説明

液体吐出ヘッド及びその製造方法

【課題】静電気が基板に到達して起こる基板へのダメージを防止することができる液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】液体を吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子3を有する基板1と、前記液体を吐出する吐出口10及び吐出口に連通する液体流路11を構成する流路形成部材と、を備える液体吐出ヘッドであって、前記流路形成部材に配置された導電膜12と、導電膜と電気的に接続された抵抗体と、を備える液体吐出ヘッドである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インク等の液体を吐出して記録媒体に記録を行う液体吐出ヘッド及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出する液体吐出ヘッドとしては、インクを吐出するインクジェット記録ヘッドが知られている。インクジェット記録ヘッドとしては、例えば特許文献1に示されるように、基板と、該基板上に積層した絶縁性の高いノズル構造と、インクを吐出するための貫通孔である吐出口と、を含む構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−286149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のインクジェット記録ヘッドでは、インクが吐出口内に充填されていない時に、静電気が吐出口から進入して吐出口下の基板に到達することがあり、基板にダメージを与える可能性があった。
【0005】
そこで、本発明は、静電気が基板に到達して起こる基板へのダメージを防止することができる液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
液体を吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子を有する基板と、前記液体を吐出する吐出口及び該吐出口に連通する液体流路を構成する流路形成部材と、を備える液体吐出ヘッドであって、
前記流路形成部材に配置された導電膜と、
前記導電膜と電気的に接続された抵抗体と、
を備える液体吐出ヘッドである。
【0007】
また、本発明は、
液体を吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子を有する基板と、前記液体を吐出する吐出口及び該吐出口に連通する液体流路を構成する流路形成部材と、を備え、
前記流路形成部材は、前記液体流路の側壁を構成する流路壁部材と、前記吐出口及び前記液体流路の上壁を構成する吐出口部材と、を含む液体吐出ヘッドの製造方法であって、
(1)抵抗素子と前記吐出エネルギー発生素子とを有する前記基板を用意する工程と、
(2)前記基板上に、前記液体流路の型となる型材と、前記流路壁部材とを形成する工程と、
(3)前記型材及び前記流路壁部材の上に、前記抵抗素子と電気的に接続される導電膜を形成する工程と、
(4)前記導電膜の上に前記吐出口部材を形成する工程と、
(5)前記型材を除去する工程と、
を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る液体吐出ヘッドは、吐出口から進入した静電気は、基板に到達する前に金属膜で吸収されて抵抗体で消費されることとなる。したがって、本発明の構成とすることにより、静電気による基板のダメージを抑制することができ、静電気に対して信頼性が高い液体吐出ヘッドを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る液体吐出ヘッドの概略的な斜視図、上面図および断面図である。
【図2】本実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法の例を説明するための断面工程図である。
【図3】本実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法の例を説明するための断面工程図である。
【図4】本実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法の例を説明するための断面工程図である。
【図5】本実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法の例を説明するための断面工程図である。
【図6】本実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法の例を説明するための断面工程図である。
【図7】本実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造方法の例を説明するための断面工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、液体吐出ヘッドの一例として、インクジェット記録ヘッドを例示して説明する。なお、本発明の適用範囲はインクジェット記録ヘッドに限定されるものではなく、バイオッチップ作製や電子回路印刷用途の液体吐出ヘッド等にも適用できる。液体吐出ヘッドとしては、インクジェット記録ヘッドの他にも、例えばカラーフィルター製造用ヘッド等も挙げられる。
【0011】
(実施形態1)
図1を参照して、本実施形態のインクジェット記録ヘッドについて説明する。図1(a)に本実施形態のインクジェット記録ヘッドの斜視図を、図1(b)に上面図を、図1(c)に図1(a)中のX―X’断面図を示す。なお、本明細書において、インク等の液体を吐出する吐出口が形成される側を上方向とする。
【0012】
本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出するエネルギーを発生させるための吐出エネルギー発生素子3と、静電気を熱エネルギーに変換して消費するための抵抗体としての抵抗素子4と、を上側に有する基板1を備える。また、インクジェット記録ヘッドは、基板1の吐出エネルギー発生素子3及び抵抗素子4が形成されている面側(表面側)に、液体流路としてのインク流路11を構成する流路形成部材を備える。
【0013】
インク流路11は、基板1に設けられたインク供給口(不図示)等と連通しており、供給されたインクをインク吐出口10に送る流路となる。また、インク流路11は、吐出エネルギー発生素子3で発生したエネルギーをインクに伝える発泡室を含む。発泡室はインク吐出口10の下方に位置する。
【0014】
流路形成部材には導電膜としての金属膜12が配置されており、該金属膜12は基板1上に設けられた抵抗素子4と電気的に接続されている。
【0015】
図1において、流路形成部材は、第1の有機樹脂層からなる流路壁部材8と第2の有機樹脂層からなる吐出口部材9とを有し、流路壁部材8と吐出口部材9との間に金属膜12が配置されている。吐出口部材9は流路形成部材のフェイス面及びインク流路11の上壁を構成している。流路壁部材8は、吐出口部材9と基板1との間に配置され、インク流路11の側壁を構成している。金属膜12は、吐出口部材9と流路壁部材8の間に配置されている。また、金属膜12は、インク流路11に露出するように形成されており、インク吐出口10の周囲に配置されている。より具体的には、金属膜の少なくとも一部がインク吐出口10の液体流路側の開口を構成している。
【0016】
金属膜12は、インク吐出口10周辺から流路形成部材2の外壁に延展し、基板上であって流路形成部材2が形成されている領域以外の領域に設けられた抵抗素子4と電気的に接続している。図1においては、流路形成部材2の側壁に設けられた金属配線13を介して、金属膜12と抵抗素子4とが電気的に接続されている。
【0017】
上述のように、本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、流路形成部材2に金属膜12を有する。金属膜2は、静電気を引き込む役割を果たす。例えば、静電気が吐出口から進入してきた場合、金属膜2が静電気を引き込んで抵抗体としての抵抗素子4で消費させることにより、静電気が吐出口下の基板に到達することを防ぐことができる。
【0018】
金属膜12は、吐出口付近に生じた静電気をより有効に引き込む目的から、上述のように、吐出口10の周囲に配置されることが好ましく、吐出口10の開口外縁に接するように配置されることがより好ましい。とくに、図1(b)に示すように、金属膜12は、吐出口を囲うにように開口外縁に接して配置されることが好ましい。金属膜12の少なくとも一部がインク吐出口10のインク流路側の開口を構成しているとも捉えることができる。このような構成は、例えば、インク吐出口10を形成する吐出口部材の部分に金属膜を設け、第2の有機樹脂層9の穴径と同一サイズで金属膜12の穴径を形成することにより形成することができる。
【0019】
吐出口部材9は複数層で形成されてもよく、この場合、金属膜はこれらの層の間に挟まれて配置されても良い。同様に、流路壁部材8も複数層で形成されてもよく、この場合、金属膜はこれらの層の間に挟まれて配置されても良い。
【0020】
抵抗体としては、基板上に形成された抵抗素子であることが好ましい。また、抵抗素子は、吐出エネルギー発生素子と同様の構成で形成することができ、配線材及びヒータ材を含む積層構造により構成することができる。また、抵抗素子は、吐出エネルギー発生素子と同じ工程で形成するため、吐出エネルギー発生素子に用いられる材料と同一材料を用いて形成されることが好ましい。
【0021】
流路壁部材8の側壁に金属配線13が設けられており、金属膜12は金属配線13を介して抵抗素子4と電気的に接続されている。金属配線13は、抵抗素子4を構成する配線材の一部と接続している。金属膜12は、吐出口10の周囲から流路壁部材8と吐出口部材9との間を通って吐出口部材9の側壁に設けられた金属配線13まで延展するように形成されている。
【0022】
金属膜12は、上述のように、流路壁部材8と吐出口部材9の間に設け、インク流路11の上壁に露出させるように形成することが好ましい。また、金属膜は流路形成部材のフェイス面に配置することもできる。この場合、金属膜はフェイス面端部まで延展させ、流路形成部材の側壁に設けた金属配線を介して抵抗体と電気的に接続することができる。
【0023】
導電膜としては、導電性を有する膜であれば特に制限されるものではないが、上述のように、金属からなる金属膜を用いることが好ましい。また、金属膜12は、電気抵抗の低い金属の単一膜であることが望ましいが、合金膜であってもよい。金属膜12の材料としては、特に制限されるものではないが、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、ニッケル、若しくはイリジウム、又はこれらの金属のうち少なくとも2種以上からなる合金等が挙げられる。また、場合によっては、複数の層からなる積層膜で構成されていても良い。金属膜12の構成材料の例を以下に示す。金(2.05μΩcm、0℃)、銀(1.47μΩcm、0℃)、銅(1.55μΩcm、0℃)、アルミニウム(2.50μΩcm、0℃)、タングステン(4.9μΩcm、0℃)、ニッケル(6.2μΩcm、0℃)、イリジウム(4.7μΩcm、0℃)等。
【0024】
金属配線13の材料も金属膜12の材料と同じものが挙げられる。また、金属配線は、金、銀、及びニッケルのうち少なくとも1種を含むことがより好ましい。また、複数の層で構成されていても良い。また、金属膜12よりも、相対的に電気抵抗を低くすることが望ましい。これにより、金属膜12で引き込んだ静電気が、金属配線13へと電気的に効率的に流れることとなる。
【0025】
また、抵抗素子4は、静電気を熱として消費することを考慮して材料および寸法を選択することが望ましい。抵抗素子4として、例えば、材料:タンタル窒化シリコン、シート抵抗:350Ω/□、断面積:3×10-7(厚み:0.00003mm、幅:0.01mm)、長さ:0.1mmとすることができる。なお、抵抗素子4の材料、シート抵抗、断面積および長さ等は任意に変えても良い。また、抵抗素子4は、基板に少なくとも1つは設けられ、基板に2つ以上設けても良い。静電気は、金属膜12で引き込まれて金属配線13を伝い、ヒータボード基板1中の配線22a’を通って抵抗素子4に伝わる。抵抗素子4では、静電気が熱に変換されて消費される。これにより、静電気が基板に到達することで起こりうる基板へのダメージを抑制することができ、信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【0026】
(実施例1)
図2〜図5は、本実施形態のインクジェット記録ヘッドの製造方法の1例を示したものである。なお、図2〜図5は、図1(c)に相当する断面図における工程を説明するための概略工程図である。
【0027】
まず、図2(a)に示すように、シリコン結晶中に配線回路(不図示)パターンを内包する基板1を用意した。
【0028】
次に、図2(b)に示すように、シリコン酸化膜からなる第1の絶縁層5を化学気相成長法により0.0012mmの厚さで形成した。
【0029】
次に、ポジ型の有機樹脂からなる第1のレジスト19をスピンコート法により第1の絶縁層5の上に塗布した。その後、図2(c)に示すように、露光・現像を行って露光部の第1のレジスト19を部分的に除去した。
【0030】
次に、第1のレジスト19をマスクとして用いて第1の絶縁層5をドライエッチング法により選択的に除去した。その後、第1のレジスト19を除去して、図2(d)に示す積層構造を形成した。第1の絶縁層5は底部に基板1を露出する開口を有する。
【0031】
次に、図2(e)に示すように、第1の絶縁層5及び基板1の上にヒータ材20を形成した。本実施例では、タンタル―シリコン合金ターゲットを用いた反応性スパッタ法によりタンタル窒化シリコンからなるヒータ材20を成膜した。また、本実施例において、ヒータ材20は、後の工程で、インク吐出のためのエネルギーを発生させるための吐出エネルギー発生素子、及び金属膜が引き込んだ静電気を熱エネルギーに変換するための抵抗素子を構成する役割を担うこととなる。したがって、両者の機能を満たすため、ヒータ材は、シート抵抗を350Ω/□、膜厚を0.00003mmとした。
【0032】
次に、図2(f)に示すように、ヒータ材20上に配線材22を形成した。配線材22の主材料はアルミニウムとし、配線材22の厚さは0.0004mmとした。
【0033】
次に、ポジ型の有機樹脂からなる第2のレジスト21をスピンコート法により配線材22上に塗布した。その後、図2(g)に示すように、露光・現像を行って露光部の第2のレジスト21を部分的に除去した。
【0034】
次に、第2のレジスト21をマスクとして用い、ドライエッチング法により配線材22およびヒータ材20を除去した。その後、第2のレジスト21を除去して、図3(h)に示す積層構造を形成した。なお、図3(h)において、ヒータ材20a及び配線材22aが抵抗素子を構成する材料となり、ヒータ材20b及び配線材22bが吐出エネルギー発生素子を構成する材料となる。
【0035】
次に、最表面にポジ型の有機樹脂からなる第3のレジスト23を塗布した。その後、図3(i)に示すように、露光・現像を実施して露光部の第3のレジスト23を部分的に除去した。
【0036】
次に、第3のレジスト23をマスクとして用い、ウェットエッチング法により、配線材22を選択除去した。その後、第3のレジスト23を除去し、図3(j)に示す積層構造体を形成した。この工程により、インクを吐出するエネルギーを発生させるための吐出エネルギー発生素子3、および金属膜から引き込んだ静電気を熱エネルギーに変換して消費する抵抗体としての抵抗素子4が完成した。
【0037】
ここで、抵抗素子4は、静電気を消費する機能を満たすように、材料および寸法を選択する。本実施例では、抵抗素子4は、ヒータ材:タンタル窒化シリコン、シート抵抗:350Ω/□、断面積:3×10-7mm2(厚み:0.00003mm、幅:0.01mm)、長さ:0.1mmとした。なお、抵抗素子4の材料、シート抵抗、断面積および長さ等は任意に選択することができる。
【0038】
なお、図3(j)において、配線材22a’は、金属膜12と抵抗素子4とを電気的に接続する役割の一部を担う。また、配線材22a’’は、抵抗素子4と基板接地部16とを電気的に接続する役割を担う。本実施例では、基板に接するヒーター材に配線材が接続することで接地される。
【0039】
次に、図3(k)に示すように、最表面に窒化シリコンからなる第2の絶縁層6を形成した。第2の絶縁層6は化学気相成長法を用いて0.0003mmの厚さで成膜した。
【0040】
次に、第2の絶縁層6上にポジ型の有機樹脂からなる第4のレジスト24を塗布した。その後、図3(l)に示すように、露光・現像を実施して露光部の第4のレジスト24を部分的に除去した。
【0041】
次に、図3(m)に示すように、第4のレジスト24をマスクとして用い、ドライエッチング法により第2の絶縁層6を部分的に選択除去した。その後、第4のレジスト24を除去した。第2の絶縁層6を部分的に除去して形成された開口の底部には配線材20a’が露出している。
【0042】
以上の工程により、図3(m)に示すように、吐出エネルギー発生素子3、抵抗素子4、及び基板接地部16を有する基板1が完成した。以下、図3(m)に示される構成を有する基板をヒータボード基板とも称す。
【0043】
次に、図4(n)に示すように、後の工程で電解めっき法により金属配線13を形成するための下準備として、シード層25をスパッタ法により形成した。シード層25は2層からなり、それらの材料としては、下層に高融点金属であるチタンタングステンを、上層に金を用いた。このような構成とすることにより、上層のAu原子が下地の基板側に拡散することを防止することができる。
【0044】
次に、シード層25上にポジ型の有機樹脂からなる第5のレジスト26を塗布した後、図4(o)に示すように、露光・現像により露光部の第5のレジスト26を部分的に除去した。
【0045】
次に、図4(p)に示すように、電解めっき法を用いて金属配線13を形成した。金属配線13としては、電気抵抗が低く、耐腐食性に優れることから、金を材料として用いた。本実施例では金を用いたが、銀、銅、ニッケルなどの電気抵抗の低い材料を用いても良い。また、金属配線は単一の材料からなる単一膜で構成されても良く、複数の材料からなる合金膜で構成されてもよい。また、場合によっては、複数の層からなる積層膜で構成されても良い。
【0046】
次に、図4(q)に示すように、第5のレジスト26を除去した。
【0047】
次に、ウェットエッチング法によりシード層25を除去し、図4(r)に示すように、金属配線13が完成した。ここで、シード層の上層を構成する金の除去には、ヨウ素、ヨウ化カリウムを含有するエッチング液を用いた。また、シード層の下層を構成するチタンタングステンの除去には、過酸化水素水を用いた。
【0048】
次に、図5(s)に示すように、ヒータボード基板の最表面に密着向上層7及び型材17を形成した。密着向上層7は、ヒータボード基板の最表面にスピンコート法により密着向上材料を塗布し、ドライエッチング法により選択的に除去することにより流路壁部材8を形成する領域に配置した。インク流路の型となる型材17は、溶解可能なポジ型感光性樹脂材料をスピンコート法により塗布し、露光・現像することにより形成した。型材17の厚みは14μmであった。
【0049】
型材17の材料としては、後の工程で被膜する有機樹脂材料との相溶が少なく、その後の工程で容易に除去することが可能で、かつ、後の工程における金属膜の形成時にデガスのおこらない材料という観点から、ポリメチルイソプロペニルケトンを用いた。
【0050】
次に、ネガ型感光性樹脂材料をスリットコート法により塗布し、露光・現像することで、図5(t)に示すように、流路壁部材8を15μmの厚みで形成した。流路壁部材8には、型材17の材料との相溶がないことに加え、インクに対する耐腐食性、基板との密着性、外部衝撃への強度、ならびにパターニング高精度性等が要求される。流路壁部材8の材料としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエーテルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネイト樹脂、又はポリエステル樹脂等を用いることができる。エポキシ樹脂としては、例えば、EHPE−3150(商品名、ダイセル化学社製)が挙げられる。該工程で得られる金属配線13と流路形成部材8の側壁とは接している。
【0051】
次に、図5(u)に示すように、最表面に金属膜12をスパッタ法により2μmの厚みで成膜した。金属膜12としては電気抵抗が低く、インクに対する耐腐食性に優れる膜が望ましく、本実施例においては、金(2.05μΩcm、0℃)を用いた。なお、金属膜12の成膜方法として本実施例においてはスパッタ法を用いたが、真空蒸着法、イオンプレーティング法による物理蒸着でも良い。金属膜12は、型材の上であって吐出口を形成する領域から金属配線13に延展するように、型材17、流路壁部材8、及び金属配線13の上に配置された。
【0052】
次に、金属膜12上にポジ型の有機樹脂からなる第6のレジスト28を塗布した。その後、図5(v)に示すように、露光・現像を実施して露光部の第6のレジスト28を選択的に除去した。
【0053】
次に、第6のレジスト28をマスクとして用い、ウェットエッチング法により金属膜12を選択的に除去し、第1の開口を有する金属膜12を形成した。その後、図5(w)に示すように、第6のレジスト28を除去することで、金属膜12を形成した。金属膜12は、流路壁部材8、型材17、及び金属配線13の上に配置されている。金属膜12は、金属配線13及び配線材20a’を介して抵抗素子4と電気的に接続されている。また、金属膜12は、型材17の上の一部分に第1の開口を有し、該第1の開口が吐出口の一部を形成することとなる。
【0054】
次に、ネガ型感光性樹脂材料をスリットコート法により塗布し、露光・現像することにより、図5(x)に示すように、吐出口10を構成する吐出口部材9を形成した。吐出口10は、金属膜12に設けられた第1の開口と、吐出口部材に設けられた第2の開口とで構成されている。ネガ型感光性樹脂材料としては、型材17の材料との相溶がないことに加え、インクに対する耐腐食性、基板との密着性、外部衝撃への強度、ならびにパターニング高精度性が要求される。本実施例においては、流路壁部材8と同じ材料を用いた。
【0055】
次に、型材17を除去することによって、図5(x)に示すように、インクジェット記録ヘッドを完成させた。
【0056】
上記の製造方法により、吐出口10の側面に、金属膜12の一部が露出するインクジェット記録ヘッドを提供することができる。このインクジェット記録ヘッドにおいて、吐出口10から進入した静電気は、吐出口10の側面に露出する(又は吐出口10の一部を構成する)金属膜12に引き込まれる。引き込まれた静電気は金属膜12から金属配線13を伝い、ヒータボード基板1中の配線22a’を通って抵抗素子4で熱に変換されて消費される。したがって、静電気が基板に到達することで起こりうる基板へのダメージを抑制することができ、信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【0057】
(実施例2)
図6は、本実施例の後半部分の工程を説明するための概略工程図であり、ヒータボード基板1を形成した工程以降の工程を示す図である。ヒータボード基板1は、実施例1と同様にして形成した。
【0058】
まず、実施例1に示す手順に沿って、図2〜図3の順でヒータボード基板1を作製した。
【0059】
次に、ヒータボード基板の最表面にスピンコート法により密着向上材料を塗布し、ドライエッチング法により部分的に選択除去することで、図6(n)に示すように、流路壁部材8を形成する領域に密着向上層7を形成した。また、溶解可能なポジ型感光性樹脂材料をスピンコート法により塗布し、露光・現像して、図6(n)に示すように、型材17を14μmの厚みで形成した。型材17の材料としては、後の工程で被膜する有機樹脂材料との相溶が少なく、その後の工程で容易に除去することが可能で、かつ、後の工程における金属膜の形成時にデガスのおこらない材料という観点から、熱可塑性樹脂を用いた。
【0060】
次に、ネガ型感光性樹脂材料をスリットコート法により塗布し、露光・現像することで、図6(o)に示すように、流路壁部材8を15μmの厚みで形成した。流路壁部材8の材料には、型材17の材料との相溶がないことに加え、インクに対する耐腐食性、基板との密着性、外部衝撃への強度、ならびにパターニング高精度性が要求される。流路壁部材8としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエーテルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエステル樹脂等を用いることができる。
【0061】
ここで、本実施例における流路壁部材8としては、従来のインク流路壁としての役割を果たすと共に、後の工程で形成する金属配線13の形状を決定する部材としての役割も同時に持たせた。すなわち、流路壁部材8に配線材22a’が底部に露出するように開口部を設け、この開口部に金属配線13を配置した。つまり、金属配線13は流路壁部材の内部に配置される構成とした。
【0062】
続いて、図6(p)に示すように、無電解めっき法により、流路壁部材8に設けた前記開口に金属配線13を形成した。無電解めっき法は、めっき液中に含まれる還元剤が酸化した時に発生する電子を用いて、金属を析出させる手法である。下地の種材料とめっき液を選択することによって、電解めっきのようにシード層やコンタクト電極を設けることなく、金属形成が可能である。本実施例においては、下地の種材料として配線材22a’のアルミニウムを利用し、めっき液としてニッケルめっき液および金めっき液を選択した。詳細な形成方法としては、まず、配線14の最表面を覆う不均一な自然酸化膜を除去した。その後、硝酸に浸すことで配線14の最表面に均一な酸化膜を形成した。次に、亜鉛を含有する薬液中に配線14を接触させることにより、アルミニウム−亜鉛の置換反応を利用して配線14上に亜鉛粒子を形成した。ここで、一旦、硝酸に浸して亜鉛粒子を除去した後、亜鉛を含有する薬液中に再び浸漬することで、均一で細かな亜鉛粒子を形成した。続いて、ニッケルイオンを含むめっき液中に浸漬することで配線14上にニッケルめっきを形成した。このニッケルめっき形成は、初期段階において亜鉛−ニッケル置換反応によって配線上にニッケル薄膜が形成され、続いてニッケルめっき液に含まれる還元剤の酸化反応をトリガーにしてニッケル薄膜上にニッケル厚膜が形成されることで達成される。ニッケルの析出レート0.3μm/minで50minのニッケル析出処理を行い、15μmの厚さのニッケルめっきを形成した。次に、金イオンを含む置換めっき液中に浸漬することで、ニッケル−金置換反応を利用して、ニッケル上を被覆する0.03〜0.05μmの金薄膜を形成させた。
【0063】
次に、最表面にスパッタ法により金属膜を2μm厚みで成膜した後、レジストを塗布・露光・現像し、ウェット処理により選択的にエッチング除去することで、図6(q)に示すように、金属膜12を形成した。なお、この工程フローは実施例1で詳述した金属膜の工程フローと同様であることから、詳細な記述を省略することとする。金属膜12は、型材17の上であって吐出口が形成される領域から金属配線13に延展するように、型材17、流路壁部材8、及び金属配線13の上に形成した。
【0064】
金属膜12としては、電気抵抗が低く、インクに対する耐腐食性に優れる膜が望ましく、本実施例においては、金(2.05μΩcm 0℃)とした。なお、金属膜の成膜方法として本実施例においてはスパッタ法を用いたが、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の物理蒸着でも良い。
【0065】
続いて、ネガ型感光性樹脂材料をスリットコート法により塗布し、露光・現像して、図6(r)に示すように、インク吐出口10を構成する吐出口部材9を形成した。ネガ型感光性樹脂材料には、型材17の材料との相溶がないことに加え、インクに対する耐腐食性、基板との密着性、外部衝撃への強度、ならびにパターニング高精度性が要求される。本実施例においては、前述の流路壁部材8と同じ材料を用いた。続いて、図6(r)に示すように、型材17を除去することによって、インクジェット記録ヘッドを完成させた。
【0066】
本実施例の製造方法によれば、流路壁部材8が、金属配線13を形成する際の型の役割を兼ねることから、金属配線13の形成工程を簡略化でき、安価にインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【0067】
(実施例3)
図7は、本実施例の後半部分の工程を説明するための概略工程図であり、ヒータボード基板1を形成した工程以降の工程を示す図であるヒータボード基板1は、実施例1と同様にして作製した。
【0068】
まず、実施例1に示す手順に沿って、図2〜図3の順でヒータボード基板1を作製した。
【0069】
次に、ヒータボード基板の最表面にスピンコート法により密着向上材料を塗布し、ドライエッチング法により選択的に除去することで、図7(n)に示すように、密着向上層7を形成した。続いて、溶解可能なポジ型感光性樹脂材料をスピンコート法により塗布し、露光・現像して、図7(n)に示すように、型材17を14μmの厚みで形成した。型材17の材料としては、後の工程で被膜する有機樹脂材料との相溶が少なく、その後の工程で容易に除去することが可能で、かつ、後の工程における金属膜の形成時にデガスのおこらない材料という観点から、熱可塑性樹脂を用いた。
【0070】
次に、ネガ型感光性樹脂材料をスリットコート法により塗布し、露光・現像することで、図7(o)に示すように、流路壁部材8を15μmの厚みで形成した。流路壁部材8には、型材17の材料との相溶がないことに加え、インクに対する耐腐食性、基板との密着性、外部衝撃への強度、ならびにパターニング高精度性が要求される。流路壁部材8としては、例えば、エポキシ樹脂)、ポリエーテルアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリエステル樹脂等を用いることができる。
【0071】
次に、最表面にスパッタ法により金属膜を4μm厚みで成膜した後、レジストを塗布・露光・現像し、ウェット処理により選択的にエッチング除去することで、図7(p)に示すように、金属膜12を形成した。なお、この工程フローは実施例1で詳述した金属膜12の工程フローと同様であることから、ここでは詳細な記述を省略することとする。本実施例では、金属膜12が配線材22a’と直接接続している。また、金属膜12は、流路壁部材8の側壁にも形成される。
【0072】
金属膜12としては、電気抵抗が低く、インクに対する耐腐食性に優れる膜が望ましく、本実施形態においては、金(2.05μΩcm、0℃)とした。なお、金属膜の成膜方法として本実施例においてはスパッタ法を用いたが、真空蒸着法、イオンプレーティング法による物理蒸着でも良い。
【0073】
次に、ネガ型感光性樹脂材料をスリットコート法により塗布し、露光・現像して、インク吐出口10を有する吐出口部材9を形成した。ネガ型感光性樹脂材料には、型材17の材料との相溶がないことに加え、インクに対する耐腐食性、基板との密着性、外部衝撃への強度、ならびにパターニング高精度性が要求される。本実施例においては、前述の流路壁部材8と同じ材料を用いた。
【0074】
次に、図7(q)に示すように、型材17を除去することによって、インクジェット記録ヘッドを完成させた。
【0075】
本実施例の製造方法によれば、金属配線13を形成する必要がないことから、工程を簡略化でき、安価にインクジェット記録ヘッドを提供することができる。
【符号の説明】
【0076】
9:第2の有機樹脂層
10:インク吐出口
12:金属膜
13:金属配線
14:配線
15:抵抗体
16:基板接地構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子を有する基板と、前記液体を吐出する吐出口及び該吐出口に連通する液体流路を構成する流路形成部材と、を備える液体吐出ヘッドであって、
前記流路形成部材に配置された導電膜と、
前記導電膜と電気的に接続された抵抗体と、
を備える液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記導電膜は静電気を引き込み、前記抵抗体は該導電膜により引き込まれた静電気を消費する請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記導電膜は、少なくとも一部が前記吐出口の周囲に配置されている請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記導電膜は、少なくとも一部が前記吐出口の側面に露出している請求項1乃至3のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記導電膜は、少なくとも一部が前記吐出口の前記液体流路側の開口を構成している請求項1乃至4のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記流路形成部材は、前記液体流路の側壁を構成する流路壁部材と、該流路壁部材の上側に配置されかつ前記吐出口及び前記液体流路の上壁を構成する吐出口部材と、を含み、
前記導電膜は、前記流路壁部材と前記吐出口部材との間に配置されている請求項1乃至5のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記導電膜は、前記液体流路の上壁に露出している請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記抵抗体は、前記基板上に形成されている請求項1乃至7のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記抵抗体は、前記流路形成部材が形成されている領域以外の領域に形成されている請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
前記抵抗体は、配線材及びヒータ材を含む積層構造により構成される抵抗素子である請求項8又は9に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項11】
前記抵抗素子は、前記吐出エネルギー発生素子に用いられる材料と同一材料で構成されている請求項10に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項12】
前記導電膜は、前記流路形成部材の側壁又は内部に設けられた金属配線を介して、前記抵抗素子を構成する前記配線材と電気的に接続されている請求項10又は11に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項13】
前記金属配線は、前記導電膜よりも電気抵抗が低い請求項12に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項14】
前記導電膜は、前記抵抗素子を構成する前記配線材と直接接続されている請求項10又は11に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項15】
前記導電膜は、少なくとも一部が前記流路壁部材の側壁に形成されており、前記吐出口の周囲から前記抵抗素子を構成する前記配線材に到達するまで延展している請求項14に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項16】
前記導電膜は、金属膜である請求項1乃至15のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項17】
前記抵抗体は、前記基板に少なくとも1つ設けられている請求項1乃至16のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
【請求項18】
液体を吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子を有する基板と、前記液体を吐出する吐出口及び該吐出口に連通する液体流路を構成する流路形成部材と、を備え、
前記流路形成部材は、前記液体流路の側壁を構成する流路壁部材と、前記吐出口及び前記液体流路の上壁を構成する吐出口部材と、を含む液体吐出ヘッドの製造方法であって、
(1)抵抗素子と前記吐出エネルギー発生素子とを有する前記基板を用意する工程と、
(2)前記基板上に、前記液体流路の型となる型材と、前記流路壁部材とを形成する工程と、
(3)前記型材及び前記流路壁部材の上に、前記抵抗素子と電気的に接続される導電膜を形成する工程と、
(4)前記導電膜の上に前記吐出口部材を形成する工程と、
(5)前記型材を除去する工程と、
を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項19】
前記抵抗素子は、配線材及びヒータ材を含む積層構造により構成される抵抗素子である請求項18に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項20】
前記抵抗素子は、前記吐出エネルギー発生素子に用いられる材料と同一材料で構成される請求項19に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項21】
前記抵抗素子は、前記流路壁部材が形成される領域以外の領域に形成されている請求項19又は20に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項22】
前記工程(2)は、さらに、前記抵抗素子を構成する前記配線材に電気的に接続する金属配線を形成する工程を含み、該工程(2)で得られる前記金属配線と前記流路形成部材の側壁とは接しており、
前記工程(3)は、前記型材の上であって前記吐出口を形成する領域から前記金属配線に延展するように、前記型材、前記流路壁部材、及び前記金属配線の上に前記導電膜を形成する工程である請求項19乃至21のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項23】
前記金属配線は、電解めっき法により形成される請求項22に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項24】
前記工程(2)は、さらに、前記基板上であって前記流路壁部材の内部に、前記抵抗素子を構成する前記配線材に電気的に接続する金属配線を形成する工程を含む請求項19乃至21のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項25】
前記金属配線は、前記流路壁部材に設けられかつ前記抵抗素子を構成する前記配線材を底部に露出する開口部の内部に形成される請求項24に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項26】
前記工程(3)は、前記型材の上であって前記吐出口を形成する領域から前記金属配線に延展するように、前記型材、前記流路壁部材、及び前記金属配線の上に前記導電膜を形成する工程である請求項24又は25に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項27】
前記金属配線は、前記開口部の内部に無電解めっき法により形成される請求項24乃至26のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項28】
前記金属配線は、金、銀、及びニッケルのうち少なくとも1種を含む請求項22乃至27のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項29】
前記金属配線を、前記導電膜よりも電気抵抗が低い材料を用いて形成する請求項22乃至28のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項30】
前記工程(3)において、前記導電膜は、前記流路壁部材の側壁及び前記抵抗素子を構成する前記配線材の上にも形成される請求項21に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項31】
前記工程(3)において、前記吐出口の一部を構成する第1の開口を前記導電膜に設けておき、
前記工程(4)において、前記第1の開口に連通するように前記吐出口部材に第2の開口を設け、前記吐出口を形成する請求項18乃至30のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項32】
前記工程(3)において、前記導電膜は、金属を材料として用いたスパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、又はめっき法により成膜される請求項18乃至31のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−125968(P2012−125968A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278125(P2010−278125)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】