説明

浄化装置

【課題】簡易な構成を備える安全な浄化装置を提供する。
【解決手段】浄化装置は、オゾン生成作用を有する波長の紫外線と殺菌作用を有する波長の紫外線とを放射する紫外線ランプ41と、紫外線ランプ41が内部の収容空間に収容される収容部43とを備える。収容部43は、殺菌作用を有する波長の紫外線を透過させる透過部を含む。酸素導入部50から収容空間に供給される気体に酸素が含まれるので、紫外線ランプ41が放射する紫外線のオゾン生成作用により収容空間でオゾンが生成される。収容空間で生成されたオゾンはオゾン排出部51から排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
植物工場などで水耕栽培に利用する養液(培養液)をオゾン、紫外線及び光触媒の働きによって除菌浄化する養液栽培システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の養液栽培システムは、養液を除菌浄化する除菌浄化ユニットを備える。除菌浄化ユニットは電極を備え、高圧電源によって電極を高圧に帯電させて無声放電を発生させ、放電区間を気体が通過することで除菌浄化ユニット内でオゾンを発生させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−247303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無声放電方式でオゾンを発生させると、大気を原料とした場合には人体に有害なNOが発生し、酸素を原料とした場合には装置が複雑化するという問題がある。
【0005】
さらに、引用文献1の養液栽培システムは、放電区間に気体を通過させるための流路を形成し、また紫外線光源を備えるなどのために、その構成が複雑であるという問題もある。
【0006】
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成を備える安全な浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明に係る浄化装置は、
オゾン生成作用を有する波長の紫外線と殺菌作用を有する波長の紫外線とを放射する紫外線ランプと、
前記殺菌作用を有する波長の紫外線を透過させる透過部を含み、前記紫外線ランプが内部の収容空間に収容される収容部と、
酸素を含む気体を前記収容空間に供給する給気口を前記収容部に形成する給気部と、
前記紫外線ランプが放射する紫外線のオゾン生成作用により前記収容空間で生成されるオゾンを排出する排出口を前記収容部に形成する排出部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、酸素が供給される収容空間に紫外線ランプのオゾン生成作用を有する波長の紫外線が放射される。これにより、NOを発生させることなく収容空間でオゾンが生成される。また、紫外線ランプの殺菌作用を有する波長の紫外線は、透過部を透過して収容部の外部へ放射される。このように、紫外線ランプを備えるだけでオゾンと紫外線とによって浄化をすることができ、しかも人体に有害な物質であるNOを発生させることがない。したがって、簡易な構成で安全に浄化をすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1に係る浄化装置の断面図である。
【図2】実施の形態1に係る紫外線ユニットの正面図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る育苗装置の断面図である。
【図4】本発明の一変形例に係る浄化装置の断面図である。
【図5】本発明の他の変形例に係る浄化装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。全図を通じて同一の要素には同一の番号を付す。また、以下の説明では、参照する図に従って「上」「下」「左」「右」を用いて方向を説明するが、これは理解を容易にするために用いるものであって、発明を限定する趣旨ではない。
【0011】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る浄化装置は、浄化対象物としての液体を浄化する装置である。ここで浄化は、主に酸化分解反応によって、好ましくない有機化合物や無機化合物を分解除去すること、菌、細菌、ウィルス類などを死滅又は減少させること、藻類の発生を抑制すること、悪臭を除去することなどのすべて又は一部を含む。
【0012】
浄化装置1は、図1に示すように、液体が流動する浄化空間を内部に有する直方体の浄化容器11を備える。
【0013】
浄化容器11は、浄化空間を形成し上方が開放した浄化槽12と、浄化槽12の上部に設けられる蓋体13とを備える。浄化槽12と蓋体13とはそれぞれ、オゾン、紫外線に曝されても腐食しにくい材料が望ましく、金属製(例えば、ステンレス鋼など)、樹脂製(例えば、フッ素樹脂など)、又はガラス製であるとよい。
【0014】
浄化容器11はさらに、上下方向に延びる板状の仕切板14を備える。仕切板14は、浄化槽12や蓋体13と同様にオゾン、紫外線に曝されても腐食しにくい材料が望ましく、金属製(例えば、ステンレス鋼など)、樹脂製(例えば、フッ素樹脂など)、又はガラス製であるとよい。
【0015】
仕切板14の両端部(図1では手前方向及び奥行き方向に位置する端部)は、浄化槽12との間で気体及び液体が流通しないように、浄化槽12の内壁に密着して固定されている。仕切板14の上端部は、蓋体13との間で気体が流通しないように、蓋体13に密着する。
【0016】
なお、部材間で気体又は液体が流通しないように(気密に又は液密に)するために、その部材間には、ゴム、樹脂などを材料とするOリングなどのシーリング部材が設けられてもよく、ゴム、樹脂などが塗布されていてもよい。また、その部材間は、ネジなどによって圧着されてもよい。気密に又は液密に設けられる部材間については、以下においても同様である。
【0017】
仕切板14の下端部は、浄化槽12の内部の底面から所定の距離だけ離隔している。したがって、浄化空間は、仕切板14によって、下方の流動路15で連通する第1室16と第2室17とに区画される。
【0018】
蓋体13のうち第1室16を形成する部分には、第1室16と外部とを連通する流入路と導管口と通気口とのそれぞれを形成する流入部22と導管部23と通気部24とが設けられる。通気部24には、オゾンを分解して通気させるフィルタ25が設けられている。
【0019】
フィルタ25は、交換を容易にするため、通気部24を有するとともに上部が開閉自在なフィルタ取付ユニット26内に設けられている。フィルタ取付ユニット26は蓋体13に気密に固定される。フィルタ25は、第1室16と外部とがフィルタ25を介してのみ通気するように、フィルタ取付ユニット26の通気部24内にすき間なく充填されることが望ましい。
【0020】
浄化槽12の第2室17を形成する部分であって仕切板14と対向する部分の上方には、切り欠き部が設けられている。その切り欠き部を除く浄化槽12の上端部は、蓋体13と気密に密着する。切り欠き部とそれに対向する蓋体13の部分とは流出部21として、第2室17と外部とを連通する流出路を形成する。
【0021】
蓋体13のうち第2室17を形成する部分には、第2室17と外部とを連通する設置口を形成する紫外線ユニット設置部31が設けられる。紫外線ユニット設置部31の設置口には、概ね円筒状の紫外線ユニット32がその長手方向を上下に向けて挿通している。紫外線ユニット32は、紫外線ユニット設置部31との間で気体が流通しないように設けられている。
【0022】
紫外線ユニット32はその上部に外方へ突出した係止部36を有する。係止部36は紫外線ユニット設置部31の周辺の蓋体13に係合する。それによって、紫外線ユニット32はその下方が第2室17に、望ましくは図1に示すように第2室17を流動する浄化対象の液体に所定の長さだけ浸漬するように位置付けられる。
【0023】
紫外線ユニット32の下方、すなわち第2室17に位置する部分の周囲には、同図に示すように、紫外線と可視光の一方又は両方により光触媒反応が発現する光触媒部材33が設けられる。
【0024】
光触媒部材33は、網状の部材であって、その表面に例えば酸化チタン材料を含む。このような光触媒部材33は、例えば金属チタンの表面を酸化チタン化すること、酸化チタン材料を他の素材上に塗布することなどによって製造できる。
【0025】
なお、光触媒部材33は、紫外線(100〜400nm)で光触媒作用を引き起こす材料であってもよく、可視光で光触媒作用を引き起こす材料であってもよい。そのため、光触媒部材33は、紫外線ユニット32から照射される紫外線(100〜400nm)と可視光の一方又は両方が届く範囲に設けられるとよい。また、紫外線ユニット32からの紫外線と可視光の一方又は両方が届く範囲に光触媒部材33を設けるために、光触媒部材33は取付部材などを介して紫外線ユニット32から所定の範囲に位置するように紫外線ユニット32に取り付けられてもよい。
【0026】
ここから、図2を参照して、紫外線ユニット32の構成について説明する。
【0027】
紫外線ユニット32は、殺菌作用を有する波長の紫外線を外部に放射するとともにオゾンを発生させるユニットである。紫外線ユニット32は、同図に示すように、紫外線を放射する紫外線ランプ41と、紫外線ランプ41が収容される気密な収容空間42を内部に有する収容部43とを備える。
【0028】
紫外線ランプ41は、オゾン生成作用を有する波長の紫外線と殺菌作用を有する波長の紫外線とを含む光を放射するランプである。オゾン生成作用を有する波長は、例えば200nm以下である。殺菌作用を有する波長は、例えば260nm前後(200〜320nm)である。
【0029】
なお、光触媒部材33の光触媒作用は、上述のようにその材料に応じて、紫外線(100〜400nm)や可視光によって引き起こされる。したがって、オゾン生成作用を有する波長の紫外線と殺菌作用を有する波長の紫外線とは、光触媒部材33の材料によっては、その光触媒作用にも寄与する。また、紫外線ランプ41が放射する光がオゾン生成作用を有する波長と殺菌作用を有する波長以外の紫外線や可視光を含む場合、これらの波長の光は光触媒部材33の材料によっては、その光触媒作用に寄与する。
【0030】
紫外線ランプ41は例えば、低圧紫外線ランプであり、熱陰極ランプ、冷陰極ランプ、外部電極ランプ、無電極ランプなどである。
【0031】
紫外線ランプ41の具体例として、ガスが封入されるU字管45とU字管45内で放電するための電極としてNiのカップ電極46を備える冷陰極ランプを挙げることができる。U字管45には、例えば水銀とNeとArの混合ガスが封入される。封入される混合ガスの圧力は、例えば約2.67〜13.33kPa(20〜100Torr)であり、望ましくは5.33kPa(40Torr)程度である。混合ガス中の水銀は例えば、点灯中の水銀蒸気圧が100Pa以下となるように封入されるとよい。
【0032】
このような水銀ランプを紫外線ランプ41に採用することによって、オゾン生成作用を有する約185nmの波長の紫外線と殺菌作用を有する約254nmの波長の紫外線と可視光とを含む光が紫外線ランプ41から放射される。
【0033】
U字管45の材料は、オゾン生成作用を有する波長の紫外線と殺菌作用を有する波長の紫外線との両方を透過する性質を有するものである。具体的なU字管45の材料は、例えば合成石英、溶融石英、又は、Al、Na、K、Li、Ca及びBaの少なくとも1つを含むホウケイ酸ガラスを材料とするガラスである。特に、Al、Na、K、Li、Ca及びBaの少なくとも1つを含むホウケイ酸ガラスは、加工の容易さの点で石英ガラスよりも望ましい。
【0034】
収容部43の材料は、紫外線ランプ41が放射する紫外線と可視光を透過させるものである。具体的な収容部43の材料は、例えば合成石英、溶融石英、オゾンレス石英、又は、Al、Na、K、Li、Ca及びBaの少なくとも1つを含むホウケイ酸ガラスを材料とするガラスである。
【0035】
望ましくは収容部43の材料は、紫外線ランプ41が放射する紫外線のうち、オゾン生成作用を有する波長の紫外線を遮断し、殺菌作用を有する波長の紫外線を透過させるものであり、例えばオゾンレス石英である。
【0036】
なお、収容部43の中には図示省略するが、紫外線ランプ41の電極46に電力を供給するための配線が設けられており、その配線は紫外線ランプ41の電極46に接続されている。また、収容部43の内部又は外部には図示省略するが、インバータなどが設けられてよい。
【0037】
収容部43の上部には、収容空間42と外部との間を連通する酸素導入口とオゾン排出口とのそれぞれを形成する酸素導入部50とオゾン排出部51とが設けられる。
【0038】
給気部としての酸素導入部50には、例えばシリコン製の導入管52の一端が気密に取り付けられている。導入管52の他端には、ポンプ53(図1参照)が取り付けられている。ポンプ53は、例えば電動で空気を昇圧して送り出す。これにより、空気が導入管52、そして酸素導入部50を介して収容空間42に導入される。
【0039】
排気部としてのオゾン排出部51には、図2に示すように、例えばシリコン製の排出管55がオゾン排出部51との間で気密性を保持した状態で挿通されている。排出管55の一端は、収容空間42の下方にまで伸びる。排出管55の他端には、図1に示すように、オゾン放出部としてのエアストーン56が取り付けられている。エアストーン56は、送り込まれた気体を数十μm〜数mm程度の小さい気泡にして液体中へ放出する部材であり、第1室16の底に置かれている。
【0040】
本実施の形態に係る浄化装置1の構成を説明した。ここから、浄化装置1によって液体が浄化される仕組みについて説明する。
【0041】
浄化対象となる液体は図1を参照すると、概ね、流入部22から浄化容器11の第1室16へ流入し、流動路15を通って第2室17へ流動し、流出部21から外部へ流出する。
【0042】
また、ポンプ53により昇圧された空気は、図2に示す紫外線ユニット32の収容空間42へ、導入管52と酸素導入部50とを介して導入される。収容空間42では、紫外線ランプ41から放射されるオゾン生成作用を有する波長の紫外線の働きによって空気中の酸素がオゾンになる。収容空間42で生成されたオゾンは、オゾン排出部51と排出管55とを介して、図1に示すエアストーン56から小気泡になって第1室16に放出される。
【0043】
したがって、第1室16に流入した液体は、流動路15へ至るまでにオゾンに曝される。オゾンは小気泡となっているので、オゾンと液体との接触面積は大きい。これによって、第1室16を流動する液体を効率的にオゾンの働きによって浄化することができる。
【0044】
第1室16でオゾンの一部は液体に溶解する。液体に溶解せずに第1室16の液体表面に達したオゾンは、第1室16が上述のように気密に又は液密に設けられた蓋体13と浄化槽12と仕切板14とで形成されており、流入部22からは液体が流入してくるため、通気部24に設けられたフィルタ25を介して外部へ排出される。したがって、オゾンはフィルタ25の働きによって分解され、少なくとも人体に害を及ぼさない程度に無毒化されて外部へ排出される。
【0045】
第1室16にてオゾンが溶解した液体は、流動路15を通って第2室17へ流動する。オゾン水となって第2室17へ流動した液体には、第2室17に配置された紫外線ランプ41からの紫外線が照射される。収容部43は上述のように、少なくとも殺菌作用を有する波長の紫外線を透過させる材料で作られているため、第2室17において液体は収容部43を透過した紫外線の作用により浄化される。
【0046】
第2室17の液体にはオゾンが溶存しており、オゾンの一部は紫外線ユニット32からの紫外線の照射によってOHラジカルやOラジカルに変化する。そのため、第2室17の液体は、オゾンより酸化力が強く反応性の高いOHラジカルやOラジカルの働きによっても浄化される。
【0047】
さらに、光触媒部材33に紫外線ユニット32からの紫外線と可視光が照射されることによって光触媒部材33の表面では電子と正孔が発生する。そのため、第2室17の液体、特に光触媒部材33の近傍を流動する液体は、光触媒部材33の表面で発生した電子と正孔の働きによっても浄化される。
【0048】
第2室17で浄化された液体は、流出部21を介して外部へ流出する。
【0049】
このように流入部22から流入した液体は、第1室16で浄化され、さらに第2室17での強い浄化力により浄化される。これによって、浄化前の液体に含まれていた細菌、ウィルス、カビなどの多くは死滅し、浄化前の液体に含まれた臭いは除去され、液体の透明性は浄化前よりも向上する。
【0050】
以上、本発明の実施の形態1について説明した。
【0051】
本実施の形態によれば、紫外線ランプ41がオゾン発生作用と殺菌作用との両作用を備えるため、別途オゾン発生装置を設ける必要がない。そのため、浄化装置1の構成を簡易化することが可能となり、その結果、浄化装置1を安価でコンパクトに構成することが可能になる。
【0052】
一般に無声放電方式でオゾンを発生させる場合、原料に大気を採用するときには有害なNOを発生させ、原料に酸素を採用するときにはランニングコストが高くなり、浄化装置1が大型化したり複雑化したりする。
【0053】
本実施の形態では、紫外線によりオゾンを発生させるため、原料に大気を採用してもNOを発生させることはない。したがって、原料に大気を用いても安全にオゾンを発生させることができるので、安全な浄化装置1を実現することが可能になる。また、大気を用いることで、低いランニングコストを実現することが可能になる。
【0054】
さらに、本実施の形態では、浄化空間は第1室16と第2室17とに区画されており、第1室16で液体をオゾンに曝気する。そのため、液体を十分にオゾンに曝すことができ、オゾンによって液体を浄化することが可能になるとともに、多くのオゾンを液体に溶解させて第2室での浄化力を向上させることが可能になる。
【0055】
一般にオゾンは高濃度であれば人体に有害である。例えば日本産業衛生学会によればオゾンの作業濃度管理基準は0.1ppmとされる。本実施の形態では、上述のように浄化空間を第1室16と第2室17とに気密に区画し、オゾンは第1室16で放出される。そのため、第1室16にて液体に溶解しなかったオゾンは、フィルタ25を介して分解されてから浄化装置1の外部へ排出される。したがって、人体に害を及ぼす程に高濃度のオゾンが浄化装置1の外部へ排出されることはなく、オゾンの浄化作用を利用しつつ安全性の高い浄化装置1を実現することが可能になる。
【0056】
以上、本発明の実施の形態1について説明したが、本実施の形態はこれに限定されない。
【0057】
例えば、蓋体13は、第1室16と第2室17との上方を塞ぐ一体の蓋であるとしたが、蓋体13は第1室16の上方と第2室17の上方とのそれぞれを塞ぐ別体の蓋で構成されてもよい。
【0058】
蓋体13は、第1室16の上方のみに設けられてもよい。この場合、紫外線ユニット32は例えば、取付具によって浄化槽12に固定されてもよく、浄化槽12の底に置かれてもよい。
【0059】
流入部22は、蓋体13に限らず、例えば、第1室16を形成する浄化槽12の側壁に設けられてもよい。例えば浄化装置1の液体の流入と流出とにポンプなどが用いられてもよいが、ポンプなどを用いずに自然の流れによって液体の流入と流出とを実現する場合、流動する液体の上面は流出路で概ね規定されることになる。そのため、この場合の流入部22は、流入路が流出路より上方に位置するように設けられるとよい。
【0060】
本実施の形態に係る仕切板14は仕切部の一例であって、仕切部は、下方に流動路15を形成するとともに浄化空間を第1室16と第2室17とに区画する部材であればよく、板状の部材に限られない。また、浄化槽12は、別体の第1浄化槽と第2浄化槽とで構成されてもよい。この場合、第1浄化槽が第1室16を形成し、第2浄化槽が第2室17を形成し、第1浄化槽と第2浄化槽とを接続する流動管によって第1室16と第2室17とを連通する流動路15が形成されてもよい。
【0061】
本実施の形態では紫外線ランプ41がU字管45を備えるとしたが、U字管45に代えて直管、L字管、W字管など任意の形状の管が採用されてよい。また、紫外線ランプ41は、U字管45、直管、L字管、W字管など任意の形状の管を複数備えてもよい。収容空間42に効率よく紫外線ランプ41を収容することによって、紫外線ランプ41の大きさを変えることなく、それが放射する光の量を増大させることができる。これにより、浄化装置1の浄化能力の向上やコンパクト化が可能になる。
【0062】
本実施の形態で用いる紫外線ランプ41は、それを構成するU字管の一部に蛍光体が塗布されていてもよい。蛍光体は、紫外線の波長を主に可視光に変える性質を有するものであってもよく、主に紫外線の波長を(例えば、254nmから350nmへ)変える性質を有するものであってもよい。
【0063】
この場合、紫外線ランプ41から紫外線とともに、塗布された蛍光体固有の波長の紫外線や可視光が放射される。収容部43が可視光をも透過させるものであれば、光触媒部材33は、紫外線と可視光とによって光触媒反応を発現する。
【0064】
本実施の形態では収容部43の材料は、紫外線ランプ41が放射する光のうち殺菌作用を有する波長の紫外線と光触媒作用を引き起こす波長の紫外線とを透過させるものであるとしたが、収容部43の全体がこのような材料で作られている必要はない。収容部43は、紫外線ランプ41が放射する光のうち殺菌作用を有する波長の紫外線と光触媒作用を引き起こす波長の紫外線とを透過させる透過部を一部に含むだけであってもよい。
【0065】
この場合、透過部は、浄化槽12を流動する液体に浸漬する位置、例えば収容部43の下方に設けられる。流動する液体の上面が流出路で規定される場合には、透過部が流出路より下方に設けられることが望ましい。液体中で光を照射することで、紫外線及び溶存するオゾンによる浄化の効果を向上させることが可能になる。また、光触媒部材33に強い光が照射されて、光触媒反応による浄化の効果を向上させることが可能になる。
【0066】
また、透過部は、流出路より下方のすべてである方がより望ましい。液体中でより多くの光を照射することで、紫外線及び溶存するオゾンによる浄化の効果を向上させることが可能になる。また、光触媒部材33にも強い光がより多く照射されて、光触媒反応による浄化の効果を向上させることが可能になる。
【0067】
光触媒部材33を設けない場合には、収容部43は、紫外線ランプ41が放射する光のうち殺菌作用を有する波長の紫外線を透過させる材料で作られた透過部を含めばよい。すなわち、収容部43は、全体がそのような材料で作られてもよく、そのような材料で作られた透過部を一部に含むだけであってもよい。
【0068】
なお、収容部43がオゾン生成作用を有する波長の紫外線を透過させる場合、僅かな量ではあるが第2室17においてもオゾンが発生する可能性がある。第2室17でオゾンが発生した場合、そのオゾンの多くは流出部21を介して浄化装置1の外部に放出されることになる。
【0069】
一般にオゾンレス石英は、殺菌作用を有する波長の紫外線と可視光を透過させるが、オゾン生成作用を有する波長の紫外線を遮断する性質を有する。そのため、ガラスで収容部43の材料にオゾンレス石英を採用することによって、第2室17でのオゾンの発生を抑制することができ、浄化装置1から外部へオゾンが放出される可能性をさらに低減させることができる。したがって、浄化装置1の安全性を向上させることが可能になる。
【0070】
収容部43の外表面には、紫外線ランプ41から放射される殺菌作用を有する波長の紫外線の透過を阻害しない程度に、例えばコーティングされた酸化チタンなど光触媒作用を有する素材が形成されてもよい。
【0071】
収容部43の外表面が、内部からの紫外線の透過を阻害しない程度に光触媒作用を有する素材を備える場合には、その光触媒作用によって、収容部43の近傍の養液を浄化することに加えて、収容部43の外表面に藻、菌などの汚れが付着することを防止することが可能になる。
【0072】
酸素導入部50を介して収容空間42に導入される気体は、空気に限らず、酸素を含むガスであればよい。例えば高濃度の酸素を収容空間42に導入する場合、ポンプ53に代えて排気圧を調整することができる酸素ボンベが設けられてもよい。
【0073】
実施の形態では、オゾン排出部51が収容部43の上部に設けられることとしたが、例えば、オゾン排出部51は収容部43の下部に設けられてもよい。この場合、排出管55の一端がオゾン排出部51に取り付けられるとよい。
【0074】
さらに、本実施の形態ではオゾン放出部としてエアストーン56を採用する例により説明したが、オゾン放出部はこれに限られない。オゾン放出部は、オゾン排出部51から排出されたオゾンを用いてマイクロバブルを発生させるマイクロバブル発生装置と、そのマイクロバブル発生装置が発生させたマイクロバブルを液体中に放出する部材とにより構成されてもよい。
【0075】
オゾンをマイクロバブルで放出することによって、エアストーン56による場合よりもオゾンと液体との接触面積をさらに増加させることができる。その結果、第1室16でのオゾンによる浄化の効果を高めることが可能になる。また、より多くのオゾンが溶存する液体を第2室17へ流動させることができるので、第2室17での溶存するオゾンに由来する浄化の効果を高めることが可能になる。
【0076】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に係る浄化装置1を水耕栽培に適用する例について説明する。
【0077】
本発明の実施の形態2に係る育苗装置201は、図3にその断面の概要を示すように、支持部材261と、浄化装置1が内部に設置される養液槽262と、養液ポンプ263とを備える。支持部材261と養液槽262と養液ポンプ263とは例えば床に設置される。
【0078】
支持部材261は、三段の栽培棚264と、各栽培棚264の上方に設けられる照明器具265と、養液ポンプ263から上段の栽培棚264の左側端部まで伸びる浄化養液管266とを支持する。
【0079】
栽培棚264の各々には、複数の孔を有する植物配置板267が内部に設けられる。植物配置板267には植物268が並べ置かれる。各栽培棚264の上方に設けられた照明器具265は、植物268の生育状態など応じて最も適した強さの光を照射するためにそれぞれの高さを調節することができる。
【0080】
上段の栽培棚264は、その底部の右側端部から中段の栽培棚264の右側端部へ向けて下方へ伸びる養液導管269を備える。中段の栽培棚264は、その底部の左側端部から下段の栽培棚264の左側端部へ向けて下方へ伸びる養液導管269を備える。下段の栽培棚264は、その底部の右側端部から下方に設けられた浄化装置1の流入部22へ伸びる汚液管270を有する。
【0081】
養液槽262は、植物268を栽培するための養分を含む養液を蓄える槽である。養液ポンプ263は、養液槽262に蓄えられた養液を吸引して昇圧し、養液を昇圧液排出部271から排出する。浄化養液管266は、養液ポンプ263から排出された養液を上段の栽培棚264の左側端部へ導く管であって、その一端が養液ポンプ263の昇圧液排出部271に接続され、その他端が下方を向いた口を形成する注入部272を有する。注入部272は、上段の栽培棚264の左側端部の上方に設けられる。
【0082】
ここまで、本実施の形態に係る育苗装置201の構成について説明した。ここから、育苗装置201における養液の流れについて説明する。
【0083】
養液は、注入部272から上段の栽培棚264の左側端部に注がれ、上段の栽培棚264に設けられた植物配置板267の孔を介して下方に伸びた植物268の根に順次接触しながら、右方向へ流れる。
【0084】
上段の栽培棚264の右側端部に到達した養液は、養液導管269を介して中段の栽培棚264の右側端部へ流れる。養液はさらに、中段の栽培棚264に並べ置かれた植物268の根に順次接触しながら、左方向へ流れる。
【0085】
中段の栽培棚264の左側端部に到達した養液は、養液導管269を介して下段の栽培棚264の左側端部へ流れる。養液はさらに、下段の栽培棚264に並べ置かれた植物268の根に順次接触しながら、右方向へ流れる。
【0086】
下段の栽培棚264の右側端部に到達した養液は、汚液管270を介して浄化装置1の流入部22へ導かれる。流入部22から浄化装置1の内部に流入した養液は、実施の形態1で説明したようにオゾン、紫外線、及び光触媒部材33の働きによって浄化され、流出部21から流出する。
【0087】
流出部21から流出した養液は、養液槽262に受け止められ、養液ポンプ263で昇圧されて浄化養液管266を介して上昇し、注入部272から上段の栽培棚264の左側端部に再び注がれる。このようにして、養液は、栽培棚264と浄化装置1とを通って循環する。
【0088】
一般に養液中の菌、カビ、藻、有機物などは、植物268の病気の原因となることがあり、根に付着するなどによって植物268の成長を阻害することがあり、また悪臭の原因となることがある。また、植物268が食材に用いるものである場合には、大腸菌などの病原菌が溶液中に繁殖すると食の安全性を保てなくなる可能性がある。
【0089】
これらを防ぐために、養液は適宜交換され、浄化養液管266、栽培棚264、養液導管269、汚液管270、養液槽262などといった養液と接触する部材は随時清掃される。
【0090】
本実施の形態では、循環の途中で浄化装置1が養液を浄化する。そのため、養液の交換や養液と接触する部材の清掃の頻度を少なくすることができるので、手間が掛からず経済的な水耕栽培を実現することが可能になる。
【0091】
植物268の根に付着する菌、カビ、藻、有機物などは上述のように、植物268の根が養分を吸うことを阻害することがある。本実施の形態では、根に付着する菌、カビ、藻、有機物などが低減するため、植物268は養分を十分に吸い続けることができ、植物268の生育速度を向上させることが可能になる。
【0092】
浄化装置1の第2室17にて養液を浄化した後のオゾンは酸素になり、その一部が溶け込んだ養液が流出部21から流出する。そのため、浄化装置1からは通常よりも溶存酸素濃度が高い養液が流出する。また、溶液中の菌や有機物の減少も、溶存酸素の増加につながる。高酸素濃度の養液によって、植物268の生育速度を向上させることが可能になる。
【0093】
さらに、浄化装置1から流出する養液には第1室16にて溶解したオゾンの一部が残存している。そのオゾン自体の働きによっても植物268の生育速度を向上させることが可能になる。
【0094】
このように浄化装置1を備えることによって、複数の要因で植物268の生育速度を向上させることが可能となり、効率的な水耕栽培を実現することが可能になる。
【0095】
以上、本発明の実施の形態2について説明したが、本実施の形態はこれに限定されない。
【0096】
例えば、本実施の形態では三段の栽培棚264を備える育苗装置201を例に説明したが、浄化装置1によれば、育苗装置201が備える栽培棚264の配置や数にかかわらず養液を浄化することができる。また、育苗装置201が大きいなどにより高い浄化能力が要求される場合には、浄化装置1が複数備えられてもよいのはもちろんであるし、大きい浄化容器11に紫外線ユニット32が複数設けられてもよい。
【0097】
本実施の形態では浄化装置1の応用例として養液を浄化する例を説明したが、浄化装置1が浄化する対象は養液に限られない。
【0098】
浄化装置1が浄化する対象は例えば、実施の形態1と同様に、魚貝類を飼育又は養殖する水、飲料水や風呂水などの生活用水などであってもよい。
【0099】
例えば魚貝類を飼育又は養殖する水に適用する場合には、浄化容器11を備えない、すなわち紫外線ユニット32と導入管52とポンプ53と排出管55とエアストーン56と必要に応じて光触媒部材33とを備える浄化装置が採用されてもよい。この場合例えば、紫外線ユニット32と排出管55とエアストーン56と必要に応じて光触媒部材33とが水中に配置され、ポンプ53が導入管52を介して外気を供給するように配置されるとよい。
【0100】
浄化装置1が浄化する対象は例えば、固体であってもよい。図4は、浄化容器311の中に配置された浄化対象物312を一定時間オゾンに曝すことによって浄化する浄化装置301の例を示す。この例では、浄化容器311は、フィルタ325が設けられた通気部324以外では、密閉されている。浄化容器311の中に設けられる紫外線ユニット332は、円筒形の密閉された収容部343とその中に設けられた紫外線ランプ341とを備える。
【0101】
収容部343は長手方向が水平に(横向きに)配置されており、その長手方向に対向する壁部のそれぞれに酸素導入部350とオゾン排出部351とが設けられている。オゾン排出部351は酸素導入部350よりも下方に設けられている。浄化対象物312は、浄化容器311内に設けられた、オゾンを通過させるための多数の孔を有する設置台373に載置されている。
【0102】
なお、図示しないが、浄化容器311内の浄化空間でオゾンを流動させるために、また収容部343内の収容空間342に酸素又は空気を導入してオゾンを生成し排出するために、強制的に気体を流動させるファンなどが設けられてもよい。
【0103】
これによって、紫外線ユニット332でオゾンが生成され、そのオゾンは図4に矢示する方向に流動して浄化空間を循環する。そのため、浄化対象物312を収容した浄化容器311を密閉した状態で一定時間、放置することで、浄化対象物312はオゾンに曝され、また紫外線の照射を受けて浄化される。一定時間経過した後は、浄化容器311の中のオゾンをフィルタ325を介して図示しないファンなどを用いて外部へ放出してから浄化容器311の蓋を開けることで、操作する人がオゾンを吸い込むことなく安全に浄化対象物312を浄化容器311から取り出すことができる。
【0104】
浄化装置1が浄化する対象は例えば、気体であってもよい。図5は、浄化装置401によって浄化対象物としての空気を浄化する例を示す。同図に示すように、浄化容器411の中には紫外線ユニット432が、図4を参照して説明した紫外線ユニット332と同様に横向きに配置されている。浄化容器411内の浄化空間が流入部422及び流出部421を除いて外部と連通しないように、浄化容器411は密閉されている。流入部422は、紫外線ユニット432の酸素導入部450に対向する浄化容器411の壁部に設けられており、ファン474を有する。ファン474によって浄化空間に外気が継続的に流入する。流出部421は、紫外線ユニット432のオゾン排出部451に対向する浄化容器411の壁部に設けられており、フィルタ425を有する。浄化容器411はさらに、紫外線ユニット432の上方に位置する内壁に光触媒部材433を備える。
【0105】
このような構成を備えることによって、流入部422から浄化空間に流入した外気は、オゾン、紫外線、及び光触媒部材433の働きによって浄化され、図5に矢示するように流動して流出部421から流出する。流出部421にはフィルタ425が設けられているため、オゾンはフィルタで分解されて流出する。したがって、安全に空気を浄化することが可能になる。
【0106】
以上、本発明の実施の形態及び変形例について説明したが、本発明は、実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、例えば各実施の形態及び各変形例を適宜組み合わせた態様、またそれらと均等な技術的範囲をも含む。
【0107】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0108】
(付記1)
オゾン生成作用を有する波長の紫外線と殺菌作用を有する波長の紫外線とを放射する紫外線ランプと、
前記殺菌作用を有する波長の紫外線を透過させる透過部を含み、前記紫外線ランプが内部の収容空間に収容される収容部と、
酸素を含む気体を前記収容空間に供給する給気口を前記収容部に形成する給気部と、
前記紫外線ランプが放射する紫外線のオゾン生成作用により前記収容空間で生成されるオゾンを排出する排出口を前記収容部に形成する排気部とを備える
ことを特徴とする浄化装置。
【0109】
(付記2)
前記紫外線ランプは金属蒸気を封入した放電ランプである
ことを特徴とする付記1に記載の浄化装置。
【0110】
(付記3)
前記紫外線ランプは冷陰極ランプである
ことを特徴とする付記2に記載の浄化装置。
【0111】
(付記4)
前記紫外線ランプが有する放電管の材料又は前記透過部の材料は、合成石英、溶融石英、オゾンレス石英、又は、Al、Na、K、Li、Ca及びBaの少なくとも1つを含むホウケイ酸ガラスである
ことを特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載の浄化装置。
【0112】
(付記5)
浄化対象物が配置され又は流動する浄化空間を形成する浄化容器をさらに備え、
前記透過部は前記浄化空間に配置される
ことを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の浄化装置。
【0113】
(付記6)
前記排気部から排出されたオゾンを前記浄化空間に放出するオゾン放出部を備え、
前記浄化容器は、分離された第1室及び第2室と、当該第1室及び第2室を連通する流動路とを含む浄化空間を形成し、
前記オゾン放出部は前記第1室に設けられ、
前記紫外線ランプ及び前記収容部の前記透過部は前記第2室に設けられる
ことを特徴とする付記5に記載の浄化装置。
【0114】
(付記7)
前記オゾン放出部は、前記排気部から排出されたオゾンを気泡にして、前記浄化空間に放出するエアストーン又はマイクロバブル発生装置を備える
ことを特徴とする付記6に記載の浄化装置。
【0115】
(付記8)
前記浄化容器は、
前記第1室と外部とを連通する連通部と、
前記連通部に設けられ、オゾンを分解するフィルタとを備える
ことを特徴とする付記6又は7に記載の浄化装置。
【0116】
(付記9)
前記浄化容器は、
前記浄化対象物である流体を外部から前記第1室に流入させる流入部と、
前記流体を前記第2室から外部へ流出させる流出部とを備える
ことを特徴とする付記6から8のいずれか1つに記載の浄化装置。
【0117】
(付記10)
前記収容部の周囲に設けられており、紫外線又は可視光が照射されることによって光触媒反応が発現する光触媒部材をさらに備える
ことを特徴とする付記1から9のいずれか1つに記載の浄化装置。
【0118】
(付記11)
前記光触媒部材は酸化チタン材料を表面に含む
ことを特徴とする付記10に記載の浄化装置。
【符号の説明】
【0119】
1,301,401 浄化装置
11,311,411 浄化容器
12 浄化槽
13 蓋体
14 仕切板
15 流動路
16 第1室
17 第2室
21,421 流出部
22,422 流入部
23 導管部
24,324 通気部
25,325,425 フィルタ
26 フィルタ取付ユニット
31 紫外線ユニット設置部
32,332,432 紫外線ユニット
33,433 光触媒部材
36 係止部
41,341 紫外線ランプ
42,342 収容空間
43,343 収容部
45 U字管
46 電極
50,350,450 酸素導入部
51,351,451 オゾン排出部
52 導入管
53 ポンプ
55 排出管
56 エアストーン
201 育苗装置
261 支持部材
262 養液槽
263 養液ポンプ
264 栽培棚
265 照明器具
266 浄化養液管
267 植物配置板
268 植物
269 養液導管
270 汚液管
271 昇圧液排出部
272 注入部
373 設置台
474 ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾン生成作用を有する波長の紫外線と殺菌作用を有する波長の紫外線とを放射する紫外線ランプと、
前記殺菌作用を有する波長の紫外線を透過させる透過部を含み、前記紫外線ランプが内部の収容空間に収容される収容部と、
酸素を含む気体を前記収容空間に供給する給気口を前記収容部に形成する給気部と、
前記紫外線ランプが放射する紫外線のオゾン生成作用により前記収容空間で生成されるオゾンを排出する排出口を前記収容部に形成する排気部とを備える
ことを特徴とする浄化装置。
【請求項2】
前記紫外線ランプは金属蒸気を封入した放電ランプである
ことを特徴とする請求項1に記載の浄化装置。
【請求項3】
前記紫外線ランプは冷陰極ランプである
ことを特徴とする請求項2に記載の浄化装置。
【請求項4】
前記紫外線ランプが有する放電管の材料又は前記透過部の材料は、合成石英、溶融石英、オゾンレス石英、又は、Al、Na、K、Li、Ca及びBaの少なくとも1つを含むホウケイ酸ガラスである
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項5】
浄化対象物が配置され又は流動する浄化空間を形成する浄化容器をさらに備え、
前記透過部は前記浄化空間に配置される
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項6】
前記排気部から排出されたオゾンを前記浄化空間に放出するオゾン放出部を備え、
前記浄化容器は、分離された第1室及び第2室と、当該第1室及び第2室を連通する流動路とを含む浄化空間を形成し、
前記オゾン放出部は前記第1室に設けられ、
前記紫外線ランプ及び前記収容部の前記透過部は前記第2室に設けられる
ことを特徴とする請求項5に記載の浄化装置。
【請求項7】
前記オゾン放出部は、前記排気部から排出されたオゾンを気泡にして、前記浄化空間に放出するエアストーン又はマイクロバブル発生装置を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の浄化装置。
【請求項8】
前記浄化容器は、
前記第1室と外部とを連通する連通部と、
前記連通部に設けられ、オゾンを分解するフィルタとを備える
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の浄化装置。
【請求項9】
前記浄化容器は、
前記浄化対象物である流体を外部から前記第1室に流入させる流入部と、
前記流体を前記第2室から外部へ流出させる流出部とを備える
ことを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項10】
前記収容部の周囲に設けられており、紫外線又は可視光が照射されることによって光触媒反応が発現する光触媒部材をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の浄化装置。
【請求項11】
前記光触媒部材は酸化チタン材料を表面に含む
ことを特徴とする請求項10に記載の浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−103184(P2013−103184A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249463(P2011−249463)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【出願人】(599165234)東洋精機株式会社 (6)
【Fターム(参考)】