説明

液晶表示装置及び当該液晶表示装置を具備する電子機器

【課題】より簡単な構成で視差バリア方式による裸眼での3D表示と、解像度の低下のない2D表示が切り替え可能な表示装置を提供する。
【解決手段】偏光板を削減して製造コストの低減を図るために、偏光板が不要な高分子分散型液晶を具備する光シャッター部を、視差バリアとして用いる。また、バックライトとなる光源部を、拡散板が不要な面光源を形成する、EL素子による光源を用いる。また、バックライトとなる光源部として、複数のEL素子を設け、当該EL素子を選択的に制御可能にして、選択的な光の射出をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及び当該液晶表示装置を具備する電子機器に関する。特に、3次元表示(3D表示)を行う液晶表示装置及び当該液晶表示装置を具備する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、テレビ受像機などの大型表示装置から携帯電話などの小型表示装置に至るまで、普及が進んでいる。今後は、より付加価値の高い製品が求められており開発が進められている。近年では、より臨場感のある画像を再現するため、3D表示を体験可能な液晶表示装置の開発が進められている。
【0003】
3D表示を行う表示方式としては、左目で見る画像と右目で見る画像とを分離するための眼鏡を用いる方式(画像分離方式ともいう)と、表示部において左目で見る画像と右目で見る画像を分離するための構成を追加し裸眼での3D表示を可能にする裸眼方式と、がある。裸眼方式による3D表示は、眼鏡を別途準備する必要がなく、利便性に優れている。裸眼方式による3D表示は、携帯電話や携帯型遊技機等での普及が広がりつつある。
【0004】
裸眼方式による3D表示としては、表示部に視差バリアを追加する、いわゆる視差バリア方式(パララックスバリア方式とも言う)が知られている。視差バリア方式における視差バリアは、ストライプ状の遮光部であり、3D表示から2次元表示(2D表示)に切り替えた際に解像度を低下させる原因になる。そのため視差バリア方式では、2D表示と3D表示とを切り替える場合に、パターニングされた透明電極を有する液晶パネルを用い、当該透明電極に印加する電圧を制御することで液晶層による透光または遮光を切り替える方法が提案されている。この方法により、視差バリアとしての効果の有無を切り替えることが可能である(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−258013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、所定のパターンに透明電極を形成して当該透明電極で挟持するよう液晶層を設け、さらにその外側において偏光板を設けて液晶層による視差バリアを実現する構成が記載されている。しかしながら、当該特許文献1の構成では、偏光板等、多くの部材が必要であり、製造コストの増加が問題となる。また偏光板による光の減衰が起こるため、高い輝度のバックライトが必要であり、液晶表示装置の消費電力の増加が問題となる。
【0007】
そこで、本発明の一態様は、より簡単な構成で視差バリア方式による裸眼での3D表示と、解像度の低下のない2D表示が切り替え可能な表示装置を提供することを課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、偏光板を削減して製造コストの低減を図るために、偏光板が不要な高分子分散型液晶を具備する光シャッター部を、視差バリアとして用いることを特徴とする。本発明の一態様は、バックライトとなる光源部を、拡散板が不要な面光源を形成する、EL(Electroluminescence)素子による光源を用いることを特徴とする。本発明の一態様は、バックライトとなる光源部として、複数のEL素子を設け、当該複数のEL素子を選択的に制御して、選択的な光の射出をすることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様は、EL素子を有する面光源より光を射出する光源部と、光源部に重畳して設けられ、かつ複数の電極と当該複数の電極で挟持された高分子分散型液晶を有する光シャッター部と、光源部及び光シャッター部に重畳して設けられ、左目用の表示を行う第1の画素部及び右目用の表示を行う第2の画素部を有する液晶パネルと、を有する液晶表示装置である。前記複数の電極に印加する電圧を制御して前記高分子分散型液晶に透光部及び遮光部が形成され、前記光源部からの光の透過が制御される。
【0010】
本発明の一態様は、複数のEL素子を有する光源より選択的に光を射出する光源部と、光源部に重畳して設けられ、かつ複数の電極と当該複数の電極で挟持された高分子分散型液晶を有する光シャッター部と、光源部及び光シャッター部に重畳して設けられ、左目用の表示を行う第1の画素部及び右目用の表示を行う第2の画素部を有する液晶パネルと、を有する液晶表示装置である。前記複数の電極に印加する電圧を制御して前記高分子分散型液晶に透光部及び遮光部が形成され、前記光源部からの光の透過が制御される。
【0011】
本発明の一態様において、複数のEL素子は、アクティブマトリクス駆動またはパッシブマトリクス駆動により選択的な光の射出が制御される液晶表示装置が好ましい。
【0012】
本発明の一態様において、第1の画素部及び第2の画素部は、カラーフィルタ、液晶素子及び液晶素子を駆動するスイッチング素子を有する液晶表示装置が好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様により、偏光板が削減され、製造コストの低減を図ることができる。また、本発明の一態様により、光源部の拡散板が削減され、製造コストの低減を図ることができる。また、より簡単な構成による視差バリア方式による裸眼での3D表示と、解像度の低下のない2D表示が切り替え可能な液晶表示装置を実現できる。
【0014】
本発明の一態様により、光源部での選択的な光の射出をすることができ、光の射出を行わない領域を形成することができる。そのため、コントラスト比の向上及び低消費電力化が可能な液晶表示装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】液晶表示装置の構成を示す図。
【図2】光源部の構成を示す図。
【図3】光源部の回路図及びブロック図。
【図4】光源部の断面図。
【図5】光シャッター部の構成を示す図。
【図6】光源部の光の射出例を示す図。
【図7】電子機器を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
【0017】
なお、各実施の形態の図面において示す各構成の、大きさ、厚さ、又は面積は、明瞭化のために誇張されて表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
【0018】
なお本明細書にて用いる第1、第2、第3、乃至第N(Nは自然数)という用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0019】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の液晶表示装置の構成について図1を参照して説明する。
【0020】
図1(A)は、液晶表示装置の構成例を示す図である。図1(A)に示す液晶表示装置10は、光源部100、光シャッター部110及び液晶パネル120を有する。図1(A)では、液晶表示装置10を視認する視認者の左目130L及び右目130Rを示している。そして図1(A)では、視認者の左目130L及び右目130Rに向かう矢印によって、液晶表示装置10からの光が視認者に視認される様子を可視化して示している。
【0021】
光源部100は、EL素子を一面に形成して得られる面光源を有する。光源部100は、光シャッター部110及び液晶パネル120に重畳して設けられる。光源部100は、図1(A)に示す矢印で表す光を、光シャッター部110側に射出する。
【0022】
光シャッター部110は、電極に印加する電圧を制御することで透光部110A及び遮光部110Bが形成される、当該電極で挟持された高分子分散型液晶を有する。従って、光シャッター部110は、当該透光部110A及び遮光部110Bにより、光源部100からの光を選択的に透過させる。光シャッター部110は、光源部100及び液晶パネル120に重畳して設けられ、且つ光源部100と液晶パネル120との間に設けられる。光シャッター部110では、図1(A)に示すように、光源部100からの矢印で表す光が、透光部110Aを透過し、遮光部110Bで遮光される様子を可視化して示している。
【0023】
液晶パネル120は、左目用の表示を行う第1の画素部120L及び右目用の表示を行う第2の画素部120Rを有する。そして液晶パネル120では、光シャッター部110の透光部110Aを透過した光源部100からの光を、第1の画素部120L及び第2の画素部120Rで画像信号に応じて透過させる。第1の画素部120Lで左目用の表示のために制御された光は、視認者の左目130Lに入射されることで、視認される。また第2の画素部120Rで右目用の表示のために制御された光は、視認者の右目130Rに入射することで、視認される。液晶パネル120は、光源部100及び光シャッター部110に重畳して設けられ、且つ光源部100及び光シャッター部110より視認者側に設けられる。
【0024】
図1(B)は、図1(A)に示す液晶表示装置10の各構成を更に詳細に示した断面図である。図1(B)には、図1(A)と同様に、光源部100、光シャッター部110及び液晶パネル120を示している。
【0025】
光源部100は、第1の基板101、EL素子102及び第2の基板103を有する。EL素子102は、一面に形成されることで面光源として機能する。EL素子102からは、光シャッター部110に向けて光が射出される(図1(B)中、矢印104)。
【0026】
第1の基板101は、基板上にEL素子102を形成することのできる基板であればよい。第1の基板101は、一例としてはガラス基板である。なお第1の基板101は、透光性を有する必要はなく、例えば金属基板であってもよい。金属基板の場合には、熱伝導性が優れているため、例えばヒートシンクとしての機能を付加することが可能である。
【0027】
EL素子102は、陽極(第1の電極ともいう)、陰極(第2の電極ともいう)及び陽極と陰極との間に挟まれたEL層を有する素子である。EL層は、発光層の他、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層を有する構成でもよい。EL素子102は、陽極と陰極との間に、補色の関係にある色の発光をするEL層を積層することで白色光を得る構成でも良い。EL素子102におけるEL層の発光は、蛍光でもよいし、燐光でもよいし、これらの双方であってもよい。
【0028】
第2の基板103は、透光性を有する基板である。第2の基板103は、一例として、ガラス基板及び石英基板である。また第2の基板103の代わりに、透光性及びガスバリア性を有する絶縁膜を用いる構成でもよい。
【0029】
光シャッター部110は、第1の基板111、第1の電極112、高分子分散型液晶113、第2の電極114及び第2の基板115を有する。光シャッター部110では、第1の電極112及び第2の電極114の間に印加される電圧によって高分子分散型液晶113の配向が制御される。光シャッター部110では、光シャッター部110に射出された光の散乱が選択的に制御される。そして光シャッター部110は、当該散乱に応じて光の透過または遮光を制御する。光シャッター部110を透過する光は、液晶パネル120に向けて選択的に射出される(図1(B)中、矢印116)。そのため光シャッター部110は、視差バリアの効果の有無を高分子分散型液晶113の配向により切り替えることができ、視差バリアによる裸眼での3D表示と、視差バリアによる解像度の低下のない2D表示が切り替え可能な液晶表示装置を実現できる。
【0030】
第1の基板111は、第1の電極112を形成することができ、且つ透光性を有する基板である。第1の基板111は、一例として、ガラス基板及び石英基板である。
【0031】
第1の電極112は、透光性及び導電性を有する材料で形成される。第1の電極112の材料は、一例として、酸化インジウム酸化スズ(In―SnO、ITOと略記する)である。
【0032】
高分子分散型液晶113(PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal))は、液晶を高分子中に分散させた層を液晶層として用いる液晶方式である。液晶は、該径が約0.1μm以上20μm以下(代表的には1μm程度)の微小粒である。なお、駆動方法としてはPDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モードを用いる。また、高分子ネットワーク型液晶(PNLC(Polymer Network Liquid Crystal))を用いてもよい。高分子ネットワーク型液晶は、高分子ネットワーク中に液晶が連続的に配置された層を液晶層として用いる液晶方式である。なお本明細書及び特許請求の範囲において、高分子分散型液晶といえば、上記例示した高分子分散型液晶に加えて高分子ネットワーク型液晶を含む液晶を指すものとする。
【0033】
第2の電極114は、透光性及び導電性を有する材料で形成される。第1の電極112の材料は、一例として、ITOである。
【0034】
第2の基板115は、第2の電極114を形成することができ、且つ透光性を有する基板である。第2の基板115は、一例として、ガラス基板及び石英基板である。
【0035】
液晶パネル120は、第1の偏光板121、第1の基板122、スイッチング素子123、第1の電極124、液晶125、第2の電極126、赤のカラーフィルタ127R、緑のカラーフィルタ127G、青のカラーフィルタ127B、第2の基板128及び第2の偏光板129を有する。
【0036】
第1の偏光板121は、光シャッター部110を透過して液晶パネル120に向けて選択的に射出された光を偏光する偏光板である。
【0037】
第1の基板122は、スイッチング素子123を形成することができ、且つ透光性を有する基板である。第1の基板122は、一例として、ガラス基板及び石英基板である。
【0038】
スイッチング素子123には、トランジスタ、中でも薄膜トランジスタを用いることができる。薄膜トランジスタのチャネルが形成される半導体膜に用いる半導体材料の一例としては、非晶質シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、微結晶シリコンなどを用いることができる。また、他の一例としては、酸化物半導体を用いることができる。
【0039】
第1の電極124は、透光性及び導電性を有する材料で形成される。第1の電極124の材料は、一例として、ITOである。
【0040】
液晶125は、第1の偏光板121及び第2の偏光板129と組み合わせて用いることにより、光の透過の度合いを制御する液晶である。液晶125は、第1の電極124及び第2の電極126の間に印加される電圧により生じる電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む)によって配向を制御し、光の透過の度合いを制御する。
【0041】
第2の電極126は、透光性及び導電性を有する材料で形成される。第2の電極126の材料は、一例として、ITOである。
【0042】
赤のカラーフィルタ127R、緑のカラーフィルタ127G及び青のカラーフィルタ127Bは、所定の色に対応する波長領域の光を通すことができる材料を選択的に形成して設けられる。赤のカラーフィルタ127R、緑のカラーフィルタ127G及び青のカラーフィルタ127Bは、一例として、顔料を分散させたアクリル系樹脂などの有機樹脂を用いて形成する。インクジェットなどの液滴吐出法を用いることで、選択的に赤のカラーフィルタ127R、緑のカラーフィルタ127G及び青のカラーフィルタ127Bを形成することもできる。
【0043】
第2の基板128は、第2の電極126並びに赤のカラーフィルタ127R、緑のカラーフィルタ127G及び青のカラーフィルタ127Bを形成することができ、且つ透光性を有する基板である。第2の基板128は、一例として、ガラス基板及び石英基板である。
【0044】
第2の偏光板129は、視認者側に向けて、第1の偏光板121及び液晶125を透過して射出された光を偏光する偏光板である。なお、第2の偏光板129は、第1の偏光板121の透過軸に対して、クロスニコルの関係になるよう配置することが好ましい。
【0045】
以上説明した本実施の形態の構成により、光シャッター部110を偏光板が必要な液晶を有する構成で形成した場合に比べ、偏光板を削減して製造コストの低減を図ることができる。また本実施の形態の構成により、光シャッター部110を偏光板が必要な液晶を有する構成で形成した場合に比べ、偏光板を削減することによる表示面での輝度の向上を図ることができる。また以上説明した本実施の形態の構成により、拡散板を用いて発光ダイオードの光を一様な面光源として利用する構成と比べ、EL素子によるバックライトとなる面光源を形成することにより拡散板を不要にし、製造コストの低減を図ることができる。そのため本実施の形態によると、より簡単な構成による視差バリア方式による裸眼での3D表示と、解像度の低下のない2D表示が切り替え可能な液晶表示装置を実現できる。
【0046】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0047】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1で説明した液晶表示装置10を構成する光源部100及び光シャッター部110の、構成例及び変形例について説明する。
【0048】
<光源部100の構成例>
図2(A)は、図1(A)に示した光源部100の変形例を示す図である。図2(A)に示す光源部100は、上記実施の形態1で説明した第1の基板101、EL素子102及び第2の基板103の他、スイッチング素子105、EL素子102を複数のEL素子に分離するための隔壁106を有する。
【0049】
スイッチング素子105は、トランジスタ、中でも薄膜トランジスタを用いることができる。薄膜トランジスタのチャネルが形成される半導体膜に用いる半導体材料の一例としては、非晶質シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、微結晶シリコンなど用いることができる。他の一例としては、酸化物半導体を用いることができる。
【0050】
隔壁106は、隣接する複数のEL素子102の間で電気的な短絡が生じないように、各EL素子を分離するための絶縁物による構造体である。隔壁106は、一例として、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の有機樹脂または無機絶縁材料により形成することができる。
【0051】
図2(A)の構成とすることで、複数のEL素子をスイッチング素子により選択的に制御するアクティブマトリクス方式による動作を実現できる。従って本実施の形態の構成で、バックライトとして機能する光源部100は、マトリクス状に配置される複数のEL素子を選択的に制御することができ、選択的な光の射出をすることができる。
【0052】
また図2(A)に示した複数のEL素子を選択的に制御する構成の、別の構成について図2(B)に示す。図2(A)では、光の射出方向について、矢印104で示すように第2の基板103側より射出する構成について示している。他方、図2(B)に示す構成では、光の射出方向について、矢印104で示すように第1の基板101側より射出する構成について示している。
【0053】
なお図2(C)に示すように、光源部100にスイッチング素子を形成せず、いわゆるパッシブマトリクス方式による動作によって選択的な発光を行っても良い。
【0054】
次いで、図3(A)、(B)では、図2(A)、(B)に示したアクティブマトリクス方式による、光源部100の構成のブロック図及び回路図による説明を行う。
【0055】
図3(A)に示すアクティブマトリクス方式での光源部100のブロック図は、走査線駆動回路201、信号線駆動回路202、光源領域203で表すことができる。光源領域203には各々EL素子が設けられる複数の光源204がマトリクス状に設けられている。複数の光源204は、走査線駆動回路201によって制御される走査線205、信号線駆動回路202によって制御される信号線206及び電源回路207に接続された電流供給線208に接続される。
【0056】
図3(B)は、図3(A)に示す光源領域203が有する光源204の回路図の一例を示す図である。図3(B)に示す光源204は、ゲートが走査線205に接続され、ソース及びドレインの一方が信号線206に接続されたトランジスタ211と、一方の電極がトランジスタ211のソース及びドレインの他方に接続され、他方の電極が電流供給線208に接続された容量素子212と、ゲートがトランジスタ211のソース及びドレインの他方並びに容量素子212の一方の電極に接続され、ソース及びドレインの一方が電流供給線208に接続されたトランジスタ213と、一方の電極がトランジスタ213のソース及びドレインの他方に接続され、他方の電極が共通電極に接続されたEL素子214と、を有する。図3(A)、(B)の構成とすることで、走査線205及び信号線206により選択的に、光を射出する光源204を発光させることができる。また図3(A)、(B)の構成では、各光源204に流れる電流量を調整することで、階調の制御も個別に行うことが可能となる。
【0057】
次いでEL素子の断面図の構成例について説明する。本実施の形態では、スイッチング素子として多結晶シリコンを有する薄膜トランジスタを用いる場合について説明する。
【0058】
図4(A)、(B)に示すように、第1の基板300に設けられたスイッチング素子であるトランジスタ301は、薄膜トランジスタを用いることができる。薄膜トランジスタのチャネルが形成される半導体膜に用いる半導体材料の一例としては、非晶質シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、微結晶シリコンなどを用いることができる。他の一例としては、酸化物半導体を用いることができる。
【0059】
なお図4(A)では図2(A)で示した第2の基板側への光の射出を行う構成、図4(B)では図2(B)で示した第1の基板側への光の射出を行う構成について示している。
【0060】
半導体膜には、ゲート絶縁膜を介してゲート電極(走査線)が設けられており、ゲート電極下の半導体膜がチャネル形成領域となる。また、半導体膜は、ソース領域又はドレイン領域となる領域を有する。ゲート電極を覆うように第1の絶縁膜316が設けられている。第1の絶縁膜316にはソース領域又はドレイン領域となる領域上に開口部(コンタクトホール)が設けられている。開口部には電極(配線)が設けられており、当該電極はソース電極及びドレイン電極として機能する。第1の絶縁膜316の材料は、有機材料や無機材料を用いることができる。
【0061】
ドレイン電極と接続するように、EL素子の第1の電極311が設けられる。そして第1の電極311の一部を覆うように隔壁317が設けられる。第1の電極311上にはEL層312が設けられ、EL層312の上には第2の電極313が設けられる。第2の電極313上にはパッシベーション膜として機能する第2の絶縁膜314が設けられる。第2の絶縁膜314により、劣化の要因となる水分や酸素の侵入を防止することができる。
【0062】
第1の基板300と第2の基板315とを張り合わせた後に形成される空間には、窒素を封入し、加えて乾燥剤を配置してもよい。
【0063】
以上説明したEL素子の断面図の構成で、図4(A)に示すように第2の基板315側に光を射出する構成とするには、第1の電極311を光の反射性の高い材料とし、第2の電極313を透光性の高い材料とする。
【0064】
また以上説明したEL素子の断面図の構成で、図4(B)に示すように第1の基板300側に光を射出する構成とするには、第1の電極311を透光性の高い材料とし、第2の電極313を光の反射性の高い材料とすると好ましい。
【0065】
<光シャッター部110の構成例>
図1(A)、(B)に示す光シャッター部110における第1の電極112及び第2の電極114は、視認者が視差を認識できるようストライプ状の透光部110Aまたは遮光部110Bが形成されるよう予め電極を形成しておく。すなわち光シャッター部110における高分子分散型液晶は、第1の電極112及び第2の電極114の設け方により、縦方向の透光部110A及び遮光部110Bによるストライプ(図5(A)を参照)、または横方向の透光部110A及び遮光部110Bによるストライプ(図5(B)を参照)を選択して形成できる。なお光シャッター部110の第1の電極112及び第2の電極114に電圧を印加しないことで遮光部をなくし、光シャッター部の全面にて光を透過させるよう切り替えることが可能である。当該切り替えは、2D表示の際、解像度を落とさずに表示を行う上で有効である。
【0066】
<複数のEL素子を有する光源部100による利点>
図6(A)、(B)は、上述した複数のEL素子を有する光源部100と、ストライプ状の遮光部を形成することができる光シャッター部110を組み合わせることによる利点について説明するための図である。
【0067】
液晶表示装置において、光源部100の複数のEL素子を個別に制御することによって、光源部100による光の射出を局所的に制御することができる。そのため、液晶表示装置が表示するコントラスト比を改善させることが可能である。
【0068】
バックライトとして機能する光源部100の局所的な制御について、具体的な例を図6(A)に示す。光源部100での光の射出が局所的に制御可能である場合、図6(A)の光源部100に示すように、光源非点灯部100A及び光源点灯部100Bを形成することができる。そのため、液晶表示装置で表示する画像の明暗に応じて、該画像に対応する領域のEL素子の光の射出を局所的に制御する構成とすることができる。該構成により、視認される画像のコントラスト比を改善することができる。なお2D表示及び3D表示を切り替えても同様の効果を奏することができる。
【0069】
また本実施の形態の構成は、光源部100での複数のEL素子による選択的な光の射出を、光シャッター部110の第1の電極112の幅と同等に細分化することができる。従って、例えば、光シャッター部110でのストライプ状の透光部110A及び遮光部110Bに応じた、複数のEL素子による選択的な光の射出を行う構成とすることも可能である。より具体的には、光シャッター部110の第1の電極112と重なるEL素子のみを選択的に発光させる、あるいは選択的に非発光とすることも可能である。
【0070】
光源部100の複数のEL素子の個別的な光の射出の構成例について図6(B)を用いて説明する。図6(B)では、光シャッター部110において、ストライプ状の透光部110A及び遮光部110Bを有する。光シャッター部110では高分子分散型液晶への電圧の印加が十分でない領域が生じることもあり得る。この場合、遮光部110Bで光漏れが生じやすい。また、視認者の位置によっては、遮光部110Bと重なるEL素子からの光漏れが認識されることがある。そのため、この光漏れをなくすよう、光源部100における遮光部110Bと重なる領域において、局所的に光源非点灯部100A及び光源点灯部100Bを形成する。一例としては、図6(B)に示すように、光シャッター部110の遮光部110Bと重なる領域において、透光部110Aと重なる領域との境界付近のEL素子を選択的に発光させて光源点灯部100Bとすればよい。
【0071】
本実施の形態で説明した本発明の一態様では、上記実施の形態1の構成と同様に、光シャッター部110を偏光板が必要な液晶を有する構成で形成した場合に比べ、偏光板を削減して製造コストの低減を図ることができる。また本実施の形態で説明した本発明の一態様では、上記実施の形態1の構成と同様に、光シャッター部110を偏光板が必要な液晶を有する構成で形成した場合に比べ、偏光板を削減することによる表示面での輝度の向上を図ることができる。そのため本実施の形態によると、より簡単な構成による視差バリア方式による裸眼での3D表示と、解像度の低下のない2D表示が切り替え可能な液晶表示装置を実現できる。
【0072】
また特に本実施の形態で示した本発明の一態様は、バックライトとなる光源部に、複数のEL素子を設け、当該EL素子を選択的に制御可能にして、選択的な光の射出をすることができる。
【0073】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0074】
(実施の形態3)
本明細書に開示する液晶表示装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ等のカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。上記実施の形態で説明した表示装置を具備する電子機器の例について説明する。
【0075】
図7(A)は、電子書籍の一例を示している。図7(A)に示す電子書籍は、筐体1700及び筐体1701の2つの筐体で構成されている。筐体1700及び筐体1701は、蝶番1704により一体になっており、開閉動作を行うことができる。このような構成により、書籍のような動作を行うことが可能となる。
【0076】
筐体1700には表示部1702が組み込まれ、筐体1701には表示部1703が組み込まれている。表示部1702及び表示部1703は、続き画面を表示する構成としてもよいし、異なる画面を表示する構成としてもよい。異なる画面を表示する構成とすることで、例えば右側の表示部(図7(A)では表示部1702)に文章を表示し、左側の表示部(図7(A)では表示部1703)に画像を表示することができる。
【0077】
また、図7(A)では、筐体1700に操作部等を備えた例を示している。例えば、筐体1700は、電源入力端子1705、操作キー1706、スピーカ1707等を備えている。操作キー1706により、頁を送ることができる。なお、筐体の表示部と同一面にキーボードやポインティングディバイス等を備える構成としてもよい。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子、及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成としてもよい。さらに、図7(A)に示す電子書籍は、電子辞書としての機能を持たせた構成としてもよい。
【0078】
図7(B)は、表示装置を用いたデジタルフォトフレームの一例を示している。例えば、図7(B)に示すデジタルフォトフレームは、筐体1711に表示部1712が組み込まれている。表示部1712は、各種画像を表示することが可能であり、例えば、デジタルカメラ等で撮影した画像データを表示させることで、通常の写真立てと同様に機能させることができる。
【0079】
なお、図7(B)に示すデジタルフォトフレームは、操作部、外部接続用端子(USB端子、USBケーブル等の各種ケーブルと接続可能な端子等)、記録媒体挿入部等を備える構成とする。これらの構成は、表示部と同一面に組み込まれていてもよいが、側面や裏面に備えるとデザイン性が向上するため好ましい。例えば、デジタルフォトフレームの記録媒体挿入部に、デジタルカメラで撮影した画像データを記憶したメモリを挿入して画像データを取り込み、取り込んだ画像データを表示部1712に表示させることができる。
【0080】
図7(C)は、表示装置を用いたテレビジョン装置の一例を示している。図7(C)に示すテレビジョン装置は、筐体1721に表示部1722が組み込まれている。表示部1722により、映像を表示することが可能である。また、ここでは、スタンド1723により筐体1721を支持した構成を示している。表示部1722は、上記実施の形態に示した表示装置を適用することができる。
【0081】
図7(C)に示すテレビジョン装置の操作は、筐体1721が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機により行うことができる。リモコン操作機が備える操作キーにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部1722に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機に、当該リモコン操作機から出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
【0082】
図7(D)は、表示装置を用いた携帯電話機の一例を示している。図7(D)に示す携帯電話機は、筐体1731に組み込まれた表示部1732の他、操作ボタン1733、操作ボタン1737、外部接続ポート1734、スピーカ1735、及びマイク1736等を備えている。
【0083】
図7(D)に示す携帯電話機は、表示部1732がタッチパネルになっており、指等の接触により、表示部1732の表示内容を操作することができる。また、電話の発信、或いはメールの作成等は、表示部1732を指等で接触することにより行うことができる。
【0084】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0085】
100 光源部
101 第1の基板
102 EL素子
103 第2の基板
104 矢印
105 スイッチング素子
106 隔壁
110 光シャッター部
111 第1の基板
112 第1の電極
113 高分子分散型液晶
114 第2の電極
115 第2の基板
116 矢印
120 液晶パネル
121 第1の偏光板
122 第1の基板
123 スイッチング素子
124 第1の電極
125 液晶
126 第2の電極
128 第2の基板
129 第2の偏光板
201 走査線駆動回路
202 信号線駆動回路
203 光源領域
204 光源
205 走査線
206 信号線
207 電源回路
208 電流供給線
211 トランジスタ
212 容量素子
213 トランジスタ
214 EL素子
300 第1の基板
301 トランジスタ
311 第1の電極
312 EL層
313 第2の電極
314 第2の絶縁膜
315 第2の基板
316 第1の絶縁膜
317 隔壁
100A 光源非点灯部
100B 光源点灯部
110A 透光部
110B 遮光部
120L 画素部
120R 画素部
127B カラーフィルタ
127G カラーフィルタ
127R カラーフィルタ
130L 左目
130R 右目
1700 筐体
1701 筐体
1702 表示部
1703 表示部
1704 蝶番
1705 電源入力端子
1706 操作キー
1707 スピーカ
1711 筐体
1712 表示部
1721 筐体
1722 表示部
1723 スタンド
1731 筐体
1732 表示部
1733 操作ボタン
1734 外部接続ポート
1735 スピーカ
1736 マイク
1737 操作ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EL素子を有する面光源より光を射出する光源部と、
前記光源部に重畳して設けられ、複数の電極に印加する電圧を制御して当該複数の電極で挟持された高分子分散型液晶に透光部及び遮光部を形成し、当該透光部及び遮光部により選択的に前記光源部からの光を透過させる光シャッター部と、
前記光源部及び前記光シャッター部に重畳して設けられ、左目用の表示を行う第1の画素部及び右目用の表示を行う第2の画素部を有する液晶パネルと、を有する液晶表示装置。
【請求項2】
複数のEL素子を有する光源より選択的に光を射出する光源部と、
前記光源部に重畳して設けられ、複数の電極に印加する電圧を制御して当該複数の電極で挟持された高分子分散型液晶に透光部及び遮光部を形成し、当該透光部及び遮光部により選択的に前記光源部からの光を透過させる光シャッター部と、
前記光源部及び前記光シャッター部に重畳して設けられ、左目用の表示を行う第1の画素部及び右目用の表示を行う第2の画素部を有する液晶パネルと、を有する液晶表示装置。
【請求項3】
請求項2において、前記複数のEL素子は、アクティブマトリクス駆動またはパッシブマトリクス駆動により前記選択的な光の射出が制御される液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、前記第1の画素部及び前記第2の画素部は、カラーフィルタ、液晶素子及び前記液晶素子を駆動するスイッチング素子を有する液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の液晶表示装置を具備する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−186798(P2012−186798A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−25666(P2012−25666)
【出願日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】