説明

液晶パネルおよび液晶表示装置

【課題】コントラストと視野角特性のバランスに優れ、表示欠陥が低減された液晶パネル、および該液晶パネルを含む液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】第1の偏光子と、nx>ny>nzの屈折率分布を有する第1の光学補償層と、液晶セルと、nx>ny>nzの屈折率分布を有する第2の光学補償層と、第2の偏光子とを視認側からこの順に備え、第1の偏光子および第2の偏光子が、水分率が10〜29重量%の状態で第1の光学補償層および第2の光学補償層と貼り合わされ、第1の偏光子の吸収軸と第1の光学補償層の遅相軸とが、実質的に直交し、第2の偏光子の吸収軸と第2の光学補償層の遅相軸とが、実質的に直交している、液晶パネル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の屈折率分布を有する2つの光学補償層を備える液晶パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
VAモードの液晶表示装置として、透過型液晶表示装置および反射型液晶表示装置に加えて、半透過反射型液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。半透過反射型液晶表示装置は、明るい場所では反射型液晶表示装置と同様に外光を利用し、暗い場所ではバックライト等の内部光源により表示を視認可能としている。言い換えれば、半透過反射型液晶表示装置は、反射型および透過型を兼ね備えた表示方式を採用しており、周囲の明るさに応じて反射モード、透過モードのいずれかの表示モードに切り替える。その結果、半透過反射型液晶表示装置は、消費電力を低減しつつ周囲が暗い場合でも明瞭な表示を行うことができるので、携帯機器の表示部に好適に利用されている。
【0003】
このような半透過反射型液晶表示装置の具体例としては、例えばアルミニウム等の金属膜に光透過用の窓部を形成した反射膜を下基板の内側に備え、この反射膜を半透過反射板として機能させる液晶表示装置が挙げられる。このような液晶表示装置においては、反射モードの場合には、上基板側から入射した外光が、液晶層を通過した後に下基板内側の反射膜で反射され、再び液晶層を透過して上基板側から出射されて表示に寄与する。一方、透過モードの場合には、下基板側から入射したバックライトからの光が、反射膜の窓部を通って液晶層を通過した後、上基板側から出射されて表示に寄与する。したがって、反射膜形成領域のうち、窓部が形成された領域が透過表示領域となり、その他の領域が反射表示領域となる。
【0004】
しかし、従来のVAモードの液晶表示装置(特に、反射型または半透過反射型の液晶表示装置)においては、黒表示における光漏れが生じ、コントラストが低下するという問題が長く解決されていない。また、光抜け、色抜け等の表示欠陥が低減された液晶表示装置が求められている。
【特許文献1】特開平11−242226号
【特許文献2】特開2001−209065号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、コントラストと視野角特性のバランスに優れ、表示欠陥が低減された液晶パネル、および該液晶パネルを含む液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液晶パネルは、第1の偏光子と、nx>ny>nzの屈折率分布を有する第1の光学補償層と、液晶セルと、nx>ny>nzの屈折率分布を有する第2の光学補償層と、第2の偏光子とを視認側からこの順に備え、第1の偏光子および第2の偏光子が、水分率が10〜29重量%の状態で第1の光学補償層および第2の光学補償層と貼り合わされ、第1の偏光子の吸収軸と第1の光学補償層の遅相軸とが、実質的に直交し、第2の偏光子の吸収軸と第2の光学補償層の遅相軸とが、実質的に直交している。
【0007】
好ましい実施形態においては、上記第1の偏光子および上記第2の偏光子が、それぞれ、ポリビニルアルコール系樹脂、架橋剤および平均粒子径が1〜100nmの金属化合物コロイドを含む接着剤組成物から形成される接着剤層(以下、「金属化合物コロイド含有接着剤層」と称する場合がある)を介して、上記第1の光学補償層および上記第2の光学補償層と貼り合わされている。
【0008】
好ましい実施形態においては、上記液晶パネルが、上記第1の偏光子の上記第1の光学補償層が貼り合わされる側と反対側に第1の保護層を備え、上記第2の偏光子の上記第2の光学補償層が貼り合わされる側と反対側に第2の保護層を備え、第1の保護層および第2の保護層が、それぞれ、ポリビニルアルコール系樹脂、架橋剤および平均粒子径が1〜100nmの金属化合物コロイドを含む接着剤組成物から形成される接着剤層を介して、上記第1の偏光子および上記第2の偏光子と貼り合わされている。
【0009】
好ましい実施形態においては、上記第1の光学補償層および上記第2の光学補償層が、高分子フィルムの延伸フィルムである。
【0010】
好ましい実施形態においては、上記第1の光学補償層および上記第2の光学補償層の23℃で波長590nmにおける面内の位相差値が、30〜80nmである。
【0011】
好ましい実施形態においては、上記第1の光学補償層および上記第2の光学補償層のNz係数が、1.5<Nz<4の関係を示す。
【0012】
好ましい実施形態においては、上記液晶セルが、ホメオトロピック配列に配向させた液晶分子を含む。
【0013】
本発明の別の局面によれば、液晶表示装置が提供される。該液晶表示装置は、上記液晶パネルを含む。
【0014】
好ましい実施形態においては、上記液晶表示装置が、反射型または半透過反射型である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、コントラストと視野角特性のバランスに優れ、表示欠陥が低減された液晶パネル、および該液晶パネルを含む液晶表示装置が提供され得る。このような効果は、液晶セルの両側に、nx>ny>nzの屈折率分布を有する光学補償層を所定の位置関係で配置すること、および、所定の水分率を有する偏光子と光学補償層とを貼り合わせることによって得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
<用語および記号の定義>
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz):
「nx」は面内の屈折率が最大となる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内の位相差値:
面内位相差(Re)は、23℃、特に明記しなければ波長590nmにおける層(フィルム)の面内位相差値をいう。面内の位相差値(Re[λ])は、23℃で波長λ(nm)におけるフィルムの面内の位相差値をいう。Re[λ]は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Re[λ]=(nx−ny)×dによって求められる。本明細書において、面内の位相差値(Re[λ])に付される添え字の「1」は第1の光学補償層を表し、添え字の「2」は第2の光学補償層を表し、添え字の「LC」は液晶セルを表す。例えば、第1の光学補償層の面内位相差をReと示す。
(3)厚み方向の位相差値:
厚み方向の位相差(Rth)は、23℃、特に明記しなければ波長590nmにおける層(フィルム)の厚み方向の位相差値をいう。厚み方向の位相差値(Rth[λ])は、23℃で波長λ(nm)におけるフィルムの厚み方向の位相差値をいう。Rth[λ]は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、Rth[λ]=(nx−nz)×dによって求められる。本明細書において、厚み方向の位相差値(Rth[λ])に付される添え字の「1」は第1の光学補償層を表し、添え字の「2」は第2の光学補償層を表し、添え字の「LC」は液晶セルを表す。例えば、第1の光学補償層の厚み方向の位相差をRthと示す。
(4)Nz係数:
Nz係数は、式;Rth[590]/Re[590]により算出される値である。
(5)本明細書において、「nx=ny」または「ny=nz」と記載するときは、これらが完全に同一である場合だけでなく、実質的に同一である場合を包含する。したがって、例えば、nx=nyと記載する場合は、Re[590]が10nm未満である場合を包含する。
(6)本明細書において「実質的に直交」とは、光学的な2つの軸のなす角度が、90°±2°である場合を包含し、好ましくは90°±1°である。「実質的に平行」とは、光学的な2つの軸のなす角度が、0°±2°である場合を包含し、好ましくは0°±1°である。
(7)偏光子の透過率
透過率は、JlS Z 8701−1982の2度視野(C光源)により、視感度補正を行ったY値である。
(8)水分率
光学補償層と貼り合わせる前の偏光子の重量(A)と、該偏光子を120℃の乾燥機中で2時間乾燥させた後の重量(B)とを測定し、以下の式により求めた。
偏光子の水分率(重量%)=[(A−B)/A]×100
【0017】
A.液晶パネルの概要
図1は、本発明の液晶パネルの好ましい一例を説明する概略断面図である。液晶パネル100は、第1の偏光子30と、第1の光学補償層40と、液晶セル50と、第2の光学補償層60と、第2の偏光子70とを、視認側からこの順で有する。第1の偏光子30および第2の偏光子70は、水分率が10〜29重量%の状態で第1の光学補償層40および第2の光学補償層60と貼り合わされる。
【0018】
図示しないが、必要に応じて、第1の偏光子30の第1の光学補償層40の反対側に第1の保護層が設けられる。また、図示しないが、必要に応じて、第2の偏光子70の第2の光学補償層60の反対側に第2の保護層が設けられる。液晶パネル100においては、第1の光学補償層40および第2の光学補償層60が第1の偏光子30および第2の偏光子70の保護層として機能するので、液晶パネルの薄型化が実現され得る。
【0019】
上記液晶パネル100において、第1の偏光子30と第2の偏光子70とは、代表的には、互いの吸収軸が実質的に直交するようにして配置されている。
【0020】
上記第1の光学補償層40は、その遅相軸が第1の偏光子30の吸収軸に対して実質的に直交になるように配置される。このような位置関係で第1の偏光子30および第1の光学補償層40が配置されることにより、コントラストが向上され得、視野角が拡大され得る。このような効果は、反射型または半透過反射型の液晶表示装置に従来から用いられてきた円偏光モードの液晶パネルと比較した際に、特に顕著である。
【0021】
上記第2の光学補償層60は、その遅相軸が第2の偏光子70の吸収軸に対して実質的に直交になるように配置される。このような位置関係で第2の偏光子70および第2の光学補償層60が配置されることにより、コントラストが向上され得、視野角が拡大され得る。このような効果は、反射型または半透過反射型の液晶表示装置に従来から用いられてきた円偏光モードの液晶パネルと比較した際に、特に顕著である。
【0022】
A−1.偏光子
本発明に用いられる偏光子(第1の偏光子および第2の偏光子)としては、目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。
【0023】
偏光子の製造方法としては、目的、使用材料および条件等に応じて任意の適切な方法が採用され得る。代表的には、上記親水性高分子フィルムを、膨潤、染色、架橋、延伸、水洗、および乾燥工程からなる一連の製造工程に供する方法が採用される。乾燥工程を除く各処理工程においては、それぞれの工程に用いられる溶液を含む浴中に親水性高分子フィルムを浸漬することにより処理を行う。膨潤、染色、架橋、延伸、水洗、および乾燥の各処理の順番、回数および実施の有無は、目的、使用材料および条件等に応じて適宜設定され得る。例えば、いくつかの処理を1つの工程で同時に行ってもよく、特定の処理を省略してもよい。より詳細には、例えば延伸処理は、染色処理の後に行ってもよく、染色処理の前に行ってもよく、膨潤処理、染色処理および架橋処理と同時に行ってもよい。また例えば、架橋処理を延伸処理の前後に行うことが、好適に採用され得る。また例えば、水洗処理は、すべての処理の後に行ってもよく、特定の処理の後のみに行ってもよい。乾燥工程としては、任意の適切な乾燥方法(例えば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥)が採用され得る。例えば、加熱乾燥の場合には、乾燥温度は代表的には20〜80℃であり、乾燥時間は代表的には1〜10分である。
【0024】
具体例としては、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸した偏光子は、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いし、ヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色の前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗しても良い。
【0025】
ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液中や水浴中でも延伸することができる。
【0026】
A−2.第1の光学補償層
第1の光学補償層は、nx>ny>nzの屈折率分布を有する。第1の光学補償層のRe[590]は好ましくは30〜80nm、さらに好ましくは40〜70nmであり、特に好ましくは45〜65nmである。Re[590]を上記範囲とすることによって、コントラストが高く、視野角が広い液晶パネルを得ることができる。
【0027】
第1の光学補償層のNz係数は、好ましくは1.5<Nz<4の関係を示し、さらに好ましくは1.6<Nz<3の関係を示し、特に好ましくは1.7<Nz<2.5の関係を示す。Nz係数を上記範囲とすることによって、コントラストが高く、視野角が広い液晶パネルを得ることができる。
【0028】
第1の光学補償層の光弾性係数の絶対値は、好ましくは40×10−12(m/N)以下であり、さらに好ましくは0.2×10−12〜35×10−12(m/N)であり、特に好ましくは0.2×10−12〜30×10−12(m/N)である。光弾性係数の絶対値がこのような範囲であれば、表示ムラを効果的に抑制することができる。
【0029】
第1の光学補償層は、下記式(1)の関係を有することが好ましい:
Re[380]≦Re[550]≦Re[780]・・・(1)
ここで、例えばRe[380]=Re[550]とは、Re[380]とRe[550]とが厳密に等しい場合だけでなく実質的に等しい場合も包含する。本明細書において「実質的に等しい」とは、本発明の液晶パネルの表示特性に実用上の影響を与えない範囲で、例えばRe[380]とRe[550]が異なる場合を包含する趣旨である。具体的には、Re[380]=Re[550]=Re[780]である場合、第1の光学補償層の波長380nm〜780nmにおけるReの最大値と最小値との差は、好ましくは10nm以下であり、さらに好ましくは8nm以下であり、特に好ましくは6nm以下である。Re[380]<Re[550]である場合、Re[380]/Re[550]は、好ましくは0.80〜0.99、さらに好ましくは0.82〜0.93である。また、Re[550]<Re[780]である場合、Re[550]/Re[780]は、好ましくは0.80〜0.99、さらに好ましくは0.82〜0.93である。第1の光学補償層がこのような波長分散特性を有することにより、色抜け等の表示欠陥を一層低減することができる。
【0030】
第1の光学補償層の透湿度は、好ましくは200g/m/24h以下、さらに好ましくは0〜150g/m/24h、特に好ましくは0〜100g/m/24hである。透湿度は、JIS−Z0208に準拠し、40℃、相対湿度92%の環境下に放置して測定した値である。第1の光学補償層の透湿度が200g/m/24h以下である場合、色抜け等の表示欠陥を一層低減することができる。このような効果は、特に長波長領域において良好に発揮され得る。このような効果が奏される理由は定かではないが、以下のように推測される。すなわち、透湿度が200g/m/24hより大きい場合、第1の偏光子の保護層として機能する第1光学補償層の吸湿によって、偏光子が加湿されて不均一に寸法変化する。その結果、偏光子にムラが発生し、偏光度、透過率等の性能が低下すると考えられる。
【0031】
上記第1の光学補償層は、任意の適切な材料で形成され得る。具体例としては、高分子フィルムの延伸フィルムが挙げられる。当該高分子フィルムを形成する樹脂としては、好ましくは、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂である。なかでも、ノルボルネン系樹脂が好ましい。上記光弾性係数、波長分散特性および透湿度を好適に満たす第1の光学補償層を形成し得るからである。
【0032】
上記ノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン系モノマーを重合単位として重合される樹脂である。当該ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体、例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等、これらのハロゲン等の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体、およびハロゲン等の極性基置換体、例えば、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチリデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン等;シクロペンタジエンの3〜4量体、例えば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセン等が挙げられる。上記ノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン系モノマーと他のモノマーとの共重合体であってもよい。
【0033】
上記ポリカーボネート系樹脂としては、好ましくは、芳香族ポリカーボネートが用いられる。芳香族ポリカーボネートは、代表的には、カーボネート前駆物質と芳香族2価フェノール化合物との反応によって得ることができる。カーボネート前駆物質の具体例としては、ホスゲン、2価フェノール類のビスクロロホーメート、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、ホスゲン、ジフェニルカーボネートが好ましい。芳香族2価フェノール化合物の具体例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。好ましくは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが用いられる。特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとを共に使用することが好ましい。
【0034】
上記延伸フィルムの作製方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。延伸方法としては、例えば、横一軸延伸、自由端一軸延伸、固定端二軸延伸、固定端一軸延伸、逐次二軸延伸が挙げられる。固定端二軸延伸の具体例としては、高分子フィルムを長手方向に走行させながら、短手方向(横方向)に延伸させる方法が挙げられる。この方法は、見かけ上は横一軸延伸であり得る。このような方法によれば、フィルムの短手方向(幅方向)に遅相軸を設けることができるので、当該フィルムの遅相軸を偏光子の吸収軸に対して直交するように配置させる際に、当該フィルムと偏光子との貼り合わせをロールtoロールで連続的に行うことが可能となる。その結果、製造効率が高くなるだけでなく、ロット間における軸配置のバラツキが低減され得る。これらの延伸方法は、単独でまたは二以上組み合わせて採用し得る。例えば、自由端一軸延伸を行った後に、固定端一軸延伸を行う方法等が挙げられる。延伸温度は、好ましくは120〜200℃、さらに好ましくは140〜180℃である。延伸倍率は、好ましくは1〜4倍、さらに好ましくは1.5〜3.8倍である。この場合、厚みは、代表的には10〜60μm、好ましくは15〜55μm、さらに好ましくは20〜50μmである。
【0035】
A−3.第2の光学補償層
第2の光学補償層は、nx>ny>nzの屈折率分布を有する。第2の光学補償層の特性(Re[590]、Nz係数、光弾性係数、波長分散特性、透湿度等)は、第1の光学補償層の特性と同じ範囲であればよい。第1の光学補償層の特性と第2の光学補償層の特性とは、異なっていてもよく、同じであってもよい。
【0036】
第2の光学補償層の材料および形成方法としては、上記A−2項に記載の材料および形成方法を適用し得る。
【0037】
A−4.液晶セル
本発明に用いられる液晶セルとしては、任意の適切なものが採用され得る。上記液晶セルとしては、例えば、薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス型のものや、スーパーツイストネマチック液晶表示装置に採用されているような、単純マトリクス型のもの等が挙げられる。
【0038】
上記液晶セルは、好ましくは、一対の基板51、52と、該一対の基板に挟持された表示媒体としての液晶層53を有する。一方の基板(アクティブマトリクス基板)には、液晶の電気光学特性を制御するスイッチング素子(代表的には、TFT)と、このスイッチング素子にゲート信号を与える走査線およびソース信号を与える信号線とが設けられる。他方の基板(カラーフィルター基板)には、カラーフィルターが設けられる。
【0039】
上記カラーフィルターは、上記アクティブマトリクス基板に設けてもよい。あるいは、フィールドシーケンシャル方式のように液晶表示装置の照明手段にRGB3色光源(さらに、多色の光源を含んでいてもよい)が用いられる場合は、上記カラーフィルターは省略され得る。2つの基板の間隔は、スペーサー54によって制御される。各基板の液晶層と接する側には、例えば、ポリイミドからなる配向膜が設けられる。あるいは、例えば、パターニングされた透明電極によって形成されるフリンジ電界を利用して、液晶分子の初期配向が制御される場合には、上記配向膜は省略され得る。
【0040】
上記液晶セルは、好ましくは、ホメオトロピック配列に配向させた液晶分子を含む。本明細書において、「ホメオトロピック配列」とは、液晶分子の配向ベクトルが、配向処理された基板と液晶分子の相互作用の結果、基板平面に対し、垂直(法線方向に)に配向した状態のものをいう。なお、上記ホメオトロピック配列は、液晶分子の配向ベクトルが、基板法線方向に対し、わずかに傾いている場合、すなわち液晶分子がプレチルトを有する場合も包含される。液晶分子がプレチルトを有する場合は、そのプレチルト角(基板法線からの角度)は、好ましくは5°以下である。プレチルト角を上記範囲とすることによって、コントラスト比の高い液晶表示装置が得られ得る。
【0041】
上記液晶セルは、好ましくは、屈折率楕円体がnz>nx=nyの関係を有する。屈折率楕円体がnz>nx=nyの関係を有する液晶セルを用いる駆動モードとしては、例えば、バーティカル・アライメント(VA)モード、ツイスティッド・ネマチック(TN)モード、垂直配向型電界制御複屈折(ECB)モード、光学補償複屈折(OCB)モード等が挙げられる。好ましくは、上記液晶セルは、バーティカル・アライメント(VA)モードである。
【0042】
図2は、VAモードにおける液晶分子の配向状態を説明する概略断面図である。図2(a)に示すように、電圧無印加時には、液晶分子は基板51、52面に垂直に配向する。このような垂直配向は、垂直配向膜(図示せず)を形成した基板間に負の誘電率異方性を有するネマチック液晶を配することにより実現され得る。このような状態で一方の基板51の面から光を入射させると、第2の偏光子70を通過して液晶層53に入射した直線偏光の光は、垂直配向している液晶分子の長軸の方向に沿って進む。液晶分子の長軸方向には複屈折が生じないため入射光は偏光方位を変えずに進み、第2の偏光子70と直交する吸収軸を有する第1の偏光子30で吸収される。これにより電圧無印加時において暗状態の表示が得られる(ノーマリーブラックモード)。図2(b)に示すように、電極間に電圧が印加されると、液晶分子の長軸が基板面に平行に配向する。この状態の液晶層53に入射した直線偏光の光に対して液晶分子は複屈折性を示し、入射光の偏光状態は液晶分子の傾きに応じて変化する。所定の最大電圧印加時において液晶層を通過する光は、例えばその偏光方位が90°回転させられた直線偏光となるので、第1の偏光子30を透過して明状態の表示が得られる。再び電圧無印加状態にすると配向規制力により暗状態の表示に戻すことができる。また、印加電圧を変化させて液晶分子の傾きを制御して第1の偏光子30からの透過光強度を変化させることにより階調表示が可能となる。
【0043】
上記VAモードの液晶セルは、例えば、特開平11−258605号公報に記載されているように、電極にスリットを形成したものや、表面に突起を形成した基材を用いることによって、マルチドメイン化したものであってもよい。
【0044】
上記液晶セルの、電界が存在しない状態におけるRthLC[590]は、好ましくは−500nm〜−200nmであり、さらに好ましくは−400nm〜−200nmである。上記RthLC[590]は、液晶分子の複屈折率とセルギャップによって、適宜、設定される。上記液晶セルのセルギャップ(基板間隔)は、通常、1.0μm〜7.0μmである。
【0045】
A−5.金属化合物コロイド含有接着剤層
ポリビニルアルコール系樹脂、架橋剤および平均粒子径が1〜100nmの金属化合物コロイドを含む接着剤組成物から形成される接着剤層(金属化合物コロイド含有接着剤層)は、好ましくは第1の偏光子および第2の偏光子と第1の光学補償層および第2の光学補償層との貼り合わせ、および/または、第1の偏光子および第2の偏光子と第1の保護層および第2の保護層との貼り合わせに用いられる。このような接着剤層を採用することにより、光抜け等の表示欠陥が顕著に低減され得る。
【0046】
上記ポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール樹脂が挙げられる。好ましくは、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール樹脂である。耐久性が向上し得るからである。
【0047】
上記ポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニルのケン化物、当該ケン化物の誘導体;酢酸ビニルと共重合性を有する単量体との共重合体のケン化物;ポリビニルアルコールをアセタール化、ウレタン化、エーテル化、グラフト化、リン酸エステル化等した変性ポリビニルアルコールが挙げられる。前記単量体としては、例えば、(無水)マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸およびそのエステル類;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン;(メタ)アリルスルホン酸(ソーダ)、スルホン酸ソーダ(モノアルキルマレート)、ジスルホン酸ソーダアルキルマレート、N-メチロールアクリルアミド、アクリルアミドアルキルスルホン酸アルカリ塩、N-ビニルピロリドン、N-ビニルピロリドン誘導体等が挙げられる。これらの樹脂は、単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0048】
上記ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度は、接着性の点から、好ましくは100〜5000程度、さらに好ましくは1000〜4000である。平均ケン化度は、接着性の点から、好ましくは85〜100モル%程度、さらに好ましくは90〜100モル%である。
【0049】
上記アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂とジケテンとを任意の方法で反応させることにより得られる。具体例として、酢酸等の溶媒中にポリビニルアルコール系樹脂を分散させた分散体に、ジケテンを添加する方法;ジメチルホルムアミドまたはジオキサン等の溶媒にポリビニルアルコール系樹脂を溶解させた溶液に、ジケテンを添加する方法;ポリビニルアルコール系樹脂にジケテンガスまたは液状ジケテンを直接接触させる方法が挙げられる。
【0050】
上記アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂のアセトアセチル基変性度は、代表的には0.1モル%以上であり、好ましくは0.1〜40モル%程度、さらに好ましくは1〜20%、特に好ましくは2〜7モル%である。0.1モル%未満では耐水性が不充分となるおそれがある。40モル%を超えると、耐水性向上効果が小さい。なお、アセトアセチル基変性度はNMRにより測定した値である。
【0051】
上記架橋剤としては、任意の適切な架橋剤を採用し得る。好ましくは、上記ポリビニルアルコール系樹脂と反応性を有する官能基を少なくとも2つ有する化合物である。例えば、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のアルキレン基とアミノ基を2個有するアルキレンジアミン類;トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよびこれらのケトオキシムブロック物またはフェノールブロック物等のイソシアネート類;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジまたはトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン等のエポキシ類;ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等のモノアルデヒド類;グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、フタルジアルデヒド等のジアルデヒド類;メチロール尿素、メチロールメラミン、アルキル化メチロール尿素、アルキル化メチロール化メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの縮合物等のアミノ−ホルムアルデヒド樹脂;ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、ニッケル等の二価金属、または三価金属の塩およびその酸化物が挙げられる。これらの中でもアミノ−ホルムアルデヒド樹脂やジアルデヒド類が好ましい。アミノ−ホルムアルデヒド樹脂としてはメチロール基を有する化合物が好ましく、ジアルデヒド類としてはグリオキザールが好適である。中でもメチロール基を有する化合物が好ましく、メチロールメラミンが特に好適である。
【0052】
上記架橋剤の配合量は、上記ポリビニルアルコール系樹脂の種類等に応じて適宜設定し得る。代表的には、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、10〜60重量部程度、好ましくは20〜50重量部である。接着性に優れ得るからである。なお、架橋剤の配合量が多い場合、架橋剤の反応が短時間で進行し、接着剤がゲル化する傾向がある。その結果、接着剤としての可使時間(ポットライフ)が極端に短くなり、工業的な使用が困難になるおそれがある。本実施形態の接着剤は、後述の金属化合物コロイドを含有するため、架橋剤の配合量が多い場合であっても、安定性よく用いることができる。
【0053】
上記金属化合物コロイドは、金属化合物微粒子が分散媒中に分散しているものであり得、微粒子の同種電荷の相互反発に起因して静電的安定化し、永続的に安定性を有するものであり得る。金属化合物コロイドを形成する微粒子の平均粒子径は、好ましくは1〜100nm、さらに好ましくは1〜50nmである。微粒子を接着剤層中に均一に分散させ得、接着性を確保し、かつクニック欠陥の発生を抑え得るからである。なお、「クニック欠陥」とは、光抜けを意味する。詳細については後述する。
【0054】
上記金属化合物としては、任意の適切な化合物を採用し得る。例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア等の金属酸化物;ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、リン酸カルシウム等の金属塩;セライト、タルク、クレイ、カオリン等の鉱物が挙げられる。後述するが、本発明では正電荷を有する金属化合物コロイドが好ましく用いられる。当該金属化合物としては、アルミナ、チタニア等が挙げられ、特に好ましくはアルミナである。
【0055】
上記金属化合物コロイドは、代表的には、分散媒に分散してコロイド溶液の状態で存在している。分散媒としては、例えば、水、アルコール類が挙げられる。コロイド溶液中の固形分濃度は、代表的には1〜50重量%程度であり、好ましくは1〜30重量%である。コロイド溶液は、安定剤として硝酸、塩酸、酢酸などの酸を含有し得る。
【0056】
上記金属化合物コロイド(固形分)配合量は、好ましくは、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して200重量部以下であり、より好ましくは10〜200重量部、さらに好ましくは20〜175重量部、最も好ましくは30〜150重量部である。接着性を確保しながら、クニック欠陥の発生を抑え得るからである。
【0057】
本実施形態の接着剤組成物は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤、各種粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐加水分解安定剤などの安定剤等を含み得る。
【0058】
本実施形態の接着剤組成物の形態は、好ましくは水溶液(樹脂溶液)である。樹脂濃度は、塗工性や放置安定性等の点から、好ましくは0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。樹脂溶液の粘度は、好ましくは1〜50mPa・sである。本実施形態の接着剤組成物によれば、1〜20mPa・sの低粘度の範囲においてもクニック欠陥の発生を抑制し得る。樹脂溶液のpHは、好ましくは2〜6、より好ましくは2.5〜5、さらに好ましくは3〜5、最も好ましくは3.5〜4.5である。通常、金属化合物コロイドの表面電荷は、pHを調整することにより制御し得る。当該表面電荷は、好ましくは正電荷である。正電荷を有することにより、クニック欠陥の発生をさらに抑制し得る。なお、当該表面電荷は、例えば、ゼータ電位測定機でゼータ電位を測定することにより確認し得る。
【0059】
上記樹脂溶液の調製方法は、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、ポリビニルアルコール系樹脂と架橋剤とを予め混合して適切な濃度に調整したものに、金属化合物コロイドを配合する方法が挙げられる。また、ポリビニルアルコール系樹脂と金属化合物コロイドを混合した後に、架橋剤を、使用時期等を考慮しながら混合することもできる。なお、樹脂溶液の濃度は、樹脂溶液を調製した後に調整してもよい。
【0060】
上記接着剤組成物から形成された接着剤層の厚みは、好ましくは10〜300nm、さらに好ましくは10〜200nm、特に好ましくは20〜150nmである。
【0061】
A−6.保護層
保護層としては、偏光板の保護層として使用できる任意の適切なフィルムが採用され得る。このようなフィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。上記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であり得る。TAC、ポリイミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ガラス質系ポリマーが好ましく、TACがさらに好ましい。
【0062】
上記保護層は、透明で、色付きが無いことが好ましい。具体的には、厚み方向の位相差値が、好ましくは−90nm〜+90nmであり、さらに好ましくは−80nm〜+80nmであり、最も好ましくは−70nm〜+70nmである。
【0063】
上記保護層の厚みとしては、上記の好ましい厚み方向の位相差が得られる限りにおいて、任意の適切な厚みが採用され得る。具体的には、保護層の厚みは、好ましくは5mm以下であり、さらに好ましくは1mm以下であり、特に好ましくは1〜500μmであり、最も好ましくは5〜150μmである。
【0064】
偏光子の外側(光学補償層と反対側)に設けられる保護層には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等が施され得る。
【0065】
A−7.液晶パネルの製造方法
本発明の液晶パネルは、例えば、上記の各構成要素を順次積層することにより作製され得る。また、例えば、第1の偏光子と第1の光学補償層とが積層された第1の積層体と、第2の偏光子と第2の光学補償層が積層された第2の積層体とを作製し、次いで、当該第1および第2の積層体を液晶セルに貼り合せることにより作製されてもよい。
【0066】
液晶パネルの各構成要素の積層方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。代表的には、偏光子と光学補償層との積層および偏光子と保護層との積層は、接着剤層を介して行われる。接着剤層を形成する接着剤組成物としては、任意の適切な接着剤組成物を採用し得る。好ましくは、金属化合物コロイド含有接着剤層を介して積層される。光抜け(クニック)を顕著に低減し得るからである。その他の構成要素の積層は、代表的には、任意の適切な粘着剤層または接着剤層を介して行われる。粘着剤層としては、例えば、アクリル系粘着剤層が挙げられる。接着剤層としては、例えば、光硬化型接着剤、湿気硬化型接着剤、熱硬化型接着剤等から形成される接着剤層が挙げられる。
【0067】
光学補償層との貼り合わせ時における偏光子の水分率は、10〜29重量%であり、好ましくは16〜25重量%である。このような水分率を有する偏光子を光学補償層と貼り合わせることにより、可視光の広帯域において、色抜け等の表示欠陥が低減され、ニュートラルな表示が可能となる。一方、偏光子の水分率が29重量%を超える状態で光学補償層と貼り合わせると、その後の乾燥による偏光子の光学特性(透過率、複屈折等)の変化が大きくなるので、十分な表示品質が得られない場合がある。特に、短波長域および長波長域での直交透過率が高くなり、色抜け等の表示欠陥が増大する場合がある。また、偏光子の水分率が10重量%より少ない状態で光学補償層と貼り合わせると、光抜け等の表示欠陥が増大するので、十分な表示品質が得られない場合がある。偏光子の水分率は、偏光子の製造工程において、乾燥時の温度、湿度、風量、時間等を調整すること、偏光子の製造工程に加湿工程を設けること等により、調整することができる。
【0068】
B.液晶表示装置
上記のように、本発明の液晶パネルは、透過型、反射型または半透過型のいずれの液晶表示装置にも好適に適用され得る。なかでも、反射型または半透過型の液晶表示装置に好ましく適用される。
【実施例】
【0069】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における各特性の測定方法は以下の通りである。
(1)位相差値(Re、Rth):
王子計測機器(株)製 商品名「KOBRA−WPR」を用いて測定した。測定波長は590nm、測定温度は23℃であった。
(2)正面コントラスト比
液晶表示装置に白画像および黒画像を表示させた場合のXYZ表示系のY値を、トプコン社製輝度計(BM−5)を用いて測定した。白画像におけるY値(YW:白輝度)と、黒画像におけるY値(YB:黒輝度)とから、正面方向のコントラスト比「YW/YB」を算出した。
(3)コントラストの視野角依存性
液晶表示装置に白画像および黒画像を表示させ、Autronic MELCHERS社製 商品名「コノスコープ(Kono scope)」により測定した。
(4)クニック評価
作製した偏光板から、1000mm×1000mmの寸法のサンプル片を切り出した。このサンプル片を、蛍光灯下で、ブラックライト上に載置された他の偏光板(日東電工株式会社製、商品名:NPF−SEG1224DU)上に重ねた。このとき、サンプル片の偏光子の吸収軸と他の偏光板の吸収軸とが直交するように重ねた。この状態で、光抜けする箇所(クニック欠陥)の個数を数えた。
(5)直交透過率
作製した偏光板から、30mm×45mmの寸法のサンプル片を切り出した。積分球式透過率測定機(株式会社村上色彩研究所製、DOT−3C)を用いて、サンプル片の直交透過率を測定した。具体的には、サンプル片を2枚用意し、一方のサンプル片の吸収軸と他方のサンプル片の吸収軸とが直交するように配置して測定した。
【0070】
[参考例1:接着剤組成物の調製]
アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(平均重合度:1200、ケン化度:98.5モル%,アセトアセチル化度:5モル%)100重量部に対し、メチロールメラミン50重量部を30℃の温度条件下で純水に溶解し、固形分濃度3.7%の水溶液を得た。この水溶液100重量部に対し、アルミナコロイド水溶液(平均粒子径15nm、固形分濃度10%、正電荷)18重量部を加えて金属化合物コロイド含有ポリビニルアルコール系接着剤組成物を調製した。得られた接着剤組成物の粘度は9.6mPa・sであった。接着剤組成物のpHは、4〜4.5であった。
【0071】
[参考例2:液晶セルの作製]
VAモード液晶セル搭載の液晶表示装置(ソニー社製、商品名「PSP」)から液晶セルを取り外した。次いで、液晶セルの上下に配置されていた偏光板等の光学フィルムを全て取り除き、液晶セルの上下のガラス板の表面を洗浄することにより、液晶セルを得た。
【0072】
[実施例1]
(光学補償層付偏光板の作製)
長尺のノルボルネン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製、商品名「Zeonor」、厚み60μm、光弾性係数3.1×10−12/N、透湿度(JIS Z0208 透湿度試験(カップ法)による値)5g/m/24h)を150℃で3.5倍に固定端二軸延伸することによって、長尺状のフィルムを作製した。このフィルムの面内位相差Reは55nm、厚み方向の位相差Rthは122.5nm、Nz係数(Rth/Re)は2.2であった。得られたフィルムを液晶セルに対応するサイズに打ち抜いて光学補償層とした。
【0073】
ポリビニルアルコールフィルムを、ヨウ素を含む水溶液中で染色した後、ホウ酸を含む水溶液中で速比の異なるロール間にて6倍に一軸延伸し、60℃、4分の乾燥条件で乾燥することにより、水分率を23重量%に調整した偏光子を得た。
【0074】
得られた偏光子の片面に、保護層としてトリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ社製、商品名「KC4UYW」、厚み40μm、Re[550]=0.9nm、Rth[550]=1.2nm)を、参考例1で調製した金属化合物コロイド含有ポリビニルアルコール系接着剤組成物から形成された接着剤層(乾燥後の接着剤層の厚み:80nm)を介して貼り合わせた。次いで、もう一方の面に、上記光学補償層を、参考例1で調製した金属化合物コロイド含有ポリビニルアルコール系接着剤組成物から形成された接着剤層(乾燥後の接着剤層の厚み:80nm)を介して貼り合わせた。このとき、光学補償層の遅相軸が偏光子の吸収軸に対して直交するように積層した。このようにして、光学補償層付偏光板1を得た。
【0075】
(液晶パネルの作製)
参考例2で作製した液晶セルの両側に、光学補償層付偏光板1を、光学補償層が液晶セル側になるように、アクリル系粘着剤層(厚み20μm)を介して貼り付けた。このとき、液晶セルの両側に配置された2つの偏光子の吸収軸が、直交するようにした。このようにして、液晶パネル1を得た。この液晶パネル1を、元の液晶表示装置のバックライトユニットと結合し、液晶表示装置1を作製した。得られた液晶表示装置1の正面方向のコントラスト比およびコントラストの視野角依存性をそれぞれ表2および図3に示す。また、用いた光学補償層付偏光板1のクニック欠陥および直交透過率をそれぞれ表2および図9に示す。
【0076】
[実施例2]
(光学補償層付偏光板の作製)
偏光子と保護層との貼り合わせを、接着剤(日本合成化学社製、商品名「Z200」)から形成された接着剤層(厚み1μm)を介して行ったこと以外は、実施例1と同様にして光学補償層付偏光板2を作製した。
【0077】
(液晶パネルの作製)
光学補償層付偏光板1の代わりに光学補償層付偏光板2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして液晶パネル2および液晶表示装置2を作製した。得られた液晶表示装置2の正面方向のコントラスト比およびコントラストの視野角依存性をそれぞれ表2および図4に示す。また、用いた光学補償層付偏光板2のクニック欠陥を表2に示す。図示しないが、光学補償層付偏光板2の直交透過率は、光学補償層付偏光板1と同様であった。
【0078】
[実施例3]
(光学補償層付偏光板の作製)
偏光子と保護層との貼り合わせ、および偏光子と光学補償層との貼り合わせを、接着剤(日本合成化学社製、商品名「Z200」)から形成された接着剤層(厚み1μm)を介して行ったこと以外は、実施例1と同様にして光学補償層付偏光板3を作製した。
【0079】
(液晶パネルの作製)
光学補償層付偏光板1の代わりに光学補償層付偏光板3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして液晶パネル3および液晶表示装置3を作製した。得られた液晶表示装置3の正面方向のコントラスト比およびコントラストの視野角依存性をそれぞれ表2および図5に示す。また、用いた光学補償層付偏光板3のクニック欠陥を表2に示す。図示しないが、光学補償層付偏光板3の直交透過率は、光学補償層付偏光板1と同様であった。
【0080】
[比較例1]
(光学補償層付偏光板の作製)
乾燥条件を35℃、4分として、水分率を31重量%に調整した偏光子を用いたこと以外は、実施例2と同様にして光学補償層付偏光板4を作製した。
【0081】
(液晶パネルの作製)
光学補償層付偏光板1の代わりに光学補償層付偏光板4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして液晶パネル4および液晶表示装置4を作製した。得られた液晶表示装置4の正面方向のコントラスト比およびコントラストの視野角依存性をそれぞれ表2および図6に示す。また、用いた光学補償層付偏光板4のクニック欠陥および直交透過率をそれぞれ表2および図9に示す。
【0082】
[比較例2]
(光学補償層付偏光板の作製)
乾燥条件を35℃、4分として、水分率を31重量%に調整した偏光子を用いたこと以外は、実施例3と同様にして光学補償層付偏光板5を作製した。
【0083】
(液晶パネルの作製)
光学補償層付偏光板1の代わりに光学補償層付偏光板5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして液晶パネル5および液晶表示装置5を作製した。得られた液晶表示装置5の正面方向のコントラスト比およびコントラストの視野角依存性をそれぞれ表2および図7に示す。また、用いた光学補償層付偏光板5のクニック欠陥を表2に示す。図示しないが、光学補償層付偏光板5の直交透過率は、光学補償層付偏光板4と同様であった。
【0084】
[比較例3]
(光学補償層付偏光板の作製)
乾燥条件を35℃、4分として、水分率を31重量%に調整した偏光子を用いたこと、および、光学補償層の遅相軸が偏光子の吸収軸に対して時計回りに45°となるように光学補償層と偏光子とを積層したこと以外は、実施例3と同様にして光学補償層付偏光板6を作製した。
【0085】
(液晶パネルの作製)
光学補償層付偏光板1の代わりに光学補償層付偏光板6を用いたこと以外は、実施例1と同様にして液晶パネル6および液晶表示装置6を作製した。得られた液晶表示装置6の正面方向のコントラスト比およびコントラストの視野角依存性をそれぞれ表2および図8に示す。また、用いた光学補償層付偏光板6のクニック欠陥を表2に示す。図示しないが、光学補償層付偏光板6の直交透過率は、光学補償層付偏光板4と同様であった。
【0086】
[比較例4]
(偏光板7の作製)
偏光子の両面に、トリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ社製、商品名「KC4UYW」、厚み40μm、Re[550]=0.9nm、Rth[550]=1.2nm)を貼り合わせたこと以外は、実施例3と同様にして偏光板7を作製した。
【0087】
(液晶パネルの作製)
偏光板7の片面に、実施例1と同様にして作製した光学補償層を、アクリル系粘着剤層(厚み20μm)を介して貼り合わせた。このとき、光学補償層の遅相軸が偏光子の吸収軸に対して直交するように積層した。このようにして、光学補償層が積層された偏光板を作製した。次いで、参考例2で作製した液晶セルの両側に、該偏光板を、光学補償層が液晶セル側になるように、アクリル系粘着剤層(厚み20μm)を介して貼り付けた。このとき、液晶セルの両側に配置された2つの偏光子の吸収軸が、直交するようにした。このようにして、液晶パネル7を得た。この液晶パネル7を、元の液晶表示装置のバックライトユニットと結合し、液晶表示装置7を作製した。得られた液晶表示装置7の正面方向のコントラスト比を表2に示す。また、用いた偏光板7のクニック欠陥および直交透過率をそれぞれ表2および図9に示す。
【0088】
実施例1〜3および比較例1〜4の液晶パネルの全体構成を表1にまとめる。バックライト側の偏光子の吸収軸を0°としたときの角度(反時計回り)も示す。
【表1】

【0089】
【表2】

【0090】
上記のとおり、本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置は、高いコントラストと優れた視野角バランスとを実現し得る。なお、図3〜8では、コントラスト(白表示時の輝度/黒表示時の輝度)100以上の領域をピンクで表し、コントラスト10以下の領域を青で表し、コントラストが高くなるに従い、青からピンクに階調表示する。また、本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置においては、所定の水分率を有する状態で偏光子を光学補償層と貼り合わせるので、可視光の広帯域で色抜けが顕著に低減され得る。
【0091】
さらに、本発明においては、光学補償層と偏光子との貼り合わせ、および/または、保護層と偏光子との貼り合わせを、金属化合物コロイド含有接着剤層を介して行うことにより、クニックが顕著に低減されることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の液晶パネルおよびそれを含む液晶表示装置は、パーソナルコンピューター、液晶テレビ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、プロジェクター等に好適に利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の好ましい実施形態における液晶パネルの概略断面図である。
【図2】本発明の液晶表示装置がVAモードの液晶セルを採用する場合に、液晶層の液晶分子の配向状態を説明する概略断面図である。
【図3】実施例1の液晶パネルのコントラストの視野角依存性を示すコントラスト等高線図である。
【図4】実施例2の液晶パネルのコントラストの視野角依存性を示すコントラスト等高線図である。
【図5】実施例3の液晶パネルのコントラストの視野角依存性を示すコントラスト等高線図である。
【図6】比較例1の液晶パネルのコントラストの視野角依存性を示すコントラスト等高線図である。
【図7】比較例2の液晶パネルのコントラストの視野角依存性を示すコントラスト等高線図である。
【図8】比較例3の液晶パネルのコントラストの視野角依存性を示すコントラスト等高線図である。
【図9】直交透過率を表すグラフである。
【符号の説明】
【0094】
30 第1の偏光子
40 第1の光学補償層
50 液晶セル
51、52 基板
53 液晶層
60 第2の光学補償層
70 第2の偏光子
100 液晶パネル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の偏光子と、nx>ny>nzの屈折率分布を有する第1の光学補償層と、液晶セルと、nx>ny>nzの屈折率分布を有する第2の光学補償層と、第2の偏光子とを視認側からこの順に備え、
第1の偏光子および第2の偏光子が、水分率が10〜29重量%の状態で第1の光学補償層および第2の光学補償層と貼り合わされ、
第1の偏光子の吸収軸と第1の光学補償層の遅相軸とが、実質的に直交し、
第2の偏光子の吸収軸と第2の光学補償層の遅相軸とが、実質的に直交している、液晶パネル。
【請求項2】
前記第1の偏光子および前記第2の偏光子が、それぞれ、ポリビニルアルコール系樹脂、架橋剤および平均粒子径が1〜100nmの金属化合物コロイドを含む接着剤組成物から形成される接着剤層を介して、前記第1の光学補償層および前記第2の光学補償層と貼り合わされている、請求項1に記載の液晶パネル。
【請求項3】
前記第1の偏光子の前記第1の光学補償層が貼り合わされる側と反対側に第1の保護層を備え、
前記第2の偏光子の前記第2の光学補償層が貼り合わされる側と反対側に第2の保護層を備え、
第1の保護層および第2の保護層が、それぞれ、ポリビニルアルコール系樹脂、架橋剤および平均粒子径が1〜100nmの金属化合物コロイドを含む接着剤組成物から形成される接着剤層を介して、前記第1の偏光子および前記第2の偏光子と貼り合わされている、請求項1または2に記載の液晶パネル。
【請求項4】
前記第1の光学補償層および前記第2の光学補償層が、高分子フィルムの延伸フィルムである、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶パネル。
【請求項5】
前記第1の光学補償層および前記第2の光学補償層の23℃で波長590nmにおける面内の位相差値が、30〜80nmである、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶パネル。
【請求項6】
前記第1の光学補償層および前記第2の光学補償層のNz係数が、1.5<Nz<4の関係を示す、請求項1〜5のいずれかに記載の液晶パネル。
【請求項7】
前記液晶セルが、ホメオトロピック配列に配向させた液晶分子を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の液晶パネル。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の液晶パネルを含む、液晶表示装置。
【請求項9】
反射型または半透過反射型である、請求項8に記載の液晶表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−139685(P2009−139685A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−316729(P2007−316729)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】