説明

液体噴射ヘッドの製造方法

【課題】 流路形成基板のクラックの発生を抑制することができる液体噴射ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】 複数の流路形成基板12が一体的に形成されたウェハー100の各流路形成基板12の間に、流路形成基板12毎に分割するためのブレイクパターン200を形成する工程と、ウェハー100と接合基板との間に接着剤を塗布する塗布工程と、塗布工程後にウェハー100と接合基板とを加熱する加熱工程と、ウェハー100をブレイクパターン200に沿って、接合基板が接着された複数の流路形成基板12に分割する分割工程と、を具備し、ブレイクパターン200は、流路形成基板12の長辺端部が他の部分よりも脆弱となるように形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッドの製造方法に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射ヘッドの代表例としては、液滴としてインク滴を噴射するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。このインクジェット式記録ヘッドの構造としては、例えば、圧力発生室が形成された流路形成基板の一方面側に圧電素子等の圧力発生手段が設けられると共に、流路形成基板の他方面側にノズルが穿設されたノズルプレートが接合されたものが知られている。
【0003】
ここで、インクジェット式記録ヘッドを構成する流路形成基板は、例えば、シリコンウェハーに複数一体的に形成された後、シリコンウェハーをブレイクパターンに沿って分割することによって形成される(例えば、特許文献1参照)。またこのような方法で流路形成基板を形成する場合、一般的には、ノズルプレート等をウェハーの状態で流路形成基板に接合した後に一つのチップサイズに分割している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−201015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、流路形成基板が複数一体的に形成されたシリコンウェハーに、流路形成基板とは異なる材料からなる接合基板、例えば、ノズルプレートを接合した場合、分割する際に流路基板にクラックが生じてしまうことがあった。
【0006】
なお、このような問題は、インク滴を噴射するインクジェット式記録ヘッドだけでなく、インク滴以外の液滴を噴射する液体噴射ヘッドを製造する際にも同様に生じる虞がある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑み、流路形成基板のクラックの発生を抑制することができる液体噴射ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の態様は、液滴を噴射するノズル開口に連通する複数の圧力発生室が設けられた流路形成基板と、前記流路形成基板に接合され前記流路形成基板とは異なる材料からなる接合基板と、を具備する液体噴射ヘッドの製造方法であって、複数の前記流路形成基板が一体的に形成されたウェハーの各前記流路形成基板の間に、前記流路形成基板毎に分割するためのブレイクパターンを形成する工程と、前記ウェハーと前記接合基板との間に接着剤を塗布する塗布工程と、前記塗布工程後に前記ウェハーと前記接合基板とを加熱する加熱工程と、前記ウェハーを前記ブレイクパターンに沿って、前記接合基板が接着された複数の流路形成基板に分割する分割工程と、を具備し、前記ブレイクパターンは、前記流路形成基板の長辺端部が他の部分よりも脆弱となるように形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法にある。
かかる態様では、応力が集中しやすい流路形成基板の長辺端部のブレイクパターンを長他の部分よりも脆弱となるように形成することにより、製造工程における流路形成基板のクラックの発生を抑制することができる。
【0009】
本発明の好適な実施態様としては、前記ブレイクパターンは、複数の貫通孔及び該貫通孔間に設けられる接続部から構成され、前記流路形成基板の長辺端部の前記貫通孔の開口面積が他の部分の前記貫通孔の開口面積よりも大きくなるように形成するものが挙げられる。これによれば、製造工程における流路形成基板のクラックの発生を容易に抑制することができる。
【0010】
本発明の好適な実施態様としては、前記ブレイクパターンは、複数の貫通孔及び該貫通孔間に設けられる接続部から構成され、前記流路形成基板の長辺端部の前記貫通孔の間隔が他の部分の前記貫通孔の間隔よりも狭くなるように形成するものが挙げられる。これによれば、製造工程における流路形成基板のクラックの発生を容易に抑制することができる。
【0011】
前記ブレイクパターンは、複数の貫通孔及び該貫通孔間に設けられる接続部から構成され、前記各流路形成基板の角部において長辺端部の前記貫通孔と短辺端部の前記貫通孔とが連続するように形成するのが好ましい。これによれば、より確実に製造工程における流路形成基板のクラックの発生を容易に抑制することができる。
【0012】
本発明の好適な実施態様としては、前記接合基板が、前記ノズル開口が形成されたノズルプレートであるものが挙げられる。
【0013】
また、本発明の好適な実施態様としては、前記流路形成基板がシリコン単結晶基板からなり、前記接合基板がステンレス鋼からなるものが挙げられる。本発明によれば、このようにノズルプレートと流路形成基板との線膨張係数が大きく異なる場合でも、製造時の流路形成基板のクラックが発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。
【図2】実施形態1に係る流路形成基板の平面図である。
【図3】実施形態1に係る記録ヘッドの流路形成基板用ウェハーの平面図である。
【図4】実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
【図5】実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す断面図である。
【図6】実施形態1に係る記録ヘッドの製造方法を示す平面図である。
【図7】実施形態2に係る記録ヘッドの製造方法を示す平面図である。
【図8】実施形態3に係る記録ヘッドの製造方法を示す平面図である。
【図9】他の実施形態に係る記録ヘッドの流路形成基板用ウェハーの平面図である。
【図10】一実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの一例を示す断面図である。図2は、流路形成基板の平面図である。
【0016】
図示するように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド10は、複数の圧力発生室11を有する流路形成基板12と、各圧力発生室11に連通する複数のノズル開口13が穿設された接合基板であるノズルプレート14と、流路形成基板12のノズルプレート14とは反対側の面に設けられる振動板15と、該振動板15上の各圧力発生室11に対応する領域に設けられる圧電素子16とを有する。
【0017】
流路形成基板12には、その一方面側の表層部分に、圧力発生室11が隔壁17によって区画されてその幅方向で複数並設されている。例えば、本実施形態では、流路形成基板12には、複数の圧力発生室11が並設された列が2列設けられている。また、各圧力発生室11の列の外側には、各圧力発生室11にインクを供給するためのリザーバー18が、流路形成基板12を厚さ方向に貫通して設けられている。そして、各圧力発生室11とリザーバー18とは、インク供給路19を介して連通している。インク供給路19は、本実施形態では、圧力発生室11よりも狭い幅で形成されており、リザーバー18から圧力発生室11に流入するインクの流路抵抗を一定に保持する役割を果たしている。さらに、圧力発生室11のリザーバー18とは反対の端部側には、流路形成基板12を貫通するノズル連通孔20が形成されている。なお、このような流路形成基板12は、本実施形態では、表面が(110)面であるシリコン単結晶基板からなり、圧力発生室11等は、流路形成基板12を異方性エッチングすることによって形成されている。
【0018】
流路形成基板12の一方面側にはノズル開口13が穿設されたノズルプレート14が接着剤や熱溶着フィルムを介して接着され、各ノズル開口13は、流路形成基板12に設けられたノズル連通孔20を介して各圧力発生室11と連通している。また、流路形成基板12の他方面側、すなわち、圧力発生室11の開口面側には振動板15が接合されて、各圧力発生室11はこの振動板15によって封止されている。そして、圧力発生室11内にインク滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段である圧電素子16は、この振動板15上に先端部が当接した状態で固定されている。具体的には、圧電素子16は、振動に寄与する活性領域と振動に寄与しない不活性領域とから構成され、この活性領域の先端が振動板15上に当接する。
【0019】
本実施形態に係る圧電素子16は、いわゆる縦振動型の圧電素子であり、圧電材料21と電極形成材料22及び23とを縦に交互にサンドイッチ状に挟んで積層され、振動に寄与しない不活性領域が固定基板24に固着されている。また、本実施形態では、圧電素子16の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態でその空間を密封可能な圧電素子保持部25を有するヘッドケース26が振動板15上に固定されている。そして、圧電素子16が固定された固定基板24が、圧電素子16とは反対側の面でこのヘッドケース26に固定されている。
【0020】
ここで、圧電素子16の先端が当接する振動板15は、例えば、樹脂フィルム等の弾性部材からなる弾性膜27と、この弾性膜27を支持する、例えば、金属材料等からなる支持板28との複合板で形成されており、弾性膜27側が流路形成基板12に接合されている。例えば、本実施形態では、弾性膜27は、厚さが数μm程度のPPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルムからなり、支持板28は、厚さが数十μm程度のステンレス鋼板(SUS)からなる。また、振動板15の各圧力発生室11に対向する領域内には、圧電素子16の先端部が当接する島部29が設けられている。すなわち、振動板15の各圧力発生室11の周縁部に対向する領域に他の領域よりも厚さの薄い薄肉部30が形成されて、この薄肉部30の内側にそれぞれ島部29が設けられている。例えば、本実施形態では、詳しくは後述するが、振動板15の島部29及び薄肉部30は、支持板28をエッチングにより除去することによって形成されており、薄肉部30は実質的に弾性膜27のみで形成されている。そして、各圧電素子16は、上述したように、その活性領域の先端がこのような振動板15の島部29に当接した状態で固定されている。また、本実施形態では、振動板15のリザーバー18に対向する領域に、薄肉部30と同様に、支持板28がエッチングにより除去されて実質的に弾性膜のみで構成されるコンプライアンス部31が設けられている。なお、このコンプライアンス部31は、リザーバー18内の圧力変化が生じた時に、このコンプライアンス部31の弾性膜27が変形することによって圧力変化を吸収し、リザーバー18内の圧力を常に一定に保持する役割を果たす。
【0021】
このようなインクジェット式記録ヘッド10では、インク滴を吐出する際に、圧電素子16及び振動板15の変形によって各圧力発生室11の容積を変化させて所定のノズル開口13からインク滴を吐出させるようになっている。具体的には、図示しないインクカートリッジからヘッドケース26に形成された図示しないインク流路を介してリザーバー18にインクが供給されると、インク供給路19を介して各圧力発生室11にインクが分配される。実際には、圧電素子16に電圧を印加することにより圧電素子16を収縮させる。これにより、振動板15が圧電素子16と共に変形されて圧力発生室11の容積が広げられ、圧力発生室11内にインクが引き込まれる。そして、ノズル開口13に至るまで内部にインクを満たした後、駆動回路からの記録信号に従い、圧電素子16の電極形成材料22及び23に印加していた電圧を解除する。これにより、圧電素子16が伸張されて元の状態に戻ると共に振動板15も変位して元の状態に戻る。結果として圧力発生室11の容積が収縮して圧力発生室11内の圧力が高まりノズル開口13からインク滴が吐出される。
【0022】
ちなみに、このようなインクジェット式記録ヘッドを構成する流路形成基板12及び接合基板であるノズルプレート14は、組立段階においてはウェハーに複数一体的に形成されている。図3(a)は、記録ヘッドの流路形成基板用ウェハーの平面図であり、図3(b)は、流路形成基板用ウェハーの要部拡大図である。例えば、流路形成基板12は、図3(a)に示すように、例えば、6インチのシリコンウェハーである流路形成基板用ウェハー100に複数一体的に形成される。具体的には、後述するように流路形成基板用ウェハー100を異方性ウェットエッチングすることによって圧力発生室11、リザーバー18、インク供給路19及びノズル連通孔20が複数形成される。そして、この流路形成基板用ウェハー100を図中点線で示す切断予定線に沿って分割することによって形成されている。この切断予定線上には、複数の貫通孔201が所定間隔で配列されてなるブレイクパターン200が形成されている。このブレイクパターン200は、図3(b)に示すように、各貫通孔201の間が接続部202となっており、各流路形成基板12の周縁部、すなわち、各流路形成基板12の長辺及び短辺に形成されている。流路形成基板用ウェハー100に外力を加えることでこれら接続部202に亀裂が入る。これにより流路形成基板用ウェハー100はブレイクパターン200に沿って複数の流路形成基板12に分割されることになる。なお、図3(b)では貫通孔201を簡略化して長方形の開口形状で示しているが、この貫通孔201は、実際にはシリコンウェハーである流路形成基板用ウェハー100の結晶面に沿った開口形状に形成されるのが好ましい。例えば、本実施形態では、流路形成基板用ウェハー100が面方位(110)のシリコンウェハーであるため、貫通孔201は、(110)面に垂直な2つの(111)面に沿った開口形状に形成される。
【0023】
以下、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法について説明する。
図4及び図5は、圧力発生室11の長辺に沿った方向の断面図である。また、図6は、ブレイクパターン200を構成する貫通孔201の形成工程を説明する平面図である。
【0024】
まず、図4(a)に示すように、表面が(110)面のシリコンウェハーである流路形成基板用ウェハー100を、例えば、約1100℃の拡散炉で熱酸化することにより、その表面に二酸化シリコンからなる保護膜101を1μm程度の厚さで形成する。なお、この保護膜101は、後述する工程で流路形成基板用ウェハー100をエッチングする際に、マスクとして用いられるものである。このため、保護膜101は、流路形成基板用ウェハー100とはエッチングの選択性を有する材料であれば、二酸化シリコン以外の材料で形成されていてもよい。
【0025】
次に、図4(b)に示すように、流路形成基板用ウェハー100の表面に形成された保護膜101上に所定形状のレジスト膜102を形成する。すなわち、流路形成基板12を貫通して設けられる各リザーバー18及びノズル連通孔20が形成される領域に開口103を有すると共に、ブレイクパターン200を構成する貫通孔201が形成される領域に開口104を有するレジスト膜102を保護膜101上に形成する。
【0026】
なお、これら開口103、104は、流路形成基板用ウェハー100の両面にそれぞれ形成する。また、レジストは、例えば、ネガレジストをスピンコート法等により塗布して形成し、レジスト膜102は、その後、所定のマスクを用いて露光・現像・ベークを行うことにより形成する。勿論、ネガレジストの代わりにポジレジストを用いてもよい。
【0027】
次に、図4(c)に示すように、このレジスト膜102をマスクとして、例えば、フッ酸等により保護膜101をハーフエッチングすることにより、リザーバー18、ノズル連通孔20が形成される領域に凹部105を形成すると共に、ブレイクパターン200を構成する各貫通孔201が形成される領域に凹部106を形成する。
【0028】
次に、レジスト膜102を除去した後、図4(d)に示すように、再び、レジストを塗布してレジスト膜107を形成する。すなわち、各流路形成基板12を貫通することなく設けられる圧力発生室11及びインク供給路19が形成される領域に開口108を有するレジスト膜107を形成する。これら圧力発生室11等は、流路形成基板12を貫通することなく形成されるため、開口108は、流路形成基板用ウェハー100の一方面側のみに設けられる。
【0029】
そして、図5(a)に示すように、このレジスト膜107を介して保護膜101をエッ
チングすることによって所定形状に形成する。すなわち、凹部105及び凹部106が貫
通するまで保護膜101をエッチングして、各リザーバー18及びノズル連通孔20に対応する領域に開口部109を形成すると共に、貫通孔201に対応する領域に開口部110を形成する。このとき、圧力発生室11及びインク供給路19に対応する領域には、凹部111が同時に形成される。
【0030】
次に、図5(b)に示すように、保護膜101のノズル連通孔20に対応する開口部109から、流路形成基板用ウェハー100にレーザー光、例えば、YAGレーザー等を照射して、先導用の小径の通孔を穿設した後、流路形成基板用ウェハー100を、例えば、水酸化カリウム(KOH)の水溶液に浸漬して異方性エッチングする。これにより、リザーバー18及びノズル連通孔20が形成され、また同時に、ブレイクパターン200を構成する各貫通孔201が形成される(ブレイクパターン形成工程)。
【0031】
ここで、図6を用いて、流路形成基板用ウェハー100のブレイクパターンについて説明する。図6は、流路形成基板用ウェハー100の要部拡大図である。
【0032】
図6に示すように、ブレイクパターン200は、貫通孔201と各貫通孔201の間の接続部202とで構成される。そして、このブレイクパターン200は、流路形成基板12の長辺端部が他の部分よりも脆弱となるように形成されている。すなわち、ブレイクパターン200は、流路形成基板12の長辺端部に脆弱部205を備えている。具体的には、貫通孔201は、流路形成基板12の長辺端部に設けられる貫通孔201Aと流路形成基板12の他の部分に設けられる貫通孔201Bとから構成され、貫通孔201Aの開口面積は貫通孔201Bの開口面積よりも大きい。貫通孔201Aは、貫通孔201Bよりも流路形成基板12の長手方向の長さが長いことにより、開口面積が大きくなっている。
【0033】
ブレイクパターン200の脆弱部205は、流路形成基板12の長辺端部に形成されていればよいが、例えば、それぞれ流路形成基板12の長辺の10%〜25%に形成すればよい。
【0034】
また、ブレイクパターン200の接続部202は、流路形成基板12と比較して厚さが薄くなるように形成してもよい。接続部202の厚さを薄く形成することにより、より容易にブレイクパターン200に沿って流路形成基板用ウェハー100を複数の流路形成基板12に分割することができるようになる。
【0035】
図5に戻って、上述した形状の貫通孔201等を形成した後は、図5(c)に示すように、圧力発生室11及びインク供給路19に対応する領域の凹部111が貫通するまで保護膜101をエッチングして、各圧力発生室11及びインク供給路19に対応する領域に開口部112を形成する。そして、このような保護膜101の開口部112を介して流路形成基板用ウェハー100をハーフエッチングすることにより、図5(d)に示すように、圧力発生室11及びインク供給路19を形成する。なお、これら圧力発生室11及びインク供給路19の深さは、エッチング時間により適宜調整する。これにより、流路形成基板用ウェハー100には、複数の流路形成基板が一体的に形成される。
【0036】
次いで、流路形成基板用ウェハー100表面の保護膜101を、例えば、フッ酸(HF)等のエッチング液を用いて除去してから、流路形成基板用ウェハー100の圧力発生室11開口面とは反対側にノズルプレート14を、例えば、接着剤によって接着する。具体的には、流路形成基板用ウェハー100とノズルプレート14とを、未硬化状態の熱硬化型接着剤、例えば、エポキシ系接着剤等を介して塗布する(塗布工程)。そして、流路形成基板用ウェハー100とノズルプレート14とをオーブン等により加熱することにより、流路形成基板用ウェハー100とノズルプレート14との間に挟まれた未硬化状態の接着剤を加熱硬化させることにより、流路形成基板用ウェハー100とノズルプレート14とを接着する(加熱工程)。
【0037】
ここで、接着剤を硬化させる際の加熱により、流路形成基板用ウェハー100とノズルプレート14との線膨張係数の違いに起因して、流路形成基板用ウェハー100には変形(反り)が生じ、この流路形成基板用ウェハー100の変形に伴う応力がかかる。特に、流路形成基板用ウェハー100とノズルプレート14との線膨張係数が大きく異なる場合、例えば、本実施形態のように、流路形成基板用ウェハー100がシリコン単結晶基板からなり、ノズルプレートがステンレス鋼(SUS)からなる場合、加熱による膨張や冷却による収縮時に大きな応力が発生する。そして、この応力によって、ブレイクパターン200に沿って割れずに、流路形成基板12にクラックが発生する虞がある。流路形成基板用ウェハー100に設けられるブレイクパターン200の剛性が高い場合には、特にクラックが発生しやすい。
【0038】
流路形成基板用ウェハー100及びノズルプレート14は、加熱に伴い、広がる方向に変形(膨張)しようとする。このとき、流路形成基板用ウェハー100及びノズルプレート14は線膨張係数が異なるが、接着剤が硬化することで流路形成基板用ウェハー100とノズルプレート14とが固定されてしまう。このため、膨張率の違いにより流路形成基板用ウェハー100及びノズルプレート14に変形(反り)が生じ、各流路形成基板12の角部、すなわち、上下左右の隅部には応力(負荷)がかかる。流路形成基板12の長さが長いほど変形量(反り量)が大きくなり、特に、各流路形成基板12の長辺は、この線膨張係数の違いにより発生する応力の影響を受け易い。このため、各流路形成基板12の長辺端部にはクラックが生じやすい。
【0039】
また、接着工程後にオーブン等から取り出すことによる温度低下により、流路形成基板用ウェハー100及びノズルプレート14がそれぞれ異なる収縮率で収縮しようとする。このときも同様に、接着剤により固定されていることにより、流路形成基板用ウェハー100に応力がかかる。この場合も同様に、各流路形成基板12の長辺は、この線膨張係数の違いにより発生する応力の影響を受け易い。このため、各流路形成基板12の長辺端部にはクラックが生じやすい。
【0040】
しかしながら、本実施形態では、ブレイクパターン200は、流路形成基板12の長辺端部に脆弱部205を有する、すなわち、各流路形成基板12の長辺端部が他の部分よりも脆弱となるように形成されている。この脆弱部205(貫通孔201A)によって応力が緩和されることで、クラックが生じるのを抑制することができる。
【0041】
また、各流路形成基板12の長辺端部に大きな応力がかかった場合には、ブレイクパターン200の流路形成基板12の長辺端部が割れるように設計されている。すなわち、加熱に起因して流路形成基板12に大きな応力が発生した場合、長辺端部がブレイクパターン200に沿って割れるようになっている。これにより、インクジェット式記録ヘッドを製造する際の流路形成基板12のクラックの発生を抑制することができる。また、ブレイクパターン200の他の部分は、従来のブレイクパターンの構成と同程度の脆弱性が維持されていることにより、流路形成基板12の長辺端部がブレイクパターン200に沿って割れたとしても、各流路形成基板12が離間してしまうことがない。
【0042】
そして、流路形成基板用ウェハー100とノズルプレート14との接着後は、各圧力発生室11に対応する領域に設けられる圧電素子16を備えた振動板15を、流路形成基板12のノズルプレート14とは反対側の面に、例えば、エポキシ系の接着剤等からなる接着層を介して接合する。なお、圧電素子16等の製造方法は、公知の技術であるため詳しい説明は省略する。そして、ヘッドケース26が複数一体的に形成されるヘッドケース用ウェハーを、流路形成基板用ウェハー100の上方、具体的には、振動板15上に、例えば、エポキシ系の接着剤等からなる接着層を介して接合する。
【0043】
次に、図示しないが、外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、この流路形成基板用ウェハー100に、例えば、エキスパンドリング等を用いて外力を加えることにより、ブレイクパターン200に沿って流路形成基板用ウェハー100が分割されて、複数の流路形成基板12が形成される。すなわち、ブレイクパターン200を構成する各貫通孔201間の接続部202に確実に亀裂を発生させて、流路形成基板用ウェハー100を複数の流路形成基板12に分割することができる。
【0044】
本実施形態では、流路形成基板用ウェハー100における各流路形成基板12の長辺端部は応力が集中しやすいが、ブレイクパターン200の各流路形成基板12の長辺端部が他の部分よりも脆弱となるように形成されている。また、各流路形成基板12の長辺端部に大きな応力がかかった場合には、割れるように設計されている。したがって、インクジェット式記録ヘッドを製造する際の流路形成基板12のクラックの発生を抑制することができる。
【0045】
また、接着剤の硬化時だけでなく、他の要因によるものであっても、ブレイクパターン200の流路形成基板12の長辺端部が脆弱となるように形成されていることにより、流路形成基板12の長辺端部のクラックの発生を抑制することができる。
【0046】
したがって、インクジェット式記録ヘッドを製造する際の流路形成基板12のクラックの発生を抑制することができ、歩留まりを向上することができ、コストの削減をすることができる。
【0047】
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る製造方法を示す図であり、流路形成基板用ウェハーの一部を拡大した平面図である。なお、同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0048】
本実施形態では、実施形態1とは異なる形状のブレイクパターンを形成する以外は、実施形態1で説明した製造方法によって製造される。本実施形態のブレイクパターンの形状について図7を用いて説明する。
【0049】
ブレイクパターン210は、貫通孔211と各貫通孔211の間の接続部212とで構成される。そして、このブレイクパターン210は、流路形成基板12の長辺端部が他の部分よりも脆弱となるように形成されている。すなわち、ブレイクパターン210は、流路形成基板12の長辺端部に脆弱部215を備えている。具体的には、接続部212は、流路形成基板12の長辺端部の接続部212Aと他の部分の接続部212Bとから構成され、接続部212Aは、接続部212Bよりも長手方向の長さが短い。すなわち、ブレイクパターン210は、流路形成基板12の長辺端部における貫通孔211の間隔が他の部分の貫通孔211の間隔よりも狭くなるように形成されている。
【0050】
このようなブレイクパターン210を構成した場合、脆弱部215によって応力が緩和されることで、クラックが生じるのを抑制することができる。また、流路形成基板12の長辺端部に大きな応力がかかった場合には、ブレイクパターン210に沿って割れるように設計されている。これにより、インクジェット式記録ヘッドを製造する際の流路形成基板12のクラックの発生を抑制することができる。そして、ブレイクパターン210の他の部分は、従来のブレイクパターンの構成と同程度の脆弱性が維持されていることにより、流路形成基板12の長辺端部がブレイクパターンに沿って割れたとしても、各流路形成基板12が離間することがない。
【0051】
したがって、インクジェット式記録ヘッドを製造する際の流路形成基板12のクラックの発生を抑制することができ、歩留まりを向上することができ、コストの削減をすることができる。
【0052】
(実施形態3)
図8は、実施形態3に係る製造方法を示す図であり、流路形成基板用ウェハーの一部を拡大した平面図である。なお、同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0053】
本実施形態では、ブレイクパターンの形状を変更した以外は、実施形態1で説明した製造方法によって製造される。本実施形態のブレイクパターンの形状について図8を用いて説明する。
【0054】
図8に示すように、ブレイクパターン220は、貫通孔221と各貫通孔221の間の接続部222とで構成される。そして、このブレイクパターン220は、流路形成基板12の長辺端部が他の部分よりも脆弱となるように形成されている。すなわち、ブレイクパターン220は、流路形成基板12の長辺端部に脆弱部225を備えている。具体的には、貫通孔221は、流路形成基板12の長辺端部側に設けられる貫通孔221Aと、流路形成基板12の他の部分に設けられる貫通孔221Bとがあり、貫通孔221Aの開口面積は貫通孔221Bの開口面積よりも大きい。
【0055】
さらに、ブレイクパターン220は、流路形成基板12の角部において、流路形成基板12の長辺端部の貫通孔と流路形成基板12の短辺端部の貫通孔とが連続して、十字状の貫通孔223を形成している。かかる貫通孔223を形成することにより、流路形成基板12の角部へかかる応力に起因するクラックの発生をより確実に抑制することができる。
【0056】
このようなブレイクパターン220を構成した場合、脆弱部225(貫通孔223)によって応力が緩和されることで、クラックが生じるのを抑制することができる。また、流路形成基板12の長辺端部に大きな応力がかかった場合には、ブレイクパターン220に沿って割れるように設計されている。これにより、インクジェット式記録ヘッドを製造する際の流路形成基板12のクラックの発生を抑制することができる。そして、ブレイクパターン220の他の部分は、従来のブレイクパターンの構成と同程度の脆弱性が維持されていることにより、流路形成基板12の長辺端部がブレイクパターンに沿って割れたとしても、各流路形成基板12が離間することがない。
【0057】
以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例
に限定されるものではない。
【0058】
(実施例1)
実施形態3と同様の方法により、インクジェット式記録ヘッドを製造した。
【0059】
(比較例1)
ブレイクパターン220の貫通孔221をすべて貫通孔221Bからなるものとした以外は実施例1と同様にして、インクジェット式記録ヘッドを製造した。
【0060】
実施例1及び比較例1のインクジェット式記録ヘッドを1万個作製し、流路形成基板12のクラックの発生による不良率を求めた。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】

【0062】
表1に示すように、実施例1では不良率が0%であり、製造工程における流路形成基板のクラックの発生を確実に防止できることが確認された。
【0063】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1〜3について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、実施形態1では、ブレイクパターン200の流路形成基板12の長辺端部には、貫通孔201Bよりも開口面積が大きい貫通孔201Aを1つ設けたものを図示したが、勿論、貫通孔201Bよりも開口面積が大きい貫通孔201Aを流路形成基板12の長辺端部側に複数設けるようにしてもよい。同様に、実施形態2では、ブレイクパターン210の流路形成基板12の長辺端部には、接続部212Bよりも長さが短い接続部212Aを3つ設けるようにしたが、これに限定されず、1つ以上設けるようにすればよい。
【0064】
また、上述した実施形態では、ブレイクパターンは、流路形成基板の長辺端部が他の部分よりも脆弱となるように形成したが、さらに、流路形成基板の短辺端部が他の部分よりも脆弱となるように形成してもよい。
【0065】
上述した実施形態では、流路形成基板12として、結晶面方位が(110)面のシリコン単結晶基板を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、結晶面方位が(100)面のシリコン単結晶基板を用いるようにしてもよく、また、SOI基板、ガラス等の材料を用いるようにしてもよい。また、上述した実施形態では、接合基板としてノズルプレートを例に挙げて説明したが、接合基板は流路形成基板とは異なる材料からなるものであればよく、これに限定されるものではない。
【0066】
また、図9に示すように、流路形成基板用ウェハー100Aに各流路形成基板12が千鳥状に配置された場合も同様に、ブレイクパターン200Aは、流路形成基板12の長辺端部が他の部分よりも脆弱な脆弱部205Aを備えるように形成すればよい。このとき、一の流路形成基板12の長辺中央部に、他の流路形成基板12の長辺端部が位置する場合は、ブレイクパターン200Aは、一の流路形成基板12において、長辺端部及び長辺中央部において他の部分よりも脆弱となる。すなわち、ブレイクパターン200Aは、一の流路形成基板12において、長辺端部だけではなく、長辺中央部に他の部分と比較して脆弱な部分が存在することになるが、いずれにしても、ブレイクパターン200Aは、少なくとも流路形成基板12の長辺端部が他の部分よりも脆弱となるように形成されていればよい。
【0067】
また、ブレイクパターンは、流路形成基板12の長辺端部が他の部分よりも脆弱となるように形成すればよく、例えば、流路形成基板12の長辺端部の接続部を他の部分よりも厚さを薄くすることにより、脆弱部としてもよい。
【0068】
本発明の液体噴射ヘッドの製造方法は、流路形成基板が複数一体的に形成されたウェハーと、流路形成基板とは異なる材料からなる接合基板との間に接着剤を塗布する塗布工程と、塗布工程後にウェハーと接合基板とを加熱する加熱工程と、を備える液体噴射ヘッドの製造方法すべてに適用することができる。例えば、上述した実施形態では、熱硬化型接着剤を塗布し、加熱により熱硬化型接着剤を硬化させたが、熱硬化型接着剤以外の接着剤を塗布した後、接着剤を硬化させる以外の理由によりウェハーと接合基板とを加熱するものにも適用することができる。すなわち、接着工程の後に加熱工程を行うものにも適用することができる。また、接合基板は、流路形成基板とは異なる材料からなるものであればよく、ノズルプレート14以外のものであってもよい。
【0069】
上述した実施形態では、いわゆる縦振動型の圧電素子を有するインクジェット式記録ヘッドを例示したが、勿論、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、成膜及びリソグラフィ法を応用して製造される薄膜型の圧電素子、あるいは、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電素子等を有するインクジェット式記録ヘッドにも本発明を採用することができる。
【0070】
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図10は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
【0071】
図10に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
【0072】
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
【0073】
また、上述したインクジェット式記録装置IIでは、インクジェット式記録ヘッドI(ヘッドユニット1A、1B)がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドIが固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
【0074】
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0075】
11 圧力発生室、 12 流路形成基板、 13 ノズル開口、 14 ノズルプレート、 15 振動板、 16 圧電素子、 18 リザーバー、 19 インク供給路、 20 ノズル連通孔、 21 圧電材料、 22,23 電極形成材料、 24 固定基板、 100 流路形成基板用ウェハー、 200 ブレイクパターン、 201 貫通孔、 202 接続部、 205 脆弱部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を噴射するノズル開口に連通する複数の圧力発生室が設けられた流路形成基板と、前記流路形成基板に接合され前記流路形成基板とは異なる材料からなる接合基板と、を具備する液体噴射ヘッドの製造方法であって、
複数の前記流路形成基板が一体的に形成されたウェハーの各前記流路形成基板の間に、前記流路形成基板毎に分割するためのブレイクパターンを形成する工程と、
前記ウェハーと前記接合基板との間に接着剤を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程後に前記ウェハーと前記接合基板とを加熱する加熱工程と、
前記ウェハーを前記ブレイクパターンに沿って、前記接合基板が接着された複数の流路形成基板に分割する分割工程と、を具備し、
前記ブレイクパターンは、前記流路形成基板の長辺端部が他の部分よりも脆弱となるように形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の液体噴射ヘッドの製造方法であって、
前記ブレイクパターンは、複数の貫通孔及び該貫通孔間に設けられる接続部から構成され、前記流路形成基板の長辺端部の前記貫通孔の開口面積が他の部分の前記貫通孔の開口面積よりも大きくなるように形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッドの製造方法であって、
前記ブレイクパターンは、複数の貫通孔及び該貫通孔間に設けられる接続部から構成され、前記流路形成基板の長辺端部の前記貫通孔の間隔が他の部分の前記貫通孔の間隔よりも狭くなるように形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法であって、
前記ブレイクパターンは、複数の貫通孔及び該貫通孔間に設けられる接続部から構成され、前記流路形成基板の角部において長辺端部の前記貫通孔と短辺端部の前記貫通孔とが連続するように形成することを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法であって、
前記接合基板が、前記ノズル開口が形成されたノズルプレートであることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドの製造方法であって、
前記流路形成基板がシリコン単結晶基板からなり、前記接合基板がステンレス鋼からなることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−218187(P2012−218187A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83162(P2011−83162)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】