説明

消臭性ポリウレタン発泡体

【課題】原料に含まれている揮発性有機化合物(VOC)並びに反応及び発泡で生成されるVOC、さらには使用時におけるVOCを迅速に酸化、分解して無害化することができると共に、その性能を長期に渡って発揮することができる消臭性ポリウレタン発泡体を提供する。
【解決手段】消臭性ポリウレタン発泡体は、ポリオール類、ポリイソシアネート類、触媒、発泡剤及び消臭剤を含むポリウレタン発泡体の原料を反応及び発泡させることにより得られる。その際、消臭剤は金属化合物を担持させた無機多孔質体であり、当該金属化合物はアルデヒド類等のVOCを酸化、分解すると共に自身も酸化され、酸化、分解後に自身が水分により還元されて元の金属化合物に戻り、前記消臭剤の粒子径はポリウレタン発泡体を構成するセル骨格の幅よりも大きいことを特徴とする。この消臭剤としては、硫酸第一鉄等の鉄系化合物又は酸化銀等の銀系化合物であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば住宅や自動車の内装材料として用いられる消臭性ポリウレタン発泡体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅や自動車の内装材料に関し、揮発性有機化合物〔VOC(Volatile Organic Compounds)〕についての環境基準が厳しくなり、特にシックハウス症候群の要因とされるホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドについて厳しい規定が定められている。そのため、住宅や自動車の内装材料として使用されるポリウレタン発泡体に吸着剤として活性炭、ゼオライト等の多孔質無機物質を含ませ、VOCを吸着する技術が知られている。
【0003】
また、本願出願人は、アルデヒド類を含有する原料と、アルデヒド類を吸着し得る吸着剤とを接触させ、原料中に含まれるアルデヒド類を吸着剤により除去し、その後アルデヒド類を吸着した吸着剤を分離、除去して得られた原料からポリウレタン発泡体を製造する技術を提案した(例えば、特許文献1を参照)。吸着剤としては、モノヒドラジド化合物又はジヒドラジド化合物が用いられる。
【特許文献1】特開2006−77128号公報(第2頁及び第6頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ポリウレタン発泡体に吸着剤として多孔質無機物質を含ませる場合には、多孔質無機物質に吸着されたアルデヒド類が加熱、振動などの外的要因が加えられることで再度空気中に放出される。そのため、室内におけるアルデヒド類の濃度は、一旦減少するものの、再度上昇する傾向を示すという問題があった。
【0005】
また、特許文献1に記載されているポリウレタン発泡体においては、ポリウレタン発泡体の原料を予め吸着剤で吸着処理し、アルデヒド類が吸着された吸着剤を除去した後、その原料を反応及び発泡させてポリウレタン発泡体が製造される。そのため、反応及び発泡過程で生成するVOC、さらにはポリウレタン発泡体の使用時における雰囲気中のVOCを減少させることができなかった。さらに、自動車の内装材料においては、特に乗員のタバコの喫煙により起因するアルデヒド類を迅速に消臭させるということが満足できていなかった。
【0006】
そこで本発明の目的とするところは、原料に含まれているVOC並びに反応及び発泡で生成されるVOC、さらには使用時におけるVOCを酸化、分解して無害化し、その性能を長期に渡って発揮できるようにすると共に、より吸着速度が向上させ、迅速に消臭性能を発揮する消臭性ポリウレタン発泡体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の消臭性ポリウレタン発泡体は、ポリオール類、ポリイソシアネート類、触媒、発泡剤及び消臭剤を含むポリウレタン発泡体の原料を反応及び発泡させて得られる消臭性ポリウレタン発泡体であって、前記消臭剤は、金属化合物を担持させた無機多孔質体であり、当該金属化合物は、揮発性有機化合物を酸化、分解すると共に自身も酸化され、前記酸化、分解後に自身が水分により還元されて元の金属化合物に戻る化合物であり、前記消臭剤の粒子径は、ポリウレタン発泡体のセルを構成するセル骨格の幅よりも大きいことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明の消臭性ポリウレタン発泡体は、請求項1に係る発明において、前記消臭剤の含有量が、ポリオール類100質量部当たり5〜40質量部であることを特徴とするものである。 また、請求項3に記載の発明の消臭性ポリウレタン発泡体は、請求項2に係る発明において、前記消臭剤の金属化合物は、鉄系化合物又は銀系化合物であることを特徴とするものである。 さらに、請求項4に記載の発明の消臭性ポリウレタン発泡体は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記揮発性有機化合物は、アルデヒド類であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。 請求項1に記載の発明の消臭性ポリウレタン発泡体においては、消臭剤が無機多孔質体よりなるので、揮発性有機化合物を迅速に吸着しやすい。さらに、無機多孔質体に金属化合物が担持されているため、例えば得られる消臭性ポリウレタン発泡体がアルデヒド類などのVOC雰囲気に晒されると、発泡体中に含まれる消臭剤がアルデヒド類を酸化してカルボン酸に変性させ、さらに酸化を促進させてカルボン酸を二酸化炭素と水に分解させる。このとき、消臭剤自身は酸化状態に変性されるが、空気中の水分により還元され、元の還元状態に戻り再び消臭剤としての機能を発現する。
【0010】
従って、原料に含まれているVOC並びに反応及び発泡で生成されるVOC、さらには使用時におけるVOCを酸化、分解して無害化することができると共に、その性能を長期に渡って発揮することができる。さらに、ポリウレタン発泡体のセルを構成するセル骨格の幅よりも消臭剤の粒子径が大きいことから、吸着速度が非常に速いものとなる。
【0011】
請求項2に記載の発明の消臭性ポリウレタン発泡体では、ポリオール類100質量部当たり5〜40質量部であることから、請求項1に係る発明の効果に加えて、より確実に長期にわたって消臭性能を発揮させることができ、吸着容量が大きくなり、より消臭性を持続させる作用を向上させることができる。添加量が5質量部未満の場合、所定の消臭性能を発揮することができず、消臭速度も遅いものとなる。一方、40質量部を越える場合、機械的物性において柔軟性が劣り、軟質ポリウレタン発泡体としては満足できないものとなったり、適正な発泡体が得られなかったりする。
【0012】
請求項3に記載の発明の消臭性ポリウレタン発泡体では、消臭剤が鉄系化合物又は銀系化合物であることから、請求項2に係る発明の効果に加えて、VOCの酸化、分解作用及び自身の還元作用を向上させることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明の消臭性ポリウレタン発泡体では、揮発性有機化合物がアルデヒド類であることから、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類を容易に酸化、分解して無害化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の最良と思われる実施形態について詳細に説明する。 本実施形態における消臭性ポリウレタン発泡体(以下、ポリウレタン発泡体又は単に発泡体ともいう)は、ポリオール類、ポリイソシアネート類、触媒、発泡剤及び消臭性化合物を含むポリウレタン発泡体の原料を反応及び発泡させて得られるものである。その際、ポリウレタン発泡体の原料には、消臭剤としてVOCを酸化、分解すると共に自身も酸化され、前記酸化、分解後に自身が水分により還元されて元の金属化合物に戻る化合物である金属化合物を担持させた無機多孔質体が含まれる。
【0015】
しかも、消臭剤の粒子径は消臭性ポリウレタン発泡体のセルを構成するセル骨格の幅よりも大きいので、消臭剤粒子がポリウレタン樹脂に完全には包含されがたく、ポリウレタン樹脂に覆われていない部分を生じるため、吸着速度が速いという消臭性ポリウレタン発泡体を得ることができるものである。
ここで、ポリウレタン発泡体は、一般にセル骨格とセル膜から構成されており、本発明において「セル骨格」とはポリウレタン発泡体マトリックスの3次元立体構造の支柱部分を意味する。
なお、その消臭剤の含有量がポリオール類100質量部当たり5〜40質量部に設定される。この消臭剤を所定量配合することにより、ポリウレタン発泡体はその機械的物性を保持しつつ、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類に代表されるVOCを酸化、分解して除去し、消臭が図られる。
【0016】
まず、ポリウレタン発泡体の原料について順に説明する。(ポリオール類) ポリオール類としては、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール又はポリエステルポリオールが単独又は混合して用いられるが、ポリイソシアネート類との反応性が良く、加水分解し難いなどの点からポリエーテルポリオールが好ましい。
【0017】
ポリエーテルポリオールとしては、多価アルコールにプロピレンオキシドとエチレンオキシドとを付加重合させた重合体よりなるポリエーテルポリオール、その変性体等が用いられる。変性体としては、前記ポリエーテルポリオールにアクリロニトリル又はスチレンを付加させたもの、或はアクリロニトリルとスチレンの双方を付加させたもの等が挙げられる。ここで、多価アルコールは1分子中に水酸基を複数個有する化合物であり、例えばグリセリン、ジプロピレングリコール等が挙げられる。ポリエーテルポリオールとして具体的には、グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合させ、さらにエチレンオキシドを付加重合させたトリオール、ジプロピレングリコールにプロピレンオキシドを付加重合させ、さらにエチレンオキシドを付加重合させたジオール等が挙げられる。
【0018】
ポリエーテルエステルポリオールは、ポリオキシアルキレンポリオールに、ポリカルボン酸無水物と環状エーテル基を有する化合物とを反応させて得られる化合物である。ポリオキシアルキレンポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンのプロピレンオキシド付加物等が挙げられる。ポリカルボン酸無水物としては、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、トリメリット酸等の無水物が挙げられる。環状エーテル基を有する化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が挙げられる。これら3成分を反応させる順序については特に限定されない。例えば、3成分を同時に反応させる方法、ポリオキシアルキレンポリオールとポリカルボン酸無水物に環状エーテル基を有する化合物を吹き込んで反応させる方法、ポリオキシアルキレンポリオールとポリカルボン酸無水物の一部を反応させ、それに環状エーテル基を有する化合物とポリカルボン酸無水物の残部を反応させる方法等がある。 ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸、フタル酸等のポリカルボン酸を、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のポリオールと反応させることによって得られる縮合系ポリエステルポリオールのほか、ラクトン系ポリエステルポリオール及びポリカーボネート系ポリオールが用いられる。
【0019】
これらのポリオール類は、原料成分の種類、分子量、縮合度等を調整することによって、水酸基の官能基数や水酸基価を変えることができる。(ポリイソシアネート類) 次に、ポリオール類と反応させるポリイソシアネート類はイソシアネート基を複数個有する化合物であって、具体的にはトリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、これらの変性物等が用いられる。
【0020】
ポリイソシアネート類のイソシアネート指数(イソシアネートインデックス)は100〜130の範囲に設定することが好ましい。イソシアネート指数が100未満の場合にはポリウレタン発泡体の硬さ、引張強さ等の物性が低下し、130を越える場合にはポリウレタン発泡体の架橋密度が高くなり過ぎて好ましくない。ここで、イソシアネート指数は、ポリオール類の水酸基及び発泡剤としての水等の活性水素基に対するポリイソシアネート類のイソシアネート基の当量比を百分率で表したものである。従って、イソシアネート指数が100を越えるということは、ポリイソシアネート類がポリオール類に対して過剰であることを意味する。(発泡剤) 発泡剤はポリウレタン樹脂を発泡させてポリウレタン発泡体とするためのもので、例えば水のほかジクロロメタン(塩化メチレン)、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、炭酸ガス等が用いられる。これらの発泡剤のうち、ポリイソシアネート類と速やかに反応して十分な炭酸ガスを発生でき、取扱いが良好である点から水が好ましい。発泡剤の含有量は、ポリオール類100質量部当たり1〜5質量部であることが好ましい。発泡剤の含有量が1質量部未満の場合には、発泡が不十分となり、低密度の発泡体が得られ難くなる。一方、5質量部を越える場合には、発泡が過剰となり、発泡体の硬さ、引張強さ等の物性が低下する。(触媒) 触媒は主としてポリオール類とポリイソシアネート類とのウレタン化反応やポリイソシアネート類と発泡剤としての水との泡化反応を促進するためのものである。触媒として具体的には、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N´,N´−トリメチルアミノエチルピペラジン等の第3級アミン(アミン触媒)、オクチル酸スズ(スズオクトエート)、ラウリン酸ジブチルスズ(ジブチルスズジラウレート)等の有機金属化合物(金属触媒)、酢酸塩、アルカリ金属アルコラート等が単独、或いは混合して用いられる。触媒としては、その効果を高めるためにアミン触媒と金属触媒とを組合せて用いることが好ましい。
【0021】
触媒の含有量は、ポリオール類100質量部当たり0.05〜2.0質量部であることが好ましい。触媒の含有量が0.05質量部未満の場合、ウレタン化反応や泡化反応などの進行が十分ではなく、発泡体の機械的物性等が低下する傾向を示す。一方、2.0質量部を越える場合、ウレタン化反応や泡化反応が過剰に促進されるとともに、両反応のバランスが悪くなり、発泡体の歪特性が低下する。
【0022】
(消臭剤) この消臭剤は、特定の金属化合物を担持させた常温固体の無機多孔質体であり、無機多孔質体には、ゼオライトなどの物理的な吸着作用を有する吸着剤を含むことができる。また、上記特定の金属化合物とは、アルデヒド類などのVOCを酸化、分解して消臭機能を発現すると共に自身は酸化され、酸化された自身が水分で還元されて元の金属化合物に戻る性質をもつ化合物である。そのような金属化合物としては、硫酸第一鉄(FeSO)、酸化第一鉄(FeO)、塩化第一鉄(FeCl)等の鉄系化合物、酸化銀(AgO)、硝酸銀(AgNO)、塩化銀(AgCl)、硫酸銀(AgSO)等の銀系化合物、亜鉛系化合物等などが用いられる。このような金属化合物を含む消臭剤には、金属イオンとキレート化合物を形成して安定化させるためにEDTA(エチレンジアミン四酢酸)等のキレート剤を含むことが好ましい。
【0023】
なお、金属化合物を担持させる常温固体の無機多孔質体としては、例えば、ゼオライト、セピオライト、酸化アルミニウム、シリカ等が挙げられる。無機多孔質体に担持された金属化合物の含有量は、0.3〜6.0%の範囲のものが好ましく用いられる。また、消臭性ポリウレタン発泡体に対する金属化合物の含有量は、無機多孔質体に担持されていることからポリオール類100質量部当たり0.01〜1.5質量部の範囲のものが、消臭性能を迅速かつ長期間に渡って発揮させる点で好ましい。
【0024】
消臭性能を有する金属化合物の消臭機構について以下に述べる。例えばアセトアルデヒド(CHCHO)は、下式に示すように、消臭剤によって酸化されて酢酸(CHCOOH)となり、その酢酸はさらに消臭剤によって酸化、分解されて二酸化炭素(CO)と水(HO)になる。
【0025】
CHCHO → CHCOOH → CO+HO また、ホルムアルデヒド(HCHO)は、下式に示すように、消臭剤によって酸化されて蟻酸(HCOOH)となり、その蟻酸はさらに消臭剤によって酸化、分解されて二酸化炭素(CO)と水(HO)になる。
【0026】
HCHO → HCOOH → CO+HO これらの酸化又は酸化、分解の過程で、消臭剤としての硫酸第一鉄は硫酸第二鉄〔(Fe)(SO〕となり、一価の酸化銀(AgO)は二価の酸化銀(AgO)となる。すなわち、消臭剤はアルデヒド類を酸化又は酸化、分解する過程で自身も酸化状態に変化する。しかし、酸化状態となった消臭剤は、空気中の水分(還元剤)により還元され、硫酸第二鉄は硫酸第一鉄に、二価の酸化銀(AgO)は一価の酸化銀(AgO)に戻る。従って、この消臭剤は再びアルデヒド類などのVOCを酸化、分解することができ、加えてそのような還元状態から酸化状態を経て再び還元状態へ戻るサイクルが例えば10回以上繰り返され、長期に渡って消臭機能を発現することができる。
【0027】
係る消臭剤の含有量は、ポリオール類100質量部当たり5〜40質量部が好ましい。この含有量が5質量部未満の場合には、消臭剤はその機能発現が不十分となり、アルデヒド類などのVOCの酸化、分解が不足する。その一方、40質量部を越える場合には、アルデヒド類などのVOCを酸化分解する機能は十分であるが、過剰な消臭剤によりポリウレタン発泡体の機械的物性が著しく低下する。
【0028】
また、消臭剤の粒子径は、20〜100μmであることが迅速に消臭性を発揮しえる点で好ましい。粒子径が20μm未満であると、長期的な消臭性能は機能するが、ポリウレタン発泡体のセル骨格の幅よりも粒子径が小さくなることから、迅速な消臭性能は得られがたい。
一方、粒子径が100μmよりも大きくなると、ポリウレタン発泡体を製造する際に、フォームの発泡安定性を阻害する場合があり、また、セル骨格よりも消臭剤が大きすぎて、粒子状消臭剤の脱落等のおそれがある。
【0029】
(整泡剤) 整泡剤は発泡を円滑に行うためにポリウレタン発泡体の原料に配合されることが好ましく、係る整泡剤としては、ポリウレタン発泡体の製造に際して一般に使用されるものを用いることができる。整泡剤として具体的には、シリコーン化合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン系界面活性剤、ポリエーテルシロキサン、フェノール系化合物等が用いられる。これらの中でも、線状或いは分枝状ポリエーテル−シロキサン共重合体が好ましく、特に連通性を高めるためには整泡力の低い線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体がより好ましい。整泡剤の含有量は、ポリオール類100質量部当たり0.5〜2.5質量部であることが好ましい。この含有量が0.5質量部未満の場合には、ポリウレタン発泡体の原料の発泡時における整泡作用が十分に発現されず、良好な発泡体を得ることが難しくなる。一方、2.5質量部を越える場合には、整泡作用が強くなり、セルの連通性が低下する傾向を示す。(その他の配合剤) ポリウレタン発泡体の原料にはその他必要に応じて、架橋剤、酸化防止剤、充填剤、安定剤、着色剤、難燃剤、可塑剤等を常法に従って配合することができる。
【0030】
(ポリウレタン発泡体の製造) 次に、上記のポリウレタン発泡体の原料を用いて消臭性ポリウレタン発泡体を製造する場合には常法に従って行われる。すなわち、発泡体の製造に当っては、ポリオール類とポリイソシアネート類とを直接反応させるワンショット法、或いはポリオール類とポリイソシアネート類とを事前に反応させて末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを得、それにポリオール類を反応させるプレポリマー法のどちらも採用される。そして、ポリオール類とポリイソシアネート類との混合液、或いはプレポリマーとポリオール類との混合液に、発泡剤を混和し、さらに整泡剤、触媒、消臭剤などを添加して攪拌、混合し、それらの原料をウレタン化反応、架橋反応などによって反応させると共に、泡化反応によって発泡させる。
【0031】
このようにして本発明に係る消臭性を有するポリウレタン発泡体、例えば消臭性を有する軟質ポリウレタン発泡体が得られる。ここで、消臭性を有する軟質ポリウレタン発泡体は、消臭性能を発揮し、かつ、軽量で、セル(気泡)が連通する連続気泡構造を有し、柔軟性があって、かつ復元性を有するものをいう。従って、本発明に係る消臭性を有する軟質ポリウレタン発泡体は、クッション性、衝撃吸収性、高弾性、低反発弾性等の特性を発揮することができる。なお、本発明における軟質ポリウレタン発泡体は、連続気泡構造となっており、セル骨格で囲まれた部分、すなわちセル膜の部分の一部が空隙を有することから、無機多孔質体よりなる消臭剤の一部が樹脂に覆われずにむき出しになるため、消臭速度が速く、消臭性ポリウレタン発泡体として好ましい。
【0032】
発泡形態としては、金型を用いるモールド発泡のほか、自然発泡させるスラブ発泡が採用されるが、発泡の容易性及び生産性の点からスラブ発泡が好ましい。スラブ発泡は、攪拌、混合された原料をベルトコンベア上に吐出し、該ベルトコンベアが移動する間に原料が常温、大気圧下で反応し、自然発泡することで行われる。その後、乾燥炉内で硬化(キュア)することにより、スラブ発泡体が得られる。ポリウレタン発泡体を製造する際の反応は複雑であるが、基本的には次のような反応が主体となっている。すなわち、ポリオール類とポリイソシアネート類とが付加重合するウレタン化反応、ポリイソシアネート類と発泡剤としての水との泡化反応及びこれらの反応生成物とポリイソシアネート類との架橋反応である。
【0033】
このようにして得られるポリウレタン発泡体は、前記消臭剤が含まれていることによってアルデヒド類などのVOCを迅速に短時間で、酸化、分解させることができ、ほとんど無害化させることができる。
【0034】
また、ポリウレタン発泡体の物性は適宜調整されるが、見掛け密度は例えば20〜100kg/m、機械的物性として硬さが例えば50〜250N、セル数が、8〜80(個/25mm)、通気性が、10〜400(ml/cm/sec) に形成される。
【0035】
(作用) さて、本実施形態の作用について説明すると、消臭性ポリウレタン発泡体はポリオール類、ポリイソシアネート類、触媒、発泡剤及び消臭剤を含むポリウレタン発泡体の原料を常法に従って反応及び発泡させることにより得られる。この場合、発泡体の原料には硫酸第一鉄、酸化銀等の消臭性を有する金属化合物を担持した無機多孔質体からなる消臭剤が、ポリオール類100質量部当たり5〜40質量部含まれている。そのため、発泡体の原料に含まれるアルデヒド類のほか、反応及び発泡過程で生成する可能性のあるアルデヒド類が消臭剤により酸化、分解される。例えば、アセトアルデヒドが酸化されて酢酸に変化し、その酢酸がさらに酸化されて二酸化炭素と水に分解され、アセトアルデヒドが無臭化及び無害化される。そのような酸化、分解が行われると、消臭剤自身は酸化状態に変化するが、空気中の水分により還元されて元の還元状態の消臭剤に戻り、再びその機能を発現する。このような消臭剤の酸化と還元とが繰り返され、消臭剤が常にその機能を維持することができるため、消臭作用が持続される。
【0036】
また、粒子状消臭剤においては、粒子径が小さくなると、重量基準では全体として表面積が大きくなるため、吸着速度が大きくなると思われていた。しかし、本願発明のようにポリウレタンフォームを製造する際に、ポリオール等の配合原料に消臭剤を混合し、反応させて得られた発泡体においては、消臭剤の粒子径が大きいほど、特に、セル骨格よりも大きな粒子径を配合したほうが、吸着・分解速度が速く、利用性が向上することがわかった。すなわち、消臭剤の粒子径が消臭性ポリウレタン発泡体のセルを構成するセル骨格の幅よりも大きい場合には、消臭剤粒子がポリウレタン樹脂に完全には包含されがたいので、吸着速度が速くなり消臭速度が優れる。特に連続気泡構造の軟質ポリウレタン発泡体の場合には、セル膜がすくなくとも一部分オープンセル構造となっている。このため、無機多孔体よりなる消臭剤の一部分がセル骨格に囲まれた空隙部分、いわゆるセル窓に消臭剤粒子の表面が部分的に外気と接する状態となり、露出されるため、消臭速度がより速くなるものと思われる。
【0037】
(効果のまとめ) 以上の実施形態によって発揮される効果について、以下にまとめて記載する。本実施形態の消臭性ポリウレタン発泡体においては、ポリウレタン発泡体の原料に特定の消臭剤が配合されており、連続気泡構造の発泡体となっている。しかも、粒子状の消臭剤は、セル骨格の幅よりも粒子径が大きいため、消臭成分の吸着速度が非常に速いものとなる。
【0038】
本実施形態の消臭性ポリウレタン発泡体においては、ポリウレタン発泡体の原料に消臭剤がポリオール類100質量部当たり5〜40質量部配合されている。この消臭剤は、アルデヒド類などのVOCを酸化、分解させる機能を発揮するため、発泡体の原料に含まれているVOC並びに反応及び発泡で生成されるVOC、さらには使用時における雰囲気中のVOCを酸化、分解して無害化することができると共に、その性能を長期に渡って発揮することができる。
【0039】
前記消臭剤が、鉄系化合物又は銀系化合物が無機多孔質体に担持されていることにより、VOCの酸化、分解作用及び自身の還元作用が効果的に発現される。揮発性有機化合物が特にアセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等のアルデヒド類であることにより、そのようなアルデヒド類を容易に酸化、分解して無害化することができる。 また、前記揮発性有機化合物としては、アルデヒド化合物以外に、酢酸、酢酸エチル等の脂肪族化合物、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族化合物などの有機化合物であってもよく、本発明の消臭性ポリウレタン発泡体によって、消臭される対象となる。
【0040】
消臭剤としての酸化銀等の銀系化合物を用いることにより、得られるポリウレタン発泡体は抗菌効果を発揮することができる。
【実施例】
【0041】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1〜9及び比較例1〜6) まず、各実施例及び比較例で用いたポリオール類、ポリイソシアネート類、発泡剤、整泡剤、触媒及び消臭剤を含むポリウレタン発泡体の原料を以下に示す。
【0042】
ポリオール: グリセリンにプロピレンオキシド及びエチレンオキシドを付加重合させたポリエーテルポリオールで、分子量3000、水酸基の官能基数が3、水酸基価56(mgKOH/g)、三洋化成工業(株)製、ポリオールGP3050。
【0043】
ポリイソシアネート: T−80、日本ポリウレタン工業(株)製、トリレンジイソシアネート(2,4-トリレンジイソシアネート80質量%と2,6-トリレンジイソシアネート20質量%との混合物)。
【0044】
整泡剤: シリコーン整泡剤、B8110(デグサジャパン(株)製) 触媒A: アミン触媒、カオーライザーNo.25(花王(株)) 触媒B: 金属触媒、ジブチルスズジラウレート(城北化学工業(株)製、MRH110)
【0045】
消臭剤A: ゼオライトに金属化合物としての硫酸第一鉄(FeSO)を0.5質量%担持させ、キレート剤(EDTA)などを含む、粒子径30〜50μm(平均粒子径40μm)の消臭剤。消臭剤B: ゼオライトに金属化合物としての硫酸第一鉄(FeSO)を0.5質量%担持させ、キレート剤(EDTA)などを含む、粒子径80〜100μm(平均粒子径90μm)の消臭剤。消臭剤C: ゼオライトに金属化合物としての硫酸第一鉄(FeSO)を0.5質量%担持させ、キレート剤(EDTA)などを含む、粒子径5〜10μm(平均粒子径7μm)の消臭剤。消臭剤D: ゼオライトに金属化合物としての酸化銀(AgO)を0.5質量%担持させ、キレート剤(EDTA)などを含む、粒子径30〜50μm(平均粒子径40μm)の消臭剤。
【0046】
消臭剤E: 活性炭、日本エンバイロケミカルズ(株)製、粒状白鷺Gx4/6。消臭剤F: モレキュラーシーブ、ユニオン昭和(株)製、モレキュラーシーブ3A。
【0047】
そして、これらの各原料を表1、表2、及び表3に示す含有量で配合して各実施例及び比較例におけるポリウレタン発泡体の原料を調製した。その後、これらのポリウレタン発泡体の原料を、低圧発泡機(日本ソセー工業株式会社製、SUPER SHOT(2液自動軽量混合吐出機)、モデル:EX−303P)を用いて、これらポリウレタン発泡体の原料を縦及び横が各500mmの発泡容器内に注入し、常温、大気圧下で発泡させた後、加熱炉に入れて架橋(硬化)させることにより軟質ポリウレタン発泡体を得た。その途中、発泡状態を目視によって観察した。
【0048】
なお、消臭剤の粒子径とセル骨格との関係を調べるために、本発明では、粒子径の異なる消臭剤をポリウレタン原料に配合し、また、チャンバー内圧を制御することにより、セル骨格を制御した。具体的には、チャンバー内圧を高くすることにより、セル骨格を太くすることができる。
実施例においては、チャンバー内圧を変動させるため、低圧発泡機において、同配合処方においてノズル径をφ=15mm、とφ=10mmのものに変更することで、軟質ポリウレタン発泡体を得た。
【0049】
実施例1、2は、鉄系の金属化合物を担持した消臭剤において、粒子径を変更した消臭剤を使用したものを示す。実施例3、4は、実施例1、2と同じく、粒子径の異なる鉄系の金属化合物を担持した消臭剤を用い、セル骨格の幅を実施例1、2から変更させたものを示す。 また、実施例5、6は銀系の金属化合物を担持した消臭剤を用いて、セル骨格の幅を変更したものを示す。さらに、実施例7、8、9は、実施例1の処方で、消臭剤の量を減量したものを示す。
【0050】
一方、比較例1では、消臭剤を配合しない例であり、比較例2では、消臭剤として活性炭(消臭剤E)を用いたもの、比較例3では、消臭剤としてモレキュラシーブ(消臭剤F)を用いたものを示す。 また、比較例4、比較例5では、いずれも消臭剤として平均粒子径が7μmと細かい消臭剤Cを使用し、セル骨格の幅を変更させたものを示す。比較例6は、実施例9の処方において、粒子径の細かい消臭剤を用いた。
【0051】
得られたポリウレタン発泡体について、見掛け密度、硬さ、通気性、セル数、並びにアセトアルデヒドの濃度を以下の測定方法に従って測定した。それらの結果を表1、表2及び表3に示す。
【0052】
見掛け密度(kg/m):JIS K7222(1999)に準拠して測定した。硬さ(N):JIS K6400−2(2004、D法)に準拠して測定した。セル数(個/25mm):JIS K 6400−1 付属書1に準拠して測定した。通気性(ml/cm/sec):JIS K6400−7B法に準拠して測定した。セル骨格の幅は、得られたポリウレタン発泡体の断面を電子顕微鏡写真を撮影し、測定した。消臭剤の平均粒子径は、レーザー回析装置(散乱式)により測定した
【0053】
アセトアルデヒド及び酢酸の濃度: 5Lのフッ素樹脂製の袋に縦100mm、横100mm及び厚さ10mmのポリウレタン発泡体のサンプルを入れた後、アセトアルデヒドを清浄空気(湿度50%)中の濃度が25ppmとなるように調整した。そして、袋を25℃の恒温槽内に放置し、3時間、25時間後に検知管にてアセトアルデヒドの濃度を測定した。その後、恒温槽内を80℃まで加熱して2時間後に検知管でアセトアルデヒドの濃度を測定した。
【0054】
【表1】

表1に示した結果から、実施例1〜6においては、ポリウレタン発泡体の原料に消臭剤を添加したことから、以下の結果を得る。実施例1〜2は、低圧発泡機の機械的条件を同一にすることにより、セル骨格の幅が同じであり、消臭剤の粒子径を変更したものである。セル骨格の幅よりも、消臭剤の粒子径が大きいことにより、骨格の幅よりも粒子径が小さい比較例1よりも、消臭速度・消臭効果ともに高いことが確認できる。 また、実施例3〜4は、低圧発泡機の機械的条件を変更することにより、実施例1,2と同様に発泡体を得、セル骨格の幅を実施例1、2よりも太くしたものである。セル骨格の幅が粒子径よりも大きいことから、実施例1〜2と同様に、比較例1よりも消臭速度・消臭効果が高いことが確認できる。 実施例5、6は、消臭剤を、鉄系から銀系の金属化合物に変更したものであるが、実施例1、3の鉄系の金属化合物を担持した消臭剤とほぼ同様の消臭速度・消臭効果の傾向が得られている。さらに、いずれの実施例においても、80℃に加熱した後もアセトアルデヒドは増加することはなく、アセトアルデヒドの濃度を十分に抑制することができ、酸化、分解性能が長期に渡って発揮されることが明らかになった。
【0055】
【表2】

一方、表2に示した結果から、比較例1では消臭剤を配合しなかったため、アセトアルデヒドを全く低減させることができなかった。なお、比較例2、3は、金属化合物を担持していない無機多孔質体での例である。比較例2では、吸着剤として活性炭を配合し、比較例7では吸着剤としてモレキュラーシーブを配合したため、アセトアルデヒドをある程度吸着させることはでき、一定の消臭効果は有するが、加熱後のアルデヒド類の再放出が確認される。したがって、継続的な消臭効果を期待できず、長期にわたって消臭性能を発揮しえないものと思われる。また、比較例4、5は、各実施例1、2、実施例3、4に対し、粒子径が細かい消臭剤を配合したものであるが、消臭速度、消臭効果ともに相対的に劣っていることが確認できる。
【0056】
【表3】

また表2に示した結果から、実施例7、8、9は、実施例1の消臭剤の添加量を変量させたものである。消臭剤をポリオール100質量部当たり5〜40質量部配合したことから、アセトアルデヒドの濃度を十分に抑えることができたと同時に、硬さ、引張強さ及び伸びを良好に保持することができた。消臭剤の添加量を同じにした実施例9と比較例6とを比較すると、セル骨格の幅より粒子径が大きい消臭剤を使用した実施例9は、消臭速度、消臭効果においても、優れていることが確認できる。
【0057】
なお、前記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。 ・ 前記消臭剤として、複数の金属化合物または無機多孔質体を適宜組合せて用いることができる。
【0058】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
【0059】
・ 前記ポリウレタン発泡体の原料にはキレート剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の消臭用ポリウレタン発泡体。このように構成した場合には、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、消臭剤を安定化させることができる。
【0060】
・ 前記アルデヒド類はアセトアルデヒドであることを特徴とする請求項4に記載の消臭用ポリウレタン発泡体。このように構成した場合には、請求項4に係る発明の効果に加えて、アセトアルデヒドを酸化分解して酢酸とし、その酢酸を酸化分解して二酸化炭素と水にし、無臭及び無害化させることができる。
【0061】
・ ポリオール類、ポリイソシアネート類、触媒、発泡剤及び消臭剤を含むポリウレタン発泡体の原料を反応及び発泡させて得られる消臭性ポリウレタン発泡体の製造方法であって、前記消臭剤は金属化合物を担持させた無機多孔質体であり、前記金属化合物は、揮発性有機化合物を酸化、分解すると共に自身も酸化され、前記酸化、分解後に自身が水分により還元されて元の金属化合物に戻る化合物であり、該消臭剤の含有量がポリオール類100質量部当たり5〜40質量部であることを特徴とする消臭性ポリウレタン発泡体の製造方法。この製造方法によれば、原料に含まれているVOC並びに反応及び発泡で生成されるVOC、さらには使用時におけるVOCを迅速に酸化、分解して無害化することができると共に、その性能を長期に渡って発揮することができる消臭性ポリウレタン発泡体を容易に得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール類、ポリイソシアネート類、触媒、発泡剤及び消臭剤を含むポリウレタン発泡体の原料を反応及び発泡させて得られる消臭性ポリウレタン発泡体であって、
前記消臭剤は、金属化合物を担持させた無機多孔質体であり、当該金属化合物は、揮発性有機化合物を酸化、分解すると共に自身も酸化され、前記酸化、分解後に自身が水分により還元されて元の金属化合物に戻る化合物であり、前記消臭剤の粒子径は、ポリウレタン発泡体のセルを構成するセル骨格の幅よりも大きいことを特徴とする消臭性ポリウレタン発泡体。
【請求項2】
前記消臭剤の含有量が、ポリオール類100質量部当たり5〜40質量部である請求項1に記載の消臭性ポリウレタン発泡体。
【請求項3】
前記消臭剤の金属化合物は、鉄系化合物又は銀系化合物であることを特徴とする請求項2に記載の消臭性ポリウレタン発泡体。
【請求項4】
前記揮発性有機化合物は、アルデヒド類であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の消臭性ポリウレタン発泡体。

【公開番号】特開2009−179707(P2009−179707A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19472(P2008−19472)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】