説明

液体吐出装置のクリーニング制御方法および液体吐出装置

【課題】ノズルから吐出される液滴の無駄な消費を抑制しつつ、回復可能な故障ノズルを回復させることが可能な液体吐出装置のクリーニング制御方法を提案する。
【解決手段】液滴吐出用の複数のノズルの中に液滴を吐出しない故障ノズルが存在するドット抜けの発生時に、ドット抜けを解消するためのクリーニングを行う液体吐出装置は、故障ノズルの有無を検査するとともに、この検査の結果と、予め記憶された故障ノズルの情報である故障ノズル情報とに基づいて、クリーニングの要否を判定するクリーニング制御を実行する。このクリーニング制御では、クリーニングの要否を判定した結果、クリーニングが必要であると判定されると、クリーニングを行って、再び、故障ノズルの有無を検査する。また、クリーニングの要否を判定した結果、クリーニングが不要であると判定されると、クリーニングを行わずにクリーニング制御が終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出用の複数のノズルが配列される液体吐出ヘッドを有する液体吐出装置のクリーニング制御方法、および、液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンターは、インク滴を吐出する複数のノズルを有する印刷ヘッドを備えており、印刷ヘッドは、複数のノズルが配列されるノズル形成面が下向きになるようにキャリッジに搭載されている。従来、この種のインクジェットプリンターとして、キャリッジの下面に露出する印刷ヘッドの保守を行うためのヘッドメンテナンス機構を備えるインクジェットプリンターが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のインクジェットプリンターでは、ヘッドメンテナンス機構は、ノズルをクリーニングするためのクリーニング機構を備えている。クリーニング機構は、ノズル形成面を拭き取るためのワイピング機構やノズルからインクを吸引するためのインク吸引機構等によって構成されている。また、ヘッドメンテナンス機構は、複数のノズルからインク滴が吐出されるか否かを検査する(すなわち、目詰まりを起こしているノズルがあるか否かを検査する)インク滴吐出検査装置としての機能も兼ね備えている。ヘッドメンテナンス機構では、ヘッドメンテナンス機構内に配置される吸収材にノズルから吐出される帯電インクが着弾する際の電流変化に基づいて、複数のノズルからインク滴が吐出されるか否かの検査が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−190282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のインクジェットプリンターでは、所定枚数の印刷用紙への印刷ごとに、インク滴吐出検査装置によるインク滴吐出検査が行われる。また、インク滴吐出検査の結果、インクを吐出していない故障ノズルが存在するドット抜けの発生が確認されると、ドット抜けを解消するために、クリーニング機構によるクリーニングが行われる。
【0006】
しかしながら、異物等によってノズルが詰まっているような場合には、クリーニングを複数回行っても故障ノズルは回復せず、ドット抜けが解消しない可能性が高い。このようにドット抜けが解消しない可能性が高い場合に、インクの吸引動作等のインクの消費を伴うクリーニングが繰り返されると、インクが無駄に消費されてしまう。ここで、クリーニングを複数回行っても故障ノズルが回復しない場合には、ユーザーの判断で、インク滴吐出検査を無効にして以降のクリーニングが行われないようにする方法もある。しかしながら、インク滴吐出検査を無効にすると、それ以降にドット抜けが発生してもクリーニングが行われないため、本来回復するはずの故障ノズルを回復させることができない。
【0007】
そこで、本発明の課題は、ノズルから吐出される液滴の無駄な消費を抑制しつつ、回復可能な故障ノズルを回復させることが可能な液体吐出装置のクリーニング制御方法、および、液体吐出装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明は、液滴吐出用の複数のノズルの中に液滴を吐出しない故障ノズルが存在するドット抜けの発生時に、前記ドット抜けを解消するためのクリーニングを行う液体吐出装置のクリーニング制御方法であって、前記故障ノズルの有無を検査する故障ノズル検査ステップと、前記故障ノズル検査ステップでの検査結果と、予め記憶された前記故障ノズルの情報である故障ノズル情報とに基づいて、前記クリーニングの要否を判定するクリーニング要否判定ステップとを有するクリーニング制御を実行し、前記クリーニング制御では、前記クリーニング要否判定ステップで前記クリーニングが不要であると判定された場合に、前記クリーニングを行わずに前記クリーニング制御が終了することを特徴とする。
【0009】
本発明の液体吐出装置のクリーニング制御方法では、ドット抜けを解消するためのクリーニングの要否を判定するクリーニング要否判定ステップにおいて、故障ノズルの有無を検査する故障ノズル検査ステップでの検査結果と、予め記憶された故障ノズルの情報である故障ノズル情報とに基づいて、クリーニングの要否を判断している。そのため、故障ノズル情報に基づいて回復不可能であると推測される故障ノズル以外の故障ノズルが故障ノズル検査ステップで検出されない場合に、クリーニング要否判定ステップでクリーニングが不要であると判定すれば、回復不可能な故障ノズルに対する無駄なクリーニングを回避して、ノズルから吐出される液滴の無駄な消費を抑制することが可能になる。
【0010】
本発明において、故障ノズル検査ステップで検出された故障ノズルが回復不可能なノズルか否かを推測して、クリーニングの要否を判定するためには、前記クリーニング要否判定ステップでは、前記故障ノズル検査ステップでの検査結果と、予め記憶された前記故障ノズルの情報である故障ノズル情報とが一致している場合に、前記クリーニングが不要であると判定することが望ましい。
【0011】
本発明において、前記クリーニング制御では、前記クリーニング要否判定ステップで前記クリーニングが必要であると判定された場合に、前記クリーニングを行って、前記故障ノズル検査ステップへ戻ることが望ましい。このようにすれば、故障ノズル情報に基づいて回復不可能であると推測される故障ノズル以外の故障ノズルが故障ノズル検査ステップで検出された場合に、クリーニングを行って、回復不可能であると推測される故障ノズル以外の故障ノズルを回復させることが可能になる。また、故障ノズル検査ステップにより、回復不可能であると推測される故障ノズル以外の故障ノズルの回復を確認できる。
【0012】
本発明において、前記故障ノズル情報は、前記故障ノズルの数の情報であり、前記故障ノズル検査ステップで検出された前記故障ノズルの数を第1故障ノズル数とし、前記故障ノズル情報に基づく前記故障ノズルの数を第2故障ノズル数とすると、前記クリーニング要否判定ステップでは、前記第1故障ノズル数と前記第2故障ノズル数とが同じである場合に、前記クリーニングが不要であると判定し、前記第1故障ノズル数と前記第2故障ノズル数とが異なる場合に、前記クリーニングが必要であると判定することが好ましい。すなわち、クリーニング要否判定ステップで、第1故障ノズル数と第2故障ノズル数とを比較することで、故障ノズル情報に基づいて回復不可能であると推測される故障ノズル以外の故障ノズルが故障ノズル検査ステップで検出されたか否かを推定することが好ましい。このように構成すると、故障ノズル情報が複数のノズルの中から故障ノズルを特定する情報であり、クリーニング要否判定ステップで、この故障ノズル情報に基づいて特定される故障ノズル以外の故障ノズルが存在するか否かによって、故障ノズル情報に基づいて回復不可能であると推測される故障ノズル以外の故障ノズルが故障ノズル検査ステップで検出されたか否かを判別する場合と比較して、制御を簡素化することができる。
【0013】
本発明において、前記クリーニング制御は、前記クリーニング要否判定ステップで前記クリーニングが必要であると判定された場合に、所定の第1回数の前記クリーニングが行われたか否かを判別するクリーニング回数判別ステップと、前記クリーニング回数判別ステップで、前記第1回数を超える前記クリーニングが行われたと判別された場合に、前記第1故障ノズル数を新たな前記第2故障ノズル数とする前記故障ノズル情報を記憶する故障ノズル情報記憶ステップとを有し、前記故障ノズル情報記憶ステップ後に前記クリーニングを行わずに前記クリーニング制御が終了し、前記故障ノズル情報記憶ステップで記憶された前記故障ノズル情報が次回の前記クリーニング制御における前記クリーニング要否判定ステップで利用されることが好ましい。このように構成すると、クリーニング制御では、第1回数以上のクリーニングが行われないため、回復可能性の低い故障ノズルに対して必要以上にクリーニングが行われるのを防止することができる。また、次回のクリーニング制御では、最新の故障ノズル情報に基づいて、クリーニングの要否を適切に判定することが可能になる。
【0014】
本発明において、前記クリーニング制御は、前記クリーニング回数判別ステップで、前記第1回数を超える前記クリーニングが行われていないと判別された場合に、前記故障ノズルの発生履歴が残っているか否か、および、前記第1回数よりも少ない第2回数を超える前記クリーニングが行われたか否かを判別する複合判別ステップを有し、前記複合判別ステップで、前記故障ノズルの発生履歴が残っており、かつ、前記第2回数を超える前記クリーニングが行われたと判別された場合に、前記故障ノズル情報記憶ステップを実行し、前記故障ノズル情報記憶ステップ後に前記クリーニングを行わずに前記クリーニング制御が終了することが好ましい。故障ノズルの発生履歴が残っている場合には、回復不可能な故障ノズルが次第に増えていくケースが想定されるため、このように構成すると、無駄なクリーニングを回避して、ノズルから吐出される液滴の無駄な消費を抑制することが可能になる。また、無駄なクリーニングを回避できるため、装置のスループットを高めることが可能になる。
【0015】
本発明において、前記クリーニング制御は、前記クリーニング回数判別ステップで、前記第1回数を超える前記クリーニングが行われたと判別された場合に、故障ノズル存在フラグをセットする故障ノズル存在フラグセットステップを有することが好ましい。このように構成すると、次回の前記クリーニング制御時に、前記複合判別ステップにおいて、前記故障ノズル存在フラグがセットされているか否かを判別することで、前記故障ノズルの発生履歴が残っているか否かを判別することができる。
【0016】
本発明では、たとえば、前記複合判別ステップで、前記故障ノズルの発生履歴が残っており、かつ、前記第2回数を超える前記クリーニングが行われたと判別された場合に、前記故障ノズル情報記憶ステップおよび前記故障ノズル存在フラグセットステップを実行し、前記故障ノズル情報記憶ステップおよび前記故障ノズル存在フラグセットステップ後に前記クリーニングを行わずに前記クリーニング制御が終了する。
【0017】
本発明において、前記クリーニング制御は、前記故障ノズル検査ステップで故障ノズルが検出されない場合に、前記第2故障ノズル数を0にリセットし、かつ、前記故障ノズル存在フラグをリセットするリセットステップを有していることが好ましい。故障ノズル検査ステップで故障ノズルが検出されない場合には、回復不可能な故障ノズルは存在しないことになるため、このように構成すると、次回のクリーニング制御時に故障ノズル検査ステップで故障ノズルが検出されたときに、所定回数のクリーニングを行って、回復可能な故障ノズルを回復させることが可能になる。
【0018】
本発明において、前記故障ノズル情報は、複数の前記ノズルの中から前記故障ノズルを特定するノズル特定情報であり、前記クリーニング要否判定ステップでは、前記故障ノズル情報に基づいて特定される前記故障ノズル以外の前記故障ノズルが前記故障ノズル検査ステップで検出されていれば、前記クリーニングが必要であると判定し、前記故障ノズル情報に基づいて特定される前記故障ノズル以外の前記故障ノズルが前記故障ノズル検査ステップで検出されていなければ、前記クリーニングが不要であると判定しても良い。この場合には、故障ノズル情報に基づいて特定される回復不可能な故障ノズルを除外してクリーニングの要否を判定することが可能になるため、回復不可能な故障ノズルに対する無駄なクリーニングを精度良く回避し、かつ、回復可能な故障ノズルに対するクリーニングを精度良く行うことが可能になる。したがって、ノズルから吐出される液滴の無駄な消費を効果的に抑制しつつ、回復可能な故障ノズルを効果的に回復させることが可能になる。
【0019】
本発明において、前記クリーニング制御は、前記クリーニング要否判定ステップで前記クリーニングが必要であると判定された場合に、所定の第1回数の前記クリーニングが行われたか否かを判別するクリーニング回数判別ステップと、前記クリーニング回数判別ステップで、前記第1回数を超える前記クリーニングが行われたと判別された場合に、前記故障ノズル検査ステップで特定された前記故障ノズルを前記故障ノズル情報として記憶する故障ノズル情報記憶ステップとを有し、前記故障ノズル情報記憶ステップ後に前記クリーニングを行わずに前記クリーニング制御が終了し、前記故障ノズル情報記憶ステップで記憶された前記故障ノズル情報が次回の前記クリーニング制御における前記クリーニング要否判定ステップで利用されることが好ましい。このように構成すると、クリーニング制御では、第1回数以上のクリーニングが行われないため、回復可能性の低い故障ノズルに対して必要以上にクリーニングが行われるのを防止することができる。また、次回のクリーニング制御では、最新の故障ノズル情報に基づいて、クリーニングの要否を適切に判定することが可能になる。
【0020】
本発明において、前記クリーニング制御は、前記故障ノズル検査ステップで、前記故障ノズル情報に基づいて特定される前記故障ノズルが液滴を吐出した場合に、この液滴を吐出した前記故障ノズルを除いた前記故障ノズルを特定する前記ノズル特定情報を新たな前記故障ノズル情報として記憶する故障ノズル情報更新ステップを有し、前記故障ノズル情報更新ステップ後に、前記クリーニング要否判定ステップを実行することが好ましい。このように構成すると、回復不可能と推測された故障ノズルが回復した場合に、更新された故障ノズル情報に基づいて、クリーニングの要否を適切に判定することが可能になる。
【0021】
また、上記の課題を解決するため、本発明の液体吐出装置は、液滴吐出用の複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、複数の前記ノズルの中に液滴を吐出していない故障ノズルが存在するドット抜けの発生の有無を検査する液滴吐出検査機構と、前記ドット抜けを解消するためのクリーニングを行うクリーニング機構と、前記故障ノズルの情報である故障ノズル情報を記憶可能な記憶手段と、複数の前記ノズルの中に液滴を吐出しない故障ノズルが存在するドット抜けの発生時に、上記のクリーニング制御方法により、前記クリーニング機構が前記クリーニングを行うか否かを制御するクリーニング機構制御手段とを有していることを特徴とする。
【0022】
本発明の液体吐出装置では、クリーニング機構制御手段は、ドット抜けの発生の有無を検査する液滴吐出検査機構での検査結果と、記憶手段に記憶されている故障ノズル情報とに基づいて、クリーニング機構がクリーニングを行うか否かを制御している。そのため、故障ノズル情報に基づいて回復不可能であると推測される故障ノズル以外の故障ノズルが液滴吐出検査機構での検査で検出されない場合に、クリーニングを行わないようにクリーニング機構制御手段がクリーニング機構を制御すれば、無駄なクリーニングを回避して、ノズルから吐出される液滴の無駄な消費を抑制することが可能になる。また、故障ノズル情報に基づいて回復不可能であると推測される故障ノズル以外の故障ノズルが液滴吐出検査機構での検査で検出された場合に、クリーニングを行うようにクリーニング機構制御手段がクリーニング機構を制御すれば、クリーニングを行って、回復可能な故障ノズルを回復させることが可能になる。
【0023】
本発明において、前記液体吐出ヘッドは、たとえば、インク滴吐出用の複数の前記ノズルを有するインクジェットヘッドである。この場合には、インクジェットヘッドを備える液体吐出装置において、ノズルから吐出されるインク滴の無駄な消費を抑制しつつ、回復可能な故障ノズルを回復させることが可能になる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ドット抜けを解消するためのクリーニングの要否を判定するクリーニング要否判定ステップにおいて、故障ノズルの有無を検査する故障ノズル検査ステップでの検査結果と、予め記憶された故障ノズルの情報である故障ノズル情報とに基づいて、クリーニングの要否を判断している。そのため、故障ノズル情報に基づいて回復不可能であると推測される故障ノズル以外の故障ノズルが故障ノズル検査ステップで検出されない場合に、クリーニング要否判定ステップでクリーニングが不要であると判定すれば、回復不可能な故障ノズルに対する無駄なクリーニングを回避して、ノズルから吐出される液滴の無駄な消費を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態にかかるインクジェットプリンターの外観斜視図。
【図2】インクジェットプリンターのプリンター機構部を示す概略斜視図。
【図3】ヘッドメンテナンスユニットを取り出して示す斜視図。
【図4】(A)はフラッシング動作時のインクジェットヘッドとヘッドキャップとの関係を示す図、(B)はインク吸引動作時のインクジェットヘッドとヘッドキャップとの関係を示す図。
【図5】ワイピング動作時のインクジェットヘッドとヘッドワイパーとの関係を示す図。
【図6】インク滴吐出検査時のインクジェットヘッドとヘッドキャップの関係を示す図。
【図7】インクジェットプリンターの制御部の一部を示す概略ブロック図。
【図8】インクジェットヘッドのクリーニング制御の流れを示すフローチャート。
【図9】他の実施の形態にかかるインクジェットヘッドのクリーニング制御の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の液体吐出装置の実施の形態に係るインクジェットプリンター1およびその制御方法を詳細に説明する。
【0027】
(インクジェットプリンターの全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるインクジェットプリンター1の外観斜視図である。図2は、インクジェットプリンター1の、プリンターケース2で覆われているプリンター機構部10を示す概略斜視図である。
【0028】
インクジェットプリンター1は、複数種類のカラーインクを用いてロール紙から繰り出される長尺状の記録紙にカラー印刷を行うものであり、全体として直方体形状をしたプリンターケース2を備えている。プリンターケース2の前面中央部分には、ロール紙装着用の開口部3が形成されている。開口部3は、上端に記録紙排出ガイド4が取り付けられた開閉蓋5によって封鎖されている。記録紙排出ガイド4とプリンターケース2の開口部3の上縁部分との間には、記録紙排出口6が形成されている。不図示のロックを解除して、記録紙排出ガイド4に指を掛けて手前に引くと開閉蓋5を図示の閉位置から、下端を中心として前方に倒れた開位置まで開けることができる。
【0029】
プリンターケース2の前面における開閉蓋5の右側部分には電源スイッチ7a、紙送りスイッチ7b、複数個の動作状態表示ランプ7cなどが配列されている。プリンターケース2の前面における開閉蓋5の左側部分には、プリンター前後方向に延びる縦長の長方形断面のインクカートリッジ装着部8の装着口8aが開口しており、このインクカートリッジ装着部8にインクカートリッジ9が装着されている。不図示のボタンを操作すると、ロックが解除されてインクカートリッジ9がばね力によって前方に押し出され、インクカートリッジ9を引き抜くことが可能となっている。
【0030】
プリンターケース2の内部に配置されるプリンター機構部10は、図2に示すように、金属製の底板11a、左右の側板11b、11cなどから構成されているプリンター本体フレーム11を備えている。プリンター本体フレーム11におけるプリンター前側の中央部分には、ロール紙収納部12が形成されている。開閉蓋5を開けると、ロール紙収納部12が前方に開口し、ロール紙の交換を行うことができる。
【0031】
ロール紙収納部12の上側には、プリンター幅方向にプラテン13が水平に架け渡されている。プラテン13の上側には、インク滴(液滴)吐出用の複数のノズル(インクノズル)が形成されたインクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)14が配置されている。インクジェットヘッド14は、複数のインクノズルが配列されるノズル面14a(図4参照)を下側に向けた状態でキャリッジ15に搭載されている。
【0032】
キャリッジ15は、プリンター幅方向に水平に架け渡されたキャリッジガイド軸15aに沿ってプリンター幅方向に往復移動可能となっている。具体的には、キャリッジ15は、プラテン13から右側に外れた図2において実線で示すホームポジション15Aから、プラテン13の左側に外れた図2において二点鎖線で示す左端位置15Bまでの間を移動可能となっている。キャリッジ15には、モーターや、ベルトおよびプーリからなる伝達機構等で構成される駆動機構が連結されている。
【0033】
キャリッジ15には、カラーインクのインクポンプ、たとえば、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のインクのそれぞれを貯留するインクポンプ16a〜16dが搭載されている。各インクポンプ16a〜16dには、可撓性インクチューブ17a〜17dの一端がそれぞれに接続されている。可撓性インクチューブ17a〜17dの他端は、インクカートリッジ装着部8の後端側の部位に配置されている上下方向に延びる4本のインク供給路(図示省略)のそれぞれに接続されている。インク供給路のそれぞれは、インクカートリッジ装着部8に装着されているインクカートリッジ9の側に連通している。インクカートリッジ9には、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのインクを貯留しているインク袋が収納されており、これらのインク袋に貯留されている各色のインクが可撓性インクチューブ17a〜17dを介してインクポンプ16a〜16dに供給される。また、インクポンプ16a〜16dに供給されたインクがインクジェットヘッド14に供給されて、インクノズルから吐出される。
【0034】
ロール紙収納部12の右側の部位には、ヘッドメンテナンスユニット20が組み込まれている。キャリッジ15がホームポジション15Aに位置すると、キャリッジ15に搭載されているインクジェットヘッド14のノズル面14aがヘッドメンテナンスユニット20に対して上側から対峙した状態になる。ヘッドメンテナンスユニット20の詳細については、後述する。
【0035】
インクジェットプリンター1は、通常の印刷動作において、ロール紙収納部12に収納されているロール紙から繰り出される記録紙を不図示の搬送機構によってプラテン13の表面に沿って記録紙排出口6の側に搬送し、この搬送に同期させて、インクジェットヘッド14を左右に往復移動させながら記録紙上に印刷を行う。
【0036】
(ヘッドメンテナンスユニットの構成)
図3は、ヘッドメンテナンスユニット20を取り出して示す斜視図である。図4(A)は、フラッシング動作時のインクジェットヘッド14とヘッドキャップ22a、22bとの関係を示す図であり、図4(B)は、インク吸引動作時のインクジェットヘッド14とヘッドキャップ22a、22bとの関係を示す図である。図5は、ワイピング動作時のインクジェットヘッド14とヘッドワイパー25との関係を示す図である。図6は、インク滴吐出検査時のインクジェットヘッド14とヘッドキャップ22a、22bとの関係を示す図である。
【0037】
ヘッドメンテナンスユニット20は、図3に示すように、全体としてプリンター前後方向に細長い直方体形状をしたユニットケース21を備えている。ユニットケース21の前側部分の上端には、2個のヘッドキャップ22a、22bを備えたヘッドキャップユニット22が配置されている。ヘッドキャップ22a、22bは、キャリッジ走査方向に隣接配置されている。また、ヘッドキャップ22a、22bの上方は開口しており、この開口部分は、ホームポジション15Aに配置されたインクジェットヘッド14のノズル面14aに対峙している。ヘッドキャップ22a、22bの内部には、インク吸収体23が配置されている。なお、本形態のインクジェットプリンター1は、図4に示すように、インクジェットヘッド14として、キャリッジ走査方向に並列配置された一対のインクジェットヘッド14A、14Bを備えている。
【0038】
ヘッドキャップユニット22の下側には、これらを昇降させるヘッドキャップ昇降機構(図示省略)が組み込まれている。また、ユニットケース21におけるヘッドキャップ昇降機構の後側の部分には、チューブポンプ(図示省略)およびチューブポンプ駆動用のモーター(図示省略)が組み込まれている。
【0039】
図4(B)に示すように、インクジェットヘッド14のノズル面14aをヘッドキャップ22a、22bが下側からキャッピングするキャッピング位置22Aでは、チューブポンプによって各インクノズルからインクを吸引するインク吸引動作が行われる。インク吸引動作で吸引された廃インクは、チューブポンプによって廃インクチューブ24を通って送り出される。廃インクチューブ24は、インクカートリッジ装着部8に装着されているインクカートリッジ9に連通しており、インクカートリッジ9内の廃インク収納部に廃インクが回収される。また、図4(A)に示すように、ヘッドキャップ22a、22bがキャッピング位置22Aよりも下方に退避したフラッシング位置22Bでは、インク吸収体23に向けて各インクノズルから一定量のインク滴を吐出させるフラッシング動作が行われる。
【0040】
また、ヘッドメンテナンスユニット20には、インクジェットヘッド14のノズル面14aに付着している余剰のインクや紙粉などの付着物を拭き取るヘッドワイパー25を備えるワイピング機構26が搭載されている。ヘッドワイパー25は、ゴムなどの可撓性素材によって矩形の薄板状に形成されており、ユニットケース21におけるヘッドキャップユニット22の後側に配置されている。ヘッドワイパー25の前面は、ノズル面14aからインクを拭き取る拭取り面25aとなっている。ヘッドワイパー25の前後両側には、ノズル面14aからインクを拭き取ったときにヘッドワイパー25に付着したインクを吸収するフェルトやスポンジ等の液体吸収体が配置されている。また、ヘッドワイパー25には、ヘッドワイパー25を前後方向に往復移動させるヘッドワイパー駆動機構27が連結されている。
【0041】
ヘッドワイパー駆動機構27は、ヘッドワイパー25を保持する前後方向に長いワイパーケース28の裏面に前後方向に延びるように形成されたラックや、このラックに噛み合うピニオン、このピニオンに駆動源からの回転力を伝達する歯車列等を備えている。本形態では、ヘッドワイパー駆動機構27の駆動源は、チューブポンプ駆動用のモーターである。
【0042】
ヘッドワイパー25は、ヘッドメンテナンスユニット20のユニットケース21の上端縁部分に沿って、プリンター前後方向へ往復移動可能となっている。インクジェットヘッド14がホームポジション15Aにあるときに、ヘッドワイパー25がヘッドキャップユニット22の後側から前側に移動すると、図5に示すように、ヘッドワイパー25が後方に反った状態に撓みながら一対のインクジェットヘッド14A、14Bの一方のノズル面14aを摺動して、ノズル面14aを拭き取るワイピング動作が行われる。
【0043】
また、本形態のヘッドメンテナンスユニット20は、インクジェットヘッド14が有する複数のインクノズルの中にインク滴を吐出していない故障ノズルが存在する(すなわち、目詰まりを起こしているインクノズルが存在する)ドット抜けが発生しているか否かを検査する機能を兼ね備えている。
【0044】
図6に示すように、ヘッドキャップ22a、22bの内部には、インク吸収体23に導通可能な状態の金属棒31が配置されており、金属棒31の下端には、リード線32が接続されている。インクジェットヘッド14のインクノズルから帯電したインク滴が吐出され、帯電したインク滴がインク吸収体23に着弾すると、金属棒31およびリード線32を介して取り出される電流に変化が生じる。また、この電流の変化に基づいて、各インクノズルからインク滴が吐出されているか否かを判別することができる。ヘッドメンテナンスユニット20では、このように、金属棒31およびリード線32を介して取り出される電流の変化に基づいて、ドット抜けが発生しているか否か(故障ノズルがあるか否か)を検査するインク滴吐出検査が行われる。本形態では、インク吸収体23、金属棒31およびリード線32等によって故障ノズルの有無を検査するインク滴吐出検査機構(液滴吐出検査機構)33が構成されている。
【0045】
(制御部の概略構成)
図7は、インクジェットプリンター1の制御部36の一部を示す概略ブロック図である。インクジェットプリンター1の制御部36は、ヘッドメンテナンスユニット20を制御するためのヘッドメンテナンスユニット制御部37を備えている。ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、ROMやRAM等のメモリー38およびCPU(図示省略)等を備えている。ヘッドメンテナンスユニット制御部37には、インク滴吐出検査機構33が接続されており、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、金属棒31およびリード線32を介して取り出される電流の変化に基づいて、ドット抜けが発生しているか否か(すなわち、故障ノズルが存在するか否か)を判別する。また、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、故障ノズルの数を特定する。
【0046】
制御部36には、ドット抜けを解消するためのクリーニングを行うクリーニング機構39が接続されている。クリーニング機構39は、インクポンプ16a〜16d等のフラッシング動作を行うための機構、チューブポンプおよびチューブポンプ駆動用のモーター等のインク吸引動作を行うための機構、および、ワイピング動作を行うためのワイピング機構26によって構成されており、インクの消費を伴うクリーニングを実施する。ヘッドメンテナンスユニット制御部37には、クリーニング機構39を駆動するクリーニング機構駆動回路40が接続されている。
【0047】
(インクジェットヘッドのクリーニング制御)
図8は、インクジェットヘッド14のクリーニング制御の流れを示すフローチャートである。インクジェットプリンター1では、所定枚数の記録紙への印刷が終了した後の休止時に、ホームポジション15Aにおいて、インク滴吐出検査が行われる。また、インク滴吐出検査の結果、故障ノズル(目詰まりを起こしているインクノズル)が存在するドット抜けが発生している場合には、一定条件下でクリーニングを行って、故障ノズルの回復を試みる。以下、図8を参照しながら、インク滴吐出検査を含むインクジェットヘッド14のクリーニング制御の流れを説明する。
【0048】
なお、クリーニング制御は、一対のインクジェットヘッド14A、14Bごとに行われる。すなわち、インクジェットヘッド14A、14Bごとにインク滴吐出検査が行われて、ドット抜けが発生しているか否かが判断され、ドット抜けが発生している場合には、インクジェットヘッド14A、14Bごとにクリーニングが行われる。したがって、インクジェットヘッド14Aでドット抜けが発生してもインクジェットヘッド14Bでドット抜けが発生していなければ、インクジェットヘッド14Bのクリーニングは行われず、また、インクジェットヘッド14Bでドット抜けが発生してもインクジェットヘッド14Aでドット抜けが発生していなければ、インクジェットヘッド14Aのクリーニングは行われない。
【0049】
所定枚数の記録紙への印刷が終了して、休止状態になると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、メモリー38内のクリーニング回数カウンターを「0」にリセットする(ステップS1)。また、制御部36は、ホームポジション15Aにおいて、インクジェットヘッド14のインクノズルから帯電したインク滴を吐出させて、インク滴吐出検査を実施し(ステップS2)、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、ドット抜けが発生しているか否かを判別する(ステップS3)。
【0050】
ステップS3で、ドット抜けが発生していると判別された場合には、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、ステップS2でのインク滴吐出検査の結果と、予めメモリー38に記憶されている故障ノズルの情報である故障ノズル情報とに基づいて、インクジェットヘッド14のクリーニングの要否を判定する(ステップS4〜S6)。本形態では、故障ノズル情報は、故障ノズルの数の情報であり、後述のステップS13で、あるいは、前回のクリーニング制御時における後述のステップS8で、メモリー38に記憶されている。
【0051】
ステップS4では、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、インク滴吐出検査で検出された故障ノズルの数である検査故障ノズル数(第1故障ノズル数)が、予めメモリー38に記憶されている故障ノズルの数である回復不能ノズル数(第2故障ノズル数)と同じであるか否かを判別する。ここで、検査故障ノズル数が回復不能ノズル数と同じである場合には、回復不可能な故障ノズルのみが存在する(すなわち、回復可能な故障ノズルが存在しない)と推定し、検査故障ノズル数が回復不能ノズル数と異なっている場合には、回復可能な故障ノズルが存在すると推定することが可能である。
【0052】
したがって、ステップS4において、検査故障ノズル数が回復不能ノズル数と同じであると判別されると、クリーニングが不要であると判定されて、インクジェットヘッド14のクリーニングは行われずに、クリーニング制御は終了する。一方、ステップS4において、検査故障ノズル数が回復不能ノズル数と異なっていると判別されると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、検査故障ノズル数が許容できる範囲であるのか否か、すなわち、クリーニングが必要であるか否かを判定する(ステップS5)。検査故障ノズル数が許容できる範囲であり、クリーニングが不要であると判定されると(ステップS6にて「No」)、インクジェットヘッド14のクリーニングは行われずに、クリーニング制御は終了する。また、検査故障ノズル数が許容できない範囲であり、クリーニングが必要であると判定されると(ステップS6にて「Yes」)、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、メモリー38に記憶されたクリーニング回数カウンターが所定値(たとえば、3)を超えているか否かを判別する(ステップS7)。すなわち、ステップS7で、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、所定回数のクリーニングが行われたか否かを判別する。
【0053】
ステップS7で、クリーニング回数カウンターが所定値を超えていると判別されると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、ステップS2で検出された検査故障ノズル数を新たな回復不能ノズル数としてメモリー38に記憶する(ステップS8)。すなわち、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、ステップS8で、ステップS2で検出された検査故障ノズル数を新たな回復不能ノズル数とする新たな故障ノズル情報をメモリー38に記憶する。この新たな故障ノズル情報は、次回のクリーニング制御におけるステップS4で利用される。
【0054】
また、ステップS7で、クリーニング回数カウンターが所定値を超えていると判別されると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、回復不可能な故障ノズルが存在するとの情報(故障ノズルの発生履歴)を保持するため、故障ノズル存在フラグをメモリー38にセットする(ステップS9)。
【0055】
ステップS8で新たな故障ノズル情報がメモリー38に記憶され、ステップS9で故障ノズル存在フラグがメモリー38にセットされると、インクジェットヘッド14のクリーニングは行われずに、クリーニング制御が終了する。
【0056】
一方、ステップS7で、クリーニング回数カウンターが所定値を超えていないと判別されると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、故障ノズルの発生履歴がメモリー38に残っているか否か、および、メモリー38に記憶されたクリーニング回数カウンターがステップS7における所定値よりも小さい所定値(たとえば、1)を超えているか否かを判別する(ステップS10)。すなわち、ステップS10で、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、前回のクリーニング制御時のステップS9でセットされた故障ノズル存在フラグがセットされたままの状態であるか否かを判別するとともに、ステップS7における所定回数よりも少ない回数のクリーニングが行われたか否かを判別する。
【0057】
ステップS10で、故障ノズルの発生履歴がメモリー38に残っており、かつ、クリーニング回数カウンターが所定値を超えていると判別されると、ステップS8、S9へ進み、インクジェットヘッド14のクリーニングは行われずに、クリーニング制御が終了する。また、ステップS10で、故障ノズルの発生履歴がメモリー38に残っていない、および/または、クリーニング回数カウンターが所定値を超えていないと判別されると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、クリーニング機構駆動回路40を制御して、クリーニング機構39を駆動し、インクジェットヘッド14のクリーニングを実施する(ステップS11)。すなわち、フラッシング動作やインク吸引動作等のインクの消費を伴うクリーニングを行う。その後、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、現状のクリーニング回数カウンターに「1」を加えてクリーニング回数カウンターを更新し、更新後のクリーニング回数カウンターをメモリー38に記憶して(ステップS12)、ステップS2へ戻る。
【0058】
また、ステップS3で、ドット抜けが発生していないと判別された場合には、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、メモリー38に記憶された回復不能ノズル数を「0」にリセットし、かつ、メモリー38の故障ノズル存在フラグをリセットする(ステップS13)。すなわち、ステップS13で、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、「0」を新たな回復不能ノズル数としてメモリー38に記憶し、かつ、メモリー38に記憶された故障ノズルの発生履歴を消去する。新たな回復不能ノズル数がメモリー38に記憶され、かつ、メモリー38の故障ノズル存在フラグがリセットされると、ステップS4へ進む。
【0059】
本形態では、ステップS2は、故障ノズル検査ステップであり、ステップS4〜S6は、クリーニング要否判定ステップであり、ステップS7は、クリーニング回数判別ステップであり、ステップS8は、故障ノズル情報記憶ステップである。また、ステップS9は、故障ノズル存在フラグセットステップであり、ステップS10は、複合判別ステップであり、ステップS13は、リセットステップである。なお、本形態では、メモリー38は、故障ノズル情報を記憶可能な記憶手段であり、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、インク滴吐出検査機構33での検査結果と、記憶手段に記憶されている故障ノズル情報とに基づいて、クリーニング機構39がクリーニングを行うか否かを制御するクリーニング機構制御手段である。
【0060】
(本実施の形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、検査故障ノズル数が回復不能ノズル数と同じであれば、回復不可能な故障ノズルのみが存在すると推定して、クリーニングが不要であると判定しており、この場合には、インクジェットヘッド14のクリーニングが行われずに、クリーニング制御が終了する。そのため、回復不可能な故障ノズルに対する無駄なクリーニングを回避して、インクノズルから吐出されるインク滴の無駄な消費を抑制することができる。また、本形態では、検査故障ノズル数が回復不能ノズル数と異なっていれば、回復可能な故障ノズルが存在すると推定しており、所定の条件を満たせば、クリーニングが必要であると判定している、また、クリーニングが必要であると判定すると、所定の条件を満たせば、インクジェットヘッド14のクリーニングを行っている。そのため、回復可能な故障ノズルに対するクリーニングを行って、回復可能な故障ノズルを回復させることが可能になる。
【0061】
本形態では、故障ノズル情報は、故障ノズルの数の情報であり、ステップS4で、検査故障ノズル数と回復不能ノズル数とを比較することで、故障ノズル情報に基づいて回復不可能であると推測される故障ノズル以外の故障ノズルがステップS2で検出されたか否かを推定している。そのため、故障ノズル情報が複数のノズルの中から故障ノズルを特定するための情報であり、かつ、この情報に基づいて特定される回復不可能な故障ノズル以外に故障ノズルが存在するか否かによって、故障ノズル情報に基づいて回復不可能であると推測される故障ノズル以外の故障ノズルがステップS2で検出されたか否かを判別する場合と比較して、制御を簡素化することができる。
【0062】
本形態では、ステップS7で、クリーニング回数カウンターが所定値を超えていると判別されると、インクジェットヘッド14のクリーニングが行われずに、クリーニング制御が終了する。また、故障ノズルの発生履歴が残っている場合には、回復不可能な故障ノズルが次第に増えていくケースが想定されるが、本形態では、ステップS7で、クリーニング回数カウンターが所定値を超えていないと判別されても、ステップS10で、故障ノズルの発生履歴がメモリー38に残っており、かつ、ステップS7での所定値よりも小さい所定値をクリーニング回数カウンターが超えていると判別されると、インクジェットヘッド14のクリーニングが行われずに、クリーニング制御が終了する。そのため、回復可能性の低い故障ノズルに対して必要以上にクリーニングが行われるのを防止して、インクノズルから吐出されるインク滴の無駄な消費を抑制することができる。また、装置のスループットを高めることができる。
【0063】
本形態では、ステップS8において、ステップS2で検出された検査故障ノズル数を新たな回復不能ノズル数としてメモリー38に記憶して、この新たな回復不能ノズル数を次回のクリーニング制御で利用している。そのため、次回のクリーニング制御では、最新の回復不能ノズル数に基づいて、クリーニングの要否を適切に判定することが可能になる。また、本形態では、ステップS9で、故障ノズル存在フラグをセットしているため、次回のクリーニング制御時に、ステップS10で、故障ノズル存在フラグがメモリー38にセットされているか否かを判別することで、故障ノズルの発生履歴が残っているか否かを判別することができる。
【0064】
本形態では、ステップS2で故障ノズルが検出されないと、「0」を新たな回復不能ノズル数としてメモリー38に記憶し、かつ、メモリー38に記憶された故障ノズルの発生履歴を消去している。そのため、次回のクリーニング制御時に、ステップS2で故障ノズルが検出されれば、所定回数のクリーニングを行って、回復可能な故障ノズルを回復させることが可能になる。
【0065】
(インクジェットヘッドのクリーニング制御の変形例)
図9は、変形例にかかるインクジェットヘッド14のクリーニング制御の流れを示すフローチャートである。上述した形態では、故障ノズル情報は、故障ノズルの数の情報であるが、故障ノズル情報は、複数のインクノズルの中から故障ノズルを特定するノズル特定情報であっても良い。この場合には、たとえば、図9に示す流れでクリーニング制御が実行される。
【0066】
すなわち、所定枚数の記録紙への印刷が終了して、休止状態になると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、メモリー38内のクリーニング回数カウンターを「0」にリセットし(ステップS21)、制御部36は、インク滴吐出検査を実施する(ステップS22)。ステップS22では、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、複数のインクノズルの中から故障ノズルを特定する。
【0067】
その後、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、ステップS22でのインク滴吐出検査と、予めメモリー38に記憶されている故障ノズル情報とに基づいて、インクジェットヘッド14のクリーニングの要否を判定する(ステップS23〜S25)。本形態では、故障ノズル情報は、上述のように、ノズル特定情報であり、後述のステップS30で、あるいは、前回のクリーニング制御時における後述のステップS27で、メモリー38に記憶されている。
【0068】
ステップS23では、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、予めメモリー38に記憶されている故障ノズルである回復不能ノズルが正常吐出したか否かを判別する。ステップS23で、回復不能ノズルが正常吐出していないと判別されると、ステップS24で、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、ステップS22でのインク滴吐出検査結果の中から回復不能ノズルに関する検査結果を除いてクリーニングの要否を判定する。すなわち、ステップS24で、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、回復不能ノズル以外の故障ノズルがインク滴吐出検査で検出されたか否か、および、検出された回復不能ノズル以外の故障ノズルの数が許容できる範囲であるのか否か(すなわち、クリーニングが必要であるか否か)を判定する。
【0069】
ステップS24で、回復不能ノズル以外の故障ノズルがインク滴吐出検査で検出されていないと判別されると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、回復不可能な故障ノズルのみが存在すると推定して、クリーニングが不要であると判定する(ステップS25にて「No」)。あるいは、ステップS24で、回復不能ノズル以外の故障ノズルがインク滴吐出検査で検出されているが、この故障ノズルの数が許容できる範囲であると判別されると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、クリーニングが不要であると判定する(ステップS25にて「No」)。また、ステップS25で、クリーニングが不要であると判定されると、インクジェットヘッド14のクリーニングは行われずに、クリーニング制御は終了する。
【0070】
一方、ステップS24で、回復不能ノズル以外の故障ノズルがインク滴吐出検査で検出されていると判別されると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、回復可能な故障ノズルが存在すると推定し、また、検出された回復不能ノズル以外の故障ノズルの数が許容できる範囲でないと判別されると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、クリーニングが必要であると判定する(ステップS25にて「Yes」)。ステップS25において、クリーニングが必要であると判定されると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、メモリー38に記憶されたクリーニング回数カウンターが所定値(たとえば、3)を超えているか否かを判別する(ステップS26)。
【0071】
ステップS26で、クリーニング回数カウンターが所定値を超えていると判別されると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、ステップS2で特定された故障ノズルを新たな回復不能ノズルとしてメモリー38に記憶する(ステップS27)。すなわち、ステップS27で、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、ステップS2で特定された故障ノズルを新たな回復不能ノズルとする新たな故障ノズル情報をメモリー38に記憶する。この新たな故障ノズル情報は、次回のクリーニング制御におけるステップS23、S24で利用される。ステップS27で新たな故障ノズル情報がメモリー38に記憶されると、インクジェットヘッド14のクリーニングは行われずに、クリーニング制御が終了する。
【0072】
また、ステップS26で、クリーニング回数カウンターが所定値を超えていないと判別されると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、クリーニング機構駆動回路40を制御して、クリーニング機構39を駆動し、インクジェットヘッド14のクリーニングを実施する(ステップS28)。すなわち、フラッシング動作やインク吸引動作等を行う。その後、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、現状のクリーニング回数カウンターに「1」を加えてクリーニング回数カウンターを更新し、更新後のクリーニング回数カウンターをメモリー38に記憶して(ステップS29)、ステップS22へ戻る。
【0073】
なお、ステップS23で、正常吐出した回復不能ノズルがあると判別されると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、正常吐出した回復不能ノズルを除く回復不能ノズルを新たな回復不能ノズルとしてメモリー38に記憶する(ステップS30)。すなわち、ステップS30で、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、正常吐出した回復不能ノズルを除いた回復不能ノズルを特定するノズル特定情報を新たな故障ノズル情報としてメモリー38に記憶する。ステップS30で、新たな故障ノズル情報が記憶されると、ステップS24へ進む。
【0074】
図9に示すフローチャートにおいて、ステップS22は、故障ノズル検査ステップであり、ステップS23〜S25は、クリーニング要否判定ステップであり、ステップS26は、クリーニング回数判別ステップであり、ステップS27は、故障ノズル情報記憶ステップであり、ステップS30は、故障ノズル情報更新ステップである。
【0075】
変形例にかかるクリーニング制御では、故障ノズル情報が複数のインクノズルの中から故障ノズルを特定するノズル特定情報である。また、回復不能ノズル以外の故障ノズルがインク滴吐出検査で検出されていないと、回復不可能な故障ノズルのみが存在すると推定して、クリーニングが不要であると判定し、回復不能ノズル以外の故障ノズルがインク滴吐出検査で検出されると、ヘッドメンテナンスユニット制御部37は、回復可能な故障ノズルが存在すると推定して、所定の条件を満たせば、クリーニングが必要であると判定する。そのため、この場合には、上述した形態と比較して、回復不能ノズルに対する無駄なクリーニングを精度良く回避し、かつ、回復可能な故障ノズルに対するクリーニングを精度良く行うことが可能になる。したがって、ノズルから吐出される液滴の無駄な消費を効果的に抑制しつつ、回復可能な故障ノズルを効果的に回復させることが可能になる。
【0076】
また、変形例にかかるクリーニング制御では、ステップS23で、正常吐出した回復不能ノズルがあると判別されると、正常吐出した回復不能ノズルを除く回復不能ノズルを新たな回復不能ノズルとしてメモリー38に記憶する。そのため、回復不可能と推測された故障ノズルが回復した場合に、更新された故障ノズル情報に基づいて、クリーニングの要否を適切に判定することができる。
【0077】
(他の実施の形態)
上述した形態では、ステップS9で、故障ノズル存在フラグをメモリー38にセットしているが、このステップS9を省略しても良い。この場合には、ステップS10も省略される。
【0078】
上述した形態では、インクジェットプリンター1を例に本発明の液体吐出装置の実施の形態を説明したが、本発明の構成が適用される液体吐出装置は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、FED(面発ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材や色材等の液体をノズルから吐出する液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置や、バイオチップ製造に用いられる生体有機物をノズルから吐出する液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置や、精密ピペットとして試料をノズルから吐出する液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置などであっても良い。
【符号の説明】
【0079】
1 インクジェットプリンター(液体吐出装置)、14 インクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)、33 インク滴吐出検査機構(液滴吐出検査機構)、37 ヘッドメンテナンスユニット制御部(クリーニング機構制御手段)、38 メモリー(記憶手段)、39 クリーニング機構、S2・S22 故障ノズル検査ステップ、S4〜S6・S23〜S25 クリーニング要否判定ステップ、S7・S26 クリーニング回数判別ステップ、S8・S27 故障ノズル情報記憶ステップ、S9 故障ノズル存在フラグセットステップ、S10 複合判別ステップ、S13 リセットステップ、S30 故障ノズル情報更新ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴吐出用の複数のノズルの中に液滴を吐出しない故障ノズルが存在するドット抜けの発生時に、前記ドット抜けを解消するためのクリーニングを行う液体吐出装置のクリーニング制御方法であって、
前記故障ノズルの有無を検査する故障ノズル検査ステップと、
前記故障ノズル検査ステップでの検査結果と、予め記憶された前記故障ノズルの情報である故障ノズル情報とに基づいて、前記クリーニングの要否を判定するクリーニング要否判定ステップとを有するクリーニング制御を実行し、
前記クリーニング制御では、前記クリーニング要否判定ステップで前記クリーニングが不要であると判定された場合に、前記クリーニングを行わずに前記クリーニング制御が終了することを特徴とする液体吐出装置のクリーニング制御方法。
【請求項2】
前記クリーニング要否判定ステップでは、前記故障ノズル検査ステップでの検査結果と、予め記憶された前記故障ノズルの情報である故障ノズル情報とが一致している場合に、前記クリーニングが不要であると判定することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置のクリーニング制御方法。
【請求項3】
前記クリーニング制御では、前記クリーニング要否判定ステップで前記クリーニングが必要であると判定された場合に、前記クリーニングを行って、前記故障ノズル検査ステップへ戻ることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置のクリーニング制御方法。
【請求項4】
前記故障ノズル情報は、前記故障ノズルの数の情報であり、
前記故障ノズル検査ステップで検出された前記故障ノズルの数を第1故障ノズル数とし、前記故障ノズル情報に基づく前記故障ノズルの数を第2故障ノズル数とすると、
前記クリーニング要否判定ステップでは、前記第1故障ノズル数と前記第2故障ノズル数とが同じである場合に、前記クリーニングが不要であると判定し、前記第1故障ノズル数と前記第2故障ノズル数とが異なる場合に、前記クリーニングが必要であると判定することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置のクリーニング制御方法。
【請求項5】
前記クリーニング制御は、前記クリーニング要否判定ステップで前記クリーニングが必要であると判定された場合に、所定の第1回数の前記クリーニングが行われたか否かを判別するクリーニング回数判別ステップと、前記クリーニング回数判別ステップで、前記第1回数を超える前記クリーニングが行われたと判別された場合に、前記第1故障ノズル数を新たな前記第2故障ノズル数とする前記故障ノズル情報を記憶する故障ノズル情報記憶ステップとを有し、
前記故障ノズル情報記憶ステップ後に前記クリーニングを行わずに前記クリーニング制御が終了し、
前記故障ノズル情報記憶ステップで記憶された前記故障ノズル情報が次回の前記クリーニング制御における前記クリーニング要否判定ステップで利用されることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置のクリーニング制御方法。
【請求項6】
前記クリーニング制御は、前記クリーニング回数判別ステップで、前記第1回数を超える前記クリーニングが行われていないと判別された場合に、前記故障ノズルの発生履歴が残っているか否か、および、前記第1回数よりも少ない第2回数を超える前記クリーニングが行われたか否かを判別する複合判別ステップを有し、
前記複合判別ステップで、前記故障ノズルの発生履歴が残っており、かつ、前記第2回数を超える前記クリーニングが行われたと判別された場合に、前記故障ノズル情報記憶ステップを実行し、前記故障ノズル情報記憶ステップ後に前記クリーニングを行わずに前記クリーニング制御が終了することを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置のクリーニング制御方法。
【請求項7】
前記クリーニング制御は、前記クリーニング回数判別ステップで、前記第1回数を超える前記クリーニングが行われたと判別された場合に、故障ノズル存在フラグをセットする故障ノズル存在フラグセットステップを有し、
次回の前記クリーニング制御時に、前記複合判別ステップにおいて、前記故障ノズル存在フラグがセットされているか否かを判別することで、前記故障ノズルの発生履歴が残っているか否かを判別することを特徴とする請求項6に記載の液体吐出装置のクリーニング制御方法。
【請求項8】
前記複合判別ステップで、前記故障ノズルの発生履歴が残っており、かつ、前記第2回数を超える前記クリーニングが行われたと判別された場合に、前記故障ノズル情報記憶ステップおよび前記故障ノズル存在フラグセットステップを実行し、前記故障ノズル情報記憶ステップおよび前記故障ノズル存在フラグセットステップ後に前記クリーニングを行わずに前記クリーニング制御が終了することを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置のクリーニング制御方法。
【請求項9】
前記クリーニング制御は、前記故障ノズル検査ステップで故障ノズルが検出されない場合に、前記第2故障ノズル数を0にリセットし、かつ、前記故障ノズル存在フラグをリセットするリセットステップを有していることを特徴とする請求項7または8に記載の液体吐出装置のクリーニング制御方法。
【請求項10】
前記故障ノズル情報は、複数の前記ノズルの中から前記故障ノズルを特定するノズル特定情報であり、
前記クリーニング要否判定ステップでは、前記故障ノズル情報に基づいて特定される前記故障ノズル以外の前記故障ノズルが前記故障ノズル検査ステップで検出されていれば、前記クリーニングが必要であると判定し、前記故障ノズル情報に基づいて特定される前記故障ノズル以外の前記故障ノズルが前記故障ノズル検査ステップで検出されていなければ、前記クリーニングが不要であると判定することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置のクリーニング制御方法。
【請求項11】
前記クリーニング制御は、前記クリーニング要否判定ステップで前記クリーニングが必要であると判定された場合に、所定の第1回数の前記クリーニングが行われたか否かを判別するクリーニング回数判別ステップと、前記クリーニング回数判別ステップで、前記第1回数を超える前記クリーニングが行われたと判別された場合に、前記故障ノズル検査ステップで特定された前記故障ノズルを前記故障ノズル情報として記憶する故障ノズル情報記憶ステップとを有し、
前記故障ノズル情報記憶ステップ後に前記クリーニングを行わずに前記クリーニング制御が終了し、
前記故障ノズル情報記憶ステップで記憶された前記故障ノズル情報が次回の前記クリーニング制御における前記クリーニング要否判定ステップで利用されることを特徴とする請求項10に記載の液体吐出装置のクリーニング制御方法。
【請求項12】
前記クリーニング制御は、前記故障ノズル検査ステップで、前記故障ノズル情報に基づいて特定される前記故障ノズルが液滴を吐出した場合に、この液滴を吐出した前記故障ノズルを除いた前記故障ノズルを特定する前記ノズル特定情報を新たな前記故障ノズル情報として記憶する故障ノズル情報更新ステップを有し、
前記故障ノズル情報更新ステップ後に、前記クリーニング要否判定ステップを実行することを特徴とする請求項11に記載の液体吐出装置のクリーニング制御方法。
【請求項13】
液滴吐出用の複数のノズルを有する液体吐出ヘッドと、
複数の前記ノズルの中に液滴を吐出していない故障ノズルが存在するドット抜けの発生の有無を検査する液滴吐出検査機構と、
前記ドット抜けを解消するためのクリーニングを行うクリーニング機構と、
前記故障ノズルの情報である故障ノズル情報を記憶可能な記憶手段と、
複数の前記ノズルの中に液滴を吐出しない故障ノズルが存在するドット抜けの発生時に、請求項1ないし12のうちのいずれかの項に記載されたクリーニング制御方法により、前記クリーニング機構が前記クリーニングを行うか否かを制御するクリーニング機構制御手段とを有していることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項14】
前記液体吐出ヘッドは、インク滴吐出用の複数の前記ノズルを有するインクジェットヘッドであることを特徴とする請求項13に記載の液体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−201157(P2011−201157A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71029(P2010−71029)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】