説明

消費カロリー算出装置及び消費カロリー算出方法

【課題】車両の運転による消費カロリーをより正確に算出する算出装置及び算出方法を提供する。
【解決手段】運転者が運転操作を行うための操作部を備える車両に接続され、車両から操作情報を取得可能な消費カロリー算出装置1であって、車両の運転者の生理情報を取得する生理計測部10と、生理計測部により取得された生理情報に基づいて運転者の自律神経系の活動状態を示す自律神経活動指標を算出する自律神経活動指標算出部20と、運転者の個人情報の入力を受け付ける入力部30と、入力された個人情報と算出された自律神経活動指標とに基づいて運転者の基礎代謝量を決定する基礎代謝量決定部40と、取得した操作情報に基づいて運転操作に係わる運転者の運動量を算出し運動量と基礎代謝量とから運転者の消費カロリーを算出する消費カロリー算出部50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費カロリーを算出可能な装置に関し、特定的には算出対象者の生体情報を用いたカロリー算出装置及び算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康管理の意識の高まりから、自己の健康状態を管理することのできる各種測定機器が普及している。このような測定機器として、例えば血圧計や体温計、体脂肪計、消費カロリー算出装置等がある。特に、消費カロリーは身体の恒常性や健康の維持において重要な指標であり、簡易に測定することのできる消費カロリー算出装置が要望されている。
【0003】
消費カロリーを算出する技術として、例えば車両の運転操作時の消費カロリーを運転状態に応じて算出する車載用消費カロリー算出装置が提案されている(特許文献1)。特許文献1は、ドライバーの身体的個人情報やナビゲーション機能からの道路種別に基づいて運転状況を判定し、あらかじめ統計をもとに算出しておいたMETs係数を用いるので、より正確に運転中の消費カロリーを算出できるとしている。
【0004】
また、運転中の消費カロリーを算出する他の技術として、ドライバーの脈拍数や体脂肪を測定可能なステアリングホイールが提案されている(特許文献2)。特許文献2は、ドライバーの手で握られる位置に感知セルを設け、感知セルが感知した脈動信号や電流抵抗信号に基づいてドライバーの消費カロリーを算出できるとしている。
【0005】
一方、使用者の生体情報を用いた消費カロリー算出装置として、例えば使用者の基礎代謝率を測定して消費カロリーを算出する健康管理装置が提案されている(特許文献3)。運動によるカロリー消費量は使用者の基礎代謝率によって異なることから、特許文献3は、測定した体脂肪率に基づいて使用者の基礎代謝率を得ることにより正確な消費カロリーを算出できるとしている。
【特許文献1】特開2006−116075号公報
【特許文献2】実用新案登録第3082508号公報
【特許文献3】特開2004−130142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、より正確な消費カロリーを算出するためには、基礎代謝量を正確に測定する必要があるが、基礎代謝量は自律神経系の活動の変化に応じて変動する。しかしながら、特許文献3は、体脂肪率に基づいて基礎代謝率を得る健康管理装置を提案しているが、車両が走行する環境条件が同一の場合であっても各ドライバーによって自律神経系の活動状態は異なるため、かかる健康管理装置では正確に消費カロリーを算出することができないという問題があった。また、特許文献3は健康状態をチェックできる常時携帯可能なモバイル機器を提案しており、車両の運転操作により消費されるカロリーを考慮しておらず、車両の運転中の消費カロリーを正確に測定することができないという問題があった。
【0007】
また、特許文献1の消費カロリー算出装置は、道路状況やドライバーの年齢、性別を考慮して運転による消費カロリーを算出するが、算出式における各係数は予め定められた値であるため、算出される消費カロリーは標準値である。また、特許文献1の消費カロリー算出装置は、実際の運転操作や自律神経系の活動を考慮しておらず、正確に消費カロリーを算出することができないという問題があった。特許文献2についても同様に、実際の運
転操作や自律神経系の活動を考慮して消費カロリーを算出することについては提案されていない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、車両の運転による消費カロリーをより正確に算出する算出装置及び算出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、以下の構成を備えた消費カロリー算出装置によって達成される。運転者が運転操作を行うための操作部と備える車両に接続され、車両から操作情報を取得可能な消費カロリー算出装置であって、車両の運転者の生理情報を取得する生理計測部と、生理計測部により取得された生理情報に基づいて運転者の自律神経系の活動状態を示す自律神経活動指標を算出する自律神経活動指標算出部と、運転者の個人情報の入力を受け付ける入力部と、入力された個人情報と算出された自律神経活動指標とに基づいて、運転者の基礎代謝量を決定する基礎代謝量決定部と、取得した操作情報に基づいて運転操作に係わる運転者の運動量を算出し、運動量と基礎代謝量とから運転者の消費カロリーを算出する消費カロリー算出部とを備える。
【0010】
この構成により、道路の種別や天候、時刻、渋滞の有無、道路の熟知度、運転による疲労度などによって自律神経系の活動が変化した場合であっても高い精度で基礎代謝量を決定し、かつ運転操作に係わる運転者の運動量を算出する。したがって、運転中の消費カロリーをより正確に算出できる。
【0011】
好ましくは、運転者が運転操作を行うための操作部と操作部の操作量を検出する操作量検出部と備える車両に接続され、車両から操作量を取得可能な消費カロリー算出装置であって、消費カロリー算出部は、取得した操作部の操作量と操作部に発生させる操作反力とから運転操作に係わる運転者の運動量を算出し、運動量と基礎代謝量とから運転者の消費カロリーを算出する。
【0012】
この構成により、運転中に行われる運動により消費されるカロリーを算出するので、より正確な消費カロリーを算出できる。
【0013】
好ましくは、自律神経指標算出部は、生理情報に基づいて運転者の副交感神経の活動状態を算出し、算出された副交感神経の活動状態と運転者の安静時の副交感神経の活動状態との比を自律神経活動指標として算出する。
【0014】
好ましくは、操作部は、アクセルペダルとブレーキペダルとステアリングホイールとを含む。
【0015】
この構成により、運転操作に係わる運転者の運動量を算出できるので、運転中の消費カロリーをより正確に算出できる。
【0016】
好ましくは、個人情報は、運転者の性別及び体重のうち少なくとも一方を含み、基礎代謝量決定部は、個人情報に基づいて標準基礎代謝量を決定し、標準基礎代謝量に自律神経活動指標を乗じた値を基礎代謝量として決定する。
【0017】
この構成により、運転者の性別や体重に基づく標準基礎代謝量を、走行環境や運転者によって異なる自律神経系の活動状態に応じて補正する。これにより、より正確な基礎代謝量及び消費カロリーを算出できる。
【0018】
本発明の目的は以下の構成を備えた消費カロリー算出方法により達成される。車両の運転者の生理情報を取得する生理計測ステップと、生理計測部により取得された生理情報に基づいて運転者の自律神経系の活動状態を示す自律神経活動指標を算出する自律神経活動指標算出ステップと、運転者の個人情報の入力を受け付ける入力ステップと、入力された個人情報と算出された自律神経活動指標とに基づいて、運転者の基礎代謝量を決定する基礎代謝量決定ステップと、運転者が運転操作を行うための操作部を備える車両から、操作情報を取得して運転操作に係わる運転者の運動量を算出し、運動量と基礎代謝量とから運転者の消費カロリーを算出する消費カロリー算出ステップとを備える。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明により、車両の運転による消費カロリーをより正確に算出する算出装置及び算出方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(実施の形態1)
実施の形態1に係る消費カロリー算出装置について図面を用いて説明する。図1は、消費カロリー算出装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態の消費カロリー算出装置1は、自律神経系の活動の変化に応じた基礎代謝量を算出し、かかる基礎代謝量と運転操作に係わるドライバーの運動量とを考慮して消費カロリーを算出する機能を有する。
【0021】
図1において、消費カロリー算出装置1は、生理計測部10と、自律神経推定部20と、入力部30と、基礎代謝量推定部40と、カロリー算出部50と、A/P操作計測部60と、B/P操作計測部70と、Stg操作計測部80と、表示部90とを備える。本実施の形態に係る消費カロリー算出装置1は、例えば自動車の車内に設置される。
【0022】
生理計測部10は、ドライバーの心拍数、血圧、呼吸数、皮膚電気反射(GSR)、顔色などの生理情報を計測する各種センサであり、例えば心電センサや脈波センサ等が用いられる。生理計測部10は、例えばドライバーの両手が接するステアリングホイールや、ドライバーの身体が接するシートベルトやシートに埋め込まれてもよい。生理計測部10により計測された生理情報は自律神経推定部20に出力される。
【0023】
自律神経推定部20は、取得した生理情報に基づいてドライバーの自律神経系の活動状態を判断する。ここで、自律神経系とは生体の内部環境を最適化する系であり、交感神経と副交感神経とからなる。交感神経と副交感神経が相互に作用することにより、生体の意思とは無関係に内臓・血管・腺などの機能が自動的に調節される。一般に、交感神経と副交感神経は互いに拮抗的に作用しており、例えば、睡眠中には体を沈静化させて消費エネルギーを低減するために副交感神経活動量(HF)が亢進するが、交感神経活動量(LF/HF)は低減する。一方、緊張時や興奮時には副交感神経活動量(HF)が低下し、交感神経活動量が亢進する。
【0024】
具体的には、自律神経推定部20は生理計測部10により計測された心拍数から、心拍のピークの間隔である心拍RR間隔の変動を解析し、交感神経活動量及び副交感神経活動量を算出する。すなわち、心拍RR間隔の変動をスペクトル変換すると、高周波成分HFと低周波成分LFにそれぞれピークを持つ二つの成分が現れる。スペクトル解析の結果に基づいて、自律神経推定部20は自律神経系の活動状態を示す指標である、交感神経活動量(LF)と副交感神経活動量(LF/HF)及び自律神経活動レベルを算出する。ここで、自律神経活動レベルは以下の式で表される。
(LF/HF)/(LFB/HFB)・・・(式1)
ただし、LFB、HFBは安静時における心拍RR間隔の変動の高周波成分と低周波成分である。
【0025】
算出された自律神経活動レベルは、基礎代謝量推定部40に出力される。なお、上記の例では心拍RR間隔の変動を用いて自律神経活動量を算出したが、血圧、呼吸数、皮膚電気反射等から算出してもよい。また、自律神経活動レベルは、安静時における副交感神経活動量と測定時の副交感神経活動量の比を用いたが、交感神経活動量の比を用いてもよい。
【0026】
入力部30は、ドライバーが自己の自律神経の状態や体重、年齢、性別、体型等を含む個人情報を入力するための操作部材である。ここで自己の自律神経の状態とは、例えば眠気の有無や緊張度の高低を示す情報である。なお、入力部30はナビゲーション装置の入力パネルであってもよいし、キーボードやポインティングデバイスであってもよい。
【0027】
基礎代謝量推定部40は、入力部30に入力されたドライバーの性別や年齢等に基づいて、標準基礎代謝量を決定する。なお、標準基礎代謝量は既知の計算式を用いて算出してもよいし、年齢・性別・体型と関連付けられた標準基礎代謝量を記憶した記憶部から取得してもよい。さらに基礎代謝量推定部40は、決定した標準基礎代謝量に自律神経推定部20で算出された自律神経活動レベルを乗じた値を算出し、算出された値を基礎代謝量としてカロリー算出部50に出力する。
【0028】
A/P操作計測部60とB/P操作計測部70とStg操作計測部80は、車両の運転操作を行うために操作されるアクセルペダル、ブレーキペダル、ステアリングホイールの各操作量を検出する。すなわち、A/P操作計測部60は、ドライバーがアクセルペダルを操作した場合に、アクセルペダルの踏み込みストローク量を計測する。同様に、B/P操作計測部70は、ドライバーがブレーキペダルを操作した場合に踏み込みストローク量を計測する。Stg操作計測部80は、ドライバーがステアリングホイールを操作した場合に操舵角を計測する。A/P操作計測部60とB/P操作計測部70とStg操作計測部80による計測結果はカロリー算出部50に出力される。
【0029】
カロリー算出部50は、取得した基礎代謝量と運転操作に係わるドライバーの運動量に基づいて消費カロリーを算出する。本実施の形態において、消費カロリーは以下の式によって算出される。
【数1】

ここで、fAはアクセル操作力、sAは踏み込みストローク量、fBはブレーキ操作力、sBは踏み込みストローク量、fsはステアリング操舵力、θは操舵角である。
【0030】
なお、アクセル操作力、ブレーキ操作力及びステアリング操舵力は、各操作部にあらかじめ設定された操作反力を用いてもよいし、各計測部60、70、80により計測されてもよい。
【0031】
このように、ドライバーの自律神経系の活動状態を考慮して基礎代謝量が決定されるので、運転中に自律神経系の活動が変化した場合であっても、より正確な消費カロリーの算出が可能である。特に、走行環境によってドライバーの緊張度が変化する場合において、正確な消費カロリーを算出できる。また、運転操作に係わるドライバーの運動量を算出するので、正確な消費カロリーを算出できる。
【0032】
表示部90は、カロリー算出部50により算出された消費カロリーを表示する、例えばナビゲーション装置のディスプレイパネルである。表示部90には、消費カロリーを運転
中にリアルタイムに表示してもよいし、運転終了後に表示してもよい。消費カロリーを表示することにより、ドライバーに健康管理の意識を高めさせることができる。
【0033】
ここで、体重64.7kgの20代の男性が山岳路を自動車で走行した場合における消費カロリーの算出例を以下に示す。なお、アクセルペダル及びブレーキペダルの踏み込みストローク量を25mm、ステアリングホイールの操舵角を180°、一分間あたりのペダル及びステアリングホイールの操作回数を30回、自律神経活動レベルを1.2としたとき、自律神経系の活動の変化に伴う消費カロリーは、
Σ(標準基礎代謝量×自律神経活動レベル)
=64.7[Kg]×24.0[Kcal/Kg]/24[h]×1.2
=77.6[Kcal]
となる。ただし、標準基礎代謝量は厚生労働省が示す基礎代謝基準値を用いている。
【0034】
また、運転操作に係わる一分間あたりの消費カロリーは、
アクセル操作による力学的仕事=34.50[J]、
ブレーキ操作による力学的仕事=34.50[J]、
ステアリング操作による力学的仕事=358.14[J]
より、合計427.14[J]となる。したがって、
運転操作に係わる一時間あたりの消費カロリー=25628.49[J]
=6.12[kcal]
となる。
ここで、人間の熱効率を20%とした場合、運転操作による一時間あたりの消費カロリーは、
6.12[kcal]×5=30.6[kcal]
となる。
【0035】
以上より、20代の男性が山岳路を自動車で走行した場合における一時間あたりの消費カロリーの合計は、
77.6[kcal]+30.6[kcal]=108.2[kcal]
となる。
【0036】
次に、体重64.7kgの60代の男性が山岳路を自動車で走行した場合における消費カロリーの算出例を以下に示す。なお、アクセルペダルの踏み込みストローク量を20または25mm、ブレーキペダルの踏み込みストローク量を25または30mm、ステアリングホイールの操舵角を修正舵も含めて20−200、一分間あたりのペダル及びステアリングホイールの操作回数を30回、自律神経活動レベルを1.2としたとき、自律神経系の活動の変化に伴う消費カロリーは、
Σ(基礎代謝量×自律神経活動レベル)
=64.7[Kg]×21.5[Kcal/Kg]/24[h]×1.2
=69.6[Kcal]
となる。ただし、基礎代謝量は厚生労働省が示す基礎代謝基準値を用いている。
【0037】
また、運転操作に係わる一分間あたりの消費カロリーは、
アクセル操作による力学的仕事=28.02[J]、
ブレーキ操作による力学的仕事=36.24[J]、
ステアリング操作による力学的仕事=437.73[J]
より、合計501.99[J]となる。したがって、
運転操作に係わる一時間あたりの消費カロリー=30119.31[J]
=7.20[kcal]
となる。
ここで、人間の熱効率を20%とした場合、運転操作による一時間あたりの消費カロリーは、
7.20[kcal]×5=36.0[kcal]
となる。
【0038】
以上より、20代の男性が山岳路を自動車で走行した場合における一時間あたりの消費カロリーの合計は、
69.6[kcal]+36.0[kcal]=105.6[kcal]
となる。
【0039】
このように、本実施の形態に係る消費カロリー算出装置は、道路の種別や天候、時刻、渋滞の有無、道路の熟知度、運転による疲労度などによって自律神経系の活動が変化した場合であっても、正確な消費カロリーを算出できる。
【0040】
また、本実施の形態に係る消費カロリー算出装置は、運転操作に係わるドライバーの運動量に基づいて消費カロリーを算出するので、運転中の消費カロリーをより正確に算出できる。
【0041】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る消費カロリー算出装置について図2を用いて説明する。図2は、消費カロリー算出装置1の構成を示すブロック図である。図中、実施の形態1と同様の構成要素については同じ参照符号を付し、ここでは説明を省略する。本実施の形態の消費カロリー算出装置は、実施の形態1の構成に加え、さらにクラッチ操作計測部100とシフト操作計測部110を備える点で異なる。
【0042】
クラッチ操作計測部100は、ドライバーがクラッチペダルを操作した場合に、クラッチペダルの踏み込みストローク量を計測する。また、シフト操作計測部110は、図示しない変速機を変速させるためにドライバーがシフトレバーを操作した場合に、シフトレバーの移動量を計測する。クラッチ操作計測部100及びシフト操作計測部110による計測結果は、カロリー算出部50に出力される。
【0043】
カロリー算出部50は、クラッチペダルとシフトレバーを操作することによるドライバーの運動量を、上述の(式2)における運転操作に係わる運動量の項に加えて、消費カロリーを算出する。
【0044】
このように、実施の形態2の消費カロリー算出装置は、実施の形態1の効果に加えて、ドライバーがクラッチペダルやシフトレバーを操作した場合のドライバーの運動量及び消費カロリーを算出する。したがって、マニュアルトランスミッション車を運転した場合であっても、より正確な消費カロリーを算出できる。
【0045】
なお、実施の形態1及び2において、運転操作に係わる操作部としてアクセルペダル、ブレーキペダル、ステアリングホイール、クラッチペダル、シフトレバーを例に示したが、これに限られない。ドライバーが運転中に操作できる部材であれば操作部に含まれる。
【0046】
また、各操作部における操作力は、各操作部にあらかじめ設定された操作反力を用いたが、これに限られない。例えば、圧力センサ等により操作部に加わる力を計測し、計測された値を操作力としてもよい。
【0047】
なお、実施の形態1及び2において、式1を用いて自律神経活動レベルを算出したが、自律神経系の活動を示す指標であればよく、これに限られない。また、算出された副交感
神経活動量と安静時における副交感神経活動量との比を自律神経活動レベルとしたが、算出された副交感神経活動量と乗車前の副交感神経活動量との比、あるいは算出された副交感神経活動量と過去の副交感神経活動量の平均値との比を自律神経活動レベルとしてもよい。
【0048】
なお、実施の形態1及び2の消費カロリー算出装置の各構成は一例であり、本発明の特徴的な機能の損なわない範囲であれば、これらの構成に限られない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、正確に消費カロリーを把握することが要望される健康管理装置等に好適である。また、自転車、鉄道車両、船舶、航空機等のユーザの操作が要求される各種機器や健康管理に使用される医療用機器等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施の形態1に係る消費カロリー算出装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態2に係る消費カロリー算出装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
【0051】
1、2 消費カロリー算出装置
10 生理計測部
20 自律神経推定部
30 入力部
40 基礎代謝量推定部
50 カロリー算出部
60 A/P操作計測部
70 B/P操作計測部
80 Stg操作計測部
90 表示部
100 クラッチ操作計測部
110 シフト操作計測部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者が運転操作を行うための操作部を備える車両に接続され、前記車両から操作情報を取得可能な消費カロリー算出装置であって、
車両の運転者の生理情報を取得する生理計測部と、
前記生理計測部により取得された生理情報に基づいて前記運転者の自律神経系の活動状態を示す自律神経活動指標を算出する自律神経活動指標算出部と、
前記運転者の個人情報の入力を受け付ける入力部と、
前記入力された個人情報と前記算出された自律神経活動指標とに基づいて、前記運転者の基礎代謝量を決定する基礎代謝量決定部と、
前記取得した操作情報に基づいて運転操作に係わる前記運転者の運動量を算出し、当該運動量と前記基礎代謝量とから前記運転者の消費カロリーを算出する消費カロリー算出部とを備える、消費カロリー算出装置。
【請求項2】
運転者が運転操作を行うための操作部と前記操作部の操作量を検出する操作量検出部と備える車両に接続され、前記車両から前記操作量を取得可能な消費カロリー算出装置であって、
前記消費カロリー算出部は、前記取得した操作部の操作量と前記操作部に発生させる操作反力とから運転操作に係わる前記運転者の運動量を算出し、当該運動量と前記基礎代謝量とから前記運転者の消費カロリーを算出する、請求項1に記載の消費カロリー算出装置。
【請求項3】
前記自律神経指標算出部は、前記生理情報に基づいて前記運転者の副交感神経の活動状態を算出し、前記算出された副交感神経の活動状態と前記運転者の安静時の副交感神経の活動状態との比を自律神経活動指標として算出する、請求項1または2に記載の消費カロリー算出装置。
【請求項4】
前記操作部は、アクセルペダルとブレーキペダルとステアリングホイールとを含む、請求項1から3にいずれか記載の消費カロリー算出装置。
【請求項5】
前記個人情報は、前記運転者の性別及び体重のうち少なくとも一方を含み、
前記基礎代謝量決定部は、前記個人情報に基づいて標準基礎代謝量を決定し、前記標準代謝量に前記自律神経活動指標を乗じた値を基礎代謝量として決定する、請求項1から4にいずれか記載の消費カロリー算出装置。
【請求項6】
車両の運転者の生理情報を取得する生理計測ステップと、
前記生理計測部により取得された生理情報に基づいて前記運転者の自律神経系の活動状態を示す自律神経活動指標を算出する自律神経活動指標算出ステップと、
前記運転者の個人情報の入力を受け付ける入力ステップと、
前記入力された個人情報と前記算出された自律神経活動指標とに基づいて、前記運転者の基礎代謝量を決定する基礎代謝量決定ステップと、
運転者が運転操作を行うための操作部を備える車両から、操作情報を取得して運転操作に係わる前記運転者の運動量を算出し、当該運動量と前記基礎代謝量とから前記運転者の消費カロリーを算出する消費カロリー算出ステップとを備える、消費カロリー算出方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−136516(P2008−136516A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322763(P2006−322763)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】