説明

海洋熱エネルギー変換発電所

一体多段蒸発器システムを含む第1のデッキ部分と、一体多段凝縮システムを含む第2のデッキ部分と、発電機器を収納する第3のデッキ部分と、冷水パイプと、冷水パイプ接続とを有する、水中部分を含むオフショア発電構造。本発明の側面は、海洋熱エネルギー変換過程を利用する発電所を対象とする。本発明のさらなる側面は、低減した寄生負荷、より優れた安定性、より低い建設および運用費用、および改善された環境排出量を有する向上した全体的効率を有するオフショアOTEC発電所に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/297,242号(2010年1月21日出願)、米国特許出願第12/691,655号(2010年1月21日出願)、米国特許出願第12/691,663号(2010年1月21日出願)の優先権を主張する。
【0002】
先行出願の内容は、その全体が参照することによって本明細書に援用される。
【0003】
(発明の分野)
本発明は、海洋熱エネルギー変換発電所に関し、より具体的には、浮遊している最小上下動プラットフォームの多段熱エンジン海洋熱エネルギー変換発電所に関する。
【背景技術】
【0004】
世界中のエネルギー消費および受容は、指数関数的な割合で増大している。この受容は、特にアジアおよびラテンアメリカの発展途上国で上昇し続けることが見込まれる。同時に、従来のエネルギー源、すなわち、化石燃料は、加速的に枯渇しつつあり、化石燃料を利用する費用は上昇し続けている。環境および規制の懸念が、その問題を悪化させている。
【0005】
太陽関連再生可能エネルギーは、エネルギーの増大する受容に対する解決策の一部分を提供してもよい、1つの代替エネルギー源である。太陽関連再生可能エネルギーは、化石燃料、ウラン、または熱「グリーン」エネルギーと違って、その利用と関連する気候リスクがほとんどないか、または全くないため、魅力的である。加えて、太陽関連エネルギーは、無料であり、多いに豊富である。
【0006】
海洋熱エネルギー変換(「OTEC」)は、海洋の熱帯地方で熱として貯蔵された太陽エネルギーを使用して、再生可能エネルギーを産生する方式である。世界中の熱帯海洋および海は、独自の再生可能エネルギー資源を提供する。多くの熱帯地域(およそ南緯20°から北緯20°の間)では、水面海水の温度は、ほぼ一定のままである。約100ftの深さまで、海水の平均表面温度は、75°Fから85°F以上の間で季節的に変化する。同じ地方で、深海水(2500ftから4200ft以上の間)は、極めて一定の40°Fにとどまる。したがって、熱帯海洋構造は、35°Fから45°Fまでの間の温水および冷水貯留の間の温度差を伴って、表面で大量の温水貯留を、深部で大量の冷水貯留を提供する。この温度差は、わずかな季節的変化を伴って、昼夜に極めて一定のままである。
【0007】
OTEC過程は、熱エンジンを駆動して電気エネルギーを産生するために、水面および深海熱帯海域の間の温度差を使用する。OTEC発電は、産生されるエネルギーについて、低〜ゼロ二酸化炭素排出量を有する、可能性がある再生可能エネルギー源として、1970年代後半に識別された。しかしながら、OTEC発電所は、より従来的な高圧高温発電所と比較して、低い熱力学的効率を有する。例えば、80°Fから85°Fまでの間の平均界面温度、および40°Fの一定深海温度を使用して、OTEC発電所の最大理想カルノー効率は、7.5〜8%となる。実際の運用では、OTEC電力システムの総電力効率は、カルノー限度の約半分、または約3.5から4.0%までであると推定されている。加えて、1970年代および1980年代の主要な研究者らによって行われ、非特許文献1(参照することにより本明細書に組み込まれる)で文書化された分析は、水および作動流体ポンプを作動させるため、および電力を発電所の他の補助的必要性に供給するために、40°FのΔTで動作するOTEC発電所によって生成された総電力の4分の1から2分の1(またはそれ以上)が必要とされることを示す。これに基づいて、OTEC発電所が海面水に貯蔵された熱エネルギーを正味電気エネルギーに変換する低い全体的な正味効率が、商業的な実用可能なエネルギー産生オプションではなかった。
【0008】
全体的な熱力学的効率のさらなる低減をもたらす付加的な要因は、精密な周波数調節のために、タービン上に必要な制御を提供することと関連する損失である。これは、温かい海水から抽出することができる、作業を制限するタービンサイクルの圧力損失を導入する。
【0009】
高い温度および圧力で動作する熱エンジンに特有である効率と比較した、この低いOTEC正味効率は、OTEC電力が高価すぎて、より従来的な電力産生の方法と比較できないという、エネルギー計画者によって広く支持されている仮定につながっている。
【0010】
代わりに、寄生所要電力が、温水と冷水との間の比較的小さい温度差のため、OTEC発電所において特に重要である。温かい海水と作動流体との間、および冷たい海水と作動流体との間で、最大熱伝達を達成するために、高い流速とともに、大きい熱交換表面積が必要とされる。これらの要因のうちのいずれか1つを増大させることにより、OTEC発電所への寄生負荷を有意に増加させ、それにより、正味効率を減少させ得る。海水と作動流体との間の限定された温度差におけるエネルギー伝達を最大化する、効率的な熱伝達システムは、OTEC発電所の商業的実現可能性を増大させる。
【0011】
一見すると固有の大量寄生負荷を伴う比較的低い効率に加えて、OTEC発電所の運用環境は、そのような運用の商業的実現可能性も減少させる、設計および運用課題を提示する。前述のように、OTEC熱エンジンに必要とされる温水は、100ft以下の深さまでの海洋の表面で見出される。OTECエンジンを冷却するための一定の冷水源は、2700ftから4200ft以上の間の深さで見出される。そのような深さは、典型的には、居留区または陸塊にさえごく接近して見出されない。オフショア発電所が必要とされる。
【0012】
発電所が浮遊していようと、水中の特徴に固定されていようと、2000ft以上の長い冷水取水パイプが必要とされる。また、商業的に実現可能なOTEC運用で必要とされる大量の水により、冷水取水パイプは、大きな直径(典型的には、6から35フィート以上の間)を必要とする。オフショア構造から大直径パイプを吊るすことにより、商業的実現可能性を越えてOTECの費用を以前に駆動してきた、安定性、接続、および構築課題を提示する。
【0013】
加えて、動的な海洋環境で吊るされる、有意な長さ対直径比を有するパイプは、温度差およびパイプの長さに沿った変化する海流を受けることができる。屈曲およびパイプに沿って流れる渦からの応力もまた、課題を提示する。そして、波の作用等の表面影響は、パイプと浮遊プラットフォームとの間の接続に関して、さらなる課題を提示する。望ましい性能、接続、および構造の配慮を有する、冷水パイプ取水システムは、OTEC発電所の商業的実現可能性を増大させる。
【0014】
OTEC発電所と関連する環境的懸念もまた、OTEC運用への障害となっている。従来のOTECシステムは、海洋深部から大量の栄養豊富な冷水を引き込み、この水を表面または表面付近で排出する。そのような排出は、肯定的または不利に、OTEC発電所の付近の海洋環境に影響を及ぼし、OTEC排出から下流にあってもよい、魚種資源および珊瑚礁系に影響を及ぼし得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】William Avery and Chih Wu,“Renewable Energy from the Ocean,a Guide to OTEC” Oxford University Press,1994
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の側面は、海洋熱エネルギー変換過程を利用する発電所を対象とする。
【0017】
本発明のさらなる側面は、低減した寄生負荷、より優れた安定性、より低い建設および運用費用、および改善された環境排出量を伴う、向上した全体的効率を有するオフショアOTEC発電所に関する。他の側面は、浮遊構造と一体である大容量水導管を含む。多段OTEC熱エンジンのモジュール性および区画化は、建設および維持費用を削減し、オフグリッド運用を限定し、運用性能を向上させる。なおもさらなる側面は、統合熱交換区画を有する、浮遊プラットフォームを提供し、波の作用によるプラットフォームの最小の移動を提供する。統合浮遊プラットフォームはまた、多段熱交換器を通して、効率的な温水または冷水流を提供し、効率を増加させ、寄生電力需要を低減してもよい。本発明の側面は、適切な深度/温度範囲で温水および冷水を排出することによって、環境的に中性の熱排出量を推進することができる。電気の形態で抽出されるエネルギーは、海洋へのバルク温度を低下させる。
【0018】
本発明のなおもさらなる側面は、オフショアOTEC施設とともに使用するための冷水パイプに関し、冷水パイプは、オフセットしたおけ板連続パイプである。
【0019】
一側面は、外面、最上端、および底端を有する、細長い管状構造を備えるパイプに関する。管状構造は、複数の第1および第2のおけ板セグメントを備え、各おけ板セグメントは、最上部分と、底部分とを有し、第2のおけ板セグメントの最上部分は、第1のおけ板セグメントの最上部分からオフセットされる。
【0020】
さらなる側面は、管状構造の外面上でパイプに少なくとも部分的に巻き付けられたリボンまたは輪がねを備える、パイプに関する。リボンまたは輪がねは、パイプの最上部分、パイプの中間部分、またはパイプの下側部分の外面に円周方向に巻き付けることができる。リボンまたは輪がねは、パイプの全長に円周方向に巻き付けることができる。リボンまたは輪がねは、パイプの外面に対して実質的に平坦になるよう取り付けることができる。リボンまたは輪がねは、パイプの外面から外向きに突出するよう取り付けることができる。リボンまたは輪がねは、パイプと同じまたは異なる材料で作ることができる。リボンまたは輪がねは、パイプの外面に接着結合する、パイプの外面に機械的に結合する、またはパイプの外面に付着するために機械的および接着結合の組み合わせを使用することができる。
【0021】
本発明のさらなる側面は、オフセットしたおけ板パイプに関し、各おけ板セグメントはさらに、隣接するおけ板セグメントと噛合して係合するために、第1の側面上のタンと、第2の側面上の溝とを備える。オフセットしたおけ板パイプは、1つのおけ板の第1の側面を第2のおけ板の第2の側面に機械的に連結するように、正係止システムを含むことができる。おけ板は、ビスケットジョイナを使用して、1つのおけ板の最上部分から隣接するおけ板の底部分まで垂直に接合することができる。代替実施形態では、おけ板の最上部分およびおけ板の底部分はそれぞれ、第1のおけ板の最上部分が第2のおけ板の底部分と接合された時に、接合空隙が整合するように、接合空隙を含むことができる。可撓性の樹脂を、整合した接合空隙の中へ注入することができる。可撓性樹脂は、任意の接合した表面の間隙を充填するために使用することができる。本発明の側面では、可撓性樹脂は、メタクリレート接着剤である。
【0022】
本発明の個々のおけ板は、任意の長さとなり得る。側面では、各おけ板セグメントは、おけ板の底部分から最上部分まで測定されて、20フィートから90フィートの間である。おけ板セグメントは、標準インターモーダルコンテナによって配送されるようにサイズ決定することができる。個々のおけ板セグメントは、広さ10インチから80インチの間となり得る。各おけ板セグメントは、厚さ1インチから24インチの間となり得る。
【0023】
本発明の側面では、おけ板セグメントは、引き抜き成形、押し出し成形、または成形することができる。おけ板セグメントは、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、繊維強化プラスチック(FRP)、強化ポリマーモルタル(RPMP)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、架橋高密度ポリエチレン(PEX)、ポリブチレン(PB)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエステル、繊維強化ポリエステル、ビニルエステル、強化ビニルエステル、コンクリート、セラミック、またはそれらのうちの1つ以上の複合材料を含むことができる。
【0024】
本発明のさらなる側面では、おけ板セグメントは、少なくとも1つの内部空隙を備えることができる。次いで、少なくとも1つの空隙は、水、ポリカーボネートフォーム、またはシンタクチックフォームで充填することができる。
【0025】
本発明の側面では、パイプは、OTEC発電所用の冷水取水パイプである。
【0026】
本発明のなおもさらなる側面は、水中部分を備える、オフショア発電構造に関し、水中部分はさらに、熱交換部分と、発電部分と、複数のオフセットした第1および第2のおけ板セグメントを備える冷水パイプとを備える。
【0027】
本発明のさらに別の側面は、OTEC発電所で使用するための冷水パイプを形成する方法に関し、方法は、連続的な細長い管を形成するよう、第2のおけ板セグメントが第1のおけ板セグメントからオフセットされるように、交互の第1および第2のおけ板セグメントを接合する、複数の第1および第2のおけ板セグメントを形成するステップを含む。
【0028】
本発明のさらなる側面は、垂直パイプ受容ベイを有する浮遊構造であって、受容ベイは、第1の直径を有する、浮遊構造と、パイプ受容ベイに挿入するための垂直パイプであって、パイプ受容ベイの第1の直径よりも小さい第2の直径を有する、垂直パイプと、部分的球面または弓形ベアリング面と、ベアリング面とともに動作可能な1つ以上の可動移動止め、ピニオン、またはラグであって、移動止めは、ベアリング面と接触している時に第1または第2の直径とは異なる直径を画定する、移動止めとを備える、水中垂直パイプ接続に関する。
【0029】
本発明の付加的な側面は、水中垂直パイプを浮遊プラットフォームに接続する方法に関し、垂直パイプ受容ベイを有する浮遊構造を提供するステップであって、パイプ受容ベイは、第1の直径を有する、ステップと、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する、最上端部分を有する垂直パイプを提供するステップと、垂直パイプの最上端部分を受容ベイに挿入するステップと、垂直パイプを支持するためのベアリング面を提供するステップと、1つ以上の移動止めが第1または第2の直径とは異なる直径を有するように、1つ以上の移動止めを拡張するステップと、浮遊構造から垂直パイプを吊るすように、1つ以上の移動止めを前記ベアリング面と接触させるステップとを含む。
【0030】
本発明の側面では、1つ以上の移動止めは、垂直パイプと一体になり得る。1つ以上の移動止めは、受容ベイと一体になり得る。1つ以上の移動止めは、第1の直径よりも小さい直径を画定する、第1の後退位置を備える。1つ以上の移動止めは、第1の直径よりも大きい直径を画定する、拡張位置を備える。ベアリング面は、パイプ受容ベイと一体であり、1つ以上の移動止めとともに動作可能である。ベアリング面は、球面ベアリング面を備えることができる。1つ以上の移動止めはさらに、ベアリング面に接触するように構成される噛合表面を備える。1つ以上の移動止めはさらに、球面ベアリング面に接触するように構成される噛合表面を備える。球面ベアリング面および噛合表面は、垂直パイプと浮遊構造との間の相対運動を促進する。
【0031】
なおもさらなる側面では、1つ以上の移動止めは、第2の直径よりも大きい直径を画定する、第1の後退位置を備える。1つ以上の移動止めは、第2の直径よりも小さい直径を画定する、拡張位置を備える。ベアリング面は、垂直パイプと一体であり、1つ以上の移動止めとともに動作可能である。
【0032】
側面は、移動止めを拡張または後退させるための駆動部を含むことができ、駆動部は、油圧制御駆動部、空気圧制御駆動部、機械制御駆動部、電気制御駆動部、または電気機械制御駆動部である。
【0033】
さらなる側面は、第1の角度付きパイプ噛合表面を含む、パイプ受容ベイと、第2の角度付きパイプ噛合表面を備える、垂直パイプとを含むことができ、第1および第2の角度付きパイプ噛合表面は、パイプ受容ベイの中への垂直パイプの挿入中に垂直パイプを協調的に誘導するように構成される。
【0034】
なおもさらなる側面では、先細下面を有する受容ベイと、冷水パイプ吊上げカラーの先細カラー表面と密閉可能に係合するための接触パッドとを備える、冷水パイプとスパーの下側部分との間の静的界面が提供される。
【0035】
冷水パイプをスパーの下側部分に接続する例示的方法では、方法は、吊上げおよび保持ケーブルを冷水パイプの上側部分に接続するステップであって、冷水パイプの上側部分は、先細接続面を有する吊上げカラーを備える、ステップと、吊上げおよび保持ケーブルを使用して、スパー受容ベイの中へ冷水パイプを引くステップであって、受容ベイは、冷水パイプの上側部分を受容するための先細表面と、接触パッドとを備える、ステップと、冷水パイプの先細接続面を、受容ベイの接触パッドと密閉可能に接触させるステップと、接続面と接触パッドとの間の密閉可能な接触を維持するように、吊上げケーブルを機械的に固定するステップとを含む、ステップを提供する。
【0036】
その上さらなる側面では、冷水パイプが、スパーの下側部分への静的接続のために提供され、冷水パイプは、第1の縦部分と、第2の縦部分とを備え、第1の縦部分は、スパーの下側部分に接続され、第2の縦部分は、第1の縦部分よりも可撓性である。いくつかの側面では、第2の縦部分ほど可撓性ではない第3の縦部分を、冷水パイプに含むことができる。第3の縦部分は、第1の縦部分よりも可撓性となり得る。第3の縦部分は、冷水パイプの長さの50%以上を備えることができる。第1の縦部分は、冷水パイプの長さの10%以上を備えることができる。第2の縦部分は、冷水パイプの長さの1%から30%までの間を備えることができる。第2の縦部分は、0.5度から30度までの冷水パイプの第3の縦部分の偏向を許容することができる。
【0037】
本発明のさらなる側面は、最適化された多段熱交換システムを有する、浮遊した最小上下動OTEC発電所に関し、温水および冷水供給導管および熱交換器キャビネットは、発電所の浮遊プラットフォームまたは構造に構造的に統合される。
【0038】
なおもさらなる側面は、浮遊海洋熱エネルギー変換発電所を含む。スパー等の最小上下動構造、または修正半潜水型オフショア構造は、構造的に一体の温海水通路と、多段熱交換表面と、作動流体通路とを有する、第1のデッキ部分を備えてもよく、第1のデッキ部分は、作動流体の蒸発を提供する。構造的に一体の冷海水通路と、多段熱交換表面と、作動流体通路とを有する、第2のデッキ部分も提供され、第2のデッキ部分は、蒸気から液体に作動流体を凝縮するための凝縮システムを提供する。第1および第2のデッキ作動流体通路は、発電のための1つ以上の蒸気タービン駆動発電機を備える、第3のデッキ部分と連通している。
【0039】
一側面では、水中部分を備える、オフショア発電構造が提供される。水中部分はさらに、一体多段蒸発器システムを備える第1のデッキ部分と、一体多段凝縮システムを備える第2のデッキ部分と、発電および変換機器を収納する第3のデッキ部分と、冷水パイプおよび冷水パイプ接続とを備える。
【0040】
さらなる側面では、第1のデッキ部分はさらに、高容量温水導管を形成する第1段温水構造通路を備える。第1のデッキ部分はまた、蒸気まで作動流体を加温するように、第1段温水構造通路と協働して配列される第1段作動流体通路も備える。第1のデッキ部分はまた、第2段温水構造通路に直接連結される第1段温水排出口も備える。第2段温水構造通路は、高容量温水導管を形成し、第1段温水排出口に連結される第2段温水取水口を備える。第2段温水取水口への第1段温水排出口の配設は、第1および第2段の間の温水流において最小の圧力損失を提供する。第1のデッキ部分はまた、蒸気まで第2の作動流体を加温するように、第2段温水構造通路と協働して配列される第2段作動流体通路も備える。第1のデッキ部分はまた、第2段温水排出口も備える。
【0041】
さらなる側面では、水中部分はさらに、高容量温水導管を形成する第1段冷水構造通路を備える第2のデッキ部分を備える。第1段冷水通路はさらに、第1段冷水取水口を備える。第2のデッキ部分はまた、第1のデッキ部分の第1段作動流体通路と連通している第1段作動流体通路も備える。第1段冷水構造通路と協働している第2のデッキ部分の第1段作動流体通路は、液体まで作動流体を冷却する。第2のデッキ部分はまた、高容量温水導管を形成する、第2段冷水構造通路に直接連結される、第1段冷水排出口も備える。第2段冷水構造通路は、第2段冷水取水口を備える。第1段冷水排出口および第2段冷水取水口は、第1段冷水排出口から第2段冷水取水口への冷水流の最小圧力損失を提供するように配設される。第2のデッキ部分はまた、第1のデッキ部分の第2段作動流体通路と連通している第2段作動流体通路も備える。第2段冷水構造通路と協働している第2段作動流体通路は、液体まで2段作動流体通路内の作動流体を冷却する。第2のデッキ部分はまた、第2段冷水排出口も備える。
【0042】
さらなる側面では、第3のデッキ部分は、第1および第2の蒸気タービンを備えてもよく、第1のデッキ部分の第1段作動流体通路は、第1のタービンと連通しており、第1のデッキ部分の第2段作動流体通路は、第2のタービンと連通している。第1および第2のタービンは、1つ以上の発電機に連結することができる。
【0043】
なおもさらなる側面では、水中部分を備える、オフショア発電構造が提供され、水中部分はさらに、4段蒸発器部分と、4段凝縮器部分と、4段発電部分と、冷水パイプ接続と、冷水パイプとを備える。
【0044】
一側面では、4段蒸発器部分は、第1段熱交換表面、第2段熱交換表面、第3段熱交換表面、および第4段熱交換表面を含む、温水導管を備える。温水導管は、水中部分の垂直構造部材を備える。第1、第2、第3、および第4の熱交換表面は、作動流体導管の第1、第2、第3、および第4段部分と協働しており、作動流体導管を通って流れる作動流体は、第1、第2、第3、および第4段部分のそれぞれにおいて蒸気まで加熱される。
【0045】
一側面では、4段凝縮器部分は、第1段熱交換表面、第2段熱交換表面、第3段熱交換表面、および第4熱交換表面を含む冷水導管を備える。冷水導管は、水中部分の垂直構造部材を備える。第1、第2、第3、および第4の熱交換表面は、作動流体導管の第1、第2、第3、および第4段部分と協働しており、作動流体導管を通って流れる作動流体は、各連続段階でより低いΔTを伴って、第1、第2、第3、および第4段部分のそれぞれにおいて蒸気まで加熱される。
【0046】
さらに別の側面では、蒸発器部分の第1、第2、第3、および第4段作動流体導管は、第1、第2、第3、および第4の蒸気タービンと連通しており、蒸発器部分の第1段作動流体導管は、第1の蒸気タービンと連通しており、凝縮器部分の第4段作動流体導管へと排出する。
【0047】
さらに別の側面では、蒸発器部分の第1、第2、第3、および第4段作動流体導管は、第1、第2、第3、および第4の蒸気タービンと連通しており、蒸発器部分の第2段作動流体導管は、第2の蒸気タービンと連通しており、凝縮器部分の第3段作動流体導管へと排出する。
【0048】
さらに別の側面では、蒸発器部分の第1、第2、第3、および第4段作動流体導管は、第1、第2、第3、および第4の蒸気タービンと連通しており、蒸発器部分の第3段作動流体導管は、第3の蒸気タービンと連通しており、凝縮器部分の第2段作動流体導管へと排出する。
【0049】
さらに別の側面では、蒸発器部分の第1、第2、第3、および第4段作動流体導管は、第1、第2、第3、および第4の蒸気タービンと連通しており、蒸発器部分の第4段作動流体導管は、第4の蒸気タービンと連通しており、凝縮器部分の第1段作動流体導管へと排出する。
【0050】
なおもさらなる側面では、第1の発電機が、第1のタービン、第4のタービン、または第1および第4のタービンの組み合わせによって駆動される。
【0051】
なおもさらなる側面では、第2の発電機が、第2のタービン、第3のタービン、または第2および第3のタービンの両方の組み合わせによって駆動される。
【0052】
本発明の付加的な側面は、第1および第4のタービンまたは第2および第3のタービンが、9MWから60MWの間の電力を産生する、第1および第2のタービンが、約55MWの電力を産生する、第1および第2のタービンが、海洋熱エネルギー変換発電所で複数のタービン発電機セットのうちの1つを形成する、第1段温水取水口には、第2段冷水排出口からの干渉がない、第1段冷水取水口には、第2段温水排出口からの干渉がない、第1または第2段作動流体通路内の作動流体が、商業用冷媒を備える、といった特徴のうちの1つ以上を組み込むことができる。作動流体は、アンモニア、プロピレン、ブタン、R−134、またはR−22を備え、第1および第2段作動流体通路の中の作動流体は、12°Fから24°Fの間で温度が上昇し、第1の作動流体は、第1段作動流体通路を通って流れ、第2の作動流体は、第2段作動流体通路を通って流れ、第2の作動流体は、第1の作動流体が第1の蒸気タービンに進入するよりも低い温度で第2の蒸気タービンに進入し、第1および第2段作動流体通路の中の作動流体は、12°Fから24°Fまでの間で温度が低下し、第1の作動流体は、第1段作動流体通路を通って流れ、第2の作動流体は、第2段作動流体通路を通って流れ、第2の作動流体は、第1の作動流体が第2のデッキ部分に進入するよりも低い温度で第2のデッキ部分に進入する。
【0053】
本発明のさらなる側面はまた、第1または第2段温水構造通路内を流れる温水が、温かい海水、地熱で加熱された水、太陽熱で加熱された貯水、加熱された工業用冷却水、またはそれらの組み合わせを備える、温水が500,000から6,000,000gpmの間で流れる、温水が5,440,000gpmで流れる、温水が300,000,000lb/hrから1,000,000,000lb/hrの間で流れる、温水が2,720,000lb/hrで流れる、第1または第2段冷水構造通路内を流れる冷水が、冷たい海水、冷たい淡水、冷たい地下水、またはれらの組み合わせを備える、冷水が250,000から3,000,000gpmの間で流れる、冷水が3,420,000gpmで流れる、冷水が125,000,000lb/hrから1,750,000,000lb/hrの間で流れる、冷水が1,710,000lb/hrで流れる、といった特徴のうちの1つ以上を組み込むこともできる。
【0054】
本発明の側面はまた、オフショア構造が最小上下動構造である、オフショア構造が浮遊スパー構造である、オフショア構造が半潜水型構造である、といった特徴のうちの1つ以上を組み込むこともできる。
【0055】
本発明のなおもさらなる側面は、作動流体との熱交換のための第1の水流通路をさらに備える、第1段キャビネットと、第1の作動流体通路と、作動流体との熱交換のためであり、第1の水流通路から第2の水流通路へ流れる水の圧力降下を最小化する方式で第1の水流通路に連結される、第2の水流通路をさらに備える、第1段キャビネットに連結される第2段キャビネットと、第2の作動流体通路とを備える、海洋熱エネルギー変換発電所で使用するための高容量高速熱交換システムを含むことができる。第1および第2段キャビネットは、発電所の構造部材を備える。
【0056】
一側面では、水は、第1段キャビネットから第2段キャビネットへ流れ、第2段キャビネットは、第1段キャビネット蒸発器の下にある。別の側面では、水は、第1段キャビネットから第2段キャビネットへ流れ、第2段キャビネットは、凝縮器の中の第1段キャビネットより上側、および蒸発器の中の第1段キャビネットより下側にある。
【0057】
本発明の側面は、連続オフセットおけ板冷水パイプが、区分化されたパイプ構造よりも軽い、連続オフセットおけ板冷水パイプが、区分化されたパイプよりも少ない摩擦損失を有する、個々のおけ板を、OTEC運用地への容易な輸送のためにサイズ決定することができる、おけ板を、所望の浮力特性に構築することができる、OTEC電力産生が、エネルギー産生のための皆無かそれに近い燃料費を必要とする、OTEC熱エンジンに関与する低い圧力および低い温度が、部品費用を削減し、高圧高温の発電所で使用される、高費用の珍しい材料と比較して、通常の材料を必要とする、発電所の信頼性が、有意な保守なしで数年間連続的に動作している、商業用冷蔵システムに匹敵する、高圧高温の発電所と比較して削減された建設時間、ならびに安全で環境に優しい運用および電力産生といった、利点のうちの1つ以上を有してもよい。付加的な利点は、従来のOTECシステムと比較して増加した正味効率、より低い犠牲電気負荷、温水および冷水通路の中の低減した圧力損失、モジュール式構成要素、少ない頻度のオフグリッド産生時間、最小の上下動および波の作用に対する低減して脆弱性、水面より下側の冷却水の排出、冷水排出からの干渉がない温水の取水を含んでもよい。
【0058】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付図面および以下の説明に記載される。本発明の他の特徴、目的、および利点が、説明および図面から、ならびに請求項から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、例示的な従来技術のOTEC熱エンジンを図示する。
【図2】図2は、例示的な従来技術のOTEC発電所を図示する。
【図3】図3は、本発明のOTEC構造を図示する。
【図3A】図3Aは、本発明のOTEC構造を図示する。
【図4】図4は、本発明のOTEC構造のオフセットおけ板パイプを図示する。
【図5】図5は、本発明のオフセットおけ板パターンの詳細画像を図示する。
【図6】図6は、本発明のオフセットおけ板冷水パイプの断面図を図示する。
【図7】図7A−Cは、本発明の個々のおけ板の種々の図を図示する。
【図8】図8は、本発明の個別おけ板のタンおよび溝配設を図示する。
【図9】図9は、本発明の2つのおけ板の間の正スナップロックを図示する。
【図10】図10は、本発明の強化おけ板を組み込む、オフセットおけ板冷水パイプを図示する。
【図11】図11は、本発明の冷水パイプ構築の方法を図示する。
【図12】図12は、ジンバルパイプ接続の従来技術の実施例を図示する。
【図13】図13は、本発明の冷水パイプ接続を図示する。
【図14】図14は、本発明の冷水パイプ接続を図示する。
【図15】図15は、本発明の冷水パイプ接続方法を図示する。
【図16】図16は、本発明の可撓性冷水パイプとの冷水パイプ接続を図示する。
【図17】図17は、本発明の冷水パイプ接続を図示する。
【図18】図18は、本発明の吊上げカラーを伴う冷水パイプを図示する。
【図19】図19は、本発明の側面の切断斜視図を図示する。
【図20】図20は、本発明の熱交換デッキのデッキ平面図を図示する。
【図21】図21は、本発明のキャビネット熱交換器を図示する。
【図22A】図22Aは、従来の熱交換サイクルを図示する。
【図22B】図22Bは、連鎖多段熱交換サイクルを図示する。
【図22C】図22Cは、ハイブリッド連鎖多段熱交換サイクルを図示する。
【図22D】図22Dは、蒸発器圧力降下および関連電力産生を図示する。
【図23A】図23A−Bは、本発明の例示的なOTEC熱エンジンを図示する。
【図23B】図23A−Bは、本発明の例示的なOTEC熱エンジンを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0060】
種々の図面中の類似参照記号は、特に指示されない限り、類似要素を示す。
【0061】
本発明は、海洋熱エネルギー変換(OTEC)技術を使用する発電に関する。本発明の側面は、以前のOTEC発電と比べて、低減した寄生負荷、より優れた安定性、より低い建設および運用費用、および改善された環境排出量を伴う、向上した全体的効率を有する浮遊OTEC発電所に関する。他の側面は、浮遊構造と一体である大容量水導管を含む。多段OTEC熱エンジンのモジュール性および区画化は、建設および維持費用を削減し、オフグリッド運用を限定し、運用性能を向上させる。なおもさらなる側面は、統合熱交換区画を有する、浮遊プラットフォームを提供し、波の作用によるプラットフォームの最小の移動を提供する。統合浮遊プラットフォームはまた、多段熱交換器を通して、効率的な温水または冷水流を提供し、効率を増加させ、寄生電力需要を低減してもよい。本発明の側面は、適切な深度/温度範囲で温水および冷水を排出することによって、中性の熱排出量を推進する。電気の形態で抽出されるエネルギーは、海洋へのバルク温度を低下させる。
【0062】
OTECは、電気を生成するために、地球の海洋に貯蔵される太陽からの熱エネルギーを使用する過程である。OTECは、海洋のより温かい最上層とより冷たい深海洋水との間の温度差を利用する。典型的には、この差は、好くなとも36°F(20℃)である。これらの条件は、およそ南回帰線と北回帰線との間、または北緯および南緯20°の熱帯地域に存在する。OTEC過程は、ランキンサイクルに電力供給するために温度差を使用し、温かい水面水が熱源としての昨日を果たし、冷たい深水がヒートシンクとしての機能を果たす。ランキンサイクルタービンは、電力を産生する発電機を駆動する。
【0063】
図1は、温海水入口12と、蒸発器14と、温海水出口15と、タービン16と、冷海水入口18と、凝縮器20と、冷海水出口21と、作動流体導管22と、作動流体ポンプ24とを含む、典型的なOTECランキンサイクル熱エンジン10を図示する。
【0064】
動作中、熱エンジン10は、いくつかの作動流体のうちのいずれか1つ、例えば、アンモニア等の商業用冷媒を使用することができる。他の作動流体は、プロピレン、ブタン、R−22、およびR−134aを含むことができる。他の商業用冷媒を使用することができる。約75°Fから85°F以上の間の温かい海水が、温海水入口12を通して、海面または海面の直下から引かれ、次に、蒸発器14を通過するアンモニア作動流体を加温する。アンモニアは、約9.3atmの蒸気圧まで沸騰する。蒸気は、作動流体導管22に沿ってタービン16へと運ばれる。アンモニア蒸気は、タービン16を通過するにつれて膨張し、発電機25を駆動する電力を産生する。次いで、アンモニア蒸気は、凝縮器20に進入し、そこで、約3000ftの深海の深さから引かれた冷たい海水によって冷却される。冷たい海水は、約40°Fの温度で凝縮器に進入する。約51°Fである、凝縮器20の中の温度でのアンモニア作動流体の蒸気圧は、6.1atmである。したがって、有意な圧力差が、タービン16を駆動し、電力を生成するために利用可能である。アンモニア作動流体が凝縮するにつれて、液体作動流体は、作動流体導管22を介して作動流体ポンプ24によって蒸発器14の中へ戻される。
【0065】
図1の熱エンジン10は、異なる作動流体、ならびにより低い温度および圧力を使用することによって、OTECが異なることを除いて、ほとんどの蒸気タービンのランキンサイクルと本質的に同じである。図1の熱エンジン10はまた、熱源(例えば、温かい海洋水)および冷たいヒートシンク(例えば、深海洋水)が電力を産生するために使用されるように、OTECサイクルが反対方向に実行されることを除いて、商業用冷蔵プラントと同様である。
【0066】
図2は、船またはプラットフォーム210と、温海水入口212と、温水ポンプ213と、蒸発器214と、温海水出口215と、タービン発電機216と、冷水パイプ217と、冷海水入口218と、冷水ポンプ219と、凝縮器220と、冷海水出口221と、作動流体導管22と、作動流体ポンプ224と、パイプ接続230とを含む、浮遊OTEC施設200の典型的な構成要素を図示する。OTEC施設200はまた、発電、変換、および伝送システム、推進、スラスタ、または係留システム等の位置制御システム、ならびに種々の補助および支援システム(例えば、職員宿泊施設、非常用電力、携帯用水、下水および排水、消火活動、損傷制御、予備浮力、および他の一般的な船上またはオフショアシステム)を含むこともできる。
【0067】
図1および2の基本熱エンジンおよびシステムを利用するOTEC発電所の実装は、3%以下の比較的低い全体的効率を有する。この低い熱効率により、OTEC運用は、生成される電力の1キロワットにつき、電力システムを通る大量の水流を必要とする。これは次に、蒸発器および凝縮器の中で広い熱交換表面積を有する大型熱交換器を必要とする。
【0068】
そのような大量の水および広い表面積は、温水ポンプ213および冷水ポンプ219においてかなりのポンピング能力を必要とし、陸地を基地とする施設への分配のために、または船上工業目的で利用可能な正味電力を低減する。また、ほとんどの水上船の限定された空間は、蒸発器または凝縮器に方向付けられ、それを通って流れる大量の水を容易に促進しない。実際、大量の水は、大直径パイプおよび導管を必要とする。限定された空間の中にそのような構造を置くことは、他の機械類を収容するように、複数の屈曲を必要とする。そして、典型的な水上船または構造の限定された空間は、OTEC発電所での最大効率に必要とされる広い熱交換表面積を容易に促進しない。したがって、OTECシステムまたは船あるいはプラットフォームは、従来、大型で高価であった。これは、OTEC運用が高費用であり、より高い温度および圧力を使用する他のエネルギー産生オプションと比較すると、低産出量のエネルギー産生オプションであるという業界の結論につながった。
【0069】
本発明の側面は、OTEC運用の効率を向上させ、建設および運用費用を削減するために、技術的課題に対処する。
【0070】
船またはプラットフォーム210は、冷水パイプ217と船またはプラットフォーム210との間の動的な力を最小化するため、およびプラットフォームまたは船におけるOTEC機器のための良性運用環境を提供するために、低運動を必要とする。船またはプラットフォーム210は、冷水および温水入口(218および212)の体積流量を支持し、OTEC過程の効率を確保するように、適切なレベルで十分な冷水および温水を取り込むべきである。船またはプラットフォーム210はまた、船またはプラットフォーム210の水線よりはるかに下側で、冷水および温水出口(221および215)を介して冷水および温水排出を可能にして、海面層の中への熱再循環を回避するべきである。加えて、船またはプラットフォーム210は、発電動作を乱すことなく荒天を乗り切るべきである。
【0071】
OTEC熱エンジン10は、最大効率および電力産生のために、高度に効率的な熱サイクルを利用するべきである。沸騰および凝縮過程における熱伝達、ならびに熱交換器の材料および設計は、1ポンドの温かい海水から抽出することができるエネルギーの量を限定する。蒸発器214および凝縮器220で使用される熱交換器は、寄生負荷を最小化するために、低い損失水頭を伴う大量の温水および冷水流を必要とする。熱交換器はまた、効率を増進させるために、高い熱伝達係数も必要とする。熱交換器は、効率を増進させるように温水および冷水入口温度に合わせられてもよい、材料および設計を組み込むことができる。熱交換器の設計は、費用および体積を削減するように、最小の量の材料を用いた単純構築方法を使用するべきである。
【0072】
タービン発電機216は、最小の内部損失を伴って高度に効率的となるべきであり、また、効率を増進させるように作動流体に合わせられてもよい。
【0073】
図3は、以前のOTEC発電所の効率を増進させ、それと関連する技術的課題の多くを克服する本発明の実装を図示する。この実装は、スパーと一体である熱交換器ならびに関連する温水および冷水配管とともに、船またはプラットフォーム用のスパーを備える。
【0074】
OTECスパー310は、OTEC発電所とともに使用するための一体多段熱交換システムを収納する。スパー310は、水線305より下側に水中部分311を含む。水中部分311は、温水取水部分340と、蒸発器部分344と、温水排出部分346と、凝縮器部分348と、冷水取水部分350と、冷水パイプ351と、冷水排出部分352と、機械デッキ部分354とを備える。デッキハウス360は、スパーの上に固定され、電気開閉所、補助および非常用機械類およびシステム、ボート取扱機器、ならびに事務所、宿泊施設、通信センター、および制御室等の有人空間を収納する。
【0075】
図3Aは、温水取水部分340と、温水ポンプ室341と、積層蒸発器部分344と、タービン発電機349と、積層凝縮器部分348と、冷水取水部分350と、冷水ポンプ室351とを含む、本発明の例示的な機械類レイアウトを図示する。
【0076】
動作中、75°Fから85°Fまでの間の温かい海水が、温水取水部分340を通して引かれ、示されていない構造的に一体の温水導管を通してスパーを伝って流れる。OTEC熱エンジンの高容量水流要件により、温水導管は、500,000gpmから6,000,000gpmまでの間の流量を発器部分344に方向付ける。そのような温水導管は、6ftから35ft以上の間の直径を有する。このサイズにより、温水導管は、スパー310の垂直構造部材である。温水導管は、スパー310を垂直に支持するのに十分な強度の大直径パイプとなり得る。代替として、温水導管は、スパー310の構造と一体である通路となり得る。
【0077】
次いで、温水は、蒸気まで作動流体を加温するために、1つ以上の積層多段熱交換器を収納する蒸発器部分344を通って流れる。次いで、温かい海水は、温水排出口346を介してスパー310から排出される。温水排出は、環境影響を最小化するように、温水排出温度とほぼ同じ温度である海洋温度層における、またはそれに近い深さに、温水排出パイプを介して位置する、または方向付けることができる。温水排出は、温水取水または冷水取水のいずれか一方を伴う熱再循環がないことを確実にするように、十分な深さに方向付けることができる。
【0078】
冷たい海水は、冷水パイプ351を介して、約40°Fの温度で2500から4200ft以上の間の深さから引かれる。冷たい海水は、冷水取水部分350を介してスパー310に進入する。OTEC熱エンジンの高容量水流要件により、冷海水導管は、500,000gpmから3,500,000gpmまでの間の流量を凝縮器部分348に方向付ける。そのような冷海水導管は、6ftから35ft以上の間の直径を有する。このサイズにより、冷海水導管は、スパー310の垂直構造部材である。冷水導管は、スパー310を垂直に支持するのに十分な強度の大直径パイプとなり得る。代替として、冷水導管は、スパー310の構造と一体である通路となり得る。
【0079】
次いで、冷たい海水は、積層多段凝縮器部分348へと上方に流れ、そこで、冷たい海水は、液体まで作動流体を冷却する。次いで、冷たい海水は、冷水排出口352を介してスパー310から排出される。冷水排出は、冷海水排出温度とほぼ同じ温度である海洋温度層における、またはそれに近い深さに、冷海水排出パイプを介して位置する、または方向付けることができる。冷水排出は、温水取水または冷水取水のいずれか一方を伴う熱再循環がないことを確実にするように、十分な深さに方向付けることができる。
【0080】
機械デッキ部分354は、蒸発器部分344と凝縮器部分348との間で垂直に位置付けることができる。蒸発器部分344の下に機械デッキ部分354を位置付けることにより、取水口から多段蒸発器を通して排出口へのほぼ直線の温水流を可能にする。凝縮器部分348より上側に機械デッキ部分354を位置付けることにより、取水口から多段凝縮器を通して排出口へのほぼ直線の冷水流を可能にする。機械デッキ部分354は、タービン発電機356を含む。動作中、蒸発器部分344からの蒸気まで加熱された温かい作動流体は、1つ以上のタービン発電機356へと流れる。作動流体は、タービン発電機356の中で膨張し、それにより、電力の産生のためにタービンを駆動する。次いで、作動流体は、凝縮器部分348へと流れ、液体まで冷却され、蒸発器部分344へと送出される。
【0081】
熱交換器の性能は、流体間の利用可能な温度差、ならびに熱交換器の表面における熱伝達係数の影響を受ける。熱伝達係数は、概して、熱伝達表面を横断する流体の速度とともに変化する。より高い流速は、より高いポンプ能力を必要とし、それにより、発電所の正味効率を低減する。ハイブリッド連鎖多段熱交換システムは、より低い速度およびより優れた発電所効率を促進する。積層ハイブリッド連鎖熱交換設計はまた、熱交換器を通して、より低い圧力降下も促進する。そして、垂直発電所設計は、システム全体にわたって、より低い圧力降下を促進する。ハイブリッド連鎖多段熱交換システムは、2010年1月21日出願の「Ocean Thermal Energy Conversion Plant」と題された米国特許出願第12/691,663号(代理人整理番号第25667−0004001号)で説明されており、その内容全体は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0082】
(冷水パイプ)
上記で説明されるように、OTEC運用は、一定の温度の冷水源を必要とする。冷却水の変動は、OTEC発電所の全体的効率に多大に影響を及ぼし得る。そのようなものとして、約40°Fの水が、2700ftから4200ft以上の間の深さから引かれる。OTEC発電所による使用のために、この冷水を表面へ引くように、長い取水パイプが必要とされる。そのような冷水パイプは、好適な性能および耐久性のパイプを構築する費用により、商業的に実現可能なOTEC動作への障害であった。
【0083】
そのような冷水パイプは、好適な性能および耐久性のパイプを構築する費用により、商業的に実現可能なOTEC動作への障害であった。OTECは、電力を生成する最大効率を確保するために、所望の温度の大量の水を必要とする。OTEC運用に特有の以前の冷水パイプ設計は、部分構築を含んでいた。十分な長さが達成されるまで、円筒パイプセクションが、連続して一緒にボルト締めされ、または機械的に接合された。パイプセクションは、発電所施設の付近で組み立てられ、次いで、完全に構築されたパイプが、逆に置かれ、設置された。このアプローチには、パイプセクション間の接続点における応力および疲労を含む、有意な欠点があった。また、接続ハードウェアが、全体的なパイプ重量を増加させ、パイプセクション接続、および完全に組み立てられたCWPとOTECプラットフォームまたは船との間の接続における応力および疲労の配慮をさらに複雑にした。
【0084】
冷水パイプ(「CWP」)は、2700ftから4200ft以上の間の海洋深度における冷水貯留から水を引くために使用される。冷水は、発電所タービンから出てくる蒸気作動流体を液体まで冷却および凝縮するために使用される。CWP、および船またはプラットフォームへのその接続は、パイプ重量によって課される静および動荷重、最大で100年間の暴風雨過酷性の波浪および海流荷重を受けた時のパイプおよびプラットフォームの相対運動、水ポンプ吸引によって誘発される崩壊荷重に耐えるように構成される。CWPは、低い抵抗力損失を伴って必要水流を取り扱うようにサイズ決定され、海水中で耐久性があり、耐食性である材料でできている。
【0085】
冷水パイプの長さは、温度が約40°Fである深さから水を引く必要性によって画定される。CWPの長さは、2000フィートから4000ft以上の間となり得る。本発明の側面では、冷水パイプは、長さが約3000フィートとなり得る。
【0086】
CWP直径は、発電所のサイズおよび水流要件によって決定される。パイプを通る水の流速は、所望の電力出力およびOTEC発電所の効率によって決定される。CWPは、500,000gpmから3,500,000gpm以上の間の速度で、船またはプラットフォームの冷水導管へ冷水を運ぶことができる。冷水パイプ直径は、6フィートから35フィート以上の間となり得る。本発明の側面では、CWP直径は、直径が約31フィートである。
【0087】
OTEC運用に特有の以前の冷水パイプ設計は、部分構築を含んでいた。十分な長さが達成されるまで、長さが10から80フィートの間の円筒パイプセクションが、連続して一緒にボルト締めされ、または接合された。複数の円筒パイプセクションを使用して、CWPを発電所施設の付近で組み立てることができ、完全に構築されたパイプを逆に置き、設置することができた。このアプローチには、パイプセクション間の接続点における応力および疲労を含む、有意な欠点があった。また、接続ハードウェアが、全体的なパイプ重量を増加させ、パイプセクション接続、および完全に組み立てられたCWPとOTECプラットフォームまたは船との間の接続における応力および疲労の配慮をさらに複雑にした。
【0088】
図4を参照すると、連続オフセットおけ板冷水パイプが示されている。冷水パイプ451は、以前のCWP設計のような部分接合を含まず、代わりに、オフセットおけ板構造を利用している。CWP451は、浮遊OTECプラットフォーム411の水中部分への接続のための最上端部分452を含む。最上端部分452の反対側には、バラストシステム、錨泊システム、および/または取水口スクリーンを含む、底部分454がある。
【0089】
CWP451は、円筒を形成するように構築される、複数のオフセットおけ板を備える。一側面では、複数のオフセットおけ板は、交互の複数の第1のおけ板465および複数の第2のおけ板467を含むことができる。各第1のおけ板は、最上縁471と、底縁472とを含む。各第2のおけ板は、最上縁473と、底縁474とを含む。一側面では、第2のおけ板467は、(第2のおけ板部分467の)最上縁473が、(第1のおけ板部分465の)3%から97%の間で垂直に最上縁471から変位させられるように、隣接する第1のおけ板部分465から垂直にオフセットされる。さらなる側面では、隣接するおけ板の間のオフセットは、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、またはそれ以上となり得る。
【0090】
図5は、本発明の側面のオフセットおけ板パターンの詳細図を図示する。パターンは、複数の第1のおけ板465を含み、それぞれが、最上縁部分471と、底縁部分472と、接続縁480と、オフセット縁478とを有する。パターンはまた、複数の第2のおけ板467も含み、それぞれが、最上縁部分473と、底縁部分474と、接続縁480と、オフセット縁479とを有する。冷水パイプを形成する際に、接続縁480が、最上縁471から底縁472まで測定された時に、第1のおけ板セクション465の長さの約3%から97%であるように、第1のおけ板セクション465は、第2のおけ板セクション467に接合される。一側面では、接続縁480は、おけ板の長さの約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、または90%である。
【0091】
完全に構築されたパイプでは、第1のおけ板465を、接続縁480に沿って第2のおけ板467に接合できることが理解されるであろう。第1のおけ板465はまた、付加的な第1のおけ板部分、付加的な第2のおけ板部分、または任意の他のおけ板部分を含む、オフセット縁478に沿った付加的なおけ板に接続することもできる。同様に、第2のおけ板467は、接続縁480に沿って第1のおけ板部分に接合することができる。そして、第2のおけ板467は、付加的な第1のおけ板部分、付加的な第2のおけ板部分、または任意の他のおけ板部分を含む、オフセット縁479に沿った別のおけ板に接合することもできる。
【0092】
側面では、複数の第1のおけ板465と複数の第2のおけ板467との間の接続縁480は、パイプの円周の周囲で、各おけ板について、おけ板の一貫した長さまたは割合となり得る。複数の第1のおけ板465と複数の第2のおけ板465との間の接続縁480は、冷水パイプ451の縦軸に沿って、各おけ板について、おけ板の一貫した長さまたは割合となり得る。さらなる側面では、接続縁480は、交互の第1のおけ板465および第2のおけ板467の間で長さが変化し得る。
【0093】
図5に図示されるように、第1のおけ板465および第2のおけ板467は、同じ寸法を有する。側面では、第1のおけ板465は、30から130以上の間の幅、30から60フィートの長さ、1から24インチの間の厚さとなり得る。一側面では、おけ板寸法は、約80インチの幅、40フィートの長さ、および4から12インチの厚さとなり得る。代替として、第1のおけ板465は、第2のおけ板467とは異なる長さまたは幅を有することができる。
【0094】
図6は、交互の第1のおけ板465および第2のおけ板467を示す、冷水パイプ451の断面図を図示する。各おけ板は、内面485と、外面486とを含む。隣接するおけ板は、接続面480に沿って接合される。単一のおけ板の反対側の任意の2つの接続面が、角度αを画定する。角度αは、おけ板の総数で360°を割ることによって決定される。一側面では、αは、1°から36°までの間となり得る。一側面では、αは、16おけ板パイプについては22.5°、または32おけ板パイプについては11.25°となり得る。
【0095】
冷水パイプ451の個々のおけ板は、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、繊維強化プラスチック(FRP)、強化ポリマーモルタル(RPMP)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、架橋高密度ポリエチレン(PEX)、ポリブチレン(PB)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン、ポリエステル、繊維強化ポリエステル、ナイロン強化ポリエステル、ビニルエステル、繊維強化ビニルエステル、ナイロン強化ビニルエステル、コンクリート、セラミック、またはそれらのうちの1つ以上の複合材料から作ることができる。個々のおけ板は、標準製造技法を使用して、成形、押出し成形、または引抜き成形することができる。一側面では、個々のおけ板は、所望の形状および形態に引き抜き成形され、繊維またはナイロン強化ビニルエステルを備える。ビニルエステルは、Ashland Chemical(Covington,Kentucky)から入手可能である。
【0096】
一側面では、おけ板は、好適な接着剤を使用して隣接するおけ板に接合される。可撓性の 接合部および均一なパイプ性能を提供するために、可撓性樹脂を使用することができる。本発明の側面では、強化ビニルエステルを備えるおけ板は、ビニルエステル樹脂を使用して隣接するおけ板に接合される。Plexis Structural Adhesives(Danvers,Massachusetts)製のMA560−1等のメタクリレート接着剤も使用することができる。
【0097】
図7A−7Cを参照すると、種々のおけ板構造が示されており、個別おけ板465は、最上縁471と、底縁472と、1つ以上の空隙475とを含む。空隙475は、中空である、水で充填する、樹脂で充填する、接着剤で充電する、またはシンタクチックフォーム等のフォーム材料で充填することができる。シンタクチックフォームは、樹脂および小さいガラスビーズの基質である。ビーズは、中空または中実のいずれか一方となり得る。空隙475は、おけ板および/または冷水パイプ451の浮力に影響を及ぼすように充填することができる。図7Aは、単一の空隙475を図示する。一側面では、複数の空隙475は、図7Bに図示されるように、おけ板の長さに沿って等しく離間することができる。一側面では、1つ以上の空隙475は、おけ板の一方の端に向かって、例えば、図7Cに図示されるように、底縁472に向かって配置することができる。
【0098】
図8を参照すると、各個別おけ板465は、最上縁471と、底縁472と、第1の縦側面491と、第2の縦側面492とを含むことができる。一側面では、縦側面491は、タン493等の建具部材を含む。建具部材は、代替として、ビスケット、相欠き継手、または他の建具構造を含むことができる。第2の縦側面492は、溝494等の噛合建具表面を含む。使用中、第1のおけ板の第1の縦側面491は、第2のおけ板の第2の縦側面492と噛合または接合する。示されていないが、おけ板を縦方向に隣接するおけ板に接合するために、タンおよび溝等の接合構造、または他の構造を、最上縁471および底縁472において使用することができる。
【0099】
本発明の側面では、第1の縦側面は、第2の縦側面492と噛合して係合するための正スナップロック接続491を含むことができる。正スナップロック接続またはスナップロック接続は、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、米国特許第7,131,242号で概して説明されている。タン493の全長が、正スナップロックを組み込むことができ、またはタン493の複数部分が、正スナップロックを組み込むことができる。タン493は、スナップリベットを含むことができる。タン493がスナップロッキング構造を含む場合、適切な受容構造が溝494を有する第2の縦側面上に提供されることが理解されるであろう。
【0100】
図9は、例示的な正スナップロックシステムを図示し、雄部分970は、カラー972を含む。雄部分970は、陥凹カラー台977を含む受容部分975と機械的に係合する。使用中、雄部分970は、カラー部分972が陥凹カラー台977に係合し、それにより、雄部分970の挿入を可能にするが、その解放または離脱を防止するように、受容部分975に挿入される。
【0101】
オフセットおけ板パイプのおけ板部分の間の正スナップロッキング接合部は、2つのおけ板部分を一緒に機械的に係止するために使用することができる。正スナップロック接合部は、単独で、または樹脂あるいは接着剤と組み合わせて使用することができる。一側面では、可撓性樹脂は、正スナップロック接合部と組み合わせて使用することができる。
【0102】
図10は、複数の交互の第1のおけ板465および第2のおけ板467を備え、さらに、冷水パイプ451の外面の少なくとも一部分を覆う、らせん状にねじれたリボン497を備える、オフセットおけ板構造を有する、冷水パイプ451を図示する。側面では、リボンは、冷水パイプ451の底部分454から冷水パイプ451の最上部分452まで連続的である。他の側面では、リボン497は、冷水パイプ451を通り過ぎた水の移動による渦の流れを体験する、パイプ451の部分のみで提供される。リボン497は、半径方向および縦方向の支持を冷水パイプ451に提供する。リボン497はまた、冷水パイプに沿った振動を防止し、海流の作用による渦の流れを低減する。
【0103】
リボン497は、冷水パイプ451の個別おけ板と同じ厚さおよび幅と同じになり得るか、または個別おけ板の厚さの2倍、3倍、4倍、またはそれ以上、および幅の最大10倍(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10倍)となり得る。
【0104】
リボン497は、外面に沿って実質的に平坦になるよう、冷水パイプの外面上に載置することができる。実施形態では、リボン497は、らせん状にねじれた輪がねを形成するよう、冷水パイプ451の外面から外向きに突出することができる。本発明の側面では、フィン、ブレード、またはフォイルを、リボンまたは輪がね497の種々の部分に取り付けることができる。そのようなフィンは、冷水パイプの一部分に巻き付く、または冷水パイプの全長に巻き付くらせんを形成することができる。フィンは、冷水パイプによって引き起こされる渦状態を防止するように、任意の数で輪がねの周囲で角度を付けて提供することができる。いくつかの側面では、フィンは、パイプ直径の1/32から1/3の間(例えば、パイプ直径の約1/32、パイプ直径の約1/16、パイプ直径の約1/8、パイプ直径の約1/7、パイプ直径の約1/6、パイプ直径の約1/5、パイプ直径の約1/4、およびパイプ直径の約1/3)の距離でパイプから突出することができる。
【0105】
リボン497は、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、繊維強化プラスチック(FRP)、強化ポリマーモルタル(RPMP)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、架橋高密度ポリエチレン(PEX)、ポリブチレン(PB)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリウレタン、ポリエステル、繊維強化ポリエステル、ビニルエステル、強化ビニルエステル、コンクリート、セラミック、またはそれらのうちの1つ以上の複合材料を含む、冷水パイプ451を形成する複数のおけ板の材料と適合する任意の好適な材料となり得る。リボン497は、標準製造技法を使用して、成形、押し出し成形、または引き抜き成形することができる。一側面では、リボン497は、所望の形状および形態に引き抜き成形され、冷水パイプ451のおけ板とともに使用されるものと同様の繊維またはナイロン強化ビニルエステルを備える。リボン497は、上記の材料のうちのいずれかの樹脂を含む、好適な接着剤または樹脂を使用して、冷水パイプ451に接合することができる。
【0106】
いくつかの側面では、リボン497は、冷水パイプ451の長さにそって連続的ではない。いくつかの側面では、リボン497は、冷水パイプ451の円周の周囲で連続的ではない。いくつかの側面では、リボン497は、冷水パイプ451の外面に接着される垂直細片を備える。いくつかの側面では、半径方向または他の構造支持が必要とされる場合、リボン497は、冷水パイプの外面の周囲の円周方向支持部材となり得る。
【0107】
リボン497は、好適な可撓性接着剤を使用して、冷水パイプの外面に接着結合または接着することができる。一側面では、リボン497は、複数の正スナップロックを使用して、冷水パイプ451の外面に機械的に連結することができる。
【0108】
図11に関して、冷水パイプを組み立てる例示的な方法は、冷水パイプ451の効率的な輸送および組立を提供する。上記で説明されるような所望のオフセットを有するように、交互の第1および第2のおけ板部分を整合させる1110ことによって、垂直円筒パイプセクションが組み立てられる。次いで、第1および第2のおけ板部分は、円筒パイプセクションを形成するように接合される1120。オフセットした第1および第2のおけ板は、種々の接合方法のうちのいずれかを使用して接合することができる。一側面では、複数のオフセットした第1および第2のおけ板部分は、タンおよび溝配設ならびに可撓性接着剤を使用して接合される。一側面では、複数の第1および第2のおけ板部分は、機械的な正スナップロックを使用して接合される。タンおよび溝、スナップロック機構、ならびに可撓性接着剤の組み合わせを使用することができる。
【0109】
オフセットした第1および第2のおけ板部分を有する、円筒パイプセクションを形成するように、複数の第1および第2のおけ板部分を接合した1120後、支持および安定性をパイプセクションに提供するように、保持バンド、膨張可能スリーブ、または他の治具を円筒パイプセクションに取り付ける1122ことができる。複数のオフセットした第1および第2のおけ板部分を整合させるステップ1110および接合するステップ1120は、任意の数のプレハブ式円筒パイプセクションを形成するように、繰り返す1124ことができる。円筒パイプセクションは、OTEC発電所施設で、または遠隔でプレハブ式に作成し、次いで、完全に組み立てられた冷水パイプ451を形成するように、付加的な構築のためにOTEC発電所施設に輸送することができると理解されるであろう。
【0110】
オフセットおけ板を有する、少なくとも2つの円筒パイプセクションを組み立てた後、上下の円筒パイプセクションが接合され1126、各パイプセクションのオフセットおけ板が整合させられる。可撓性接着剤を、上下の円筒パイプセクションのオフセットおけ板の突き合わせ継手に塗布する1130ことができる。2つのパイプセクションのおけ板は、ビスケットジョイナを含む、種々の端部突き合わせ継手を使用して接合することができる。一側面では、上下の円筒パイプセクションのオフセットおけ板には、可撓性接着剤で充填することができる、整合接合空隙を提供することができる。
【0111】
パイプセクションの間または個々のおけ板の間の間隙および接合部は、付加的な可撓性樹脂で充填する1132ことができる。いったん2つのパイプセクションが接合され、必要な場合に樹脂が塗布されると、2つのパイプセクションは、硬化する1134ことが許可される。
【0112】
次いで、保持バンドが下パイプセクションから除去され1136、らせん状にねじれた輪がねがそれに取り付けられる。らせん状にねじれた輪がねは、接着結合、機械的結合、例えば、正スナップロック、または接着および機械的結合の組み合わせを使用して取り付けることができる。
【0113】
組立方法の一側面では、らせん輪がねが下パイプセクションに取り付けられた後、以前の上パイプ部分が新しい下パイプ部分1138になるように、パイプアセンブリ全体を移行させる、例えば、下げることができる。次いで、新しい上円筒パイプセクションが、上記で説明されるのと同様に組み立てられる1140。つまり、第1および第2のおけ板部分が、所望のオフセットを達成するように整合させられる1142。次いで、第1および第2のおけ板部分は、新しい円筒パイプセクション、例えば、新しい上パイプセクションを形成するように、接合される1144。前述のように、冷水パイプ451の構築中に、支持および安定性を円筒パイプセクションに提供するために、保持バンド、膨張可能スリーブ、または他の治具を使用することができる。
【0114】
新しい上パイプセクション1144を組み立てた後、新しい下パイプセクションおよび新しい上パイプセクションのオフセットおけ板が整合させられ、引き寄せられる1146。接着剤または可撓性樹脂が、例えば、ビスケットジョイナまたは整合接合空隙と併せて、上記で説明されるように端部突き合わせ継手に塗布される1148。新しい下パイプセクションと新しい上パイプセクションとの間、または任意の2つのおけ板部分の間の任意の間隙は、付加的な可撓性樹脂で充填する1150ことができる。次いで、アセンブリ全体を硬化する1152ように放置することができる。保持治具を以前のように除去する1154ことができ、らせん輪がねを新しい下側部分に取り付けることができる。そして、以前のように、次の円筒パイプセクションを提供するように、パイプアセンブリ全体を移行することができる。このようにして、所望のパイプの長さが達成されるまで、方法を繰り返すことができる。
【0115】
オフセットおけ板を有する円筒パイプセクションを接合することは、本発明と一致するいくつかの方式で達成できることが理解されるであろう。オフセットおけ板を接合する方法は、パイプセグメント間にかさばる、重い、または干渉する接合ハードウェアを必要とすることなく、連続的なパイプを提供する。そのようなものとして、可撓性および剛性を含む、ほぼ均一な材料特性を有する、連続的なパイプが提供される。
【0116】
(実施例)
約3000フィートの連続オフセットおけ板パイプの現場構築を促進する、冷水パイプアセンブリが提供される。加えて、おけ板設計は、区分化されたパイプ構造によって従来的に体験された、不利な配送および取扱の荷重に対処する。例えば、従来的に構築された区分化冷水パイプのけん引および逆転は、パイプに有害な荷重を課す。
【0117】
おけ板構造は、40から50ftの長さの複数のおけ板の現場外製造を可能にする。各おけ板は、幅約52インチ、厚さ4から12インチである。おけ板を、スタックまたはコンテナの中でオフショアプラットフォームに配送することができ、次いで、冷水パイプを、複数のおけ板からプラットフォーム上で構築することができる。これは、パイプセクションを組み立てる別個の施設の必要性を排除する。
【0118】
おけ板部分は、約66,000psiから165,000psiの間の弾性係数を有する、ナイロン強化ビニルエステルから構築することができる。おけ板部分は、約15,000psiから45,000psiの間の引張強度を伴って、約15,000psiから45,000psiの間の局限強度を有することができる。一側面では、おけ板部分は、設置されたCWPが純剛性パイプよりもむしろホースと同様に挙動するように、150,000psiの弾性係数、30,000psiの局限強度、および30,000psiの降伏強度を有することができる。これは、パイプがより可撓性であり、亀裂または破壊を回避するため、暴風雨条件で有利である。一側面では、パイプは、接続されていない下端において、中心から約2つの直径を偏向させることができる。接続されていない下端における偏向は、OTEC発電所の係留システムまたは発電所運用に関与する任意の他の水中システムに干渉するほど大きくなるべきではない。
【0119】
冷水パイプは、OTEC発電所の底部分に接続する。より具体的には、冷水パイプは、動的軸受を図3のOTECスパーの底部分と接続する。OTEC用途における冷水パイプ接続は、その全体で参照することにより本明細書に組み込まれる、Avery & Wu,“Renewable Energy from the Ocean,a Guide to OTEC,” Oxford University Press,1994の第4.5項で説明されている。
【0120】
プラットフォームとしてスパーブイを使用することの有意な利点のうちの1つは、そうすることにより、最も過酷な100年間の暴風雨条件でさえも、スパー自体とCWPとの間で比較的わずかな回転をもたらすことである。加えて、スパーとCWPとの間の垂直および横力は、球体とその座部との間の下向きの力がベアリング面を常に接触して保つようなものである。水封の役割も果たす、この軸受は、その噛合球面座部と接触しなくならないため、CWPを定位置で垂直に担持する機構を設置する必要性がない。これは、球面軸受設計を単純化するのに役立ち、また、そうでなければ任意の付加的なCWPパイプ保持構造またはハードウェアによって引き起こされる、圧力損失を最小化する。球面軸受を通して伝達される横力はまた、CWPの垂直拘束を必要とすることなく適切に収容することができるほど十分に低い。
【0121】
冷水が、1つ以上の冷水ポンプを介して冷水パイプを通して引かれ、1つ以上の冷水通路または導管を介して、多段OTEC発電所の凝縮器部分へと流れる。
【0122】
冷水パイプ構造および性能のさらなる詳細は、2010年1月21日出願の「Ocean Thermal Energy Conversion Power Plant Cold Water Pipe」と題された米国特許出願第12/691,655号(代理人整理番号第25667−0003001号)で説明されており、その内容全体は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0123】
(冷水パイプ接続)
冷水パイプ351とスパープラットフォーム311との間の接続は、構築、維持、および運用課題を提示する。例えば、冷水パイプは、動的海洋環境で吊るされた、2000ftから4000ftの垂直柱である。冷水パイプが接続するプラットフォームまたは船も、動的海洋環境で浮遊している。また、パイプは、理想的には水線より下側で、いくつかの側面では、水線よりはるかに下側かつ船の底の近くで接続される。完全に組み立てられたパイプを適正な位置へと操作し、パイプを船またはプラットフォームに固定することは、困難な作業である。
【0124】
冷水パイプ接続は、プラットフォームから吊るされたパイプの静的重量を支持し、波の作用、パイプの振動、およびパイプの移動による、プラットフォームと吊るされたパイプとの間の動的な力に対処する。
【0125】
ジンバル、ボールソケット、および汎用接続を含む、種々のOTEC冷水パイプ接続が、参照することにより本明細書に組み込まれる、“Renewable Energy from the Ocean,a Guide to OTEC” William Avery and Chih Wu,Oxford University Press, 1994の第4.5項で開示されている。ジンバル接続のみが動作試験され、30°の回転を可能にする2軸ジンバルを含んだ。AveryおよびWuで説明されているように、ジンバルの面内で、球面シェルがパイプの最上部を形成した。ナイロンおよびTeflonの平坦リングを伴う円筒キャップが、パイプの中の冷水と周囲のプラットフォーム構造との間の摺動シールを提供した。ジンバルパイプ接続は、図12に図示されている。
【0126】
以前の冷水パイプ接続は、スパープラットフォームよりも、上下動および波の作用による、大きな垂直変位を呈する、従来の船型およびプラットフォームのために設計された。プラットフォームとしてスパーブイを使用することの有意な利点のうちの1つは、そうすることにより、最も過酷な100年間の暴風雨条件でさえも、スパー自体とCWPとの間で比較的わずかな回転をもたらすことである。加えて、スパーとCWPとの間の垂直および横力は、球体とその座部との間の下向きの力がベアリング面を常に接触して保つようなものである。側面では、CWPと接続ベアリング面との間の下向きの力は、0.4gと1.0gとの間である。水封の役割も果たす、この軸受は、その噛合球面座部と接触しなくならないため、CWPを定位置で垂直に担持する機構を設置する必要性がない。これは、球面軸受設計を単純化するのに役立ち、また、そうでなければ任意の付加的なCWPパイプ保持構造またはハードウェアによって引き起こされる、圧力損失を最小化する。球面軸受を通して伝達される横力はまた、CWPの垂直拘束を必要とすることなく適切に収容することができるほど十分に低い。
【0127】
本発明の側面は、プラットフォームの底を通した上方への冷水パイプの垂直挿入を可能にする。これは、プラットフォームの下側から、完全に組み立てられた冷水パイプを定位置に吊上げることによって達成される。これは、プラットフォームおよびパイプの同時構築を促進し、ならびに保守のための冷水パイプの容易な設置および除去を可能にする。
【0128】
図3を参照すると、冷水パイプ351は、冷水パイプ接続375においてスパープラットフォーム310の水中部分311に接続する。一側面では、冷水パイプは、動的軸受を使用して図3のOTECスパーの底部分と接続する。
【0129】
本発明の一側面では、球面を介して可動移動止めに着座されるパイプカラーを備える、冷水パイプ接続が提供される。可動移動止めは、スパープラットフォームの基礎に連結される。可動移動止めを組み込むことは、冷水パイプ受容ベイの中への冷水パイプの垂直挿入および冷水パイプ受容ベイからの除去を可能にする。
【0130】
図13は、例示的な側面を図示し、冷水パイプ接続375は、ベイ壁777と、移動止め筐体778とを備える、パイプ受容ベイ776を含む。受容ベイ776はさらに、ベイ壁777の間の直径の長さによって画定される、受容直径780を備える。側面では、受容直径は、冷水パイプ351の外側カラー直径781よりも長い。
【0131】
冷水パイプ接続375およびスパー311の下側部分は、いったん吊るされると冷水パイプ351によってスパー311に課され、スパー311に伝達される、重力および動的な力に耐えるように、構造補強および支持を含むことができる。
【0132】
図14を参照すると、冷水パイプ接続375は、移動止め筐体778と、第1の位置から第2の位置への移動止め840の移動を可能にするように移動止め筐体778に機械的に連結される、可動移動止め840とを含む。第1の位置では、可動移動止め840は、移動止め840が受容ベイ776の中心に向かって内向きに突出せず、受容直径780の外側にとどまるように、移動止め筐体778内に収納される。第1の位置では、冷水パイプ351の最上端部分385は、可動移動止め840からの干渉なしでパイプ受容ベイ776に挿入することができる。代替側面では、可動移動止め840は、可動移動止め840のいずれの側面も、外側カラー直径781を通り過ぎて受容ベイ776の中心に向かって内向きに突出しないように、第1の位置で収納することができる。さらなる側面では、第1の位置における可動移動止め840は、受容ベイ776を通した冷水パイプ351の垂直移動に干渉しない。
【0133】
第2の位置では、可動移動止め840は、移動止め筐体778を越えて延在し、受容ベイ776の中心に向かって内向きに突出する。第2の位置では、可動移動止め840は、外側カラー直径781を通り過ぎて内向きに延在する。可動移動止め840は、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、機械的アクチュエータ、電気アクチュエータ、電気機械アクチュエータ、または上記の組み合わせを使用して、第1の位置から第2の位置へ調整する、または移動させることができる。
【0134】
可動移動止め840は、部分球面または弓形ベアリング面842を含む。弓形ベアリング面842は、可動移動止め840が第2の位置にある時に、動的軸受を冷水パイプ軸受カラー848に提供するように構成される。
【0135】
冷水パイプ軸受カラー842は、カラーベアリング面849を含む。弓形ベアリング面842およびカラーベアリング面849は、冷水パイプ351の吊るされた重量を支持する動的軸受を提供するように、協働して着座させることができる。加えて、弓形ベアリング面842およびカラーベアリング面849は、冷水パイプ351を退かせることなく、冷水パイプ351とプラットフォーム310との間の相対運動に対処するように協働して着座させられる。弓形ベアリング面842およびカラーベアリング面849は、いったん冷水パイプ351が冷水パイプ接続375を介してプラットフォーム310に接続されると、比較的温かい水が、パイプ受容ベイ776に、最終的には冷水取水口350に進入することができないように、動的密閉を提供するように協働して着座させられる。いったん冷水パイプ351が吊るされると、冷水が、1つ以上の冷水ポンプを介して冷水パイプを通して引かれ、1つ以上の冷水通路または導管を介して多段OTEC発電所の凝縮器部分へと流れる。
【0136】
弓形ベアリング面842およびカラーベアリング面849は、2つの表面の間のガルバニック相互作用を防止するように、Teflon被覆等の被覆で処理することができる。
【0137】
冷水パイプを浮遊プラットフォームに接続するための動的ベアリング面および可動移動止めまたはピニオンの任意の組み合わせが、本明細書の請求項および開示で検討されることが理解されるであろう。例えば、側面では、弓形ベアリング面は、可動移動止めより上側に位置付けることができ、弓形ベアリング面は、可動移動止めの片側に位置付けることができ、または可動移動止めより下側にさえ位置付けることができる。側面では、可動移動止めは、上記で説明されるように、浮遊プラットフォームの底部分と一体となり得る。他の側面では、可動移動止めは、冷水パイプと一体となり得る。
【0138】
図15は、冷水パイプを浮遊プラットフォームに、より具体的にはOTEC浮遊プラットフォームに取り付ける例示的な方法を図示する。方法は、プラットフォームから完全に組み立てられた冷水パイプまでのリギングガイドラインおよびダウンホールを含む。次いで、冷水パイプは、プラットフォームより下側に下げられ、適正な位置に整合させられる。次いで、冷水パイプは、パイプ受容ベイの中へ上昇させられ、可動移動止めまたはピニオンは、拡張され、パイプは、弓形ベアリング面上に着座させられる。
【0139】
より具体的には、誘導ケーブルが、完全に組み立てられた冷水パイプ351に取り付けられる910。例示的な実施形態では、冷水パイプ351は、冷水パイプの構築、移動、および逆転中に浮力を提供するように、1つ以上の膨張可能スリーブを含むことができる。ガイドワイヤが冷水パイプに取り付けられた910後、冷水パイプが負の浮力を持つように、1つ以上の膨張可能スリーブを収縮させる915ことができる。実施形態では、冷水パイプはまた、冷水パイプに負の浮力を提供するように水または他のバラスト材料で部分的または完全に充填することができる、重量塊または他のバラストシステムを含むこともできる。
【0140】
次いで、冷水パイプは、浮遊OTECプラットフォーム310の冷水パイプ接続375より下側の位置に下げられる920。バラストを再び調整することができる。ガイドワイヤが、冷水パイプ接続375より下側に冷水パイプを適正に位置付けるように調整され925、ビデオ、遠隔センサ、および他の手段を介して、整合をチェックおよび確認する930ことができる。次いで、冷水パイプアセンブリは、冷水パイプ軸受カラー848が冷水パイプ接続アセンブリの可動移動止め840より上側にあるような位置まで、上昇させられる935。冷水パイプ接続の中へ冷水パイプを上昇させることは、ガイドワイヤ、膨張可能スリーブ、着脱可能バルーン、または同物の組み合わせを使用して行うことができる。
【0141】
冷水パイプが冷水パイプ接続の中へ上昇させられた935後、可動移動止めは、冷水パイプ用の動的ベアリング面を提供するように拡張される940。次いで、冷水パイプは、ガイドワイヤを調整すること、膨張可能スリーブまたは着脱可能バルーンを収縮させること、または重量塊あるいは他のバラストシステムを調整することによって下げられる。同物の組み合わせも使用することができる。
【0142】
ガイドワイヤ、膨張ライン、バラストライン、および同等物は、冷水パイプの移動中に相互から遮られていないままとなるべきであることが理解されるであろう。また、冷水パイプの移動は、OTECプラットフォームの係留システムに干渉するべきではない。
【0143】
本発明のさらなる側面では、冷水パイプとスパー構造との間で静的接続を行うことができる。そのような側面では、パイプの最上部分付近のパイプの可撓性を変化させることによって、パイプとスパーとの間の動的な力に対処することができる。冷水パイプの下側部分および中間の移動を可能にすることによって、動的パイプ接続の必要性が低減されるか、または完全に回避される。ジンバル接続の必要性を回避することは、高価な可動部品を除去し、下スパー部分および冷水パイプの両方の製造を単純化する。
【0144】
図16を参照すると、冷水パイプ1651は、上記の動的軸受を使用することなくスパー1611の下側部分に接続される。図16は、変位および非変位構成の両方で、スパー構造の下側部分に接続された冷水パイプを図示する。冷水パイプ1651の上側部分、つまり、接続点およびスパー1611の下側部分における部分、および隣接してそれより下側にある部分は、冷水パイプの比較的非可撓性の最上部分1651Aを提供するように硬化させられる。非可撓性最上部分1651Aより下側には、比較的可撓性の中間部分1651Bが提供される。可撓性中間部分1651Bより下側には、冷水パイプアセンブリの最大部分を備えることができる、適度に可撓性の下側部分1651Cがある。重量またはバラストシステムは、適度に可撓性の下側部分1651Cの底部または任意の他の部分に固定することができる。
【0145】
図示されるように、可撓性中間部分1651Bは、冷水パイプの懸垂線から離れた冷水パイプの下側部分の偏向を可能にする。偏向の量は、スパー1011から吊るされた冷水パイプの長さおよび直径に応じて、0.25度から30度の間となり得る。
【0146】
図17を参照すると、静的冷水パイプ・スパー接続が詳述される。スパー1611の下側部分は、冷水パイプ1651の最上部分1651Aを受容するための受容ベイ1713を含む。受容ベイ1713は、先細部分1714と、接触パッド1715とを含む。冷水パイプ1651の上側部分1651Aは、先細カラー表面1756を有するカラー1755と、吊上げラグ1775とを含む。冷水パイプ1651は、吊上げラグ1775において冷水パイプに固定される吊上げおよび保持ケーブル1777によって、スパー1611に接続される。ケーブル1777は、スパー1611の下側部分に収納された機械的ウインチ1779に取り付けられる。
【0147】
冷水パイプをスパープラットフォームに接続する例示的な方法では、完全に製造された冷水パイプが、スパープラットフォームの直下の点まで下げられる。吊上げおよび保持ケーブル1777は、遠隔操作された運搬具によって吊上げラグ1775に接続される。スパー1611の下側部分に収納された前述の機械的ウインチを使用して、張力がケーブルに取り込まれる。冷水パイプ1651の上側部分1651Aは、受容ベイ1713に進入するにつれて、先細カラー表面1756と接触パッド1715との間で確実な接続が行われるまで、先細部分1714によって適正な位置に誘導される。受容ベイの中の冷水パイプの適正な配置および確実な接続時に、ケーブル1777は、冷水パイプ1651の下向きの移動を防止するように機械的に係止される。水が冷水パイプの内側で流れており、パイプの外側を包囲するため、圧力シールは冷水パイプとスパー構造との間の界面において必要ではない。いくつかの実装では、冷水パイプとスパー構造との間のシールは、シールを横断する水の通過を最小化する。接続パッドに及ぼされる上向きの力は、吊上げケーブル、冷水パイプの浮力、または両方の組み合わせによって付与することができる。
【0148】
吊上げケーブル1777および対応する吊上げラグ1775の数は、冷水パイプ1651のサイズ、重量、および浮力に依存していることが理解されるであろう。いくつかの側面では、冷水パイプ1651は、正、中性、または負の浮力を有することができる。吊上げケーブル1777および対応する吊上げラグ1775の数はまた、冷水パイプと関連する任意の浮力調整、ならびに冷水パイプに取り付けられた重量塊の重量および浮力にも依存している。本発明の側面では、2、3、4、5、6、またはそれ以上の吊上げおよび保持ケーブルを使用することができる。
【0149】
(G33)
本発明の付加的な側面では、吊上げラグ1775は、既知の締結および接続技法を使用して冷水パイプの最上部に直接ボルト締めされる、パッドアイ(eye)を備えることができる。例えば、バレルソケット、六角ソケット、コドラーピン、および同等物を、冷水パイプのおけ板最上部分に組み込むことができる。
【0150】
他の側面では、吊上げカラーを冷水パイプの最上部分に設置することができ、吊上げカラーは、カラー接続面1756と、吊上げラグ1755とを備える。吊上げカラーは、冷水パイプと同じまたは異なる材料となり得る。吊上げカラーは、冷水パイプに取り付けられると、上側部分1651Aと関連する剛性以上に冷水パイプの剛性を増加させることができる。図18は、おけ板冷水パイプ1651に載置された吊上げカラー1775の説明図である。吊上げカラーは、冷水パイプの上側部分1651Aに機械的、化学的、または熱的に結合することができる。例えば、吊上げカラーを冷水パイプに接続するために、冷水パイプの個々のおけ板部材を接続する同じ結合樹脂を使用することができる。
【0151】
(熱交換システム)
図3、3A、ならびに19および20は、複数の多段熱交換器420がOTECスパー410の周辺に配設される、本発明の実装を図示する。熱交換器420は、OTEC熱エンジンで使用される蒸発器または凝縮器となり得る。熱交換の周辺レイアウトは、OTECスパープラットフォームの蒸発器部分344または凝縮器部分348とともに利用することができる。周辺配設は、任意の数の熱交換器(例えば、1つの熱交換器、2個から8個の間の熱交換器、8〜16個の熱交換器、16〜32個の熱交換器、または32個以上の熱交換器)を支持することができる。1つ以上の熱交換器は、OTECスパー410の単一のデッキの上または複数のデッキの上(例えば、2、3、4、5、または6個上のデッキの上)で周辺に配設することができる。1つ以上の熱交換器は、2つの熱交換器が相互上で垂直に整合させられないように、2つ以上のデッキの間で周辺にオフセットすることができる。1つ以上の熱交換器は、1つのデッキの中の熱交換器が別の隣接デッキ上の熱交換器と垂直に整合させられるように、周辺に配設することができる。
【0152】
個々の熱交換器420は、多段熱交換システム(例えば、2、3、4、5、または6個以上の熱交換システム)を備えることができる。実施形態では、個々の熱交換器420は、熱交換器を通る温かい海水流、冷たい海水流、および作動流体流の最小の圧力損失を提供するように構築される、キャビネット熱交換器となり得る。
【0153】
図21を参照すると、キャビネット熱交換器520の実施形態は、複数の熱交換段階521、522、523、および524を含む。実装では、積層熱交換器は、第1の蒸発器段階521から、第2の蒸発器段階522へ、第3の蒸発器段階523へ、第4の蒸発器段階524へ、キャビネットを通って下方に流れる温かい海水を収容する。積層熱交換キャビネットの別の実施形態では、冷たい海水が、第1の凝縮器段階531から、第2の凝縮器段階532へ、第3の凝縮器段階533へ、第4の凝縮器段階534へ、キャビネットを通って上方に流れ、作動流体が、作動流体供給導管538および作動流体排出導管539を通って流れる。実施形態では、作動流体導管538および539は、温かい海水または冷たい海水の垂直流と比較して、水平に各熱交換器に進入し、そこから退出する。キャビネット熱交換器520の垂直多段熱交換設計は、統合船(例えば、スパー)および熱交換器設計を促進し、熱交換器段階の間で配管を相互接続するための要件を除去し、熱交換器システムの圧力降下の事実上全てが熱伝達表面上で起こることを確実にする。
【0154】
一側面では、熱伝達表面は、表面形状、処理、および間隔を使用して最適化することができる。アルミニウムの合金等の材料選択は、従来のチタン基礎設計と比べて優れた経済的性能を提供する。熱伝達表面は、1000系列、3000系列、または5000系列アルミニウム合金を備えることができる。熱伝達表面は、チタンおよびチタン合金を備えることができる。
【0155】
多段熱交換器キャビネットは、OTEC熱エンジンの比較的低い利用可能な温度差以内の海水から作動流体への最大エネルギー伝達を可能にすることが分かっている。任意のOTEC発電所の熱力学効率は、作動流体の温度が海水の温度にどれだけ近く接近するかの関数である。熱伝達の物理学は、作動流体の温度が海水の温度に接近するにつれて、エネルギーを伝達するために必要とされる面積が増加することを決定付ける。表面積の増加を相殺するために、海水の速度を増加させることにより、熱伝達係数を増加させることができる。しかし、これは、送出に必要とされる電量を多大に増加させ、それにより、OTEC発電所への寄生電気負荷を増加させる。
【0156】
図22Aを参照すると、温かい水面海水を使用して、作動流体が熱交換器の中で沸騰させられる、従来のOTECサイクルである。この従来のランキンサイクルにおける流体特性は、出て行く作動流体を、出て行く温かい海水の温度の約3°F以下に限定する、沸騰過程によって制約される。同様に、サイクルの凝縮側は、出て行く冷たい海水の温度よりわずか2°F高いことに限定される。作動流体の合計の利用可能な温度降下は、約12°F(68°Fから56°Fの間)である。
【0157】
連鎖多段OTECサイクルは、作動流体温度が海水の温度により密接に合致することを可能にすることが分かっている。この温度差の増加は、OTEC熱エンジンと関連するタービンによって行うことができる作業の量を増加させる。
【0158】
図22Bを参照すると、連鎖多段OTECサイクルの側面は、利用可能な作動流体温度降下を拡張するために、複数の沸騰および凝縮するステップを使用する。各ステップは、独立した熱交換器、または図5のキャビネット熱交換器520の中の専用熱交換器段階を必要とする。図6bの連鎖多段OTECサイクルは、海水および作動流体の期待圧送負荷とのタービンの出力の合致を可能にする。この高度に最適化された設計は、専用およびカスタマイズされたタービンを必要とする。
【0159】
図22Cを参照すると、図22Bの連鎖配設の熱力学的効率または最適化を保持しながら、同一の機器(例えば、タービン、発電機、ポンプ)の使用を促進する、ハイブリッドであるが依然として最適化された連鎖OTECサイクルが示されている。図22Cのハイブリッド連鎖サイクルでは、作動流体の利用可能な温度差は、約18°Fから約22°Fに及ぶ。この狭い範囲は、熱エンジンの中のタービンが同一の性能使用を有することを可能にし、それにより、建設および運用費用を削減する。
【0160】
システム性能および電力出力は、OTEC発電所でハイブリッド連鎖サイクルを使用して多大に増加させられる。表Aは、図22Aの従来のサイクルの性能を図22Cのハイブリッド連鎖サイクルの性能と比較する。
【0161】
【表1】

【0162】
4段ハイブリッド連鎖熱交換サイクルを利用することにより、流体間で伝達される必要があるエネルギーの量を低減する。これは次に、必要とされる熱交換表面の量を低減する働きをする。
【0163】
熱交換器の性能は、流体間の利用可能な温度差、ならびに熱交換器の表面における熱伝達係数の影響を受ける。熱伝達係数は、概して、熱伝達表面を横断する流体の速度とともに変化する。より高い流体速度は、より高いポンプ能力を必要とし、それにより、発電所の正味効率を低減する。ハイブリッド連鎖多段熱交換システムは、より低い流体速度およびより優れた発電所効率を促進する。積層ハイブリッド連鎖熱交換設計はまた、熱交換器を通して、より低い圧力降下も促進する。そして、垂直発電所設計は、システム全体にわたって、より低い圧力降下を促進する。
【0164】
図22Dは、100MWを電力網に送達する合計のOTEC発電所の発電への熱交換器圧力降下の影響を図示する。熱交換器を通した圧力降下を最小化することは、OTEC発電所の性能を多大に増進させる。圧力降下は、統合船またはプラットフォーム・熱交換器システムを提供することによって低減され、海水導管は、船の構造部材を形成し、連続して1つの熱交換器段階から別の段階への海水流を可能にする。船の中への取水口から、ポンプを通り、熱交換キャビネットを通り、次に、連続して各熱交換段階を通り、最終的には発電所から排出する方向に最小の変化を伴う、ほぼ直線の海水流が、最小の圧力降下を可能にする。
【0165】
(実施例)
本発明の側面は、熱帯および亜熱帯地方の水面水と深海洋水との間の温度差を使用して電気を産生する、統合多段OTEC発電所を提供する。側面は、導管または流路としてオフショア船またはプラットフォームの構造を使用することによって、海水用の従来の配管を排除する。代替として、温および冷海水配管は、垂直または他の構造支持を船またはプラットフォームに提供するのに十分なサイズおよび強度の導管またはパイプを使用することができる。これらの統合海水導管セクションまたは通路は、船の構造部材としての機能を果たし、それにより、付加的な鋼鉄の要求を低減する。統合海水通路の一部として、多段キャビネット熱交換器は、外部水ノズルまたは配管接続を必要とすることなく、作動流体蒸発の複数の段階を提供する。統合多段OTEC発電所は、温かい海水および冷たい海水が自然な方向に流れることを可能にする。温かい海水は、海洋のより冷たい区域の中へ放出される前に冷却されるため、船を通って下向きに流れる。同様に、海洋の深部からの冷たい海水は、海洋のより温かい区域の中へ放出される前に加温されるため、船を通って上向きに流れる。この配設は、海水流方向の変化の必要性および関連圧力損失を回避する。配設はまた、必要とされる送出エネルギーも低減する。
【0166】
多段キャビネット熱交換器は、ハイブリッド連鎖OTECサイクルの使用を可能にする。これらの熱交換器のスタックは、適宜に作動流体を沸騰または凝縮させるように、連蔵してそれらを通過する海水を有する、複数の熱交換器段階またはセクションを備える。蒸発器セクションでは、温かい海水は、第1段を通過し、そこで、海水が冷却されるにつれて作動流体のうちのいくらかを沸騰させて取り除く。次いで、温かい海水は、次の熱交換器段階の中へスタックを下方に流れ、わずかにより低い圧力温度の付加的な作動流体を沸騰させて取り除く。これは、スタック全体を通して連続的に起こる。キャビネット熱交換器の各段階またはセクションは、電気を生成する専用タービンに作動流体蒸気を供給する。蒸発器段階のそれぞれは、タービンの排気孔において対応する凝縮器段階を有する。冷たい海水は、逆の順序で蒸発器まで凝縮器スタックを通過する。
【0167】
図23を参照すると、ハイブリッド連鎖熱交換サイクルを利用する例示的な多段OTEC熱エンジン710が提供される。温かい海水は、温水ポンプ712を介して、温海水取水口(図示せず)から送出され、約1,360,000gpmおよび約79°Fの温度でポンプから排出する。温水取水口から温水ポンプまで、および温水ポンプから積層熱交換器キャビネットまでの温水導管の全体または複数部分は、船の統合構造部材を形成することができる。
【0168】
次いで、温水ポンプ712から、温かい海水が第1段蒸発器714に進入し、そこで第1の作動流体を沸騰させる。温水は、約76.8°Fの温度で第1段蒸発器714から退出し、第2段蒸発器715へと下方に流れる。
【0169】
温水は、約76.8°Fで第2段蒸発器715に進入し、そこで第2の作動流体を沸騰させ、約74.5°Fの温度で第2段蒸発器715から退出する。
【0170】
温水は、第2段蒸発器715から第3段蒸発器716へと下方に流れ、約74.5°Fの温度で進入し、そこで第3の作動流体を沸騰させる。温水は、約72.3°Fの温度で第3段蒸発器716から退出する。
【0171】
次いで、温水は、第3段蒸発器716から第4段蒸発器717へと可能に流れ、約72.3°Fの温度で進入し、そこで第4の作動流体を沸騰させる。温水は、約70.1°Fの温度で第4段蒸発器717から退出し、次いで、船から排出する。示されていないが、排出は、温かい海水の排出温度とほぼ同じ温度、またはその温度の海洋深度における温度層に方向付けることができる。代替として、多段蒸発器を収納する発電所の部分は、温水が適切な海洋温度層に排出されるように、構造内のある深さに位置することができる。側面では、第4段蒸発器から船の温水排出口までの温水導管は、船の構造部材を備えることができる。
【0172】
同様に、冷たい海水は、冷海水ポンプ722を介して冷海水取水口(図示せず)から送出され、約855,003gpmおよび約40.0°Fの温度でポンプから排出する。冷たい海水は、約2700から4200ft以上の間の海洋深度から引かれる。船の冷水取水口から冷水ポンプへ、および冷水ポンプから第1段凝縮器へ冷たい海水を運ぶ冷水導管は、その全体で、または部分的に船の構造部材を備えることができる。
【0173】
冷海水ポンプ722から、冷たい海水は、第1段凝縮器724に進入し、そこで第4段ボイラ717からの第4の作動流体を凝縮する。冷たい海水は、約43.5°Fの温度で第1段凝縮器に進入し、第2段凝縮器725まで流れる。
【0174】
冷たい海水は、約43.5°Fで第2段凝縮器725に進入し、そこで第3段蒸発器716からの第3の作動流体を凝縮する。冷たい海水は、約46.9°Fの温度で第2段凝縮器725に進入し、第3段凝縮器まで流れる。
【0175】
冷たい海水は、約46.9°Fの温度で第3段凝縮器726に進入し、そこで第2段蒸発器715からの第2の作動流体を凝縮する。冷たい海水は、約50.4°Fの温度で第3段凝縮器726から退出する。
【0176】
次いで、冷たい海水は、第3段凝縮器726から第4段凝縮器727まで流れ、約50.4°Fの温度で進入する。第4段凝縮器では、冷たい海水は、第1段蒸発器714からの第1の作動流体を凝縮する。次いで、冷たい海水は、約54.0°Fの温度で第4段凝縮器から退出し、最終的に船から排出する。冷たい海水の排出は、冷たい海水の排出温度とほぼ同じ温度、またはその温度の海洋深度における温度層に方向付けることができる。代替として、多段蒸発器を収納する発電所の部分は、冷たい海水が適切な海洋温度層に排出されるように、構造内のある深さに位置することができる。
【0177】
第1の作動流体は、56.7°Fの温度で第1段蒸発器714に進入し、そこで74.7°Fの温度を伴う蒸気まで加熱される。次いで、第1の作動流体は、第1のタービン731へ、次いで、第4段凝縮器727へ流れ、そこで第1の作動流体は、約56.5°Fの温度を伴う液体まで凝縮される。次いで、液体の第1の作動流体は、第1の作動流体ポンプ741を介して第1段蒸発器714に戻される。
【0178】
第2の作動流体は、約53.0°Fの温度で第2段蒸発器715に進入し、そこで蒸気まで加熱される。第2の作動流体は、約72.4°Fの温度で第2段蒸発器715から退出する。次いで、第2の作動流体は、第2のタービン732へ、次いで、第3段凝縮器726へと流れる。第2の作動流体は、約53.0°Fの温度で第3の段凝縮器から退出し、作動流体ポンプ742へと流れ、ポンプは次に、第2の作動流体を第2段蒸発器715に戻す。
【0179】
第3の作動流体は、約49.5°Fの温度で第3段蒸発器716に進入し、そこで蒸気まで加熱され、約70.2°Fの温度で第3段蒸発器716から退出する。次いで、第3の作動流体は、第3のタービン733へ、次いで、第2段凝縮器725へと流れ、そこで第3の作動流体は、約49.5°Fの温度で流体に凝縮される。第3の作動流体は、第2段凝縮器725から退出し、第3の作動流体ポンプ743を介して第3段蒸発器716に戻される。
【0180】
第4の作動流体は、約46.0°Fの温度で第4段蒸発器717に進入し、そこで蒸気まで加熱される。第4の作動流体は、約68.0°Fの温度で第4段蒸発器717から退出し、第4のタービン734へと流れる。第4の作動流体は、第4のタービン734から退出し、第1段凝縮器724へと流れ、そこで約46.0°Fの温度を伴う液体まで凝縮される。第4の作動流体は、第1段凝縮器724から退出し、第4の作動流体ポンプ744を介して第4段蒸発器717に戻される。
【0181】
第1のタービン731および第4のタービン734は、第1の発電機751を協働して駆動し、第1のタービン発電機ペア761を形成する。第1のタービン発電機ペアは、約25MWの電力を産生する。
【0182】
第2のタービン732および第3のタービン733は、第2の発電機752を協働して駆動し、第2のタービン発電機ペア762を形成する。第2のタービン発電機ペア762は、約25MWの電力を産生する。
【0183】
図7の4段ハイブリッド連鎖熱交換サイクルは、最大量のエネルギーが、温かい海水と冷たい海水との間の比較的低い温度差から抽出されることを可能にする。また、全ての熱交換器は、同じ構成要素のタービンおよび発電機を使用して電気を産生する、タービン発電機ペアを直接支持する。
【0184】
複数の多段ハイブリッド連鎖熱交換器およびタービン発電機ペアを、船またはプラットフォーム設計に組む込むことができると理解されるであろう。
【0185】
(実施例)
オフショアOTECスパープラットフォームは、4つの別個の電力モジュールを含み、それぞれが定格設計条件で約25MWの正味電力を産生する。各電力モジュールは、異なる圧力および温度レベルで動作し、4つの異なる段階で海水系から熱を取り入れる、4つの別個の電力サイクルまたは連鎖熱力学的段階を備える。4つの異なる段階は、連続して動作する。定格設計条件(全負荷・夏条件)での4つの段階のおよその圧力および温度レベルは、以下の通りである。
【0186】
【表2】

【0187】
作動流体は、温かい海水(WSW)から熱を取り入れることによって複数の蒸発器の中で沸騰させられる。飽和蒸気が、蒸気セパレータの中で分離され、STDスケジュールの継ぎ目のない炭素鋼パイプによってアンモニアタービンに導かれる。凝縮器の中で凝縮された液体は、2x100%電気モータ駆動型低速給水ポンプによって蒸発器に戻される。サイクル1および4のタービンは、共通の発電機を駆動する。同様に、サイクル2および3のタービンは、別の共通の発電機を駆動する。一側面では、各発電所モジュールでは2つの発電機、100MWの発電所では合計8つがある。蒸発器への給水は、蒸気セパレータの中でレベルを維持するように、給水制御弁によって制御される。凝縮器レベルは、サイクル流体構成制御弁によって制御される。給水ポンプの最小流量が、給水ライン上の流量計によって調節される制御弁を通して凝縮器に導かれる再循環ラインによって確保される。
【0188】
動作中、モジュールの4つの電力サイクルが独立して動作する。サイクルのうちのいずれかは、例えば、故障の場合に、または保守のために、必要であれば、他のサイクルの動作を妨げることなく動作停止することができる。しかし、それは、モジュール全体としての電力モジュールの正味発電を低減する。
【0189】
本発明の側面は、大量の海水を必要とする。それぞれ、送出機器、水管路、配管、弁、熱交換器などを伴う、冷たい海水および温かい海水を取り扱うための別個のシステムがある。海水は、淡水よりも腐食性であり、それと接触する場合がある全ての材料は、これを考慮して慎重に選択される必要がある。海水システムの主要な構成要素を構築するための材料は、
大孔配管: ガラス繊維強化プラスチック(FRP)
大型海水管路およびチャンバ: エポキシ被覆炭素鋼
大孔弁: ゴム裏地付きのバタフライ型
ポンプインペラ: 好適なブロンズ合金
となる。
【0190】
好適な手段によって制御されない限り、海水システムの内側の生体成長は、発電所性能の有意な損失を引き起こし得て、かつ発電所からのより低い出力につながる、熱伝達表面の汚染を引き起こし得る。この内部成長はまた、水流に対する抵抗を増加させ、さらなるポンプ能力要求、より低いシステム流量等を引き起こし、より過酷な場合では、流路の完全閉塞さえも引き起こし得る。
【0191】
深海から引き込まれる水を使用する冷海水(「CSW」)システムには、生物付着の問題がほとんどないか、または全くないべきである。これらの深度での水は、多くの日光を受容せず、酸素が不足しているため、その中ではより少ない生物がいる。しかしながら、いくつかの種類の嫌気性細菌が、いくつかの条件下で成長することが可能であってもよい。生物付着に対抗するために、塩素化衝撃が使用される。
【0192】
水面付近からの温かい海水を取り扱う温海水(「WSW」)システムは、生物付着から保護されなければならない。汚染率は、沿岸水よりもOTEC運用に好適な熱帯外洋水ではるかに低いことが分かっている。結果として、環境的に容認可能となる非常に低い用量で、OTECシステムの中の生物付着を制御するために、化学剤を使用することができる。小量の塩素の投与は、海水中の生物付着に対抗するのに非常に効果的であることが証明されている。1日1時間で約70ppbの割合での塩素の用量が、海洋生物の成長を防止するのに極めて効果的である。この用量率は、EPAによって規定された環境的安全レベルの1/20にすぎない。塩素耐性生物を取り除くために、時々、低用量処理の計画の間に、他の種類の処理(熱衝撃、塩素化衝撃、他の殺生物剤等)を使用することができる。
【0193】
海水流に投与するための必要な塩素は、海水の電解によってプラント船上の船内で生成される。この種類の電気塩素化プラントは、市販されており、投与に使用される次亜塩素酸塩溶液を産生するために成功裏に使用されてきた。電気塩素化プラントは、貯蔵タンクを充填するように連続的に動作することができ、これらのタンクの内容物は、上記で説明される周期的投与に使用される。
【0194】
全ての海水導管は、沈殿物が堆積することができる、または生物が定着してコロニーを開始することができる、あらゆるデッドポケットを回避する。そこに収集される場合がある堆積物を吹き飛ばすように、流水配設が水管路の低い点から提供される。管路および水チャンバの高い点は、閉じ込められたガスが漏出することを可能にするように通気孔をつけられる。
【0195】
冷海水(CSW)システムは、プラント船用の共通深海水取水口、水送出/分配システム、関連水配管を伴う凝縮器、および水を海に戻すための排出管路から成る。冷水取水パイプは、2700ft以上(例えば、2700ftから4200ftの間)の深さまで下方に延在し、そこで海水温度は、ほぼ一定の40°Fである。パイプへの入口は、大型生物がその中へ吸い込まれることを阻止するようにスクリーンによって保護される。パイプに進入した後、冷水は、海面に向かって上方に流れ、船またはスパーの底付近の冷水ウェルチャンバに送達される。
【0196】
CSW供給ポンプ、分配管路、凝縮器等は、発電所の最低レベルに位置する。ポンプは、交差管路から吸い込み、冷水を分配管路システムに送る。4x25%CSW供給ポンプが、各モジュールに提供される。各ポンプは、必要な時に、点検、保守等のために隔離し、開くことができるように、入口弁を用いて、独立して循環させられる。ポンプは、高効率電気モータによって駆動される。
【0197】
冷たい海水は、連続してサイクルの凝縮器を通って流れ、次いで、CSW流出が海に戻して排出される。CSWは、必要な順序で、連続して4つの発電所サイクルの凝縮器の熱交換器を通って流れる。凝縮器の設置は、必要な時に、それらが清掃および保守のために隔離され、開かれることを可能にするように配設される。
【0198】
WSWシステムは、海面より下側に位置する水中取水グリルと、入ってくる水をポンプに伝えるための取水プレナムと、水ポンプと、熱伝達表面の汚染を制御する殺生物剤投与システム、懸濁物質による閉塞を防止する水漉システム、関連水配管を伴う蒸発器、および水を海に戻すための排出管路とを備える。
【0199】
取水グリルは、海面付近から温水を引き込むように、発電所モジュールの外壁に提供される。取水グリルにおける前面速度は、海洋生物の引き込みを最小化するように、0.5ft/sec未満に保たれる。これらのグリルはまた、大型浮遊破片の進入も防止し、それらの障害物のない開口部は、ポンプおよび熱交換器を安全に通過することができる固体の最大サイズに基づく。これらのグリルを通過した後、水は、グリルの後ろに位置する取水プレナムに進入し、WSW供給ポンプの吸引に送られる。
【0200】
WSWポンプは、ポンプフロアの反対側に2つのグループで位置する。各グループ用の取水プレナムからの別個の吸引接続を伴って、ポンプの半分が両側に位置する。この配設は、取水プレナムの任意の部分を通る最大流速を全流量の約1/16に限定するため、取水システムにおける摩擦損失を低減する。ポンプのそれぞれは、必要な時に、点検、保守等のために隔離し、開くことができるように、入口側に弁が提供される。ポンプは、ポンプ出力を負荷に合致させるように、可変周波数駆動を有する高効率電気モータによって駆動される。
【0201】
WSWシステム、特にその熱伝達表面の生物付着を制御することが必要であり、このために、好適な殺生物剤がポンプの吸引時に投与される。
【0202】
温水流は、熱交換器の中の狭い通路を封鎖し得る、より大型の懸濁粒子を除去するために、漉される必要があってもよい。大型自動フィルタまたは「破片フィルタ」を、必要であればこのために使用することができる。懸濁物質は、スクリーン上で保持し、次いで、逆洗によって除去することができる。懸濁固体を運ぶ逆洗流出物は、海に戻される発電所の排出流に送られる。このための正確な要件は、海水の質に関するより多くのデータの収集後、設計のさらなる開発中に決定されるであろう。
【0203】
漉された温かい海水(WSW)は、蒸発器の熱交換器に分配される。WSWは、必要な順序で、連続して4つの発電所サイクルの凝縮器の熱交換器を通って流れる。最後のサイクルからのWSW流出は、海面より約175フィート以上下側の深度で排出される。次いで、それは、海水の温度(したがって密度)が流出の温度に合致する深さまでゆっくりと沈む。
【0204】
本明細書の実施形態は、連続オフセットおけ板冷水パイプを介して冷水を引く、浮遊オフショア船またはプラットフォームの中の多段熱交換器を説明してきたが、他の実施形態が本発明の範囲内であることが理解されるであろう。例えば、冷水パイプは、沿岸施設に接続することができる。連続オフセットおけ板パイプは、有意な長さ対直径比を有する、他の取水または排出パイプに使用することができる。オフセットおけ板構造は、従来の区分化されたパイプ構造で使用するためにパイプセクションに組み込むことができる。多段熱交換器および統合流路は、陸地を基地とするOTEC施設を含む、陸地を基地とする施設に組み込むことができる。また、温水は、温かい淡水、地熱で加熱された水、または工業排水(例えば、原子力発電所または他の工場からの排出された冷却水)となり得る。冷水は、冷たい淡水となり得る。本明細書で説明されるOTECシステムおよび構成要素は、電気エネルギー産生に、または塩水の脱塩、浄水、深海水再生、水産養殖、バイオマスまたは生物燃料の産生、およびさらに他の産業を含む、他の使用分野で使用することができる。
【0205】
本明細書で記述される全ての参考文献は、それらの全体で参照することにより組み込まれる。
【0206】
他の実施形態が、以下の請求項の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中垂直パイプを浮遊構造に接続する方法であって、該方法は、
吊上げおよび保持ケーブルを冷水パイプの上側部分に接続することであって、該冷水パイプの上側部分は、先細接続面を有する吊上げカラーを含む、ことと、
該吊上げおよび保持ケーブルを使用して、スパー受容ベイの中に該冷水パイプを引くことであって、該受容ベイは、該冷水パイプの上側部分を受容するための先細表面と、接触パッドとを含む、ことと、
該冷水パイプの先細接続面を、該受容ベイの該接触パッドと密閉可能に接触させることと、
該吊上げケーブルを機械的に固定することであって、それにより、該接続面と該接触パッドとの間の該密閉可能な接触を維持する、ことと
を含む、方法。
【請求項2】
水中パイプ接続アセンブリであって、該アセンブリは、
接続構造であって、吊上げデバイス、吊上げケーブル、第1の先細接続面、および接触パッドを有する下側部分を含む接続構造と、
垂直パイプであって、
第2の先細接続面および吊上げアイを有する吊上げカラーを含む第1の縦部分と、
該第1の部分の下方の第2の縦部分であって、該第1の部分よりも可撓性である第2の縦部分と
を含む、垂直パイプと
を含む、アセンブリ。
【請求項3】
前記第2の縦部分の下方の第3の縦部分をさらに備え、該第3の部分は、該第2の部分よりも可撓性ではない、請求項2に記載の水中パイプ接続アセンブリ。
【請求項4】
前記第2の先細接続面は、防水シールを形成するように前記第1の先細接続面の前記接触パッドと接触している、請求項2に記載の水中パイプ接続アセンブリ。
【請求項5】
前記アセンブリは、OTECシステムの一部である、請求項2に記載の水中パイプ接続アセンブリ。
【請求項6】
水中垂直パイプ接続であって、該接続は、
垂直パイプ受容ベイを有する浮遊構造であって、該受容ベイは、第1の直径を有する、浮遊構造と、
該パイプ受容ベイの中に挿入するための垂直パイプであって、該垂直パイプは、該パイプ受容ベイの該第1の直径よりも小さい第2の直径を有する、垂直パイプと、
ベアリング面と、
該ベアリング面とともに動作可能な1つ以上の移動止めであって、該移動止めは、該ベアリング面と接触しているときに、該第1または第2の直径とは異なる直径を画定する、移動止めと
を含む、接続。
【請求項7】
水中垂直パイプを浮遊プラットフォームに接続する方法であって、該方法は、
垂直パイプ受容ベイを有する浮遊構造を提供することであって、該パイプ受容ベイは、第1の直径を有する、ことと、
最上端部分を有する垂直パイプを提供することであって、該最上端部分は、該第1の直径よりも小さい第2の直径を有する、ことと、
該垂直パイプの該最上端部分を該受容ベイの中に挿入することと、
該垂直パイプを支持するためのベアリング面を提供することと、
1つ以上の移動止めを拡張することであって、それにより、1つ以上の移動止めが該第1または第2の直径とは異なる直径を有する、ことと、
該1つ以上の移動止めを該ベアリング面と接触させることであって、それにより、該浮遊構造から該垂直パイプを吊るす、ことと
を含む、方法。
【請求項8】
水中部分を含むオフショア発電構造であって、該水中部分は、
温水導管と一体である4段蒸発器部分と、
冷水導管と一体である4段凝縮器部分と、
発電部分と、
冷水パイプ接続と、
冷水パイプと
をさらに含む、構造。
【請求項9】
前記4段蒸発器部分は、温水導管を含み、
該温水導管は、
第1、第2、第3、および第4の作動流体と協働している第1段熱交換表面、第2段熱交換表面、第3段熱交換表面、および第4段熱交換表面を含み、作動は、該第1、第2、第3、および第4段熱交換表面の各々において蒸気にまで加熱される、請求項8に記載のオフショア発電構造。
【請求項10】
前記温水導管は、前記水中部分の構造部材を含む、請求項9に記載のオフショア発電構造。
【請求項11】
前記第1および第4の作動流体は、第1のタービン発電機と連通しており、前記第2および第3の作動流体は、第2のタービン発電機と連通している、請求項9に記載のオフショア発電構造。
【請求項12】
オフショア発電構造が提供され、該オフショア発電構造は、
水中部分を含み、該水中部分はさらに、
一体多段蒸発器システムを含む第1のデッキ部分であって、
高容量温水導管を形成する第1の温水構造通路と、
蒸気まで作動流体を加温するように該第1段温水構造通路と協働して配列される第1段作動流体通路と、
第2段温水構造通路に直接連結される第1段温水排出口であって、該第2段温水構造通路は、高容量温水導管を形成し、および
該第1段温水排出口に連結される第2段温水取水口と、
蒸気まで第2の作動流体を加温するように、該第2段温水構造通路と協働して配列される第2段作動流体通路と、
第2段温水排出口と
を含む、第1のデッキ部分と、
一体多段凝集システムを含む第2のデッキ部分であって、
高容量温水導管を形成する第1段冷水構造通路を含み、該第1段冷水通路はさらに、
第1段冷水取水口と、
該第1のデッキ部分の該第1段作動流体通路と連通している第1段作動流体通路であって、該第1段冷水構造通路と協働している該第2のデッキ部分の該作動流体通路は、液体まで該作動流体を冷却する、第1段作動流体通路と、
高容量温水導管を形成する第2段冷水構造通路に直接連結される第1段冷水排出口であって、該高容量温水導管は、
第2段冷水取水口を含み、該第1段冷水排出口および該第2段冷水取水口は、該第1段冷水排出口から該第2段冷水取水口への冷水流の最小圧力損失を提供するように配設される、第1段冷水排出口と、
該第1のデッキ部分の第2段作動流体通路と連通している第2段作動流体通路であって、該第2段冷水構造通路と協働している該第2段作動流体通路は、液体まで該2段作動流体通路内の害作動流体を冷却する、第2段作動流体通路と、
第2段冷水排出と
を含む、第2のデッキ部分と、
発電機器を収納する第3のデッキ部分であって、
第1および第2の蒸気タービンであって、該第1のデッキ部分の該第1段作動流体通路は、該第1のタービンと連通しており、該第1のデッキ部分の該第2段作動流体通路は、該第2のタービンと連通している、蒸気タービンと
を含む、第3のデッキ部分と
を含む。
【請求項13】
外面、最上端、および底端を有する細長い管状構造を含み、該管状構造は、
複数の第1および第2のおけ板セグメントを含み、各おけ板セグメントは、最上部分および底部分を有し、該第2のおけ板セグメントの該最上部分は、該第1のおけ板セグメントの該最上部分からオフセットされている、パイプ。
【請求項14】
各おけ板セグメントは、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、繊維強化プラスチック(FRP)、強化ポリマーモルタル(RPMP)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、架橋高密度ポリエチレン(PEX)、ポリブチレン(PB)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエステル、繊維強化ポリエステル、ナイロン強化ポリエステル、ビニルエステル、繊維強化ビニルエステル、ナイロン強化ビニルエステル、コンクリート、セラミック、またはそれらのうちの1つ以上の複合材料を含む、請求項13に記載のパイプ。
【請求項15】
OTEC発電所において使用するための冷水パイプを形成する方法であって、該方法は、
複数の第1および第2のおけ板セグメントを形成することと、
交互の第1と第2のおけ板セグメントとを接着結合することであって、それにより、該第2のおけ板セグメントが該第1のおけ板セグメントからオフセットされて、連続的な細長い管を形成する、ことと
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図22D】
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【図23A】
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【図23B】
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【公表番号】特表2013−518205(P2013−518205A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550166(P2012−550166)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2011/022115
【国際公開番号】WO2011/091295
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(512190918)ジ アベル ファウンデーション, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】