説明

液晶パネルの製造方法及び液晶パネルの製造装置

【課題】マザー基板から液晶パネルを複数形成する製造方法において、液晶パネルとなる
各個体のセルギャップを均一に形成することができる液晶パネルの製造方法及び液晶パネ
ルの製造装置を提供する。
【解決手段】第1のマザー基板31の外周囲に、全シール材13を囲むようにして各シー
ル材13の高さと同じ高さを有した隔壁Wを設けた。そして、第1のマザー基板31と第
2のマザー基板32とを貼り合わせた状態で、隔壁Wの内側を減圧するようにした。この
結果、各セル形成空間Sa内の気圧を、各セル形成空間Saの外周囲の空間Sb内の気圧
に比べて高くなることから、各液晶パネルに渡ってセルギャップ長を均一にすることがで
きる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルの製造方法及び液晶パネルの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルは、ガラス基板上に画素電極、薄膜トランジスタ(TFT)等を形成
した素子基板と、ガラス基板上に対向電極、カラーフィルタ等を形成した対向基板とをシ
ール材を介して貼り合わせ(例えば特許文献1)、その両基板間であってシール材で囲ま
れたセル形成空間に液晶を充填させている。ところで、シール材で囲まれたセル形成空間
に充填される液晶は全領域で均一、すなわち、セルギャップが均一であることが望ましい

【0003】
そこで、特許文献2では、素子基板と対向基板との間隔(セルギャップ)を検出しその
検出結果に基づいて加圧手段を制御して素子基板と対向基板の間隔(セルギャップ)が所
望の間隔になるように素子基板と対向基板を貼り合わせている。
【0004】
また、液晶とともに樹脂スペーサやフォトスペーサをセル形成空間内に介在させ、これ
らスペーサによって、シール材で囲まれた空間において素子基板と対向基板との間隔を一
定に保持するようにしている。
【0005】
しかしながら、プロジェクター等でスクリーンに拡大して使用される投影型液晶パネル
では、1画素が10マイクロメートル角と非常に微細な画素であることから、前記スペー
サが拡大されたスクリーンに映り込まれて表示品質を低下させることが知られている。
【0006】
そこで、投影型液晶パネルでは、これらスペーサを使用することはできず、シール材だ
けで、素子基板と対向基板とを貼り合わせることが行われていた。
【特許文献1】特開2000−137235号公報
【特許文献2】特開平6−18829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、このように形成される液晶パネルは、生産性を図るために、一つのマザーガ
ラスに、前記回路基板となる回路基板部を多数形成する。一方、もう一つのマザーガラス
に対向電極側基板となる対向電極側基板部を多数形成する。そして、両マザーガラスを各
回路基板部と各対向電極側基板部とがそれぞれ相対向するように貼り合わせる。そして、
回路基板部と対向電極側基板部とが貼り合わさった部分をカットすることによって液晶パ
ネルが作られる。いわゆる多数個取り行われている。
【0008】
しかしながら、両マザーガラスを圧着して貼り合わせる場合、圧力バランスが均一でな
いため、各個体(液晶パネル)間で、そのセルギャップが相違していた。そこで、両マザ
ーガラスを貼り合わせる際、時間を掛けて全体に均一な圧力が加わるようにすることが考
えられるが、生産性を図る上で問題となる。また、両マザーガラスを貼り合わせる際、各
マザーガラス全体に均一な圧力を加えると、シール材で囲まれた領域のマザーガラスが内
側に窪んでしまうことから、一つの液晶パネル内でセルギャップが不均一になってしまう
という問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、マザー基
板から液晶パネルを複数取りする製造方法であって、液晶パネルとなる各個体のセルギャ
ップを均一に形成することができる液晶パネルの製造方法及び液晶パネルの製造装置を提
供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の液晶パネルの製造方法は、複数の素子基板を形成した第1のマザー基板と複数
の対向基板を形成した第2のマザー基板とをそれぞれ対応する定盤に保持し、少なくとも
いずれか一方の定盤を他方の定盤に向かって可動させる圧着工程を備え、その圧着工程に
より前記第1のマザー基板と前記第2のマザー基板とを貼り合わせて対応する前記素子基
板と前記対向基板同士を、それぞれシール材を介して圧着させるようにした液晶パネルの
製造方法において、前記圧着工程中に、前記各シール材で囲まれたセル形成空間が密閉さ
れた時から、前記第1のマザー基板と前記第2のマザー基板との周囲を減圧する減圧工程
を備えている。
【0011】
これによれば、セル形成空間の内側の気圧は、セル形成空間の外側の気圧に比べて高く
なる。従って、各セル形成空間を形成する各第1のマザー基板及び第2のマザー基板には
、それぞれ、各定盤側に向かう応力が加わる。この結果、第1のマザー基板と第2のマザ
ー基板とを貼り合わすことよって形成される複数の液晶パネルのセルギャップが、その密
閉空間の内圧にて一定の間隔になる。
【0012】
この液晶パネルの製造方法において、前記圧着工程は、前記各シール材に対応する前記
第1のマザー基板及び前記第2のマザー基板の少なくともいずれか一方を押圧しながら、
前記第1のマザー基板と前記第2のマザー基板とを互いに前記シール材を介して圧着させ
、前記圧着工程中に、前記各シール材で囲まれたセル形成空間が密閉された時から、少な
くともいずれか一方の定盤であって前記シール材で囲まれた各セル形成空間と対応する部
分に形成した各空間の内圧を制御する内圧調整工程を備えてもよい。
【0013】
これによれば、各シール材と対応する、第1のマザー基板及び第2のマザー基板の少な
くともいずれか一方を押圧して第1のマザー基板と第2のマザー基板とを貼り合わすとき
に、各セル形成空間を形成する各第1のマザー基板及び第2のマザー基板に加わる応力が
調整される。この結果、各液晶パネルのセルギャップを、その密閉空間の内圧にて一定の
間隔にすることができる。
【0014】
この液晶パネルの製造方法において、前記シール材は、熱硬化樹脂であってもよい。
これによれば、特定の温度以上に加熱することによって簡単に第1のマザー基板と第2
のマザー基板とを強固に張り合わせることができる。
【0015】
本発明の液晶パネルの製造装置は、複数の素子基板を形成した第1のマザー基板を保持
する第1定盤と、複数の対向基板を形成した第2のマザー基板を保持する第2定盤と、前
記第1定盤と前記第2定盤とを相対向する方向に相対移動させ、前記第1のマザー基板と
第2のマザー基板とを貼り合わせる定盤駆動手段と、を備え、前記第1のマザー基板と前
記第2のマザー基板とを貼り合わせることによって、対応する前記素子基板と前記対向基
板同士を、それぞれセル形成空間を形成するシール材を介して圧着させるようにした液晶
パネルの製造装置おいて、前記第1のマザー基板と前記第2のマザー基板との少なくとも
いずれか一方の周囲に形成され全ての前記セル形成空間を密閉する密閉部材によって前記
セル形成空間の周囲に形成された密閉空間の内圧を制御する圧力調整手段を備えている。
【0016】
これによれば、第1定盤と第2定盤の少なくとも一方の定盤に設けた密閉部材によって
、第1のマザー基板と第2のマザー基板とを貼り合わすことにより、第1のマザー基板と
第2のマザー基板の間に密閉空間が形成され、その密閉空間内の気圧が圧力調整手段によ
って制御される。従って、第1のマザー基板と第2のマザー基板を貼り合わすことによっ
て形成される複数の液晶パネルにおけるシール材で囲まれた各セル形成空間のギャップを
、その密閉空間の内圧にて一定に間隔になるように制御することができる。その結果、第
1のマザー基板と第2のマザー基板とを貼り合わすことよって形成される複数の液晶パネ
ルのセルギャップを均一にすることができる。
【0017】
この液晶パネルの製造装置において、前記第1定盤と前記第2定盤との少なくとも一方
の定盤のマザー基板押圧面上に、前記素子基板と前記対向基板のいずれか一方の基板であ
って前記シール材と対応する部分に当接し押圧する凸部を備え、前記素子基板及び前記対
向基板のいずれか一方と前記凸部とで区画形成される、前記セル形成空間と対応する部分
に形成された各空間の内圧を制御する第2の圧力調整手段をさらに備えてもよい。
【0018】
これによれば、第1のマザー基板と第2のマザー基板とを貼り合わす際に、凸部によっ
て、素子基板と対向基板のいずれか一方の基板であってシール材で囲まれた各セル形成空
間と対向する部分の外側に密閉空間が形成されるが、その各密閉空間の気圧が圧力調整手
段によって制御される。従って、圧力調整手段によって各密閉空間の気圧を制御すること
により、各セル形成空間のギャップを均し、一定に間隔になるように制御することができ
る。
【0019】
この液晶パネルの製造装置において、前記マザー基板押圧面上に、その前記各凸部で囲
まれた前記セル形成空間に対応した位置に空気孔を備え、前記第2の圧力調整手段は、前
記空気孔から排出される空気であってもよい。
【0020】
これによれば、空気孔から排出される空気の量を調整することで、各密閉空間の気圧を
制御することができる。この結果、容易に各セル形成空間のギャップを均し、一定に間隔
になるように制御することができる。
【0021】
この液晶パネルの製造装置において、前記密閉部材は、光硬化樹脂であってもよい。
これによれば、特定の波長の光(例えば、紫外光)を照射することでシール材を硬化さ
せずに密閉部材のみを選択的に硬化させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。まず、本発明の
製造方法によって製造した液晶パネルについて説明する。図1は、液晶パネルの斜視図で
あり、図2は、図1のA−A線断面図である。
【0023】
図1において、液晶パネル10には、互いに相対向する素子基板11と対向基板12が
備えられている。図2に示すように、素子基板11と対向基板12は、四角枠状のシール
材13を介して貼り合わされている。これら素子基板11と対向基板12との間であって
シール材13で囲まれた空間(セル形成空間Sa)には、液晶Fが充填されている。
【0024】
図1において、素子基板11の下面Maには、偏光板や位相差板などの光学基板15が
貼り合わされている。光学基板15は、該光学基板15の反Z矢印方向側に設けられた図
示しないバックライトからの光を直線偏光にして液晶Fに出射するためのものである。素
子基板11の上面(対向基板12側の側面:素子形成面)Mbには、一方向(図1中X矢
印方向)略全幅に渡って延設された複数の走査線LXが配列形成されている。各走査線L
Xは、それぞれ図示しない走査線駆動回路に電気的に接続されるとともに、その走査線駆
動回路からの走査信号が、所定のタイミングで入力されるようになっている。
【0025】
また、素子形成面Mb上には、走査線LXと直交するように図1中Y矢印方向略全幅に
渡って延設された複数のデータ線LYが配列形成されている。各データ線LYは、それぞ
れ図示しないデータ線駆動回路に電気的に接続されるとともに、そのデータ線駆動回路か
らの表示データに基づくデータ信号が所定のタイミングで入力されるようになっている。
【0026】
さらに、素子形成面Mb上であって、走査線LXとデータ線LYの交差に対応した位置
には、画素20が形成されている。画素20は、対応する走査線LXとデータ線LYとに
接続されている。つまり、画素20は、素子形成面Mb上にマトリックス状に配列形成さ
れている。各画素20には、それぞれ薄膜トランジスタ(TFT)などの図示しない制御
素子や、透明導電膜などからなる光透過性の画素電極21が備えられている。
【0027】
図2において、各画素20の上側全体には、ラビング処理などによる配向処理の施され
た配向膜22が積層されている。配向膜22は、配向性ポリイミドなどの配向性高分子に
よって形成されており、対応する画素電極21の近傍で液晶分子の配向を所定の方向に設
定するようになっている。
【0028】
対向基板12の上面Na上には、光学基板15側から入射した光と直交する直線偏光の
光を外方(図2における上方)に出射する偏光板23が貼り合わされている。対向基板1
2の下面(素子基板11側の側面:電極形成面)Nbには、各画素電極21と相対向する
ように形成された光透過性の導電膜からなる対向電極24が積層されている。対向電極2
4は、前記データ線駆動回路に電気的に接続されるとともに、そのデータ線駆動回路から
の所定の共通電位が付与されるようになっている。対向電極24の下面全体には、ラビン
グ処理などによる配向処理の施された配向膜25が積層されて、前記対向電極24の近傍
で、液晶Fの液晶分子の配向を所定の方向に設定するようになっている。
【0029】
そして、各走査線LXを線順次走査に基づいて1本ずつ所定のタイミングで選択して、
各画素20の制御素子を、それぞれ選択期間中だけオン状態にする。すると、各制御素子
に対応する各画素電極21に、対応するデータ線LYからの表示データに基づくデータ信
号が出力される。各画素電極21にデータ信号が出力されると、各画素電極21と対向電
極24との間の電位差に基づいて、対応する液晶Fの配向状態が制御される。この結果、
光学基板15からの光の偏光状態が画素20ごとに変調される。そして、画素20ごとに
変調された光が偏光板23を通過するか否かによって、表示データに基づく画像が、液晶
パネル10の上側に表示される。
【0030】
このように構成された液晶パネル10は、図2に示すように、素子基板11と対向基板
12とがシール材13を介して互いに平行に張り合わされている。つまり、素子基板11
と対向基板12との間のギャップ(セルギャップ)長Lgは、素子基板11(対向基板1
2)の全領域に渡って均一となっている。この結果、セル形成空間Saに充填される液晶
Fは全領域で均一となることから、液晶パネル10では、輝度ムラなどを来たすことなく
、その表示画質を維持させることができる。
【0031】
次に、液晶パネル10の製造方法について説明する。
図3において、第1のマザー基板31は1枚のガラス板であって、そのマザー基板31
上に予めシール材13を備えた複数の前記素子基板11がマトリクス状に配置形成されて
いる。尚、シール材13は、この状態では、それぞれ、その一辺の中央位置が切り欠かけ
られた液晶導入口13aが形成されている。
【0032】
また、第1のマザー基板31の外周には、全シール材13を囲むようにして四角枠状の
密閉部材としての隔壁Wが配置形成されている。この隔壁Wは、各シール材13によって
区画形成されたセル形成空間Sa及び各セル形成空間Saの外周囲の空間Sbと、第1の
マザー基板31の外側の空間とを仕切るためのものである。また、隔壁Wは、その一辺の
中央位置に差込口Waが突設されている。この差込口Waには貫通孔Woが形成されてお
り、その貫通孔Woによって、各セル形成空間Sa及び各セル形成空間Saの外周囲の空
間Sbが、第1のマザー基板31の外側の空間と連通する。
【0033】
隔壁Wは、本実施形態においては、紫外光が照射されることによって硬化する公知の紫
外光硬化樹脂で構成されている。また、隔壁Wの高さは、各シール材13の高さとほぼ同
じである。
【0034】
さらに、この隔壁Wで囲まれた各素子基板11上には、前記走査線LX、データ線LY
、画素電極21、配向膜22,25等(図2参照)が形成されている。尚、図3において
は、一例として、X矢印方向に3列、Y矢印方向に3列の、合計3×3=9個の素子基板
11が1枚のマザー基板31上にマトリクス状に配置形成されている。
【0035】
第2のマザー基板32は、第1のマザー基板31と同じく1枚のガラス板であって、複
数の前記対向基板12が配置形成されている。この第2のマザー基板32の各対向基板1
2上には、前記対向電極24、偏光板23、配向膜25等(図2参照)が形成されている
。尚、図3においては、一例として、素子基板11に配置位置に対向するように、X矢印
方向に3列、Y矢印方向に3列の、合計3×3=9個の対向基板12が1枚のマザー基板
32上にマトリクス状に配置形成されている。
【0036】
そして、第1のマザー基板31と第2のマザー基板32とを、それぞれ対応する素子基
板11と対向基板12とが相対向するように、前記シール材13及び隔壁Wを介して貼り
合わせる。その後、マザー基板31,32を介して各シール材13に所定温度の熱を加え
ることでシール材13を硬化させる。そして、貼り合わされた両マザー基板31,32を
図3中破線で示されたラインに沿ってダイシングした後、シール材13に形成した液晶導
入口13aを介してシール材13に囲まれたセル形成空間Saに液晶材料を滴下注入する
。その結果、セル形成空間Sa内に液晶Fが形成される。その後、液晶導入口13aを封
印して各液晶パネル10を製造する。
【0037】
次に、前述した第1のマザー基板31と第2のマザー基板32を貼り合わせる液晶パネ
ルの製造装置としての貼り合わせ装置40Aについて図4及び図5に従って説明する。
図4において、貼り合わせ装置40Aには、直方体形状に形成された基台41が備えら
れるとともに、その基台41の上面には、図5に示すように、前記第1のマザー基板31
を保持する第1定盤としての定置定盤42が設けられている。定置定盤42の上方位置に
は前記第2のマザー基板32を保持する第2定盤としての可動定盤43が配置されている

【0038】
図4に示すように、可動定盤43は、基台41から延びる支持フレーム44に支持され
た加圧機構45の駆動ロッド46の先端に連結されている。そして、加圧機構45が駆動
することによって、可動定盤43は定置定盤42に対して上下方向に相対移動するように
なっている。また、可動定盤43の下面(マザー基板押圧面)43aには、図示しない静
電チャック又は吸引チャック等の保持機構が設けられており、その保持機構によって第2
のマザー基板32をマザー基板押圧面43a上で保持するようになっている。
【0039】
また、図4に示すように、貼り合わせ装置40Aは、圧力調整手段としての真空ポンプ
47を備えている。本実施形態の真空ポンプ47は、公知のフレキシブルチューブ48を
介して隔壁Wの差込口Wa(図5参照)と連結されている。そして、真空ポンプ47を作
動させることで、隔壁Wによって囲まれた空間(各セル形成空間Sa及び各セル形成空間
Saの外周囲の空間Sb)内の気圧を減圧調整することが可能となる。
【0040】
次に、貼り合わせ装置40の動作について図6及び図7に従って説明する。
まず、図6(a)に示すように、第1のマザー基板31を定置定盤42の所定の位置に
載置するとともに、第2のマザー基板32を可動定盤43上の所定の位置に載置し、前述
した静電チャック又は吸引チャック等の保持機構を作動させて吸着固定する。このとき、
第1のマザー基板31上のシール材13に対して未だ紫外光を照射していないため、シー
ル材13は硬化していない状態である。
【0041】
そして、加圧機構45(図4参照)を駆動させて可動定盤43を定置定盤42に向かっ
て下動させる。すると、図6(b)に示すように、第1のマザー基板31及び第2のマザ
ー基板32にそれぞれ形成された複数の素子基板11と対向基板12同士が、隔壁W及び
シール材13を介して貼り合わされる。この結果、隔壁Wによって各セル形成空間Sa及
び各セル形成空間Saの外周囲の空間Sb内が密閉される。このとき、図7(a)に示す
ように、シール材13で囲まれたセル形成空間Saに対応した第2のマザー基板32は、
第1のマザー基板31側に向かって窪んだ形状となる。従って、この状態では、セルギャ
ップ長Lg(図2参照)は均一ではない。
【0042】
次に、この状態で各マザー基板31,32越しに隔壁Wに対して紫外光を照射して隔壁
Wを硬化させる。
続いて、真空ポンプ47を作動させる。すると、まず、各セル形成空間Saの外周囲の
空間Sbの空気が外界へ排気される。その後、各セル形成空間Saの空気が液晶導入口1
3aから外周囲の空間Sbを通って外界へ排気される。従って、各セル形成空間Saの外
周囲の空間Sbの空気が排気されてから各セル形成空間Saの空気が排気されるまでの期
間では、各セル形成空間Sa内の気圧が、各セル形成空間Saの外周囲の空間Sb内の気
圧に比べて高くなる。この結果、図7(b)に示すように、各セル形成空間Saを区画形
成する、シール材13、第1及び第2のマザー基板31,32が各セル形成空間Sa内の
圧力によってそれぞれ外側に向かう力を受ける。尚、このとき、隔壁Wは紫外光が照射さ
れて強固に硬化されていることから、隔壁Wが外界の気圧(大気圧)によって崩壊するこ
とはない。
【0043】
すると、各セル形成空間Saに対応した第2のマザー基板32が可動定盤43のマザー
基板押圧面43a表面に沿うことで第2のマザー基板32が水平にならされることによっ
て、図7(c)に示すように、前述した各セル形成空間Saに対応した第2のマザー基板
32の窪みが消失する。この結果、各液晶パネル10は、セルギャップ長Lgが均一にな
る。
【0044】
次に、図6(c)に示すように、真空ポンプ47の作動を停止し、さらに、前記保持機
構の作動を停止させ、その後、加圧機構45を駆動させて可動定盤43を上動させて定置
定盤42から離間させる。すると、第1のマザー基板31と第2のマザー基板32とが隔
壁W及びシール材13を介して貼り合わされる。この結果、各液晶パネル10は、それぞ
れセルギャップ長Lgが均一となって、第1のマザー基板31と第2のマザー基板32と
を貼り合わせることができる。
【0045】
次に、上記のように構成した実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、第1のマザー基板31の外周囲に、全シール材13を囲
むようにして各シール材13の高さと同じ高さを有した隔壁Wを設けた。そして、第1の
マザー基板31と第2のマザー基板32とを貼り合わせた状態で、隔壁W内を減圧するよ
うにした。従って、各セル形成空間Sa内の気圧を、各セル形成空間Saの外周囲の空間
Sb内の気圧に比べて高くなる。この結果、各セル形成空間Saに対応した第2のマザー
基板32が、可動定盤43のマザー基板押圧面43a表面に沿ってならされることから、
各液晶パネル10のセルギャップ長Lg(図2参照)を均一にすることができる。
【0046】
(2)上記実施形態によれば、隔壁Wを紫外光硬化樹脂で構成した。従って、紫外光を
照射することによって隔壁Wを硬化させることによって、隔壁W内を減圧したとき隔壁W
がその外側の気圧(大気圧)によって崩壊することはない。この結果、隔壁W内を確実に
減圧させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る液晶パネルの製造装置としての貼り合わせ装置につ
いて図8〜図11に従って説明する。図8に示すように、本実施形態の貼り合わせ装置4
0Bは、可動定盤43のマザー基板押圧面43aに凹部49が形成され、その凹部49の
略中央領域に第2のマザー基板32が保持されるようになっている。尚、凹部49の深さ
は、第1のマザー基板31、第2のマザー基板32及びシール材13(隔壁W)の厚さの
総和にほぼ等しくなるように形成されている。
【0047】
一方、定置定盤42上には、可動定盤43の凹部49に対向する位置に複数の吸気孔K
が形成されている。この吸気孔Kは、基台41中に内設された連通孔Qを介して真空ポン
プ47につながっている。従って、可動定盤43が定置定盤42上に接触した状態で真空
ポンプ47を作動させることで、吸気孔Kから吸気して凹部49内の気圧を減圧調整する
ことが可能となる。尚、本実施形態では、図9に示すように、第1のマザー基板31上に
形成される隔壁Wには、上記第1実施形態の差込口Wa及び貫通孔Woは設けられていな
い。
【0048】
次に、貼り合わせ装置40Bの動作について図10及び図11に従って説明する。
まず、図10(a)に示すように、第1のマザー基板31を定置定盤42の所定の位置
に載置するとともに、第2のマザー基板32を可動定盤43に形成された凹部49上の所
定の位置に載置し、前述した静電チャック又は吸引チャック等の保持機構を作動させて吸
着固定する。このとき、第1のマザー基板31上のシール材13は、未だ紫外光が照射さ
れていないため、硬化していない状態である。
【0049】
そして、可動定盤43を定置定盤42に向かって下動させる。すると、図10(b)に
示すように、凹部49と定置定盤42との間の空間So内で、第1のマザー基板31及び
第2のマザー基板32にそれぞれ形成された複数の素子基板11と対向基板12同士がそ
れぞれ隔壁W及びシール材13を介して貼り合わされる。この結果、隔壁Wによって各セ
ル形成空間Sa及び各セル形成空間Saの外周囲の空間Sb内が密閉される。このとき、
図11(a)に示すように、シール材13で囲まれたセル形成空間Saに対応した第2の
マザー基板32は、第1のマザー基板31側に向かって窪んだ形状となる。従って、この
状態では、セルギャップ長Lg(図2参照)は均一ではない。
【0050】
次に、この状態で各マザー基板31,32越しに隔壁Wに紫外光を照射して隔壁Wを硬
化させる。
続いて、この状態で真空ポンプ47を作動させる。すると、凹部49と第1のマザー基
板31との間の空間Soであって、隔壁W外の領域にある空気が吸気孔Kから連通孔Qを
介して外界へ排気される。この結果、各セル形成空間Sa内の気圧が、隔壁W外の空間S
oの気圧に比べて高くなる。従って、図11(b)に示すように、各セル形成空間Saを
区画形成する、第1及び第2のマザー基板31,32が各セル形成空間Sa内の圧力によ
ってそれぞれ外側に向かう力を受ける。尚、このとき、隔壁Wは紫外光が照射されて強固
に硬化されていることから、隔壁Wが空間So内の気圧によって崩壊することはない。
【0051】
すると、各セル形成空間Saに対応した第2のマザー基板32が可動定盤43のマザー
基板押圧面43a表面に沿うことによって第2のマザー基板32が水平にならされ、図1
1(c)に示すように、前記第2のマザー基板32の窪みが消失する。この結果、各液晶
パネル10のセルギャップ長Lgが均一となる。
【0052】
次に、図10(c)に示すように、真空ポンプ47の作動を停止し、さらに、前記保持
機構の作動を停止させ、その後、加圧機構45を駆動させて可動定盤43を上動させて定
置定盤42から離間させる。すると、第1のマザー基板31と第2のマザー基板32とが
隔壁W及びシール材13を介して貼り合わされる。この結果、各液晶パネル10に渡って
セルギャップ長Lgが均一となるように、第1のマザー基板31と第2のマザー基板32
とを貼り合わせることができる。
【0053】
次に、上記のように構成した実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、可動定盤43のマザー基板押圧面43aに凹部49を形
成し、その凹部49の略中央領域に第2のマザー基板32を保持するようにした。また、
定置定盤42上に、可動定盤43の凹部49に対向する位置に吸気孔Kを形成した。そし
て、可動定盤43が定置定盤42上に接触した状態で真空ポンプ47を作動させることで
、吸気孔Kから吸気して凹部49内の気圧を低くすることで、各セル形成空間Sa内の気
圧を、各セル形成空間Saの外周囲の空間Sb内の気圧に比べて高くした。
【0054】
この結果、各セル形成空間Saに対応した第2のマザー基板32が、可動定盤43のマ
ザー基板押圧面43a表面に沿って水平にならされることから、各液晶パネル10に渡っ
てセルギャップ長Lg(図2参照)が均一にすることができる。
【0055】
(2)上記実施形態によれば、隔壁W内側の気圧を隔壁Wの外側の空間の気圧よりも高
くすることができるようにすればよいので、隔壁Wには、上記第1実施形態のように差込
口Wa及び貫通孔Woを備える必要はなく、凹部49と定置定盤42との間の空間Soと
各セル形成空間Sa及び各セル形成空間Saの外周囲の空間Sbが貫通していればよい。
この結果、隔壁Wの構造を簡素なものにすることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る液晶パネルの製造装置としての貼り合わせ装置40
Cについて図12〜図16に従って説明する。図12に示すように、本実施形態の貼り合
わせ装置40Cは、可動定盤43のマザー基板押圧面43aに凹部49が形成されている
。凹部49の深さは、第1のマザー基板31、第2のマザー基板32及びシール材13(
隔壁W)の厚さの総和にほぼ等しくなるように形成されている。
【0056】
図13は、可動定盤43を下側(定置定盤42側)から見た斜視図である。図13にお
いて、可動定盤43の凹部49の底面には、凸部としての押圧凸部50が突出形成されて
いる。本実施形態においては、X矢印方向に3列、Y矢印方向に3列の、合計3×3=9
個の押圧凸部50がマトリクス状に配置されている。
【0057】
各押圧凸部50は、前記シール材13と同形状の四角枠状を成している。そして、図1
4に示すように、各押圧凸部50の配置位置は、可動定盤43を下動させて、第1のマザ
ー基板31と第2のマザー基板32とを各シール材13を介して圧着する際、それぞれ対
応する第1のマザー基板31上に形成されたシール材13と、第2のマザー基板32を介
して相対向する位置になっている。
【0058】
また、各押圧凸部50に囲まれた領域であってその略中央に第2の圧力調整手段として
の空気孔Pが形成されている。各空気孔Pは外部に設けられた図示しないコンプレッサに
連通し、該コンプレッサにて生成された圧縮空気が排出されるようになっている。
【0059】
従って、可動定盤43を下動させて、第1のマザー基板31と第2のマザー基板32と
を各シール材13を介して圧着すると、各押圧凸部50が、それぞれ第1のマザー基板3
1を介して第2のマザー基板32に形成した対応するシール材13と当接する。その結果
、シール材13で囲まれた各セル形成空間Saに対応する第2のマザー基板32には、押
圧力を加えずに、各シール材13にのみそれぞれ均一に押圧力を加えることができる。
【0060】
一方、図12に示すように、定置定盤42上には、可動定盤43の凹部49に対向する
位置に吸気孔Kが形成されている。この吸気孔Kは、基台41中に内設された連通孔Qを
介して真空ポンプ47につながっている。従って、可動定盤43が定置定盤42上に接触
した状態で真空ポンプ47を作動させることで、吸気孔Kから吸気して凹部49内の気圧
を減圧調整することが可能となる。尚、本実施形態では、図14に示すように、第1のマ
ザー基板31上に形成される隔壁Wには、上記第1実施形態の差込口Wa及び貫通孔Wo
は設けられていない。
【0061】
次に、貼り合わせ装置40Cの動作について図15及び図16に従って説明する。
まず、図15(a)に示すように、第1のマザー基板31を定置定盤42の所定の位置
に載置するとともに、第2のマザー基板32を可動定盤43に形成された凹部49上の所
定の位置に載置し、前述した静電チャック又は吸引チャック等の保持機構を作動させて吸
着固定する。このとき、第1のマザー基板31上のシール材13は、未だ紫外光が照射さ
れていないため、硬化していない状態である。
【0062】
そして、可動定盤43を定置定盤42に向かって下動させる。すると、図15(b)に
示すように、凹部49と定置定盤42との間の空間So内で、第1のマザー基板31及び
第2のマザー基板32にそれぞれ形成された複数の素子基板11と対向基板12同士がそ
れぞれ隔壁W及びシール材13を介して貼り合わされる。このとき、各押圧凸部50にか
かる押圧力は、シール材13の上面と対向する第2のマザー基板32の部分に加わって、
第2のマザー基板32を第1のマザー基板31に対して圧着することになる。すると、シ
ール材13で囲まれた各セル形成空間Saに対向する空間Coの第2のマザー基板32に
は押圧力を加えずに、各シール材13にのみそれぞれ均一に押圧力を加えることができる
ことから、図16(a)に示すように、各セル形成空間Saに対向する空間Coの第2の
マザー基板32が対向する第1のマザー基板31側に窪むことはない。
【0063】
次に、この状態で各マザー基板31,32越しに隔壁Wに紫外光を照射して隔壁Wを硬
化させる。
続いて、この状態で真空ポンプ47を作動させる。すると、凹部49と第1のマザー基
板31との間の空間Soであって、隔壁W外の領域にある空気が吸気孔Kから連通孔Qを
介して外界へ排気される。この結果、各セル形成空間Sa内の気圧が隔壁W外の空間So
の気圧に比べて高くなることから、各セル形成空間Saに対応する第2のマザー基板32
が対向する第1のマザー基板31側に窪むのを確実に抑制することができる。
【0064】
次に、前記コンプレッサを介して空気孔Pから圧縮空気を排出する。すると、図16(
b)に示すように、各セル形成空間Saに対応した第2のマザー基板32が圧縮空気によ
って第1のマザー基板31側に向かう力を受ける。従って、各押圧凸部50によって各シ
ール材13にのみに押圧力を加えたことで、たとえば、各セル形成空間Saに対応する第
2のマザー基板32が可動定盤43側に凸状に盛り上がった場合であっても、その凸状に
盛り上がった第2のマザー基板32を第1のマザー基板31側に向かって押圧させること
ができる。この結果、第2のマザー基板32が均され、図16(c)に示すように、前記
凹凸が消失する。この結果、液晶パネル10に渡ってセルギャップ長Lg(図2参照)が
均等となる。
【0065】
次に、図15(c)に示すように、真空ポンプ47の作動を停止し、さらに、前記保持
機構の作動を停止させ、その後、加圧機構45を駆動させて可動定盤43を上動させて定
置定盤42から離間させる。すると、第1のマザー基板31と第2のマザー基板32とが
隔壁W及びシール材13を介して貼り合わされる。この結果、各液晶パネル10に渡って
セルギャップ長Lg(図2参照)が均等となるように、第1のマザー基板31と第2のマ
ザー基板32とを貼り合わせることができる。
【0066】
次に、上記のように構成した実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、第1のマザー基板31上に形成された各シール材13に
対して対向する位置に配置された押圧凸部50を備えた。従って、各シール材13で囲ま
れた第2のマザー基板32には、貼り合わす際に、直接押圧力が加わらないことから、そ
のシール材13で囲まれた各セル形成空間Saに対応した第2のマザー基板32が対向す
る第1のマザー基板31側に窪むのを確実に抑制することができる。
【0067】
(2)上記実施形態によれば、各押圧凸部50に囲まれた領域の略中央に圧縮空気を排
出する空気孔Pを備えた。従って、押圧凸部50によって、各シール材13で囲まれた第
2のマザー基板32が可動定盤43側に凸状に盛り上がった場合、空気孔Pから圧縮空気
を排出することで凸状に盛り上がった第2のマザー基板32が均され、セルギャップ長L
gを均等にすることができる。
【0068】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第3実施形態では、各セル形成空間Saと対向するに形成した各空間Coに対して
圧縮空気を供給することで、第2のマザー基板32の盛り上がりを抑制するようにしたが
、本発明はこれに限定されない。例えば、何らの理由で第2のマザー基板32が第1のマ
ザー基板31側に向かって窪む場合では、各空間Coを減圧するようにしてもよい。要は
、第2のマザー基板32の状態に応じてセルギャップ長Lgが均一になるように各空間C
oの内圧を調整するようにすればよい。
・上記各実施形態では、押圧凸部50を可動定盤43の凹部49に直接設けたが、これを
、押圧凸部50を設けたプレートを別途形成し、その押圧凸部50を設けたプレートを凹
部49に設けてもよい。このようにすることによっても本発明は適用される。
・上記各実施形態では、シール材13を熱硬化性樹脂としたが、紫外光硬化樹脂からなる
シール材で実施してもよい。また、隔壁Wを紫外光硬化樹脂で構成したが、熱硬化性樹脂
からなる材料で実施してもよい。このようにしても、各液晶パネル10のセルギャップ長
Lgを均一に形成することができる。
・上記各実施形態では、シール材13を複数の対向基板12を形成した第2のマザー基板
32に形成したが、シール材13を第1のマザー基板31側に形成し、両マザー基板31
,32を貼り合わせるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本実施形態に係る液晶パネルの斜視図。
【図2】液晶パネルの断面図。
【図3】第1実施形態に係る液晶パネルの製造方法を説明する説明図。
【図4】第1実施形態に係る貼り合わせ装置を説明する説明図。
【図5】液晶パネルの製造方法を説明する説明図。
【図6】(a)〜(c)は、それぞれ、貼り合わせ装置の動作を説明する説明図。
【図7】同じく、(a)〜(c)は、それぞれ、貼り合わせ装置の動作を説明する説明図。
【図8】第2実施形態に係る貼り合わせ装置を説明する説明図。
【図9】第2実施形態に係る液晶パネルの製造方法を説明する説明図。
【図10】(a)〜(c)は、それぞれ、貼り合わせ装置の動作を説明する説明図。
【図11】同じく、(a)〜(c)は、それぞれ、貼り合わせ装置の動作を説明する説明図。
【図12】第3実施形態に係る貼り合わせ装置を説明する説明図。
【図13】第3実施形態に係る貼り合わせ装置の可動定盤を説明する斜視図。
【図14】第3実施形態に係る液晶パネルの製造方法を説明する説明図。
【図15】(a)〜(c)は、それぞれ、貼り合わせ装置の動作を説明する説明図。
【図16】同じく、(a)〜(c)は、それぞれ、貼り合わせ装置の動作を説明する説明図。
【符号の説明】
【0070】
F…液晶、P…第2の圧力調整手段としての空気孔、Sa…セル形成空間、W…密閉部
材としての隔壁、10…液晶パネル、11…素子基板、12…対向基板、13…シール材
、31…第1のマザー基板、32…第2のマザー基板、40A,40B,40C…液晶パ
ネルの製造装置としての貼り合わせ装置、42…定盤または第1定盤としての定置定盤、
43…定盤または第2定盤としての可動定盤、43a…マザー基板押圧面、45…定盤駆
動手段としての加圧機構、47…圧力調整手段としての真空ポンプ、50…凸部としての
押圧凸部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の素子基板を形成した第1のマザー基板と複数の対向基板を形成した第2のマザー基
板とをそれぞれ対応する定盤に保持し、少なくともいずれか一方の定盤を他方の定盤に向
かって可動させる圧着工程を備え、その圧着工程により前記第1のマザー基板と前記第2
のマザー基板とを貼り合わせて対応する前記素子基板と前記対向基板同士を、それぞれシ
ール材を介して圧着させるようにした液晶パネルの製造方法において、
前記圧着工程中に、前記各シール材で囲まれたセル形成空間が密閉された時から、前記
第1のマザー基板と前記第2のマザー基板との周囲を減圧する減圧工程を備えたことを特
徴とする液晶パネルの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶パネルの製造方法において、
前記圧着工程は、前記各シール材に対応する前記第1のマザー基板及び前記第2のマザ
ー基板の少なくともいずれか一方を押圧しながら、前記第1のマザー基板と前記第2のマ
ザー基板とを互いに前記シール材を介して圧着させ、
前記圧着工程中に、前記各シール材で囲まれたセル形成空間が密閉された時から、少な
くともいずれか一方の定盤であって前記シール材で囲まれた各セル形成空間と対応する部
分に形成した各空間の内圧を制御する内圧調整工程を備えたことを特徴とする液晶パネル
の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液晶パネルの製造方法において、
前記シール材は、熱硬化樹脂であることを特徴とする液晶パネルの製造方法。
【請求項4】
複数の素子基板を形成した第1のマザー基板を保持する第1定盤と、
複数の対向基板を形成した第2のマザー基板を保持する第2定盤と、
前記第1定盤と前記第2定盤とを相対向する方向に相対移動させ、前記第1のマザー基
板と第2のマザー基板とを貼り合わせる定盤駆動手段と、を備え、
前記第1のマザー基板と前記第2のマザー基板とを貼り合わせることによって、対応す
る前記素子基板と前記対向基板同士を、それぞれセル形成空間を形成するシール材を介し
て圧着させるようにした液晶パネルの製造装置おいて、
前記第1のマザー基板と前記第2のマザー基板との少なくともいずれか一方の周囲に形
成され全ての前記セル形成空間を密閉する密閉部材によって前記セル形成空間の周囲に形
成された密閉空間の内圧を制御する圧力調整手段を備えたことを特徴とする液晶パネルの
製造装置。
【請求項5】
請求項4に記載の液晶パネルの製造装置において、
前記第1定盤と前記第2定盤との少なくとも一方の定盤のマザー基板押圧面上に、前記
素子基板と前記対向基板のいずれか一方の基板であって前記シール材と対応する部分に当
接し押圧する凸部を備え、
前記素子基板及び前記対向基板のいずれか一方と前記凸部とで区画形成される、前記セ
ル形成空間と対応する部分に形成された各空間の内圧を制御する第2の圧力調整手段をさ
らに備えたことを特徴とする液晶パネルの製造装置。
【請求項6】
請求項5に記載の液晶パネルの製造装置において、
前記マザー基板押圧面上に、その前記各凸部で囲まれた前記セル形成空間に対応した位
置に空気孔を備え、
前記第2の圧力調整手段は、前記空気孔から排出される空気であることを特徴とする液
晶パネルの製造装置。
【請求項7】
請求項5または6のいずれか一つに記載の液晶パネルの製造装置において、
前記密閉部材は、光硬化樹脂であることを特徴とする液晶パネルの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−279108(P2007−279108A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−101661(P2006−101661)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】