説明

消費電力制御装置、消費電力制御方法、及び消費電力制御プログラム

【課題】 複数の構成要素を含むユニットへの入力電力が所定値を超えた場合、ユニット内の構成要素の冗長構成を維持したまま、ユニット内の各構成要素への影響を最小限に抑えてユニットへの入力電力を削減する消費電力制御装置を提供する。
【解決手段】 本発明の消費電力制御装置は、複数の構成要素を含むユニットへの入力電力を測定する入力電力監視手段と、前記構成要素各々の負荷を測定する負荷情報監視手段と、前記ユニット内の前記構成要素各々の動作状態を保持し、動作中である前記構成要素各々の中で、個別に停止させた場合前記ユニットが冗長構成を維持する構成要素を抽出する冗長構成手段と、前記入力電力が所定値以上であることを検出し、前記冗長構成手段が抽出した前記構成要素から、前記負荷が最も小さい前記構成要素を選択し、選択した前記構成要素の動作を停止させる電力制御手段とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費電力を削減する消費電力制御装置に関し、特に、冗長構成の構成要素を含むユニットの消費電力を削減する消費電力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、施設全体の消費電力量を予測し、予測した消費電力量が設定された消費電力を上回る度合いに応じて、消費電力を減らす指示である電力低減信号を電力負荷に送信する最大需要電力制御装置が記載されている。特許文献1の最大需要電力制御装置のセンサノードは、施設全体の消費電力を測定し、測定した電力値に比例した数のパルス信号を出力する積算電力計からのパルスによって、消費電力量を予測する。センサノードは、予測した消費電力量が設定された消費電力を上回る度合いを表す電力警戒情報を各電力負荷の制御ノードに送信する。各制御ノードは、受信した電力警戒情報に応じて、各々に対応する電力負荷に対して、消費する電力を低減する電力低減信号を出力する。
【0003】
特許文献2には、コントローラモジュール又はディスクの動作履歴に基づいて判断した将来の動作状態に基づき、冗長性を確保したまま消費電力が少なくなるようにコントローラモジュール又はディスクの動作状態を設定するディスクアレイ装置が記載されている。特許文献2のディスクアレイ装置は、例えば、冗長構成の複数のディスクで、停止させても冗長構成を保つことができるディスクの中から、負荷が最も大きいディスクを選択する。特許文献2のディスクアレイ装置は、選択したディスクの負荷を他のディスクで負担できるか判定し、負担できると判定した場合、選択したディスクの動作を停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−182194号公報
【特許文献2】特開2009−159712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、複数の構成要素を含むユニット内で、これらの構成要素が冗長構成を保ったまま、いずれかの構成要素を停止させることで消費電力を削減することはできない。
【0006】
特許文献2のディスクアレイ装置は、予測した将来の動作状況において消費電力が少なくなるようコントローラモジュールやディスクの動作状態を設定する。特許文献2の技術では、ディスクアレイ装置全体の消費電力を測定し、測定した消費電力が所定値を超えた場合、ディスクアレイ装置全体の消費電力を削減することはできないと言う問題がある。また、特許文献2のディスクアレイ装置は、最も負荷が高いディスクを停止させ、停止させたディスクの負荷を他のディスクが負担させるので、停止させたディスク以外のディスクの負荷は増加する。負荷が増加したディスクの消費電力は増加するので、ディスクアレイ装置全体の消費電力が減少するとは限らないと言う問題もある。
【0007】
本発明の目的は、複数の構成要素を含むユニットへの入力電力が所定値を超えた場合、ユニット内の構成要素の冗長構成を維持したまま、ユニット内の各構成要素への影響を最小限に抑えてユニットへの入力電力を削減する消費電力制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の消費電力制御装置は、複数の構成要素を含むユニットへの入力電力を測定する入力電力監視手段と、前記構成要素各々の負荷を測定する負荷情報監視手段と、前記ユニット内の前記構成要素各々の動作状態を保持し、動作中である前記構成要素各々の中で、個別に停止させた場合前記ユニットが冗長構成を維持する構成要素を抽出する冗長構成手段と、前記入力電力が所定値以上であることを検出し、前記冗長構成手段が抽出した前記構成要素から、前記負荷が最も小さい前記構成要素を選択し、選択した前記構成要素の動作を停止させる電力制御手段とを含む。
【0009】
本発明の消費電力制御方法は、複数の構成要素を含むユニットへの入力電力を測定し、前記構成要素各々の負荷を測定し、前記ユニット内の前記構成要素各々の動作状態を保持し、動作中である前記構成要素各々の中で、個別に停止させた場合前記ユニットが冗長構成を維持する構成要素を抽出し、前記入力電力が所定値以上であることを検出し、抽出した前記構成要素から、前記負荷が最も小さい前記構成要素を選択し、選択した前記構成要素の動作を停止させる。
【0010】
本発明の消費電力制御プログラムは、コンピュータを、複数の構成要素を含むユニットへの入力電力を測定する入力電力監視手段と、前記構成要素各々の負荷を測定する負荷情報監視手段と、前記ユニット内の前記構成要素各々の動作状態を保持し、動作中である前記構成要素各々の中で、個別に停止させた場合前記ユニットが冗長構成を維持する構成要素を抽出する冗長構成手段と、前記入力電力が所定値以上であることを検出し、前記冗長構成手段が抽出した前記構成要素から、前記負荷が最も小さい前記構成要素を選択し、選択した前記構成要素の動作を停止させる電力制御手段として動作させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明には、複数の構成要素を含むユニットへの入力電力が所定値を超えた場合、ユニット内の構成要素の冗長構成を維持したまま、ユニット内の各構成要素への影響を最小限に抑えて、ユニットへの入力電力を削減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態の構成を表す図である。
【図2】ユニットの一例の構成を表す図である。
【図3】第1の実施形態の動作を表すフローチャートである。
【図4】第2の実施形態の構成を表す図である。
【図5】第2の実施形態の動作を表すフローチャートである。
【図6】第3の実施形態の構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。以下に示す本発明の各実施形態は、ハードウェア、コンピュータとコンピュータを制御するプログラム、あるいは、ハードウェアと、コンピュータとコンピュータを制御するプログラムとの組み合わせにより実現することができる。
【0014】
図1は本発明の第1の実施形態の構成を表す図である。
【0015】
図1を参照すると、本実施形態の消費電力制御装置1は、入力電力監視部11と、負荷情報監視部12と、冗長厚生部13と、電力制御部14を含む。
【0016】
消費電力制御装置1は、ユニット2と、電源装置3に接続されている。
【0017】
ユニット2は、複数の構成要素(構成要素21、構成要素22、構成要素23)を含む。構成要素の個数は、図1の例では3個であるが、3個以上であればよい。ただし、これらの構成要素のうち、いずれか1個を停止させても、残りの構成要素が冗長構成をとる。すなわち、これらの構成要素のうち、いずれか2個を停止させても、残りの構成要素が動作することにより、ユニット2は動作を継続することが可能である。
【0018】
ユニット2は、例えばディスクアレイ装置である。ユニット2がディスクアレイ装置である場合、ユニット2は構成要素として複数のハードディスクを含む。ユニット2がディスクアレイ装置である場合、ディスクアレイ装置の実装形態は、例えば、冗長性を有するRAID(Redundant Arrays of Independent Disks)である。冗長性を有するRAIDの例として、RAID−TM(Triple Mirrorがある。ユニット2のディスクアレイ装置の構成は、RAID6など、他の構成であっても構わない。
【0019】
ユニット2は、例えばプロセッサアレイであってもよい。この場合の構成要素はプロセッサである。ユニット2は、コンピュータ・クラスタであっても構わない。この場合の構成要素は、コンピュータである。ユニット2は、ハードディスクやプロセッサなど、複数の種類の構成要素を含んでいても構わない。
【0020】
図2は、複数の種類の構成要素を含むユニット2Aの構成の例を表す図である。
【0021】
図2を参照すると、ユニット2Aは、複数のハードディスク(ハードディスク24〜ハードディスク29)と、複数のプロセッサ(プロセッサ31〜プロセッサ34)を含む。
【0022】
図2の例では、ハードディスク24〜ハードディスク26が、RAID−TM構成のディスクアレイG1を構成している。また、ハードディスク27〜ハードディスク29が、RAID−TM構成のディスクアレイG2を構成している。また、プロセッサ31〜プロセッサ34が、プロセッサアレイG3を構成している。
【0023】
以下では、主に、ユニット2の構成が図1に示す構成である場合の説明を行う。
【0024】
電源装置3は、ユニット2に電力を供給する。
【0025】
消費電力制御装置1の入力電力監視部11は、電源装置3がユニット2に入力する入力電力を測定する。入力電圧監視部11が測定するユニット2への入力電圧は、ユニット2の消費電力に相当する。
【0026】
負荷情報監視部12は、各構成要素の負荷を測定する。
【0027】
冗長構成部13は、ユニット2が含む構成要素の中で、個別に停止させた場合でも、ユニット2が含む動作中の構成要素が冗長構成を維持する構成要素を抽出する。
【0028】
電力制御部14は、入力電力監視部11が測定したユニット2への入力電力(ユニット2の消費電力)が所定値を超えた場合、冗長構成部13が抽出した前述の構成要素から、負荷情報監視部12が測定した負荷が最も小さい構成要素を選択する。電力制御部14は、選択した構成要素の動作を停止させて、停止した構成要素が消費していた消費電力を削減する。一般に、冗長構成の複数の構成要素から一部の構成要素を切り離すことを縮退と言う。本発明の各実施形態の説明において、「構成要素(の動作)を停止させる」という表記は、その構成要素を縮退させ、その構成要素に対する電力の供給を停止し、その構成要素の動作を停止させることを意味する。
【0029】
次に、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図3は本実施形態の動作を表すフローチャートである。
【0031】
図3を参照すると、まず、入力電圧監視部11が、電源装置3からユニット2への入力電圧を測定する(ステップS11)。
【0032】
入力電力監視部11は、入力電力を直接測定するのではなく、例えば電源装置3が備える図示しない電力計から、電源装置3がユニット2に入力する入力電力の値を受け取ってもよい。
【0033】
電力制御部14は、入力電力監視部11が測定した入力電圧が、所定値以上であるか否かを判定する(ステップS11)。電力制御部14が判定を行う基準となる所定値は、例えば図示しない端末を介して、例えば消費電力制御装置1の管理者が、予め設定しておけばよい。
【0034】
電力制御部14が、入力電圧が所定値を下回ると判定した場合(ステップS11、N)、ステップS10に戻る。
【0035】
電力制御部14が、入力電圧が所定値以上であると判定した場合(ステップS11、Y)、負荷情報監視部12は、各構成要素の負荷の測定を行う(ステップS12)。負荷情報監視部12は、電力制御部14からの指示を受けて、各構成要素の負荷の測定を行えばよい。負荷情報監視部12は、各構成要素の負荷の測定を、電力制御部14からの指示によらず、例えば、一定時間毎に行ってもよい。
【0036】
構成要素がハードディスクである場合、負荷は、例えば、単位時間当たりのアクセス数や、単位時間当たりのデータの転送量(書き込まれたデータの量や読み出されたデータの量)である。構成要素がプロセッサである場合、負荷は、例えばプロセッサの使用率である。ユニット2が複数の構成要素を含む場合、測定した異なる種類の負荷の値を適宜同一の指標に割り当てた値を負荷とすればよい。構成要素がハードディスクであり、測定した負荷が単位時間当たりのアクセス数である場合、例えば、ハードディスクが処理可能な単位時間当たりのアクセス数を予め設定して100とし、測定した単位時間当たりのアクセス数を案分して負荷の値とすればよい。構成要素がプロセッサである場合、例えば、プロセッサの使用率の百分率を負荷の値とすればよい。負荷情報監視部12は、負荷の大きさを表す値を、例えば、ユニット2の図示しないコントローラから受け取ればよい。
【0037】
次に、冗長構成部13が、複数の構成要素のうち、個別に停止させても冗長構成を維持できる構成要素の抽出を行う(ステップS13)。
【0038】
冗長構成部13は、冗長構成を構成する構成要素の組み合わせの情報をあらかじめ保持しておけばよい。図1の例では、冗長構成部13は、構成要素21、構成要素22、及び構成要素23が、冗長構成を構成する組み合わせであるという情報を保持しておけばよい。また、図2のユニット2Aの例では、冗長構成部13は、ディスクアレイG1、ディスクアレイG2、プロセッサアレイG3の各々が、冗長構成を構成する組み合わせであるという情報を保持しておけばよい。
【0039】
さらに、冗長構成部13は、ユニット2が含む各構成要素が動作しているか停止しているかを表す情報である動作状態を、例えばユニット2や電力制御部14から受け取ればよい。冗長構成部13は、各構成要素の動作状態をもとに、前述の冗長構成を構成する構成要素の組み合わせの中で、動作している構成要素が3個以上含まれる組み合わせを抽出すればよい。冗長構成部13は、その組み合わせに含まれる構成要素を、個別に停止させた場合でも冗長構成を維持する構成要素として抽出すればよい。
【0040】
図1の例で、例えば、構成要素21〜23の全てが動作中である場合、冗長構成部13は、まず、例えば電力制御部14から、全ての構成要素が動作していることを表す動作状態を受け取る。冗長構成を構成する構成要素21〜23の全てが動作中であれば、構成要素21〜23のいずれか1つを停止させても、他の2つの構成要素が動作しているので、ユニット2の冗長構成は維持される。この場合、冗長構成部13は、冗長構成を構成する構成要素の組み合わせの中で、動作している構成要素が3個以上含まれる組み合わせとして、構成要素21〜23を含む組み合わせを抽出する。そして、冗長構成部13は、個別に停止させた場合ユニット2が冗長構成を維持する構成要素として、構成要素21〜23の全てを抽出する。
【0041】
一方、例えば構成要素21が停止している場合、冗長構成部13は、まず、例えば電力制御部14から、構成要素21だけが停止していることを表す動作状態を受け取る。この場合、構成要素21が停止していても、構成要素22及び構成要素23が動作しているので、構成要素21〜構成要素23の組み合わせは冗長構成を構成する。しかし、この組み合わせは、動作している構成要素を2個しか含まない。構成要素22及び構成要素23のいずれか1つを停止させると、ユニット2の冗長構成は維持されない。この場合、冗長構成を構成する構成要素の組み合わせの中に、動作している構成要素を3個以上含む組み合わせは存在しないので、冗長構成部13は、構成要素の組み合わせを抽出しない。抽出した組み合わせが存在しないので、冗長構成部13は構成要素を抽出しない。
【0042】
また、冗長構成部13が、図2のユニット2Aから、個別に停止させても冗長構成を維持できる構成要素を抽出する場合、例えば以下のように抽出を行えばよい。図2のユニット2Aにおいて、例えばハードディスク24のみが停止している場合、冗長構成部13は、ハードディスク24のみが停止していることを表す動作状態を、例えば、ユニット2あるいは電力制御部14から受け取る。この例の場合、前述のように、冗長構成部13は、ディスクアレイG1、ディスクアレイG2、プロセッサアレイG3の各々が、冗長構成を構成する組み合わせであるという情報を保持している。
【0043】
ディスクアレイG1の動作している構成要素は、ハードディスク25及びハードディスク26の2個である。ハードディスク25及びハードディスク26のいずれか1つを停止させた場合、ユニット2のディスクアレイG1の部分の冗長構成は維持されない。一方、ディスクアレイG2に含まれる、動作している構成要素は、ハードディスク27〜ハードディスク29の3個である。プロセッサアレイG3に含まれる、動作している構成要素は、プロセッサ31〜プロセッサ34の4個である。ハードディスク27〜ハードディスク29及びプロセッサ31〜プロセッサ34のいずれか一つを停止させても、ユニット2のディスクアレイG2の部分及びプロセッサアレイG3の部分の冗長性は維持される。
【0044】
この場合、冗長構成部13は、冗長構成を構成するディスクアレイG1、ディスクアレイG2、及びプロセッサアレイG3の中で、動作している構成要素が3個以上含まれディスクアレイG2及びプロセッサアレイG3を抽出すればよい。冗長構成部13は、抽出したディスクアレイG2及びプロセッサアレイG3に含まれる、ハードディスク27〜ハードディスク29及びプロセッサ31〜プロセッサ34を、個別に停止させた場合でもユニット2が冗長構成を維持する構成要素として抽出すればよい。
【0045】
電力制御部14は、冗長構成部13が抽出した構成要素の中で、負荷情報監視部12が測定した負荷が最も小さい構成要素を選択する(ステップS14)。
【0046】
例えば、冗長構成部13が、図1のユニット2から構成要素21〜23の全てを抽出した場合、電力制御部14は、構成要素21〜23から、最も負荷が小さい構成要素を選択すればよい。
【0047】
電力制御部14は、選択した構成要素を停止させ(ステップS15)、停止した構成要素による消費電力を削減する。
【0048】
次に、以上で説明した本実施形態の効果について説明する。
【0049】
本実施形態には、複数の構成要素を含むユニット2への入力電力が所定値を超えた場合、ユニット2内の構成要素の冗長構成を維持したまま、ユニット2内の各構成要素への影響を最小限に抑えて、ユニット2への入力電力を削減することができるという効果がある。
【0050】
また、本実施形態には、ユニット2内の構成要素の冗長構成を維持したまま、電力削減効果の高い構成要素を選択して停止させることができるという効果もある。
【0051】
その理由は、電力制御部14が、冗長構成部13が抽出した、停止しても冗長構成を維持できる構成要素の中で、負荷情報監視部12が測定した負荷が最も小さい構成要素を選択し、停止させるからである。電力制御部14が、測定した負荷が最も小さい構成要素を停止させることで、構成要素の停止による他の構成要素への影響である、他の構成要素の負荷の増大は、最も小さくなる。従って、消費電力制御装置1は、ユニット2内の構成要素の冗長構成を維持したまま、入力電力の削減がユニット2内の各構成要素に与える影響を最小限に押さえて、ユニット2への入力電力を削減することができる。また、構成要素の停止による他の構成要素の負荷の増大が最小になるので、負荷の増大に伴う他の構成要素の消費電力の増大も最小となる。従って、電力制御部14が、選択した構成要素を停止させたことによる電力削減効果は高い。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0053】
図4は、本実施形態の構成を表すブロック図である。
【0054】
図4と図1とを比較すると、本実施形態の消費電力制御装置1Aは、図1に構成を示す第1の実施形態の消費電力制御装置1と比較すると、消費電力記憶部15を含む点が異なる。また、ユニット2は、情報処理装置4に含まれていてもよい。情報処理装置4は、例えば、ユニット2に接続されたコンピュータである演算装置41を含んでいてもよい。
【0055】
消費電力制御装置1Aの消費電力記憶部15は、各構成要素が消費する消費電力を記憶する。
【0056】
本実施形態の電力制御部14は、冗長構成部13が抽出した構成要素の中で、負荷情報監視部12が測定した負荷が最も小さい構成要素が複数ある場合、消費電力記憶部15が記憶する消費電力の値が最も小さい構成要素を選択する。このとき、もし消費電力の値が最も小さい構成要素が複数存在するのであれば、電力制御部14は、これらの構成要素から、任意の手段で1個の構成要素を選択すればよい。本実施形態の電力制御部14は、他の点では第1の実施形態の電力制御部14と同じである。
【0057】
本実施形態を構成するその他の要素は、図1で同一の番号を付した第1の実施形態を構成する要素と同じであるので、説明を省略する。
【0058】
次に、本実施形態の動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0059】
図5は、本実施形態の動作を表すフローチャートである。
【0060】
図5を参照すると、本実施形態のステップS10〜ステップS14の動作は、第1の実施形態のステップS10〜ステップS14の動作と同じであるので、説明を省略する。
【0061】
冗長構成部13が抽出した構成要素の中で、負荷情報監視部12が測定した負荷が最も小さい構成要素が一つしか存在しない場合(ステップS20、N)、ステップS15に進む。
【0062】
冗長構成部13が抽出した構成要素の中で、負荷情報監視部12が測定した負荷が最も小さい構成要素が複数存在する場合(ステップS20、Y)、電力制御部14は、これらの複数の構成要素の消費電力を、消費電力記憶部15から読み出す。電力制御部14は、読み出した消費電力を比較し、ステップS14で選択した複数の構成要素の中で、消費電力が最も大きい構成要素を選択し(ステップS21)、ステップS15に進む。
【0063】
電力制御部14は、選択した構成要素を停止させ(ステップS15)、停止した構成要素による消費電力を削減する。
【0064】
以上で説明した本実施形態には、第1の実施形態と同じ効果がある。
【0065】
その理由は、電力制御部14が、冗長構成部13が抽出した、停止しても冗長構成を維持できる構成要素の中で、負荷情報監視部12が測定した負荷が最も小さい構成要素を選択し、停止させるからである。
【0066】
また、本実施形態には、複数の構成要素を含むユニット2への入力電力が所定値を超えた場合、ユニット2内の構成要素の冗長構成を維持したまま、さらに電力削減効果の高い構成要素を選択して停止させることができるという効果がある。
【0067】
その理由は、電力制御部14が、冗長構成部13が抽出した構成要素の中で、負荷が最も小さい構成要素が複数存在する場合、消費電力が最も大きい構成要素を選択し、選択した停止させるからである。
【0068】
次に、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0069】
図6は本実施形態の構成を表す図である。
【0070】
本実施形態の消費電力制御装置1は、複数の構成要素を含むユニット2への入力電力の測定を行う入力電力監視部11と、構成要素各々の負荷を測定する負荷情報監視部12と、ユニッ2ト内の構成要素各々の動作状態を保持し、動作中である構成要素各々の中で、個別に停止させた場合ユニット2が冗長構成を維持する構成要素を抽出する冗長構成部13と、入力電力が所定値以上である場合、個別に停止させた場合ユニット2が冗長構成を維持する構成要素から、負荷が最も小さい構成要素を選択し、選択した構成要素の動作を停止させる電力制御部14とを含む。
【0071】
次に、以上で説明した本実施形態の効果について説明する。
【0072】
本実施形態には、複数の構成要素を含むユニット2への入力電力が所定値を超えた場合、ユニット2内の構成要素の冗長構成を維持したまま、ユニット2内の各構成要素への影響を最小限に抑えて、ユニット2への入力電力を削減することができるという効果がある。
【0073】
その理由は、電力制御部14が、冗長構成部13が抽出した、停止しても冗長構成を維持できる構成要素の中で、負荷情報監視部12が測定した負荷が最も小さい構成要素を選択し、停止させるからである。
【0074】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0075】
1、1A 消費電力制御装置
2、2A ユニット
3 電源装置
4 情報処理装置
11 入力電力監視部
12 負荷情報監視部
13 冗長構成部
14 電力制御部
15 消費電力記憶部
21、22、23 構成要素
24、25、26、27、28、29 ハードディスク
31、32、33、34 プロセッサ
41 演算装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の構成要素を含むユニットへの入力電力を測定する入力電力監視手段と、
前記構成要素各々の負荷を測定する負荷情報監視手段と、
前記ユニット内の前記構成要素各々の動作状態を保持し、動作中である前記構成要素各々の中で、個別に停止させた場合前記ユニットが冗長構成を維持する構成要素を抽出する冗長構成手段と、
前記入力電力が所定値以上であることを検出し、前記冗長構成手段が抽出した前記構成要素から、前記負荷が最も小さい前記構成要素を選択し、選択した前記構成要素の動作を停止させる電力制御手段と
を含む消費電力制御装置。
【請求項2】
前記構成要素各々の消費電力値を記憶する消費電力値記憶手段を含み、
前記電力制御手段は、選択した前記負荷が最も小さい前記構成要素が複数存在する場合、当該複数の構成要素のうち、前記消費電力値が最も大きい構成要素の動作を停止させる
請求項1に記載の消費電力制御装置。
【請求項3】
前記ユニットはディスクアレイ装置であり、前記構成要素はハードディスクである
請求項1又は2に記載の消費電力制御装置。
【請求項4】
前記ユニットを含む情報処理装置と、請求項1乃至3のいずれかに記載の電力制御装置を含む情報処理システム。
【請求項5】
複数の構成要素を含むユニットへの入力電力を測定し、
前記構成要素各々の負荷を測定し、
前記ユニット内の前記構成要素各々の動作状態を保持し、動作中である前記構成要素各々の中で、個別に停止させた場合前記ユニットが冗長構成を維持する構成要素を抽出し、
前記入力電力が所定値以上であることを検出し、抽出した前記構成要素から、前記負荷が最も小さい前記構成要素を選択し、選択した前記構成要素の動作を停止させる
消費電力制御方法。
【請求項6】
前記構成要素各々の消費電力値を消費電力値記憶手段に記憶し、
選択した前記負荷が最も小さい前記構成要素が複数存在する場合、当該複数の構成要素のうち、前記消費電力値が最も大きい構成要素の動作を停止させる
請求項6に記載の消費電力制御方法。
【請求項7】
前記ユニットはディスクアレイ装置であり、前記構成要素はハードディスクである
請求項5又は6に記載の消費電力制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、
複数の構成要素を含むユニットへの入力電力を測定する入力電力監視手段と、
前記構成要素各々の負荷を測定する負荷情報監視手段と、
前記ユニット内の前記構成要素各々の動作状態を保持し、動作中である前記構成要素各々の中で、個別に停止させた場合前記ユニットが冗長構成を維持する構成要素を抽出する冗長構成手段と、
前記入力電力が所定値以上であることを検出し、前記冗長構成手段が抽出した前記構成要素から、前記負荷が最も小さい前記構成要素を選択し、選択した前記構成要素の動作を停止させる電力制御手段と
して動作させる消費電力制御プログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
前記構成要素各々の消費電力値を記憶する消費電力値記憶手段と、
選択した前記負荷が最も小さい前記構成要素が複数存在する場合、当該複数の構成要素のうち、前記消費電力値が最も大きい構成要素の動作を停止させる前記電力制御手段と
して動作させる請求項8に記載の消費電力制御プログラム。
【請求項10】
前記ユニットはディスクアレイ装置であり、前記構成要素はハードディスクである
請求項8又は9に記載の消費電力制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−181656(P2012−181656A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43872(P2011−43872)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】