説明

液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法および押出機

【課題】液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法において、ストランド切れの発生を抑制し、液晶ポリエステル樹脂ペレットを安定的に収率よく製造する。
【解決手段】押出機は、バレル3内にスクリュー6が設けられ、バレル3の先端にダイス5が取り付けられ、ダイス5の先端にノズル5bが形成されている。ダイス5の内部流路5dのスクリュー6の軸方向(矢印E、F方向)に直角な断面積がスクリュー6の先端6aからノズル5bに向かって減少している。バレル3の最大内径をD、スクリュー6の先端6aからノズル5bの出口5cまでの距離をL、ダイス5の内部流路5dの狭まり角をθとしたとき、押出機が以下の関係式(1)(2)のいずれをも満たすようにする。
(1)L≦D
(2)0°<θ≦45°

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ポリエステル樹脂からなるペレット、つまり液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法と、この液晶ポリエステル樹脂ペレットを製造するための押出機とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
溶融時に液晶性を発現する液晶ポリエステル樹脂は、耐熱性に優れるとともに、溶融時の流動性、つまり加工性に優れることから、精密成形が可能な樹脂成形用材料として、電気・電子分野をはじめとする様々な分野で使用されている。
【0003】
特に、ガラス繊維や炭素繊維に代表される繊維状補強材や、シリカ、マイカ、クレー、ガラスビーズなどの無機粉粒体などを液晶ポリエステルに充填した液晶ポリエステル樹脂組成物(LCPコンパウンド)は、薄肉部または複雑な形状の電気・電子部品に好適な材料である。例えば、リレー部品、コイルボビン、コネクター、ボリューム部品、コンミテーターやセパレーターなどのモーター部品、或いはコイル、水晶振動子、ICチップなどの素子の封止その他に使用されている。
【0004】
ところが、この液晶ポリエステル樹脂の溶融粘度は、せん断速度依存性が大きく、かつ温度依存性が大きい。そのため、デッドスペースがあると、そこに液晶ポリエステル樹脂が滞留しやすく、こうして滞留した樹脂が増粘することにより、カッティングのための引取工程において、ストランドの破断(以下、「ストランド切れ」という。)が起こり、形状が良好なペレットが安定的に得られないことがある。ストランドが安定的に引き取れない場合は、ペレット製造工程において収率が低下するという重大な問題が生じる。
【0005】
こうした問題に対処するため、特許文献1には、スクリューの先端からノズルの出口に向けて円錐形に形成された貫通孔を有するダイスを用いて、繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを製造することが記載されている。また、特許文献2には、スクリューの先端からノズルの出口にかけて流路形状が扇状に広がったダイホルダーを用いて、樹脂組成物ペレットを製造することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−1662号公報(段落〔0016〕〔0018〕の欄、図1)
【特許文献2】特開2000−117731号公報(段落〔0002〕の欄、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1で提案された製造方法では、スクリューの先端からノズルの出口までの距離に関する知見は何ら記載されておらず、この距離が長い場合、スクリューの前方に生じた大きなデッドスペースに液晶ポリエステルが滞留して劣化するため、ノズルの出口でストランド切れが発生するという課題があった。
【0008】
一方、特許文献2で提案された製造方法では、ダイホルダーにおいて樹脂が扇状に拡がるため、最外周の樹脂の流れが遅くなり、ノズルの出口でストランド切れが多発するという課題があった。
【0009】
そこで、本発明は、このような事情に鑑み、ストランド切れの発生を抑制してストランドの安定性を高めることにより、液晶ポリエステル樹脂ペレットを安定的に収率よく製造することが可能な液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法を提供することを第1の目的とし、このような液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法を実施するのに好適な押出機を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するため、本発明者は、せん断速度および温度に依存する形で溶融粘度が急激に増減するという液晶ポリエステル樹脂の特性を踏まえて、ストランド切れの発生を抑制すべく、ダイスの形状および寸法を規定することに着目し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、請求項1に記載の発明は、バレル内にスクリューが設けられ、前記バレルの先端にダイスが取り付けられ、前記ダイスの先端にノズルが形成され、前記ダイスの内部流路の前記スクリューの軸方向に直角な断面積が前記スクリューの先端から前記ノズルに向かって減少する押出機を用いて、前記バレル内で液晶ポリエステル樹脂を溶融混練して前記ノズルから前記ダイスの外部へ押し出すことにより、液晶ポリエステル樹脂ペレットを製造する際に、前記バレルの最大内径をD、前記スクリューの先端から前記ノズルの出口までの距離をL、前記ダイスの内部流路の狭まり角をθとしたとき、前記押出機が以下の関係式(1)(2)のいずれをも満たすようにする液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法としたことを特徴とする。
(1)L≦D
(2)0°<θ≦45°
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記ノズルが複数あり、これらのノズルのピッチをA、各ノズルの直径をDAとしたとき、前記ダイスが以下の関係式(3)を満たすようにすることを特徴とする。
(3)2≦A/DA≦10
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の構成に加え、前記ノズルにおいて、前記液晶ポリエステル樹脂のせん断速度が500〜5000s-1となるようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成に加え、前記押出機が2軸押出機であることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の構成に加え、前記液晶ポリエステル樹脂100質量部に対して、1種類または2種類以上の無機充填材10〜300質量部が添加されていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、バレル内にスクリューが設けられ、前記バレルの先端にダイスが取り付けられ、前記ダイスの先端にノズルが形成され、前記ダイスの内部流路の前記スクリューの軸方向に直角な断面積が前記スクリューの先端から前記ノズルに向かって減少する押出機であって、前記バレルの最大内径をD、前記スクリューの先端から前記ノズルの出口までの距離をL、前記ダイスの内部流路の狭まり角をθとしたとき、以下の関係式(1)(2)のいずれをも満たす押出機としたことを特徴とする。
(1)L≦D
(2)0°<θ≦45°
【0017】
さらに、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の構成に加え、前記ノズルが複数あり、これらのノズルのピッチをA、各ノズルの直径をDAとしたとき、以下の関係式(3)を満たすことを特徴とする。
(3)2≦A/DA≦10
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ダイスの形状および寸法が規定されていることから、液晶ポリエステル樹脂ペレットの押出成形に際して、ストランド切れの発生を抑制してストランドの安定性を高めることができる。したがって、液晶ポリエステル樹脂ペレットを安定的に収率よく製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る押出機の正面図である。
【図2】図1に示す押出機の要部を示す図であって、(a)はその水平断面図、(b)は(a)のB矢視図、(c)は(a)のバレルのC−C線による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
【0021】
図1および図2には、本発明の実施の形態1を示す。この実施の形態1では、押出機の一例として2軸押出機1を用いている。
【0022】
以下、2軸押出機1の構成および液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法を順に説明する。
<2軸押出機の構成>
【0023】
この実施の形態1に係る2軸押出機1は、図1に示すように、支持台2を有しており、支持台2上にはバレル3が載置されている。バレル3は、図2に示すように、ブロック状の本体3aを有しており、本体3aには、ひょうたん断面の内部流路3eが水平方向(図1左右方向)に貫通して形成されている。また、本体3aには、図1に示すように、液晶ポリエステル供給口3b、無機充填材供給口3cおよび2つのベント口3dが、バレル3の上方空間と内部流路3eとを連通する形で形成されている。ここで、液晶ポリエステル供給口3bは本体3aの最上流部の近傍に、無機充填材供給口3cは液晶ポリエステル供給口3bの下流部に、2つのベント口3dは、液晶ポリエステル供給口3bと無機充填材供給口3cとの間および本体3aの最下流部の近傍に、それぞれ設けられている。さらに、内部流路3eには2本のスクリュー6が、図2(a)に示すように、互いに平行となる形で回転自在に水平に設置されている。
【0024】
また、バレル3の後方には、図1に示すように、モーター4が取り付けられており、モーター4を駆動することにより、2本のスクリュー6を所定の回転速度で回転させることができる。
【0025】
一方、バレル3の先端には、図1および図2に示すように、ダイス5が取り付けられている。ダイス5はブロック状の本体5aを有しており、本体5aには内部流路5dが、バレル3の内部流路3eに連通する形で水平方向(図2(a)左右方向)に形成されている。また、本体5aの先端部には5つの丸孔のノズル5bが、それぞれダイス5の前方空間と内部流路5dとを連通する形で形成されている。これらのノズル5bは、所定のピッチ(互いに隣接する2つのノズル5bの中心間の距離)Aで水平方向に沿って一直線上に並んでおり、各ノズル5bは、それぞれ所定の直径DAを有している。
【0026】
ここで、ダイス5の内部流路5dは、図2(a)に示すように、その狭まり角θが0°を超えて45°以下であり(0°<θ≦45°)、そのため、スクリュー6の軸方向(矢印E、F方向)に直角な断面積がスクリュー6の先端6aからノズル5bに向かって漸次減少している。また、スクリュー6の先端6aからノズル5bの出口5cまでの距離Lは、バレル3の最大内径D以下となっている(L≦D)。さらに、ノズル5bのピッチAをノズル5bの直径DAで除した値は、2以上10以下となっている(2≦A/DA≦10)。
【0027】
また、ダイス5の最外のノズル5bは、図2(a)に示すように、ダイス5の内壁面と段差なしに連続するように形成されている。
【0028】
なお、バレル3およびダイス5にはヒーター(図示せず)が付設されており、このヒーターにより、バレル3の内部流路3eおよびダイス5の内部流路5dを所定の温度に加熱することができる。
【0029】
また、ダイス5の前方には、図1に示すように、冷却水槽7が設置されており、冷却水槽7の前方にはペレタイザー9が設置されている。
<液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法>
【0030】
以上のような構成を有する2軸押出機1を用いて、液晶ポリエステル樹脂ペレットを製造する際には、次の手順による。
【0031】
まず、バレル3およびダイス5を所定の温度(例えば、340℃)に保持し、モーター4を駆動して2本のスクリュー6を所定の回転速度(例えば、600rpm)で回転させる。このとき、バレル3およびダイス5の温度やスクリュー6の回転速度は、次に述べる液晶ポリエステル樹脂の特性その他に応じて適宜設定する。
【0032】
この状態で、バレル3の液晶ポリエステル供給口3bから液晶ポリエステル樹脂を投入するとともに、無機充填材供給口3cから無機充填材を投入することにより、液晶ポリエステル樹脂および無機充填材をバレル3の内部流路3eに供給する。すると、液晶ポリエステル樹脂および無機充填材は、バレル3の内部流路3e内で溶融混練されて液晶ポリエステル樹脂組成物を生成し、ダイス5のノズル5bからダイス5の前方(つまり、冷却水槽7側)へ円形断面状に押し出されて紐状のストランドSとなる。
【0033】
ここで用いる液晶ポリエステル樹脂とは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであり、450℃以下で光学的に異方性を示す溶融体を形成するものである。かかる液晶ポリエステル樹脂としては、例えば、下記(a)〜(d)に示されるものが挙げられる。
(a):芳香族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとを組み合わせて重合させて得られるもの。
(b):複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させて得られるもの。
(c):芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとを組み合わせて重合させて得られるもの。
(d):ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性ポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるもの。
【0034】
なお、液晶ポリエステル樹脂の製造に関し、前記の芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジオールの代わりに、それらのエステル形成性誘導体を使用することも可能であり、こうしたエステル形成性誘導体を用いれば液晶ポリエステル樹脂の製造がより容易になるという利点がある。
【0035】
分子内にカルボキシル基を有する芳香族ヒドロキシカルボン酸や芳香族ジカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、例えば、このカルボキシル基がハロホルミル基やアシルオキシカルボニル基などの高反応性の基に転化したもの、このカルボキシル基が、エステル交換反応によりポリエステルを生成するように、アルコール類やエチレングリコールとエステルを形成しているものが挙げられる。また、分子内にフェノール性ヒドロキシル基(フェノール性水酸基)を有する芳香族ヒドロキシカルボン酸や芳香族ジオールのエステル形成性誘導体としては、例えば、このフェノール性ヒドロキシル基が、エステル交換反応によりポリエステルを生成するように、低級カルボン酸類とエステルを形成しているものが挙げられる。
【0036】
さらに、エステル形成性を阻害しない程度であれば、上述の芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジオールは、その芳香環に、フッ素原子、塩素原子などのハロゲン原子;メチル基、エチル基などのアルキル基;フェニル基などのアリール基を置換基として有していてもよい。
【0037】
液晶ポリエステル樹脂を構成する芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位としては、例えば、化1に示すものが挙げられる。
【化1】

【0038】
前記構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基を置換基として有していてもよい。
【0039】
液晶ポリエステル樹脂を構成する芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位としては、例えば、化2に示すものが挙げられる。
【化2】

【0040】
前記構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基を置換基として有していてもよい。
【0041】
液晶ポリエステル樹脂を構成する芳香族ジオールに由来する構造単位としては、例えば、化3に示すものが挙げられる。
【化3】

【0042】
前記構造単位は、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基を置換基として有していてもよい。
【0043】
ここで、好適な液晶ポリエステル樹脂としては、下記(a)〜(h)に示される構造単位の組み合わせを有するものが挙げられる。
(a):(A1 )、(B1 )および(C1 )の組み合わせ、または、(A1 )、(B1 )、(B2 )および(C1 )の組み合わせ。
(b):(A2 )、(B3 )および(C2 )の組み合わせ、または、(A2 )、(B1 )、(B3 )および(C2 )の組み合わせ。
(c):(A1 )および(A2 )の組み合わせ。
(d):(a)の構造単位の組み合わせのそれぞれにおいて、(A1 )の一部または全部を(A2 )で置きかえたもの。
(e):(a)の構造単位の組み合わせのそれぞれにおいて、(B1 )の一部または全部を(B3 )で置きかえたもの。
(f):(a)の構造単位の組み合わせのそれぞれにおいて、(C1 )の一部または全部を(C3 )で置きかえたもの。
(g):(b)の構造単位の組み合わせのそれぞれにおいて、(A2 )の一部または全部を(A1 )で置きかえたもの。
(h):(c)の構造単位の組み合わせに、(B1 )と(C2 )を加えたもの。
【0044】
上記(a)〜(h)のように、本発明で用いられる液晶ポリエステル樹脂としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位として、(A1 )および/または(A2 )を有し、芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位として、(B1 )、(B2 )および(B3 )からなる群から選ばれる少なくとも1種を有し、芳香族ジオールに由来する構造単位として、(C1 )、(C2 )および(C3 )からなる群から選ばれる少なくとも1種を有するものが好ましい。なお、上述のように、これらの構造単位は、その芳香環に置換基を有していてもよいが、得られる液晶ポリエステル樹脂がより優れた耐熱性を必要とする場合には、置換基を有していないことが望ましい。
【0045】
液晶ポリエステル樹脂の製造方法としては、種々公知の方法を採用することができるが、本出願人が、特開2004−256673号公報で提案したような液晶ポリエステル樹脂の製造方法が好ましい。
【0046】
この液晶ポリエステル樹脂は、その流動開始温度が200℃以上であることが好ましい。液晶ポリエステル樹脂の流動開始温度が200℃以上であれば、耐熱性に優れた液晶ポリエステル樹脂ペレットを得ることが可能となる。この流動開始温度とは、内径1mm、長さ10mmのノズルを有する毛細管型レオメータを用いて、9.8MPaの荷重下において、4℃/分の昇温速度で加熱溶融物をノズルから押し出すときに、溶融粘度が4800Pa・sを示す温度をいう。この流動開始温度は、液晶ポリエステル樹脂の分子量を表す指標である(例えば、小出直之編「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」第95〜105頁、シーエムシー、1987年6月5日発行を参照)。
【0047】
耐熱性に優れた液晶ポリエステル樹脂ペレットを得るためには、液晶ポリエステル樹脂は、上記の式(A1 )で表される繰り返し構造単位を少なくとも全体の30モル%含むことが好ましい。
【0048】
一方、このような液晶ポリエステル樹脂に添加される無機充填材としては、特に限定されず、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、チタン酸繊維、ウォラストナイト、アスベスト、シリカアルミナ繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカー、酸化チタンウィスカーなどの繊維状または針状の補強材;二酸化けい素、炭酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、中空ガラスビーズ、ドロマイト、各種金属粉末、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、焼石膏、グラファイト、炭化けい素や窒化けい素などの粉粒状、板状その他の無機粉粒体充填材が挙げられ、その1種または2種以上を用いることができる。
【0049】
なお、この無機充填材の形状は、繊維状または板状であることが好ましい。無機充填材が繊維状または板状であれば、ダイス5のノズル5bの出口5cでストランド切れを生じることなく、液晶ポリエステル樹脂ペレットを安定的に製造することが可能となる。無機充填材が繊維状である場合、その平均繊維径は、0.1〜30μmであることが好ましく、平均繊維長は、1〜500μmであることが好ましい。無機充填材の平均繊維径が0.1μm未満だと、その取扱い性が低下し、逆に、無機充填材の平均繊維径が30μmを超えると、強度が低下する。また、無機充填材の平均繊維長が1μm未満だと、強度が不十分となる傾向があり、逆に、無機充填材の平均繊維長が500μmを超えると、ストランドSの吐出が安定しなくなる傾向にある。
【0050】
また、こうした液晶ポリエステル樹脂組成物の生成に伴い、バレル3の内部流路3eでガスや水分が発生するが、このガスや水分は2つのベント口3dからバレル3の外部へ脱気されるので、液晶ポリエステル樹脂組成物の押出動作を円滑に行うことができる。
【0051】
次いで、このストランドSを冷却水槽7へ導いて水冷した後、ペレタイザー9で巻き取りながら、所定の長さ(例えば、3cm)で切断する。すると、液晶ポリエステル樹脂ペレットが得られる。なお、この液晶ポリエステル樹脂ペレットの大きさとしては、その平均径が0.1〜10mm、好ましくは1〜5mmである。また、液晶ポリエステル樹脂ペレットのアスペクト比(直径/長さの比)は、0.1〜10倍、好ましくは0.2〜3倍、特に好ましくは0.5〜2倍である。
【0052】
このとき、ダイス5のノズル5bにおいて、液晶ポリエステル樹脂のせん断速度γが500〜5000s-1となるように制御する。この液晶ポリエステル樹脂のせん断速度γは、液晶ポリエステル樹脂組成物の単位時間あたりの吐出量(kg/h)をQ、液晶ポリエステル樹脂組成物の比重をρ、ノズルの数をn、ノズルの直径(mm)をDA、円周率をπとしたとき、γ=(80000/9)・(Q/ρ・n・π・DA3 )で表すことができる。
【0053】
こうすることにより、ストランドSが切れにくくなると同時に、ストランドSを安定的に引き取るのが容易になる。これに対して、液晶ポリエステル樹脂のせん断速度γが500s-1未満では、ストランドSが切れやすくなる傾向がある。逆に、液晶ポリエステル樹脂のせん断速度γが5000s-1を超えると、ストランドSを安定的に引き取るのが困難になる傾向がある。この液晶ポリエステル樹脂のせん断速度γは、1000s-1以上が好ましく、1500s-1以上がさらに好ましい。
【0054】
また、液晶ポリエステル樹脂と無機充填材との混合比率は、液晶ポリエステル樹脂100質量部に対して、1種類または2種類以上の無機充填材10〜300質量部とするのが好ましい。こうすることにより、無機充填材によって液晶ポリエステル樹脂ペレットの機械的強度を向上させつつ、ノズル5bの出口5cでストランド切れを生じることなく、液晶ポリエステル樹脂ペレットを安定的に製造することが可能となる。
【0055】
また、2軸押出機1は、上述したとおり、スクリュー6の先端6aからノズル5bの出口5cまでの距離Lがバレル3の最大内径D以下となっている(L≦D)ため、スクリュー6の前方のデッドスペースが小さくなり、ダイス5の内部流路5dに滞留する液晶ポリエステル樹脂組成物を減らすことができる。その結果、ノズル5bの出口5cでストランド切れが生じることを防止し、ストランドSを安定的に引き取ることが可能となる。これに対して、スクリュー6の先端6aからノズル5bの出口5cまでの距離Lがバレル3の最大内径Dを超えていると(L>D)、スクリュー6の前方のデッドスペースが大きくなり、ダイス5の内部流路5dに滞留する液晶ポリエステル樹脂組成物が増える。その結果、ダイス5内の液晶ポリエステル樹脂組成物が分解してガスを発生し、ノズル5bの出口5cでストランドSが切れやすくなる。このように、L≦D、すなわちL/D≦1であれば、上述した効果を奏するが、好ましくは、0.2≦L/D≦0.8であり、さらに好ましくは、0.2≦L/D≦0.5である。
【0056】
また、2軸押出機1は、上述したとおり、ダイス5の内部流路5dの狭まり角θが0°を超えて45°以下である(0°<θ≦45°)ため、ノズル5bの出口5cでストランド切れを生じることなく、液晶ポリエステル樹脂ペレットを安定的に製造することができる。これに対して、この狭まり角θが0°以下だと、最外のノズル5bから吐出されるストランドSが安定せず、ストランド切れを起こすことがある。逆に、この狭まり角θが45°を超えると、バレル3とダイス5との境界で液晶ポリエステル樹脂組成物の滞留部分が発生し、ストランド切れを誘発する恐れがある。
【0057】
しかも、ダイス5は、上述したとおり、最外のノズル5bがダイス5の内壁面と段差なしに連続しているので、ダイス5内の滞留を一層低減することができる。
【0058】
また、2軸押出機1は、上述したとおり、ノズル5bのピッチAをノズル5bの直径DAで除した値が2以上10以下となっている(2≦A/DA≦10)ため、ノズル5bの出口5cでストランド切れを生じることなく、液晶ポリエステル樹脂ペレットを安定的に製造することができる。これに対して、ノズル5bのピッチAをノズル5bの直径DAで除した値が2未満だと、隣接するストランドS同士が溶着しやすく、ストランド切れが発生しやすい。逆に、ノズル5bのピッチAをノズル5bの直径DAで除した値が10を超えると、隣接するノズル5b間のデッドスペースが大きくなり、ストランドSが安定しない。この観点から言えば、ノズル5bのピッチAをノズル5bの直径DAで除した値は、5以下であることが一層好ましい。
【0059】
また、2軸押出機1は2本のスクリュー6を備えているので、液晶ポリエステル樹脂および無機充填材を均一に溶融混練させることができる。
[発明のその他の実施の形態]
【0060】
なお、上述した実施の形態1では、液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造に際して、ストランドSを冷却水槽7で水冷してから切断する場合について説明した。しかし、冷却水槽7以外の水冷手段(例えば、水流やミストをかける手法など)を用いてストランドSを水冷することもできる。さらに、こうした水冷方式に代えて空冷方式(メッシュコンベアなど)や油冷方式を採用してもよい。或いは、このようなコールドカット方式に代えて、ストランドSを冷却することなく切断するホットカット方式や、ミストカット方式、アンダーウォーターカット方式を採用することも可能である。
【0061】
また、上述した実施の形態1では、5つの丸孔のノズル5bが水平方向に沿って一直線上に並んだダイス5について説明した。しかし、このノズル5bの形状、個数および配列は、これに限るわけではなく、液晶ポリエステル樹脂組成物の特性その他に応じて適宜変更すればよい。例えば、15個の角孔のノズル5bを千鳥配置(複数段が交互にずれた配置)で設けることもできる。なお、ノズル5bは、その入口から出口5cに向かって狭くなるような形状が望ましい。さらに、ノズル5bの入口は、その隅角部が面取りされているのが好ましい。
【0062】
また、上述した実施の形態1では、2つのベント口3dが液晶ポリエステル供給口3bと無機充填材供給口3cとの間および本体3aの最下流部の近傍に設けられたバレル3について説明した。しかし、このベント口3dの位置や個数は、これに限るわけではなく、液晶ポリエステル樹脂組成物の特性その他に応じて適宜変更すればよい。また、このベント口3dの種類は特に限定されず、オープンベントや真空ベントを採用することができる。但し、耐熱性の観点からは、真空ベントが好ましい。真空ベントの場合、その減圧は、通常、水封式ポンプ、ロータリーポンプ、油拡散ポンプ、ターボポンプなど各種のポンプを用いて行われる。
【0063】
また、上述した実施の形態1では、液晶ポリエステル樹脂に無機充填材を添加して液晶ポリエステル樹脂組成物を生成する場合について説明した。しかし、液晶ポリエステル樹脂には、無機充填材に加えて、少量の他の熱可塑性樹脂、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルおよびその変性物、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド等や、少量の熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などを1種または2種以上添加することもできる。さらに、液晶ポリエステル樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲内で、フッ素樹脂、高級脂肪酸エステル化合物、脂肪酸金属石鹸類などの離型改良剤;染料、顔料などの着色剤;酸化防止剤;熱安定剤;蛍光増白剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;界面活性剤などの通常の添加剤を添加してもよい。また、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤などの外部滑剤効果を有する添加剤を液晶ポリエステル樹脂に添加しても構わない。
【0064】
また、上述した実施の形態1では、円形断面状のストランドSを得るため、丸孔のノズル5bを有するダイス5を用いる場合について説明した。しかし、製造すべきストランドSの断面形状に応じて各種の形状(楕円形断面、多角形断面、星形断面など)のノズル5bを有するダイス5を用いることができる。
【0065】
さらに、上述した実施の形態1では、2軸押出機1を用いて液晶ポリエステル樹脂ペレットを製造する場合について説明した。この2軸押出機1としては、同方向回転1〜3条ねじ、異方向回転平行軸、斜軸または不完全噛み合いねじなどの方式のものを用いることができるが、好ましくは、同方向2軸2条ねじ押出機である。或いは、単軸押出機を代用しても構わない。
【実施例】
【0066】
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
【0067】
(株)池貝製の2軸押出機「PCM−30HS」を用いて、バレルおよびダイスの温度を340℃に保持し、液晶ポリエステル樹脂100質量部および無機充填材23質量部をバレルの内部流路に供給しながら、2本のスクリューを600rpmの回転速度で回転させて5時間にわたって造粒し、液晶ポリエステル樹脂ペレットを得た。液晶ポリエステル樹脂組成物の単位時間あたりの吐出量は、50kg/hであった。また、液晶ポリエステル樹脂のせん断速度γは、949s-1であった。
【0068】
この2軸押出機は、直径DAが3mm、ピッチAが9mmの4つのノズルを有するダイスを備えており、スクリューの先端からノズルの出口までの距離Lをバレルの最大内径Dで除した値(L/D)が0.8であり、ダイスの狭まり角θが15°であり、ノズルのピッチAをノズルの直径DAで除した値(A/DA)が3であった。
【0069】
なお、液晶ポリエステル樹脂としては、前記構造単位(A1 )、(B1 )、(B2 )、(C1 )をそれぞれ60:15:5:20のモル比で混合した液晶ポリエステル樹脂(流動開始温度330℃、密度1.38g/cm3 )を用いた。また、無機充填材としては、オーウェンスコーニング(株)製のチョップドガラス繊維「CS03JAPX−1」を用いた。
<実施例2>
【0070】
2軸押出機のダイスとして、直径DAが3mm、ピッチAが10.5mm(したがって、A/DA=3.5)の2つのノズルを有し、狭まり角θが25°のダイスを使用したことを除き、上述した実施例1と同様にして、液晶ポリエステル樹脂ペレットを得た。液晶ポリエステル樹脂組成物の単位時間あたりの吐出量は、実施例1と同様、50kg/hであった。また、液晶ポリエステル樹脂のせん断速度γは、1898s-1であった。
<比較例1>
【0071】
2軸押出機のダイスとして、直径DAが3mm、ピッチAが18mm(したがって、A/DA=6)の5つのノズルを有し、狭まり角θが−15°のダイスを使用したことを除き、上述した実施例1と同様にして、液晶ポリエステル樹脂ペレットを得た。液晶ポリエステル樹脂組成物の単位時間あたりの吐出量は、実施例1と同様、50kg/hであった。また、液晶ポリエステル樹脂のせん断速度γは、759s-1であった。
<比較例2>
【0072】
2軸押出機のダイスとして、直径DAが3mm、ピッチAが9mm(したがって、A/DA=3)の2つのノズルを有し、狭まり角θが15°のダイスを使用するとともに、各スクリューを短尺のものに取り替えることにより、スクリューの先端からノズルの出口までの距離Lをバレルの最大内径Dで除した値(L/D)が1.5となるようにしたことを除き、上述した実施例1と同様にして、液晶ポリエステル樹脂ペレットを得た。液晶ポリエステル樹脂組成物の単位時間あたりの吐出量は、実施例1と同様、50kg/hであった。また、液晶ポリエステル樹脂のせん断速度γは、1898s-1であった。
<造粒安定性の評価>
【0073】
これらの実施例1、2および比較例1、2についてそれぞれ、ストランド切れの有無を目視で確認し、造粒安定性を評価した。その結果をまとめて表1に示す。
【表1】

【0074】
表1から明らかなように、比較例1では、ダイスの狭まり角θが−15°であるため、最外ノズルでストランド切れが多発した。また、比較例2では、スクリューの先端からノズルの出口までの距離Lがバレルの最大内径Dの1.5倍であるため、造粒開始2時間後にストランド切れが発生した。これらに対して、実施例1、2は、そのいずれにおいても、ダイスの狭まり角θが0°を超えて45°以下であるとともに、スクリューの先端からノズルの出口までの距離Lがバレルの最大内径D以下であるため、実施例1では、4時間後に漸くストランド切れが発生し、実施例2では、ストランド切れが発生しなかった。
【0075】
以上のことから、比較例1、2に比べて実施例1、2は、ストランド切れの発生頻度が大幅に低く、造粒安定性に優れる結果となった。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の液晶ポリエステル樹脂ペレットは、様々な用途に広範囲に用いることができる。
【0077】
すなわち、液晶ポリエステル樹脂ペレットの用途としては、特に限定はなく、例えば、塗料、コーティング用材料の原料のほか、コネクター、ソケット、リレー部品、コイルボビン、光ピックアップ、発振子、プリント配線板、コンピューター関連部品などの電気・電子部品;ICトレー、ウエハーキャリヤーなどの半導体製造プロセス関連部品;VTR、テレビジョン受像機、アイロン、掃除機、冷蔵庫、炊飯器、照明器具などの家庭用電気製品部品;ランプリフレクター、ランプホルダーなどの照明器具部品;コンパクトディスク、レーザーディスク(登録商標)、スピーカーなどの音響製品部品;光ケーブル用フェルール、電話機部品、ファクシミリ部品などの通信機器部品;分離爪、ヒータホルダーなどの複写機関連部品;歯車、ギヤ、軸受け、モーター部品およびケースなどの機械部品;マイクロ波調理用鍋、耐熱食器などの調理用器具および容器;床材、壁材などの断熱・防音用材料、梁、屋根材などの支持材料その他の土木建築用資材;自動車部品、航空機部品、宇宙機器部品、原子炉などの放射線施設部材、海洋施設部材洗浄用治具、光学機器部品、バルブ類、パイプ類、ノズル類、医療用機器部品および医療用材料、センサー類部品、フィルター、膜を例示することができる。
【0078】
また、この液晶ポリエステル樹脂ペレットから加工されたフィルム状またはシート状の材料や、それらから加工された材料は、工業的に有用な材料であり、例えば、表示装置用部品、電気絶縁用フィルム、フレキシブル回路基板用フィルム、包装用フィルム、記録媒体用フィルムなどの用途に用いられる。液晶ポリエステル樹脂ペレットは押出成形性に優れるため、樹脂成形品、金属部品の被覆材としても有用であり、配管被覆、電線被覆など様々な分野の被覆に用いることができる。
【0079】
さらに、液晶ポリエステル樹脂ペレットから加工された連続繊維、短繊維、パルプなどの繊維状材料や、それらから加工された材料は、工業的に有用な材料であり、例えば、衣料、耐熱断熱材、FRP(繊維強化プラスチック)用補強材、ゴム補強材、ロープ、ケーブル、不織布などの用途に用いることができる。
【符号の説明】
【0080】
1……2軸押出機(押出機)
2……支持台
3……バレル
3a……本体
3b……液晶ポリエステル供給口
3c……無機充填材供給口
3d……ベント口
3e……内部流路
4……モーター
5……ダイス
5a……本体
5b……ノズル
5c……出口
5d……内部流路
6……スクリュー
6a……先端
7……冷却水槽
9……ペレタイザー
S……ストランド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バレル内にスクリューが設けられ、前記バレルの先端にダイスが取り付けられ、前記ダイスの先端にノズルが形成され、前記ダイスの内部流路の前記スクリューの軸方向に直角な断面積が前記スクリューの先端から前記ノズルに向かって減少する押出機を用いて、前記バレル内で液晶ポリエステル樹脂を溶融混練して前記ノズルから前記ダイスの外部へ押し出すことにより、液晶ポリエステル樹脂ペレットを製造する際に、
前記バレルの最大内径をD、前記スクリューの先端から前記ノズルの出口までの距離をL、前記ダイスの内部流路の狭まり角をθとしたとき、前記押出機が以下の関係式(1)(2)のいずれをも満たすようにすることを特徴とする液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法。
(1)L≦D
(2)0°<θ≦45°
【請求項2】
前記ノズルが複数あり、これらのノズルのピッチをA、各ノズルの直径をDAとしたとき、前記ダイスが以下の関係式(3)を満たすようにすることを特徴とする請求項1に記載の液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法。
(3)2≦A/DA≦10
【請求項3】
前記ノズルにおいて、前記液晶ポリエステル樹脂のせん断速度が500〜5000s-1となるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法。
【請求項4】
前記押出機が2軸押出機であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法。
【請求項5】
前記液晶ポリエステル樹脂100質量部に対して、1種類または2種類以上の無機充填材10〜300質量部が添加されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂ペレットの製造方法。
【請求項6】
バレル内にスクリューが設けられ、前記バレルの先端にダイスが取り付けられ、前記ダイスの先端にノズルが形成され、前記ダイスの内部流路の前記スクリューの軸方向に直角な断面積が前記スクリューの先端から前記ノズルに向かって減少する押出機であって、
前記バレルの最大内径をD、前記スクリューの先端から前記ノズルの出口までの距離をL、前記ダイスの内部流路の狭まり角をθとしたとき、以下の関係式(1)(2)のいずれをも満たすことを特徴とする押出機。
(1)L≦D
(2)0°<θ≦45°
【請求項7】
前記ノズルが複数あり、これらのノズルのピッチをA、各ノズルの直径をDAとしたとき、以下の関係式(3)を満たすことを特徴とする請求項6に記載の押出機。
(3)2≦A/DA≦10

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−207055(P2011−207055A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77288(P2010−77288)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】