説明

液晶材料のための添加剤成分

本発明は、i)少なくとも1つの架橋可能な液晶化合物を含む架橋可能な液晶ホスト化合物と、ii)少なくとも1つのキラル又はアキラルの棒状の添加剤成分(ここで、添加剤成分は、剛直なコアを有し、少なくとも2つの縮合又は結合した、場合により置換されている、非芳香族、芳香族、炭素環又はヘテロ環の基を含み、そしてまた、少なくとも1つの場合により置換されているアルキル残基及び少なくとも1つの重合可能な基を含み、40℃以下の等方性の状態への転移温度を有する)と、を含む、架橋可能なメソゲン混合物に関する。本発明はまた、これらの混合物の製造のための新規なキラル又はアキラルの棒状の化合物の使用に関し;エラストマー、ポリマーゲル、ポリマーネットワーク又はポリマーフィルムの形態の本発明の混合物に関し;これらの混合物から製造される、ポリマーネットワーク及び液晶ポリマーフィルムに関し;このような混合物から製造されるポリマーネットワーク及び液晶ポリマーフィルムを含む、光学的又は電気的光学的部品に関する。さらに、本発明は、配向液晶ポリマーの製造における、架橋可能な液晶混合物の成分としてのキラル又はアキラルの棒状の化合物の使用に関し;これらの化合物を含む液晶混合物に関し;このような液晶混合物から製造される、液晶ポリマー及び液晶ポリマーネットワークに関し;これらの化合物を含む液晶デバイスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの架橋可能な液晶ホスト化合物と、添加剤として少なくとも1つの新規なキラル又はアキラルの棒状の化合物とを含む、架橋可能なメソゲン混合物に関し;これらの混合物の製造のために使用される新規なキラル又はアキラルの棒状の化合物に関し;エラストマー、ポリマーゲル、ポリマーネットワーク又はポリマーフィルムの形態の本発明の混合物に関し;これらの混合物から製造される、ポリマーネットワーク及び液晶ポリマーフィルムに関し;このような混合物から製造されるポリマーネットワーク及び液晶ポリマーフィルムを含む、光学的又は電気的光学的部品に関する。より詳細には、配向液晶ポリマーの製造における、架橋可能な液晶混合物の成分としてのキラル又はアキラルの棒状の化合物の使用に関し;これらの化合物を含む液晶混合物に関し;このような液晶混合物から製造される、液晶ポリマー及び液晶ポリマーネットワークに関し;これらの化合物を含む液晶デバイスに関する。
【0002】
液晶ポリマー(LCP)は、光学デバイス及び部品、例えば、導波管、光学格子、フィルタ、リターダ、コーティング、フィルム、圧電性セル及び非線形の光学セルの製造に使用される。上記の光学デバイス及び部品のいずれか1つに使用されるLCPの正しい選択は、その関連する光学特性、例えば、光学的異方性、屈折率、透明性及び分散性に依存する。光学フィルタは、例えば、大きな異方性(Δn)及び低い分散性(n=f(λ))を有するLCPを含む。
【0003】
通常、LCPは、配向層が設けられた基材(例えば、ラビング又は直線光重合(linear photopolymerization、LPP)によって得られる配向層が設けられた基材)上で、架橋可能な液晶(LC)の単一化合物の層又は異なる架橋可能な液晶の単一化合物の混合物の層を配向させるか、あるいは単一の架橋可能な液晶化合物又は異なる架橋可能な液晶の単一化合物を、選択的な方向にずらし、次いで液晶層を架橋し、異方性のポリマーネットワークを形成することにより製造する。LCPを用いた光学部品の製造において、重要なプロセスのパラメータ(例えば、配向時間、バックの温度等)に関連して、配向の質は、重要な役割を示す。配向の質は、材料のパラメータに直接関係し、主に液晶状態において充填される高分子に直接、関係し、それ自体は、適用される材料の粘度で主として決る。最適とはいえない(sub-optimal)材料のパラメータは、例えば、大きな厚みを有することを目的とするLCPフィルムの製造において、あるいは高分子量の成分(例えば、ダイマー、オリゴマー等)を含む材料を使用する場合に、良好な配向(アライメント)を妨げる主な理由の一つとなると考えられている。しばしば観測され、かつ当業者に公知の典型的な配向の欠陥は、例えば、シュリーレン組織、フォーカルコニックファン組織、ジグザグ欠陥、プレチルトのモノドメインの変動性等である。これらの欠陥の排除は、例えば、サーマルポストバッキング工程を通して、試みることができる。しかしながら、一般にこれらの工程は、期間を延長して適用しても(それ自体、工業的な製造プロセスでの使用においては、明らかに大きな短所である)、不十分であり、要求される品質をもたらすものではない。高粘度のプロフィールを有するLCの出発物質は、高品質の配向フィルム及びコーティングの手早く、簡便な製造についての適切さに劣る。
【0004】
LCPの製造において使用される架橋可能な液晶化合物は、化学的及び熱的に安定で、電磁波照射に安定で、標準的な溶媒に溶解可能であり、他の液晶成分と混和性でなければならず、液晶の性質を、−30℃〜+150℃の範囲、好ましくは0℃〜120℃の範囲で発現しなければならない。重合可能な液晶の単一化合物又は液晶の単一化合物の混合物上の配向層によって強いられる配置は、いったん架橋によってLCPネットワークが形成されると固定される。得られたLCPフィルム及びコーティングは、好ましくは高粘度のプロフィールを有し、機械的なストレス、高温や光にさらされても安定していなければならない。
【0005】
したがって、広い液晶温度範囲を有し、基材上の液晶の単一化合物又は液晶の単一化合物の混合物の配向層が、LCPネットワークを製造するのに必要な期間中、安定であり続けるようにして、架橋前に基材上で容易に配向させることができる、液晶の単一化合物又は液晶化合物の混合物が求められている。
【0006】
少量の特定の添加剤、例えばパラフィンを液晶混合物にドープさせることは、混合物の主要な成分の物理的性質に大きな変化をもたらすことなく、混合物の配向ポテンシャルを最適化するための既知のやり方をある程度提供する。しかしながら、液晶化合物と上記の既知の添加剤との間の分子レベルで生ずる不相溶性に起因して、得られた混合物の熱力学的挙動は望ましくない性質、例えばホスト混合物に比較したクリア点の低下、液晶温度範囲の縮小等を示すことが多い。しばしばみられるさらなる欠点は、液晶材料の均一な配向の困難さをもたらす、混合物の異なる成分の間での混和性の問題の発生である。
【0007】
これらの問題を克服するために、本発明の発明者らは、少なくとも1つの重合可能な基を含む、新規なクラスのキラル又はアキラル添加剤成分を開発した。これらの新規な添加剤成分の一般的な分子設計は、少なくとも1つの残基に結合した棒状の剛直なコアに基づいており、残基は、純粋の(すなわちバルクの)添加剤成分における結晶又は液晶の高分子の整列を部分的又は全体として抑圧する要因となる。これは、純粋な状態では、新規なキラル又はアキラルの添加剤成分は、等方性の状態への低い転移温度を示すことを意味する。本発明による新規な添加剤成分の等方性の状態への低い転移温度は、好ましくは、40℃以下である。本発明の関連において、純粋な添加剤成分についての用語「純粋な」は、等方性の状態への転移温度を評価する際の物質の純度のレベルが98%以上であるようなものと解すべきである。
【0008】
本発明の関連において使用される、用語「等方性の状態への転移温度」は、新規な添加剤成分が、結晶又は液晶の状態から等方性の状態へと状態を変化させる温度として規定される。
【0009】
架橋可能な液晶化合物又は架橋可能な液晶化合物の混合物に適切な濃度で添加する場合、本発明の新規なキラル又はアキラルの添加剤成分の構造要素のいくつかは、分子認識に起因して、LC化合物の極性の高い部分から分離する傾向がある。これは、分子間の相互作用の低下と、その結果としての配向層とのよりよい相互作用及びそれによりモノドメインの形成をももたらす。
【0010】
説明目的及び簡単な参考のために、以下に記載するスキーム及び例示の構造式においては、純粋な添加剤成分内の結晶又は液晶の高分子の整列を部分的又は全体として抑圧する原因と考えられる、新規な添加剤成分の分子構造の部分を点線の円で示した。
【0011】
様々な架橋可能なLC化合物又は架橋可能なLC化合物の混合物に、新たに開発されたキラル又はアキラルの添加剤成分を適切な量でドープすることにより、その後の配向工程及び架橋工程で非常に良好な結果が得られた。事実、厚いLCPの単一層フィルムへの完全な転換が、基本的な(すなわち、非処理の)ホストLC化合物又はホストLC化合物の混合物の光学的性能及び特性を変えずに残しながら達成された。その上、ドープされていないホストLC化合物又はホストLC化合物の混合物と比較して、配向スピードの相当の増進が達成され、これは大規模な製造プロセスにおいては、非常な利点である。他の利益は、新たな添加剤成分の添加に起因する、ホスト混合物の成分の相溶性の改善である。さらに、コレステリックな混合物に添加した場合、新規な添加剤成分は、ヘリカルピッチ(P)の最初の形成、すなわちコレステリック相の最初の形成に強く寄与する。
【0012】
よって、本発明は、第一の態様で、少なくとも1つの架橋可能な液晶化合物と上記の少なくとも1つのキラル又はアキラルの棒状の新規な添加剤成分とを含み、ここで、添加剤成分が、少なくとも2つの縮合又は結合した、場合により置換されている、非芳香族、芳香族、炭素環又はヘテロ環の基を含む剛直なコア、並びに少なくとも1つの場合により置換されているアルキル残基及び少なくとも1つの重合可能な基を有する混合物(以下本発明の混合物ともいう)を提供する。
【0013】
本発明は、第二の態様で、上記の添加剤成分としての新規なキラル又はアキラルの棒状の化合物であり、ここで添加剤成分が、少なくとも2つの縮合又は結合した、場合により置換されている、非芳香族、芳香族、炭素環又はヘテロ環の基を含む剛直なコア、並びに少なくとも1つの場合により置換されているアルキル残基及び少なくとも1つの重合可能な基を有するものを提供する。
【0014】
本発明との関連において使用される、用語「場合により置換されている」は、以降の説明の章で規定される。
【0015】
好ましい態様において、本発明は、
i)少なくとも1つの架橋可能な液晶化合物を含む架橋可能な液晶ホストと、
ii)少なくとも1つのキラル又はアキラルの棒状の添加剤成分(ここで、添加剤成分が剛直なコアを有し、少なくとも2つの縮合又は結合した、場合により置換されている非芳香族、芳香族、炭素環又はヘテロ環の基を含み、そしてまた、少なくとも1つの場合により置換されているアルキル残基及び少なくとも1つの重合可能な基を含み、40℃以下の等方性の状態への転移温度を有する)と、
を含む、架橋可能なメソゲン混合物に関する。
【0016】
他の好ましい態様において、本発明は、添加剤成分が、20℃以下の等方性の状態への転移温度を有する、本発明の混合物に関する。
【0017】
他の好ましい態様において、本発明は、添加剤成分が、0℃以下の等方性の状態への転移温度を有する、本発明の混合物に関する。
【0018】
他の好ましい態様において、本発明は、30℃以上の透明点を有する、本発明の混合物に関する。
【0019】
他の好ましい態様において、本発明は、50℃以上の透明点を有する、本発明の混合物に関する。
【0020】
他の好ましい態様において、本発明は、液晶ホストが50℃以上の透明点を有する、本発明の混合物に関する。
【0021】
コレステリックな混合物に添加する場合、新規な添加剤成分は、コレステリック相のすばやいフォーメーションの点から、特に重要で、かつ興味深い。
【0022】
本発明のキラル又はアキラルの添加剤成分は、それらに特有の分子構造に基づき、コレステリック相のフォーメーションの完成までの時間を(対照、すなわちコレステリックなホスト混合物がコレステリック相のフォーメーションに必要とする時間と比較して)短縮する、紛れもなく顕著な能力を有する。
【0023】
本発明との関連において、用語「架橋可能なLCホスト」、「ホストLC化合物」、「ホストLC化合物の混合物」又は「コレステリックなホスト混合物」は、本発明の添加剤成分を添加する前のLC化合物、LC化合物の混合物又はコレステリックな混合物を意味する。
【0024】
本明細書で使用される、用語「架橋可能なLCホスト」は、いかなる架橋可能なLCホスト材料、例えば架橋可能なLCホスト化合物、架橋可能なLCホスト化合物の混合物等をも表すことができる。
【0025】
本発明との関連において使用される、用語「透明点」は、等方性の状態への転移が起こる温度を意味する。
【0026】
最終のLC化合物の混合物、(すなわち、ホストLC化合物又はホストLC化合物の混合物に加えて、1種以上の本発明の添加剤成分を含む混合物)において、クリア点の激しい低下を避けるためには、好ましい棒状の添加剤成分は、ホストLC化合物又はホストLC化合物の混合物の元となる主要な成分の分子構造と相溶性があるか、又は関係のある分子構造を有することで特徴付けられる。一般的にいえば、分子構造レベルから見て、新規の棒状の添加剤成分は、当業者が使用する既知の液晶化合物と好ましくは相溶性である。
【0027】
したがって、式(I):
【0028】
【化19】

【0029】
〔ここで、
〜Aは、互いに独立して、水素であるか、極性基、例えばニトロ、シアノ、ハロゲンであるか、場合により置換されているメチル基であるか、又は場合により置換されている2〜40個の炭素原子の炭化水素基(その1つ以上の炭素原子は、ヘテロ原子で置き換えられていてもよく、酸素原子は互いに結合することのないようにする)であるが、ただし、A〜Aの少なくとも1つは、重合可能な基を含み、
〜Cは、互いに独立して、場合により置換されている、非芳香族、芳香族、炭素環又はヘテロ環基であり、好ましくは、ブリッジ基Z〜Zを介して、反対の位置で互いに連結しており、
〜Zは、互いに独立して、−CH(OH)−、−CO−、−CH2(CO)−、−SO−、−CH2(SO)−、−SO2−、−CH2(SO2)−、−COO−、−OCO−、−COCF2−、−CF2CO−、−S−CO−、−CO−S−、−SOO−、−OSO−、−SOS−、−CH2−CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=N−、−C(CH3)=N−、−N=N−又は共有単結合であり、
a1、a2及びa3は、互いに独立して、1≦a1+a2+a3≦3であるような、0〜3の整数であり、
ただし、配列:
【0030】
【化20】

【0031】
は、棒状の添加剤成分の長分子軸を表す〕の添加剤が、本発明の目的である。
【0032】
本発明との関連において、用語「炭化水素」は、直鎖及び分岐鎖のアルキレン、並びに飽和及び不飽和の基を包含する。
【0033】
用語「場合により置換されている」(単置換又は多置換)は、置換基、例えばアルキル、アリール及びシクロアルキル基、並びにアミノ、シアノ、エポキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、オキソ及び他の基を包含する。
【0034】
炭素原子を置き換えることができる、可能性のあるヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄を包含する。ヘテロ原子としての窒素の場合、例えばアルキル、アリール及びシクロアルキルのような基でのさらなる置換も可能である。
【0035】
本発明との関連で使用される、用語「アルキル」及び「アルキレン」は、直鎖及び分岐鎖の基、並びに飽和及び不飽和の基を包含する。
【0036】
本明細書で使用される、用語「重合可能な基」及び「重合」は、以下のように、説明され、特徴付けられる。通常、2つの主要なプロセス、すなわち(a)連鎖重合及び(b)逐次重合が、モノマーをポリマーへと転換するのに使用される。LCモノマーに基づく異方性フィルムの製造のためには、連鎖重合が通常、使用されるプロセスである。ここで、すべてのモノマーは、反応して活性点を与えることができる反応性基を1種類のみ有し、すばやくもう一つのモノマー分子に、次いで他のモノマー分子に付加し、毎回、活性点を再生する。これは、連鎖反応の典型例であり、2つの活性点が互いに遭遇するまで続く(不活性化。)。活性点を生成するために、おだやかな条件を通して、重合可能なモノマーに高活性の官能基を保持させなければならない。さらに、活性点は、排他的かつ迅速に隣接するモノマーの同じ重合可能な基に付加しなければならない。これらの2つの重合条件を保証するために、ラジカル及びカチオン性の機構の両方が、通常、連鎖重合プロセスを仲介する。これらは、それぞれスムーズなラジカル又はカチオン開始剤を使用して、熱又は光での活性化による分子内の分解を通してラジカル又はカチオン性の開始残基を生成する。そのような開始剤は、例えば、ホトレジスト重合プロセスで使用されるもの、例えば、イルガキュア(登録商標)及びその誘導体である。迅速で、選択的で、効率的なラジカル又はカチオン性のプロセスを実施することができる重合可能な基は一般に、活性化された炭素−炭素二重結合、例えばメタクリラート類、アクリラート類、酢酸ビニル類、ビニルエーテル類中のもの、又は酸化により活性化された二重結合からなる。ここで、活性化は、二重結合に直接、結合する電子供与基(酸素、硫黄等)又は電子吸引基(例えばカルボニル、ニトリル、カルボキシ、二重結合、芳香族基等)によって保証される。
【0037】
さらなる、本発明による好ましい添加剤成分は、
〜Aの少なくとも1つが、式(II)の残基:
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又はCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−、CH2=C(Ph)−COO−、CH2=CH−COO−Ph−、CH2=CW−CO−NH−、CH2=C(Ph)−CONH−、CH2=C(COOR′)−CH2−COO−、CH2=CH−OOC−、(Ph)−CH=CH−、CH3−CH=N−(CH2m1−、HO−、HS−、HO−(CH2m1−、HS−(CH2m1−、HO(CH2m1COO−、HS(CH2m1COO−、HWN−、HOC(O)−、CH2=CH−Ph−(O)m2
【0038】
【化21】

【0039】
(ここで、
Wは、H、F、Cl、Br若しくはIであるか、又はC−Cアルキル基であり、
m1は、1〜9の値を有する整数であり、
m2は、0又は1の値を有する整数であり、
R′は、C−Cアルキル基であり、
R″は、C−Cアルキル基、メトキシ、シアノ、F、Cl、Br又はIである)からなる群より選択される重合可能な基であり、
Spは、場合により置換されている直鎖又は分岐鎖のC−C30アルキレン基であり、ここで、1つ以上の−CH2−基は、ヘテロ原子及び/若しくは極性基によって置き換えられていてもよく、並びに/又は場合により1つ以上の炭素−炭素単結合は、炭素−炭素二重結合若しくは三重結合で置き換えられることができ、
kは、0〜4の値を有する整数であり、
Xは、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CH(OH)−、−CO−、−CH2(CO)−、−SO−、−CH2(SO)−、−SO2−、−CH2(SO2)−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−SOO−、−OSO−、−SOS−、−CH2−CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、
tは、0又は1の値を有する整数である〕
から選択される重合可能な基を含む、式(I)の化合物である。
【0040】
本発明の関連において、用語「C−Cアルキル」は、好ましくは直鎖又は分岐鎖の1〜6個の炭素原子を有する炭化水素基を意味し、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルであり、しかし、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル又はブチルである。
【0041】
上記の式(II)及びそのさらなる特徴付けにおいて、用語「Ph」は、場合により置換されているフェニレンを示し、そして用語「(Ph)」は、場合により置換されているフェニルを示すものと理解される。用語「フェニレン」により、場合により置換されている、1,2−、1,3−又は1,4−フェニレンが包含されることを理解しなければならない。フェニレン基は、1,3−又は1,4−フェニレン基のいずれかであることが好ましい。
【0042】
−C30アルキレン基「Sp」は、分岐鎖又は直鎖アルキレン基からなることができ、非置換であるか、F、Cl、Br、I又はCNによって単置換又は多置換されていてもよい。代替的に、又は追加で、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CH(OH)−、−CO−、−CH2(CO)−、−SO−、−CH2(SO)−、−SO2−、−CH2(SO2)−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−SOO−、−OSO−、−SOS−、−CH=CH−、−C≡C−、−(CF2r−、−(CD2s−又は−C(W1)=C(W2)−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、W1及びW2は、それぞれ独立して、H、H−(CH2q−又はClである。整数r、s及びqは、互いに独立して、1〜15の間の数である。
【0043】
さらに好ましい化合物は、式(I)のA〜Aの少なくとも1つが、式(II)の基:
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−又は
【0044】
【化22】

【0045】
(ここで、Wは、H、CH3、F、Cl、Br又はIであり、
R″は、C−Cアルキル基、メトキシ、シアノ、F、Cl、B又はIである)であり、
Spは、直鎖又は分岐鎖のC−C22のアルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH(OH)−、−SO2−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、−(CF2r−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、整数rは、1〜10の間の数であり、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕
である化合物である。
【0046】
〜Aの1つはまた、分岐鎖又は直鎖のC−C20アルキル、C−C20アルコキシ、C−C20アルコキシカルボニル、C−C20アルキルカルボニル又はC−C20アルキルカルボニルオキシ基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ノニルオキシカルボニル、デシルオキシカルボニル、ウンデシルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、ターデカノイル、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、バレリルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシ、オクタノイルオキシ、ノナノイルオキシ、デカノイルオキシ、ウンデカノイルオキシ、ドデカノイルオキシ、ターデカノイルオキシ等であることができるが、ただし、A〜Aの少なくとも1つは、分岐鎖C−C16アルキル基(又はアルキレン基)であり、かつ/又はA〜Aの1つは、少なくとも1つのエステル基、好ましくはオキソカルボニル又はカルボニルオキシ基を含むこととする。
【0047】
〜Cは、好ましくは:
【0048】
【化23】

【0049】
(ここで、Lは、−CH3、−COCH3、−NO2、−CN又はハロゲンであり
u1は、0、1、2、3又は4であり、
u2は、0、1、2又は3であり、
u3は0、1又は2である)から選択される。
【0050】
さらなる好ましい化合物は、
〜Cが、場合により置換されている、シクロへキシル若しくはシクロへキシレン、フェニル若しくはフェニレン、ナフチル若しくはナフチレン又はフェナントリル若しくはフェナントリレンから選択され、
〜Aが、互いに独立して、水素であるか、極性基、例えばシアノ、ニトロ、ハロゲンであるか、又は式(II)の基:
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−若しくは
【0051】
【化24】

【0052】
(ここで、Wは、H、CH3、F、Cl、Br又はIであり、
R″は、C−Cアルキル基、メトキシ、シアノ、F、Cl、Br又はIである)であり、
Spは、直鎖又は分岐鎖のC−C22アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH(OH)−、−SO2−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、−(CF2r−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、整数rは、1〜10の間の数であり、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1であるが、
ただし、A〜Aの少なくとも1つは、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−又は
【0053】
【化25】

【0054】
(ここで、
Wは、H、CH3、F、Cl、Br又はIであり、
R″は、C−Cアルキル基、メトキシ、シアノ、F、Cl、Br又はIである)を含むこととする〕である、
式(I)の化合物である。
【0055】
さらなる好ましい化合物は、
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
が、水素である、
式(I)の化合物である。
【0056】
さらなる好ましい化合物は、
が、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−又はCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、水素である、
式(I)の化合物である。
【0057】
さらなる好ましい化合物は、
が、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−又はCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、水素である、
式(I)の化合物である。
【0058】
さらなる好ましい化合物は、
が、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−又はCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、水素である、
式(I)の化合物である。
【0059】
さらなる好ましい化合物は、
及びAが、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−又はCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、水素である、
式(I)の化合物である。
【0060】
さらなる好ましい化合物は、前述する任意の定義を参照する式(I)の化合物であり、
〜Aの少なくとも1つが、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、式(III):
【0061】
【化26】

【0062】
(ここで、
及びYは、互いに独立して、−OCO−又はCOO−であり、
は、C又はCHであり、
及びRは、互いに独立して、水素であるか、又はC1−12アルキル残基、好ましくはC−Cアルキル残基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル又はイソプロピル残基であり、
n1、n2、n3及びn4は、独立して、0≦n1+n2+n3+n4≦15であるような、0〜15の整数であり、
m1、m2及びm3は、独立して、1≦m1+m2+m3≦3であるような、0〜3の整数であり、
式(III)の炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−又は−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、Pの炭素−炭素二重結合は、Y又はYの炭素原子に直接結合することがない)の意味を有し、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有する、
式(I)の化合物である。
【0063】
さらなる好ましい化合物は、前述する任意の定義を参照する式(I)の化合物であり
〜Aの少なくとも1つが、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、式(III):
【0064】
【化27】

【0065】
(ここで、
及びYは、互いに独立して、−OCO−又はCOO−であり、
は、C又はCHであり、
は、水素であり、
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシル基であり、より好ましくはメチル又はエチル基であり、
n1、n2、n3及びn4は、独立して、0≦n1+n2+n3+n4≦15であるような、0〜15の整数であり、
m1、m2及びm3は、独立して、1≦m1+m2+m3≦3であるような、0〜3の整数であり、
式(III)の炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−又は−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、Pの炭素−炭素二重結合は、Y又はYの炭素原子に直接結合することがない)の意味を有し、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有する、
式(I)の化合物である。
【0066】
本発明の化合物は、当業者にとって周知の方法、例えばHouben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie, Thieme-Verlag, Stuttgartに記載されているものを用いて容易に調製することができる。化合物は、例えば、下記の反応スキームに従って調製することができ、これらの中で次の略号が使用される。
DIAD:ジイソプロピルアゾジカルボキシラート
TPP:トリフェニルホスフィン
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
Et3N:トリエチルアミン
BTSS:ビス−トリメチル−シリル−スルファート
DBU:1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデク−7−エン(1,5−5)
EDC:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
(PPh32PdCl2:ビス−トリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド
(PPh34Pd:テトラキス−トリフェニルホスフィンパラジウム
PPTS:ピリジニウムp−トルホンスルホナート
DCC:1,3−ジシクロへキシルカルボジイミド
DEAD:ジエチルアゾジカルボナート
HMPT:ヘキサメチルリン酸トリアミド
【0067】
【化28】

【0068】
【化29】

【0069】
【化30】

【0070】
【化31】

【0071】
【化32】

【0072】
【化33】

【0073】
【化34】

【0074】
【化35】

【0075】
【化36】

【0076】
【化37】

【0077】
【化38】

【0078】
【化39】

【0079】
【化40】

【0080】
【化41】

【0081】
【化42】

【0082】
【化43】

【0083】
重合可能な液晶混合物の成分として、本発明による化合物と一緒に使用することができる架橋可能な液晶化合物は、当業者に周知である。適切な化合物は、例えば、特許文献EP0331233、WO95/24454、US5,567,349、US5,650,534、WO00/04110、WO00/07975、WO00/48985、WO00/55110、WO00/63154に記載されている。
【0084】
本発明による添加剤成分を含む混合物に使用される、架橋可能な液晶化合物の少なくとも1種は、架橋できるように、化学構造中に少なくとも1つの重合可能な基を有する。架橋能を改善するために、2つ以上の重合可能な基が組み込まれた化合物、いわゆる架橋剤の添加を考慮することもできる。さらに、安定化目的のために、既知の安定剤、例えばフェノール誘導体を添加することができる。加えて、例えば、イルガキュア(登録商標)のような開始剤が、通常、反応混合物の一部である。
【0085】
液晶材料の適切な形態は、それが使用される用途に依存し、液晶混合物、(コ)ポリマー、エラストマー、ポリマーゲル又はポリマーネットワークとして存在することができる。ポリマーネットワークが特に有用であることが見い出され、本発明のさらなる好ましい態様において、式(I)の化合物の1種以上を含むポリマーネットワークが提供される。ポリマーネットワークは、少なくとも2つの成分を含み、そのうちの少なくとも1つは式(I)の添加剤成分である。
【0086】
ポリマーネットワークは、
i)1種以上のキラル及び/又はアキラルの重合可能なメソゲン化合物
ii)1種以上のキラル及び/又はアキラルの式(I)の添加剤成分
iii)開始剤
iv)場合により1種以上のキラル添加剤
v)場合により1種以上の染料
vi)場合により1種以上の架橋剤
vii)場合により1種以上の安定化剤
viii)場合により1種以上の可塑剤
を含むメソゲン混合物を重合させることにより調製することができる。
【0087】
キラル又はアキラルの重合可能なメソゲン化合物は、既知のメソゲン物質、例えば上記で参照されたもの及び他の物質からも選択することができる。好ましくは、キラル又はアキラルの重合可能な化合物は、サーモトロピック配列においてネマチック相を含む。
【0088】
ポリマーネットワークは、場合により、他の成分を含むことができる。上記で概説したとおり、これはさらなる重合可能な化合物、安定化剤及び染料を包含することができる。さらなる重合可能な化合物は、少なくとも1つの重合可能な官能基を有する可塑剤、又は少なくとも1つの重合可能な官能基(特にジアクリラート基)を有する架橋剤であることができる。
【0089】
例えば、混合物の貯蔵中におけるような、望ましくない自然発生的な重合を避ける、任意の適切な安定化剤を、本発明の液晶混合物で使用してもよい。これらの化合物の幅広い範囲を、商業的に入手することができる。典型的な例は、4−エトキシフェノール又は2、6−ジ−tert−ブチル4−メチルフェノール(BHT)を含む。
【0090】
カラーフィルタが求められる場合、混合物に染料を添加することができる。本発明の好ましい態様においては、本発明の液晶ポリマー混合物は染料を含まない。
【0091】
キラル又はアキラルの重合可能であり、架橋可能なメソゲン化合物は、液晶ポリマー混合物の0.01〜99重量%、好ましくは50〜95重量%の量で存在することができる。
【0092】
式(I)の添加剤成分は、液晶ポリマー混合物の0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%の量で存在することができる。
【0093】
開始剤は、好ましくは光開始剤であり、ラジカル又はカチオン性開始剤であることができ、液晶ポリマー混合物の0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量%の量で存在することができる。
【0094】
架橋可能な液晶化合物の混合物が、安定化剤をさらに含む場合、後者は、一般に、液晶混合物の0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%の量で存在することができる。
【0095】
これらの架橋可能である、重合可能な液晶混合物は、液晶ポリマー(LCP)フィルムを形成することができ、本発明のさらなる態様では、式(I)の化合物を含むLCPフィルムを提供する。LCPフィルムは、本発明の液晶ポリマー混合物のUV重合により、容易に調製することができ、本発明の液晶混合物を含むフィルムは、基材上に形成され、UV光線を用いて重合させて、架橋液晶ポリマー(LCP)フィルムを与える。フィルムは、光及び熱に曝された場合にも耐性であり、デバイス、例えば導波管、光学格子、フィルタ、リターダ、極剤、圧電性セル又は非線形の光学特性を示す薄膜の製造に使用することができる。
【0096】
上記の重合可能な液晶混合物から開始して、所望のLCPネットワークの形成のために、様々な方法を使用することができる。インジウムスズ酸化物(ITO)で被覆した、透明基材、例えばガラス又はプラスチック基材を使用してもよい。LCPフィルムの製造のためには、特に欠陥の形成及び不均質性を排除することが重要である。よって、好ましい基材は、例えば、ガラス又はプラスチック、特にラビングされたポリイミド若しくはポリアミド又は光配向したホトポリマー(LPP)の層を含む。上記の層は、液晶混合物の均一な配向を促進するのに使用される。均一な配向はまた、上記の基材上に、それ自体公知の標準的なコーティング方法を用いて、重合可能な液晶混合物を薄膜にし、そして得られたフィルムを小さな距離で、又はコーティングされた距離にわたって、均一な配向が得られるまで、せん断に付することによるか、あるいは、例えば、好ましくは光開始剤(例えばイルガキュア(登録商標))の存在下でのUV光での硬化の前に上記の基材2枚の間に、重合可能な液晶混合物を毛管現象により充填して達成することができる。
【0097】
本発明のさらなる態様では、式(I)の化合物を含むポリマーネットワーク又は液晶ポリマーフィルムを備えた、構築された、又はされていない光学的又は電気的光学的構造要素及び多層系を提供する。光学的又は電気的光学的構造要素は、導波管、光学格子、フィルタ、リターダ、圧電性セル又は非線形の光学セル若しくはフィルムであることができる。
【0098】
以下において、本発明を例1〜11を参照して説明する。本発明の範囲に入る、これらの例の変形は、当業者にとって明らかであろう。
【0099】
以下において使用される略号Tisoは、等方性の状態への転移が起こる温度を意味する。
【0100】
例1 添加剤No.1:(D,L)−{4−{〔4−({6−〔2−(アクリロイルオキシ)−1−メチルエトキシ〕−6−オキソへキシル}オキシ)ベンゾイル〕オキシ}−2−メチルフェニル4−({6−〔2−(アクリロイルオキシ)−1−メチルエトキシ〕−6−オキソへキシル}オキシ)ベンゾアートの調製
【0101】
【化44】

【0102】
a)4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)安息香酸:
【0103】
【化45】

【0104】
p−トルエンスルホン酸ピリジニウム1.98gを含むジエチルエーテル250ml中の4−ヒドロキシ安息香酸(13.81g)の氷冷した混合物に、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(16g)を滴下した。添加完了後、+8℃未満の温度で4時間、攪拌を継続し、白色沈殿を濾別し、+4℃に予備冷却したジエチルエーテル100mlで2回、洗浄し、乾燥させて、ほぼ純粋な4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)安息香酸を白色粉末として得た。
収量:15g
【0105】
b)4−〔(4−ヒドロキシベンゾイル)オキシ〕−2−メチルフェニル4−ヒドロキシベンゾアート:
【0106】
【化46】

【0107】
CHCl 100ml中の4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)安息香酸(4.44g)、2−メチルベンゼン−1,4−ジオール(1.2g)及びDMAP(0.12g)の溶液に、EDC(4g)を添加した。室温で6時間、攪拌後、反応混合物を短いシリカゲルカラムでCHClを溶離剤として用いて濾過した。得られたろ液を蒸発乾固させ、次いで、THF及びメタノールの混合物(15ml/70ml)中で、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム0.4gの存在下で、4時間、還流させた。その後、反応混合物をNaHCO 3gでクエンチして、セライト20gで濾過し、蒸発乾固させた。得られた白色固体をエタノール/HCl(2N)の混合物中で、30分間攪拌し、次いで、濾別し、水で洗浄し、乾燥させた。ほぼ純粋な4−〔(4−ヒドロキシベンゾイル)オキシ〕−2−メチルフェニル4−ヒドロキシベンゾアートを白色粉末として得た。
収量:4.8g
【0108】
c)2−〔(6−ブロモヘキサノイル)オキシ〕プロピルアクリラート:
【0109】
【化47】

【0110】
CHCl(30ml)中の6−ブロモへキサン酸(9.89g)、2−ヒドロキシプロピルアクリラート(6g)の0℃に冷却した混合物に、EDC(7.89g)を添加した。30分間攪拌後、反応混合物を、追加のCHCl 20mlで希釈し、室温で16時間、攪拌を継続した。その後、セライトで濾過し、濾液を蒸発乾固させた。得られたベージュ−黄色の残渣をシリカカラムクロマトグラフィーで精製し、透明な油状物として、ほぼ純粋な物質を得た。
収量:7.6g
【0111】
d)4−{〔4−({6−〔2−(アクリロイルオキシ)−1−メチルエトキシ〕−6−オキソへキシル}オキシ)ベンゾイル〕オキシ}−2−メチルフェニル4−({6−〔2−(アクリロイルオキシ)−1−メチルエトキシ〕−6−オキソへキシル}オキシ)ベンゾアート(添加剤No.1):
【0112】
【化48】

【0113】
2−ブタノン(40ml)中の2−〔(6−ブロモヘキサノイル)オキシ〕プロピルアクリラート(4.15g)、4−〔(4−ヒドロキシベンゾイル)オキシ〕−2−メチルフェニル4−ヒドロキシベンゾアート(2.24g)及びKCO(2.55g)の混合物を、一晩、100℃で加熱した。反応混合物をHCl 1N(50ml)へ注ぎ、ジエチルエーテル80mlで2回、抽出した。エーテル抽出物を、NaSOで乾燥させ、蒸発乾固させた。得られたペースト状の残渣をシリカカラムクロマトグラフィーで精製し、ほぼ純粋な4−{〔4−({6−〔2−(アクリロイルオキシ)−1−メチルエトキシ〕−6−オキソへキシル}オキシ)ベンゾイル〕オキシ}−2−メチルフェニル4−({6−〔2−(アクリロイルオキシ)−1−メチルエトキシ〕−6−オキソへキシル}オキシ)ベンゾアートを、やや黄色がかった油状物として得た。
収量:1.34g
iso:−38.2℃
【0114】
例2 添加剤No.2:(R,S)−2−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕プロピル2−メチルアクリラートの調製
【0115】
【化49】

【0116】
THF15ml中の4′−ヒドロキシ−1,1′−ビフェニル−4−カルボニトリル(1.95g)、2−ヒドロキシプロピル2−メチルアクリラート(1.45g)及びトリフェニルホスフィン(2.63g)の−25℃に冷却した混合物に、THF5ml中のDIAD(2.03g)の溶液を滴下した。添加完了後(15分)、反応混合物を、徐々に室温に到達させ、さらに8時間、攪拌し続けた。その後、得られた反応混合物を蒸発乾固させ、得られた橙色の残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。純粋な2−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕プロピル2−メチルアクリラートを、透明な油状物質として得た。
収量:2.4g
iso:−28.3℃
【0117】
例3 添加剤No.3:(2S)−2−メチルブチル2,5−ビス〔(4−{〔6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル〕オキシ}ベンゾイル)オキシ〕ベンゾアートの調製
【0118】
【化50】

【0119】
a)(2S)−2−メチルブチルメタンスルホナート:
【0120】
【化51】

【0121】
THF(50ml)中の(2S)−2−メチルブタン−1−オール(8.8g)及びトリエチルアミン(30ml)の−25℃に冷却した溶液に、THF(10ml)中のメタンスルホニルクロリド(1.14g)の溶液を滴下した。添加完了後(15分)、反応混合物を、−10℃で2時間、次いで0℃で30分間、さらに攪拌した。その後、セライトで濾過し、蒸発乾固させ、ほぼ純粋な(2S)−2−トリエチルブチルメタンスルホナートを黄色がかった油状物として得た。
収量:16.5g
【0122】
b)(2S)−2−メチルブチル2,5−ジヒドロキシベンゾアート:
【0123】
【化52】

【0124】
DMF(50ml)中の2,5−ジヒドロキシ安息香酸(15.4g)の溶液に、DBU(15.3ml)を滴下した.添加完了後(10分)、室温で30分間、攪拌を継続し、その後、DMF(20ml)中の(2S)−2−メチルブチルメタンスルホナート(16.4g)の溶液を滴下した。添加完了後(30分)、反応混合物を、80℃に6時間、加熱した。その後、室温まで冷却し、NaHCOの飽和溶液(200ml)に注ぎ、酢酸エチル(2x300ml)で抽出した。あわせた抽出物を、NaSOで乾燥させ、蒸発乾固させた。得られた暗色の油状の残渣をシリカゲルカラムで精製して、ほぼ純粋な(2S)−2−メチルブチル2,5−ジヒドロキシベンゾアートをベージュの油状物として得た。
収量:22g
【0125】
c)(2S)−2−メチルブチル2,5−ビス〔(4−{〔6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル〕オキシ}ベンゾイル)オキシ〕ベンゾアート(添加剤No.3):
【0126】
【化53】

【0127】
CHCl(30ml)中の4−{〔6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル〕オキシ}安息香酸(2.92g)、(2S)−2−メチルブチル2,5−ジヒドロキシベンゾアート(1.1g)、DMAP(0.24g)及びEDC(2g)からなる混合物を、室温で6時間、攪拌した。その後、黄色がかった反応混合物を蒸発乾固させ、得られたペースト状の残渣をシリカでのカラムクロマトグラフィーで精製して、約24時間保持してペースト状とし、ほぼ純粋な物質を透明な油状物として得た。
収量:3.2g
iso:33℃
【0128】
例4 添加剤No.4:(R,S)−2−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕プロピルアクリラートの調製
【0129】
【化54】

【0130】
THF400ml中の4′−ヒドロキシ−1,1′−ビフェニル−4−カルボニトリル(12g)、2−ヒドロキシプロピルアクリラート(10.4g)及びトリフェニルホスフィン(15.8g)の0℃に冷却した混合物に、DIAD(13.7g;13.1ml)を滴下した。添加完了後(15分)、反応混合物を、徐々に室温に到達させ、さらに70時間、攪拌し続けた。次いで、得られた反応混合物を蒸発乾固させて、得られた橙色の残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。これにより、純粋な2−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕プロピルアクリラートを透明な油状物質として得た。
収量:11.2g
iso:−28.1℃
【0131】
例5 添加剤No.5:(R,S)−2−〔4−(フェニルエチニル)フェノキシ〕プロピル2−メチルアクリラートの調製
【0132】
【化55】

【0133】
a)2−(4−ブロモフェノキシ)プロピル2−メチルアクリラート:
【0134】
【化56】

【0135】
例2と同じ調製手順に従って、THF50ml中の4−ヒドロキシブロモフェノール(4g)、2−ヒドロキシプロピル2−メチルアクリラート(3.33g)、トリフェニルホスフィン(6.06g)及びDIAD(4.69g)を用いて反応を行い、クロマトグラフィーによる精製後、薄い黄色の油状物として純粋な2−(4−ブロモフェノキシ)プロピル2−メチルアクリラートを得た。
収量:4.8g
【0136】
b)添加剤No.5:2−〔4−(フェニルエチニル)フェノキシ〕プロピル2−メチルアクリラート
トリエチルアミン(50ml)中の2−(4−ブロモフェノキシ)プロピル2−メチルアクリラート(2.99g)、エチニルベンゼン(1.2g)、Pd(PPh4(0.11g)、CuI(0.02g)からなる脱ガスした混合物を、窒素雰囲気下に保持し、5時間、還流させた。冷却した反応混合物をセライトで濾過し、濾液を蒸発乾固させた。得られた暗色の油状残渣をシリカのクロマトグラフィーで精製して、ほぼ純粋な2−〔4−(フェニルエチニル)フェノキシ〕プロピル2−メチルアクリラートを黄色がかった油状物として得た。
収量:0.71g
iso:−36.1℃
【0137】
例6 添加剤No.6:8−({2,5−ビス〔(4−{〔6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル〕オキシ}ベンゾイル)オキシ〕ベンゾイル}オキシ)オクチルテトラヒドロ−2−フランカルボキシラートの調製
【0138】
【化57】

【0139】
a)8−クロロオクチルテトラヒドロ−2−フランカルボキシラート:
【0140】
【化58】

【0141】
ジクロロメタン(100ml)中のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩(5.7g)の溶液を、ジクロロメタン(50ml)中の8−クロロ−1−オクタノール(4.1g)、テトラヒドロ−2−フランカルボン酸(3.5g)及び4−ジメチルアミノピリジン(1.5g)の溶液に0℃でゆっくり添加した。混合物を、一晩、室温で攪拌した。次いで、得られた溶液を水(500ml)に添加し、ジクロロメタン(3x200ml)で抽出した。あわせた有機層を、水(2x200ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、濾過した。溶媒を減圧下で除去した。残渣(7g)を、シリカゲルのカラムフラッシュクロマトグラフィーで、トルエン/酢酸エチル(90:10)を溶離剤として用いて精製して、8−クロロオクチルテトラヒドロ−2−フランカルボキシラートを得た。
収量:6.9g
【0142】
c)8−〔(2,5−ジヒドロキシベンゾイル)オキシ〕オクチルテトラヒドロ−2−フランカルボキシラート:
【0143】
【化59】

【0144】
2,5−ジヒドロキシ安息香酸(3.9g)、1,8−ジアゾビシクロ〔5.5.0〕ウンデク−7−エン(3.8g)、8−クロロオクチルテトラヒドロ−2−フランカルボキシラート(6.0g)、ヨウ化カリウム(30.2g)及びアセトニトリル(110ml)の混合物を加熱して、72時間、還流した。冷却した反応混合物を水(500ml)に添加し、酢酸エチル(3x100ml)で抽出した。あわせた有機層を、1N−塩酸(150ml)及び水(2x15ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去した。残渣(8.0g)を、シリカゲルのカラムフラッシュクロマトグラフィーで、トルエン/酢酸エチル(3:1)を溶離剤として用いて精製して、8−〔(2,5−ジヒドロキシベンゾイル)オキシ〕オクチルテトラヒドロ−2−フランカルボキシラートを無色の油状物として得た。
収量:7.2g
【0145】
d)8−({2,5−ビス〔(4−{〔6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル〕オキシ}ベンゾイル)オキシ〕ベンゾイル}オキシ)オクチルテトラヒドロ−2−フランカルボキシラート:
【0146】
【化60】

【0147】
ジクロロメタン(70ml)中のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩(3.8g)の溶液を、ジクロロメタン(60ml)中の8−〔(2,5ジヒドロキシベンゾイル)オキシ〕オクチルテトラヒドロ2−フランカルボキシラート(3.0g)、4−(6−アクリロイルヘキシルオキシ)安息香酸(5.8g)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.5g)の溶液に、0℃で、ゆっくり添加した。混合物を、一晩、室温で攪拌した。次いで、得られた溶液を水(350ml)に添加し、ジクロロメタン(3x150ml)で抽出した。あわせた有機層を、水(2x150ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を、減圧下で除去した。残渣(10.2g)を、シリカゲルのカラムフラッシュクロマトグラフィーで、溶離剤としてトルエン/酢酸エチル(83:17)を用いて精製して、8−({2,5−ビス〔(4−{〔6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル〕オキシ}ベンゾイル)オキシ〕ベンゾイル}オキシ)オクチルテトラヒドロ−2−フランカルボキシラートを得た。
収量:4.0g
iso:27℃
【0148】
例7 添加剤No.7:8−(2−フリルメトキシ)−8−オキソオクチル2,5−ビス〔(4−{〔6−アクリロイルオキシ〕ヘキシル}オキシ)ベンゾイル〕オキシ〕ベンゾアートの調製
【0149】
【化61】

【0150】
a)2−フリルメチル8−ブロモオクタノアート:
【0151】
【化62】

【0152】
ジクロロメタン(150ml)中のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩(7.3g)の溶液を、ジクロロメタン(50ml)中の2−フリルメタノール(2.9g)、8−ブロモオクタン酸(8.0g)及び4−ジメチルアミノピリジン(1.2g)の溶液に、0℃で、ゆっくり添加した。混合物を、一晩、室温で攪拌した。次いで、得られた溶液を、水(500ml)に添加し、ジクロロメタン(3x150ml)で抽出した。あわせた有機層を、水(2x200ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を、減圧下で除去した。残渣は、2−フリルメチル8−ブロモオクタノアートを与えた。
収量:7.8g
【0153】
b)8−(2−フリルメトキシ)−8−オキソオクチル2,5−ジヒドロキシベンゾアート:
【0154】
【化63】

【0155】
2,5−ジヒドロキシ安息香酸(4.8g)、1,8−ジアゾビシクロ〔5.5.0〕ウンデク−7−エン(4.7g)、2−フリルメチル8−ブロモオクタノアート(7.8g)及びアセトニトリル(150ml)の混合物を、18時間、還流下に加熱した。冷却した反応混合物を、水(500ml)に添加し、酢酸エチル(3x200ml)で抽出した。あわせた有機層を、1N塩酸(150ml)及び水(2x20ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去した。残渣(8.4g)を、シリカゲルのカラムフラッシュクロマトグラフィーで、溶離剤としてトルエン/酢酸エチル(5:1)を用いて精製して、8−(2−フリルメトキシ)−8−オキソオクチル2,5−ジヒドロキシベンゾアートを無色の油状物として得た。
収量:6.8g
【0156】
c)8−(2−フリルメトキシ)−8−オキソオクチル2,5−ビス〔(4−{〔6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル〕オキシ}ベンゾイル)オキシ〕ベンゾアート:
【0157】
【化64】

【0158】
ジクロロメタン(60ml)中のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩(4.8g)の溶液に、ジクロロメタン(150ml)中の8−(2−フリルメトキシ)−8−オキソオクチル2,5−ジヒドロキシベンゾアート(3.7g)、4−(6−アクリロイルヘキシルオキシ)安息香酸(7.3g)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.6g)の溶液を、0℃で、ゆっくり添加した。混合物を、一晩、室温で攪拌した。次いで、得られた溶液を、水(600ml)に添加し、ジクロロメタン(3x200ml)で抽出した。あわせた有機層を、水(2x200ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を、減圧下で除去した。残渣(10.4g)を、シリカゲルのカラムフラッシュクロマトグラフィーで、溶離剤としてトルエン/酢酸エチル(95:5)を用いて精製して、8−(2−フリルメトキシ)−8−オキソオクチル2,5−ビス〔(4−{〔6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル〕オキシ}ベンゾイル)オキシ〕ベンゾアートを得た。
収量:4.8g
iso:33.1℃
【0159】
例8 添加剤No.8:ヘプチル2,5−ビス{〔4−({6−オキソ−6−〔2−(ビニルオキシ)エトキシ〕ヘキシル}オキシ)ベンゾイル〕オキシ}ベンゾアートの調製
【0160】
【化65】

【0161】
a)ヘプチル2,5−ジヒドロキシベンゾアート:
【0162】
【化66】

【0163】
2,5−ジヒドロキシ安息香酸(28g)、1,8−ジアゾビシクロ〔5.5.0〕ウンデク−7−エン(27.6g)、1−ブロモ−ヘプタン(39g)及びアセトニトリル(380ml)の混合物を、18時間、還流下に加熱した。冷却した反応混合物を、水(1000ml)に添加し、酢酸エチル(3x400ml)で抽出した。あわせた有機層を、1N塩酸(300ml)及び水(2x400ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去した。残渣(40g)を、シリカゲルのカラムフラッシュクロマトグラフィーで、溶離剤としてトルエン/酢酸エチル(9:1)を用いて精製して、ヘプチル2,5−ジヒドロキシベンゾアートを得た。
収量:40g
【0164】
b)4−{〔6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキシル〕オキシ}安息香酸:
【0165】
【化67】

【0166】
3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(24.7g)の溶液を、ジエチルエーテル(440ml)中の4−〔(6−ヒドロキシヘキシル)オキシ〕安息香酸(35g)、トルエン−4−スルホン酸一水和物(1.8)の溶液に、室温で滴下し、室温で18時間、攪拌した。得られた混合物をHyflo Super Cel(FLUKA社)で濾過し、有機溶媒を減圧下に除去した。残渣(60g)を、シリカゲルのカラムフラッシュクロマトグラフィーで、溶離剤としてトルエン/酢酸エチル(1:1)を用いて精製して、酢酸エチル/へキサン(5:40)から結晶させた後、4−{〔6(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキシル〕オキシ}安息香酸を得た。
収量:32g
【0167】
c)ヘプチル2,5−ビス〔(4−{〔6−(テトラヒドロ2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキシル〕オキシ}ベンゾイル)オキシ〕ベンゾアート:
【0168】
【化68】

【0169】
ジクロロメタン(120ml)中のN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩(7.7g)の溶液を、ジクロロメタン(150ml)中のヘプチル2,5−ジヒドロキシベンゾアート(5g)、4−{〔6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキシル〕オキシ}安息香酸(16.0g)及び4−ジメチルアミノピリジン(1.2g)の溶液に、0℃でゆっくり添加した。混合物を、一晩、室温で攪拌した。次いで、得られた溶液を水(600ml)に添加し、ジクロロメタン(3x200ml)で抽出した。あわせた有機層を水(2x200ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を、減圧下で除去した。残渣(22.2g)をシリカゲルのカラムフラッシュクロマトグラフィーで、溶離剤としてトルエン/酢酸エチル(9:1)を用いて精製して、ヘプチル2,5−ビス〔(4−{〔6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキシル〕オキシ}ベンゾイル)オキシ〕ベンゾアートを得た。
収量:14.7g
【0170】
d)ヘプチル2,5−ビス({4−〔(6−ヒドロキシヘキシル)オキシ〕ベンゾイル}オキシ)ベンゾアート:
【0171】
【化69】

【0172】
ビス−(トリメチルシリル)スルファート(0.5g)を、メタノール(250ml)及びジクロロメタン(40ml)中のヘプチル2,5−ビス−({4−〔(6−ヒドロキシヘキシル)オキシ〕ベンゾイル}オキシ)ベンゾアート(14.7g)の溶液に添加した。反応混合物を還流下に、2時間、加熱した。冷却した反応混合物を水(700ml)に添加し、酢酸エチル(3x300ml)で抽出した。あわせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(2x200ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、残渣はヘプチル2,5−ビス({4−〔(6−ヒドロキシヘキシル)オキシ〕ベンゾイル}オキシ)ベンゾアートを与えた。
収量:9.7g
【0173】
e)6−〔4−({4−〔(5−カルボキシペンチル)オキシ〕ベンゾイル}オキシ)−2−〔(ヘプチルオキシ)カルボニル〕フェノキシ}カルボニル)フェノキシ〕へキサン酸:
【0174】
【化70】

【0175】
ヘプチル2,5−ビス({4−〔(6−ヒドロキシヘキシル)オキシ〕ベンゾイル}オキシ)ベンゾアート(7.2g)、炭酸水素ナトリウム(3.5)及び臭化カリウム(2.5g)を、ジクロロメタン(50ml)及び脱イオン水(50ml)に溶解させ、2相の反応混合物を0℃に冷却した。2,2,6,6,−テトラメチル−ピペリジン−1−オキシル(31mg)の添加後に、9.9%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(45g)を、激しい攪拌下に、0.5時間かけて、0℃で添加した。0℃で3時間、さらに攪拌した後、反応混合物を6N−塩酸で酸性化し、過剰な次亜塩素酸ナトリウムを亜硫酸水素ナトリウム水溶液で消去した。水層をジクロロメタン(2x100ml)で抽出し、両方の有機層を、10%ブライン(2x80ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を減圧下で除去し、残渣は、6−〔4−({4−〔(5−カルボキシペンチル)オキシ〕ベンゾイル}オキシ)−2−〔(ヘプチルオキシ)カルボニル〕フェノキシ}カルボニル)フェノキシ〕ヘキサン酸を与えた。
収量:4.0g
【0176】
f)ヘプチル2,5−ビス{〔4−({6−オキソ−6−〔2−(ビニルオキシ)エトキシ〕ヘキシル}オキシ)ベンゾイル〕オキシ}ベンゾアート:
【0177】
【化71】

【0178】
ジクロロメタン(20ml)中のN−(3−ジメチルアミノプロピル−N′−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.44g)の溶液を、ジクロロメタン(80ml)中の6−〔4−({4−〔(5−カルボキシペンチル)オキシ〕ベンゾイル}オキシ)−2−〔(ヘプチルオキシ)カルボニル〕フェノキシ〕カルボニルフェノキシ)へキサン酸(2.0g)、2−(ビニルオキシ)エタノール(0.6g)及び4−ジメチルアミノピリジン(0.17g)の溶液に、0℃で、ゆっくり添加した。混合物を、一晩、室温で攪拌した。次いで、得られた溶液を水(150ml)に添加し、ジクロロメタン(2x60mt)で抽出した。あわせた有機層を水(2x60ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。溶媒を、減圧下で除去した。残渣(2.1g)をシリカゲルのカラムフラッシュクロマトグラフィーで、溶離剤としてトルエン/酢酸エチル(92:8)を用いて精製して、ヘプチル2,5−ビス{〔4−({6−オキソ−6−〔2−(ビニルオキシ)エトキシ〕ヘキシル}オキシ)ベンゾイル〕オキシ}ベンゾアートを得た。
収率:0.3g
iso:10.2℃
【0179】
LCPフィルム製造を改善するために式(I)の化合物を用いることの利点が、下記の例において、比較により示されている。
【0180】
LCP層の配向のために、光配向(LPP)層が使用された。これらの光配向層は、直線光重合性アライニング(LPP)技術の適用を通して得られた(直線光重合に適切なLPP混合物の非接触性のアライメント、偏光を使用)。
【0181】
以下で使用されるLPP層は、下記手順によって調製された。洗浄されたガラス基板を、Staralign2110(LPP混合物、Vantico社から商業的に入手可能)の2〜3%シクロペンタノン溶液で被覆した。溶液は、2000rpmの速度でスピンコーティングし、約40nmのポリマー薄層が得られた。次いで、層を180℃で10分間、アニールし、その後、UVB直線偏向光(約1J/cm2)を照射した。
【0182】
例9 本発明の添加剤成分に起因する配向の促進の実証
a)以下の重合可能なコレステリック混合物(I)を配合した。
・4%のキラル化合物LC756(BASF社より商業的に入手可能)
・95%のLCP化合物LC242(BASF社より商業的に入手可能)
・1%のイルガキュア184(光開始剤、Ciba社より商業的に入手可能)
【0183】
上記のホスト混合物は、本発明の添加剤化合物を含まず、よって比較例として使用された。
【0184】
混合物を、Anisole(Merck社)(50重量%)に溶解させ、上記に示したLPP配向層を備えたガラス基板上にスピンコーティングした。スピンコーティングのパラメータは700rpm/1分間であり、4.5μmの厚さの層が得られた。次いで、サンプルを85℃に加熱して、残存する溶媒を蒸発させた。
【0185】
この処理は、転傾線(disclination line)の密な網をもつポリドメインフィルムを生成し、強い散乱テクスチャをもたらした。これらの転傾線は、アニール中に減り、黄色が表れた。しかし、15分間のアニール後においても、層に強い散乱が残存した。
【0186】
b)次の実験では、混合物(I)の95%LC242成分を、85%LC242及び10%の添加剤No.2:(R,S)−2−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕プロピル2−メチルアクリラート(例2)で置き換え、その一方で、他の化合物の濃度を一定に保持した。次いで、以下の9a)に記載する処理を繰り返した。
【0187】
このケースでは、転傾線は、アニールの間にゆっくり消えて、緑の回折バンドが現れた。5分後、フィルムは単に弱く散乱し、典型的な回折バンドを示した。
【0188】
c)さらなる実験では、9b)で記載された上記の混合物で使用された、10%の添加剤No.2を、10%の添加剤No.4:(R,S)−2−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕プロピルアクリラート(例4)で置き換え、その一方で、他の化合物の濃度を一定に保った。再び、9a)の処理を繰り返した。5μmの層が得られた。6分後、層は配向し、単に弱く散乱する赤い回折バンドを示した。
【0189】
d)さらなる実験では、9b)で記載された上記の混合物で使用された、10%の添加剤No.2を、10%の添加剤No.3:(2S)−2−メチルブチル2,5−ビス〔(4−{〔6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル〕オキシ}ベンゾイル)オキシ〕ベンゾアート(例3)で置き換え、その一方で、他の化合物の濃度を一定に保った。再び、9a)の処理を繰り返した。5.1μmの厚みの層が得られた。約1分後、層は、ほぼ完全に配向し、いくつかの良好に分離した転傾線をもつ、コレステリックなモノドメインを示した。回折バンドは、588nm付近を中心としていた。
【0190】
e)さらなる実験では、9b)で記載された上記の混合物で使用された、10%の添加剤No.2を、10%の添加剤No.1:(D,L)−4−{〔4−({6−〔2−(アクリロイルオキシ)エトキシ〕−6−オキソへキシル}オキシ)ベンゾイル〕オキシ}−2−メチルフェニル4−({6−〔2−(アクリロイルオキシ)エトキシ〕−6−オキソへキシル}オキシ)ベンゾアート(例1)で置き換え、その一方で、他の化合物の濃度を一定に保った。再び、9a)の処理を繰り返した。5.9μmの厚みの層が得られた。約5分後、層は、ほぼ完全に配向し、いくつかの良好に分離した転傾線をもつ、コレステリックなモノドメインを示した。回折バンドは、605nm付近を中心としていた。
【0191】
f)さらなる実験では、9b)で記載された上記の混合物で使用された、10%の添加剤No.2を、10%の添加剤No.5:(R,S)−2−〔4−(フェニルエチニル)フェノキシ〕プロピル2−メチルアクリラート(例5)で置き換え、その一方で、他の化合物の濃度を一定に保った。再び、9a)の処理を繰り返した。5.4μmの厚みの層が得られた。約1分後、層は、ほぼ完全に配向し、いくつかの良好に分離した転傾線をもつ、コレステリックなモノドメインを示した。回折バンドは、590nm付近を中心としていた。
【0192】
g)さらなる実験では、混合物(I)の95%のLC242成分を、93%のLC242及び2%の添加剤No.6:8−({2,5−ビス〔(4−{〔6−(アクリロイルオキシ)ヘキシル〕オキシ}ベンゾイル)オキシ〕ベンゾイル}オキシ)オクチルテトラヒドロ−2−フランカルボキシラート(例6)で置き換え、その一方で、他の化合物の濃度を一定に保った。再び、9a)の処理を繰り返した。6.2μmの厚みの層が得られた。約20秒後、層は配向し、弱く散乱する赤い回線バンドを示した。3分後、転傾線は消失した。
【0193】
h)さらなる実験では、9b)で記載された上記の混合物で使用された、10%の添加剤No.2を、10%の添加剤No.7:8−(2−フリルメトキシ)−8−オキソオクチル2,5−ビス〔(4−{〔6−アクリロイルオキシ〕ヘキシル}オキシ}ベンゾイル〕オキシ〕ベンゾアート(例7)で置き換え、その一方で、他の化合物の濃度を一定に保った。再び、9a)の処理を繰り返した。6.1μmの厚みの層が得られた。約6分後、層は、ほぼ完全に配向し、弱く散乱する緑色の回折バンドを示した。
【0194】
i)さらなる実験では、混合物(I)の95%のLC242成分を、93%のLC242及び2%の添加剤No.8:ヘプチル2,5−ビス{〔4−({6−オキソ−6−〔2−(ビニルオキシ)エトキシ〕ヘキシル}オキシ)ベンゾイル〕−オキシ}ベンゾアート(例8)で置き換え、その一方で、他の化合物の濃度を一定に保った。しかし、添加剤No.8を2%添加しただけで、約1分後に、すでに層が配向を開始し、約5分後に弱い散乱テクスチャを構成した(よって、例9aよりも顕著に優位である)。
【0195】
例10 本発明の添加剤成分に起因するフィルムの品質の改善の実証
a)以下の重合可能なコレステリック混合物(II)を配合した。
・13%の1,2−ビス−{2,5−ビス−〔4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ〕安息香酸}ジイソプロピルL−酒石酸エステル(WO01/47862、例1に記載)
・86%の10−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕デシル2,5−ビス−〔4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ〕ベンゾアート(WO00/55110、例1と類似の製造方法)
・1%のイルガキュア184(光開始剤、Ciba社より商業的に入手可能)
【0196】
上記のホスト混合物は、本発明の添加剤化合物を含まず、よって比較例として用いた。
【0197】
混合物を、Anisole(Merck社)(42重量%)に溶解させ、上記に示したLPP配向層を設けたガラス基板上に、スピンコートした。スピンコートのパラメータは、700rpm/分であり、4.0μmの厚みの層が得られた。次いで、サンプルを82℃に加熱し、残存する溶媒を蒸発させた。
【0198】
この処理は、転傾線の密な網をもつポリドメインフィルムを生成し、強い散乱テクスチャをもたらした。アニールの間に、これらの転傾線は減少したが、約15分後になっても、完全には消失しなかった。フィルムは、コレステリックな長いピッチの回折バンドを850nm付近に示した。
【0199】
b)次の実験では、混合物(II)の86%のLCP化合物10−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕デシル2,5−ビス−〔4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ〕ベンゾアートを、76%のLCP化合物10−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕デシル2,5−ビス−〔4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ〕ベンゾアート及び10%の添加剤No.2:(R,S)−2−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕プロピル2−メチルアクリラート(例2)で置き換え、その一方で、他の化合物の濃度を一定に保った。次いで、上記の10a)の処理を繰り返した。
【0200】
このケースでは、透明な弱い散乱フィルムが、3分以内に生成し、650nm付近に赤い回折バンドを示した。
【0201】
c)以下の重合可能なコレステリック混合物(III)を配合した。
・11%の1,2−ビス−{2,5−ビス−〔4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ〕安息香酸}ジイソプロピルL−酒石酸エステル(WO01/47862、例1に記載)
・62%の10−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕デシル2,5−ビス−〔4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ〕ベンゾアート(WO00/55110に記載、例1と類似の製造方法)
・26%のLCP化合物LC242(BASF社より商業的に入手可能)
・1%のイルガキュア184(光開始剤、Ciba社より商業的に入手可能)
【0202】
上記のホスト混合物は、本発明の添加剤化合物を含まず、よって比較例として用いた。
【0203】
混合物を、Anisole(Merck社)(50重量%)に溶解させ、上記に示したLPP配向層を設けたガラス基板上に、スピンコートした。スピンコートのパラメータは、700rpm/分であり、4.0μmの厚みの層が得られた。次いで、サンプルを82℃に加熱し、残存する溶媒を蒸発させた。
【0204】
この処理は、転傾線の密な網をもつポリドメインフィルムを生成し、強い散乱テクスチャをもたらした。アニールの間に、これらの転傾線は減少したが、約15分後になっても、完全には消失しなかった。760nm付近に長いピッチの回折バンドが生成した。
【0205】
d)次の実験では、62%のLCP化合物10−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕デシル2,5−ビス−〔4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ〕ベンゾアートを、52%のLCP化合物10−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕デシル2,5−ビス−〔4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ〕ベンゾアート及び10%の添加剤No.2:(R,S)−2−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕プロピル2−メチルアクリラート(例2)で置き換え、その一方で、他の化合物の濃度を一定に保った。次いで、上記の10c)の処理を繰り返した。
【0206】
このケースでは、透明な弱い散乱フィルムが、3分以内に生成し、650nm付近に赤い回折バンドを示した。
【0207】
例11 本発明の添加剤成分に起因する成分の相溶性の改善の立証
a)以下の重合可能なコレステリック混合物(IV)を配合した。
・10%の1,2−ビス−{2,5−ビス−〔4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ〕安息香酸}ジイソプロピルL−酒石酸エステル(WO01/47862、例1に記載)
・89%のLCP化合物LC242(BASF社より商業的に入手可能)
・1%のイルガキュア184(光開始剤、Ciba社より商業的に入手可能)
【0208】
上記のホスト混合物は、本発明の添加剤化合物を含まず、よって比較例として用いた。
【0209】
混合物を、Anisole(Merck社)(50重量%)に溶解させ、上記に示したLPP配向層を設けたガラス基板上に、スピンコートした。スピンコートのパラメータは、700rpm/分であり、4.5μmの厚みの層が得られた。次いで、サンプルを85℃に加熱し、残存する溶媒を蒸発させた。
【0210】
この処理は、転傾線の密な網をもつポリドメインフィルムを生成し、強い散乱テクスチャをもたらした。アニールの間に、これらの転傾線はゆっくりと消え、約5分後にほぼ完全に消失した。処理により、緑の回折バンドを示す、弱い散乱フィルムが得られた。次いで、サンプルを、室温まで冷却した後、フィルムが均一に配向し続けていることを確認した。次にサンプルに、UV光(窒素雰囲気下、5mW、約360nm、5分間)を照射し、配向を架橋により固定した。この処理の後、サンプルは、重合によって誘導された相分離に起因して、光を散乱した。
【0211】
b)次の実験では、混合物(IV)の89%のLC242成分を、79%のLC242及び10%の添加剤No.2:(R,S)−2−〔(4′−シアノ−1,1′−ビフェニル−4−イル)オキシ〕プロピル2−メチルアクリラート(例2)で置き換え、その一方で、他の化合物の濃度を一定に保った。次いで、上記の11a)の処理を繰り返した。
【0212】
このケースでは、相分離は観測されなかった。これは、添加剤No.2の添加が、異なる成分の相溶性(本例の場合、キラル化合物1,2−ビス−{2,5−ビス−〔4−(6−アクリロイルオキシヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ〕安息香酸}ジイソプロピルL−酒石酸エステルとLCP化合物LC242の相溶性)を改善することを明確に示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)少なくとも1つの架橋可能な液晶化合物を含む架橋可能な液晶ホストと、
ii)少なくとも1つのキラル又はアキラルの棒状の添加剤成分(ここで、添加剤成分は、剛直なコアを有し、少なくとも2つの縮合又は結合した、場合により置換されている、非芳香族、芳香族、炭素環又はヘテロ環の基を含み、そしてまた、少なくとも1つの場合により置換されているアルキル残基及び少なくとも1つの重合可能な基を含み、40℃以下の等方性の状態への転移温度を有する)と、
を含む、架橋可能なメソゲン混合物。
【請求項2】
添加剤成分が、20℃以下の等方性の状態への転移温度を有する、請求項1記載の混合物。
【請求項3】
添加剤成分が、0℃以下の等方性の状態への転移温度を有する、請求項1記載の混合物。
【請求項4】
30℃以上の透明点を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の混合物。
【請求項5】
50℃以上の透明点を有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の混合物。
【請求項6】
液晶ホストが50℃以上の透明点を有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の混合物。
【請求項7】
添加剤成分が、式(I):
【化1】


〔ここで、
〜Aは、互いに独立して、水素であるか、極性基、例えばニトロ、シアノ、ハロゲンであるか、場合により置換されているメチル基であるか、又は場合により置換されている炭素原子2〜40個の炭化水素基(ここで、1つ以上の炭素原子は、酸素原子が互いに結合していないようにしてヘテロ原子で置き換えられていてもよい)であるが、ただし、A〜Aの少なくとも1つは、重合可能な基を含み、
〜Cは、互いに独立して、場合により置換されている、非芳香族、芳香族、炭素環又はヘテロ環基であり、好ましくはブリッジ基Z〜Zを介して反対の位置で互いに連結しており、
〜Zは、互いに独立して、−CH(OH)−、−CO−、−CH2(CO)−、−SO−、−CH2(SO)−、−SO2−、−CH2(SO2)−、−COO−、−OCO−、−COCF2−、−CF2CO−、−S−CO−、−CO−S−、−SOO−、−OSO−、−SOS−、−CH2−CH2−、−OCH2−、CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=N−、−C(CH3)=N−、−N=N−又は共有単結合であり、
a1、a2及びa3は、互いに独立して、1≦a1+a2+a3≦3であるような、0〜3の整数であるが、
ただし、配列:
【化2】


は、棒状の添加剤成分の長分子軸を表すものとする〕
の化合物である、請求項1〜6のいずれか1項記載の混合物。
【請求項8】
添加剤成分が、式(I)の化合物であり、A〜Aの少なくとも1つが、式(II)の残基:
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又はCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−、CH2=C(Ph)−COO−、CH2=CH−COO−Ph−、CH2=CW−CO−NH−、CH2=C(Ph)−CONH−、CH2=C(COOR′)−CH2−COO−、CH2=CH−OOC−、(Ph)−CH=CH−、CH3−CH=N−(CH2m1−、HO−、HS−、HO−(CH2m1−、HS−(CH2m1−、HO(CH2m1COO−、HS(CH2m1COO−、HWN−、HOC(O)−、CH2=CH−Ph−(O)m2
【化3】


(ここで、
Wは、H、F、Cl、Br若しくはIであるか、又はC1−6アルキル基であり、
m1は、1〜9の値を有する整数であり、
m2は、0又は1の値を有する整数であり、
R′は、C−Cアルキル基であり、
R″は、C−Cアルキル基、メトキシ、シアノ、F、Cl、Br又はIである)からなる群より選択される重合可能な基であり、
Spは、場合により置換されている直鎖又は分岐鎖のC−C30アルキレン基(ここで、1つ以上の−CH2−基は、ヘテロ原子及び/若しくは極性基によって置き換えられていてもよく、並びに/又は場合により1つ以上の炭素−炭素単結合は、炭素−炭素二重結合若しくは三重結合で置き換えられることができる)であり、
kは、0〜4の値を有する整数であり、
Xは、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CH(OH)−、−CO−、−CH2(CO)−、−SO−、−CH2(SO)−、−SO2−、−CH2(SO2)−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−SOO−、−OSO−、−SOS−、−CH2−CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、
tは、0又は1の値を有する整数である〕
から選択される重合可能な基を含む、請求項7記載の混合物。
【請求項9】
式(I)のA〜Aの少なくとも1つが、式(II)の基:
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−又は
【化4】


(ここで、
Wは、H、CH3、F、Cl、Br又はIであり、
R″は、C−Cアルキル基、メトキシ、シアノ、F、Cl、Br又はIである)であり、
Spは、直鎖又は分岐鎖のC−C22アルキレン基(ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH(OH)−、−SO2−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、−(CF2r−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、rは、1〜10の間の整数である)であり、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕
である、請求項7〜8のいずれか1項記載の混合物。
【請求項10】
〜Cが、好ましくは、式:
【化5】


(ここで、
Lは、−CH3、−COCH3、−NO2、−CN又はハロゲンであり、
u1は、0、1、2、3又は4であり、
u2は、0、1、2又は3であり、
u3は、0、1又は2である)
から選択される、請求項7〜9のいずれか1項記載の混合物。
【請求項11】
〜Cが、場合により置換されている、シクロへキシル若しくはシクロへキシレン、フェニル若しくはフェニレン、ナフチル若しくはナフチレン、又はフェナントリル若しくはフェナントリレンから選択され、
〜Aが、互いに独立して、水素であるか、極性基、例えばシアノ、ニトロ、ハロゲンであるか、又は式(II)の基:
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−若しくは
【化6】


(ここで、
Wは、H、CH3、F、Cl、Br又はIであり、
R″は、C−Cアルキル基、メトキシ、シアノ、F、Cl、Br又はIである)であり、
Spは、直鎖又は分岐鎖のC−C22アルキレン基(ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH(OH)−、−SO2−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、−(CF2r−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、rは、1〜10の間の整数である)であり、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕であるが、
ただし、A〜Aの少なくとも1つは、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−又は
【化7】


(ここで、
Wは、H、CH3、F、Cl、Br又はIであり、
R″は、C−Cアルキル基、メトキシ、シアノ、F、Cl、Br又はIである)であるものとする
請求項7〜10のいずれか1項記載の混合物。
【請求項12】
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により、少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
は、水素である、
請求項7〜11のいずれか1項記載の混合物。
【請求項13】
が、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により少なくとも1つのオキソカルボニル基を含む、分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−又はCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、水素である、
請求項7〜12いずれか1項記載の混合物。
【請求項14】
が、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−又はCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、水素である、
請求項7〜13のいずれか1項記載の混合物。
【請求項15】
が、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−又はCH2=CW−COO−、(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、水素である、
請求項7〜14のいずれか1項記載の混合物。
【請求項16】
及びAが、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−又はCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、水素である、
請求項7〜15のいずれか1項記載の混合物。
【請求項17】
〜Aの少なくとも1つが、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、式(III):
【化8】


(ここで、
及びYは、互いに独立して、−OCO−又は−COO−を表し、
は、C又はCHを表し、
及びRは、互いに独立して、水素であるか、又はC1−12アルキル残基、好ましくはC−Cアルキル残基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル若しくはイソプロピル残基であり、
n1、n2、n3及びn4は、独立して、0≦n1+n2+n3+n4≦15であるような、0〜15の整数であり、
m1、m2及びm3は、独立して、1≦m1+m2+m3≦3であるような、0〜3の整数であり、
ここで、式(III)の炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−又は−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、Pの炭素−炭素二重結合は、Y又はYの炭素原子に直接結合することはない)の意味を有し、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有する、
請求項7〜16のいずれか1項記載の混合物。
【請求項18】
〜Aの少なくとも1つが、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、式(III):
【化9】


(ここで、
及びYは、互いに独立して、−OCO−又は−COO−を表し、
は、C又はCHを表し、
は、水素であり、
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシル基であり、最も好ましくは、メチル又はエチル基であり、
n1、n2、n3及びn4は、独立して、0≦n1+n2+n3+n4≦15であるような、0〜15の整数であり、
m1、m2及びm3は、独立して、1≦m1+m2+m3≦3であるような、0〜3の整数であり、
ここで、式(III)の炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−又は−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、Pの炭素−炭素二重結合は、Y又はYの炭素原子に直接結合することはない)の意味を有し、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有する、
請求項7〜17のいずれか1項記載の混合物。
【請求項19】
架橋剤、安定剤、開始剤、染料、他のキラル又はアキラル添加剤及び可塑剤のような更なる剤を含む、請求項1〜18のいずれか1項記載の混合物。
【請求項20】
エラストマー、ポリマーゲル、ポリマーネットワーク又はポリマーフィルムの形態である、請求項1〜19のいずれか1項記載の混合物。
【請求項21】
剛直なコアを有し、少なくとも2つの縮合又は結合した、場合により置換されている、非芳香族、芳香族、炭素環又はヘテロ環の基を含み、そしてまた、少なくとも1つの場合により置換されているアルキル残基及び少なくとも1つの重合可能な基を含み、40℃以下の等方性の状態への転移温度を有する、キラル又はアキラルの棒状の化合物。
【請求項22】
20℃以下の等方性の状態への転移温度を有する、請求項21記載の化合物。
【請求項23】
0℃以下の等方性の状態への転移温度を有する、請求項21又は22記載の化合物。
【請求項24】
式(I):
【化10】


〔ここで、
〜Aは、互いに独立して、水素であるか、極性基、例えばニトロ、シアノ、ハロゲンであるか、場合により置換されているメチル基であるか、又は場合により置換されている炭素原子2〜40個の炭化水素基(その1つ以上の炭素原子は、ヘテロ原子で置き換えられていてもよく、酸素原子は互いに結合することのないようにする)であるが、ただし、A〜Aの少なくとも1つは、重合可能な基を含み、
〜Cは、互いに独立して、場合により置換されている、非芳香族、芳香族、炭素環又はヘテロ環基であり、好ましくは、ブリッジ基Z〜Zを介して、反対の位置で互いに連結しており、
〜Zは、互いに独立して、−CH(OH)−、−CO−、−CH2(CO)−、−SO−、−CH2(SO)−、−SO2−、−CH2(SO2)−、−COO−、−OCO−、−COCF2−、−CF2CO−、−S−CO−、−CO−S−、−SOO−、−OSO−、−SOS−、−CH2−CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CH=N−、−C(CH3)=N−、−N=N−又は共有単結合であり、
a1、a2及びa3は、互いに独立して、1≦a1+a2+a3≦3であるような、0〜3の整数であり、
ただし、配列:
【化11】


は、棒状の添加剤成分の長分子軸を表す)〕
で示される請求項21〜23のいずれか1項記載の化合物。
【請求項25】
〜Aの少なくとも1つが、式(II)の残基:
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又はCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−、CH2=C(Ph)−COO−、CH2=CH−COO−Ph−、CH2=CW−CO−NH−、CH2=C(Ph)−CONH−、CH2=C(COOR′)−CH2−COO−、CH2=CH−OOC−、(Ph)−CH=CH−、CH3−CH=N−(CH2m1−、HO−、HS−、HO−(CH2m1−、HS−(CH2m1−、HO(CH2m1COO−、HS(CH2m1COO−、HWN−、HOC(O)−、CH2=CH−Ph−(O)m2
【化12】


(ここで、
Wは、H、F、Cl、Br若しくはI又はC−Cアルキル基であり、
m1は、1〜9の値を有する整数であり、
m2は、0又は1の値を有する整数であり、
R′は、C−Cアルキル基であり、
R″は、C−Cアルキル基、メトキシ、シアノ、F、Cl、Br又はIである)であり、
Spは、場合により置換されている直鎖又は分岐鎖のC−C30アルキレン基(ここで、1つ以上の−CH2−基は、ヘテロ原子及び/若しくは極性基によって置き換えられていてもよく、並びに/又は場合により1つ以上の炭素−炭素単結合は、炭素−炭素二重結合若しくは三重結合で置き換えられていることができる)であり、
kは、0〜4の値を有する整数であり、
Xは、−O−、−S−、−NH−、−N(CH3)−、−CH(OH)−、−CO−、−CH2(CO)−、−SO−、−CH2(SO)−、−SO2−、−CH2(SO2)−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−SOO−、−OSO−、−SOS−、−CH2−CH2−、−OCH2−、−CH2O−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、
tは、0又は1の値を有する整数である〕
から選択される重合可能な基を含む、請求項24記載の化合物。
【請求項26】
式(I)のA〜Aの少なくとも1つが、式(II)の基:
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−又は
【化13】


(ここで、
Wは、H、CH3、F、Cl、Br又はIであり、
R″は、C−Cアルキル基、メトキシ、シアノ、F、Cl、Br又はIである)であり、
Spは、直鎖又は分岐鎖のC−C22アルキレン基(ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH(OH)−、−SO2−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、−(CF2r−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、rは、1〜10の間の整数である)であり、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕である、
請求項24〜25のいずれか1項記載の化合物。
【請求項27】
〜Cが、好ましくは、式:
【化14】


(ここで、
Lは、−CH3、−COCH3、−NO2、−CN又はハロゲンであり、
u1は、0、1、2、3又は4であり、
u2は、0、1、2又は3であり、
u3は、0、1又は2である)
から選択される、請求項24〜26のいずれか1項記載の化合物。
【請求項28】
〜Cが、場合により置換されている、シクロへキシル若しくはシクロへキシレン、フェニル若しくはフェニレン、ナフチル若しくはナフチレン、又はフェナントリル若しくはフェナントリレンから選択され、
〜Aが、互いに独立して、水素であるか、極性基、例えばシアノ、ニトロ、ハロゲンであるか、又は式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−若しくは
【化15】


(ここで、
Wは、H、CH3、F、Cl、Br又はIであり、
R″は、C−Cアルキル基、メトキシ、シアノ、F、Cl、Br又はIである)であり、
Spは、直鎖又は分岐鎖のC−C22アルキレン基(ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH(OH)−、−SO2−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−CH=CH−、−C≡C−、−(CF2r−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、rは、1〜10の間の整数である)であり、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1であるが、
ただし、A〜Aの少なくとも1つは、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−又は
【化16】


(ここで、
Wは、H、CH3、F、Cl、Br又はIであり、
R″は、C−Cアルキル基、メトキシ、シアノ、F、Cl、Br又はIである〕
である、請求項24〜27のいずれか1項記載の化合物。
【請求項29】
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−、CH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
が、水素である
請求項24〜28のいずれか1項記載の化合物。
【請求項30】
が、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=W−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−又はCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、水素である、
請求項24〜29のいずれか1項記載の化合物。
【請求項31】
が、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=W−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−、又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−又はCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、水素である、
請求項24〜30のいずれか1項記載の化合物。
【請求項32】
が、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=W−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−又はCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、水素である、
請求項24〜31のいずれか1項記載の化合物。
【請求項33】
及びAが、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、場合により少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、分岐鎖のC−C16アルキレン基であるか、又は少なくとも1つのオキソカルボニル若しくはカルボニルオキシ基を含む、直鎖のC−C16アルキレン基であり、ここで、炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−、−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、2つの酸素原子が互いに直接結合することはなく、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有し、
が、重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−又はCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)を含み、
が、水素である、
請求項24〜32のいずれか1項記載の化合物。
【請求項34】
〜Aの少なくとも1つが、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、式(III):
【化17】


(ここで、
及びYは、互いに独立して、−OCO−又は−COO−を表し、
は、C又はCHを表し、
及びRは、互いに独立して、水素であるか、又はC1−12アルキル残基、好ましくはC−Cアルキル残基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル又はイソプロピル残基を表し、
n1、n2、n3及びn4は、独立して、0≦n1+n2+n3+n4≦15であるような、0〜15の整数であり、
m1、m2及びm3は、独立して、1≦m1+m2+m3≦3であるような、0〜3の整数であり、
ここで、式(III)の炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−又は−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、Pの炭素−炭素二重結合は、Y又はYの炭素原子に直接結合することはない)の意味を有し、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有する、
請求項24〜33のいずれか1項記載の化合物。
【請求項35】
〜Aの少なくとも1つが、式(II):
P−(Sp)−(X)− (II)
〔ここで、
Pは、水素であるか、又は重合可能な基、例えばCH2=CW−、CH2=CW−O−若しくはCH2=CW−COO−(ここで、Wは、H又はCH3である)であり、
Spは、式(III):
【化18】


(ここで、
及びYは、互いに独立して、−OCO−又は−COO−を表し、
は、C又はCHを表し、
は、水素であり、
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシル基であり、最も好ましくは、メチル又はエチル基であり、
n1、n2、n3及びn4は、独立して、0≦n1+n2+n3+n4≦15であるような、0〜15の整数であり、
m1、m2及びm3は、独立して、1≦m1+m2+m3≦3であるような、0〜3の整数であり、
ここで、式(III)の炭化水素鎖に存在する1つ以上の−CH2−基は、独立して、−O−、−CH=CH−又は−C≡C−から選択される1つ以上の基によって置き換えられていてもよいが、ただし、Pの炭素−炭素二重結合は、Y又はYの炭素原子に直接結合することはない)の意味を有し、
kは、1であり、
Xは、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であり、より好ましくは、−O−、−COO−、−OCO−又は単結合であり、
tは、1である〕の意味を有する、
請求項24〜34のいずれか1項記載の化合物。
【請求項36】
請求項1〜20のいずれか1項記載のメソゲンポリマー混合物の製造のための、請求項21〜35のいずれか1項記載のキラル又はアキラルの棒状の化合物の使用。
【請求項37】
請求項1〜20のいずれか1項記載の混合物から製造される、ポリマーネットワーク。
【請求項38】
請求項1〜20のいずれか1項記載の混合物から製造される、液晶ポリマーフィルム。
【請求項39】
非構造化又は構造化された光学的及び電気的光学的部品及び多層システムの製造のための、請求項37記載のポリマーネットワーク又は請求項38記載の液晶ポリマーフィルムの使用。
【請求項40】
エラストマー、ポリマーゲル、ポリマーネットワーク又はポリマーフィルムの製造のための、請求項1〜20のいずれか1項記載の混合物の使用。
【請求項41】
導波管、光学格子、フィルタ、リターダ、偏光子、圧電性セル又は非線形の光学特性を示す薄膜のようなデバイス製造のための、請求項37記載のポリマーネットワーク又は請求項38記載の液晶ポリマーフィルムの使用。
【請求項42】
請求項37記載のポリマーネットワーク又は請求項38記載の液晶ポリマーフィルムを含む、光学的又は電気的光学的部品。

【公表番号】特表2007−522267(P2007−522267A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541779(P2006−541779)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000709
【国際公開番号】WO2005/054406
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(596098438)ロリク アーゲー (22)
【氏名又は名称原語表記】ROLIC AG
【Fターム(参考)】