説明

消耗品パックおよび消耗品パックの製造方法

【課題】揮発性溶剤の含有が少なく、長期保管において高温多湿時の初期印字濃度変動が少ない画像形成装置用消耗品を提供し得る消耗品パックが提供される。
【解決手段】通気度が50s/ml以上3000s/ml以下である包装材と、該包装材により包装された画像形成装置用の消耗品と、を有する消耗品パック。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消耗品パックおよび消耗品パックの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、ドラム状に形成された像保持体の表面を帯電し、この像保持体の表面を画像情報に基づいて制御された光で露光して像保持体の表面上に静電荷像(静電潜像)を形成し、この静電荷像を静電荷像現像用トナーや静電荷像現像用キャリアを含む静電荷像現像用現像剤により現像してトナー画像とし、さらにこのトナー画像を記録紙等の被転写材に転写し、これを定着装置によって定着して画像を形成する。
【0003】
この電子写真方式の画像形成装置に用いられる、トナー、キャリア、これらを含む現像剤、像保持体としての感光体、定着装置等の消耗品、あるいはそれら消耗品を含むカートリッジ等のユニットを構成する材料から揮発性有機化合物(VOC)等の揮発成分が発生することがある。この揮発成分の発生を低減するために、吸着剤をトナー内に添加する、吸着剤をトナーカートリッジ内に添加する、トナーを密封するフィルムシールの内側に吸着層を設けるといった技術が提案されている。
【0004】
例えば、トナーを収納し、画像形成装置にトナーを補給するトナー補給容器において、トナー補給開口部を有するトナー容器と、トナー補給開口部を密封そして開封し得るシール部材と、を有するとともに、シール部材がトナー等から発生する揮発性有機化合物を吸着する吸着性を有しているトナー補給容器が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、画像形成装置に用いられる消耗品を、内側からガス透過性が高い第1包装材料とガス透過性が低い第2包装材料の順で包装し、第1包装材料と第2包装材料との間に吸着剤を挿入した包装体が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0006】
また、トナーや現像剤を、透湿性が0.7(g/m/日)以下の包装材料により包装する方法が提案されている(例えば特許文献3,4参照)。
【0007】
また、水蒸気透過率が3.0(cc/m)以下、膜厚が10μm以上150μm以下のフィルム状部材で形成された包装材料に収納することを特徴とする現像剤の保存方法が提案されている(例えば特許文献5参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−133291号公報
【特許文献2】特開2009−47790号公報
【特許文献3】特許第3862193号明細書
【特許文献4】特開2001−5274号公報
【特許文献5】特開平9−54454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、画像形成装置用の消耗品が通気度50s/ml以上3000s/ml以下である包装材によって包装されていない場合に比べ、長期保管において高温多湿時の初期印字濃度変動が少ない画像形成装置用消耗品を提供し得る消耗品パックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
即ち、請求項1に係る発明は、
通気度が50s/ml以上3000s/ml以下である包装材と、
該包装材により包装された画像形成装置用の消耗品と、
を有する消耗品パックである。
【0011】
請求項2に係る発明は、
前記消耗品が、静電荷像現像用トナーおよび静電荷像現像用キャリアのうち少なくとも1つを含む請求項1に記載の消耗品パックである。
【0012】
請求項3に係る発明は、
前記包装材が無機粒子を含む請求項1または請求項2に記載の消耗品パックである。
【0013】
請求項4に係る発明は、
前記無機粒子が炭酸カルシウムである請求項3に記載の消耗品パックである。
【0014】
請求項5に係る発明は、
画像形成装置用の消耗品を、通気度が50s/ml以上3000s/ml以下である包装材により包装する包装工程と、
包装された状態の前記消耗品を前記包装材ごと乾燥する乾燥工程と、
を有する消耗品パックの製造方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1、2、3または4によると、画像形成装置用の消耗品が通気度50s/ml以上3000s/ml以下である包装材によって包装されていない場合に比べ、長期保管において高温多湿時の初期印字濃度変動が少ない画像形成装置用消耗品を提供し得る消耗品パックが提供される。
【0016】
本発明の請求項5によると、画像形成装置用の消耗品を通気度50s/ml以上3000s/ml以下である包装材により包装する包装工程と包装された状態の前記消耗品を前記包装材ごと乾燥する乾燥工程とを有しない場合に比べ、長期保管において高温多湿時の初期印字濃度変動が少ない画像形成装置用消耗品を提供し得る消耗品パックが容易に製造される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
<消耗品パック>
本実施形態に係る消耗品パックは、通気度が50s/ml以上3000s/ml以下である包装材と、該包装材により包装された画像形成装置用の消耗品と、を有する。
【0019】
画像形成装置用消耗品においては、揮発性有機溶剤が原材料に含まれたり、揮発性有機溶剤が生産工程に使用されることにより消耗品の中に該揮発性有機溶剤が残存することがあり、これら揮発性有機溶剤の残存量の低減が求められている。特に静電荷像現像用トナーおよび静電荷像現像用キャリア中の揮発性有機溶剤を、減率乾燥領域で除去するには長期の乾燥時間を有し、更に乾燥工程中に攪拌などを実施すると粒子表面の劣化が進むことがある。また、透湿性の低い包装材で包装した消耗品パックを高温多湿環境において開封し画像形成装置に設置した場合、消耗品、特に静電荷像現像用トナーや静電荷像現像用キャリアが急激に吸湿することにより帯電性に変動が生じ、初期印字濃度の変動が発生する。
【0020】
これに対し、本実施形態に係る消耗品パックは、通気度が上記範囲である包装材によって画像形成装置用消耗品が包装されているため、使用される環境で包装材内部の消耗品が保管され、該消耗品を実際に使用する際においても品質が安定するまでの時間が短縮されるものと推測される。また、通気度が上記範囲である包装材によって消耗品が包装されているため、包装後保管する状態で残存溶剤が低減されるものと推測される。更に、消耗品を包装した後に乾燥工程を設けて乾燥を施し得るものと推測される。
【0021】
尚、本明細書において「包装」とは、通気度が上記範囲である包装材を透過する気体以外には、包装されたパックの内側に気体が入らないよう隙間なく密閉された状態を指す。
【0022】
本実施形態に係る消耗品パックは包装材の通気度が上記範囲であり、更には200s/ml以上2000s/ml以下がより好ましく、500s/ml以上1500s/ml以下が特に好ましい。
通気度が50s/ml以上であることにより、空気が急激に出入りすることが無く、保管環境の急激な温度変化においても画像形成装置用消耗品が結露しにくい。3000s/ml以下であることにより、揮発性有機溶剤が長時間かけることなく除去され、かつ保管環境に適時に変化する。
【0023】
尚、通気度はJIS P 8117(2009年)の方法でガーレー試験機を使用して測定される。本明細書に記載の数値は、該方法によって測定されたものである。
【0024】
(包装材)
包装材としては、単層フィルムからなる包装材を用いても、複数のフィルムが重なった積層フィルムを用いてもよい。中でも、包装材の強度や製袋性などを付与する為に上記積層フィルムを用いることが好ましい。尚、積層フィルムの場合の通気度は複数のフィルムを張り合わせた状態で測定された値とする。
【0025】
また、包装材は前記の通気度を備える観点から、該包装材の表裏を貫通する孔を有することが好ましいが、消耗品、特にトナーやキャリアを包装した際の粉漏れを発生しないことが必要な為、前記孔の連続した最大細孔径は3.0μm以下が好ましく、更には1.0μm以下が望ましい。
【0026】
包装材の好適な例としては、画像形成装置用消耗品を包装した際に内側から第1層、外側を第2層とした2層構成のものが挙げられる。
【0027】
第1層としては、微多孔性フィルムとよばれ、通気性および耐水性を有し、さらに包装時に製袋する為のヒートシール性を有するものが使用される。上記微多孔性フィルムとしては、充填剤が配合されたフィルムを延伸することにより多孔化したものなどが挙げられ、これらはそれ自体に多数の微孔からなる連通孔を有し、通気性、耐水性を有する。
【0028】
上記微多孔性フィルムとしては、ポリオレフィン製のものが好ましく、ポリオレフィン樹脂と充填剤とを含有する組成物を溶融成形したフィルムを延伸して、充填剤とポリオレフィン樹脂との間に剥離を生じさせて多孔化させたものが好ましい。上記ポリオレフィン樹脂は、エチレン、プロピレン等の炭素数2以上40以下のα−オレフィンの単独重合体またはこれらの共重合体が好ましい。中でも、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等の中・低圧法ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体が好ましい。
【0029】
上記充填剤としては、特に制限されないが、通常のゴムまたはプラスチック中に添加される無機粒子の充填剤を使用することが好ましい。例えば、炭酸カルシウム、石膏、亜硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、水和珪酸、無水珪酸、ソーダ灰、塩化ナトリウム、硫酸バリウム、クレー、各種セメント、火山灰、シラス、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、金属粉、その他の無機物または無機物を主体とする有機物金属塩等が挙げられる。またポリオレフィンと相溶性の無い有機粒子などを使用してもよい。中でも、現像剤の劣化影響が少なく、安価な炭酸カルシウムが好ましい。
無機粒子の大きさは特に制限されないが、好ましくは30μm以下、より好ましくは0.05μm以上20μm以下、特に好ましくは0.1μm以上5μm以下である。
【0030】
充填剤の配合割合は、ポリオレフィン100質量部に対して50質量部以上400質量部以下が好ましく、更には60質量部以上300質量部以下がより好ましい。
【0031】
ポリオレフィン樹脂と充填剤とを含有する組成物の溶融成形は、特に限定されないが、Tダイ成型法、空冷式または水冷式インフレーション成型法によって未延伸フィルムを形成するのが特に好適である。次いで、未延伸フィルムを縦方向に一軸延伸することにより、または縦方向および横方向に二軸延伸することによりフィルムは微多孔化される。
【0032】
微多孔性フィルムの厚さとしては特に制限はないが、20μm以上200μm以下が好ましく、更には50μm以上100μm以下が好ましい。
【0033】
尚、上記微多孔性フィルムは、前述の単層フィルムからなる包装材としても好適に用いられる。
【0034】
第2層のフィルムとしては、通気性を低下させることなく、画像形成装置用消耗品を包装した際に包装材の強度を上げ得るものが好ましく、例えば、不織布、紙、布などのシート状材料が使用される。尚、張り合わせの接着性などからポリオレフィンやポリエステルの不織布を用いることが望ましく、特にポリオレフィン系の不織布が望ましい。ポリオレフィン系不織布は、ポリエステル等の他の樹脂の心材を上記ポリオレフィンで被覆した構造のものや、ポリオレフィン系繊維とポリエステル等の他の繊維とが混合されて使用されたものであってもよい。
【0035】
上記ポリオレフィン製の微多孔性フィルムと上記不織布とを張り合わせる方法としては、粘着剤または接着剤を微多孔性フィルムまたは不織布に部分的に塗布し、その部分で接着する方法や、ラミロール等により微多孔性フィルムおよび不織布に熱を加え表面を溶融させた直後に圧力を加えて全面で熱圧着する方法、さらにはエンボスロール等により微多孔性フィルムおよび不織布に部分的に熱を加えて溶融させその部分で接合する方法などがある。また上記方法を併用してもよい。
【0036】
次いで、包装材の他の例として、画像形成装置用消耗品を包装した際に内側から第1層、第2層、および外側の第3層からなる3層構成の包装材について説明する。
【0037】
第1層としては、加熱した針で等間隔に穴を開けた有孔フィルムを使用する。穴の大きさやピッチには特に制限がないが、フィルムの強度を保ちまた通気度を保つために0.1mm以上1.0mm以下の穴で、ピッチは縦横で1.0mm以上10.0mm以下のピッチの物が望ましい。
第1層の上記有孔フィルムの組成としては、製袋時のヒートシール性を得るためにポリオレフィン樹脂が望ましい。ポリオレフィン樹脂は、エチレン、プロピレン等の炭素数2以上40以下のα−オレフィンの単独重合体あるいはこれらの共重合体が用いられる。中でも、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等の中・低圧法ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体が好ましい。
【0038】
第1層の上記有孔フィルムの厚さとしては特に制限はないが、10μm以上100μm以下が望ましく、更には20μm以上50μm以下が望ましい。
【0039】
第2層のフィルムとしては、通気性を調整し得る通気性のある材料を使用することが好ましく、不織布、紙、布などのシート状材料が使用される。尚、通気性を得るために紙を使用することが好ましく、シートの厚みや繊維の密度により通気性が調整される。紙であれば特に制限はないが、通気性のある耐油紙、レーヨン紙などが好ましい。
【0040】
第3層のフィルムとしては、第1層の有孔フィルムに記載の方法で穴を開けた有孔フィルムが使用される。穴の大きさやピッチには特に制限がないが、フィルムの強度を保ちまた通気度を保つために0.1mm以上1.0mm以下の穴で、ピッチは縦横で1.0mm以上10.0mm以下のピッチの物が望ましい。また張り合わせを実施した際に第1層と第3層との穴が重ならないように異なるピッチで穴をあけることが好ましい。
尚、この第3層の有孔フィルムは、更に第2層との張り合わせ性を良好にする為ポリオレフィン樹脂のフィルムとそれ以外のフィルムを張り合わせたものでもよい。ポリオレフィン樹脂は、エチレン、プロピレン等の炭素数2以上40以下のα−オレフィンの単独重合体あるいはこれらの共重合体が用いられる。中でも、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等の中・低圧法ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体が好ましい。
【0041】
張り合わせるフィルムの材料としては特に制限はないが、包装材の強度を保持する為にポリエチレンテレフタレート、延伸ナイロン等が望ましく、上記ポリオレフィン樹脂のフィルムと張り合わせを実施したあと穴をあけることが望ましい。
【0042】
上記第1層乃至第3層を張り合わせる方法としては、粘着剤また接着剤を部分的に塗布し、その部分で接着する方法やラミロール等によりフィルムに熱を加え表面を溶融させた直後に圧力を加えて全面で熱圧着する方法、さらにはエンボスロール等により部分的に熱を加えて溶融させその部分で接合する方法などがある。中でも、ラミロール等によりフィルムに熱を加え表面を溶融させた直後に圧力を加えて全面で熱圧着する方法が望ましい。
【0043】
(画像形成装置用の消耗品)
画像形成装置に用いられる消耗品としては、例えばトナー、キャリア、トナーおよびキャリアを含む現像剤、感光体、定着装置等が挙げられ、また、それら消耗品を含むトナーカートリッジ、現像剤カートリッジ、あるいは感光体、現像装置等を一体化し画像形成装置へ着脱自在としたプロセスカートリッジ等が挙げられる。また、紙、インクジェット用インク、印刷物を含む画像形成装置用部品も消耗品として挙げられる。
【0044】
電子写真方式の画像形成装置に用いられるトナーやキャリアあるいはこれらを含む現像剤は揮発性溶剤を含むことが多いため、消耗品が、トナーおよびキャリアのうち少なくとも1つを含む場合に、前記本実施形態における包装材で包装することによる効果がより発揮される。
【0045】
これらの消耗品を前記包装材によって包装する方法としては、包装材のフィルムを、三方シール袋や合掌袋などに熱板方式やインパルス方式により熱溶着で製袋することが望ましい。
【0046】
本実施形態に係る消耗品パックにおいては、消耗品を包装材により包装した後、消耗品パック(包装袋)の形態のまま乾燥し脱溶剤を実施することが望ましい。乾燥温度は50℃以下が望ましく、さらに45℃以下が望ましい。必要に応じ乾燥時に減圧を実施しても構わない。本実施形態によれば、画像形成装置用消耗品、特にトナーやキャリアあるいはこれらを含む現像剤に対し、生産設備を占有することなく、ストレスをかけないで揮発性溶剤を低減し得る。
【0047】
上記消耗品は、本実施形態に係る消耗品パックとされた後、必要に応じて、保護材、梱包袋、梱包材および梱包箱等の梱包部材により梱包され、梱包体とされた状態で物流される。
【0048】
・トナー
次いで、消耗品の一例である静電荷像現像用トナーについて説明する。
トナーは特に限定しないが、結着樹脂と着色剤を主成分とし、必要に応じて離型剤等を含有する公知のものである。トナーは混練粉砕法のごとき乾式製法で製造されたものであってもよいし、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、懸濁重合法等の湿式製法により製造されたものであってもよい。
【0049】
トナーの結着樹脂としては、ポリエステル樹脂のほかに、ポリオレフィン樹脂、スチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、変性ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂等などを単独で用いてもよいしまたは併用してもよい。
【0050】
また、着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の種々の顔料、または、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系等の各種染料を単独でまたは2種以上組み合わせて使用し得る。
【0051】
トナーにおける前記着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲であることが好ましく、また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等が得られる。
【0052】
離型剤の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系ワックス;石油系ワックス;およびそれらの変性物等が使用される。離型剤の添加量は、トナーに対して50質量%以下の範囲で使用される。
【0053】
その他内添剤として、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、それらの合金、またはそれら金属を含む化合物などの磁性体を使用してもよい。また、帯電制御剤として、4級アンモニウム塩、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体からなる染料や、トリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用してよいが、特に水に溶解しにくい帯電制御剤が好適である。
【0054】
無機粒子を湿式添加してもよく、該無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど、通常トナー表面の外部添加剤として使用されるものが挙げられ、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散して湿式添加される。
【0055】
また、トナーに外部添加剤を添加してもよく、該外部添加剤としては特に制限は無く、無機粒子や有機粒子等の公知の外部添加剤が用いられる。例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグウネシウムおよびりん酸カルシウム等の無機粒子、ステアリン酸亜鉛のような金属石鹸、フッ素含有樹脂微粒子、シリカ含有樹脂粒子および窒素含有樹脂粒子等の有機樹脂粒子が好ましい。また、目的に応じて外部添加剤表面に表面処理を施してもよい。表面処理剤としては、疎水化処理を行うためのシラン化合物、シランカップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
【0056】
・キャリア
静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合には静電荷像現像用キャリアと混合して使用される。次いで、消耗品の一例であるこの静電荷像現像用キャリアについて説明する。
【0057】
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが用いられる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等が挙げられる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
【0058】
キャリアの前記樹脂被覆層に使用される被覆樹脂、前記マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
前記導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。
キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10μm以上500μm以下の範囲であり、より好ましくは30μm以上100μm以下の範囲である。
【0061】
キャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
【0062】
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。尚、この樹脂被覆の際に使用した揮発性溶剤が残存することがある。
【0063】
前記二成分現像剤におけるトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100乃至30:100の範囲が好ましく、3:100乃至20:100の範囲がより好ましい。
【実施例】
【0064】
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下において「部」は、特に断りのない限り質量基準である。
【0065】
(現像剤A)
現像剤Aは、以下の方法により製造したものである。
・Mn−Mg系フェライト粒子 100部
(真比重4.6g/cm、平均粒径35μm、飽和磁化65emu/g)
・トルエン/メチルエチルケトン(8:2)混合溶剤 11部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体 2部
(共重合比20:80、重量平均分子量50,000)
・カーボンブラック(キャボット社製、R330R) 0.2部
(平均粒径25nm、DBP値71ml/100g、抵抗10Ωcm以下)
Mn−Mg系フェライト粒子を除く上記成分とガラスビーズ(粒径1mm、トルエンと同量)とを、関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間攪拌して被覆樹脂層形成用溶液を調製した。
次に、この被覆樹脂層形成用溶液と前記Mn−Mg系フェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃を保って10分間攪拌した後、減圧してトルエン/メチルエチルケトンを留去することにより被覆樹脂層を形成してキャリアを得た。
このキャリアのトルエンとメチルエチルケトンの量を、溶剤含有量がトルエン325ppm、メチルエチルケトン95ppmとなるよう調整した。
得られたキャリア100部とDocuCentreColor a235用シアントナー8部とをブイ型ブレンダーで30分混合し現像剤Aを得た。
【0066】
(現像剤B)
現像剤Aを40℃で48時間乾燥させ、トルエンとメチルエチルケトンの含有量を少なくし、溶剤含有量がトルエン1.8ppm、メチルエチルケトン0.8ppmとなる現像剤を作製した。
【0067】
(CRUユニット)
上記現像剤Aを、DocuCentreColor a235用のCRUユニット(富士ゼロックス社製)に180g入れ、CRUユニットを得た。
【0068】
(トナーA)
以下の方法によりトナーAを製造した。
(着色剤分散液1の作製)
・シアン顔料(銅フタロシアニン、
C.I.PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製) 50部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製) 5部
・イオン交換水 200部
上記を混合し、IKA社製ウルトラタラックスにより5分間、更に超音波バスにより10分間分散し着色剤分散液1を得た。(株)堀場製作所製、粒度測定機LA−700にて体積平均粒子径を測定したところ160nmであった。
【0069】
(離型剤分散液1の作製)
・パラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞(株)製) 19部
・アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC,第一工業製薬(株)製) 1部
・イオン交換水 80部
上記を耐熱容器中で混合し、90℃に昇温して30分攪拌を行った。次いで、容器底部より溶融液をゴーリンホモジナイザーへと流通し、5MPaの圧力条件のもと、3パス相当の循環運転を行った後、圧力を35MPaに昇圧し、更に3パス相当の循環運転を行った。こうして得られた乳化液を前記耐熱容器中で40℃以下になるまで冷却し、離型剤分散液1を得た。(株)堀場製作所製、粒度測定機LA−700にて体積平均粒子径を測定したところ220nmであった。
【0070】
(樹脂粒子分散液1の作製)
(油層)
・スチレン(和光純薬工業(株)製) 30部
・アクリル酸n−ブチル(和光純薬工業(株)製) 10部
・β−カルボキシエチルアクリレート(ローディア日華(株)製) 1.3部
・ドデカンチオール(和光純薬工業(株)製) 0.4部
(水層1)
・イオン交換水 17部
・アニオン性界面活性剤(ダウファックス、ダウケミカル製) 0.4部
(水層2)
・イオン交換水 40部
・アニオン性界面活性剤(ダウファックス、ダウケミカル製) 0.05部
・ペルオキソ二硫酸アンモニウム(和光純薬工業(株)製) 0.4部
上記の油層成分と水層1の成分をフラスコに入れて攪拌混合し単量体の乳化分散液とした。反応容器に上記水層2の成分を投入し、容器内を窒素で十分に置換し、攪拌をしながらオイルバスで反応系内が75℃になるまで加熱した。反応容器内に上記の単量体乳化分散液を3時間かけて徐々に滴下し、乳化重合を行った。滴下終了後更に75℃で重合を継続し、3時間後に重合を終了させ、樹脂粒子分散液1を得た。
【0071】
得られた樹脂粒子は、レーザー回析式粒度分布測定装置LA−700((株)堀場製作所製)で樹脂粒子の体積平均粒子径D50vを測定したところ230nmであった。
【0072】
(トナーAの作製)
・樹脂粒子分散液1 150部
・着色剤分散液1 30部
・離型剤分散液1 40部
・ポリ塩化アルミニウム 0.4部
上記の成分をステンレス製のフラスコ中でIKA社製のウルトラタラックスを用い十分に混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で80分保持した後、ここに上記と同じ樹脂粒子分散液1を緩やかに70部追加した。
【0073】
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを6.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、攪拌軸のシールを磁力シールして攪拌を継続しながら97℃まで加熱して3時間保持した。反応終了後、降温速度を1℃/分で冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに40℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで攪拌、洗浄した。この洗浄操作をさらに5回繰り返し、濾液のpHが6.54、電気伝導度6.5μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー母粒子を得た。
【0074】
トナー母粒子の体積平均粒子径D50vをコールターカウンターで測定したところ6.2μmであった。
このトナー母粒子100部に、体積平均粒子径40nmのシリカ(SiO)粒子0.5部と、体積平均粒子径10nmのチタニア粒子1.0部と、を添加しヘンシェルミキサーで混合しシアントナーを作製した。
【0075】
上記シアントナーにトルエンとメチルエチルケトンを、ヘンシェルミキサーで攪拌しながトナーが固まらないように噴霧し吸着させた。溶剤含有量を測定したところトルエン105ppm、メチルエチルケトン45ppmであるトナーAを得た。
【0076】
(トナーカートリッジA)
上記トナーAをDocuCentreColor435用のトナーカートリッジ(富士ゼロックス社製)に200g入れ、トナーカートリッジAを得た。
【0077】
尚、溶剤含有量の測定は、GC−MS2010(島津製作所社製)を使用して実施した。トナー、現像剤1gを二硫化炭素に溶解させ、別途標準サンプルにより作成した検量線から溶剤の濃度を求めた。
【0078】
(包装材A)
第1層 ポーラムPH50(トクヤマ社製、充填剤:炭酸カルシウム)、厚み50μm
第2層 PE性不織布、厚み100μm、坪量50g/m
第1層、第2層をポリエチレン/酢酸ビニル系接着剤を部分的に塗布し接着した後、熱ロールで再度サーマルラミネーションを実施した。作製されたフィルム(包装材)の通気度は800s/mlであった。
【0079】
(包装材B)
第1層 ポーラムPN100(トクヤマ社製、充填剤:炭酸カルシウム)、厚み100μm
第2層 耐油紙、坪量30g/m
第1層、第2層をポリエチレン/酢酸ビニル系接着剤を部分的に塗布し接着した後、熱ロールで再度サーマルラミネーションを実施した。作製されたフィルム(包装材)の通気度は2800s/mlであった。
【0080】
(包装材C)
ポーラムNG100(トクヤマ社製、充填剤:炭酸カルシウム)、厚み100μm
このフィルムを単層で使用した。通気度は50s/mlであった。
【0081】
(包装材D)
第1層:線状低密度ポリエチレンLLDPE(膜厚20μm)のフィルムに、φ0.4mmの穴を縦5mm、横5mmのピッチで開けたもの。
第2層:耐油紙 坪量30g/m
第3層:ポリエチレンテレフタレート(膜厚15μm)/線状低密度ポリエチレンLLDPE(膜厚15μm)のフィルムに、φ0.4mmの穴を縦1.5mm横1.5mmのピッチで開けたもの。
上記3層にサーマルラミネーションを実施した。作製されたフィルム(包装材)の通気度は1500s/mlであった。
【0082】
(包装材E)
第1層:線状低密度ポリエチレンLLDPE(膜厚20μm)のフィルムに、φ0.6mmの穴を縦5mm、横5mmのピッチで開けたもの。
第2層:耐油紙 坪量20g/m
第3層:ポリエチレンテレフタレート(膜厚15μm)/線状低密度ポリエチレンLLDPE(膜厚15μm)のフィルムに、φ0.4mmの穴を縦1.5mm横1.5mmのピッチで開けたもの。
上記3層にサーマルラミネーションを実施した。作製されたフィルム(包装材)の通気度は40s/mlであった。
【0083】
(包装材F)
第1層 ポーラムPN100(トクヤマ社製、充填剤:炭酸カルシウム)、厚み100μm
第2層 耐油紙 坪量50g/m
第1層、第2層をポリエチレン/酢酸ビニル系接着剤を部分的に塗布し接着した後、熱ロールで再度サーマルラミネーションを実施した。作製されたフィルム(包装材)の通気度は3200s/mlであった。
【0084】
(包装材G)
第1層:線状低密度ポリエチレンLLDPE(膜厚20μm)
第2層:アルミシート(膜厚9μm)
第3層:ポリエチレンテレフタレート(膜厚15μm)/線状低密度ポリエチレンLLDPE(膜厚15μm)
上記3層をウレタン系接着材を使用しドライラミネーションを実施した。作製されたフィルム(包装材)は通気せず、通気度は測定不能であった。
【0085】
<実施例1>
包装材Aで作製した袋に、上記現像剤Aを180g入れ包装した。該包装の方法としては、富士インパルス社製:卓上シーラーを使用し、三方シール包装の形態で包装した。その後、40℃で72時間乾燥した。
【0086】
こうして包装した現像剤Aを20℃20%RHで1週間保管した後、28℃85%RHの環境下において開封し、直後にDocuCentreColor a235用のCRUユニットに前記現像剤Aを入れDocuCentreColor a235で印字評価を実施した。1枚目と100枚目の印字濃度の差(濃度差)をX−Rite939(X−Rite社製)を用いて測定した。またカブリの評価を実施し以下の評価基準により評価した。
また、1枚目印字評価前に現像剤Aをサンプリングし、揮発性溶剤(トルエン、メチルエチルケトン)の含有量を測定した。揮発性溶剤の含有量(揮発性残留溶剤量)および上記評価の結果を表1に示す。
−カブリ−
○:非印字部の汚れが問題ない
△:非印字部の汚れが少しあるが問題ない
×:非印字部の汚れが問題ある
【0087】
<実施例2〜4>
実施例1の包装材を、包装材Aから包装材B,C,Dに変える以外は実施例1の方法で評価を実施した。
【0088】
<比較例1〜3>
実施例1の包装材を、包装材Aから包装材E,F,Gに変える以外は実施例1の方法で評価を実施した。
【0089】
<比較例4>
実施例1の現像剤を現像剤Aから現像剤Bに変え、包装材を包装材Aから包装材Gに変える以外は実施例1の方法で評価を実施した。
【0090】
<実施例5>
包装材Aで作製した袋に、前記CRUユニットを入れ包装した。該包装の方法としては、富士インパルス社製:卓上シーラーを使用し、三方シール包装の形態で包装した。その後、40℃で72時間乾燥した。
【0091】
こうして包装したCRUユニットを20℃20%RHで1週間保管した後、28℃85%RHの環境下において開封し、直後にDocuCentreColor a235で印字評価を実施した。1枚目と100枚目の印字濃度の差(濃度差)をX−Rite939(X−Rite社製)を用いて測定した。またカブリの評価を実施し前述の評価基準により評価した。また、1枚目印字評価前にCRUユニット中の現像剤をサンプリングし揮発性溶剤含有量を測定した。揮発性溶剤の含有量(揮発性残留溶剤量)および上記評価の結果を表1に示す。
【0092】
<実施例6〜8>
実施例5の包装材を、包装材Aから包装材B,C,Dに変える以外は実施例5の方法で評価を実施した。
【0093】
<比較例5〜7>
実施例5の包装材を、包装材Aから包装材E,F,Gに変える以外は実施例5の方法で評価を実施した。
【0094】
<実施例9>
包装材Aで作製した袋に、上記トナーカートリッジAを入れ包装した。該包装の方法としては、富士インパルス社製:卓上シーラーを使用し、三方シール包装の形態で包装した。その後、40℃で72時間乾燥した。
【0095】
こうして包装したトナーカートリッジAを20℃20%RHで1週間保管した後、28℃85%RHの環境下において開封し、直後にDocuCentreColor435で印字評価を実施した。1枚目と100枚目の印字濃度の差(濃度差)をX−Rite939(X−Rite社製)を用いて測定した。またカブリの評価を実施し前述の評価基準により評価した。また、1枚目印字評価前にトナーカートリッジA中のトナーをサンプリングし揮発性溶剤含有量を測定した。揮発性溶剤の含有量(揮発性残留溶剤量)および上記評価の結果を表1に示す。
【0096】
<実施例10〜12>
実施例9の包装材を、包装材Aから包装材B,C,Dに変える以外は実施例9の方法で評価を実施した。
【0097】
<比較例8〜10>
実施例9の包装材を、包装材Aから包装材E,F,Gに変える以外は実施例9の方法で評価を実施した。
【0098】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気度が50s/ml以上3000s/ml以下である包装材と、
該包装材により包装された画像形成装置用の消耗品と、
を有する消耗品パック。
【請求項2】
前記消耗品が、静電荷像現像用トナーおよび静電荷像現像用キャリアのうち少なくとも1つを含む請求項1に記載の消耗品パック。
【請求項3】
前記包装材が無機粒子を含む請求項1または請求項2に記載の消耗品パック。
【請求項4】
前記無機粒子が炭酸カルシウムである請求項3に記載の消耗品パック。
【請求項5】
画像形成装置用の消耗品を、通気度が50s/ml以上3000s/ml以下である包装材により包装する包装工程と、
包装された状態の前記消耗品を前記包装材ごと乾燥する乾燥工程と、
を有する消耗品パックの製造方法。

【公開番号】特開2012−185205(P2012−185205A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46407(P2011−46407)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】