説明

浸透構造体、及び浸透構造体付き集水施設並びに浸透構造体の設置方法

【課題】 設置場所の土質が粘性土質等である場合であっても、確実に浸透できるようにした浸透構造体と、この浸透構造体付き集水施設並びに浸透構造体の設置方法を提供すること。
【解決手段】 集水枡、集水トレンチ、集水側溝、集水マンホールを含む集水施設内に雨水流入部を持ち、設置場所の深さ方向に伸びて土中に埋設される浸透構造体であって、少なくとも地表から1m以上の深さまで埋設されている管状部材と、当該管状部材内に収容されると共に、当該管状部材よりも深く埋設された浸透部とからなり、前記管状部材の壁面には開口部が存在せず、前記浸透部は、透水シートからなる袋状部材内に、砕石その他の礫材を充填して構成されている浸透構造体とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集水枡、集水トレンチ、集水側溝、集水マンホールなどの集水施設に集水された雨水等を地中に浸透させるための浸透構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路や駐車場、グランドなどに溜まる雨水を処理するために、道路端部等に側溝を設置することが行われる。そしてこの側溝に流れ込んだ雨水は、雨水枡に雨水を集水してから歩道や車道に埋設されている公設の雨水管などの本管に接続して排水する方法や、土壌中の浅い位置に浸透枡を設置し、この浸透枡で雨水を土中に浸透させる方法により排水されている。
【0003】
雨水を土中に浸透させる方法に関して、特許文献1(特開2010−185222号公報)では、雨水を受け入れる側溝と前記側溝内に雨水流入部を持つ垂直方向に伸びる浸透構造体とを備えた浸透構造体付き側溝に関し、前記側溝内の雨水が流入可能な浸透槽をさらに備え、前記側溝と前記浸透槽とは雨水流入管により接続されており、前記雨水流入管の前記側溝への接続部は前記側溝に接続する浸透構造体の前記雨水流入部よりも上位に位置している浸透構造体付き側溝が提案されている。そして、この特許文献1で提案されている浸透構造体付き側溝において、浸透構造体については段落〔0021〕欄に、「前記浸透構造体30は、耐食性と所要の耐圧縮性を備えることを条件に適宜の材料で作ることができる。例として、樹脂管、繊維強化樹脂管、ステンレス等の金属管などが挙げられる」と記載されている。
【0004】
また、本願特許出願人は特許文献2(特開2007−231734号公報)で、雨水を下水道等に排除するための既設の排水施設を、雨水を地下に浸透させる浸透施設に改良するための浸透構造体を提案している。即ち、この特許文献では、集水枡等の集水施設の底壁に貫通孔を形成し、該貫通孔を介して地中から前記集水施設内にかけて上下方向に設ける浸透構造体であって、前記底壁の貫通孔から下向きに地中に形成された孔内に充填される砕石と、該砕石をくるむように配設され、地中から砕石内への土砂の流入を防ぐ透水シートとからなる浸透部と、前記底壁の貫通孔から上向きに前記集水施設内に立設されると共に集水施設の底壁に固定され、塩ビ管、土管、鉄管を含む筒状物からなる浸透筒と、該浸透筒の上口部を覆って配設される着脱可能なフィルタとから構成される浸透構造体を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−185222号公報
【特許文献2】特開2007−231734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のとおり、従前においても雨水を集水して土中に浸透させる方法が提案されており、この方法を実施するために、浸透枡や、浸透構造体付き側溝、あるいは既設の排水施設を雨水浸透施設に改良するための浸透構造体が提案されている。
【0007】
しかしながら、これまで提案されている方法では、粘性土質などで浸透が十分でない地域や浅い位置での浸透では、含水による飽和状態などにより、十分な浸透の効果が得られない事も考えられる。
【0008】
そこで本発明では、設置場所の土質が粘性土質等である場合であっても、確実に浸透できるようにした浸透構造体と、この浸透構造体付き集水施設並びに浸透構造体の設置方法を提供することを第一の課題とする。
【0009】
また、従前において土中の深さ方向に浸透構造体などを設置する場合、この浸透構造体としては多孔性の樹脂製の管が使用されているが、多孔性の管である場合には、水を通す為の孔内に木や草などの植物の根が入り込んでしまい、浸透構造体が変形または破損したり、十分な浸透効果を発現できないことも考えられる。
【0010】
そこで本発明では、このような木や草などの植物の根による変形や破損を防止し、また浸透能力の低下の問題を解消した浸透構造体と、この浸透構造体付き集水施設並びに浸透構造体の設置方法を提供することを第二の課題とする。
【0011】
更に、集水枡、集水トレンチ、集水側溝、集水マンホールを含む集水施設は、多くの場合、道路や駐車場の端部等に設置されることが多く、それ故に当該集水施設に設けた浸透構造体は、車両等の通行による土圧を受けることになる。そして土中に埋設した浸透構造体が車両の通行による土圧を受けると、変形や歪みなどが生じてしまい、初期に予定した浸透効果を発揮できないことも考えられる。
【0012】
そこで本発明は、このような車両の通過による土圧の影響を受けにくく、長期的に初期の浸透能力を維持できるようにした浸透構造体と、この浸透構造体付き集水施設並びに浸透構造体の設置方法を提供することを第三の課題とする。
【0013】
さらに浸透能力は、その殆どが浸透構造体の表面積や設計水頭(高さ)に依存することになるが、周囲の建築物や道路の強度を確保するため、あるいは土地や路面の陥没などの問題を解消するため、平面方向に広くすることが困難であり、また平面方向に広くしても十分な設計水頭を確保することができない。
【0014】
そこで本発明では、深さ方向に十分な深さとすることにより、浸透構造体の体積や表面積のみならず設計水頭を大きくすることができ、よって浸透能力(浸透量)が大きく、泥などによる閉塞がしにくく、そして長期にわたり浸透能力を維持できる浸透構造体と、この浸透構造体付き集水施設並びに浸透構造体の設置方法を提供することを第四の課題とする。
【0015】
そして本発明は、上記の浸透構造体と、この浸透構造体付き集水施設とを、少ない工程で施工性良く構築することができ、既存の集水施設に対しても大幅な変更を無くして設置可能な浸透構造体と、この浸透構造体付き集水施設並びに浸透構造体の設置方法を提供することを第五の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明では、浸透構造体を深く形成することに着目し、前記課題の少なくとも何れかを解決するものである。
【0017】
即ち、本発明では、集水枡、集水トレンチ、集水側溝、集水マンホールを含む集水施設内に雨水流入部を持ち、設置場所の深さ方向に伸びて土中に埋設される浸透構造体であって、少なくとも地表から1m以上の深さまで埋設されている管状部材と、当該管状部材内に収容されると共に、当該管状部材よりも深く埋設された浸透部とからなり、前記管状部材の壁面には開口部が存在せず、前記浸透部は、透水シートからなる袋状部材内に、砕石その他の礫材を充填して構成されている浸透構造体を提供する。
【0018】
かかる本発明の浸透構造体は、その雨水流入部が集水施設内に開口しており、管状部材と、管状部材内に収容されて、この管状部材よりも深くまで埋設される浸透部とからなり、浸透部は、透水シートからなる袋状部材と、この袋状部材内に充填される砕石その他の礫材とからなる。
【0019】
管状部材は少なくとも地表から1m以上の深さまで埋設されると共に、その内部空間に袋状部材内に礫材(砕石など)を充填した浸透部を収容しており、この浸透部は、管状部材よりも深い位置まで埋設されている。このように構成された浸透構造体では、集水施設内に流れ込んだ雨水は、雨水流入部から管状部材に流れ込み、そして浸透部の礫材を通って袋状部材から土中に流れ込むことができる。
【0020】
管状部材は塩ビ管などの樹脂製の管部材の他、金属製の管であっても良く、更にコンクリートを管状に形成したものであっても良い。但し、当該管状部材は、その側面には浸透孔等の開口部が存在しないものであることが望ましい。開口部が存在する場合には、植物の根などが入り込んでしまい、浸透効果が減じられたり、破損や変形などの問題が生じたりする為である。むしろ、本発明にかかる浸透構造体は、上層が粘性土質等の場合に、それよりも下層に雨水を浸透させる上で有効なものとする場合には、この粘性土質に埋没される領域はそもそも浸透作用を果たさないのであるから、このように側面に開口を形成しない場合であっても何らの不利益は生じない。但し、この管状部材が埋設される領域が、砂地など十分な浸透作用を果たし得る地層である場合には、この管状部材の側面には浸透孔等の開口を形成することもできる。なお、この管状部材は、その長さ方向に交差する断面形状が円形である他、楕円形であったり、三角形、四角形等の多角形であってもよい。そしてこの管状部材は、土に掘った穴の中に差し込み、そして引き抜かれるものであることから、その側面には土との摩擦を減じるための構造を備えることが望ましい。更に、この管状部材は長さ方向に複数つなげて使用されることから、各管状部材の軸方向端部には、隣り合う相互の管状部材同士を螺着や継合等により一体にする構造部を有するもの、例えば長さ方向の端部に螺着のための溝が形成されたもの、例えばスパイラル継手などを使用することができる。土圧が大きく引き抜きにくい場合等には、ねじ込み式のスパイラル管を使用して、オーガーの回転を利用して摩擦をカットして引き上げることができる。
【0021】
そして上記浸透構造体において、管状部材の上端開口は雨水流入部として集水施設内の底面よりも高い位置に存在していることが望ましい。当該管状部材内、更には浸透部内に泥などが入り込みにくい様にするためである。
【0022】
また、この管状部材の上端開口には、着脱可能なフィルタが設けられていることが望ましい。このフィルタは、ビニール袋や落ち葉などの大きなゴミが浸透構造体および雨水流入管に入り込むのを阻止するのを主たる目的とするものであり、雨水の流れに対して大きな抵抗とならないメッシュのものが望ましい。
【0023】
そして管状部材の管内に収容される浸透部は、透水シートからなる袋状部材内に、砕石その他の礫材を充填して形成されており、当該管状部材よりも深くまで埋設される。この浸透部は集水施設内に流れ込んだ雨水を土中に浸透させる為に機能するものであることから、可能な限り深くまで埋められることが望ましいが、その浸透効果を考慮すれば、前記管状部材の深さから、さらに管状部材の深さ以上に深くまで、即ち地表から管状部材の2倍以上の深さまで埋設することが望ましい。但し、設置の手間と効果の兼ね合いを考慮すれば、当該浸透部を埋設する深さは、せいぜい地表から管状部材の5倍程度の深さである。また、この袋状部材は透水シートを袋状に形成して成るものであり、例えば樹脂性の多孔性シートを袋状に形成したり、不織布や織物などの布帛を袋状に形成したものを使用することができる。但し、砂利や砕石などの礫材を収容し、且つ土中における強度などを考慮すれば麻を袋状に形成した麻袋を使用することができ、更に腐食を防止するためには化学繊維の不織布や織物からなる袋を使用するのが望ましい。また、透水シートを袋状に形成したものに代えて、側面に複数の開口を有する管を使用することもでき、当該側面に多数の開口を形成した管を用いて構成した浸透部を使用した浸透構造体は、本発明と技術的に均等なものとなる。
【0024】
そして上記本発明にかかる浸透構造体において、土中に埋設された浸透部の何れかの部分または全部は、同じく土中に埋設される管状部材よりも放射方向に突出するように大きく形成されていることが望ましい。例えば土中に埋設した浸透部の水平断面積を、同じく土中に埋設した管状部材の水平断面積よりも大きく形成したり、土中に埋設した浸透部の一部を土中に埋設した管状部材よりも水平方向に突起するように形成したりすることができる。このように形成することにより、管状部材の沈降を浸透部が支持することができ、また浸透部が土圧などにより地上に押し上げられるのを阻止することができる。
【0025】
また、本発明では前記課題の少なくとも何れかを解決するために、前記した浸透構造体を設置した浸透構造体付き集水施設を提供する。即ち、本発明では、雨水を受け入れる集水施設と当該側溝内に雨水流入部を持つ垂直方向に伸びる浸透構造体とを備えた浸透構造体付き集水施設であって、当該雨水浸透として、上記本発明にかかる浸透構造体を使用した浸透構造体付き集水施設を提供する。
【0026】
かかる浸透構造体付き集水施設では本発明にかかる浸透構造体を設置していることから、仮に粘性土質の地域に設置した場合であっても、当該粘性土質よりも下層の通水層に雨水を透過させることができる。また、上記本発明にかかる浸透構造体の設置に際しては、既存の集水設備の底面に、当該浸透構造体を貫通させて設置する孔部を形成すればよい。即ち、この浸透構造体付き集水施設は、既存の設備に対して本発明にかかる浸透構造体を設置することによっても実現することができる。
【0027】
そして本発明では、前記課題の少なくとも何れかを解決する為に、前記浸透構造体を簡易かつ迅速に設置する方法を提供する。
【0028】
即ち本発明では、土砂を掘削しながら、第一の管状部材を土中に差し込むと共に、掘削した深さに応じて他の管状部材を、その前に差し込んだ管状部材に連ねて差し込み、所望の深さまで掘削した後に、連なる管状部材内に、透水シートからなる袋状部材を挿入して、当該袋状部材内に砕石その他の礫材を充填して浸透部を形成しながら、前記第一の管状部材を引き上げて、その上端開口を露出させる浸透構造体の設置方法を提供する。
【0029】
かかる設置方法においては、土砂を掘削しながら、掘削するごとに長さが1m前後等、所定の管状部材を連続的に掘削した穴内に差し込んでいくことにより、掘削した穴の内壁面が崩落するのを阻止することができる。そして、浸透部を埋設する深さ等、所定の深さまで掘削を行ってから、連続して差し込んだ管状部材内に、袋状部材を差し入れて、当該袋状部材内に砂利や砕石などの礫材を充填して浸透部を形成する。そして、この充填により当該浸透部は土圧に抗して一定の形状を保持できるようになることから、次に浸透部における側面からの浸透性を確保するために、差しこんだ管状部材を随時引き抜き、浸透部が掘削した穴の内壁面に接するようにする。そして最初に掘削穴内に挿入した第一の管状部材以外の全ての管状部材を引き抜くと共に、この第一の管状部材を土中に残しておくことにより、上記した本発明にかかる浸透構造体を構築することができる。
【0030】
この浸透構造体の設置方法は、集水枡、集水トレンチ、集水側溝、集水マンホールを含む集水施設内に浸透構造体を設置する場合にも実施することができる。但し、この場合には、当該集水施設の底面に、管状部材を挿し通す開口を形成することが必要になる。そして集水施設内に当該浸透構造体を設置する場合には、土中に差し込んだ第一の管状部材の引き上げは、その上端が集水施設の底面よりも上方に存在するように形成するのが望ましい。さらに、この第一の管状部材の引き上げは、その開口の上端が、集水施設の底面から本管への取り付け管に合わせて、ピークカットまたはベースカットを選定するように、適宜調整することができる。
【0031】
また、上記本発明にかかる浸透構造体の設置方法において、第一の管状部材には、紐、チェーン、またはワイヤーを連結しておき、第一の管状部材の引き上げは、当該紐、チェーン、またはワイヤーを引き上げることにより実施することが望ましい。第一の管状部材は最初に掘削穴内に挿入されることから、この第一の管状部材を引き抜くことにより、その上に乗っている他の管状部材を持ち上げて引き上げることができる。
【0032】
そして上記本発明にかかる浸透構造体の設置方法において、前記土砂の掘削は、先端に拡大ヘッドを取り付けたスクリューオーガ(又はスパイラルオーガ)を用いて実施し、当該スクリューオーガは管状部材内を通り、掘削した土砂は管状部材内を通って掻き上げることが望ましい。先端に拡大ヘッドを取り付けたスクリューオーガを使用することにより管状部材を土中にスムーズに差し込むことができ、しかもスクリューオーガを管状部材内から引き抜く際にもスムーズに実施することができる。更にスクリューオーガで掘削した土砂を、管状部材内を通して掻き上げることにより、例えば集水施設の底面に浸透構造体を設けるような場合においても、?き上げた土砂を当該集水施設内に散乱させないようにすることができる。
【0033】
また、前記スクリューオーガの上端に、側面に排土口を形成した筒状の排土装置を設置し、管状部材内を通って掻き上げられた土砂を、この排土口から排出するようにすれば、当該掘削により生じた土砂を、任意の箇所に排出することができる。
【発明の効果】
【0034】
以上のように構成された本発明の浸透構造体と、この浸透構造体付き集水施設によれば、1m以上の管状部材よりもさらに深く浸透部を埋め込んでいることから、仮に粘性土質などで浸透が十分でない地域や浅い位置での浸透では含水による飽和状態などにより、十分な浸透の効果が得られないような地域であっても、それよりも下の層まで浸透部を埋め込むことにより、確実に浸透できるようにした浸透構造体と、この浸透構造体付き集水施設並びに浸透構造体の設置方法を提供することができる。
【0035】
また、本発明で使用する浸透構造体は、側面に水を通すための孔乃至は開口を形成していないことから、孔内に木や草などの植物の根が入り込むことがなく、浸透構造体が変形または破損したりすることもなく、更に長期的な使用によっても十分な浸透効果を発現できる浸透構造体と、この浸透構造体付き集水施設並びに浸透構造体の設置方法を提供することができる。
【0036】
そして、本発明にかかる浸透構造体は、土中に1m以上埋設された管状部材を具備することから、例え道路や駐車場の端部等に設置される集水枡、集水トレンチ、集水側溝、集水マンホール等の集水施設に設置した場合であっても、車両等の通行による土圧による変形や歪みなどが生じることは無く(すなわち、車両の通過による土圧の影響を受けにくく)、初期に予定した浸透効果を長期的に発揮できる浸透構造体と、この浸透構造体付き集水施設並びに浸透構造体の設置方法を提供することができる。
【0037】
さらに、本発明で使用している浸透部は土中の深さ方向に深く埋設しており、水平方向に広く埋設するものとはなっていない。そのため、周囲の建築物や道路の強度を確保したり、土地や路面の陥没などの問題を解消しながらも、十分な浸透構造体の体積や表面積を確保することができる。そして、十分な浸透構造体の体積や表面積を確保すると共に、設計水頭(高さ)を大きくすることにより、浸透能力(浸透量)が大きく、泥などによる閉塞がしにくく、そして長期にわたり浸透能力を維持できる浸透構造体と、この浸透構造体付き集水施設並びに浸透構造体の設置方法を提供することができる。
【0038】
そして本発明にかかる浸透構造体は、少ない工程で施工性良く構築することができ、既存の集水施設に対しても大幅な変更を無くして設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施の形態にかかる浸透構造体を設置した集水枡などの集水施設の一形態を示す断面図。
【図2】既存集水枡の底面に形成した貫通孔からの掘削作業を示す略図。
【図3】更に掘削した状態を示す略図。
【図4】スクリューオーガ及び塩ビ管の継ぎ足すスクリューオーガと塩ビ管の追加作業を示す略図。
【図5】継ぎ足したスクリューオーガ及び塩ビ管での掘削状態を示す略図。
【図6】更にスクリューオーガと塩ビ管の追加作業を実施して掘削した状態を示す略図。
【図7】スライドオーガを引き抜く撤去工程と、残留させた塩ビ管内に袋状部材を挿しこむ袋状部材設置作業を示す略図。
【図8】塩ビ管内に挿入した袋状部材内に砕石を充填・転圧しながら、挿入した塩ビ管を下側から順に引き抜く塩ビ管引き抜き作業を示す略図。
【図9】袋状部材内に更に砕石を充填・転圧した状態を示す略図。
【図10】管状部材の上部を切除して、その上端にレインフィルターを設置した状態を示す略図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照しながら具体的な実施の形態にかかる浸透構造体の設置方法と、この方法で設置した浸透構造体と、この浸透構造体を設置した集水施設を説明する。
【0041】
図1は本実施の形態にかかる浸透構造体を設置した集水枡10などの集水施設の一形態を示す断面図である。浸透構造体1は、側溝など集水施設内に集められた水を地中に浸透させるための構造体であり、集水施設の底部11に設けられる。この集水枡10は、主に道路排水または敷地からの雨水を集水する集水施設として使用されるものであり、底部を備えた構造を有する。集水枡10の上部には集水枡蓋12が配設され、集水枡蓋12には、道路上を流れてきた排水、隣の敷地から流れてきた雨水等が集水枡10内に流入する際に通過する流入孔が設けられている。
【0042】
集水枡10の底部11には、貫通孔15が形成されている。貫通孔15は本発明に係る浸透構造体1を設けるための開口であり、コア抜き用のドリル、コア抜きカッター等のコア抜き手段によって形成することができる。特にこの貫通孔15は円形状に切り抜くことにより、製作の容易性を向上することができる。但し、円形状に限定されるものではなく、三角形状、四角形状等の多角形状に形成してもよい。
【0043】
浸透構造体1は、集水枡10内に雨水流入部を持ち、貫通孔15を通過して地中まで延びている。浸透構造体1は、集水枡10内に上端開口が存在すると共に貫通孔15から地中の深さ方向に埋め込まれた管状部材5と、この管状部材5内に収容されて、この管状部材よりもさらに深くまで埋設された浸透部4と、管状部材5の上口部を覆って配設されるフィルタ6とから構成されている。そして、貫通孔15の形状と、浸透部4および管状部材5の水平断面形状とは同一形状を有している。
【0044】
浸透部4は、透水シートから構成されている袋状部材3内に砕石などの礫材2を収容して構成されており、この袋状部材3は、その内部に充填した砕石を保持する機能を有する。そしてこの浸透部と管状部材5を埋設する穴16は、貫通孔15の真下に、鉛直下向へ縦長状に形成されている。穴16は、後述するようにスクリューオーガを用いて掘削する他、例えば、貫通孔15と同形状の鋼管を貫通孔15を通して地中に打ち込み、鋼管内の土砂を吸引機等によって吸い出して形成しても良い。縦長状に形成した穴16内に浸透部4を設けることにより、設計水頭と浸透面積を大きくすることができるので、地中への水の浸透量を多くすることができる。
【0045】
そしてこの浸透部4の水平断面積を管状部材5の水平断面積よりも大きく形成していることにより、浸透部4、更には袋状部材3内に充填された礫材2の浮上を防止することができる。
【0046】
袋状部材3内に充填される砕石2は、空隙率の高いものを選定することが望ましく、一般的に単粒度砕石20〜40mmのものを使用する。袋状部材3は、浸透層である地中(土砂地)と砕石2との境界面に砕石2をくるむように敷設され、浸透層からの土砂が砕石2内に流入することを防ぐと共に、路面や浸透層の陥没、沈下を防ぐ。袋状部材3を構成する透水シートとしては、十分な引っ張り強度を有し、腐食等の面で長期間の使用に耐えると共に、水をよく通し砂と同等以上の透水係数を有するものを使用する。具体的には、幅5cmあたりの引っ張り強度が30kgf以上で、透水係数が10-1〜10-2cm/sec以上、厚さ0.1〜0.2mm以上のものを使用することができるが、砕石の転圧時の圧力に耐えるため、厚さ3mm以上のものが望ましい。また、透水シートの材質は、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成樹脂シートや、麻などの天然樹脂シートを使用することができる。なお、砕石2は、管状部材5の中に存在するものと、浸透部4に存在するものとで、その大きさや材質などを異ならせることもできる。
【0047】
貫通孔15から上向きに突出し、集水枡10内に存在する管状部材5は、それよりも下側が貫通孔15を通過しており、集水枡10の底部11においてモルタル等で固定されている。管状部材5の形状は、集水枡10の底部11に形成した貫通孔15と同形状を有している。例えば、塩ビ管36、土管、鉄管等の筒状物から構成されている。管状部材5の長さ、即ち、集水枡10の底部11から上方向へ集水枡10内に延びている部分と貫通穴を通過して土中に埋設されている部分の長さの合計は、50cm以上であることが望ましく、これにより路面を車両が通過した時の土圧によっても変形等しない浸透構造体1とすることができる。これにより集水枡10の底部11が、地表から50cmの深さに存在する場合には、当該管状部材5は、地表から1m以上の深さまで埋設することができる。
【0048】
そしてこの管状部材5における、集水枡10の底部11から上方向へ集水枡10内に延びている部分の長さ(高さ)は、集水枡10内に流入した雨水等をピークカット方式により処理するか、あるいはベースカット方式により処理するかによって決定することができる。つまり、流入した雨水等をピークカット方式により処理するか、ベースカット方式により処理するかは、管状部材5における、集水枡10の底部11からの長さ(高さ)を調節することによって選択することができる。
【0049】
ここで、ピークカット方式とは、降雨初期や雨水流入量の少ないときは、取付管17を通して雨水等を下水道管などの本管へと排出し、流入量が増加してある水位を超えると、即ち、フィルタ6の高さを超えるとフィルタ6を通って初めて浸透部4に雨水等が流入する方式である。これにより初期流入水に多く含まれる汚濁物は、泥溜め部18に沈殿、あるいは取付管17を通して下水道管などの本管へと排出される。また、ベースカット方式とは、降雨初期からの流入水を、その施設が持っている浸透能力の範囲で浸透させる方式で、浸透能力を超えた分は下水等へ越流させる。ベースカット方式では、集水枡10に流入した雨水等は、フィルタ6を通過して浸透部4に流入し地中へと浸透処理される。集水枡10に流入する水量が増加し、集水枡10内の水位が上昇してくると取付管17を通して下水道管へと雨水が流出する。
【0050】
フィルタ6は、網目状に形成されたフィルタ枠と、このフィルタ枠内に配設した細目フィルタから構成したものを使用することができる。フィルタ枠に網目状の浸透孔を形成し、その中に細目フィルタを固定た場合、網目状の浸透孔によってフィルタ枠内に大きなゴミが流入することを防ぐことができ、細目フィルタは、雨水に含まれた固形物、例えば、ゴミ、砂利、砂等が浸透部4へ流入するのを防ぎ、砕石2の目詰まりを防ぐことができる。また、細目フィルタとして、集水枡10に流入する雨水に含まれた道路上の油分等を吸着し、浸透による地下水汚染を防止するものを使用してもよい。フィルタ6は、管状部材5の上口部に着脱可能に取り付けられており、細目フィルタの洗浄や取り替え等のメンテナンスを容易に行なうことできる。
【0051】
図1はピークカット方式で雨水などを処理するように構成されており、集水枡10の流入孔から集水枡内に流入した雨水等は、先ず、泥溜め部18に貯留され、貯留水位が高くなると取付管17を通して下水道に排出される。流入量が増加して貯留水位がフィルタ6の高さを超えると、雨水等はフィルタ6を通過して管状部材5から浸透部4へ流入する、浸透部4に流入した雨水等は、砕石2及び浸透シートを通して地中に浸透することになる。ただし、このフィルタ6の高さと取付管17の設置高さを調整することにより、ベースカット方式とすることも勿論可能である。
【0052】
浸透構造体1は、既に地中等の所定の場所に設置されている集水枡10に設けるようにしても、あるいは新設しようとする集水枡10に設けるようにしてもよい。そして、新設する集水枡10に浸透構造体1を設ける場合、集水枡10の底部11に設ける貫通孔15は、集水枡10を掘削した場所に据え付ける前に、予め形成しておくようにしてもよい。この場合、浸透構造体1の浸透部4を配設する穴16も集水枡10を据え付ける前に、予め集水枡10の貫通孔15に対応した位置に形成しておくことができる。
【0053】
集水枡10を据え付ける前であるため、予め形成することができる穴16の形状は、集水枡10に形成されている貫通孔15の形状によって制約されず、例えば、円柱形状、多角柱形状の他、円錐台形状、あるいは四角錐台形状等の穴16を形成することが可能である。また、この穴16内に設けられる浸透部4の形状は、穴16の形状に応じて形成されるものであるから、穴16の形状と同様に、例えば、円柱形状、多角柱形状の他、円錐台形状、あるいは四角錐台形状等の浸透部4に形成することができる。これにより、さらに浸透部4の設計水頭と浸透面積を大きくすることができ、地中への雨水の浸透量を大きくすることができる。
【0054】
集水施設の形態としては、上述した集水枡の他、集水トレンチ、集水側溝、集水マンホール等も挙げることができ、これらの底部壁に貫通孔を形成し浸透構造体を設けることにより、集水枡の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0055】
また、上述した形態では、浸透構造体1を集水枡10の底部11に設けるものであったが、この形態に限定されるものではなく、例えば、集水枡10の側壁に浸透構造体1を設けるようにしてもよい。側壁に設ける場合には、管状部材5部分を集水枡10内に延ばす必要がない為、側壁に貫通孔15を形成し、その貫通孔から水平方向へ延びる浸透部4と、貫通孔15に取り付けられるフィルタ6によって浸透構造体1を構成することができる。浸透部4およびフィルタ6の構成は上述した形態のものと同様である。
【0056】
次に、上記したような浸透構造体1の設置方法の一形態を、図2〜10を参照しながら説明する。特にこの形態では、既に設置されている集水施設を対象として浸透構造体1を施工する例を示しており、集水施設として集水枡10を使用している。
【0057】
先ず、既存の集水枡10の底面に、浸透構造体1を設置するための貫通孔15を形成し、ここに穴16の掘削作業を実施する。この穴16の掘削作業には、例えばこの実施の形態に示すように、油圧配管付きのバックホー30を使用し、これにスライドオーガ32を取り付けて、当該スライドオーガ32にスクリューオーガ34を取り付けて実施することができる。即ち、スクリューオーガ34で掘削しながら、これをスライドオーガ32で徐々に下降させることにより掘削作業を実施することができる。
【0058】
このスクリューオーガ34としては、外径が180mmで、長さが1500mmの物を使用しており、その先端には例えば外径が250mm程度の拡大ヘッド(図示せず)を設けている。そしてこのスクリューオーガ34の外側には、内径200mmで長さ1500mmの塩ビ管36を設けている。即ち、このスクリューオーガ34は塩ビ管36の中を通るように設けられている。そして、このスクリューオーガ34の外側に設けられる塩ビ管36が、最終的に管状部材を構成することになる。また、この管状部材の上端側の3か所には、ワイヤー35を取り付けており、このワイヤー35を設けることにより、穴16内に挿入した管状部材の引き抜きを可能にしている。
【0059】
このような構成により、図2に示すように長さ1500mmのスクリューオーガ34による掘削と、長さ1500mmの塩ビ管36の挿入を実施する。掘削作業に際してはスクリューオーガ34で掘った残土は、この塩ビ管36内を通って持ち上げられ、これは塩ビ管36の上端に設けられた排土装置37によって外に排出される(図3参照)。そして十分に掘り下げた後には、掘削しているスクリューオーガ34に対して外径が180mmで、長さが1000mmのスクリューオーガ34(即ち、オーガスクリュー)を継ぎ足して、更に穴16に差し込んでいる塩ビ管36に、外径が200mmで、長さが1000mmの塩ビ管36を継ぎ足す、スクリューオーガ34と塩ビ管36の追加作業を実施する。この追加作業の実施に際しては、スライドオーガ32によりモーター部分を上昇させることにより、土中に差し込んだスクリューオーガ34と塩ビ管36の上端との間に隙間を形成し、ここに追加のスクリューオーガ34と塩ビ管36を設置することができる。なお、塩ビ管36の端部同士における組み合わせが安定しない場合には、必要に応じて、当該連結部の外側を円筒状などに形成された金属製のカラーや、粘着テープなどでつなぐことも可能である。また、管状部材として隣り合う管状部材同士を螺着などにより一体化することもできるスパイラル継手を有する管状部材を使用することもできる。
【0060】
そして図5及び6に示すように、上記と同じようなスクリューオーガ34と塩ビ管36の追加作業を行い、この作業を設置場所において浸透層が存在する深さまで実施する。なお、この追加作業では長さ1000mmのスクリューオーガ34と塩ビ管36を追加するようにしているが、この長さに限らず、1500mmのスクリューオーガ34と塩ビ管36など、様々な長さの物を使用したり、異なる長さの物を組み合わせて実施することも可能である。
【0061】
そして所要の深さ、即ち浸透層が存在する深さまで追加作業を実施しながら掘削作業を行った後、図7に示すように、穴16に挿入した塩ビ管36をそのまま残した状態で、追加したスクリューオーガ34を含め、全てのスクリューオーガ34を引き抜いて撤去する。そして、透水層まで到達したか否かをバキュームなどにより確認する。
【0062】
透水層への到達を確認したのち、穴16内に残留させた塩ビ管36内に透水シートからなる袋状部材3を挿しこむ袋状部材設置作業を実施する。この袋状部材の設置に際しては、袋の底部に砕石などを充填しておくことにより、その重みで穴16の底部に到達させることができる。そしてこの袋状部材を塩ビ管36内に挿入した後、当該袋状部材内に、更に5号又は6号の砕石を充填し、これを転圧しながら、挿入した塩ビ管36を下側から順に引き抜く塩ビ管36引き抜き作業を実施する(図8参照)。この塩ビ管36引き抜き作業の実施に際しては、最初に挿入した塩ビ管36に設けた3つのワイヤー35を引き上げることにより、当該最初に挿入した塩ビ管36の上に乗っている塩ビ管36も持ち上げることができ、これにより順次引き抜くことが可能になる。そして最初に挿入した塩ビ管36内に存在する袋状部材内にも砕石を充填し、転圧する(図9参照)。なお、塩ビ管36の持ち上げ乃至は引き抜きはスライドオーガ装置を利用して行うことも出来る。また、塩ビ管に変えて、ねじ込み式のスパイラル管を管状部材として使用することもできる。例えば土圧が大きかったり、粘土質で摩擦抵抗が大きい等により、管状部材が引き抜きにくい場合は、ねじ込み式のスパイラル管を使用して、オーガーの回転を利用して土との摩擦をカットして引き上げることもできる。
【0063】
この塩ビ管36の引き抜き作業により、穴16の下方側に必要な長さ(深さ)の浸透部4を形成し、そして穴16内に残した塩ビ管36を叩いて安定させる。この土中に残した塩ビ管36は管状部材5として、粘土質の層に存在し、また路面を走行する車両の土圧に抗すると共に、植物の根などの侵入を阻止するものとして機能することができる。そしてこの管状部材5の外側に存在する穴16内の隙間には、砂を充填して水で締め固め、この塩ビ管36(管状部材5)の上部、即ち設置された管状部材5の上部が、集水枡10の底部11から所定の高さになるように切除する。そして袋状部材3における管状部材5の内に存在する領域の所定の高さまで砕石を充填し、そして管状部材5の外側を集水枡10の底部11にモルタルなどで固定し、管状部材5の上端にレインフィルター6を設置する(図10参照)。
【0064】
以上のような浸透構造体の設置方法により、既存の集水施設に対しても簡易に浸透構造体を設置することができ、特に集水施設が粘土質の場所に設置されている場合であっても、その下の透水層に至るまで掘削を実施でき、かつ簡易に浸透構造体を設置することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 浸透構造体
2 礫材(砕石)
3 袋状部材
4 浸透部
5 管状部材
6 フィルタ
10 集水枡
11 底部
12 集水枡蓋
15 貫通孔
16 穴
17 取付管
18 泥溜め部
30 バックホー
32 スライドオーガ
34 スクリューオーガ
35 ワイヤー
36 塩ビ管
37 排土装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集水枡、集水トレンチ、集水側溝、集水マンホールを含む集水施設内に雨水流入部を持ち、設置場所の深さ方向に伸びて土中に埋設される浸透構造体であって、
少なくとも地表から1m以上の深さまで埋設されている管状部材と、当該管状部材内に収容されると共に、当該管状部材よりも深く埋設された浸透部とからなり、
前記管状部材の壁面には開口部が存在せず、
前記浸透部は、透水シートからなる袋状部材内に、砕石その他の礫材を充填して構成されていることを特徴とする、浸透構造体。
【請求項2】
前記管状部材の上端開口は雨水流入部として集水施設内の底面よりも高い位置に存在し、
その上端開口には、着脱可能なフィルタが設けられており、
前記土中に埋設された浸透部の水平断面積は、同じく土中に埋設される管状部材の水平断面積よりも大きい、請求項1に記載の浸透構造体。
【請求項3】
雨水を受け入れる集水施設と当該側溝内に雨水流入部を持つ垂直方向に伸びる浸透構造体とを備えた浸透構造体付き集水施設であって、
当該浸透構造体は、請求項1又は2に記載の浸透構造体である、浸透構造体付き集水施設。
【請求項4】
土砂を掘削しながら、第一の管状部材を土中に差し込むと共に、掘削した深さに応じて他の管状部材を、その前に差し込んだ管状部材に連ねて差し込み、
所望の深さまで掘削した後に、連なる管状部材内に、浸透シートからなる袋状部材を挿入して、当該袋状部材内に砕石その他の礫材を充填して浸透部を形成しながら、前記第一の管状部材を引き上げて、その上端開口を露出させることを特徴とする、浸透構造体の設置方法。
【請求項5】
前記第一の管状部材には、紐、チェーン、またはワイヤーが連結されており、
前記第一の管状部材の引き上げは、当該紐、チェーン、またはワイヤーを引き上げることにより実施される、請求項4に記載の浸透構造体の設置方法。
【請求項6】
前記土砂の掘削は、先端に拡大ヘッドを取り付けたスクリューオーガを用いて実施し、
当該スクリューオーガは管状部材内を通り、掘削した土砂は管状部材内を通って掻き上げられ、
前記管状部材内を通って掻き上げられる土砂は、前記スクリューオーガの上端に設けられた筒状の排土装置の側面に形成された排土口から排出される、請求項4又は5に記載の浸透構造体の設置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−219591(P2012−219591A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89892(P2011−89892)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(595180062)株式会社エルデック (5)
【Fターム(参考)】