説明

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

【課題】各ノズルから吐出される液滴の吐出方向のばらつきを抑制することにより、印刷
品質を向上させた液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体を噴射するノズル21と、ノズル21に連通する圧力発生室を含む個別
流路を備える液体流路と、圧力発生室に圧力変化を生じさせてノズル21から液滴を吐出
させる圧電素子と、を具備し、ノズル21は圧力発生室に対して複数設けられ、1つの個
別流路内において隣り合うノズル21の開口の間の領域には、前記圧力発生室側に突出す
る凸部22の最大突出部23が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル開口から液滴を吐出する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特
に、液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録
装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電圧を印加することで変形する圧電素子で液体に圧力を付与することにより
ノズルから液滴を吐出する液体噴射ヘッドが知られており、その代表例として、ノズルか
らインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドが知られている。
【0003】
このようなインクジェット式記録ヘッドとしては、1つの圧力発生室に対して複数のノ
ズル開口を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなインク
ジェット式記録ヘッドによれば、印刷物の解像度を上げることができると共に、印刷物の
光学濃度(OD値;Optical Density)を高くすることができる。また、
特許文献1のインクジェット記録ヘッドでは、ノズルの長さが所定の条件を満たすものと
なるようにすることにより、ノズル裏面におけるメニスカスの合体現象及びインク滴の合
体現象を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−331658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、1つの圧力発生室に対して複数のノズルを設けた場合、ノズル毎にイン
クの吐出方向にばらつきが生じるため、印刷品質が低下してしまうとことが問題となって
いた。
【0006】
なお、このような問題は、インクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液
体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑み、各ノズルから吐出される液滴の吐出方向のばらつきを
抑制することにより、印刷品質を向上させた液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する
ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を噴射するノズルと、該ノズルに連通する圧
力発生室を含む個別流路を備える液体流路と、該圧力発生室に圧力変化を生じさせて前記
ノズルから液滴を吐出させる圧力発生手段と、を具備し、前記ノズルは前記圧力発生室に
対して複数設けられ、1つの個別流路内において隣り合うノズルの開口の間の領域には、
前記圧力発生室側に突出する凸部の最大突出部が設けられていることを特徴とする液体噴
射ヘッドにある。
かかる態様では、1つの個別流路内において隣り合うノズルの開口の間の領域に凸部の
最大突出部が設けられていることにより、ノズル開口とノズル開口の間の流路抵抗が高く
なり、一のノズル開口の液体流路側壁側と液体流路中心側との流路抵抗の差を小さくする
ことができる。これにより、各ノズルから吐出される液滴のノズル列方向のばらつきを抑
制することができ、印刷品質を向上させることができる。
【0009】
本発明の好適な実施態様としては、前記ノズルが前記凸部の傾斜面に開口しているもの
が挙げられる。また、前記凸部の傾斜面が曲面からなるものや前記凸部の傾斜面が平坦面
からなるものが挙げられる。
【0010】
本発明の好適な実施態様としては、前記隣り合うノズルの開口は、それぞれ当該ノズル
に連通する個別流路の底面において中心よりもノズル列方向と直交する側壁側に設けられ
ており、ノズルから該ノズルに最も近い前記側壁までの距離が等しく且つノズルから前記
底面中心までの距離が等しいものが挙げられる。これによれば、個別流路の底面中心より
もノズル列方向と直交する側壁側にノズルの開口が設けられていても、各ノズルから吐出
される液滴のノズル列方向のばらつきを抑制することができる。
【0011】
ここで、隣り合うノズルは、開口が前記凸部の最大突出部を中心として対称となるよう
に設けられているのが好ましい。これによれば、隣り合うノズルの開口の近傍の流路抵抗
を均等とすることができ、各ノズルから吐出する液滴の量を均等とすることができる。こ
れにより、印刷品質をより向上させることができる。
【0012】
本発明の他の態様は、上記の液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置にある。
かかる態様では、各ノズルから吐出される液滴のノズル列方向のばらつきを抑制するこ
とにより、印刷品質を向上させた液体噴射装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。
【図3】実施形態1に係る記録ヘッドのノズルプレートの要部概略図である。
【図4】実施形態1に係る記録ヘッドの流路抵抗の説明図である。
【図5】実施形態1に係るノズルプレートの製造工程を示す断面図である。
【図6】実施形態1に係るノズルプレートの製造工程を示す断面図である。
【図7】実施形態2に係る記録ヘッドのノズルプレートの要部概略図である。
【図8】実施形態3に係る記録ヘッドのノズルプレートの要部概略図である。
【図9】実施形態に係る記録装置の概略図である。
【図10】従来の記録ヘッドの流路抵抗の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド1
の概略構成を示す分解斜視図であり、図2は、流路形成基板の平面図及びそのA−A′断
面図である。
【0015】
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態ではシリコン単結晶基板からなり、
その一方の面には酸化膜からなる弾性膜50が形成されている。
【0016】
流路形成基板10には、複数の隔壁11によって区画された複数の圧力発生室12がそ
の幅方向(短手方向)に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長
手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧
力発生室12毎に設けられたインク供給路14及び連通路15を介して連通されている。
連通部13は、後述する保護基板のマニホールド部31と連通して各圧力発生室12の共
通のインク室となるマニホールドの一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室1
2よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流
路抵抗を一定に保持している。なお、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでイ
ンク供給路14を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成しても
よい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成し
てもよい。
【0017】
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反
対側の端部近傍に連通するノズル21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶
着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、例えばガラスセラ
ミックス、シリコン単結晶基板又はステンレス鋼などからなる。本実施形態の記録ヘッド
1では、インク供給路14、連通路15及び圧力発生室12が1つの個別流路に該当し、
1つの個別流路に対して2つのノズルが設けられている。
【0018】
ここで、図3、図4及び図10を用いて、本実施形態のノズルプレート20及びノズル
近傍の流路抵抗について説明する。図3は、実施形態1にかかるインクジェット式記録ヘ
ッドのノズルプレートを示す図である。具体的には、図3(a)がノズルプレートの圧力
発生室側からの上面図、図3(b)がノズルプレートの側面図、図3(c)がノズルプレ
ートの断面図である。図4は、実施形態1にかかる記録ヘッドのノズル近傍の流路抵抗の
説明図である。図10は、従来のインクジェット式記録ヘッドのノズル近傍の流路抵抗の
説明図である。
【0019】
本実施形態のノズルプレート20には、複数のノズル21が列設されたノズル列が設け
られており、1つの個別流路に対してノズル21が2つ設けられている(ノズル21A,
21B)。具体的には、ノズル21A及びノズル21Bが圧力発生室12の並設方向に並
んで配置されている。
【0020】
図3に示すように、圧力発生室12には、圧力発生室12側に突出する球冠状の凸部2
2が設けられており、球冠状の凸部22の最大突出部23から緩やかに傾斜する曲面にノ
ズル21A及びノズル21Bが開口している。言い換えれば、ノズル21Aの開口とノズ
ル21Bの開口の間には、球冠状の凸部22の最大突出部23が配置されており、ノズル
21A及びノズル21Bは、凸部22の傾斜面に開口するように設けられている。このよ
うに、圧力発生室12側に突出する凸部22の最大突出部23が、隣り合うノズル21A
の開口とノズル21Bの開口の間の領域に位置するように設けられていることにより、凸
部22の設けられていない平坦なものと比較して、ノズル21Aの開口とノズル21Bの
開口との間の領域は流路抵抗が大きくなる。
【0021】
ここで、図10に示すように、従来のインクジェット式記録ヘッドでは、1つの個別流
路に対して2つのノズル21’(ノズル21A’及びノズル21B’)を設けることによ
り、各ノズル21’はそれぞれ、圧力発生室12を区画する隔壁11側では流路抵抗が高
く、圧力発生室中心側では流路抵抗が小さくなっていた。詳述すると、ノズル21A’は
、個別流路の底面中心(圧力発生室12の底面中心)には設けられておらず、該ノズル2
1A’の開口中心から一方の隔壁11までの距離と、該ノズル21A’の開口中心から他
方の隔壁11までの距離が異なる。このため、ノズル21A’は、隔壁11までの距離が
遠い圧力発生室中心側が、隔壁11側よりも流路抵抗が小さくなっていた。ノズル21B
’も同様の理由により、圧力発生室中心側が隔壁11側よりも流路抵抗が小さくなってい
た。したがって、各ノズル21’から吐出する液滴は、流路抵抗の小さい圧力発生室中心
側の流速が大きくなり、圧力発生室12の隔壁11側へ向かって吐出していた。このよう
に、各ノズル21’から圧力発生室12の隔壁11側へ広がるように液滴が吐出されて、
ノズル列方向にばらつきが生じていた。
【0022】
これに対し、本実施形態では、図4に示すように、ノズル21Aの開口とノズル21B
の開口の間の領域に、圧力発生室12側に突出する凸部22の最大突出部23が設けられ
ていることにより、ノズル21Aの開口とノズル21Bの開口の間の領域の流路抵抗が高
くなる。これにより、ノズル21Aの開口の圧力発生室12の隔壁11側と圧力発生室1
2の中心側との流路抵抗の差を小さくすることができる。すなわち、ノズル21Aの開口
のノズル列方向の流路抵抗の差が小さくなる。したがって、ノズル21Aから吐出する液
滴は、圧力発生室12の隔壁11方向へ吐出することがない。なお、ノズル21Bも同様
に、ノズル21Bの開口のノズル列方向の流路抵抗の差が小さくなり、ノズル21Bから
吐出する液滴は、圧力発生室12の隔壁11側へ向かって吐出されることがない。したが
って、ノズル21Aから吐出する液滴と、ノズル21Bから吐出する液滴は、ノズル列方
向にばらつきがないものとなり、印刷品質を向上させることができる。
【0023】
ここで、本実施形態では、各ノズル21は各圧力発生室12のインク供給路14とは反
対側の端部近傍に設けられており、各ノズル21の開口から圧力発生室12の長手方向に
設けられる一の側壁までの距離と、各ノズル21から他の側壁までの距離とが異なる。こ
のため、インク供給路14とは反対側の側壁側へ向かって吐出される、すなわち、各ノズ
ル21の液滴の吐出方向は、ノズル列方向と交差する方向に対してズレが生じる。しかし
ながら、ノズル列方向が圧力発生室12の並設方向と一致しているため、各ノズル21か
ら吐出する液滴のノズル列方向と交差する方向に対する傾きにはばらつきがない。すなわ
ち、ノズル21Aの液滴の吐出方向とノズル21Bの液滴の吐出方向が平行となる。なお
、ノズル列方向と交差する方向に対するズレは、液体噴射ヘッドと被記録媒体との距離を
調整することにより、印刷ズレの原因とはならない。
【0024】
また、本実施形態では、ノズル21Aから該ノズル21Aに最も近い隔壁11までの距
離と、ノズル21Bから該ノズル21Bに最も近い隔壁11までの距離とが等しく、ノズ
ル21Aから圧力発生室12の底面中心までの距離と、ノズル21Bから圧力発生室12
の底面中心までの距離とが等しい。言い換えれば、凸部22の最大突出部23は、圧力発
生室12の幅方向の中心と一致するように設けられ且つノズル21Aの開口とノズル21
Bの開口は、最大突出部23を中心として対称となるように設けられている。このように
、凸部22の最大突出部23から等距離にノズル21Aの開口とノズル21Bの開口とが
設けられることにより、ノズル21Aの開口とノズル21Bの開口の間の領域には左右対
称の凸形状が設けられた状態となる。このような構成とすることにより、ノズル21Aの
開口近傍の流路抵抗と、ノズル21Bの開口近傍の流路抵抗とを均等にすることができ、
ノズル21A及びノズル21Bから吐出する液滴の流速を均等にすることができる。これ
により、ノズル21毎の液滴の吐出量のばらつきが抑制されて、印刷品質をより向上させ
ることができる。
【0025】
ここで、本実施形態にかかるノズルプレートの製造方法の一例を簡単に説明する。なお
、図5及び図6は、ノズルプレートの製造工程を示す断面図である。
【0026】
まず、図5(a)〜(c)に示すように、ノズルプレート20となる板状部材200に
所定間隔で凸部22をプレス加工により形成する。具体的には、図5(a)に示すように
、形成する凸部22と同一形状の孔部401の形成されたダイス400上に板状部材20
0を固定し、板状部材200の孔部401に対向する領域に、突出部410を有する押圧
部材420を押圧する。この押圧部材420は、突出部410が圧力発生室12側に吐出
する凸部22と同一形状、すなわち、球冠状となっている。ここで、本実施形態のノズル
プレート20となる板状部材200としては、厚さが60μmのステンレス鋼(SUS)
を用いた。
【0027】
このような押圧部材420及びダイス400を用いたプレス加工では、図5(b)に示
すように、押圧部材420の押圧によって板状部材200が塑性変形する。また、板状部
材200は、塑性変形することにより孔部401に対向する領域に凸部22が生じる。
【0028】
次に、図5(c)に示すように、板状部材200をポリッシング等により研磨すること
により、板状部材200の凸部22の形成面とは反対側の面を平坦化する。
【0029】
そして、図6(a)に示すように、ポンチ430を板状部材200の凸部22側から厚
さ方向に貫通させることにより、図6(b)に示すように、ノズル21A及び21Bを形
成したノズルプレート20を形成する。
【0030】
本実施形態では、流路形成基板10の開口面側に、このようにして形成されたノズルプ
レート20の凸部22側の面を固着させている。
【0031】
なお、本実施形態では、板状部材200の凸部22の形成面とは反対側の面を平坦化し
た後に、ポンチにより貫通孔を形成したが、勿論、ポンチ430により孔を形成した後に
板状部材200の凸部22の形成面とは反対側の面を平坦化してもよい。
【0032】
図1及び図2に戻り、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述した
ように、弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、絶縁体膜55が形成されている
。さらに、この絶縁体膜55上には、第1電極60と圧電体層70と第2電極80とが、
後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子
300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には
、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各
圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何
れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが
生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、第1電極60を圧電素子300の共
通電極とし、第2電極80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の
都合でこれを逆にしても支障はない。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子3
00の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエーター装置と称する。なお
、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び第1電極60が振動板として作用する
が、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50及び絶縁体膜55を設けず
に、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電素子300
自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。
【0033】
本実施形態では、圧電素子300は、白金からなる第1電極60と、チタン酸ジルコン
酸鉛(PZT)からなる圧電体層70と、イリジウムからなる第2電極80とからなる。
本実施形態では、第1電極60が白金からなり、第2電極80がイリジウムからなるよう
にしたが、特にこれに限定されず、第1電極60及び第2電極80は、それぞれ、例えば
、ニッケル、銅、ニオブ、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、錫、オスミウム、イ
リジウム、白金、金、ビスマス、もしくはこれらの積層又は合金等の金属材料からなるよ
うにしてもよい。なお、勿論、第1電極60、第2電極80は、これ以外の導電性材料か
ら構成されていてもよい。
【0034】
また、圧電体層70は、一般式ABOで示される酸化物の圧電材料からなるペロブス
カイト型構造を有するものである。圧電体層70は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(P
ZT)等の強誘電体材料や、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル又は酸化マグネシウム等の
金属酸化物を添加したもの等が好適である。具体的には、チタン酸鉛(PbTiO)、
チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O)、ジルコニウム酸鉛(PbZrO
、チタン酸鉛ランタン((Pb,La),TiO)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(
(Pb,La)(Zr,Ti)O)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸
鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O)等を用いることができる。圧電体層70は
、(100)面に優先配向している菱面体晶系構造又は単斜晶系構造を有するのが好まし
い。なお、優先配向とは、結晶の配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の
方向に向いている状態をいう。具体的には、「(100)面に優先配向する」とは、X線
回折広角法によって圧電体膜を測定した際に生じる(100)面、(110)面及び(1
11)面の回折強度の比率(100)/((100)+(110)+(111))が0.
5より大きいことを意味する。また、圧電体層70の厚さについては、製造工程でクラッ
クが発生しない程度に厚さを抑え、且つ十分な変位特性を呈する程度に厚く形成すればよ
く、例えば、圧電体層70は1〜5μmの厚さであるのが好ましい。本実施形態では、圧
電体層70は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなり、(100)面に優先配向して
いる単斜晶系構造のものとし、1μm前後の厚さで形成した。
【0035】
また、圧電素子300の個別電極である各第2電極80には、インク供給路14側の端
部近傍から引き出され、絶縁体膜55上にまで延設される、例えば、金(Au)等からな
るリード電極90が接続されている。
【0036】
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、マニホールド100
の少なくとも一部を構成するマニホールド部31を有する保護基板30が接着剤35を介
して接合されている。このマニホールド部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ
方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成
基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるマニホール
ド100を構成している。また、流路形成基板10の連通部13を圧力発生室12毎に複
数に分割して、マニホールド部31のみをマニホールドとしてもよい。さらに、例えば、
流路形成基板10に圧力発生室12のみを設け、流路形成基板10と保護基板30との間
に介在する部材(例えば、弾性膜50、絶縁体膜55等)にマニホールドと各圧力発生室
12とを連通するインク供給路14を設けるようにしてもよい。
【0037】
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻
害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。圧電素子保持部32
は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封
されていても、密封されていなくてもよい。
【0038】
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例え
ば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板
10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
【0039】
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられて
いる。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔
33内に露出するように設けられている。
【0040】
また、保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路12
0が固定されている。この駆動回路120としては、例えば、回路基板や半導体集積回路
(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路120とリード電極90とは、ボン
ディングワイヤー等の導電性ワイヤーからなる接続配線121を介して電気的に接続され
ている。
【0041】
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプラ
イアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する
材料からなり、この封止膜41によってマニホールド部31の一方面が封止されている。
また、固定板42は、比較的硬質の材料で形成されている。この固定板42のマニホール
ド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、
マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
【0042】
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッド1では、図示しない外部インク供
給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、マニホールド100からノズル2
1に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧力発
生室12に対応するそれぞれの第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加し、弾性
膜50、絶縁体膜55、第1電極60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、
各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル21からインク滴が吐出する。
【0043】
以上のように、本実施形態では、ノズル21Aの開口とノズル21Bの開口の間の領域
に圧力発生室12側に突出する凸部22(の最大突出部23)を設けることにより、ノズ
ル21Aの開口とノズル21Bの開口の間の領域の流路抵抗を高くしている。したがって
、圧電素子300の駆動により圧力発生室12に圧力変化が生じて液体が流動する際に、
各ノズル21において、圧力発生室12の隔壁11側の流路抵抗と圧力発生室12の中心
側との流路抵抗に差がほとんど生じない。これにより、本実施形態のインクジェット式記
録ヘッド1では、ノズル21毎の液滴の吐出方向のばらつきを抑制することができ、印刷
品質を向上させることができる。
【0044】
また、本実施形態では、隣り合うノズル21Aの開口とノズル21Bの開口は、最大突
出部23を中心として対称となるように設けられていることにより、ノズル21A及びノ
ズル21Bから吐出させる液滴の流速を均等にすることができる。これにより、ノズル毎
のばらつきが抑制されて、印刷品質をより向上させることができる。
【0045】
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドのノズルを示す図である。具体
的には、図7(a)がノズルプレートの圧力発生室側からの上面図、図7(b)がノズル
プレートの側面図、図7(c)がノズルプレートの断面図である。実施形態1と同一作用
を示す部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0046】
図7に示すように、本実施形態の記録ヘッドのノズルプレート201には、1つの個別
流路に対してノズル211が2つ設けられている(ノズル211A,211B)。具体的
には、圧力発生室12の並設方向に、ノズル211A及びノズル211Bが並んで配置さ
れている。
【0047】
そして、圧力発生室12には、圧力発生室12側に突出する凸部221が設けられてい
る。本実施形態にかかる凸部221は、台形2面と三角形2面とから構成される五面体状
である。そして、凸部221の最大突出部231から傾斜する平坦な台形面に、ノズル2
11A及びノズル211Bが開口している。言い換えれば、ノズル211Aの開口とノズ
ル211Bの開口の間には、凸部221の最大突出部231が配置しており、ノズル21
1A及びノズル211Bは、五面体状の凸部221の傾斜面に開口するように設けられて
いる。このように、圧力発生室12側に突出する五面体状の凸部221の最大突出部23
1が隣り合うノズル211Aの開口とノズル211Bの開口との間に位置するように設け
られていることにより、ノズル211Aの開口とノズル211Bの開口の間の領域は、流
路抵抗が大きくなる。
【0048】
本実施形態では、ノズル211Aの開口とノズル211Bの開口の間の領域に、圧力発
生室12側に突出する凸部221(最大突出部231)が設けられていることにより、ノ
ズル211Aの開口とノズル211Bの開口の間の領域の流路抵抗が高くなる。これによ
り、ノズル211Aの開口の圧力発生室12の隔壁11側と圧力発生室12の中心側との
流路抵抗の差を小さくすることができる。したがって、ノズル211Aの開口から吐出す
る液滴は、圧力発生室12の隔壁11方向へ吐出することがない。なお、ノズル211B
も同様に、ノズル211Bの開口のノズル列方向の流路抵抗の差が小さくなり、ノズル2
11Bの開口から吐出する液滴は、圧力発生室12の隔壁11方向へ吐出することがない
。したがって、ノズル211Aから吐出する液滴と、ノズル211Bから吐出する液滴は
、ノズル列方向にばらつきがないものとなり、印刷品質を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態では、隣り合うノズル211Aの開口とノズル211Bの開口は、最
大突出部231を中心として対称となるように設けられている。このように、凸部221
の最大突出部231から等距離にノズル211Aの開口とノズル211Bの開口が設けら
れることにより、ノズル211Aの開口とノズル211Bの開口の間の領域には左右対称
の凸形状が設けられた状態となる。このような構成とすることにより、ノズル211Aの
開口近傍の流路抵抗と、ノズル211Bの開口近傍の流路抵抗とを均等にすることができ
、ノズル211A及びノズル211Bから吐出させる液滴の流速を均等にすることができ
る。これにより、ノズル毎の液滴の吐出量のばらつきが抑制されて、印刷品質をより向上
させることができる。
【0050】
(実施形態3)
図8は、実施形態3に係るインクジェット式記録ヘッドのノズルを示す図である。具体
的には、図8(a)がノズルプレートの圧力発生室側からの上面図、図8(b)がノズル
プレートの側面図、図8(c)がノズルプレートの断面図である。実施形態1と同一作用
を示す部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0051】
図8に示すように、本実施形態の記録ヘッドのノズルプレート202には、1つの個別
流路に対してノズル212が2つ設けられている(ノズル212A,212B)。具体的
には、圧力発生室12の並設方向に、ノズル212A及びノズル212Bが並んで配置さ
れている。
【0052】
そして、圧力発生室12には、圧力発生室12側に突出する凸部222が設けられてい
る。本実施形態にかかる凸部222は、直方体状であり、ノズル212Aの開口及びノズ
ル212Bの間の領域に設けられている。なお、本実施形態では、凸部222全体が最大
突出部となる。
【0053】
本実施形態では、ノズル212Aの開口とノズル212Bの開口の間の領域に、圧力発
生室12側に突出する凸部222(の最大突出部232)が設けられていることにより、
ノズル212Aの開口とノズル212Bの開口の間の領域の流路抵抗が高くなる。これに
より、ノズル212Aの開口の圧力発生室12の隔壁11側と圧力発生室12の中心側と
の流路抵抗の差を小さくすることができる。したがって、ノズル212Aの開口から吐出
する液滴は、圧力発生室12の隔壁11方向へ吐出することがない。なお、ノズル212
Bも同様に、ノズル212Bの開口のノズル列方向の流路抵抗の差が小さくなり、圧力発
生室12の隔壁11方向へ吐出することがない。したがって、ノズル212Aから吐出す
る液滴と、ノズル212Bから吐出する液滴は、ノズル列方向にばらつきがないものとな
り、印刷品質を向上させることができる。
【0054】
また、本実施形態では、隣り合うノズル212Aの開口とノズル212Bの開口は、凸
部222を中心として対称となるように設けられている。このように、凸部222から等
距離にノズル212Aの開口とノズル212Bの開口が設けられることにより、ノズル2
12Aの開口とノズル212Bの開口の間の領域には左右対称の凸形状が形成された状態
となる。このような構成とすることにより、ノズル212Aの開口近傍の流路抵抗と、ノ
ズル212Bの開口近傍の流路抵抗とを均等にすることができ、ノズル212A及びノズ
ル212Bから吐出させる液滴の流速を均等にすることができる。これにより、ノズル毎
の液滴の吐出量のばらつきが抑制されて、印刷品質をより向上させることができる。
【0055】
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は構造や材質などを含めて、上
述した実施形態に限定されるものではない。
【0056】
実施形態1〜3では、1つの個別流路に対してノズルを2つ設けたものを例示したが、
ノズルの数はこれに限定されるものではなく、3つ以上設けてもよい。この場合も同様に
、少なくとも隣り合うノズルの開口の間の領域に、個別流路側に突出する凸部の最大突出
部を設けるようにすればよい。
【0057】
また、実施形態1〜3では、圧力発生室12にノズルを設けたものを例に挙げて説明し
たが、これに限定されるものではなく、ノズルは個別流路に設けられていればよい。
【0058】
また、実施形態3では、ノズルの開口とノズルの開口の間の領域に圧力発生室12側に
突出する凸部222は、直方体状としたがこれに限定されず、三角錐状や円柱状等であっ
てもよい。
【0059】
また、上述した実施形態では、圧力変化を生じさせてノズル開口から液滴を吐出させる
圧力発生手段として、第1電極、圧電体層、第2電極を順に積層させた撓み振動型の圧電
素子を有する記録ヘッド1を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
い。例えば、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型
の圧電素子を有する記録ヘッド、厚膜型の圧電素子を有するインクジェット式記録ヘッド
であっても同様の効果を奏する。
【0060】
本実施形態では、圧力発生手段として圧電素子を用いたがこれに限定されるものではな
く、圧力発生室12内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによって
ノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電
気力によって振動板を変形させてノズルから液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエ
ーター装置などを使用することができる。何れのアクチュエーター装置であっても、実装
部が流路形成基板上に設けられていればよい。
【0061】
また、ノズルプレート20の製造方法は、実施形態1に記載した方法に限定されるもの
ではない。例えば、ノズルプレートがシリコン単結晶基板からなる場合は、シリコン単結
晶基板からなる板状部材にドライエッチングにより凸部を形成した後、貫通孔(ノズル)
を形成してノズルプレートとしてもよい。また、凸部を形成した板状部材に、レーザー照
射等により貫通孔(ノズル)を形成してノズルプレートとしてもよい。
【0062】
これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッド1は、インクカートリッジ等と連通す
るインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装
置に搭載される。図9は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
【0063】
図9に示すように、インクジェット式記録ヘッド1を有する記録ヘッドユニット1A及
び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、
この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付け
られたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A
及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出する
ものとしている。
【0064】
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を
介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキ
ャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5
に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙
等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになって
いる。
【0065】
図9に示す例では、インクジェット式記録ヘッドユニット1A、1Bは、それぞれ1つ
のインクジェット式記録ヘッド1を有するものとしたが、特にこれに限定されず、例えば
、1つのインクジェット式記録ヘッドユニット1A又は1Bが2以上のインクジェット式
記録ヘッド1を有するようにしてもよい。
【0066】
また上述した実施形態では、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置としてインクジェット式
記録ヘッド1及びインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射
ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体
噴射ヘッド及びそれを具備する液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液
体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘ
ッド1、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有
機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材
料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
【符号の説明】
【0067】
1 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 10 流路形成基板、 11
隔壁、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 15 連通路、
20,201,202 ノズルプレート、 21,211,212 ノズル、 30
保護基板、 31 マニホールド部、 32 圧電素子保持部、 40 コンプライアン
ス基板、 60 第1電極、 70 圧電体層、 80 第2電極、 90 リード電極
、 100 マニホールド、 120 駆動回路、 121 接続配線、 300 圧電
素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射するノズルと、
該ノズルに連通する圧力発生室を含む個別流路を備える液体流路と、
該圧力発生室に圧力変化を生じさせて前記ノズルから液滴を吐出させる圧力発生手段と
、を具備し、
前記ノズルは前記圧力発生室に対して複数設けられ、
1つの個別流路内において隣り合うノズルの開口の間の領域には、前記圧力発生室側に
突出する凸部の最大突出部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項2】
前記ノズルが前記凸部の傾斜面に開口していることを特徴とする請求項1に記載の液体
噴射ヘッド。
【請求項3】
前記凸部の傾斜面が曲面からなることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項4】
前記凸部の傾斜面が平坦面からなることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッド

【請求項5】
前記隣り合うノズルの開口は、それぞれ当該ノズルに連通する個別流路の底面において
中心よりもノズル列方向と直交する側壁側に設けられており、ノズルから該ノズルに最も
近い前記側壁までの距離が等しく且つノズルから前記底面中心までの距離が等しいことを
特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項6】
前記隣り合うノズルは、開口が前記凸部の最大突出部を中心として対称となるように設
けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッド。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体
噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−96501(P2012−96501A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248169(P2010−248169)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】