説明

液体吐出組立体

【課題】カートリッジと吐出端部の結合の不具合を改良する。
【解決手段】カートリッジ12とリテーナ14とを具備してなる吐出組立体10である。カートリッジ12は、吐出端部24を具備し、液体を保持するためのリザーバ22を形成している。吐出端部24は、コネクタ部分26を具備し、回転結合にて端部取付具を受け入れる。リテーナ14は、第1の開端部34を具備し、カートリッジ12を受けて、端部取付具の結合を許容する態様にて、コネクタ部分26を第1の開端部34に連通させる。リテーナ14は、カートリッジ12とリテーナ14との間の相対的回転を防ぐ態様にて、カートリッジ12と結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、液体材料を吐出する分野に関し、より詳しくは、吐出組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
様々なタイプの吐出装置が、多くの産業において、液体を、例えば、接着剤、相似被覆材料、半田ペースト、半田フラックスおよび類似の材料を、組立工程又は他の工程中に、基板上に配置するために、使用されている。あるタイプの液体吐出組立体は、本体を具備し、吐出すべき液体の供給源を保持するためのリザーバを備えたカートリッジを形成している。端部取付具、例えば、シリンジ吐出チップ又はその他の取付具は、リザーバに連通する1つの端部にて、カートリッジに結合される。リザーバ内に配置されたピストンは、リザーバ内の液体を加圧するように可動になっており、それにより、液体を基板上に吐出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
代表的に、シリンジの吐出チップなどの端部取付具は、回転結合にてカートリッジのコネクタ部分に結合される。例えば、この結合は、代表的には、ねじタイプの結合である。端部取付具をカートリッジにおけるコネクタ部分にしっかりと回転させるために、ユーザは、しばしば、例えば、一対のプライヤなどの工具を用いて、カートリッジのコネクタ部分をきつく把持する。これは、カートリッジに不都合な応力を引き起こし、端部取付具をカートリッジに結合するのを困難にし得る。加えて、カートリッジは、代表的に、リテーナ内に保持され、リテーナもまた、一般的にカートリッジ形状又は円筒形になっている。次に、チップとは反対側のリテーナの端部にて、保持キャップを使用して、カートリッジを所定位置にしっかりと保持する。また、保持キャップは、例えば、ピストンを動かすために使用される空気など、加圧流体のための入口ポートを提供する。しばしば、リテーナの開端部を通して延びる、カートリッジにおけるコネクタ部分上にて端部取付具を回転させるとき、カートリッジは、リテーナの内部にて回転する傾向がある。これは、さらに、端部取付具を締め付ける際の問題点を悪化させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、1つの例示的な実施形態においては、一般的に、カートリッジとリテーナとを具備してなる吐出組立体を備えている。カートリッジは、吐出端部を有し、液体を保持するためのリザーバを内部に形成している。吐出端部は、コネクタ部分を具備し、回転結合にて端部取付具を受け入れる。リテーナは、第1の開端部を具備し、カートリッジを受入れ、コネクタ部分は、端部取付具を結合できる態様にて、第1の開端部に連通する。リテーナは、カートリッジとリテーナとの間の相対的回転を防ぐ態様にて、カートリッジと結合される。
【0005】
吐出組立体に組み込まれるその他の観点としては、例えば、コネクタ部分は、端部取付具に関連した雄ねじに取り付けられる、雌ねじを具備している。リテーナにおける第1の開端部の内面は、上述した態様にて、すなわち、カートリッジとリテーナとの間の相対的回転を防ぐ態様にて、コネクタ部分の外面に取り付けられる。例えば、第1の開端部の内面と、コネクタ部分の外面とは、六角形の平坦部分などの合致部分を有している。吐出組立体はさらに、キャップを備え、リテーナにおける第2の開端部に着脱可能に取り付けられる。吐出組立体は、様々な形態を呈するけれども、例えば、カートリッジはさらにピストンを具備する。この場合、キャップは、入口ポートを具備し、加圧流体を受入れて、加圧流体をリザーバの中へ導き、液体を吐出するためにピストンを動かす。
【0006】
様々な追加的な特徴及び利点については、添付図面と関連させて、例示的な実施形態の以下の詳細な説明を検討することで明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】例示的な実施形態に従って構成された、吐出組立体を示した分解斜視図である。
【図2】図1に示した吐出組立体を示した組立斜視図であって、さらに、端部取付具又は吐出チップを具備している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1及び図2を参照すると、多数の可能な実施形態のうちの1つである、吐出組立体10が示され、これは、一般的に、カートリッジ12とリテーナ14とキャップ16とを具備している。カートリッジ12は、より詳しくは、本実施形態において、吐出すべき液体(図示せず)を保持するためのリザーバ22の内部に、可動なピストン20を,具備又は収容している。カートリッジ12は、コネクタ部分26を備えた吐出端部24と、反対側の開端部28とを具備している。コネクタ部分26は、回転結合を備えた端部取付具30を受ける。この目的のために、コネクタ部分26は、雌ねじ32を具備し、端部取付具30の雄ねじ33と螺合するが、代わりに、そのような結合を容易にする様々な手段を使用できる。
【0009】
リテーナ14は、第1の開端部34と第2の開端部36とを具備している。リテーナ14は、カートリッジ12を受入れ、コネクタ部分26が、端部取付具30と結合できる態様にて、第1の開端部34と連通するようになっている。図示の実施形態においては、例えば、コネクタ部分26は、図2に示す如く露出されるように、第1の開端部34を延通する。
【0010】
カートリッジ12とリテーナ14との間は結合されて、カートリッジ12とリテーナ14との間の相対的回転は防がれる。図示の実施形態においては、この結合は、六角形の外面の形態を呈し、コネクタ部分26における平坦部分40によって形成され、対応する内側の六角形の表面は、リテーナ14の第1の開端部34にて平坦部分42を形成している。従って、図2を見直せば分かるように、合致又は係合する六角形の表面40,42は、カートリッジ12とリテーナ14との間の相対的回転を防いでいる。このように、コネクタ部分26上での端部取付具30の回転は、リテーナ14に対してカートリッジ12を回転させる傾向を持たない。さらに、コネクタ部分26は、六角形又は正方形のレンチ又は類似の工具にて把持され、コネクタ部分26に大きな把持応力をなんら与えることがない。カートリッジ12とリテーナ14との間の相対的回転を防ぐためには、他の方法も使用でき、コネクタ部分26は図示のように第1の開端部34を延通する必要も無いことを認識されたい。カートリッジ12とリテーナ14との間には、他のタイプの係合要素又は表面を代わりに使用してもよい。
【0011】
キャップ16は、結合構造52を具備し、リテーナ14の第2の開端部36の対応する結合構造54に、回転式に係合し、締め付けて、ロックするように構成されている。従って、キャップ16は、図2に示すように、軽く結合されて、リテーナ14にロック及びシールされる。この結合された構成においては、加圧流体は、リザーバ22に連通するキャップ16の入口ポート56の中に導かれる。このように、空気などの加圧流体は、リザーバ22の中に導かれ、ピストン20を動かすために、ピストン20の片側を押圧する。これは、ピストン20の反対側にて、リザーバ22内の液体を加圧し、端部取付具30を通して吐出される。加圧流体は、導管(図示せず)を直接通り、キャップ16の取付具60に適切に結合されて、入口ポート56と、カートリッジ12の開端部28とに連通する。
【0012】
本発明について、実施形態の説明によって例示したけれども、また、この実施形態はいくらか詳しく説明されたけれども、出願人は、特許請求の範囲をそのような詳細に限定し又はなんらかの制限をする意図ではない。追加的な利点及び変更は、当業者にとって容易に明らかになる。本願において開示された様々な特徴は、ユーザの要望及び好みに応じて、単独で又は任意の組合せにおいて使用できる。これは、本発明の例示的な観点と実施形態との説明と共に、現在知られている本発明の好ましい実施方法である。しかしながら、発明自体は、特許請求の範囲によってのみ定められるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出組立体であって、この組立体が、
カートリッジであって、吐出端部を有し、液体を保持するためのリザーバを内部に形成し、前記吐出端部が、回転結合にて端部取付具を受けるためのコネクタ部分を具備している、上記カートリッジと、
リテーナであって、第1の開端部を具備し、前記リテーナは前記カートリッジを受入れて、前記コネクタ部分を、端部取付具の結合を可能にする方法にて、前記第1の開端部と連通させ、前記リテーナは、前記カートリッジと前記リテーナとの間の相対的回転を防ぐ態様にて、前記カートリッジに結合される、上記リテーナと、
を備えていることを特徴とする吐出組立体。
【請求項2】
請求項1に記載の吐出組立体であって、
前記コネクタ部分は、端部取付具に関連した雄ねじと螺合するための雌ねじを具備し、前記リテーナにおける前記第1の開端部の内面は、前記カートリッジと前記リテーナとの間の相対的回転を防ぐ態様にて、前記コネクタ部分の外面に取り付けられることを特徴とする吐出組立体。
【請求項3】
請求項1に記載の吐出組立体であって、
前記リテーナにおける前記第1の開端部の内面は、前記カートリッジと前記リテーナとの間の相対的回転を防ぐ態様にて、前記コネクタ部分の外面に取り付けられることを特徴とする吐出組立体。
【請求項4】
請求項3に記載の吐出組立体であって、
前記第1の開端部の内面と、前記コネクタ部分の外面とは、合致する平坦部分を有していることを特徴とする吐出組立体。
【請求項5】
請求項4に記載の吐出組立体であって、
前記第1の開端部の内面と、前記コネクタ部分の外面とは、それぞれ、六角形である外面及び内面として構成されていることを特徴とする吐出組立体。
【請求項6】
請求項1に記載の吐出組立体であって、
吐出組立体はさらに、キャップを備え、前記リテーナはさらに、第2の開端部を具備し、前記第2の開端部は、前記キャップに着脱可能に結合されるべく構成されていることを特徴とする請求項1に記載の吐出組立体。
【請求項7】
請求項6に記載の吐出組立体であって、
前記カートリッジはさらに、ピストンを収容し、前記キャップは、入口ポートを具備し、加圧流体を受け入れると共に、加圧流体を前記リザーバの中へ導き、液体を吐出するためにピストンを移動させることを特徴とする吐出組立体。
【請求項8】
請求項1に記載の吐出組立であって、
吐出組立体はさらに、前記コネクタ部分に着脱可能に結合された、前記端部取付具を備えていることを特徴とする吐出組立体。
【請求項9】
吐出組立体であって、この組立体が、
カートリッジであって、吐出端部を有し、液体を保持するためのリザーバを内部に形成し、前記リザーバが、ピストンを具備し、前記吐出端部が、コネクタ部分を具備し、回転結合にて端部取付具を受け入れる、上記カートリッジと、
リテーナであって、第1の開端部を具備し、前記リテーナは前記カートリッジを受入れて、前記コネクタ部分は、前記第1の開端部を通って延び、端部取付具の結合を許容し、前記第1の開端部の内面と、前記コネクタ部分の外面とは、前記カートリッジと前記リテーナとの間の相対的回転を防ぐ態様にて、互いに係合する、上記リテーナと、
を備えていることを特徴とする吐出組立体。
【請求項10】
請求項9に記載の吐出組立体であって、
前記コネクタ部分は、端部取付具に関連した雄ねじと螺合するための雌ねじを具備していることを特徴とする吐出組立体。
【請求項11】
請求項10に記載の吐出組立体であって、
前記第1の開端部の内面と、前記コネクタ部分の外面とは、合致する平坦部分を有していることを特徴とする吐出組立体。
【請求項12】
請求項11に記載の吐出組立体であって、
前記第1の開端部の内面と、前記コネクタ部分の外面とは、それぞれ、六角形である外面及び内面として構成されていることを特徴とする吐出組立体。
【請求項13】
請求項9に記載の吐出組立体であって、
吐出組立体はさらに、キャップを備え、前記リテーナはさらに、第2の開端部を具備し、前記第2の開端部は、前記キャップに着脱可能に結合されるべく構成されていることを特徴とする吐出組立体。
【請求項14】
請求項13に記載の吐出組立体であって、
前記キャップは、入口ポートを具備し、加圧流体を受け入れると共に、加圧流体を前記リザーバの中へ導き、液体を吐出するためにピストンを移動させることを特徴とする吐出組立体。
【請求項15】
請求項9に記載の吐出組立体であって、
吐出組立体はさらに、前記コネクタ部分に着脱可能に結合された、前記端部取付具を備えていることを特徴とする吐出組立体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−207808(P2010−207808A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−36979(P2010−36979)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】