説明

液体分離器の製造方法

【課題】液体分離器の製造工程において滅菌処理時に通液口を閉鎖する部材が外れることを防止しつつ、滅菌処理後のハウジング内の乾燥を防止する。
【解決手段】液体分離器1の製造方法において、ハウジング内に液体を充填する工程S1と、前記ハウジングの通液口に内栓部材を比較的浅く嵌め込み、その外側から前記通液口に閉鎖部材を取り付け前記通液口を閉鎖して、前記閉鎖部材の内側に内部空間を形成すると共に、前記内栓部材に形成されている通路を通じて前記ハウジング内と前記閉鎖部材の内部空間とを連通させる工程S2と、前記ハウジングを加熱して滅菌する工程S3と、前記閉鎖部材の外側から前記内栓部材を押圧して、前記内栓部材を前記通液口に比較的深く嵌め込んで、前記内栓部材の前記通路を閉塞して前記ハウジング内と前記閉鎖部材の前記内部空間を不通にし、前記通液口を閉栓する工程S4と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体から所定の物を分離する液体分離器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば血液製剤からウイルスを除去するウイルス除去器や、透析時等に血液から不要物を除去する血液浄化器等には、従来より血液製剤等の液体を通過させて当該液体から所定の物を分離する液体分離器が用いられている。液体分離器は、例えばハウジングの内部に中空糸が設けられ、ハウジングに形成された一次側の通液口から液体を流入させ、当該中空糸によって特定物を分離し、当該液体を二次側の通液口から流出させている。
【0003】
ところで、上記液体分離器の製造工程では、出荷する前に滅菌処理が行われる。この滅菌処理は、例えばハウジング内に水を充填し、各通液口を閉鎖した状態で、液体分離器を高温、高圧下に所定時間さらすことにより行われる。水を充填し各通液口を閉鎖した状態で行うのは、滅菌処理後にハウジング内の乾燥を防止し無菌状態を維持するためであり、また液体分離器の使用時まで中空糸の濡れ性を維持して、使用開始時から中空糸の分離性能を十分に発揮させるためである。
【0004】
上述のように滅菌処理は、高温、高圧下で行われるため、このときハウジング内の水やガスが膨張する。このハウジング内の水やガスの膨張に対応するため、液体分離器の通液口を閉鎖する部材に、緩衝材となるゴム栓を用い、さらにそのゴム栓にガス透過性素材を用いることが提案されている(特許文献1参照。)これにより、液体分離器内の水の膨張をゴム栓で吸収しつつ、ガスを外部に逃がすことができるので、内圧によりゴム栓が外れることが抑制できる。
【0005】
【特許文献1】特開2003−245329号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の場合、ゴム栓などの膨張可能な素材は、微小なガス透過性を有することがほとんどのため、滅菌処理後でもガスが透過する可能性がある。このため、液体分離器が出荷されて実際に使用されるまでの間に、ハウジング内部の水が揮発しハウジング外に放出されることが考えられる。この結果、液体分離器のハウジング内の水が減ってハウジングや中空糸の一部が乾燥する可能性がある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、液体分離器の製造工程において、滅菌処理時に通液口を閉鎖する部材が外れることを防止しつつ、滅菌処理後のハウジング内の乾燥を防止することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明は、液体を通過させて所定の対象を分離する分離材を内部に備えたハウジングと、前記ハウジング内に液体を流入又は流出するための通液口と、前記通液口に取り付け可能で当該通液口を閉鎖可能な閉鎖部材と、前記通液口に嵌め込み可能で当該通液口を閉栓可能な内栓部材と、を有する液体分離器の製造方法であって、前記ハウジング内に液体を充填する工程と、前記ハウジングの前記通液口に前記内栓部材を比較的浅く嵌め込み、その外側から前記通液口に前記閉鎖部材を取り付け前記通液口を閉鎖して、前記閉鎖部材の内側に内部空間を形成すると共に、前記内栓部材に形成されている通路を通じて前記ハウジング内と前記閉鎖部材の前記内部空間とを連通させる工程と、前記ハウジングを加熱して滅菌する工程と、前記閉鎖部材の外側から前記内栓部材を押圧して、前記内栓部材を通液口に比較的深く嵌め込んで、前記内栓部材の前記通路を閉塞して前記ハウジング内と前記閉鎖部材の前記内部空間を不通にし、前記通液口を閉栓する工程と、を有することを特徴とする。なお、「所定の対象」は、特定の物質(単一物、混合物の双方を含む)や、固形物などを含み、分離材の分離機能、例えば孔の大きさに基づいて、分離される対象が決まる。
【0009】
本発明によれば、滅菌処理時にハウジング内で膨張した液体や気体を、内栓部材の通路を通じて閉鎖部材の内部空間に流出できる。これにより、滅菌処理時の液体の膨張を吸収できる。よって、液体や気体の膨張により閉鎖部材が外れることを防止できる。また、滅菌処理後に、内栓部材を深く嵌め込んで通液口を閉栓するので、滅菌処理後にハウジング内の液体が気化し閉鎖部材などを通じて外部に放出されてハウジング内の一部が乾燥することを防止できる。したがって、滅菌処理時に閉鎖部材が通液口から外れることを防止しつつ、滅菌処理後のハウジング内の乾燥を防止することができる。
【0010】
前記閉鎖部材は、前記通液口から外側に突出して変形自在な膜状に形成されていてもよい。また、前記閉鎖部材は、ガス透過性を有していてもよい。この場合、閉鎖部材の通気性により気体を外部に放出できるため、更に液体や気体の膨張により閉鎖部材が外れることを防止できる。
【0011】
前記内栓部材は、前記閉鎖部材を前記通液口に取り付けた状態でその閉鎖部材の外側から前記内栓部材を前記通液口に押し込み可能とする押し込み部を有し、前記押し込み部は、前記通液口から離れる方向に向けて突出する凸状に形成されていてもよい。前記押し込み部が凸状であることにより、閉鎖部材の外側から押し込む際の、閉鎖部材を変形させる負荷(変形量、変形のための入力)を小さくすることができ、閉鎖部材の損傷を防止することができる。
【0012】
前記通路は、前記通液口に内周面に接する前記内栓部材の嵌め込み部の外周面に、嵌め込み方向に沿った溝状に形成され、前記内栓部材の前記嵌め込み部の先端から、当該先端と後端の間の位置まで形成されていてもよい。かかる場合、液体分離器を、内部空間と連通させる工程での機能と、閉栓する工程での内部空間を密封させる機能との両立を図り易い簡便な構造にすることができる。
【0013】
前記内栓部材の前記嵌め込み部の外周面には、当該外周面から外側に突出する環状の突条部が形成され、前記突条部は、前記内栓部材の前記嵌め込み部の前記通路より後端側に形成されていてもよい。かかる場合、ハウジングの通液口の内側との接触部での当接圧が突状部で高めることが可能となるので、閉栓した後の密封の保持を高いレベルで達成することができる。
【0014】
前記内栓部材の前記嵌め込み部の外周面には、当該外周面から外側に突出する他の突条部が形成され、前記他の突条部は、前記内栓部材の前記嵌め込み部の前記通路が形成されている区間に形成されていてもよい。かかる場合、内栓部材とハウジングの通液口の内側との接触部での当接圧により、内部空間と連通させる工程時の内栓部材が浅く嵌め込まれる状態を好適に維持できる。
【0015】
前記分離材は、中空糸であってもよい。ハウジング内に中空糸を有す分離器の場合に、高温高圧による滅菌工程が必要となることが多いため、本発明は特に有用である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、滅菌処理時に通液口を閉鎖する部材が外れることを防止しつつ、滅菌処理後のハウジング内の乾燥を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る液体分離器の製造方法に用いられる液体分離器1の構成の概略を示す断面図である。
【0018】
液体分離器1は、例えば図1に示すように長手方向の両端が閉鎖された円筒状のハウジング10と、当該ハウジング10に設けられ、液体をハウジング10内に流入又は流出するための複数、例えば4つの通液口11a、11b、11c、11dを有している。例えば通液口11a、11bは、ハウジング10の長手方向の両端に設けられ、通液口11c、11dは、ハウジング10の胴部の外周面に設けられている。
【0019】
ハウジング10内には、管状の多数の中空糸12が設けられている。中空糸12は、ハウジング10の長手方向に沿って配置され、ハウジング10の一端付近から他端付近まで延びている。ハウジング10内の長手方向の両端付近には、それぞれ中空糸12を支持する支持部材13が設けられている。支持部材13は、例えばハウジング10の内部形状に適合する円盤状に形成され、中空糸12の端部を支持しつつ、各支持部材13の外側の空間A(通液口11a、11bが開口する空間)と、2つの支持部材13の内側の空間Bとを遮断している。中空糸12の両端は、通液口11a、11bに通じる空間Aにそれぞれ開口している。したがって、例えば通液口11a又は通液口11bから流入した液体は、中空糸12の管内を通り、中空糸12の側壁を通過した液体が2つの支持部材13の間の空間Bに流出するようになっている。この中空糸12の側壁を通過する際に、液体から所定の物が分離される。
【0020】
通液口11c、11dは、2つの支持部材13の間の空間Bに通じている。したがって、例えば中空糸12を通過した分離後の液体を通液口11c、11dから排出することができる。
【0021】
通液口11c、11dは、例えば図2に示すように円管状に形成され、その先端の開口端部には、環状のフランジ部20が形成されている。なお、フランジの他に、フェルール、ニップル、ネジなどを使用できる。通液口11c、11dは、内径がハウジング10の胴部に近づくにつれて次第に小さくなるテーパ形状を有している。
【0022】
通液口11c、11dには、閉鎖部材30を取り付けることができる。閉鎖部材30は、通液口11c、11d側から外側に向かって突出する風船形の膜状に形成され、内側に内部空間30aを形成できる。閉鎖部材30は、例えば固定リング31等を用いて、開口部を通液口11c、11dのフランジ部20に気密に固定できる。閉鎖部材30は、例えばゴムにより形成され、膨縮自在で変形自在に形成されている。また、閉鎖部材30は、通気性を有していてもよい。なお、閉鎖部材30の材質としては、耐熱性を有するゴムがよく、例えばシリコンゴムやフッ素ゴムが好ましい。
【0023】
ハウジング10の通液口11c、11dには、内栓部材40を嵌め込むことができる。内栓部材40は、例えば略円柱状に形成され、嵌め込み部40aと、ヘッド部40b及び押し込み部40cを先端側からこの順で有している。内栓部材40は、弾力性のある例えばゴムにより形成されている。なお、内栓部材40の材質としては、耐熱性を有するゴムがよく、例えばシリコンゴムやフッ素ゴムが好ましい。
【0024】
嵌め込み部40aは、通液口11c、11dの内径と適合する径を有している。嵌め込み部40aの外周面には、嵌め込み方向に沿った溝状の通路50が形成されている。通路50は、嵌め込み部40aの先端から、当該先端と後端との間の位置まで形成されている。通路50は、図3に示すように通液口11c、11dに浅く嵌め込まれたときに当該通路50の上端付近が閉鎖部材30の内部空間30aに開口し当該通路50を通じてハウジング10内と内部空間30aが連通するように形成されている。また、通路50は、図4に示すように通液口11c、11dに深く嵌め込まれたときに当該通路50が通液口11c、11d内に完全に入り込みハウジング10内と内部空間30aが遮断されるように形成されている。例えば通路50は、嵌め込み部40aの先端から後端までの長さの例えば3分の2程度の長さに形成されている。また、通路50は、例えば図5に示すように嵌め込み部40の互いに対向する2か所に形成されている。
【0025】
嵌め込み部40aの外周面には、図2に示すように外側に突出し通液口11c、11dの内周面に接する環状の例えば2本の突条部51が形成されている。これらの突条部51は、例えば嵌め込み部40aの通路50より後端側の、通路50のない区間に形成されている。これにより、嵌め込み部40aが通液口11c、11dに深く嵌め込まれた際に、嵌め込み部40aの通路50より後端側の気密性を向上し、通路50を通じた液体や気体の漏れを防止できる。
【0026】
また、嵌め込み部40aの外周面の先端側の通路50のある区間には、例えば3本の他の突条部52が形成されている。これらの他の突条部52は、およそ環状に形成され、通路50の部分だけ切り欠きになっている。これにより、内栓部材40と通液口11c、11dとの摩擦が大きくなるので、内栓部材40を浅く嵌め込んだ際にハウジング10の内圧により内栓部材40が外れることを防止できる。
【0027】
ヘッド部40bは、嵌め込み部40aの後端側に形成されており、嵌め込み部40aより径が大きくなっている。内栓部材40が通液口11c、11dに深く嵌め込まれたときに、ヘッド部40bがフランジ部20の上面に当接し、これによっても通液口11c、11dが閉栓される。
【0028】
押し込み部40cは、ヘッド部40bの後端側に形成され、通液口11c、11dから離れる方向に突出する凸状に形成されている。押し込み部40cは、例えば閉鎖部材30の内部空間30aの、通液口11c、11dから離れる方向(図2の上下方向)の全長の4分の1以上の長さを有している。
【0029】
次に、本実施の形態にかかる液体分離器1の製造方法について説明する。本製造方法は、液体分離器1の出荷直前に行われる製造工程を含むものである。図6は、かかる製造方法の主な工程を示すフロー図である。
【0030】
ハウジング10が製造された後の液体分離器1の最終製造段階において、まず、液体分離器1のハウジング10内に液体、例えば水が充填される(図6の工程S1)。このとき、例えば通液口11a、11bは、閉鎖されている。次に、図3に示すように通液口11c、11dに、内栓部材40が浅く嵌め込まれ、その外側から閉鎖部材30が取り付けられる。このとき、閉鎖部材30の内側に内部空間30aが形成されると共に、内栓部材40の嵌め込み部40aの通路50により、ハウジング10内と閉鎖部材30の内部空間30aとが連通する(図6の工程S2)。
【0031】
次に、液体分離器1の全体が高圧下で加熱され、滅菌される(図6の工程S3)。このとき、ハウジング10内の水や残存ガスが膨張し、ハウジング10内から通液口11c、11dに流れ込み、内栓部材40の通路50を通って閉鎖部材30の内部空間30aに流れ込む。例えば内部空間30aに流れ込む水が多い場合には、閉鎖部材30が膨出して内部空間30aの容積が広げられる。また、内部空間30aに流れ込んだガスは、閉鎖部材30を通じて外部に放出される。このようにして、ハウジング10内の水やガスの膨張は、閉鎖部材30により吸収される。
【0032】
滅菌が終了し、例えば冷却によって水やガスの膨張が元に戻った後、図7に示すように閉鎖部材30の外側から内栓部材40の押し込み部40cが押圧され、内栓部材40が通液口11c、11dに深く嵌め込まれる。こうして、通路50が閉鎖され、ハウジング10内と内部空間30aとが不通となり、通液口11c、11dが閉栓される(図6の工程S4)。
【0033】
以上の実施の形態によれば、ハウジング10の通液口11c、11dに内栓部材40と閉鎖部材30を二重に取り付け、内栓部材40を浅く通液口11c、11dに嵌め込むことにより、滅菌処理時にハウジング10内で膨張した水やガスを内栓部材40の通路50を通じて閉鎖部材30の内部空間30aに流すことができる。これにより、滅菌処理時の水の膨張を吸収できる。よって、水やガスの膨張により閉鎖部材30が外れることを防止できる。また、滅菌処理後に、閉鎖部材30の外側から内栓部材40の押し込み部40cを押して、内栓部材40を深く嵌め込むことにより、内栓部材40の通路50を閉鎖しハウジング10内と閉鎖部材30の内部空間30aを不通にして通液口11c、11dを閉栓している。よって、滅菌処理後にハウジング10内の水が気化して外部に放出されてハウジング10内の一部が乾燥することを防止できる。したがって、滅菌処理時に閉鎖部材30が通液口11c、11dから外れることを防止しつつ、滅菌処理後のハウジング10内の乾燥を防止することができる。
【0034】
閉鎖部材30は、通液口11c、11dから外側に突出して変形自在な膜状に形成されているので、内部空間30aを形成しつつ、流入した水を十分に吸収できる。
【0035】
内栓部材40は、押し込み部40cを有し、当該押し込み部40cは、通液口11c、11dから離れる方向に向けて突出する凸状に形成されているので、閉鎖部材30の外側から押し込み部40cを好適に押し込むことができる。
【0036】
また、内栓部材40の通路50は、内栓部材40の嵌め込み部40aの外周面に、嵌め込み方向に沿った溝状に形成され、嵌め込み部40aの先端から、当該先端と後端の間の位置まで形成されている。このため、内栓部材40を通液口11c、11dに浅く嵌め込むことにより、通路50により、ハウジング10内と閉鎖部材30の内部空間30aとを好適に連通させることができる。
【0037】
嵌め込み部40aの外周面の通路50より後端側に突条部51が形成されているので、内栓部材40が深く嵌め込まれた際に、当該突条部51が、通路50より後端側で通液口11c、11dの内周面に接し、内栓部材40の気密性を向上できる。
【0038】
また、嵌め込み部40aの外周面の通路50が形成されている区間に他の突条部52が形成されていることにより内栓部材40と通液口11c、11dとの摩擦が大きくなるので、内栓部材40を浅く嵌め込んだ際にハウジング10の内圧により内栓部材40が外れることを防止できる。
【0039】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0040】
例えば以上の実施の形態では、通液口11c、11dに内栓部材40と閉鎖部材30を取り付けていたが、他の通液口11a、11bに取り付けてもよい。また、以上の実施の形態では、通液口が4つであったが、その他の数の通液口を有する液体分離器にも本発明は適用できる。さらに、以上の実施の形態では、ハウジング10内に中空糸12が設けられた液体分離器1であったが、他の分離材が設けられているものにも本発明は適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】液体分離器の構成の概略を示す断面図である。
【図2】液体分離器の通液口付近の構成を示す断面図である。
【図3】内栓部材が浅く嵌め込まれた状態の通液口付近の拡大断面図である。
【図4】内栓部材が深く嵌め込まれた状態の通液口付近の拡大断面図である。
【図5】内栓部材を先端側からみた平面図である。
【図6】液体分離器の製造方法の主な工程を示すフロー図である。
【図7】閉鎖部材の外側から内栓部材が押し込まれた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1 液体分離器
10 ハウジング
11a〜11d 通液口
12 中空糸
13 支持部材
20 フランジ部
30 閉鎖部材
30a 内部空間
31 固定リング
40 内栓部材
40a 嵌め込み部
40b ヘッド部
40c 押し込み部
50 通路
51、52 突条部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を通過させて所定の対象を分離する分離材を内部に備えたハウジングと、前記ハウジング内に液体を流入又は流出するための通液口と、前記通液口に取り付け可能で当該通液口を閉鎖可能な閉鎖部材と、前記通液口に嵌め込み可能で当該通液口を閉栓可能な内栓部材と、を有する液体分離器の製造方法であって、
前記ハウジング内に液体を充填する工程と、
前記ハウジングの前記通液口に前記内栓部材を比較的浅く嵌め込み、その外側から前記通液口に前記閉鎖部材を取り付け前記通液口を閉鎖して、前記閉鎖部材の内側に内部空間を形成すると共に、前記内栓部材に形成されている通路を通じて前記ハウジング内と前記閉鎖部材の前記内部空間とを連通させる工程と、
前記ハウジングを加熱して滅菌する工程と、
前記閉鎖部材の外側から前記内栓部材を押圧して、前記内栓部材を前記通液口に比較的深く嵌め込んで、前記内栓部材の前記通路を閉塞して前記ハウジング内と前記閉鎖部材の前記内部空間を不通にし、前記通液口を閉栓する工程と、を有することを特徴とする、液体分離器の製造方法。
【請求項2】
前記閉鎖部材は、前記通液口から外側に突出して変形自在な膜状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の液体分離器の製造方法。
【請求項3】
前記閉鎖部材は、ガス透過性を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の液体分離器の製造方法。
【請求項4】
前記内栓部材は、前記閉鎖部材を前記通液口に取り付けた状態でその閉鎖部材の外側から前記内栓部材を前記通液口に押し込み可能とする押し込み部を有し、
前記押し込み部は、前記通液口から離れる方向に向けて突出する凸状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の液体分離器の製造方法。
【請求項5】
前記通路は、前記通液口に内周面に接する前記内栓部材の嵌め込み部の外周面に、嵌め込み方向に沿った溝状に形成され、前記内栓部材の前記嵌め込み部の先端から、当該先端と後端の間の位置まで形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の液体分離器の製造方法。
【請求項6】
前記内栓部材の前記嵌め込み部の外周面には、当該外周面から外側に突出する環状の突条部が形成され、
前記突条部は、前記内栓部材の前記嵌め込み部の前記通路より後端側に形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の液体分離器の製造方法。
【請求項7】
前記内栓部材の前記嵌め込み部の外周面には、当該外周面から外側に突出する他の突条部が形成され、
前記他の突条部は、前記内栓部材の前記嵌め込み部の前記通路が形成されている区間に形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の液体分離器の製造方法。
【請求項8】
前記分離材は、中空糸であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の液体分離器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−291423(P2009−291423A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148112(P2008−148112)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(507365204)旭化成メディカル株式会社 (65)
【Fターム(参考)】