説明

流路切替装置

【課題】簡易な構成で、流体流入部と複数の流体流出部との選択的な連通を切り替え、流体流入部に流入した流体を複数の流体流出部からより多くのパターンで流出させることができる流路切替装置を提供する。
【解決手段】複数の第2貫通穴32a〜32c及び複数の噴出口5〜7が選択的に連通する一の状態で、第2ディスク22に対して第1ディスク21を相対回動させて空気流入口16dと複数の噴出口5〜7とを第1貫通穴31a〜31c及び第2貫通穴32a〜32cを介して一のパターンで選択的に連通し、第1及び第2ディスク21,22を一体回動させて複数の第2貫通穴32a〜32c及び複数の噴出口5〜7の選択的な連通を切り替えた他の状態で、第2ディスク22に対して第1ディスク21を相対回動させて、空気流入口16dと複数の噴出口5〜7とを第1貫通穴31a〜31c及び第2貫通穴32a〜32cを介して他のパターンで選択的に連通する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路切替装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、流路切替装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この流路切替装置は、回転軸方向に空気流入口(H0)を有するとともに周方向に複数の空気流出口(H1〜H6)を有するハウジング(72)と、該ハウジングに回転自在に収納され、回転軸方向に空気流入口(R0)を有するとともに該空気流入口と連通する空気流出口(R1)を周方向に有する回転子(71)とを備えて構成される。そして、回転子は、その空気流出口がハウジングの複数の空気流出口のいずれか一つに連通するようにモータ(73)にて回転駆動される。つまり、この流路切替装置は、一つの空気流入口に対して複数の空気流出口を有するハウジングを備えており、該ハウジングに収納される回転子を回転させることで流路を切り替える。これにより、一台の送風装置で複数箇所に吹き分けて空気を送ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−240136号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の流路切替装置では、回転子の回転によりその空気流出口とハウジングの複数の空気流出口のいずれか一つとを連通させて、一台の送風装置による空気の吹き分けを行っているため、該吹き分けのパターンが選択されたいずれか一箇所のみの限られたものとなっている。
【0005】
本発明の目的は、簡易な構成で、流体流入部と複数の流体流出部との選択的な連通を切り替え、流体流入部に流入した流体を複数の流体流出部からより多くのパターンで流出させることができる流路切替装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、流体の流入する筒状の流体流入部と、前記流体流入部に流入した流体の流出可能な複数の流体流出部が周方向に並設され、前記流体流入部の下流側開口端部を閉塞する蓋体と、前記蓋体に回動自在に積層され、前記複数の流体流出部に選択的に連通可能な複数の第1貫通穴及び第2貫通穴が周方向にそれぞれ並設された第1ディスク及び第2ディスクと、前記第1ディスクを回動駆動する駆動源と、前記第1及び第2ディスクのいずれか一方に設けられた係合突部と、前記第1及び第2ディスクのいずれか他方に設けられ、前記係合突部が遊挿されて前記第2ディスクに対する前記第1ディスクの所定角度範囲での相対回動を許容するとともに該所定角度範囲の終端で前記第1及び第2ディスクが一体回動するように前記係合突部に係合される係合凹部とを備え、前記複数の第2貫通穴及び前記複数の流体流出部が選択的に連通する一の状態で、前記第2ディスクに対して前記第1ディスクを相対回動させて前記流体流入部と前記複数の流体流出部とを前記第1及び第2貫通穴を介して一のパターンで選択的に連通し、前記第1及び第2ディスクを一体回動させて前記複数の第2貫通穴及び前記複数の流体流出部の選択的な連通を切り替えた他の状態で、前記第2ディスクに対して前記第1ディスクを相対回動させて、前記流体流入部と前記複数の流体流出部とを前記第1及び第2貫通穴を介して他のパターンで選択的に連通することを要旨とする。
【0007】
同構成によれば、前記複数の第2貫通穴及び前記複数の流体流出部が選択的に連通する一の状態で、前記第2ディスクに対して前記第1ディスクを相対回動させて前記流体流入部と前記複数の流体流出部とを前記第1及び第2貫通穴を介して一のパターンで選択的に連通し、あるいは前記第1及び第2ディスクを一体回動させて前記複数の第2貫通穴及び前記複数の流体流出部の選択的な連通を切り替えた他の状態で、前記第2ディスクに対して前記第1ディスクを相対回動させて、前記流体流入部と前記複数の流体流出部とを前記第1及び第2貫通穴を介して他のパターンで選択的に連通することができる。このように、2枚のディスク(第1及び第2ディスク)を用いて、各々の回転位置の組み合わせを変更することで、前記流体流入部と前記複数の流体流出部との前記第1及び第2貫通穴を介した選択的な連通を切り替え、前記流体流入部に流入した流体を前記複数の流体流出部からより多くのパターンで流出させることができる。また、前記蓋体に積層された2枚のディスクを用いた極めて簡易な構成を採用したことで、装置全体をより小型化することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の流路切替装置において、前記流体流出部、前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴は、それぞれ互いに同一の所定角度間隔に3個配設されており、前記第2ディスクに対する前記第1ディスクの相対回動が許容される前記所定角度範囲は、前記所定角度の2倍に設定されていることを要旨とする。
【0009】
同構成によれば、前記第2ディスクに対する前記第1ディスクの相対回動並びに前記第1及び第2ディスクの一体回動を組み合わせることで、前記第1及び第2ディスクによりいずれか一つの前記流体流出部の連通を遮断することができる。従って、前記流体流入部と前記複数(3個)の流体流出部との前記第1及び第2貫通穴を介した連通は、少なくとも一つ以上の流体流出部が連通する互いに異なる全てのパターン(パターン数:7=2^3−1)で実現することができる。これにより、少ない個数の前記流体流出部等で、前記流体流入部と前記複数(3個)の流体流出部との連通のパターンを効率的により多く得ることができ、ひいては装置全体としてより小型化することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の流路切替装置において、前記所定角度は90°であることを要旨とする。
同構成によれば、前記流体流出部、前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴は、それぞれ前記蓋体、前記第1ディスク及び前記第2ディスクの270°(=90°×3)の角度範囲で配設されている。従って、いずれか一つの前記流体流出部の連通を、前記第1及び第2ディスクの残りの90°の角度範囲でそれぞれ遮断することができる。このように、前記蓋体、前記第1ディスク及び前記第2ディスクのスペースを有効利用して前記流体流出部、前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴を配設することで、これら流体流出部、第1貫通穴及び第2貫通穴の開口面積をそれぞれより大きくすることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の流路切替装置において、前記第2ディスクは、前記第1ディスク及び前記蓋体間に挟み込まれており、前記第2ディスク及び前記蓋体間に設けられ、前記複数の第2貫通穴及び前記複数の流体流出部が選択的に連通する状態で前記第2ディスクを回り止めする保持手段を備えたことを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、前記保持手段により前記第2ディスクが回り止めされることで、該第2ディスクに対する前記第1ディスクの相対回動時に前記第2ディスクに生じる位置ずれ(連れ回り)を抑制することができ、流路切替の信頼性を向上することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、簡易な構成で、流体流入部と複数の流体流出部との選択的な連通を切り替え、流体流入部に流入した流体を複数の流体流出部からより多くのパターンで流出させることができる流路切替装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態を示す分解斜視図。
【図2】(a)は同実施形態を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図。
【図3】(a)(b)は、第1ディスクを示す平面図及び背面図。
【図4】(a)(b)は、第2ディスクを示す平面図及び背面図。
【図5】(a)(b)は、蓋体を示す平面図及び背面図。
【図6】(a)〜(e)は、同実施形態の動作を模式的に示す断面図。
【図7】各パターンと対応する第1〜第3噴出口の連通・非連通との関係を示す一覧図。
【図8】(a)〜(d)は、各パターンにおける第1及び第2ディスクの回転角度を示す説明図。
【図9】(a)〜(c)は、各パターンにおける第1及び第2ディスクの回転角度を示す説明図。
【図10】換気機能付きベッドを示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図10は、本実施形態に係る流路切替装置が適用される換気機能付きベッド1を示す概略図である。同図に示されるように、この換気機能付きベッド1は、略直方体状のマットレス2を備えるとともに、該マットレス2の足下側でこれに内蔵された箱状の送風装置3を備える。そして、この送風装置3には、マットレス2内でその幅方向に延在して外部空気の吸入可能な吸気口4が連通している。
【0016】
また、送風装置3は、吸入した外部空気を噴出可能な複数(3個)の流体流出部としてのノズル状の第1噴出口5、第2噴出口6及び第3噴出口7を備えている。そして、第1噴出口5には、マットレス2内でその長さ方向に延在するとともに幅方向に屈曲する先端部から前記吸入した外部空気を噴出可能な風路8が連通している。また、第2噴出口6には、マットレス2内でその長さ方向に延在するとともに幅方向に屈曲する先端部から前記吸入した外部空気を噴出可能な風路9が連通している。さらに、第3噴出口7には、マットレス2内でその幅方向に延在するとともにこれに連続して長さ方向に延在し、幅方向に折り返す態様で屈曲する先端部から前記吸入した外部空気を噴出可能な風路10が連通している。
【0017】
送風装置3には、その操作用のリモコン11が電気的に接続されている。送風装置3は、リモコン11の駆動操作によって外部空気の風を発生するとともに、リモコン11の選択操作によって3個の噴出口5〜7の少なくとも一箇所から前記吸入した外部空気を選択的に噴出する。これにより、風路8〜10の先端部の少なくとも一箇所から外部空気が噴出される。なお、風路8〜10の外部空気を噴出する各先端部は、マットレス2の表層部をなす通気構造のキルト層2aに開口している。従って、送風装置3に吸入された外部空気がキルト層2aを介してマットレス2の表面まで送られることで、通気性に優れた快適な環境での睡眠が実現される。
【0018】
次に、前記送風装置3について更に説明する。図1は、送風装置3を示す分解斜視図である。また、図2(a)は、送風装置3を示す平面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A線に沿った断面図である。同図に示されるように、送風装置3の外形をなすハウジング16は、四角筒状の側壁部16a及び該側壁部16aの開口方向(図2(b)の上下方向)中間部でこれを閉塞する底壁部16bを一体的に有する。そして、底壁部16bの一側(図2(a)の左上側)には、前記側壁部16aとともに略四角筒形状をなす収容部16cが立設されるとともに、底壁部16bの他側(図2(a)の右側)には、略円筒形状をなす流体流入部としての空気流入口16dが立設されている。これら収容部16c及び空気流入口16dは、図示左右方向における各々の対向部が切り欠かれるとともに、当該左右方向に延在する連結壁16eによって連結されている。なお、底壁部16bには、空気流入口16dの中心部で段付き円筒状に突設された軸受部16f(図2(b)参照)が立設されている。
【0019】
図2(a)に示すように、収容部16cには、例えば羽根車式の送風機18が収容されている。そして、側壁部16aの開口部には、収容部16c、空気流入口16d及び連結壁16eの各先端に密着する態様で四角板状のカバー19が装着・固定されている。このカバー19には、前記空気流入口16dと同心で、その内径と同等の内径を有して開口する円形孔19aが形成されている。従って、収容部16c及び連結壁16eは、側壁部16a、底壁部16b及びカバー19とともに空気流入口16dに連通する空気通路20を形成しており、前記送風機18の駆動で送られる流体としての空気(風)は、空気通路20を介して空気流入口16dに流入する。この空気流入口16dに流入する空気は、前記吸気口4から吸入した外部空気である。
【0020】
図2(b)に示すように、底壁部16bの下面には、駆動源としてのステッピングモータ17が設置されており、その回転軸17aは、底壁部16bを貫通して前記軸受部16f内に現出している。一方、空気流入口16dの開口端部には、その内径と同等の外径を有する円盤状の第1ディスク21が収納されており、その中心部には、前記軸受部16fの外径及び内径の各々と同等の外径を有する段付き円柱状の軸部21aが突設されている。この軸部21aは、前記軸受部16fに当接する段差部にて軸線方向への移動が規制されるとともに、該軸受部16f内に挿入される先端部にてこれに軸支されている。また、軸部21aは、軸受部16f内に挿入される先端部が前記回転軸17aに一体回転するように連結されている。従って、第1ディスク21は、軸部21aを中心に空気流入口16dに回動自在に収納されており、前記ステッピングモータ17にて回動駆動される。
【0021】
図3(a)(b)に示すように、第1ディスク21には、複数(3個)の円形の第1貫通穴31a,31b,31cが周方向に所定角度(90°)間隔で並設されている。これら第1貫通穴31a〜31cは、互いに同一の開口面積を有している。つまり、第1貫通穴31a〜31cは、第1ディスク21の270°(=90°×3)の角度範囲で配設されており、該第1ディスク21の残りの90°の角度範囲は遮断部31dを形成する。従って、第1ディスク21は、空気流入口16dの内周面に近接又は摺接する外周部等において該空気流入口16dに軸支される態様で空気流入口16dを閉塞するとともに、第1貫通穴31a〜31cにおいて空気流入口16dを開放する。
【0022】
なお、第1ディスク21の中心部には、その上面から下側に円形に凹設された軸受凹部21bが形成されている。また、第1ディスク21には、第1貫通穴31b,31cの中間の角度位置となる軸受凹部21bの外周側で、その上面から上側に突設された係合突部21cが形成されている。この係合突部21cは、軸受凹部21bを中心とする尖鋭な扇形状を呈しており、その突出長は第1ディスク21の板厚と同等に設定されている。
【0023】
図2(b)に示すように、空気流入口16dの開口端部には、その内径と同等の外径を有する円盤状の第2ディスク22が前記第1ディスク21の上面に重ねられる態様で収納されており、その中心部には、前記軸受凹部21bの内径と同等の外径を有する円柱状の軸部22a,22bが下側及び上側にそれぞれ突設されている。各軸部22a,22bの突出長は、第2ディスク22の板厚と同等に設定されている。そして、一方の軸部22aは、前記軸受凹部21bに挿入されてこれに軸支されている。従って、第2ディスク22も、軸部22aを中心に空気流入口16dに回動自在に収納されている。
【0024】
図4(a)(b)に示すように、第2ディスク22には、軸部22aの外周側で、上下方向に貫通する係合凹部としての係合孔22cが形成されている。この係合孔22cは、第2ディスク22の略180°の角度範囲に扇状に延在しており、前記係合突部21cが遊挿される(図2(b)参照)。そして、係合孔22cは、係合突部21cを空走させる態様で第2ディスク22に対する第1ディスク21の所定角度範囲(180°)での相対回動を許容するとともに該所定角度範囲の終端で第1及び第2ディスク21,22が一体回動するように係合突部21cに係合される。すなわち、第1ディスク21の回動に伴い前記係合突部21cが係合孔22cの周方向におけるいずれかの終端に達すると、第1ディスク21の更なる回動に伴い係合突部21cが係合孔22cの当該終端を押圧することで、第2ディスク22が一体回動する。
【0025】
さらに、第2ディスク22には、複数(3個)の円形の第2貫通穴32a,32b,32cが周方向に所定角度(90°)間隔で並設されている。これら第2貫通穴32a〜32cの開口面積は、第1貫通穴31a〜31cの開口面積と同等に設定されている。つまり、第2貫通穴32a〜32cは、第2ディスク22の270°(=90°×3)の角度範囲で配設されており、該第2ディスク22の残りの90°の角度範囲は遮断部32dを形成する。これら第2貫通穴32a〜32cの軸部22a(軸受凹部21b)からの離隔距離は、前記第1貫通穴31a〜31cの軸受凹部21bからの離隔距離と同等に設定されている。従って、第2ディスク22は、空気流入口16dの内周面に近接又は摺接する外周部等において該空気流入口16dに軸支される態様で空気流入口16dを閉塞するとともに、第2貫通穴32a〜32cにおいて第1ディスク21を介して空気流入口16dを開放する。
【0026】
なお、第2ディスク22には、軸部22bの外周側で、その上面から上側に突設された複数(4個)の突部22dが周方向に所定角度(90°)間隔で並設されている。各突部22dは、径方向に延在する蒲鉾形状を呈しており、その突出長は第2ディスク22の板厚よりも小さく設定されている。
【0027】
図2(b)に示すように、空気流入口16dの開口端(下流側開口端部)には、前記円形孔19aの内径と同等の外径を有する円盤状の蓋体23が前記第2ディスク22の上面に更に重ねられる態様で固定されている。この蓋体23は、前記カバー19と面一になるように円形孔19aを閉塞する。また、蓋体23の中心部には、前記軸部22bの外径と同等の内径を有する円形の軸受孔23aが形成されており、該軸受孔23aに挿入される軸部22bを軸支する。従って、第1及び第2ディスク21,22は、軸受部16f及び蓋体23により軸線方向への移動が規制される態様で、蓋体23に回動自在に積層されている。これら第1及び第2ディスク21,22、蓋体23の板厚は、互いに同等に設定されている。
【0028】
そして、図5(a)(b)に示すように、前記第1〜第3噴出口5〜7は、蓋体23に配設されている。これら第1〜第3噴出口5〜7は、周方向に所定角度(90°)間隔で並設されている。これら第1〜第3噴出口5〜7の軸受孔23a(軸部22b)からの離隔距離は、前記第2貫通穴32a〜32cの軸部22bからの離隔距離と同等に設定されている。すなわち、第1〜第3噴出口5〜7、第1貫通穴31a〜31c及び第2貫通穴32a〜32cは、軸受孔23aを中心とする同一の円上に配置されている。また、第1〜第3噴出口5〜7の開口面積は、第2貫通穴32a〜32cの開口面積と同等に設定されている。つまり、第1〜第3噴出口5〜7は、蓋体23の270°(=90°×3)の角度範囲で配設されており、該蓋体23の残りの90°の角度範囲は遮断部23bを形成する。そして、空気流入口16dと第1〜第3噴出口5〜7との第1貫通穴31a〜31c及び第2貫通穴32a〜32cを介した選択的な連通は、第1及び第2ディスク21,22の回転位置の組合せを変更することで切り替えられる。
【0029】
なお、蓋体23には、軸受孔23aの外周側で、その下面から上側に凹設された複数(4個)の溝部23cが周方向に所定角度(90°)間隔で並設されている。各溝部23cは、径方向に延在する半円溝形状を呈しており、前記突部22dが嵌入可能となっている(図2(b)参照)。これら突部22d及び溝部23cは、蓋体23に対して第2ディスク22を回り止めする保持手段を構成する。
【0030】
次に、第1及び第2ディスク21,22の位置決め態様について図6に示す模式的な断面図に従って説明する。なお、同図では、便宜的に、第1ディスク21の回動に伴い係合突部21cの移動する係合孔22cを連続する溝状の空間として描画するとともに、第2ディスク22の回り止めに係る保持手段(突部22d及び溝部23c)を併せ描画している。
【0031】
図6(a)に示すように、突部22d及び溝部23cにより第2ディスク22が一の回転位置で回り止めされており、第1ディスク21の係合突部21cが係合孔22cの周方向における両終端間の中央に配置されているとする。この状態で、第1ディスク21が一側方向(見かけ上、係合突部21cが図示右側に移動する方向)に回動駆動されると、図6(b)に示すように、第2ディスク22を残置したまま、係合突部21cが係合孔22cの周方向における終端に達する。
【0032】
この状態で、第1ディスク21が一側方向に更に回動駆動されると、図6(c)に示すように、係合突部21cが係合孔22cの周方向における終端を押圧することで、第2ディスク22が第1ディスク21との一体回動を開始する。この際、突部22dは、溝部23cから抜けて蓋体23の対向面を摺動する。
【0033】
そして、第2ディスク22の一体回動に伴い、図6(d)に示すように、突部22dが隣の溝部23cに達して当該溝部23cに嵌入すると、第2ディスク22が次の回転位置で回り止めされる。
【0034】
また、この状態で、第1ディスク21が他側方向(見かけ上、係合突部21cが図示左側に移動する方向)に回動駆動されると、図6(e)に示すように、第2ディスク22を残置したまま、係合突部21cが係合孔22cを移動する。
【0035】
このように、第2ディスク22に対する第1ディスク21の相対回動並びに第1及び第2ディスク21,22の一体回動を組み合わせることで、第1及び第2ディスク21,22の回転位置の組合せが変更される。
【0036】
ここで、突部22d及び溝部23cにより第2ディスク22の回り止めされた状態では、第2貫通穴32a〜32cの配置された角度位置と第1〜第3噴出口5〜7の配置された角度位置とが少なくとも2箇所で一致するように設定されている。また、第2ディスク22の回り止めされているとき、前記係合孔22cの周方向におけるいずれかの終端若しくは両終端間の中央に前記係合突部21cが配置されている状態では、第1貫通穴31a〜31cの配置された角度位置と第1〜第3噴出口5〜7の配置された角度位置とが少なくとも2箇所で一致するように設定されている。換言すれば、第1及び第2ディスク21,22の各々は、対応する遮断部31d,32dにて第1〜第3噴出口5〜7のいずれか一つの連通を遮断することができる。これにより、第1及び第2ディスク21,22の回転位置の組合せを変更することで、前記空気流入口16dと第1〜第3噴出口5〜7との第1貫通穴31a〜31c及び第2貫通穴32a〜32cを介した連通を、少なくとも一つ以上の噴出口5〜7が連通する互いに異なる全てのパターン(パターン数:7=2^3ー1)で実現することができる。
【0037】
以下、前記空気流入口16dと少なくとも一つ以上の噴出口5〜7とが連通する互いに異なる全て(7つ)のパターンA〜Gについて図7〜図9に基づいて説明する。なお、図7は、各パターンA〜Gと、対応する第1〜第3噴出口5〜7の連通・非連通との関係を示す一覧図であって、連通状態にある第1〜第3噴出口5〜7を○印にて表示している。また、図8(a)〜(d)及び図9(a)〜(c)は、各パターンA〜Gにおける蓋体23の回転位置(以下、回転角度ともいう)を基準にした第1及び第2ディスク21,22の回転角度を示す説明図である。
【0038】
まず、空気流入口16dと第1〜第3噴出口5〜7の全てとが連通するパターンAについて説明する。図8(a)に示すように、このときの第1及び第2ディスク21,22の回転角度をそれぞれ「0°」で表すと、当該回転角度にある第1ディスク21の第1貫通穴31a〜31c及び第2ディスク22の第2貫通穴32a〜32cは、全て対応する第1〜第3噴出口5〜7に連通している。
【0039】
そして、空気流入口16dと第2及び第3噴出口6,7とが連通するパターンBでは、図8(b)に示すように、第1ディスク21は、パターンAにおける回転角度から図示時計回転方向に「90°」回動した「270(=360−90)°」の回転角度にあり、前記遮断部31dによって第1噴出口5を塞いでいる。
【0040】
また、空気流入口16dと第1及び第3噴出口5,7とが連通するパターンCでは、図8(c)に示すように、第1ディスク21は、パターンAにおける回転角度から図示時計回転方向に「180°」回動した「180(=360−180)°」の回転角度にあり、前記遮断部31dによって第2噴出口6を塞いでいる。
【0041】
さらに、空気流入口16dと第1及び第2噴出口5,6とが連通するパターンDでは、図8(d)に示すように、第1及び第2ディスク21,22は、共にパターンAにおける回転角度から図示反時計回転方向に「90°」回動した「90°」の回転角度にあり、前記両遮断部31d,32dによって第3噴出口7を塞いでいる。
【0042】
さらにまた、空気流入口16dと第1噴出口5とが連通するパターンEでは、図9(a)に示すように、第1ディスク21は、パターンAにおける回転角度から図示反時計回転方向に「90°」回動した「90°」の回転角度にあり、前記遮断部31dによって第3噴出口7を塞いでいる。一方、第2ディスク22は、パターンAにおける回転角度から図示時計回転方向に「180°」回動した「180°」の回転角度にあり、前記遮断部32dによって第2噴出口6を塞いでいる。
【0043】
また、空気流入口16dと第2噴出口6とが連通するパターンFでは、図9(b)に示すように、第1ディスク21は、パターンAにおける回転角度から図示反時計回転方向に「90°」回動した「90°」の回転角度にあり、前記遮断部31dによって第3噴出口7を塞いでいる。一方、第2ディスク22は、パターンAにおける回転角度から図示時計回転方向に「90°」回動した「270°」の回転角度にあり、前記遮断部32dによって第1噴出口5を塞いでいる。
【0044】
さらに、空気流入口16dと第3噴出口7とが連通するパターンGでは、図9(c)に示すように、第1ディスク21は、パターンAにおける回転角度から図示反時計回転方向に「180°」回動した「180°」の回転角度にあり、前記遮断部31dによって第2噴出口6を塞いでいる。一方、第2ディスク22は、パターンAにおける回転角度から図示時計回転方向に「90°」回動した「270°」の回転角度にあり、前記遮断部32dによって第1噴出口5を塞いでいる。
【0045】
以上により、前記空気流入口16dと少なくとも一つ以上の噴出口5〜7とが連通する互いに異なる全て(7つ)のパターンA〜Gが実現される。
次に、第1ディスク21の回動駆動に伴うパターンA〜G間の移行態様の一例について説明する。
【0046】
まず、図8(a)に示すように、第1及び第2ディスク21,22がパターンAにおける回転角度にあるものとする。このとき、第1ディスク21の係合突部21cは、図示反時計回転方向に回動する側で前記係合孔22cの周方向における一方の終端に当接するように設定されている(図3及び図4参照)。従って、この状態で第1ディスク21が図示反時計回転方向に回動駆動されるときには、第1ディスク21は第2ディスク22との一体回動が可能である。一方、第1ディスク21が図示時計回転方向に回動駆動されるときには、第1ディスク21は第2ディスク22に対して「180°」の範囲で相対回動が可能である。
【0047】
ここで、第1ディスク21が図示時計回転方向に「90°」回動駆動され、第2ディスク22(及び蓋体23)に対して相対回動すると、図8(b)に示すように、第1ディスク21の回転角度が「270°」となってパターンBに移行する。
【0048】
続いて、第1ディスク21が図示時計回転方向に更に「90°」回動駆動され、第2ディスク22(及び蓋体23)に対して相対回動すると、図8(c)に示すように、第1ディスク21の回転角度が「180°」となってパターンCに移行する。このとき、第1ディスク21の係合突部21cは、図示時計回転方向に回動する側で前記係合孔22cの周方向における他方の終端に当接する。
【0049】
この状態で、第1ディスク21が図示時計回転方向に更に「90°」回動駆動され、第2ディスク22と一体回動すると、図9(b)に示すように、第1ディスク21の回転角度が「90°」となるとともに、第2ディスク22の回転角度が「270°」となってパターンFに移行する。
【0050】
続いて、第1ディスク21が図示時計回転方向に「90°」回動駆動(逆駆動)され、第2ディスク22(及び蓋体23)に対して相対回動すると、図9(c)に示すように、第1ディスク21の回転角度が「180°」となってパターンGに移行する。
【0051】
また、パターンFの状態で、第1ディスク21が図示時計回転方向に更に「90°」回動駆動されて第2ディスク22と一体回動するとともに、引き続き、第1ディスク21が図示時計回転方向に「90°」回動駆動(逆駆動)されて第2ディスク22(及び蓋体23)に対して相対回動すると、図9(a)に示すように、第1ディスク21の回転角度が「90°」となるとともに、第2ディスク22の回転角度が「180°」となってパターンEに移行する。
【0052】
一方、パターンAの状態で、第1ディスク21が図示反時計回転方向に「90°」回動駆動され、第2ディスク22と一体回動すると、図8(d)に示すように、第1ディスク21の回転角度が「90°」となるとともに、第2ディスク22の回転角度が「90°」となってパターンDに移行する。
【0053】
このように、第1ディスク21の回動駆動に伴う第2ディスク22の一体回動・相対回動を利用することで、全てのパターンA〜Gへの移行が可能となる。なお、前記した第1ディスク21の駆動態様及びこれに伴うパターンA〜Gの移行の順番は一例であって、現在のパターンA〜G及び移行させようとするパターンA〜Gに応じて第1ディスク21の駆動態様を変更してもよい。ただし、各パターンA〜G間の移行に要する第1ディスク21の回動量、即ちステッピングモータ17の駆動量(駆動回数)を最少にすることが好ましい。
【0054】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、第2貫通穴32a〜32c及び第1〜第3噴出口5〜7が選択的に連通する一の状態で、第2ディスク22に対して第1ディスク21を相対回動させて空気流入口16dと第1〜第3噴出口5〜7とを第1貫通穴31a〜31c及び第2貫通穴32a〜32cを介して一のパターンで選択的に連通し、あるいは第1及び第2ディスク21,22を一体回動させて第2貫通穴32a〜32c及び第1〜第3噴出口5〜7の選択的な連通を切り替えた他の状態で、第2ディスク22に対して第1ディスク21を相対回動させて空気流入口16dと第1〜第3噴出口5〜7とを第1貫通穴31a〜31c及び第2貫通穴32a〜32cを介して他のパターンで選択的に連通することができる。このように、2枚のディスク(第1及び第2ディスク21,22)を用いて、各々の回転位置の組み合わせを変更することで、空気流入口16dと第1〜第3噴出口5〜7との第1貫通穴31a〜31c及び第2貫通穴32a〜32cを介した選択的な連通を切り替え、空気流入口16dに流入した空気を第1〜第3噴出口5〜7からより多くのパターンで流出させることができる。また、蓋体23に積層された2枚のディスク(第1及び第2ディスク21,22)を用いた極めて簡易な構成を採用したことで、装置全体をより小型化することができる。
【0055】
(2)本実施形態では、噴出口5〜7、第1貫通穴31a〜31c及び第2貫通穴32a〜32cは、それぞれ互いに同一の所定角度(90°)間隔に3個配設されており、第2ディスク22に対する第1ディスク21の相対回動が許容される角度範囲は、前記所定角度の2倍(180°)に設定されている。従って、第2ディスク22に対する第1ディスク21の相対回動並びに第1及び第2ディスク21,22の一体回動を組み合わせることで、第1及び第2ディスク21,22によりいずれか一つの噴出口5〜7の連通を遮断することができる。従って、空気流入口16dと複数(3個)の噴出口5〜7との第1貫通穴31a〜31c及び第2貫通穴32a〜32cを介した連通は、少なくとも一つ以上の噴出口5〜7が連通する互いに異なる全てのパターン(パターン数:7=2^3−1)で実現することができる。これにより、少ない個数の噴出口5〜7等で、空気流入口16dと複数(3個)の噴出口5〜7とのとの連通のパターンを効率的により多く得ることができ、ひいては装置全体としてより小型化することができる。
【0056】
(3)本実施形態では、噴出口5〜7、第1貫通穴31a〜31c及び第2貫通穴32a〜32cは、それぞれ蓋体23、第1ディスク21及び第2ディスク22の270°(=90°×3)の角度範囲で配設されている。従って、いずれか一つの噴出口5〜7の連通を、第1及び第2ディスク21,22の残りの90°の角度範囲でそれぞれ遮断することができる。このように、蓋体23、第1ディスク21及び第2ディスク22のスペースを有効利用して噴出口5〜7、第1貫通穴31a〜31c及び第2貫通穴32a〜32cを配設することで、これら噴出口5〜7、第1貫通穴31a〜31c及び第2貫通穴32a〜32cの開口面積をそれぞれより大きくすることができる。
【0057】
(4)本実施形態では、第2ディスク22は、第1ディスク21及び蓋体23間に挟み込まれており、第2ディスク22及び蓋体23間に設けられた保持手段(突部22d及び溝部23c)により回り止めされる。従って、第2ディスク22に対する第1ディスク21の相対回動時に第2ディスク22に生じる位置ずれ(連れ回り)を抑制することができ、流路切替の信頼性を向上することができる。
【0058】
(5)本実施形態では、第2ディスク22及び蓋体23間に設けられた保持手段を、突部22d及び該突部22dの嵌入可能な溝部23cからなる極めて簡易な構成にすることができる。
【0059】
(6)本実施形態では、空気流入口16dに流入した空気を複数の噴出口5〜7からより多くのパターンで流出させて換気に供することができる換気機能付きベッド1を提供することができる。
【0060】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、第1ディスク21又は第2ディスク22は、噴出口5〜7のいずれか一つを遮断可能であれば、円盤状でなくてもよい。
【0061】
・前記実施形態において、蓋体23は、円盤状でなくてもよい。例えば、蓋体23は、カバー19に一体形成されていてもよい。
・前記実施形態において、空気流入口16dは、第1及び第2ディスク21,22を必ずしも軸支していなくてもよい。この場合、空気流入口16dは、四角筒状など、その他の筒形状を呈していればよい。
【0062】
・前記実施形態において、いずれか一つの噴出口5〜7の開口面積が、残りの噴出口5〜7の開口面積と異なっていてもよい。あるいは、第1〜第3噴出口5〜7の開口面積が互いに異なっていてもよい。
【0063】
・前記実施形態において、蓋体23に、噴出口5〜7に対し軸受孔23aを中心とする径方向にずれた噴出口を形成してもよい。この場合、第1及び第2ディスク21,22に、空気流入口16d及び当該噴出口間を選択的に連通可能な貫通穴を形成すればよい。
【0064】
・前記実施形態において、蓋体23に配設される噴出口(流体流出部)の個数は、周方向に複数並設されているのであればいくつであってもよい。また、これら噴出口は、所定角度間隔に必ずしも配設されていなくてもよい。要は、第1及び第2ディスク21,22に、空気流入口16d及びこれら噴出口間を選択的に連通可能な第1及び第2貫通穴がそれぞれ形成されていればよい。
【0065】
・前記実施形態において、第1ディスク21及び蓋体23間に挟み込まれた第2ディスク22は、蓋体23(軸受孔23a)に軸支されていなくてもよい。この場合、第2ディスク22を、空気流入口16dにて軸支すればよい。
【0066】
・前記実施形態において、第1及び第2ディスク21,22、蓋体23の積層の順番を変更してもよい。例えば第2ディスク22及び蓋体23間に第1ディスク21が挟み込まれていてもよい。
【0067】
・前記実施形態において、係合突部21cの遊挿される係合凹部(係合孔22c)は、第2ディスク22を必ずしも貫通している必要はなく、例えば第2ディスク22の下面から上側に凹設された溝状の係合凹部であってもよい。
【0068】
・前記実施形態において、第1ディスク21に係合凹部(係合孔)を設け、第2ディスク22に係合凹部に遊挿される係合突部を設けてもよい。
・前記実施形態において、第1ディスク21の回転角度を制御可能であれば、駆動源としてブラシモータなどを採用してもよい。
【0069】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)請求項4に記載の流路切替装置において、
前記保持手段は、
前記第2ディスク及び前記蓋体のいずれか一方に突設された突部と、
前記第2ディスク及び前記蓋体のいずれか他方に形成され、前記突部の嵌入可能な溝部とからなることを特徴とする流路切替装置。同構成によれば、前記保持手段を、前記突部及び前記溝部からなる極めて簡易な構成にすることができる。
【0070】
(ロ)請求項1〜4及び上記(イ)のいずれか一項に記載の流路切替装置を備えたことを特徴とする換気機能付きベッド。同構成によれば、流体流入部に流入した流体としての空気を複数の流体流出部からより多くのパターンで流出させて換気に供することができる換気機能付きベッドを提供することができる。
【符号の説明】
【0071】
5〜7…噴出口(流体流出部)、16d…空気流入口(流体流入部)、17…ステッピングモータ(駆動源)、21…第1ディスク、21c…係合突部、22…第2ディスク、22c…係合孔(係合凹部)、22d…突部(保持手段)、23…蓋体、23c…溝部(保持手段)、31a〜31c…第1貫通穴、32a〜32c…第2貫通穴。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流入する筒状の流体流入部と、
前記流体流入部に流入した流体の流出可能な複数の流体流出部が周方向に並設され、前記流体流入部の下流側開口端部を閉塞する蓋体と、
前記蓋体に回動自在に積層され、前記複数の流体流出部に選択的に連通可能な複数の第1貫通穴及び第2貫通穴が周方向にそれぞれ並設された第1ディスク及び第2ディスクと、
前記第1ディスクを回動駆動する駆動源と、
前記第1及び第2ディスクのいずれか一方に設けられた係合突部と、
前記第1及び第2ディスクのいずれか他方に設けられ、前記係合突部が遊挿されて前記第2ディスクに対する前記第1ディスクの所定角度範囲での相対回動を許容するとともに該所定角度範囲の終端で前記第1及び第2ディスクが一体回動するように前記係合突部に係合される係合凹部とを備え、
前記複数の第2貫通穴及び前記複数の流体流出部が選択的に連通する一の状態で、前記第2ディスクに対して前記第1ディスクを相対回動させて前記流体流入部と前記複数の流体流出部とを前記第1及び第2貫通穴を介して一のパターンで選択的に連通し、
前記第1及び第2ディスクを一体回動させて前記複数の第2貫通穴及び前記複数の流体流出部の選択的な連通を切り替えた他の状態で、前記第2ディスクに対して前記第1ディスクを相対回動させて、前記流体流入部と前記複数の流体流出部とを前記第1及び第2貫通穴を介して他のパターンで選択的に連通することを特徴とする流路切替装置。
【請求項2】
請求項1に記載の流路切替装置において、
前記流体流出部、前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴は、それぞれ互いに同一の所定角度間隔に3個配設されており、
前記第2ディスクに対する前記第1ディスクの相対回動が許容される前記所定角度範囲は、前記所定角度の2倍に設定されていることを特徴とする流路切替装置。
【請求項3】
請求項2に記載の流路切替装置において、
前記所定角度は90°であることを特徴とする流路切替装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の流路切替装置において、
前記第2ディスクは、前記第1ディスク及び前記蓋体間に挟み込まれており、
前記第2ディスク及び前記蓋体間に設けられ、前記複数の第2貫通穴及び前記複数の流体流出部が選択的に連通する状態で前記第2ディスクを回り止めする保持手段を備えたことを特徴とする流路切替装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−223373(P2010−223373A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72699(P2009−72699)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】