説明

液体混注具

【課題】 任意の管を連通させたり、遮断させたりするための操作が容易になるとともに、薬液等の逆流を防止することのできる液体混注具を提供することにある。
【解決手段】 液体混注具本体10を、チャンバー部11と、チャンバー部11から延びる上流管14および下流管13と、チャンバー部11の上部側に設けられた合流管12とで構成した。そして、液体混注具本体10内に、上流管14から下流管13に通じる主流路と、合流管12とチャンバー部11との間を連通遮断できる副流路とを形成した。また、チャンバー部11内に開閉部21a,21bを配置して、押圧部22a,22bを押圧操作することにより開閉部21a,21bをチャンバー部11内で閉じさせて、主流路における上流管14とチャンバー部11との間の部分を遮断できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流管からチャンバー部を介して下流管に薬液等の液体を送る主流路と、合流管から主流路に他の薬液等の液体を送るための副流路とを備えた液体混注具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、輸液チューブを用いて患者の体内に所定の生理食塩水や薬液等を供給することが行われている。このような場合に、輸液チューブ内を流れる薬液等の流量を調節するための適量供給装置を用いることがある(例えば、特許文献1参照)。この適量供給装置は、下部がバルブ室に形成された内壁と、バルブ室の両側からそれぞれ外部に向かって延びる穿孔を備えた二つの管継ぎ手とからなる本体と、本体の内壁内に回転可能に配置された可動部分とで構成されている。そして、本体の二つの管継ぎ手は、互いの中心軸線を上下にずらして形成され、可動部分の下部は斜面に形成されている。このため、可動部分を回転させることにより、可動部分で二つの管継ぎ手の穿孔の開度を変更させながら穿孔を開閉することができる。これによって、一方の管継ぎ手からバルブ室を介して他方の管継ぎ手に送られる薬液等の流量を任意に調節することができる。
【特許文献1】特開昭62−172962号公報
【発明の開示】
【0003】
しかしながら、前述した適量供給装置は、1種類の生理食塩水や薬液等を体内に供給するための輸液チューブに用いられるもので、複数の生理食塩水や薬液等を体内に供給することはできない。このため、複数の輸液チューブ間を連通させたり遮断させたりすることにより、複数の生理食塩水や薬液等を患者に供給することができる液体混注具も開発されている。このような複数の薬液等を供給できる液体混注具では、一方の薬液等を供給しているときに、他方の薬液等も一緒に供給しようとすると、他方の薬液等が逆流して一方の薬液等を供給するための管の上流側に浸入することがある。そして、このような逆流を防止するために、弁体を回転して流路を切り換えるようにした液体混注具も開発されている。しかしながら、従来の液体混注具では、複数の管のうちの任意の管を連通させたり、遮断させたりするための操作が面倒であるという問題が生じている。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的は、薬液等の逆流を防止することができるとともに、複数の管のうちの任意の管を連通させたり、遮断させたりするための操作が容易になる液体混注具を提供することにある。
【0005】
前述した目的を達成するため、本発明に係る液体混注具の構成上の特徴は、チャンバー部の両側からそれぞれ外部に延びる上流管および下流管と、チャンバー部の上部側に形成された合流管とを備え、内部に、上流管からチャンバー部を介して下流管に通じる主流路と、合流管とチャンバー部とを結ぶ連通遮断が可能な副流路とが形成された液体混注具本体と、チャンバー部内に配置され、チャンバー部内で変位することにより、主流路における上流管とチャンバー部との間の部分を連通させたり遮断させたりする開閉部と、開閉部に連結され、チャンバー部の外部側で開閉部を変位させるための操作を行うことのできる操作部とを備えたことにある。
【0006】
前述したように構成した本発明の液体混注具は、チャンバー部内で変位することにより、主流路における上流管とチャンバー部との間の部分を連通させたり遮断させたりする開閉部と、開閉部を操作するための操作部とを備えている。そして、操作部をチャンバー部の外部側で操作することにより、主流路における上流管とチャンバー部との間の部分を遮断させたり連通させたりすることができるようにしている。このため、操作部を操作することにより、上流管からチャンバー部を介して下流管に薬液等を供給したりその供給を停止させたりすることができる。
【0007】
この場合の開閉部の変位としては、変形や移動など開閉部の状態を変化させることにより主流路を開閉できるものであればよい。また、チャンバー部の上部側には合流管が設けられ、その内部には、合流管とチャンバー部とを結ぶ連通遮断が可能な副流路が形成されて、合流管とチャンバー部とを結ぶ流路を連通させたり遮断させたりすることができるようになっている。したがって、合流管とチャンバー部との間を連通させてこの副流路から他の薬液等をチャンバー部内の主流路に供給することにより、他の薬液等を副流路を介して主流路におけるチャンバー部から下流管の部分に供給することができる。
【0008】
また、副流路は連通遮断が可能になっており、この連通遮断は、例えば、分岐管にゴム栓を取り付けることにより副流路を遮断し、ゴム栓に円筒状の針やシリンジ等を刺すことにより副流路を連通させることができる。すなわち、この液体混注具では、上流管からチャンバー部を介して下流管に通じる主流路における上流管とチャンバー部との間の部分を連通させたり遮断させたりすることができる他、合流管からチャンバー部に通じる副流路を遮断させたり連通させたりすることができる。
【0009】
これによって、患者の体に1種類の薬液等を供給したり、2種類の薬液等を供給したりすることができる。また、操作部を操作して主流路を遮断した状態で、副流路から主流路の下流側に薬液等を供給すると、その薬液は主流路の上流側に逆流することなく、主流路の下流側に流れていく。このため、主流路を遮断した状態で、必要量の薬液等を副流路から主流路の下流側に供給したのちに、主流路の遮断を解除すると、主流路の上流側から下流側に薬液等が流れ副流路から供給される薬液等と一緒に患者の体に向って流れるようになる。これによって、副流路から供給される適正量の薬液等が適正な状態のままですばやく患者の体に供給されるようになる。
【0010】
また、本発明に係る液体混注具の他の構成上の特徴は、開閉部を、主流路における上流管とチャンバー部との間の部分を連通させる方向に付勢して、操作部を操作しているときだけ主流路における上流管とチャンバー部との間の部分が遮断されるようにしたことにある。
【0011】
これによると、例えば、副流路から主流路に薬液等を供給するときに、操作部を操作して主流路の上流側を遮断することにより、副流路から供給した薬液等が主流路の上流側に逆流することを防止でき、そののちに操作部を離すことにより主流路の上流側から下流側に他の薬液等を流すことができる。このため少量の薬液等を副流路から主流路に供給する場合等の操作が容易になるとともに適正な状態の薬液等の供給が可能になる。
【0012】
また、本発明に係る液体混注具のさらに他の構成上の特徴は、開閉部を、主流路を挟んで対向する部分を備えた可撓性の弾性体からなる変形可能部で構成し、操作部を変形可能部と一体からなり変形可能部の主流路を挟んで対向する各部分からそれぞれチャンバー部の外部に延びた可撓性の弾性体からなる押圧部で構成したことにある。
【0013】
これによると、チャンバー部の外部両側に位置する押圧部をそれぞれチャンバー部内に押し込むようにして変形させることにより変形可能部も変形させて、変形可能部における主流路を挟んだ部分を互いに当接させることにより主流路を遮断させることができる。この場合、変形可能部および押圧部が可撓性を備えた弾性体で構成されているため、押圧部の押圧を解除することにより、変形可能部と押圧部とは元の状態に復元して主流路を連通させるようになる。また、この液体混注具においては、チャンバー部内に、変形可能部の変位(変形)をガイドするためのガイド部を設けることが好ましい。これによると、変形可能部の変形が一定の適正状態になる。
【0014】
また、本発明に係る液体混注具のさらに他の構成上の特徴は、開閉部を、主流路を挟んで対向するとともにチャンバー部の側壁部を貫通して外部に延びる一対の開閉片で構成し、操作部を、一対の開閉片をそれぞれチャンバー部の外部側に付勢した状態で一対の開閉片にそれぞれ連結された一対の弾性操作片で構成したことにある。
【0015】
これによると、チャンバー部の外部両側に位置する弾性操作片をそれぞれチャンバー部内に押し込むようにして変形させることにより一対の開閉片をそれぞれチャンバー部の内部側に押し込んで、開閉片における主流路を挟んだ端部側部分を互いに当接させることにより主流路を遮断させることができる。この場合、一対の弾性操作片がそれぞれ開閉片をチャンバー部の外部側に付勢するように構成されているため、弾性操作片の押圧を解除することにより、開閉片と弾性操作片とは元の状態に復元して主流路を連通させるようになる。
【0016】
また、本発明に係る液体混注具のさらに他の構成上の特徴は、開閉部を、主流路を塞いだ状態でチャンバー部の側壁部を貫通して外部両側に延び、その所定部分に主流路を連通させる連通穴が設けられた移動片で構成し、操作部を、連通穴が主流路内に位置するように移動片の一端を付勢する弾性復帰片と、移動片の他端に設けられ弾性復帰片の弾性に抗して移動片を移動させるための操作片とで構成したことにある。
【0017】
これによると、チャンバー部の外部に位置する操作片を操作して弾性復帰片を変形させることにより、連通穴を主流路の位置から離すように移動片を移動させて主流路を遮断させることができる。この場合、弾性復帰片が、連通穴を主流路内に位置させるように移動片を付勢するため、操作片の操作を解除することにより、弾性復帰片と移動片とは元の状態に復元して主流路を連通させるようになる。
【0018】
また、本発明に係る液体混注具のさらに他の構成上の特徴は、開閉部を、主流路を塞いだ状態でチャンバー部の側壁部を貫通して外部両側に延び、その上流管側の面における所定部分の上部側に主流路における合流管側の部分を介して主流路を連通させる連通溝が設けられた移動片で構成し、操作部を、連通溝が主流路と連通するように移動片の一端を付勢する弾性復帰片と、移動片の他端に設けられ弾性復帰片の弾性に抗して移動片を移動させるための操作片とで構成したことにある。
【0019】
これによると、チャンバー部の外部に位置する操作片を操作して弾性復帰片を変形させることにより、連通溝を主流路の位置から離すように移動片を移動させて主流路を遮断させることができる。この場合、弾性復帰片が、連通溝が主流路内に位置するように移動片を付勢されるため、操作片の操作を解除することにより、弾性復帰片と移動片とは元の状態に復元して主流路を連通させるようになる。
【0020】
また、本発明に係る液体混注具のさらに他の構成上の特徴は、開閉部を、内部が主流路の一部を形成する可撓性の弾性筒状体で構成するとともに、操作部を弾性筒状体の両側部からそれぞれチャンバー部の側壁部を貫通して外部に延びる一対の押圧片で構成し、一対の押圧片が互いに進退することにより、弾性筒状体を開閉できるようにしたことにある。
【0021】
これによると、チャンバー部の外部両側に位置する一対の押圧片をそれぞれチャンバー部の内部側に押し込むことにより、弾性筒状体の両側部分における一対の押圧片に対応する部分どうしが当接するように弾性筒状体を変形させて主流路を遮断させることができる。この場合、弾性筒状体が可撓性を備えているため、一対の押圧片の押圧を解除することにより、弾性筒状体は元の状態に復元して主流路を連通させるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る液体混注具を図面を用いて詳しく説明する。図1ないし図3は、同実施形態に係る液体混注具Aを示しており、この液体混注具Aは、液体混注具本体10と、開閉操作部20とで構成されている。液体混注具本体10は、軸方向の長さが短い略円筒状に形成されその軸方向を上下方向に向けて配置されたチャンバー部11と、チャンバー部11の上方に設けられた合流管12(図5参照)と、チャンバー部11の外周面における両側に180度の角度を保って同軸に沿って延びるように形成された一対の下流管13および上流管14とで構成されている。
【0023】
チャンバー部11の本体部分は、下端が閉塞され、上端が開口した平面視が楕円形の有底円筒状に形成され、その外周面に円周方向に間隔を保って把持用突部15a,15b,15c,15dが形成されている。そして、図4および図5に示したように、チャンバー部11の軸方向の略中央における対向する部分に、二つの連通穴16a,16bが形成されている。また、チャンバー部11における連通穴16aに対応する部分には、下流管13が設けられており、連通穴16aを介してチャンバー部11の内部と下流管13の内部に形成された流路13aとが連通している。また、チャンバー部11における連通穴16bに対応する部分には、上流管14が設けられており、連通穴16bを介してチャンバー部11の内部と上流管14の内部に形成された流路14aとが連通している。
【0024】
下流管13は、チャンバー部11と一体的に形成されており、チャンバー部11側に位置する基端部13bと、先端側に位置し基端部13bよりも細く形成された雄ルアー部13cとで構成されている。また、雄ルアー部13cは基端部13b側よりも先端側の方が徐々に細くなった先細り状に形成されている。そして、下流管13の外周面における基端部13bと雄ルアー部13cとの境界部には、突部13dが円周に沿って形成されている。また、上流管14は、チャンバー部11と一体的に形成されており、内部に形成された流路14aは、連通穴16b側の直径が小さく、連通穴16bから離れるにしたがって直径が大きくなったテーパ状に形成されている。そして、上流管14の開口部の外周には、連結用のねじ部14bが形成されている。
【0025】
また、チャンバー部11の上端開口部の周縁部における内部側には合流管12を取り付けるための被係合凹部11aが形成され、チャンバー部11の上端開口部の周縁部における外部側には後述するキャップ部材27を取り付けるための係合突部11bが形成されている。そして、チャンバー部11内には、チャンバー部11の内部底面における前後方向(図4および図5の左右方向)の略中央から上方に向って延びる縦壁17が設けられている。
【0026】
この縦壁17は、チャンバー部11内における流路13a側部分と流路14a側部分とを結ぶ方向に直交する幅方向(図4の上下方向)の中央側部分を遮るようにして設けられ、上端部はチャンバー部11の上端開口部よりもやや上方まで延びている。そして、チャンバー部11の両側部(図3の左右の側部)にチャンバー部11の内部から外部に貫通する四角形の穴部18a,18bが対向して形成され、この穴部18a,18bを介してチャンバー部11の内部から外部にかけて開閉操作部20が組み付けられている。
【0027】
開閉操作部20は、変形可能なゴムからなる成形体で構成されており、チャンバー部11内における縦壁17と上流管14側の壁部との間に設置された本発明の変形可能部としての開閉部21a,21bと、開閉部21a,21bの対応する部分にそれぞれ連結され穴部18a,18bに位置する押圧部22a,22bと、押圧部22a,22b間における下流管13側部分を結ぶ連結部23とで構成されている。そして、各押圧部22a,22bとそれに対向する縦壁17の両側部分との間には、所定の間隔が設けられており、その間隔分、開閉部21a,21bおよび押圧部22a,22bは幅方向の中心側に変形可能になっている。
【0028】
このため、このように構成された開閉操作部20の押圧部22a,22bをそれぞれチャンバー部11の内部側に押圧して変形させると、開閉部21a,21bの対向する面は、互いに当接し合って図6および図7に示したようにチャンバー部11の内部と上流管14の流路14aとの間の流路を閉塞する。このとき、縦壁17は、開閉部21a,21bの移動をガイドするとともに、押圧部22a,22bの移動を規制して押圧部22a,22bの変形に無理がかからないようにする。
【0029】
また、押圧部22a,22bをチャンバー部11の内部側に押圧する力を解除すると、開閉操作部20の復元力によって開閉部21a,21bは互いに離れて図4および図5に示したように、チャンバー部11の内部と上流管14の流路14aとの間を連通させる。この場合、上流管14側からチャンバー部11側に薬液等を供給すると、その薬液等は、流路14aから開閉部21a,21b間に形成される流路に流れ縦壁17を乗り越えたのちにチャンバー部11内の下流管13側部分から下流管13の流路13a内に流れていく。
【0030】
この際、縦壁17が薬液等の逆流を防止するとともに、薬液等をチャンバー部11内の上部側を通過させることにより、チャンバー部11内に空気が滞留することを防止する。また、連結部23は、チャンバー部11の内壁と係合して、開閉操作部20が変形してもチャンバー部11内から開閉操作部20が外れないようにしている。なお、上流管14の流路14a、チャンバー部11内における上流管14側部分から縦壁17を越えて下流管13側部分に通じる流路aおよび下流管13の流路13aで本発明の主流路が構成される。
【0031】
合流管12は、チャンバー部11の上端部に取り付けられた略円筒状の合流上流管25と、合流上流管25の上端開口部に取り付けられた天然ゴムまたは合成ゴムからなるゴム栓26とで構成されている。合流上流管25は、下部側の直径が大きく上方にいくほど徐々に直径が小さくなった長さの短い円筒体で構成されており、下端周縁部25aをチャンバー部11の上端部における内部側に形成された被係合凹部11aに係合させてチャンバー部11に固定されている。
【0032】
ゴム栓26は、肉厚円板状の栓本体26aと、栓本体26aの上端両側から延びる略帯状の固定片26b,26cとで構成されている。そして、栓本体26aを合流上流管25の上端開口から合流上流管25内に押し込み、固定片26b,26cを合流上流管25の外周面に沿わせた状態で、キャップ部材27を合流上流管25の外側に固定することにより、ゴム栓26は固定されている。すなわち、キャップ部材27の天井面中央には穴が設けられており、キャップ部材27は、固定片26b,26cを合流上流管25側に押圧して固定するとともに、栓本体26aの上面における周縁部を合流上流管25側に押圧して抜け止めしている。
【0033】
また、このゴム栓26には、合流上流管25の内部側と合流上流管25の外部側との間を貫通し、本発明の副流路としての流路を構成するためのスリット26dが設けられている。このスリット26dは、副流路を使用しない時には、ゴム栓26の弾性によって閉塞された状態になる。また、副流路を使用する時には、ゴム栓26のスリット26dに、コネクター等(図示せず)を差し込むことによりコネクター等を介して副流路としての流路を形成することができる。このコネクターは、例えば、内部に流路が形成された雄ルアー部を備えたものとし、雄ルアー部をゴム栓26のスリット26d内に差し込むことによりコネクターと合流上流管25の内部とを連通させることができる。また、その際、雄ルアー部とスリット26dの周面との間は、ゴム栓26の弾性によって密着状態になる。
【0034】
また、キャップ部材27は、合流管12を覆うようにしてチャンバー部11の上端部外周側に取り付けられており、チャンバー部11側の直径が大きく上方に行くほど直径が小さくなった先細り状の円筒体で構成されている。また、このキャップ部材27は、平面視による形状が楕円形に形成されている。そして、キャップ部材27の内周面下端には、被係合部27aが形成されており、この被係合部27aをチャンバー部11の上端部における外部側に形成された係合突部11bに係合させてキャップ部材27はチャンバー部11に固定されている。
【0035】
この構成において、所定の薬液を患者(図示せず)の体内に供給する場合には、下流管13に、患者に穿刺して留置するための留置針が接続された輸液チューブ(図示せず)の後端部を接続する。また、上流管14には、患者に供給する薬液を収容する容器等から延びる輸液チューブの先端部に設けられた雄ルアー部を接続する。そして、留置針を患者の体に穿刺して留置した状態で、容器等の薬液を患者に向けて送り出すことにより患者への薬液の供給が行われる。また、容器等から供給される薬液に加えて、他の薬液等を患者に供給する場合には、コネクターに接続された輸液チューブを介して、他の薬液等を合流管12からチャンバー部11内に注入する。
【0036】
すなわち、合流管12におけるゴム栓26のスリット26d内にコネクターを挿し込むと、コネクターと下流管13とがチャンバー部11内の流路aを介して連通するため、コネクター側から薬液等を注入することによりこの薬液等の患者への供給が行える。このとき、開閉操作部20の押圧部22a,22bをチャンバー部11の内部側に押し込んで、図6および図7に示したように開閉部21a,21b間を閉塞しておく。これによって、容器等から流路aへの薬液供給が停止されるとともに、合流管12からチャンバー部11内に注入される薬液等は、上流管14側に逆流することを防止されて確実に下流管13側に流れていく。
【0037】
また、コネクター側からの薬液等の注入が終了したのちに、押圧部22a,22bの押圧を解除すると、開閉部21a,21bの対向する部分が開いて再度容器等から患者側に薬液が供給される。なお、留置針を患者の体に穿刺して留置する前に、予め少量の薬液を留置針の先端から排出しておく。これによって、薬液とともに流路内の空気を外部に排出することができる。また、上流管14側からチャンバー部11内の流路aを通過して下流管13側に流れる薬液は、チャンバー部11内を通過する際に、縦壁17を越えてチャンバー部11内の上部側を通過するため、チャンバー部11内に空気が滞留することが防止される。
【0038】
このように、本実施形態に係る液体混注具Aは、チャンバー部11内の流路aを開閉できる開閉部21a,21bと、開閉部21a,21bを閉塞させるための押圧部22a,22bとを有する開閉操作部20を備えている。このため、押圧部22a,22bを押圧操作することにより、上流管14からチャンバー部11への薬液等の流れを停止させることができ、押圧部22a,22bの押圧操作を解除することにより、上流管14からチャンバー部11の流路aを介して下流管13に薬液等を供給することができる。
【0039】
また、チャンバー部11の上部側には副流路を形成することのできる合流管12が設けられている。したがって、合流管12にコネクターを接続してこのコネクター側部分とチャンバー部11との間を連通させて副流路から他の薬液等をチャンバー部11内の主流路に供給することにより、他の薬液等を副流路を介してチャンバー部11から下流管13に供給することができる。これによって、患者の体に1種類の薬液等を供給したり、2種類の薬液等を供給したりすることができる。
【0040】
また、押圧部22a,22bを操作した状態で、合流管12側から薬液等を供給すると、その薬液等は上流側の上流管14に逆流することなく、主流路の下流側の下流管13に流れていく。このため、合流管12側から供給される適量の薬液等が上流側の薬液と混合されて薄まったりすることなく適正な状態のままですばやく患者の体に供給されるようになる。また、押圧部22a,22bを操作しているときだけ主流路における上流管14とチャンバー部11との間の部分が遮断されるようにしたため、少量の薬液等を合流管12側から主流路に供給する場合等の操作が容易になるとともに薬液等を適正な状態で供給することが可能になる。また、開閉部21a,21bが開閉移動(変形)する際に、縦壁17が開閉部21a,21bをガイドするようになるため、開閉部21a,21bは適正な一定の状態で変形して流路を開閉する。
【0041】
(第2実施形態)
図8および図9は、本発明の第2実施形態に係る液体混注具Bを示している。この液体混注具Bは、液体混注具本体30と、開閉操作部35とで構成されており、液体混注具本体30に含まれるチャンバー部31の底面に形成された縦壁37は、前述した液体混注具Aの縦壁17よりもやや幅が小さくなっており、縦壁37における上流管34側の面の平面視による形状は中央部分が両側部分よりも上流管34側に向って突出した円弧状に形成されている。
【0042】
また、チャンバー部31内における上流管34側部分には、流路bを挟んで対向する一対のガイド片38a,38bが形成されており、チャンバー部31内における下流管33側部分には、流路bを挟んで対向する一対の支持片39a,39bが形成されている。ガイド片38a,38bにおける下流管33側の面の平面視による形状およびそれを結ぶ延長仮想線(図示せず)の全体形状は中央部が両側部分よりも下流管33側に突出した円弧状に形成されている。
【0043】
開閉操作部35は、チャンバー部31内における縦壁37とガイド片38a,38bとの間に流路bを挟んで対向して設置された開閉部31a,31bと、開閉部31a,31bの対応する部分にそれぞれ連結された押圧部32a,32bと、押圧部32a,32bの両側部分をそれぞれ結ぶ連結部33a,33bとで構成されている。そして、各押圧部32a,32bの内面における所定部分は、それぞれ縦壁37、ガイド片38a,38bおよび支持片39a,39bに当接しており、開閉部31a,31bと押圧部32a,32bとの4箇所の境界部における内部側部分(中心側部分)には、それぞれ幅方向に延びるスリット35aが形成されている。
【0044】
このため、押圧部32a,32bをそれぞれチャンバー部31の内部側に押し込んで変形させると、開閉部31a,31bは、スリット35aの内面を縦壁37やガイド片38a,38bに押し付けながら互いに当接し合って、図9に示したように、流路bにおけるチャンバー部31と上流管34との間の部分を閉塞する。この際、縦壁37の上流管34側の面およびガイド片38a,38bの下流管33側の面がそれぞれ対向して突出した円弧状になっているため、開閉部31a,31bの対向側部分はそれぞれ先細り状になって当接するようになる。また、押圧部32a,32bをチャンバー部31の内部側に押し込む力を解除すると、開閉操作部35の復元力によって開閉部31a,31bは互いに離れて図8に示したように、流路bにおけるチャンバー部31と上流管34との間の部分を連通させる。
【0045】
また、連結部33aは、チャンバー部31の内壁および支持片39a,39bと係合し、連結部33bは、チャンバー部31の内壁およびガイド片38a,38bと係合している。これによって、開閉操作部35が変形してもチャンバー部31内から外れないようになっている。この液体混注具Bのそれ以外の部分の構成については、前述した液体混注具Aと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
【0046】
これによると、チャンバー部31内に、開閉部31a,31bをガイドするための縦壁37およびガイド片38a,38bを設けたため、開閉部31a,31bの変形が適正な一定の状態になる。また、縦壁37の上流管34側の面およびガイド片38a,38bの下流管33側の面をそれぞれ対向して突出した円弧状に形成するとともに、開閉部31a,31bと押圧部32a,32bとの境界部にそれぞれスリット35aを形成したため、開閉部31a,31bを閉塞させるときの操作がスムーズになる。この液体混注具Bのそれ以外の作用効果については、前述した液体混注具Aと同様である。
【0047】
(第3実施形態)
図10および図11は、本発明の第3実施形態に係る液体混注具Cを示している。この液体混注具Cは、液体混注具本体40と、開閉操作部45とで構成されており、液体混注具本体40に含まれるチャンバー部41の底面に形成された縦壁47は、チャンバー部41の両内壁まで延びてチャンバー部41と一体になっている。このため、縦壁47は、チャンバー部41内の前部側と後部側との間の幅方向の全部を塞ぐようにして形成されている。また、チャンバー部41の内部における上流管44側部分から縦壁47の上部を通って下流管43側部分にかけて形成された流路cを構成する部分は、上流管44側部分が、上流管44の流路14aから連続するように先細り状に形成されたのちにチャンバー部41の略中央部で同径の状態で真っ直ぐ延びる細径部分に形成されている。
【0048】
そして、チャンバー部41の内部における下流管43側部分は、チャンバー部41の外形に沿って形成されており、平面視が略半円状の空間部になっている。したがって、チャンバー部41の内部における上流管44側部分と下流管43側部分との境界部分の幅方向には段差が形成されており、その段差の部分(縦壁47に隣接する上流管44側部分)にチャンバー部41の内面から外面にかけて貫通する穴部48a,48bが形成されている。この穴部48a,48bの幅は、前述した液体混注具Aの穴部18a,18bの幅よりも小さく設定されている。
【0049】
開閉操作部45は、チャンバー部41の穴部48a,48b内をそれぞれ移動可能な状態で貫通し流路cを挟んで対向して設置された開閉片41a,41bと、開閉片41a,41bの外部側端部にそれぞれ連結された弾性操作片42a,42bと、弾性操作片42a,42bの両側部をそれぞれ把持用突部45a,45dおよび把持用突部45b,45cに固定する固定部43a,43dおよび固定部43b,43cとで構成されている。そして、開閉片41a,41bは、略棒状に形成されており、縦壁47側の面を縦壁47に摺接させて縦壁47にガイドされた状態で、穴部48a,48b内を移動可能になっている。
【0050】
また、弾性操作片42a,42bは、それぞれ前後方向(図10および図11の左右方向)に延びる薄板で構成されており、チャンバー部41側の内面が平面で、外面が前後方向の中央部が両側部分よりも外部側に突出した曲面に形成されている。したがって、弾性操作片42a,42bの前後方向の中央部は厚く、中央部から両側に行くほど薄くなっている。そして、弾性操作片42a,42bは、それぞれ対応する開閉片41a,41bを外部側に付勢して、開閉片41a,41bにおけるチャンバー部41の内部側の端部が穴部48a,48bの内部側開口に位置するようにしている。
【0051】
このため、弾性操作片42a,42bをそれぞれチャンバー部41の内部側に押し込んで、弾性操作片42a,42bの内面側がチャンバー部41側に向って突出するように湾曲させると、開閉片41a,41bは、穴部48a,48bの内面および縦壁47に沿って、チャンバー部41の内部側に移動する。そして、開閉片41a,41bの対向する端部どうしが当接すると、図11に示したように流路cは閉塞される。また、弾性操作片42a,42bをチャンバー部41の内部側に押し込む力を解除すると、弾性操作片42a,42bの復元力によって開閉片41a,41bは互いに離れて、図10に示したように、チャンバー部41と上流管44との間の流路cが連通する。
【0052】
この液体混注具Cのそれ以外の部分の構成については、前述した液体混注具Aと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。これによると、開閉片41a,41bが棒状に形成されているため、開閉片41a,41bが移動するときの軌道がより正確になる。また、弾性操作片42a,42bの操作面が大きくなるため、操作がし易くなる。この液体混注具Cのそれ以外の作用効果については、前述した液体混注具Aと同様である。
【0053】
(第4実施形態)
図12および図13は、本発明の第4実施形態に係る液体混注具Dを示している。この液体混注具Dは、液体混注具本体50と、開閉操作部55とで構成されており、液体混注具本体50に含まれるチャンバー部51の縦壁57は、チャンバー部51の前後方向の中央部よりも前部側部分に設けられている。そして、縦壁57は、チャンバー部51の両内壁まで延びてチャンバー部51と一体になっている。また、チャンバー部51の前後方向の中央部における縦壁57から間隔を保った部分に、チャンバー部51の内面から外面にかけて貫通する穴部58a,58bが形成されている。
【0054】
開閉操作部55は、チャンバー部51の穴部58a,58b内を移動可能な状態で貫通して設置された移動片51aと、移動片51aの一端に連結された弾性復帰片52aと、弾性復帰片52aの両側部を把持用突部55a,55dに固定する固定部53a,53dおよび移動片51aの他端に連結された操作片56とで構成されている。そして、移動片51aの長手方向(チャンバー部51の幅方向)の略中央部には、流路dの一部を構成する連通穴51bが形成されている。また、弾性復帰片52aは、前述した弾性操作片42aと同一のもので構成されており、連通穴51bを流路d内に位置させるようにして、移動片51aを支持している。
【0055】
このため、操作片56をチャンバー部51の内部側に押して、移動片51aを弾性復帰片52a側の外部側に突出させるように移動させると、連通穴51bが穴部58a内に移動して、図13に示したように、流路dは、移動片51aの連通穴51bのない部分によって閉塞される。このとき、弾性復帰片52aは、外部側に向って湾曲した状態になっているため、その状態で、操作片56をチャンバー部51の内部側に押し込む力を解除すると、弾性復帰片52aの復元力によって移動片51aが元の位置に移動する。これによって、図12に示したように、連通穴51bが流路d内に位置するようになりチャンバー部51内の流路dが連通する。
【0056】
なお、この液体混注具Dでは、液体混注具Cの固定部43b,43cに対応する固定部は設けられていない。この液体混注具Dのそれ以外の部分の構成については、前述した液体混注具Cと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。これによると、流路dを閉じるための操作が、操作片56を一方に押す操作だけですむため簡単になる。この液体混注具Dのそれ以外の作用効果については、前述した液体混注具Cと同様である。
【0057】
(第5実施形態)
図14および図15は、本発明の第5実施形態に係る液体混注具Eを示している。この液体混注具Eでは、液体混注具本体60のチャンバー61には縦壁が設けられてなく、チャンバー部61の前後方向の中央部に、前述した液体混注具Dの穴部58a,58bよりも幅がやや大きく設定された穴部68a,68bが形成されている。そして、チャンバー部61の内部における下流管63側部分の幅は穴部68a,68bと交わる部分まで幅広になり、チャンバー部61の内部における上流管64側部分の幅は穴部68a,68bと交わる部分まで幅狭になっている。
【0058】
また、開閉操作部65の移動片61aの幅は、穴部68a,68bの幅に合わせて大きく設定されている。そして、移動片61aの長手方向(チャンバー部61の幅方向)の略中央部には、流路eの一部を構成する連通溝61b,61cが形成されている。連通溝61bは、移動片61aの上流管64側の面における幅方向の略中央に設けられており、上流管64の流路64aと、流路eにおけるチャンバー部61内の上部側部分とを連通する。
【0059】
また、連通溝61cは、移動片61aの下流管63側の面における幅方向の略中央に設けられており、連通溝61cの幅は、連通溝61bの幅の略2倍に設定されている。また、弾性復帰片62aは、連通溝61bを流路e内に位置させるようにして、移動片61aを支持している。この液体混注具Eのそれ以外の部分の構成については、前述した液体混注具Dと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。
【0060】
このように構成したため、操作片56をチャンバー部61の内部側に押して、移動片61aを弾性復帰片62a側の外部側に突出させるように移動させると、連通溝61bが穴部68a内に移動して、図15に示したように、流路eは、移動片61aの連通溝61bのない部分によって閉塞される。このとき、弾性復帰片62aは、外部側に向って湾曲した状態になっているため、その状態で、操作片56をチャンバー部61の内部側に押し込む力を解除すると、弾性復帰片62aの復元力によって移動片61aが元の位置に移動する。これによって、図14に示したように、連通溝61bが流路e内に位置するようになりチャンバー部61内の流路eが連通する。この液体混注具Eのそれ以外の作用効果については、前述した液体混注具Dと同様である。
【0061】
(第6実施形態)
図16および図17は、本発明の第6実施形態に係る液体混注具Fを示している。この液体混注具Fでは、チャンバー部71の内部に設けられた流路fを形成するための流路形成用穴部71aにおける上流管74側部分は同径の状態で真っ直ぐ延びており、その流路形成用穴部71aにおける略中央部から縦壁77まで間の部分が細径に形成されている。そして、流路形成用穴部71aにおける同径の部分と細径の部分との境界部に同径部分から細径部分にかけて直径が徐々に小さくなったテーパ部71bが形成され、そのテーパ部71bと流路形成用穴部71aの上流管74側端部近傍にかけて開閉操作部75の弾性筒状体76が設置されている。
【0062】
この弾性筒状体76はゴムの成形体で構成されており、薄肉に形成された弾性円筒部76aと、弾性円筒部76aの上流端に連結され中央に穴が形成された肉厚の上流リング部76bと、弾性円筒部76aの下流端に連結され中央に穴が形成された肉厚の下流リング部76cとで構成されている。下流リング部76cの外周面は、流路形成用穴部71aのテーパ部71bに沿うテーパ面に形成されている。また、チャンバー部71における弾性筒状体76の軸方向の略中央部に対応する部分(チャンバー部71の前後方向における中央部よりも上流管74側の部分)に、チャンバー部71の内面から外面にかけて貫通する穴部78a,78bが形成されている。そして、弾性筒状体76の両側部から一対の押圧片72a,72bが穴部78a,78bを貫通して外部に延びている。
【0063】
押圧片72a,72bは、それぞれ外部側の端部が幅広になった略L形の片で構成され押圧操作がし易くなっている。このため、押圧片72a,72bをそれぞれチャンバー部71の内部側に押して、弾性筒状体76の対向する側面を押圧すると、弾性円筒部76aの中央部は、押し潰されて、図17に示したように流路fは閉塞される。また、押圧片72a,72bをチャンバー部71の内部側に押し込む力を解除すると、弾性円筒部76aの復元力によって弾性筒状体76はもとの状態に戻り、図16に示したように、弾性筒状体76内の流路fが連通する。この液体混注具Fのそれ以外の部分の構成については、前述した液体混注具Cと同一である。したがって、同一部分に同一符号を記して説明は省略する。これによっても、前述した各実施形態にかかる液体混注具A等と同様の作用効果を得ることができる。
【0064】
また、本発明に係る液体混注具は、前述した各実施形態に限定するものでなく、適宜変更実施が可能である。例えば、前述した各実施形態では、ゴム栓26にスリット26dを設けて、スリット26dに雄ルアー部を差し込むことにより、コネクターを合流管12に接続するようにしているが、コネクターに代えてシリンジの雄ルアー部や注射針をゴム栓に差し込むこともできる。注射針を差し込む場合には、ゴム栓26に、スリット26dを設ける必要はなくなる。また、前述した第5実施形態における液体混注具Eでは、移動片61aに連通溝61b,61cの二つの連通溝を設けているが、この連通溝は、連通溝61bだけで構成してもよい。さらに、液体混注具を構成するそれ以外の部分の形状や材料等についても適宜変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液体混注具の平面図である。
【図2】第1実施形態に係る液体混注具の側面図である。
【図3】第1実施形態に係る液体混注具の正面図である。
【図4】図2の4−4断面図である。
【図5】図1の5−5断面図である。
【図6】図4の液体混注具の流路を閉じた状態を示した断面図である。
【図7】図5の液体混注具の流路を閉じた状態を示した断面図である。
【図8】第2実施形態に係る液体混注具の流路を連通させた状態を示した断面図である。
【図9】第2実施形態に係る液体混注具の流路を閉じた状態を示した断面図である。
【図10】第3実施形態に係る液体混注具の流路を連通させた状態を示した断面図である。
【図11】第3実施形態に係る液体混注具の流路を閉じた状態を示した断面図である。
【図12】第4実施形態に係る液体混注具の流路を連通させた状態を示した断面図である。
【図13】第4実施形態に係る液体混注具の流路を閉じた状態を示した断面図である。
【図14】第5実施形態に係る液体混注具の流路を連通させた状態を示した断面図である。
【図15】第5実施形態に係る液体混注具の流路を閉じた状態を示した断面図である。
【図16】第6実施形態に係る液体混注具の流路を連通させた状態を示した断面図である。
【図17】第6実施形態に係る液体混注具の流路を閉じた状態を示した断面図である。
【符号の説明】
【0066】
10,30,40,50…液体混注具本体、11,31,41,51,61,71…チャンバー部、12…合流管、13,33,43,63…下流管、a,b,c,d,e,f,13a,14a,64a…流路、14,34,44,64,74…上流管、21a,21b,31a,31b…開閉部、22a,22b,32a,32b…押圧部、25…合流上流管、26…ゴム栓、26d…スリット、38a,38b…ガイド片、41a,41b…開閉片、42a,42b…弾性操作片、51a,61a…移動片、51b…連通穴、52a,62a…弾性復帰片、56…操作片、61b,61c…連通溝、65…開閉操作部、71a…流路形成用穴部、72a,72b…押圧片、76…弾性筒状体、A,B,C,D,E,F…液体混注具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバー部の両側からそれぞれ外部に延びる上流管および下流管と、前記チャンバー部の上部側に形成された合流管とを備え、内部に、前記上流管からチャンバー部を介して前記下流管に通じる主流路と、前記合流管と前記チャンバー部とを結ぶ連通遮断が可能な副流路とが形成された液体混注具本体と、
前記チャンバー部内に配置され、前記チャンバー部内で変位することにより、前記主流路における前記上流管と前記チャンバー部との間の部分を連通させたり遮断させたりする開閉部と、
前記開閉部に連結され、前記チャンバー部の外部側で前記開閉部を変位させるための操作を行うことのできる操作部とを備えたことを特徴とする液体混注具。
【請求項2】
前記開閉部を、前記主流路における前記上流管と前記チャンバー部との間の部分を連通させる方向に付勢して、前記操作部を操作しているときだけ前記主流路における前記上流管と前記チャンバー部との間の部分が遮断されるようにした請求項1に記載の液体混注具。
【請求項3】
前記開閉部を、前記主流路を挟んで対向する部分を備えた可撓性の弾性体からなる変形可能部で構成し、前記操作部を前記変形可能部と一体からなり前記変形可能部の主流路を挟んで対向する各部分からそれぞれ前記チャンバー部の外部に延びた可撓性の弾性体からなる押圧部で構成した請求項1または2に記載の液体混注具。
【請求項4】
前記チャンバー部内に、前記変形可能部の変位をガイドするためのガイド部を設けた請求項3に記載の液体混注具。
【請求項5】
前記開閉部を、前記主流路を挟んで対向するとともに前記チャンバー部の側壁部を貫通して外部に延びる一対の開閉片で構成し、前記操作部を、前記一対の開閉片をそれぞれチャンバー部の外部側に付勢した状態で前記一対の開閉片にそれぞれ連結された一対の弾性操作片で構成した請求項1または2に記載の液体混注具。
【請求項6】
前記開閉部を、前記主流路を塞いだ状態で前記チャンバー部の側壁部を貫通して外部両側に延び、その所定部分に前記主流路を連通させる連通穴が設けられた移動片で構成し、前記操作部を、前記連通穴が前記主流路内に位置するように前記移動片の一端を付勢する弾性復帰片と、前記移動片の他端に設けられ前記弾性復帰片の弾性に抗して前記移動片を移動させるための操作片とで構成した請求項1または2に記載の液体混注具。
【請求項7】
前記開閉部を、前記主流路を塞いだ状態で前記チャンバー部の側壁部を貫通して外部両側に延び、その上流管側の面における所定部分の上部側に前記主流路における前記合流管側の部分を介して前記主流路を連通させる連通溝が設けられた移動片で構成し、前記操作部を、前記連通溝が前記主流路と連通するように前記移動片の一端を付勢する弾性復帰片と、前記移動片の他端に設けられ前記弾性復帰片の弾性に抗して前記移動片を移動させるための操作片とで構成した請求項1または2に記載の液体混注具。
【請求項8】
前記開閉部を、内部が前記主流路の一部を形成する可撓性の弾性筒状体で構成するとともに、前記操作部を前記弾性筒状体の両側部からそれぞれ前記チャンバー部の側壁部を貫通して外部に延びる一対の押圧片で構成し、前記一対の押圧片が互いに進退することにより、前記弾性筒状体を開閉できるようにした請求項1または2に記載の液体混注具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2008−55056(P2008−55056A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−238070(P2006−238070)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000228888)日本シャーウッド株式会社 (170)
【Fターム(参考)】