説明

浄水器

【課題】プレフィルタを設けることで、メインの細隙フィルタが早期に劣化するのを抑制することができて、ランニングコストを低減することができるとともに、プレフィルタの汚れ具合をケース22の外部から容易に確認することができる浄水器を提供する。
【解決手段】ケース22内には、水を浄化するための細隙フィルタを含むフィルタカートリッジ28を設ける。ケース22内には、細隙フィルタよりなるプレフィルタ37をフィルタカートリッジ28の上流側に位置するように設ける。ケース22の側壁には、プレフィルタ37の汚れ具合を確認するための透視窓40を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水栓の先端に取り付けられて、水道水等の原水の浄化に用いられる浄水器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の浄水器としては、例えば特許文献1に開示されるような構成が提案されている。この従来構成においては、浄水器のケースが、水栓の先端に接続される接続用ボディと、その接続用ボディの側部に設けられた浄水器本体とより構成されている。浄水器本体内には、活性炭等の吸着材及び中空糸膜等の細隙フィルタよりなるフィルタカートリッジが着脱可能に収容されている。そして、接続用ボディが水栓の先端に接続された状態で、水栓から接続用ボディ内に流入する水道水等の原水が浄水器本体内に導かれて、フィルタカートリッジの吸着材及び細隙フィルタにより浄化されるようになっている。
【0003】
このような構成の浄水器において、浄水器本体内に浄化した原水の積算量が多くなったり、汚れ度合いの高い原水が通過されたりすると、浄化性能の低下や、細隙フィルタの目詰まりを招くおそれがある。
【0004】
このような不具合を解消するため、特許文献1の従来構成では、接続用ボディ内において浄水器本体に原水を導く流路上に浄水流量インジケータが設けられ、その浄水流量インジケータの上流側に定流量弁が連接されている。接続用ボディの側壁には、浄水流量インジケータを外部から目視するための窓が設けられている。そして、浄水流量インジケータの表示に基づいて、定流量弁により浄水器本体内に流入する原水の高流量化が抑制されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−104628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、この従来の浄水器においては、原水の流路中に設けられた吸着材及び細隙フィルタからなるフィルタカートリッジのみにより、原水の浄化が行われるようになっている。このため、前記のように浄化する原水の高流量化を抑制するように構成した場合でも、フィルタカートリッジの吸着材や細隙フィルタが早期に劣化しやすくて、フィルタカートリッジを短期間に交換する必要がアった。この場合、吸着材及び細隙フィルタよりなるフィルタカートリッジは高価であるため、ランニングコストがかかるという問題がアった。
【0007】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、プレフィルタを設けることで、メインの細隙フィルタが早期に劣化するのを抑制することができて、ランニングコストを低減することができるとともに、プレフィルタの汚れ具合をケースの外部から容易に確認することができる浄水器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明は、ケース内に設けられた細隙フィルタにより水を浄化するようにした浄水器において、前記ケース内には前記細隙フィルタの上流側に位置するように細隙フィルタよりなるプレフィルタを設け、そのプレフィルタの汚れ具合を確認するための透視窓を前記ケースに設けたことを特徴としている。
【0009】
従って、この発明の浄水器では、プレフィルタ及びその下流側に設けられたメインの細隙フィルタにより、水の浄化が順に行われる。そのため、メインの細隙フィルタが早期に劣化するのを抑制することができて、そのメインの細隙フィルタの交換時期を延長させることができる。よって、プレフィルタとして構造が簡単で安価な細隙フィルタを用いれば、高価なメインの細隙フィルタの交換に代えて、安価なプレフィルタの交換により対応することができて、ランニングコストを低減することができる。また、プレフィルタの汚れ具合をケースの透視窓から容易に確認することができるため、劣化したプレフィルタの交換を適切に行うことができる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、この発明によれば、プレフィルタを設けることで、メインの細隙フィルタが早期に劣化するのを抑制することができて、ランニングコストを低減することができるとともに、プレフィルタの汚れ具合をケースの外部から容易に確認することができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態の浄水器を示す斜視図。
【図2】同浄水器の内部構成を示す概略構成図。
【図3】同浄水器におけるフィルタカートリッジを拡大して示す断面図。
【図4】同浄水器におけるプレフィルタを拡大して示す断面図。
【図5】同浄水器に付属される取付用のアタッチメントセットを示す平面図。
【図6】図5の6−6線における断面図。
【図7】図5の7−7線における部分断面図。
【図8】図5のアタッチメントセット中の工具を示す斜視図。
【図9】図8の工具を使用して、アタッチメントセット中の1つのアタッチメントを介して浄水器を水栓の先端に取り付ける方法を示す分解斜視図。
【図10】図9の浄水器の取付方法の要部平断面図。
【図11】図10の11−11線における部分断面図。
【図12】同浄水器の取付方法を図10に続いて示す要部平断面図。
【図13】同浄水器の取付方法を図12に続いて示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、この発明を具体化した浄水器の一実施形態を、図面に従って説明する。
図1及び図2に示すように、この実施形態の浄水器21においては、ケース22が下ケース部22aと、その下ケース部22a上に取り付けられた上ケース部22bと、その上ケース部22bの上面に着脱可能にねじ込み固定されたカートリッジケース部22cとから構成されている。図1及び図13に示すように、上ケース部22bの上面には水栓取付部23が突設され、その外周のネジ部23aには取付用ナット24が着脱可能に螺合されている。そして、この取付用ナット24により、水栓25の先端部の形状に適合するアタッチメント26がパッキン27を介して、水栓取付部23に取り付けられる。このため、アタッチメント26を介して、浄水器21のケース22全体が水栓25の先端部に装着される。
【0013】
図1及び図2に示すように、前記ケース22のカートリッジケース部22c内には、フィルタカートリッジ28が脱着交換可能に収容されている。図3に示すように、このフィルタカートリッジ28は、外側に配置された活性炭よりなる円筒状の吸着材29と、その吸着材29の内側に配置された中空糸膜よりなるメインの細隙フィルタ30とにより構成されている。そして、前記水栓25からケース22内に流入する水道水等の原水がフィルタカートリッジ28の外周側から中心側に通過することで、その吸着材29及び細隙フィルタ30によって原水の浄化が行われる。
【0014】
前記ケース22内において水栓25からの原水の流路中には、浄水と原水とを切り換えるための第1切換バルブ31が接続されている。ケース22の側部には、第1切換バルブ31を切り換え操作するための操作レバー32が回動可能に突設されている。そして、この操作レバー32の回動操作により、第1切換バルブ31が浄水位置と原水位置とに選択切り換えされることにより、水栓25からの原水の流路が前記フィルタカートリッジ28を通過する流路と、フィルタカートリッジ28を迂回する流路とに切り換えられる。
【0015】
前記下ケース部22aの下面には、ストレート吐水口33及びシャワー噴射口34が突設されている。ケース22内においてストレート吐水口33及びシャワー噴射口34の上流側には、ストレート吐水とシャワー噴射とを切り換えるための第2切換バルブ35が接続されている。下ケース部22aの前面には、第2切換バルブ35を切り換え操作するための操作レバー36が回動可能に突設されている。そして、この操作レバー36の回動操作によって、第2切換バルブ35が切り換え動作されることにより、吐水口33からのストレート吐水とシャワー噴射口34からのシャワー噴射との切り換えが行われる。
【0016】
前記フィルタカートリッジ28の上流側に位置するように、ケース22内の流路にはプレフィルタ37が配設されている。ケース22の側面にはプレフィルタ37を脱着交換するための開口部38が形成され、その開口部38にはキャップ39が着脱可能に螺合されている。このキャップ39の内面にプレフィルタ37が着脱可能に支持されている。図4に示すように、プレフィルタ37は、固められた不織布からなる円筒状の細隙フィルタにより構成されている。そして、前記第1切換バルブ31が浄水位置に切り換えられた状態で、フィルタカートリッジ28側に流れる原水がプレフィルタ37の外周側から中心側に通過することにより、フィルタカートリッジ28に先立って原水の浄化が行われる。
【0017】
図1及び図2に示すように、前記プレフィルタ37に対応して、上ケース部22bの側壁前面には透明板よりなる透視窓40が設けられている。そして、この透視窓40を通して、ケース22の外部からプレフィルタ37の汚れ具合を肉眼で確認できるようになっている。
【0018】
次に、前記浄水器21の付属品である取付用のアタッチメントセットについて説明する。
図5〜図7に示すように、このアタッチメントセット41は、台紙42と、その台紙42上に複数の折り曲げ片43aにおいて着脱可能に取り付けられた透明な覆い板43とを備えている。覆い板43の内面には、複数の収容凹部43bが形成されている。覆い板43の各収容凹部43bには、3種類のアタッチメント26及び1つの工具44が収容されている。
【0019】
前記アタッチメント26は、第1アタッチメント26Aと、第2アタッチメント26Bと、第3アタッチメント26Cとから構成されている。第1アタッチメント26Aの上端内周面には、水栓25の先端外周に設けられた図示しないネジ部に螺合可能な雌ネジ部45が形成されている。つまり、この第1アタッチメント26Aは先端外周にネジ部を有する水栓にセットされる。第1アタッチメント26Aの下端面には、同アタッチメント26Aを水栓25に装着する際に回転させるための工具44用のドライバ溝46が形成されている。
【0020】
図5、図6及び図9に示すように、前記第2アタッチメント26Bの上端外周面には、水栓25の先端内周に設けられた図示しないネジ部に螺合可能なネジ部47が形成されている。つまり、この第2アタッチメント26Bは、先端内周に雌ネジを有する水栓にセットされる。第2アタッチメント26Bの下端面には、前記第1アタッチメント26Aと同様なドライバ溝46が形成されている。
【0021】
図5,図6及び図9に示すように、第3アタッチメント26Cの下端外周には、前記浄水器21における取付用ナット24の内周上端の小径突条24aに係合可能な大径突部48が形成されている。第3アタッチメント26Cの周壁には、水栓25の先端外周に締め付けるための4本の取付ネジ49が等間隔おきで、外周側から中心側に向かって進退移動可能に螺合されている。
【0022】
図5及び図8に示すように、前記工具44は平板状の基板50を備えている。基板50の端縁には、第1アタッチメント26A及び第2アタッチメント26Bのドライバ溝46に係合可能な一対のドライバ片51が突設されている。そして、工具44を用いて第1アタッチメント26Aまたは第2アタッチメント26Bを水栓25の先端部に装着する際には、工具44のドライバ片51がドライバ溝46に係合された状態で、工具44によってアタッチメント26A,26Bが回転されることにより、アタッチメント26A,26Bの雌ネジ部45,ネジ部47が水栓25側の図示しないネジ部に螺合される。
【0023】
図5及び図8に示すように、前記基板50におけるドライバ片51と反対側の端部には、幅の異なった一対の嵌合溝52A,52Bが形成されている。そして、工具44を用いて前記第3アタッチメント26Cを水栓25の先端部に装着する際には、図10及び図12に示すように、この嵌合溝52A,52Bが外形の異なった水栓25の先端部に選択的に嵌合される。
【0024】
図5及び図8に示すように、前記各嵌合溝52A,52Bの両側において、基板50の上面には各一対の規制片53A,53Bが突設されている。各規制片53A,53B間には、第3アタッチメント26Cの取付ネジ49を挿通させるための挿通用凹部54が設けられている。規制片53A間の挿通用凹部54は、小さいほうの嵌合溝52Aの中心を通る半径線上に180度隔てて形成されている。規制片53B間の挿通用凹部54は、大きいほうの嵌合溝52Bの中心を通る半径線上に180度隔てて形成されている。そして、工具44を用いて前記第3アタッチメント26Cを水栓25の先端部に装着する際には、図10及び図12に示すように、第3アタッチメント26C上の対向する一対の取付ネジ49がこの挿通用凹部54に挿通される。この状態で、各取付ネジ49が螺進回転されることにより、それらの頭部49aが規制片53A,53Bの外側端部に当接されて、各取付ネジ49の螺進位置が規制される。
【0025】
次に、前記のように構成された浄水器の作用を説明する。
さて、この浄水器21を水栓25に取り付けて使用する場合には、図5に示すアタッチメントセット41中で、水栓25の先端部の形状に適合するアタッチメント26A〜26Cを選択する。そして、工具44を用いて、選択したアタッチメント26A〜26Cを水栓25の先端部に取り付けるとともに、そのアタッチメント26A〜26Cを介して、浄水器21を水栓25に装着する。
【0026】
第3アタッチメント26Cを選択した場合には、図9に示すように、浄水器21の水栓取付部23上から取付用ナット24を取り外すとともに、第3アタッチメント26Cから複数の取付ネジ49を取り外す。この状態で、図10及び図11に示すように、水栓25の先端部に取付用ナット24を介して第3アタッチメント26Cを嵌挿した後、その第3アタッチメント26Cに各取付ネジ49を取り付ける。それとともに、第3アタッチメント26Cの上方において、水栓25の先端部にその先端部の外径に応じて、工具44をその嵌合溝52Aまたは52Bにおいてを嵌合し、第3アタッチメント26C上の対向する一対の取付ネジ49を工具44の挿通用凹部54に挿通させる。そして、この状態で、水栓25の先端部の外周と、嵌合溝52Aまたは52Bとの間の隙間の大小を確認しながら各取付ネジ49を螺進回転させると、図10及び図11に示すように、それらの頭部49aが規制片53A,53Bの外側端部に当接される。この当接により、各取付ネジ49の螺進位置が規制されるとともに、各取付ネジ49の先端部が水栓25の先端外周面に圧接される。
【0027】
続いて、工具44を図11の状態から上方に相対移動させると、螺進回転を完了した一対の取付ネジ49が工具44の挿通用凹部54から離脱される。そして、工具44を水栓25の先端部の周りで90度回転させた後に下方へ相対移動させると、図12に示すように、第3アタッチメント26C上の残りの一対の取付ネジ49が工具44の挿通用凹部54に挿通される。この状態で、各取付ネジ49を螺進回転させると、前記の場合と同様に、それらの頭部49aが規制片53A,53Bの外側端部に当接されて、各取付ネジ49の螺進位置が規制されるとともに、各取付ネジ49の先端部が水栓25の先端外周面に圧接される。この圧接により、第3アタッチメント26Cが水栓25の先端部の外周に対して同心位置に正確に取り付けられるとともに、その第3アタッチメント26Cの下部に大径突部48及び小径突条24aを介して、取付用ナット24が回転可能に支持される。
【0028】
次いで、工具44を図12の状態から上方に相対移動させると、螺進回転を完了した一対の取付ネジ49が工具44の挿通用凹部54から離脱される。さらに、工具44を図12の右側方に相対移動させると、工具44の嵌合溝52Aまたは52Bが水栓25の先端部から離脱されて、工具44が水栓25の先端部から取り外される。この状態で、図13に示すように、前記取付用ナット24を浄水器21上の水栓取付部23のネジ部23aに螺合させると、浄水器21が第3アタッチメント26Cを介して、水栓25の先端部に装着される。
【0029】
このように、浄水器21が水栓25の先端部に装着された状態で、水栓25が開放されると、水栓25から浄水器21内に原水が流入する。このとき、図1及び図2に示す第1切換バルブ31が浄水位置に切り換えられている場合には、原水がプレフィルタ37及びフィルタカートリッジ28側に導かれて、そのプレフィルタ37及びフィルタカートリッジ28により、原水の浄化が順に行われる。これに対して、第1切換バルブ31が原水位置に切り換えられている場合には、原水がフィルタ37及びフィルタカートリッジ28を迂回して、浄化されることなくそのままの状態で下流側に導かれる。
【0030】
そして、前記第1切換バルブ31の下流側に設けられた第2切換バルブ35がストレート吐水位置に切り換えられている場合には、浄水または原水がストレート吐水口33から吐出される。これに対して、第2切換バルブ35がシャワー噴射位置に切り換えられている場合には、浄水または原水がシャワー噴射口34からシャワー噴射される。
【0031】
前記のように、この浄水器21では、第1切換バルブ31が浄水位置に切り換えられた状態で、上流側においてプレフィルタ37により原水の浄化が予め行われた後に、下流側においてフィルタカートリッジ28により原水の浄化が行われる。このため、プレフィルタ37が汚損したとしても、フィルタカートリッジ28の細隙フィルタ30は早期に機能低下するおそれがなくて、長期間にわたって交換することなく使用することができる。そこで、この浄水器21においては、複数個のプレフィルタ37と1個のフィルタカートリッジ28とを1セットとした交換用の付属品が装備されている。
【0032】
また、浄水器21の使用時には、ケース22に透視窓40が設けられているため、その透視窓40からプレフィルタ37の汚れ具合を確認して、汚損したプレフィルタ37を適切な時期に交換することができる。そして、プレフィルタ37を交換する場合には、ケース22の開口部38に対してキャップ39を脱着することにより、ケース22内へのプレフィルタ37の脱着交換を容易に行うことができる。
【0033】
さらに、浄水器21の長期の使用に伴って、複数のプレフィルタ37を交換した場合には、フィルタカートリッジ28にも汚れが集積するため、そのフィルタカートリッジ28を交換する必要がある。この場合には、ケース22の上ケース部22bからカートリッジケース部22cを脱着することにより、そのカートリッジケース部22c内へのフィルタカートリッジ28の脱着交換を容易に行うことができる。
【0034】
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) この浄水器においては、ケース22内に、水を浄化するための中空糸膜等よりなるメインの細隙フィルタ30を含むフィルタカートリッジ28が設けられている。ケース22内には、不織布等の細隙フィルタよりなるプレフィルタ37がフィルタカートリッジ28の上流側に位置するように設けられている。ケース22の側壁には、プレフィルタ37の汚れ具合を確認するための透視窓40が設けられている。
【0035】
このため、プレフィルタ37及びその下流側に設けられたメインの細隙フィルタ30により、水の浄化が順に行われて、メインの細隙フィルタ30が早期に機能低下するのを抑制することができ、そのメインの細隙フィルタ30の交換時期を延長させることができる。よって、プレフィルタ37として構造が簡単で安価な不織布等よりなる細隙フィルタを用いれば、中空糸膜等よりなる高価なメインの細隙フィルタ30を含むフィルタカートリッジ28の交換に代えて、安価なプレフィルタ37の交換により対応することができて、ランニングコストを低減することができる。また、プレフィルタ37の汚れ具合をケース22の透視窓40から容易に確認することができるため、劣化したプレフィルタ37の交換を適切に行うことができる。
【0036】
(2) この浄水器においては、アタッチメントセット41が付属品として装備され、そのアタッチメントセット41には、複数の取付ネジ49を備えた第3アタッチメント26C、及びその第3アタッチメント26Cを水栓25の先端部に取り付ける際に使用する工具44が設けられている。よって、この工具44を用いて、第3アタッチメント26Cの取付ネジ49を螺進回転させることにより、第3アタッチメント26Cを水栓25の先端部に対して同心位置に正確に取り付けることができる。このため、第3アタッチメント26Cが水栓25の先端部に対して偏心位置に取り付けられることで、水栓25に対する浄水器21の装着保持力が低減したり、水栓25の先端部と浄水器21の水栓取付部23との間のシール力が不足したりするおそれを適切に防止することができる。
【0037】
(3) この浄水器においては、前記アタッチメントセット41に、ドライバ溝46を形成した第1アタッチメント26A及び第2アタッチメント26Bが設けられている。そして、工具44には、第1アタッチメント26A及び第2アタッチメント26Bを水栓25の先端部に取り付ける際に回転させるためのドライバ片51が設けられている。よって、1つの工具44を、第1アタッチメント26A及び第2アタッチメント26Bの回転操作用と、前記第3アタッチメント26Cの取付ネジ49の螺進回転用とに共用することができる。
【0038】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記フィルタカートリッジ28及びプレフィルタ37の構成を任意に変更すること。例えば、中空糸膜フィルタを省略すること。
【0039】
・ 工具44の嵌合溝を1または3以上の複数種類とすること。
(他の技術的思想)
前記実施形態から把握されるが、請求項には記載されていない技術的思想は以下の通りである。
(イ)基板50には、水栓25の先端部に嵌合される嵌合溝が形成され、嵌合溝の中心を通る線上において、基板50の上面には取付ネジ49を挿通させて保持するための挿通用凹部54が形成されたことを特徴とする工具。このように構成すれば、図9に示されたようなアタッチメントを水栓25の先端部に対して正確に取り付けることができる。
(ロ)幅の異なる嵌合溝が複数形成され、前記挿通用凹部54が各嵌合溝に対応して形成されたことを特徴とする前記(イ)項に記載の工具。このようにすれば、アタッチメントを径の異なる水栓25の先端部に対して正確に取り付けることができる。
(ハ)基板には、アタッチメントのドライバ溝46に係合可能なドライバ片51が突設されていることを特徴とする前記(イ)項または(ロ)項に記載の工具。このようにすれば、アタッチメントを簡単に回すことができる。
【0040】
(二)前記(イ)〜(ハ)項のうちのいずれか一項に記載の工具と、水栓25の先端部の構造に対応させたアタッチメントとをセットにしたことを特徴とする浄水器。
【符号の説明】
【0041】
21…浄水器、22…ケース、23…水栓取付部、24…取付用ナット、25…水栓、26…アタッチメント、26A…第1アタッチメント、26B…第2アタッチメント、26C…第3アタッチメント、28…フィルタカートリッジ、29…吸着材、30…メインの細隙フィルタ、37…プレフィルタ、40…透視窓、41…アタッチメントセット、44…工具、46…ドライバ溝、49…取付ネジ、51…ドライバ片、52A,52B…嵌合溝、53A,53B…規制片。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に設けられた細隙フィルタにより水を浄化するようにした浄水器において、前記ケース内には前記細隙フィルタの上流側に位置するように細隙フィルタよりなるプレフィルタを設け、そのプレフィルタの汚れ具合を確認するための透視窓を前記ケースに設けたことを特徴とする浄水器。
【請求項2】
プレフィルタは円筒形をなし、そのプレフィルタの収容室の開口を閉鎖する蓋の内面にプレフィルタが着脱可能に取り付けられている請求項1に記載の浄水器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−24716(P2012−24716A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−167034(P2010−167034)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【出願人】(591024719)クリタック株式会社 (14)
【Fターム(参考)】