説明

液冷媒循環冷却システム

【課題】冷却用液冷媒循環路を流れる冷却用液冷媒を、減圧冷却を利用した熱交換ユニットを用いて過冷却状態にする際に、熱交換ユニットでの熱交換用液冷媒の冷却効率と温度安定性を良くする液冷媒循環冷却システムを提供する。
【解決手段】冷却用液冷媒循環路1は、冷却用液冷媒が流れる配管3と、熱交換部31と冷媒循環ポンプ5とを有する閉回路で構成される。熱交換ユニット2は、内部に熱交換部31が配置されて熱交換用液冷媒が貯留される減圧容器21と、減圧容器21内を減圧する減圧用ポンプ24と、熱交換用液冷媒が貯留される冷媒タンク25とを有する。減圧容器21と冷媒タンク25とを接続する配管の途中に、大気圧状態となっている気液分離器26を設け、気液分離器26で冷媒タンクから供給される熱交換用液冷媒を蒸発冷却して気液分離し、分離された熱交換用液冷媒のみを減圧容器21に供給して、減圧容器21内の圧力および温度上昇を軽減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導コイル、超電導ケーブルなどの被冷却物を極低温状態に冷却するための液冷媒循環冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
超電導ケーブルなどの超電導部材は、超電導特性を維持するために極低温状態を維持する必要がある。そこで、超電導部材は、一般に液冷媒を用いた冷却システムで常時冷却することにより極低温状態を維持するようにしている。冷却媒体としては、通常、比較的安価な液体窒素(LN2)が用いられている。
【0003】
ところで、超電導部材を冷却しているうちに、冷媒が気液混合状態になると、圧力損失が増す上、電気絶縁性能が低下してしまう。従って、冷媒は、熱交換により多少加熱されても気化しない過冷却状態の液冷媒にすることが好ましい。
【0004】
そこで、特許文献1にも開示されているように、液冷媒を過冷却状態にして被冷却物を冷却する冷却システムが提案されている。
【0005】
この冷却システムは、液体窒素をリザーバユニットに貯留し、リザーバユニット内の液体窒素を配管を介して熱交換ユニットに送って過冷却状態にした後に、この過冷却状態の液体窒素で超電導部材を冷却し、超電導部材を冷却した後の液体窒素を、再度リザーバユニットに戻すようにしている。この熱交換システムでは、冷凍機を用いて、液体窒素を過冷却の状態にしている。
【0006】
この特許文献1に開示されている冷却システムでは、リザーバユニット、熱交換ユニット、超電導部材の冷却部を液体窒素が循環する閉回路の冷媒循環回路が形成される。このように特許文献1に開示されている冷却システムは、常に冷媒を過冷却状態に維持し、液冷媒を気化しない状態で循環させることができる。
【0007】
また、特許文献2にも、超電導部材を冷却するための閉回路の冷媒循環路を設け、この冷媒循環路の一部を、熱交換ユニット内に配置させることにより、冷媒循環路を流れる冷却用液冷媒を過冷却状態まで冷却する構成が開示されている。
【0008】
特許文献2の冷却システムの熱交換ユニットは、減圧容器を有し、この減圧容器内に熱交換用液冷媒を貯留して、この減圧容器内を減圧することにより、容器内に貯留されている熱交換用液冷媒の温度を低下させて熱交換用液冷媒を過冷却状態している。そして、閉回路の冷媒循環路を流れる冷却用液冷媒を、この過冷却状態の熱交換用液冷媒と熱交換することにより、過冷却状態にしている。
【0009】
【特許文献1】特開平8-148044号公報
【特許文献2】特開平10-54637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に開示されている冷却システムでは、熱交換ユニットにおいて、閉回路の冷媒循環路を流れる液冷媒を、冷凍機を用いて過冷却の状態まで冷却する構成であるため、冷凍機は大きな冷凍能力を必要として冷凍機が大型化する。そのため、大きな配置スペースを有するし、常に冷凍機を可動させておくので消費電力も大きい。
【0011】
また、特許文献2に開示されている減圧冷却を利用した冷却システムでは、減圧容器内を減圧して、容器内の冷媒ガスを大気に放出するようになっている。
【0012】
従って、減圧容器内の熱交換用液冷媒は、減圧により徐々に蒸発気化し、かつ、その気化したガスが減圧用ポンプにより排気されていくので、減圧容器内の熱交換用液冷媒の液面は徐々に低下していく。
【0013】
そのため、特許文献2の冷却システムでは、減圧容器内の熱交換用液冷媒の量が足りなくなると、冷媒循環路を流れる冷却用液冷媒との熱交換が十分できなくなる。従って、減圧容器の外部に設けた冷媒タンクに熱交換用液冷媒を貯留しておいて、減圧容器内の熱交換用液冷媒の量が所定の量よりも減ったとき、この冷媒タンクから熱交換用液冷媒を供給するようにしている。
【0014】
しかし、冷媒タンク内に貯留されている熱交換用液冷媒は、高温・高圧であるため、冷媒タンク内の熱交換用液冷媒を減圧容器内に供給すると、減圧容器内は、圧力が上昇し、減圧容器内の温度も上昇してしまう。このように減圧容器内の熱交換用液冷媒の温度と圧力が上昇すると、再度減圧する際の負荷が大きくなり、冷却システム全体としての効率が低下する。
【0015】
さらに、減圧容器内の熱交換用液冷媒の減圧冷却をするにあたって、減圧用ポンプを用いて減圧容器内を減圧するようにしている。その結果、高温・高圧の熱交換用液冷媒がタンクから供給されると、圧力変動および温度変動が大きくなり、減圧容器内の液冷媒の温度安定性が悪くなり、冷媒循環路を流れる冷却用液冷媒の温度安定性も悪くなってしまう。
【0016】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、冷却用液冷媒循環路を流れる冷却用液冷媒を、減圧冷却を利用した熱交換ユニットを用いて冷却する際に、熱交換ユニットの熱交換用液冷媒の冷却効率と温度安定性を良くすることができる液冷媒循環冷却システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、冷却用液冷媒を循環させて被冷却物を冷却するための冷却用液冷媒循環路と、この冷却用液冷媒循環路を流れる冷却用液冷媒を過冷却状態にするための熱交換ユニットとを備える液冷媒循環冷却システムである。本発明の液冷媒循環冷却システムでは、冷却用液冷媒循環路を流れる冷却用液冷媒は、途中の熱負荷である被冷却物から吸熱して被冷却物を冷却し、吸熱後は、熱交換ユニットで熱交換して放熱することにより過冷却状態に戻る循環冷却を行う。
【0018】
前記冷却用液冷媒循環路は、冷却用液冷媒が流れる配管と、この配管の途中に設ける熱交換部と冷媒循環ポンプとを有する閉回路で構成している。冷却用液冷媒循環路は、被冷却物を冷却した後の冷却用液冷媒が貯留されるリザーバタンクを備える構成とすることが好ましい。
【0019】
前記熱交換ユニットは、内部に冷却用液冷媒循環路の熱交換部が配置されて熱交換用液冷媒が貯留される減圧容器と、この減圧容器内を減圧するための減圧用ポンプと、減圧容器内に供給するための液冷媒が貯留される冷媒タンクとを有する。冷却用液冷媒循環路の熱交換部は、減圧容器内の液冷媒中に浸漬されるようにして、熱交換部を流れる冷却用液冷媒を、減圧容器内の熱交換用液冷媒と熱交換して過冷却状態にする。
【0020】
さらに、熱交換ユニットでは、減圧容器と冷媒タンクとを接続する配管の途中に、大気に開放されて大気圧状態となっている気液分離器を設けている。この気液分離器で冷媒タンクから供給される熱交換用液冷媒を蒸発冷却して気液分離し、分離された液冷媒のみを減圧容器に供給する。
【0021】
本発明の液冷媒循環冷却システムは、大気に開放されている気液分離器を設けているので、冷媒タンクに貯留されている熱交換用液冷媒が高温・高圧であっても、この高温・高圧の熱交換用液冷媒を、一旦、気液分離器に供給することにより、熱交換用液冷媒は、大気圧近くまで減圧されて蒸発冷却される。その結果、気液分離器で分離された熱交換用液冷媒は、冷媒タンク内での温度より低下した状態になるので、高温・高圧の熱交換用液冷媒を直接減圧容器内に供給するよりも熱負荷が軽減される。
【0022】
ところで、冷媒タンクから気液分離器を介して減圧容器内に熱交換用液冷媒を移送する際に、冷媒タンクと気液分離器と減圧容器とが連通状態になる場合がある。このとき内部圧力の関係から、冷媒タンクから気液分離器に移送された熱交換用液冷媒は、大気圧まで減圧される前に減圧容器内に吸い込まれてしまう虞がある。
【0023】
そこで、本発明の液冷媒循環冷却システムは、冷媒タンクと気液分離器とを接続する配管途中に高圧側バルブを設け、気液分離器と減圧容器とを接続する配管途中に低圧側バルブを設ける構成とすることが好ましい。この場合、冷媒タンクから気液分離器への冷媒供給時には、高圧側バルブを開けて、低圧側バルブを閉めるようにする。また、気液分離器内に所定の熱交換用液冷媒が貯留されて、気液分離器から減圧容器内に熱交換用液冷媒を供給する時には、高圧側バルブを閉めて、低圧側バルブを開けるようにする。
【0024】
このように、高圧側バルブと低圧側バルブとを設けて、これらバルブの開閉を上記のように制御することにより、気液分離器で大気圧近くまで減圧された熱交換用液冷媒を確実に減圧容器内に移送することができるので、大気圧に近い熱交換用液冷媒の移送を安定して行え、良好な冷却が維持できる。
【0025】
また、減圧容器内での熱交換用液冷媒の減圧による蒸発冷却を行う際に、減圧容器と気液分離器とが連通状態にあると、気液分離器内の熱交換用液冷媒が減圧容器内に吸い込まれてしまい、減圧冷却が効率良く行えない虞がある。
【0026】
そこで、本発明の液冷媒循環冷却システムは、気液分離器と減圧容器とを接続する配管途中に前記低圧側バルブを設け、気液分離器から減圧容器内に液冷媒を供給する時には、減圧冷却運転を停止して低圧側バルブを開け、減圧冷却運転を行う時には、低圧側バルブを閉めるようにすることが好ましい。
【0027】
さらに、本発明の液冷媒循環冷却システムは、気液分離器に貯留された熱交換用液冷媒を重力で減圧容器に移送するように気液分離器と減圧容器とを配置することが好ましい。具体的には、例えば、気液分離器内の底面の位置を、減圧容器内に貯留される熱交換用液冷媒の液面よりも上方に位置させる。このように、液面の位置を設定することにより、気液分離器内の熱交換用液冷媒を重力により減圧容器に供給することができる。従って、熱交換用液冷媒の移送をポンプを用いることなく、重力と、気液分離器内と減圧容器内との圧力差で円滑に行えるので、冷却システムとしての損失を少なくできる。
【0028】
また、本発明の液冷媒循環冷却システムは、減圧容器と減圧用ポンプとを接続する配管途中に、排気流量制御弁と、この排気流量制御弁よりも減圧用ポンプ側に設けられるバッファータンクとを備える構成とすることが好ましい。
【0029】
排気流量制御弁と減圧用ポンプとの間にバッファータンクを設けることにより、排気流量制御弁を通過したガスを減圧用ポンプで排気する前に、バッファータンクに溜めてガス流の平滑化が行える。即ち、排気流量制御弁を通過したガスの流量変化を抑えた後に、減圧用ポンプで大気に排気できるので、バルブ開度の操作による冷媒ガス流量制御を安定した状態で行うことができる。
【0030】
また、本発明の液冷媒循環冷却システムは、冷却用液冷媒循環路を流れる冷却用液冷媒の温度を検出する温度検出器と、減圧容器内の熱交換用液冷媒の飽和蒸気圧を検出する圧力検出器とを備える構成としてもよい。
【0031】
温度検出器と圧力検出器を設ける場合には、冷却用液冷媒循環路を流れる冷却用液冷媒の温度と、予め定めた所定温度との差に基づいて、排気流量制御弁を通過する冷媒の冷媒飽和蒸気圧の設定圧力を換算し、この設定圧力と圧力検出器で検出した熱交換用液冷媒の飽和蒸気圧との差が無くなるように、排気流量制御弁の開度を制御する。
【0032】
このように、温度検出器と圧力検出器を設けることにより、温度設定値と温度測定値との差を設定圧力に換算する操作を行い、換算された設定圧力を熱交換ユニットでの圧力制御に用いることによって、確実に冷却用液冷媒循環路を流れる冷却用液冷媒の温度制御を行うことができる。その結果、信頼性の高い温度制御が可能となる。
【0033】
なお、熱交換用液冷媒の冷媒飽和蒸気圧の設定圧力は、下限を設定することが好ましい。換算して得られた設定圧力が熱交換用液冷媒の三重点を下回る圧力になると、冷媒が固化して配管が詰まるなどの不具合が生じる虞があるので、この設定圧力に下限値を設けて、冷媒が絶対に固化しないようにする。設定圧力は、冷媒が凝固する三重点の圧力よりも高い圧力に設定する。
【0034】
本発明の液冷媒循環冷却システムで用いる前記圧力検出器は、高周波の変動を感知して圧力を検出するとともに、検出した高周波振動の周期が設定値以上のものを排除するフィルタを備える構成とすることが好ましい。
【0035】
ところで、減圧容器内で減圧する際には、冷媒のガス相が減圧冷却されて、このガス相が、減圧容器内で複雑な気流を形成する虞がある。本発明にかかる圧力検出器は、高周波振動の周期が設定値以上のものをフィルタで排除するようにしているので、減圧容器内で複雑な気流を形成しても、高周波振動の変動を平滑化して圧力信号をモニタすることができる。その結果、圧力変動に追随して排気流量制御弁の開度を制御することができる。
【0036】
ところで、被冷却物が超電導部材の場合、冷却用液冷媒循環路内に、外部から水分を含む大気圧の空気が浸入すると、水分が凍結して、循環冷却が行えなくなる虞がある。そして、冷却用液冷媒循環路に、被冷却物を冷却した後の液冷媒が貯留されるリザーバタンクを備える構成とする場合、このリザーバタンクは、大気に実質的に開放されている場合が多い。このリザーバタンク内に外気が浸入しないようにするためは、リザーバタンク内の圧力は、大気圧以上にすることが好ましい。
【0037】
しかし、リザーバタンクの横断面全体に液面が存在し、その全面をガスで加圧して大気圧以上を維持する場合に、そのガスが冷却用液冷媒と同じ冷媒ガスであると、広い面積全体に亘ってガスの液化が生じ、極めて大きな熱損失となってしまう。
【0038】
そこで、本発明の液冷媒循環冷却システムは、冷却用液冷媒循環路に、リザーバタンクを備える構成とする場合、このリザーバタンクの上部には、タンクの横断面積に対して横断面積が小さい面積を有する筒状部をタンク内に開口するように形成することが好ましい。
【0039】
このリザーバタンクは、筒状部内に液冷媒の液面が位置するように、リザーバタンク内に液冷媒を貯留するとともに、この筒状部内の液冷媒の液面を気体で加圧するように構成する。
【0040】
このように、気体で加圧する面積を小さくすることにより、加圧する気体が、冷却用液冷媒と同じ冷媒ガスのときには、液化する量を軽減できるので、冷却システムとしての熱損失を軽減することができる。また、冷却用液冷媒よりも三重点の低い冷媒ガスを用いる場合には、そのガス使用量を軽減できる。
【0041】
本発明の液冷媒循環冷却システムで用いる冷却用液冷媒循環路内の冷媒としては、目的に応じて、ヘリウム、水素、ネオン、アルゴン、酸素、窒素など、あるいは、それらの混合物が挙げられる。そして、リザーバタンク内を加圧する気体は、冷却用の冷媒として用いる元素よりも三重点の低いもの、あるいは同じものを用いる。
【発明の効果】
【0042】
本発明の液冷媒循環冷却システムは、熱交換ユニットに大気に開放されている気液分離器を設けているので、冷媒タンクに貯留されている熱交換用液冷媒が高温・高圧であっても、この熱交換用液冷媒を、一旦、気液分離器に供給して、大気圧近くまで減圧して蒸発冷却することにより温度を下げることができる。その結果、気液分離器で分離された熱交換用液冷媒は、タンク内での温度より低下した状態になるので、高温・高圧の熱交換用液冷媒を直接減圧容器内に供給するよりも熱負荷を軽減でき、冷却効率を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の液冷媒循環冷却システムに係る実施の形態を図1に基づいて説明する。
【0044】
本実施形態の液冷媒循環冷却システムは、冷却用液冷媒である冷却用液体窒素を循環させる冷却用液冷媒循環路1と、この冷却用液冷媒循環路1を流れる冷却用液体窒素を冷却するための熱交換ユニット2とを備える。
【0045】
冷却用液冷媒循環路1では、被冷却物である超電導ケーブルを過冷却状態の冷却用液体窒素で吸熱により冷却し、吸熱後の冷却用液体窒素を、熱交換ユニット2で熱交換して放熱して再び過冷却状態にした後、再度超電導ケーブルを冷却する循環冷却を行う。
【0046】
前記冷却用液冷媒循環路1は、冷却用液体窒素が流れる循環用配管3と、この循環用配管3の途中に設ける熱交換部31と、超電導ケーブルを冷却する冷却部4と、冷媒循環ポンプ5と、リザーバタンク6とを有する閉回路で構成されている。
【0047】
循環用配管3の両端部は、リザーバタンク6内の冷却用液体窒素中に開口させており、このリザーバタンク6内の循環用配管3の吸い込み側端部に冷媒循環ポンプ5を設けている。この冷媒循環ポンプ5を駆動することにより、冷却用液体窒素が冷却用液冷媒循環路1を循環するようになっている。
【0048】
リザーバタンク6は、外部に実質的に開放されており、その外周壁部が真空断熱構造となっている。リザーバタンク6内には、冷却部4において超電導ケーブルを冷却した後の冷却用液体窒素が回収されて貯留されるようになっている。
【0049】
リザーバタンク6から出た冷却用液体窒素が流れる循環用配管3の途中、つまり、この配管3において冷却部4の上流に熱交換部31が形成されている。この熱交換部31は、熱交換ユニット2を構成する減圧容器21内に配置されている。循環用配管3は、この減圧容器21内を通過させた状態になっている。さらに、循環用配管3には、熱交換部31と冷却部4との間を流れる冷却用液体窒素の温度を検出する第一温度センサ63が設けられている。この第一温度センサ63で検出した結果は、制御装置9に出力される。
【0050】
さらに、リザーバタンク6は、その上部に、タンクの横断面積に対して横断面積が小さい面積を有する筒状部61をタンク内に開口するように形成している。筒状部61内には、横断面の外形形状が筒状部61の横断面内周形状と実質的に同形でやや小さい、上下方向に所定の厚みを有する断熱材62が配設されている。この断熱材62は、筒状部61内を上下動可能で、筒状部61から抜け出ないようにしており、冷却用液体窒素の液面上に浮かす構成となっている。
【0051】
この断熱材62は、外気に対してリザーバタンク6内の冷却用液体窒素への熱伝導が少ないもので形成されており、FRPなど熱伝導率の小さい材料によって形成したり、中空構造としてその中空部分を真空断熱構造としたりすることができる。
【0052】
このリザーバタンク6は、筒状部61内に冷却用液体窒素の液面aが位置するように、リザーバタンク6内全体に冷却用液体窒素を貯留するようになっている。そして、前記断熱材62を、筒状部61の冷却用液体窒素の液面aに接触するように配置し、断熱材62の上面を、大気圧以上のヘリウムガスで加圧するようになっている。本実施形態では、この筒状部61内の冷却用液体窒素の液面aを断熱材62を介してヘリウムガスで加圧するように構成して、リザーバタンク6内の圧力を一定に維持するようにしている。
【0053】
このように、ヘリウムガスで加圧する冷却用液体窒素の面積を小さくすることにより、冷却用液体窒素と接触するヘリウムガスの使用量を軽減できる。
【0054】
前記熱交換ユニット2は、減圧容器21、ヒーター22、バッファータンク23、二台の減圧用ポンプ24、冷媒タンク25、気液分離器26とを備える。
【0055】
冷媒タンク25と気液分離器26とを第一配管81で接続し、気液分離器26と減圧容器21とを第二配管82で接続し、減圧容器21とヒーター22とを第三配管83で接続し、ヒーター22とバッファータンク23とを第四配管84で接続し、バッファータンク23と減圧用ポンプ24とを第五配管85で接続している。
【0056】
冷媒タンク25には、減圧容器21内に供給するための熱交換用液体窒素が貯留される。冷媒タンク25内には、大気圧よりも高圧な高温の液体窒素が貯留される。
【0057】
気液分離器26は、大気に開放されて大気圧状態となっており、冷媒タンク25から供給される熱交換用液体窒素を蒸発冷却して気液分離し、分離された熱交換用液体窒素のみを第二配管82を介して減圧容器21に供給する構成となっている。
【0058】
気液分離器26には、容器内に貯留される熱交換用液体窒素の液量を検出する第一液量検出器27が設けられている。この第一液量検出器27で検出した液量は、制御装置9に出力される。さらに、第一配管81には、冷媒タンク25と気液分離器26との連通および遮断を行う高圧側バルブ11が設けられており、この高圧側バルブ11を開くことにより、冷媒タンク25から気液分離器26へ熱交換用液体窒素を供給するようになっている。
【0059】
減圧容器21は、第三配管83から第五配管85を介して減圧用ポンプ24から大気に開放される構成としており、その外周壁部が真空断熱構造となっている。
【0060】
減圧容器21には、外部に設けた冷媒タンク25内の高温・高圧の熱交換用液体窒素が気液分離器26を介して供給される。減圧容器21には、容器内に貯留される熱交換用液体窒素の液量を検出する第二液量検出器71と、熱交換用液体窒素の温度を検出する第二温度センサ72と、減圧容器21内のガス相の圧力(熱交換用液体窒素の飽和蒸気圧)を検出する圧力センサ73とが設けられている。これら、第二液量検出器71、第二温度センサ72、圧力センサ73の検出結果も制御装置9に出力される。
【0061】
さらに、第二配管82には、気液分離器26と減圧容器21との連通および遮断を行う低圧側バルブ12が設けられており、この低圧側バルブ12を開くことにより、気液分離器26から減圧容器21へ熱交換用液体窒素を供給するようになっている。
【0062】
気液分離器26から減圧容器21への熱交換用液体窒素の供給制御は、減圧容器21内に設けた第二液量検出器71の検出結果に基づいて、第二配管82に設けた低圧側バルブ12の開閉制御を行うことによりなされる。
【0063】
本実施形態では、気液分離器26内の底面の位置が、減圧容器21内に貯留される熱交換用液体窒素の液面よりも上方に位置するように、気液分離器26と減圧容器21とを配置している。このように、液面の位置を設定することにより、気液分離器26内の熱交換用液体窒素を重力により減圧容器21に容易に供給することができる。従って、熱交換用液体窒素の移送をポンプを用いることなく、重力と圧力差で円滑に行えるので、冷却システムとしての損失を少なくできる。
【0064】
この減圧容器21には、ヒーター22、バッファータンク23、そして減圧用ポンプ24が接続されており、この減圧用ポンプ24の駆動によって、減圧容器21内部の熱交換用液体窒素が大気圧よりも所定の圧力だけ低い圧力に減圧される。この減圧に伴って減圧容器21内の熱交換用液体窒素は温度降下する。
【0065】
また、ヒーター22とバッファータンク23とを接続する第四配管84には、排気流量制御弁13が設けられており、この排気流量制御弁13で、減圧によりガス化した熱交換用窒素の減圧用ポンプ24で排出される流量が制御される。
【0066】
排気流量制御弁13を通過するガスの流量制御は、まず、冷却用液冷媒循環路1を流れる冷却用液体窒素の温度を第一温度センサ63で検出し、この検出した温度と、予め定めた所定温度との差に基づいて、排気流量制御弁13を通過するガスの冷媒飽和蒸気圧の設定圧力を換算する。そして、この設定圧力と圧力センサ73で検出した熱交換用液体窒素の飽和蒸気圧との差が無くなるように、排気流量制御弁13の開度を制御することよりガスの流量制御を行う。
【0067】
本実施形態では、温度設定値と温度測定値との差を設定圧力に換算する操作を行い、換算された設定圧力を熱交換ユニットでの圧力制御に用いるので、確実に冷却用液冷媒循環路を流れる冷却用液体窒素の温度制御を行うことができる。
【0068】
なお、熱交換用液体窒素の冷媒飽和蒸気圧の設定圧力は、液体窒素が固化するのを防ぐために下限値を設定しており、熱交換用液体窒素の三重点の圧力よりも高い圧力に設定している。
【0069】
前記圧力センサ73は、減圧容器21内の圧力を高周波の変動を感知して検出するようになっており、さらに、検出した高周波振動の周期が設定値以上のものを排除するフィルタを備える構成としている。本実施形態では、減圧容器21内の高周波振動の変動を圧力センサ73で感知したとき、カットオフ周波数が10Hz以上のフィルタを用いて圧力信号を読み取るようにして、高周波振動の変動の平滑化を行っている。また、平均化処理を行って圧力信号を読み取るようにしてもよい。
【0070】
このように、本実施形態では、減圧容器21内の圧力を圧力センサ73で検出し、しかも、フィルタで検出した高周波振動の周期が設定値以上のものを排除するようにしている。その結果、減圧容器21内で減圧する際に、冷媒のガス相が減圧冷却されて、このガス相が、減圧容器内で複雑な気流を形成しても、圧力センサ73で感知した高周波振動の変動を平滑化することができる。従って、減圧容器21内の圧力変動に追随して排気流量制御弁13の開度を制御することができる。
【0071】
本実施形態では、減圧用ポンプ24で減圧容器21内を減圧する際、ヒーター22で熱交換用液体窒素を確実にガス化させた後、排気流量制御弁13を通過したガスをバッファータンク23に一旦貯留し、このバッファータンク23内のガスを減圧用ポンプ24で大気に排出する構成となっている。
【0072】
本実施形態では、排気流量制御弁13と減圧用ポンプ24との間にバッファータンク23を設けているので、排気流量制御弁13を通過したガスを減圧用ポンプ24で排気する前に、バッファータンク23に溜めてガス流の平滑化ができる。その結果、排気流量制御弁13を通過したガスの流量変化を抑えた後に、減圧用ポンプ24で大気に排気できるので、バルブ開度の操作による冷媒ガス流量制御を安定した状態で行うことができる。なお、第五配管85の減圧用ポンプ24の入口近くには、開閉弁14が設けられている。
【0073】
また、リザーバタンク6内には、冷媒タンク25から、第一配管81から分岐した分岐配管86を介して熱交換用液体窒素を冷却用液体窒素として供給できるようになっている。分岐配管86には開閉弁15が設けられている。
【0074】
本実施形態の液冷媒循環冷却システムでは、前記した冷却用液冷媒循環路1の熱交換部31は、減圧容器21内の熱交換用液体窒素中に浸漬されるようにして、熱交換部31を流れる冷却用液体窒素を、減圧容器21内の熱交換用液体窒素と熱交換して過冷却状態に冷却するようになっている。
【0075】
本実施形態の液冷媒循環冷却システムの全体的な機能について以下に説明する。
【0076】
リザーバタンク6から冷媒循環ポンプ5により循環用配管3を介して減圧容器21内の熱交換部31へ冷却用液体窒素が送られる。熱交換部31へ送られる前の冷却用液体窒素は、77Kより若干低い温度となっている。
【0077】
一方、熱交換ユニット2では、減圧容器21内は減圧用ポンプ24によって大気圧よりも所定圧力だけ低い圧力に減圧されて、内部の熱交換用液体窒素は、大気圧下の飽和温度(77K程度)から例えば65K程度まで温度降下されて過冷却状態となっている。
【0078】
熱交換ユニット2は、冷媒タンク25に貯留されている高温・高圧の熱交換用液体窒素を減圧容器21に供給する場合には、一旦、気液分離器26に熱交換用液体窒素を供給して、熱交換用液体窒素を、大気圧近くまで減圧させて蒸発冷却した後、減圧容器21に供給する。気液分離器26で分離された熱交換用液体窒素は、冷媒タンク25内での温度より低下した状態になる。
【0079】
また、熱交換ユニット2では、冷媒タンク25から気液分離器26へ熱交換用液体窒素を供給する時には、高圧側バルブ11を開けて、低圧側バルブ12を閉める。そして、気液分離器26内に所定量の熱交換用液体窒素が貯留されて、気液分離器26から減圧容器21内に熱交換用液体窒素を供給する時には、高圧側バルブ11を閉めて、低圧側バルブ12を開けるようにする。
【0080】
高圧側バルブ11と低圧側バルブ12の開閉を上記のように制御することにより、気液分離器26で大気圧近くまで減圧された熱交換用液体窒素を確実に減圧容器21内に移送することができ、大気圧に近い熱交換用液体窒素の減圧容器21への移送を安定して行える。
【0081】
また、気液分離器26から減圧容器21内に熱交換用液体窒素を供給する時には、減圧冷却運転を停止して低圧側バルブ12を開け、減圧冷却運転を行う時には、低圧側バルブ12を閉めるようにする。
【0082】
そしてリザーバタンク6から熱交換部31へ送られてきた冷却用液体窒素は、減圧容器21内の65Kの熱交換用液体窒素と熱交換されて、例えば67K程度まで温度降下し、過冷却状態となる。なお、この熱交換部31においては、冷却用液体窒素の圧力は特に変化せず、ほぼ大気圧の状態が維持される。
【0083】
67K程度に過冷却された大気圧の冷却用液体窒素は、超電導ケーブルを冷却する冷却部4に送られる。冷却部4において、超電導ケーブルが例えば70K程度に冷却・保持される。
【0084】
冷却部4において、超電導ケーブルを冷却した後の冷却用液体窒素は、温度が上昇し、リザーバタンク6に戻される。
【0085】
ここで、リザーバタンク6の筒状部61内における冷却用液体窒素の液面上方には断熱材62が設けられ、この断熱材62の上面にヘリウムガスが加圧状態で導入されている。リザーバタンク6内の冷却用液体窒素の圧力は、確実に大気圧以上に維持され、リザーバタンク6内に外部から空気が引き込まれて侵入することが確実に防止される。
【0086】
また、ヘリウムガスで加圧する液体窒素の液面の面積を小さくすることにより、加圧するヘリウムガスの使用量を軽減できる。なお、この加圧するガスに窒素ガスを用いる場合には、液面と接触する面積が小さいので、液化量を軽減でき、冷却システムとしての熱損失を軽減することができながら、安価な冷媒ガスを用いることができる。さらに、断熱材62により、リザーバタンク6の冷却用液体窒素とヘリウムガスとの間に熱勾配を与えることができる。
【0087】
また、過冷却状態の冷却用液体窒素で、超電導ケーブルを常に冷却した状態にできるので、超電導ケーブルの作動時において超電導ケーブルが発熱しても、その周囲の冷却用液体窒素が大気圧下での気化温度(約77K)に至るまでには余裕がある。そのため超電導ケーブルの発熱によってその周囲の冷却用液体窒素が直ちに気化してガス気泡が発生してしまうことを防止できる。
【0088】
以上のように、本実施形態にかかる液冷媒循環冷却システムでは、超電導ケーブルを冷却する冷却用液冷媒循環路内を流れる冷却用液体窒素は、大気圧で過冷却状態とすることができる。その結果、超電導ケーブルが過冷却状態の液体窒素中に浸漬されるので、超電導ケーブルが発熱して、液体窒素がこのケーブルの熱と熱交換して温度が上昇しても、液体窒素からガス気泡が発生することを防止できる。従って、ガス気泡の発生により電気絶縁性の低下を招いたり、冷却効率の低下を招いたりするおそれが少なくなる。
【0089】
さらに、熱交換ユニット2では、冷媒タンク25から高温・高圧の熱交換用液体窒素を直接減圧容器21に供給するのではなく、一旦、気液分離器26で大気圧程度まで減圧して熱交換用液体窒素の温度を低下させた後に、この多少低温となった熱交換用液体窒素を減圧容器21に供給する。その結果、冷媒タンク25に貯留されている熱交換用液体窒素が高温・高圧であっても、高温・高圧の熱交換用液体窒素を直接減圧容器内に供給するよりも熱負荷を軽減できる。
【0090】
なお上記実施形態では、リザーバタンク6に筒状部61を形成して、この筒状部61内の冷却用液体窒素の液面をヘリウムガスで加圧する構成としたが。リザーバタンク6は完全に密閉した状態にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明の液冷媒循環冷却システムは、超電導ケーブルを冷却する冷却システムとして好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の冷媒循環冷却システムの概略構成図である。
【符号の説明】
【0093】
1 冷却用液冷媒循環路
2 熱交換ユニット
21 減圧容器 22 ヒーター 23 バッファータンク
24 減圧用ポンプ 25 冷媒タンク 26 気液分離器
27 第一液量検出器
3 循環用配管 31 熱交換部
4 冷却部 5 冷媒循環ポンプ
6 リザーバタンク
61 筒状部 62 断熱材 63 第一温度センサ
71 第二液量検出器 72 第二温度センサ 73 圧力センサ
81 第一配管 82 第二配管 83 第三配管 84 第四配管
85 第五配管 86 分岐配管
9 制御装置
11 高圧側バルブ 12 低圧側バルブ 13 排気流量制御弁
14 開閉弁 15 開閉弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却用液冷媒を循環させて被冷却物を冷却するための冷却用液冷媒循環路と、この冷却用液冷媒循環路を流れる冷却用液冷媒を過冷却状態にするための熱交換ユニットとを備える液冷媒循環冷却システムであって、
冷却用液冷媒循環路は、冷却用液冷媒が流れる配管と、この配管の途中に設ける熱交換部と、冷媒循環ポンプとを有する閉回路で構成され、
熱交換ユニットは、内部に冷却用液冷媒循環路の熱交換部が配置されて熱交換用液冷媒が貯留される減圧容器と、この減圧容器内を減圧するための減圧用ポンプと、減圧容器内に供給するための熱交換用液冷媒が貯留される冷媒タンクとを有し、
減圧容器と冷媒タンクとを接続する配管の途中に、大気に開放されて大気圧状態となっている気液分離器を設け、この気液分離器で冷媒タンクから供給される熱交換用液冷媒を蒸発冷却して気液分離し、分離された液冷媒のみを減圧容器に供給することを特徴とする液冷媒循環冷却システム。
【請求項2】
冷媒タンクと気液分離器とを接続する配管途中に高圧側バルブを設け、気液分離器と減圧容器とを接続する配管途中に低圧側バルブを設けて、
冷媒タンクから気液分離器への冷媒供給時には、高圧側バルブを開けて、低圧側バルブを閉め、
気液分離器内に所定の熱交換用液冷媒が貯留されて、気液分離器から減圧容器内に熱交換用液冷媒を供給する時には、高圧側バルブを閉めて、低圧側バルブを開けるようにしていることを特徴とする請求項1に記載の液冷媒循環冷却システム。
【請求項3】
気液分離器と減圧容器とを接続する配管途中に低圧側バルブを設け、
気液分離器から減圧容器内に液冷媒を供給する時には、減圧冷却運転を停止して低圧側バルブを開け、減圧冷却運転を行う時には、低圧側バルブを閉めるようにしていることを特徴とする請求項1に記載の液冷媒循環冷却システム。
【請求項4】
気液分離器に貯留された熱交換用液冷媒を重力で減圧容器に移送するように気液分離器と減圧容器とを配置していることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の液冷媒循環冷却システム。
【請求項5】
減圧容器と減圧用ポンプとを接続する配管途中に、排気流量制御弁と、この排気流量制御弁よりも減圧用ポンプ側に設けられるバッファータンクとを備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の液冷媒循環冷却システム。
【請求項6】
冷却用液冷媒循環路を流れる冷却用液冷媒の温度を検出する温度検出器と、
減圧容器内の熱交換用液冷媒の飽和蒸気圧を検出する圧力検出器とを備え、
冷却用液冷媒循環路を流れる冷却用液冷媒の温度と、予め定めた所定温度との差に基づいて、排気流量制御弁を通過する冷媒の冷媒飽和蒸気圧の設定圧力を換算し、
この設定圧力と圧力検出器で検出した熱交換用液冷媒の飽和蒸気圧との差が無くなるように、排気流量制御弁の開度を制御することを特徴とする請求項5に記載の液冷媒循環冷却システム。
【請求項7】
前記圧力検出器は、高周波の変動を感知して圧力を検出するとともに、検出した高周波振動の周期が設定値以上のものを排除するフィルタを備えていることを特徴とする請求項6に記載の液冷媒循環冷却システム。
【請求項8】
冷却用液冷媒循環路は、被冷却物を冷却した後の液冷媒が貯留されるリザーバタンクを備え、このリザーバタンクの上部には、タンクの横断面積に対して横断面積が小さい面積を有する筒状部をタンク内に開口するように形成し、この筒状部内に液冷媒の液面が位置するように、リザーバタンク内に液冷媒を貯留するとともに、この筒状部内の液冷媒の液面を気体で加圧するようにしていることを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の液冷媒循環冷却システム。

【図1】
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【公開番号】特開2008−27780(P2008−27780A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200116(P2006−200116)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】