説明

液晶表示装置及びその駆動方法

【課題】残像(混色)現象を解消することで表示品質を向上でき、また動画表示の品質を改善する。
【解決手段】画素部内の全ての画素14内の転送容量Ctに全画面の画素データが保持された直後に、リセット電圧制御用配線rstを介して印加されるリセット電圧によりトランジスタTr3をオンとし、リセット電圧設定用配線rsvを介して供給される黒側電圧を配線容量Cpに供給して保持させる。黒側電圧が配線容量Cpに保持された期間後で、トランジスタTr3がオフとされ、かつ、次の画面の画素データが複数の列信号線に供給される前の時間内に、画素選択信号用配線triを介して供給される画素選択信号によりトランジスタTr2がオンとされて、画素部内の全ての画素14内の転送容量Ctに保持されていた全画面の画素データを配線容量Cpに一括転送して保持させると共に画素電極PEに印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置及びその駆動方法に係り、特に反射型液晶プロジェクタ装置等に用いる液晶表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プロジェクタ装置やプロジェクションテレビには画像を投影するための中心部品としてLCOS(Liquid Crystal on Silicon)型液晶表示装置が多く用いられている。このLCOS等の液晶表示装置の表示方式には、従来CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の半導体素子へアナログ映像信号を入力し、その信号を画素毎の液晶表示素子の画素電極にそのまま保持して、液晶の配向を変える方式や、デジタル信号によりパルス幅変調(PWM;Pulse Width Modulation)した映像信号を液晶表示素子の画素電極に印加して液晶の配向を時間的に切り替えて駆動する方式などがある。これらの方式の多くは3枚の液晶パネルが必要となり色分離光学系と色合成光学系が必要であることなどから小型、軽量化の妨げとなっていた。そこで、従来は単板で液晶表示装置を実現するために、ある信号を表示しながら別の信号の書き込みを行いそれを全画面同時に切り替えることが可能な液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、特許文献1記載の従来の液晶表示装置の一例の全体構成図、図7は、図6の液晶表示装置の画素の一例の回路図を示す。アクティブマトリックス方式の液晶パネルと基本的な構成は変わらない。図6において、液晶表示装置20は、垂直シフトレジスタ21、水平シフトレジスタ22、マトリクス状に複数の画素が配列された画素部23、及びビデオスイッチh1〜hjを有している。
【0004】
垂直シフトレジスタ21は、k個の出力端子が横方向のk本の行選択線G1〜Gkに1対1に対応して別々に接続され、行走査線G1〜Gkに1水平走査期間周期で上から下方向に順次に行選択信号を供給する。水平シフトレジスタ22は、水平シフトクロックに同期してj個の各出力端子からスイッチング信号をビデオスイッチh1〜hjの各ゲートに順番に供給する。ビデオスイッチh1〜hjは、スイッチング用電界効果トランジスタからなり、そのドレインは横方向の信号線vidに共通に接続され、そのソースは縦方向のj本の列信号線D1〜Djに1対1に対応して別々に接続されている。画素部23は、列信号線D1〜Djと行走査線G1〜Gkとの交差部にそれぞれ配置された全部でj×k個の画素24からなり、画素24は全体としてマトリクス状に配置されている。
【0005】
画素24は、図7に示すように、転送用トランジスタTr1、画素選択用トランジスタTr2、転送容量Ct、画素容量Cp、液晶表示素子LCとから構成されている。液晶表示素子LCは、離間対向して配置された画素電極PEと共通電極CEとの間の空間に液晶層LCMが封入された公知の構造である。各画素24は、1個の転送用トランジスタTr1と1個の転送容量Ctを直列に加えた構成となっている。転送用トランジスタTr1のソースと画素選択用トランジスタTr2のドレインとの接続点に転送容量Ctの一端が接続され、画素選択用トランジスタTr2のソースに画素容量Cpの一端と画素電極PEとが接続されている。また、転送用トランジスタTr1のゲートは行走査線G1〜Gkのうち、その画素に対応する1本の行走査線Gに接続されている。一方、画素選択用トランジスタTr2のゲートは、全画素共通に配線triに接続されている。
【0006】
次に、この従来の液晶表示装置20の動作について説明する。
【0007】
まず、垂直シフトレジスタ21が行走査線G1のみへ行走査信号を出力し、これにより行走査線G1に接続された第1行(第1ライン)のj個の画素24が同時にオンとなる。その状態で水平シフトレジスタ22が動作し、1水平走査期間内で順次に水平シフトレジスタ22の各出力端子から出力されるスイッチング信号により、ビデオスイッチh1,h2,h3,・・・,hjが順番にオンされて行き、それに合わせて信号線vidから供給される画像データの各画素データ(信号電圧)がオンとされたビデオスイッチによりサンプリングされて各列信号線D1,D2,D3,・・・,Djに順番に書き込まれていく。このとき、行走査線G1に接続された第1行(第1ライン)のj個の画素24内の図7に示した転送用トランジスタTr1がオンとなっているので、上記の第1ラインの各画素24は、列信号線D1,D2,D3,・・・,Djを介して供給される1ライン目の各画素データを転送容量Ctに書き込む。
【0008】
次に、垂直シフトレジスタ21から行走査線G2のみへ行走査信号を出力し、これにより行走査線G2に接続された第2行(第2ライン)のj個の画素24が同時にオンとなる。その状態で水平シフトレジスタ22が動作し、上記の1ラインの動作時と同様に、行走査線G2に接続された第2行(第2ライン)のj個の画素24内の図7に示した転送用トランジスタTr1がオンとなっているので、上記の第2ラインの各画素24は、列信号線D1,D2,D3,・・・,Djを介して供給される2ライン目の各画素データを転送容量Ctに書き込んでいく。以下上記と同様の動作を第k行(第kライン)の各画素24まで繰り返す。
【0009】
このようにして、画素部23内の全ての画素24内の転送容量Ctに画素データが書き込まれると、垂直シフトレジスタ21から全ての行走査線G1〜Gkへの行走査信号の出力を停止し、かつ、水平シフトレジスタ22からh1〜hjへの全てのスイッチング信号の出力を停止した状態で信号線triの信号をハイレベルとする。これにより、各画素24内の画素選択用トランジスタTr2がオンとなり、転送容量Ctから画素容量Cpへ電荷転送が行われる。画素容量Cpに転送されて保持された電荷は、同じ画素内の対応する画素電極PEに印加され、共通電極CEに印加される共通電極電圧Vcomとの差電位に応じた画素データが液晶表示素子LCで表示される。信号線triの信号は画素部23の全ての画素24内の画素選択用トランジスタTr2をオンとするので、全画面同時に画素データが書き換えられることとなる。
【0010】
この液晶表示装置20は、ある画像信号を表示しながら別の画像信号の書き込みを行い、それを全画面同時に切り替えることができる。従って、面順次の動作が可能となり、赤(R)、緑(G)、青(B)の各原色信号を1枚の液晶表示装置で表示する単板化が実現できる。小型化、軽量化、コスト削減、の他に調整の簡略化なども同時に実現可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平11−84419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記の従来の液晶表示装置20では、転送残りによる残像等が問題となる。液晶表示装置20では、転送容量Ctから画素容量Cpへの保持電圧の転送は転送容量Ctと画素容量Cpの容量比によって行われる。画素容量Cpに対して転送容量Ctが充分大きければ問題ない。しかし、転送容量Ctと画素容量Cpの容量比が10:1程度だとすると、転送容量Ctからの転送は完全に行われず、それ以前の画素電圧の影響を受けてしまう、所謂転送残りが発生する。従って、従来の液晶表示装置20では、転送残りによる残像やRGB面順次の場合は混色などが発生してしまう。
【0013】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、残像(混色)現象を解消することで表示品質を向上でき、また動画表示の品質を改善可能な液晶表示装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、本発明の液晶表示装置は、複数の列信号線と複数の行走査線とが交差する複数の交差部のそれぞれに、画素が配列された画素部と、複数の列信号線にそれぞれ対応して設けられた複数のビデオスイッチと、複数の行走査線を1水平走査期間単位で1本ずつ順次に選択する行選択信号を出力する垂直方向駆動手段と、複数のビデオスイッチを1水平走査期間内で順次にオンに制御する水平方向駆動手段と、画素部内の複数の画素のすべてに共通に接続されたリセット電圧設定用配線、リセット電圧制御用配線及び画素選択信号用配線と、を備え、画素部内の複数の画素のそれぞれは、
画素電極と共通電極との間に液晶層が封入された構造の液晶表示素子と、画素電極に一端が接続された配線容量と、画素データを保持する転送容量と、複数の列信号線のうち対応する列信号線に接続されると共に、複数のビデオスイッチのうち対応するビデオスイッチに接続されており、垂直方向駆動手段から出力される行選択信号によりオンに制御される期間内に、水平方向駆動手段から出力される信号によりオンとされた対応するビデオスイッチ及び列信号線を通して供給される画素データを転送容量にサンプリング保持させる転送用トランジスタと、画素部内の全ての画素内の転送容量に全画面の画素データが保持された直後に、リセット電圧制御用配線を介して印加されるリセット電圧によりオンとされ、リセット電圧設定用配線を介して供給される所定電圧を配線容量に供給して保持させると共に画素電極に印加するリセット用トランジスタと、所定電圧が配線容量に保持された期間後で、リセット用トランジスタがオフとされ、かつ、次の画面の画素データが複数の列信号線に供給される前の時間内に、画素選択信号用配線を介して供給される画素選択信号によりオンとされて画素部内の全ての画素内の転送容量に保持されていた全画面の画素データを配線容量に一括転送して保持させると共に画素電極に印加する画素選択用トランジスタと、を有することを特徴とする。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、本発明の液晶表示装置は、複数のビデオスイッチに供給される画素データは、最小階調値の時に最小レベルで階調値が大になるほどレベルが大となり、最大階調値の時に最大レベルとなる正極性画素データと、最小階調値の時に最大レベルで階調値が大になるほどレベルが小となり、最大階調値の時に最小レベルとなる負極性画素データとが、1フレーム(又はフィールド)毎に交互に供給され、共通電極に印加される共通電極電圧は、正極性画素データと負極性画素データとが同じ階調値のとき同じ値の駆動電圧が液晶層に印加されるように、1フレーム(又はフィールド)毎にハイレベル又はローレベルに切り替えられ、所定電圧は、複数のビデオスイッチに正極性画素データが印加される期間は液晶表示素子の最小階調表示時の正極性画素データの電圧であり、複数のビデオスイッチに負極性画素データが印加される期間は液晶表示素子の最小階調表示時の負極性画素データの電圧であることを特徴とする。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、本発明の液晶表示装置は、画素部により表示される画面の明るさが所定の閾値より明るいか否かを複数のビデオスイッチに供給される画素データに基づいて検出する明るさ検出手段を更に有し、明るさ検出手段により画面の明るさが所定の閾値より明るいと検出されたときに、所定電圧を、複数のビデオスイッチに正極性画素データが印加される期間は液晶表示素子の中間階調表示時の正極性画素データの電圧とし、複数のビデオスイッチに負極性画素データが印加される期間は液晶表示素子の中間階調表示時の負極性画素データの電圧とすることを特徴とする。
【0017】
また、上記の目的を達成するため、本発明の液晶表示方法は、複数の列信号線と複数の行走査線とが交差する複数の交差部のそれぞれに、画素が配列された画素部と、複数の列信号線にそれぞれ対応して設けられた複数のビデオスイッチと、複数の行走査線を1水平走査期間単位で1本ずつ順次に選択する行選択信号を出力する垂直方向駆動手段と、複数のビデオスイッチを1水平走査期間内で順次にオンに制御する水平方向駆動手段と、画素部内の複数の画素のすべてに共通に接続されたリセット電圧設定用配線、リセット電圧制御用配線及び画素選択信号用配線と、を備え、画素部内の複数の画素のそれぞれは、
画素電極と共通電極との間に液晶層が封入された構造の液晶表示素子と、画素電極に一端が接続された配線容量と、画素データを保持する転送容量と、複数の列信号線のうち対応する列信号線に接続されると共に、複数のビデオスイッチのうち対応するビデオスイッチに接続されており、対応するビデオスイッチ及び列信号線を通して供給される画素データを転送容量にサンプリング保持させる転送用トランジスタと、所定電圧を配線容量に供給して保持させると共に画素電極に印加するリセット用トランジスタと、転送容量に保持されている画素データを配線容量に転送して保持させると共に画素電極に印加する画素選択用トランジスタとを有する液晶表示装置に対して、
垂直方向駆動手段から出力される行選択信号により転送用トランジスタをオンに制御する期間内に、水平方向駆動手段から出力される信号によりオンとされた対応するビデオスイッチ及び列信号線を通して供給される画素データを転送容量にサンプリング保持させるデータ保持ステップと、画素部内の全ての画素内の転送容量に、データ保持ステップにより全画面の画素データを保持した直後に、リセット電圧制御用配線を介してリセット電圧を画素部内の全ての画素内のリセット用トランジスタに印加してオンとし、オンとしたリセット用トランジスタを通してリセット電圧設定用配線からの所定電圧を配線容量に供給して保持させると共に画素電極に印加するリセットステップと、リセットステップにより所定電圧が配線容量に保持された期間後で、リセット用トランジスタをオフとし、かつ、次の画面の画素データが複数の列信号線に供給される前の時間内に、画素選択信号用配線を介して画素選択用トランジスタに画素選択信号を供給して画素選択用トランジスタをオンとし、画素部内の全ての画素内の転送容量に保持されていた全画面の画素データを配線容量に一括転送して保持させると共に画素電極に印加する転送ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、残像(混色)現象を解消することで表示品質を向上でき、また動画表示の品質を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の液晶表示装置の一実施の形態の全体構成図である。
【図2】本発明の液晶表示装置における一画素の一実施の形態の回路図である。
【図3】図1及び図2の駆動動作を説明するタイミングチャートである。
【図4】本発明の液晶表示装置の他の実施の形態の動作を説明するタイミングチャートである。
【図5】本発明の液晶表示装置における正極性及び負極性画素信号と共通電極電圧との関係の一例を説明する図である。
【図6】従来の液晶表示装置の一例の構成図である。
【図7】従来の液晶表示装置における一画素の一例の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本発明になる液晶表示装置の一実施の形態の全体の構成図、図2は本発明になる液晶表示装置の一画素の一実施の形態の回路図を示す。図1、図2中、図6、図7と同一構成部分には同一符号を付してある。本実施の形態の液晶表示装置はアクティブマトリックス方式の液晶パネルと基本的な構成は変わらない。図1において、本実施の形態の液晶表示装置10は、垂直シフトレジスタ11、水平シフトレジスタ12、マトリクス状に複数の画素が配列された画素部13、及びビデオスイッチh1〜hjを有している。垂直シフトレジスタ11は本発明の垂直方向駆動手段を構成し、水平シフトレジスタ12は本発明の水平方向駆動手段を構成する。
【0022】
垂直シフトレジスタ11は、k個の出力端子が横方向のk本の行選択線G1〜Gkに1対1に対応して別々に接続され、行走査線G1〜Gkに1水平走査期間周期で上から下方向に順次に行選択信号を供給する。水平シフトレジスタ12は、水平シフトクロックに同期してj個の各出力端子からスイッチング信号をビデオスイッチh1〜hjの各ゲートに順番に供給する。ビデオスイッチh1〜hjは、スイッチング用電界効果トランジスタからなり、そのドレインは横方向の信号線vidに共通に接続され、そのソースは縦方向のj本の列信号線D1〜Djに1対1に対応して別々に接続されている。
【0023】
画素部13は、j本の列信号線D1〜Djとk本の行選択線G1〜Gkとの各交差部に配置されることで、マトリクス状に配置された全部でj×k個の画素14から構成されている。画素部13内の全ての画素14には、3本の配線tri、rsv、rstがそれぞれ共通に接続されている。
【0024】
各画素14は、図2の回路図に示すように、転送用トランジスタTr1、画素選択用トランジスタTr2、転送容量Ct、画素容量Cp、液晶表示素子LCからなる従来の画素24の構成に、リセット用トランジスタTr3が追加された構成である。転送用トランジスタTr1は、ゲートが行走査線G1〜Gkのうち、その画素に対応する1本の行走査線Gに接続され、ドレインが列信号線D1〜Djのうち、その画素に対応する1本の列信号線Dに接続され、ソースが転送容量Ctの一端に接続された、NチャネルMOS型電界効果トランジスタ(以下、NMOSトランジスタという)である。画素選択用トランジスタTr2は、ゲートが画素選択信号用配線triに接続され、ドレインが転送容量Ctの一端に接続され、ソースが画素容量Cpの一端と液晶表示素子LCの画素電極PEとの接続点に接続された、NMOSトランジスタである。
【0025】
更に、リセット用トランジスタTr3は、ゲートがリセット電圧制御用配線rstに接続され、ドレインがリセット電圧設定用配線rsvに接続され、ソースが画素容量Cpの一端と液晶表示素子LCの画素電極PEとの接続点に接続された、NMOSトランジスタである。液晶表示素子LCは、離間対向して配置された画素電極PEと共通電極CEとの間の空間に液晶層LCMが封入された公知の構造である。この液晶表示素子LCの液晶層LCMに長い時間一定電圧を印加すると、液晶の焼き付き発生などの不具合が生じる。そこで、本実施の形態では後述するように、共通電極CEには例えばフレーム周期で交互にハイレベルとローレベルに反転する対称方形波の共通電極電圧Vcomを印加すると共に、画素電極PEには共通電極電圧Vcomのフレーム周期の反転に同期して、共通電極電圧Vcomの中心電位に対してフレーム周期で正極性と負極性に交互に反転する画素データを印加することで液晶表示素子LCを交流駆動する。
【0026】
上記の正極性の画素データは、例えば図5にIで示すように、最小値のときに最小階調値である黒を示し、最大値のときに最大階調値である白を示し、レベル(データ値)が大きくなるほど階調値が大きくなる特性のデータである。一方、上記の負極性の画素データは上記の正極性の画素データの値を反転したデータであり、例えば図5にIIで示すように、最小値のときに最大階調値である白を示し、最大値のときに最小階調値である黒を示し、レベル(データ値)が大きくなるほど階調値が小さくなるデータである。
【0027】
画素電極PEに正極性の画素データに応じた電圧が印加されるフレーム期間では、共通電極CEにはローレベルの共通電極電圧Vcom+が印加され、画素電極PEに負極性の画素データに応じた電圧が印加されるフレーム期間では、共通電極CEにはハイレベルの共通電極電圧Vcom-が印加される。液晶表示素子LCは液晶層LCMに印加される電圧である画素電極PEの印加電圧と共通電極電圧Vcomとの差電圧の絶対値に応じた階調表示を行う。
【0028】
液晶層LCMに印加される電圧は或る1フレーム期間では正極性の画素データに対応した電圧(例えば図5のla)とローレベルの共通電極電圧Vcom+との第1の差電圧(la−Vcom+)であり、次の1フレーム期間では負極性の画素データに対応した電圧(例えば図5のlb)とハイレベルの共通電極電圧Vcom-との第2の差電圧(Vcom-−lb)である。従って、液晶層LCMにかかる電圧の印加方向は各フレームで交互に異なるが、同じ階調の画素データ印加時は、図5に示すように、第1の差電圧の絶対値A(=|la−Vcom+|)と第2の差電圧の絶対値B(=|lb−Vcom|)とは同じ値となるため、正極性の画素データ印加時と負極性の画素データ印加時とで同じ階調表示ができる。
【0029】
次に、本実施の形態の液晶表示装置10の動作について、図3のタイミングチャートを併せ参照して説明する。
【0030】
奇数番目のフレームであるOddフレームにおいて、図3(A)に示すように第1行の行走査線G1に垂直シフトレジスタ11からハイレベルの行選択信号が時刻t1〜t2の期間供給される。これにより、行走査線G1に接続された第1ラインのj個の画素14内の転送用トランジスタTr1がオンとされる。この状態で、水平シフトレジスタ12が動作し、1水平走査期間内で順次に水平シフトレジスタ12の各出力端子から出力されるスイッチング信号により、ビデオスイッチh1,h2,h3,・・・,hjが順番にオンされて行き、それに合わせて信号線vidからシリアルに供給される第1ラインの画像データの各画素データ(信号電圧)が、オンとされたビデオスイッチによりサンプリングされて各列信号線D1,D2,D3,・・・,Djに順番に書き込まれていく。このとき、各列信号線D1,D2,D3,・・・,Djに接続された第1ラインのj個の画素14内の転送用トランジスタTr1がオンであるため、上記の画素データは転送用トランジスタTr1を通して転送容量Ctに書き込まれていく。
【0031】
なお、信号線vidに供給される画素データは、ここでは一例として図3(C)に示すように階調値が1ライン期間で単調増加する画素データであり、またOddフレームでは正極性の画素データであるものとする。
【0032】
同様に、図3(B)に示すように第x行の行走査線Gxに垂直シフトレジスタ11からハイレベルの行選択信号が時刻t3〜t4の期間供給されるときは、図3(C)に示す信号線vidからシリアルに供給される第xラインの画像データの各画素データ(信号電圧)が、オンとされたビデオスイッチh1〜hjによりサンプリングされて各列信号線D1,D2,D3,・・・,Djに接続された第xラインのj個の画素14内のオンとされた転送用トランジスタTr1を通して転送容量Ctに書き込まれていく。以下、同様にして、最後の第k行の行走査線Gkに接続された第kラインのj個の画素14内のオンとされた転送用トランジスタTr1を通して、転送容量Ctに第kラインの画像データの各画素データ(信号電圧)が時刻t5で書き込み終わる。すなわち、時刻t5で画素部13内の全ての画素14の転送容量CtにOddフレームの画素データ(信号電圧)が書き込まれた状態となり、また、垂直シフトレジスタ11及び水平シフトレジスタ12が全てオフ状態となる。
【0033】
この状態で、時刻t5の直後の短時間、図3(D)に示すようにリセット電圧制御用配線rstにハイレベルの制御電圧が印加されるため、画素部13内の全ての画素14のリセット用トランジスタTr3がオンとされる。このとき図3(F)に示すようにリセット電圧設定用配線rsvに供給されている電圧bllが、オンとされたトランジスタTr3のドレイン・ソースを通して画素容量Cpに書き込まれると同時に画素電極PEに印加される。
【0034】
ここで、上記の電圧bllは図5に示すように、正極性の画素データの最小階調値である黒の信号電圧(これを、以下、ロー側の黒信号電圧という)に等しい。一方、時刻t5で図3(G)に示すように共通電極電圧Vcomはローレベル(図5のVcom+に相当)に切り替えられる。従って、時刻t5以降、全ての画素14内の液晶層LCMに|bll−Vcom+|で表わされる絶対値の駆動電圧が印加されることにより、全画面で黒が表示される。
【0035】
この状態で時間をおいた後、次のEvenフレームの画素書き込みの開始時刻t7の直前の時刻t6から短時間、図3(E)に示すように画素選択信号用配線triにハイレベルの画素選択信号が供給される。これにより、画素部13の全ての画素14内の画素選択用トランジスタTr2が同時にオンとされ、時刻t1〜t5までの期間内で全ての画素14内の転送容量Ctに書き込まれたOddフレームの信号電圧(正極性画素データ)が、オンとされた画素選択用トランジスタTr2のドレイン・ソースを通して対応する画素容量Cpにそれぞれ同時に転送されて(すなわち、一括転送されて)保持される。これにより、時刻t6以降は画素部13の全ての画素14内の液晶表示素子LCの各画素電極PEには画素容量Cpに保持されているOddフレームの信号電圧(正極性画素データ)がそれぞれ印加されると同時に、共通電極CEに図3(G)に示すようにローレベルの共通電極電圧Vcom(Vcom+)が共通に印加されるため、各画素14毎のOddフレームの信号電圧による表示が開始される。
【0036】
続いて、時刻t7から偶数番目のフレームであるEvenフレームの画素の書き込みが行われる。Oddフレームの画素書き込み時と同様に、図3(A)に示すように第1行の行走査線G1に垂直シフトレジスタ11からハイレベルの行選択信号が時刻t7〜t8の期間供給される。これにより、行走査線G1に接続された第1ラインのj個の画素14内の転送用トランジスタTr1がオンとされる。この状態で、水平シフトレジスタ12が動作し、1水平走査期間内で順次に水平シフトレジスタ12の各出力端子から出力されるスイッチング信号により、ビデオスイッチh1,h2,h3,・・・,hjが順番にオンされて行き、それに合わせて信号線vidからシリアルに供給される第1ラインのEvenフレームの画像データの各画素データ(信号電圧)が、オンとされたビデオスイッチによりサンプリングされて各列信号線D1,D2,D3,・・・,Djに順番に書き込まれ、更に第1ラインのj個の画素14内の転送用トランジスタTr1を通して転送容量Ctに上書きされていく。
【0037】
なお、時刻t7〜t13の期間、信号線vidに供給される画素データは、ここでは一例として図3(C)に示すように階調値が1ライン期間で単調増加する(信号レベルは単調減少する)負極性画素データであるものとする。
【0038】
同様に、図3(B)に示すように第x行の行走査線Gxに垂直シフトレジスタ11からハイレベルの行選択信号が時刻t9〜t10の期間供給されるときは、図3(C)に示す信号線vidからシリアルに供給される第xラインの画像データの各画素データ(信号電圧)が、オンとされたビデオスイッチh1〜hjによりサンプリングされて各列信号線D1,D2,D3,・・・,Djに接続された第xラインのj個の画素14内のオンとされた転送用トランジスタTr1を通して転送容量Ctに書き込まれていく。以下、同様にして、最後の第k行の行走査線Gkに接続された第kラインのj個の画素14内のオンとされた転送用トランジスタTr1を通して、転送容量Ctに第kラインの画像データの各画素データ(信号電圧)が時刻t11で書き込み終わる。すなわち、時刻t11で画素部13内の全ての画素14の転送容量CtにEvenフレームの画素データ(信号電圧)が書き込まれた状態となり、また、垂直シフトレジスタ11及び水平シフトレジスタ12が全てオフ状態となる。
【0039】
この状態で、時刻t11の直後の短時間、図3(D)に示すようにリセット電圧制御用配線rstにハイレベルの制御電圧が印加されるため、画素部13内の全ての画素14のリセット用トランジスタTr3がオンとされる。このとき図3(F)に示すようにリセット電圧設定用配線rsvに供給されている電圧blhが、オンとされたトランジスタTr3のドレイン・ソースを通して画素容量Cpに書き込まれると同時に画素電極PEに印加される。
【0040】
ここで、上記の電圧blhは図5に示すように、負極性の画素データの最小階調値である黒の信号電圧(これを、以下、ハイ側の黒信号電圧という)に等しい。一方、時刻t11で図3(G)に示すように共通電極電圧Vcomはハイレベル(図5のVcom-に相当)に切り替えられる。従って、時刻t11以降、全ての画素14内の液晶層LCMに|blh−Vcom-|で表わされる絶対値の駆動電圧が印加されることにより、全画面で黒が表示される。
【0041】
この状態で時間をおいた後、次のEvenフレームの画素書き込みの開始時刻t13の直前の時刻t12から短時間、図3(E)に示すように画素選択信号用配線triにハイレベルの画素選択信号が供給される。これにより、画素部13の全ての画素14内の画素選択用トランジスタTr2が同時にオンとされ、時刻t7〜t11までの期間内で全ての画素14内の転送容量Ctに書き込まれたEvenフレームの信号電圧(負極性画素データ)が、オンとされた画素選択用トランジスタTr2のドレイン・ソースを通して対応する画素容量Cpにそれぞれ同時に転送されて保持される。これにより、時刻t12以降は画素部13の全ての画素14内の液晶表示素子LCの各画素電極PEには画素容量Cpに保持されているEvenフレームの信号電圧(負極性画素データ)がそれぞれ印加されると同時に、共通電極CEに図3(G)に示すようにハイレベルの共通電極電圧Vcom(Vcom-)が共通に印加されるため、各画素14毎のEvenフレームの信号電圧による表示が開始される。
【0042】
このように、本実施の形態の液晶表示装置10によれば、画素容量Cpに対して予め設定した所定電圧を書き込んでからOddフレーム又はEvenフレームの信号電圧の書き込みを開始するようにしたため、直前のフレームの信号電圧の画素容量Cpに対する影響を無くすことができ、その結果、残像(混色)現象を改善でき、表示品質を向上することができる。
【0043】
また、上記の予め設定した所定電圧として、本実施の形態ではロー側黒信号電圧bll及びハイ側黒信号電圧blhとしたため、リセット用トランジスタTr3をオンにして画素容量Cpに黒信号電圧を書き込んだ時刻t5(t11)から画素選択用トランジスタTr2をオンにして画素容量Cpに信号電圧を転送開始する時刻t6(t12)までの時間を黒挿入とすることができる。黒挿入を行うことで動画特性の改善が可能となる。
【0044】
次に、本発明の液晶表示装置の他の実施の形態について説明する。この実施の形態は、構成は図1及び図2と同様であるが、リセット電圧設定用配線rsvに供給される電圧が上記の実施の形態と異なる。図4は、本発明の液晶表示装置の他の実施の形態の動作説明用タイミングチャートを示す。同図中、図3と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
この実施の形態の液晶表示装置では、図4に示す時刻t21で画素部13内の全ての画素14の転送容量CtにOddフレームの画素データ(信号電圧)が書き込まれた状態となり、また、垂直シフトレジスタ11及び水平シフトレジスタ12が全てオフ状態となってから、時刻t21の直後の短時間、図4(D)に示すようにリセット電圧制御用配線rstにハイレベルの制御電圧を印加して、画素部13内の全ての画素14のリセット用トランジスタTr3をオンとする。このとき図4(F)に示すようにリセット電圧設定用配線rsvに供給されているグレー電圧grlが、オンとされたトランジスタTr3のドレイン・ソースを通して画素容量Cpに書き込まれると同時に画素電極PEに印加される。
【0046】
ここで、上記の電圧grlは図5に示すように、正極性の画素データの中間階調値であるグレーの信号電圧(これを、以下、ロー側のグレー信号電圧という)に等しい。一方、時刻t21で図4(G)に示すように共通電極電圧Vcomはローレベル(図5のVcom+に相当)に切り替えられる。従って、時刻t21以降、全ての画素14内の液晶層LCMに|grl−Vcom+|で表わされる絶対値の駆動電圧が印加されることにより、全画面でグレーが表示される。
【0047】
また、図4に示す時刻t23で画素部13内の全ての画素14の転送容量CtにEvenフレームの画素データ(信号電圧)が書き込まれた状態となり、また、垂直シフトレジスタ11及び水平シフトレジスタ12が全てオフ状態となってから、時刻t23の直後の短時間、図4(D)に示すようにリセット電圧制御用配線rstにハイレベルの制御電圧を印加して、画素部13内の全ての画素14のリセット用トランジスタTr3をオンとする。このとき図4(F)に示すようにリセット電圧設定用配線rsvに供給されているグレー電圧grhが、オンとされたトランジスタTr3のドレイン・ソースを通して画素容量Cpに書き込まれると同時に画素電極PEに印加される。
【0048】
ここで、上記の電圧grhは図5に示すように、負極性の画素データの中間階調値であるグレーの信号電圧(これを、以下、ハイ側のグレー信号電圧という)に等しい。一方、時刻t23で図4(G)に示すように共通電極電圧Vcomはハイレベル(図5のVcom-に相当)に切り替えられる。従って、時刻t23以降、全ての画素14内の液晶層LCMに|grh−Vcom+|で表わされる絶対値の駆動電圧が印加されることにより、全画面でグレーが表示される。
【0049】
このように、本実施の形態では、リセット用トランジスタTr3をオンにして画素容量Cpにグレー信号電圧grl(grh)を書き込んだ時刻t21(t23)から画素選択用トランジスタTr2をオンにして画素容量Cpに信号電圧を転送開始する時刻t22(t24)までの時間をグレー挿入とすることができる。本実施の形態では、前記の実施の形態の黒表示期間の代わりにグレー表示を行うため、黒表示よりも明るいグレー表示により画面の明るさを改善することができる。本実施の形態によれば、動画特性の改善効果を確保しつつ、画面全体を明るくすることができる。
【0050】
本実施の形態の液晶表示装置は、画面全体が明るい場合に有効である。すなわち、本実施形態の液晶表示装置は、画素部13により表示される画面の明るさが所定の閾値より明るいか否かを複数のビデオスイッチh1〜hjに供給される画素データに基づいて検出する明るさ検出手段を更に有している。この明るさ検出手段としては、例えば、信号線vidに供給されるそのフレームの信号電圧を積分して得た積分値を、同様にして得た他のフレームの信号電圧の積分値と比較するなどの方法がある。
【0051】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば共通電極電圧Vcomは1フィールド毎に切り替えるようにしてもよいし、1垂直走査期間毎に切り替えるようにしてもよい。また、画素14の回路構成は図2の構成に限定されるものではなく、トランジスタTr1〜Tr3はPチャネルMOS型電界効果トランジスタでもよい(ただし、GND配線をVDD配線とし、配線rst、tri、rsvの論理レベルを図3、図4のそれと逆にする必要がある)。更に、三原色信号を面順次で表示する場合は、1フレーム内に3度上記の実施の形態と同様の動作を行えばよく、この場合は単板カラーの液晶表示装置を構成できる。
【符号の説明】
【0052】
10 液晶表示装置
11 垂直シフトレジスタ
12 水平シフトレジスタ
13 画素部
14 画素
G1〜Gk、G 行走査線
D1〜Dj、D 列信号線
vid 画素データ用信号線
tri 画素選択信号用配線
rsv リセット電圧設定用配線
rst リセット電圧制御用配線
h1〜hj ビデオスイッチ
Tr1 転送用トランジスタ
Tr2 画素選択用トランジスタ
Tr3 リセット用トランジスタ
Ct 転送容量
Cp 画素容量
LC 液晶表示素子
PE 画素電極
CE 共通電極
LCM 液晶層
Vcom 共通電極電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の列信号線と複数の行走査線とが交差する複数の交差部のそれぞれに、画素が配列された画素部と、
前記複数の列信号線にそれぞれ対応して設けられた複数のビデオスイッチと、
前記複数の行走査線を1水平走査期間単位で1本ずつ順次に選択する行選択信号を出力する垂直方向駆動手段と、
前記複数のビデオスイッチを1水平走査期間内で順次にオンに制御する水平方向駆動手段と、
前記画素部内の複数の前記画素のすべてに共通に接続されたリセット電圧設定用配線、リセット電圧制御用配線及び画素選択信号用配線と、
を備え、前記画素部内の複数の前記画素のそれぞれは、
画素電極と共通電極との間に液晶層が封入された構造の液晶表示素子と、
前記画素電極に一端が接続された配線容量と、
画素データを保持する転送容量と、
前記複数の列信号線のうち対応する列信号線に接続されると共に、前記複数のビデオスイッチのうち対応するビデオスイッチに接続されており、前記垂直方向駆動手段から出力される前記行選択信号によりオンに制御される期間内に、前記水平方向駆動手段から出力される信号によりオンとされた前記対応するビデオスイッチ及び前記列信号線を通して供給される画素データを前記転送容量にサンプリング保持させる転送用トランジスタと、
前記画素部内の全ての前記画素内の前記転送容量に全画面の画素データが保持された直後に、前記リセット電圧制御用配線を介して印加されるリセット電圧によりオンとされ、前記リセット電圧設定用配線を介して供給される所定電圧を前記配線容量に供給して保持させると共に前記画素電極に印加するリセット用トランジスタと、
前記所定電圧が前記配線容量に保持された期間後で、前記リセット用トランジスタがオフとされ、かつ、次の画面の画素データが前記複数の列信号線に供給される前の時間内に、前記画素選択信号用配線を介して供給される画素選択信号によりオンとされて前記画素部内の全ての前記画素内の前記転送容量に保持されていた前記全画面の画素データを前記配線容量に一括転送して保持させると共に前記画素電極に印加する画素選択用トランジスタと、
を有することを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記複数のビデオスイッチに供給される前記画素データは、最小階調値の時に最小レベルで階調値が大になるほどレベルが大となり、最大階調値の時に最大レベルとなる正極性画素データと、最小階調値の時に最大レベルで階調値が大になるほどレベルが小となり、最大階調値の時に最小レベルとなる負極性画素データとが、1フレーム(又はフィールド)毎に交互に供給され、
前記共通電極に印加される共通電極電圧は、前記正極性画素データと前記負極性画素データとが同じ階調値のとき同じ値の駆動電圧が前記液晶層に印加されるように、前記1フレーム(又はフィールド)毎にハイレベル又はローレベルに切り替えられ、
前記所定電圧は、前記複数のビデオスイッチに前記正極性画素データが印加される期間は前記液晶表示素子の最小階調表示時の前記正極性画素データの電圧であり、前記複数のビデオスイッチに前記負極性画素データが印加される期間は前記液晶表示素子の最小階調表示時の前記負極性画素データの電圧であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記画素部により表示される画面の明るさが所定の閾値より明るいか否かを前記複数のビデオスイッチに供給される前記画素データに基づいて検出する明るさ検出手段を更に有し、
前記明るさ検出手段により前記画面の明るさが前記所定の閾値より明るいと検出されたときに、前記所定電圧を、前記複数のビデオスイッチに前記正極性画素データが印加される期間は前記液晶表示素子の中間階調表示時の前記正極性画素データの電圧とし、前記複数のビデオスイッチに前記負極性画素データが印加される期間は前記液晶表示素子の中間階調表示時の前記負極性画素データの電圧とすることを特徴とする請求項2記載の液晶表示装置。
【請求項4】
複数の列信号線と複数の行走査線とが交差する複数の交差部のそれぞれに、画素が配列された画素部と、
前記複数の列信号線にそれぞれ対応して設けられた複数のビデオスイッチと、
前記複数の行走査線を1水平走査期間単位で1本ずつ順次に選択する行選択信号を出力する垂直方向駆動手段と、
前記複数のビデオスイッチを1水平走査期間内で順次にオンに制御する水平方向駆動手段と、
前記画素部内の複数の前記画素のすべてに共通に接続されたリセット電圧設定用配線、リセット電圧制御用配線及び画素選択信号用配線と、
を備え、前記画素部内の複数の前記画素のそれぞれは、
画素電極と共通電極との間に液晶層が封入された構造の液晶表示素子と、
前記画素電極に一端が接続された配線容量と、
画素データを保持する転送容量と、
前記複数の列信号線のうち対応する列信号線に接続されると共に、前記複数のビデオスイッチのうち対応するビデオスイッチに接続されており、前記対応するビデオスイッチ及び前記列信号線を通して供給される画素データを前記転送容量にサンプリング保持させる転送用トランジスタと、
所定電圧を前記配線容量に供給して保持させると共に前記画素電極に印加するリセット用トランジスタと、
前記転送容量に保持されている前記画素データを前記配線容量に転送して保持させると共に前記画素電極に印加する画素選択用トランジスタとを有する液晶表示装置に対して、
前記垂直方向駆動手段から出力される前記行選択信号により前記転送用トランジスタをオンに制御する期間内に、前記水平方向駆動手段から出力される信号によりオンとされた前記対応するビデオスイッチ及び前記列信号線を通して供給される画素データを前記転送容量にサンプリング保持させるデータ保持ステップと、
前記画素部内の全ての前記画素内の前記転送容量に、前記データ保持ステップにより全画面の画素データを保持した直後に、前記リセット電圧制御用配線を介してリセット電圧を前記画素部内の全ての前記画素内の前記リセット用トランジスタに印加してオンとし、オンとした前記リセット用トランジスタを通して前記リセット電圧設定用配線からの前記所定電圧を前記配線容量に供給して保持させると共に前記画素電極に印加するリセットステップと、
前記リセットステップにより前記所定電圧が前記配線容量に保持された期間後で、前記リセット用トランジスタをオフとし、かつ、次の画面の画素データが前記複数の列信号線に供給される前の時間内に、前記画素選択信号用配線を介して前記画素選択用トランジスタに画素選択信号を供給して前記画素選択用トランジスタをオンとし、前記画素部内の全ての前記画素内の前記転送容量に保持されていた前記全画面の画素データを前記配線容量に一括転送して保持させると共に前記画素電極に印加する転送ステップと
を含むことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−3223(P2013−3223A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131775(P2011−131775)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】