説明

液体噴射装置及び液体供給方法

【課題】簡易な構成でメインタンクからサブタンクに液体を供給することができる液体噴射装置及び液体供給方法を提供する。
【解決手段】プリンターは、インクを噴射するノズル20が設けられた液体噴射ヘッド21と、インクを収容するインクカートリッジ15から供給されたインクを貯留するとともに貯留したインクを液体噴射ヘッド21に供給するサブタンク22と、ノズル20内をノズル開口20a側から吸引することによってサブタンク22内に負圧を発生させ、インクカートリッジ15に収容されたインクをサブタンク22内に流入させる吸引ポンプ29と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインクジェット式プリンターなどの液体噴射装置及び該液体噴射装置における液体供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンターには、インク(液体)を収容するメインタンクから、サブタンクを介して液体噴射ヘッドにインクを供給するものがある(例えば、特許文献1)。すなわち、特許文献1のプリンターにおいては、液体噴射ヘッドのノズルからインクが噴射されると、サブタンクからインクを噴射したノズルの上流側にインクを供給するとともに、そのサブタンクのインク残量が所定値以下になると、加圧ポンプの加圧力によってメインタンクからサブタンクにインクを供給するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−199080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、こうしたプリンターにおいては、ノズルの下流端となるノズル開口を囲うように有底箱状のキャップを液体噴射ヘッドに当接させ、閉空間となったキャップ内を吸引ポンプで吸引することにより、液体噴射ヘッド内の気泡や増粘したインクなどを排出させる吸引クリーニングを行うことがある。そのため、吸引クリーニングを行うプリンターでは、加圧ポンプと吸引ポンプという複数のポンプを備える必要がある分、構成が複雑になってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易な構成でメインタンクからサブタンクに液体を供給することができる液体噴射装置及び液体供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の液体噴射装置は、液体を噴射するノズルが設けられた液体噴射ヘッドと、前記液体を収容するメインタンクから供給された前記液体を貯留するとともに貯留した前記液体を前記液体噴射ヘッドに供給するサブタンクと、前記ノズル内をノズル開口側から吸引することによって前記サブタンク内に負圧を発生させ、前記メインタンクに収容された前記液体を前記サブタンク内に流入させる吸引手段と、を備える。
【0007】
この構成によれば、ノズル開口側からノズル内を吸引することにより、メインタンクに収容された液体をサブタンク内に流入させることができるので、メインタンクから液体を加圧供給するための加圧ポンプを備える場合と比較して、簡易な構成でメインタンクからサブタンクに液体を供給することができる。
【0008】
本発明の液体噴射装置は、開状態となることで前記サブタンク内を大気と連通させる大気開放弁と、前記サブタンクの下部に上流端が接続されるとともに下流端が前記ノズルに通じる供給流路に接続される第1流路と、前記サブタンクの上部に上流端が接続されるとともに下流端が前記供給流路に接続される第2流路と、をさらに備える。
【0009】
この構成によれば、ノズルから液体を噴射する場合には、大気開放弁を開状態とすることで第1流路を通じてサブタンクからノズルに液体を供給することができる。そして、第1流路はサブタンクの下部に接続されているので、気体の混入を抑制しつつ、ノズルに液体を供給することができる。一方、吸引手段がノズル内を吸引する場合には、大気開放弁を閉状態とすることで第2流路を通じてサブタンク内に負圧を発生させ、メインタンク内のインクをサブタンク内に流入させることができる。そして、第2流路はサブタンクの上部に接続されているので、サブタンク内から気体を排出することができる。
【0010】
本発明の液体噴射装置は、前記供給流路と連通する流路を前記第1流路と前記第2流路とで切り換える切替弁をさらに備える。
この構成によれば、ノズルから液体を噴射する場合に切替弁が供給流路と第1流路とを連通させると、第1流路を通じてサブタンクの下部からノズルに液体を供給することができる。一方、吸引手段がノズル内を吸引する場合に切替弁が供給流路と第2流路とを連通させると、第2流路を通じてサブタンクの上部に溜まった気体が排出されるので、気体の排出によってサブタンク内に負圧を発生させることができる。
【0011】
本発明の液体噴射装置において、前記吸引手段は吸引ポンプを有し、該吸引ポンプの駆動負荷を検出するための検出手段をさらに備える。
この構成によれば、第2流路を通じてサブタンク内に負圧を発生させたときに、検出手段が吸引ポンプの駆動負荷が高くなったことを検出することで、サブタンクが液体で満たされたことを検知することができる。したがって、サブタンクが液体で満たされたことを検出するためのセンサー等を備える必要がないため、構成を簡素化することができる。
【0012】
本発明の液体噴射装置は、前記第2流路を開閉可能な開閉弁をさらに備える。
この構成によれば、ノズルから液体を噴射する場合に開閉弁が第2流路を閉状態とすることで、第1流路を通じてサブタンクの下部からノズルに液体を供給することができる。一方、吸引手段がノズル内を吸引する場合に開閉弁が第2流路を開状態とすると、第2流路を通じてサブタンクの上部に溜まった気体が排出されるので、気体の排出によってサブタンク内に負圧を発生させることができる。
【0013】
本発明の液体噴射装置は、前記サブタンク内に配置され、前記サブタンク内の液面が上昇した場合に前記第2流路の上流端を閉塞する閉塞弁をさらに備える。
この構成によれば、サブタンク内で液面が上昇した場合には、閉塞弁によって第2流路の上流端が閉塞されるので、サブタンク内が液体で満たされた後にサブタンク内から液体が吸引されるのを抑制することができる。
【0014】
本発明の液体噴射装置は、前記ノズルの下流端となるノズル開口を囲うように前記液体噴射ヘッドに当接することにより当該液体噴射ヘッドとの間に閉空間域を囲み形成する有底箱状のキャップをさらに備え、前記吸引手段は、前記閉空間域に負圧を発生させることで前記ノズル開口側から前記ノズル内を吸引する。
【0015】
この構成によれば、吸引手段が閉空間域に負圧を発生させることで、ノズル開口側からノズル内を吸引することができる。
上記目的を達成するために、本発明の液体供給方法は、液体を噴射するノズルが設けられた液体噴射ヘッドに対して、液体を収容するメインタンクからサブタンクを介して液体を供給する液体噴射装置における液体供給方法であって、前記ノズル内をノズル開口側から吸引することによって前記サブタンク内に負圧を発生させ、前記メインタンクに収容された前記液体を前記サブタンク内に流入させる。
【0016】
この構成によれば、上記液体噴射装置と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明にかかる液体噴射装置の第1実施形態を示す平面図。
【図2】第1実施形態の液体噴射装置における供給路及びサブタンクの構成を示す断面図。
【図3】第1実施形態の液体噴射装置の電気的構成を示すブロック図。
【図4】第1実施形態の液体噴射装置において、印刷時、吸引クリーニング時及びインク供給時の状態をそれぞれ説明するためのテーブル。
【図5】インクの供給処理ルーチンを示すフローチャート。
【図6】第2実施形態の液体噴射装置における供給路及びサブタンクの構成を示す断面図。
【図7】第3実施形態の液体噴射装置における供給路及びサブタンクの構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる液体噴射装置をインクジェット式プリンター(以下、「プリンター」と略す場合もある)に具体化した第1実施形態について図1〜図5を参照しながら説明する。
【0019】
図1に示すように、本実施形態のプリンター11においては、フレーム12内に配設された支持部材13上に、フレーム12の長手方向となる主走査方向Xと交差する搬送方向Yに沿って用紙Pが搬送される。
【0020】
フレーム12の長手方向における一端側(図1では右端側)に配設されたカートリッジホルダー14には、液体の一例としてのインクを収容するメインタンクの一例としてのインクカートリッジ15が複数(本実施形態では4つ)着脱可能に装着される。
【0021】
フレーム12内には主走査方向Xに延びるガイド部材16が架設されているとともに、このガイド部材16にはキャリッジ17が摺動可能に支持されている。キャリッジ17は、タイミングベルト18を介して、フレーム12の搬送方向Yにおける上流側に設けられたキャリッジモーター19に接続されている。そして、キャリッジ17は、キャリッジモーター19の駆動によりガイド部材16に沿って主走査方向Xに往復移動されるようになっている。
【0022】
キャリッジ17には、下面側にインクを噴射する複数のノズル20が設けられた液体噴射ヘッド21とサブタンク22とが搭載されている。サブタンク22は、可撓性を有するインク供給チューブ23を介してインクカートリッジ15と接続されている。各インク供給チューブ23には、上流側となるインクカートリッジ15側から下流側となるサブタンク22側に向かうインクの流れを許容する一方、下流側から上流側へのインクの逆流を抑制するための一方向弁24が配設されている。
【0023】
そして、サブタンク22は、インクカートリッジ15から供給されたインクを一時貯留するとともに一時貯留したインクを液体噴射ヘッド21に供給するようになっている。すなわち、プリンター11は、フレーム12側に設けられたインクカートリッジ15からキャリッジ17に搭載されたサブタンク22を介して液体噴射ヘッド21にインクを供給する所謂オフキャリッジタイプのプリンターである。そして、液体噴射ヘッド21内に設けられた図示しない圧電素子の駆動によってノズル20からインクが用紙Pに対して噴射されることで、印刷処理が行われるようになっている。
【0024】
フレーム12の長手方向における第1端側(図1では左端側)には、第2端側(図1では右端側)に向けて突設部12aが突設されている。また、キャリッジ17の第1端側(図1では左端側)には、突設部12aと対向する位置にスイッチSWが設けられている。そして、キャリッジ17が主走査方向Xに沿う移動範囲における第1端側まで移動すると、突設部12aによってスイッチSWが押圧されることで、スイッチSWの切替操作が行われるようになっている。
【0025】
フレーム12内においてキャリッジ17の主走査方向Xに沿う移動範囲における第2端側(図1では右端側)はホーム位置HPとなっている。そして、フレーム12内においてホーム位置HPと対応する位置には、上側が開口した有底箱状をなすキャップ25が配設されている。なお、以下の説明においては、キャリッジ17の主走査方向Xに沿う移動範囲において、ホーム位置HP側(第2端側)を「1桁側」、反ホーム位置HP側(第1端側)を「80桁側」と称する場合がある。
【0026】
図2に示すように、キャップ25は、図示しない昇降機構の駆動に基づいて昇降することにより、ホーム位置HPに配置された液体噴射ヘッド21の下面からなるノズル形成面21aに対して接離する方向(本実施形態では上下方向)に変位可能になっている。そして、キャップ25は、ノズル20の下流端となるノズル開口20aを囲うように液体噴射ヘッド21のノズル形成面21aに当接することにより、液体噴射ヘッド21との間に閉空間域Rを囲み形成する。なお、以下の説明において、このようにキャップ25がノズル形成面21aに当接して閉空間域Rを囲み形成することを「キャッピングする」と称する場合がある。
【0027】
キャップ25の底部からはキャップ25内からインク等を排出させるための排出管26がキャップ25の外側に向かって突設されている。排出管26には、可撓性を有する排出チューブ27の上端側が接続されている。一方、排出チューブ27の下端側は、排出されたインクを回収するための直方体形状をなす廃インクタンク28内に挿入されている。
【0028】
排出チューブ27におけるキャップ25と廃インクタンク28との間となる位置には吸引手段を構成する吸引ポンプ29が配置されている。そして、キャップ25を液体噴射ヘッド21に当接させて(すなわち、キャッピングして)吸引ポンプ29のポンプモーター29aを駆動すると、閉空間域Rに負圧が発生するようになっている。
【0029】
なお、キャップ25は、印刷処理が実行されないときにノズル20の乾燥を抑制するためのキャッピングに用いられる。また、吸引ポンプ29は、閉空間域Rに負圧を発生させることでノズル開口20a側からノズル20内を吸引するので、液体噴射ヘッド21内の気泡や増粘したインクなどをノズル20から排出させる吸引クリーニングを実行する場合に用いられる。
【0030】
次に、インクカートリッジ15からサブタンク22を介してノズル20にインクを供給する供給路30及びサブタンク22の構成について説明する。
サブタンク22の上部には、開状態となることでサブタンク22内を大気と連通させる大気開放弁31が配設されている。また、サブタンク22の側面において下寄りとなる位置には、上流端がインクカートリッジ15に接続されたインク供給チューブ23の下流端が接続されている。
【0031】
サブタンク22の下部には第1流路32の上流端が接続されているとともに、サブタンク22の上部には、第2流路33の上流端が接続されている。そして、第1流路32及び第2流路33の下流端は、供給流路34の上流端に接続されている。また、供給流路34を通じてサブタンク22内のインクがノズル20の上流側に供給されるようになっている。
【0032】
第2流路33の途中には、第2流路33を開閉可能な開閉弁35が設けられている。なお、本実施形態において、インク供給チューブ23、第1流路32、第2流路33及び供給流路34は供給路30を構成する。
【0033】
次に、プリンター11の電気的構成について説明する。
図3に示すように、プリンター11の制御装置100はコンピューター101と、ヘッド駆動回路102と、モーター駆動回路103,104とを備えている。コンピューター101は、バス105を介してヘッド駆動回路102及びモーター駆動回路103,104と電気的に接続されている。
【0034】
コンピューター101は、ASIC106(Application Specific IC(特定用途向けIC))、CPU107、ROM108及びRAM109を備えている。ROM108には、各種制御プログラム及び各種データなどが記憶されている。RAM109には、CPU107によって実行されるプログラムデータや、CPU107による演算結果及び処理結果である各種データ、並びにASIC106で処理された各種データなどが一時記憶される。
【0035】
コンピューター101は、CPU107がROM108等に記憶されたプログラムを実行することで、各種の制御を行う。例えば、コンピューター101は、ヘッド駆動回路102を介して液体噴射ヘッド21からのインクの噴射動作を制御する。また、コンピューター101は、モーター駆動回路103を介してキャリッジモーター19を駆動させることで、キャリッジ17の移動動作を制御する。また、コンピューター101は、モーター駆動回路104を介してポンプモーター29aを駆動させることで、吸引ポンプ29の吸引動作を制御する。
【0036】
次に、本実施形態のプリンター11の作用について説明する。
まず、プリンター11が用紙Pに対する印刷処理を行う場合には、図4に示すように大気開放弁31は開状態とされる一方、開閉弁35は閉状態とされる。また、吸引ポンプ29は駆動が停止されている。そして、この状態でコンピューター101がキャリッジモーター19を駆動させてキャリッジ17を主走査方向Xに移動させるとともに、液体噴射ヘッド21のノズル20からインクを噴射させる。
【0037】
また、コンピューター101は、こうした印刷処理の合間など、所定のタイミングで吸引クリーニング処理を実行する。
吸引クリーニング処理を実行する場合には、図4に示すように大気開放弁31が開状態とされるとともに開閉弁35が閉状態とされた状態でコンピューター101が昇降機構を駆動させ、キャップ25をノズル形成面21aに当接させる。また、このようにキャッピングが行われると、コンピューター101は吸引ポンプ29を駆動させる。すると、閉空間域Rに発生した負圧によってノズル開口20a側からノズル20内が吸引される。このとき、開閉弁35は閉状態となっているため、第1流路32を通じてサブタンク22内のインクとともに液体噴射ヘッド21内の気泡や増粘したインクなどがノズル開口20aから排出される。
【0038】
なお、コンピューター101は、印刷処理や吸引クリーニング処理に伴うインクの消費量を管理するとともに、該インクの消費量に基づいてサブタンク22内のインク残量を管理する。そして、コンピューター101は、サブタンク22内のインク残量が一定量以下になったと判断すると、インクカートリッジ15からサブタンク22へのインクの供給(補給)処理を行う。
【0039】
次に、コンピューター101が実行するインクの供給処理ルーチンについて図5を参照しつつ説明する。
まず、ステップS11では、コンピューター101が大気開放弁31及び開閉弁35の開閉状態の切り換えを実行させる。具体的には、コンピューター101がキャリッジモーター19を駆動させてキャリッジ17を1桁側から80桁側に移動させ、突設部12aによってスイッチSWを押圧させる。すると、スイッチSWの切替操作に伴って、図4に示すように大気開放弁31が開状態から閉状態に切り替えられるとともに、開閉弁35が閉状態から開状態に切り替えられる。
【0040】
次のステップS12では、コンピューター101がキャッピングを実行させる。具体的には、コンピューター101が昇降機構を駆動させ、キャップ25をノズル形成面21aに当接させる。これにより、液体噴射ヘッド21とキャップ25との間に閉空間域Rが囲み形成される。
【0041】
次のステップS13では、コンピューター101が吸引ポンプ29を駆動させる。すると、閉空間域Rに負圧が発生し、ノズル開口20a側からノズル20内が吸引される。また、ノズル20内からキャップ25内にインクが排出されるとともに、このインクの排出に伴って、供給路30内にも吸引力が及ぶ。
【0042】
このとき、サブタンク22の下部からインクを吸引するよりもサブタンク22の上部から気体を吸引する方が吸引ポンプ29の駆動負荷が低いため、サブタンク22からはその上部に溜まった気体(空気)が排出される。そして、サブタンク22内から気体が排出されると、サブタンク22内に負圧が生じる。すると、インク供給チューブ23を通じてインクカートリッジ15内のインクが吸引されてサブタンク22内に流入し、サブタンク22内の液面FLが上昇する。すなわち、吸引ポンプ29は、ノズル20内をノズル開口20a側から吸引することによってサブタンク22内に負圧を発生させ、インクカートリッジ15に収容されたインクをサブタンク22内に流入させる。
【0043】
次のステップS14では、コンピューター101がポンプモーター29aの駆動負荷Nが予め規定された既定値Npに達したか否かを判定する。なお、このときの既定値Npは、サブタンク22及び供給路30がインクで満たされた状態でノズル20からインクを吸引するときの値に設定される。
【0044】
すなわち、サブタンク22内の気体がノズル20から吸引されている状態から、気体が排出され終わってサブタンク22及び供給路30がインクで満たされた状態に変化すると、駆動負荷Nが高くなってポンプモーター29aを流れる電流値が高くなる。したがって、コンピューター101がこの電流値の上昇を検出することで、サブタンク22内がインクで満たされたと判断することができる。このように、コンピューター101は吸引ポンプ29の駆動負荷を検出するための検出手段として機能する。
【0045】
ステップS14における判定結果が否定判定(S14=NO)の場合、コンピューター101はステップS14の判定を繰り返す。すなわち、吸引ポンプ29は、サブタンク22及び供給路30がインクで満たされるまで駆動を継続することになる。一方、ステップS14における判定結果が肯定判定(S14=YES)の場合には、コンピューター101はその処理をステップS15に移行する。
【0046】
そして、ステップS15では、コンピューター101が吸引ポンプ29の駆動を停止させる。すなわち、サブタンク22がインクで満たされると吸引ポンプ29の駆動が停止され、インクカートリッジ15からサブタンク22へのインクの供給が終了する。
【0047】
次のステップS16では、コンピューター101が吸引ポンプ29を停止してからの待機時間Tが予め規定された規定時間Th(例えば、Th=5秒)に達したか否かを判定する。なお、このときの規定時間Thは、閉空間域Rの負圧状態がノズル20から排出されるインクによって解消され、閉空間域Rの圧力が大気圧程度になるのに要する時間に基づいて設定される。そして、ステップS16における判定結果が否定判定(S16=NO)の場合、コンピューター101はステップS16の判定を繰り返す。一方、ステップS16における判定結果が肯定判定(S16=YES)の場合には、コンピューター101はその処理をステップS17に移行する。
【0048】
そして、次のステップS17では、コンピューター101がキャッピングを解除させる。具体的には、コンピューター101が昇降機構を駆動させ、キャップ25をノズル形成面21aから離間させる。すなわち、閉空間域Rに負圧が残った状態でキャッピングを解除すると、閉空間域Rに勢いよく気体(空気)が流入し、ノズル開口20a側からノズル20内に気泡が混入する虞があるため、閉空間域Rの圧力が大気圧程度になってからキャッピングを解除する。
【0049】
そして、次のステップS18では、コンピューター101が大気開放弁31及び開閉弁35の開閉状態の切り換えを実行させて、処理を終了する。具体的には、コンピューター101がキャリッジモーター19を駆動させてキャリッジ17を1桁側から80桁側に移動させ、突設部12aによってスイッチSWを押圧させる。すると、スイッチSWの切替操作に伴って、大気開放弁31が閉状態から開状態に切り替えられるとともに、開閉弁35が開状態から閉状態に切り替えられる。これにより、印刷処理のための準備が整うので、コンピューター101は速やかに印刷処理の実行に移ることができる。
【0050】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ノズル開口20a側からノズル20内を吸引することにより、インクカートリッジ15に収容されたインクをサブタンク22内に流入させることができるので、インクカートリッジ15からインクを加圧供給するための加圧ポンプを備える場合と比較して、簡易な構成でインクカートリッジ15からサブタンク22にインクを供給することができる。
【0051】
(2)ノズル20からインクを噴射する場合には、大気開放弁31を開状態とすることで第1流路32を通じてサブタンク22からノズル20にインクを供給することができる。そして、第1流路32はサブタンク22の下部に接続されているので、気体の混入を抑制しつつ、ノズル20にインクを供給することができる。一方、吸引ポンプ29がノズル20内を吸引する場合には、大気開放弁31を閉状態とすることで第2流路33を通じてサブタンク22内に負圧を発生させ、インクカートリッジ15内のインクをサブタンク22内に流入させることができる。そして、第2流路33はサブタンク22の上部に接続されているので、サブタンク22内から気体を排出することができる。
【0052】
(3)第2流路33を通じてサブタンク22内に負圧を発生させたときに、コンピューター101が吸引ポンプ29の駆動負荷が高くなったことを検出することで、サブタンク22がインクで満たされたことを検知することができる。したがって、サブタンク22がインクで満たされたことを検出するためのセンサー等を備える必要がないため、構成を簡素化することができる。
【0053】
(4)ノズル20からインクを噴射する場合に開閉弁35が第2流路33を閉状態とすることで、第1流路32を通じてサブタンク22の下部からノズル20にインクを供給することができる。一方、吸引ポンプ29がノズル20内を吸引する場合に開閉弁35が第2流路33を開状態とすると、第2流路33を通じてサブタンク22の上部に溜まった気体が排出されるので、気体の排出によってサブタンク22内に負圧を発生させることができる。
【0054】
(5)吸引ポンプ29が閉空間域Rに負圧を発生させることで、ノズル開口20a側からノズル20内を吸引することができる。
(6)インクカートリッジ15をサブタンク22よりも高い位置に装着して、水頭差によってサブタンク22にインクを供給する場合などには、インクを確実に供給するためにインク供給チューブ23を太くする必要がある。これに対して、吸引ポンプ29の吸引力でインクカートリッジ15からサブタンク22にインクを供給する場合には、インク供給チューブ23を太くしなくてもよい。
【0055】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図6を参照しながら説明する。なお、第2実施形態は第1実施形態と対比すると、供給路30及びサブタンク22の構成の構成が一部の点で異なっており、その他は第1実施形態とほぼ同一の構成である。そのため、以下では第1実施形態と相違する点について主に説明し、同一の構成については同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0056】
図6に示すように、本実施形態の第2流路33の上流端はサブタンク22の上部に接続されるとともに、その下流側は2つに分岐している。そして、分岐した一方の分岐流路33aはサブタンク22よりも上方に配置されるとともに、分岐流路33aには大気開放弁31が配設されている。また、分岐した他方の分岐流路33bの下流端は供給流路34と接続されている。
【0057】
また、第1流路32、分岐流路33b及び供給流路34の接続部には、供給流路34と連通する流路を第1流路32と分岐流路33b(第2流路33)とで切り換える切替弁36が配設されている。そして、キャリッジ17に設けられたスイッチSWの切替操作に伴って、大気開放弁31の開閉状態及び供給流路34と連通する流路の切り換えが行われるようになっている。
【0058】
次に、本実施形態のプリンター11の作用について説明する。
まず、プリンター11が用紙Pに対する印刷処理を行う場合には、大気開放弁31は開状態とされる一方、切替弁36は供給流路34と第1流路32とを連通させている。また、吸引ポンプ29は駆動が停止されている。そして、この状態でコンピューター101がキャリッジモーター19を駆動させてキャリッジ17を主走査方向Xに移動させるとともに、液体噴射ヘッド21のノズル20からインクを噴射させる。
【0059】
また、コンピューター101が吸引クリーニング処理を実行する場合には、大気開放弁31が開状態とされるとともに切替弁36が供給流路34と第1流路32とを連通させた状態でコンピューター101がキャッピングを実行する。また、このようにキャッピングが行われると、コンピューター101は吸引ポンプ29を駆動させる。すると、閉空間域Rに発生した負圧によってノズル開口20a側からノズル20内が吸引される。このとき、供給流路34は第1流路32と連通しているため、第1流路32を通じてサブタンク22内のインクとともに液体噴射ヘッド21内の気泡や増粘したインクなどがノズル開口20aから排出される。
【0060】
さらに、コンピューター101がインクの供給処理ルーチンを実行する場合には、まずステップS11でコンピューター101が大気開放弁31を開状態から閉状態に切り替えるとともに、切替弁36の切り替えを行う。具体的には、コンピューター101がキャリッジモーター19を駆動させてキャリッジ17を1桁側から80桁側に移動させ、突設部12aによってスイッチSWを押圧させる。すると、スイッチSWの切替操作に伴って、大気開放弁31が開状態から閉状態に切り替えられるとともに、切替弁36が供給流路34と分岐流路33b(第2流路33)とを連通させる。
【0061】
次のステップS12では、コンピューター101がキャッピングを実行させる。具体的には、コンピューター101が昇降機構を駆動させ、キャップ25をノズル形成面21aに当接させる。これにより、液体噴射ヘッド21とキャップ25との間に閉空間域Rが囲み形成される。
【0062】
次のステップS13では、コンピューター101が吸引ポンプ29を駆動させる。すると、閉空間域Rに負圧が発生し、ノズル開口20a側からノズル20内が吸引される。また、ノズル20内からキャップ25内にインクが排出されるとともに、このインクの排出に伴って、供給路30内にも吸引力が及ぶ。
【0063】
このとき、供給流路34は分岐流路33bと連通しているため、サブタンク22からは分岐流路33bを通じてその上部に溜まった気体(空気)が排出される。そして、サブタンク22内から気体が排出されると、サブタンク22内に負圧が生じる。すると、インク供給チューブ23を通じてインクカートリッジ15内のインクが吸引されて、サブタンク22内に流入する。
【0064】
なお、続くステップS14〜S17については、第1実施形態と同様である。
そして、次のステップS18では、コンピューター101が大気開放弁31の開閉状態及び切替弁36の切り替えを行って、処理を終了する。具体的には、コンピューター101がキャリッジモーター19を駆動させてキャリッジ17を1桁側から80桁側に移動させ、突設部12aによってスイッチSWを押圧させる。すると、スイッチSWの切替操作に伴って、大気開放弁31が閉状態から開状態に切り替えられるとともに、切替弁36が供給流路34と第1流路32とを連通させる。
【0065】
上記実施形態によれば、上記(1)〜(3),(5),(6)と同様の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(7)ノズル20からインクを噴射する場合に切替弁36が供給流路34と第1流路32とを連通させると、第1流路32を通じてサブタンク22の下部からノズル20にインクを供給することができる。一方、吸引ポンプ29がノズル20内を吸引する場合に切替弁36が供給流路34と第2流路33とを連通させると、第2流路33を通じてサブタンク22の上部に溜まった気体が排出されるので、気体の排出によってサブタンク22内に負圧を発生させることができる。
【0066】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図7を参照しながら説明する。なお、第3実施形態は第1実施形態と対比すると、供給路30及びサブタンク22の構成の構成が一部の点で異なっており、その他は第1実施形態とほぼ同一の構成である。そのため、以下では第1実施形態と相違する点について主に説明し、同一の構成については同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0067】
図7に示すように、本実施形態においては、第1流路32、第2流路33及び供給流路34の接続部に、供給流路34と連通する流路を第1流路32と第2流路33とで切り換える切替弁36が配設されている。そして、キャリッジ17に設けられたスイッチSWの切替操作に伴って、大気開放弁31の開閉状態及び供給流路34と連通する流路の切り換えが行われるようになっている。また、サブタンク22内の液面FLには、液面FLが上昇した場合に第2流路33の上流端を閉塞する閉塞弁37が浮かべられている。
【0068】
次に、本実施形態のプリンター11の作用について説明する。
本実施形態において、プリンター11が印刷処理及び吸引クリーニング処理を実行する場合の動作及び作用は、第2実施形態と同様である。
【0069】
また、コンピューター101がインクの供給処理ルーチンを実行する場合の動作及び作用も第2実施形態と概ね同様であるが、ステップS13でコンピューター101が吸引ポンプ29を駆動させた場合の作用が一部異なる。
【0070】
具体的には、吸引ポンプ29の駆動によってノズル開口20a側からノズル20内が吸引されてサブタンク22内にインクカートリッジ15内のインクが流入すると、液面FLの上昇に伴って閉塞弁37が上昇移動する。そして、サブタンク22内がインクで満たされると、閉塞弁37が第2流路33の上流端を閉塞するので、ポンプモーター29aの駆動負荷Nが高くなる。したがって、本実施形態では、サブタンク22内がインクで満たされる一方、第2流路33内には気体が残った状態で吸引ポンプ29の駆動が停止される。
【0071】
なお、この場合には、吸引ポンプ29の駆動が停止されたときに供給流路34や液体噴射ヘッド21内に気体が残留している。そのため、インクの供給処理ルーチンの実行後や印刷処理の実行前に吸引クリーニング等を行って供給流路34や液体噴射ヘッド21内の気体を排出する。
【0072】
上記実施形態によれば、上記(1)〜(3),(5)〜(7)と同様の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(8)サブタンク22内で液面FLが上昇した場合には、閉塞弁37によって第2流路33の上流端が閉塞されるので、サブタンク22内がインクで満たされた後にサブタンク22内からインクが吸引されるのを抑制することができる。
【0073】
(9)閉塞弁37が第2流路33の上流端を閉塞すると、ノズル20からインクを吸引する場合よりもポンプモーター29aの駆動負荷Nが高くなるので、サブタンク22がインクで満たされたことをより確実に検出することができる。
【0074】
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・第1実施形態及び第2実施形態のプリンター11に閉塞弁37を設けてもよいし、第3実施形態のプリンター11に閉塞弁37を設けなくてもよい。
【0075】
・第1実施形態のプリンター11に切替弁36を設けてもよい。この場合には、供給流路34と連通する流路をより確実に切り換えることができる。
・突設部12aはホーム位置HP側に設けてもよい。この構成によれば、ステップS11及びステップS18において、キャリッジ17の移動距離を短くすることができる。
【0076】
・大気開放弁31、開閉弁35及び切替弁36の操作は、キャリッジ17の移動を伴うスイッチSWの切替操作によらず、コンピューター101が開閉操作又は切替操作を行うようにしてもよい。なお、インクの供給処理ルーチンの実行時において閉空間域Rが負圧状態のときに開閉弁35を開状態から閉状態にしたり、切替弁36によって供給流路34と第1流路32とを連通させたりすると、閉空間域Rの負圧が解消されるまでにノズル20から流出するインクの分、サブタンク22のインク残量が減少してしまう。そのため、この構成においても、閉空間域Rが大気圧程度になった後に開閉弁35の開閉操作や切替弁36の切替操作を行うのが好ましい。
【0077】
・サブタンク22のインク残量を検出するための残量センサーを設け、この残量センサーの検出結果に基づいてインクの供給処理ルーチンを実行するようにしてもよい。
・キャップ25及び吸引ポンプ29は、インクの色毎や搬送方向Yに並ぶノズル20のノズル列毎に複数設けてもよい。
【0078】
・プリンター11は、キャリッジ17が主走査方向Xに移動するシリアル式のプリンターに限らず、液体噴射ヘッド21を固定したままでも用紙最大幅範囲の印字が可能なラインヘッド式やラテラル式のプリンターであってもよい。さらに、インクジェット式のラベルプリンター、バーコードプリンターや発券装置などであってもよい。
【0079】
・上記実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式プリンターに具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0080】
11…液体噴射装置の一例としてのプリンター、15…メインタンクの一例としてのインクカートリッジ、20…ノズル、20a…ノズル開口、21…液体噴射ヘッド、22…サブタンク、25…キャップ、29…吸引手段を構成する吸引ポンプ、31…大気開放弁、32…第1流路、33…第2流路、34…供給流路、35…開閉弁、36…切替弁、37…閉塞弁、101…検出手段として機能するコンピューター、N…駆動負荷、R…閉空間域、FL…液面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射するノズルが設けられた液体噴射ヘッドと、
前記液体を収容するメインタンクから供給された前記液体を貯留するとともに貯留した前記液体を前記液体噴射ヘッドに供給するサブタンクと、
前記ノズル内をノズル開口側から吸引することによって前記サブタンク内に負圧を発生させ、前記メインタンクに収容された前記液体を前記サブタンク内に流入させる吸引手段と、を備えることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
開状態となることで前記サブタンク内を大気と連通させる大気開放弁と、
前記サブタンクの下部に上流端が接続されるとともに下流端が前記ノズルに通じる供給流路に接続される第1流路と、
前記サブタンクの上部に上流端が接続されるとともに下流端が前記供給流路に接続される第2流路と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記供給流路と連通する流路を前記第1流路と前記第2流路とで切り換える切替弁をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記吸引手段は吸引ポンプを有し、
該吸引ポンプの駆動負荷を検出するための検出手段をさらに備えることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記第2流路を開閉可能な開閉弁をさらに備えることを特徴とする請求項2〜請求項4のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
前記サブタンク内に配置され、前記サブタンク内の液面が上昇した場合に前記第2流路の上流端を閉塞する閉塞弁をさらに備えることを特徴とする請求項2〜請求項5のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項7】
前記ノズルの下流端となるノズル開口を囲うように前記液体噴射ヘッドに当接することにより当該液体噴射ヘッドとの間に閉空間域を囲み形成する有底箱状のキャップをさらに備え、
前記吸引手段は、前記閉空間域に負圧を発生させることで、前記ノズル開口側から前記ノズル内を吸引することを特徴とする請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項8】
液体を噴射するノズルが設けられた液体噴射ヘッドに対して、液体を収容するメインタンクからサブタンクを介して液体を供給する液体噴射装置における液体供給方法であって、
前記ノズル内をノズル開口側から吸引することによって前記サブタンク内に負圧を発生させ、前記メインタンクに収容された前記液体を前記サブタンク内に流入させることを特徴とする液体供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−121193(P2012−121193A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272603(P2010−272603)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】