はバイパス路61を流れる。
【0145】
また、バイパス61を出た冷媒は第1配管接続部11から第1通路21を通って第3配管接続部13及び第4配管接続部14に至る。そして、第3配管接続部13を出た冷媒は第3室内熱交換部40cに入る。第4配管接続部14を出た冷媒は第4室内熱交換部40dに入る。
【0146】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第3室内熱交換部40c、及び第4室内熱交換部40dを流れる間に室内空気と熱交換器して蒸発する。室内熱交換器40において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、再び、圧縮機5に吸入される。
【0147】
(4−3)通常冷房C
ここでは、図6A、図7D及び図9Dを用いて、冷房運転時における冷媒の流れを説明する。
【0148】
図9Dは、図7Dに対応する流路切換弁の冷媒経路図である。図9D、図6A及び図7Dにおいて、冷媒は、圧縮機5に吸入され、高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機5から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、室外熱交換器46に送られる。室外熱交換器46に送られた高圧の冷媒は、室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器46において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁7に送られて低圧まで減圧され、室内熱交換器40に送られる。冷媒は室内熱交換器40の入口手前で2方向に分岐し、一方はバイパス路61に、他方は第2室内熱交換部40bに送られる。
【0149】
流路切換弁51は、図7Dに示すように第3通路23が第2配管接続部12および第4配管接続部14に対峙する第2形態へ切り換えられている。それゆえ、第2室内熱交換部40bを通過した冷媒のみが第2配管接続部12から第3通路23を通って第4配管接続部14に至る。そして、第4配管接続部14を出た冷媒は第4室内熱交換部40dに入る。
【0150】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第2室内熱交換部40b及び第4室内熱交換部40dで室内空気と熱交換器して蒸発する。室内熱交換器40において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、再び、圧縮機5に吸入される。
【0151】
(5)省エネ冷房運転時の冷媒の流れ
この空気調和機では、冷媒を第3室内熱交換部40cでのみ蒸発させることができる、省エネ冷房運転に適している。以下、図6A、図7C及び図9Cを用いて、省エネ冷房運転時における冷媒の流れを説明する。
【0152】
図9Cは、図7Cに対応する流路切換弁の冷媒経路図である。図9C、図6A及び図7Cにおいて、冷媒は、圧縮機5に吸入され、高圧まで圧縮された後に吐出される。圧縮機5から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、室外熱交換器46に送られる。室外熱交換器46に送られた高圧の冷媒は、室外空気と熱交換を行って放熱する。室外熱交換器46において放熱した高圧の冷媒は、膨張弁7に送られて低圧まで減圧され、室内熱交換器40に送られる。冷媒は室内熱交換器40の入口手前で2方向に分岐し、一方はバイパス路61に、他方は第2室内熱交換部40bに送られる。
【0153】
省エネ冷房運転時、流路切換弁51は、図7Cに示すように第3通路23が第1配管接続部11および第3配管接続部13に対峙する第2形態へ切り換えられている。それゆえ、バイパス路61を通過した冷媒のみが第1配管接続部11から第3通路23を通って第3配管接続部13に至る。そして、第3配管接続部13を出た冷媒は第3室内熱交換部40cに入る。
【0154】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第3室内熱交換部40cでのみ室内空気と熱交換器して蒸発する。室内熱交換器40において蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、再び、圧縮機5に吸入される。
【0155】
(6)再熱除湿運転時の冷媒の流れ
ここでは、図6A、図7F及び図9Fを用いて再熱除湿運転時の冷媒の流れを説明する。図6Aにおいて、冷媒は、圧縮機5に吸入され、高圧まで圧縮された後に吐出される。再熱除湿運転時、膨張弁7は全開となるので、圧縮機5から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて室外熱交換器46、及び室内熱交換器40の第1熱交換器部群41にまで及ぶ。なお、室外熱交換器46から送られて来た高圧の冷媒は第1熱交換部群41の手前で2方向に分岐し、一方はバイパス路61に送られ、他方は第2室内熱交換部40bに送られる。但し、バイパス路61と繋がる第1配管接続部11は流路切換弁51によって閉じられているので、バイパス路61には冷媒が流れない。そうすると、高圧の冷媒は、室内熱交換器46での室外空気との熱交換、および第2熱交換部40bでの室内空気との熱交換によって凝縮する。
【0156】
図9Fは、図7Fに対応する流路切換弁の冷媒経路図である。図9F、図6A及び図7Fにおいて、再熱除湿運転中、流路切換弁51は、通路断面積の小さい第2通路22が第2配管接続部12と対峙する第1形態を成している。それゆえ、第2室内熱交換部40bを出た冷媒は、第2配管接続部12から第2通路22を通って第3配管接続部13及び第4配管接続部14に至る間に絞られて減圧される。そして、第3配管接続部13を出た冷媒は第3室内熱交換部40cに、第4配管接続部14を出た冷媒は第4室内熱交換部40dに入り、室内空気と熱交換して蒸発する。
【0157】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第2室内熱交換部40bで室内空気と熱交換して凝縮し第3室内熱交換部40c及び第4室内熱交換部40dで室内空気と熱交換器して蒸発する。第3室内熱交換部40cおよび第4室内熱交換部40dにおいて蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁2を通じて、再び、圧縮機5に吸入される。
【0158】
(7)第2実施形態の特徴
(7−1)
第2実施形態に係る流路切換弁51を備えた空気調和機では、バイパス路61から第1配管接続部11に入った冷媒を第3配管接続部13から第3熱交換部40cへ流して室内熱交換器40の使用容量を小さくすることができる。その結果、冷媒循環量が小さいときに、室内熱交換器40の使用容量を小さくすることによって、冷媒が直ぐに蒸発することが抑制される。
【0159】
また、室内熱交換器40の使用容量が小さくなったことによって蒸発圧力が下がり蒸発温度も下がるので、室内熱交換器40全体への送風量が変わらず、冷媒を流す室内熱交換器40の容量が小さくなり、吸い込み空気は顕熱が多く奪われることなく除湿される。
【0160】
(8)第2実施形態に係る流路切換弁51を備えた第2の空気調和機
第2実施形態に係る流路切換弁51を備えた空気調和機では、第1配管接続部11にバイパス路61が接続され、第2配管接続部12に第2室内熱交換部40bが接続されているが、これに限定されない。
【0161】
図6Bは第2実施形態に係る流路切換弁を備えた第2の空気調和機の構成図である。図6Bにおいて、第1配管接続部11に第1熱交換部40aが接続され、第2配管接続部12にバイパス路61が接続されている。
【0162】
暖房運転、冷房運転、省エネ冷房運転、および再熱除湿運転における流路切換弁51前後の冷媒の流れは、上記空気調和機と同じであるので、ここでは暖房運転、冷房運転、省エネ冷房運転、および再熱除湿運転における流路切換弁51内の冷媒の流れのみ説明する。
【0163】
(8−1)暖房運転時の冷媒の流れ
(8−1−1)通常暖房A
図9Aは、図7Aに対応する流路切換弁の冷媒経路図である。図9A、図6B及び図7Aにおいて、流路切換弁51は第1通路21が第1配管接続部11に対峙する第1形態に切り換えられている。第3室内熱交換部40cを出た冷媒は第3配管接続部13、第4室内熱交換部40dを出た冷媒は第4配管接続部14を通って第2弁室102で合流し、第1通路21を通って第1配管接続部11に至る。そして、第1配管接続部11を出た冷媒は第1室内熱交換部40aに入る。
【0164】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第3室内熱交換部40c、第4室内熱交換部40d及び第1室内熱交換部40aを流れる間に室内空気と熱交換器して凝縮する。
【0165】
(8−1−2)通常暖房B
図9Bは、図7Bに対応する流路切換弁の冷媒経路図である。図9B、図6B及び図7Bにおいて、流路切換弁51は第1通路21が第2配管接続部12に対峙する第1形態に切り換えられている。第3室内熱交換部40cを出た冷媒は第3配管接続部13、第4室内熱交換部40dを出た冷媒は第4配管接続部14を通って第2弁室102で合流し、第1通路21を通って第2配管接続部12に至る。そして、第2配管接続部12を出た冷媒はバイパス61に入る。
【0166】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第3室内熱交換部40c、及び第4室内熱交換部40dを流れる間に室内空気と熱交換器して凝縮する。
【0167】
(8−1−3)通常暖房C
図9Cは、図7Cに対応する流路切換弁の冷媒経路図である。図9C、図6B及び図7Cにおいて、暖房運転時、流路切換弁51は、第3通路23が第1配管接続部11および第3配管接続部13に対峙する第2形態へ切り換えられている。それゆえ、第3室内熱交換部40cを通過した冷媒は第3配管接続部13から第3通路23を通って第1配管接続部11に至る。そして、第1配管接続部11を出た冷媒は第1室内熱交換部40aに入る。
【0168】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第3室内熱交換部40c及び第1室内熱交換部40aで室内空気と熱交換器して凝縮する。
【0169】
(8−2)冷房運転時の冷媒の流れ
(8−2−1)通常冷房A
図9A、図6B及び図7Aにおいて、通常の冷房運転時、流路切換弁51は、第1通路21が第1配管接続部11に対峙する第1形態へ切り換えられている。第2配管接続部12は閉じられているので、冷媒はバイパス路61を流れることができない。
【0170】
また、第1室内熱交換部40aを出た冷媒は第1配管接続部11から第1通路21を通って第3配管接続部13及び第4配管接続部14に至る。そして、第3配管接続部13を出た冷媒は第3室内熱交換部40cに入る。第4配管接続部14を出た冷媒は第4室内熱交換部40dに入る。
【0171】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第1室内熱交換部40a、第3室内熱交換部40c、及び第4室内熱交換部40dを流れる間に室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0172】
(8−2−2)通常冷房B
図9B、図6B及び図7Bにおいて、冷房運転時、流路切換弁51は、第1通路21が第2配管接続部12に対峙する第1形態へ切り換えられている。第1配管接続部11は閉じられているので、冷媒はバイパス路61を流れる。
【0173】
また、バイパス61を出た冷媒は第2配管接続部12から第1通路21を通って第3配管接続部13及び第4配管接続部14に至る。そして、第3配管接続部13を出た冷媒は第3室内熱交換部40cに入る。第4配管接続部14を出た冷媒は第4室内熱交換部40dに入る。
【0174】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第3室内熱交換部40c、及び第4室内熱交換部40dを流れる間に室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0175】
(8−2−3)通常冷房C
図9Cは、図7Cに対応する流路切換弁の冷媒経路図である。図9C、図6B及び図7Cにおいて、冷房運転時、流路切換弁51は、第3通路23が第1配管接続部11および第3配管接続部13に対峙する第2形態へ切り換えられている。それゆえ、第1室内熱交換部40aを通過した冷媒は第1配管接続部11から第3通路23を通って第3配管接続部13に至る。そして、第3配管接続部13を出た冷媒は第3室内熱交換部40cに入る。
【0176】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第1室内熱交換部40a及び第3室内熱交換部40cで室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0177】
(8−3)省エネ冷房運転時の冷媒の流れ
図9Dは、図7Dに対応する流路切換弁の冷媒経路図である。図9D、図6B及び図7Dにおいて、省エネ冷房運転時、流路切換弁51は、第3通路23が第2配管接続部12および第4配管接続部14に対峙する第2形態へ切り換えられている。それゆえ、バイパス路61を通過した冷媒は第2配管接続部12から第3通路23を通って第4配管接続部14に至る。そして、第4配管接続部14を出た冷媒は第4室内熱交換部40dに入る。
【0178】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第4室内熱交換部40dでのみ室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0179】
(8−4)再熱除湿運転時の冷媒の流れ
図9Eは、図7Eに対応する流路切換弁の冷媒経路図である。図9E、図6B及び図7Eにおいて、再熱除湿運転中、流路切換弁51は、通路断面積の小さい第2通路22が第1配管接続部11と対峙する第1形態を成している。それゆえ、第1室内熱交換部40aを出た冷媒は、第1配管接続部11から第2通路22を通って第3配管接続部13及び第4配管接続部14に至る間に絞られて減圧される。そして、第3配管接続部13を出た冷媒は第3室内熱交換部40cに、第4配管接続部14を出た冷媒は第4室内熱交換部40dに入り、室内空気と熱交換して蒸発する。
【0180】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第1室内熱交換部40aで室内空気と熱交換して凝縮し第3室内熱交換部40c及び第4室内熱交換部40dで室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0181】
(9)第2実施形態に係る流路切換弁51を備えた第3の空気調和機
上記第2実施形態に係る流路切換弁51を備えた空気調和機および第2の空気調和機では、第1配管接続部11及び第2配管接続部12のいずれか一方にバイパス路が接続され、他方に熱交換部が接続されているが、これに限定されない。
【0182】
図10Aは、第2実施形態に係る流路切換弁51を備えた第3の空気調和機の構成図である。図10Aにおいて、第3配管接続部13に第1熱交換部40bが、第4配管接続部14に第2室内熱交換部40bが、第1配管接続部11にバイパス路71が、第2配管接続部12に第4室内熱交換部40dが接続されている。
【0183】
暖房運転、冷房運転、省エネ冷房運転、および再熱除湿運転における流路切換弁51前後の冷媒の流れは、上記第2の空気調和機と同じであるので、ここでは暖房運転、冷房運転、省エネ冷房運転、および再熱除湿運転における流路切換弁51内の冷媒の流れのみ説明する。
【0184】
(9−1)暖房運転時の冷媒の流れ
(9−1−1)通常暖房A
流路切換弁51は、第1通路21が第2配管接続部12に対峙する第1形態に切り換えられている(図7B、図9B参照)。第4室内熱交換部40dを出た冷媒は第2配管接続部12を通って第1弁室101に入り、第1通路21を通って第2弁室102に至る。冷媒は、第2弁室102において第3配管接続部13及び第4配管接続部14それぞれに分流する。第3配管接続部13を出た冷媒は第1室内熱交換部40aに入り、第4配管接続部14を出た冷媒は第2室内熱交換部40bに入る。
【0185】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第4室内熱交換部40d、第1室内熱交換部40a及び第2室内熱交換部40bを流れる間に室内空気と熱交換器して凝縮する。
【0186】
(9−1−2)通常暖房B
流路切換弁51は、第1通路21が第1配管接続部11に対峙する第1形態に切り換えられている(図7A、図9A参照)。バイパス71を出た冷媒は第1配管接続部11を通って第1弁室101に入り、第1通路21を通って第2弁室102に至る。冷媒は、第2弁室102において第3配管接続部13及び第4配管接続部14それぞれに分流する。第3配管接続部13を出た冷媒は第1室内熱交換部40aに入り、第4配管接続部14を出た冷媒は第2室内熱交換部40bに入る。
【0187】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第1室内熱交換部40a及び第2室内熱交換部40bを流れる間に室内空気と熱交換器して凝縮する。
【0188】
(9−1−3)通常暖房C
流路切換弁51は、第3通路23が第2配管接続部12および第4配管接続部14に対峙する第2形態へ切り換えられている(図7D、図9D参照)。それゆえ、第4室内熱交換部40dを通過した冷媒は第2配管接続部12から第3通路23を通って第4配管接続部14に至る。そして、第4配管接続部14を出た冷媒は第2室内熱交換部40bに入る。
【0189】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第4室内熱交換部40dと第2室内熱交換部40bで室内空気と熱交換器して凝縮する。
【0190】
(9−2)冷房運転時の冷媒の流れ
(9−2−1)通常冷房A
流路切換弁51は、第1通路21が第2配管接続部12に対峙する第1形態に切り換えられている(図7B、図9B参照)。第1配管接続部11は閉じられているので、冷媒はバイパス路71を流れることができない。
【0191】
第1室内熱交換部40aを出て第3配管接続部13に入った冷媒、及び第2室内熱交換部40bを出て第4配管接続部に入った冷媒は、第2弁室102で合流し第1通路21を通って第2配管接続部12に至る。そして、第2配管接続部12を出た冷媒は第4室内熱交換部40dに入る。
【0192】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第1室内熱交換部40a、第2室内熱交換部40b、及び第4室内熱交換部40dを流れる間に室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0193】
(9−2−2)通常冷房B
流路切換弁51は、第1通路21が第1配管接続部11に対峙する第1形態に切り換えられている(図7A、図9A参照)。第2配管接続部12は閉じられているので、冷媒はバイパス路71を流れる。
【0194】
第1室内熱交換部40aを出て第3配管接続部13に入った冷媒、及び第2室内熱交換部40bを出て第4配管接続部に入った冷媒は、第2弁室102で合流し第1通路21を通って第1配管接続部11に至る。そして、第1配管接続部11を出た冷媒はバイパス71に入る。
【0195】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第1室内熱交換部40a、及び第2室内熱交換部40bを流れる間に室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0196】
(9−2−3)通常冷房C
冷房運転時、流路切換弁51は、第3通路23が第2配管接続部12および第4配管接続部14に対峙する第2形態へ切り換えられている(図7D、図9D参照)。それゆえ、第2室内熱交換部40bを通過した冷媒は第4配管接続部14から第3通路23を通って第2配管接続部12に至る。そして、第2配管接続部12を出た冷媒は第4室内熱交換部40dに入る。
【0197】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第2室内熱交換部40bと第4室内熱交換部40dで室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0198】
(9−3)省エネ冷房運転時の冷媒の流れ
省エネ冷房運転時、流路切換弁51は、第3通路23が第1配管接続部11および第3配管接続部13に対峙する第2形態へ切り換えられている(図7C、図9C参照)。それゆえ、第1室内熱交換部40aを通過した冷媒は第3配管接続部13から第3通路23を通って第1配管接続部11に至る。そして、第1配管接続部11を出た冷媒はバイパス路71に入る。
【0199】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第1室内熱交換部40aでのみ室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0200】
(9−4)再熱除湿運転時の冷媒の流れ
再熱除湿運転中、流路切換弁51は、通路断面積の小さい第2通路22が第2配管接続部12と対峙する第1形態を成している(図7F、図9F参照)。それゆえ、第1室内熱交換部40aを出て第3配管接続部13に入った冷媒、および第2室内熱交換部40bを出て第4配管接続部14に入った冷媒は、第2弁室102で合流し、第2通路22を通って第2配管接続部12に至る間に絞られて減圧される。そして、第2配管接続部12を出た冷媒は第4室内熱交換部40dに入り、室内空気と熱交換して蒸発する。
【0201】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第1室内熱交換部40a及び第2室内熱交換部40bで室内空気と熱交換して凝縮し第4室内熱交換部40dで室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0202】
(10)第2実施形態に係る流路切換弁51を備えた第4の空気調和機
上記第2実施形態に係る流路切換弁51を備えた第3の空気調和機では、第1配管接続部11にバイパス路71が接続され、第2配管接続部12に第4室内熱交換部40dが接続されているが、これに限定されない。
【0203】
図10Bは第2実施形態に係る流路切換弁51を備えた第4の空気調和機の構成図である。図10Bにおいて、第1配管接続部11に第3室内熱交換部40cが接続され、第2配管接続部12にバイパス路71が接続されている。
【0204】
暖房運転、冷房運転、省エネ冷房運転、および再熱除湿運転における流路切換弁51前後の冷媒の流れは、上記空気調和機と同じであるので、ここでは暖房運転、冷房運転、省エネ冷房運転、および再熱除湿運転における流路切換弁51内の冷媒の流れのみ説明する。
【0205】
(10−1)暖房運転時の冷媒の流れ
(10−1−1)通常暖房A
流路切換弁51は、第1通路21が第1配管接続部11に対峙する第1形態に切り換えられている(図7A、図9A参照)。第3室内熱交換部40cを出た冷媒は第1配管接続部11を通って第1弁室101に入り、第1通路21を通って第2弁室102に至る。冷媒は、第2弁室102において第3配管接続部13及び第4配管接続部14それぞれに分流する。第3配管接続部13を出た冷媒は第1室内熱交換部40aに入り、第4配管接続部14を出た冷媒は第2室内熱交換部40bに入る。
【0206】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第3室内熱交換部40c、第1室内熱交換部40a及び第2室内熱交換部40bを流れる間に室内空気と熱交換器して凝縮する。
【0207】
(10−1−2)通常暖房B
流路切換弁51は、第1通路21が第2配管接続部12に対峙する第1形態に切り換えられている(図7B、図9B参照)。バイパス71を出た冷媒は第2配管接続部12を通って第1弁室101に入り、第1通路21を通って第2弁室102に至る。冷媒は、第2弁室102において第3配管接続部13及び第4配管接続部14それぞれに分流する。第3配管接続部13を出た冷媒は第1室内熱交換部40aに入り、第4配管接続部14を出た冷媒は第2室内熱交換部40bに入る。
【0208】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第1室内熱交換部40a及び第2室内熱交換部40bを流れる間に室内空気と熱交換器して凝縮する。
【0209】
(10−1−3)通常暖房C
流路切換弁51は、第3通路23が第1配管接続部11および第3配管接続部13に対峙する第2形態へ切り換えられている(図7C、図9C参照)。それゆえ、第3室内熱交換部40cを通過した冷媒は第1配管接続部11から第3通路23を通って第3配管接続部13に至る。そして、第3配管接続部13を出た冷媒は第1室内熱交換部40aに入る。
【0210】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第3室内熱交換部40c及び第1室内熱交換部40aで室内空気と熱交換器して凝縮する。
【0211】
(10−2)冷房運転時の冷媒の流れ
(10−2−1)通常冷房A
流路切換弁51は、第1通路21が第1配管接続部11に対峙する第1形態に切り換えられている(図7A、図9A参照)。第2配管接続部12は閉じられているので、冷媒はバイパス路71を流れることができない。
【0212】
第1室内熱交換部40aを出て第3配管接続部13に入った冷媒、及び第2室内熱交換部40bを出て第4配管接続部14に入った冷媒は、第2弁室102で合流し第1通路21を通って第1配管接続部11に至る。そして、第1配管接続部11を出た冷媒は第3室内熱交換部40cに入る。
【0213】
つまり、室内熱交換器40内では、第1室内熱交換部40a、第2室内熱交換部40b、及び第3室内熱交換部40cを流れる間に室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0214】
(10−2−2)通常冷房B
流路切換弁51は、第1通路21が第2配管接続部12に対峙する第1形態に切り換えられている(図7B、図9B参照)。第1配管接続部11は閉じられているので、冷媒はバイパス路71を流れる。
【0215】
第1室内熱交換部40aを出て第3配管接続部13に入った冷媒、及び第2室内熱交換部40bを出て第4配管接続部14に入った冷媒は、第2弁室102で合流し第1通路21を通って第2配管接続部12に至る。そして、第2配管接続部12を出た冷媒はバイパス71に入る。
【0216】
つまり、室内熱交換器40内では、第1室内熱交換部40a、及び第2室内熱交換部40bを流れる間に室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0217】
(10−2−3)通常冷房C
流路切換弁51は、第3通路23が第1配管接続部11および第3配管接続部13に対峙する第2形態へ切り換えられている(図7C、図9C参照)。それゆえ、第1室内熱交換部40aを通過した冷媒は第3配管接続部13から第3通路23を通って第1配管接続部11に至る。そして、第1配管接続部11を出た冷媒は第3室内熱交換部40cに入る。
【0218】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第1室内熱交換部40a及び第3室内熱交換部40cで室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0219】
(10−3)省エネ冷房運転時の冷媒の流れ
省エネ冷房運転時、流路切換弁51は、第3通路23が第2配管接続部12および第4配管接続部14に対峙する第2形態へ切り換えられている(図7D、図9D参照)。それゆえ、第2室内熱交換部40bを通過した冷媒は第4配管接続部14から第3通路23を通って第2配管接続部12に至る。そして、第2配管接続部12を出た冷媒はバイパス路71に入る。
【0220】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第2室内熱交換部40bでのみ室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0221】
(10−4)再熱除湿運転時の冷媒の流れ
再熱除湿運転中、流路切換弁51は、通路断面積の小さい第2通路22が第1配管接続部11と対峙する第1形態を成している(図7E、図9E参照)。それゆえ、第1室内熱交換部40aを出て第3配管接続部13に入った冷媒、および第2室内熱交換部40bを出て第4配管接続部14に入った冷媒は、第2弁室102で合流し、第2通路22を通って第1配管接続部11に至る間に絞られて減圧される。そして、第1配管接続部11を出た冷媒は第3室内熱交換部40cに入り、室内空気と熱交換して蒸発する。
【0222】
つまり、室内熱交換器40内では、冷媒は、第1室内熱交換部40a及び第2室内熱交換部40bで室内空気と熱交換して凝縮し第3室内熱交換部40cで室内空気と熱交換器して蒸発する。
【0223】
(11)第2実施形態に係る流路切換弁を備えた第3及び第4の空気調和機の特徴
(11−1)
第2実施形態に係る流路切換弁51を備えた第3及び第4の空気調和機では、室内熱交換器40の使用容量が小さくなることによって、室内熱交換器40全体への送風量が変わらず、冷媒を流す室内熱交換器40の容量が小さくなるので、吸い込み空気は顕熱が多く奪われることなく除湿される。
【0224】
(11−2)
また、第3配管接続部13および第4配管接続部14を流入口として、第1配管接続部11または第2配管接続部12を流出口として利用することによって、再熱除湿運転時、2つの凝縮器からの冷媒を減圧して、1つに蒸発器へ送る構成が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0225】
以上のように、本願発明によれば、流体のパス数の切換、およびバイパス回路等への切り換えが1つの流路切換弁によって行われるので空気調和装置に有用である。
【符号の説明】
【0226】
5 圧縮機
7 膨張弁(減圧器)
8 制御部
10 本体
11 第1配管接続部(第1流入口)
12 第2配管接続部(第2流入口)
13 第3配管接続部(第1流出口)
14 第4配管接続部(第2流出口)
20 弁体(可動体)
21,21a,21b 第1通路
22,22a,22b 第2通路
23 第3通路
40 室内熱交換器
40a 第1室内熱交換部
40b 第2室内熱交換部
40c 第3室内熱交換部
40d 第4室内熱交換部
41 第1室内熱交換部群
42 第2室内熱交換部群
46 室外熱交換器
51 流路切換弁
61 バイパス路
71 バイパス路
101 第1弁室
102 第2弁室
【先行技術文献】
【特許文献】
【0227】
【特許文献1】特開2003−148830号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒の流れる経路を切り換える流路切換弁であって、
第1流入口(11)、第2流入口(12)、第1流出口(13)及び第2流出口(14)が設けられている本体(10)と、
前記本体(10)内部を、前記第1流入口(11)および前記第2流入口(12)に通じる第1弁室(101)と、前記第1流出口(13)および前記第2流出口(14)に通じる第2弁室(102)とに仕切る弁体(20)と、
前記弁体(20)を前記本体(10)の長軸回りに回転させる駆動部(30)と、
を備え、
前記弁体(20)は、
前記第1弁室(101)及び前記第2弁室(102)を貫通して前記第1流入口(11)と前記第1流出口(13)とを連絡する通路と、
前記第1弁室(101)及び前記第2弁室(102)を貫通して前記第2流入口(12)と前記第2流出口(14)とを連絡する通路と、
を有し、
さらに、前記弁体(20)は前記通路を移動させて、
第1流入口(11)及び第2流入口(12)から流入させた冷媒を第1流出口(13)及び第2流出口(14)へ導く第1形態、及び、
前記第1流入口(11)のみから流入させた冷媒を前記第1流出口(13)のみへ導く第2形態、
のいずれか一方への切り換えを行う、
流路切換弁(51)。
【請求項2】
前記通路は、
第1通路(21a、21b)と、
通路断面積が前記第1通路(21a,21b)の通路断面積よりも小さく形成されている冷媒減圧区間を有する第2通路(22a,22b)と、
を含み、
前記第1形態への切り換えが行われるとき、前記第1通路(21a,21b)または前記第2通路(22a,22b)のいずれか一方が選択される、
請求項1に記載の流路切換弁(51)。
【請求項3】
前記冷媒減圧区間には、ボール(25)と前記ボール(25)を受ける弁座(27)とが配置されている、
請求項2に記載の流路切換弁(51)。
【請求項4】
前記弁座(27)に、ブリード孔(27a)が形成されている、
請求項3に記載の流路切換弁(51)。
【請求項5】
冷媒の流れる経路を切り換える流路切換弁であって、
第1流入口(11)、第2流入口(12)、第1流出口(13)及び第2流出口(14)が設けられている本体(10)と、
前記本体(10)内部を、前記第1流入口(11)および前記第2流入口(12)に通じる第1弁室(101)と、前記第1流出口(13)および前記第2流出口(14)に通じる第2弁室(102)とに仕切る弁体(20)と、
前記弁体(20)を前記本体(10)の長軸回りに回転させる駆動部(30)と、
を備え、
前記弁体(20)は、
前記第1弁室(101)を貫通して前記第1流入口(11)と前記第1流出口(13)及び第2流出口(14)とを連絡する通路と、
前記第1弁室(101)及び前記第2弁室(102)を貫通して前記第1流入口(11)と前記第1流出口(13)とを連絡する通路と、
を有し、
さらに、前記弁体(20)は、
前記第1流入口(11)のみから流入させた冷媒を前記第1流出口(13)及び前記第2流出口(14)へ導く第1形態、及び、
前記第1流入口(11)のみから流入させた冷媒を前記第1流出口(13)のみへ導く第2形態、
のいずれか一方への切り換えを行う、
流路切換弁(51)。
【請求項6】
前記通路は、
第1通路(21)と、
通路断面積が前記第1通路(21)の通路断面積よりも小さく形成されている冷媒減圧区間を有する第2通路(22)と、
を含み、
前記第1形態への切り換えが行われるとき、前記第1通路(21)または前記第2通路(22)のいずれか一方が選択される、
請求項5に記載の流路切換弁(51)。
【請求項7】
前記冷媒減圧区間には、ボール(25)と前記ボール(25)を受ける弁座(27)とが配置されている、
請求項6に記載の流路切換弁(51)。
【請求項8】
前記弁座(27)に、ブリード孔(27a)が形成されている、
請求項7に記載の流路切換弁(51)。
【請求項9】
圧縮機(5)、凝縮器、減圧器(7)、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、
制御部(8)と、
暖房運転時には前記凝縮器となり、冷房運転時には前記蒸発器となる室内熱交換器(40)と、
暖房運転時には前記蒸発器となり、冷房運転時には前記凝縮器となる室外熱交換器(46)と、
を備え、
前記室内熱交換器(40)は、
第1室内熱交換部(40a)、及び前記第1室内熱交換部(40a)と並列に接続される第2室内熱交換部(40b)を含む第1室内熱交換部群(41)と、
第3室内熱交換部(40c)、及び前記第3室内熱交換部(40c)と並列に接続される第4室内熱交換部(40d)を含む第2室内熱交換部群(42)と、
前記第1室内熱交換部群(41)と前記第2室内熱交換部群(42)との間に配置される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の流路切換弁(51)と、
を有し、
前記第1室内熱交換部(40a)が前記第1流入口(11)に、前記第2室内熱交換部(40b)が前記第2流入口(12)に、前記第3室内熱交換部(40c)が前記第1流出口(13)に、前記第4室内熱交換部(40d)が前記第2流出口(14)に接続されており、
前記制御部(8)は、能力を抑制して冷房運転を行うとき、前記流路切換弁(51)を前記第2形態へ切り換える、
空気調和機。
【請求項10】
圧縮機(5)、凝縮器、減圧器(7)、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、
制御部(8)と、
暖房運転時には前記凝縮器となり、冷房運転時には前記蒸発器となる室内熱交換器(40)と、
暖房運転時には前記蒸発器となり、冷房運転時には前記凝縮器となる室外熱交換器(46)と、
を備え、
前記室内熱交換器(40)は、
第2室内熱交換部(40b)を含む第1室内熱交換部群(41)と、
第3室内熱交換部(40c)、及び前記第3室内熱交換部(40c)と並列に接続される第4室内熱交換部(40d)を含む第2室内熱交換部群(42)と、
前記第1室内熱交換部群(41)と前記第2室内熱交換部群(42)との間に配置される、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の流路切換弁(51)と、
を有し、
前記減圧器(7)及び前記室内熱交換器(40)を結ぶ配管と前記流路切換弁(51)とはバイパス路(61)によって結ばれ、
前記バイパス路(61)が前記第1流入口(11)に、前記第2室内熱交換部(40b)が第2流入口(12)に、前記第3室内熱交換部(40c)が前記第1流出口(13)に、前記第4室内熱交換部(40d)が前記第2流出口(14)に接続されており、
前記制御部(8)は、能力を抑制して冷房運転を行うとき、前記流路切換弁(51)を、前記第2形態へ切り換える、
空気調和機。
【請求項11】
圧縮機(5)、四路切換弁(2)、凝縮器、減圧器(7)、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、
制御部(8)と、
暖房運転時には前記凝縮器となり、冷房運転時には前記蒸発器となる室内熱交換器(40)と、
暖房運転時には前記蒸発器となり、冷房運転時には前記凝縮器となる室外熱交換器(46)と、
を備え、
前記室内熱交換器(40)は、
第1室内熱交換部(40a)、及び前記第1室内熱交換部(40a)と並列に接続される第2室内熱交換部(40b)を含む第1室内熱交換部群(41)と、
第4室内熱交換部(40d)を含む第2室内熱交換部群(42)と、
前記第1室内熱交換部群(41)と前記第2室内熱交換部群(42)との間に配置される、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の流路切換弁(51)と、
を有し、
前記四路切換弁(2)及び前記室内熱交換器(40)を結ぶ配管と前記流路切換弁(51)とはバイパス路(71)によって結ばれ、
前記第1室内熱交換部(40a)が前記第1流出口(13)に、前記第2室内熱交換部(40b)が前記第2流出口(14)に、前記バイパス路(71)が前記第1流入口(11)に、前記第4室内熱交換部(40d)が前記第2流入口(12)に接続されており、
前記制御部(8)は、能力を抑制して冷房運転を行うとき、前記流路切換弁(51)を、前記第2形態へ切り換える、
空気調和機。
【請求項12】
圧縮機(5)、凝縮器、減圧器(7)、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、
制御部(8)と、
暖房運転時には前記凝縮器となり、冷房運転時には前記蒸発器となる室内熱交換器(40)と、
暖房運転時には前記蒸発器となり、冷房運転時には前記凝縮器となる室外熱交換器(46)と、
を備え、
前記室内熱交換器(40)は、
第1室内熱交換部(40a)、及び前記第1室内熱交換部(40a)と並列に接続される第2室内熱交換部(40b)を含む第1室内熱交換部群(41)と、
第3室内熱交換部(40c)、及び前記第3室内熱交換部(40c)と並列に接続される第4室内熱交換部(40d)を含む第2室内熱交換部群(42)と、
前記第1室内熱交換部群(41)と前記第2室内熱交換部群(42)との間に配置される、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の流路切換弁(51)と、
を有し、
前記第1室内熱交換部(40a)が前記第1流入口(11)に、前記第2室内熱交換部(40b)が前記第2流入口(12)に、前記第3室内熱交換部(40c)が前記第1流出口(13)に、前記第4室内熱交換部(40d)が前記第2流出口(14)に接続されており、
前記制御部(8)は、再熱除湿運転を行うときは、前記流路切換弁(51)を、前記第2通路を用いた第1形態へ切り換える、
空気調和機。
【請求項13】
圧縮機(5)、凝縮器、減圧器(7)、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、
制御部(8)と、
暖房運転時には前記凝縮器となり、冷房運転時には前記蒸発器となる室内熱交換器(40)と、
暖房運転時には前記蒸発器となり、冷房運転時には前記凝縮器となる室外熱交換器(46)と、
を備え、
前記室内熱交換器(40)は、
第1室内熱交換部(40a)を含む第1室内熱交換部群(41)と、
第3室内熱交換部(40c)、及び前記第3室内熱交換部(40c)と並列に接続される第4室内熱交換部(40d)を含む第2室内熱交換部群(42)と、
前記第1室内熱交換部群(41)と前記第2室内熱交換部群(42)との間に配置される、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の流路切換弁(51)と、
を有し、
前記減圧器(7)及び前記室内熱交換器(40)を結ぶ配管と前記流路切換弁(51)とはバイパス路(61)によって結ばれ、
前記第1室内熱交換部(40a)が前記第1流入口(11)に、前記バイパス路(61)が前記第2流入口(12)に、前記第3室内熱交換部(40c)が前記第1流出口(13)に、前記第4室内熱交換部(40d)が前記第2流出口(14)に接続されており、
前記制御部(8)は、再熱除湿運転を行うときは、前記流路切換弁(51)を、前記第2通路を用いた第1形態へ切り換える、
空気調和機。
【請求項14】
圧縮機(5)、四路切換弁(2)、凝縮器、減圧器(7)、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、
制御部(8)と、
暖房運転時には前記凝縮器となり、冷房運転時には前記蒸発器となる室内熱交換器(40)と、
暖房運転時には前記蒸発器となり、冷房運転時には前記凝縮器となる室外熱交換器(46)と、
を備え、
前記室内熱交換器(40)は、
第1室内熱交換部(40a)、及び前記第1室内熱交換部(40a)と並列に接続される第2室内熱交換部(40b)を含む第1室内熱交換部群(41)と、
第3室内熱交換部(40c)を含む第2室内熱交換部群(42)と、
前記第1室内熱交換部群(41)と前記第2室内熱交換部群(42)との間に配置される、請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の流路切換弁(51)と、
を有し、
前記四路切換弁(2)及び前記室内熱交換器(40)を結ぶ配管と前記流路切換弁(51)とはバイパス路(71)によって結ばれ、
前記第1室内熱交換部(40a)が前記第1流出口(13)に、前記第2室内熱交換部(40b)が前記第2流出口(14)に、前記第3室内熱交換部(40c)が前記第1流入口(11)に、前記バイパス路(71)が前記第2流入口(12)に接続されており、
前記制御部(8)は、再熱除湿運転を行うときは、前記流路切換弁(51)を、前記第2通路を用いた第1形態へ切り換える、
空気調和機。
【請求項15】
圧縮機(5)、凝縮器、減圧器(7)、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、
制御部(8)と、
暖房運転時には前記凝縮器となり、冷房運転時には前記蒸発器となる室内熱交換器(40)と、
暖房運転時には前記蒸発器となり、冷房運転時には前記凝縮器となる室外熱交換器(46)と、
を備え、
前記室内熱交換器(40)は、
第1室内熱交換部(40a)を含む第1室内熱交換部群(41)と、
第3室内熱交換部(40c)、及び前記第3室内熱交換部(40c)と並列に接続される第4室内熱交換部(40d)を含む第2室内熱交換部群(42)と、
前記第1室内熱交換部群(41)と前記第2室内熱交換部群(42)との間に配置される、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の流路切換弁(51)と、
を有し、
前記減圧器(7)及び前記室内熱交換器(40)を結ぶ配管と前記流路切換弁(51)とはバイパス路(61)によって結ばれ、
前記第1室内熱交換部(40a)が前記第1流入口(11)に、前記バイパス路(61)が前記第2流入口(12)に、前記第3室内熱交換部(40c)が前記第1流出口(13)に、前記第4室内熱交換部(40d)が前記第2流出口(14)に接続されており、
前記制御部(8)は、能力を抑制して冷房運転を行うとき、前記流路切換弁(51)を、前記第2形態へ切り換える、
空気調和機。
【請求項16】
圧縮機(5)、四路切換弁(2)、凝縮器、減圧器(7)、及び蒸発器の順で冷媒が循環する蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する空気調和機であって、
制御部(8)と、
暖房運転時には前記凝縮器となり、冷房運転時には前記蒸発器となる室内熱交換器(40)と、
暖房運転時には前記蒸発器となり、冷房運転時には前記凝縮器となる室外熱交換器(46)と、
を備え、
前記室内熱交換器(40)は、
第1室内熱交換部(40a)、及び前記第1室内熱交換部(40a)と並列に接続される第2室内熱交換部(40b)を含む第1室内熱交換部群(41)と、
第3室内熱交換部(40c)を含む第2室内熱交換部群(42)と、
前記第1室内熱交換部群(41)と前記第2室内熱交換部群(42)との間に配置される、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の流路切換弁(51)と、
を有し、
前記四路切換弁(2)及び前記室内熱交換器(40)を結ぶ配管と前記流路切換弁(51)とはバイパス路(71)によって結ばれ、
前記第1室内熱交換部(40a)が前記第1流出口(13)に、前記第2室内熱交換部(40b)が前記第2流出口(14)に、前記第3室内熱交換部(40c)が前記第1流入口(11)に、前記バイパス路(71)が前記第2流入口(12)に接続されており、
前記制御部(8)は、能力を抑制して冷房運転を行うとき、前記流路切換弁(51)を、前記第2形態へ切り換える、
空気調和機。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図10A】
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【図10B】
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【公開番号】特開2012−242046(P2012−242046A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114872(P2011−114872)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【出願人】(391002166)株式会社不二工機 (451)
【Fターム(参考)】