説明

液晶表示装置

【課題】安価で製造歩留まりが高く、しかも表示品位の優れた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】アレイ基板100と対向基板200との間に液晶層300を挟持して構成された液晶表示装置において、画像を表示する表示領域において、第1膜厚を有する赤色カラーフィルタ層24Rと、第1膜厚より厚い第2膜厚を有する青色カラーフィルタ層24Bと、赤色カラーフィルタ層24R上に配置されアレイ基板100と対向基板200との間に液晶層300を挟持するためのギャップを形成する柱状スペーサ31と、を備え、表示領域102周辺の周辺領域において、表示領域周縁に沿って額縁状に配置された遮光層SPを備え、柱状スペーサ31及び遮光層SPは、同一工程にて同一材料によって形成されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液晶表示装置に係り、特に、液晶層を通過する色毎に液晶層を挟持する基板間のギャップが異なるマルチギャップ構造のカラー液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、一般的に用いられている液晶表示装置は、電極を有する2枚のガラス基板の間に液晶層を挟持して構成されている。これら2枚の基板は、その周囲を液晶封入口を除いて塗布された接着剤によって固定されている。これらの2枚の基板間には、プラスティックビーズなどのスペーサが配置され、基板間のギャップを保持している。
【0003】
この中でカラー表示用の液晶表示装置は、2枚のガラス基板のうちの一方の基板の画素毎に配置された赤(R)、緑(G)、青(B)の着色層からなるカラーフィルタ層を備えている。
【0004】
ところで、液晶表示装置の視野角特性は、液晶層を挟持する基板間のギャップに大きく依存している。すなわち、基板間のギャップをd、液晶層を構成する液晶組成物の屈折率異方性をΔn、液晶層を通過する光の波長をλ、u=2・d・Δn/λとすると、光の透過率Tは、一般に、
T=sin[((1+u1/2・π/2)/(1+u)]
なる式によって与えられる。つまり、液晶層を通過する光の透過率Tが最大となる実効的な液晶層の厚さ(d・Δn)は、液晶層を通過する光の波長に依存して異なる。
【0005】
このため、カラーフィルタ層の膜厚を透過光の波長に合わせて異ならせることで、色毎に液晶層を挟持する基板間のギャップが異なるマルチギャップ構造の液晶表示装置が提案されている。このような構造の液晶表示装置では、スペーサは、プラスティックからなる複数種類の球状体または円柱状体を一方の基板上に散布することによって形成している(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−347802号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来提案されたマルチギャップ構造の液晶表示装置では、それぞれのギャップに合わせて直径の異なる複数種類のスペーサを用意するか、密度の異なる複数種類のスペーサを用意する必要がある。また、製造工程において、それぞれのギャップに適合したスペーサを別々の工程で散布する必要があり、工程数が増えてしまう。このように、複数種類のスペーサを用意したり、製造工程数が増えたりすることにより、製造コストが増大し、製造歩留まりが低下するといった問題がある。
【0008】
また、仮に液晶材料にスペーサを分散させてスペーサの配置を液晶注入と同時に行うことで工程数を削減できたとしても、1画素あたりに散布されるスペーサの密度を厳密に制御することができない。このため、スペーサが一部に凝集してしまうこと(例えば球状体のスペーサが液晶層の厚さ方向に重なるなど)によって、所望のギャップが得られずに、表示不良を招くおそれがある。また、球状体または円柱状体のスペーサの周囲では、液晶組成物の配向不良を招くおそれがあり、表示不良の原因となる。
【0009】
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、安価で製造歩留まりが高く、しかも表示品位の優れた液晶表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の様態による液晶表示装置は、
第1基板と第2基板との間に液晶層を挟持して構成された液晶表示装置において、
画像を表示する表示領域にマトリクス状に配置され、前記第1基板と前記第2基板との間に前記液晶層を挟持するためのギャップが異なる複数種類の画素と、
前記複数種類の画素のうち、最も大きいギャップを有する画素において前記ギャップを形成するために前記第1基板と前記第2基板との間に配置された柱状スペーサと、
前記表示領域周辺の周辺領域に配置され、前記表示領域の周縁に沿って額縁状に配置された遮光層と、を備え、
前記柱状スペーサ及び前記遮光層は、同一材料によって形成されたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態に係る液晶表示装置について図面を参照して説明する。
【0012】
図1及び図2に示すように、この実施の形態に係る液晶表示装置、例えばアクティブマトリクス型液晶表示装置は、液晶表示パネル10を備えている。この液晶表示パネル10は、アレイ基板100と、このアレイ基板100に対向配置された対向基板200と、アレイ基板100と対向基板200との間に配置された液晶層300とを備えている。
【0013】
これらアレイ基板100と対向基板200とは、液晶層300を挟持するための所定のギャップを形成しつつシール部材106によって貼り合わせられている。液晶層300は、アレイ基板100と対向基板200との間に封入された液晶組成物によって構成されている。
【0014】
このような液晶表示パネル10において、画像を表示する表示領域102は、マトリクス状に配置された複数の画素PXによって構成されている。表示領域102の周縁は、額縁状に形成された遮光層SPによって遮光されている。
【0015】
表示領域102において、アレイ基板100は、図2に示すように、m×n個の画素電極151、m本の走査線Y1〜Ym、n本の信号線X1〜Xn、m×n個のスイッチング素子121を有している。一方、表示領域102において、対向基板200は、対向電極204を備えている。
【0016】
画素電極151は、表示領域102においてマトリクス状に配置された画素PXにそれぞれ対応して設けられている。走査線Yは、これら画素電極151の行方向に沿って配列されている。信号線Xは、これら画素電極151の列方向に沿って配列されている。
【0017】
スイッチング素子121は、ポリシリコン半導体層を有するnチャネル型の薄膜トランジスタすなわち画素TFTであり、画素電極151に対応して走査線Y及び信号線Xの交差部近傍に配置されている。対向電極204は、すべての画素PXに対して共通に配置されており、液晶層300を介してm×n個の画素電極151すべてに対向する。
【0018】
表示領域102周辺の周辺領域104において、アレイ基板100は、走査線Y1〜Ymを駆動する駆動TFTを含む走査線駆動回路18、信号線X1〜Xnを駆動する駆動TFTを含む信号線駆動回路19などを有している。これら走査線駆動回路18及び信号線駆動回路19に含まれる駆動TFTは、ポリシリコン半導体層を有するnチャネル型薄膜トランジスタ及びpチャネル型薄膜トランジスタによって構成されている。
【0019】
図1及び図2に示した液晶表示パネル10は、例えばアレイ基板100側から対向基板200側に向けて選択的に光を透過する透過型である。このため、液晶表示装置は、図3に示すように、透過型の液晶表示パネル10と、この液晶表示パネル10を背面(アレイ基板100の外面側)から照明するバックライトユニット400と、を備えている。
【0020】
図3に示した液晶表示装置の表示領域102において、アレイ基板100は、ガラス基板などの透明な絶縁性基板11上に、マトリクス状に配置された複数の画素PXにそれぞれ対応して形成された画素TFT121、画素PX毎に画素TFT121を覆うように形成されたカラーフィルタ層24(R、G、B)、カラーフィルタ層24上に画素PX毎に配置された画素電極151、カラーフィルタ層24上に形成された柱状スペーサ31、複数の画素電極151全体を覆うように形成された配向膜13Aなどを備えている。また、アレイ基板100は、周辺領域104において、表示領域102の外周を取り囲むように配置された遮光層SPを備えている。
【0021】
カラーフィルタ層24(R、G、B)は、緑色(G)、青色(B)、及び赤色(R)にそれぞれ着色され、対応する色の画素PX毎に配置されている。各カラーフィルタ層24(R、G、B)は、緑色、青色、及び赤色の各色成分の光をそれぞれ透過させる3色の着色樹脂層によって構成されている。
【0022】
画素電極151は、ITO(インジウム・ティン・オキサイド)等の透過性導電部材によって形成されている。各画素電極151は、これらカラーフィルタ層24(R、G、B)を貫通するスルーホール26を介して対応する画素TFT121にそれぞれ接続されている。
【0023】
各画素TFT121は、図4に、より詳細な構造を示すように、ポリシリコン膜によって形成された半導体層112を有している。この半導体層112は、ガラス基板11上に配置されたアンダーコーティング層60上に配置され、チャネル領域112Cの両側にそれぞれ不純物をドープすることによって形成されたドレイン領域112D及びソース領域112Sを有している。
【0024】
また、この画素TFT121は、ゲート電極63、ドレイン電極88、及び、ソース電極89を備えている。
【0025】
ゲート電極63は、走査線Yと一体に形成され、ゲート絶縁膜62を介して半導体層112に対向して配置されている。ドレイン電極88は、信号線Xと一体に形成され、ゲート絶縁膜62及び層間絶縁膜76を貫通するコンタクトホール77を介して半導体層112のドレイン領域112Dに電気的に接続されることによって形成されている。
【0026】
ソース電極89は、ゲート絶縁膜62及び層間絶縁膜76を貫通するコンタクトホール78を介して半導体層112のソース領域112Sに電気的に接続されることによって形成されている。また、ソース電極89は、層間絶縁膜76、ドレイン電極88、及び、ソース電極89を覆うカラーフィルタ層24(R、G、B)に形成されたスルーホール26を介して画素電極151に電気的に接続されている。
【0027】
これにより、画素TFT121は、走査線Y及び信号線Xに接続され、走査線Yからの駆動電圧により導通し、信号線Xからの信号電圧を画素電極151に印加する。
【0028】
画素電極151は、液晶容量CLと電気的に並列な補助容量CSを形成する補助容量素子に電気的に接続されている。すなわち、補助容量電極61は、不純物ドープされたポリシリコン膜によって形成されている。この補助容量電極61は、半導体層121と同層のアンダーコーティング層60上に配置されている。また、補助容量電極61は、ゲート絶縁膜62及び層間絶縁膜76を貫通するコンタクトホール79を介してコンタクト電極80に電気的に接続されている。このコンタクト電極80は、カラーフィルタ層24を貫通するコンタクトホール81を介して画素電極151に電気的に接続されている。これにより、画素TFT121のソース電極89、画素電極30、及び補助容量電極61は、同電位となる。一方、補助容量線52は、その少なくとも一部がゲート絶縁膜62を介して補助容量電極61に対向配置され、所定電位に設定されている。
【0029】
これら信号線X、走査線Y、及び補助容量線52等の配線部は、アルミニウムや、モリブデン−タングステンなどの遮光性を有する低抵抗材料によって形成されている。この実施の形態では、互いに略平行に配置された走査線Y及び補助容量線52は、モリブデン−タングステンによって形成されている。また、層間絶縁膜76を介して走査線Yに対して略直交するように配置された信号線Xは、主にアルミニウムによって形成されている。また、信号線Xと一体のドレイン電極88、ソース電極89、及び、コンタクト電極80も、信号線Xと同様にアルミニウムによって形成されている。
【0030】
一方、図3に示すように、遮光層SPは、光の透過を遮るために黒色樹脂などの有色樹脂によって形成されている。柱状スペーサ31は、黒色樹脂などの有色樹脂によって形成されている。この柱状スペーサ31は、遮光性を有する配線部上に位置するよう赤色カラーフィルタ層24R上に配置されている。配向膜13Aは、液晶層300に含まれる液晶分子をアレイ基板100に対して所定方向に配向する。
【0031】
対向基板200は、ガラス基板などの透明な絶縁性基板21上に形成された対向電極204、この対向電極204を覆う配向膜13Bなどを有している。対向電極204は、ITO等の光透過性導電部材によって形成されている。配向膜13Bは、液晶層300に含まれる液晶分子を対向基板200に対して所定方向に配向する。
【0032】
液晶表示パネル10におけるアレイ基板100の外面には、偏光板PL1が設けられているとともに、対向基板200の外面には、偏光板PL2が設けられている。
【0033】
このような液晶表示装置において、バックライトユニット400から出射された光は、液晶表示パネル10をアレイ基板100の外面側から照明する。液晶表示パネル10におけるアレイ基板100側の偏光板PL1を通過して液晶表示パネル10の内部に入射した光は、液晶組成物300を介して変調され、対向基板200側の偏光板PL2によって選択的に透過される。これにより、液晶表示パネル10の表示領域102に画像が表示される。
【0034】
ところで、上述した液晶表示パネル10は、液晶層300を通過する光の色毎に液晶層300を挟持する基板間のギャップが異なるマルチギャップ構造を有している。すなわち、各画素PXにおける基板間のギャップ(アレイ基板100の配向膜13Aと対向基板200の配向膜13Bとで挟持される液晶層300の厚さに対応)は、各画素PXに配置されたカラーフィルタ層24(R、G、B)を透過する光の主波長に応じて決定される。つまり、液晶層300の屈折率異方性を考慮した実効的な液晶層300の厚さ(d・Δn)は、液晶層300を通過する光(各画素PXに配置されたカラーフィルタ層24(R、G、B)を透過する光の主波長)の透過率Tが最大となるように設定される。
【0035】
図3に示した実施の形態では、アレイ基板100と対向基板200とを互いに平行に配置した場合、赤色カラーフィルタ層24Rの膜厚が最も小さく、青色カラーフィルタ層24Bの膜厚が最も大きい。
赤色カラーフィルタ層の膜厚<緑色カラーフィルタ層の膜厚<青色カラーフィルタ層の膜厚
これにより、表示領域102には、ギャップの異なる2種類以上の画素が形成される。つまり、赤色カラーフィルタ層24Rを有する赤色画素でのギャップが最も大きく、青色カラーフィルタ層24Bを有する青色画素でのギャップが最も小さいマルチギャップ構造が構成される。
赤色画素のギャップ>緑色画素のギャップ>青色画素のギャップ
柱状スペーサ31は、最もギャップの大きい画素に配置されている。この実施の形態では、柱状スペーサ31は、赤色画素における赤色カラーフィルタ層24R上に配置されている。
【0036】
すなわち、上述したようなマルチギャップ構造においては、柱状スペーサ31は、いずれか1色のカラーフィルタ層24上に配置することが望ましい。これは、以下の理由によるものである。カラーフィルタ層24(R、G、B)の膜厚が色毎に異なる構造においては、同一形状の柱状スペーサを配置した場合、いずれのカラーフィルタ層24(R、G、B)上に配置された柱状スペーサも同一の高さとなる。このような形状の柱状スペーサは、マルチギャップ構造のそれぞれのギャップを支持することができない。また、ギャップの異なる画素毎に、異なる高さの柱状スペーサを配置するためには、それぞれの柱状スペーサを別個に形成する必要がある。このため、同様の柱状スペーサ形成プロセスを3回繰り返さなければならない。これにより、製造工程数が大幅に増加してしまい、製造コストの増加に繋がる。
【0037】
そこで、柱状スペーサ31をいずれか1色のカラーフィルタ層24上に配置する場合は、マルチギャップ構造のギャップを確実に支持できるとともに、製造工程数の大幅な増加がなく、製造コストを低減できる。さらに、遮光層SPと柱状スペーサ31とを同時に形成することにより、さらに製造工程数を削減することができる。
【0038】
しかしながら、遮光層SPに適用するような有色樹脂、特に黒色の感光性樹脂を用いた場合、フォトリソグラフィプロセスにおける露光工程において、感光性樹脂の深部まで露光できないことがある。すなわち、光の照射によって架橋して不溶化するネガ型の感光性樹脂材料で柱状スペーサを形成した場合、深部まで光架橋反応が進行せず、深部が現像液に溶解し、結果として柱状スペーサが逆テーパ形状になりやすい。このような形状の柱状スペーサは、支持強度が弱いばかりでなく、多少の衝撃によって欠落しやすい。したがって、ギャップの均一性が損なわれ、表示不良を招くおそれがある。
【0039】
この実施の形態では、マルチギャップ構造において、遮光層SPと柱状スペーサ31とを同一工程にて同一材料によって形成することで、製造工程数を削減しつつ、柱状スペーサ31を、ギャップの最も大きい画素すなわち赤色カラーフィルタ層24R上に配置することによって、逆テーパ形状を起こりにくくしている。
【0040】
以下に、この原理について黒色顔料を添加した感光性樹脂におけるフォトリソグラフィプロセスを例に説明する。図5は、黒色樹脂のプロセスマージンを説明するための図であり、(a)は比較的膜厚の厚い場合に対応し、(b)は比較的膜厚の薄い場合に対応する。
【0041】
すなわち、図5の(a)に示すように、膜厚の厚い黒色樹脂によって柱状スペーサ及び遮光層SPを同時に形成する場合、感光性樹脂中に分散される黒色顔料の濃度を低くしても、遮光層SPにおいて十分な遮光性を確保することができる。このように、黒色顔料濃度を低くすることにより、露光工程にて照射される光が深部まで到達し、光架橋反応が進行する。このため、現像工程において、柱状スペーサが逆テーパ形状になりにくくなる。
【0042】
さらに、黒色顔料濃度が低いため、感光性樹脂とその下地層(基板など)との密着力が低下し、現像プロセスによって柱状スペーサ周辺の残渣が完全に消失するまでの所要時間が短くなる。このため、残渣が完全に消滅するまでの時間と、逆テーパ形状によって柱状スペーサとして十分な支持強度が得られなくなるまでの時間との間隔が長い。これは、現像工程におけるプロセスマージンが広いことを意味する。すなわち、逆テーパ形状の柱状スペーサが形成されにくくなって、上述した逆テーパ形状の柱状スペーサに起因した課題を解決することができる。
【0043】
一方、図5の(b)に示すように、膜厚の薄い黒色樹脂によって柱状スペーサ及び遮光層SPを同時に形成する場合、感光性樹脂中に分散される黒色顔料の濃度を高くしなければ、遮光層SPにおいて十分な遮光性を確保することができない。このように、黒色顔料濃度を高くすることにより、例え薄い膜厚であっても露光工程にて照射される光が深部まで到達しにくくなり、光架橋反応が進行しにくくなる。このため、現像工程において、柱状スペーサが逆テーパ形状になりやすい。
【0044】
さらに、黒色顔料濃度が高いため、感光性樹脂とその下地層(基板など)との密着力が強く、現像プロセスによって柱状スペーサ周辺の残渣が完全に消失するまでの所要時間が長くなる。このため、残渣が完全に消滅するまでの時間と、逆テーパ形状によって柱状スペーサとして十分な支持強度が得られなくなるまでの時間との間隔が短い。これは、現像工程におけるプロセスマージンが狭いことを意味する。
【0045】
また、黒色樹脂によって柱状スペーサを形成した場合、感光性樹脂に添加される黒色顔料の濃度は、20〜30wt%程度が生産性の観点から望ましいことが見出された。黒色樹脂によって形成した柱状スペーサにおいては、黒色顔料濃度が0.5wt%高くなると、逆テーパ形状によって柱状スペーサとして十分な支持強度が得られなくなるまでの時間が約1秒短くなるため、プロセスマージンが約1秒短縮することになる。
【0046】
さらに、現像工程のプロセスマージンは、一般的なフォトリソグラフィプロセスの変動を考慮すると、10秒以上必要であることが確認された。このような観点に基づいて十分なプロセスマージンを確保するように黒色樹脂の材料、現像条件など、種々の条件を調整する。
【0047】
このとき、遮光層SPは、柱状スペーサ31と同一工程により同一材料によって形成されるため、柱状スペーサ31の高さと同等の膜厚となる。したがって、上述した黒色顔料濃度において、柱状スペーサ31の高さとして下限値が選択された場合であっても、それと同等の膜厚で形成された遮光層SPは、当然のことながら十分な遮光性(光学濃度O.D.として4.0以上)を有する。
【0048】
したがって、マルチギャップ構造においては、遮光層SPと同一材料からなる柱状スペーサ31は、ギャップが最大の画素に配置することが効果的であり、上述した実施の形態では、赤色画素における赤色カラーフィルタ層24R上に配置することが望ましい。これにより、各画素において、液晶層300を通過する光の透過率Tが最大となるような所望のギャップを形成することができる。
上述したマルチギャップ構造について、さらに具体的に説明する。例えば、図3に示した構造において、赤色画素及び青色画素に着目する。
【0049】
すなわち、画像を表示する表示領域102において、ギャップの異なる少なくとも2種類の画素がマトリクス状に配置され、第1基板としてのアレイ基板100は、赤色画素(第1画素)に対応して赤色カラーフィルタ層(第1カラーフィルタ層)24Rを有するとともに、青色画素(第2画素)に対応して青色カラーフィルタ層(第2カラーフィルタ層)24B及び柱状スペーサ31を有する。
【0050】
赤色カラーフィルタ層24Rは、例えば3.0μmの第1膜厚を有する。これに対して、青色カラーフィルタ層24Bは、第1膜厚より厚い第2膜厚を有し、例えば4.0μmの膜厚を有する。
【0051】
柱状スペーサ31は、最も大きいギャップを有する画素として赤色画素のカラーフィルタ層24R上に配置され、対向基板200に接触してアレイ基板100と対向基板200との間に液晶層300を挟持するためのギャップを形成し、赤色画素においては例えば約5.0μmのギャップが形成される。すなわち、柱状スペーサ31は、例えば約5.0μmの高さを有する。また、青色画素においては、約4.0μmのギャップが形成される。これによって、所望のマルチギャップが形成される。
【0052】
この柱状スペーサ31は、表示領域102の周縁に沿って額縁状に配置された光遮光性を有する遮光層SPと同一工程にて同一材料によって形成される。柱状スペーサ31及び遮光層SPは、例えば黒色樹脂によって形成される。このように、表示領域102に配置されたギャップの異なる2種類以上の画素のうち、柱状スペーサ31は、最もギャップの大きい画素のみに配置されるため、それぞれ高さの異なる柱状スペーサを個別に形成する工程が不要となるばかりでなく、遮光層SPと同一材料によって形成されるため、さらに工程数を削減することができる。
【0053】
次に、上述した液晶表示パネル10の製造方法について説明する。
【0054】
アレイ基板100の製造工程では、まず、ガラス基板11上にアンダーコーティング層60を形成した後、画素TFT121などのポリシリコン半導体層112及び補助容量電極61を形成する。続いて、ゲート絶縁膜62を形成した後、走査線Y、補助容量線52、及び、走査線Yと一体のゲート電極63などの各種配線を形成する。
【0055】
続いて、ゲート電極63をマスクとして、ポリシリコン半導体層112に不純物を注入し、ドレイン領域112D及びソース領域112Sを形成した後、基板全体をアニールすることにより不純物を活性化する。続いて、層間絶縁膜76を形成した後、ゲート絶縁膜62及び層間絶縁膜76を貫通して各コンタクトホール77、78、79を形成する。続いて、信号線Xを形成するとともに、信号線Xと一体に画素TFT121のドレイン電極88、ソース電極89、及びコンタクト電極80を形成する。
【0056】
続いて、各色の画素毎に対応する色のカラーフィルタ層24(R、G、B)を形成する。すなわち、スピンナーにより、赤色の顔料を分散させた紫外線硬化型アクリル樹脂レジストCR−2000(富士フィルムオーリン(株)製)を基板全面に塗布する。そして、このレジスト膜を、赤色画素に対応した部分に光が照射されるようなフォトマスクを介して365nmの波長で100mJ/cmの露光量で露光する。そして、このレジスト膜をKOHの1%水溶液で20秒間現像し、さらに水洗した後、焼成する。これにより、3.0μmの膜厚を有する赤色カラーフィルタ層24Rを形成する。
【0057】
続いて、同様の工程を繰り返すことにより、緑色の顔料を分散させた紫外線硬化型アクリル樹脂レジストCG−2000(富士フィルムオーリン(株)製)からなる3.4μmの膜厚を有する緑色カラーフィルタ層24G、青色の顔料を分散させた紫外線硬化型アクリル樹脂レジストCB−2000(富士フィルムオーリン(株)製)からなる4.0μmの膜厚を有する青色カラーフィルタ層24Bを形成する。
【0058】
これらのカラーフィルタ層24(R、G、B)の形成工程では、スルーホール26及びコンタクトホール81も同時に形成する。
【0059】
続いて、画素電極151を形成した後、赤色画素に所望のギャップを形成するための柱状スペーサ31を形成すると同時に表示領域周縁の遮光層SPを形成する。すなわち、スピンナーにより、例えば黒色顔料を20wt%添加した紫外線硬化性アクリル樹脂レジストNN600(JSR(株)製)を基板全面に所定の膜厚で塗布する。そして、この樹脂材料を90℃で10分間乾燥した後に、所定のパターン形状のフォトマスクを用いて365nmの波長で、100mJ/cmの露光量で露光する。そして、この樹脂材料をpH11.5のアルカリ水溶液にて現像し、200℃で60分間焼成する。
【0060】
これにより、遮光層SPを形成するとともに、最も膜厚の小さなカラーフィルタ層である赤色カラーフィルタ層24R上に底面が20μm×20μmの大きさを有するとともに約5.0μmの高さを有する柱状スペーサ31を形成する。このときに形成された柱状スペーサ31を走査型電子顕微鏡にて確認したところ、図6の(a)に示すように、良好な順テーパ形状となっており、しかも、その周辺の残渣が完全に消滅していた。
【0061】
なお、このときの黒色樹脂の現像溶解速度は、生産性を考慮して毎秒0.1μmとした。また、このときの現像工程のプロセスマージンは、10秒であることが確認された。
【0062】
続いて、基板全面に、垂直配向膜材料SE−7511L(日産化学工業(株)製)を塗布し、焼成し、配向膜13Aを形成する。
これにより、アレイ基板100が製造される。
【0063】
一方、対向基板200の製造工程では、まず、ガラス基板21上に対向電極22した後、基板全体に垂直配向膜材料SE−7511L(日産化学工業(株)製)を塗布し、焼成し、配向膜13Bを形成する。
これにより、対向基板200が製造される。
【0064】
液晶表示パネル10の製造工程では、シール部材106を液晶注入口32を残してアレイ基板100の外縁に沿って印刷塗布し、さらに、アレイ基板100から対向電極200に電圧を印加するための電極転移材をシール部材106の周辺の電極転移電極上に形成する。続いて、アレイ基板100の配向膜13Aと対向基板200の配向膜13Bとが互いに対向するようにアレイ基板100と対向基板200とを配置し、加熱してシール部材106を硬化させて両基板を貼り合わせる。続いて、MLC−2039(MERCK社製)などの液晶組成物を液晶注入口32から注入し、さらに液晶注入口32を封止部材33によって封止することによって液晶層300を形成する。
【0065】
以上のような製造方法によって液晶表示パネルが製造される。液晶表示装置における表示モードとしては、本実施形態の他に、例えばTN(ツイステッド ネマティック)モード、ST(スーパー ツイステッド ネマティック)モード、GH(ゲスト−ホスト)モード、ECB(電界制御複屈折)モード、強誘電性液晶などが適用可能である。
【0066】
このようにして製造したカラー液晶表示装置は、液晶層300を通過する光の主波長に応じて最大の透過率が得れるような所望のギャップを有するマルチギャップ構造を構成することができ、しかも、色視野角特性に優れ、良好な表示品位を得ることができる。
【0067】
しかも、マルチギャップ構造を支持するために、最もギャップの大きい画素に柱状スペーサを配置することにより、形成すべき柱状スペーサの高さが高くなる分だけ添加される黒色顔料濃度を低く抑えることができる。これにより、柱状スペーサが遮光層を形成する遮光性材料を用いて形成される場合、比較的厚い膜厚の感光性樹脂層から形成されるが、黒色顔料が低いため、深部まで架橋反応が進行して不溶化し、逆テーパ形状になりにくい。つまり、この感光性樹脂層の現像工程におけるプロセスマージンを十分に確保することができる。
【0068】
したがって、柱状スペーサ及び遮光層が同一工程にて同一材料で形成可能であるため、製造コストを低減することができるとともに、製造歩留まりを向上することができる。また、柱状スペーサの逆テーパ形状による支持強度の不足及び柱状スペーサの欠落を抑制することができ、ギャップ不良に起因した表示不良の発生を防止することができる。さらに、一方の基板側にカラーフィルタ層と柱状スペーサとを一体に形成したことにより、球状体または円柱状体のスペーサを用いたときに起こり得る課題を解消することができ、表示品位を改善することができる。
【0069】
なお、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々変更が可能である。以下に、この発明の他の実施の形態について説明する。なお、上述した実施の形態と同一の構成については、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
【0070】
すなわち、図7に示すように、他の実施の形態に係る液晶表示パネル10のアレイ基板100は、表示領域102において、ガラス基板などの透明な絶縁性基板11上に、マトリクス状に配置された複数の画素にそれぞれ対応して形成されたスイッチング素子すなわち画素TFT121、画素TFT121を含む表示領域102を覆って形成される絶縁層25、絶縁層25上に画素毎に配置されスルーホール26を介して画素TFT121に接続された画素電極151、及び複数の画素電極151全体を覆うように形成された配向膜13Aを備えている。
【0071】
対向基板200は、ガラス基板などの透明な絶縁性基板21上の表示領域102内において画素毎に割り当てられて形成されたカラーフィルタ層24(R、G、B)を備えている。また、対向基板200は、カラーフィルタ層24(R、G、B)上に形成されたすべての画素に共通の対向電極204、及びこの対向電極204を覆う配向膜13Bを有している。さらに、対向基板200は、周辺領域104において、表示領域102の周縁に沿って配置された遮光層SPを備えている。さらにまた、対向基板200は、最もギャップの大きい画素に配置されたカラーフィルタ層24R上にマルチギャップ構造に対応可能な柱状スペーサ31を備えている。
【0072】
上述したマルチギャップ構造について、さらに具体的に説明する。例えば、図7に示した構造において、赤色画素及び青色画素に着目する。
【0073】
すなわち、第1基板としての対向基板200は、赤色画素(第1画素)に対応して赤色カラーフィルタ層(第1カラーフィルタ層)24Rを有するとともに、青色画素(第2画素)に対応して青色カラーフィルタ層(第2カラーフィルタ層)24B及び柱状スペーサ31を有する。
【0074】
赤色カラーフィルタ層24Rは、第1膜厚を有し、青色カラーフィルタ層24Bは、第1膜厚より厚い第2膜厚を有する。柱状スペーサ31は、最も大きいギャップを有する画素として赤色画素のカラーフィルタ層24R上に配置され、アレイ基板100に接触してアレイ基板100と対向基板200との間に液晶層300を挟持するためのギャップを形成する。これによって、所望のマルチギャップが形成される。
【0075】
この柱状スペーサ31は、遮光層SPと同一工程にて同一材料によって形成されるため、製造工程数を削減することができる。したがって、このような構成の液晶表示装置においても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0076】
また、図8に示すように、他の実施の形態に係る液晶表示パネル10のアレイ基板100は、表示領域102において、ガラス基板などの透明な絶縁性基板11上に、マトリクス状に配置された複数の画素にそれぞれ対応して形成されたスイッチング素子すなわち画素TFT121、画素毎に割り当てられて形成されたカラーフィルタ層24(R、G、B)、カラーフィルタ層24(R、G、B)上に画素毎に配置されスルーホール26を介して画素TFT121に接続された画素電極151、及び複数の画素電極151全体を覆うように形成された配向膜13Aを備えている。
【0077】
対向基板200は、ガラス基板などの透明な絶縁性基板21上の表示領域102内において、すべての画素に共通の対向電極204、及びこの対向電極204を覆う配向膜13Bを有している。また、対向基板200は、カラーフィルタ層24R上に配置されるようマルチギャップ構造に対応可能な柱状スペーサ31(R、G、B)を備えている。
【0078】
上述したマルチギャップ構造について、さらに具体的に説明する。例えば、図8に示した構造において、赤色画素及び青色画素に着目する。
【0079】
すなわち、第1基板としてのアレイ基板100は、赤色画素(第1画素)に対応して赤色カラーフィルタ層(第1カラーフィルタ層)24Rを備えるとともに青色画素(第2画素)に対応して青色カラーフィルタ層(第2カラーフィルタ層)24Bを備えている。第2基板としての対向基板200は、赤色画素に対応して柱状スペーサ31を備えている。
【0080】
赤色カラーフィルタ層24Rは、第1膜厚を有し、青色カラーフィルタ層24Bは、第1膜厚より厚い第2膜厚を有する。柱状スペーサ31は、最も大きいギャップを有する画素として赤色画素のカラーフィルタ層24Rに接触してアレイ基板100と対向基板200との間に液晶層300を挟持するためのギャップを形成する。これによって、所望のマルチギャップが形成される。
【0081】
この柱状スペーサ31は、遮光層SPと同一工程にて同一材料によって形成されるため、製造工程数を削減することができる。したがって、このような構成の液晶表示装置においても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0082】
なお、図8に示した実施の形態では、アレイ基板100にカラーフィルタ層24(R、G、B)を形成し、対向基板200に柱状スペーサ31及び遮光層SPを形成したが、対向基板200にカラーフィルタ層24(R、G、B)を形成し、アレイ基板100に柱状スペーサ31及び遮光層SPを形成しても良い。
【0083】
また、上述した各実施の形態では、透過型液晶パネルを例に説明したが、反射型液晶パネルに適用した場合であっても上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0084】
(比較例)
図3を用いて説明した実施の形態に係る液晶表示装置において、黒色の柱状スペーサを緑色画素のカラーフィルタ層24G上のみに配置し、4.6μmの高さに形成するとともに、遮光層SPにおける遮光性を確保するために黒色顔料濃度を9%増加させる以外は全く同様に液晶表示装置を作製した。このような柱状スペーサを形成するに現像工程のプロセスマージンは、上述した実施の形態と比べて柱状スペーサの高さを0.4μm低くして、黒色顔料濃度を増加させたことによって3秒しか得られなかった。このときに形成された柱状スペーサを走査型電子顕微鏡にて確認したところ、図6の(b)に示すような逆テーパに起因した欠落や、図6の(c)に示すような逆テーパ形状が確認された。このようにして作製された液晶表示装置を評価したところ、局所的にギャップ不良を発生し、これに起因して表示不良を発生した。
【0085】
以上説明したように、この発明の液晶表示装置によれば、各画素において、色毎に所定の膜厚のカラーフィルタ層を形成し、カラーフィルタ層の膜厚の差を補償するような高さを有する柱状スペーサを形成したことにより、液晶層を通過する光の透過率が最大となるような所望のギャップを有するマルチギャップ構造を実現することができる。これにより、色別の視野角特性を向上することができ、表示品位を向上することができる。
【0086】
また、ギャップの異なる複数種類の画素のうち、最もギャップの大きい画素に柱状スペーサを配置することにより、遮光層を形成する遮光性樹脂材料を用いて柱状スペーサを形成した場合であっても、良好な順テーパ形状を形成することができ、十分な支持強度を確保することができる。また、遮光層及び柱状スペーサを同一工程において同一材料で形成することができ、製造コストを低減することができるとともに製造歩留まりを向上することができる。
【0087】
さらに、柱状スペーサ及び遮光層を同時に形成する場合において、柱状スペーサを最もギャップの大きい画素に配置する、すなわち、柱状スペーサの高さを高くすることは、遮光層の膜厚を厚くすることに対応する。遮光層の膜厚を厚くすることによって、遮光層として十分な光学濃度の遮光性を確保するために必要な黒色顔料濃度を低くすることができる。これにより、露光工程にて照射される光が感光性樹脂材料の深部まで到達しやすくなり、逆テーパ形状を形成しにくくすることができる。
【0088】
なお、この発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、安価で製造歩留まりが高く、しかも表示品位の優れた液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の液晶表示装置に適用される液晶表示パネルの構造を概略的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示した液晶表示パネルの構成を概略的に示す回路ブロック図である。
【図3】図3は、この発明の一実施の形態に係る液晶表示装置の構造を概略的に示す断面図である。
【図4】図4は、図3に示した液晶表示装置を構成するアレイ基板の構造を概略的に示す断面図である。
【図5】図5の(a)及び(b)は、黒色樹脂の膜厚及び黒色顔料濃度に対する現像工程におけるプロセスマージンを説明するための図である。
【図6】図6の(a)は、この実施の形態で形成される柱状スペーサの形状を示す図であり、図6の(b)及び(c)は、比較例で形成される柱状スペーサの形状を示す図である。
【図7】図7は、この発明の他の実施の形態に係る液晶表示装置の構造を概略的に示す断面図である。
【図8】図8は、この発明の他の実施の形態に係る液晶表示装置の構造を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
10…液晶表示パネル
24(R、G、B)…カラーフィルタ層
31…柱状スペーサ
100…アレイ基板
102…表示領域
200…対向基板
300…液晶層
PX…画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と第2基板との間に液晶層を挟持して構成された液晶表示装置において、
画像を表示する表示領域にマトリクス状に配置され、前記第1基板と前記第2基板との間に前記液晶層を挟持するためのギャップが異なる複数種類の画素と、
前記複数種類の画素のうち、最も大きいギャップを有する画素において前記ギャップを形成するために前記第1基板と前記第2基板との間に配置された柱状スペーサと、
前記表示領域周辺の周辺領域に配置され、前記表示領域の周縁に沿って額縁状に配置された遮光層と、を備え、
前記柱状スペーサ及び前記遮光層は、同一材料によって形成されたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記複数種類の画素は、前記液晶層を通過する光の主波長が異なり、
第1画素は、第1膜厚を有する第1色の第1カラーフィルタ層を備え、
第2画素は、第1膜厚より厚い第2膜厚を有する第2色の第2カラーフィルタ層を備え、
前記柱状スペーサは、前記第1カラーフィルタ層上に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記柱状スペーサ及び前記遮光層は、黒色樹脂によって形成されたことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1色の主波長は、前記第2色の主波長より長波長であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第1基板は、前記第1カラーフィルタ層及び前記第2カラーフィルタ層と、前記柱状スペーサとを備え、
前記柱状スペーサが前記第2基板に接触して前記ギャップを形成することを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1基板は、前記第1カラーフィルタ層及び前記第2カラーフィルタ層を備え、
前記第2基板は、前記柱状スペーサを備え、
前記柱状スペーサが前記第2カラーフィルタ層に接触して前記ギャップを形成することを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第1基板は、行方向に配列された走査線と、列方向に配列された信号線と、前記走査線と前記信号線との交差部近傍に配置されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子に接続されマトリクス状に配置された画素電極と、を備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記第1基板は、すべての画素に共通の対向電極を備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2004−219528(P2004−219528A)
【公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−4181(P2003−4181)
【出願日】平成15年1月10日(2003.1.10)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】