説明

液体噴射ヘッドの制御装置、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの制御方法

【課題】ページの途中で複数のインクカートリッジのうちのいずれかのインクが無くなっても、印刷速度の低下が少ない液体噴射ヘッドの制御装置、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの制御方法を提供する。
【解決手段】液体噴射ヘッドの制御装置は、前記液体噴射命令が実行された後に、前記2以上の液体貯留手段を用いて印刷を行う第1の印刷データと、閾値を超えない量の液体が残存している液体貯留手段を用いて印刷を行う第2の印刷データを作成し、前記液体貯留手段の液体残量を検出する閾値センサーから、前記液体残量が閾値を越えたことを示す閾値通過信号が入力されると、入力された前記液体噴射命令が終了するまで前記第1の印刷データに基づいて前記液体を噴射し、前記液体噴射命令が終了した後に前記第2の印刷データを用いて印刷を行うように前記液体噴射ヘッドを駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドの制御装置、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液滴をターゲットに噴射する液体噴射装置として、インク滴を紙に噴射させて画像等を印刷するインクジェット式プリンターやプロッターなどのインクジェット式記録装置が広く用いられている。インクジェット式記録装置では、記録ヘッドを主走査方向に移動させ、紙を副走査方向に移動させて印刷が行われる。
【0003】
具体的には、記録ヘッドとインクカートリッジとはキャリッジに搭載され主走査方向に移動される。このような記録ヘッドの底面にはノズルが並設されたノズル列が形成されており、インクカートリッジと各ノズルとは流路によって連通されている。即ち、インクはインクカートリッジから流路を流れてノズル列に至る。
【0004】
このようなインクジェット式記録装置としては、同一色のインクを収容する第1及び第2のインクカートリッジと、第1のインクカートリッジと第1のノズル列を連通する第1の流路と、第2のインクカートリッジと第2のノズル列を連通する第2の流路とを備えるプリンターが知られている(特許文献1参照)。
【0005】
また、第1のノズル列のノズルと第2のノズル列のノズルとは、副走査方向(紙送り方向)にずれた位置に配置されている。このため、第1及び第2のノズル列から同時にインクを吐出することにより、2行のドットを同時に印刷することが可能となる。さらに、このプリンターは、第1及び第2のインクカートリッジとのインク残量を検出するインク残量推定部と、インク残量に応じてドット形成に使用するインクカートリッジを選択する選択部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−1842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されたプリンターのように、同一色のインクを収容する第1及び第2のインクカートリッジを備えるインクジェット式プリンターの場合に、一方のインクカートリッジでインク切れが発生すると、印刷しているページの途中で印刷が中断されてしまうことがある。
【0008】
このようにページの途中で印刷が中断されてしまうと、インクカートリッジ交換後、印刷データをプリンター側から再送し、その後印刷が中断されたページの最初から印刷を再度行わなければならず、時間や手間がかかる上に、紙やインクが無駄になってしまうという問題があった。
【0009】
尚、インクがまだ残っているインクカートリッジのみを用いて印刷が中断された箇所から印刷を続けて行うことも考えられるが、再印刷された箇所と印刷中断前の箇所とで色差が生じて品質が劣化してしまうことが考えられるため現実的ではない。
一方、印刷しているページの途中で印刷が終了する場合にはそのページの印刷を行わず、まだインクが残存しているインクカートリッジのみを用いて印刷を続けることが考えられるが、この場合次の問題がある。
【0010】
すなわち、インクが残存しているインクカートリッジのみを用いて印刷を行う旨の印刷データをパーソナルコンピューター側で改めて作成し直し、その後プリンター側に転送しなければならず、印刷に必要となる時間が長くなる。
なお、このような問題は、インクを噴射するインクジェット式プリンターだけではなく、他の液体を噴射する液体噴射装置においても同様に存在する。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ページの途中で複数のインクカートリッジのうちのいずれかのインクが無くなっても、印刷速度の低下が少ない液体噴射ヘッドの制御装置、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらの課題を解決するため、本発明の液体噴射ヘッドの制御装置は、同じ液体を貯留する2以上の液体貯留手段からの前記液体を噴射するノズルが並設されてなるノズル列と、各前記ノズルから液体を噴射させる噴射手段とを備える液体噴射ヘッドを、液体噴射命令が入力されると該液体噴射命令に基づいて駆動して、前記ノズルから前記液体を噴射させる液体噴射ヘッドの制御装置であって、
前記液体噴射命令が実行された後に、前記2以上の液体貯留手段を用いて印刷を行う第1の印刷データと、閾値を超えない量の液体が残存している前記液体貯留手段を用いて印刷を行う第2の印刷データを作成し、
前記液体貯留手段の液体残量を検出する閾値センサーから、前記液体残量が閾値を越えたことを示す閾値通過信号が入力されると、
入力された前記液体噴射命令による当該ページの印刷が終了するまでは前記第1の印刷データを用いて前記液体を噴射し、前記液体噴射命令が終了した後に前記第2の印刷データを用いて印刷を行うように前記液体噴射ヘッドを駆動する。
【0013】
このように、本発明では、2以上の液体貯留手段を用いて印刷を行う第1の印刷データと、閾値を超えない量の液体が残存している液体貯留手段を用いて印刷を行う第2の印刷データを生成するので、ジョブの途中で片方のインクカートリッジのインク残量がなくなった場合でも印刷データコマンドの再生成が不要であり、印刷速度の低下が少ない。
また、本発明では閾値センサーから閾値通過信号が入力されるので、インク残量に余裕を持たせて、入力された液体噴射命令が終了するまで噴射手段を駆動することができ、これにより入力された液体噴射命令の途中で印刷が中断してしまうことが防止できる。
【0014】
また、上記に記載の液体噴射ヘッドの制御装置の好ましい実施形態としては、前記ノズル列が、ノズル列方向において各ノズルの位置が同一である第1及び第2のノズル列と、ノズル列方向において互いのノズルの位置がずれている第3及び第4のノズル列からなり、
前記第1のノズル列及び第3のノズル列は、第1の前記液体貯留手段に接続され、前記第2のノズル列及び第4のノズル列は、第2の前記液体貯留手段に接続されている。
【0015】
また、上記に記載の液体噴射ヘッドの制御装置の実施形態によれば、前記第1の印刷データは、前記第1の液体貯留手段及び前記第2の液体貯留手段の双方を用いて印刷を行う旨のデータであり、
前記第2の印刷データは、前記第1の液体貯留手段及び前記第2の液体貯留手段のうち前記液体残量が閾値を越えていない方を用いて印刷を行う旨のデータである。
【0016】
このように、本発明によれば、第2の印刷データが、前記液体残量が閾値を越えていない前記液体貯留手段を用いて印刷を行う旨のデータなので、ジョブの途中で片方のインクカートリッジのインク残量がなくなった場合でも印刷データコマンドの再生成が不要であり、印刷速度の低下が少ない。
【0017】
また、上記に記載の液体噴射ヘッドの制御装置によれば、前記2以上の液体貯留手段の全てから前記閾値通過信号が入力されていた場合には、前記2以上の液体貯留手段の全ての交換を促す通知をする。
【0018】
本発明によれば、使用者が液体貯留手段の交換のタイミングを把握できる。
【0019】
また、本発明による液体噴射装置は、同じ液体を貯留する2以上の液体貯留手段からの前記液体を噴射するノズルが並設されてなるノズル列と各前記ノズルから液体を噴射させる噴射手段とを有する液体噴射ヘッドと、
液体噴射命令が入力されると該液体噴射命令に基づいて駆動して、前記ノズルから前記液体を噴射させる制御部を備え、
前記液体噴射命令を実行中に、
前記液体貯留手段の液体残量を検出する閾値センサーから、前記液体残量が閾値を越えたことを示す閾値通過信号が入力されると、
入力された前記液体噴射命令が終了するまで前記2以上の液体貯留手段を用いて液体を噴射すると共に、前記液体噴射命令の終了後に前記閾値を超えていない液体貯留手段を用いて前記液体を噴射するように前記液体噴射ヘッドを駆動する。
【0020】
このように、本発明では、前記閾値センサーから前記閾値通過信号が入力されると、入力された前記液体噴射命令が終了するまでは前記2以上の液体貯留手段を用いて液体を噴射すると共に、前記液体噴射命令の終了後に前記液体残量が閾値を超えていない液体貯留手段を用いて前記液体を噴射するので、ジョブの途中で片方のインクカートリッジのインク残量がなくなった場合でも印刷データコマンドの再生成が不要であり、印刷速度の低下が緩和される。
【0021】
また、本発明では閾値センサーから閾値通過信号が入力されるので、インク残量に余裕を持たせて、入力された液体噴射命令が終了するまで噴射手段を駆動することができ、これにより入力された液体噴射命令の途中で印刷が中断してしまうことが防止できる。
【0022】
更に、本発明による液体噴射ヘッドの制御方法は、同じ液体を貯留する2以上の液体貯留手段からの前記液体を噴射するノズルが並設されてなるノズル列と、各前記ノズルから液体を噴射させる噴射手段とを備える液体噴射ヘッドを、液体噴射命令が入力されると該液体噴射命令に基づいて駆動して、前記ノズルから前記液体を噴射させる液体噴射ヘッドの制御方法であって、
前記各液体貯留手段に貯留された液体の残量が閾値を越えたことを検出した場合に閾値通過信号を入力する閾値センサーから、
前記液体噴射命令を実行中に前記閾値通過信号が入力されると、入力された前記液体噴射命令が終了するまで前記2以上の液体貯留手段を用いて液体を噴射すると共に、前記液体噴射命令の終了後に前記閾値を超えていない液体貯留手段を用いて前記液体を噴射するように前記液体噴射ヘッドを駆動する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係る印刷システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】記録ヘッドの下面図である。
【図3】ブラックのインクカートリッジと吐出部及び個別吐出部との関係を示す説明図である。
【図4】実施形態1にかかる印刷システムの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態1にかかる制御部による処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施形態)
本発明の実施形態について図1〜図5を参照して説明する。本発明の液体噴射装置を用いた液体噴射システムは、図1に示すように、ユーザーが使用するコンピューター100と、これに接続されている液体噴射装置としてのインクジェット式カラープリンター(以下、プリンターという。)200とから構成されている。
【0025】
コンピューター100は、キーボード102及びマウス103を備え、これらが操作されることにより文字入力や設定変更などが行われる。また、コンピューター100はモニター101と接続されている。ユーザーはこのモニター101を用いて、印刷したい文書画像の指定や印刷実行を指示する。
【0026】
一方、プリンター200は、本体の外に給紙トレイ17及び排紙トレイ18を備えるとともに、内部に複数の紙送りローラー19を備える。紙送りローラー19は紙送りモーター241によって適宜駆動される。このように紙送りモーター241によって紙送りローラー19が回転駆動されることにより、プリンター200は、ターゲットであるメディア50を給紙トレイ17から導入し、このメディア50を、副走査方向Xに搬送させて排紙トレイ18に排出する。メディア50の典型例は普通紙であるが、印刷の対象となるものであればどのようなものであってもよく、例えば、光沢系専用紙、非光沢系専用紙、クロス生地、マット紙、塩化ビニルなどであってもよい。
【0027】
また、プリンター200は、内部に、キャリッジ20及びこれに対向するプラテン21を備える。プラテン21は、印刷時にメディア50を支持する支持台であって、印刷時には、紙送りローラー19によりメディア50がこのプラテン21の上方に搬送される。
【0028】
キャリッジ20は、ガイド軸22に嵌合され、かつタイミングベルト23に固着されている。タイミングベルト23はキャリッジモーター251により駆動される。このタイミングベルト23の駆動により、タイミングベルト23に固着されたキャリッジ20は主走査方向Y(図1の紙面に直交する方向)に往復移動することができる。
【0029】
また、キャリッジ20は、その下面に液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド30を有している。この記録ヘッド30は、詳しくは後述するインクカートリッジからインクが供給されインクを吐出する。即ち、本実施形態におけるプリンター200では、キャリッジ20を主走査方向Yに往復移動させながら記録ヘッド30から各色のインクを噴射して、副操作方向Xに移動するメディア50に印刷を行う。
【0030】
記録ヘッド30について、図2を参照して以下に説明する。キャリッジ20は、その下面に液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド30を有している。この記録ヘッド30の下面には、図2に示すように、複数のノズルNからなるノズル列が形成されてなる吐出部41、42、43、44及び45、並びに吐出部群46が設けられている。
【0031】
また、キャリッジ20には、同一形状の5つのインクカートリッジ31、32、33、34及び35が搭載されている。各インクカートリッジ31〜35は、それぞれ下方に位置する各2列のノズルNに詳しくは後述する流路を介して接続されている。即ち、各インクカートリッジ31〜35のインクは、流路を介して各インクカートリッジ31〜35の下方に位置する吐出部41〜45及び吐出部群46のノズルNから外部に噴射される。
【0032】
インクカートリッジ31にはイエロー(Y)のインクが、インクカートリッジ32にはマゼンタ(M)のインクが、インクカートリッジ33にはシアン(C)のインクが、インクカートリッジ34、35にはブラック(K)のインクがそれぞれ収容される。即ち、キャリッジ20には、シアン、マゼンタ及びイエローのインクカートリッジが各1個ずつ、ブラックのインクカートリッジが2個搭載される。
【0033】
なお、ブラックのインクカートリッジ34、35には、未使用時においてそれぞれ同量のインクが収容される。以下の説明では、インクカートリッジ34を第1のインクカートリッジ34と称し、インクカートリッジ35を第2のインクカートリッジ35と称する。
【0034】
以下、図3は、ブラック(K)の第1及び第2のインクカートリッジ34、35と吐出部及び個別吐出部との関係を示す説明図である。
図3に示すように、第1のインクカートリッジ34には、第1の閾値センサー36が設けられている。また、第2のインクカートリッジ35には、第2の閾値センサー37が設けられている。第1及び第2の閾値センサー36、37は、例えば液面センサーであり、それぞれ設けられたインクカートリッジにおいてインク残量が、設定された閾値よりも多い時はオフ信号を出力し、閾値よりも少なくなると、閾値を通過したことを示すオン信号(閾値通過信号)を出力して、後述する制御部(制御装置)に入力するものである。即ち、第1及び第2の閾値センサー36、37は、それぞれ常にインク残量をリニアに取得するものではない。
【0035】
ここで、閾値は、インクカートリッジにおいて、インクを吐出することができなくなるインクエンド量よりも、所定量多いインク残量をいう。この所定量とは、液体噴射命令としての印刷データとの関係で設定されるものである。
【0036】
具体的には、この印刷データとは、ユーザーが指定した印刷対象を印刷するために、後述するコンピューターのCPUが生成してプリンターのCPUに送信するデータであり、ユーザーが指定した印刷対象を、予め設定された1ページ単位又は複数ページ単位に分割して得られたデータである。この印刷データにおける全ページを同一色でべた塗りできるインク量を所定量といい、ここでいうページとは、該液体噴射装置におけるメディアの最大サイズをいう。
【0037】
例えば、A4サイズまでの印刷が可能なプリンター200において印刷データが1ページ毎に生成されてプリンター200側に入力される場合には、所定量とはA4サイズの記録用紙1ページのべた塗りができるインク量をいう。
なお、印刷対象が複数枚に亘る場合には、印刷対象が単位複数枚毎に複数の印刷データに分割される。例えば、印刷データが用紙2枚毎に生成されるものであり、印刷対象がA4用紙10ページからなる文書である場合、印刷データは2枚ずつ5つのデータに分割される。
【0038】
もちろん、この印刷データは、対象とするメディアのページ途中とはならないように分割される。本実施形態では、印刷データは1枚毎に生成されており、閾値は1枚のA4用紙をべた塗りできる量が設定されている。
【0039】
なお、この閾値が印刷データの全ページを単一色インクでべた塗りできる量よりも多いと、インクカートリッジ内のインク残量が多いにもかかわらずインクカートリッジの交換指令がでて、インクを捨てることになりインクの無駄な消費が増える。
【0040】
他方、閾値が印刷データの全ページをべた塗りできる量よりも少ないと、ページの途中でインク切れにより印刷が中断されてしまうことも考えられる。従って、閾値は、印刷データの全ページを単一色インクでべた塗りできる量であることが好ましい。
【0041】
また、第1及び第2のインクカートリッジ34、35の底面の一部はフィルムで覆われている。一方、キャリッジ20(図1参照)には針34a及び針35aが設けられている。キャリッジ20に第1のインクカートリッジ34を装着すると、図3に示すように、針34aがフィルムを突き破り第1のインクカートリッジ34の内部に刺さる。
【0042】
また、第2のインクカートリッジ35をキャリッジ20に装着すると、針35aがフィルムを突き破り第2のインクカートリッジ35の内部に刺さる。この針34a、35aには、先端から根元部分に向かって図示しない貫通孔が設けられている。針34a、35aが第1及び第2のインクカートリッジ34、35の内部に刺さると、第1及び第2のインクカートリッジ34、35からそれぞれインクが針34a、35aに流入して針34a、35aの貫通孔を流れる。
【0043】
なお、他のインクカートリッジ31〜33も同様に構成されている。即ち、インクカートリッジ31〜33も、図示しない針がささることにより、インクカートリッジ31〜33からインクが針に流入して貫通孔を流れるように構成されている。
【0044】
そして、針34a、35aの貫通孔は、針34a、35aの根本部分において異物などや気泡の混入を防止するフィルターFが設けられて、このフィルターFより下流側がインク室Hとなっている。
針34aに設けられたインク室Hには、分岐した二つの第1の流路34bが設けられている。同様に、針35aに設けられたインク室Hには、分岐した二つの第2の流路35bが設けられている。
【0045】
なお、以下の説明では吐出部44を第1の吐出部44とし、吐出部45を第2の吐出部45と称する。また、個別吐出部46aを第1の個別吐出部46a、個別吐出部46bを第2の個別吐出部46bと称する。
【0046】
第1の吐出部44及び第2の吐出部45、並びに吐出部群46には、それぞれ複数のノズルNが設けられている。第1の吐出部44及び第2の吐出部45と吐出部群46とは、副走査方向XにおいてノズルNの形成位置が互いにずれている。
【0047】
例えば、第1の吐出部44のノズル列は3L(但し、Lは自然数)行目にノズルNが位置し、第2の吐出部45のノズル列は(3L−1)行目にノズルNが位置し、吐出部群46のノズル列は(3L−2)行目にノズルNが位置する。
【0048】
このように、第1の吐出部44及び第2の吐出部45、並びに吐出部群46のノズルNは、副走査方向Xに異なる位置に配置されている。また、吐出部群46を構成する第1の個別吐出部46aと第2の個別吐出部46bとは、それぞれ副走査方向XにおいてノズルNの形成位置は同一である。
【0049】
そして、第1の流路34bは、第1のインクカートリッジ34と第1の吐出部44及び第1の個別吐出部46aとを連通する。また、第2の流路35bは第2のインクカートリッジ35と第2の吐出部45及び第2の個別吐出部46bとを連通する。
【0050】
即ち、本実施形態では、2個の第1及び第2のインクカートリッジ34、35から、3種類の第1の吐出部44及び第2の吐出部45、並びに吐出部群46に、第1及び第2の流路34b、35bを介してインクを供給する。
【0051】
また、第1の吐出部44及び第2の吐出部45、並びに吐出部群46において、複数のノズルNの各々に対応して圧力室(図示せず)が設けられており、そこには圧電素子261(図4参照)が配置されている。この圧電素子261が伸縮することによって圧力室の圧力が変化し、インク滴がノズルNからメディア50(図1参照)に吐出される。
【0052】
即ち、白黒印刷及びカラー印刷において、第1及び第2のインクカートリッジ34、35に封入されたブラックのインクは、第1及び第2のインクカートリッジ34、35と連通する第1の吐出部44及び第2の吐出部45、並びに吐出部群46からメディア50に向かって吐出される。
【0053】
次に、この印刷システムの電気的構成について図4を参照して説明する。コンピューター100は、キーボード102、マウス103及びモニター101とバス線160を介して接続され、制御中枢として機能するCPU110を備える。
【0054】
CPU110は、バス線160を介してRAM120及びROM130に接続されている。また、CPU110は詳しくは後述するパターンA及びパターンBからなる印刷データを生成する。
RAM120はCPU110の作業領域として機能し、ROM130にはブートプログラムなどが記憶されている。更に、CPU110は、バス線160を介してハードディスク140に接続されており、CPU110はハードディスク140にアクセス可能である。
【0055】
ハードディスク140には、データとプログラムが記録されている。データとしては、印刷対象となる文書データ、図面データ、あるいは画像データなどが該当する。またプログラムとしては、図示しない情報記録媒体から読み取られてインストールされた、プリンタードライバー用プログラムと印刷用アプリケーションプログラムとが挙げられる。
プリンタードライバー用プログラムは、ユーザーにより印刷対象が指定されると、文書データや画像データなどに基づいて作成される液体噴射命令としての印刷データを、プリンター200で処理可能な中間画像データに変換するプログラムである。
【0056】
例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色について多値化された信号からなるものが挙げられる。また、印刷用アプリケーションプログラムは、ユーザーの操作に応じて、印刷に必要な情報の取得や演算などを行うために、所定の動作をCPU110に行わせるプログラムである。即ち、CPU110は、この印刷用アプリケーションプログラムに従って、各ノズルNから所定の色のインクをメディア50に噴射させるような印刷データの生成などを行う。
【0057】
さらに、CPU110は、バス線160を介してインターフェイス部150に接続されている。CPU110は、インターフェイス部150を介してプリンター200との間で通信を行う。
【0058】
一方、プリンター200は、プリンター200全体の制御を行う制御部201を有する。制御部201は、制御中枢として機能するCPU210を備えており、このCPU210はバス線290を介して接続されたインターフェイス部270を介してコンピューター100と通信を実行する。
【0059】
また、CPU210はバス線290を介してRAM220、ROM230に接続されている。RAM220は、作業領域として機能しコンピューター100から受信した印刷データを一時的に保存する。ROM230には所定のプログラムが記憶されており、このプログラムに基づいてCPU210が所定の動作を行い、印刷が実行される。
【0060】
また、プリンター200のCPU210は、バス線290を介して送りモーター駆動部240、移動モーター駆動部250、ヘッド駆動部260の各駆動部に接続されている。
送りモーター駆動部240は紙送りモーター241を、移動モーター駆動部250はキャリッジモーター251を駆動する。また、ヘッド駆動部260は圧電素子261をCPU210の制御の下、キャリッジモーター251及び紙送りモーター241の駆動と同期してそれぞれ駆動する。
【0061】
ところで、印刷データがプリンター200の制御部に入力されて、第1及び第2のインクカートリッジ34、35からの同色のインクを用いて第1及び第2の吐出部44、45からインクを吐出して印刷を行っている際に、ページの途中で第1及び第2のインクカートリッジ34、35のうちのいずれかのインクがなくなってしまうことがある。
【0062】
この場合に第1及び第2のインクカートリッジ34、35のいずれかの又は両方のインクが無くなってしまうと、ページの途中でインクカートリッジの交換をし、印刷データをCPU110で再生成した後に、印刷が中断されたページの初めから再度印刷をし直さなければならないので、これを防止する必要がある。
【0063】
また、印刷が中断された位置から再度印刷を開始すると、データを再生成するために中断時間が発生し、インク滴の着弾時間のずれが発生し、にじみ量の違いや微妙な印刷位置ずれから色差が発生して印刷品質が低下するのでこれを防止する必要がある。
【0064】
また、ページの途中で一方の第1又は第2のインクカートリッジ34、35のインクが無くなった場合には、インクが残っている他方のインクカートリッジ34、35に連通するノズルのみで印刷をするために再度印刷データを再生成すべく、ページの途中で印刷を中断しなければならないのでこれも防止する必要がある。
【0065】
なお、ページの途中でインクがなくなって印刷が中断されることを抑制すべく、インク残量を推定してインク残量よりも消費予定量が多いと考えられる印刷データの受信を停止することが考えられるが、インク残量の推定は誤差が生じて正確ではないため、好ましくない。
【0066】
これは、以下のような理由である。即ち、インク残量の推定は、インクの吐出回数と各吐出回における吐出量とを乗じて推定した推定インク消費量をインクカートリッジの初期充填量から順次減じて行っている。
【0067】
しかし、吐出量には、各圧電素子261の特性の違いや温度変化によるインク重量の違い等によりばらつきがあるため、インク消費量の推定に誤差が生じやすい。従って、上述のようにインク残量を推定してインク残量よりも消費予定量が多いと考えられる印刷データの受信を停止することは好ましくない。
【0068】
そこで、本実施形態においては、ページの途中でインクカートリッジのインクが無くならないように、印刷データを印刷できるインク残量を常に確保すべく、詳しくは後述する閾値を設定している。このように閾値を設定することで、印刷データを最後まで印刷できるインク残量を確保でき、常に印刷データを最後まで印刷することができる。
【0069】
具体的には、図4に示す制御部201のCPU210は、上述のように第1及び第2のインクカートリッジ34、35に設けられた第1及び第2の閾値センサー36、37からの出力信号を取得する。取得した出力信号のうち、少なくとも一つがオン信号であれば、インクカートリッジ交換が近づいていることをCPU210が認識できる。
【0070】
そして、本実施形態では、印刷データに基づいて閾値を設定してあるので、第1及び第2の閾値センサー36、37からオン信号が入力された後であっても、第1及び第2のインクカートリッジ34、35にはインクが印刷データの終わりまで印刷できる程度に残っているので、印刷データの最後まで印刷を行うことができる。これにより、ページの途中で印刷が終了することを防止できる。
【0071】
以下、図5を用いてCPU210による処理を具体的に説明する。
始めに、ステップS1では、コンピューター100に入力された印刷命令、即ち液体噴射命令に基づいてCPU110で生成されたパターンA(第1の印刷データ)及びパターンB(第2の印刷データ)で構成される印刷データがプリンター200のCPU210に入力される。
【0072】
ここでパターンA及びパターンBの内容について説明する。まずパターンAは、第1の吐出部44及び第2の吐出部45、並びに第1及び第2の個別吐出部46a、46bの使用頻度をRa、Rb、Rc、Rdとしたとき、Ra:Rb:Rc:Rd=1:1:0.5:0.5としたものである。即ち、第1のインクカートリッジ34と第2のインクカートリッジ35とのインク消費量は同一である。
【0073】
一方、パターンBは二通り存在し、第1のパターンBは、第1の吐出部44及び第1の個別吐出部46aにインクを供給するインクカートリッジ34に貯蔵されたインクが閾値を下回り、詳しくは後述するON信号が出力された場合に使用されるものであり、Ra:Rb:Rc:Rd=0:1:0:0、又はRa:Rb:Rc:Rd=0:0:0:1とするものである。すなわち、インクカートリッジ35に貯蔵されたインクのみを使用する。
【0074】
第2のパターンBは、第2の吐出部45及び第2の個別吐出部46bにインクを供給するインクカートリッジ35に貯蔵されたインクが閾値を下回り、ON信号が出力された場合に使用されるものであり、この場合、Ra:Rb:Rc:Rd=1:0:0:0、又はRa:Rb:Rc:Rd=0:0:1:0とするものである。すなわち、インクカートリッジ34に貯蔵されたインクのみを使用する。尚、パターンAとパターンBは、同一内容のデータとすることが好ましいが、人間が実質的に同一と視認できるものでも良い。
【0075】
続いてステップS2について説明する。ステップS2では、第1及び第2の閾値センサー36、37でインクの残量を取得する。
【0076】
ステップS3では、CPU210が、ステップS2で取得された第1及び第2の閾値センサー36、37からの出力信号のうち、少なくとも一方がオン信号であるかどうかを判断する。即ち、インク残量の少ないカートリッジがあるかどうかが判断される。
【0077】
第1及び第2の閾値センサー36、37がそれぞれオフ信号を入力すれば(NO)、ステップS4へ進み、上述したパターンAで印刷対象となっている1ページ分を印刷し、ステップS5に進む。
【0078】
ステップS5では、CPU210が、印刷が終了かどうかを判断する。印刷が終了した場合(YES)には、処理が終了する。まだ印刷対象となるページがある場合にはステップS2へ戻る。
【0079】
一方、ステップS3にて第1及び第2の閾値センサー36、37のうちの少なくとも一方がオン信号を出力すれば(YES)、ステップS6に進む。
【0080】
ステップS6では、CPU210が、取得した第1及び第2の閾値センサー36、37からの出力信号が両方オン信号であるかどうかを判断する。両方の出力信号がオン信号である場合(YES)、ステップS7へ進む。一方、いずれかの出力信号がオン状態である場合(NO)、ステップS8へ進む。
【0081】
ステップS7では、第1及び第2のインクカートリッジ34、35の残量が少ないので、CPU110は、例えばモニター101を介して第1のインクカートリッジ34及び第2のインクカートリッジ35の交換を指示し、印刷を終了する。
【0082】
ステップS8では、パターンAで印刷対象となっているページを印刷し、ステップS9に進む。即ち、本実施形態においては、第1及び第2の閾値センサー36、37によりインク残量が少なくなっていたことが分かった場合であっても、入力された印刷データの最後まで印刷を行って、ページの途中で印刷が中断されてしまうことを防止する。
【0083】
この場合に、第1及び第2の閾値センサー36、37で検出するインク残量が閾値を下回ったと判断する量は、上述したように1ページをべた塗りできる量が設定されているので、ページの途中で第1及び第2の閾値センサー36、37の少なくともいずれかが反応したとしても、そのページの最後まで、つまり印刷データの最後まで印刷することが可能である。
【0084】
ステップS9ではCPU210が印刷データをパターンBに切り替える。このため、第1の閾値センサー36がオンの出力信号を出力した場合(すなわち第1のパターンB)には、第1のインクカートリッジ34のインクを用いた印刷は行われない。同様に、第2の閾値センサー37がオンの出力信号を出力した場合(すなわち第2のパターンB)には、第2のインクカートリッジ35のインクを用いた印刷は行われない。パターンBに切り替えた後はステップS10に進む。
【0085】
ステップS10では、CPU210が上述した第1又は第2のパターンBで残りのページを印刷する。すなわち、例えば第1のパターンBの場合には第2のインクカートリッジ35のインクを用いて印刷を行い、第2のパターンBの場合には第1のインクカートリッジ34のインクを用いて印刷を行う。
【0086】
このように、本実施形態では、印刷命令後にパターンA、パターンBの2つのパターンを生成するので、ジョブの途中で片方のインクカートリッジのインクの残量がなくなった場合でも印刷データコマンドの再生成が不要であり、印刷速度の低下が緩和される。
【0087】
また、第1及び第2のインクカートリッジ34、35のインクが同時期になくなるので、ユーザーは、まとめてインクカートリッジの交換を行うことが可能となり、交換回数を減少させて、ユーザーの手間を省くことができる。
【0088】
また、交換回数が減少することにより、インクカートリッジの交換が終了した後に行うクリーニング及びフラッシング動作の回数が減少するので、各インクカートリッジがクリーニング及びフラッシング動作にて消費するインクの総量を減少することができ、インクの消費量を減らすことができる。
【0089】
更に、本実施形態においては、印刷データが入力されると、いずれかのインクカートリッジの残量が少ない場合でも、印刷データを最後まで印刷することができ、これにより用紙の途中で印刷が中断されてしまうことが防止される。
【0090】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である。
【0091】
上述した実施形態では、シアン、マゼンタ、及びイエローについては1個ずつ、ブラックについては2個のインクカートリッジを使用する態様を一例として説明したが、各色のインクカートリッジの個数はこれに限定されない。例えば、シアン、マゼンタ、及びイエローについて複数個のインクカートリッジを備えるようにしてもよい。この場合にも、閾値センサーをそれぞれ設けてページ途中での印刷の中断を減らすことが可能である。
【0092】
上述した実施形態では、第1及び第2の閾値センサー36、37として、それぞれ第1及び第2のインクカートリッジ34、35に設けられた液面センサーを例示したが、インク残量を検出することができるものであればこれに限定されない。
例えば、第1及び第2のインクカートリッジ34、35として光透過性を有するインクカートリッジを用い、このインクカートリッジの後方に受光素子を配置して、液体噴射装置内に設けた光源から光を照射し、インクが減った場合に受光素子が光を受光できるように構成してもよい。
即ち、第1及び第2の閾値センサー36、37としては、インクカートリッジに設けられるものでも、また、プリンター200に設けられていてもよい。
【0093】
本実施形態では第1及び第2のインクカートリッジ34、35は、プリンター200に搭載されているが、これに限定されない。例えば、プリンター200の外にインクカートリッジを配置してチューブ等でこのインクカートリッジと液体噴射ヘッドとを接続するように構成してもよい。
【0094】
上述した実施形態では、液体噴射装置として、インクを噴射するプリンター200について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、液体を液滴として吐出する各種の液体噴射装置であってもよい。
【0095】
例えば、ファックス、コピー機等を含む印刷装置や、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置であってもよい。また、液体噴射装置以外の装置に使用する弁装置に応用してもよい。尚、これらの装置(印刷装置を除く)において「印刷データ」とは、当該装置に搭載されたヘッドから液体を噴射する際に用いられる噴射データを含む概念を意味する。
【符号の説明】
【0096】
31,32,33,34,35 インクカートリッジ(液体貯留手段)、 34a,35a 針、 34b 第1の流路、 35b 第2の流路、 44 第1の吐出部、 45 第2の吐出部、 46 吐出部群、 46a 第1の個別吐出部、 46b 第2の個別吐出部、 100 コンピューター、 200 プリンター、 201 制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同じ液体を貯留する2以上の液体貯留手段からの前記液体を噴射するノズルが並設されてなるノズル列と、各前記ノズルから液体を噴射させる噴射手段とを備える液体噴射ヘッドを、液体噴射命令が入力されると該液体噴射命令に基づいて駆動して、前記ノズルから前記液体を噴射させる液体噴射ヘッドの制御装置であって、
前記液体噴射命令が実行された後に、前記2以上の液体貯留手段を用いて印刷を行う第1の印刷データと、閾値を超えない量の液体が残存している前記液体貯留手段を用いて印刷を行う第2の印刷データを作成し、
前記液体貯留手段の液体残量を検出する閾値センサーから、前記液体残量が閾値を越えたことを示す閾値通過信号が入力されると、
入力された前記液体噴射命令による当該ページの印刷が終了するまでは前記第1の印刷データを用いて前記液体を噴射し、前記液体噴射命令が終了した後に前記第2の印刷データを用いて印刷を行うように前記液体噴射ヘッドを駆動することを特徴とする液体噴射ヘッドの制御装置。
【請求項2】
前記ノズル列が、ノズル列方向において各ノズルの位置が同一である第1及び第2のノズル列と、ノズル列方向において互いのノズルの位置がずれている第3及び第4のノズル列からなり、
前記第1のノズル列及び第3のノズル列は、第1の前記液体貯留手段に接続され、前記第2のノズル列及び第4のノズル列は、第2の前記液体貯留手段に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドの制御装置。
【請求項3】
前記第1の印刷データは、前記第1の液体貯留手段及び前記第2の液体貯留手段の双方を用いて印刷を行う旨のデータであり、
前記第2の印刷データは、前記第1の液体貯留手段及び前記第2の液体貯留手段のうち前記液体残量が閾値を越えていない方を用いて印刷を行う旨のデータであることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッドの制御装置。
【請求項4】
前記2以上の液体貯留手段の全てから前記閾値通過信号が入力されていた場合には、前記2以上の液体貯留手段の全ての交換を促す通知をすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドの制御装置。
【請求項5】
同じ液体を貯留する2以上の液体貯留手段からの前記液体を噴射するノズルが並設されてなるノズル列と各前記ノズルから液体を噴射させる噴射手段とを有する液体噴射ヘッドと、
液体噴射命令が入力されると該液体噴射命令に基づいて駆動して、前記ノズルから前記液体を噴射させる制御部を備え、
前記液体噴射命令を実行中に、
前記液体貯留手段の液体残量を検出する閾値センサーから、前記液体残量が閾値を越えたことを示す閾値通過信号が入力されると、
入力された前記液体噴射命令が終了するまで前記2以上の液体貯留手段を用いて液体を噴射すると共に、前記液体噴射命令の終了後に前記閾値を超えていない液体貯留手段を用いて前記液体を噴射するように前記液体噴射ヘッドを駆動することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項6】
同じ液体を貯留する2以上の液体貯留手段からの前記液体を噴射するノズルが並設されてなるノズル列と、各前記ノズルから液体を噴射させる噴射手段とを備える液体噴射ヘッドを、液体噴射命令が入力されると該液体噴射命令に基づいて駆動して、前記ノズルから前記液体を噴射させる液体噴射ヘッドの制御方法であって、
前記各液体貯留手段に貯留された液体の残量が閾値を越えたことを検出した場合に閾値通過信号を入力する閾値センサーから、
前記液体噴射命令を実行中に前記閾値通過信号が入力されると、入力された前記液体噴射命令が終了するまで前記2以上の液体貯留手段を用いて液体を噴射すると共に、前記液体噴射命令の終了後に前記閾値を超えていない液体貯留手段を用いて前記液体を噴射するように前記液体噴射ヘッドを駆動することを特徴とする液体噴射ヘッドの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−81645(P2012−81645A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229328(P2010−229328)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】